JP2020085812A - X線・中性子ハイブリッド撮像装置 - Google Patents

X線・中性子ハイブリッド撮像装置 Download PDF

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【課題】低密度の素材と高密度の素材を備える被検体に対し、短い時間間隔で連続的に、低密度の素材の部分と高密度の素材の部分の両方の内部を非破壊で検査できる、X線・中性子ハイブリッド撮像装置を提供する。【解決手段】本発明によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、電子発生源1が接続され、第1の加速管4と第2の加速管6とに分岐した電子加速管2と、第1の加速管4に接続され、電子線が照射されるとX線を発生するX線発生ターゲット部5と、第2の加速管6に接続され、電子線が照射されると中性子を発生する中性子発生ターゲット部7と、X線発生ターゲット部5に対向する位置に設置されたX線検出器12と、中性子発生ターゲット部7に対向する位置に設置された中性子検出器15と、電子加速管2の分岐部に設置され、磁場の強度分布が変化することにより、第1の加速管4へと第2の加速管6への電子線の分配を切り替える電磁石3とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、X線と中性子で被検体を撮像するX線・中性子ハイブリッド撮像装置に関する。
自動車用部品に代表される量産機械部品の製造ラインにおける健全性と品質の検査では、信頼性を高めるために、製造した部品の全数検査が求められている。量産機械部品の検査では、寸法と形状が主な評価項目であるが、これらの他に、製造プロセス時に発生することがある内部欠陥の検出が重要である。製品の内部欠陥の検出には、製品内部を非破壊で計測する必要がある。製品内部の非破壊検査で最も有効な計測手段は、X線と中性子による透過像とCT像の撮像である。
近年、車体骨格部品や電力機器部品では、軽量化と高強度化を実現するために、低密度で高強度の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等の新素材と従来のSUS・アルミ系の高密度の金属材とを接合・混在させて構成された部品が増加している。このため、このような低密度の新素材と高密度の従来の金属材とが一体となった部品に対する内部欠陥検査が重要である。
X線は、透過減衰率が高密度の金属材に対して高く低密度の部材に対して低いので、金属材の内部欠陥の計測に感度が高く、低密度部材の内部欠陥の計測に感度が低い。このため、高密度の素材の内部欠陥計測には、X線による透過像及びCT像の撮像が、感度が高くて好ましいといえる。
中性子は、X線とは逆に、透過減衰率が水素等の軽元素に対して高く高密度の金属材に対して低いので、低密度部材の内部欠陥の計測に感度が高く、金属材の内部欠陥の計測に感度が低い。このため、低密度の素材の内部欠陥計測には、中性子による透過像及びCT像の撮像が、感度が高くて好ましいといえる。
したがって、低密度の新素材と高密度の従来の金属材とが一体となったアセンブリ製品では、低密度の素材で構成された部分と高密度の素材で構成された部分の両方の内部を検査して、製品の健全性を評価する必要がある。このためには、X線による透過像・CT像の撮像と中性子による透過像・CT像の撮像の両者の活用が必要である。
さらに、製造ラインにおける全数検査では、製品が短時間で連続的に製造されるため、短い時間間隔で継続的に内部欠陥の有無や健全性を判定する必要がある。このため、低密度の素材と高密度の金属材とが一体となったアセンブリ製品に対して、短い時間間隔で継続的に健全性評価に必要な物理量を計測することが望まれている。
特許文献1には、複数の放射線源と複数の放射線を測定する放射線検出装置を備える複合型廃棄体確認システムが記載されている。
特開2008−82779号公報
上述したように、低密度で高強度の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等の新素材と従来のSUS・アルミ系の高密度の金属材とが接合または混在して一体となったアセンブリ製品に対しては、内部欠陥の検査にX線と中性子の両者を活用する必要がある。
従来、X線を用いた撮像と中性子を用いた撮像は、それぞれ独立した装置システムで実行されている。このようなシステムでは、撮像される被検体の設置、撮像、及び取り出しという処理を異なる2つの装置において繰り返す必要があり、計測に要する時間が膨大となる。このため、自動車用部品等の量産機械部品の全数検査には適用できない。
特許文献1に記載の複合型廃棄体確認システムは、複数の放射線を被検体に照射し複数の放射線を測定できるが、多数の被検体を複数の放射線源で連続的に計測することは難しく、量産機械部品の全数検査には適用できない。
研究施設での例として、1つの電子線加速器に対してX線発生のためのX線ターゲットと中性子発生のための中性子ターゲットが高さ方向に並んで配置され、これらのターゲットが高さ方向に移動することにより入れ替わって電子線加速器に連結することにより、X線と中性子の両者により撮像する方法が提案されている。この方法では、ターゲットの交換及び交換後の位置決め調整等に、1日オーダーの時間を必要とする。このため、この方法でも、同一被検体に対してX線と中性子の両方で計測するのに要する時間が膨大となり、量産機械部品の全数検査には適用できない。
本発明は、上記のような事情を背景になされたものであり、低密度の素材と高密度の素材を備える被検体に対し、短い時間間隔で連続的に、低密度の素材の部分と高密度の素材の部分の両方の内部を非破壊で検査できる、X線・中性子ハイブリッド撮像装置を提供することを目的とする。
一端に電子発生源が接続され、他端で第1の加速管と第2の加速管とに分岐し、前記電子発生源で発生した電子を加速して電子線を形成する電子加速管と、前記第1の加速管の一端に接続され、前記電子線が照射されるとX線を発生するX線発生ターゲット部と、前記第2の加速管の一端に接続され、前記電子線が照射されると中性子を発生する中性子発生ターゲット部と、前記X線発生ターゲット部に対向する位置に設置されたX線検出器と、前記中性子発生ターゲット部に対向する位置に設置された中性子検出器と、前記電子加速管の分岐部に設置され、磁場の強度分布が変化することにより、前記第1の加速管への前記電子線の分配と前記第2の加速管への前記電子線の分配とを切り替える電磁石とを備える。
本発明によると、低密度の素材と高密度の素材を備える被検体に対し、短い時間間隔で連続的に、低密度の素材の部分と高密度の素材の部分の両方の内部を非破壊で検査できる、X線・中性子ハイブリッド撮像装置を提供することができる。
本発明の実施例1によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置の構成を示す上面図である。 本発明の実施例1によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置の構成を示す縦断面図であり、X線での撮像に関連する部分を示す図である。 本発明の実施例1によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置の構成を示す縦断面図であり、中性子での撮像に関連する部分を示す図である。 本発明の実施例1によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置が、X線及び中性子で被検体のCT像を撮像し、CT像で被検体の健全性を判定する処理フローの例を示す図である。 本発明の実施例2によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置の構成を示す上面図である。 本発明の実施例3によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置が、X線及び中性子で被検体の透過像を撮像し、透過像で被検体の健全性を判定する処理フローの例を示す図である。
本発明によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、電子加速管がX線を発生させるための加速管と中性子を発生させるための加速管とに分岐し、電子発生源からの電子を分岐部でこれら2つの加速管に逐次分配し、電子をX線発生用ターゲットと中性子発生用ターゲットに衝突させることによりX線と中性子を連続的に発生させる。本発明によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、それぞれのターゲットに対向した位置に、被検体を設置した回転テーブルを挟んで、X線検出器と中性子検出器を備え、X線による透過像及びCT像の撮像と中性子による透過像及びCT像の撮像が可能である。
本発明によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、被検体の内部状態を非破壊で連続的に短い時間間隔で撮像することができ、被検体の内部欠陥の有無を判定することができる。本発明では、密度の異なる複数の素材(例えば、低密度の新素材と高密度の従来の金属材)で構成された被検体の各素材の部分に対して、内部欠陥を非破壊で計測し、健全性を判定できる。このため、本発明によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、自動車用部品等の量産機械部品の製造ラインにおける部品の全数検査(インライン検査)に適用でき、密度の異なる複数の素材から構成された被検体の内部欠陥の検出と健全性の評価に用いることができる。
X線による透過像及びCT像の撮像と中性子による透過像及びCT像の撮像では、被検体を360°回転させ、放射線検出器(X線検出器と中性子検出器)が被検体を透過した放射線を一定の角度ピッチで計測する。放射線の投影像を取得すると、被検体の透過像が得られ、画像(投影像)の再構成を実施すると、被検体の3次元CT像が得られる。X線及び中性子による透過像及びCT像の撮像では、内部欠陥だけでなく、外部からは計測できない内部の複雑な3次元の形状及び寸法も、撮像画像から計測できる。
本発明によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置では、被検体を搬送コンベアにより移動させてX線と中性子で撮像するので、短い時間間隔で連続的に、被検体の健全性(内部欠陥の有無)を高精度で判定できる。
以下、本発明の実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置を、図面を用いて説明する。
実施例1では、X線及び中性子で生成する被検体の撮像画像としてCT像(被検体の3次元構造を再現した画像)を生成し、CT像を用いて被検体の健全性(内部欠陥の有無)を判定する例を示す。
図1は、本発明の実施例1によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置の構成を示す上面図である。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、X線と中性子を逐次発生させる放射線源として、電子加速器とターゲット部とを備える。電子加速器は、電子発生源1、電子加速管共通部2、電子線軌道制御用電磁石3、電子線加速管X線源部4、及び電子線加速管中性子源部6を備える。ターゲット部は、X線発生ターゲット部5、及び中性子発生ターゲット部7を備える。
電子発生源1は、電子加速管共通部2に接続し、電子を発生する。
電子加速管共通部2は、電子発生源1で発生した電子を加速して電子線を形成する加速管である。電子加速管共通部2は、一端で電子発生源1に接続し、他端(終端)で2つの加速管、すなわち電子線加速管X線源部4と電子線加速管中性子源部6とに分岐する。
電子線加速管X線源部4と電子線加速管中性子源部6は、電子加速管共通部2の他端(終端)にある分岐部で電子加速管共通部2に接続する。
電子線軌道制御用電磁石3は、電子加速管共通部2の分岐部に設置され、電子制御により磁場を生成する。電子線軌道制御用電磁石3は、電子制御により磁場の強度分布が変化して電子線の軌道を変えることで、電子加速管共通部2から分岐した電子線加速管X線源部4と電子線加速管中性子源部6とに電子線を分配する。
電子線加速管X線源部4は、一端(終端)にX線発生ターゲット部5が接続され、電子加速管共通部2から分配された電子線を加速してX線発生ターゲット部5に照射する。
電子線加速管中性子源部6は、一端(終端)に中性子発生ターゲット部7が接続され、電子加速管共通部2から分配された電子線を加速して中性子発生ターゲット部7に照射する。
X線発生ターゲット部5は、例えばタングステンで構成され、電子線が照射されるとX線を発生し、撮像対象である被検体10(10a)に対してX線を照射する。
中性子発生ターゲット部7は、例えばベリリウムで構成され、電子線が照射されると中性子を発生し、撮像対象である被検体10(10b)に対して中性子を照射する。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、さらに、搬送コンベア8と回転テーブル9(9a、9b)を備える。
回転テーブル9aは、撮像対象である被検体10aを載置する。回転テーブル9bは、撮像対象である被検体10bを載置する。図1に示した例では、被検体10aは、X線により撮像され、被検体10bは、中性子により撮像される。
搬送コンベア8は、被検体10aが載置された回転テーブル9aを、X線発生ターゲット部5で発生したX線が被検体10aを照射する位置に搬送し、被検体10bが載置された回転テーブル9bを、中性子発生ターゲット部7で発生した中性子が被検体10bを照射する位置に搬送する。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、さらに、X線検出部と中性子検出部を備える。X線検出部は、X線検出器12、X線検出用コリメータ11、及びX線検出データ処理回路13を備える。中性子検出部は、中性子検出器15、中性子検出用コリメータ14、及び中性子検出データ処理回路16を備える。
X線検出器12は、X線発生ターゲット部5に対向する位置に設置され、被検体10aにX線を照射して得られた撮像画像(X線による撮像画像)を取得する。
X線検出用コリメータ11は、撮像画像(投影像)の空間分解能を高めるために、X線発生ターゲット部5に対向する位置で、X線検出器12の前面とX線発生ターゲット部5との間に設置される。
X線検出データ処理回路13は、X線検出器12が取得した撮像画像をデジタル化し、撮像データ(X線投影データ)を取得する。
中性子検出器15は、中性子発生ターゲット部7に対向する位置に設置され、被検体10bに中性子を照射して得られた撮像画像(中性子による撮像画像)を取得する。
中性子検出用コリメータ14は、撮像画像(投影像)の空間分解能を高めるために、中性子発生ターゲット部7に対向する位置で、中性子検出器15の前面と中性子発生ターゲット部7との間に設置される。
中性子検出データ処理回路16は、中性子検出器15が取得した撮像画像をデジタル化し、撮像データ(中性子投影データ)を取得する。
被検体10aは、X線発生ターゲット部5とX線検出用コリメータ11との間に搬送される。被検体10bは、中性子発生ターゲット部7と中性子検出用コリメータ14との間に搬送される。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、さらに、画像処理用計算機17、及び装置全体制御計算機18を備える。
画像処理用計算機17は、X線検出器12が取得したX線による撮像画像から被検体10aのX線による3次元CT像を生成し、中性子検出器15が取得した中性子による撮像画像から被検体10bの中性子による3次元CT像を生成する。画像処理用計算機17は、X線検出データ処理回路13が取得したX線投影データと中性子検出データ処理回路16が取得した中性子投影データを用いて画像の再構成処理を実施し、被検体10aのX線による3次元CT像と被検体10bの中性子による3次元CT像を生成する。
装置全体制御計算機18は、電子加速器、搬送コンベア8、回転テーブル9a、9b、及び画像処理用計算機17を制御する。
電子線軌道制御用電磁石3は、装置全体制御計算機18に電子制御され、磁場の強度分布が変化することにより、電子線の電子線加速管X線源部4への分配と電子線加速管中性子源部6への分配とをミリ秒オーダーで切り替えることができる。これにより、本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、被検体10aへのX線の照射と被検体10bへの中性子の照射とを、ミリ秒オーダーで切り替えることができる。
図2Aと図2Bは、本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置の構成を示す縦断面図である。図2Aには、本実施例による撮像装置のうち、X線による被検体10aの撮像に関連する部分を示す。図2Bには、本実施例による撮像装置のうち、中性子による被検体10bの撮像に関連する部分を示す。
被検体10aを載置する回転テーブル9aと、被検体10bを載置する回転テーブル9bは、上下方向駆動機構19を備える。上下方向駆動機構19は、回転テーブル9a、9bを高さ方向(上下方向)に移動させる。本実施例による撮像装置は、被検体10a、10bを高さ方向に予め定めた一定の距離ずつ移動させて高さ方向の位置を変え、被検体10a、10bを全高さ方向について撮像する。
放射線源、X線検出部、及び中性子検出部は、高さ方向の位置が一定である。
X線検出器12と中性子検出器15には、例えば、ラインセンサ、2次元平面型のフラットパネルディテクター、及びイメージインテンシファイアを用いることができる。X線検出器12の検出素子としては、例えば、X線に感度の高いSi半導体素子、CdTe半導体素子、及びシンチレータ素子を用いることができる。中性子検出器15の検出素子としては、中性子に感度の高いシンチレータ素子、例えばLiF/ZnS系シンチレータを用いることができる。
図3は、本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置が、X線及び中性子で被検体のCT像を撮像し、CT像で被検体の健全性(内部欠陥の有無)を判定する処理フローの例を示す図である。図3には、1つの被検体10が回転テーブル9に載置され、初めにX線により撮像され、次に中性子により撮像される処理のフローを示している。
S100では、撮像対象の被検体10がX線・中性子ハイブリッド撮像装置に搬入される。撮像対象の被検体10は、ロボットによって搬送コンベア8上の回転テーブル9に載置されて、X線・中性子ハイブリッド撮像装置に搬入される。
S101では、搬送コンベア8が、被検体10をX線照射位置(X線が被検体10を照射する位置)に搬送する。S101の処理により、回転テーブル9は、図1の回転テーブル9aの位置に移動し、被検体10は、図1の被検体10aの位置に移動する。
S102では、被検体10を回転させて被検体10にX線を照射し、X線で被検体10を撮像する。被検体10が図1の被検体10aの位置に停止した後、電子加速管共通部2で形成された電子線は、電子線軌道制御用電磁石3によって電子線加速管X線源部4に向かう軌道を取り、電子線加速管X線源部4で加速された後、X線発生ターゲット部5に入射する。電子線が入射するとX線発生ターゲット部5は、被検体10に対してX線を照射する。X線の照射が始まると、回転テーブル9は、一定速度で回転を開始する。X線検出器12は、回転テーブル9が360°回転する間に、一定の回転角度ごとにX線による撮像画像を取得する。X線検出器12がX線による撮像画像を取得する回転角度は、X線発生ターゲット部5でのX線の発生周期と回転テーブル9の回転速度により定めることができる。X線検出器12が取得した撮像画像は、X線検出データ処理回路13によりデジタル化され、X線投影データになる。
S102を実行することにより、回転角度ごとのX線投影データD101が得られる。
S103では、画像処理用計算機17が、回転角度ごとのX線投影データD101を用いて画像の再構成処理を実施し、被検体10のX線による3次元CT像を生成する。
S103を実行することにより、被検体10のX線による3次元CT像と、この3次元CT像のデータである3次元画像再構成データD102が得られる。被検体10に内部欠陥がある場合には、3次元CT像において被検体10の空洞部として表される。前述したように、X線は、金属などの比較的高密度の部材に対して透過減衰率が高いので、高密度の部材の内部欠陥の計測に感度が高い。したがって、被検体10の、高密度の素材で構成された部分での内部欠陥は、X線による3次元CT像や3次元画像再構成データD102から高い精度で検出できる。
X線の照射による撮像が終了すると、中性子の照射による撮像を開始する。
S104では、搬送コンベア8が、被検体10を中性子照射位置(中性子が被検体10を照射する位置)に搬送する。S101の処理により、回転テーブル9は、図1の回転テーブル9bの位置に移動し、被検体10は、図1の被検体10bの位置に移動する。
S105では、被検体10を回転させて被検体10に中性子を照射し、中性子で被検体10を撮像する。被検体10が図1の被検体10bの位置に停止した後、電子加速管共通部2で形成された電子線は、電子線軌道制御用電磁石3によって電子線加速管中性子源部6に向かう軌道を取り、電子線加速管中性子源部6で加速された後、中性子発生ターゲット部7に入射する。電子線が入射すると中性子発生ターゲット部7は、被検体10に対して中性子を照射する。中性子の照射が始まると、回転テーブル9は、一定速度で回転を開始する。中性子検出器15は、回転テーブル9が360°回転する間に、一定の回転角度ごとに中性子による撮像画像を取得する。中性子検出器15が中性子による撮像画像を取得する回転角度は、中性子発生ターゲット部7での中性子の発生周期と回転テーブル9の回転速度により定めることができる。中性子検出器15が取得した撮像画像は、中性子検出データ処理回路16によりデジタル化され、中性子投影データになる。
S105を実行することにより、回転角度ごとの中性子投影データD103が得られる。
S106では、画像処理用計算機17が、回転角度ごとの中性子投影データD103を用いて画像の再構成処理を実施し、被検体10の中性子による3次元CT像を生成する。
S106を実行することにより、被検体10の中性子による3次元CT像と、この3次元CT像のデータである3次元画像再構成データD104が得られる。被検体10に内部欠陥がある場合には、3次元CT像において被検体10の空洞部として表される。前述したように、中性子は、樹脂や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等の新素材などの比較的低密度の部材に対して透過減衰率が高いので、低密度の部材の内部欠陥の計測に感度が高い。したがって、被検体10の、低密度の素材で構成された部分での内部欠陥は、中性子による3次元CT像や3次元画像再構成データD104から高い精度で検出できる。
以上の処理により、被検体10のX線による3次元画像再構成データD102と中性子による3次元画像再構成データD104が得られたら、S107を実行する。
S107では、画像処理用計算機17が、被検体10のX線による3次元画像再構成データD102と中性子による3次元画像再構成データD104とを用いて、被検体10のX線による3次元CT像と中性子による3次元CT像とを重ね合わせる。画像処理用計算機17は、X線による3次元CT像と中性子による3次元CT像との位置が互いに一致するように、これらのCT像に付けられたマーカーを位置の基準にして、これらのCT像を互いに重ね合わせる。CT像の重ね合わせは、既存の方法で実施することができる。
S107を実行することにより、被検体10のX線による3次元CT像と中性子による3次元CT像とを重ね合わせた3次元CT像と、この3次元CT像のデータである3次元画像重ね合わせデータD105が得られる。
S108では、画像処理用計算機17が、3次元画像重ね合わせデータD105を被検体10の健全品のデータと比較する。健全品のデータは、被検体10の健全品での3次元CT像に相当するデータであり、被検体10のCADデータや、健全だとわかっている被検体10(または、健全だとわかっている複数の被検体10の平均値)から予め得ることができる。これらのデータの比較は、画像(CT像)の輝度を利用する方法など、既存の方法を用いて実施することができる。
S109では、画像処理用計算機17が、S108での比較結果を基に、被検体10の健全性を判定する。画像処理用計算機17は、被検体10と健全品との差が予め定めた閾値以下であれば、被検体10には内部欠陥がなく、被検体10が設計基準を満たしており健全であると判定する。S109で画像処理用計算機17が被検体10に内部欠陥がないと判定した場合は、S110に進み、被検体10に内部欠陥があると判定した場合は、S113に進む。
S110では、被検体10に内部欠陥がないと判定されたので、搬送コンベア8が、被検体10をX線・中性子ハイブリッド撮像装置から搬出する。
S111では、装置全体制御計算機18が、X線・中性子ハイブリッド撮像装置から搬出された被検体10の数と検査すべき被検体10の数が一致するか否かを調べて、検査すべき全ての被検体10を検査したか否かを判定する。全ての被検体10を検査していないと判定した場合は、S112に進む。
S112では、S100と同様にして、次に検査する被検体10がX線・中性子ハイブリッド撮像装置に搬入される。次に検査する被検体10は、検査が終了した被検体10の搬出に続いて連続的に搬入される。X線・中性子ハイブリッド撮像装置は、S111または後述するS115で検査すべき全ての被検体10を検査したと判定するまで、被検体10の搬入を繰り返す。
S113は、S109で画像処理用計算機17が被検体10に内部欠陥があると判定した場合の処理である。S113では、画像処理用計算機17が、被検体10の内部欠陥の特性量を計算して求める。内部欠陥の特性量とは、内部欠陥の3次元形状、体積、及び位置などの、内部欠陥に関する物理量である。被検体10の内部欠陥の特性量を求めることで、被検体10の製造条件と発生した内部欠陥との関係を調べることができる。
S114では、搬送コンベア8が、被検体10をX線・中性子ハイブリッド撮像装置から搬出する。S114で搬出される被検体10は、内部欠陥がある被検体10である。
S115では、S111と同様に、装置全体制御計算機18が、X線・中性子ハイブリッド撮像装置から搬出された被検体10の数と検査すべき被検体10の数が一致するか否かを調べて、検査すべき全ての被検体10を検査したか否かを判定する。全ての被検体10を検査していないと判定した場合は、S116に進む。
S116では、S112と同様に、次に検査する被検体10がX線・中性子ハイブリッド撮像装置に搬入される。次に検査する被検体10は、検査が終了した被検体10の搬出に続いて連続的に搬入される。X線・中性子ハイブリッド撮像装置は、S111またはS115で検査すべき全ての被検体10を検査したと判定するまで、被検体10の搬入を繰り返す。
S101にて被検体10(10a)をX線照射位置(図1の被検体10aの位置)に搬送するときに、搬送コンベア8が、被検体10と異なる被検体10bを中性子照射位置(図1の被検体10bの位置)に搬送し、S102にて被検体10aをX線で撮像するときに、中性子照射位置に搬送した被検体10bを中性子で撮像してもよい。S104にて被検体10(10b)を中性子照射位置(図1の被検体10bの位置)に搬送するときに、搬送コンベア8が、被検体10と異なる被検体(10a)をX線照射位置(図1の被検体10aの位置)に搬送し、S105にて被検体10bを中性子で撮像するときに、X線照射位置に搬送した被検体10aをX線で撮像してもよい。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置では、電子加速管共通部2が、X線を発生させるための電子線加速管X線源部4と、中性子を発生させるための電子線加速管中性子源部6とに分岐し、電子線軌道制御用電磁石3が、ミリ秒オーダーで電子線の軌道を変えて電子線加速管X線源部4と電子線加速管中性子源部6とに電子線を分配する。このため、本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、被検体10aへのX線の照射と、この被検体と異なる被検体10bへの中性子の照射とを、ミリ秒オーダーで切り替えることができ、任意の被検体10aに対するX線での撮像とこれとは別の被検体10bに対する中性子での撮像とを同一の検査時間内で実施することができる。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置では、1つの被検体へのX線の照射と中性子の照射は、搬送コンベア8で被検体を移動させることで切り替えることができるので、1つの被検体に対して短時間でX線での撮像と中性子での撮像を実施できる。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置では、X線での撮像で得られた3次元CT像と中性子での撮像で得られた3次元CT像とを互いに重ね合わされるので(S107)、被検体10のX線で検出した内部欠陥と中性子で検出した内部欠陥とを1つの3次元CT像に表示できる。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、上記のような構成を備え、低密度の素材と高密度の素材を備える被検体10に対し、短い時間間隔で連続的に、低密度の素材の部分と高密度の素材の部分の両方の内部を非破壊で検査できる。
なお、以上の実施例では、X線での撮像の後に中性子での撮像を実施したが、本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、中性子での撮像の後にX線での撮像を実施してもよい。
図4は、本発明の実施例2によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置の構成を示す上面図である。以下では、本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置について、実施例1による装置と異なる構成を主に説明する。
実施例1によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、電子加速管共通部2が他端(終端)で2つの加速管(電子線加速管X線源部4と電子線加速管中性子源部6)に分岐するが、本実施例による装置は、電子加速管共通部2が他端(終端)で3つの加速管(2つの電子線加速管X線源部4、4cと電子線加速管中性子源部6)に分岐する。本実施例による装置は、さらに回転テーブル9cを備え、X線検出部として、さらにX線検出用コリメータ11c、X線検出器12c、及びX線検出データ処理回路13cを備える。
電子線加速管X線源部4cは、電子加速管共通部2の他端(終端)にある分岐部で電子加速管共通部2に接続する。
電子線軌道制御用電磁石3は、電子制御により磁場の強度分布が変化して電子線の軌道を変えることで、電子加速管共通部2から分岐した電子線加速管X線源部4と電子線加速管X線源部4cと電子線加速管中性子源部6とに電子線を分配する。
電子線加速管X線源部4cは、他端(終端)にX線発生ターゲット部5cが接続され、電子加速管共通部2から分配された電子線を加速してX線発生ターゲット部5cに照射する。
X線発生ターゲット部5cは、例えばタングステンで構成され、電子線が照射されるとX線を発生する。
回転テーブル9cは、撮像対象である被検体10cを載置する。図4に示した例では、被検体10cは、X線により撮像される。
搬送コンベア8は、被検体10cが載置された回転テーブル9cを、X線発生ターゲット部5cで発生したX線が被検体10cを照射する位置に搬送する。
X線検出器12cは、X線発生ターゲット部5cに対向する位置に設置され、被検体10cにX線を照射して得られた撮像画像を取得する。
X線検出用コリメータ11cは、X線発生ターゲット部5cに対向する位置で、X線検出器12cの前面とX線発生ターゲット部5cとの間に設置される。
X線検出データ処理回路13cは、X線検出器12cが取得した撮像画像をデジタル化し、撮像データ(X線投影データ)を取得する。
被検体10cは、X線発生ターゲット部5cとX線検出用コリメータ11cとの間に搬送される。
画像処理用計算機17は、X線検出データ処理回路13cが取得したX線投影データに対して画像の再構成処理を実施し、被検体10cのX線による3次元CT像を生成する。
被検体10は、搬送コンベア8に搬送され、初めに被検体10aの位置でX線により撮像され、次に被検体10bの位置でX線により撮像され、最後に被検体10cの位置で中性子により撮像される。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置では、被検体10に対して2つのエネルギーレベルのX線を照射することで、2つのエネルギーレベルのX線で被検体10を撮像する。本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置では、X線発生ターゲット部5とX線発生ターゲット部5cに入射する電子線のエネルギーレベルが互いに異なるようにし、X線発生ターゲット部5とX線発生ターゲット部5cで発生するX線のエネルギーレベルが互いに異なるようにすることで、被検体10に対して2つのエネルギーレベルのX線を照射する。被検体10は、図4の被検体10aの位置に置かれているときと被検体10cの位置に置かれているときとで、照射されるX線のエネルギーレベルが異なる。
X線発生ターゲット部5とX線発生ターゲット部5cに入射する電子線のエネルギーレベルが互いに異なるようにするには、例えば、次のような方法がある。X線発生ターゲット部5cの電子線が入射する部分の前に遮蔽板を設置し、X線発生ターゲット部5cに入射する電子線のエネルギー分布を変えることで、X線発生ターゲット部5に入射する電子線のエネルギーレベルとX線発生ターゲット部5cに入射する電子線のエネルギーレベルとが互いに異なるようにすることができる。
図4に示した例では電子加速管共通部2が3つの加速管(2つの電子線加速管X線源部4、4cと電子線加速管中性子源部6)に分岐したが、電子加速管共通部2は、他端(終端)で、3つ以上の加速管に分岐してもよい。但し、分岐した3つ以上の加速管のうち、少なくとも1つは、電子線加速管X線源部であり、少なくとも1つは、電子線加速管中性子源部である。電子線軌道制御用電磁石3は、電子加速管共通部2から分岐した3つ以上の加速管のそれぞれに電子線を分配する。
電子線加速管X線源部は、他端(終端)にX線発生ターゲット部が接続される。電子線加速管中性子源部は、他端(終端)に中性子発生ターゲット部が接続される。複数のX線発生ターゲット部で発生するX線のエネルギーレベルは、互いに異なる。複数の中性子発生ターゲット部で発生する中性子のエネルギーレベルは、互いに異なる。
このような構成により、本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、1つの被検体10に対して複数のエネルギーレベルのX線を照射して撮像することと、1つの被検体10に対して複数のエネルギーレベルの中性子を照射して撮像することのうち、一方または両方を実施できる。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置では、1つの被検体10に対して複数のエネルギーレベルの放射線(X線と中性子)で撮像することができる。複数のエネルギーレベルの放射線で被検体10を撮像すると、放射線のエネルギーレベルに応じて分解能が互いに異なる撮像画像を得ることができ、密度の異なる複数の素材で構成された被検体10に対して、内部欠陥を高精度で検出できる。
実施例1では、X線及び中性子で被検体10のCT像を生成し、被検体10の健全性(内部欠陥の有無)を判定する例(図3)を示した。本実施例では、X線及び中性子で生成する被検体10の撮像画像として透過像(被検体10を平面に投影した画像)を生成し、透過像を用いて被検体10の健全性を判定する例を示す。被検体10の構造によっては、透過像のみで被検体10の内部欠陥の有無を判定できる。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、実施例1によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置(図1)と同様の構成を備える。
図5は、本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置が、X線及び中性子で被検体の透過像を撮像し、透過像で被検体の健全性を判定する処理フローの例を示す図である。図5には、図3と同様に、1つの被検体10が回転テーブル9に載置され、初めにX線により撮像され、次に中性子により撮像される処理のフローを示している。以下では、図5の処理フローについて、図3と異なる処理を主に説明する。
S102で、被検体10を回転させて被検体10にX線を照射し、X線で被検体10を撮像することにより、予め指定した回転角度での被検体10のX線による透過像と、この透過像を表すX線透過像データD301を取得する。
S105で、被検体10を回転させて被検体10に中性子を照射し、中性子で被検体10を撮像することにより、予め指定した回転角度での被検体10の中性子による透過像と、この透過像を表す中性子透過像データD302を取得する。
実施例1でのS103とS106(3次元CT像の生成)は、本実施例では実施しない。
S301は、実施例1でのS107に対応する。S301では、画像処理用計算機17が、S102で取得した被検体10のX線透過像データD301と、S105で取得した被検体10の中性子透過像データD302とを用いて、同一の回転角度における被検体10のX線による透過像と中性子による透過像とを重ね合わせる。画像処理用計算機17は、X線による透過像と中性子による透過像との位置が互いに一致するように、これらの透過像に付けられたマーカーを位置の基準にして、これらの透過像を互いに重ね合わせる。透過像の重ね合わせは、既存の方法で実施することができる。
S301を実行することにより、同一の回転角度における被検体10のX線による透過像と中性子による透過像とを重ね合わせた透過像と、この透過像のデータである透過像重ね合わせデータD303が得られる。
S302は、実施例1でのS108に対応する。S302では、画像処理用計算機17が、透過像重ね合わせデータD303を被検体10の健全品のデータと比較する。健全品のデータは、透過像重ね合わせデータD303と同じ回転角度における、被検体10の健全品での透過像に相当するデータであり、被検体10のCADデータや、健全だとわかっている被検体10(または、健全だとわかっている複数の被検体10の平均値)から予め得ることができる。これらのデータの比較は、画像(透過像)の輝度を利用する方法など、既存の方法を用いて実施することができる。
S109では、実施例1と同様に、画像処理用計算機17が、S302での比較結果を基に、被検体10の健全性を判定する。
S109以後の処理は、実施例1での処理と同様である。但し、S113で画像処理用計算機17が計算して求める被検体10の内部欠陥の特性量は、内部欠陥の透過像での2次元形状、透過像での面積、及び位置などである。
なお、S102とS105では、回転テーブル9は、360°回転しなくてもよく、予め指定した回転角度での被検体10の透過像が撮像できる角度だけ回転してもよい。
本実施例では、被検体10のX線及び中性子による透過像を用いて被検体10の健全性を判定するので、画像の再構成処理を実施して被検体10の3次元CT像を生成する時間を省くことができ、より高速に被検体10の内部を検査できる。さらに、回転テーブル9を360°回転させなければ、回転テーブル9の回転に要する時間を短縮でき、さらに高速に被検体10の内部を検査できる。
本実施例によるX線・中性子ハイブリッド撮像装置は、低密度の素材と高密度の素材を備える被検体に対して、上記のようにして、さらに短い時間間隔で連続的に、低密度の素材の部分と高密度の素材の部分の両方の内部を非破壊で検査できる。
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、本発明は、必ずしも説明した全ての構成を備える態様に限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、削除したり、他の構成を追加・置換したりすることが可能である。
1…電子発生源、2…電子加速管共通部、3…電子線軌道制御用電磁石、4、4c…電子線加速管X線源部、5、5c…X線発生ターゲット部、6…電子線加速管中性子源部、7…中性子発生ターゲット部、8…搬送コンベア、9、9a、9b、9c…回転テーブル、10、10a、10b、10c…被検体、11、11c…X線検出用コリメータ、12、12c…X線検出器、13、13c…X線検出データ処理回路、14…中性子検出用コリメータ、15…中性子検出器、16…中性子検出データ処理回路、17…画像処理用計算機、18…装置全体制御計算機、19…上下方向駆動機構。

Claims (6)

  1. 一端に電子発生源が接続され、他端で第1の加速管と第2の加速管とに分岐し、前記電子発生源で発生した電子を加速して電子線を形成する電子加速管と、
    前記第1の加速管の一端に接続され、前記電子線が照射されるとX線を発生するX線発生ターゲット部と、
    前記第2の加速管の一端に接続され、前記電子線が照射されると中性子を発生する中性子発生ターゲット部と、
    前記X線発生ターゲット部に対向する位置に設置されたX線検出器と、
    前記中性子発生ターゲット部に対向する位置に設置された中性子検出器と、
    前記電子加速管の分岐部に設置され、磁場の強度分布が変化することにより、前記第1の加速管への前記電子線の分配と前記第2の加速管への前記電子線の分配とを切り替える電磁石と、
    を備えることを特徴とするX線・中性子ハイブリッド撮像装置。
  2. 被検体を搬送する搬送コンベアを備え、
    前記X線発生ターゲット部は、前記搬送コンベアで搬送された前記被検体にX線を照射し、
    前記中性子発生ターゲット部は、前記搬送コンベアで搬送された前記被検体に中性子を照射し、
    前記X線検出器は、前記被検体にX線を照射して得られたX線による撮像画像を取得し、
    前記中性子検出器は、前記被検体に中性子を照射して得られた中性子による撮像画像を取得する、
    請求項1に記載のX線・中性子ハイブリッド撮像装置。
  3. 前記被検体の前記X線による撮像画像と前記中性子による撮像画像とを重ね合わせて重ね合わせデータを得て、前記重ね合わせデータを前記被検体の予め得られた健全品のデータと比較することで前記被検体の健全性を判定するように構成された計算機を備える、
    請求項2に記載のX線・中性子ハイブリッド撮像装置。
  4. 前記計算機は、
    前記被検体の前記X線による撮像画像から、前記被検体のX線による3次元CT像を生成し、
    前記被検体の前記中性子による撮像画像から、前記被検体の中性子による3次元CT像を生成し、
    前記被検体の前記X線による3次元CT像と前記被検体の前記中性子による3次元CT像とを重ね合わせて前記重ね合わせデータを得る、
    請求項3に記載のX線・中性子ハイブリッド撮像装置。
  5. 前記計算機は、
    前記被検体の前記X線による撮像画像として、予め指定した回転角度での前記被検体のX線による透過像を得て、
    前記被検体の前記中性子による撮像画像として、前記回転角度での前記被検体の中性子による透過像を得て、
    前記被検体の前記X線による透過像と前記被検体の前記中性子による透過像とを重ね合わせて前記重ね合わせデータを得る、
    請求項3に記載のX線・中性子ハイブリッド撮像装置。
  6. 前記電子加速管は、前記他端で3つ以上の加速管に分岐し、
    前記他端で分岐した前記加速管のうち、1つは、前記第1の加速管であり、他の1つは、前記第2の加速管であり、残りは、一端に前記X線発生ターゲット部または前記中性子発生ターゲット部が接続され、
    前記電磁石は、前記他端で分岐した前記加速管のそれぞれへの前記電子線の分配を切り替える、
    請求項1に記載のX線・中性子ハイブリッド撮像装置。
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