JP2020092014A - レドックスフロー電池の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体活物質を用いたフロー電池の充電率を簡便に算出する。【解決手段】車両19に搭載されたレドックスフロー電池10には、固体活物質を含む電解液を貯留したタンク5P,5Nと電池セル1とが設けられる。このレドックスフロー電池10の制御装置20には、車両19の停止中を含む所定状態であるときにタンク5P,5Nの重量を検出する検出部21と、検出部21で検出されたタンク重量に基づき、固体活物質の充電率Scp,Scnを算出する算出部22とが設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載されたレドックスフロー電池の充電状態を算出する制御装置に関する。
従来、電解液(活物質の溶液)を継続的に電池セルに供給することで、充放電反応を実現するレドックスフロー電池(酸化還元フロー電池)が知られている。また、レドックスフロー電池の電解液に含まれる活物質を固体活物質にすることで、レドックスフロー電池のエネルギー密度の向上を図る技術の開発がされている。すなわち、メディエーターを溶かした溶液中に固体活物質の粉体や粒体を混入させ、メディエーター溶液に電子の授受を仲介させたものである。固体活物質はタンク内に収容され、メディエーター溶液がタンクと電極との間で循環するように供給される(特許文献1参照)。固体活物質を用いることで、液体活物質を用いた場合と比較して電気容量を増加させることが容易となる。
特開2016−85955号公報
ところで、レドックスフロー電池を車両の動力源として使用するには、その充電率(電池容量,充電状態)を把握することが重要である。液体の活物質を用いたレドックスフロー電池では、電解液の電位を計測することによりレドックスフロー電池の充電率を推定することが可能である。しかしながら、固体活物質を用いたレドックスフロー電池では、電解液の電位を計測しても充電率を推定することができない。そのため、固体活物質を用いたレドックスフロー電池において、その充電率を算出する手法の開発が望まれている。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、固体活物質を用いたレドックスフロー電池の充電率を簡便に算出することを目的の一つとする。また、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
(1)ここで開示するレドックスフロー電池の制御装置は、車両に搭載され、固体活物質を含む電解液を貯留したタンクと電池セルとを備えたレドックスフロー電池の制御装置であって、前記車両の停止中を含む所定状態であるときに前記タンクの重量を検出する検出部と、前記検出部で検出された前記重量に基づき、前記固体活物質の充電率を算出する算出部と、を備えている。
(2)前記所定状態には、前記電解液の流動が停止している状態が含まれることが好ましい。
(3)前記所定状態は、前記車両の主電源が投入された直後であることが好ましい。
(4)前記制御装置は、前記レドックスフロー電池の充放電電流値及び電圧値の少なくとも一方に基づいて、前記レドックスフロー電池の充電率を推定する推定部を備えていることが好ましい。この場合、前記推定部は、前記算出部で算出された前記充電率を初期値に設定し、前記推定を開始する際に前記初期値を用いることが好ましい。
(5)前記制御装置は、前記車両の主電源が遮断される直前に前記推定部で推定された前記充電率と、前記遮断された前記主電源が再投入された直後に前記算出部で算出された前記充電率との誤差が所定値を超えている場合に、前記レドックスフロー電池に異常があると判断して前記車両のユーザーに報知する異常処理部を備えていることが好ましい。
開示の制御装置によれば、固体活物質を用いたレドックスフロー電池の充電率を簡便に算出することができる。
実施形態に係るレドックスフロー電池の制御装置が適用された車両の模式図である。 正極固体活物質における正極タンクの重量と固体活物質の充電率との関係を例示するグラフである。 制御装置での制御内容を説明するためのフローチャートである。
図面を参照して、実施形態としてのレドックスフロー電池の制御装置について説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.装置構成]
図1に示すように、本実施形態のレドックスフロー電池10は車両19に搭載され、車両19の走行用バッテリーとして使用される。車両19の種類は電気自動車やハイブリッド自動車など、バッテリーの電力を利用した走行が可能な車両である。レドックスフロー電池10とは、活物質の溶液(電解液)を正極セル2P及び負極セル2Nの各々に積極的に供給することで充放電反応(酸化還元反応)を継続的に生じさせるフロー電池の一種である。
レドックスフロー電池10は、電池セル1と、正極活物質を含む正極電解液を貯留した正極タンク5P(カソードリザーバ)と、負極活物質を含む負極電解液を貯留した負極タンク5N(アノードリザーバ)とを備える。さらに、レドックスフロー電池10は、電池セル1と正極タンク5Pとの間で正極電解液を循環させる正極循環路6Pと、電池セル1と負極タンク5Nとの間で負極電解液を循環させる負極循環路6Nとを備える。
電池セル1は、ケース1C内を二分するセパレーター3(分離膜,隔膜とも呼ばれる)と、セパレーター3を介してケース1C内に区画形成された正極セル2P及び負極セル2Nとを備えている。正極セル2P内には、正極(正電極)4Pが配置されるとともに正極電解液が流通する。負極セル2N内には、負極(負電極)4Nが配置されるとともに負極電解液が流通する。
セパレーター3としては、例えば、陽イオン交換膜や陰イオン交換膜といったイオン交換膜が挙げられる。イオン交換膜は、正極活物質の金属イオンと負極活物質の金属イオンとの隔離性に優れ、Li+イオン(電池内部の電荷担体)の透過性に優れるため、セパレーター3に好適であり、公知のイオン交換膜を利用できる。
正極電解液は、正極4P側と正極活物質との間の電子移動及びイオン移動を担うメディエーター溶液であり、負極電解液は、負極4N側と負極活物質との間の電子移動及びイオン移動を担うメディエーター溶液である。以下、正極電解液及び負極電解液を特に区別しない場合には、単に「電解液」という。また、メディエーター溶液の具体例としては、ヨウ化リチウム(LiI),テトラチアフルバレン(C6H4S4),フェロセン(C10H10Fe),N,N,N′,N′テトラメチル-1,4-フェニレンジアミン(C10H15N2)などが挙げられる。
また、本実施形態のレドックスフロー電池10では、正極活物質及び負極活物質として、いずれも固体活物質が用いられる。正極側の固体活物質は正極タンク5Pの内部に保持され、負極側の固体活物質は負極タンク5Nの内部に保持される。本実施形態のレドックスフロー電池10では、正極タンク5Pの一端側及び他端側に、内部の固体活物質の最小径よりも十分に目が小さい正極フィルター7Pが装備される。同様に、負極タンク5Nの一端側及び他端側に、内部の固体活物質の最小径よりも十分に目が小さい負極フィルター7Nが装備されている。これらのフィルター7P,7Nによって、各タンク5P,5Nから固体活物質が外部に流出しないようになっている。
正極側の固体活物質(正極固体活物質)の具体例としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2),リン酸鉄リチウム(LiFePO4),リン酸マンガンリチウム(LiMnPO4),リン酸バナジウムリチウム(Li3V2(PO4)3)などが挙げられる。また、負極側の固体活物質(負極固体活物質)の具体例としては、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12),シリコン(Si),リチウム(Li)などが挙げられる。固体活物質は、粉体粒子や粒体であってもよいし、より大きな塊(例えば多孔質体)であってもよい。
正極循環路6Pは、正極セル2Pの一端と正極タンク5Pの一端とを連通する配管61と、正極セル2Pの他端と正極タンク5Pの他端とを連通する配管62とから構成される。また、負極循環路6Nは、負極セル2Nの一端と負極タンク5Nの一端とを連通する配管63と、負極セル2Nの他端と負極タンク5Nの他端とを連通する配管64とから構成される。本実施形態のレドックスフロー電池10では、正極電解液を循環起動する正極ポンプ8Pが配管61に介装され、負極電解液を循環起動する負極ポンプ8Nが配管63に介装される。
正極タンク5P及び負極タンク5Nの各容積は、正極セル2P及び負極セル2Nの各容積の数百〜数千倍以上であり、大量の電解液が各々のタンク5P,5Nに貯留される。また、正極ポンプ8P及び負極ポンプ8Nのそれぞれが吐出する電解液の流量は可変であり、各ポンプ8P,8Nの回転数に応じた大きさの流量が得られるようになっている。各ポンプ8N,8Pの回転数は、制御装置20によって制御される。なお、以下の説明において、正極タンク5P及び負極タンク5Nを特に区別しない場合には、単に「タンク5」といい、正極ポンプ8P及び負極ポンプ8Nを特に区別しない場合には、単に「ポンプ8」という。
レドックスフロー電池10は、放電時には正極4Pと負極4Nとに接続された負荷17に電力を供給し、充電時には正極4Pと負極4Pとに接続された電源18から電力を受給する。充放電時の電解液は、ポンプ8によって駆動されて、タンク5の一端側(例えば下端側)から正極セル2P及び負極セル2Nの各一端側(例えば下端側)に流入し、正極セル2P及び負極セル2N内で電子移動反応に供される。その後、電解液は、正極セル2P及び負極セル2Nの各他端側(例えば上端側)からタンク5の他端側(例えば上端側)へと戻る。
固体活物質は、充放電によってイオンが脱離又は吸着することから、固体活物質を含む電解液を貯留したタンク5の重量は、充放電状態に応じて変化する。例えば、正極固体活物質がコバルト酸リチウム(LiCoO2)である場合、充電時にはLiイオンを脱離し、放電時にはLiイオンを吸着する。このため、正極タンク5Pの重量は、正極活物質の充電率(State of Charge)が高いほど低下し、この充電率が低いほど増加する。なお、正極活物質(固体活物質)の充電率とは、固体活物質中のLiイオン濃度に相当するパラメーターである。
本実施形態の制御装置20は、このようなタンク5の重量(以下「タンク重量」ともいう)と充電率との関係を用いて固体活物質の充電率を算出する。具体的には、タンク重量と充電率との対応関係をあらかじめ把握しておくことで、タンク重量に対応する充電率の値を算出する。タンク重量と充電率との対応関係は、正極側,負極側の各固体活物質の種類に応じて異なるが、例えば図2に示すように、タンク重量が増大するほど充電率が低下するような相関関係を数式,マップ,テーブルなどの形式で制御装置20に記憶させておけばよい。
正極タンク5Pの下面には、正極タンク5Pの重量を計測する正極重量センサー9Pが装備される。また、負極タンク5Nの下面には、負極タンク5Nの重量を計測する負極重量センサー9Nが装備される。これらの重量センサー9P,9Nは、各タンク5P,5Nの重さ(質量)を個別に測定する。以下、正極重量センサー9P及び負極重量センサー9Nを特に区別しない場合には、単に「重量センサー9」という。
また、車両19には、負荷17及び電源18とレドックスフロー10との間の充放電電流及び電圧を検出する電流センサー11及び電圧センサー12が設けられる。これらのセンサー11,12で検出された値は、制御装置20に伝達される。車両19にはさらに、主電源のオンオフを切り替えるために乗員によって操作されるIGスイッチ13と、車速を検出する車速センサー14と、シフトポジションを検出するシフトポジションセンサー15とが設けられる。IGスイッチ13に対して入力操作されると、この入力操作に応じた信号が制御装置20に伝達される。また、車速センサー14及びシフトポジションセンサー15で検出された情報も、制御装置20に伝達される。
制御装置20は、重量センサー9から伝達されたタンク重量を用いて、固体活物質の充電率の推定等を行うためのコンピューターである。この制御装置20には、プロセッサー(中央処理装置),メモリ(メインメモリ),記憶装置(ストレージ),インタフェース装置などが内蔵され、これらが内部バスを介して互いに接続されている。
プロセッサーは、制御ユニット(制御回路)や演算ユニット(演算回路),キャッシュメモリ(レジスタ群)などを内蔵する中央処理装置である。また、メモリは、プログラムや作業中のデータが格納される記憶装置であり、例えばROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)がこれに含まれる。記憶装置は、メモリよりも長期的に保持されるデータやファームウェアが格納されるメモリ装置であり、例えばフラッシュメモリやEEPROMなどの不揮発性メモリがこれに含まれる。
また、インタフェース装置は、制御装置20と外部との間の入出力(Input and Output;I/O)を司るものである。制御装置20は、インタフェース装置を介して、記録媒体ドライブ(光ディスクドライブ),記憶装置(SSD),表示装置(ディスプレイ),入力装置(タッチパネル),通信装置などに接続される。なお、制御装置20には公知のハードウェア構成を適用することが可能である。例えば、制御装置20の機能をバッテリーECU,モーターECU,EV−ECU,PHEV−ECUといった公知のECU(Electronic Control Unit)に実行させてもよい。
[2.制御構成]
図1に示すように、制御装置20には検出部21,算出部22,推定部23,異常処理部24が設けられる。これらの要素は、制御装置20での制御内容を便宜的に分類して示したものであり、個々の要素を独立したプログラムとして記述してもよいし、二つの機能を兼ね備えた複合プログラムとして記述してもよい。
検出部21は、車両19が所定状態であるときに、重量センサー9で計測された値(タンク重量)を検出する機能を持つ。ここでいう「所定状態」は車両19の上下振動がない状態であり、少なくとも車両19の停止中を含む。これは、車両19が上下振動する場合(例えば走行中)は、正確なタンク重量の把握が困難なためである。また、所定状態には、電解液の流動が停止している状態が含まれることが好ましい。電解液が流動していない状態(すなわちポンプ8の停止中)であれば、タンク重量の正確な値を計測しやすいからである。
本実施形態の検出部21は、車両19の主電源が投入された直後(IG-ON時)にタンク重量を検出する。つまり、本実施形態の所定状態は、車両19の主電源が投入された直後である。主電源が投入された直後は、車両19が発進しておらず(停車中)、かつ、バッテリー駆動もされていない(電解液の流動が停止している)ため、正確なタンク重量を把握できる。なお、検出部21は、IGスイッチ13から入力される信号に基づき、IG-ON時であるか否かを判断する。
算出部22は、検出部21で検出されたタンク重量に基づき、固体活物質の充電率を算出する機能を持つ。算出部22には、タンク重量と充電率との対応関係が記録,設定されている。例えば、図2に示すような対応関係があらかじめ保存される。この対応関係は、正極固体活物質と負極固体活物質とのそれぞれについて個別に用意される。つまり、本実施形態の算出部22は、正極タンク5Pの重量に基づき正極活物質の充電率Scpを算出するとともに、負極タンク5Nの重量に基づき負極活物質の充電率Scnを算出する。なお、これらの充電率Scp,Scnは必ずしも一致しないことから、後述する推定部23における推定では優勢値が選択される。
推定部23は、電流センサーで検出された充放電電流値及び電圧センサーで検出された電圧値の少なくとも一方に基づいて、レドックスフロー電池10の充電率を推定する機能を持つ。本実施形態のレドックスフロー電池10では、正極活物質及び負極活物質がいずれも固体活物質であることから、推定部23は正極側の充電率Sep及び負極側の充電率Senをそれぞれ推定する。ここで推定される充電率Sep,Senの値は、現在の電池容量(満充電容量)[Ah]に対するその時点の充電容量[Ah]の百分率に相当する。
推定部23は、従来周知の手法により充電率Sep,Senを推定する。例えば、推定部23は、レドックスフロー電池10の開放電圧値に基づき充電率Sep,Senを推定してもよいし、充放電電流を積算して電池容量の増減変化を追跡することで充電率Sep,Senを推定してもよい。本実施形態の推定部23は、後者の手法(いわゆる電流積算法)により充電率Sep,Senを推定する。
本実施形態の推定部23は、算出部22で算出された充電率Scp,Scnを初期値に設定し、上記の推定を開始する際にはこの初期値を用いる。本実施形態の算出部22は、正極側,負極側の各充電率Scp,Scnを算出することから、推定部23は、これらの充電率Scp及びScnの双方を初期値に設定し、上記手法によって充電率Sep,Senを推定する。
推定部23は、レドックスフロー電池10に負荷17が接続されている場合(放電時)には、二つの充電率Scp,Scnの双方を初期値に設定するとともに上記手法によって充電率Sep,Senを推定し、推定した二つの充電率Sep,Senのうちの低い一方を電池の充電率Seとして選択する。反対に、レドックスフロー電池10に電源18が接続されている場合(外部充電時)や回生充電時には、二つの充電率Scp,Scnの双方を初期値に設定するとともに上記手法によって充電率Sep,Senを推定し、推定した二つの充電率Sep,Senのうちの高い一方を電池の充電率Seとして選択する。なお、推定部23で推定されて選択された充電率Scが、実際のメーター表示等に用いられる。これにより、過充電及び過放電を防止しつつ充電率の推定精度を高める。
異常処理部24は、車両19の主電源が遮断される直前(IG-OFF直前)に推定部23で推定された充電率Sep,Senと、遮断された主電源が再投入された直後に算出部22で算出された充電率Scp,Scnとを用いて、レドックスフロー電池10の異常の有無を判断する機能と、異常がある場合にはその旨を車両19のユーザーに報知する機能とを持つ。レドックスフロー電池10は自己放電しにくいため、IG-OFF直前に推定された各充電率Sep,Senと、このIG-OFF後の最初のIG-ON時に算出された各充電率Scp,Scnとの誤差が大きい場合には、過充電や過放電,漏液,メディエーター溶液の分解など、なんらかの異常が起きている可能性が高い。
そこで、異常処理部24は、IGスイッチ13からIG-OFF操作を示す信号が伝達されたら、その時点における推定部23で推定された各充電率Sep,Senを「IG-OFF直前の充電率Sep,Sen」として記憶する。その後、IGスイッチ13から入力される信号に基づいてIG-ON時であると判断したら、その直後に算出部22において算出された二つの充電率Scp,Scnのそれぞれと、IG-OFF直前の二つの充電率Sep,Senとの各誤差を算出し、少なくとも一方の誤差が所定値を超えていれば「異常」と判断する。なお、この所定値は、例えばレドックスフロー電池10の活物質,電解液の種類に応じてあらかじめ設定された異常判定における閾値である。
異常処理部24は、異常であると判断した場合には、例えば、ディスプレイへの表示や音声,ブザー等によって、ユーザーに対して異常であることを知らせる。なお、本実施形態の制御装置20は、異常処理部24において異常であると判断された場合には、推定部23による上記推定を実施しないものとする。
[3.フローチャート]
図3は、制御装置20による制御の流れを説明するためのフローチャートである。ここでは、レドックスフロー電池10の放電時の制御例を示している。本フローチャートは、車両19の主電源が投入された時点(IG-ON)で開始される。まず、ステップA1では重量センサー9で計測されたタンク5の重量が検出される。
ステップA2では、検出されたタンク重量に基づき正極活物質の充電率Scp及び負極活物質の充電率Scnが算出される。ステップA3では、本フローチャートが実施される一つ前(前回)のフローチャート)において、IG-OFFされる直前に記憶した充電率Sep,Senを取得する。そして、ステップA4では、ステップA2で算出した充電率Scp,ScnとステップA3で取得した充電率Sep,Senとの各誤差がそれぞれ算出される。
ステップA5では、ステップA4で算出された二つの誤差がいずれも所定値以下であるか否かが判定される。ここで、少なくとも一方の誤差が所定値を超えている場合には、レドックスフロー電池10になんらかの異常が発生しているものと判断して、ステップA11に進み、異常が報知されて、このフローチャートを終了する。
ステップA5において、二つの誤差がともに所定値以下であると判定された場合にはステップA6に進み、ステップA2で算出された二つの充電率Scp及びScnの双方が初期値に設定される。続くステップA7では、電流積算法により二つの充電率Sep及びSenが推定される。この推定の初期値には、ステップA6で設定された充電率Scp及びScnがそれぞれ用いられる。本フローチャートは放電時の制御内容を示していることから、ステップA8では、ステップA7で推定された二つの充電率Sep及びSenのうちの低い一方が「充電率Se」として選択されて、メーター表示等に用いられる。
ステップA9では、IGスイッチ13からの信号に基づいてIG-OFFの操作の有無が判定され、IG-OFF操作がなければステップA7に戻って充電率Sep,Senの推定を繰り返す。一方、ステップA9においてIG-OFF操作があると判定されると、その時点で推定された充電率Sep,Senが記憶され(ステップA10)、主電源が遮断されてこのフローチャートを終了する。ステップA10で記憶された充電率Sep,Senは、このフローチャートの次に実施されるフローチャートのステップA3で「前回のIG-OFF直前の充電率Sep,Sen」として用いられる。
[4.作用,効果]
(1)上記のレドックスフロー電池10の制御装置20では、固体活物質を含む電解液を貯留したタンク5の重量が充放電状態に応じて変化することに着目した。このため、制御装置20によれば、タンク重量に基づいて簡便に充電率Scp,Scnを算出することができる。さらに、タンク重量は少なくとも停車中に検出されることから、検出精度を高めることができ、ひいては充電率Scp,Scnの算出精度も高めることができる。
(2)タンク重量を検出する所定状態に、電解液の流動が停止している状態が含まれることで、タンク重量の検出精度をより高めることができる。これにより、充電率Scp,Scnの算出精度もより高めることができる。
(3)上述した実施形態では、タンク重量が車両19の主電源が投入された直後(IG-ON時)に検出されることから、タンク重量の検出精度をさらに高めることができる。これにより、充電率Scp,Scnの算出精度もさらに高めることができる。
(4)上記の制御装置20には、レドックスフロー電池10の充放電電流値及び電圧値の少なくとも一方に基づいて充電率を推定する推定部23が設けられる。この推定部23は、タンク重量に基づいて算出された充電率Scp,Scnを初期値に設定し、推定を開始する際にこの初期値を用いるため、充電率Sep,Senの推定精度を高めることができる。
(5)上記の制御装置20では、レドックスフロー電池10の「自己放電しにくい」という特性に基づき、レドックスフロー電池10の異常判定を行うことができる。すなわち、IG-OFF直前に推定された充電率Sep,Senと、このIG-OFF後の最初のIG-ON時に算出された充電率Scp,Scnとの誤差を求め、この誤差を比較するだけで簡単に異常判定を行うことができる。さらに、異常があると判定された場合にはユーザーに報知されることから、ユーザーが適切な対応をとることが可能となり、利便性を向上させることができる。
[5.その他]
上記実施形態では、正極活物質及び負極活物質がいずれも固体活物質であるレドックスフロー電池10を例示したが、正極,負極のいずれか一方の活物質に固体活物質が採用されたレドックスフロー電池に対しても、上述した制御装置20を適用可能である。この場合、重量センサー9は固体活物質を含む電解液を貯留したタンク5のみに配置されていればよく、検出部21ではこのタンク5の重量が検出され、算出部22ではこのタンク重量に基づいて充電率Scが算出されればよい。なお、この場合、算出される充電率Scは一つであることから、推定部23及び異常処理部24では、この充電率Scを用いて上述した各処理を実施すればよい。
上記実施形態では、所定状態が「車両19の主電源が投入された直後」としているが、所定状態は少なくとも車両19の停止中であればよく、IG-ON時に限られない。例えば、主電源が投入された状態での駐停車中や信号待ち等を所定状態としてもよいし、アイドルストップ状態やレドックスフロー電池10の停止状態を所定状態としてもよい。これらの状態は、例えば車速センサー14やシフトポジションセンサー15からの情報に基づき判断可能である。
このように、主電源が投入されている状態で何度もタンク重量に基づき充電率Scを算出する構成の場合、充電率Scが算出される度に推定部23で推定された充電率Seを補正してもよい。あるいは、推定部23を省略して、タンク重量のみから充電率Scを算出してもよい。なお、タンク重量の検出方法は特に限られず、タンク下面に配置された重量センサーで計測された値を用いる方法以外であってもよい。
上記実施形態では、所定状態以外の状態において推定部23が電流積算法により充電率Seを推定しているが、所定状態以外の状態における充電率の推定手法は特に限られない。また、異常処理部24による異常判断及び報知処理を省略してもよい。
なお、上述したレドックスフロー電池10の構成は一例であって、上述したものに限られない。例えば、正極ポンプ8P及び負極ポンプ8Nが他の配管62,64に介装されていてもよい。
1 電池セル
1C ケース
2N 負極セル
2P 正極セル
3 セパレーター
4N 負極
4P 正極
5 タンク
5N 負極タンク
5P 正極タンク
6N 負極循環路
6P 正極循環路
7N 負極フィルター
7P 正極フィルター
8 ポンプ
8N 負極ポンプ
8P 正極ポンプ
9 重量センサー
9N 負極重量センサー
9P 正極重量センサー
10 レドックスフロー電池
11 電流センサー
12 電圧センサー
13 IGスイッチ
14 車速センサー
15 シフトポジションセンサー
17 負荷
18 電源
19 車両
20 制御装置
21 検出部
22 算出部
23 推定部
24 異常処理部
Sc,Scn,Scp 算出部で算出された充電率
Se,Sep,Sen 推定部で推定された充電率

Claims (5)

  1. 車両に搭載され、固体活物質を含む電解液を貯留したタンクと電池セルとを備えたレドックスフロー電池の制御装置であって、
    前記車両の停止中を含む所定状態であるときに前記タンクの重量を検出する検出部と、
    前記検出部で検出された前記重量に基づき、前記固体活物質の充電率を算出する算出部と、を備えた
    ことを特徴とする、レドックスフロー電池の制御装置。
  2. 前記所定状態には、前記電解液の流動が停止している状態が含まれる
    ことを特徴とする、請求項1記載のレドックスフロー電池の制御装置。
  3. 前記所定状態は、前記車両の主電源が投入された直後である
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のレドックスフロー電池の制御装置。
  4. 前記レドックスフロー電池の充放電電流値及び電圧値の少なくとも一方に基づいて、前記レドックスフロー電池の充電率を推定する推定部を備え、
    前記推定部は、前記算出部で算出された前記充電率を初期値に設定し、前記推定を開始する際に前記初期値を用いる
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池の制御装置。
  5. 前記車両の主電源が遮断される直前に前記推定部で推定された前記充電率と、前記遮断された前記主電源が再投入された直後に前記算出部で算出された前記充電率との誤差が所定値を超えている場合に、前記レドックスフロー電池に異常があると判断して前記車両のユーザーに報知する異常処理部を備えた
    ことを特徴とする、請求項4記載のレドックスフロー電池の制御装置。
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