JP2020094074A - 粉体塗料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐候性に優れる塗膜を得られる粉体塗料を製造できる粉体塗料の製造方法を提供する。【解決手段】含フッ素重合体と含フッ素重合体以外の熱硬化性樹脂と顔料とを含む粉体塗料の製造方法であって、熱硬化性樹脂と顔料とを熱硬化性樹脂の溶融温度以上の温度で混練して予備混練物を得て、次いで予備混練物を冷却した後に粉砕して粉体を得て、次いで含フッ素重合体と粉体とを含フッ素重合体の溶融温度以上の温度で混練して混練物を得て、次いで混練物を用いて粉体塗料を得る、粉体塗料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、粉体塗料の製造方法に関する。
含フッ素重合体と含フッ素重合体以外の熱硬化性樹脂と硬化剤と他の成分とを含む粉体塗料は、含フッ素重合体を含む上層と該熱硬化性樹脂を含む下層とに二層分離した塗膜を形成することが知られている。特許文献1には、かかる粉体塗料の製造方法として、含フッ素重合体を含む粉体と、含フッ素重合体以外の熱硬化性樹脂および顔料を含む粉体とをドライブレンドする方法が記載されている。
国際公開2015/016185号パンフレット
しかし、特許文献1の粉体塗料を用いて形成された塗膜は、耐候性に改善の余地があった。本発明の課題は、耐候性に優れる塗膜を得られる粉体塗料を製造できる粉体塗料の製造方法の提供にある。
課題を解決するために本発明者が見出した発明の構成は、以下のとおりである。
[1] 含フッ素重合体と含フッ素重合体以外の熱硬化性樹脂と顔料とを含む粉体塗料の製造方法であって、熱硬化性樹脂と顔料とを熱硬化性樹脂の溶融温度以上の温度で混練して予備混練物を得て、次いで予備混練物を冷却した後に粉砕して粉体を得て、次いで含フッ素重合体と粉体とを含フッ素重合体の溶融温度以上の温度で混練して混練物を得て、次いで混練物を用いて粉体塗料を得る、粉体塗料の製造方法。
[2] 粉体塗料が更に硬化剤を含み、含フッ素重合体と粉体とを混練するとき、更に硬化剤も加えて混練する、[1]に記載の粉体塗料の製造方法。
[3] 粉体塗料が更に硬化剤を含み、熱硬化性樹脂と顔料とを混練するとき、更に硬化剤も加えて混練する、[1]または[2]に記載の粉体塗料の製造方法。
[4] 含フッ素重合体がフルオロオレフィンに基づく単位と架橋性基を有する単量体に基づく単位とを含む、熱硬化性含フッ素重合体である、[1]〜[3]のいずれかに記載の粉体塗料の製造方法。
[5] 含フッ素重合体がビニリデンフルオリドに基づく単位を含む熱可塑性含フッ素重合体である、[1]〜[3]のいずれかに記載の粉体塗料の製造方法。
[6] 粉体塗料が更に低汚染化剤を含み、含フッ素重合体と粉体とを混練するとき、更に低汚染化剤も加えて混練する、[1]〜[5]のいずれかに記載の粉体塗料の製造方法。
[7] 低汚染化剤が、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸エステル塩または硫酸エステル塩である[6]に記載の粉体塗料の製造方法。
[8] 熱硬化性樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂またはウレタン樹脂である、[1]〜[7]のいずれかに記載の粉体塗料の製造方法。
本発明によれば、耐候性に優れる塗膜を得られる粉体塗料を製造できる。
本明細書における用語の意味は以下の通りである。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」の総称である。
「(メタ)アクリレート」とは、「アクリルレート」および「メタクリレート」の総称である。
「単位」とは、単量体の重合により直接形成される原子団と、単量体の重合により形成される単位の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。重合体が含む全単位に対する、それぞれの単位の含有量(モル%)は、含フッ素重合体の製造に際して使用する成分の仕込み量から決定できる。
「質量平均分子量」および「数平均分子量」は、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値である。「質量平均分子量」は「Mw」ともいい、「数平均分子量」は「Mn」ともいう。
「ガラス転移温度」とは、示差走査熱量測定(DSC)法で測定される中間点ガラス転移温度である。「ガラス転移温度」は、「Tg」ともいう。
「結晶化度」とは、示差走査熱量計を用いて測定される、吸熱ピークと、測定対象試料と同種の重合体の結晶の融解熱量(文献値)から算出した値(%)である。
「融点」とは、示差走査熱量計を用い、昇温速度を5℃/分として、窒素雰囲気中で測定した値である。
「水酸基価」とは、JIS K 1557−1:2007に準じて測定される値である。
「酸価」とは、JIS K 0070:1992に準じて測定される値である。
「溶融温度」とは、示差走査熱量計を用いて測定される、重合体が溶融する温度である。
「平均粒子径」は、レーザー回折法を測定原理とした公知の粒度分布測定装置(Sympatec社製、商品名「Helos−Rodos」等。)を用いて測定される粒度分布より体積平均を算出して求められる値である。
本発明の粉体塗料の製造方法(以下、「本製造方法」という。)は 含フッ素重合体と、含フッ素重合体以外の熱硬化性樹脂と顔料とを含む粉体塗料の製造方法であって、熱硬化性樹脂と顔料とを熱硬化性樹脂の溶融温度以上の温度で混練して予備混練物を得て、次いで予備混練物を冷却し粉砕して粉体を得て、次いで含フッ素重合体と粉体とを含フッ素重合体の溶融温度以上の温度で混練して混練物を得て、次いで混練物を用いて粉体塗料を得る、粉体塗料の製造方法である。
本製造方法により得られる粉体塗料は、耐候性に優れた塗膜を形成できる。その理由は必ずしも明確ではないが、次のように考えられる。
熱硬化性樹脂と顔料とをあらかじめ溶融混練することで、顔料の熱硬化性樹脂への分散性が向上し、顔料は熱硬化性樹脂に包含されて空隙が少ない粉体(予備混練物)が得られる。ついで、該粉体と含フッ素重合体を溶融混練して調製される粉体塗料において、顔料は主として熱硬化性樹脂に包含されると考えられる。そのため、本製造方法により得られた粉体塗料が、含フッ素重合体を含む上層と熱硬化性樹脂を含む下層とに二層分離した塗膜を形成する場合、顔料が下層により均一に存在するだけでなく、空隙の少ない下層が形成されると考えられる。よって、本製造方法により得られた粉体塗料から形成される塗膜は、顔料が上層に存在することによる塗膜の劣化や、空隙の存在により誘引される酸素や水分等の吸着による塗膜の劣化が生じにくく、耐候性に優れていると考えられる。
なお、本明細書において耐候性とは、実施例に記載した方法により評価できる塗膜の物性を意図する。
本製造方法において、熱硬化性樹脂と顔料との混練に用いる装置としては、1軸押出機、2軸押出機および遊星ギア等が挙げられる。重合体や樹脂の形態は、粉末またはペレットが好ましい。
熱硬化性樹脂と顔料とを混練する温度は、熱硬化性樹脂の溶融温度以上であり、300℃以下が好ましい。混練する時間は通常1〜60分である。熱硬化性樹脂と顔料とを混練する際、含フッ素重合体以外の、後述する他の成分を一緒に混練してもよい。
なお、硬化剤は、熱硬化性樹脂と顔料と一緒に混練されてもよく、含フッ素重合体および粉体と一緒に混練されてもよい。硬化剤がいずれで混練されたとしても、耐衝撃性および表面平滑性に優れる塗膜を形成する粉体塗料が得られる。また、粉体塗料に顔料および硬化剤以外の成分を含ませる場合、該成分は、熱硬化性樹脂と顔料とを混練する際に必要量の全量を混練してもよいし、一部を混練してもよい。一部を混練する場合には、該成分の残りは、後述する粉体と含フッ素重合体との混練の際に混練してもよい。
予備混練物は、含フッ素重合体と混練される前に冷却される。冷却後の予備混練物の温度は、40℃以下が好ましい。冷却速度は、顔料の分散性の観点から、2℃/分〜30℃/分が好ましい。なお、冷却方法としては、空冷が挙げられる。
冷却後の予備混練物は、ピンミル、ハンマーミル、および、ジェットミル等で粉砕するのが好ましい。粉砕された予備混練物の平均粒子径は、20〜100μmが好ましい。
予備混練物の粉体は、含フッ素重合体の溶融温度以上の温度で、含フッ素重合体と混練される。この際、後述する他の成分を一緒に混練してもよい。
混練に用いる装置は、すでに説明した熱硬化性樹脂と顔料との混練に用いる装置と同様である。粉体と含フッ素重合体とを混練する温度は、含フッ素重合体の溶融温度以上であり、250℃以下が好ましい。混練する時間は、通常1〜60分である。
混練によって得られた混練物は、冷却されてもよい。冷却後の混練物の温度は40℃以下が好ましい。冷却速度は、塗膜の二層分離の観点から1℃/分〜25℃/分が好ましい。なお、冷却方法としては、空冷等が挙げられる。
冷却後の混練物を、ピンミル、ハンマーミル、およびジェットミル等で粉砕し、粉砕された混練物を用いて粉体塗料を得るのが好ましい。なお、粉砕された混練物を、そのまま粉体塗料として用いることもできる。粉体塗料の平均粒子径は、20〜50μmが好ましい。粉体塗料の平均粒子径を調整するために、粉砕された混練物は、更に分級されてもよい。分級方法としては、篩い分け、および、空気分級法等が挙げられる。分級する場合、粒子径が10μm未満の粒子、または粒子径が100μm超の粒子が除去されるのが好ましく、両方の粒子が除去されるのがより好ましい。
本製造方法における含フッ素重合体は、フルオロオレフィンに基づく単位(以下、「単位F」ともいう。)を含むのが好ましい。含フッ素重合体は、フルオロオレフィン以外のフッ素原子を含む単量体に基づく単位、または、フッ素原子を含まない単量体に基づく単位を含んでもよい。
フルオロオレフィンは、水素原子の1個以上がフッ素原子で置換されたα−オレフィンである。フルオロオレフィンは、フッ素原子で置換されていない水素原子の1個以上が塩素原子で置換されていてもよい。
フルオロオレフィンとしては、粉体塗料から形成される塗膜(以下、「本塗膜」ともいう。)の耐候性に優れる観点から、ビニリデンフルオリド、クロロトリフルオロエチレンおよびテトラフルオロエチレンが好ましい。また、フルオロオレフィンは、1種を単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本製造方法における含フッ素重合体としては、単位Fと架橋性基を有する単量体(以下、「単量体C」ともいう。)に基づく単位(以下、「単位C」ともいう。)とを含む熱硬化性含フッ素重合体、および、ビニリデンフルオリドに基づく単位を含む熱可塑性含フッ素重合体が好ましい。また、フルオロオレフィンは、1種を単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性含フッ素重合体における単位Fの含有量は、含フッ素重合体が含む全単位に対して、20〜70モル%が好ましく、40〜60モル%が特に好ましい。
熱硬化性含フッ素重合体における単位Cの含有量は、本塗膜の耐傷性および耐汚染性の観点から、含フッ素重合体が含む全単位に対して、1〜40モル%が好ましく、3〜25モル%がより好ましく、5〜15モル%が特に好ましい。
単量体Cが有する架橋性基は、防汚性、耐水性、耐酸性および耐アルカリ性の観点から、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基またはエポキシ基が好ましく、顔料の分散性と本塗膜の平滑性の観点から、ヒドロキシ基またはカルボキシ基がより好ましく、ヒドロキシ基が特に好ましい。
熱硬化性含フッ素重合体がヒドロキシ基を有する単量体を含む熱硬化性含フッ素重合体である場合、本塗膜の層間密着性の観点から、該熱硬化性含フッ素重合体の水酸基価は、5〜100mgKOH/gが好ましく、10〜80mgKOH/gがより好ましい。
単量体Cの具体例としては、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシシクロアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエステル、ヒドロキシシクロアルキルビニルエステル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエステルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。
単量体Cは、1種を単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性含フッ素重合体は、更に、Tgの観点から、炭素数3〜9の3級炭素原子を有するアルキル基または炭素数4〜10のシクロアルキル基を側鎖に有する単量体(以下、「単量体T」ともいう。)に基づく単位(以下、「単位T」ともいう。)を含むのが好ましい。なお、単量体Tは、フッ素原子および架橋性基のいずれも含まない。
該アルキル基および該シクロアルキル基の具体例としては、tert−ブチル基、ネオノニル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、4−シクロヘキシルシクロヘキシル基、1−デカヒドロナフチル基が挙げられる。
単量体Tは、ビニルエーテル、アリルエーテル、ビニルエステルまたはアリルエステルであって、炭素数3〜9の3級炭素原子を有するアルキル基または炭素数4〜10のシクロアルキル基を側鎖に有する単量体が好ましい。
単量体Tの具体例としては、シクロヘキシルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエステル、ネオノナン酸ビニルエステルが挙げられる。単量体Tは、1種を単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、熱硬化性含フッ素重合体における単位Tの含有量は、本塗膜の耐候性の観点から、熱硬化性含フッ素重合体が含む全単位に対して、10〜45モル%が好ましく、12〜40モル%がより好ましく、15〜35モル%が特に好ましい。
熱硬化性含フッ素重合体は、更に、単位F、単位Cおよび単位T以外の単位(単量体F、単量体Cおよび単量体T以外の単量体(以下、「単量体H」ともいう。)に基づく単位(以下、「単位H」ともいう。)を含んでいてもよい。
単量体Hの具体例としては、アルキルビニルエーテル、アルキルアリルエーテル、カルボン酸のビニルエステルおよびカルボン酸のアリルエステルが挙げられる。
単量体Hは、1種を単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
単位Hの含有量は、熱硬化性含フッ素重合体が含む全単位に対して、0〜50モル%が好ましく、0〜30モル%がより好ましい。
熱硬化性含フッ素重合体の単位F、単位C、単位T、単位Hのそれぞれの含有量は、熱硬化性含フッ素重合体が含む全単位に対して、それぞれこの順に、20〜70モル%、1〜40モル%、10〜45モル%、0〜50モル%であるのが好ましい。
熱硬化性含フッ素重合体のMwは、本塗膜の、耐水性および平滑性の観点から、5000〜100000が好ましく、10000〜80000がより好ましい。
熱硬化性含フッ素重合体のTgは、本塗膜の耐汚染性と粉体塗料の耐ブロッキング性との観点から、35〜150℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。
熱可塑性含フッ素重合体における、ビニリデンフルオリドに基づく単位の含有量は、特に限定されず、通常75〜100モル%である。
熱可塑性含フッ素重合体は、ポリビニリデンフルオリド(以下、「PVDF」とも記す。)が好ましく、結晶化度が、35%以下のPVDFが好ましく、結晶化度が12〜30%のPVDFが特に好ましい。上記範囲の結晶化度のPVDFを含む粉体塗料は、耐薬品性、耐熱性、加工性(折り曲げ加工性等)に優れる塗膜を形成できる。
熱可塑性含フッ素重合体の融点は、本塗膜の表面平滑性の観点から、150℃超が好ましく、151℃〜180℃がより好ましい。
熱可塑性含フッ素重合体のMwは、100000〜500000が好ましく、150000〜450000が特に好ましい。熱可塑性含フッ素重合体のMwが上記範囲内であれば、本塗膜が割れにくく、本塗膜の基材への密着性に優れる。その結果、本塗膜の折り曲げ加工性に更に優れる。熱可塑性含フッ素重合体のMwが上記下限値以上であれば、混練物を粉砕しやすい。
本製造方法における、含フッ素重合体以外の熱硬化性樹脂(以下、「熱硬化性樹脂」ともいう。)は、本塗膜の形成過程で、含フッ素重合体と分離して二層構造を形成しやすい観点から、含フッ素重合体と非相溶な熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂は、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂またはウレタン樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂は、1種を単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
熱硬化性樹脂は、基材密着性の観点、および、本塗膜の二層分離の観点から、ポリエステル樹脂または(メタ)アクリル樹脂がより好ましく、ポリエステル樹脂が特に好ましい。なお、本明細書において、熱硬化性樹脂とは、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エポキシ基、アミノ基等の架橋性基を有する熱硬化性樹脂を意図する。
ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸化合物に基づく単位と多価アルコール化合物に基づく単位がエステル結合で連結した構造を含む。ポリエステル樹脂は、カルボン酸単位とアルコール単位以外の単位として、ヒドロキシカルボン酸化合物に基づく単位等を含んでもよい。
ポリエステル樹脂は、粉体塗料の、溶融粘度および溶融温度の観点から、直鎖状のポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂は、25℃にて固体状であり、軟化点が100〜150℃であるのが好ましい。
ポリエステル樹脂のMnおよびMwは、粉体塗料の溶融粘度の観点から、Mnが5000以下かつMwが6000〜20000であるのが好ましく、Mnが5000以下かつMwが6000〜10000であるのがより好ましい。
ポリエステル樹脂が有する架橋性基は、本塗膜の耐水性、耐アルカリ性および耐酸性の観点から、ヒドロキシ基またはカルボキシ基がより好ましく、ヒドロキシ基が特に好ましい。
ポリエステル樹脂の水酸基価は、20〜100mgKOH/gが好ましく、30〜80mgKOH/gがより好ましい。
ポリエステル樹脂の酸価は、1〜80mgKOH/gが好ましく、3〜50mgKOH/gがより好ましい。
ポリエステル樹脂の具体例としては、日本サイテックインダストリーズ社製の「CRYLCOAT(登録商標) 4642−3」、「CRYLCOAT(登録商標) 4890−0」、日本ユピカ社製の「GV−250」、「GV−740」、「GV−175」が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸に基づく単位または(メタ)アクリレートに基づく単位と架橋性基とを有するのが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂のTgは、30〜60℃が好ましい。Tgが30℃以上だと、よりブロッキングしにくい。Tgが60℃以下だと、本塗膜の表面平滑性により優れる。
(メタ)アクリル樹脂がカルボキシ基を有する場合、(メタ)アクリル樹脂の酸価は、150〜400mgKOH/gが好ましい。上記範囲で、粉体塗料における顔料の分散性と、本塗膜の耐湿性とが特に優れる。同様の理由で、エポキシ基等の他の架橋性基を有する場合、架橋性基当たりの分子量(エポキシ当量等)は、300〜800が好ましい。
(メタ)アクリル樹脂の具体例としては、DIC社製の「ファインディック(登録商標) A−249」、「ファインディック(登録商標) A−251」、「ファインディック(登録商標) A−266」、三井化学社製の「アルマテックス(登録商標) PD6200」、「アルマテックス(登録商標) PD7310」、三洋化成工業社製の「サンペックス PA−55」が挙げられる。
エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を2以上含む化合物である。硬化性エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル等のグリシジルオキシ基を有する芳香族化合物等が好ましい。
エポキシ樹脂の具体例としては、三菱化学社製の「エピコート(登録商標) 1001」、「エピコート(登録商標) 1002」、「エピコート(登録商標) 4004P」、DIC社製の「エピクロン(登録商標) 1050」、「エピクロン(登録商標) 3050」、新日鉄住金化学社製の「エポトート(登録商標) YD−012」、「エポトート(登録商標) YD−014」、ナガセケムテックス社製の「デナコール(登録商標) EX−711」、ダイセル社製の「EHPE3150」が挙げられる。
ウレタン樹脂は、ポリオール(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、プロピレングリコール等)とイソシアネート化合物との混合物、または、該混合物を反応させて得られる樹脂であり、粉体のポリオール(アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール)と粉体のイソシアネートとの混合物が好ましい。
本製造方法における顔料としては、光輝顔料、防錆顔料、着色顔料および体質顔料が挙げられ、光輝顔料が好ましい。顔料は、1種を単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
顔料としては、国際公開2015/016185号の0081〜0088段落に記載の顔料を使用でき、該記載の顔料は、本明細書に組み込まれる。
顔料としては、酸化チタンを含む無機顔料が好ましい。酸化チタンを含む無機顔料は、高温多湿地域において、光触媒反応を進行させやすい。光触媒反応は、水分と紫外線によって促進される。本製造方法により得られる粉体塗料は、前述したとおり、熱硬化性樹脂への顔料の分散性が高く、顔料は熱硬化性樹脂に密に包含されるため、熱硬化性樹脂と顔料を含む層に空隙が少ない。そのため、該層に水分が入り込みにくく、熱硬化性樹脂が光触媒反応で劣化しにくい。
酸化チタンを含む無機顔料としては、光触媒反応がより進行しにくくなる表面処理がなされた酸化チタンを含む無機顔料が好ましく、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セレン、ポリオール等により表面処理された酸化チタン顔料が好ましく、これらの表面処理によって、酸化チタン含有量が83〜90質量%に調整されている無機顔料が特に好ましい。該範囲において、光輝顔料である酸化チタンによる本塗膜の白色度と本塗膜の耐候性とが優れる。
酸化チタンを含む無機顔料の具体例としては、石原産業社製の「タイペーク(登録商標) PFC105」(酸化チタン含有量:87質量%)、「タイペーク(登録商標) CR95」(酸化チタン含有量:90質量%)、堺化学社製の「D918」(酸化チタン含有量:85質量%)、デュポン社製の「Ti−Pure(登録商標) R960」(酸化チタン含有量:89質量%)、「Ti−Select(登録商標)」(酸化チタン含有量:90質量%)が挙げられる。
本発明における粉体塗料は、硬化剤を含むのが好ましい。
硬化剤は、熱硬化性含フッ素重合体または熱硬化性樹脂が有する架橋性基と反応し得る基を2以上有する化合物であるのが好ましい。硬化剤は、該反応し得る基を、1分子あたり、通常2〜30有する。
架橋性基がヒドロキシ基である場合、硬化剤は、イソシアナート基を2以上有する化合物またはブロック化イソシアナート基を2以上有する化合物が好ましい。
イソシアナート基を2以上有する化合物の具体例としては、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート等の脂環族ポリイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等の脂肪族ポリイソシアナート、および、これらの変性体が挙げられる。
ブロック化イソシアナート基を2以上有する化合物の具体例としては、ジイソシアナート(トリレンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンイソホロンジイソシアナート、ダイマー酸ジイソシアナート、リジンジイソシアナート等)と活性水素を有する化合物とを反応させ、さらにブロック化剤を反応させて得られる化合物が挙げられる。
活性水素を有する化合物の具体例としては、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソシアヌレート、ウレチジオン、ヒドロキシ基を有する低分子量ポリエステル、ポリカプロラクトンが挙げられる。
ブロック剤の具体例としては、アルコール、フェノール、ラクタム、オキシムが挙げられる。
本発明における粉体塗料は、低汚染化剤を含むのが好ましい。
低汚染化剤とは、本塗膜を形成する際に、塗膜の表面に親水性を付与し得る化合物である。低汚染化剤は、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸エステル塩または硫酸エステル塩が好ましい。これらの塩は、炭素数2以上の化合物であるのが好ましい。また、これらの塩は、アンモニウム塩またはナトリウム塩であるのが好ましい。
スルホン酸塩の具体例としては、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルエステルスルホン酸塩、アルキルジエステルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、多環フェニルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、スルホカルボン酸エステル塩、スルホカルボン酸ジエステル塩が挙げられる。
カルボン酸塩の具体例としては、脂肪酸塩、ジカルボン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸が挙げられる。
リン酸エステル塩の具体例としては、アルキルリン酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、ジアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩が挙げられる。
スルホン酸エステル塩の具体例としては、アルキルエーテルスルホン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸エステル塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルスルホン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールエーテルスルホン酸エステル塩が挙げられる。
低汚染化剤は、粉体塗料の成分、特に含フッ素重合体との親和性が高く、塗膜表面の防汚性に優れる観点から、アルキルベンゼンスルホン酸塩またはスルホカルボン酸エステル塩が好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸塩が特に好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸塩のアルキル部分は、本塗膜の表面への配向性の観点から、炭素数2〜20の直鎖アルキルが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸塩のスルホン酸塩は、スルホン酸アンモニウムまたはスルホン酸ナトリウムが好ましい。
低汚染化剤の含有量は、本塗膜の表面平滑性に優れる観点から、粉体塗料の全質量に対して、0.010〜3.0%が好ましく、0.10〜2.0%がより好ましく、0.10〜1.9%が特に好ましい。
粉体塗料は、粉体塗料の全質量に対して、含フッ素重合体を5〜40質量%、熱硬化性樹脂を20〜60質量%、顔料を20〜50質量%および硬化剤を5〜20質量%含むのが好ましく、含フッ素重合体を5〜20質量%、熱硬化性樹脂を30〜45質量%、顔料を30〜40質量%および硬化剤を5〜15質量%含むのがより好ましい。
含フッ素重合体の含有量が5質量%以上、または熱硬化性樹脂の含有量が60質量%以下だと、本塗膜の耐候性に優れる。含フッ素重合体の含有量が40質量%以下、または熱硬化性樹脂の含有量が20質量%以上だと、本塗膜の基材密着性に優れる。
顔料の含有量が20質量%以上だと、本塗膜の光沢に優れる。顔料の含有量が50質量%以下だと、本塗膜の耐水性に優れる。
硬化剤の含有量が5質量%以上だと、本塗膜の硬化性に優れる。硬化剤の含有量が20質量%以下だと、本塗膜の表面平滑性に優れる。
本発明における粉体塗料は、上記以外の成分を含んでもよい。上記以外の成分の具体例としては、紫外線吸収剤、撥水撥油剤、硬化触媒、つや消し剤、界面活性剤、レベリング剤、表面調整剤、脱ガス剤、充填剤、熱安定剤、増粘剤、分散剤、帯電防止剤、防錆剤、シランカップリング剤、非含フッ素重合体(熱硬化性樹脂を除く。)が挙げられる。
なお、上記のその他の成分は、予備混練物を得る際に併せて混練されてもよいし、混練物を得る際に混練されてもよい。
粉体塗料を基材に塗装して、基材上に粉体塗料の溶融物からなる塗膜を形成できる。塗装においては、含フッ素重合体の溶融物から形成される上層(含フッ素重合体を含む上層)と、熱硬化性樹脂の溶融物から形成される下層(熱硬化性樹脂を含む下層)とが形成され、粉体塗料が硬化剤を含む場合には、溶融物の硬化が進行する。基材は、アルミニウム、鉄、および、マグネシウム等の金属類が好ましい。基材の形状、および、サイズ等は、用途に応じて定められる。
粉体塗料の溶融物からなる塗膜は、基材への粉体塗料の塗装と同時に形成してもよく、基材に粉体塗料の粉体を付着させた後に基材上で粉体を加熱溶融させて形成してもよい。
粉体塗料が加熱溶融されるとほぼ同時に、組成物中の反応成分の硬化反応が開始するため、粉体塗料の加熱溶融と基材への付着はほぼ同時に行うか、粉体塗料の基材への付着の後に粉体塗料の加熱溶融を行うのが好ましい。
粉体塗料を加熱して溶融し、その溶融状態を所定時間維持するための加熱温度と加熱維持時間は、粉体塗料の原料成分の種類や組成、所望する塗膜の膜厚等により適宜設定される。加熱温度は、硬化剤の反応温度に応じて設定され、硬化剤がブロック化ポリイソシアネートである場合には、通常170〜210℃である。加熱維持温度は、通常5〜120分である。
以下に実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は、以下に示す実施例により限定的に解釈されない。
(合成例1)
オートクレーブ内に、キシレン(503g)、エタノール(142g)、クロロトリフルオロエチレン(387g)、シクロヘキシルビニルエーテル(326g)、ヒドロキシブチルビニルエーテル(84.9g)、炭酸カリウム(12.3g)、およびtert−ブチルペルオキシピバレートの50質量%キシレン溶液(20mL)を導入して昇温し、65℃で11時間重合した。続いて、オートクレーブ内溶液をろ過し、含フッ素重合体1を含む溶液を得た。
該溶液を、65℃にて24時間真空乾燥し、更に130℃にて20分間真空乾燥して得られるブロック状の含フッ素重合体を粉砕して、粉末状の含フッ素重合体1を得た。
含フッ素重合体1は、クロロトリフルオロエチレンに基づく単位、シクロヘキシルビニルエーテルに基づく単位、ヒドロキシブチルビニルエーテルに基づく単位をこの順に50モル%、39モル%、11モル%含む重合体であった。含フッ素重合体1のTgは52℃であり、Mwは45500であった。
(合成例2)
オートクレーブに、CFCFOCFCFOCFCOONH(3g)を含む水溶液(600g)、ビニリデンフルオリド(40g)、アセトン(1.2g)および過硫酸アンモニウム(0.3g)を投入し、65℃にて36時間重合した。なお、重合中、ビニリデンフルオリドの総添加量が、180gになるようビニリデンフルオリドを連続的に添加した。オートクレーブ内溶液から含フッ素重合体を析出させ、含フッ素重合体を25℃のイオン交換水(1000mL)で3回洗浄し、さらに150℃にて12時間乾燥させて、粉末状の含フッ素重合体2を得た。
含フッ素重合体2は、ビニリデンフルオリドの単独重合体であり、結晶化度は20%であり、融点は175℃であり、Mwは250000であった。
(例1)
下表1の例1(a)に記載のポリエステル樹脂、顔料等の成分を、高速ミキサを用いて30分間混合し、2軸押出機を用いて、120℃のバレル設定温度にて混練して予備混練物を得た。続いて、該予備混練物を冷却して得られたペレットを、粉砕機を用いて25℃で粉砕して粉体を得た。
次に、該粉体と、下表1の例1(b)に記載の含フッ素重合体等の成分とを、高速ミキサを用いて30分間混合して混合物を得た。該混合物を、2軸押出機を用いて、バレル設定温度120℃にて混練した後、冷却してペレットを得た。続いて、該ペレットを、25℃にて粉砕し、さらに150メッシュのふるいを用いて分級し、平均粒子径が約40μmの粉体塗料1を得た。
(例2〜例5)
粉体塗料の成分を、下表1の例2および例3のように変更する以外は、製造例1と同様にして、粉体塗料2と粉体塗料3とをそれぞれ得た。
(例6)
粉体塗料の成分を、下表1の例4のように変更し、高速ミキサを用いて30分間混合し、2軸押出機を用いて混練した後に冷却してペレットを得た。得られたペレットを粉砕し、さらに150メッシュのふるいを用いて分級し、平均粒子径が約40μmの粉体塗料4を得た。
(試験片の作製)
静電塗装機を用い、クロメート処理されているアルミニウム板の一面に各粉体塗料をそれぞれ静電塗装し、200℃の雰囲気中で20分間保持して、塗膜付きアルミニウム板(膜厚55〜65μm)を得た。得られた、それぞれの塗膜付きアルミニウム板を試験片として、後述の評価に供した。
(塗膜の二層分離)
試験片を切断し、塗膜の断面を下記測定条件で走査電子顕微鏡によって断面観察し、下記基準で判定した。
<測定条件>
試験機:日本電子社製、JSM−5900LV、
加速電圧:20kV、
倍率:10000倍、
測定前処理:日本電子社製オートファインコーター、JFC−1300による、20mA、45秒の白金コート。
<判定基準>
A:含フッ素重合体層とポリエステル樹脂層との界面が確認された。
B:含フッ素重合体層とポリエステル樹脂層との界面が確認されたが、不明瞭であった。
C:含フッ素重合体層とポリエステル樹脂層との界面が確認されなかった。
(塗膜の耐候性)
キセノンウェザーメーター(スガ試験機社製)を用い、含フッ素重合体層が剥離するまでの時間を測定した。なお、通常は水を噴霧するが、水の代わりに1質量%過酸化水素水を用いて試験を行った。
<試験条件>
相対湿度:70%RH、
温度:50℃、
光源:80W/m(波長:300〜400nm)。
<判定基準>
A:300時間超で剥離が初めて生じた。
B:100時間超、300時間以下で剥離が初めて生じた。
C:100時間以下で剥離が初めて生じた。
(塗膜の低汚染性)
それぞれの試験片について、試験片に対する水の静的接触角を測定して低汚染性を判定した。
試験片の表面に直径1〜2mmの純水を滴下し、着滴30秒後の液滴をビデオカメラで撮影して画像解析した。液滴の端点と頂点を結ぶ直線の、試験片に対する角度の2倍を静的接触角の値とした。
A:試験片に対する水の静的接触角が50度以下である。
B:試験片に対する水の静的接触角が50度超80度以下である。
C:試験片に対する水の静的接触角が80度超である。
(塗膜の表面平滑性)
PCI(パウダーコーティングインスティチュート)により平滑性目視判定用標準板を用いて判定した。標準板は、1〜10の10枚あり、数字が大きくなるにしたがい、表面平滑性に優れる。
A:PCIが3以上である。
B:PCIが2である。
C:PCIが1である。
表1中の各数値は、質量部を表す。
表1中、各成分の詳細は以下のとおりである。
・ポリエステル樹脂:CRYLCOAT(登録商標)4890−0(ダイセル・オルネクス社製、Mn:2500、軟化点:120℃)
・硬化剤:ブロック化イソシアネート系硬化剤(デグサ社製、ベスタゴン(商品名)B1530)
・低汚染化剤:NANSA(登録商標) HS90/S(HUNTSMAN社製、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
・表面調整剤:ビックケミー社製、BYK−360P(商品名)
・硬化触媒:ジブチルスズジラウレート
・脱ガス剤:ベンゾイン
・顔料:酸化チタン(デュポン社製、Ti−Pure R960(商品名)、酸化チタン含有量:89質量%)

Claims (8)

  1. 含フッ素重合体と前記含フッ素重合体以外の熱硬化性樹脂と顔料とを含む粉体塗料の製造方法であって、
    前記熱硬化性樹脂と顔料とを前記熱硬化性樹脂の溶融温度以上の温度で混練して予備混練物を得て、次いで前記予備混練物を冷却した後に粉砕して粉体を得て、次いで前記含フッ素重合体と前記粉体とを前記含フッ素重合体の溶融温度以上の温度で混練して混練物を得て、次いで前記混練物を用いて粉体塗料を得る、ことを特徴とする粉体塗料の製造方法。
  2. 前記粉体塗料が更に硬化剤を含み、前記含フッ素重合体と前記粉体とを混練するとき、更に前記硬化剤も加えて混練する、請求項1に記載の粉体塗料の製造方法。
  3. 前記粉体塗料が更に硬化剤を含み、前記熱硬化性樹脂と前記顔料とを混練するとき、更に前記硬化剤も加えて混練する、請求項1または2に記載の粉体塗料の製造方法。
  4. 前記含フッ素重合体が、フルオロオレフィンに基づく単位と架橋性基を有する単量体に基づく単位とを含む熱硬化性含フッ素重合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉体塗料の製造方法。
  5. 前記含フッ素重合体が、ビニリデンフルオリドに基づく単位を含む熱可塑性含フッ素重合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の粉体塗料の製造方法。
  6. 前記粉体塗料が更に低汚染化剤を含み、前記含フッ素重合体と前記粉体とを混練するとき、更に前記低汚染化剤も加えて混練する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の粉体塗料の製造方法。
  7. 前記低汚染化剤が、スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸エステル塩または硫酸エステル塩である、請求項6に記載の粉体塗料の製造方法。
  8. 前記熱硬化性樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂またはウレタン樹脂である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の粉体塗料の製造方法。
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