JP2020091723A - 携帯用情報機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構造でありながら折り畳み可能な筐体間を接続する配線の不具合の発生を防止することができる携帯用情報機器を提供する。【解決手段】携帯用情報機器10は、第1筐体部材12Aと第2筐体部材12Bとの隙間を覆うように設けられた背表紙部材60と、背表紙部材60に設けられた溝部64と、第1筐体部材12A側と第2筐体部材12B側との間を接続する配線66とを備える。この携帯用情報機器10は、ヒンジ機構19によって第1筐体部材12Aと第2筐体部材12Bとが平板状に開かれた状態で、溝部64には、配線66の一部を撓ませた撓み部66aが配置されている。【選択図】図10

Description

本発明は、折り畳み可能な一対の筐体部材を備えた携帯用情報機器に関する。
近年、タッチパネル式の液晶ディスプレイを有し、物理的なキーボードを持たないタブレット型PCやスマートフォン等の携帯用情報機器が急速に普及している。この種の携帯用情報機器のディスプレイは、使用時には大きい方が望ましい反面、携帯時には小型化されることが望まれている。そこで、本出願人は、有機EL(Electro Luminescence)等のフレキシブルディスプレイを用いることで、筐体だけでなくディスプレイまでも折り畳み可能に構成した携帯用情報機器を提案している(例えば、特許文献1参照)。
特開2018−112834号公報
上記のような携帯用情報機器は、例えば左右に分割された筐体を備えるため、左右の筐体同士を配線で接続する必要がある。この際、左右の筐体間は、開いた状態と閉じた状態とで隙間の幅が変化するため、筐体間を渡る部分で配線が伸縮動作を受ける。このため、何ら対策なく配線を筐体間に通しておくと、筐体の開閉動作時に配線が不規則に移動し、破断や引っ掛かりを生じる懸念がある。そこで、例えば一方の筐体内に配線の巻取機構を設け、開閉時の配線の伸縮動作を吸収することも考えられるが、このような巻取機構を設けるスペースの確保は難しく、構造も複雑である。
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、簡素な構造でありながら折り畳み可能な筐体間を接続する配線の不具合の発生を防止することができる携帯用情報機器を提供することを目的とする。
本発明の第1態様に係る携帯用情報機器は、隣接配置された一縁部同士がヒンジ機構によって連結されることで、二つ折りに折り畳み可能な第1筐体部材及び第2筐体部材を備えた携帯用情報機器であって、前記第1筐体部材の前記一縁部と前記第2筐体部材の前記一縁部との隙間を覆うように、前記第1筐体部材の内面と前記第2筐体部材の内面との間に亘って設けられた背表紙部材と、前記背表紙部材に設けられ、前記第1筐体部材から前記第2筐体部材に向かう方向に沿って延びた溝部と、前記第1筐体部材側と前記第2筐体部材側との間を接続する配線と、を備え、前記ヒンジ機構によって前記第1筐体部材と前記第2筐体部材とが平板状に開かれた状態で、前記溝部には、前記配線の一部を撓ませた撓み部が配置されている。
このような構成によれば、各筐体部材間が折り畳まれた際、配線は、撓み部が背表紙部材の溝部内で引き伸ばされることで、その接続距離の変化を容易に吸収できる。このため、筐体部材が折り畳み動作を受けた場合であっても、配線が破損や引っ掛かり等の不具合を生じることを防止できる。
前記配線は、前記撓み部の一端側部分が前記第1筐体部材の内面に位置決め固定され、前記撓み部の他端側部分が前記第2筐体部材の内面に位置決め固定された構成としてもよい。そうすると、配線は、筐体部材の内面では移動せず、撓み部のみが溝部内のみで移動するため、筐体部材の内面に配線の移動スペースを確保しておく必要がない。
前記撓み部は、前記背表紙部材に対する平面視で、山形に角度付けされており、前記山形の麓部が前記第1筐体部材から前記第2筐体部材に向かう方向に沿って配置され、前記山形の頂部が前記背表紙部材の長手方向で前記麓部から一方側に張り出した位置に配置された構成としてもよい。そうすると、各筐体部材の開閉動作時、配線の撓み部には、伸縮方向の力と軸回り方向の捻じり力とが付与される。その結果、配線は、その1点、例えば頂部に応力集中を生じることを回避でき、筐体部材の繰り返しの開閉動作を受けた際の経時的な破損を抑制できる。
前記第1筐体部材は、前記配線を前記位置決め固定する第1固定部を有し、前記第2筐体部材は、前記配線を前記位置決め固定する第2固定部を有し、前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記配線の延在方向を前記第1筐体部材から前記第2筐体部材に向かう方向から変化させ、前記撓み部が前記山形を形成するように角度付けした角度設定部を有する構成としてもよい。そうすると、各筐体部材の開閉動作時、配線の撓み部に対して、より確実に伸縮方向の力と軸回り方向の捻じり力とを付与することができる。
前記配線は、複数本が1組で前記溝部に通されており、前記1組の各配線は、前記第1固定部及び前記第2固定部では平面方向に並べて位置決め固定されると共に、前記撓み部では平面方向に並んだ状態を維持したままで移動可能に設けられていてもよい。
前記撓み部の前記山形は、前記麓部が前記背表紙部材の長手方向で端部側に配置され、前記頂部が前記背表紙部材の長手方向で中央側に配置された構成としてもよい。
本発明の上記態様によれば、簡素な構造でありながら折り畳み可能な筐体間を接続する配線の不具合の発生を防止することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯用情報機器を閉じて収納形態とした状態を示した斜視図である。 図2は、図1に示す携帯用情報機器を開いて使用形態とした状態を模式的に示した斜視図である。 図3は、図2に示す携帯用情報機器の内部構造を模式的に示した平面図である。 図4は、図1に示す携帯用情報機器から背表紙部材を省略した状態での要部拡大斜視図である。 図5は、背表紙部材の分解斜視図である。 図6Aは、図1中のVIA−VIA線に沿う断面構造を模式的に示した断面図である。 図6Bは、図3中のVIB−VIB線に沿う断面構造を模式的に示した断面図である。 図7Aは、図1中のVIIA−VIIA線に沿う断面構造を模式的に示した断面図である。 図7Bは、図3中のVIIB−VIIB線に沿う断面構造を模式的に示した断面図である。 図8は、図2中のVIII−VIII線に沿う断面構造を模式的に示した断面図である。 図9Aは、背表紙部材の溝部の並び方向に沿う断面構造を模式的に示した要部拡大断面図である。 図9Bは、背表紙部材の長手方向に沿う断面構造を模式的に示した要部拡大断面図である。 図10は、変形例に係る配線構造を用いた携帯用情報機器の内部構造を模式的に示した平面図である。 図11Aは、図10に示す配線構造部を拡大した平面図である。 図11Bは、図11Aに示す筐体部材を閉じて収納形態とした場合の配線構造部の状態を示した展開図である。 図12Aは、図11A中のXIIA−XIIA線に沿う模式的な断面図である。 図12Bは、図12Aに示す携帯用情報機器を収納形態とした状態での断面図である。
以下、本発明に係る携帯用情報機器について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
1.携帯用情報機器の全体構成の説明
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯用情報機器10を閉じて収納形態とした状態を示した斜視図である。図2は、図1に示す携帯用情報機器10を開いて使用形態とした状態を模式的に示した斜視図である。図3は、図2に示す携帯用情報機器10の内部構造を模式的に示した平面図である。
図1及び図2に示すように、携帯用情報機器10は、第1筐体部材12A及び第2筐体部材12Bと、背表紙部材14と、ディスプレイ16とを備える。本実施形態では携帯用情報機器10として本のように二つ折りに折り畳み可能なタブレット型PCを例示する。携帯用情報機器10は携帯電話、スマートフォン又は電子手帳等であってもよい。
各筐体部材12A,12Bは、それぞれ背表紙部材14に対応する辺以外の3辺に側壁を起立形成した矩形の板状部材である。各筐体部材12A,12Bは、例えばステンレスやマグネシウム、アルミニウム等の金属板や炭素繊維等の強化繊維を含む繊維強化樹脂板で構成される。筐体部材12A,12Bの内面側には、支持プレート18を介してディスプレイ16が固定される(図6Bも参照)。筐体部材12A,12B間は背表紙部材14の両端部に設けられた一対のヒンジ機構19,19を介して連結される。ヒンジ機構19は、筐体部材12A,12B間を図1に示す収納形態と図2に示す使用形態とに折り畳み可能に連結している。図3中に1点鎖線で示す線Cは、筐体部材12A,12Bの折り畳み動作の中心となる折曲中心Cを示している。
各筐体部材12A,12Bは、背表紙部材14側の内端面12Aa,12Baがヒンジ側となり、背表紙部材14側とは反対側の外端面12Ab,12Bbが開放端部側となる。
図3に示すように、第1筐体部材12Aの内面には、メイン基板20、通信モジュール21及び冷却ファン22等が図示しないねじ等を用いて取付固定される。第2筐体部材12Bの内面には、サブ基板24、アンテナ25及びバッテリ装置26等が図示しないねじ等を用いて取付固定される。メイン基板20は、当該携帯用情報機器10の全体的な制御を行うための電子基板であり、図示しない中央演算装置(CPU)やメモリ等の各種電子部品が実装されている。通信モジュール21は、アンテナ25で送受信する無線LAN(Local Area Network)等の各種無線通信の情報処理を行うデバイスである。冷却ファン22は、メイン基板20に実装された中央演算装置等での発熱を冷却するためのファンである。サブ基板24は、ディスプレイ16の表示を制御するコントローラとして機能する電子基板である。バッテリ装置26は、当該携帯用情報機器10の電源であり、図示しない電源ケーブルを介して外部電源から充電可能である。
ディスプレイ16は、例えばタッチパネル式の液晶ディスプレイである。ディスプレイ16は、筐体部材12A,12Bを折り畳んだ際に一緒に折り畳み可能な構造である。ディスプレイ16は、例えば柔軟性の高いペーパー構造を持った有機EL等のフレキシブルディスプレイであり、筐体部材12A,12Bの開閉動作に伴って開閉する。
ディスプレイ16は、支持プレート18を介して各筐体部材12A,12Bの内面側に図示しないねじを用いて取付固定される。ディスプレイ16は、その表示面(表面)の裏面が支持プレート18の表面に接着剤や両面テープ等を用いて貼着固定される。本実施形態の場合、支持プレート18は、各筐体部材12A,12Bの内面側にそれぞれ配置され、互いに折曲中心Cを中心として折曲可能に連結された一対のプレート部材18a,18aを有する(図6A及び図6B参照)。一対のプレート部材18a,18aは、その表面全域にシート状部材18bが固着され、これにより互いに折曲可能に連結されている。
各プレート部材18aは、例えばステンレスやマグネシウム、アルミニウム等の金属板や炭素繊維等の強化繊維を熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂からなるマトリクス樹脂に含浸させた繊維強化樹脂板で構成される。本実施形態では、炭素繊維を強化樹脂とした炭素繊維強化樹脂板を用いている。シート状部材18bは、薄い樹脂膜や金属箔のような可撓性を持った材質で構成された薄膜である。シート状部材18bは、各プレート部材18a,18aの表面全域に亘って固着されている。本実施形態では、シート状部材18bとしてステンレス製の金属箔を用いている。ディスプレイ16は、シート状部材18bの表面に接着剤等を用いて接着される。シート状部材18bは、各プレート部材18aの隣接端部を覆う部分が支持プレート18の折曲部(フレキシブルヒンジ)として機能する。
支持プレート18は、筐体部材12A,12B間を平板状に開いた使用形態で、一対のプレート部材18a,18aの隣接する端面同士が当接する(図6B参照)。支持プレート18は、筐体部材12A,12B間を二つ折りに折り畳んだ収納形態では、一対のプレート部材18a,18aの隣接する端面同士が離間する(図6A参照)。
図2に示すように、ディスプレイ16は、筐体部材12A,12Bの内面側に取付固定された状態で、その表面の外周縁部にベゼル部材27が配設される(図8も参照)。ベゼル部材27は、ディスプレイ16の表面の表示領域(アクティブ領域)R1を除く外周縁部の非表示領域(非アクティブ領域)R2を覆うように設けられる。
このように当該携帯用情報機器10は、一対の筐体部材12A,12Bを開閉することでその内側に設けたディスプレイ16を開閉し、図1に示す収納形態と図2に示す使用形態とに変形させることができる。
以下、図1〜図3に示すように、携帯用情報機器10について、背表紙部材14から外端面12Ab,12Bbに向かう方向をX方向、背表紙部材14の長手方向に沿う方向をY方向と呼んで説明する。X方向については、背表紙部材14から一方の外端面12Abに向かう方向をX1方向、他方の外端面12Bbに向かう方向をX2方向と呼ぶこともある。同様にY方向については、背表紙部材14の長手方向で一方側(図3中で上側)に向かう方向をY1方向、他方側(図3中で下側)に向かう方向をY2方向と呼ぶこともある。
2.ヒンジ機構の説明
筐体部材12A,12B間を連結するヒンジ機構19の構成例を説明する。図4は、図1に示す携帯用情報機器10から背表紙部材14を省略した状態での要部拡大斜視図である。
図3に示すように、ヒンジ機構19は、背表紙部材14の長手方向両端部に重なる位置にそれぞれ配設されている。各ヒンジ機構19は、ディスプレイ16の外形の外側となる位置に設けられ、互いに線対称構造である。ヒンジ機構19は、第1ヒンジ筐体28Aと、第2ヒンジ筐体28Bと、第1アーム30と、第2アーム31とを有する。
第1ヒンジ筐体28Aは、樹脂や金属等で形成された薄型ブロック状の部品である。第1ヒンジ筐体28Aは、第1筐体部材12Aの内面上に固定ねじ32を用いて固定される。第2ヒンジ筐体28Bは、樹脂や金属等で形成された薄型ブロック状の部品である。第2ヒンジ筐体28Bは、第2筐体部材12Bの内面上に固定ねじ32を用いて固定される。
第1ヒンジ筐体28Aは、第1筐体部材12Aの内面に着地する裏面側に凹状部34を有する。凹状部34は、第1ヒンジ筐体28Aの内側面(図3中の上側のヒンジ機構19ではY2側の側面)から折曲中心C側の側面(X2側の側面)までが開口した凹み形状である(図7A〜図8も参照)。第2ヒンジ筐体28Bは、第2筐体部材12Bの内面に着地する裏面側に凹状部35を有する。凹状部35は、第2ヒンジ筐体28Bの内側面(図3中の上側のヒンジ機構19ではY2側の側面)から折曲中心C側の側面(X1側の側面)までが開口した凹み形状である(図7A〜図8も参照)。各凹状部34,35は、折曲中心Cを挟んで互いに連通している(図3及び図7B参照)。
第1アーム30は、一端部が第1ヒンジ筐体28Aに対して第1ヒンジ軸36aを介して回動可能に連結される一方、他端部が第2ヒンジ筐体28Bに対して第2ヒンジ軸36bを介して回動可能に連結される(図7A及び図7Bも参照)。第2アーム31は、一端部が第2ヒンジ筐体28Bに対して第3ヒンジ軸36cを介して回動可能に連結される一方、他端部が第1ヒンジ筐体28Aに対して第4ヒンジ軸36dを介して回動可能に連結される(図7A及び図7Bも参照)。
第1アーム30と第2アーム31は、Y方向に並列されている。第1アーム30の第2ヒンジ軸36bは、第2アーム31の第3ヒンジ軸36cと第4ヒンジ軸36dの間に挟まれた位置にある。第2アーム31の第3ヒンジ軸36cは、第1アーム30の第1ヒンジ軸36aと第2ヒンジ軸36bの間に挟まれた位置にある。これにより、第1アーム30と第2アーム31は、X方向及びY方向に位置ずれして互い違いに並んでいる。
各ヒンジ機構19は、筐体部材12A,12B間が折曲中心Cを中心に折り畳まれると、各ヒンジ軸36a〜36dを介して各アーム30,31が回動する(図4参照)。これにより、ヒンジ機構19は、筐体部材12A,12B間を二つ折りに折り畳んだ状態から平板状に開いた状態まで回動可能に連結している。
3.背表紙部材の説明
背表紙部材14について説明する。図1に示す収納形態では、筐体部材12A,12B間の内端面12Aa,12Ba間が大きく離間して隙間を生じる(図4も参照)。そこで、当該携帯用情報機器10では、この隙間を覆うことで内部のディスプレイ16やメイン基板20、バッテリ装置26等の各要素が露呈することを防止するために背表紙部材14を設けている。図5は、背表紙部材14の分解斜視図である。図6Aは、図1中のVIA−VIA線に沿う断面構造を模式的に示した断面図である。図6Bは、図3中のVIB−VIB線に沿う断面構造を模式的に示した断面図である。
背表紙部材14は、携帯用情報機器10を折り畳んだ際の背表紙となる部材であり、可撓性を持った薄い板状部材である。背表紙部材14は内端面12Aa,12Ba間を跨ぎながら内側から覆うように筐体部材12A,12B間に亘って設けられている(図3、図6A及び図6B参照)。
図5に示すように、背表紙部材14は、シート状部材(可撓性シート状部材)40と、第1支持部材42と、第2支持部材43と、複数枚の補強部材44a,44b,44c,44dとを有する。
第1支持部材42及び第2支持部材43は、背表紙部材14の長手方向(Y方向)に延在する薄い板状部材である。補強部材44a〜44dは、背表紙部材14の長手方向に延在する薄い板状部材であり、支持部材42,43よりもX方向に幅狭である。補強部材44a〜44dは、それぞれ支持部材42,43間で第1筐体部材12Aから第2筐体部材12Bに向かうX2方向に並んでいる。第1支持部材42、第2支持部材43及び補強部材44a〜44dは、樹脂や金属等で形成された薄いプレート部材である。
シート状部材40は、炭素繊維等の強化繊維にエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させた繊維強化樹脂板である。シート状部材40は、例えば0.3mm以下の薄いシート状部材であり、可撓性を有すると共に高強度である。強化繊維としては、ステンレス繊維等の金属繊維やガラス繊維等の無機繊維等、各種材料を用いてもよい。シート状部材40は、樹脂膜や金属箔等で形成されてもよい。
各支持部材42,43及び各補強部材44a〜44dは、接着剤や両面テープ等を用いてシート状部材40の表面に固着される。各支持部材42,43及び各補強部材44a〜44dとシート状部材40とは一体成形されてもよい。これにより、背表紙部材14は、筐体部材12A,12Bの折り畳み動作に伴って折り曲げ可能である。シート状部材40は、筐体部材12A,12Bの内端面12Aa,12Ba間を覆う部分が折曲部40aとなる(図6A及び図6B参照)。シート状部材40は、第2支持部材43側の縁部にY方向に並んで複数の切欠部40bを有する。
第1支持部材42は、第1筐体部材12Aの内面側で該内面に沿って筐体部材12A,12B間に亘るX方向にスライド可能に設けられる。第1支持部材42は、その長手方向で両端部の表面にそれぞれ押さえ面42aを有する。押さえ面42aは、第1支持部材42の他の表面よりも一段低い面である。第1支持部材42は、長手方向で一対の押さえ面42a,42a間となる部分の表面にX方向の溝部42bを複数有する。第1支持部材42の補強部材44aに対向するX2側の側面42cは、裏面側(シート状部材40側)から表面側に向かう方向で補強部材44a側からX1方向に後退する傾斜面となっている(図6A及び図6B参照)。
第1支持部材42は、X方向に沿って引張ばね(弾性部材)45による付勢力を受けている(図3及び図6A参照)。引張ばね45は、第2筐体部材12Bから第1筐体部材12Aに向かうX1方向に沿って背表紙部材14を常時付勢している。
第2支持部材43は、第2筐体部材12Bの内面側で該内面に対して固定ねじ46を用いてスライド不能に取付固定される(図6A及び図6B参照)。第2支持部材43は、その長手方向で両端部の表面にそれぞれ押さえ面43aを有する。押さえ面43aは、第2支持部材43の他の表面よりも一段低い面である。第2支持部材43は、一対の押さえ面43a,43a間となる部分の表面にX方向の溝部43bを複数有する。第2支持部材43の長手方向適宜位置には、固定ねじ46のねじ部を挿通するための貫通孔47が設けられている。固定ねじ46は、シート状部材40の切欠部40bを通して第2筐体部材12Bに締結固定される。第2支持部材43の補強部材44dに対向するX1側の側面43cは、裏面側(シート状部材40側)から表面側に向かう方向で補強部材44d側からX2方向に後退する傾斜面となっている(図6A及び図6B参照)。
各補強部材44a〜44dは、上底及び下底が多少湾曲した台形状の断面形状を有する。各補強部材44a〜44dの長手方向両端部の表面には、他の表面よりも一段低い面である押さえ面44eがそれぞれ設けられている(図5参照)。各押さえ面44eは、各支持部材42,43の押さえ面42a,43aと略同程度の高さ位置に形成されている(図7B参照)。補強部材44a〜44dの設置本数は適宜変更可能である。
各補強部材44a〜44dは、第1支持部材42側(X1側)の側面48aと、第2支持部材43側(X2側)の側面48bとを有する(図6A及び図6B参照)。第1支持部材42側に近い2つの補強部材44a,44bと、第2支持部材43側に近い2つの補強部材44c,44dとは、中央の補強部材44b,44c間の境界線を基準として互いに略線対称形状である。補強部材44aの側面48aは、裏面側(シート状部材40側)から表面側に向かう方向で第1支持部材42側からX2方向に後退する傾斜面となっている。補強部材44dの側面48bは、裏面側(シート状部材40側)から表面側に向かう方向で第2支持部材43側からX1方向に後退する傾斜面となっている。その他の側面48a,48bは、それぞれ対向する側面48b,48aと略平行に対面し、或いは互いに多少離間する方向の傾斜面となっている。
図6Aに示す収納形態では、各補強部材44a〜44dは二つ折りに折り曲げられたシート状部材40の折曲部40aの内面側で互いの側面48a,48b同士が当接し、複数の歯が隙間なく並んだようなアーチ形状(円弧形状)を形成する。この際、両端の補強部材44a,44dの外側の側面48a,48bは、それぞれ各支持部材42,43の側面42c,43cに当接する。このアーチ形状により各補強部材44a〜44dは、内端面12Aa,12Ba間が離間して剛性が低下した収納形態の筐体部材12A,12B間を強固に支持する支柱として機能する。すなわち、筐体部材12A,12B間の背表紙部材14付近は、収納形態でY方向両端部にはヒンジ機構19が設けられるものの、両端部以外の部分は何ら剛性のない部分がY方向に延在する。そこで、当該携帯用情報機器10では、支持部材42,43及び補強部材44a〜44bがY方向に延在するアーチ形状の支柱を形成し、収納形態での厚み方向の剛性を担保している。
このような収納形態では、筐体部材12A,12Bの内端面12Aa,12Ba間が最も離間した位置に配置される。このため背表紙部材14は、スライド側である第1支持部材42側が第1筐体部材12Aの内面上で最も内端面12Aa側(X2方向)に引寄せられた後退位置となる。その際、第1支持部材42は引張ばね45の付勢力に抗して内端面12Aa側にスライドする。
一方、筐体部材12A,12B間が平板状に開かれた使用形態では、各補強部材44a〜44dは筐体部材12A,12Bの内面上に各支持部材42,43と共に一列に並んで配置される。このため、背表紙部材14は最小限の厚みを持った平板状の形態となる。この使用形態では、筐体部材12A,12Bの内端面12Aa,12Ba間が最も近接又は当接した位置に配置される。このため背表紙部材14は、スライド側である第1支持部材42側が第1筐体部材12Aの内面上で最も内端面12Aa側とは反対の外端面12Ab側(X1方向)に進んだ前進位置となる。その際、第1支持部材42は引張ばね45の付勢力によって円滑に外端面12Ab側にスライドするため、背表紙部材14がスライド時に浮き上がりや引っ掛かりを生じることがない。
4.背表紙部材とヒンジ機構の関係の説明
背表紙部材14とヒンジ機構19の関係を説明する。図7Aは、図1中のVIIA−VIIA線に沿う断面構造を模式的に示した断面図である。図7Bは、図3中のVIIB−VIIB線に沿う断面構造を模式的に示した断面図である。図8は、図2中のVIII−VIII線に沿う断面構造を模式的に示した断面図である。
図1及び図4に示すように、背表紙部材14は各ヒンジ機構19の裏面側を覆う位置まで延在し、ヒンジ機構19が筐体部材12A,12Bの内端面12Aa,12Ba間から露呈することを防止している。
図3、図7A、図7B及び図8に示すように、背表紙部材14は、その長手方向両端部の押さえ面42a,43a,44eが各ヒンジ筐体28A,28Bの裏面と筐体部材12A,12Bの内面との間に保持される。具体的には、背表紙部材14の各押さえ面42a,43a,44eは、ヒンジ筐体28A,28Bの凹状部34,35に挿入配置される。この際、少なくとも第1支持部材42及び各補強部材44a〜44dの押さえ面42a,44eは、第1支持部材42の凹状部34内でスライド可能に保持され、第1筐体部材12Aの内面と凹状部34の天面との間でガイドされる。つまり、第1ヒンジ筐体28A側の凹状部34は、背表紙部材14をX方向にスライド可能にガイドし、スライド時の浮き上がり等を防止する。この凹状部34は背表紙部材14のスライド距離(スライド範囲)L(図7A参照)に対応可能な長さ寸法を有する。このため、凹状部34は第2ヒンジ筐体28B側の凹状部35よりもX方向に長尺である。
図8に示すように、ヒンジ機構19は、各ヒンジ筐体28A,28Bの外側面にそれぞれ嵌合凸部50を有する。一方、この嵌合凸部50と対向する各筐体部材12A,12Bの内面から起立したX方向に沿う側壁である壁部52の内側面には嵌合凹部52aが形成されている。嵌合凹部52aは嵌合凸部50が嵌合可能であり、少なくとも嵌合凸部50が筐体部材12A,12Bの内面から上昇する方向の移動を規制するものである。
従って、第1ヒンジ筐体28Aは、第1筐体部材12Aの内面と壁部52の嵌合凹部52aの天面との間に挟持され、その浮き上がりが防止される。第2ヒンジ筐体28Bは、第2筐体部材12Bの内面と壁部52の嵌合凹部52aの天面との間に挟持され、その浮き上がりが防止される。すなわち、ヒンジ筐体28A,28Bは、その裏面側に背表紙部材14を挿入する凹状部34,35を設けているため、固定ねじ32はこの凹状部34,35の周囲にしか締結できない。このため、ヒンジ機構19の可動時にヒンジ筐体28A,28Bが浮き上がりを生じる懸念もある。そこで、当該携帯用情報機器10ではヒンジ筐体28A,28Bを筐体部材12A,12Bの壁部52に嵌合させて押さえ付け、その浮き上がりを防止している。なお、各ヒンジ筐体28A,28Bは、嵌合凸部50を設けずに嵌合凹部52aに嵌合させてもよい。
5.配線構造の説明
携帯用情報機器10の配線構造について説明する。当該携帯用情報機器10は、二つ折りに折り畳み可能な構成を採用している。このため、電子基板や電子部品が左右の筐体部材12A,12Bの内面に適宜配置され、それらの間を接続する配線類を折り曲げされる背表紙部材14の内面側を通して設ける必要がある。このため、筐体部材12A,12Bの開閉時に配線が位置ずれし、挟み込みや接続抜け等の不具合を生じる懸念があり、この配線の位置ずれを防止することが望ましい。図9Aは、背表紙部材14の溝部42b,43bの並び方向(X方向)に沿う断面構造を模式的に示した要部拡大断面図である。図9Bは、背表紙部材14の長手方向(Y方向)に沿う断面構造を模式的に示した要部拡大断面図である。
図3、図9A及び図9Bに示すように、第1筐体部材12Aと第2筐体部材12Bとの間には、例えばメイン基板20とサブ基板24との間を電気的に接続するための配線54が複数本設けられる。配線54は、背表紙部材14の内面側を跨いで筐体部材12A,12B間に亘って配策される。そこで配線54は、背表紙部材14の各支持部材42,43に形成されたX方向の溝部42b,43b内に挿通される。なお、背表紙部材14では、補強部材44a〜44bの表面の高さ位置は溝部42b,43bの底面の高さ位置と略一致している(図9A参照)。
従って、配線54は溝部42b,43b内を挿通した状態で安定して保持されるため、筐体部材12A,12Bの開閉時に位置ずれ等の不具合を生じることが防止される。つまり、筐体部材12A,12Bの開閉動作に伴って背表紙部材14がスライドした場合も、配線54は溝部42b,43b内で摺動するため、位置ずれや挟み込み等の不具合を生じることが防止される。なお、配線54は、例えば溝部42b,43bの一方の外側で筐体部材12A,12Bの一方に位置決め固定されてもよい。
図9A及び図9Bに示すように、溝部42b,43bの上部開口は支持プレート18の裏面によって蓋される。このため、配線54が溝部42b,43bの上部開口から浮き上がり、溝部42b,43bの外部に脱落することを防止できる。さらに本実施形態では、図9A及び図9Bに示すように、溝部42b,43bの開口を塞ぐ蓋部材56を設け、より確実に配線54の溝部42b,43bからの脱落を防止している。
蓋部材56は、薄い樹脂膜や金属箔のような可撓性を持った材質で構成された薄膜である。蓋部材56は、背表紙部材14のY方向両端部を除く略全長に亘って、且つX方向全幅に亘って設けられ、背表紙部材14の表面に貼着されている。本実施形態の場合、蓋部材56には、ステンレス製のシート状部材(ステンレスシート)を用いている。蓋部材56は、例えばX2側の端部(一端部)が第2支持部材43の表面に固着され、X1側の端部(他端部)が第1支持部材42の表面に移動可能に載置されている(図6A及び図6B参照)。このため、蓋部材56は、背表紙部材14のスライドに追従して背表紙部材14上をスライドしつつ、配線54の溝部42b,43bからの脱落を防止する。蓋部材56を省略し、プレート部材18aを蓋部材56の代わりとして利用してもよい。
6.携帯用情報機器の作用効果の説明
以上のように、本実施形態に係る携帯用情報機器10は、ヒンジ機構19で連結された第1筐体部材12Aの一縁部と第2筐体部材12Bの一縁部との間の隙間を覆うように、第1筐体部材12Aの一縁部の内面と第2筐体部材12Bの一縁部の内面との間に亘って設けられた背表紙部材14を備える。背表紙部材14は、第1筐体部材12Aの一縁部の内面に対しては該内面に沿って第2筐体部材12Bから第1筐体部材12Aに向かうX方向にスライド可能に設けられ、第2筐体部材12Bの一縁部の内面に対してはスライド不能に固定されている。
従って、第1筐体部材12Aと第2筐体部材12Bとをヒンジ機構19を介して二つ折りに折り畳んだ場合に、各筐体部材12A,12Bのヒンジ側の縁部間(内端面12Aa,12Ba間)に生じる隙間を背表紙部材14で覆うことができる。このため、この隙間から内部のメイン基板20等の各要素が露呈することを防止でき、製品の外観品質や耐久性を向上できる。しかも、背表紙部材14は一縁部が第1筐体部材12Aに対してスライド可能に設けられ、他縁部が第2筐体部材12Bに対して固定される。これにより、ヒンジ機構19による第1筐体部材12Aと第2筐体部材12Bの開閉動作に追従して背表紙部材14がスライドする。このため、2つの筐体部材12A,12B間を平板状に開いて互いの隙間が減少した場合に、背表紙部材14が筐体部材12A,12B内で浮き上がりや位置ずれ等を生じることを防止できる。
この際、当該携帯用情報機器10では、バッテリ装置26を搭載した第2筐体部材12B側で背表紙部材14をスライド不能に固定している。すなわち、携帯用情報機器10に搭載する各要素のうち、特にバッテリ装置26は高容量に対応するため可及的に大型化したい要望があり、またメイン基板20等と比べて特殊な形状とすることは難しい。そこで、背表紙部材14はバッテリ装置26側の縁部を固定側とすることで、バッテリ装置26側にはスライド距離Lを確保する必要がなく、機器全体としての小型化に貢献できる。勿論、背表紙部材14のスライド側、固定側の設定は、適宜変更可能である。
背表紙部材14は、二つ折りに折り曲げ可能な可撓性シート状部材であるシート状部材40と、シート状部材40の内面に固着され、第1筐体部材12A及び第2筐体部材12Bの一縁部に沿ってY方向に延在する補強部材44a〜44bと有する。これにより、背表紙部材14は、二つ折りに折り畳んだ筐体部材12A,12B間の隙間を覆う部分を補強部材44a〜44dで補強することができる。このため、背表紙部材14が外力を受けて変形し、内部のメイン基板20等の各要素が破損等することを防止できる。しかも、補強部材44a〜44dをシート状部材40に固着させているため、背表紙部材14の円滑な折曲動作が阻害されることを防止できる。勿論、補強部材44a〜44dを省略し、背表紙部材14をシート状部材40のみで構成しても、筐体部材12A,12B間の隙間を塞ぐ効果は確保できる。
複数枚の補強部材44a〜44dは二つ折りに折り曲げられたシート状部材40の折曲部40aの内面側で互いの側面48a,48b同士が当接したアーチ形状を形成する。これにより、各補強部材44a〜44dが折り畳んだ筐体部材12A,12B間を強固に支持する支柱として機能する。このため、当該携帯用情報機器10の厚み方向の剛性を確保でき、外力によって折り畳まれた筐体部材12A,12B間が押し潰されて内部のディスプレイ16等の各要素が破損等を生じることを防止できる。
携帯用情報機器10では、金属箔からなる蓋部材56によって溝部42b,43bを塞ぎ、配線54の脱落を防止している。このため、例えば図6Aに示す収納形態から図6Bに示す使用形態に変化させる際、支持プレート18の一対のプレート部材18a,18aの折曲動作に追従するように蓋部材56も背表紙部材14と共に折り曲げられる。その結果、各プレート部材18a,18a間の隣接端部(エッジ)等に配線54が接触することを確実に防止でき、当該携帯用情報機器10の耐久性、信頼性が向上する。なお、蓋部材56のスライド側の端部であるX1側の端部を、第1支持部材42のX1側端部を越えて延在させるように構成してもよい。これにより、配線54が背表紙部材14と重なる領域よりもより広範囲に配線54を保護することができる。
7.変形例の説明
変形例に係る配線構造について説明する。図10は、変形例に係る配線構造を用いた携帯用情報機器10の内部構造を模式的に示した平面図である。図10において、図1〜図9Bに示される参照符号と同一の参照符号は同一又は同様な構成を示し、このため同一又は同様な機能及び効果を奏するものとして詳細な説明を省略し、以下の図11A〜図12Bについても同様とする。
図10に示すように、この変形例に係る配線構造は、図3に示す背表紙部材14と構成の異なる背表紙部材60と、配線構造部62A,62B,62Cとを有する。なお、図10に示す構成例では、図3に示す構成例と比べて、メイン基板20、通信モジュール21、サブ基板24及びバッテリ装置26の形状や配置を変更しているが、これら各部品の配置や形状は適宜変更可能である。
背表紙部材60は、図3に示す背表紙部材14と比べて、溝部42b,43bと形状の異なる溝部64を有する点が相違するが、支持部材42,43及び補強部材44a〜44bを備えた基本的な構成は同様である。溝部64は、背表紙部材60のY方向で3箇所に設けられている。各溝部64は、図3に示す溝部42b,43bと同様、背表紙部材60をX方向に沿って凹状に掘り下げたものであるが、Y方向の幅寸法が溝部42b,43bよりも大きい。各溝部64は、各支持部材42,43及び各補強部材44a〜44bの一部を凹ませたものである(図12A参照)。背表紙部材60においても、補強部材44a〜44dの高さが支持部材42,43よりも低い場合、上記した背表紙部材14の場合と同様に補強部材44a〜44dに凹みを設けず、その上面を溝部64の底面として利用してもよい。
各配線構造部62A〜62Cは、溝部64と、溝部64に通された配線66と、背表紙部材60をX方向に跨ぐように設けられた一対の固定部68,69と、溝部64を塞ぐ蓋部材70とを有する。
図11Aは、図10に示す配線構造部62Cを拡大した平面図である。図11Bは、図11Aに示す筐体部材12A,12Bを閉じて収納形態とした場合の配線構造部62Cの状態を示した展開図である。つまり図11Bは、実際には2つ折りに折り畳まれた収納形態の筐体部材12A,12Bを平面上に展開し、その内部構造を明示した図である。図12Aは、図11A中のXIIA−XIIA線に沿う模式的な断面図である。図12Bは、図12Aに示す携帯用情報機器10を収納形態とした状態での断面図である。以下では配線構造部62Cを代表的に説明する。つまり配線構造部62A,62Bは、配線構造部62Cに対してY方向に対称形状となっている以外は同一構造であるため、詳細な説明は省略する。なお、図12A及び図12Bでは、シート状部材18b、引張ばね45等の図示を省略している。
先ず、図10、図11A及び図12Aに示すように、携帯用情報機器10を使用形態とした場合の配線構造部62Cの構成を説明する。配線66は、図3に示す配線54と同様に第1筐体部材12A側のメイン基板20等と第2筐体部材12B側のバッテリ装置26等との間を背表紙部材60を跨いだ状態で接続している。図10では、配線66をY方向に並んだ4本を1組として各配線構造部62A〜62Cに配設しているが、配線66の本数は適宜変更可能である。
使用形態において、配線66は、その一部が溝部64内で余って弛んだ撓み部66aを形成している。すなわち、携帯用情報機器10は、使用形態から収納形態に変形した際、ヒンジ機構19の回転軸であるヒンジ軸36a〜36dの軸心よりも外側、つまり筐体部材12A,12B側にある部材はX方向に引き伸ばされ、背表紙部材60は背表紙部材14と同様に筐体部材12A,12Bに沿ってスライドする。このため、配線66についても互いに離間する筐体部材12A,12Bに沿った引き伸ばし力を受ける。
そこで、配線構造部62C(62A,62B)では、溝部64内に配線66を余らせた撓み部66aを形成しておくことで、携帯用情報機器10の形態変化時の配線66の必要距離の変化に対応する。従って、撓み部66aでの配線66の撓み量は、例えば筐体部材12A,12B間をヒンジ機構19によって開閉させた際の各筐体部材12A,12Bの内端面12Aa,12Baの移動距離の合計値と同一又はそれ以上とされている。
撓み部66aは、背表紙部材60に対する平面視で、第1筐体部材12Aから第2筐体部材12Bに向かうX方向を麓部66bとし、頂部66cが麓部66bからY方向に張り出した山形に角度付けされている。配線66の麓部66bは、背表紙部材60に近接した各筐体部材12A,12Bの内面に設けられた固定部68,69によって位置決め固定されている。
固定部68は、第1筐体部材12Aの内面に設けられ、配線66を撓み部66aの麓部66bから頂部66cに向かう方向に角度付けしつつ、位置決め固定する。固定部68は、4本の配線を個別に挟持しつつ角度付けするブーメラン形の幅狭な溝形状を並列した構成である。固定部68の溝形状を形成する各壁体68aは、第1筐体部材12Aの内面から突出している。固定部69は、第2筐体部材12Bの内面に設けられ、配線66を撓み部66aの麓部66bから頂部66cに向かう方向に角度付けしつつ、位置決め固定する。固定部69は、固定部68とX方向で対称形状である。各壁体69aは第2筐体部材12Bの内面から突出している。このように、固定部68,69の壁体68a,69aの屈曲部が、配線66を撓み部66aに向かって角度付けして曲げる角度設定部として機能する。図10〜図11Bでは、壁体68a,69aと配線66との間に隙間を設けて図示しているが、実際には配線66は壁体68a,69a間、壁体69a,69a間に挟み込まれる。
蓋部材70は、溝部64の上面開口を塞ぎ、溝部64内の配線66を押さえ、溝部64からの飛び出しを防ぐ部材である。蓋部材70は、シート材72と、一対の固定板74,75とを有する。シート材72は、上記した蓋部材56と同様、例えば薄い樹脂膜や金属箔のような可撓性を持った材質で構成された薄膜であり、本実施形態ではステンレスシートである。固定板74,75は、それぞれ支持部材42,43の上面にシート材72を挟んで配置され、ねじ76を用いて支持部材42,43に固定されている(図12A参照)。
シート材72は、その下面72aの略全面で溝部64内の配線66を押さえることで、配線66の溝部64からの飛び出しや絡みを防止する。配線構造部62A〜62Cでは、シート材72で溝部64をカバーし、さらに固定部68,69で配線66の束を位置決めして整列させている。このため、配線66は、溝部64内で各線の整列状態が維持されたまま平行移動する。固定板74,75は、シート材72のX方向端部を押さえ付け、シート材72を支持部材42,43に安定して固定するための押し板である。シート材72は、上記したように薄膜であるため、ねじ76を用いて固定構造とした場合、固定板74,75を用いないと破れ等を生じる懸念があるためである。
ところで、図10に示すように、筐体部材12A,12Bの内部にはメイン基板20やバッテリ装置26等の各種部品が配設されており、配線66の挿通スペースの確保が難しい。つまり各配線66は、筐体部材12A,12Bの外周縁部付近に配置することが、スペース効率の点で望ましいことが多い。そこで、背表紙部材60の両端部の配線構造部62A,62Cでは、撓み部66aは頂部66cが背表紙部材60の長手方向で中央側に配置された山形を形成し、筐体部材12A,12Bの外周縁部付近に配線66を容易に設置可能としている。なお、中央の配線構造部62Bでは、撓み部66aをY2側に頂部66cを配置した山形としているが、この撓み部66aの頂部66cは逆向きでもよい。
従って、このような配線構造部62A〜62Cを備えた携帯用情報機器10は、図11A及び図12Aに示す使用形態において、配線66が溝部64内で山形に形成された撓み部66aを形成している。
そして、図11B及び図12Bに示すように、使用形態の携帯用情報機器10を折り畳んで収納形態とすると、筐体部材12A,12Bの内端面12Aa,12Ba間が離間し、背表紙部材60がスライドして内端面12Aa,12Ba間に大きく開いた隙間を覆う曲げ部を形成する。ところで、配線66は、溝部64内で平行移動可能な状態にある。このため、撓み部66aは、筐体部材12A,12Bを折り畳む際、麓部66bの両端の固定部68,69を固定点とし、背表紙部材60の曲げ変形に伴ってX方向に引き伸ばされつつ、その軸回りに沿った捻じり方向の応力も受ける。その結果、図11B及び図12Bに示すように、撓み部66aは、両端の固定部68,69がX方向に離間したことで麓部66bの距離が延び、山形がほとんど撓みのない略直線状になるまで引き延ばされる。
続いて、図11A及び図12Aに示すように、収納形態の携帯用情報機器10を再び開いて使用形態とすると、配線66の引き伸ばされた撓み部66aが再び収縮力を受ける。この際、撓み部66aは、両端の固定部68,69によって山形に角度付けされているため、再び所定の山形に円滑に戻る。この場合にも、配線66の撓み部66aは、背表紙部材60の平板形状への戻り変形に伴い、X方向に収縮されつつ、捻じり方向の応力も受ける。
以上のように、このような変形例に係る配線構造を備えた携帯用情報機器10では、その使用形態時、各筐体部材12A,12B間を接続する配線66が、背表紙部材60に形成された溝部64内で一部が撓んだ撓み部66aを形成している。このため、配線66は、筐体部材12A,12B間が折り畳まれた場合には、撓み部66aが溝部64内で引き伸ばされ、その接続距離の変化を容易に吸収できる。すなわち当該携帯用情報機器10は、背表紙部材60に撓み部66aを配置した簡素な構成でありながらも、筐体部材12A,12Bを開閉した際の配線66の伸縮を確実に吸収できる。その結果、配線66が破損や引っ掛かり等の不具合を生じることを防止できる。
配線66は、撓み部66aの両端側部分がそれぞれ固定部68,69で各筐体部材12A,12Bの内面に固定されている。このため、配線66は、筐体部材12A,12Bの内面では移動せず、撓み部66aのみが溝部64内のみで移動するため、筐体部材12A,12Bの内面に配線66の移動スペースを確保しておく必要がない。
特に、撓み部66aは、図10等に示されるような山形に構成されている。このため、筐体部材12A,12B間をヒンジ機構19によって開閉させた際、配線66は、単に頂部66cの角度を開閉するような2次元動作ではなく、その軸回りの捻じり力も受けた3次元動作を生じる。その結果、配線66は、その1点、例えば頂部66cに応力集中を生じることを回避でき、筐体部材12A,12Bの繰り返しの開閉動作を受けた際の経時的な破損を抑制できる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
10 携帯用情報機器
12A 第1筐体部材
12B 第2筐体部材
14,60 背表紙部材
16 ディスプレイ
18 支持プレート
19 ヒンジ機構
28A 第1ヒンジ筐体
28B 第2ヒンジ筐体
40 シート状部材
40a 折曲部
42 第1支持部材
42b,43b,64 溝部
42c,43c,48a,48b 側面
43 第2支持部材
44a〜44d 補強部材
45 引張ばね
54,66 配線
56,70 蓋部材
62A〜62C 配線構造部
66a 撓み部
66b 麓部
66c 頂部
68,69 固定部

Claims (6)

  1. 隣接配置された一縁部同士がヒンジ機構によって連結されることで、二つ折りに折り畳み可能な第1筐体部材及び第2筐体部材を備えた携帯用情報機器であって、
    前記第1筐体部材の前記一縁部と前記第2筐体部材の前記一縁部との隙間を覆うように、前記第1筐体部材の内面と前記第2筐体部材の内面との間に亘って設けられた背表紙部材と、
    前記背表紙部材に設けられ、前記第1筐体部材から前記第2筐体部材に向かう方向に沿って延びた溝部と、
    前記第1筐体部材側と前記第2筐体部材側との間を接続する配線と、
    を備え、
    前記ヒンジ機構によって前記第1筐体部材と前記第2筐体部材とが平板状に開かれた状態で、前記溝部には、前記配線の一部を撓ませた撓み部が配置されていることを特徴とする携帯用情報機器。
  2. 請求項1に記載の携帯用情報機器であって、
    前記配線は、前記撓み部の一端側部分が前記第1筐体部材の内面に位置決め固定され、前記撓み部の他端側部分が前記第2筐体部材の内面に位置決め固定されていることを特徴とする携帯用情報機器。
  3. 請求項2に記載の携帯用情報機器であって、
    前記撓み部は、前記背表紙部材に対する平面視で、山形に角度付けされており、
    前記山形の麓部が前記第1筐体部材から前記第2筐体部材に向かう方向に沿って配置され、前記山形の頂部が前記背表紙部材の長手方向で前記麓部から一方側に張り出した位置に配置されていることを特徴とする携帯用情報機器。
  4. 請求項3に記載の携帯用情報機器であって、
    前記第1筐体部材は、前記配線を前記位置決め固定する第1固定部を有し、
    前記第2筐体部材は、前記配線を前記位置決め固定する第2固定部を有し、
    前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記配線の延在方向を前記第1筐体部材から前記第2筐体部材に向かう方向から変化させ、前記撓み部が前記山形を形成するように角度付けした角度設定部を有することを特徴とする携帯用情報機器。
  5. 請求項4に記載の携帯用情報機器であって、
    前記配線は、複数本が1組で前記溝部に通されており、
    前記1組の各配線は、前記第1固定部及び前記第2固定部では平面方向に並べて位置決め固定されると共に、前記撓み部では平面方向に並んだ状態を維持したままで移動可能に設けられていることを特徴とする携帯用情報機器。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の携帯用情報機器において、
    前記撓み部の前記山形は、前記麓部が前記背表紙部材の長手方向で端部側に配置され、前記頂部が前記背表紙部材の長手方向で中央側に配置されていることを特徴とする携帯用情報機器。
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