JP2020092961A - 高所作業支援器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業者が装着しているハーネス型安全帯の命綱連結用環状金具に命綱が連結可能で、しかも、作業者が肩甲骨を左右方向へ動かすような動作を無理なく行える装着性に優れた高所作業支援器具を提供する。【解決手段】作業者Mが上げた上腕部Maを支持して上腕部Maにかかる負荷を軽減するための身体装着用の高所作業支援器具であって、上腕部Maを支持するアーム部材2と、アーム部材2が取着されると共に作業者Mの背部Mbに配設される背ベース部材1と、を備え、背ベース部材1は、作業者Mの肩部Mkに向かって伸びる左右一対の上方延伸片部1k,1kを備え、作業者Mが装着しているハーネス型安全帯8の命綱連結用環状金具81を露出させるためのV字状乃至U字状の逃がし部1vを、左右一対の上方延伸片部1k,1kをもって形成した。【選択図】図2

Description

本発明は、高所作業支援器具に関する。
従来、作業者が上腕部を上げた姿勢で作業を行う際に、上腕部を支持して上腕部にかかる負荷を軽減する上半身装着用の作業支援器具があった(例えば、特許文献1参照)。
また、建設現場や解体工事現場の仮設足場等の高所で作業を行う場合は、ハーネス型安全帯(例えば、特許文献2参照)を装着し、作業者の背部に配設されるD環金具等の命綱連結用環状金具に、親綱や子綱等の命綱と連結する必要があった。
特開2014−113666号公報 特開2014−233463号公報
しかし、従来の作業支援器具は、背パッドや背フレーム等の背ベース部材が邪魔になって、ハーネス型安全帯の命綱連結用環状金具に命綱を連結できないといった問題があった。つまり、高所作業の場合は使用できなかった。
さらに、作業者が左右の肩甲骨を接近・離間させるような動作を行うと、背ベース部材が肩部や肩甲骨の動きを規制して、動きにくいといった問題や、つっぱり感や不快感を与えてしまうといった問題もあった。
そこで、本発明は、作業者が装着しているハーネス型安全帯の命綱連結用環状金具に命綱を容易に連結可能で、しかも、作業者が肩甲骨を動かすような動作を無理なく行える装着性に優れた高所作業支援器具の提供を目的とする。
本発明の高所作業支援器具は、作業者が上げた上腕部を支持して該上腕部にかかる負荷を軽減するための身体装着用の高所作業支援器具であって、上記上腕部を支持するアーム部材と、該アーム部材が取着されると共に上記作業者の背部に配設される背ベース部材と、を備え、上記背ベース部材は、上記作業者の肩部に向かって伸びる左右一対の上方延伸片部を備え、上記作業者が装着しているハーネス型安全帯の命綱連結用環状金具を露出させるためのV字状乃至U字状の逃がし部を、左右一対の上記上方延伸片部をもって形成したものである。
また、上記背ベース部材は、上記作業者の背部に当接する布状体と、上記布状体の後面に取着される弾性板状体と、を備え、さらに、上記弾性板状体は後方弯曲凸状であり、該弾性板状体の後面には上記アーム部材が取着されているものである。
本発明によれば、作業者が装着しているハーネス型安全帯の命綱連結用環状金具に、命綱を容易かつ迅速に連結することができる。従って、作業者の上腕部を上げた状態に保持する支援を、高所で行うことができる。高所作業者の肉体的負担を軽減できると共に、安全を確保できる。作業者が左右の肩甲骨を接近・離間させるような動作を、容易に無理なく行え、装着性に優れる。高所での作業を安全に行えると共に、作業者が上腕部や肩部をスムーズに違和感なく動かせて、楽に作業を行える。
本発明の高所作業支援器具の実施の一形態を示す使用状態の斜視図である。 使用状態の一例を示す背面斜視図である。 正面図である。 背面図である。 後ろ上方から見た斜視図である。 布状体の一例を示す背面図である。 弾性板状体の一例を示す背面図である。 布状体と弾性板状体の組付準備状態の背面図である。 布状体と弾性板状体の組付準備状態の断面側面図である。 布状体と弾性板状体の組付状態の背面図である。 布状体と弾性板状体の組付状態の断面側面図である。 ハーネス型安全帯の装着状態の一例を示す背面斜視図である。 支援器具装着状態の一例を示す背面斜視図である。
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
本発明に係る高所作業支援器具は、図1に示すように、建設現場や解体工事現場の仮設足場等の高所で作業する作業者Mが上げた上腕部Maを支持して、その上腕部Maにかかる負荷(上腕部Maの負担)を軽減するための身体装着用である。
図1乃至図5に示すように、作業者Mの上腕部Maを支持するための左右一対のアーム部材2,2と、各アーム部材2の基端部2bが取着されると共に作業者Mの背部Mbに配設される背ベース部材1と、背ベース部材1に垂下状に取着される連結杆3と、連結杆3の下端部3bに取着されると共に作業者Mの腰部に配設される腰ベース部材4と、を備え、作業者Mの上半身に装着される。
背ベース部材1は、作業者Mの背部Mbに前面が当接する布状体11と、布状体11の後面11bに取着される弾性板状体12と、を備えている。
図6に示すように、布状体11は、幅広の基部11dから上方突出状に左右一対に設けた延伸片部11k,11kを有する略Y字状である。布状体11は、基部11dの下縁部に左右一対の上方開口状の下ポケット部11e,11eを有し、延伸片部11kの上端部に下方開口状の上ポケット部11fを有している。そして、左右一対の延伸片部11k,11kをもって(一対の延伸片部11k,11kの間に)、V字状乃至U字状の逃がし部11vを形成し、各延伸片部11kの上端部乃至上下中間部が独立状(個別)に揺動可能である。
布状体11は、主として合成樹脂繊維製のメッシュ状布材16で形成され、多数の通気孔(メッシュ孔)を有している。より具体的には、ベース材としてのメッシュ状布材16と、メッシュ状布材16の縁部に縫着して補強する縁巻部材17と、メッシュ状布材16の後面に縫着され下ポケット部11eを形成する人工皮革や天然皮革等の(メッシュ状布材16よりも)厚手の下ポケット用布生地材18と、メッシュ状布材16の後面に縫着され上ポケット部11fを形成する人工皮革や天然皮革等の(メッシュ状布材16よりも)厚手の上ポケット用布生地材19と、で形成している。
布状体11は、作業者Mの背部Mbの形状に沿って当接しやすく、密着性を高めながらも、メッシュ構造であるため通気性に優れ、蒸れ等の不快感を軽減する。
図7に示すように、弾性板状体12は、幅広状の基部12dから上方突出状に左右一対に設けた延伸片部12k,12kを有すると共に、基部12dから下方突出状に左右一対に設けた垂下片部12e,12eを有する略H字状である。そして、弾性板状体12は、左右一対の延伸片部12k,12kをもって(一対の延伸片部12k,12kの間に)、V字状乃至U字状の逃がし部12vを形成し、各延伸片部12kの上端部乃至上下中間部が独立状に揺動(弾性変形)可能である。
弾性板状体12は、樹脂製の板材であり、繊維強化プラスチック(FRP)製とするのが好ましい。特に、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製とするのが、軽量でありながらも、強度と弾性に優れて好ましい。弾性板状体12は、アーム部材2や連結杆3からの荷重(負荷)を受けることが可能な十分な強度を有しながらも、作業者Mが動作しやすいように弾性変形も可能である。また、軽量であり長時間装着しても作業者Mへの負担が少ない。
図8と図9に示すように、布状体11の後面11b側に、弾性板状体12を配設し、図10と図11に示すように、布状体11の各上ポケット部11fに弾性板状体12の各延伸片部12kの上端部を下方から差込状に収納すると共に、布状体11の各下ポケット部11eに弾性板状体12の各垂下片部12eの下端部を上方から差込み状に収納して、布状体11の逃がし部11vと弾性板状体12の逃がし部12vを対応させ、布状体11に張りを付与すると共に、弾性板状体12を後方弯曲凸状に保持して、背ベース部材1を形成する。
つまり、背ベース部材1は、布状体11の基部11dと弾性板状体12の基部12dで形成されるベース基部1dと、布状体11の一対の延伸片部11k,11kと弾性板状体12の一対の延伸片部12k,12で形成される左右一対の上方延伸片部1k,1kとを有している。そして、背ベース部材1は、左右一対の上方延伸片部1k,1kをもって(一対の上方延伸片部1k,1kの間に)、V字状乃至U字状の逃がし部1vを形成している。
言い換えると、背ベース部材1の逃がし部1vは、布状体11の逃がし部11vと、弾性板状体12の逃がし部12vとによって、形成されている。
このように、布状体11と弾性板状体12の組み合わせによって背ベース部材1を形成しているので、張りのある布状体11が、作業者Mの背部Mbの形状に沿って密着し位置ズレを防止できる。また、布状体11と弾性板状体12の間に空間部15が形成され、作業者Mが背部Mbを丸めるような姿勢になっても、背骨等に硬い部材が接触せず、違和感や圧迫感を受けることなく動作できる。また、組立(組付)や保守が容易である。
ここで、図12に示すように、高所で作業する作業者Mは、背ベース部材1(本発明の高所作業支援器具)を装着する前に、予めハーネス型安全帯8を装着している。
ハーネス型安全帯8は、肩ベルト部85や太腿ベルト部86を有し、作業者Mの体全体に巻き付くように装着される。そして、ハーネス型安全帯8は、作業者Mの各肩部Mkにタスキ状に肩掛けされた肩ベルト部85,85が作業者Mの背部Mbの上部(肩甲骨と肩甲骨の間)で交差し、そのベルト交差部がパッド状の交差保持具82によって保持されている。さらに、上記ベルト交差部に、D環金具や矩形環金具等の命綱連結用環状金具81が取着されている。
そして、図13に示すように、ハーネス型安全帯8を装着している作業者Mの背部Mbに、背ベース部材1を配設して背負うように作業者Mの上半身に装着させると、逃がし部1vから命綱連結用環状金具81が露出する。
従って、図1と図2に示すように、親綱や子綱等の命綱7の一端部7aに設けているフック状の連結金具が、命綱連結用環状金具81に連結(接続)可能となる。また命綱連結用環状金具81に対する命綱7の取付け・取外し作業も容易かつ迅速にできる。
また、図示省略するが、作業者Mが一方の上腕部Maを左右内方や左右外方へ移動させようとして、作業者Mが一方の肩甲骨を他方の肩甲骨に対して接近・離間させるように動かそうとした場合に、(一方の肩甲骨に対応する)一方の上方延伸片部1kは、他方の上方延伸片部1kと上端部乃至上下中間部が連結していないため移動を阻止するような規制を受けず、作業者Mはスムーズに一方の肩甲骨を動かすことができ、つっぱり感や圧迫感等の不快さを感じずに作業を行える。
また、図10に於て、背ベース部材1は、上方延伸片部1k(布状体11の延伸片部11k及び弾性板状体12の延伸片部12k)の上端部に、装着用の肩掛けベルト部材を連結するための開口部1gを有している。開口部1gに肩掛けベルト部材を前方から挿通させて、折返し用金具31(図13参照)を介して、折り返し、その後、肩掛けベルト部材を後方から開口部1gに挿通させる。折返し用金具31が開口部1gの近傍に係止することで、肩掛けベルト部材を上方延伸片部1kの上端部に連結している。肩掛けベルト部材は、装着用の腰ベルト部材、或いは、腰ベース部材4に連結している。
また、図5に於て、アーム部材2は、弾性板状体12の基部12dに固着する保持部材20と、保持部材20に基端部21bが鉛直状の第1接続軸心廻りに回転自在に保持されたL字杆状の第1接続部材21と、第1接続部材21の先端部に基端部22bが鉛直状の第2接続軸心廻りに回転自在に保持されたL字杆状の第2接続部材22と、第2接続部材22の先端部に基端部23bが鉛直状の第3接続軸心廻りに回転自在に保持された水平杆状の第3接続部材23と、第3接続部材23の先端部が外嵌状に固着する軸部24aが箱状のケーシング24bから突設された支援力発揮用の作動ユニット部24と、作動ユニット部24のケーシング24bに固着され作業者Mの上腕部Maに(図3乃至図5に於て図示省略の)装着用の腕ベルト部材にて装着される板状の腕支持部材25と、を備えている。
アーム部材2は、腕支持部材25が、第1・第2・第3接続部材21,22,23の枢結によって(リンク構造)によって前後左右に移動自在である。
そして、作動ユニット部24は、ガススプリングを支援力発揮用の作動源とした電気不要の機械式であって、ケーシング24bの外部に設けた操作部(図示省略)を所定作動操作することで、ケーシング24b内でガススプリングのロッドが伸長作動し、その伸長作動によってケーシング24bを軸部24a廻り(水平状軸心廻り)に回動させる。つまり、ケーシング24bと共に腕支持部材25が水平状軸心廻りに上下方向に回動する。そして、ガススプリングの伸長保持力によって、腕支持部材25が水平状乃至前方上傾状に上がった状態に保持される。つまり、作業者Mの上腕部Maを、水平状乃至前方上傾状に上げた姿勢に支援(保持)する。上腕部Maや肩部Mkの力を抜いても、上腕部Maが下方へ垂れずに、上げた状態が保持されるため、上腕部Maにかかる負荷(負担)を軽減し、長時間に渡って上腕部Maを上げた状態で、楽に作業できる。
そして、操作部を所定解除操作することで、ガススプリングが伸縮自由状態となって、上腕部Maの上げ下げを行うことが可能となる。
連結杆3は、上端部3aが弾性板状体12の基部12dに取着され、作業者Mの背骨に沿って垂下状に配設され、下端部3bが腰ベース部材4の後面に取着している。
連結杆3は、2重筒状の上下伸縮自在構造であって、複数段に上下長さ寸法を調整可能であり、様々な身長の作業者Mに対応できる。
腰ベース部材4は、左右横長の帯板状であり、腰ベース部材4には(図3乃至図5に於て図示省略の)装着用の腰ベルト部材が連結されている。
なお、本発明は、設計変更可能であって、作動ユニット部24の作動源はガススプリングに限らず、巻バネや、電動モータ、電動アクチュエータ、エアモータ、エアアクチュエータ等であっても良い。つまり、機械式に限らず、電気(電動)式、エア式、油圧式等自由である。アーム部材2の構成や支援力発揮作動源は上述の実施形態に限らず自由である。また、布状体11及び弾性板状体12の材質としては、上述の実施形態に限らず自由である。
以上のように、本発明の高所作業支援器具は、作業者Mが上げた上腕部Maを支持して該上腕部Maにかかる負荷を軽減するための身体装着用の高所作業支援器具であって、上記上腕部Maを支持するアーム部材2と、該アーム部材2が取着されると共に上記作業者Mの背部Mbに配設される背ベース部材1と、を備え、上記背ベース部材1は、上記作業者Mの肩部Mkに向かって伸びる左右一対の上方延伸片部1k,1kを備え、上記作業者Mが装着しているハーネス型安全帯8の命綱連結用環状金具81を露出させるためのV字状乃至U字状の逃がし部1vを、左右一対の上記上方延伸片部1k,1kをもって形成したので、作業者Mが装着しているハーネス型安全帯8の命綱連結用環状金具81に、命綱7を容易かつ迅速に連結することができる。従って、作業者Mの上腕部Maを上げた状態に保持する支援を、高所で行うことができる。高所作業者Mの肉体的負担を軽減できると共に、安全性を確保できる。作業者Mが肩甲骨を動かすような動作を容易に無理なく行え、装着性に優れる。高所での作業を楽にかつ安全に行えると共に、作業者Mが上腕部Maや肩部Mkをスムーズに違和感なく動かすことができる。
また、上記背ベース部材1は、上記作業者Mの背部Mbに当接する布状体11と、上記布状体11の後面11bに取着される弾性板状体12と、を備え、さらに、上記弾性板状体12は後方弯曲凸状であり、該弾性板状体12の後面12bには上記アーム部材2が取着されているので、背ベース部材1を軽量としながらも十分な剛性(強度)を得ることができる。作業者Mの背部Mbに不快感を与えることが無く装着性に優れると共に、作業者Mの動作を妨げず、作業者Mがスムーズに動作できる。
1 背ベース部材
1k 上方延伸片部
1v 逃がし部
2 アーム部材
8 ハーネス型安全帯
11 布状体
11b 後面
12 弾性板状体
12b 後面
81 命綱連結用環状金具
M 作業者
Ma 上腕部
Mb 背部
Mk 肩部

Claims (2)

  1. 作業者(M)が上げた上腕部(Ma)を支持して該上腕部(Ma)にかかる負荷を軽減するための身体装着用の高所作業支援器具であって、
    上記上腕部(Ma)を支持するアーム部材(2)と、該アーム部材(2)が取着されると共に上記作業者(M)の背部(Mb)に配設される背ベース部材(1)と、を備え、
    上記背ベース部材(1)は、上記作業者(M)の肩部(Mk)に向かって伸びる左右一対の上方延伸片部(1k)(1k)を備え、
    上記作業者(M)が装着しているハーネス型安全帯(8)の命綱連結用環状金具(81)を露出させるためのV字状乃至U字状の逃がし部(1v)を、左右一対の上記上方延伸片部(1k)(1k)をもって形成したことを特徴とする高所作業支援器具。
  2. 上記背ベース部材(1)は、上記作業者(M)の背部(Mb)に当接する布状体(11)と、上記布状体(11)の後面(11b)に取着される弾性板状体(12)と、を備え、
    さらに、上記弾性板状体(12)は後方弯曲凸状であり、該弾性板状体(12)の後面(12b)には上記アーム部材(2)が取着されている請求項1記載の高所作業支援器具。
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