<実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
<作業補助システムの概要>
まず、実施形態に係る作業補助システムの概要について説明する。
作業補助システムは、ユーザーの頭部に装着可能な表示装置と、作業補助装置を備える。
表示装置は、ユーザーに対して第1仮想手順書及び第2仮想手順書を表示するための透過型の表示部と、実空間を撮像する撮像部とを有する。
ここで、仮想手順書は、ユーザーが行う第1作業についての仮想的な手順書である。第1仮想手順書は、ユーザーが行う第1作業に含まれる複数の第2作業それぞれの作業手順を示す情報を含む仮想手順書のことである。第2仮想手順書は、複数の作業手順のうちの一部の作業手順を示す情報を含む仮想手順書のことである。
また、第1作業は、ユーザーが行う作業であれば、如何なる作業であってもよい。第2作業は、第1作業が複数の部分的な作業に分割された場合における当該複数の部分的な作業のそれぞれのことである。例えば、第1作業を、第11作業、第12作業、第13作業の3つの部分的な作業に分割した場合、第2作業は、第11作業、第12作業、第13作業のそれぞれのことである。
作業補助装置は、第1仮想手順書と第2仮想手順書とを表示装置に表示し、ユーザーが行う第1作業を補助する。作業補助装置は、仮想空間生成部と、表示制御部を備える。
仮想空間生成部は、撮像部により所定の第1実空間が撮像された撮像画像に基づいて、第1実空間に対応する仮想空間を生成する。仮想空間生成部は、生成した仮想空間内の各位置と、撮像部により第1実空間が撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間内の各位置とを対応付ける。すなわち、撮像部により第1実空間が撮像された撮像画像に基づいて生成された仮想空間内の各位置は、撮像部により第1実空間が撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間内の各位置と対応付けられている。
表示制御部は、表示部に第1仮想手順書及び第2仮想手順書を表示させる。
より具体的には、表示制御部は、受け付けた第1操作に応じて、第1仮想手順書の姿勢が第1操作に応じた姿勢と一致するように、仮想空間内の位置のうち第1操作に応じた第1位置に第1仮想手順書を配置する。そして、表示制御部は、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間内の各位置と、仮想空間内に配置された第1仮想手順書の位置との相対的な位置関係に応じて第1仮想手順書を表示部に表示させる。
また、表示制御部は、仮想空間内における表示部の表示面からの相対的な位置のうち予め決められた第1相対位置に対応する第1仮想相対位置に第2仮想手順書を配置する。そして、表示制御部は、仮想空間内における表示面と第2仮想手順書との相対的な位置関係を保ったまま、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間内の各位置と、仮想空間内に配置された第2仮想手順書の位置との相対的な位置関係に応じて第2仮想手順書を表示部に表示させる。
これらにより、作業補助システムは、ユーザーが第1作業を行う効率を向上させることができる。以下では、このような作業補助システムの構成と、作業補助システムが行う処理について詳しく説明する。
<作業補助システムの構成>
以下、図1を参照し、実施形態に係る作業補助システム1の構成について説明する。図1は、実施形態に係る作業補助システム1の構成の一例を示す図である。
以下では、作業補助システム1のユーザーが、図1に示した作業者Oである場合について説明する。作業者Oは、予め決められた第1作業W1を行う人である。第1作業W1は、前述の第1作業の一例である。第1作業W1は、作業者Oが行う作業であれば如何なる作業であってもよい。以下では、一例として、第1作業W1が、図1に示した電気設備Eのメンテナンス作業である場合について説明する。また、以下では、一例として、作業者Oは、補助者Hとともに2人で第1作業W1を行う場合について説明する。ここで、電気設備Eは、例えば、遮断器である。また、補助者Hは、作業者Oの作業を補助する人である。なお、電気設備Eは、遮断器に代えて、他の電気設備であってもよい。また、作業者Oは、1人で第1作業を行う構成であってもよく、3人以上で第1作業を行う構成であってもよい。
図1に示した例では、作業者Oは、電気設備Eが設置されている部屋R1において、第1作業W1を行う人である。また、当該例では、補助者Hは、部屋R1と異なる部屋R2において、作業者Oが行う第1作業W1を補助する。例えば、部屋R1と部屋R2は、発電所内において設置されている互いに異なる部屋である。この場合、作業者Oは、発電所内の電気設備の1つである電気設備Eのメンテナンス作業を行う作業者である。また、当該場合、補助者Hは、会議室、事務室等の部屋R1から離れた位置に位置する部屋R2から作業者Oを補助する人である。なお、部屋R1と部屋R2は、互いに異なる建物内の部屋であってもよく、1つの建物内において互いに異なる部屋であってもよい。
作業補助システム1は、表示装置10と、作業補助装置20を備える。
表示装置10は、前述の表示装置の一例である。表示装置10は、作業者Oの頭部に装着可能である。例えば、表示装置10は、ヘッドマウントディスプレイである。図1に示した例では、表示装置10は、作業者Oの頭部に装着されている。
表示装置10は、表示部11と、撮像部12と、音声入力部13と、音声出力部14を備える。
表示部11は、前述の表示部の一例である。例えば、表示部11は、透過型の液晶ディスプレイを含む。なお、表示部11は、透過型の液晶ディスプレイに代えて、他の透過型のディスプレイを含む構成であってもよい。
撮像部12は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を、集光された光を電気信号に変換する撮像素子として備えたステレオカメラである。撮像部12は、動画像を撮像する。なお、撮像部12は、静止画像を撮像する構成であってもよい。
撮像部12は、表示装置10が有する位置のうち、予め決められた設置位置に設けられる。設置位置は、撮像部12が撮像可能な領域と、表示装置10が作業者Oの頭部に装着された場合において作業者Oが表示部11を通して見ることが可能な領域とがほぼ一致する位置である。
音声入力部13は、例えば、マイクロフォンである。なお、音声入力部13は、マイクロフォンに代えて、音声を検出し、検出した音声を示す情報を出力可能な他の音声入力装置であってもよい。
音声出力部14は、例えば、スピーカーである。なお、音声出力部14は、スピーカーに代えて、音声を出力可能な他の音声出力装置であってもよい。
ここで、表示装置10は、無線通信によって作業補助装置20と互いに通信可能に接続されている。表示装置10と作業補助装置20を接続する無線通信は、無線LAN(Local Area Network)、移動体通信網等の規格に応じた無線通信である。なお、当該無線通信は、他の規格の無線通信であってもよい。
作業補助装置20は、前述の作業補助装置の一例である。作業補助装置20は、サーバー、ワークステーション、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、携帯電話端末、多機能携帯電話端末(スマートフォン)、タブレットPC等であるが、これらに限られるわけではない。なお、作業補助装置20は、表示装置10と一体に構成されてもよい。また、作業補助装置20が有する各機能は、2以上の装置に分けて備えられる構成であってもよい。この場合、当該2以上の装置のそれぞれは、表示装置10と通信可能に接続される。
作業補助装置20は、複合現実(Mixed Reality)によって作業者Oが行う第1作業を補助する。より具体的には、作業補助装置20は、撮像部12が撮像した撮像画像を表示装置10から取得し、取得した撮像画像に基づく複合現実によって仮想物体を表示部11に表示させ、作業者Oが行う第1作業を補助する。
実施形態において、複合現実は、人が頭部に装着可能な透過型の表示装置10の表示部11を用いることにより、所定の第1実空間RSに対応する仮想空間VSを第1実空間RSに重畳させ、第1実空間RSに仮想空間VSを重畳させた空間を人に視認させる技術である。ここで、第1実空間RSは、撮像部12により撮像可能な実空間であれば如何なる実空間であってもよい。図1に示した例では、第1実空間RSは、作業者Oが第1作業を行う対象である電気設備Eが設置されている部屋R1の内側の空間である。仮想空間VSは、形状が第1実空間RSの形状とほぼ同じ三次元形状の仮想空間のことである。
ここで、複合現実において、第1実空間RSに仮想空間VSを重畳することは、具体的には、第1実空間RSに対して仮想空間VS内に配置された仮想物体VOを重畳することを意味する。また、複合現実では、第1実空間RSに仮想空間VSを重畳させた場合において重なり合う位置同士が対応付けられている。このため、複合現実では、例えば、仮想空間VS内のある位置VXにある仮想物体VOを配置した場合、第1実空間RS内の位置のうち位置VXに対応付けられた位置RXに位置する仮想物体VOが、表示装置10を装着した作業者Oにより視認される。
また、複合現実では、上記の表示部11の表示面上の位置のうち仮想物体VOを表示させる位置と、第1実空間RS上の位置のうち仮想物体VOが位置している位置として表示装置10を装着した作業者Oに視認される位置とは、キャリブレーション等によって予め対応付けられている。これにより、複合現実では、表示部11を通して人が見える領域内に位置RXが含まれる場合、位置RXに対応付けられた当該表示面上の位置DXに仮想物体VOを表示させ、位置RXに位置する仮想物体VOを、表示装置10を装着した作業者Oに視認させることができる。
また、複合現実では、第1実空間RSに仮想空間VSを重畳させた場合において、第1実空間RS内に配置されたある物体ROが、仮想物体VOよりも上記の表示装置10側に位置し、物体ROと仮想物体VOとが部分的に重なっていると、表示部11には、仮想物体VOが有する部分のうち物体ROと重なっている部分が表示されない。一方、複合現実では、当該場合において、仮想物体VOが物体ROよりも表示装置10側に位置し、物体ROと仮想物体VOとが部分的に重なっていると、表示部11には、仮想物体VOの全部が表示される。すなわち、複合現実では、第1実空間RSに仮想空間VSが重畳された空間において、第1実空間RSに配置された物体ROと、仮想空間VSに配置された仮想物体VOとの相対的な位置関係を保ったまま、物体ROと仮想物体VOとの前後関係が、表示装置10を装着した作業者Oに視認される。
また、複合現実では、表示装置10の表示部11に表示される仮想物体VOの大きさは、第1実空間RS内における仮想物体VOと表示装置10との間の距離に応じて、変化する。当該距離が長いほど、表示装置10の表示部11に表示される仮想物体VOの大きさは、小さくなる。また、当該距離が短いほど、表示装置10の表示部11に表示される仮想物体VOの大きさは、大きくなる。すなわち、複合現実は、第1実空間RS内における仮想物体VOと表示装置10との間の距離に応じた遠近感を、表示装置10を装着した作業者Oに感じさせることができる。
このように、複合現実では、仮想空間VS内の位置VXに仮想物体VOを配置することは、第1実空間RS内の位置RXに位置する仮想物体VOを作業者Oが視認するように、仮想物体VOを表示部11の表示面上の位置DXに表示することを意味する。
また、複合現実では、撮像部12により撮像された撮像画像に基づいて、第1実空間RS内の領域のうち表示部11を通して作業者Oが見える領域が特定される。また、複合現実では、撮像部12により撮像された撮像画像に基づいて、表示装置10の第1実空間RS内における現在位置が特定される。また、複合現実では、仮想空間VS内の位置のうち特定した現在位置に対応付けられた位置が、仮想現在位置として特定される。ここで、実施形態では、表示装置10の第1実空間RS内における位置は、例えば、表示装置10の重心の第1実空間RS内における位置によって表される。なお、表示装置10の第1実空間RS内における位置は、表示装置10が有する他の部位の第1実空間RS内における位置によって表される構成であってもよい。
また、複合現実では、撮像部12により撮像された撮像画像に基づいて、第1実空間RS内における作業者Oの予め決められた部位の位置が記録され(トラッキングされ)、各時刻における当該部位の仮想空間VS内における位置が特定される。これにより、複合現実では、作業者Oは、第1実空間RS内において作業者Oが視認している仮想物体VOに対して、仮想的な操作を行うことができる。ここで、当該部位は、例えば、作業者Oの手である。なお、当該部位は、作業者Oの手に代えて、作業者Oの他の部位であってもよい。
なお、このような複合現実を実現させる方法は、既知の方法であってもよく、これから開発される方法であってもよい。
このような複合現実によって、作業補助装置20は、第1仮想手順書PM1と第2仮想手順書PM2という2種類の仮想手順書を表示部11に表示させる。当該2種類の仮想手順書はそれぞれ、前述の仮想物体VOの一例である。当該2種類の仮想手順書は、作業者Oが行う第1作業W1についての仮想的な手順書である。第1仮想手順書PM1は、作業者Oが行う第1作業W1に含まれる複数の第2作業W2それぞれの作業手順を示す作業手順情報を含む仮想手順書のことである。第2作業W2は、前述の第2作業の一例である。すなわち、第2作業W2は、第1作業W1が当該複数の部分的な作業に分割された場合における当該複数の当該部分的な作業のそれぞれのことである。第2仮想手順書PM2は、当該複数の当該作業手順のうちの一部の当該作業手順を示す作業手順情報を含む仮想手順書のことである。作業補助装置20は、当該2種類の仮想手順書を表示部11に表示させることにより、作業者Oが行う第1作業W1を補助する。
ここで、作業補助装置20は、作業者Oから受け付けた第1操作に応じて、第1実空間RS内において作業者Oが所望する位置に位置する第1仮想手順書PM1を作業者Oが視認するように、仮想空間VS内に第1仮想手順書PM1を配置する。また、作業補助装置20は、当該第1操作に応じて、第1実空間RS内における作業者Oに視認される第1仮想手順書PM1の姿勢が、作業者Oが所望する姿勢と一致するように、仮想空間VS内に第1仮想手順書PM1を配置する。これにより、作業補助装置20は、第1実空間RS内において作業者Oに視認される第1仮想手順書PM1の位置及び姿勢を、作業者Oが見易い位置及び姿勢と一致させることができる。
しかしながら、第1仮想手順書PM1には、第1作業W1についての複数の作業手順を示す作業手順情報、すなわち、複数の第2作業W2それぞれの作業手順を示す作業手順情報が含まれている。このため、第1実空間RS内において作業者Oに視認される第1仮想手順書PM1の大きさは、第1仮想手順書PM1に含まれる作業手順情報の数が多くなるほど大きくなる。このような場合、作業中の作業者Oの視界を覆うような位置に第1仮想手順書PM1が表示されてしまうと、作業者Oは、第1作業W1を行う対象となる位置を視認しづらくなることがあった。その結果、第1仮想手順書PM1は、作業者Oが第1作業W1を行う効率を向上させることが困難な場合があった。
そこで、作業補助装置20は、第1実空間RS内において作業者Oに視認される第2仮想手順書PM2の表示装置10に対する相対的な位置及び姿勢が変化しないように、仮想空間VS内に配置されている第2仮想手順書PM2の位置及び姿勢を変化させる。これにより、作業補助装置20は、作業者Oの視界内における位置のうち作業者Oが所望する位置において、第2仮想手順書PM2の位置及び姿勢を変化させずに、作業者Oに視認させることができる。つまり、作業補助装置20は、第2仮想手順書PM2を作業者Oの視界の内側に常に表示させ続けることができる。ここで、前述した通り、第2仮想手順書PM2は、第1仮想手順書PM1に含まれている複数の作業手順情報のうちの一部の作業手順情報を含む仮想的な手順書である。このため、第2仮想手順書PM2の大きさは、第1仮想手順書PM1の大きさよりも小さい。従って、作業補助装置20は、作業補助装置20が作業者Oの視界の内側に常に第2仮想手順書PM2を表示させ続けた場合であっても、作業者Oの視界が遮られてしまうことを抑制することができる。その結果、作業者Oは、第2仮想手順書PM2を見ながら第1作業W1を行うことができ、必要に応じて、第2仮想手順書PM2に含まれていない情報を見るために、作業者Oにとって見易い位置に配置されている第1仮想手順書PM1を見ることができる。このようにして、作業補助装置20は、作業者Oが第1作業W1を行う効率を向上させることができる。
また、このような第1仮想手順書PM1と第2仮想手順書PM2との表示により、作業者Oが紙媒体の作業手順書を持ちながら第1作業W1を行う必要は、なくなる。作業者Oが当該作業手順書を持つ必要がなくなることにより、作業者Oは、単位時間当たりに行う作業量を増やすことができる。これはすなわち、作業補助装置20が、作業者Oが行う第1作業W1の効率を向上させることができることを意味している。
なお、図1に示した例では、表示装置10と作業補助装置20は、別体であった。しかしながら、表示装置10と作業補助装置20は、一体に構成されてもよい。
<作業補助装置のハードウェア構成>
以下、図2を参照し、作業補助装置20のハードウェア構成について説明する。図2は、作業補助装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。作業補助装置20は、例えば、プロセッサー21と、メモリー22と、入力受付部23と、通信部24、表示部25を備える。これらの構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、作業補助装置20は、通信部24を介して表示装置10と通信を行う。なお、当該通信は、サーバー等の他の装置によって中継される構成であってもよい。
プロセッサー21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。なお、プロセッサー21は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の他のプロセッサーであってもよい。プロセッサー21は、作業補助装置20が備えるメモリー22に格納された各種の指令を実行する。
メモリー22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含む。なお、メモリー22は、作業補助装置20に内蔵されるものに代えて、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置であってもよい。メモリー22は、プロセッサー21が処理する各種の情報、コンピューターにより実行可能な各種の指令、各種の画像等を格納する。ここで、当該各種の指令は、例えば、複合現実によって第1仮想手順書PM1及び第2仮想手順書PM2を作業者Oに視認させるプログラム、コード等のことである。
入力受付部23は、例えば、キーボード、マウス、タッチパッド等の入力装置である。なお、入力受付部23は、表示部25とともにタッチパネルを構成してもよい。なお、入力受付部23は、作業補助装置20と別体であってもよい。
通信部24は、例えば、USB等のデジタル入出力ポート、イーサネット(登録商標)ポート等を含んで構成される。
表示部25は、例えば、液晶ディスプレイパネル、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネル等を備えた表示装置である。なお、表示部25は、作業補助装置20と別体であってもよい。
<作業補助装置の機能構成>
以下、図3を参照し、作業補助装置20の機能構成について説明する。図3は、作業補助装置20の機能構成の一例を示す図である。作業補助装置20は、メモリー22と、入力受付部23と、通信部24と、表示部25と、制御部26を備える。
制御部26は、作業補助装置20の全体を制御する。制御部26は、撮像制御部261と、画像取得部262と、画像処理部263と、仮想空間生成部264と、表示制御部265と、記憶制御部266と、音声認識処理部267を備える。制御部26が備えるこれらの機能部は、例えば、プロセッサー21が、メモリー22に記憶された各種の指令を実行することにより実現される。また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
撮像制御部261は、表示装置10が備える撮像部12を制御する。そして、撮像制御部261は、撮像部12が撮像可能な領域を撮像部12に撮像させる。
画像取得部262は、撮像部12が撮像した撮像画像を撮像部12から取得する。ここで、実施形態では、撮像部12は、動画像を撮像する。この場合、画像取得部262は、撮像部12が動画像として撮像した撮像画像の各フレームを時系列順に取得する。以下では、説明の便宜上、撮像部12により撮像された撮像画像と称した場合、このように取得された各フレームのことを意味する。
画像処理部263は、画像取得部262により取得された撮像画像に基づく画像処理を行う。
仮想空間生成部264は、画像取得部262により取得された撮像画像に基づいて、第1実空間RSに対応する仮想空間VSを、メモリー22の記憶領域内に生成する。
表示制御部265は、複合現実によって、各種の仮想物体を表示部11に表示させる。また、表示制御部265は、各種の画像を表示部25に表示させる。
記憶制御部266は、画像処理部263による画像処理の結果をメモリー22に記憶させる。
音声認識処理部267は、音声入力部13により検出された音声に基づく音声認識処理を行う。
<第1仮想手順書と第2仮想手順書>
ここで、第1仮想手順書PM1と第2仮想手順書PM2それぞれについて説明する。
まず、図4を参照し、第1仮想手順書PM1について説明する。図4は、第1仮想手順書PM1の一例を示す図である。
第1仮想手順書PM1は、例えば、矩形板状の仮想物体である。前述した通り、第1仮想手順書PM1には、複数の第2作業W2それぞれの作業手順を示す作業手順情報が含まれている。図4に示した第1仮想手順書PM1は、第1仮想手順書PM1が有する面のうち複数の第2作業W2それぞれの作業手順を示す作業手順情報が表示されている側の面を、当該面と直交する方向から見た場合における第1仮想手順書PM1の一例である。
図4に示した例では、第1仮想手順書PM1には、8つの第2作業W2それぞれの作業手順を示す作業手順情報として、作業手順1〜作業手順8のそれぞれを示す作業手順情報が含まれている。
例えば、作業手順1は、8つの第2作業W2のうちの1つの作業手順であり、第1作業W1において1番目に行われる作業の作業手順である。また、例えば、作業手順4は、8つの第2作業W2のうちの1つの作業手順であり、第1作業W1において4番目に行われる作業の作業手順である。また、例えば、作業手順8は、8つの第2作業W2のうちの1つの作業手順であり、第1作業W1において8番目に行われる作業の作業手順である。作業者Oは、これら8つの第2作業W2を順に行うことにより、第1作業W1を行う。
より具体的には、図4に示した例では、第1仮想手順書PM1には、作業手順情報SQ1〜作業手順情報SQ8の8つの作業手順情報が含まれている。
ここで、作業手順情報SQ1は、作業手順1を示す作業手順情報の一例である。作業手順情報SQ2は、作業手順2を示す作業手順情報の一例である。作業手順情報SQ3は、作業手順3を示す作業手順情報の一例である。作業手順情報SQ4は、作業手順4を示す作業手順情報の一例である。作業手順情報SQ5は、作業手順5を示す作業手順情報の一例である。作業手順情報SQ6は、作業手順6を示す作業手順情報の一例である。作業手順情報SQ7は、作業手順7を示す作業手順情報の一例である。作業手順情報SQ8は、作業手順8を示す作業手順情報の一例である。
また、図4に示した例では、第1仮想手順書PM1に含まれる8つの作業手順情報のそれぞれには、各作業手順情報に対応するボタンが含まれている。すなわち、作業手順情報SQ1には、作業手順情報SQ1に対応するボタンPB1が含まれている。また、作業手順情報SQ2には、作業手順情報SQ2に対応するボタンPB2が含まれている。また、作業手順情報SQ3には、作業手順情報SQ3に対応するボタンPB3が含まれている。また、作業手順情報SQ4には、作業手順情報SQ4に対応するボタンPB4が含まれている。また、作業手順情報SQ5には、作業手順情報SQ5に対応するボタンPB5が含まれている。また、作業手順情報SQ6には、作業手順情報SQ6に対応するボタンPB6が含まれている。また、作業手順情報SQ7には、作業手順情報SQ7に対応するボタンPB7が含まれている。また、作業手順情報SQ8には、作業手順情報SQ8に対応するボタンPB8が含まれている。
ここで、ボタンPB1は、作業手順1に対応するボタンである。また、ボタンPB2は、作業手順2に対応するボタンである。また、ボタンPB3は、作業手順3に対応するボタンである。また、ボタンPB4は、作業手順4に対応するボタンである。また、ボタンPB5は、作業手順5に対応するボタンである。また、ボタンPB6は、作業手順6に対応するボタンである。また、ボタンPB7は、作業手順7に対応するボタンである。また、ボタンPB8は、作業手順8に対応するボタンである。
ボタンPB1〜ボタンPB8のそれぞれは、動画を再生させるボタンである。例えば、作業補助装置20は、ボタンPB1に対して仮想的なタッチ操作(例えば、タップ)が行われた場合、作業手順1に関する動画を表示部11の表示面上に表示させる。当該動画は、例えば、作業手順1のコツを解説する動画、作業手順1の流れを解説する動画、作業手順1において注意を促す事項を解説する動画等であるが、これらに限られるわけではない。
ここで、作業補助装置20は、撮像部12により撮像された撮像画像に基づいて、作業者Oが視認している仮想物体に対する作業者Oからの仮想的な操作を受け付けることができる。すなわち、作業補助装置20は、ボタンPB1〜ボタンPB8のいずれかのボタンに対する仮想的な操作を作業者Oから受け付けることができる。作業補助装置20は、当該撮像画像に基づいて、例えば、作業者Oの手の動きを認識し、認識した結果と、第1実空間RS内における当該ボタンの位置とに基づいて、当該ボタンに対する仮想的な操作が作業者Oによって行われたか否かを判定する。作業補助装置20は、当該ボタンに対して作業者Oが仮想的な操作を行ったと判定した場合、当該ボタンに応じた動画を再生させ、作業者Oに対して当該動画を見せる。これにより、作業者Oは、当該動画を見ながら第1作業W1を行うことができ、第1作業W1を行う効率を向上させることができる。すなわち、作業補助装置20は、第1仮想手順書PM1を作業者Oに視認させることにより、作業者Oが第1作業を行う効率を向上させることができる。
また、第1仮想手順書PM1では、第1仮想手順書PM1に含まれる情報のうち作業者Oが現在行っている第2作業W2の作業手順を示す作業手順情報の表示態様が、第1仮想手順書PM1に含まれる他の情報の表示態様と異なる。例えば、作業補助装置20は、音声入力部13により検出された音声によって、これから作業者Oが行う第2作業W2が特定された場合、第1仮想手順書PM1に含まれる情報のうち特定された第2作業W2の作業手順を示す作業手順情報の背景色を、第1仮想手順書PM1に含まれる他の作業手順情報の背景色と異なる色に変化させる。これにより、作業補助装置20は、作業者Oが行う作業の作業手順を、作業者Oに容易に認識させることができる。図4に示した例では、作業手順情報SQ3の背景色が、他の作業手順情報の背景色と異なることを、ハッチングによって表している。なお、このようにして作業補助装置20が変化させる作業手順情報の表示態様は、作業手順情報の背景色に代えて、作業手順情報の文字の色、作業手順情報の形状等の作業手順情報の他の表示態様であってもよい。
このように、第1仮想手順書PM1には、第1作業W1において作業者Oが行う全ての作業についての作業手順情報が含まれている。このため、作業者Oは、例えば、第1仮想手順書PM1を見ることにより、第1作業W1の全体の流れを把握することができる。
次に、図5を参照し、第2仮想手順書PM2について説明する。図5は、第2仮想手順書PM2の一例を示す図である。また、図5は、第2仮想手順書PM2が表示された表示部11の表示面の一例を示す図である。図5に示した表示面DP1は、表示部11の表示面の一例である。
第2仮想手順書PM2は、前述した通り、作業者Oが行う第1作業W1に含まれる複数の第2作業W2それぞれの作業手順のうちの一部の当該作業手順を示す作業手順情報を含む仮想手順書のことである。例えば、第2仮想手順書PM2は、図5に示したように、ドラムロール式UI(User Interface)によって、複数の作業手順情報のうちの一部の作業手順情報を表示する仮想手順書である。なお、第2仮想手順書PM2は、ドラムロール式UIと異なるUIによって、複数の作業手順情報のうちの一部の作業手順情報を表示する仮想手順書であってもよい。
例えば、第2仮想手順書PM2には、作業者Oが現在行っている第2作業W2についての作業手順情報と、作業者Oが現在行っている第2作業W2の前に行われた第2作業W2についての作業手順情報と、作業者Oが現在行っている第2作業W2の後に行われる第2作業W2との3つの作業手順情報が表示される。図5に示した例では、第2仮想手順書PM2には、作業者Oが現在行っている第2作業W2についての作業手順情報として、作業手順情報SQ3が表示されている。また、当該例では、第2仮想手順書PM2には、作業者Oが現在行っている第2作業W2の前に行われた第2作業W2についての作業手順情報として、作業手順情報SQ2が表示されている。また、当該例では、作業者Oが現在行っている第2作業W2の後に行われる第2作業W2についての作業手順情報として、作業手順情報SQ4が表示されている。なお、第2仮想手順書PM2には、当該3つの作業手順情報に代えて、第1仮想手順書PM1に含まれる複数の作業手順情報のうち他のルールに基づいて選択された一部の作業手順情報が含まれる構成であってもよい。
ここで、作業補助装置20は、前述した通り、撮像部12により撮像された撮像画像に基づいて、作業者Oが視認している仮想物体に対する作業者Oからの仮想的な操作を受け付けることができる。また、図5に示した例では、第2仮想手順書PM2は、前述した通り、ドラムロール式UI(User Interface)によって、複数の作業手順情報のうちの一部の作業手順情報を表示する仮想手順書である。すなわち、作業補助装置20は、作業者Oから第2仮想手順書PM2に対する仮想的な操作を受け付け、第2仮想手順書PM2に表示されている作業手順情報を変化させることができる。
例えば、図6に示したように、作業補助装置20は、撮像部12により撮像された撮像画像に基づいて、作業者Oの指によって作業手順情報SQ3が選択されたことを認識する。図6は、作業者Oの指によって作業手順情報SQ3が選択されている場合における表示部11の表示面の一例を示す図である。作業補助装置20は、当該撮像画像に基づいて、作業者Oの指が図6に示した矢印が示す方向A2に向かって移動した場合、第2仮想手順書PM2に対して作業者Oから方向A2に向かってドラムロール式のUIを回転させる操作(例えば、フリック操作等)が行われたと判定する。なお、当該操作は、作業者Oの指による操作に代えて、他の方法による操作であってもよい。
作業補助装置20は、第2仮想手順書PM2に対して作業者Oから方向A2に向かってドラムロール式のUIを回転させる操作が行われたと判定した場合、図7に示したように、第2仮想手順書PM2に表示されている作業手順情報を変化させる。図7は、第2仮想手順書PM2に対して作業者Oから図6に示した矢印が示す方向A2に向かってドラムロール式のUIを回転させる操作が行われた場合における表示部11の表示面の一例を示す図である。図7に示した例では、第2仮想手順書PM2が有する領域のうち図6において作業手順情報SQ2が表示されていた領域には、作業手順情報SQ3が表示されている。また、当該例では、第2仮想手順書PM2が有する領域のうち図6において作業手順情報SQ3が表示されていた領域には、作業手順情報SQ4が表示されている。また、当該例では、第2仮想手順書PM2が有する領域のうち図6において作業手順情報SQ4が表示されていた領域には、作業手順情報SQ5が表示されている。すなわち、当該場合、第2仮想手順書PM2のドラムロール式のUIは、方向A2に向かって回転する。なお、作業補助装置20は、当該操作が行われたと判定した場合、第2仮想手順書PM2に表示されている作業手順情報を、他の方式によって変化させる構成であってもよい。
図5に戻る。図5に示した表示面DP1からは、表示面DP1を通して電気設備Eが見えている。また、図5に示した表示面DP1には、電気設備Eの4つの側面のうち図5に示した側面Mの上側に配置されている第1仮想手順書PM1が表示されている。前述した通り、第1仮想手順書PM1は、仮想空間VS内において位置及び姿勢が固定されている。このため、例えば、図5に示した矢印が示す方向A1に向かって表示装置10が移動する場合、表示面DP1に表示された第1仮想手順書PM1は、図8に示したように、表示面DP1を通して見えている電気設備Eとともに、方向A1と反対方向に移動して見える。図8は、図5に示した矢印が示す方向A1に向かって図5に示した表示面DP1が移動した場合における表示面DP1の一例を示す図である。図8に示した例では、表示面DP1の輪郭内に電気設備Eの側面Mが含まれているため、表示面DP1には、第1仮想手順書PM1が側面Mの上部に表示されている。一方、図8に示した第2仮想手順書PM2の表示面DP1上における位置及び姿勢は、当該場合であっても、図5に示した第2仮想手順書PM2の表示面DP1上における位置及び姿勢から変化していない。また、例えば、図8に示した矢印が示す方向A3に向かって表示装置10が更に移動する場合、表示面DP1に表示された第1仮想手順書PM1は、図9に示したように、電気設備Eとともに方向A3と反対方向に向かって表示面DP1の輪郭外に移動し、表示面DP1上から消える。このため、図9では、表示面DP1には、第2仮想手順書PM2が表示されているが、第1仮想手順書PM1が表示されていない。図9は、図8に示した矢印が示す方向A3に向かって図8に示した表示面DP1が移動した場合における表示面DP1の一例を示す図である。一方、図9に示した第2仮想手順書PM2の表示面DP1上における位置及び姿勢は、当該場合であっても、図8に示した第2仮想手順書PM2の表示面DP1上における位置及び姿勢から変化していない。
前述した通り、作業補助装置20は、第1実空間RS内において作業者Oに視認される第2仮想手順書PM2の表示装置10に対する相対的な位置及び姿勢が変化しないように、仮想空間VS内に配置されている第2仮想手順書PM2の位置及び姿勢を変化させる。このため、第2仮想手順書PM2の位置及び姿勢は、図8及び図9において説明したように、表示部11の表示面上において変化しない。これにより、作業補助装置20は、作業者Oの視界内における位置のうち作業者Oが所望する位置において、第2仮想手順書PM2の位置及び姿勢を変化させずに、作業者Oに視認させることができる。
また、作業補助装置20は、第1実空間RS内における表示装置10から第1仮想手順書PM1までの距離と第1実空間RS内における表示装置10から第2仮想手順書PM2までの距離とが等しい場合における第2仮想手順書PM2の大きさを、当該場合における第1仮想手順書PM1の大きさよりも小さくすることができる。これは、第2仮想手順書PM2に含まれている情報量(例えば、作業手順情報の数等)が、第1仮想手順書PM1に含まれている情報量(例えば、作業手順情報の数等)よりも少ないためである。すなわち、作業補助装置20は、図5、図8、図9において示したように作業補助装置20が作業者Oの視界の内側に常に第2仮想手順書PM2を表示させ続けた場合であっても、作業者Oの視界が遮られてしまうことを抑制することができる。その結果、作業者Oは、第2仮想手順書PM2を見ながら第1作業W1を行うことができ、必要に応じて、第2仮想手順書PM2に含まれていない情報を見るために、作業者Oにとって見易い位置に配置されている第1仮想手順書PM1を見ることができる。これにより、作業補助装置20は、作業者Oが第1作業W1を行う効率を向上させることができる。
なお、第1仮想手順書PM1と第2仮想手順書PM2とのうちいずれか一方又は両方は、上記において説明した作業手順情報に加えて、現在時刻を示す情報、第1作業W1を開始してからの経過時間を示す情報、作業者Oが第1作業W1を行い終えると推定される時間を示す情報、作業者Oが行い終えた第2作業W2を示す情報等の他の情報を含む構成であってもよい。
<作業補助装置が備える表示部の表示面に表示される情報>
以下、図10を参照し、作業補助装置20が備える表示部25に表示される情報について説明する。図10は、作業補助装置20が備える表示部25の表示面DP2の一例を示す図である。
表示面DP2に表示される情報は、補助者Hが部屋R2内において見る情報である。すなわち、補助者Hは、当該情報を見ることにより、作業者Oに対して各種の指示を与える。例えば、補助者Hは、表示装置10と音声の送受信が可能な通信装置を用いて、作業者Oが装着している表示装置10に音声を送信する。この場合、表示装置10は、補助者Hが当該通信装置に入力した音声を受信し、受信した音声を音声出力部14から出力し、作業者Oに当該音声を聞かせる。また、当該場合、当該通信装置は、作業者Oが音声入力部13を介して表示装置10に入力した音声を受信し、受信した音声を補助者Hに出力し、補助者Hに当該音声を聞かせる。なお、当該通信装置は、作業補助装置20と一体に構成されてもよく、別体に構成されてもよい。
表示面DP2には、図10に示したように、領域RA1と領域RA2が含まれている。
領域RA1は、表示装置10を通して作業者Oが見ている空間と同じ空間を表示する領域である。当該空間は、第1実空間RSに仮想空間VSが重畳された空間のことである。より具体的には、作業補助装置20は、撮像部12により撮像された撮像画像に対して、仮想空間VS内の領域のうち撮像領域に対応する領域の画像を重畳した画像を、領域RA1に表示する。ここで、当該撮像領域は、第1実空間RSに含まれる領域のうち当該撮像画像に撮像された領域のことである。当該画像は、作業者Oが見ている当該空間の画像とほぼ同じ画像である。これにより、作業補助装置20は、補助者Hに対して、作業者Oに視認させた空間と同じ空間を見せることができる。その結果、補助者Hは、作業者Oに対してより適切な指示を行うことができ、作業者Oが第1作業W1を行う効率を向上させることができる。すなわち、作業補助装置20は、表示部25に表示する領域RA1に基づいて、作業者Oが第1作業W1を行う効率を向上させることができる。
領域RA2は、図10に示したように、第1仮想手順書PM1を表示する領域である。作業補助装置20は、メモリー22に予め記憶された第1仮想手順書PM1を読み出し、読み出した第1仮想手順書PM1を領域RA2に表示させる。これにより、補助者Hは、作業者Oが視認している空間と同じ空間と、第1仮想手順書PM1との両方を見ながら、作業者Oに行わせたい所望の動作を指示することができる。その結果、作業補助装置20は、作業者Oが第1作業W1を行う効率を向上させることができる。
なお、作業補助装置20は、領域RA1と領域RA2に加えて、表示面DP2上に、現在時刻を示す情報、第1作業W1を開始してからの経過時間を示す情報、作業者Oが第1作業W1を行い終えると推定される時間を示す情報、作業者Oが行い終えた第2作業W2を示す情報等の他の情報を表示する構成であってもよい。
<作業準備期間内において作業補助装置が行う処理>
以下、図11を参照し、作業準備期間内において作業補助装置20が行う処理について説明する。作業準備期間は、作業者Oが部屋R1に入ってから、第1仮想手順書PM1及び第2仮想手順書PM2のそれぞれを表示部11に表示させるまでの間の期間のことである。図11は、作業準備期間内において作業補助装置20が行う処理の流れの一例を示す図である。図11に示したフローチャートでは、一例として、図11に示したステップS110の処理が行われるよりも前のタイミングにおいて、作業者Oが部屋R1に入り、第1実空間RSに仮想空間VSを重畳させる操作を作業補助装置20に対して行った場合について説明する。
表示制御部265は、メモリー22に予め記憶された仮想空間VSをメモリー22から読み出す(ステップS110)。仮想空間VSは、表示装置10により部屋R1内が撮像された撮像画像に基づく空間認識によって仮想空間生成部264により生成された情報であってもよく、他の装置によって生成された情報であってもよい。仮想空間生成部264が仮想空間VSを生成する場合、仮想空間生成部264は、撮像部12により第1実空間RSが撮像された撮像画像に基づいて、第1実空間RSに対応する仮想空間VSを生成する。仮想空間生成部264は、生成した仮想空間VSの各位置と、撮像部12により第1実空間RSが撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間RSの各位置とを対応付ける。
次に、撮像制御部261は、撮像部12が撮像可能な領域の撮像を撮像部12に開始させる。そして、画像取得部262は、撮像部12が撮像した撮像画像の撮像部12からの取得を開始する(ステップS120)。
次に、画像処理部263は、画像取得部262が撮像画像を取得する毎に、第1実空間RS内の領域のうち画像取得部262が取得した撮像画像に撮像された領域と、ステップS110においてメモリー22から読み出した仮想空間VSとのマッチングを行う。すなわち、画像処理部263は、画像取得部262が撮像画像を取得する毎に、仮想空間VS内の領域のうち撮像領域に対応する領域を特定する。撮像領域は、第1実空間RS内の領域のうち画像取得部262が取得した撮像画像に撮像された領域のことである。表示制御部265は、画像処理部263が特定した領域内に配置されている各種の仮想物体を表示部11に表示させ、第1実空間RSに対する仮想空間VSの重畳を開始する(ステップS130)。これにより、表示制御部265は、第1実空間RSに仮想空間VSを重畳した空間を作業者Oに視認させる。また、ステップS130において、画像処理部263は、画像取得部262が撮像画像を取得する毎に、特定した領域に基づいて、第1実空間RS内における表示装置10の位置及び姿勢を特定する。
次に、画像処理部263は、表示装置10の第1実空間RS内における位置のうち画像処理部263によって最初に特定された位置から、作業者Oが第1作業W1を行う位置までの経路を示す仮想物体(例えば、仮想的な矢印等)を、仮想誘導情報として生成する。表示制御部265は、生成した仮想誘導情報を仮想空間VS内に配置し、表示部11への仮想誘導情報の表示を開始する(ステップS140)。これにより、作業補助装置20は、作業者Oに対して、作業者Oが第1作業W1を行う位置を教示することができる。その結果、作業者Oは、地図を持ち歩く必要がなくなる。すなわち、作業補助装置20は、作業者Oが第1作業W1を行う準備段階において、作業者Oの利便性を向上させることができる。なお、画像処理部263は、仮想誘導情報が示す位置と異なる位置に作業者Oが向かおうとしているか否かを、撮像部12により撮像された撮像画像に基づいて判定する構成であってもよい。この場合、表示制御部265は、例えば、仮想誘導情報が示す位置と異なる位置に作業者Oが向かおうとしていると画像処理部263が判定すると、表示部11に警告を表示させる。当該警告は、仮想誘導情報が示す位置と異なる位置に作業者Oが向かおうとしていることを示す警告であれば、如何なる警告であってもよく、例えば、表示面DP1のうちの一部又は全部の色を変化させることであってもよく、仮想誘導情報が示す位置と異なる位置に作業者Oが向かおうとしていることを示す文章を表示させることであってもよい。また、作業補助装置20は、当該場合、仮想誘導情報が示す位置と異なる位置に作業者Oが向かおうとしていることを示す音を音声出力部14から出力させる音声出力制御部を備える構成であってもよい。
次に、表示制御部265は、第1条件が満たされるまで待機する(ステップS150)。ここで、第1条件は、第1仮想手順書PM1と第2仮想手順書PM2とのうちのいずれか一方又は両方を仮想空間VS内に配置させる操作を受け付けること、である。なお、第1条件は、これに代えて、他の条件であってもよい。なお、第1仮想手順書PM1を仮想空間VS内に配置させる操作は、第1操作の一例である。
表示制御部265は、第1条件が満たされたと判定した場合(ステップS150−YES)、満たされた第1条件に応じて、第1仮想手順書PM1と第2仮想手順書PM2とのいずれか一方又は両方を仮想空間VS内に配置する(ステップS160)。ここで、以下では、一例として、第1仮想手順書PM1と第2仮想手順書PM2と両方を仮想空間VS内に配置させる操作を作業補助装置20が受け付けたことにより、第1条件が満たされたと表示制御部265がステップS150において判定した場合について説明する。
ここで、第1仮想手順書PM1を仮想空間VS内に配置する操作は、例えば、表示装置10に対する音声入力によって行われてもよく、表示面DP1上に表示された操作パネルに対する作業者Oからの仮想的な操作によって行われてもよく、補助者Hからの作業補助装置20に対する操作によって行われてもよく、他の方法によって行われてもよい。また、第1仮想手順書PM1を仮想空間VS内に配置する操作には、第1実空間RS内における第1仮想手順書PM1の位置及び姿勢を示す操作が含まれている。
また、第2仮想手順書PM2を仮想空間VS内に配置する操作は、例えば、表示装置10に対する音声入力によって行われてもよく、表示面DP1上に表示された操作パネルに対する作業者Oからの仮想的な操作によって行われてもよく、補助者Hからの作業補助装置20に対する操作によって行われてもよく、他の方法によって行われてもよい。
ステップS160において、表示制御部265は、第1仮想手順書PM1を仮想空間VS内に配置する操作に応じて、第1仮想手順書PM1の姿勢が当該操作に応じた姿勢と一致するように、仮想空間VS内の位置のうち当該操作に応じた位置に第1仮想手順書PM1を配置する。当該位置は、第1位置の一例である。これにより、表示装置10は、撮像部12により撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間RS内の各位置(すなわち、生成された仮想空間VS内の各位置に対応する第1実空間RS内の各位置)と、仮想空間VS内に配置された第1仮想手順書PM1の位置との相対的な位置関係に応じて第1仮想手順書PM1を表示部11に表示させる。
また、ステップS160において、表示制御部265は、仮想空間VS内における表示部11の表示面からの相対的な位置のうち第1相対位置に対応する第1仮想相対位置に第2仮想手順書を配置し、仮想空間VS内における当該表示面と第2仮想手順書PM2との相対的な位置関係を保ったまま、撮像部12により撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間RS内の各位置と、仮想空間VS内に配置された第2仮想手順書PM2の位置との相対的な位置関係に応じて第2仮想手順書PM2を表示部11に表示させる。この際、表示制御部265は、メモリー22に予め記憶された第1相対位置を示す情報をメモリー22から読み出す。
なお、上記において説明した第1条件は、撮像部12により撮像された撮像画像に、作業者Oによって第1作業W1が行われる対象である電気設備Eが含まれていること、であってもよい。この場合、表示制御部265は、メモリー22に予め記憶された対応情報をメモリー22から読み出す。対応情報は、電気設備Eに対応付けられた第1仮想手順書PM1を示す情報と、電気設備Eに対応付けられた第2仮想手順書PM2を示す情報とが含まれる情報である。表示制御部265は、対応情報に基づいて、メモリー22に記憶された複数の第1仮想手順書のそれぞれを示す情報の中から、第1仮想手順書PM1を示す情報を読み出し、読み出した当該情報に基づいて第1仮想手順書PM1を仮想空間VS内に配置する。この際、仮想空間VS内における第1仮想手順書PM1の位置及び姿勢は、予め決まっていてもよく、作業者Oから受け付けてもよい。また、表示制御部265は、対応情報に基づいて、メモリー22に記憶された複数の第2仮想手順書のそれぞれを示す情報の中から、第2仮想手順書PM2を示す情報を読み出し、読み出した当該情報に基づいて第2仮想手順書PM2を仮想空間VS内に配置する。
以上のようにステップS160の処理が行われた後、表示制御部265は、図11に示したフローチャートの処理を終了する。
このように第1仮想手順書PM1と第2仮想手順書PM2が仮想空間VS内に配置されることにより、作業補助装置20は、第1仮想手順書PM1と第2仮想手順書PM2とを作業者Oに視認させることができ、その結果、作業者Oが第1作業W1を行う効率を向上させることができる。
<仮想物体に対する仮想的な操作を受け付けた場合において作業補助装置が行う処理>
以下、図12を参照し、仮想物体に対する仮想的な操作を受け付けた場合において作業補助装置20が行う処理について説明する。図12は、仮想物体に対する仮想的な操作を受け付けた場合において作業補助装置20が行う処理の流れの一例を示す図である。ここで、図12に示したフローチャートの処理は、図11に示したステップS130の処理が行われた後から、第1実空間RS内に仮想空間VSが重畳された空間を表示装置10によって作業者Oに視認させる処理が終了するまでの間、繰り返し行われる処理である。
画像処理部263は、画像取得部262により取得された撮像画像に基づいて、作業者Oの手の動きを認識する。画像処理部263は、画像処理部263によって認識された当該動きと、仮想空間VS内に配置された仮想物体(例えば、第1仮想手順書PM1、第2仮想手順書PM2等)の位置及び姿勢とに基づいて、当該仮想物体に仮想的な操作が行われたか否かを判定する(ステップS210)。
ここで、仮想空間VS内に配置された仮想物体に対して行われる仮想的な操作は、例えば、仮想物体を移動させる操作、仮想物体の表示を切り替える操作、当該仮想物体の表示を削除する操作、他の仮想物体を表示させる操作等であるが、これらに限られるわけではない。ステップS210では、画像処理部263は、仮想空間VS内に配置された仮想物体に対して、このような仮想的な操作が行われたか否かを判定する。
画像処理部263は、仮想空間VS内に配置された仮想物体に仮想的な操作が行われていないと判定した場合(ステップS210−NO)、ステップS210に遷移し、画像取得部262により取得された撮像画像に基づいて、作業者Oの手の動きを再び認識する。そして、画像処理部263は、画像処理部263によって認識された当該動きと、仮想空間VS内に配置された仮想物体の位置及び姿勢とに基づいて、当該仮想物体に仮想的な操作が行われたか否かを再び判定する。
一方、表示制御部265は、仮想空間VS内に配置された仮想物体に仮想的な操作が行われたと画像処理部263が判定した場合(ステップS210−YES)、当該操作に応じた処理を行う(ステップS220)。例えば、当該操作が、第2仮想手順書PM2に対する操作のうち作業者Oから方向A2に向かってドラムロール式のUIを回転させる操作であった場合、図6及び図7において説明したように、表示制御部265は、第2仮想手順書PM2のドラムロール式UIを、方向A2に向かって回転させる。また、仮想空間VS内に配置された仮想物体に仮想的な操作が、ボタンPB1を押下する操作であった場合、表示制御部265は、ボタンPB1に応じた動画を再生する。
ステップS220の処理が行われた後、画像処理部263は、ステップS210に遷移し、画像取得部262により取得された撮像画像に基づいて、作業者Oの手の動きを再び認識する。そして、画像処理部263は、画像処理部263によって認識された当該動きと、仮想空間VS内に配置された仮想物体の位置及び姿勢とに基づいて、当該仮想物体に仮想的な操作が行われたか否かを再び判定する。
このように、作業補助装置20は、作業者Oが仮想物体に対して行った仮想的な操作を受け付け、受け付けた操作に応じた処理を行う。これにより、作業補助装置20は、例えば、第1実空間RS内における(すなわち、仮想空間VS内における)第1仮想手順書PM1の位置及び姿勢を、所望の位置及び姿勢に変更することができる。また、作業補助装置20は、作業者Oが所望する仮想物体の表示、当該仮想物体の表示の削除等を行うことができる。
<作業補助装置が作業者の作業履歴を記憶する処理>
ここで、作業補助装置20は、作業者Oの作業履歴を記憶する。これにより、作業補助装置20は、例えば、作業者Oが第1作業W1を正常に行い終えたか否かを、作業者Oの仕事を管理する管理者に後から確認させることができる。また、これにより、作業補助装置20は、作業者Oが第1作業W1を行った際に生じたであろうミス、事故等を、作業者O又は作業者Oと異なる人に、後から確認させることができる。
以下、図13を参照し、作業補助装置20が作業者Oの作業履歴を記憶(記録)する処理について説明する。図13は、作業補助装置20が作業者Oの作業履歴を記憶する処理の流れの一例を示す図である。ここで、図13に示したフローチャートの処理は、図11に示したステップS130の処理が行われた後から、第1実空間RS内に仮想空間VSが重畳された空間を表示装置10によって作業者Oに視認させる処理が終了するまでの間、繰り返し行われる処理である。
記憶制御部266は、作業者Oからの指示を作業補助装置20が認識するまで待機する(ステップS310)。ここで、記憶制御部266は、例えば、撮像部12により撮像された作業者Oの手の動き(ジェスチャー)が、各種の指示に対応付けられた動作のうちのいずれかの動作と一致したと画像処理部263が判定した場合、作業者Oからの指示を作業補助装置20が認識したと判定する。また、記憶制御部266は、例えば、音声入力部13により入力された音声が、各種の指示に対応付けられた音声のうちのいずれかの音声と一致したと音声認識処理部267が判定した場合、作業者Oからの指示を作業補助装置20が認識したと判定する。
記憶制御部266は、作業者Oからの指示を作業補助装置20が認識したと判定した場合(ステップS310−YES)、当該指示が第2作業W2を示す指示であったか否かを判定する(ステップS320)。
記憶制御部266は、作業補助装置20が認識した指示が第2作業W2を示す指示であると判定した場合(ステップS320−YES)、複数の第2作業W2のうちの当該指示が示す第2作業W2を、これから作業者Oが行う第2作業W2として特定し(ステップS325)、ステップS310に遷移する。そして、記憶制御部266は、作業者Oからの指示を作業補助装置20が認識するまで再び待機する。ここで、当該指示が音声による指示であった場合、当該音声は、例えば、「これから、xxxの作業を行う」であるが、これに限られるわけではない。なお、当該音声に含まれる「xxx」は、当該第2作業W2を示す文言である。また、当該音声は、他の音声であってもよい。
一方、記憶制御部266は、作業補助装置20が認識した指示が第2作業W2を示す指示ではないと判定した場合(ステップS320−NO)、当該指示が、直前に実行されたステップS325において特定された第2作業W2を開始する開始指示であるか否かを判定する(ステップS330)。
記憶制御部266は、作業補助装置20が認識した指示が、直前に実行されたステップS325において特定された第2作業W2を開始する開始指示であると判定した場合(ステップS330−YES)、現在の日時を示す情報を、作業者Oが当該第2作業W2を行い始めた日時である作業開始日時情報(すなわち、タイムスタンプ)としてメモリー22に記憶させる(ステップS340)。この際、記憶制御部266は、当該第2作業W2を示す情報を当該作業開始日時情報に対応付けて、メモリー22に記憶させる。ここで、当該開始指示が作業者Oの手の動きによる指示であった場合、記憶制御部266は、作業開始日時情報を記憶させるための何らかの手順が必要であることを作業者Oに意識させることなく、作業開始日時情報を記憶させることができる。また、当該開始指示が音声による指示であった場合、当該音声は、例えば、「xxxの作業開始」であるが、これに限られるわけではない。なお、当該音声に含まれる「xxx」は、前述した通り、当該第2作業W2を示す文言である。また、当該音声は、他の音声であってもよい。
次に、記憶制御部266は、直前に画像取得部262により取得された撮像画像を、作業開始画像としてメモリー22に記憶させる(ステップS350)。ここで、当該作業開始画像は、直前に実行されたステップS325において特定された第2作業W2を開始したタイミングにおいて撮像部12により撮像された画像のことである。
次に、表示制御部265は、第1仮想手順書PM1及び第2仮想手順書PM2のそれぞれを更新する(ステップS360)。
具体的には、表示制御部265は、直前に実行されたステップS325において特定された第2作業W2についての作業手順情報を、作業者Oが現在行っている第2作業W2についての作業手順情報として特定する。また、表示制御部265は、第1仮想手順書PM1に含まれる複数の作業手順情報のうち、作業者Oが現在行っている第2作業W2についての作業手順情報の表示態様を、作業者Oが現在行っていない第2作業W2についての表示態様に変化させる。そして、表示制御部265は、第1仮想手順書PM1に含まれる複数の作業手順情報のうち、特定した作業手順情報の表示態様を、作業者Oが現在行っている第2作業W2についての作業手順情報であることを示す表示態様に変化させる。このようにして、表示制御部265は、ステップS360において、第1仮想手順書PM1を更新する。
また、表示制御部265は、第2仮想手順書PM2に含まれる複数の作業手順情報のうち、作業者Oが現在行っている第2作業W2についての作業手順情報の表示態様を、作業者Oが現在行っていない第2作業W2についての表示態様に変化させる。そして、表示制御部265は、第2仮想手順書PM2に含まれる複数の作業手順情報のうち、特定した作業手順情報の表示態様を、作業者Oが現在行っている第2作業W2についての作業手順情報であることを示す表示態様に変化させる。また、表示制御部265は、図5に示したドラムロール式UIを回転させ、特定した作業手順情報を、当該ドラムロール式UIにおいて作業手順情報が表示される3つの領域のうちの真ん中の領域に表示させる。このようにして、表示制御部265は、ステップS360において、第2仮想手順書PM2を更新する。
ステップS360の処理が行われた後、記憶制御部266は、ステップS310に遷移し、作業者Oからの指示を作業補助装置20が認識するまで再び待機する。
一方、記憶制御部266は、作業補助装置20が認識した指示が、直前に実行されたステップS325において特定された第2作業W2を開始する開始指示ではないと判定した場合(ステップS330−NO)、当該指示が、直前に実行されたステップS325において特定された第2作業W2を終了する終了指示であるか否かを判定する(ステップS370)。
記憶制御部266は、作業補助装置20が認識した指示が、直前に実行されたステップS325において特定された第2作業W2を終了する終了指示であると判定した場合(ステップS370−YES)、現在の日時を示す情報を、作業者Oが当該第2作業W2を行い終わった日時である作業終了日時情報(すなわち、タイムスタンプ)としてメモリー22に記憶させる(ステップS380)。この際、記憶制御部266は、当該第2作業W2を示す情報を当該作業終了日時情報に対応付けて、メモリー22に記憶させる。ここで、当該終了指示が作業者Oの手の動きによる指示であった場合、記憶制御部266は、作業終了日時情報を記憶させるための何らかの手順が必要であることを作業者Oに意識させることなく、作業終了日時情報を記憶させることができる。また、当該終了指示が音声による指示であった場合、当該音声は、例えば、「xxxの作業終了」であるが、これに限られるわけではない。なお、当該音声に含まれる「xxx」は、前述した通り、当該第2作業W2を示す文言である。また、当該音声は、他の音声であってもよい。
次に、記憶制御部266は、直前に画像取得部262により取得された撮像画像を、作業終了画像としてメモリー22に記憶させる(ステップS390)。ここで、当該作業終了画像は、直前に実行されたステップS325において特定された第2作業W2を終了したタイミングにおいて撮像部12により撮像された画像のことである。
ステップS390の処理が行われた後、記憶制御部266は、ステップS310に遷移し、作業者Oからの指示を作業補助装置20が認識するまで再び待機する。
一方、記憶制御部266は、作業補助装置20が認識した指示が、直前に実行されたステップS325において特定された第2作業W2を終了する終了指示ではないと判定した場合(ステップS370−NO)、予め決められた警告条件を満たしているか否かを当該指示が判定する(ステップS400)。
ここで、警告条件は、複数の条件を含んでいてもよく、1つの条件のみを含んでいてもよい。警告条件は、例えば、以下の1)、2)の2つの条件を含んでいる。なお、以下では、説明を簡略化するため、作業補助装置20が認識した指示、音声による指示であった場合を例に挙げて説明する。
1)音声認識処理部267により認識された音声が作業手順を示す音声であり、且つ、直前に実行されたステップS325において特定された第2作業W2についての作業手順情報が示す作業手順と当該音声が示す作業手順とが矛盾していること
2)音声認識処理部267により認識された音声が作業手順を示す音声であり、且つ、撮像部12により撮像された撮像画像に基づいて画像処理部263が認識した作業手順と当該音声が示す作業手順とが矛盾していること
すなわち、前述の音声認識処理部267は、この一例において、音声認識処理部267により認識された音声が警告条件を満たしているか否かの判定を行う。このような判定は、例えば、自然言語解析のアルゴリズムを用いて行われるが、他のアルゴリズムを用いる構成であってもよい。
表示制御部265は、作業補助装置20が認識した指示が警告条件を満たしていると音声認識処理部267が判定した場合(ステップS400−YES)、作業者Oに警告を行う(ステップS410)。ここで、表示制御部265は、例えば、表示部11の表示面上の色を、当該警告を示す色(例えば、赤色)に変化させることにより、当該警告を行う。また、表示制御部265は、表示部11に当該警告を示す文章を表示させることにより、当該警告を行う。なお、作業補助装置20は、当該警告を行う際、表示装置10の音声出力部14から当該警告を示す音声を出力させる構成であってもよい。
ステップS400の処理が行われた後、記憶制御部266は、ステップS310に遷移し、作業者Oからの指示を作業補助装置20が認識するまで再び待機する。
一方、記憶制御部266は、作業補助装置20が認識した指示が警告条件を満たしていないと音声認識処理部267が判定した場合(ステップS400−NO)、ステップS310に遷移し、作業者Oからの指示を作業補助装置20が認識するまで再び待機する。
以上のように、作業補助装置20は、第1作業W1に含まれる複数の第2作業W2のいずれかの第2作業W2を行い始めるタイミングにおいて、作業履歴として、当該第2作業W2についての作業開始日時情報と、第2作業W2についての作業開始画像とを記憶する。なお、作業補助装置20は、当該タイミングにおいて、作業履歴として、当該作業開始日時情報と、当該作業開始画像とのいずれか一方を記憶する構成であってもよい。また、作業補助装置20は、第1作業W1に含まれる複数の第2作業W2のいずれかの第2作業W2を行い終えたタイミングにおいて、作業履歴として、当該第2作業W2についての作業終了日時情報と、第2作業W2についての作業終了画像とを記憶する。なお、作業補助装置20は、当該タイミングにおいて、作業履歴として、当該作業終了日時情報と、当該作業終了画像とのいずれか一方を記憶する構成であってもよい。これらにより、作業補助装置20は、作業者Oが第1作業W1を正常に行い終えたか否かを、作業者Oの仕事を管理する管理者に後から確認させることができる。また、これらにより、作業補助装置20は、作業者Oが第1作業W1を行った際に生じたであろうミス、事故等を、作業者O又は作業者Oと異なる人に、後から確認させることができる。
また、以上のように、作業補助装置20は、作業者Oに対して各種の警告を行うことができる。
なお、作業補助装置20は、ある警告をステップS410において作業者Oに対して行う場合、表示部25に当該警告を示す情報を表示させる構成であってもよい。これにより、作業補助装置20は、補助者Hに対しても当該警告を行うことができる。その結果、作業者Oが当該警告に気づかなかった場合であっても、作業者Oには、補助者Hによって当該警告の報知が行われる。すなわち、作業補助装置20は、作業者Oが何らかの誤った作業を行ってしまうことを抑制することができる。ここで、作業補助装置20が補助者Hへ行う当該警告の態様(すなわち、音声、文章の表示等)と、作業補助装置20が作業者Oへ行う当該警告の態様とは、同じ態様であってもよく、異なる態様であってもよい。
上記において説明した実施形態では、第1作業W1を行う人が作業者Oの1人のみであった。しかしながら、作業補助システム1では、第1作業W1を行う人が2人以上であってもよい。この場合、作業補助システム1は、複数の表示装置10を備え、作業補助装置20は、当該複数の表示装置10のそれぞれを制御する。しかし、作業補助装置20によって制御される個々の表示装置10の動作は、上記において説明した表示装置10の動作と同様の動作である。
以上のように、実施形態に係る作業補助装置は、ユーザーが行う第1作業に含まれる複数の第2作業それぞれの作業手順を示す情報を含む第1仮想手順書と、複数の作業手順のうちの一部の作業手順を示す情報を含む第2仮想手順書とを、ユーザーの頭部に装着可能な表示装置に表示し、ユーザーが行う第1作業を補助する作業補助装置であって、表示装置は、透過型の表示部と、実空間を撮像する撮像部とを有し、撮像部により所定の第1実空間が撮像された撮像画像に基づいて生成された仮想空間の各位置は、撮像部により第1実空間が撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間の各位置と対応付けられており、作業補助装置は、表示部に第1仮想手順書及び第2仮想手順書を表示させる表示制御部を備え、表示制御部は、受け付けた第1操作に応じて、第1仮想手順書の姿勢が第1操作に応じた姿勢と一致するように、仮想空間内の位置のうち第1操作に応じた第1位置に第1仮想手順書を配置し、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間内の各位置と、仮想空間内に配置された第1仮想手順書の位置との相対的な位置関係に応じて第1仮想手順書を表示部に表示させ、仮想空間内における表示部の表示面からの相対的な位置のうち予め決められた第1相対位置に対応する第1仮想相対位置に第2仮想手順書を配置し、仮想空間内における表示面と第2仮想手順書との相対的な位置関係を保ったまま、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間内の各位置と、仮想空間内に配置された第2仮想手順書の位置との相対的な位置関係に応じて第2仮想手順書を表示部に表示させる。これにより、作業補助装置は、ユーザーが第1作業を行う効率を向上させることができる。
また、作業補助装置は、ユーザーが行う第1作業に含まれる複数の第2作業それぞれの作業手順を示す情報を含む第1仮想手順書と、複数の作業手順のうちの一部の作業手順を示す情報を含む第2仮想手順書とを、ユーザーの頭部に装着可能な表示装置に表示し、ユーザーが行う第1作業を補助する作業補助装置であって、表示装置は、ユーザーに対して第1仮想手順書及び第2仮想手順書を表示するための透過型の表示部と、実空間を撮像する撮像部とを有し、作業補助装置は、撮像部により所定の第1実空間が撮像された撮像画像に基づいて、第1実空間に対応する仮想空間を生成し、生成した仮想空間の各位置と、撮像部により第1実空間が撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間の各位置とを対応付ける仮想空間生成部と、表示部に第1仮想手順書及び第2仮想手順書を表示させる表示制御部と、を備え、表示制御部は、受け付けた第1操作に応じて、第1仮想手順書の姿勢が第1操作に応じた姿勢と一致するように、仮想空間内の位置のうち第1操作に応じた第1位置に第1仮想手順書を配置し、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間内の各位置と、仮想空間内に配置された第1仮想手順書の位置との相対的な位置関係に応じて第1仮想手順書を表示部に表示させ、仮想空間内における表示部の表示面からの相対的な位置のうち予め決められた第1相対位置に対応する第1仮想相対位置に第2仮想手順書を配置し、仮想空間内における表示面と第2仮想手順書との相対的な位置関係を保ったまま、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて算出された第1実空間内の各位置と、仮想空間内に配置された第2仮想手順書の位置との相対的な位置関係に応じて第2仮想手順書を表示部に表示させる。これにより、作業補助装置は、ユーザーが第1作業を行う効率を向上させることができる。
また、作業補助装置では、第1作業は、電気設備に対して行う作業である、構成が用いられてもよい。
また、作業補助装置では、表示制御部は、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、第2仮想手順書に含ませる1以上の作業手順を特定し、特定した1以上の作業手順を含む第2仮想手順書を表示部に表示させる、構成が用いられてもよい。
また、作業補助装置では、表示制御部は、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、第1実空間内においてユーザーが第1作業を行う位置までの経路を示す仮想物体を仮想空間内に配置し、表示部に表示させる、構成が用いられてもよい。
また、作業補助装置では、表示装置は、音声を検出する音声入力部を備える、構成が用いられてもよい。
また、作業補助装置では、作業補助装置は、音声入力部により検出された音声に基づいて、作業履歴を記憶する記憶制御部を備える、構成が用いられてもよい。
また、作業補助装置では、表示制御部は、前記音声入力部により検出された音声に基づいて、警告を前記表示部に表示させる、構成が用いられてもよい。
また、作業補助装置では、表示装置と無線通信によって互いに通信可能に接続されている、構成が用いられてもよい。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
また、以上に説明した装置における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。ここで、当該装置は、例えば、作業補助装置20等である。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disk)−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル又は差分プログラムであってもよい。