JP2020089963A - ロボットシステムおよび座標変換方法 - Google Patents
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なお、ここでは固定カメラの場合を述べたが、カメラをロボットアームに固定した場合も同様である。この場合は、撮像時のロボット位置も使ってカメラの位置が同定される。
本実施形態のロボットシステムは、図1および図2に示されるように、物品(対象)Oを移動させる移動手段としての搬送装置(移動手段)10と、センサシステム20と、ロボット30と、ロボット30を制御するロボット制御装置40とを備えている。搬送装置10の搬送方向とロボット30の座標系であるロボット座標系201のX軸方向が一致しており、搬送装置10の搬送面に垂直な方向とロボット座標系201のZ軸方向とが一致しており、ロボット座標系201のY軸方向は搬送装置10の幅方向と一致するように取られている。本実施形態ではZ軸方向は鉛直方向である。
なお、処理部22および判断部23はセンサ21に内蔵されても良い。
前記検査は如何なる検査であってもよく、処理部22は、周知の画像処理等を行うことによって処理後データを作成し、判断部23は処理後データに基づき各対象Oについて例えば部品検査又は製品検査の一環として合否判断を行う。
また、検出される各対象Oの位置は、センサ21によって得られたデータ上の各対象Oの位置又は処理後データ上の各対象Oの位置であってもよい。
当該キャリブレーションを図4のフローチャートを参照しながら説明する。まず、停止している搬送装置10上における検出範囲AR1内に対象Oを2つ配置する(ステップS1−1)。各対象Oがワークである場合、2つの対象Oを検出範囲AR1内の搬送装置10上に置く。なお、2つの対象Oは、1つのワーク上に設けられた2つのねじ穴であってもよく、1つの板の上に設けられた2つのマークであってもよい。なお、キャリブレーションのための対象Oとロボット30が作業を行う対象が異なっていてもよい。この場合、キャリブレーションのための対象OのZ軸方向の位置がロボット30の作業対象のZ軸方向の位置に対応している方が好ましい。また、必ずしも1つのワーク上に特徴が設けられていなくてもよい。2つのワークを用いてもよい。このとき、2つのワークの相対関係が変化しないようにコンベヤにテープで固定するなどするとなお好ましい。
続いて、他方の対象Oをセンサシステム20によって位置が検出されない状態とし(ステップS1−5)、この状態でロボット制御装置40からセンサシステム20に対象Oの位置の検出を指示するコマンドが送信され(ステップS1−6)、ロボット制御装置40が2つ目の位置の検出結果P1をセンサシステム20から受信する(ステップS1−7)。
ステップS1−2およびS1−5では、例えば対象Oを布で隠すことによって、対象Oの位置が検出されない状態となる。
続いて、センサシステム20が検出した任意の点Paの位置のロボット座標系201から見た位置(Xa,Ya)を求めるための変換行列を作成する(ステップS1−13)。
先ず、センサシステム20が検出したP0およびP1の位置、つまり、センサ座標系202上におけるP0の検出された位置座標とP1の検出された位置座標との関係から、単位ベクトルが作成され、当該単位ベクトルに対応するセンサX―Y座標系が設定される。例えばセンサX−Y座標系はセンサ座標系202のX軸およびY軸に平行な平面内に設定される。
一例として、センサ座標系202上におけるP0の検出された位置座標とP1の検出された位置座標との関係から、P0を原点として、X軸の単位ベクトルとY軸の単位ベクトルが作成され、当該単位ベクトルに対応するセンサX―Y座標系が定義される。センサシステム20の任意の点Paを前記センサX―Y座標系での座標に変換する。
例えば、ロボット座標系201上におけるQ0の位置座標とQ1の位置座標との関係から、前記センサX―Y座標系に対応するロボットX−Y座標系がQ0を原点として定義される。当該ロボットX−Y座標系と前記センサX―Y座標系で表現された点Paをまとめることで、画像上の任意の点PaのロボットX−Y座標系での座標値位置(Xa,Ya)を求めることが可能である。1画素辺りのスケールsはP0とP1との位置関係とQ0とQ1の位置関係とから導かれる。また計測部10aにより計測される移動量も使われる。
なお、上記の手法、つまり、対象Oの配置関係や移動方向の拘束を用いてタッチアップ点を2点に減らす手法を使わずに、以下の式(1)を用いて、3点をタッチアップして解析的に変換行列を求めることも可能である。また、3点以上をタッチアップすることによって、最小二乗法等の手法を通じて変換行列を数値的に求めることも可能となる。
当該キャリブレーションを図5のフローチャートを参照しながら説明する。まず、キャリブレーション例1と同様に、停止している搬送装置10上における検出範囲AR1内に対象Oを2つ配置する(ステップS2−1)。
なお、前記変換行列は、一例として、X軸およびY軸に垂直なZ軸周りの回転を含む座標変換を行うものである。また、本実施形態の変換行列は、X軸周りおよびY軸周りの回転を含まない座標変換を行うものである。このため、Z軸方向の位置が互いに大きく異なっていない複数の対象Oについて、容易且つ確実にキャリブレーションを行うことが可能となる。
より具体的には、変換行列は、Z軸周りの回転を含む座標変換を行うものであり、X軸周りおよびY軸周りの回転を含まない座標変換を行うものである。この場合、Z方向の位置が互いに大きく異なっていない複数の対象Oにロボット30による作業を行う上で、容易且つ確実にキャリブレーションを行うことが可能となる。
検査装置の製造会社や高精度な計測器の製造会社等によって製造されるセンサシステム20の検出範囲はロボット30による作業範囲と異なる場合が多い。当該態様では、検出範囲と作業範囲とが異なる場合でも、計測部10aによって計測される移動量を用いて、センサシステム20によって検出された位置座標をロボット座標系201上の位置座標に変換する変換行列を作成することができる。
このロボットシステムは、対象Oを2つにしても、Z軸方向の位置が互いに大きく異なっていない複数の対象Oにロボット30による作業を行う上で、実用上正確なキャリブレーションを行うことができる。キャリブレーションに用いる対象が2つであることから、キャリブレーションに必要な時間を短縮することができる。これは、ロボット30が作業を行う対象Oの品種、寸法等が頻繁に変わる場合において、品種、寸法等に応じたキャリブレーションを適切に行うことを可能とする。
当該構成では、センサシステム20が右手座標系および左手座標系の何れを採用していても、ロボット制御装置40をセンサシステム20の位置検出に容易且つ確実に適合させることができる。
第2実施形態は、第1実施形態におけるセンサシステム20の出力をロボット30の制御に用いるためのキャリブレーションの他の例を示すものであり、その他の構成は第1実施形態と同様である。第2実施形態でも、第1実施形態と同様の搬送装置(移動手段)10、センサシステム20、ロボット30、およびロボット制御装置40が用いられる。第1実施形態と同等の構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態では、以下の処理に従って、センサシステム20の出力をロボット30の制御に用いるためのキャリブレーションが行われる。特に説明が無い事項は、第1実施形態と同様に処理され、第1実施形態と同様の変形例も適用され得る。
当該キャリブレーションを図7および図8のフローチャートを参照しながら説明する。まず、停止している搬送装置10上における検出範囲AR1内にY軸方向に離れた2つの対象Oを配置する(ステップS3−1)。図10に示されるワークWを用いることも可能である。この場合は、Y軸方向の一端側にX軸方向に並ぶ2つの対象Oがあり、そのうち一方とY軸方向の他端側に配置された対象Oとが検出範囲AR1内に配置されていればよい。
続いて、Y軸方向に離れた2つの対象Oのうち一方をセンサシステム20によって位置が検出されない状態とし(ステップS3−2)、この状態でロボット制御装置40からセンサシステム20に対象Oの位置の検出を指示するコマンドが送信され(ステップS3−3)、ロボット制御装置40が1つ目の位置の検出結果P0をセンサシステム20から受信する(ステップS3−4)。
また、ロボット制御装置40は、変換行列を用いて、ロボット座標系201における検出結果P2の位置座標Q2を計算し、ロボット座標系201の搬送方向であるX軸方向におけるQ0とQ2との位置の差が、所定の基準範囲内か否かを判断する(ステップS3−18)。例えば、以下の式(2)の判断係数Aが基準範囲内か否か判断される。
当該キャリブレーションを図9のフローチャートを参照しながら説明する。まず、キャリブレーション例1と同様に、停止している搬送装置10上における検出範囲AR1内にワークWを配置する(ステップS4−1)。
また、キャリブレーション例1のステップS3−18と同様に、ロボット座標系201における3つ目の対象Oの点P2の位置座標Q2を計算し、ロボット座標系201の搬送方向であるX軸方向におけるQ0とQ2との位置の差が、所定の基準範囲内か否かを判断する(ステップS4−10)。
なお、本実施形態では搬送装置10の搬送方向がロボット座標系201およびセンサ座標系202のX軸方向に対応しているが、装置構成によっては、搬送方向がロボット座標系201のX軸方向およびセンサ座標系202のY軸方向と対応している場合、搬送方向がロボット座標系201およびセンサ座標系202のY軸方向と対応している場合等もある。
第1の態様のロボットシステムは、センサシステムと、ロボットと、前記ロボットを制御するロボット制御装置と、を備え、前記ロボット制御装置が、前記ロボットの座標系であるロボット座標系を認識しているが、前記センサシステムの座標系を認識しておらず、前記ロボット制御装置が、前記センサシステムによって得られた複数の対象又は点の位置座標と、前記複数の対象又は前記複数の点に対応する前記ロボット座標系におけるX軸方向およびY軸方向の位置座標とに基づき、前記センサシステムによって得られる位置座標に対してX軸およびY軸が含まれる平面内における座標変換を行うための変換行列を作成する行列作成処理を行う。
当該態様では、ロボット制御装置はロボットの先端部に設けられたタッチアップ部の位置を認識しているので、タッチアップ部を複数の対象に接触させることによって、各対象のロボット座標系上の位置が得られる。このため、複雑な処理又は作業を伴うことなく変換行列を作成することができる。
当該態様では、座標系が対応付けられたセンサの検出データに基づき、複数の対象又は複数の点のロボット座標系における位置座標が手間なく得られる。このため、複雑な処理又は作業を伴うことなく変換行列を作成することができる。
一例として、変換行列が、Z軸周りの回転を含む座標変換を行うものであり、X軸周りおよびY軸周りの回転を含まない座標変換を行うものである場合、Z方向の位置が互いに大きく異なっていない複数の対象にロボットによる作業を行う上で、容易且つ確実にキャリブレーションを行うことが可能となる。
上記ロボットシステムは、対象を2つにしても、Z軸方向の位置が互いに大きく異なっていない複数の対象にロボットによる作業を行う上で、実用上正確なキャリブレーションを行うことができる。キャリブレーションに用いる対象が2つであることから、キャリブレーションに必要な時間を短縮することができる。これは、ロボットが作業を行う対象の品種、寸法等が頻繁に変わる場合において、品種、寸法等に応じたキャリブレーションを適切に行うことを可能とする。
この場合、搬送装置によって対象又は点を移動させ、移動後の対象又は点の位置をセンサシステムによって検出することにより、選択された位置座標に対して移動手段による移動方向にのみ位置が異なる第2の位置座標を容易且つ確実に得ることができる。
当該構成では、センサシステムが右手座標系および左手座標系の何れを採用していても、ロボット制御装置をセンサシステムの位置検出に容易且つ確実に適合させることができる。
上記ロボットシステムは、X軸およびY軸が含まれる平面内における座標変換を行う変換行列を作成するものであるから、複数の対象の互いのZ軸方向の寸法のばらつきが小さい場合、ロボット制御装置をセンサシステムの位置検出により確実に適合させることができる。
例えば、ステップS1−9,S1−11において、センサ50が対象Oが含まれる画像である検出データを得て、ロボット制御装置40がセンサ50の検出データに基づき対象Oの位置座標を求めてもよい。この場合、ステップS1−10,S1−12では、センサ50の検出データに基づき得られた対象Oの位置座標が記憶部43に記憶される。ステップS2−5〜S2−8、ステップS3−13〜S3−16、ステップS4−5〜S4−8でも同様である。
10a 計測部
10b モータ
20 センサシステム
21 センサ
22 処理部
23 判断部
24 センサ制御装置
30 ロボット
30a アーム
31 サーボモータ
40 ロボット制御装置
41 プロセッサ
42 表示装置
43 記憶部
43a システムプログラム
43b 動作プログラム
43c 追随制御プログラム
43d キャリブレーションプログラム
44 サーボ制御器
45 入力部
50 センサ
201 ロボット座標系
202 センサ座標系
W ワーク
O 対象
Claims (12)
- センサシステムと、
ロボットと、
前記ロボットを制御するロボット制御装置と、を備え、
前記ロボット制御装置が、前記ロボットの座標系であるロボット座標系を認識しているが、前記センサシステムの座標系を認識しておらず、
前記ロボット制御装置が、前記センサシステムによって得られた複数の対象又は点の位置座標と、前記複数の対象又は前記複数の点に対応する前記ロボット座標系におけるX軸方向およびY軸方向の位置座標とに基づき、前記センサシステムによって得られる位置座標に対してX軸およびY軸が含まれる平面内における座標変換を行うための変換行列を作成する行列作成処理を行う、ロボットシステム。 - 前記ロボット制御装置が、前記複数の対象又は前記複数の点の位置座標と、前記複数の対象又は前記複数の点に対応する位置に前記ロボットの先端部に設けられたタッチアップ部を接触させることによって得られる前記複数の対象又は前記複数の点の前記ロボット座標系における前記位置座標とに基づき、前記変換行列を作成する、請求項1に記載のロボットシステム。
- 前記ロボット制御装置が、前記複数の対象又は前記複数の点の位置座標と、前記ロボットと座標系が対応付けられたセンサの検出データに基づき得られる前記複数の対象又は前記複数の点の前記ロボット座標系における前記位置座標とに基づき、前記変換行列を作成する、請求項1に記載のロボットシステム。
- 前記変換行列が、前記X軸および前記Y軸に垂直なZ軸周りの回転を含む前記座標変換を行うものである、請求項1〜3の何れかに記載のロボットシステム。
- 前記対象を移動させるための移動手段と、
前記移動手段によって移動する前記対象の移動量を計測する計測部と、を備え、
前記ロボット制御装置が、前記行列作成処理において、前記センサシステムによって得られた前記複数の対象又は前記複数の点の前記位置座標と、前記センサシステムによって前記位置座標が得られた後に前記移動手段によって移動した前記複数の対象又は前記複数の点に対応する位置に前記タッチアップ部を接触させることによって得られる前記位置座標と、前記計測部によって計測される前記移動量とを用いて、前記変換行列を作成する、請求項2に記載のロボットシステム。 - 前記対象を移動させるための移動手段と、
前記移動手段によって移動する前記対象の移動量を計測する計測部と、を備え、
前記ロボット制御装置が、前記行列作成処理において、前記センサシステムによって得られた前記複数の対象又は前記複数の点の前記位置座標と、前記センサシステムによって前記位置座標が得られた後に前記移動手段によって移動した前記複数の対象又は前記複数の点について前記検出データに基づき得られる前記位置座標と、前記計測部によって計測される前記移動量とを用いて、前記変換行列を作成する、請求項3に記載のロボットシステム。 - 前記対象又は前記点は2つである、請求項1〜6の何れかに記載のロボットシステム。
- 前記対象を移動させるための移動手段を備え、
前記ロボット制御装置が、前記センサシステムによって得られた第2の位置座標であって、前記センサシステムによって得られた前記複数の位置座標に対して前記移動手段の移動方向に位置が異なる第2の位置座標を受付け、前記複数の位置座標の少なくとも1つと前記第2の位置座標とを前記変換行列を用いて座標変換し、座標変換された前記位置座標と前記第2の位置座標との前記X軸方向の位置の差が基準値内か否か判断する判断処理を行う、請求項1〜4の何れかに記載のロボットシステム。 - 前記X軸方向が、前記移動手段による前記対象の移動方向である、請求項5に記載のロボットシステム。
- 前記ロボット制御装置に入力を行う入力部を備え、
前記ロボット制御装置が、前記入力部への入力に基づき、前記センサシステムの前記座標系が右手座標系であるか左手座標系であるかを認識する、請求項1〜7の何れかに記載にロボットシステム。 - 前記対象を移動させるための移動手段を備え、
前記ロボットが前記対象に対して所定の作業を行うものであり、
前記対象が、前記X軸および前記Y軸に垂直なZ軸方向の寸法のばらつきが小さいものである、請求項1〜4の何れかに記載のロボットシステム。 - センサシステムによって検出された位置座標をロボット制御装置が認識しているロボット座標系上の位置座標に変換する座標変換方法であって、
センサシステムによって得られた複数の対象又は点の位置座標と、前記複数の対象又は前記複数の点に対応する前記ロボット座標系におけるX軸方向およびY軸方向の位置座標とに基づき、前記センサシステムよって得られる位置座標に対してX軸およびY軸が含まれる平面内における座標変換を行うための変換行列を作成し、
前記センサシステムによって検出された位置座標を前記変換行列を用いて変換する、座標変換方法。
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