以下、本発明の実施形態である車両用灯具ユニット10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
図1は車両用灯具ユニット10の正面図、図2は側面図、図3は上面図、図4は背面図、図5は車両用灯具ユニット10が搭載された車両Vの正面図である。
図1〜図4に示す車両用灯具ユニット10は、ポジションランプとして機能する車両用信号灯具であり、図5に示すように、自動車等の車両Vの前端部の左右両側にそれぞれロービーム用灯具ユニット62の側面を覆った状態で搭載される側面発光型の車両用灯具ユニットである。車両Vの前端部には、車両用灯具ユニット10の他、アウターレンズの天面部60、ヘッドランプ用灯具ユニット(ハイビーム用灯具ユニット61、ロービーム用灯具ユニット62)、DRLランプ63(又はターンランプ)も搭載される。
左右両側に搭載される車両用灯具ユニット10は左右対称の構成であるため、以下、代表して、車両Vの前端部の右側(車両前方に向かって右側)に搭載される車両用灯具ユニット10について説明する。以下、説明の便宜のため、XYZ軸を定義する。X軸は車両前後方向に延びており、Y軸は車幅方向に延びており、Z軸は鉛直方向に延びている。
まず、車両用灯具ユニット10の発光パターン(線状発光パターンLP)について説明する。
車両用灯具ユニット10においては、光源を点灯すると、図6(a)及び図7(a)に示すように、線状発光パターンLPが形成される。線状発光パターンLPは、周囲より輝度が高い線状の高輝度部分で、車両前後方向に延びている。
図6(a)は、側面視で基準軸AX(X軸)に対して0度、上面視で基準軸AXに対して右60度の位置に視点VPを置いた場合(図6(b)参照)に視認される線状発光パターンLPの例である。図7(a)は、側面視で基準軸AXに対して上30度、上面視で基準軸AXに対して右60度の位置に視点VPを置いた場合(図7(b)参照)に視認される線状発光パターンLPの例である。
線状発光パターンLPは、視点位置に応じて異なる位置に形成される。
例えば、視点VPが図6(b)の場合、図6(a)に示すように、線状発光パターンLPは、右端に付した角度位置を表す参照数字のうち主に6、7の範囲に形成される。一方、視点VPが図7(b)の場合、図7(a)に示すように、線状発光パターンLPは、右端に付した角度位置を表す参照数字のうち主に4、5の範囲に形成される。視点VPを他の位置に置いた場合も同様である。
次に、上記線状発光パターンLPを形成する車両用灯具ユニット10の構成例について説明する。
図8は、車両用灯具ユニット10の分解斜視図である。
図8に示すように、車両用灯具ユニット10は、ブラケット20と、第1円筒状レンズ体30(第1インナーレンズ)と、第2円筒状レンズ体40(第2インナーレンズ)と、複数の光源50と、を備える。車両用灯具ユニット10は、図示しないが、アウターレンズとハウジングとによって構成される灯室内に配置され、ハウジング等に固定される。
図9は第1円筒状レンズ体30の側面図、図10は正面図、図11は部分背面図(図4中の基板51を透視した透視図に相当)である。
図9、図10に示すように、第1円筒状レンズ体30は、後端部31から前端部32に向かって延びる円筒状レンズ体である。図11に示すように、後端部31は、円弧状に延びる後端面31aを含む。第1円筒状レンズ体30の材料は、例えば、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂である。
図10に示すように、第1円筒状レンズ体30は、完全な円筒ではなく、円筒のうち中心角θ2の範囲以外の範囲(中心角θ3の範囲)がカットされた半円筒状のレンズ体である。θ2は、例えば、第1円筒状レンズ体30(外周面34の曲率の中心線)の中心軸AX30を含む水平面に対して上60度と下60度の合計120度である。θ2は、ポジションランプに求められる照射範囲(中心軸AX30を含む水平面に対して上15度及び下15度の合計30度)をカバーする角度であればよく、上60度及び下60度に限定されない。なお、第1円筒状レンズ体30の外周面34(中心軸AX30に直交する平面による断面)は真円(図10中符号Cが示す円参照)であるが、内周面33は真円ではない。
図12(a)は図11のC−C断面図、図12(b)は図11のD−D断面図、図13は図2のA−A断面図である。
図8、図12等に示すように、光源50は、基板51に実装される。光源50は、白色光を発光するLED等の半導体発光素子である。光源50は、発光面50a(例えば、1mm角の矩形の発光面)を備える。
光源50は、発光面50aが第1円筒状レンズ体30の後端面31aに対向した状態(図12参照)で第1円筒状レンズ体30の後端面31aの周方向に複数配置される(図11参照)。基板51は、ネジ止め等によりブラケット20等に固定される。
具体的には、図11に示すように、光源50は、第1円筒状レンズ体30の後端面31aの周方向の位置p1〜p3それぞれに配置される。
位置p1は、中心軸AX30を通る水平線L1上の位置である。位置p2は、水平線L1に対して角度θ4傾斜した直線L2上の位置である。位置p3は、直線L2に対して角度θ5傾斜した直線L3上の位置である。θ4、θ5は、例えば、15度である。以下、位置p1に配置された光源50のことを光源50p1、位置p2に配置された光源50のことを光源50p2、位置p3に配置された光源50のことを光源50p3ということがある。
第1円筒状レンズ体30の後端面31aは、光源50が対向する入光面37を含む。入光面37は、光源50(発光面50a)が対向した状態(図12参照)で第1円筒状レンズ体30の後端面31aの周方向(図11参照)に複数配置される。
図12に示すように、入光面37は、焦点Fを有するレンズ面である。具体的には、入光面37は、光源50(発光面50a)に向かって凸で、焦点Fを通る光軸AX37に対して回転対称な形状のレンズ面である。入光面37の光軸AX37と第1円筒状レンズ体30の中心軸AX30は互いに平行である(図13参照)。
光源50は、当該光源50が対向する入光面37の焦点F近傍に配置されている。具体的には、発光面50aの中心が焦点F近傍に配置されている。光源50の光軸AX50は、入光面37の光軸AX37と一致している。光源50の光軸AX50は、発光面50aの中心を通り、かつ、発光面50aに直交する方向に延びている。光源50は、後端面31a(入光面37)から第1円筒状レンズ体30に入光し、前端部32に向けて第1円筒状レンズ体30内を導光される光を発光する。
図14は図2のB−B断面図、図15は第1円筒状レンズ体30の側面図(図9中の第1円筒状レンズ体30の外周面34を透視した透視図に相当)である。
第1円筒状レンズ体30の内周面33(図13、図14参照)は、第1円筒状レンズ体30内を導光される光を拡散させて第1円筒状レンズ体30の外周面34から出射させるための複数の構造物LCを含む。
構造物LCは、例えば、第1円筒状レンズ体30の周方向(図14中の矢印CD方向)に延びるV溝で、図15中の範囲A2に施されている。以下、構造物LCのことをV溝LCという。範囲A2は、光源50p1〜50p3からの光によって形成される線状発光パターンLP1〜LP3が収束して一本の線状発光パターンLPとして視認される範囲である。線状発光パターンLP1〜LP3が収束して一本の線状発光パターンLPとして視認される点については後述する。
図16(a)、図16(b)に示すように、V溝LCは、角度θ6傾斜した面33aを備える。θ6は例えば45度である。V溝LCの頂部(底部)の半径はRである。半径Rは例えば0.2mmである。V溝LCは、一定間隔(ピッチp)で設けられる。ピッチpは例えば1mmである。
図16(a)は、第1円筒状レンズ体30の後端部31側に形成されるV溝LCの例である。図16(b)は、第1円筒状レンズ体30の前端部32側に形成されるV溝LCの例である。
V溝LCの深さdは、後端部31側と前端部32側で異なる。
例えば、図16(a)に示すように、後端部31側に形成されるV溝LCの深さdは0.1mmである。一方、図16(b)に示すように、前端部32側に形成されるV溝LCの深さdは0.5mmである。V溝LCの深さdは、後端部31から前端部32に向かうに従って徐々に深くなる。
第1円筒状レンズ体30の内周面33の曲率半径(曲率)は、後端部31側と前端部32側とで異なる。また、中心軸AX30を含む水平面より上と下で異なる。
具体的には、図9に示すように、第1円筒状レンズ体30のうち中心軸AX30を含む水平面より上の部分(以下上レンズ体30Aともいう)の内周面33の後端部31側の曲率半径はW1である。これに対して、上レンズ体30Aの内周面33の前端部32側の曲率半径はW2である(W1<W2)。上レンズ体30Aの内周面33の曲率半径は、図9中の線LA1で示すように、後端部31から前端部32に向かうに従って徐々に大きくなる。
一方、第1円筒状レンズ体30のうち中心軸AX30を含む水平面より下の部分(以下下レンズ体30Bともいう)の内周面33の後端部31側の曲率半径はW3である。これに対して、下レンズ体30Bの内周面33の前端部32側の曲率半径はW4である(W3<W4)。下レンズ体30Bの内周面33の曲率半径は、図9中の線LA3で示すように、後端部31から前端部32に向かうに従って徐々に大きくなる。なお、図9中の線LA1、LA3は、内周面33の外形線を表す。
なお、第1円筒状レンズ体30の外周面34の曲率半径(曲率)は、後端部31側と前端部32側とで同じである。また、中心軸AX30を含む水平面より上と下でも同じである。
第1円筒状レンズ体30の肉厚(内周面33と外周面34との間の厚み)は、後端部31側と前端部32側とで異なる。また、上端部35側と下端部36側とで異なる。
具体的には、図13に示すように、第1円筒状レンズ体30の内周面33は、後端部31から前端部32に向かうに従って外周面34側に徐々に湾曲しているため、後端部31から前端部32に向かうに従って外周面34との間の厚みがT1からT2のように徐々に薄くなる。T1は例えば8mm、T2は例えば2mmである。
また、図10に示すように、第1円筒状レンズ体30の内周面33は、上端部35から下端部36に向かうに従って曲率半径が大きくなっているため、上端部35から下端部36に向かうに従って外周面34との間の厚みが徐々に薄くなる。
入光面37から第1円筒状レンズ体30に入光した光源50からの光は第1円筒状レンズ体30内を導光されて前端部32に近づくに従って減少(減衰)するが、以上のように、(1)前端部32に近づくに従ってV溝LCの深さdを深くし、(2)前端部32に近づくに従って第1円筒状レンズ体30の肉厚を薄くし、かつ、(3)下端部36に近づくに従って第1円筒状レンズ体30の肉厚を薄くすることで、第1円筒状レンズ体30の外周面34から出射する光(光量、光の強度)は、出射位置に関わらず均一(又は略均一)となる。これにより、特定の方向に視点を置いた場合、後端部31側から前端部32側にかけて均一(又は略均一)に発光しているように視認される線状発光パターンLPが形成される。
図12に示すように、光源50と第1円筒状レンズ体30の後端面31a(入光面37)との間には、シェード21が配置される。
図8に示すように、シェード21は、円弧状のプレートで、ブラケット20の外周面の後端部側に設けられる。シェード21には、光源50からの光を通過させるため、光源50が対向する箇所にそれぞれ貫通穴Hが形成されている。シェード21により、光源50からの光が当該光源50が対向する入光面37以外の入光面37に入射するのが抑制される。
次に、ブラケット20について説明する。
図8に示すように、ブラケット20は、完全な円筒ではなく、円筒のうち一部がカットされた半円筒状のブラケットで、シェード21と、環状ブラケット22と、を含む。ブラケット20の材料は、例えば、アクリルやポリカーボネイト等の合成樹脂である。
ブラケット20の外周面には、アルミ蒸着を施すことで反射面23が形成されている。反射面23は、第1円筒状レンズ体30の内周面33が対向した状態で配置される反射面で、第1円筒状レンズ体30及び第2円筒状レンズ体40を通して視認される。
図5に示すように、環状ブラケット22には、環状ランプ(例えば、DRLランプ63)が固定される。
次に、第2円筒状レンズ体40について説明する。
図8に示すように、第2円筒状レンズ体40は、完全な円筒ではなく、円筒のうち一部がカットされた半円筒状のレンズ体である。第2円筒状レンズ体40の材料は、例えば、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂である。
第2円筒状レンズ体40は、後端部から前端部に向かって延びる複数のレンズカットLCAを含む。レンズカットLCAは、第2円筒状レンズ体40の内周面及び外周面の少なくとも一方に施される。第2円筒状レンズ体40は、主に第1円筒状レンズ体30に形成されたV溝LCを覆い隠す目的で設けられる。
上記構成の第1円筒状レンズ体30は、図14に示すように、当該第1円筒状レンズ体30の内周面33とブラケット20の外周面20b(反射面23)とが対向し、かつ、当該第1円筒状レンズ体30の外周面34と第2円筒状レンズ体40の内周面とが対向した状態でブラケット20と第2円筒状レンズ体40との間に配置される。
その際、図8に示すように、ブラケット20のフランジ部24(4箇所)に設けられた位置決めピン25が、第1円筒状レンズ体30のフランジ部38(4箇所)に形成された位置決め用穴H4及び第2円筒状レンズ体40のフランジ部41(4箇所)に形成された位置決め用穴H5に挿入されることで、ブラケット20、第1円筒状レンズ体30及び第2円筒状レンズ体40は、互いに位置決めされる。
そして、第2円筒状レンズ体40のフランジ部41(4箇所)に形成されたネジ穴H1及び第1円筒状レンズ体30のフランジ部38(4箇所)に形成されたネジ穴H2に挿入されたネジN(図1参照)をブラケット20のフランジ部24(4箇所)にネジ止めすることで、ブラケット20、第1円筒状レンズ体30及び第2円筒状レンズ体40は、互いに位置決めされた状態で固定される(図1参照)。
図5に示すように、上記構成の車両用灯具ユニット10は、ロービーム用灯具ユニット62の側面を覆った状態で配置される。具体的には、図示しないが、車両用灯具ユニット10は、ブラケット20の内周面20a(図13、図14参照)とロービーム用灯具ユニット62の側面(図示せず)とが対向した状態、すなわち、車両用灯具ユニット10(第1円筒状レンズ体30等)がロービーム用灯具ユニット62の側面を覆った状態で配置される。その際、環状ブラケット22は、正面視で、ロービーム用灯具ユニット62の発光領域(例えば、投影レンズ62a)を取り囲んだ状態で配置される(図5参照)。
また、車両用灯具ユニット10(第1円筒状レンズ体30等)は、第2円筒状レンズ体40を透過して第1円筒状レンズ体30が車両正面から視認されるように(図5参照)、図3に示すように、中心軸AX30が上面視で車両前後方向に延びる基準軸AX(X軸)に対して角度θ1傾斜した状態で配置される。θ1は例えば11度である。θ1は、ポジションランプに求められる照射範囲(中心軸AX30を含む鉛直面に対して左45度及び右80度の合計125度)をカバーする角度であればよく、11度に限定されない。
上記構成の車両用灯具ユニット10においては、光源50を点灯すると、図6(a)及び図7(a)に示すように、線状発光パターンLPが形成される。以下、この点について詳細に説明する。
図17は、第1円筒状レンズ体30に入光した光源50からの光の光路を説明するための図(模式図)である。
光源50を点灯すると、図17に示すように、光源50から放出された光が入光面37から第1円筒状レンズ体30に入光する。その際、発光面50aの中心が焦点F近傍に配置されているため、第1円筒状レンズ体30に入光した光は、第1円筒状レンズ体30内で様々な方向に進行する。
例えば、光源50の発光面50aのうち中心から放出された光Ray1は、入光面37で屈折されて光軸AX37方向に進行する。一方、光源50の発光面50aのうち中心に対して下方にシフトした位置P1から放出された光Ray2は、入光面37で屈折されて光軸AX37に対して上向きに所定角度傾斜した方向に進行する。また、光源50の発光面50aのうち中心に対して上方にシフトした位置P2から放出された光Ray3は、入光面37で屈折されて光軸AX37に対して下向きに所定角度傾斜した方向に進行する。光源50の発光面50aの他の位置から放出された光についても同様である。
以下、代表して、光源50p3からの光が辿る光路について説明する。なお、光源50p1、光源50p2からの光が辿る光路も同様である。
図18(a)は光源50p3からの光が辿る光路を模式的に描いた上面図、図18(b)は側面図、図18(c)は図18(b)のE−E断面図、図18(d)は図18(b)のF−F断面図である。
上記のように第1円筒状レンズ体30内で様々な方向に進行する光は、第1円筒状レンズ体30内で内面反射(全反射)を繰り返しつつ第1円筒状レンズ体30の後端部31から前端部32に向けて第1円筒状レンズ体30内を導光され、内周面33(構造物LC)で内面反射(拡散反射)されて第1円筒状レンズ体30の外周面34から様々な方向に出射する(図18(c)及び図18(d)中の複数の矢印参照)。
その際、光軸AX37に対する角度が大きい光(例えば、図18(a)及び図18(b)中のRayA、RayB)は、内周面33のうち後端部31側の範囲A1(図15参照)で内面反射されて外周面34から出射する。一方、光軸AX37に対する角度が小さい光(例えば、図18(a)及び図18(b)中のRayC、RayD)は、外周面34で内面反射された後さらに内周面33のうち前端部32側の範囲A2(図15参照)で内面反射されて外周面34から出射する。
そして、中心軸AX30と光源50p1とを結ぶ直線L1上に視点VPを置いた場合(図18(c)参照)、外周面34から出射する光のうち主に直線L1方向(水平方向)に進行する光が視認される。
例えば、図18(a)及び図18(b)の場合、内周面33で内面反射されて外周面34上の位置aから出射して水平方向に進行する光RayA、内周面33で内面反射されて外周面34上の位置bから出射して水平方向に進行する光RayB、外周面34上の位置eで内面反射された後さらに内周面33で内面反射されて外周面34上の位置cから出射して水平方向に進行する光RayC、及び、外周面34上の位置fで内面反射された後さらに内周面33で内面反射されて外周面34上の位置dから出射して水平方向に進行する光RayDが視認される。
図19(a)は光源50p3からの光が辿る光路を描いた上面図(シミュレーション結果)、図19(b)は側面図(シミュレーション結果)である。
図19(a)、図19(b)の場合、内周面33で内面反射されて外周面34上の位置gから出射して水平方向に進行する光RayG、内周面33で内面反射されて外周面34上の位置hから出射して水平方向に進行する光RayH、外周面34上の位置kで内面反射された後さらに内周面33で内面反射されて外周面34上の位置iから出射して水平方向に進行する光RayI、及び、外周面34上の位置lで内面反射された後さらに内周面33で内面反射されて外周面34上の位置jから出射して水平方向に進行する光RayJが視認される。
その結果、図20(a)に示すように、中心軸AX30と光源50p1とを結ぶ直線L1(水平線)上に視点VPを置いた場合、光源50p1〜50p3からの光によって形成される線状発光パターンLP1〜LP3が範囲A1と範囲A2との境界Bd近傍で収束した一本の線状発光パターンLP(図15参照)が範囲B2において視認される。範囲B2は、中心軸AX30と光源50p1とを結ぶ直線L1に対して上15度、下15度の合計30度の範囲である。図20(a)は、中心軸AX30と光源50p1とを結ぶ直線L1上に視点VPを置いた場合に線状発光パターンLPが形成される範囲B2の例である。
図6(a)に示す線状発光パターンLPは以上のようにして形成される。
一方、図20(b)に示すように、中心軸AX30と光源50p3とを結ぶ直線L3上に視点VPを置いた場合も同様で、外周面34から出射する光のうち主に直線L3方向に進行する光が視認される。
その結果、図20(b)に示すように、中心軸AX30と光源50p3とを結ぶ直線L3上に視点VPを置いた場合、光源50p1〜50p3からの光によって形成される線状発光パターンLP1〜LP3が範囲A1と範囲A2との境界Bd(図15参照)近傍で収束した一本の線状発光パターンLPが範囲C2において視認される。範囲C2は、中心軸AX30と光源50p3とを結ぶ直線L3に対して上15度、下15度の合計30度の範囲である。図20(b)は、中心軸AX30と光源50p3とを結ぶ直線L3上に視点VPを置いた場合に線状発光パターンLPが形成される範囲C2の例である。
図7(a)に示す線状発光パターンLPは以上のようにして形成される。
図20(a)、図20(b)以外の位置に視点VPを置いた場合も同様にして、光源50p1〜50p3からの光によって形成される線状発光パターンLP1〜LP3が収束した一本の線状発光パターンLPが視認される。
以上のように、線状発光パターンLPは、視点位置に応じて異なる位置に形成される。
以上説明したように、本実施形態によれば、限られたスペースに配置することができる車両用灯具ユニット10を提供することができる。
これは、車両用灯具ユニット10(第1円筒状レンズ体30等)がエクステンションとしての機能に加えてランプ(例えば、ポジションランプ)としての機能を兼ねることによるものである。
また、本実施形態によれば、第1円筒状レンズ体30に入光した各々の光源50からの光によって形成される複数の線状発光パターンLP1〜LP3が収束した一本の線状発光パターンLP(視点位置に応じて異なる位置に形成される線状発光パターン)を形成することができる。
これは、主に、第1円筒状レンズ体30を用い、当該第1円筒状レンズ体30の後端面31aに複数の入光面37を設け、さらに当該複数の入光面37の焦点F近傍に複数の光源50(50p1〜50p3)をそれぞれ配置したことによるものである。
また、本実施形態によれば、構造物LCとして第1円筒状レンズ体30の周方向に延びるV溝を用いているため、構造物LCとして他のレンズカットを用いる場合と比べ、線状発光パターンLPの輝度を高くすることができる。
また、本実施形態によれば、線状発光パターンLPが形成されている第1円筒状レンズ体30の背後で、第1円筒状レンズ体30(内周面33)から後方に漏れ出る光を反射することで発光する反射面23が視認される、奥行き感のある立体的な発光見栄えを実現することができる。
また、本実施形態によれば、第2円筒状レンズ体40(内周面又は外周面)に意匠(例えば、レンズカット)を施すことで新規見栄えを実現することができる。
また、本実施形態によれば、中心軸AX30が上面視で車両前後方向に延びる基準軸AX(X軸)に対して角度θ1(図3参照)傾斜した状態で車両用灯具ユニット10(第1円筒状レンズ体30)が配置されているため、図21(a)及び図22(a)に示すように、車両正面からの視認性が向上する。
図21(a)は、側面視で基準軸AX(X軸)に対して0度、上面視で基準軸AXに対して0度の位置に視点VPを置いた場合(図21(b)参照)に視認される車両用灯具ユニット10の発光パターンの例である。図22(a)は、側面視で基準軸AXに対して上30度、上面視で基準軸AXに対して0度の位置に視点VPを置いた場合(図22(b)参照)に視認される車両用灯具ユニット10の発光パターンの例である。
また、本実施形態によれば、ロービーム用灯具ユニット62(本発明の他の車両用灯具ユニットの一例)の側面がエクステンションとしての機能に加えてランプ(例えば、ポジションランプ)としての機能を兼ねる車両用灯具ユニット10(第1円筒状レンズ体30等)で覆われた新規見栄えの車両用灯具を実現することができる。
次に、変形例について説明する。
上記実施形態では、本発明の車両用灯具ユニットをポジションランプに適用した例について説明したが、これに限らない。例えば、テールランプ、ストップランプ、バックランプ、サイドマーカーランプ、ターンランプ、DRL(Daytime Running Lamps)ランプにも本発明の車両用灯具ユニットを適用してもよい。
また、上記実施形態では、車両用灯具ユニット10で側面が覆われる他の車両用灯具ユニットとして、ロービーム用灯具ユニット62を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、他の車両用灯具ユニットとして、ハイビーム用灯具ユニット61を用いてもよいし、他の灯具ユニットを用いてもよい。例えば、本発明の車両用灯具ユニットをテールランプに適用する場合、車両用灯具ユニット10で側面が覆われる他の車両用灯具ユニットとして、ストップランプやバックランプを用いてもよい。
図23は、変形例の第1円筒状レンズ体30の部分背面図(図4中の基板51を透視した透視図に相当)である。
上記実施形態では、図11に示すように、位置p1〜位置p3それぞれに光源50を配置した例について説明したが、これに限らない。
例えば、図23(a)に示すように、位置p1、位置p2、位置p4それぞれに光源50を配置してもよい。位置p4は、例えば、中心軸AX30を通る水平線L1に対して下15度傾斜した直線L4上の位置である。
また、例えば、図23(b)に示すように、位置p1〜位置p5それぞれに光源50を配置してもよい。位置p5は、例えば、直線L3に対して上15度傾斜した直線L5上の位置である。
また、上記実施形態では、ブラケット20、第1円筒状レンズ体30、第2円筒状レンズ体40を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、ブラケット20及び第2円筒状レンズ体40の少なくとも一方を省略してもよい。
また、上記実施形態では、第1円筒状レンズ体30の外周面34(中心軸AX30に直交する平面による断面)が真円(図10中符号Cが示す円参照)である例について説明したが、これに限らない。例えば、第1円筒状レンズ体30の外周面34(中心軸AX30に直交する平面による断面)は真円以外の円、例えば、楕円の一部であってもよい。
また、上記実施形態では、入光面37を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、入光面37は省略してもよい。つまり、第1円筒状レンズ体30の後端面31aを入光面37として用いてもよい。
上記各実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
上記各実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記各実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。