JP2020089008A - 電圧制御装置、電圧制御方法及び電圧制御プログラム - Google Patents

電圧制御装置、電圧制御方法及び電圧制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】電圧低下現象が発生するような系統電圧が非線形に変化する場合にも適切な電圧制御を行う電圧制御装置、電圧制御方法及び電圧制御プログラムを提供する。【解決手段】電圧制御装置であるSVR1は、自端情報取得部11、位相差内容電圧算出部12及び電圧制御部13を有する。自端情報取得部11は、少なくとも通過する通過電流と二次側電圧との位相差を含む配電系統における系統情報を取得する。位相差内包電圧算出部12は、自端情報取得部11により取得された位相差を含む系統情報を基に、配電系統の各地点における推定電圧を算出する。電圧制御部13は、位相差内包電圧算出部12により算出された推定電圧を基に、配電系統の電圧を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、電圧制御装置、電圧制御方法及び電圧制御プログラムに関する。
低炭素社会の実現やエネルギーの効率的な利用に向け、今後太陽光発電(PV:Photovoltaics)や蓄電池などのエネルギー機器を活用する需要家が増加していくことが想定される。特に、固定価格買取制度(FIT:Feed In Tariff)の施行以降、配電系統へのPVの連系量が急速に増加している。
これまでは、太陽光発電の連系により系統電圧の上昇が問題となっていた。しかし、太陽光発電の連系量が大量に増加した状況では、系統電圧が上昇から低下に転じ、PV連系用PCS(Power Conditioning System)が解列する事象が確認されている。この電圧低下現象は、長亘長の配電線に対して大容量の潮流が流れることで、配電線のリアクタンスや無効電力の影響により電流位相が変化することが主な原因である。
長亘長の配電系統で末端の電圧が適正電圧を逸脱する場合、SVR(Step Voltage Regulator)のような電圧制御機器を設置することで、電圧制御が行われる。従来のSVRは、太陽光発電の連携による逆潮流が発生する場合、設置点の自端情報を用いて線形的な電圧の変化を前提として決められた点の電圧を推定して電圧調整を行っていた。
従来、配電系統の電圧制御方式には、自端制御方式の1つであるLDC(Line Drop Compensator)方式が広く用いられている。自端制御方式とは、電圧制御機器端で計測される各相電圧や各相電流などの自端情報を用いて配電線の電圧制御を行う方式である。LDC方式では、SVRの設置地点で計測される電圧、電流及び力率を用いてSVRの二次側の予め決められた地点の系統電圧を推定し、上限逸脱や下限逸脱が発生する場合にタップを変更することでSVR二次側電圧が適切範囲内に収まるように制御される。
また、より詳細な電圧変動を把握するために、電力系統のモデルを用いて潮流計算が行われることもある。潮流計算では、電力系統の既知の状態量を基に未知の状態量が計算される。状態量は、電力系統上の任意のノードやノード間の接続線における電圧の大きさ、電圧の位相角、有効電力、無効電力、及び電力系統のインピーダンス情報等の定数等で構成され得る。例えば、状態量は、所定の関数に用いて上述した各パラメータが収束条件を満たすまで繰り返し処理が実行されることで算出される。
また、電圧制御の技術として、例えば、母線の通過有効電力及び線路リアクタンスを用いて運転力率を算出し、算出した運転力率を用いて制御を行う従来技術がある。
特許6245396号公報 特開2017−55619号公報
しかしながら、LDC方式などの従来の電圧制御では、電圧変化が線形的であることを前提としているため、電圧低下現象により非線形な電圧変化が発生する系統の電圧に対しては電圧推定の精度が低下するため、適切な電圧制御を行うことが困難である。
また、潮流計算を行う従来技術では、各ノードにおける電圧などのデータを用いて計算が行われるため、電圧推定を集中管理する装置などを用いることになり、構成の複雑化やコストの上昇などから容易な導入が困難である。
さらに、母線の通過有効電力及び線路リアクタンスを用いて運転力率を算出する従来技術では、電圧変化が線形的であることが前提とされているため、非線形な電圧変化が発生する系統の電圧に対して適切な電圧制御を行うことが困難である。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、電圧低下現象が発生する場合を含む系統電圧の非線形な変化が発生する状態においても適切な電圧制御を行う電圧制御装置、電圧制御方法及び電圧制御プログラムを提供することを目的とする。
本願の開示する電圧制御装置、電圧制御方法及び電圧制御プログラムの一つの態様において、情報取得部は、少なくとも通過する通過電流と二次側電圧との位相差(力率角)を含む配電系統における系統情報を取得する。電圧算出部は、前記情報取得部により取得された前記位相差を含む前記系統情報を基に、前記配電系統の各地点における推定電圧を算出する。電圧制御部は、前記電圧算出部により算出された前記推定電圧を基に、前記配電系統の電圧を制御する。
1つの側面では、本発明は、電圧低下現象が発生する場合を含む系統電圧の非線形な変化が発生する状態においても適切な電圧制御を行うことができる。
図1は、実施例に係る配電系統の簡略化モデルを示す図である。 図2は、実施例に係るSVRのブロック図である。 図3は、実施例に係るSVRによる電圧調整処理のフローチャートである。 図4は、PV連系により電圧が上昇するケースでの実施例に係るSVRを用いた場合の電圧制御の効果を説明するための図である。 図5は、図4の場合の各方式での電圧推定結果及び誤差率を表す図である。 図6は、PV連系により電圧が低下するケースでの実施例に係るSVRを用いた場合の電圧制御の効果を説明するための図である。 図7は、図6の場合の各方式での電圧推定結果及び誤差率を表す図である。 図8は、LDC方式を用いた場合の電圧制御結果を表す図である。 図9は、本実施例に係るSVRを用いた場合の電圧制御結果を表す図である。 図10は、SVRのハードウェア構成図である。
以下に、本願の開示する電圧制御装置、電圧制御方法及び電圧制御プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する電圧制御装置、電圧制御方法及び電圧制御プログラムが限定されるものではない。
図1は、実施例に係る配電系統の簡略化モデルを示す図である。本実施例に係る配電系統100は、SVR1、変電所2、及び、負荷又は発電システム3を有する。
変電所100は、上流から送られてきた電気を変圧し、母線を介して配電系統100に電気を供給する。変電所100が電力供給を行う配電系統100には、負荷又は発電システム3以外にも需要家などの様々なノードが存在する。
負荷又は発電システム3は、変電所100が電力供給を行う配電系統100に存在するノードである。負荷又は発電システム3は、例えば、変電所2から供給された電力を消費する装置又は太陽光発電装置などの再生可能エネルギーを利用した発電装置などである。
SVR1は、配電系統100における変電所100と負荷又は発電システム3を含む各ノードとの間に設置される。SVR1は、自端情報を用いて負荷又は発電システム3までの間の各点における電圧の推定を行う。そして、電圧が電圧上限値又は電圧下限値を超えた場合、SVR1は、タップを切替えて配電系統100における電圧を電圧上限値及び電圧下限値の間に収まるように制御する。SVR1は、1分間隔などの予め決められた周期で電圧制御を繰り返す。以下に、SVR1の動作について詳細に説明する。
図2は、実施例に係るSVRのブロック図である。SVR1は、図2に示すように、自端情報取得部11、位相差内包電圧算出部12及び電圧制御部13を有する。
自端情報取得部11は、SVR1の二次側電圧、SVR1の通過電流及び力率を含む自端情報を計測し収集する。そして、自端情報取得部11は、収集した自端情報を位相差内包電圧算出部12へ出力する。
位相差内包電圧算出部12は、SVR1から負荷又は発電システム3へ延びる配電線の単位km当たりの抵抗値及びリアクタンス値を予め記憶する。さらに、位相差内包電圧算出部12は、SVR1の二次側電圧、SVR1の通過電流及び力率を含む自端情報の入力を自端情報取得部11から受ける。
ここで、SVR1からの距離Lkm地点における電圧算出について説明する。ここでは、各パラメータを以下の記号で表して説明する。V(L)は、SVR1から距離Lkmの地点の線間電圧を表す。また、VSVRは、SVR1の二次側線間電圧である。また、PSVRは、SVR1を通過する通過有効電力である。また、QSVRは、SVR1を通過する通過無効電力である。また、rは、単位km当たりの抵抗値である。また、xは、単位km当たりのリアクタンス値である。さらに、通過電流をIと表し、力率をθとする。
SVR1の通過電流Iは、次の数式(1)で表される。数式(1)におけるIの上に点が付加された記号は、通過電流Iをベクトル表記したものである。以下、数式展開の理解を容易にするため、各数式において電流及び電圧の上部に点を付加したベクトルで表記する。
Figure 2020089008
そして、SVR1から距離Lkmまでの電圧降下をΔV(L)とすると、電圧降下ΔV(L)は、次の数式(2)で表される。
Figure 2020089008
ここで、SVR1から距離Lkmにおける電圧であるVは、SVR1の設置点の電圧に対して電圧降下ΔV(L)を合成することで算出される。すなわち、SVR1から距離Lkmにおける電圧であるV(L)は、次の数式(3)で表される。
Figure 2020089008
そして、数式(3)に数式(1)及び数式(2)を代入すると、次の数式(4)が生成される。
Figure 2020089008
この数式(4)を用いて距離Lkmの電圧の絶対値を算出すると、次の数式(5)のように変形される。
Figure 2020089008
さらに、数式(5)を変形すると次の数式(6)が生成される。
Figure 2020089008
ここで、SVR1の二次側電圧であるVSVR、通過電流I及び力率θは、SVR1の自端情報として計測可能である。そして、SVR1の二次側電圧であるVSVR及び電圧位相θν、並びに、通過電流I及び電流位相θcが計測された場合、SVR1を通過する通過有効電力であるPSVR及びSVR1を通過する通過無効電力であるQSVRは次の数式(7)のように定義される。
Figure 2020089008
ここで、数式(7)における実部と虚部とを比較すると、SVR1を通過する通過有効電力であるPSVR及びSVR1を通過する通過無効電力であるQSVRは、次の数式(8)で表される。ここで、θ=θν−θcである。
Figure 2020089008
したがって、数式(6)及び(8)から、数式(6)で表されるSVR1から距離Lkmにおける電圧であるV(L)は、SVR1における測定結果を用いて算出可能である。
ここで、数式(1)は、SVR1を通過する通過電流Iを、SVR1における通過有効電力と通過無効電力とを用いることで位相差を適切に考慮できるように定式化した式である。数式(6)は、数式(1)で表される位相差を考慮した通過電流Iを用いて、SVR1の二次側の地点電圧を距離Lkmの関数として定式化した式である。すなわち、数式(6)は、SVR1の二次側の地点電圧から距離Lkmの地点の位相差を考慮した電圧Vを表す式であり、各Lkmの点における電圧分布の正確な推定を可能とする。これにより、電圧の変化が非線形的な場合にも、位相差内包電圧算出部12は、各Lkmの地点の電圧を精度よく算出することができる。
なお、数式(1)及び(6)等で用いる通過有効電力及び通過無効電力は数式(7)の通り、SVR1における電圧と電流により算出が可能である。ただし、SVR1による通過有効電力及び通過無効電力の取得方法はこれに限らない。例えば、SVR1は、通過有効電力及び通過無効電力を直接計測することも可能である。その場合、SVR1は、計測した通過有効電力及び通過無効電力を数式(6)に用いて、SVR1から距離Lkmにおける位相差を考慮した電圧分布を推定することができる。
次に、本実施例に係るSVR1による電圧推定と対比するために、LDC方式を用いた場合の距離Lkm地点における電圧算出方法について簡単に説明する。LDC方式では、Lkm地点における電圧V(L)は次の数式(9)で表される。
Figure 2020089008
ここで、VSVRは、SVR1の二次側線間電圧である。また、Rは、電圧推定地点までの抵抗値である。また、Xは、電圧推定地点までのリアクタンス値である。さらに、rは、単位kmあたりの抵抗値である。また、xは、単位kmあたりのリアクタンス値である。
L以外の値は固定値であるので、数式(9)は、Lの一次関数となる。すなわち、LDC方式の場合、推定電圧は、距離に関して線形に変化する。そのため、電圧が曲線的に変化する場合には、LDC方式では、適切な電圧の推定を行うことが困難である。これに対して、本実施例に係るSVR1による推定電圧は、上述した数式(6)で表される。数式(6)は、Lに関する二次関数となっている。すなわち、本実施例に係るSVR1は、LDC方式では推定困難な曲線的に変化する電圧の推定を行うことが可能である。
位相差内包電圧算出部12は、数式(6)及び(8)を予め記憶する。そして、位相差内包電圧算出部12は、数式(8)に対して、取得したSVR1の二次側電圧、SVR1の通過電流及び力率を用いて、SVR1を通過する有効電力であるPSVR及びSVR1を通過する通過無効電力であるQSVRを求める。
次に、位相差内包電圧算出部12は、数式(6)に対して、SVR1から負荷又は発電システム3へ延びる配電線の単位km当たりの抵抗値及びリアクタンス値、SVR1の二次側線間電圧、並びに、算出したSVR1を通過する有効電力であるPSVR及びSVR1を通過する通過無効電力であるQSVRを用いて、SVR1から距離Lkm地点の線間電圧を算出する。その後、位相差内包電圧算出部12は、算出したSVR1から距離Lkm地点の線間電圧を電圧制御部13へ出力する。
電圧制御部13は、上限電圧値及び下限電圧値を予め有する。電圧制御部13は、SVR1から距離Lkm地点の線間電圧の入力を位相差内包電圧算出部12から受ける。そして、電圧制御部13は、SVR1から系統末端までの距離Lkmの各地点において電圧が上限電圧値より大きくなるか否かを判定する。いずれかの距離Lkmの地点において電圧が上限電圧より大きくなる場合、電圧制御部13は、タップを1つ下げる。これに対して、いずれの距離Lkmの地点においても電圧が上限電圧以下の場合、電圧制御部13は、SVR1から距離Lkmの各地点において電圧が下限電圧値未満か否かを判定する。いずれかの距離Lkmの地点において電圧が下限電圧値未満となった場合、電圧制御部13は、タップを1つ上げる。これに対して、いずれの距離Lkmの地点においても電圧が下限電圧以上である場合、電圧制御部13は、現在のタップの状態を維持する。
次に、図3を参照して、本実施例に係るSVRによる電圧調整処理の流れについて説明する。図3は、実施例に係るSVRによる電圧調整処理のフローチャートである。
自端情報取得部11は、SVR1の二次側電圧、SVR1の通過電流及び力率を含む自端情報を計測し収集する(ステップS1)。そして、自端情報取得部11は、収集した自端情報を位相差内包電圧算出部12へ出力する。
位相差内包電圧算出部12は、SVR1の二次側電圧、SVR1の通過電流及び力率を含む自端情報の入力を自端情報取得部11から受ける。そして、位相差内包電圧算出部12は、数式(8)に対して、取得したSVR1の二次側電圧、SVR1の通過電流及び力率を用いて、SVR1を通過する有効電力であるPSVR及びSVR1を通過する通過無効電力であるQSVRを求める。次に、位相差内包電圧算出部12は、数式(6)に対して、配電線の単位km当たりの抵抗値及びリアクタンス値、SVR1の二次側線間電圧、並びに、SVR1を通過する通過有効電力であるPSVR及び通過無効電力であるQSVRを用いて、位相差を考量したSVR1から距離Lkm地点の線間電圧を算出する(ステップS2)。その後、位相差内包電圧算出部12は、算出したSVR1から距離Lkm地点の線間電圧を電圧制御部13へ出力する。
電圧制御部13は、SVR1から距離Lkm地点の線間電圧の入力を位相差内包電圧算出部12から受ける。そして、電圧制御部13は、SVR1から距離Lkmの各地点のうち電圧が上限電圧値より大きくなる電圧地点が存在するか否かを判定する(ステップS3)。
電圧が上限電圧より大きくなる電圧地点が存在する場合(ステップS3:肯定)、電圧制御部13は、タップを1つ下げる(ステップS4)。
これに対して、いずれの距離Lkmの電圧地点においても電圧が上限電圧以下の場合(ステップS3:否定)、電圧制御部13は、SVR1から距離Lkmの各電圧地点のうち電圧が下限電圧値より小さい電圧地点が存在するか否かを判定する(ステップS5)。
電圧が下限電圧値より小さい電圧地点が存在する場合(ステップS5:肯定)、電圧制御部13は、タップを1つ上げる(ステップS6)。
これに対して、いずれの距離Lkmの電圧地点においても電圧が下限電圧以上である場合(ステップS5:否定)、電圧制御部13は、現在のタップの状態を維持する(ステップS7)。
次に、本実施例に係るSVR1を用いた場合の電圧制御の効果について説明する。図4は、PV連系により電圧が上昇するケースでの実施例に係るSVRを用いた場合の電圧制御の効果を説明するための図である。この場合、負荷又は発電システム3による出力は、2000kWである。
図4は、縦軸で各地点の電圧を表し、横軸で各地点の位置を表す。図4では、各地点の位置は、変電所2の出力端からの各地点の距離で表される。そして、SVR1は、変電所2の出力端から10kmの位置に配置される。また、負荷又は発電システム3は、変電所2の出力端から20kmの位置に存在する。
グラフ201は、潮流計算により算出されたで推定電圧を表す。グラフ202は、本実施例に係るSVR1により算出された推定電圧を表す。グラフ203は、LDC方式を用いて算出された推定電圧を表す。
本実施例に係るSVR1を用いた場合のグラフ202は、SVR1と負荷又は発電システム3との間の区間では、潮流計算により求められるグラフ201とほぼ一致する。すなわち、実施例に係るSVR1は、潮流計算で算出された推定電圧とほぼ同じ電圧の推定が行える。これに対して、LDC方式を用いた場合のグラフ203は、線形のグラフとなっており、SVR1から離れるにしたがいグラフ201との差が大きくなる。すなわち、LDC方式を用いた場合、潮流計算で算出された推定電圧とは大きな誤差が発生することが分かる。
図5は、図4の場合の各方式での電圧推定結果及び誤差率を表す図である。表211は、各地点での潮流計算による推定電圧、本実施例に係るSVR1による推定電圧及びLDC方式による推定電圧を表す。また、表212は、潮流計算の推定結果に対する本実施例に係るSVR1による推定結果の誤差率及びLDC方式による推定結果の誤差率を表す。表211及び212の最上段の距離は変電所2からの距離を表す。すなわち、10kmの地点は、SVR1の設置点を表す。
表211に示すように、本実施例に係るSVR1により算出された各地点の推定電圧は、小数点以下第3位までの精度であれば潮流計算により算出された各地点の推定電圧と一致する。すなわち、表212に示すように、本実施例に係るSVR1による推定結果は、小数点以下第3位までの精度であれば、潮流計算による推定結果との誤差がないといえる。
これに対して、LDC方式を用いた場合の各地点の推定電圧は、グラフ211に示すように11km〜20kmにおいて潮流計算により算出された各地点の推定電圧よりも低い値をとる。そして、表212に示すように、LDC方式を用いた場合の推定結果は、11km〜20kmにおいて潮流計算による推定結果との誤差が発生し、最大1.27%の誤差率となる。
このように、PV連系により電圧が上昇するケースでは、LDC方式に比べて高精度の電圧推定を行うことができ、潮流計算による推定電圧にきわめて近い推定結果を得ることができる。
次に、図6は、PV連系により電圧が低下するケースでの実施例に係るSVRを用いた場合の電圧制御の効果を説明するための図である。この場合、負荷又は発電システム3の出力は、4000kWである。
図6は、縦軸で各地点の電圧を表し、横軸で各地点の位置を表す。図6では、各地点の位置は、変電所2の出力端からの各地点の距離で表される。そして、SVR1は、変電所2の出力端から10kmの位置に配置される。また、負荷又は発電システム3は、変電所2の出力端から20kmの位置に存在する。
グラフ221は、潮流計算により算出されたで推定電圧を表す。グラフ222は、本実施例に係るSVR1により算出された推定電圧を表す。グラフ223は、LDC方式を用いて算出された推定電圧を表す。グラフ221に示すように、この場合の電圧変化は図4の場合の電圧変化よりも非線形であることが顕著に表れている。
本実施例に係るSVR1を用いた場合のグラフ222は、SVR1と負荷又は発電システム3との間の区間では、潮流計算により求められるグラフ221とほぼ一致する。すなわち、実施例に係るSVR1は、潮流計算で算出された推定電圧とほぼ同じ電圧の推定が行える。これに対して、LDC方式を用いた場合のグラフ233は、線形のグラフとなっており、SVR1から離れるにしたがいグラフ221との差が大きくなる。すなわち、LDC方式を用いた場合、潮流計算で算出された推定電圧とは大きな誤差が発生することが分かる。
図7は、図6の場合の各方式での電圧推定結果及び誤差率を表す図である。表231は、各地点での潮流計算による推定電圧、本実施例に係るSVR1による推定電圧及びLDC方式による推定電圧を表す。また、表232は、潮流計算の推定結果に対する本実施例に係るSVR1による推定結果の誤差率及びLDC方式による推定結果の誤差率を表す。表231及び232の最上段の距離は変電所2からの距離を表す。
表231に示すように、本実施例に係るSVR1により算出された各地点の推定電圧は、小数点以下第3位までの精度であれば潮流計算により算出された各地点の推定電圧と一致する。すなわち、表232に示すように、本実施例に係るSVR1による推定結果は、小数点以下第3位までの精度であれば、潮流計算による推定結果との誤差がないといえる。
これに対して、LDC方式を用いた場合の各地点の推定電圧は、グラフ231に示すように11km〜20kmにおいて潮流計算により算出された各地点の推定電圧よりも低い値をとる。そして、表232に示すように、LDC方式を用いた場合の推定結果は、11km〜20kmにおいて潮流計算による推定結果との誤差が発生し、最大7.51%の誤差率となる。
このように、PV連系により電圧が低下するケースであっても、本実施例に係るSVR1は、LDC方式に比べて高精度の電圧推定を行うことができ、潮流計算による推定電圧にきわめて近い推定結果を得ることができる。
次に、図8及び9を参照して、本実施例に係るSVR1による電圧制御の効果について説明する。図8は、LDC方式を用いた場合の電圧制御結果を表す図である。また、図9は、本実施例に係るSVRを用いた場合の電圧制御結果を表す図である。図8及び9は、縦軸で電圧を表し、横軸で配電系統上の各地点を表す。この場合、負荷又は発電システム3の出力が3000kWである場合で説明する。
図8及び9におけるグラフ301が、実際の各地点での計測電圧を表す。そして、各地点での電圧は、適正電圧範囲Pに収まっていることが好ましい。すなわち、グラフ301に示すように、制御する以前の状態では、20km地点付近で計測電圧は上限電圧値を超えて適切電圧範囲Pから逸脱している。そのため実際には、この状態ではSVR1では電圧を下げる操作が行われることが好ましい。
しかし、図8に示すように、LDC方式を用いた場合の推定電圧は、各地点でグラフ302に示す値となる。この場合、LDC方式を用いた場合の推定電圧は、グラフ302に示されるように線形に変化し、適正電圧範囲を逸脱しない。そのため、LDC方式を用いた場合、実際には適切電圧範囲Pからの逸脱が発生しているにもかかわらず、電圧を下げる制御は行われない。
これに対して、図9に示すように、本実施例に係るSVR1による推定電圧は、各地点でグラフ303に示す値となる。本実施例に係るSVR1による推定電圧は、電圧の実測値とほぼ一致しているといえる。この場合、本実施例に係るSVR1による推定電圧は、グラフ302に示されるように非線形に変化し、適正電圧範囲を20km地点付近で逸脱する。そこで、本実施例に係るSVR1は、タップを下げて電圧を低下させる。これにより、SVR1から負荷又は発電システム3までの各地点の電圧は、グラフ304に示される値に変化する。したがって、SVR1から負荷又は発電システム3までの各地点の電圧は、適正電圧範囲Pに収まるように調整される。
以上に説明したように、本実施例に係る電圧調整装置は、各ノードにおける電流と電圧の位相差を考慮した通過電流を用いて電圧推定を行うことで、位相差を考慮した電圧分布の推定を行い電圧を制御する。これにより、各地点での電圧分布の推定を正確に行うことができ、実際の電圧が曲線的に変化する場合にも精度よく電圧分布の推定を行うことができる。したがって、太陽光発電などの再生可能エネルギーを利用した分散型電源が配電系統に多数導入された場合にも、電圧分布の推定精度を向上することができ、適切な電圧制御を行うことができる。
(ハードウェア構成)
図10は、SVRのハードウェア構成図である。図10では、電圧制御機能についてのハードウェア構成の概略を記載したが、SVR1は、それぞれ他の機能を実現するための図10に記載した以外の機構を有してもよい。
SVR1は、図18に示すように、CPU91、メモリ92、SSD(Solid State Drive)93、タップ切替機構94、1次側コイル95及び2次側コイル96を有する。CPU91、メモリ92、SSD93及びタップ切替機構94は、バスで接続される。また、図10には図示していないが、SVR1は、自端情報を計測するための電流計、電圧計及び位相計を有する。CPU91は、それら電流計、電圧計及び位相計による計測値を取得可能である。
1次側コイル95は、SVR1から見て配電系統100の上流に繋がる。また、2次側コイル96は、SVR1から見て配電系統100の下流に繋がる。タップ切替機構94は、1次側コイル95における接続位置を切替えることで、電圧を変化させる。
SSD93は、図2で例示した自端情報取得部11、位相差内包電圧算出部12及び電圧制御部13の機能を実現するためのプログラムを含む各種プログラムを格納する。
CPU91は、SSD93に格納された各種プログラムを読み出してメモリ92上に展開して実行することで、図2で例示した自端情報取得部11、位相差内包電圧算出部12及び電圧制御部13の機能を実現する。詳しくは、CPU91は、タップ切替機構94を制御することで電圧制御部13の機能を実現する。CPU91は、タップの切り替え指示をタップ切替機構94へ出力することで、タップの切り替えを行う。
なお、以上の説明では電圧制御装置としてSVRを例に説明したが、電圧を推定して制御を行う装置であれば配電用変電所に設置されるLoad Ratio Transformer(LRT)など他の電圧制御装置であっても実施例の構成を搭載可能である。
1 SVR
2 変電所
3 負荷又は発電システム
11 自端情報取得部
12 位相差内包電圧算出部
13 電圧制御部
100 配電系統

Claims (7)

  1. 少なくとも通過する通過電流と二次側電圧との位相差を含む配電系統における系統情報を取得する情報取得部と、
    前記情報取得部により取得された前記位相差を含む前記系統情報を基に、前記配電系統の各地点における推定電圧を算出する電圧算出部と、
    前記電圧算出部により算出された前記推定電圧を基に、前記配電系統の電圧を制御する電圧制御部と
    を備えたことを特徴とする電圧制御装置。
  2. 前記情報取得部は、前記通過電流の位相、前記二次側電圧の位相、前記通過電流の電流値及び二次側電圧の電圧値を含む前記系統情報を取得し、前記通過電流の位相及び前記二次側電圧の位相から前記位相差を求め、
    前記電圧算出部は、前記位相差、前記電流値及び前記電圧値を基に、各前記地点における推定電圧を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電圧制御装置。
  3. 前記情報取得部は、前記位相差を表す情報である通過有効電力及び通過無効電力、並びに、二次側電圧の電圧値を含む前記系統情報を取得し、
    前記電圧算出部は、前記通過有効電力、前記通過無効電力及び前記電圧値を基に、各前記地点における推定電圧を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電圧制御装置。
  4. 前記電圧算出部は、前記位相差、前記電流値及び前記電圧値を基に自装置を通過する無効電力及び有効電力を求め、前記電圧値、前記無効電力及び前記有効電力、並びに、前記配電系統の単位距離あたりの抵抗値及び単位距離当たりのリアクタンス値を用いて、自装置からの距離に応じた電圧を表す非線形の電圧推定関数を生成し、
    前記電圧制御部は、前記電圧算出部により生成された前記電圧推定関数を基に、前記配電系統の電圧を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電圧制御装置。
  5. 前記電圧算出部は、自装置から所定距離離れた地点における電圧変化を前記位相差を用いて表し、前記位相差を用いて表された前記電圧変化を前記二次側電圧から算出する関数を自装置からの前記距離について整理して前記電圧推定関数を生成することを特徴とする請求項4に記載の電圧制御装置。
  6. 少なくとも通過する電流と電圧との位相差を含む配電系統における系統情報を取得し、
    前記位相差を含む前記系統情報を基に、前記配電系統の各地点における推定電圧を算出し、
    算出した前記推定電圧を基に、前記配電系統の電圧を制御する
    ことを特徴とする電圧制御方法。
  7. 少なくとも通過する電流と電圧との位相差を含む配電系統における系統情報を取得し、
    前記位相差を含む前記系統情報を基に、前記配電系統の各地点における推定電圧を算出し、
    算出した前記推定電圧を基に、前記配電系統の電圧を制御する
    ことをコンピュータに実行させることを特徴とする電圧制御プログラム。
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