JP2020089324A - ベーカリー製品の品質改良剤 - Google Patents
ベーカリー製品の品質改良剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020089324A JP2020089324A JP2018229523A JP2018229523A JP2020089324A JP 2020089324 A JP2020089324 A JP 2020089324A JP 2018229523 A JP2018229523 A JP 2018229523A JP 2018229523 A JP2018229523 A JP 2018229523A JP 2020089324 A JP2020089324 A JP 2020089324A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- improving agent
- quality improving
- yeast
- quality
- bakery
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
【課題】簡易的にベーカリー製品のボリュームや老化抑制を向上させる品質改良剤と、食品として安全性が高く、呈味性が無く、低コストかつ環境負荷の少ないベーカリー製造方法の提供。【解決手段】酵母抽出物からなる、ベーカリー製品の品質改良剤。酵母がキャンディダ・ユティリスであり、固形分当たりの蛋白質含量が35重量%以上、食物繊維含量が30重量%以上である酵母抽出物からなるパン類の品質改良剤。品質改良剤を0.1〜5.0重量%(対粉)含有するベーカリー製品類の品質改良方法。【選択図】なし
Description
本願発明は、酵母菌体残渣から取得される、ベーカリー製品の品質改良剤に関するものである。
パンをはじめとするベーカリー製品において、ボリューム向上やソフト感の維持(老化の抑制)はベーカリー製品の品質における重要な要素である。従来、これらの品質改良に増粘剤を使用する方法(特許文献1)、酵素と油脂を併用する方法(特許文献2)、乳化剤を使用する方法(特許文献3)などの多様な品質改良法が利用されている。これらの品質改良法によってボリューム向上やソフト感の維持などの品質改良効果はあるものの、作業性や生地物性の変化や食感の変化などの問題があり、更なる改良が求められている。
最近では添加物を使用しない食品のニーズが高まっているが、パンでも同様に添加物を使用しないことのニーズが高まってきている。しかし、添加物フリーでは製パン性やパンの品質の安定化が難しい問題があり、これを十分に解決できる品質改良効果のある食品素材が求められている。
他方、酵母には核酸、アミノ酸、ペプチドなどの成分が含まれており、その抽出物は医薬品であるグルタチオンの原料や、天然の調味料である酵母エキスとして用いられている。酵母エキスの製造方法としては、抽出する酵素や媒体などにより種々の方法が知られている(特許文献4)。この酵母エキス抽出の際に大量に副生する酵母菌体残渣の有効利用が課題とされてきた。
酵母から酵母エキス等を抽出した後の菌体残渣はグルカン、マンナン、マンノプロテイン、タンパク質、脂質、核酸を主要な成分とするものである。
このような酵母菌体残渣を処理する方法、有効利用する方法については複数の公知文献がある。たとえば、特許文献4には、酵母エキス残渣を特定の酵素で可溶化して排水処理する方法が記載されている。特許文献5には酵母エキス残渣を微生物に資化させてマンノースを製造する方法、特許文献6には酵母エキス残渣をアルカリ処理後洗浄して薬理用組成物を得る方法、特許文献7には酵母エキス残渣に細胞壁溶解酵素等を作用させて微生物培養基材を得る方法が記載されている。
このような状況の中で、酵母菌体残渣のさらなる有効活用方法が望まれていた。
このような酵母菌体残渣を処理する方法、有効利用する方法については複数の公知文献がある。たとえば、特許文献4には、酵母エキス残渣を特定の酵素で可溶化して排水処理する方法が記載されている。特許文献5には酵母エキス残渣を微生物に資化させてマンノースを製造する方法、特許文献6には酵母エキス残渣をアルカリ処理後洗浄して薬理用組成物を得る方法、特許文献7には酵母エキス残渣に細胞壁溶解酵素等を作用させて微生物培養基材を得る方法が記載されている。
このような状況の中で、酵母菌体残渣のさらなる有効活用方法が望まれていた。
化学と生物 28,736,1990
解決しようとする課題は簡易的にベーカリー製品のボリュームや老化抑制を向上させることである。そこで用いるものは、食品として安全性が高く、かつ呈味性が無いものであり、また低コストかつ環境負荷の少ない方法で製造できるものが望ましい。
また、もう一方の課題は、酵母抽出物の副産物として生成する酵母菌体残渣の有効利用である。
また、もう一方の課題は、酵母抽出物の副産物として生成する酵母菌体残渣の有効利用である。
本発明者らは、上記課題の解決につき鋭意研究の結果、酵母菌体残渣からの抽出物にパン類の品質を改良する効果があることを見出した。
すなわち本発明は、
(1)酵母抽出物からなる、ベーカリー製品の品質改良剤、
(2)前記酵母抽出物が、酵母菌体残渣から抽出して得られるものである上記(1)のベーカリー製品の品質改良剤、
(3)前記酵母がキャンディダ・ユティリスである上記(1)または(2)のベーカリー製品の品質改良剤、
(4)固形分当たりの蛋白質含量が35重量%以上、食物繊維含量が30重量%以上である酵母 抽出物からなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載のベーカリー製品の品質改良剤、
(5)ベーカリー製品に(1)〜(4)のいずれかに記載のベーカリー製品の品質改良剤を0.1〜5.0 重量%(対粉)含有させることを特徴とする、ベーカリー製品類の品質改良方法、
(6)ベーカリー製品の品質改良が、ベーカリー製品のボリューム向上である上記(5)に記載の方法、
(7)ベーカリー製品類の品質改良が、澱粉の老化抑制である上記(5)に記載の方法、
に係るものである。
(1)酵母抽出物からなる、ベーカリー製品の品質改良剤、
(2)前記酵母抽出物が、酵母菌体残渣から抽出して得られるものである上記(1)のベーカリー製品の品質改良剤、
(3)前記酵母がキャンディダ・ユティリスである上記(1)または(2)のベーカリー製品の品質改良剤、
(4)固形分当たりの蛋白質含量が35重量%以上、食物繊維含量が30重量%以上である酵母 抽出物からなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載のベーカリー製品の品質改良剤、
(5)ベーカリー製品に(1)〜(4)のいずれかに記載のベーカリー製品の品質改良剤を0.1〜5.0 重量%(対粉)含有させることを特徴とする、ベーカリー製品類の品質改良方法、
(6)ベーカリー製品の品質改良が、ベーカリー製品のボリューム向上である上記(5)に記載の方法、
(7)ベーカリー製品類の品質改良が、澱粉の老化抑制である上記(5)に記載の方法、
に係るものである。
本発明によると、食経験があり安全性が確認されている食用酵母、たとえばトルラ酵母(キャンディダ・ユティリス)からベーカリー製品のボリューム向上や老化抑制に優れた効果を有する酵母抽出物が得られる。
この酵母抽出物は、ベーカリー製品の品質改良剤として用いる事ができる。本願の酵母抽出物をベーカリー製品に添加して製造する事で、ベーカリー製品のボリュームの向上と澱粉の老化を抑制する事ができる。この酵母抽出物には呈味がないため、添加したベーカリー製品に異味を付与することがない。
この酵母抽出物は、ベーカリー製品の品質改良剤として用いる事ができる。本願の酵母抽出物をベーカリー製品に添加して製造する事で、ベーカリー製品のボリュームの向上と澱粉の老化を抑制する事ができる。この酵母抽出物には呈味がないため、添加したベーカリー製品に異味を付与することがない。
また、酵母を原料とするため天然物であるが、動植物を原料とする場合と比較して、供給不安、価格変動、品質変動のリスクが少ない。
原料として酵母エキス等を抽出した後の菌体残渣を用いることができ、そこから簡単な工程でパン類の品質を改良する酵母抽出物を取得できる。トルラ酵母の菌体残渣は、調味料である酵母エキスや他の有用成分の生産に伴って大量に副生しており、本発明はその酵母菌体残渣を有効利用できるため、コスト、廃棄物削減の点でも、きわめて有利である。
原料として酵母エキス等を抽出した後の菌体残渣を用いることができ、そこから簡単な工程でパン類の品質を改良する酵母抽出物を取得できる。トルラ酵母の菌体残渣は、調味料である酵母エキスや他の有用成分の生産に伴って大量に副生しており、本発明はその酵母菌体残渣を有効利用できるため、コスト、廃棄物削減の点でも、きわめて有利である。
以下に、本発明を具体的に説明する。
本発明でいう酵母とは、遺伝子組み換えを行わず、食品製造用に用いうる酵母であり、具体的にはキャンディダ・ユティリス、サッカロミセス・セレビシエ等が挙げられ、中でもキャンディダ・ユティリスが望ましい。
本発明でいう酵母とは、遺伝子組み換えを行わず、食品製造用に用いうる酵母であり、具体的にはキャンディダ・ユティリス、サッカロミセス・セレビシエ等が挙げられ、中でもキャンディダ・ユティリスが望ましい。
本発明の酵母菌体残渣とは、酵母に熱水、酸・アルカリ性溶液、自己消化、機械的破砕、細胞壁溶解酵素、蛋白質分解酵素、リボヌクレアーゼ、またはデアミナーゼのいずれか一つ以上を用いて抽出処理することにより、酵母エキスまたは有用成分を抜いた後の残渣である。例として、興人ライフサイエンス(株)製の「KR酵母」が挙げられる。
このような残渣は一般的に、グルカン、マンナン、蛋白質、脂質、核酸を主要な成分とするものであるが、構造的にはグルカン、マンナン、蛋白質と他の成分が複合体となって強固に結合していることが推察される。
本発明においてベーカリー製品の品質改良剤を製造するために用いる酵母菌体残渣としては、特に酵母からアルカリ抽出した後の残渣を用いると高活性となるため、好ましい。
このような残渣は一般的に、グルカン、マンナン、蛋白質、脂質、核酸を主要な成分とするものであるが、構造的にはグルカン、マンナン、蛋白質と他の成分が複合体となって強固に結合していることが推察される。
本発明においてベーカリー製品の品質改良剤を製造するために用いる酵母菌体残渣としては、特に酵母からアルカリ抽出した後の残渣を用いると高活性となるため、好ましい。
本発明のベーカリー製品の品質改良剤は、酵母菌体残渣から、抽出することができる。上述の酵母菌体残渣に水を加えて、乾燥菌体重量で約10重量%濃度の菌体懸濁液を調製する。なお、懸濁濃度 は任意である。菌体懸濁液のpHを酸性側、望ましくはpH5以下、さらに望ましくはpH3以下に調整する。菌体懸濁液のpH調整後、100〜120℃で60分以上、望ましくは110℃ で90分加熱処理を行う。
加熱後の菌体懸濁液を冷却してからpHを中性付近に調整する。この懸濁液を遠心分離機 にかけて、沈殿物を除去し、上清液として、蛋白質や食物繊維を含有する画分を取得する 。この画分をそのまま品質改良剤として利用できる。濃縮、乾燥したものについても品質改良剤とし利用することができる。これらが、本発明のパン類の品質改良機能を有する酵母抽出物であり、ベーカリー製品の品質改良剤として用いる事ができる。なお、濃縮方法、乾燥方法は、特に制限はなく、任意に選択できる。
本発明のベーカリー製品の品質改良剤は、酵母抽出物の固形分あたりの蛋白質含量が35重量%以上、望ましく は40重量%以上で、食物繊維含量が30重量%以上、望ましくは35重量%以上のもの は、強い起泡効果を呈する。一方、強い呈味成分であるイノシン酸、グアニル酸、グルタミン酸の含量は低いことが望ましい。
本発明において、蛋白質含量の測定には加水分解法を用いた。試料の酵母抽出物(乾燥物)0.1gに6N 塩酸5mlを添加して溶解させ110℃で24時間加水分解したのち、全量を25mlメスフラスコに移し、0.02N塩酸で25mlにメスアップした。 メスアップした溶液を2g取り、濃縮機で濃縮した。濃縮後、0.02N塩酸を2ml入れて再び濃縮した。濃縮した試料を0.02N塩酸で溶解させて、20mlにメスアップ してから全自動アミノ酸分析計(株式会社 日立ハイテクノロジーズ製 L-8900)にて測定して求めた。
本発明において、食物繊維含量測定には加水分解法を用いた。試料の酵母抽出物に1N硫酸を添加して110℃で3.5時間加水分解し、中和後、加水分解生成物であるマンノー ス、グルコースを液体クロマトグラフィーにて測定し、グルカン、マンナンへ換算して求めた。検出にはRI検出器、分離カラムはSP810(Shodex)、移動相は超純水を使用した。
酵母菌体残渣を原料として上記の製法により得られた酵母抽出物は、そのまま、ベーカリー製品の品質改良剤として用いることができる。また、必要に応じて本発明のベーカリー製品の品質改良剤を他の成分、望ましくは天然由来成分とブレンドして、ベーカリー製品の品質改良剤としてもよい。
本発明のベーカリー製品の品質改良剤は、粉末または溶液の状態で、ベーカリー製品を作製する時に添加して用いることが望ましい。本発明のベーカリー製品の品質改良剤の効果の強さは、 ベーカリー製品に使用される原材料によって異なる。従って、望ましい添加量は、ベーカリー製品によって 異なるが、ベーカーズパーセントで0.1〜5.0重量%であり、望ましくは0.5〜2.0重量%である。ここで、ベーカーズパーセントとは、パン生地における配合量を示す方法として一般的に使用されているものであり、配合した穀物粉の総重量を100%とした場合に、その他の各原料の重量比を意味する。本発明において、ベーカーズパーセントは対粉パーセントとも呼ばれ、本発明において対粉パーセントで表記される配合率はベーカーズパーセントを意味する。
本発明において、ベーカリー製品とは、澱粉質原料を主原料として、焼成、油調、蒸し、または蒸し焼き等の加熱処理をして製造される加工製品であり、例えばパン類、パン類乾燥品、ケーキ類、ワッフル、シュー、ドーナツ、揚げ菓子、パイ、ピザ、クレープ等が例として挙げられる。パン類としては、食事パン(例えば食パン、ライ麦パン、フランスパン、乾パン、バライティブレッド、ロールパン、クロワッサン等)、調理パン(例えばホットドッグ、ハンバーガー、サンドイッチ、カレーパン、ピザパイ等)、菓子パン(例えばジャムパン、あんぱん、クリームパン、レーズンパン、メロンパン、スイートロール、ブリオッシュ、デニッシュ、コロネ等)、蒸しパン(例えば肉まん、中華まん、あんまん、蒸し饅頭等)、特殊パン(例えば、グリッシーニ、マフィン、ピザ生地、ナン等)が例として挙げられる。パン類乾燥品としては、ラスクやパン粉等が例として挙げられる。ケーキ類としては、蒸しケーキ、スポンジケーキ、バターケーキ、ロールケーキ、ホットケーキ、どらやき、ブッセ、バームクーヘン、パウンドケーキ、チーズケーキまたはスナックケーキ等が例として挙げられる。
以下、実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。
<製造例1>
キャンディダ・ウチルスCBS6316株(FERM BP−1657株)の10重量% (乾燥菌体重量)菌体懸濁液1000mlを10N硫酸でpH3.5に調整し、70℃で 、30分間処理した後、遠心分離で菌体を回収し、その菌体を水で洗滌し硫酸や余分の抽 出物を除去した。本菌体を水で菌体濃度(乾燥菌体重量)10重量%に調整・懸濁した後 、苛性ソーダ溶液を加えてpH9とし、65℃で60分間処理し、エキスを抽出した。エキス抽出後の酵母菌体残渣を起泡材の原料とした。 上記の酵母菌体残渣に水を加えて約10重量%濃度の菌体懸濁液を調製し、塩酸でpH 2.0に調整した。この酵母菌体懸濁液について、高圧蒸気滅菌器(株式会社トミー精工製)を用いて110℃、90分間加熱処理を行った。この酵母菌体懸濁液に苛性ソーダ溶液を加えてpH6.0とし、遠心分離機にて6000rpmで10分遠心分離を行って可溶性画分を回収し、これを濃縮後、凍結乾燥させて粉末状の酵母抽出物を得た。 得られた酵母抽出物の蛋白含量は41.6重量%、食物繊維含量は36.5重量%であっ た。この酵母抽出物を製造例1のパン類の品質改良剤とした。
<製造例1>
キャンディダ・ウチルスCBS6316株(FERM BP−1657株)の10重量% (乾燥菌体重量)菌体懸濁液1000mlを10N硫酸でpH3.5に調整し、70℃で 、30分間処理した後、遠心分離で菌体を回収し、その菌体を水で洗滌し硫酸や余分の抽 出物を除去した。本菌体を水で菌体濃度(乾燥菌体重量)10重量%に調整・懸濁した後 、苛性ソーダ溶液を加えてpH9とし、65℃で60分間処理し、エキスを抽出した。エキス抽出後の酵母菌体残渣を起泡材の原料とした。 上記の酵母菌体残渣に水を加えて約10重量%濃度の菌体懸濁液を調製し、塩酸でpH 2.0に調整した。この酵母菌体懸濁液について、高圧蒸気滅菌器(株式会社トミー精工製)を用いて110℃、90分間加熱処理を行った。この酵母菌体懸濁液に苛性ソーダ溶液を加えてpH6.0とし、遠心分離機にて6000rpmで10分遠心分離を行って可溶性画分を回収し、これを濃縮後、凍結乾燥させて粉末状の酵母抽出物を得た。 得られた酵母抽出物の蛋白含量は41.6重量%、食物繊維含量は36.5重量%であっ た。この酵母抽出物を製造例1のパン類の品質改良剤とした。
(食パンの作製)
<実施例1>
強力粉250g、バター10g、砂糖17g、スキムミルク6g、塩5g、ドライイースト2.8g、水180gと製造例1で得られたベーカリー製品の品質改良剤を2.5g(対粉1.0%)をパナソニック社製ホームベーカリーに投入して「食パン」コースの指定工程に従って食パンを焼成した。つまり、原材料をミキシング後に、一次発酵を行い、パンチ・成型後、二次発酵を行い、焼成する工程であり、全工程の所要時間は4時間とした。焼成後のパンは室温で90分冷却し、ビニール袋に詰めて25℃に保温した恒温槽(以下、室温と略記する)で評価に用いるまで保管した。評価項目には、焼成後のパンの高さと食味を評価した。
<実施例1>
強力粉250g、バター10g、砂糖17g、スキムミルク6g、塩5g、ドライイースト2.8g、水180gと製造例1で得られたベーカリー製品の品質改良剤を2.5g(対粉1.0%)をパナソニック社製ホームベーカリーに投入して「食パン」コースの指定工程に従って食パンを焼成した。つまり、原材料をミキシング後に、一次発酵を行い、パンチ・成型後、二次発酵を行い、焼成する工程であり、全工程の所要時間は4時間とした。焼成後のパンは室温で90分冷却し、ビニール袋に詰めて25℃に保温した恒温槽(以下、室温と略記する)で評価に用いるまで保管した。評価項目には、焼成後のパンの高さと食味を評価した。
<比較例1>
実施例1において、ベーカリー製品の品質改良剤を添加しない以外は、実施例1と同様に行った。
実施例1において、ベーカリー製品の品質改良剤を添加しない以外は、実施例1と同様に行った。
評価の結果、実施例1の焼成後の食パンの高さは17.8cmであったのに対し、比較例1の焼成後の食パンの高さは16.2cmであ った。実施例1で得られた焼成パンは比較例1で得られた焼成パンに比べて、室温で3日間保存後でも老化が抑制されていた。また、ベーカリー製品の品質改良剤の添加による食パンへの異味・異臭の付与はなかった。
(フランスパンの作製)
<実施例2>
強力粉225g、薄力粉25g、塩5g、ドライイースト1.4g、冷水190gと製造例1で得られたベーカリー製品の品質改良剤を1.25g(対粉あたり0.5%)をパナソニック社製ホームベーカリーに投入して「フランス」コースの指定工程に従ってフランスパンを焼成した。つまり、原材料をミキシング後に、一次発酵を行い、パンチ・成型後、二次発酵を行い、焼成する工程であり、全工程の所要時間は6時間30分とした。焼成後のフランスパンは室温で90分冷却し、ビニール袋に詰めて室温で評価に用いるまで保管した。評価項目には、焼成後のフランスパンの高さと食味を評価した。
<実施例2>
強力粉225g、薄力粉25g、塩5g、ドライイースト1.4g、冷水190gと製造例1で得られたベーカリー製品の品質改良剤を1.25g(対粉あたり0.5%)をパナソニック社製ホームベーカリーに投入して「フランス」コースの指定工程に従ってフランスパンを焼成した。つまり、原材料をミキシング後に、一次発酵を行い、パンチ・成型後、二次発酵を行い、焼成する工程であり、全工程の所要時間は6時間30分とした。焼成後のフランスパンは室温で90分冷却し、ビニール袋に詰めて室温で評価に用いるまで保管した。評価項目には、焼成後のフランスパンの高さと食味を評価した。
<実施例3>
実施例2において、ベーカリー製品の品質改良剤を増量して2.5g(対粉1.0%)添加した以外は、実施例2と同様に行った。
実施例2において、ベーカリー製品の品質改良剤を増量して2.5g(対粉1.0%)添加した以外は、実施例2と同様に行った。
<比較例2>
実施例2において、ベーカリー製品の品質改良剤を添加しない以外は、実施例2と同様に行った。
実施例2において、ベーカリー製品の品質改良剤を添加しない以外は、実施例2と同様に行った。
評価の結果、実施例2の焼成後のフランスパンの高さは14.2cm、実施例3のパンの高さは14.5cmであったのに対し、比較例2の焼成後のフランスパンの高さは14.0cmであ った。実施例3で得られた焼成後のパンは比較例2で得られた焼成後のパンに比べて、クラムがやわらかかった。また、ベーカリー製品の品質改良剤の添加によるパンへの異味・異臭の付与はなかった。
本発明のベーカリー製品の品質改良剤は、製菓・製パン分野の加工製品に幅広く用いる事ができ、その品質向上に寄与することができる。
Claims (7)
- 酵母抽出物からなる、ベーカリー製品の品質改良剤。
- 前記酵母抽出物が、酵母菌体残渣から抽出して得られるものである請求項1記載のベーカリー製品の品質改良剤。
- 前記酵母がキャンディダ・ユティリスである請求項1または2記載のベーカリー製品の品質改良剤。
- 固形分当たりの蛋白質含量が35重量%以上、食物繊維含量が30重量%以上である酵母抽出物からなるパン類の品質改良剤。請求項1〜3のいずれかに記載のベーカリー製品の品質改良剤。
- ベーカリー製品に請求項1〜4のいずれかに記載のベーカリー製品の品質改良剤を0.1〜5.0 重量%(対粉)含有させることを特徴とする、ベーカリー製品類の品質改良方法。
- ベーカリー製品の品質改良が、ベーカリー製品のボリューム向上である請求項5に記載の方法。
- ベーカリー製品類の品質改良が、澱粉の老化抑制である請求項5に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018229523A JP2020089324A (ja) | 2018-12-07 | 2018-12-07 | ベーカリー製品の品質改良剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018229523A JP2020089324A (ja) | 2018-12-07 | 2018-12-07 | ベーカリー製品の品質改良剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020089324A true JP2020089324A (ja) | 2020-06-11 |
Family
ID=71011895
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018229523A Pending JP2020089324A (ja) | 2018-12-07 | 2018-12-07 | ベーカリー製品の品質改良剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020089324A (ja) |
-
2018
- 2018-12-07 JP JP2018229523A patent/JP2020089324A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2014103833A1 (ja) | 水溶性エンドウ多糖類からなる小麦主体食品の物性改良剤 | |
JP6427365B2 (ja) | ベーカリー食品用原料、ベーカリー食品の製造方法及びベーカリー食品 | |
WO2011033994A1 (ja) | 米粉パン類生地の製パン性向上方法 | |
WO2014128873A1 (ja) | 生地主体食品用組成物 | |
JP6761631B2 (ja) | ベーカリー食品用混合物 | |
JP6083730B2 (ja) | 米粉パン用添加剤、米粉パン用米粉組成物、米粉パン用パン生地及び米粉パンの製造方法 | |
JP5914275B2 (ja) | 熱処理小麦粉の製造方法 | |
JP5907799B2 (ja) | 湯種及びその製造方法 | |
JP2009195196A (ja) | ベーカリー製品の製造方法 | |
US8524310B2 (en) | Cereal flour composition containing wheat flour from low-temperature gelatinized wheat and food product using the same | |
JP6430117B2 (ja) | 米粉ベースのパン類の製造方法 | |
JP2020089324A (ja) | ベーカリー製品の品質改良剤 | |
JP2003325140A (ja) | 菓子又はパン用品質改良剤及び菓子又はパン | |
JP7486319B2 (ja) | 焼成菓子などの食感改良用食品素材 | |
US10631546B2 (en) | Frozen bread dough improver | |
JP7364353B2 (ja) | ベーカリー製品用組成物及びそれを用いたベーカリー生地、ベーカリー製品の製造方法並びに品質劣化抑制方法 | |
WO2008005949A2 (en) | Improving the flavor, aroma, browning, texture and nutrition of food compositions by use of a novel yeast isolate | |
JP2012152128A (ja) | 小麦粉製品の製造方法 | |
JP5901120B2 (ja) | 穀物粉食品用品質改良剤、穀物粉食品の生地の製造方法及び穀物粉食品の製造方法 | |
JP2010158194A (ja) | 米粉中麺の製造方法 | |
JP6812725B2 (ja) | 製パン用油脂組成物 | |
JP2020022403A (ja) | 乳酸菌、パン類の製造方法、パン類生地及びパン類 | |
JP7484168B2 (ja) | ベーカリー食品の製造方法及びベーカリー食品改質用酵素製剤 | |
JP6086480B2 (ja) | 冷凍生地の製造方法 | |
JP2019170173A (ja) | ミックス組成物及びその製造方法 |