JP2020093922A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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真理子 内田
哲矢 森田
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哲矢 森田
貴史 荒川
Takashi Arakawa
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Abstract

【課題】給送ローラと圧板と戻し爪との動作タイミングの精度を向上させたシート給送装置を提供する。【解決手段】画像形成装置1に搭載されるシート給送装置は、ピックアップローラ28と、分離ローラ29と、圧板38を有するMPトレイ27と、シートSを分離ローラ29よりシート搬送方向上流側に戻す戻し爪31と、ピックアップローラ28に駆動力を伝達する給送ギヤ32と、モータ4からの駆動力によって回転するセクタギヤ33と、圧板38を変位させる駆動力を伝達する第1カム34と、戻し爪31を変位させる駆動力を伝達する第2カム35と、セクタギヤ33と第1カム34と第2カム35とを支持し、セクタギヤ33の回転によって回転する回転軸部36を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、シート給送装置及びそれを備えた画像形成装置に関する。
従来からレーザプリンタ等の画像形成装置において、シートを供給するシートトレイの積載量を増やす観点や積載量の変化によって給送ローラに掛かる給送圧のばらつきを軽減するために、シートを圧板で支持して昇降させる圧板機構が用いられている。また、分離ローラの分離不良によるシートの重送を防ぐために、2枚目以降のシートを戻し爪でシートトレイ側へ戻す戻し爪機構が用いられている。
上記の圧板機構及び戻し爪機構は、シートの給送性能や分離性能を総合的に向上させるために用いられているが、一箇所に複数の機構を搭載するために駆動系統が複雑になる問題がある。そのため、例えば特許文献1には、1つの回転軸部に圧板を昇降させるためのカムと戻し爪を移動させるためのカムとを設けることにより、圧板と戻し爪との動作タイミングを精度良く制御することが開示されている。
特開2001−233473号公報
しかしながら、特許文献1では、回転軸部と給送ローラとは独立して駆動されている。つまり、給送ローラの駆動・非駆動のタイミングと、圧板及び戻し爪の動作タイミングとを精度良く制御することについては考慮されていない。よって、シートの給送性能や分離性能をさらに向上させる余地がある。このような状況は、画像形成装置だけではなく原稿搬送装置などシート給送装置を有する構成においても同様である。
本発明は、給送ローラと圧板と戻し爪との動作タイミングの精度を向上させたシート給送装置を提供することを目的とする。また、そのシート給送装置を備えた画像形成装置を提供することも目的とする。
本発明のシート給送装置は、搬送経路にシートを給送する給送ローラと、前記給送ローラのシート搬送方向下流側に配置され、前記給送ローラから給送されるシートを分離する分離ローラと、シートを支持し、前記給送ローラに対してシートを圧接させる供給位置と、前記給送ローラからシートを離間させる非供給位置との間で変位可能な圧板を有するシートトレイと、前記搬送経路外に位置する退避位置と、前記搬送経路内に突出して前記分離ローラで分離されなったシートの先端部に当接する突出位置と、前記突出位置よりシート搬送方向上流側であってシートを前記分離ローラよりシート搬送方向上流側に戻す戻し位置とに変位可能な戻し爪と、前記給送ローラに駆動力を伝達する給送ギヤと、前記給送ギヤに噛合する噛合領域と、前記給送ギヤに噛合しない非噛合領域とを有し、駆動源からの駆動力によって回転するセクタギヤと、前記圧板を変位させる駆動力を伝達する第1カムと、前記戻し爪を変位させる駆動力を伝達する第2カムと、前記セクタギヤと前記第1カムと前記第2カムとを支持し、前記セクタギヤの回転によって回転する回転軸部と、を備える。
上記の構成によれば、給送ローラに繋がるセクタギヤと、圧板に繋がる第1カムと、戻し爪に繋がる第2カムとを同一の回転軸部に設ける機械的な構成によって、セクタギヤと第1カムと第2カムとの回転のずれがなくなる。
本発明によれば、セクタギヤと第1カムと第2カムとの回転のずれをなくすことで、給送ローラと圧板と戻し爪との動作タイミングの精度を向上させることができる。
一実施形態の画像形成装置の中央断面図である。 MP給送機構の要部を示す前面側斜視図である。 MP給送機構の要部を示す背面側斜視図である。 MP給送機構の圧板及びその駆動機構を示す背面側斜視図である。 MP給送機構の戻し爪及びその駆動機構を示す背面側斜視図である。 図4の左側面図である。 図4のA−A断面図である。 図5のB−B断面図である。 MP給送機構の戻し爪周辺の断面図である。 MP給送機構のタイミングチャートである。 MP給送機構の戻し爪周辺の断面図である。
以下の説明では、図1に示すように画像形成装置1が使用可能に設置された状態を基準とし、マルチパーパストレイ(以下、MPトレイと記す)27を設けた側を前、その反対側を後とし、画像形成装置1を前側から見て左右方向を規定し、さらに画像形成装置1の排出トレイ82側を上、その反対を下とし、各方向を定める。
[画像形成装置の全体構成]
図1は画像形成装置1の中央断面図である。画像形成装置1は、筐体2と、シート給送装置を構成する部材の一例としての供給ユニット3と、モータ4と、画像形成部の一例としての画像形成ユニット5と、排出ユニット8とを備えている。
供給ユニット3は、画像形成装置1の下部及び前部に配置され、供給ユニット3に保持されるシートSを画像形成ユニット5に搬送するものである。画像形成ユニット5は、供給ユニット3よりもシートSの搬送方向下流側に配置され、供給ユニット3から搬送されてきたシートSに画像を形成するものである。排出ユニット8は、画像形成ユニット5よりもシートSの搬送方向下流側に配置され、画像形成ユニット5により画像が形成されたシートSを画像形成装置1の外部へ排出するものである。
供給ユニット3は、画像形成装置1の下部にシートカセット10と、給送機構20と、搬送ローラ24と、レジストローラ25とを備え、画像形成装置1の前部に前面カバー90と、MP給送機構26とを備えている。
シートカセット10は筐体2の下部に形成されるシートカセット装着部2Bに着脱可能に装着されている。シートカセット10は、シートカセット装着部2Bに対して、前方から後方へ向けて挿入することによりシートカセット装着部2Bに装着され、装着位置に位置することとなる。また、シートカセット10は、シートカセット装着部2Bに対して、後方から前方へ向けて引き出すことにより、装着位置から引出位置に位置することとなる。
シートカセット10は、複数枚のシートSを支持可能なカセット本体11と、カセット本体11に配置されシートSが積載されるとともにシートSを上下方向に変位可能な圧板12と、圧板12を上昇させるための圧板上昇部材13とを有する。
圧板12は回動支点12Aで回動可能に支持されており、上下方向に変位することが可能となっている。圧板上昇部材13はモータ4により駆動されることで先端部が上昇する。圧板上昇部材13の上昇によって圧板12が持ち上げられ、圧板12上に積載されているシートSが図1に示すような給送可能位置まで上昇させられる。
給送機構20はシートカセット10に積載されるシートSを一枚ずつ分離して取り出し、搬送ローラ24へ向けて搬送する機構である。給送機構20は、ピックアップローラ21と、分離ローラ22と、分離パッド23とを備えている。
ピックアップローラ21は圧板12により給送可能位置まで上昇されたシートSを取り出すためのローラであり、圧板12の上方に配置されている。分離ローラ22はピックアップローラ21よりもシートSの搬送方向下流側に配置されており、分離パッド23は分離ローラ22に対向配置されるとともに分離ローラ22に向けて付勢されている。
ピックアップローラ21により取り出されたシートSは分離ローラ22側へ送り出され、分離ローラ22と分離パッド23との間で1枚ずつに分離され、搬送ローラ24に向けて搬送される。
搬送ローラ24はシートSに搬送力を付与するローラであり、給送機構20よりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。給送機構20から搬送ローラ24に搬送されてきたシートSは、レジストローラ25へ向けて搬送される。
レジストローラ25は搬送ローラ24よりもシートSの搬送方向下流側に配置されている。レジストローラ25は搬送されるシートSの先端の移動を規制して一旦停止させた後、所定のタイミングにて転写位置に向けて搬送する。
筐体2の前面にはシートSのジャム処理のため、あるいは画像形成ユニット5を交換するために第1開口部2Aが形成されている。第1開口部2Aには下端部を支点として開閉可能な前面カバー90が取り付けられている。前面カバー90の前面にはシートSを供給するための第2開口部90Aが形成されている。第2開口部90Aには下端部を支点として開閉可能なMPトレイ27が取り付けられている。MPトレイ27は、第2開口部90Aを覆う収納位置と、第2開口部90Aを開放する使用位置(図1に示す位置)との間で回動可能である。MPトレイ27は使用位置において複数枚のシートSを支持可能である。
MP給送機構26は、MPトレイ27に支持されるシートSを一枚ずつ分離して取り出し、レジストローラ25へ向けて搬送する機構である。MP給送機構26は、MPトレイ27と、給送ローラの一例としてのピックアップローラ28と、分離ローラ29と、リタードローラ30と、戻し爪31とを備えている。
ピックアップローラ28はMPトレイ27に支持されるシートSを取り出すためのローラである。分離ローラ29はピックアップローラ28よりもシート搬送方向下流側に配置されており、リタードローラ30は分離ローラ29に対向配置されるとともに分離ローラ29に向けて付勢されている。
戻し爪31は、リタードローラ30の左右両側にそれぞれ配置されている。戻し爪31は、搬送経路外に位置する退避位置(図11参照)と、搬送経路内に突出して分離ローラ29で分離されなったシートSの先端部に当接する突出位置と、突出位置よりシート搬送方向上流側であってシートSを分離ローラ29よりシート搬送方向上流側に戻す戻し位置(図9参照)とに変位可能である。
ピックアップローラ28により取り出されたシートSは分離ローラ29側へ送り出され、分離ローラ29とリタードローラ30との間で1枚ずつに分離され、レジストローラ25に向けて搬送される。このとき、重送されたシートSは戻し爪31によってMPトレイ27側へ戻される。
画像形成ユニット5は、供給ユニット3から搬送されてきたシートSの表面に画像を転写するプロセスカートリッジ50と、プロセスカートリッジ50の感光体ドラム54の表面を露光する露光ユニット60と、プロセスカートリッジ50によりシートSに転写された画像を定着させる定着ユニット70とを備えている。
プロセスカートリッジ50は筐体2におけるシートカセット装着部2Bよりも上方に配置されている。プロセスカートリッジ50は、現像剤収容室51と、供給ローラ52と、現像ローラ53と、感光体ドラム54と、転写ローラ55とを備えている。
現像剤収容室51には現像剤となるトナーが収容されている。現像剤収容室51に収容されたトナーは、図示しない撹拌部材により撹拌されながら供給ローラ52に送られる。供給ローラ52は現像剤収容室51から送られてくるトナーをさらに現像ローラ53へ供給する。
現像ローラ53は供給ローラ52に密着して配置されており、供給ローラ52から供給されたトナーを担持する。また、現像ローラ53には、図示しないバイアス印加手段により現像バイアスが印加される。
感光体ドラム54は現像ローラ53に隣接して配置されている。感光体ドラム54の表面は図示しない帯電器により一様に帯電された後、露光ユニット60により露光される。感光体ドラム54の露光された部分は他の部分よりも電位が低くなり、感光体ドラム54に画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体ドラム54の表面に、帯電されたトナーが現像ローラ53から供給されることにより、静電潜像が顕像化されて現像剤像となる。
転写ローラ55は感光体ドラム54に対向配置され、図示しないバイアス印加手段により転写バイアスが印加される。転写ローラ55の表面に転写バイアスがされている状態で、現像剤像が形成された感光体ドラム54と転写ローラ55との間(転写位置)でシートSを挟持しなから搬送することにより、感光体ドラム54の表面に形成された現像剤像がシートSの表面に転写される。
露光ユニット60は、レーザダイオードと、ポリゴンミラーと、レンズと、反射鏡とを備えており、画像形成装置1に入力された画像データに基づいてレーザ光を感光体ドラム54へ向けて照射することにより、感光体ドラム54の表面を露光する。
定着ユニット70は、加熱ローラ71と、押圧ローラ72とを備えている。加熱ローラ71はモータ4からの駆動力により回転駆動され、加熱ローラ71は図示しない電源から電力を供給することで加熱される。押圧ローラ72は加熱ローラ71に対向配置されており、加熱ローラ71に密着して従動回転する。現像剤像が転写されたシートSが定着ユニット70に搬送されてくると、加熱ローラ71と押圧ローラ72との間でシートSを挟持しながら搬送し、シートSに現像剤像を定着させる。
排出ユニット8は、排出ローラ81と、排出トレイ82と、排出口83とを備えている。排出ローラ81は一対のローラであり、定着ユニット70から搬送されてくるシートSを筐体2の外部へ向けて排出する。排出トレイ82は筐体2の上面に形成されており、排出トレイ82には排出ローラ81により排出口83から筐体2の外部に排出されたシートSが堆積される。
[MP給送機構の構成]
図2はMP給送機構26の要部を示す前面側斜視図、図3はMP給送機構26の要部を示す背面側斜視図、図4はMP給送機構26の圧板及びその駆動機構を示す背面側斜視図、図5はMP給送機構26の戻し爪及びその駆動機構を示す背面側斜視図である。図6は図4の左側面図、図7は図4のA−A断面図、図8は図5のB−B断面図、図9はMP給送機構26の戻し爪周辺の断面図である。
MP給送機構26は、上述したMPトレイ27と、ピックアップローラ28と、分離ローラ29と、リタードローラ30と、戻し爪31とに加え、図2及び図3に示すように、給送ギヤ32と、セクタギヤ33と、左右一対の第1カム34と、左右一対の第2カム35と、回転軸部36と、ソレノイド37とを備えている。
また、MP給送機構26は、図4に示すように、圧板38と、左右一対の第1レバー39と、左右一対の第1ばね40とを備えている。また、MP給送機構26は、図5に示すように、左右一対の第2レバー41と、第3レバー42と、左右一対の第2ばね43とを備えている。
図2及び図3に示すように、給送ギヤ32は、セクタギヤ33に噛合するとともに、ピックアップローラ28に繋がるギヤ列に噛合し、セクタギヤ33からの駆動力をピックアップローラ28に伝達するギヤである。
セクタギヤ33は、回転軸部36に固定され、モータ4からの駆動力によって矢印R方向に回転するギヤである。図4に示すように、セクタギヤ33は、給送ギヤ32に噛合する噛合領域33Aと、給送ギヤ32に噛合しない非噛合領域33Bとを有する。噛合領域33Aが給送ギヤ32に噛合しているときにはモータ4からの駆動力が給送ギヤ32に伝達され、ピックアップローラ28が回転する。一方、非噛合領域33Bが給送ギヤ32に対向しているときには、モータ4からの駆動力が給送ギヤ32に伝達されない。また、給送ギヤ32が自在に回転可能となり、ピックアップローラ28は正転方向及び逆転方向に自在に回転可能となる。
第1カム34は、回転軸部36に固定され、セクタギヤ33の回転によって回転するカムである。第1カム34は、外周面に第1レバー39に当接する第1カム面34Aを有し、圧板38を変位させる駆動力を第1レバー39に伝達する。
図5に示すように、第2カム35は、回転軸部36に固定され、セクタギヤ33の回転によって回転するカムである。第2カム35は、外周面に第2レバー41に当接する第2カム面35Aを有し、戻し爪31を変位させる駆動力を第2レバー41に伝達する。
図3に示すように、回転軸部36は、セクタギヤ33と第1カム34と第2カム35とを支持し、セクタギヤ33の回転によって回転する軸部である。ソレノイド37は、セクタギヤ33を掛止する掛止爪37Aを掛止位置と離間位置とに変位させる部材である。掛止爪37Aが掛止位置にあるときセクタギヤ33の回転は規制され、掛止爪37Aが掛止位置から離間位置に変位することによってセクタギヤ33が回転開始する。
圧板38は、MPトレイ27に設けられ、MPトレイ27が使用位置にあるときに複数枚のシートSを支持可能な板状部材である。図4に示すように、圧板38の左右前端部には、MPトレイ27に回動可能に支持される圧板回動軸部38Aが形成されている。また、圧板38の左右後端部には、第1レバー39に揺動可能に支持される圧板揺動軸部38Bが形成されている。これにより、圧板38は、圧板揺動軸部38Bが上昇してピックアップローラ28に対してシートSを圧接させる供給位置と、圧板揺動軸部38Bが下降してピックアップローラ28からシートSを離間させる非供給位置との間で変位可能である。
第1レバー39は、第1カム面34Aに当接するとともに、圧板揺動軸部38Bを支持し、第1カム34からの駆動力を圧板38に伝達する部材である。第1レバー39は、第1当接部39Aと、第1回動軸部39Bと、第1レバー部39Cとを有する。第1当接部39Aは、先端が第1カム面34Aに当接するJ字型の部分である。第1回動軸部39Bは、第1当接部39Aの上端から左右方向内側へ延び、筐体2に回動可能に支持される部分である。第1レバー部39Cは、MPトレイ27が使用位置にあるときの後端が第1回動軸部39Bに固定され、前端が圧板揺動軸部38Bを支持する部分である。第1ばね40は、下端が第1レバー部39Cに掛合し、上端が筐体2に掛合する引張ばねであり、第1レバー部39Cを上向きに付勢する。
このような第1レバー39及び第1ばね40によれば、第1当接部39Aが第1カム面34Aに沿って案内されることにより、第1当接部39A及び第1レバー部39Cが第1回動軸部39Bを中心に一体的に揺動する。これにより、第1レバー部39Cが圧板38を供給位置と非供給位置との間で上下に揺動させる。
図5に示すように、第2レバー41は、第2カム面35Aに当接し、第2カム35からの駆動力を第3レバー42に伝達する部材である。第2レバー41は、第2当接部41Aと、第2回動軸部41Bと、第2レバー部41Cとを有する。第2当接部41Aは、先端が第2カム面35Aに当接するJ字型の部分である。第2回動軸部41Bは、第2当接部41Aの下端から左右方向内側へ延び、筐体2に回動可能に支持される部分である。第2レバー部41Cは、第2回動軸部41Bの内側端から前上方へ延び、第3レバー42を下方から支持する部分である。
第3レバー42は、第2レバー部41Cに当接し、第2レバー41からの駆動力及び第2ばね43の付勢力によって戻し爪31を変位させる部材である。第3レバー42は、第3当接部42Aと、第3レバー部42Bと、第3回動軸部42Cと、戻し爪31とを有する。第3当接部42Aは、左右方向に延びる円柱状のボスであり、外周面が第2レバー部41Cに当接する。第3レバー部42Bは、第3当接部42Aの一端から前方へ延びる部分である。第3回動軸部42Cは、第3レバー部42Bの前端から左右方向内側へ延び、筐体2に回動可能に支持される部分である。戻し爪31は、第3回動軸部42Cの内側端から前上方へ延びる部分である。第2ばね43は、上端が第3回動軸部42Cに掛合し、下端が筐体2に掛合する引張ばねであり、第3当接部42Aが第2レバー部41Cに当接する方向に付勢されるように、第3回動軸部42Cを付勢する。
このような第2レバー41、第3レバー42及び第1ばね40によれば、第2当接部41Aが第2カム面35Aに沿って案内されることにより、第2当接部41A及び第2レバー部41Cが第2回動軸部41Bを中心に一体的に揺動する。これにより、第3当接部42Aが第2レバー部41Cに当接しながら変位し、第3レバー部42B及び戻し爪31が第3回動軸部42Cを中心に一体的に揺動する。つまり、戻し爪31は、退避位置と突出位置と戻し位置との間で変位する。
上記のMP給送機構26の構成によれば、ピックアップローラ28に繋がるセクタギヤ33と、圧板38に繋がる第1カム34と、戻し爪31に繋がる第2カム35とを同一の回転軸部36に設けることによって、セクタギヤ33と第1カム34と第2カム35との回転のずれがなくなり、ピックアップローラ28と圧板38と戻し爪31との動作タイミングの精度を向上させることができる。
ここで、ピックアップローラ28と圧板38と戻し爪31との好ましい動作タイミングについて説明する。まず、ピックアップローラ28と圧板38との動作タイミングについては、MPトレイ27からシートSの給送を開始するとき、ピックアップローラ28に駆動力が伝達される前に圧板38を供給位置に上昇させてシートSがピックアップローラ28に圧接されるようにする。これにより、シートSの斜行を抑制し、安定してシートSを給送することができる。
このような動作タイミングを実現するため、図6及び図7に示すように、第1カム34の形状を、セクタギヤ33の回転中に非噛合領域33Bが給送ギヤ32に対向している区間において、圧板38を非給送位置から給送位置へ変位させる形状とする。
次に、圧板38と戻し爪31との動作タイミングについては、圧板38によるピックアップローラ28へのシートSの圧接が開放されてから、退避位置にある戻し爪31を突出位置を介して戻し位置まで動作させるようにする。これにより、重送されたシートSをピックアップローラ28に引っ掛からずに圧板38へ向けてスムーズに戻すことができる。
このような動作タイミングを実現するため、図8に示すように、第2カム35の形状を、第1カム34が圧板38を給送位置から非給送位置へ向かって変位開始させた後、戻し爪31を退避位置から戻し位置へ向かって変位開始させる形状とする。
なお、上記の構成において、図9に示すように、戻し位置にある戻し爪31の先端部は、給送位置(図9に二点鎖線で示す位置)にある圧板38のシート搬送方向下流側(後側)の端部よりもシート搬送方向上流側(前側)に位置することが好ましい。この構成により、戻し位置にある戻し爪31の先端部が圧板38と重なる位置に到達するため、重送されたシートSを確実に圧板38まで戻すことができる。
[MP給送機構の動作]
図10はMP給送機構26のタイミングチャートである。図10ではセクタギヤ33が1回転する間の各部材の動作を示している。まず、ソレノイド37がオフであり、係止爪37Aが掛止位置にあり、セクタギヤ33が停止している状態において、第1カム34及び第2カム35は駆動力を伝達しない非伝達位置にあり、セクタギヤ33の非噛合領域33Bが給送ギヤ32に対向してピックアップローラ28及び分離ローラ29は回転自在な状態にあり、図9に示すように、戻し爪31は戻し位置にあり、圧板38は非供給位置にある。
この状態からソレノイド37がオンになると、係止爪37Aが離間位置に変位してセクタギヤ33が回転開始する。セクタギヤ33の回転によって回転軸部36が回転することで第1カム34及び第2カム35も回転開始する。その後、第2カム35が駆動力を伝達する伝達位置まで回転して第2レバー41の第2当接部41Aを押す。これにより、第2レバー41が回動し、戻し爪31が戻し位置から退避位置に向かって移動開始する。
続いて、第1カム34が伝達位置まで回転して第1レバー39の第1当接部39Aを押す。これにより、第1レバー39が回動し、圧板38が非供給位置から供給位置に向かって移動開始する。そして、圧板38の移動中に戻し爪31が退避位置に到達し、続いて圧板38が供給位置に到達し、図11に示す状態となる。これは、圧板38上にシートSが数枚程度積載されている場合であり、その枚数が増えれば、圧板38は戻し爪31が退避位置に到達する前に供給位置に到達する。
そして、圧板38が供給位置にある状態において、セクタギヤ33の噛合領域33Aが給送ギヤ32に噛合し、ピックアップローラ28及び分離ローラ29が回転開始する。これにより、圧板38上のシートSがピックアップローラ28によって給送され、分離ローラ29によって分離される。
その後、セクタギヤ33の非噛合領域33Bが給送ギヤ32に対向してピックアップローラ28への駆動供給が停止し、ピックアップローラ28は搬送中のシートSによって回転させられる状態となる。セクタギヤ33の非噛合領域33Bが給送ギヤ32に対向すると、第1カム34が第1レバー39の第1当接部39Aから離れていき、第1レバー39が第1ばね40の付勢力によって回動し、圧板38が供給位置から非供給位置に向かって移動開始する。
その後、圧板38が非供給位置に到達すると、第1カム34は非伝達位置に到達し、圧板38は非供給位置に保持される。第1カム34が非伝達位置に到達すると、第2カム35は第2レバー41の第2当接部41Aから離れていき、第3レバー42が第2ばね43の付勢力によって回動し、戻し爪31が退避位置から戻し位置に向かって移動開始する。
そして、戻し爪31の移動中に分離ローラ29への駆動供給が停止し、分離ローラ29は搬送中のシートSによって回転させられる状態となる。分離ローラ29への駆動供給が停止した後、戻し爪31が突出位置に到達し、戻し爪31は戻し位置に移動しながら重送されたシートSを圧板38へ向けて戻す。そして、セクタギヤ33の1回転が終了するとき、第2カム35が非伝達位置に到達し、戻し爪31が戻し位置に到達し、重送されたシートSは圧板38へ戻される。
[その他]
上記の実施形態では本発明のシート給送装置をMP給送機構26に適用した例について説明したが、本発明のシート給送装置はシートカセット10とその給送機構20に適用することもできる。
[実施形態の効果]
上記の画像形成装置1に搭載されるシート給送装置は、搬送経路にシートSを給送するピックアップローラ28と、ピックアップローラ28のシート搬送方向下流側に配置され、ピックアップローラ28から給送されるシートSを分離する分離ローラ29とを備える。またシート給送装置は、シートSを支持し、ピックアップローラ28に対してシートSを圧接させる供給位置と、ピックアップローラ28からシートSを離間させる非供給位置との間で変位可能な圧板38を有するMPトレイ27を備える。またシート給送装置は、搬送経路外に位置する退避位置と、搬送経路内に突出して分離ローラ29で分離されなったシートSの先端部に当接する突出位置と、突出位置よりシート搬送方向上流側であってシートSを分離ローラ29よりシート搬送方向上流側に戻す戻し位置とに変位可能な戻し爪31を備える。またシート給送装置は、ピックアップローラ28に駆動力を伝達する給送ギヤ32と、給送ギヤ32に噛合する噛合領域33Aと、給送ギヤ32に噛合しない非噛合領域33Bとを有し、モータ4からの駆動力によって回転するセクタギヤ33とを備える。またシート給送装置は、圧板38を変位させる駆動力を伝達する第1カム34と、戻し爪31を変位させる駆動力を伝達する第2カム35とを備える。またシート給送装置は、セクタギヤ33と第1カム34と第2カム35とを支持し、セクタギヤ33の回転によって回転する回転軸部36を備える。
この構成によれば、ピックアップローラ28に繋がるセクタギヤ33と、圧板38に繋がる第1カム34と、戻し爪31に繋がる第2カム35とを同一の回転軸部36に設けることによって、セクタギヤ33と第1カム34と第2カム35との回転のずれをなくすことで、ピックアップローラ28と圧板38と戻し爪31との動作タイミングの精度を向上させることができる。
また上記のシート給送装置によれば、セクタギヤ33の回転中に非噛合領域33Bが給送ギヤ32に対向している区間において、第1カム34は、圧板38を非給送位置から給送位置へ変位させる。
この構成によれば、シートSの給送を開始するとき、ピックアップローラ28に駆動力が伝達される前にMPトレイ27上のシートSがピックアップローラ28に圧接される。よって、シートSの斜行を抑制し、安定してシートSを給送することができる。
また上記のシート給送装置によれば、第1カム34が圧板38を給送位置から非給送位置へ向かって変位開始させた後、第2カム35が戻し爪31を退避位置から戻し位置へ向かって変位開始させる。
この構成によれば、圧板38によるピックアップローラ28へのシートSの圧接が開放されてから戻し爪31を動作させることにより、重送されたシートSをピックアップローラ28に引っ掛からずにスムーズに戻すことができる。
また上記のシート給送装置によれば、戻し位置にある戻し爪31の先端部は、給送位置にある圧板38のシート搬送方向下流側の端部よりもシート搬送方向上流側に位置する。
この構成によれば、戻し位置にある戻し爪31の先端部が圧板38と重なる位置に到達するため、重送されたシートSを確実に圧板38まで戻すことができる。
また上記の画像形成装置1は、側面に第2開口部90Aを有する筐体2を備え、MPトレイ27は、第2開口部90Aを覆う収納位置と、第2開口部90Aを開放する使用位置との間で回動可能に筐体2に設けられる。
1 画像形成装置
2 筐体
4 モータ(駆動源)
27 MPトレイ(シートトレイ)
28 ピックアップローラ(給送ローラ)
29 分離ローラ
31 戻し爪
32 給送ギヤ
33 セクタギヤ
33A 噛合領域
33B 非噛合領域
34 第1カム
35 第2カム
36 回転軸部
38 圧板
90A 第2開口部(開口部)
S シート

Claims (6)

  1. 搬送経路にシートを給送する給送ローラと、
    前記給送ローラのシート搬送方向下流側に配置され、前記給送ローラから給送されるシートを分離する分離ローラと、
    シートを支持し、前記給送ローラに対してシートを圧接させる供給位置と、前記給送ローラからシートを離間させる非供給位置との間で変位可能な圧板を有するシートトレイと、
    前記搬送経路外に位置する退避位置と、前記搬送経路内に突出して前記分離ローラで分離されなったシートの先端部に当接する突出位置と、前記突出位置よりシート搬送方向上流側であってシートを前記分離ローラよりシート搬送方向上流側に戻す戻し位置とに変位可能な戻し爪と、
    前記給送ローラに駆動力を伝達する給送ギヤと、
    前記給送ギヤに噛合する噛合領域と、前記給送ギヤに噛合しない非噛合領域とを有し、駆動源からの駆動力によって回転するセクタギヤと、
    前記圧板を変位させる駆動力を伝達する第1カムと、
    前記戻し爪を変位させる駆動力を伝達する第2カムと、
    前記セクタギヤと前記第1カムと前記第2カムとを支持し、前記セクタギヤの回転によって回転する回転軸部と、を備えることを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記セクタギヤの回転中に前記非噛合領域が前記給送ギヤに対向している区間において、前記第1カムは、前記圧板を前記非給送位置から前記給送位置へ変位させることを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  3. 前記第1カムが前記圧板を前記給送位置から前記非給送位置へ向かって変位開始させた後、前記第2カムが前記戻し爪を前記退避位置から前記戻し位置へ向かって変位開始させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシート給送装置。
  4. 前記戻し位置にある前記戻し爪の先端部は、前記給送位置にある前記圧板のシート搬送方向下流側の端部よりもシート搬送方向上流側に位置することを特徴とする請求項3に記載のシート給送装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載のシート給送装置と、
    搬送されるシートに画像を形成する画像形成部と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
  6. 側面に開口部を有する筐体を備え、
    前記シートトレイは、前記開口部を覆う収納位置と、前記開口部を開放する使用位置との間で回動可能に前記筐体に設けられることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
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