JP2020086936A - 流量変化の評価装置、方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

流量変化の評価装置、方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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翔 久保利
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祐之 伊藤
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Abstract

【課題】SEMI基準に則りつつ、各種の方式による流量制御装置の応答特性を共通の枠組みで評価する。また、目標流量変化時の応答特性によるばらつきを定量化する。【解決手段】流量制御装置2によって制御された流体の流量変化の過渡応答を評価する評価装置1は、第一の定常状態から第二の定常状態に至る過渡状態において、流量制御装置1によって制御される流体の実流量のデータを流量制御装置2から取得する。基準値情報記憶部11には、過渡状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値が記憶されており、判定部14は、流体の実流量と基準値を対比し、流量変化の適否を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、流量制御装置の過渡応答を評価する技術に関する。
半導体の製造プロセスの高精細化、特にALDプロセス手法の実現により、流量制御装置(Mass Flow Controller, MFC)には従来以上の流量精度向上はもとより、流量のオン・オフを頻繁に切り替えるパルス動作が求められている。
そのため、定常的に同じ流量を流し続けた時の流量精度におけるばらつきだけではなく、流量が変化した時の遷移のばらつきの測定方法、またその最大値を保証する指標が求められている。また、各種の方式による流量制御装置の応答特性を、共通の枠組みの上で測定、評価する仕組みや、目標流量に変化する時の応答特性によるばらつきを定量化した仕組みが求められている。
この点、特許文献1では、流体の流れを遮断するための遮断手段と流体の物理量を調整する調整手段とを有する系を流れる流体の物理量を検出して物理量検出信号を出力する検出手段と、前記物理量検出信号と物理量の目標値とに基づいて制御偏差信号を出力する比較部と、前記制御偏差信号に基づいて前記調整手段を操作するための操作信号を出力する制御部とを有する制御手段とよりなるフィードバック制御装置の試験装置において、流体の遮断時における流体の物理量の変化を模擬したパターン信号を発生するパターン信号発生手段と、前記遮断手段の動作に応じて前記物理量検出信号を前記パターン信号に切り換える切替手段と、前記比較部の出力する制御偏差信号に基づいて前記系の動作の安定度を評価する評価手段とを備えたフィードバック制御装置の試験装置が提案されている。
また、SEMI標準では、MFCの過渡応答について、むだ時間、ステップ応答時間、整定時間、過渡オーバーシュート、過渡アンダーシュートによる評価方法を定義している。
特開平02−288905号公報
SEMI E17-0600(Semiconductor Equipment and Materials International, SEMI マスフローコントローラの過渡特性テスト(ガイドライン))
しかしながら、上記特許文献1記載の技術は、ある種の流量制御装置の過渡応答を評価するに際し、模擬制御系の応答パターンとの差分での評価を行っているに過ぎない。
また、PID制御を始めとするフィードバック制御は、動作点によって収束速度が異なったり、そもそも収束せずにハンチングを起こしたり、一旦目的とする方向と逆に動いたりする場合がある。この点、製品の出荷前の検査においては、予想外の動作をする可能性も加味した評価基準が必要となる。
また、圧力式の流量制御装置の場合、ランプ制御や一次遅れ制御といった強力なフィードフォワード制御をかけている結果、フィードバック制御の収束速度に比べてゆっくりと目標値に遷移するため、応答が典型的な指数減衰にならず、設定流量から目標流量へ直線的に推移する場合もある。さらに、遅れ時間はバルブ部の構造や、圧力式、熱式、コリオリ式といったセンサの仕様により、センサが出力する流量測定値の実流量に対する遅れ時間が大きく異なる。特に熱式の流量制御装置では、むだ時間が大きく、流量が変化してから温度勾配が生じてサーマルセンサ(熱式流量センサ)が反応するまで時間がかかる。また、オーバーシュートを抑えたことを的確に定義する必要もある。
また、SEMI基準のみでは、流量の積算値、つまり供給されるガスの総量が、製品のばらつきによってどれくらいの範囲に収まるかを保証できていない。例えば流量を増加させる方に流量を遷移させたい場合において、制御の初期段階で瞬間的に流量が減ってしまう現象が発生していないことを保証しきれていない。
半導体製造装置に組み込まれた流量制御装置の過渡応答のばらつきが重要となる場面では、しばしば、短い時間の間に流量制御装置による材料ガスの供給が始まって終わる、という流量シーケンスが用いられる。供給された材料ガスによる反応のばらつきを抑える目的を達するためには、流量制御装置はある流量シーケンスを実行した時に、供給したガスの総量がどれだけばらつくか、という観点から評価される必要がある。
そこで、本発明は、SEMI基準に則りつつ、各種の方式による流量制御装置の応答特性を共通の枠組みで評価することを目的の一つとする。また、目標流量変化時の応答特性によるばらつきを合計ガス供給量の観点で定量化することを目的の一つとする。
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る流量変化の過渡応答の評価装置は、流量制御装置によって制御された流体の流量変化の過渡応答を評価する装置であって、第一の定常状態から第二の定常状態に至る過渡状態において、前記流量制御装置によって制御される流体の実流量のデータを取得するデータ取得手段と、前記過渡状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値を記憶する基準値情報記憶手段と、前記流体の実流量と基準値を対比し、流量変化の適否を判定する判定手段と、を有する。
また、前記データ取得手段は、過渡状態を複数回、経る所定のシーケンスに従って制御された前記流量制御装置における実流量のデータを取得し、前記基準値情報記憶手段は、前記所定のシーケンスに基づいた過渡状態における適正な流量変化の範囲を示す基準値情報を記憶し、前記判定手段は、前記所定のシーケンスに基づいた流体の実流量と基準値を対比し、流量変化の適否を判定するものとしてもよい。
また、前記第一の定常状態から前記第二の定常状態に遷移する遷移時間において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値の上限と下限は夫々、遷移前後の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値のうちの大きい方の上限と小さい方の下限であるものとしてもよい。
また、前記第二の定常状態における流体流量の目標値を過ぎるオーバーシュート及びアンダーシュートの大きさを、前記第一の定常状態における流体流量の設定値と前記目標値の差の大きさに対する割合として算出する第一の算出処理手段、をさらに有するものとしてもよい。
また、前記過渡状態において、前記流体の実流量が、前記第一の定常状態における流体流量の設定値から、前記第二の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値に最初に達するまでのステップ応答時間を算出すると共に、同一条件下で複数回、算出された前記ステップ応答時間の平均と標準偏差を算出する第二の算出処理手段と、をさらに有するものとしてもよい。
また、前記過渡状態において、前記流体の実流量が、前記第一の定常状態における流体流量の設定値から、前記第二の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値内に収まるまでのセトリング時間を算出すると共に、同一条件下で複数回、算出された前記セトリング時間の平均と標準偏差を算出する第三の算出処理手段と、をさらに有するものとしてもよい。
また、前記過渡状態における前記流体の実流量と、前記基準値とを同一のグラフ上に表示する表示手段、をさらに有するものとしてもよい。
また、本発明の別の観点に係る流体流量の過渡応答の評価方法は、流量制御装置によって制御された流体の流量変化の過渡応答を評価する方法であって、第一の定常状態から第二の定常状態に至る過渡状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値を記憶する基準値情報記憶手段、を有するコンピュータにより、前記過渡状態において、前記流量制御装置によって制御される流体の実流量のデータを取得するデータ取得処理と、前記流体の実流量と基準値を対比し、流量変化の適否を判定する判定処理と、を実行する。
また、本発明のさらに別の観点に係るコンピュータプログラムは、流量制御装置によって制御された流体の流量変化の過渡応答を評価するためのコンピュータプログラムであって、第一の定常状態から第二の定常状態に至る過渡状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値を記憶する基準値情報記憶手段、を有するコンピュータに対し、前記過渡状態において、前記流量制御装置によって制御される流体の実流量のデータを取得するデータ取得処理と、前記流体の実流量と基準値を対比し、流量変化の適否を判定する判定処理と、を実行させる。
なお、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
本発明によれば、SEMI基準に則りつつ、各種の方式による流量制御装置の応答特性を共通の枠組みで評価することができる。また、目標流量変化時の応答特性によるばらつきを定量化することができる。
本発明の実施形態に係る評価装置が備える機能を示した機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る評価装置が評価する流体の流量について、所定のシーケンスに基づいて制御された流体の実流量と時間との相関関係の一例を示したグラフである。 本発明の実施形態に係る評価装置が評価する流体の流量について、所定のシーケンスに基づいて制御された流体の実流量と時間との相関関係の一例を示したグラフであって、図2のA部分を拡大したグラフである。 本発明の実施形態に係る評価装置が評価する流体の流量について、所定のシーケンスに基づいて制御された流体の実流量と時間との相関関係の他の一例を示したグラフである。 本発明の実施形態に係る評価装置が実行する処理の流れを示したシーケンス図である。 本発明の実施形態に係る評価装置によるアウトプットの一例を示した図である。
●装置構成
以下、本発明の実施形態に係る流体流量の過渡応答の評価装置1について、図を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る評価装置1は、流量制御装置2によって制御された流体の流量変化の過渡応答の適否を判別し、これにより流量制御装置2を評価する装置である。
まず、本実施形態に係る評価装置1の評価対象となる流量制御装置2について説明しておく。
流量制御装置2は、マスフローコントローラ(Mass Flow Controller, MFC)とも称され、バルブなどと共にガスユニットを構成する装置であって、流体の質量流量を計測して流量制御を行う装置である。
この流量制御装置2は、流体の流量を機械的に制御する制御機構21、流体の実流量を測定する各種のセンサ等からなる測定部22、同一のラインを形成するバルブの動作情報を集約してバルブを監視すると共に、各バルブの動作を制御する情報処理モジュール23を備えている。
なお、情報処理モジュール23は少なくとも、情報処理部231によって測定部22から流体の実流量を収集して、これを通信処理部232によって評価装置1に送信したり、通信処理部232によって評価装置1からシーケンスと共にその実行要求を受信して、情報処理部231によって制御機構21にシーケンスを実行させたりする。
本実施形態では、各種の方式による流量制御装置2を評価することができるが、評価対象とする流量制御装置2の一例として、差圧式流量制御装置がある。差圧式流量制御装置は、バルブ駆動部を備えたコントロールバルブ部と、コントロールバルブの下流側に設けられたオリフィスと、オリフィスの上流側の流体圧力Pの検出器と、オリフィスの下流側の流体圧力Pの検出器と、オリフィスの上流側の流体温度Tの検出器とを有している。そして、内蔵する制御演算回路により、各検出器からの検出圧力及び検出温度を用いて流体流量Qを、例えばQ=C・P/√T・((P/P−(P/P1/2(但しCは比例定数、r及びsは定数、P1 < 2P2)等の式により演算すると共に、演算流量と設定流量との差を演算する。
評価装置1は、所定の制御内容をプログラム化した試験用のシーケンスを保持し、当該シーケンスに基づいて制御された流体の流量変化が適正か否かを判別する。
この評価装置1は所謂コンピュータによって構成され、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、といったメモリ、CPUが実行するコンピュータプログラム等により、基準値情報記憶部11、設定情報記憶部12、算出部13、判定部14、通信処理部15、及び入出力部16からなる機能部を構成する。
なお、各機能部についての以下の説明では適宜、図2及び図3を参照する。図2及び図3は、試験用のシーケンスに従い、流量制御装置2によって制御された流体の実流量mと、流体の適正な流量変化の範囲を示す基準値n(上限n2と下限n1によって挟まれた範囲)をグラフ化したものであり、評価装置1による処理のアウトプットの一例でもある。なお、横軸は時間経過を示し、縦軸は測定された実流量をフルスケール(流量制御装置2の設計に基づき定めた流量の定格値)に対する百分率(%FS)で示している。
図2は流量変化の全体を示しており、第一の定常状態から第二の定常状態、さらには第二の定常状態から第三の定常状態に遷移する状態の全体像を把握できる。図2の例は、流量制御装置2による制御の下、弁閉状態の第一の定常状態から、弁開状態の第二の定常状態に遷移する過程を示しており、t=2.0(s)のタイミングで第一の定常状態における設定値y1から、第二の定常状態における目標値y2に流体流量を移行させている。また、図2の例ではさらに、t=4.0(s)のタイミングで第二の定常状態から目標値y3の第三の定常状態に移行する過程が示されている。以下の説明では、特に第一の定常状態から第二の定常状態への遷移に着目して説明するが、第二の定常状態から第三の定常状態への遷移も同様である。
なお、本例では、流量を一の定常状態における設定値から次の定常状態の目標値へ移行させるタイミングから起算して、流体の実流量が当該次の定常状態における基準値に収まるまでの状態を過渡状態とし、それ以外の状態を定常状態としている。即ち、図2の例であれば、第一の定常状態から第二の定常状態への移行については、流量を設定値y1から変更させたタイミングから起算して、流体の実流量mが、第二の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値n内に収まるまでの状態が過渡状態であり、それ以外の状態が定常状態である。また、第二の定常状態から第三の定常状態への移行についても同様であり、ここでは目標値y2が設定値y2とみなされ、流量を設定値y2から変更させたタイミングから起算して、流体の実流量mが、第三の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値n内に収まるまでの状態が過渡状態であり、それ以外の状態が定常状態である。
また、図3は、流体流量が第二の定常状態に落ち着く直前の状態(図2中のAで指し示している部分の拡大図である)の一例を示しており、第二の定常状態の基準値の上限n2を超過するオーバーシュートOSと、下限を超過するアンダーシュートUSが起こっていることを把握できる。この例では、オーバーシュートOSとアンダーシュートUSを起こしながら目標値y2に収束する。
基準値情報記憶部11は、少なくとも一の定常状態から他の定常状態に至る過渡状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値を記憶する。
本例の基準値は、過渡状態のみならず、定常状態において許容される流体の流量変化の範囲も示している。
また、本例では、予め所定の制御内容をプログラム化したシーケンスが用意されており、基準値は、当該シーケンスに基づいた過渡状態における適正な流量変化の範囲を示している。シーケンスに従って制御された流体の流量変化が基準値に収まる限りは、流量制御装置2は適正に動作しているものと評価し得る。
本例では、基準値はシーケンスと流量制御装置2に応じた設定数量を元に、シーケンスの実行時に動的に計算される。この設定数量の一つが遷移時間の長さである。シーケンス中で設定流量が変わったタイミングから起算した、過渡状態が収まるべき区間が遷移時間である。流量制御装置2の製品のばらつきによって過渡状態の長さは変化しうるが、遷移時間の長さはこの過渡状態の長さの上限を定めた値という意味を持つ。
本例における基準値について、第一の定常状態から第二の定常状態に遷移する遷移時間において許容される流体の流量変化の上限は、遷移前後の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値のうちの大きい方の上限と同じかそれよりも小さい。また、第一の定常状態から第二の定常状態に遷移する遷移時間において許容される流体の流量変化の下限は、遷移前後の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値のうちの小さい方の下限と同じかそれよりも大きい。即ち、第一の定常状態から第二の定常状態へ流量が増大する図2の例であれば、遷移時間における基準値nの上限n2は、第二の定常状態における基準値の上限n2と同じかそれよりも小さく設定され、遷移時間における基準値nの下限n1は、第一の定常状態における基準値nの下限n1と同じかそれよりも大きく設定されている。
なお、図2の例では、遷移時間における基準値nの上限n2は、第二の定常状態における基準値nの上限n2と同じに設定され、遷移時間における基準値nの下限n1は、第一の定常状態における基準値nの下限n1と同じに設定されているが、これにかかわらず、図4に示されるように、遷移状態における基準値nの上限n4は、第二の定常状態における基準値nの上限n4よりも小さい、あるいは小さい部分があってもよく、また、基準値nの下限n3は、第二の定常状態における基準値nの下限n3よりも大きい、あるいは大きい部分があってもよい。
なお、基準値やその設定数量は、評価装置1のユーザによってその数値を任意に変更できるようになっていてもよい。また、評価対象となる流量制御装置2の種類に応じて、基準値を用意しておいたり、基準値の設定数量を自動的に変更するようになっていたりしてもよい。例えば、応答速度の速い流量制御装置2に対しては遷移時間の長さを短く、応答速度の遅い流量制御装置2に対しては遷移時間の長さを長く設定することができる。
設定情報記憶部12は、所定の制御内容をプログラム化した試験用のシーケンスを記憶した記憶部である。
この試験用のシーケンスは少なくとも、流体流量を一の定常状態から他の定常状態へ遷移させる工程を一回、好ましくは複数回含んでおり、これにより過渡状態における流体の流量変化を精度よく評価することができる。また、シーケンスは、図2に示されるように、定常状態における流体の流量を0%又は100%にするものでなくてもよく、図4に示されるように、0〜100%の間の任意の流量を定常状態とさせるものであってもよい。
算出部13は、第一乃至第三の算出処理を実行する。
即ち、算出部13は第一の算出処理において、実流量のオーバーシュートとアンダーシュートを相対値として評価する。図3の例であれば、第二の定常状態における流体流量の目標値を過ぎるオーバーシュートOS及びアンダーシュートUSの大きさを、フルスケールに対する割合、または、第一の定常状態の設定値y1と第二の定常状態の目標値y2の差の大きさに対する割合として算出する。
これにより、オーバーシュートOSとアンダーシュートUSを絶対値として評価するのではなく、フルスケールや設定値y1と目標値y2の差に応じた相対値として評価することができ、適否の判定の精度を高めることができる。
また、算出処理部は第二の算出処理において、図3に示されるステップ応答時間Δt1やセトリング時間Δt2を算出する。
ここで、ステップ応答時間Δt1は、過渡状態において、流体の実流量mが、第一の定常状態における流体流量の設定値y1から、第二の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値nに最初に達するまでの時間である。
また、セトリング時間Δt2は、過渡状態において、流体の実流量mが、第一の定常状態における流体流量の設定値y1から、第二の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値n内に収まるまでの時間である。
さらに、算出処理部は第三の算出処理において、同一条件下で複数回、実行されたシーケンスの結果に基づき、各シーケンスの実行結果から算出されたステップ応答時間とセトリング時間の平均と標準偏差を算出する。これにより、評価試験ごとの誤差を勘案した適切な評価を行うことができる。
判定部14は、流体の実流量と基準値を対比し、流量変化の適否を判定する。
特に本例では、所定のシーケンスに基づいた流体の実流量と基準値を対比する。適否の判定は、実流量が基準値内にあるか否かのみならず、所定の参照用テーブルに保持した閾値等の情報を参照して、ステップ応答時間やセトリング時間が許容できる時間であるか否か、基準値を超えるオーバーシュートやアンダーシュートがあった場合でも、これが許容できる範囲内のものであるか否かといった点に基づいて行うことができる。
なお、判定部14による判定の結果は例えば、図2や図3の例のように、実流量mが基準値nに収まっているか否かから一見して適否を判別できるよう、実流量mと基準値nを重畳的に表示する。また、実流量mが基準値nに収まっていない箇所を識別可能に強調表示したり、判定の結果をテキスト形式で具体的に表示したりしてもよい。
通信処理部15は、流量制御装置2によって制御された流体の実流量のデータを流量制御装置2から取得するデータ取得手段として機能する機能部である。
この通信処理部15は、所定の通信プロトコルに従い、流量制御装置2と有線又は無線による通信回線を介したデータの送受信を実行する。
入出力部16は、データをインプット及びアウトプットを可能とする機能部であって、キーボードやポインティングデバイス等の入力手段と、ディスプレイやスピーカ等の出力手段によって構成される。
●処理の流れ
次に、評価装置1による処理の流れについて、図5を参照して説明する。
まず、評価装置1は、流量制御装置2に対して試験用のシーケンスの実行要求を送信する(S101)。この実行要求においては、流量制御装置2に対し、設定情報記憶部12に記憶されているシーケンスを送信する。
なお、試験用のシーケンスは複数、用意されていてもよく、その場合には例えば、試験を行うユーザが設定情報記憶部12を参照して任意のシーケンスを選択する。また、シーケンスの実行は、1回のみの実行に限らず、同一条件による複数回の実行を求めるものであってもよいし、シーケンス自体が複数回の実行を既定とするするものであってもよい。
これに応じて流量制御装置2は、シーケンスに従った流体流量の制御を実行する(S102)。流体流量の制御の実行中、流量制御装置2は自らが備える測定部22によって流体の実流量を計測し、実流量データを継続的に、あるいは断続的に評価装置1に送信する(S103)。
評価装置1は、流量制御装置2から実流量データを取得すると(S104)、算出処理部により実流量データに基づいた所定の算出処理を実行する(S105)。
即ち、算出部13は第一の算出処理として、オーバーシュート及びアンダーシュートの大きさを、フルスケールに対する割合、または、第一の定常状態の設定値と第二の定常状態の目標値の差の大きさに対する割合として算出する。また、第二の算出処理として、ステップ応答時間やセトリング時間を算出する。さらに、同一のシーケンスが複数回、実行された場合には、第三の算出処理として、各シーケンスの実行結果から算出されたステップ応答時間とセトリング時間の平均と標準偏差を算出する。
判定部14は、流体の実流量と基準値を対比し、流量変化の適否を判定する(S106)。
適否の判定では、判定部14は基準値情報記憶部11を参照し、流量制御装置2が実行したシーケンスに対応した基準値と流体の実流量とを対比し、実流量が基準値の範囲内にあるか否かを判定する。また、合わせて、算出部13によって算出されたデータについて、適切な範囲内の数値を示しているか否かを判定する。
判定の結果は、後述するアウトプットの例に示されるように、ユーザに提供される。
なお、評価装置1によるシーケンスの実行要求は一回に限らず、複数回の実行を要求するものであってもよく、この場合、評価装置1は複数回実行されたシーケンスごとの実流量データを流量制御装置2から取得する。そして、判定部14は、各シーケンスの適否を判定したり、全てのシーケンスに基づいた適否を判定したりする。
●アウトプット
次に、評価装置1によるアウトプットの一例について、図6を参照して説明する。
図6に示す画面は入出力手段による出力結果の一例であり、試験用のシーケンスを流量制御装置2に実行させた結果を示している。具体的には、実流量と基準値を重畳的に表示したグラフ、設定値等のシーケンスの条件に関する数値、算出部13によって算出されたステップ応答時間やセトリング時間、基準値に関する設定数量を示す欄(図中、「クライテリア」と表示)などが表示されている。
なお、図5では、クライテリアと表示された基準値に関する設定数量として、定常状態での流量範囲の大きさをフルスケールに対する百分率で示した数値と、遷移時間の長さの数値が設けられており、これらはユーザが直接入力によって任意の数値に変更できるようになっている。そして、ユーザが任意の数値に変更した場合には、グラフ上に表示された基準値に変更が反映されるようになっている。
また、図6の例にかかわらず、アウトプットでは、表示設定により、算出部13によって算出されたオーバーシュート及びアンダーシュートの大きさを示す数値や、同一条件下で複数回、実行されたシーケンスの結果に基づき、各シーケンスの実行結果から算出されたステップ応答時間とセトリング時間の平均と標準偏差などの数値をファイル出力することもできる。
以上の本実施形態に係る評価装置1によれば、SEMI基準に則りつつ、各種の方式による流量制御装置の応答特性を共通の枠組みで評価することができる。即ち、流量制御装置2によって制御された流体の実流量の適否を、シーケンスと流量制御装置の特性から算出し、異なる方式の流量制御装置2であっても、合計供給流体量という基準で評価できる。また、目標流量変化時の応答特性によるばらつきを供給ガスの合計量の観点から定量化することができる。すなわち、あるシーケンスを流量制御装置2で実行した時の供給ガスの総量はばらつきが存在するが、基準値の上限を取り続けた時の供給ガス量と、基準値の下限を取り続けた時のガス量との間に収まっている事を保証できる。
また、図4のように遷移時間中の基準値を、流量制御装置2の応答曲線に応じて適宜狭めるように設定する事で、この供給ガス総量のばらつき保証範囲を狭めることができる。
なお、以上の本実施形態に係る評価装置1では、基準値は予め基準値情報記憶部11に記憶させておくものとしたが、これにかかわらず、実行されたシーケンスや評価対象の流量制御装置2の特性などに応じて、評価ごとに生成することもできる。
1 評価装置
11 基準値情報記憶部
12 設定情報記憶部
13 算出部
14 判定部
15 通信処理部
16 入出力部
2 流量制御装置
21 制御機構
22 測定部
23 情報処理モジュール
231 情報処理部
232 通信処理部

Claims (9)

  1. 流量制御装置によって制御された流体の流量変化の過渡応答を評価する装置であって、
    第一の定常状態から第二の定常状態に至る過渡状態において、前記流量制御装置によって制御される流体の実流量のデータを取得するデータ取得手段と、
    前記過渡状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値を記憶する基準値情報記憶手段と、
    前記流体の実流量と基準値を対比し、流量変化の適否を判定する判定手段と、を有する、
    流量変化の過渡応答の評価装置。
  2. 前記データ取得手段は、過渡状態を複数回、経る所定のシーケンスに従って制御された前記流量制御装置における実流量のデータを取得し、
    前記基準値情報記憶手段は、前記所定のシーケンスに基づいた過渡状態における適正な流量変化の範囲を示す基準値情報を記憶し、
    前記判定手段は、前記所定のシーケンスに基づいた流体の実流量と基準値を対比し、流量変化の適否を判定する、
    請求項1記載の流量変化の過渡応答の評価装置。
  3. 前記第一の定常状態から前記第二の定常状態に遷移する遷移時間において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値の上限と下限は夫々、遷移前後の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値のうちの大きい方の上限と小さい方の下限である、
    請求項1又は2記載の流量変化の過渡応答の評価装置。
  4. 前記第二の定常状態における流体流量の目標値を過ぎるオーバーシュート及びアンダーシュートの大きさを、前記第一の定常状態における流体流量の設定値と前記目標値の差の大きさに対する割合として算出する第一の算出処理手段、をさらに有する、
    請求項1乃至3いずれかの項に記載の流量変化の過渡応答の評価装置。
  5. 前記過渡状態において、前記流体の実流量が、前記第一の定常状態における流体流量の設定値から、前記第二の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値に最初に達するまでのステップ応答時間を算出すると共に、同一条件下で複数回、算出された前記ステップ応答時間の平均と標準偏差を算出する第二の算出処理手段と、をさらに有する、
    請求項1乃至4いずれかの項に記載の流量変化の過渡応答の評価装置。
  6. 前記過渡状態において、前記流体の実流量が、前記第一の定常状態における流体流量の設定値から、前記第二の定常状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値内に収まるまでのセトリング時間を算出すると共に、同一条件下で複数回、算出された前記セトリング時間の平均と標準偏差を算出する第三の算出処理手段と、をさらに有する、
    請求項1乃至5いずれかの項に記載の流量変化の過渡応答の評価装置。
  7. 前記過渡状態における前記流体の実流量と、前記基準値とを同一のグラフ上に表示する表示手段、をさらに有する、
    請求項1乃至6いずれかの項に記載の流量変化の過渡応答の評価装置。
  8. 流量制御装置によって制御された流体の流量変化の過渡応答を評価する方法であって、
    第一の定常状態から第二の定常状態に至る過渡状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値を記憶する基準値情報記憶手段、を有するコンピュータにより、
    前記過渡状態において、前記流量制御装置によって制御される流体の実流量のデータを取得するデータ取得処理と、
    前記流体の実流量と基準値を対比し、流量変化の適否を判定する判定処理と、を実行する、
    流量変化の過渡応答の評価方法。
  9. 流量制御装置によって制御された流体の流量変化の過渡応答を評価するためのコンピュータプログラムであって、
    第一の定常状態から第二の定常状態に至る過渡状態において許容される流体の流量変化の範囲を示す基準値を記憶する基準値情報記憶手段、を有するコンピュータに対し、
    前記過渡状態において、前記流量制御装置によって制御される流体の実流量のデータを取得するデータ取得処理と、
    前記流体の実流量と基準値を対比し、流量変化の適否を判定する判定処理と、を実行させる、
    コンピュータプログラム。

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