以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の画像処理システムの構成を模式的に示す模式図であり、図2は、実施の形態1の画像処理システムの構成を示すブロック図である。画像処理システムは、企業内、公共施設内、又は家庭内等に設置される複合機1と、ユーザが所持する通信装置2とを含む。複合機1は、アドホックモードによって無線通信の有効エリア内に存在する1台の通信装置2と直接的に無線通信による接続を確立する。なお複合機1は、通信装置2との通信接続以外に、企業内、公共施設内又は家庭内のLANに接続されていてもよいし、外部のインターネットと接続されていてもよい。
本発明では、このような画像処理システムにて、複合機1にて、ユーザが所持する通信装置2からの情報に基づきスキャンを実行したり、プリント出力したりするに際し、通信装置2を所持するユーザが行なうべき操作を出来る限り簡略化する。
複合機1は、読取機能(スキャナ)、印刷出力機能(プリンタ)、FAX機能等を備えて画像データに対する処理を行なう画像処理装置である。複合機1は、各構成部を制御する制御部10と、タッチパネル及びLCD(Liquid Crystal Display)を用いた入出力部11と、一時記憶部12と、各種情報を記憶する記憶部13と、通信装置2との通信を実現する通信部14と、読取機能を実現するための画像読取部15と、印刷出力機能を実現する画像形成部16とを備える。複合機1は、そのほかに、電話網を介してFAX通信を行なうためのFAX通信部等、多数の機能を実現するための構成部を有するが、ここでは図示及び詳細な説明を省略する。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit )を用い、内蔵するROM(Read Only Memory)に記憶されている制御プログラムに基づき、各構成部を制御する。
入出力部11は、LCDを用いた表示部11aとタッチパネルを用いた操作部11bとを含む。操作部11bは、タッチパネルのみならず、ハードウェアキーを用いてもよい。各種アイコン又はボタンを表示している表示部11aに対し、ユーザが触れたタッチパネル上の位置を操作部11bが検知する。ユーザが触れた位置情報と表示部11aにて表示されているアイコン又はボタンの位置情報とに基づき、制御部10は、いずれのアイコン又はボタンがタッチされたかを特定することが可能である。また制御部10は、いずれのハードウェアキーが押下されたかを特定することが可能である。
一時記憶部12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM( Static Random Access Memory)等のRAMを用いる。一時記憶部12は、制御部10の処理によって発生する各種処理用の一時的な情報を記憶する。また、一時記憶部12は、複合機1のスキャン又はプリンタ機能へ無線通信を介してアクセスするためのアクセスキー(許可情報)を記憶する。アクセスキーについては後述にて詳細に説明する。
記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive )又はSSD(Solid State Drive )を用いる。記憶部13には、ファックス機能、電子メール通信機能、FTP(File Transfer Protocol)通信機能のためのアドレス情報が記憶されていてもよい。また記憶部13は、画像読取部15によって読み取られた画像データ、又は通信部14を介して受信した画像データを記憶してもよい。
通信部14は、無線通信機能を実現する。制御部10は、通信部14により、通信装置2との間で無線通信によりデータを送受信することが可能である。なお通信部14は、アドホックモードにて1台の通信装置2と接続し、同時的に複数の通信装置2と通信接続することはできないようにしてある。また通信部14は、アクセスポイントの機能、即ち無線LANにおける親機の機能を有する。なお、通信部14による通信は、アドホックモードに限られない。複数の通信装置2と同時的に通信接続することを排除できれば、他の方法であってもよい。また、通信部14は複合機1が備える図示しないUSB(Universal Serial Bus)などのインタフェースであって、当該インタフェースにアクセスポイント機能を有する無線通信装置が接続されることで通信が実現される構成としてもよい。
画像読取部15は、スキャナユニットを用いる。スキャナユニットは、原稿台15a又は原稿トレイに載置された原稿を光学的に読み取るための読取装置であり、複合機1の本体内部に光学ユニットと光学ユニットによる読取動作を制御するための制御ユニットとを含む。画像読取部15は、原稿を読み取ることで得られた画像データを所定の画像メモリに出力し、制御部10は当該画像メモリから画像データを取得することが可能である。
画像形成部16は、プリンタユニットを用いる。プリンタユニットは、複合機1の本体内部に、スキャナユニットの下側に配置される。プリンタユニットは、制御部10から与えられた画像データに基づいてトナー像を生成し、トナー像を用紙上に転写することによって画像形成を行なう。
通信装置2は、所謂スマートフォンと呼ばれる携帯電話機である。通信装置2は、タブレット型PC(パーソナルコンピュータ)であってもよい。通信装置2は、各構成部を制御する制御部20と、タッチパネルを用いた入出力部21と、各種情報を記憶する記憶部22と、アクセスポイントAPを介して複合機1と通信を実現する通信部23とを備える。
制御部20は、CPUを用い、内蔵するROMに記憶されている制御プログラムに基づき、各構成部を制御する。
入出力部21は、LCDを用いて表示部21aとタッチパネル及びハードウェアキーを用いた操作部21bとを含む。各種アイコン又はボタンを表示している表示部21aに対し、ユーザが触れたタッチパネル上の位置を操作部21bが検知し、操作部21bはユーザが触れた位置情報を制御部20へ通知する。制御部20は、表示部21aにて表示されているアイコン又はボタンの位置情報に基づき、いずれのアイコン又はボタンがタッチされたかを特定することが可能である。また操作部21bは、ハードウェアキーが押下された場合、いずれのキーが押下されたかを特定する情報と共に制御部20へ通知する。
記憶部22は、RAM及びフラッシュメモリを用いる。記憶部22のフラッシュメモリには、ネットワークNに接続される複合機1にて画像データの印刷出力(プリント)又は原稿読取(スキャン)を行なうために用いられるアプリケーションプログラム(以下、プリントスキャン用アプリという)が記憶されている。制御部20は、記憶部22に記憶されているプリントスキャン用アプリを読み出して実行することにより、後述する複合機1との通信、及び複合機1との間の画像データの送受信を実現する。
また、記憶部22には、プリントスキャン用アプリに対応させて、設定情報として、受信する画像データを読み取る際の解像度設定、ファイルタイプ(フォーマット)、カラー/モノクローム設定、読み取る原稿のサイズ、及び作成する画像データのサイズ(縮小の有無)などの設定情報が記憶されている。また、送信する画像データに基づく印刷出力のための印刷サイズ設定、カラー/モノクローム設定、印刷品質設定などの設定情報でもよい。設定情報は、プリントスキャン用アプリにて初期的に設定されており、後に、プリントスキャン用アプリを介してユーザが編集することが可能である。設定情報は異なる複合機毎に別途記憶されるようにしてもよい。また設定情報には、通信装置2のユーザ名(ユーザID)を含んでもよい。
記憶部22には、フラッシュメモリに画像データを記憶していてもよい。制御部20は、記憶部22のフラッシュメモリに記憶している画像データを、通信部23により複合機1へ送信することが可能である。また、通信部23により受信した画像データを記憶部22のRAMに一時的に記憶するか、又は保存用にフラッシュメモリに記憶してもよい。
記憶部22には、フラッシュメモリにアドレス帳の情報が記憶されている。制御部20は、記憶部22のフラッシュメモリに記憶されているアドレス帳の情報に基づき、メーラ機能により電子メールを送信するなどが可能である。
通信部23は、無線通信機能を実現する。制御部20からの指示に基づき、複合機1の通信部14に接続し、複合機1との間で画像データを含む各種情報を送受信することが可能である。
このように構成される画像処理システムにて、複合機1にて通信装置2が接続された場合に表示される画面が変更される手順について、フローチャート及び操作画面例を参照しつつ説明する。
図3は、実施の形態1における複合機1にて実行される画面変更手順の一例を示すフローチャートである。
複合機1の制御部10は、通信部14により通信装置2からの接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS11)。制御部10は、接続要求を受信していないと判断した場合(S11:NO)、処理をステップS11へ戻し、接続要求を受信したと判断するまで待機する。
この間に、通信装置2の制御部20は、アクセスポイント即ち複合機1の通信部14を検索し、複合機1のSSID等の識別情報を取得し、取得した識別情報に基づき、複合機1へ接続要求を送信する。なお、制御部20は、検索を行なうことなしに操作部21bにより直接的にユーザから入力される複合機1のSSIDを取得するようにしてもよい。
複合機1の制御部10は、ステップS11にて接続要求を受信したと判断した場合(S11:YES)、通信装置2との無線通信接続を確立すべく、通信装置2のネットワーク識別情報を発行し(ステップS12)、通信装置2へ送信する(ステップS13)。ここでネットワーク識別情報として制御部10は例えば、複合機1の通信部14のIPアドレスが「192.168.9.10」である場合、通信装置2に「192.168.0.20」等のIPアドレスを割り当てる。これにより、複合機1と通信装置2との間の無線通信接続が確立される。
次に制御部10は、表示部11aに表示している操作画面を通信装置2との間で送受信する情報に基づく画像処理に関する操作画面へ変更し(ステップS14)、待機状態となる。
ステップS14の後、制御部10は、変更後の操作画面に対応する操作を受け付け(ステップS15)、操作に応じて画像読取部15によるスキャン、又は画像形成部16によるプリントの画像処理を実行し(ステップS16)、処理を終了する。
図4は、複合機1の表示部11aに表示される初期的画面の画面例を示す説明図である。初期的画面(デフォルト画面)には、複合機1によって実行できる各機能の内、通信装置2が必須ではない機能のアイコン110〜113が表示されている。図4の画面例では、初期的画面はコピーを開始するためのアイコン110、スキャン(画像読取)を実行するためのアイコン111、プリント(印刷出力)を実行するためのアイコン112、及び、複合機1の記憶部13に登録されるアドレス情報を選択・編集するためのアイコン113が含まれる。ユーザは各アイコン110〜113の内のいずれかの上のタッチパネルに触れることにより、各機能を複合機1に実行させることができる。例えば、ユーザがアイコン110上のタッチパネルに指などで触れた場合、制御部10がこれを検知し、コピー機能を実行するための設定条件等を含む操作画面を表示部11aに表示させる。
図5は、コピー機能の操作画面例を示す説明図である。コピー機能が選択された場合、図5に示すように、表示部11aには、原稿サイズ、コピー倍率、コピー部数などの設定が可能なプルダウンメニューが表示され、また、コピーを実行させるコピースタートボタンが表示される。ユーザは各項目を設定後にコピースタートボタン上のタッチパネルに触れることで、原稿台15a上に載置した原稿のコピーを印刷出力させることができる。
図4に示した初期的画面に対し、通信装置2が複合機1に接続することによって変更される画面について説明する。図6は、複合機1の表示部11aに表示させる変更後の画面例を示す説明図である。図6に示す画面例では、図4に示した初期的画面に対し、「モバイルスキャン」という名前のアイコン114、及び「モバイルプリント」という名前のアイコン115が追加されている。ユーザはアイコン114上のタッチパネルに触れることにより、複合機1が原稿をスキャンして得られた画像データを通信装置2又は他の通信装置に提供させる機能を実行させることができる。また、ユーザはアイコン115上のタッチパネルに触れることにより、通信装置2に記憶されている画像データ又は他の通信装置に記憶されている画像データに基づき複合機1が印刷出力する機能を実行させることが可能である。例えば、図6に示す画面が表示部11aに表示されている状態で、ユーザがアイコン114上のタッチパネルに触れた場合、制御部10がこれを検知し、モバイルスキャン機能を実行するための操作画面を表示部11aに表示させる。
図7は、モバイルスキャン機能の操作画面例を示す説明図である。モバイルスキャン機能が選択された場合、図7に示すように、表示部11aには、読み取る原稿サイズ、生成する画像データのファイル形式、カラー/モノクローム設定などの設定が可能なプルダウンメニューが表示され、また、スキャンを実行させるスキャンスタートボタンが表示される。プルダウンメニューは他に、読み取る際の解像度、圧縮形式、圧縮率等を含んでもよい。ユーザが各プルダウンメニュー上のタッチパネルに触れた場合、制御部10は各項目の選択肢を選択可能に表示し、選択された情報を取得することができる。これにより、ユーザはスキャンの設定情報を編集することが可能である。そして、ユーザは各項目を設定した後に、スキャンスタートボタン上のタッチパネルに触れることで、原稿台15a上に載置した原稿のスキャンが開始される。
複合機1の制御部10は、図7の画面例でスキャンスタートボタン上のタッチパネルが触れられたことを操作部11bにより検知した場合、原稿台15a上の原稿を画像読取部15により読み取り、画像データを生成する。即ち上述のフローチャートに示した処理手順の内のステップS16にて制御部10は、原稿を読み取って画像データを生成し、発行したネットワーク識別情報に基づき、生成した画像データを通信装置2へ送信する処理を実行する。
これにより、ユーザは所持する通信装置2が接続したことで変更された操作画面から通信装置2に関する機能を実現するためのインタフェースを容易に認識して選択することができる。複合機1がアクセスポイント機能によって通信装置2にネットワーク識別情報を発行し、宛先を認識できる。そのため、スキャンを実行して得られた画像データを送信するに際し、ユーザが複合機1の操作部11bを操作して宛先情報を登録する等の操作を行なう必要がない。また、通信装置2と複合機1とではアドホックモードにて通信を行なうために、複数のユーザが夫々所持する通信装置からの接続が混在することはない。したがって、1人のユーザが通信装置2を接続させて複合機1を操作している間に、他の通信装置2を所持するユーザが複合機1を操作することはできず、誤送信が発生することはない。
(実施の形態2)
実施の形態2では、複合機1は、接続してきた通信装置2から画像データの提供先に関する情報、又は、通信装置2に記憶されている画像データ、又は、通信装置2に記憶されている各種情報の送信を通信装置2へ要求する処理を行ない、通信装置2から受信した情報に基づき処理を行なう。
実施の形態2における画像処理システムのハードウェア的な構成は、実施の形態1における構成と同様である。したがって、実施の形態1と共通する構成には同一の符号を付し、夫々の詳細な説明を省略する。
図8は、実施の形態2における画像処理システムにて実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
通信装置2の制御部20は、プリントスキャン用アプリが起動された場合、通信部23によりアクセスポイントを検索する(ステップS201)。検索結果のアクセスポイントの情報を表示部21aに表示させ(ステップS202)、複合機1に対応するアクセスポイントの選択を受け付ける(ステップS203)。制御部20は、複合機1のアクセスポイント(通信部14)へ、接続要求を送信する(ステップS204)。なお、ステップS204にて、通信装置2の制御部20は、スキャン又はプリントなど、複合機1にて実行されるべき画像処理が決まっている場合、画像処理の内容を指定した実行要求を含む接続要求を送信する。
複合機1の制御部10は、通信装置2からの接続要求を受信し(ステップS205)、通信装置2との無線通信接続を確立すべく、通信装置2のネットワーク識別情報を発行する(ステップS206)。制御部10は、発行したネットワーク識別情報を通信装置2へ送信する(ステップS207)。
通信装置2の制御部20は、送信されたネットワーク識別情報を受信する(ステップS208)。これにより、複合機1と通信装置2との間の無線通信接続が確立される。
制御部10は、接続要求に基づき、通信装置2から情報取得が必要か否かを判断する(ステップS209)。例えば制御部10は、受信した接続要求に実行要求が含まれており、その実行要求が指定する画像処理の内容が、通信装置2へ送信する画像データのスキャン及び当該画像データの送信である場合、スキャンを実行するための設定情報の情報が必要であるなどと判断する。
制御部10は、情報取得が必要でないと判断した場合(S209:NO)、表示部11aに表示している画面を、通信装置2との間で送受信する情報に基づく画像処理に関する操作画面へ変更し(ステップS210)、待機状態となる。このとき表示される操作画面は例えば、図6に示したように、通信装置2が接続されたことに応じて選択できる機能が増えた画面である。
制御部10は、ステップS209にて、情報取得が必要であると判断した場合(S209:YES)、通信装置2へ必要な情報の送信要求を送信する(ステップS211)。
通信装置2では、制御部20が通信部23により、複合機1からの情報の送信要求を受信し(ステップS212)、受信した送信要求に応じた情報を送信する(ステップS213)。例えば制御部20は、通信部23から記憶部22のフラッシュメモリから読み出した設定情報を送信する。
複合機1の制御部10は、ステップS211にて要求した情報を受信し(ステップS214)、受信した情報を一時記憶部12に一時的に記憶する(ステップS215)。制御部10は、受信した情報に基づき操作画面を変更し(ステップS216)、待機状態となる。このとき表示される操作画面は例えば、図7に示したように、実行される機能に応じた操作画面となる。
これにより、ユーザによる複合機1における操作及び通信装置2における操作を簡略化することが可能となる。
なおステップS209において、通信装置2からの取得が必要な情報としては例えば以下のようなものが考えられる。
上述したように複合機1の制御部10は、モバイルスキャン、即ち画像読取部15による画像処理を実行する際の設定情報を要求する。設定情報とは、読み取る原稿サイズ、生成する画像データのファイル形式、カラー/モノクローム設定、解像度、圧縮形式、圧縮率などの情報である。制御部10は、図7に示した設定情報の設定・編集画面にて、受信した設定情報の内容をデフォルトとして反映させる。これによりユーザは、図7に示した画面で設定内容を変更する操作を行なうことなくスキャンスタートボタン上のタッチパネルに触れてスキャンを実行させる可能性が高まる。
また、複合機1の制御部10は、モバイルスキャン、即ち画像読取部15による画像処理により得られた画像データの送信先の情報を要求してもよい。送信先を、接続してきた通信装置2とする場合、送信先の情報は、複合機1が発行したネットワーク識別情報以外に、通信装置2の電子メールアドレス、又は電話番号でもよい。送信先を、接続してきた通信装置2以外の通信装置とする場合、当該通信装置の電子メールアドレス又は電話番号でもよい。複合機1が通信部14以外の通信機能により企業内、公共施設内又は家庭内のLANに接続しており、また他の通信装置が同様にLANに接続しているときには、当該LAN内での他の通信装置のIPアドレスでもよい。送信先を、通信装置2及び他の通信装置が接続できる記録装置である場合、送信先の情報は当該記録装置のIPアドレス等であってもよい。
更に、複合機1の制御部10は、モバイルプリント、即ち画像形成部16による画像処理を実行する際の印刷出力対象の画像データを要求する。なおこのとき制御部10は、通信装置2からの接続要求に、プリントを指定した実行要求を含む接続要求を受信する。制御部10は、圧縮されたサムネイルからなるリストを要求してもよいし、画像データ自体を要求してもよい。更に、画像データの印刷出力の設定情報を要求してもよい。印刷出力の設定情報は、印刷サイズ設定、カラー/モノクローム設定、印刷品質設定等である。これにより、ユーザは通信装置2から画像データを送信させる操作をすることなく、複合機1の表示部11aに表示されたリストから、プリントする画像を選択し、プリントスタートさせる操作をすればよい。
また、複合機1の制御部10は、即ち画像読取部15による画像処理により得られた画像データの送信先の情報として、複合機1のアドレス帳に通信装置2からの情報を追加すべく、アドレス情報を要求してもよい。送信先を、通信装置2以外の通信装置であって通信装置2に登録されたアドレス情報の通信装置とする場合、複合機1のアドレス帳のデータに追加することにより、ユーザの操作が簡略化する。
(実施の形態3)
実施の形態3では、複合機1が通信装置2の接続を検知し、図6の画面例に示したような操作画面へ変更し、アイコン114、アイコン115又はアイコン113上のタッチパネルが触れられた場合に、夫々の操作に応じて制御部10が通信装置2へ情報の送信を要求する。
実施の形態3における画像処理システムのハードウェア的な構成は、実施の形態1における構成と同様である。したがって、実施の形態1と共通する構成には同一の符号を付して、夫々の詳細な説明を省略する。
図9及び図10は、実施の形態3における複合機1にて実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
複合機1の制御部10は、通信部14により通信装置2からの接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS301)。制御部10は、接続要求を受信していないと判断した場合(S301:NO)、処理をステップS301へ戻し、接続要求を受信したと判断するまで待機する。
この間に、通信装置2の制御部20は、アクセスポイント即ち複合機1の通信部14を検索し、複合機1のSSID等の識別情報を取得し、取得した識別情報に基づき、複合機1へ接続要求を送信する。なお、制御部20は、検索を行なうことなしに操作部21bにより直接的にユーザから入力される複合機1のSSIDを取得するようにしてもよい。
制御部10は、ステップS301にて接続要求を受信したと判断した場合(S301:YES)、通信装置2との無線通信接続を確立すべく、通信装置2のネットワーク識別情報を発行し(ステップS302)、通信装置2へ送信する(ステップS303)。ステップS302は具体的には、制御部10はIPアドレスを割り当てる。これにより、複合機1と通信装置2と間の無線通信接続が確立される。
次に制御部10は、表示部11aに表示している操作画面を通信装置2との間で送受信する情報に基づく画像処理に関する操作画面へ変更する(ステップS304)。このとき表示される変更後の操作画面は、実施の形態1における図6に示した画面例と同様である。
制御部10は、変更後の操作画面にて操作を受け付ける(ステップS305)。制御部10は、操作部11bにより受け付けた操作にて選択された機能が、「モバイルスキャン」であるか、「モバイルプリント」であるか、又は「アドレス一覧」のいずれであるか判断する(ステップS306)。
制御部10は、ステップS306にて、「モバイルスキャン」を選択されたと判断した場合(S306:モバイルスキャン)、画像読取部15による画像処理を実行する際の設定情報を要求する(ステップS307)。制御部10は、要求した設定情報を受信したか否かを判断し(ステップS308)、受信していないと判断した場合(S308:NO)、処理をステップS308へ戻し、受信したと判断するまで待機する。制御部10は、要求した設定情報を受信したと判断した場合(S308:YES)、受信した設定情報に基づき、表示部11aに表示している操作画面を変更する(ステップS309)。ステップS309における変更後の操作画面は、実施の形態1の図7に示したような画面であり、受信した設定情報に内容が反映されて変更されてある。これにより、ユーザは、ステップS305にて「モバイルスキャン」のアイコン114上のタッチパネルを触れたのみで、通信装置2に保存されてある設定情報に基づくスキャンを開始するスキャンスタートボタンの表示までたどり着くことができ、操作は簡略化される。
なお制御部10は、受信した設定情報を基礎として操作部11bにて設定の変更を受け付けてもよい(ステップS310)。制御部10は、受信した設定情報が示す設定、又はステップS310にて受け付けた設定に基づき、画像読取部15による画像読取(スキャン)を実行し(ステップS311)、画像読取部15によって生成した画像データを通信装置2へ送信する(ステップS312)。
制御部10は、画像読取部15によって生成した画像データを通信装置2へ送信する以外に、他の通信装置からも取得することが可能なように、他の通信装置からも共有可能な記憶部13内のパス情報などである提供情報を作成し(ステップS313)、作成した提供情報を通信装置2へ送信し(ステップS314)、モバイルスキャンの機能に係る処理を終了する。なお、ステップS313における提供情報は、他の通信装置自体の電子メールアドレス、電話番号等でもよいし、記憶部13以外の他の共有可能な記録装置上のパス情報でもよい。ステップS311の処理により生成された画像データをURLで示されるサーバ上に記録すべく当該サーバへ送信し(S312)、提供情報として当該URLを作成し、通信装置2へ送信するようにしてもよい。また、複合機1が通信部14以外の通信機能により接続している企業内、公共施設内又は家庭内のLANに接続しており、生成した画像データの送信先を当該LAN内の通信装置、又はサーバ、記録装置とする場合、これらの送信先から画像データを取得するためのパス情報、URL情報を提供情報として作成し、通信装置2へ送信してもよい。
制御部10は、ステップS306にて、「モバイルプリント」を選択されたと判断した場合(S306:モバイルプリント)、画像形成部16による画像処理を実行するために、印刷出力対象の画像データのリスト(画像の識別情報及びサムネイル等)を要求する(ステップS315)。制御部10は、要求した画像データのリストを受信したか否かを判断し(ステップS316)、受信していないと判断した場合(S316:NO)、処理をステップS316へ戻し、受信したと判断するまで待機する。制御部10は、要求した画像データのリストを受信したと判断した場合(S316:YES)、受信したリストに基づき、表示部11aに、画像データの一覧(サムネイル)を表示させるように画面を変更する(ステップS317)。
図11は、実施の形態3における画像データの一覧が表示される画面例を示す説明図である。図11の例では、通信装置2の識別情報である「mobile1 」から、受信した画像データのサムネイルが一覧表示されている。ユーザは、表示されているサムネイルをいずれも選択することが可能である。
図9及び図10のフローチャートに戻り、説明を続ける。
制御部10は、ステップS317で表示している画面上のタッチパネルにユーザが触れて選択する操作を操作部11bで受け付け(ステップS318)、選択された画像データ(サムネイルではない)の送信を要求する(ステップS319)。制御部10は、要求した画像データを受信したか否かを判断し(ステップS320)、受信していないと判断した場合(S320:NO)、処理をステップS320へ戻して受信したと判断するまで待機する。制御部10は、要求した画像データを受信したと判断した場合(S320:YES)、画像形成部16により、受信した画像データに基づく印刷出力を行ない(ステップS321)、モバイルプリントの機能に係る処理を終了する。
これによりユーザは、通信装置2を操作して複合機1に接続させ、複合機1の表示部11aに表示される変更後の操作画面で「モバイルプリント」のアイコン115上のタッチパネルに触れるという操作のみで、図11に示したような操作画面にたどり着くことが可能である。ユーザは、図11に示したような画像データのリストから所望の画像を選択した状態でプリントスタートボタン上のタッチパネルに触れることにより、選択した画像データの印刷出力を複合機1に実行させることができる。このように、ユーザの操作を簡略化させることが可能である。
制御部10は、ステップS306にて、「アドレス一覧」を選択されたと判断した場合(S306:アドレス一覧)、通信装置2から得られるアドレス情報を複合機1に登録する処理を行なうべく、アドレス情報を要求する(ステップS322)。制御部10は、要求したアドレス情報を受信したか否かを判断し(ステップS323)、受信していないと判断した場合(S323:NO)、処理をステップS323へ戻し、受信したと判断するまで待機する。制御部10は、要求したアドレス情報を受信したと判断した場合(S323:YES)、受信したアドレス情報を表示させるアイコンを含むアドレス一覧表示の画面に変更する(ステップS324)。
図12は、実施の形態3におけるアドレス一覧の画面例を示す説明図である。図12に示す例では、複合機1に予め登録してあるアドレス情報が、50音順に表示されている。図12に示す例では、アドレス情報は、宛先の識別情報(名前)、電話番号、及び電子メールアドレスを含む。ステップS324に処理により、アドレス情報の一覧表示には、通信装置2から受信したアドレス情報を表示させるモバイルというアイコン116が表示されている。
図13は、通信装置2から受信したアドレス情報の一覧表示画面の例を示す説明図である。図12に示した画面例で、アイコン116上のタッチパネルにユーザが触れた場合に、制御部10が操作部11bによりこれを検知し、図13に示す画面例を表示させる。図13の例では、通信装置2の識別情報である「mobile1 」から、受信したアドレス情報が一覧表示されている。図13の例では、制御部10はステップS323にて通信装置2から、宛先「user1 」及び「user2 」の電子メールアドレスを受信している。ユーザは、表示されている「user1 」のアドレス情報及び「user2 」のアドレス情報のいずれも選択することが可能である。ユーザがいずれかのアドレス情報上のタッチパネルに触れて当該アドレス情報を選択し、同一の画面内に表示されている登録ボタン上のタッチパネルに触れることにより、制御部10はアドレス情報が選択されたことを検知し、登録処理を行なう。
図9及び図10のフローチャートに戻り、説明を続ける。
制御部10は、通信装置2から受信したアドレス情報の内、登録するアドレス情報の選択を受け付ける(ステップS325)。ステップS325の処理の詳細は上述したように、通信装置2から受信したアドレス情報の一覧表示画面にて、アドレス情報の選択及び登録ボタンのタッチを検知することで実現される。制御部10は、選択されたアドレス情報を記憶部13のアドレス帳に追加して記憶し(ステップS326)、通信装置2からの情報に基づくアドレス情報登録の処理を終了する。
これによりユーザは、通信装置2を操作して複合機1に接続させ、「アドレス一覧」のアイコン113上のタッチパネルに触れると操作により、「モバイル」のアイコン116が表示された操作画面にたどりつくことができ、アイコン116上にタッチパネルにふれたあと、所望のアドレス情報を選択して登録ボタンに触れるという操作により、通信装置2に登録されているアドレス情報を複合機1に登録させることができる。複合機1が通信装置2から自動的にアドレス情報を取得し、取得したアドレス情報を表示して選択を受け付ける画面を表示するので、ユーザの操作を簡略化させることが可能である。
(実施の形態4)
実施の形態1から3では、通信装置2が複合機1に接続してきた場合に、操作画面を適宜変更して操作を簡略化させる処理について説明した。実施の形態4では、通信装置2と複合機1との通信が切断された場合に、操作画面を変更する処理について説明する。
実施の形態4における画像処理システムのハードウェア的な構成は、実施の形態1における構成と同様である。したがって、実施の形態1と共通する構成には同一の符号を付して、夫々の詳細な説明を省略する。
図14は、実施の形態4における複合機1にて実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。図14に示す処理手順は、実施の形態1から3で説明したように通信装置2と複合機1との間の通信接続が確立された後、図3、図8〜図10に示す処理とは独立的に、随時実行される。
複合機1の制御部10は、通信部14により通信装置2との接続が切断されたか否かを判断する(ステップS41)。
制御部10は、ステップS41にて切断されたと判断した場合(S41:YES)、操作画面を戻すか否かの選択を受け付ける(ステップS42)。ステップS42にて具体的には、制御部10は、操作画面を戻すか否かの選択を受け付ける画面(ダイアログ)を表示部11aに表示させる。図15は、通信装置2との通信が切断されたと判断した場合に複合機1が表示する画面例を示す説明図である。図15の例では、通信装置2との接続が切断された旨のメッセージと、通信装置から取得した情報を複合機1に記憶させるかを問い合わせるメッセージとが表示されている。ここで「はい」が選択された場合、操作画面を初期的画面(図4参照)へ戻さないことが選択される。逆に「いいえ」が選択された場合、操作画面を初期的画面へ戻すことが選択される。
図14のフローチャートに戻り説明を続ける。
制御部10は、ステップS42にて操作画面を戻す選択がされたか否かを判断する(ステップS43)。制御部10は、操作画面を戻す選択がされたと判断した場合(S43:YES)、それまで実行していた処理を中断して操作画面を初期的画面へ戻し(ステップS44)、処理を終了する。なおステップS44にて操作画面を初期的画面へ戻すのみならず、一時記憶部12等に一時的に記憶していた情報も削除するなどしてよい。
制御部10は、操作画面を戻す選択がされていないと判断した場合(S43:NO)、そのまま処理を終了する。この場合、変更後の操作画面の表示が維持される。
このように、通信装置2との通信接続が切断された場合に、自動的に操作画面を初期的画面へ戻すことにより、ユーザの操作を簡略化できる。上述の処理手順に示したように、初期的画面へ戻すか否かの選択を受け付けることにより、ユーザの意図に反して通信接続が切断された場合に、操作が煩雑となること防ぐことも可能となる。このような状況として例えば、接続は切断された状態であったとしても、アドレス情報の複合機1への記憶は実行させたい場合などが考えられる。また、通信接続は切断されたとしても、一旦複合機1へ送信された画像データに基づく印刷出力は続行させたい場合が考えられる。途中で通信不良により切断され、再度画像データの送受信から再開するとすれば、ユーザの操作が煩雑である。また、通信接続は切断されたとしても、スキャンにより生成された画像データを他の記録装置へ送信するなどの処理を続行させたい場合が考えられる。この場合も、処理の途中で通信不良により切断されたとしても、送信先が通信装置2ではない場合、そのまま処理を続行しても問題はないし、送信先が通信装置2であった場合でも、接続が復帰した時点で所定時間以内であるときには画像データの送信を実行することが望まれる場合などが考えられる。
また制御部10は、ステップS41にて、通信装置2との接続は有効であり、切断されていないと判断した場合(S41:NO)、直近の操作から一定期間(例えば5分)が経過したか否かを判断する(ステップS45)。制御部10は、一定期間が経過していないと判断した場合(S45:NO)、処理をステップS41へ戻す。制御部10は、一定期間が経過したと判断した場合(S45:YES)、操作が中断されたと判断して操作画面を初期的な画面へ戻し(S44)、処理を終了する。この場合も、一時記憶部12等に一時的に記憶していた情報も削除するなどしてよい。
このように、何ら操作もされないままに一定期間が経過した場合には、操作が中断されたとして自動的に初期的画面へ戻すことにより、中断された操作に関して異なるユーザによって誤った操作が行なわれるなどの事態の発生を防止することができる。
(実施の形態5)
実施の形態1から4では、複合機1の表示部11aには、初期的画面(図4参照)が表示されており、通信装置2が接続されたときに、通信装置2との間で送受信される情報に基づく処理に関する操作画面へ変更する構成とした。これに対し実施の形態5では、通信装置2が接続されるまでは、初期的な操作画面を表示しているとしても操作を受け付けない構成とする。
実施の形態5における画像処理システムのハードウェア的な構成は、実施の形態1における構成と同様である。したがって、実施の形態1と共通する構成には同一の符号を付し、夫々の詳細な説明を省略する。
図16は、実施の形態5における複合機1にて実行される画面変更手順の一例を示すフローチャートである。
複合機1の制御部10は、通信部14により通信装置2からの接続要求を受信したか否かを判断する(ステップS51)。この時点で例えば、表示部11aには操作画面は表示されていないとする。なお、操作画面は表示しておくが、表示輝度を低くしておくなどでもよい。
制御部10は、接続要求を受信していないと判断した場合(S51:NO)、操作部11bが操作されたか否かを判断する(ステップS52)。ステップS52では制御部10は、操作部11bのタッチパネルが触れられたか、又は他のハードウェアキー等が押下された場合に操作されたと判断する。制御部10は、操作部11bが操作されていないと判断した場合(S52:NO)、処理をステップS51へ戻し、待機する。
制御部10は、ステップS52にて、接続要求を受信していないにも拘らず操作部11bが操作されたと判断した場合(S52:YES)、操作を受け付けない旨のメッセージを表示部11aに表示させ(ステップS53)、処理をステップS51へ戻して待機する。図17は、実施の形態5にて表示部11aに表示されるメッセージの例を示す説明図である。図17に示すように、表示部11aには通信装置2が通信接続されるまで利用できないことを示すメッセージが示されている。これにより、通信装置2が接続されるまでは、ユーザが操作部11bに触れたとしても、操作は受け付けられず、画像処理は実行されない。
図16のフローチャートに戻り、説明を続ける。
制御部10は、接続要求を受信したと判断した場合(S51:YES)、通信装置2との無線通信接続を確立すべく、通信装置2のネットワーク識別情報を発行し(ステップS54)、通信装置2へ送信する(ステップS55)。これにより、複合機1と通信装置2との間の無線通信接続が確立される。
次に制御部10は、表示部11aに表示している操作画面を通信装置2との間で送受信する情報に基づく画像処理に関する操作画面(図6)を表示し(ステップS56)、待機状態となる。以後、ユーザが操作部11bに触れた場合、操作が受け付けられる。
制御部10は、表示した操作画面に対応する操作を受け付け(ステップS57)、操作に応じて画像読取部15によるスキャン、又は画像形成部16によるプリントの画像処理を実行し(ステップS58)、処理を終了する。
これにより、通信装置2を携帯し、プリントスキャン用のアプリを起動させ、複合機1に接続させたユーザのみ、複合機1を操作できることになる。したがって、画像処理に関する操作が錯綜することを防止することが可能である。
(実施の形態6)
実施の形態6では、複合機1は、通信装置2と接続した場合に、当該通信装置2に固有に対応する画面(カスタムメニュー)へ操作画面を変更する。
実施の形態6における画像処理システムのハードウェア的な構成は、通信装置2の記憶部22に記憶されている後述の情報以外は、実施の形態1における構成と同様である。したがって、実施の形態1と共通する構成には同一の符号を付し、夫々の詳細な説明を省略する。
実施の形態6において通信装置2の記憶部22のフラッシュメモリには、プリントスキャン用アプリに対応させて、複合機1での通信装置2用の操作画面の構成を定義するUI(User Interface)定義情報が記憶されている。UI定義情報は例えば、HTML形式、XML形式等で記述された情報である。なおこの場合、複合機1はWebブラウザ機能を備え、当該Webブラウザ機能により、通信装置2から送信されるUI定義情報を読み出して、通信装置2用の操作画面を作成、表示する。
このようなUI定義情報を用いて複合機1における操作画面を通信装置2に固有に変更する手順について、以下に説明する。
図18は、実施の形態6における画像処理システムにて実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
通信装置2の制御部20は、プリントスキャン用アプリが起動された場合、通信部23によりアクセスポイントを検索する(ステップS601)。検索結果のアクセスポイントの情報を表示部21aに表示させ(ステップS602)、複合機1に対応するアクセスポイントの選択を受け付ける(ステップS603)。制御部20は、複合機1のアクセスポイント(通信部14)へ、接続要求を送信する(ステップS604)。なお、ステップS604にて、通信装置2の制御部20は、スキャン又はプリントなど、複合機1にて実行されるべき画像処理が決まっている場合、当該画像処理内容に応じたカスタムメニューの表示を指定する実行要求を含む接続要求を送信する。
複合機1の制御部10は、通信装置2からの接続要求を受信し(ステップS605)、通信装置2との無線通信接続を確立すべく、通信装置2のネットワーク識別情報を発行する(ステップS606)。制御部10は、発行したネットワーク識別情報を通信装置2へ送信する(ステップS607)。
通信装置2の制御部20は、送信されたネットワーク識別情報を受信する(ステップS608)。これにより、複合機1と通信装置2との間の無線通信接続が確立される。
複合機1の制御部10は、接続要求に基づき、通信装置2から、カスタムメニューについての情報取得が必要か否かを判断する(ステップS609)。具体的には制御部10は、受信した接続要求に、カスタムメニューの表示を指定した実行要求が含まれている場合、カスタムメニューの情報が必要であると判断する。
制御部10は、情報取得が必要でないと判断した場合(S609:NO)、表示部11aに表示している画面を、予め設定されている通信装置2との間で送受信する情報に基づく画像処理に関する操作画面へ変更し(ステップS610)、待機状態となる。操作画面は例えば、通信装置2が接続されたことに応じて選択できる機能が増えた画面(図6参照)である。
制御部10は、ステップS609にて、カスタムメニューについての情報取得が必要であると判断した場合(S609:YES)、通信装置2へUI定義情報の送信要求を送信する(ステップS611)。
通信装置2では、制御部20が通信部23により、複合機1からのUI定義情報の送信要求を受信し(ステップS612)、記憶部22のフラッシュメモリに記憶されているUI定義情報を読み出して複合機1へ送信する(ステップS613)。
複合機1の制御部10は、ステップS611にて要求したUI定義情報を受信し(ステップS614)、受信したUI定義情報を一時記憶部12に一時的に記憶する(ステップS615)。制御部10は、受信したUI定義情報に基づき操作画面を変更し(ステップS616)、待機状態となる。
これにより、ユーザは、自身が所持する通信装置2を複合機1へ接続させるのみで、複合機1の操作画面を、通信装置2を所有するユーザの利用目的に合ったユーザインタフェースへ変更することができる。ユーザが実際に利用するサービス用の操作画面が直接的に表示されるので、操作は簡略化される。
なお、上述した実施の形態1から6に示した処理は、夫々組み合わせて実施することも可能である。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。