JP2020090633A - 裏止め塗膜用組成物、防食鏡、及び、防食鏡の製造方法 - Google Patents
裏止め塗膜用組成物、防食鏡、及び、防食鏡の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】縁シケが発生し難い防食鏡の裏止め塗膜を形成するための裏止め塗膜用組成物を提供すること。【解決手段】ガラス基材上に銀鏡面膜が形成され、上記銀鏡面膜上に裏止め塗膜が形成された防食鏡の、上記裏止め塗膜を形成するための裏止め塗膜用組成物であって、無鉛防錆顔料を含む顔料と、合成樹脂バインダーとを含み、上記無鉛防錆顔料として亜リン酸アルミニウムを含む、裏止め塗膜用組成物。【選択図】図1
Description
本発明は、裏止め塗膜用組成物、防食鏡、及び、防食鏡の製造方法に関する。
鏡は、ガラス基材の上に、銀膜及び該銀膜を保護するための銅膜等の金属膜が形成された後、又は、銀膜のみが形成された後、これらの金属膜の腐食、変質を防止するための、言い換えれば、防食のための裏止め塗膜が順次、被覆形成されて構成される。
裏止め塗膜には、従来、合成樹脂バインダーに鉛系顔料を分散させたものが用いられてきた。しかし、鉛化合物は環境負荷物質として世界的に削減方向にあるため、鉛系顔料を含まない無鉛の裏止め塗膜が形成され、防食性能に優れた鏡の需要が高まっている。
例えば、特許文献1には、銀膜、銅膜及び無鉛の裏止め塗膜が順に形成された鏡が開示されており、特許文献2には、銀膜、無鉛の裏止め塗膜が順に形成された鏡が開示されている。
ガラス基材上に金属膜及び裏止め塗膜が順次形成された鏡において、金属膜の腐食、変質には、鏡の縁部に発生する腐食、変質である「縁シケ」と、鏡の内部に発生するスポット状の腐食、変質である「中シケ」とがあり、両者は区別されている。近年、縁シケが発生し難い鏡の需要が高まっている。
特許文献1に記載された鏡のように、銀膜上に銅膜を形成することにより、銀膜の腐食、変質を防止することはできるものの、縁シケが発生しやすいという問題があった。
そこで、特許文献2に記載されているように、ガラス基材上に銀膜のみを形成し、銅膜を形成しないことにより、縁シケの発生をある程度まで抑えることができる。しかし、縁シケの発生を抑える点では改善の余地があると言える。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、縁シケが発生し難い防食鏡の裏止め塗膜を形成するための裏止め塗膜用組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、上記裏止め塗膜用組成物を用いた防食鏡、及び、上記裏止め塗膜用組成物を用いた防食鏡の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、ガラス基材上に銀鏡面膜が形成され、上記銀鏡面膜上に裏止め塗膜が形成された防食鏡の、上記裏止め塗膜を形成するための裏止め塗膜用組成物であって、無鉛防錆顔料を含む顔料と、合成樹脂バインダーとを含み、上記無鉛防錆顔料として亜リン酸アルミニウムを含む。
本発明の裏止め塗膜用組成物においては、上記裏止め塗膜用組成物中の上記亜リン酸アルミニウムの含有量が0.1質量%以上、5質量%以下であることが好ましい。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、上記無鉛防錆顔料として亜鉛化合物をさらに含むことが好ましい。
本発明の裏止め塗膜用組成物においては、上記亜鉛化合物がシアヌル酸亜鉛であり、上記合成樹脂バインダーがアルキド樹脂又はエポキシ樹脂を主樹脂として含んでもよい。
本発明の裏止め塗膜用組成物においては、上記亜鉛化合物が酸化亜鉛であり、上記合成樹脂バインダーがエポキシ樹脂を主樹脂として含んでもよい。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、上記無鉛防錆顔料としてモリブデン化合物をさらに含み、上記裏止め塗膜用組成物中のモリブデンイオンの含有量が0.5質量%以下であることが好ましい。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、上記無鉛防錆顔料としてアルカリ土類金属化合物をさらに含み、上記裏止め塗膜用組成物中のアルカリ土類金属イオン及びモリブデンイオンの合計含有量が1質量%以上、20質量%以下であることが好ましい。
本発明の裏止め塗膜用組成物においては、上記裏止め塗膜用組成物中の上記合成樹脂バインダーの不揮発性分に対する上記顔料の質量比(顔料/合成樹脂バインダーの不揮発性分)が1.2以上、4.0以下であり、上記顔料中の上記無鉛防錆顔料の含有量が10質量%以上、55質量%以下であることが好ましい。
本発明の防食鏡は、ガラス基材と、上記ガラス基材上に形成された銀鏡面膜と、上記銀鏡面膜上に形成された裏止め塗膜と、を備える防食鏡であって、上記裏止め塗膜は、本発明の裏止め塗膜用組成物の硬化物からなる。
本発明の防食鏡の製造方法は、ガラス基材を準備する工程と、上記ガラス基材上に銀鏡面膜を形成する工程と、上記銀鏡面膜上に裏止め塗膜を形成する工程と、を備える防食鏡の製造方法であって、上記裏止め塗膜は、本発明の裏止め塗膜用組成物を上記銀鏡面膜上に塗布し、硬化させることにより形成される。
本発明によれば、鏡の設置環境下に置いたとき、鏡が環境中の水蒸気や腐食性ガス等に曝されても、防食性の高い鏡を得ることが可能である。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下に記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
[防食鏡]
図1は、本発明の一実施形態に係る防食鏡を模式的に示す断面図である。
図1に示す防食鏡1においては、ガラス基材10上に、銀鏡面膜20及び裏止め塗膜30がこの順に積層されている。
図1は、本発明の一実施形態に係る防食鏡を模式的に示す断面図である。
図1に示す防食鏡1においては、ガラス基材10上に、銀鏡面膜20及び裏止め塗膜30がこの順に積層されている。
本発明の防食鏡は、ガラス基材と、上記ガラス基材上に形成された銀鏡面膜と、上記銀鏡面膜上に形成された裏止め塗膜と、を備えている。
本発明の防食鏡は、銀鏡面膜及び裏止め塗膜の間に、銀鏡面膜の防食のための金属保護膜を備えていないことが好ましい。すなわち、本発明の防食鏡においては、銀鏡面膜上に裏止め塗膜が直接形成されていることが好ましい。
(ガラス基材)
ガラス基材としては、鏡用の公知のガラスを用いることができ、例えば、ソーダライムガラス等が挙げられる。
ガラス基材としては、鏡用の公知のガラスを用いることができ、例えば、ソーダライムガラス等が挙げられる。
(銀鏡面膜)
銀鏡面膜は、銀又は銀合金からなる金属膜である。
銀鏡面膜を形成する方法としては、例えば、無電解メッキ法、真空蒸着法、スパッタ法等が挙げられる。
銀鏡面膜は、銀又は銀合金からなる金属膜である。
銀鏡面膜を形成する方法としては、例えば、無電解メッキ法、真空蒸着法、スパッタ法等が挙げられる。
(金属保護膜)
金属保護膜としては、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、錫、錫合金等からなる金属膜が挙げられ、通常、銅膜である。上述のように、これらの金属保護膜は、銀鏡面膜及び裏止め塗膜の間に形成されていないことが好ましい。
金属保護膜としては、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、錫、錫合金等からなる金属膜が挙げられ、通常、銅膜である。上述のように、これらの金属保護膜は、銀鏡面膜及び裏止め塗膜の間に形成されていないことが好ましい。
(裏止め塗膜)
裏止め塗膜は、本発明の裏止め塗膜用組成物を銀鏡面膜上に塗布し、乾燥硬化させることにより形成される。すなわち、裏止め塗膜は、本発明の裏止め塗膜用組成物の硬化物からなる。本発明の裏止め塗膜用組成物については、後述の[裏止め塗膜用組成物]において説明する。
裏止め塗膜は、本発明の裏止め塗膜用組成物を銀鏡面膜上に塗布し、乾燥硬化させることにより形成される。すなわち、裏止め塗膜は、本発明の裏止め塗膜用組成物の硬化物からなる。本発明の裏止め塗膜用組成物については、後述の[裏止め塗膜用組成物]において説明する。
裏止め塗膜用組成物は、フローコーター、スプレー、ローラー、刷毛等を用いて塗布することができる。
裏止め塗膜用組成物の塗布量は、乾燥後の膜厚、すなわち裏止め塗膜の膜厚が例えば30μm以上、80μm以下になるように行う。
裏止め塗膜用組成物の乾燥硬化の際の温度は、通常、被塗物温度として、250℃以下、好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以上200℃以下である。
[裏止め塗膜用組成物]
本発明の裏止め塗膜用組成物は、防食鏡の裏止め塗膜を形成するための裏止め塗膜用組成物であって、顔料と、合成樹脂バインダーとを含む。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、防食鏡の裏止め塗膜を形成するための裏止め塗膜用組成物であって、顔料と、合成樹脂バインダーとを含む。
(顔料)
顔料としては、無鉛防錆顔料、体質顔料、及び、着色顔料が挙げられる。
無鉛防錆顔料は、鏡に防錆性能を与える顔料である。体質顔料は、裏止め塗膜の硬度向上、膜厚を増すための顔料である。着色顔料は、裏止め塗膜を着色するための顔料である。
本発明の裏止め塗膜用組成物においては、無鉛防錆顔料が必須であり、体質顔料及び着色顔料は付加的顔料であり必須ではない。
顔料としては、無鉛防錆顔料、体質顔料、及び、着色顔料が挙げられる。
無鉛防錆顔料は、鏡に防錆性能を与える顔料である。体質顔料は、裏止め塗膜の硬度向上、膜厚を増すための顔料である。着色顔料は、裏止め塗膜を着色するための顔料である。
本発明の裏止め塗膜用組成物においては、無鉛防錆顔料が必須であり、体質顔料及び着色顔料は付加的顔料であり必須ではない。
体質顔料としては、例えば、タルク、沈降性硫酸バリウム、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、バライト等が挙げられる。これらは1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。
着色顔料としては、例えば、酸化チタン、弁柄、黄色酸化鉄、鉄黒、カーボンブラック、有機顔料等が挙げられる。これらは1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、無鉛防錆顔料として亜リン酸アルミニウムを含むことを特徴としている。これにより、縁シケの発生を抑えることができる。
縁シケの発生を抑える観点から、裏止め塗膜用組成物中の亜リン酸アルミニウムの含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましい。一方、裏止め塗膜用組成物中の亜リン酸アルミニウムの含有量は、5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下であることがより好ましい。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、無鉛防錆顔料として亜鉛化合物をさらに含むことが好ましい。亜鉛化合物としては、例えば、シアヌル酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛等が挙げられる。
無鉛防錆顔料としてシアヌル酸亜鉛が含まれていると、付着性が向上する。また、その他の亜鉛化合物は、耐食性、耐薬品性の向上が期待できる。
無鉛防錆顔料としてシアヌル酸亜鉛が含まれていると、付着性が向上する。また、その他の亜鉛化合物は、耐食性、耐薬品性の向上が期待できる。
亜鉛化合物がシアヌル酸亜鉛である場合、後述する合成樹脂バインダーがアルキド樹脂又はエポキシ樹脂を主樹脂として含むことが好ましい。
上記の場合、裏止め塗膜用組成物中のシアヌル酸亜鉛の含有量は、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。一方、裏止め塗膜用組成物中のシアヌル酸亜鉛の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
上記の場合、裏止め塗膜用組成物中のシアヌル酸亜鉛の含有量は、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。一方、裏止め塗膜用組成物中のシアヌル酸亜鉛の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
亜鉛化合物が酸化亜鉛である場合、後述する合成樹脂バインダーがエポキシ樹脂を主樹脂として含むことが好ましい。
上記の場合、裏止め塗膜用組成物中の酸化亜鉛の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。一方、裏止め塗膜用組成物中の酸化亜鉛の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
上記の場合、裏止め塗膜用組成物中の酸化亜鉛の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。一方、裏止め塗膜用組成物中の酸化亜鉛の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、無鉛防錆顔料としてモリブデン化合物をさらに含むことが好ましい。モリブデン化合物としては、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸マグネシウム等が挙げられる。
無鉛防錆顔料としてモリブデン化合物が含まれていると、耐食性、耐薬品性の向上が期待できる。
無鉛防錆顔料としてモリブデン化合物が含まれていると、耐食性、耐薬品性の向上が期待できる。
耐食性、耐薬品性の観点から、裏止め塗膜用組成物中のモリブデンイオンの含有量は、0.5質量%以下であることが好ましい。一方、裏止め塗膜用組成物中のモリブデンイオンの含有量は、0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましい。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、無鉛防錆顔料としてアルカリ土類金属化合物をさらに含むことが好ましい。アルカリ土類金属化合物としては、モリブデン酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等が挙げられる。
無鉛防錆顔料としてアルカリ土類金属化合物が含まれていると、アルカリ性及び金属石けん効果により防錆性が期待できる。
無鉛防錆顔料としてアルカリ土類金属化合物が含まれていると、アルカリ性及び金属石けん効果により防錆性が期待できる。
耐食性、耐薬品性の観点から、裏止め塗膜用組成物中のアルカリ土類金属イオン及びモリブデンイオンの合計含有量は、1質量%以上であることが好ましい。一方、裏止め塗膜用組成物中のアルカリ土類金属イオン及びモリブデンイオンの合計含有量は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、他の無鉛防錆顔料として、水酸化ビスマス、シアナミド亜鉛カルシウム、珪酸ジルコニウム、珪酸カルシウム、珪酸ストロンチウム、トリポリリン酸二水素アルミニウムリン酸マグネシウム等をさらに含んでいてもよい。
耐水性、密着性、耐酸性の観点から、裏止め塗膜用組成物中の合成樹脂バインダーの不揮発性分に対する顔料の質量比(顔料/合成樹脂バインダーの不揮発性分)は、1.2以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。一方、上記質量比(顔料/合成樹脂バインダーの不揮発性分)は、4.0以下であることが好ましく、3.0以下であることがより好ましく、2.5以下であることがさらに好ましい。
耐薬品性、耐食性の観点から、顔料中の無鉛防錆顔料の含有量は、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。一方、顔料中の無鉛防錆顔料の含有量は、55質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
(合成樹脂バインダー)
合成樹脂バインダーは、無鉛防錆顔料等の顔料を銀鏡面膜に結合する働きを有する。
合成樹脂バインダーに用いる樹脂としては、例えば、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等を挙げることができる。
合成樹脂バインダーは、無鉛防錆顔料等の顔料を銀鏡面膜に結合する働きを有する。
合成樹脂バインダーに用いる樹脂としては、例えば、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等を挙げることができる。
本発明の裏止め塗膜用組成物では、合成樹脂バインダーは、アルキド樹脂を主樹脂として含むか、又は、エポキシ樹脂を主樹脂として含むことが好ましい。
上述のとおり、合成樹脂バインダーがアルキド樹脂を主樹脂として含む場合、無鉛防錆顔料として含まれる亜鉛化合物はシアヌル酸亜鉛であることが好ましく、合成樹脂バインダーがエポキシ樹脂を主樹脂として含む場合、無鉛防錆顔料として含まれる亜鉛化合物は酸化亜鉛であることが好ましい。
上述のとおり、合成樹脂バインダーがアルキド樹脂を主樹脂として含む場合、無鉛防錆顔料として含まれる亜鉛化合物はシアヌル酸亜鉛であることが好ましく、合成樹脂バインダーがエポキシ樹脂を主樹脂として含む場合、無鉛防錆顔料として含まれる亜鉛化合物は酸化亜鉛であることが好ましい。
本明細書において、主樹脂とは、合成樹脂バインダーに含まれる樹脂のうち、質量%で最も多く含まれる樹脂であり、好ましくは50質量%より多く含まれる樹脂であり、より好ましくは55質量%以上含まれる樹脂である。
<合成樹脂バインダーがアルキド樹脂を主樹脂として含む場合>
本発明の裏止め塗膜用組成物において、合成樹脂バインダーがアルキド樹脂を主樹脂として含む場合、合成樹脂バインダーは、アルキド樹脂に加えて、エポキシ樹脂及び架橋樹脂を含むことが好ましい。
本発明の裏止め塗膜用組成物において、合成樹脂バインダーがアルキド樹脂を主樹脂として含む場合、合成樹脂バインダーは、アルキド樹脂に加えて、エポキシ樹脂及び架橋樹脂を含むことが好ましい。
アルキド樹脂とは、アルコールと酸とのエステル化によって生成する樹脂状物質である。アルキド樹脂には、無水フタル酸等の多塩基酸とグリセリン等の多価アルコ−ルとの結合物を骨格とし、油脂で変性した樹脂が含まれる。さらに、ロジン等の天然樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂、及び、スチレンモノマー又はメチルメタアクリレートモノマ−等の重合性モノマーで変性した樹脂も含まれる。一般的に、アルキド樹脂は、樹脂分等の不揮発性分を40質量%以上80質量%以下含む粘液状で、原料として用いる脂肪酸等、油脂の種類、その量、多塩基酸、多価アルコ−ルの種類、及び、他樹脂による変性により異なる種類のアルキド樹脂が得られる。
エポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する樹脂である。エポキシ樹脂としては、好ましくは、数平均分子量300以上4000以下、エポキシ当量150以上3500以下の樹脂が使用され、より好ましくは、エポキシ当量180以上3000以下のビスフェノールA型エポキシ樹脂が使用される。
架橋樹脂としては、好ましくは、アミノ樹脂又はブロックイソシアネート樹脂が使用される。
架橋樹脂としてのアミノ樹脂は、メラミン、グアナミン、尿素等のアミノ化合物と、ホルムアルデヒド、即ち、ホルマリンとを付加反応させ、アルコールで変性した樹脂を総称する。本発明の裏止め塗膜用組成物に用いられるアミノ樹脂には、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、ブチル化尿素樹脂、ブチル化尿素メラミン樹脂、グリコールウリル樹脂、アセトグアナミン樹脂、及び、シクロヘキシルグアナミン樹脂が挙げられるが、熱硬化性樹脂であると塗膜が硬いこと、耐薬品性に優れることからメラミン樹脂が好ましい。変性に用いたアルコールの種類によって、メチル化メラミン樹脂、n−ブチル化メラミン樹脂、イソブチル化メラミン樹脂、及び、混合アルキル化メラミン樹脂等に種別され、場合によっては、1種又は2種以上混合することによって使用される。
架橋樹脂としてのブロックイソシアネート樹脂は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、具体的にはトリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、該ポリイソシアネートのビューレットタイプの付加物、イソシアヌル環タイプ付加物等のポリイソシアネートをフェノール類、オキシム類、活性メチレン類、ε−カプロラクタム類、トリアゾール類及びピラゾール類等のブロック剤で封鎖したブロックイソシアネート樹脂等が挙げられる。ジブチルチンジラウリレート等の有機錫触媒がブロック剤の解離促進剤として使用され、架橋樹脂としてのブロックイソシアネート樹脂が1種または2種以上の組合せで使用される。また、本発明の裏止め塗膜用組成物には、架橋樹脂としてアミノ樹脂とブロックイソシアネート樹脂とが適宜併用される。また、アミノ樹脂とブロックイソシアネート樹脂の硬化反応を促進するためには、金属錯塩、即ち、ドライヤー、又は触媒を裏止め塗膜用組成物に添加する。
<合成樹脂バインダーがエポキシ樹脂を主樹脂として含む場合>
本発明の裏止め塗膜用組成物において、合成樹脂バインダーがエポキシ樹脂を主樹脂として含む場合、合成樹脂バインダーは、エポキシ樹脂及び該エポキシ樹脂の硬化剤(架橋樹脂ともいう)を含むことが好ましい。合成樹脂バインダーは、硬化促進剤(硬化触媒)をさらに含んでいてもよい。また、合成樹脂バインダーは、裏止め塗膜用組成物の粘度等を調整する目的で、反応性希釈剤をさらに含んでいてもよい。
本発明の裏止め塗膜用組成物において、合成樹脂バインダーがエポキシ樹脂を主樹脂として含む場合、合成樹脂バインダーは、エポキシ樹脂及び該エポキシ樹脂の硬化剤(架橋樹脂ともいう)を含むことが好ましい。合成樹脂バインダーは、硬化促進剤(硬化触媒)をさらに含んでいてもよい。また、合成樹脂バインダーは、裏止め塗膜用組成物の粘度等を調整する目的で、反応性希釈剤をさらに含んでいてもよい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アミノ変性エポキシ樹脂、エステル化されたビスフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
硬化剤(架橋樹脂)としては、エポキシ基と反応し、橋かけで3次元網目構造を作るものが挙げられる。例えば、脂肪族アミン(ジエチレントリアミンなど)、芳香族アミン(メタフェニレンジアミンなど)、変性アミン(アミンアダクト、ケトイミンなど)等のアミン類、ポリアミド樹脂(ダイマー酸とポリアミンの縮合により生成するもので、分子中に反応性の一級アミンと二級アミンを有するポリアミドアミンなど)、三級アミン、二級アミン、イミダゾール類、ポリメルカプタン、ポリスルフィド樹脂、酸無水物類を挙げることができる。さらに、前記のアミノ樹脂及びブロックイソシアネート樹脂、又は、潜在性硬化剤(三フッ化ホウ素、ジシアンジアミド、有機ヒドラジッドなど)を挙げることができる。潜在性硬化剤とは、硬化剤をエポキシ樹脂に配合したものが、室温で安定的に貯蔵でき、熱、光、圧力などにより急速に硬化する能力をもつ硬化剤である。
硬化剤(架橋樹脂)としては、裏止め塗膜を形成する工程を考慮すれば、エポキシ樹脂と混合した後のポットライフの長いものが好ましい。ここで、ポットライフとは、エポキシ樹脂と硬化剤(架橋樹脂)とを混合した後に、常温でエポキシ樹脂が硬化して裏止め塗膜を形成する工程が行えなくなるまでの時間をいう。
このポットライフを考慮すると、硬化剤(架橋樹脂)としては、ポリアミド樹脂が好ましい。さらに、常温でのポットライフがポリアミド樹脂より長い、前記のアミノ樹脂及びブロックイソシアネート樹脂、又は、潜在性硬化剤(三フッ化ホウ素、ジシアンジアミド、有機ヒドラジッドなど)がより好ましい。
硬化剤(架橋樹脂)は、エポキシ樹脂と混合された後、所定の温度で所定の時間以上の加熱によりエポキシ樹脂の硬化が完結される。
硬化剤(架橋樹脂)としては、裏止め塗膜を形成する工程を考慮すれば、エポキシ樹脂と混合した後のポットライフの長いものが好ましい。ここで、ポットライフとは、エポキシ樹脂と硬化剤(架橋樹脂)とを混合した後に、常温でエポキシ樹脂が硬化して裏止め塗膜を形成する工程が行えなくなるまでの時間をいう。
このポットライフを考慮すると、硬化剤(架橋樹脂)としては、ポリアミド樹脂が好ましい。さらに、常温でのポットライフがポリアミド樹脂より長い、前記のアミノ樹脂及びブロックイソシアネート樹脂、又は、潜在性硬化剤(三フッ化ホウ素、ジシアンジアミド、有機ヒドラジッドなど)がより好ましい。
硬化剤(架橋樹脂)は、エポキシ樹脂と混合された後、所定の温度で所定の時間以上の加熱によりエポキシ樹脂の硬化が完結される。
硬化促進剤としては、有機錫化合物、イミダゾール類、尿素誘導体、3級アミン、オニウム塩等が挙げられる。
反応性希釈剤としては、グリシジルエーテル類等の比較的分子量の低いエポキシ化合物が挙げられる。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、上記以外の他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、ポリエステル、スチレン樹脂、ビニル樹脂、ケトン樹脂、ロジン等が挙げられる。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、防食の効果を向上させるため、防錆剤を含んでいてもよい。防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系の複素環式化合物等が挙げられる。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、溶剤を含んでいてもよい。溶剤としては、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、エステル類、エーテル類、ケトン類、アルコール類等が挙げられる。
なお、溶剤とは、顔料や合成樹脂バインダーを溶解又は分散させ得るが、他の成分と反応しない化合物を意味する。
なお、溶剤とは、顔料や合成樹脂バインダーを溶解又は分散させ得るが、他の成分と反応しない化合物を意味する。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、レベリング剤、消泡剤、シランカップリング剤、沈殿防止剤、分散剤、撥水剤、乾燥剤等が挙げられる。
裏止め塗膜用組成物中の溶剤及び添加剤の合計含有量は、15質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましい。一方、裏止め塗膜用組成物中の溶剤及び添加剤の合計含有量は、65質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。
本発明の裏止め塗膜用組成物は、サンドミル、ボールミル、アトライター、ロールミル等に、顔料、合成樹脂バインダー、溶剤、添加剤等の原料を投入した後に作動させ、細かく分散し、均一混合することにより得られる。
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
表1に示す実施例1−1〜実施例1−5及び比較例1−1の組成を有する裏止め塗膜用組成物をそれぞれ用意した。
表1に示す実施例1−1〜実施例1−5及び比較例1−1の組成を有する裏止め塗膜用組成物をそれぞれ用意した。
なお、表1には、裏止め塗膜用組成物中の合成樹脂バインダーの不揮発性分に対する顔料の質量比(表1中、顔料/合成樹脂バインダーの不揮発性分(質量比)と記載)、顔料中の無鉛防錆顔料の含有量、裏止め塗膜用組成物中のモリブデンイオンの含有量、裏止め塗膜用組成物中のアルカリ土類金属イオン及びモリブデンイオンの合計含有量も示している。
表1における各成分として、以下のものを使用した。
表1の合成樹脂バインダーの組成は、不揮発性分に換算した値で示した。
表1の合成樹脂バインダーの組成は、不揮発性分に換算した値で示した。
フェノール変性アルキド樹脂液:DIC社製、アルキディアM−2168−50、不揮発性分60質量%
ブチル化メラミン樹脂液:日立化成社製、メラン2030、不揮発性分60質量%
メチル化メラミン樹脂液:DIC社製、アミディアL−105−60、不揮発性分60質量%
ベンゾグアナミン樹脂液:DIC社製、アミディアTD−126、不揮発性分60質量%
エポキシ樹脂:三菱ケミカル社製、JER1001
ブチル化メラミン樹脂液:日立化成社製、メラン2030、不揮発性分60質量%
メチル化メラミン樹脂液:DIC社製、アミディアL−105−60、不揮発性分60質量%
ベンゾグアナミン樹脂液:DIC社製、アミディアTD−126、不揮発性分60質量%
エポキシ樹脂:三菱ケミカル社製、JER1001
モリブデン酸カルシウム:日本無機化学工業社製、モリブデン酸カルシウム
亜リン酸アルミニウム:東邦顔料工業社製、EXPERT NP−1102
水酸化ビスマス:寺田薬品工業社製、水酸化ビスマス
シアヌル酸亜鉛:日産化学社製、スターファイン
ベンゾトリアゾール:ケミプロ化成社製、KEMITEC BT−P
亜リン酸アルミニウム:東邦顔料工業社製、EXPERT NP−1102
水酸化ビスマス:寺田薬品工業社製、水酸化ビスマス
シアヌル酸亜鉛:日産化学社製、スターファイン
ベンゾトリアゾール:ケミプロ化成社製、KEMITEC BT−P
消泡剤:楠本化成社製、ディスパロンOX−60
レベリング剤:共栄社化学社製、ポリフローKL−700、フローレンKDG−2400
レベリング剤:共栄社化学社製、ポリフローKL−700、フローレンKDG−2400
図1に示すように、ガラス基材10としてのガラス板に、スプレーを用い、メッキ法により、銀鏡面膜20を形成した。さらに、銀鏡面膜20上に、裏止め塗膜用組成物をそれぞれフローコーターにて塗布した。硬化時の膜厚が50μmになるように塗布し、マッフル炉にて285℃で9分間焼成することにより乾燥硬化させて、裏止め塗膜30を形成した。20℃で3日間静置後、50mm×80mmのサイズに裁断し、実施例1−1〜実施例1−5及び比較例1−1の鏡サンプルを作製した。
実施例1−1〜実施例1−5及び比較例1−1の鏡サンプルに対して、以下の方法により、縁部に発生する縁シケと内部に発生する中シケを評価した。
図2は、縁シケと中シケとの評価方法を説明するための模式図である。
鏡サンプルSを試験液(1wt%塩酸)に30℃、120時間浸漬した。図2では、試験液の液面を破線で示している。試験液から取り出したとき、試験液と接していた鏡サンプルSの3辺に発生している縁シケの最大幅a、b及びcを測定し、その平均値を縁シケの幅とした。また、鏡の内部に発生する中シケの数を測定した。結果を表1に示す。
鏡サンプルSを試験液(1wt%塩酸)に30℃、120時間浸漬した。図2では、試験液の液面を破線で示している。試験液から取り出したとき、試験液と接していた鏡サンプルSの3辺に発生している縁シケの最大幅a、b及びcを測定し、その平均値を縁シケの幅とした。また、鏡の内部に発生する中シケの数を測定した。結果を表1に示す。
表1に示すように、合成樹脂バインダーがアルキド樹脂を主樹脂として含む場合、無鉛防錆顔料として亜リン酸アルミニウムが含まれることにより、中シケの発生を抑えつつ、縁シケの発生が抑えられることが確認できた。
[実施例2]
表2に示す実施例2−1、実施例2−2及び比較例2−1の組成を有する裏止め塗膜用組成物をそれぞれ用意した。
表2に示す実施例2−1、実施例2−2及び比較例2−1の組成を有する裏止め塗膜用組成物をそれぞれ用意した。
なお、表2には、裏止め塗膜用組成物中の合成樹脂バインダーの不揮発性分に対する顔料の質量比(表2中、顔料/合成樹脂バインダーの不揮発性分(質量比)と記載)、顔料中の無鉛防錆顔料の含有量も示している。
表2における各成分として、以下のものを使用した。
表2の合成樹脂バインダーの組成は、不揮発性分に換算した値で示した。
表2の合成樹脂バインダーの組成は、不揮発性分に換算した値で示した。
エポキシ樹脂:三菱ケミカル社製、JER1001
ケトン樹脂:荒川化学工業社製、ケトンレジンK−90
メラミン樹脂液:DIC社製、アミディアL−105−60、不揮発性分60質量%
ブロックイソシアネート樹脂液:旭化成社製、デユラネートMF−B60B、固形分80質量%
ケトン樹脂:荒川化学工業社製、ケトンレジンK−90
メラミン樹脂液:DIC社製、アミディアL−105−60、不揮発性分60質量%
ブロックイソシアネート樹脂液:旭化成社製、デユラネートMF−B60B、固形分80質量%
酸化亜鉛:東邦亜鉛社製、酸化亜鉛2種
亜リン酸アルミニウム:東邦顔料工業社製、EXPERT NP−1102
亜リン酸アルミニウム:東邦顔料工業社製、EXPERT NP−1102
消泡剤:楠本化成社製、ディスパロンOX−60
レベリング剤:共栄社化学社製、ポリフローKL−700、フローレンKDG−2400
レベリング剤:共栄社化学社製、ポリフローKL−700、フローレンKDG−2400
実施例1で説明した方法により、実施例2−1、実施例2−2及び比較例2−1の鏡サンプルを作製した。
実施例2−1、実施例2−2及び比較例2−1の鏡サンプルに対して、実施例1で説明した方法により、縁部に発生する縁シケと内部に発生する中シケを評価した。結果を表2に示す。
実施例2−1、実施例2−2及び比較例2−1の鏡サンプルに対して、実施例1で説明した方法により、縁部に発生する縁シケと内部に発生する中シケを評価した。結果を表2に示す。
表2に示すように、合成樹脂バインダーがエポキシ樹脂を主樹脂として含む場合であっても、無鉛防錆顔料として亜リン酸アルミニウムが含まれることにより、中シケを抑えつつ、縁シケの発生が抑えられることが確認できた。
1 防食鏡
10 ガラス基材
20 銀鏡面膜
30 裏止め塗膜
S 鏡サンプル
10 ガラス基材
20 銀鏡面膜
30 裏止め塗膜
S 鏡サンプル
Claims (10)
- ガラス基材上に銀鏡面膜が形成され、前記銀鏡面膜上に裏止め塗膜が形成された防食鏡の、前記裏止め塗膜を形成するための裏止め塗膜用組成物であって、
無鉛防錆顔料を含む顔料と、合成樹脂バインダーとを含み、
前記無鉛防錆顔料として亜リン酸アルミニウムを含む、裏止め塗膜用組成物。 - 前記裏止め塗膜用組成物中の前記亜リン酸アルミニウムの含有量が0.1質量%以上、5質量%以下である、請求項1に記載の裏止め塗膜用組成物。
- 前記無鉛防錆顔料として亜鉛化合物をさらに含む、請求項1又は2に記載の裏止め塗膜用組成物。
- 前記亜鉛化合物がシアヌル酸亜鉛であり、
前記合成樹脂バインダーがアルキド樹脂又はエポキシ樹脂を主樹脂として含む、請求項3に記載の裏止め塗膜用組成物。 - 前記亜鉛化合物が酸化亜鉛であり、
前記合成樹脂バインダーがエポキシ樹脂を主樹脂として含む、請求項3に記載の裏止め塗膜用組成物。 - 前記無鉛防錆顔料としてモリブデン化合物をさらに含み、
前記裏止め塗膜用組成物中のモリブデンイオンの含有量が0.5質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の裏止め塗膜用組成物。 - 前記無鉛防錆顔料としてアルカリ土類金属化合物をさらに含み、
前記裏止め塗膜用組成物中のアルカリ土類金属イオン及びモリブデンイオンの合計含有量が1質量%以上、20質量%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の裏止め塗膜用組成物。 - 前記裏止め塗膜用組成物中の前記合成樹脂バインダーの不揮発性分に対する前記顔料の質量比(顔料/合成樹脂バインダーの不揮発性分)が1.2以上、4.0以下であり、
前記顔料中の前記無鉛防錆顔料の含有量が10質量%以上、55質量%以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の裏止め塗膜用組成物。 - ガラス基材と、
前記ガラス基材上に形成された銀鏡面膜と、
前記銀鏡面膜上に形成された裏止め塗膜と、を備える防食鏡であって、
前記裏止め塗膜は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の裏止め塗膜用組成物の硬化物からなる、防食鏡。 - ガラス基材を準備する工程と、
前記ガラス基材上に銀鏡面膜を形成する工程と、
前記銀鏡面膜上に裏止め塗膜を形成する工程と、を備える防食鏡の製造方法であって、
前記裏止め塗膜は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の裏止め塗膜用組成物を前記銀鏡面膜上に塗布し、硬化させることにより形成される、防食鏡の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018229866A JP2020090633A (ja) | 2018-12-07 | 2018-12-07 | 裏止め塗膜用組成物、防食鏡、及び、防食鏡の製造方法 |
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JP2018229866A Pending JP2020090633A (ja) | 2018-12-07 | 2018-12-07 | 裏止め塗膜用組成物、防食鏡、及び、防食鏡の製造方法 |
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-
2018
- 2018-12-07 JP JP2018229866A patent/JP2020090633A/ja active Pending
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