JP2020085346A - 減圧乾燥方法 - Google Patents

減圧乾燥方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020085346A
JP2020085346A JP2018220761A JP2018220761A JP2020085346A JP 2020085346 A JP2020085346 A JP 2020085346A JP 2018220761 A JP2018220761 A JP 2018220761A JP 2018220761 A JP2018220761 A JP 2018220761A JP 2020085346 A JP2020085346 A JP 2020085346A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stirring
drying method
pressure
reduced pressure
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018220761A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7144291B2 (ja
Inventor
明紀 上野
Akinori Ueno
明紀 上野
石井 隆司
Ryuji Ishii
隆司 石井
和人 西▲崎▼
Kazuto Nishizaki
和人 西▲崎▼
雅行 加納
Masayuki Kano
雅行 加納
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Earthtechnica Co Ltd
Original Assignee
Earthtechnica Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Earthtechnica Co Ltd filed Critical Earthtechnica Co Ltd
Priority to JP2018220761A priority Critical patent/JP7144291B2/ja
Publication of JP2020085346A publication Critical patent/JP2020085346A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7144291B2 publication Critical patent/JP7144291B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】乾燥効率が良く、フリーズドライ製品に近い製品を提供可能な減圧乾燥方法を提供する。【解決手段】加熱及び冷却が可能な撹拌槽に撹拌羽根を備えて、真空ポンプで減圧することにより、被処理物の乾燥を行う撹拌造粒機を用いて、減圧乾燥を行う。第1工程では、造粒品である被処理物が凍結した状態で入っている前記撹拌槽を冷却しながら減圧する。第2工程では、前記撹拌槽で撹拌と加熱を行い、被処理物を減圧乾燥させる。第1工程においては、大気圧よりも小さく、気化させる物質の三重点における圧力よりも大きい圧力まで減圧する。【選択図】図2

Description

本発明は、被処理物を減圧下で乾燥させる方法に関する。
従来から、真空及び低温を使用して、製品から湿気を除去してフリーズドライ製品を製造する方法が知られている。フリーズドライ製法は、製品から、溶媒又は懸濁媒体、一般的には水を、製品から除去するプロセスである。フリーズドライ製品は、乾燥による収縮や亀裂などの形態の変化が少ないことが知られている。特許文献1には、この種のフリーズドライ製品の製造方法が開示されている。
特許文献1の噴霧凍結及び撹拌乾燥を使用するバルク・フリーズドライシステムは、フリーズドライプロセスの間、製品を収容するフリーズドライチャンバーと、製品源に接続された少なくとも一つの製品噴霧ノズルを含む構成となっている。システムは、製品を撹拌する撹拌機構と、チャンバーを加熱する加熱器と、フリーズドライチャンバーから受け取った排気ガスからの蒸気を凝縮する表面を備える凝縮チャンバーと、凝縮チャンバーと連通している真空ポンプとを含んでいる。
フリーズドライ機は、製品の霧化噴霧を無菌液体窒素と混合することによって製品を凍結させる。結果として得られる粉末は槽内でフリーズドライされ、槽の内容物が撹拌されて、製品と加熱した槽壁との接触を維持し、凝集を防ぐ。
また、特許文献2では、タンブラー型回転乾燥機で減圧乾燥する技術が開示されている。乾燥機は、被乾燥物を攪拌、混合する乾燥機本体と、凝縮器と、凝縮器に連絡した真空ポンプと、乾燥機本体の外壁に設けた被乾燥物の水分蒸発用加熱ジャケットを有する構成となっている。
前記乾燥機においては、被乾燥物を回転可能な乾燥機本体内へ投入して、同乾燥機本体内の空気を凝縮器から真空ポンプを経て排気し、同乾燥機本体の圧力を急速に低下させる。被乾燥物の温度は低温に保持する。次いで、同乾燥機本体を回転させて、被乾燥物を攪拌、混合するとともに、同乾燥機本体の外壁に設けた加熱ジャケットからの伝導伝熱と輻射熱により、被乾燥物中の凍結した水分を蒸発(昇華)させて、被乾燥物を乾燥させる。この蒸発の進行により被乾燥物の温度が加熱温度付近まで上昇して、乾燥が完了したら、凝縮機及び真空ポンプの運転を停止させ、乾燥機本体を大気圧にして、被乾燥物を乾燥機本体外へ取り出す。
また、特許文献3に開示されているように、従来から、原料を造粒して、所望の生成物を製造するために造粒機が使用されている。例えば、広く利用されている攪拌造粒機は、原料を収納して攪拌、混合して造粒物を製造する円筒状の容器と、前記容器内において、回転可能に設けられた攪拌羽根と、混合時の粉体の拡散性の向上及び造粒時の塊の粉砕等のための解砕羽根を備えている。そして、攪拌羽根を回転させることにより、容器内の原料を攪拌、混合し造粒する。
特許5680199号公報 特開平6−42867公報 特開2018−108539号公報
しかし、従来のフリーズドライ製品の製造方法は、処理物をセットして、凍結しながら減圧した後、減圧状態で加熱していたため、乾燥効率が悪く、時間が掛かるものであった。そして、処理物を棚に並べて乾燥する方式の場合、乾燥機の設置に大きなスペースが必要であった。
また、従来から行われているように、造粒品を減圧乾燥すると、乾燥過程で造粒品内部から水が出てきてしまい、その水によって、過剰に造粒が進行し、粒状のかたまり(いわゆるダマ)ができてしまい、造粒品が粗くなる場合があった。また、減圧乾燥は、温度を上げられない原料には適さない方法であった。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、乾燥効率が良く、フリーズドライ製品に近い製品を提供可能な減圧乾燥方法を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、以下の減圧乾燥方法が提供される。即ち、この減圧乾燥方法では、加熱及び冷却が可能な撹拌槽に撹拌羽根を備えて、真空ポンプで減圧することにより、被処理物の乾燥を行う撹拌造粒機を用いる。減圧乾燥方法は、第1工程と、第2工程と、を含む。前記第1工程では、造粒品である被処理物が凍結した状態で入っている前記撹拌槽を冷却しながら減圧する。前記第2工程では、前記撹拌槽で撹拌と加熱を行い、被処理物を減圧乾燥させる。前記第1工程において、大気圧よりも小さく、気化させる溶媒の三重点における圧力よりも大きい圧力まで減圧する。
これにより、凍結した状態の被処理物を少しずつ溶かして蒸発させることで、効率良くフリーズドライ製品に近い製品を製造することができる。また、加熱、冷却、減圧、撹拌を行うことができる攪拌造粒機を用いることで、製造効率を高めることができる。
本発明によれば、乾燥効率が良く、フリーズドライ製品に近い製品を提供可能な減圧乾燥方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る撹拌造粒機の全体的な構成を示す一部断面斜視図。 撹拌造粒機を含む減圧乾燥システムを示す概略図。 減圧乾燥方法のフローチャート。 水の状態図において本実施形態の減圧乾燥方法を示す図。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る撹拌造粒機1の全体的な構成を示す一部断面斜視図である。図2は、撹拌造粒機1を含む減圧乾燥システムを示す概略図である。図3は、減圧乾燥方法のフローチャートである。図4は、水の状態図において本実施形態の減圧乾燥方法を示す図である。
本実施形態の撹拌造粒機1は、液状の原料を撹拌しながら造粒することにより、粉状又は粒状の製品を製造することができる。撹拌造粒機1は、例えば、食品、医薬品、電池、電子部品、金属、セラミックス、化学等の分野で用いられる。
図1に示すように、撹拌造粒機1は、容器(撹拌槽)2と、撹拌機構54と、スクレーパ機構45と、を備える。
容器2は、上方を開放させた略回転対称形状に形成されている。容器2の開放部分を塞ぐように、開閉可能な蓋6が設置される。蓋6は気密性を有しており、蓋6を閉鎖したとき、容器2の内部を密封することができる。
蓋6には、原料供給口7と、排気口29と、が形成されている。原料供給口7は、蓋6の外周に配置されている。原料供給口7を介して、容器2の内部に原料を供給することができる。排気口29には、図2に示すように真空ポンプ18が接続されている。排気口29を介して、容器2の内部の空気を必要に応じて排出することができる。
容器2及び蓋6には、液体が通過可能な経路であるジャケット15が設けられる。これにより、容器2の内部を、当該液体を介して加熱及び冷却することができる。
撹拌機構54は、容器2の内部において原料を撹拌する。撹拌機構54は、アジテータ3と、チョッパ5と、を備える。
アジテータ3は、原料の混合時において、原料の全体を偏りなく撹拌する。アジテータ3は、アジテータ羽根(撹拌羽根)4と、アジテータ羽根回転軸9と、アジテータ羽根駆動用モータ8と、を備える。
アジテータ羽根4は、容器2の内部において、底部の中央に配置されている。アジテータ羽根4は、上下方向の軸を中心として回転可能に支持される。本実施形態においては、アジテータ羽根4は周方向に均等な間隔で3つ配置されている。ただし、アジテータ羽根4の数は、原料の種類や容器2の大きさ等に応じて適宜変更することができる。
アジテータ羽根回転軸9は、容器2の下方において回転可能に支持されている。アジテータ羽根回転軸9の上端はアジテータ羽根4に連結されている。
アジテータ羽根駆動用モータ8は、アジテータ羽根回転軸9の下方に設置されている。アジテータ羽根駆動用モータ8の出力軸は、アジテータ羽根回転軸9に連結されている。アジテータ羽根駆動用モータ8がアジテータ羽根回転軸9を駆動することで、アジテータ羽根4を回転させることができる。
アジテータ羽根回転軸9は、公知のシールボックス17に収められている。これによりエアシールが実現され、容器2の気密性を確保することができる。
チョッパ5は、原料の混合時において、アジテータ羽根4とは異なる方向で原料に切り込むように回転する。これにより、混合の分散性を高めることができる。また、チョッパ5は、造粒時において、塊を粉砕して粒を整えることができる。チョッパ5は、図2等に示すように、チョッパ羽根(解砕羽根)28と、チョッパ羽根回転軸10と、チョッパ羽根駆動用モータ11と、を備える。
チョッパ羽根28は、図1に示すように、容器2の内部において、側壁の近傍に配置されている。チョッパ羽根28は、水平方向の軸を中心として回転可能に支持される。
チョッパ羽根回転軸10は、容器2を貫通するように配置され、回転可能に支持されている。チョッパ羽根回転軸10の一端はチョッパ羽根28に連結されている。
チョッパ羽根駆動用モータ11は、図2に示すように、容器2の外側に配置されている。チョッパ羽根駆動用モータ11の出力軸は、チョッパ羽根回転軸10に連結されている。チョッパ羽根駆動用モータ11がチョッパ羽根回転軸10を駆動することで、チョッパ羽根28を回転させることができる。チョッパ羽根回転軸10もアジテータ羽根回転軸9と同様に、エアシールを行うための図略のシールボックスに収められている。
図1に示すスクレーパ機構45は、容器2及び蓋6の壁面に付着した原料等を掻き取る。スクレーパ機構45は、容器2の内部において、蓋6の中央部から吊り下げるように配置される。スクレーパ機構45は、駆動軸46と、アーム49と、スクレーパ50と、を備える。
駆動軸46は、蓋6を上下方向に貫通するように配置され、回転可能に支持されている。駆動軸46は、図略のモータの出力軸と連結されている。
スクレーパ50は、蓋6の下面に接触しながら回転するものと、容器2の側壁の内面に接触しながら回転するものと、の2種類がある。それぞれのスクレーパ50は、駆動軸46の下端に、アーム49を介して固定される。
モータが駆動軸46を駆動することにより、スクレーパ50は、チョッパ羽根28と干渉しない範囲で往復回転する。これにより、容器2及び蓋6の内面に付着した原料を剥離して、容器2の中に落とすことができる。
容器2の下部には、混合、造粒された粉粒体製品を排出するための排出装置12が設けられている。図1に示すように、排出装置12は、排出ダンパ弁13と、排出ダンパシュート14と、を備える。排出ダンパ弁13を開くことにより、容器2の内部の粉粒体製品を排出ダンパシュート14から排出することができる。
図2に示す熱媒体供給装置16は、容器2及び蓋6の内部に形成されたジャケット15に熱媒体を供給するとともに、この熱媒体の温度を調整する。これにより、容器2の内部における被処理物の温度を制御することができる。
熱媒体供給装置16は、冷却媒体流路24と、冷温水流路25と、を有する。冷却媒体流路24は、冷凍機19で冷却された熱媒体の流路である。冷温水流路25は、温調器23で加熱された冷温水の流路である。
冷却媒体流路24には、ブラインタンク20と、循環ポンプ21と、冷凍機19と、が配置されている。ブラインタンク20には、熱媒体が貯留される。循環ポンプ21は、ブラインタンク20内の熱媒体を冷凍機19との間で循環させる。冷凍機19は、熱媒体を冷却する。
冷却媒体流路24には、ブラインタンク20内の熱媒体をジャケット15側に送り出す送液ポンプ22が配置されている。熱媒体が流れる方向において送液ポンプ22の下流側には、三方弁34が設けられている。
熱媒体は、冷凍作用を被冷却体に伝える仲介をする不凍液体のブラインである。この熱媒体としては、アルコール等の様々なものを用いることができる。本実施形態では、濃度50パーセントのメタノール水溶液が熱媒体として用いられている。
三方弁34は、送液ポンプ22から送られてきた熱媒体をジャケット15に供給する状態と、熱媒体をジャケット15に供給せずブラインタンク20側に戻す状態と、の間で切り換えることができる。また、三方弁34は、ジャケット15側と戻し側とに分配される熱媒体の割合を調整することができる。これにより、ジャケット15に流れる熱媒体の流量を変更して、ジャケット15に与える冷熱量又は熱量を調整することができる。
三方弁34が備える図略の弁体は、モータ33に接続されている。従って、モータ33を駆動することで、弁体の角度を変更することができる。
冷温水流路25には、温調器23と、三方弁36と、熱交換器26と、電磁弁38と、流量制御弁39と、が配置されている。
温調器23は、冷温水流路25を流れる冷温水を加熱することができる。冷温水流路25で加熱された冷温水は、図示しないポンプによって三方弁36に送られる。
三方弁36は、温調器23から送られてきた冷温水を熱交換器26に供給する状態と、冷温水を熱交換器26に供給せず温調器23側に戻す状態と、の間で切り換えることができる。
熱交換器26は、冷却媒体流路24において三方弁34からジャケット15に熱媒体が流れる経路の中途部に配置されている。熱交換器26は、供給される冷温水と、熱媒体との間で熱交換を行うことにより、熱媒体の温度を上昇させる。熱交換により温度が低下した冷温水は、温調器23に戻される。
三方弁36は、熱交換器26側と戻し側とに分配される冷温水の割合を調整することができる。これにより、熱交換器26に流れる冷温水の流量を変更して、熱交換器26において熱媒体が温められる度合いを変更することにより、ジャケット15に供給される熱媒体の温度を調整することができる。
三方弁36が備える図略の弁体は、モータ35に接続されている。従って、モータ35を駆動することで、弁体の角度を変更することができる。
三方弁36及び熱交換器26から温調器23へ冷温水が戻る経路には、流量制御弁39と、電磁弁38と、が配置されている。これにより、冷温水流路25における冷温水の流れを制御することができる。
熱媒体は、熱交換器26を通過した後、送り流路40を通過して、撹拌造粒機1のジャケット15へ供給される。ジャケット15から出た熱媒体は、戻し流路41を通過して、ブラインタンク20に戻される。送り流路40及び戻し流路41は、冷却媒体流路24の一部を構成する。
戻し流路41の中途部には、熱媒体の温度を検出可能な温度センサ37が配置されている。この温度センサ37は、上述の三方弁34,36のそれぞれを駆動するモータ33,35に電気的に接続されている。温度センサ37は、温度調整機能を有している。具体的に説明すると、温度センサ37は、検出する熱媒体の温度が目標値となるように、モータ33,35を介して三方弁34,36の開閉を行い、流路に供給される熱媒体や冷温水の量を調整する。
温度センサ37には、制御装置51が電気的に接続される。制御装置51は公知のコンピュータとして構成されており、CPU、ROM、RAM、タイマ回路等を備える。制御装置51は、温度センサ37に対して、熱媒体の温度目標値を指示する。
次に、容器2の内部を減圧可能とする構成について説明する。図2に示すように、蓋6に形成されている排気口29は、真空ポンプ18に接続されている。真空ポンプ18は、モータ30によって駆動される。モータ30の回転速度等は、インバータ31によって制御される。
撹拌造粒機1の容器2には圧力センサ32が取り付けられている。圧力センサ32は、インバータ31に電気的に接続される。インバータ31は、圧力調整機能を有している。具体的に説明すると、インバータ31は、圧力センサ32が検出する圧力が目標値となるように、モータ30の回転数を変更し、真空ポンプの排気量を調整する。これにより、容器2内の圧力を制御することができる。
インバータ31には、制御装置51が電気的に接続されている。制御装置51は、インバータ31に対して、圧力目標値を指示する。
排気口29と真空ポンプ18との間の排気経路には、公知のコールドトラップ27が設けられている。これにより、容器2内を減圧するときに、蒸発した水を結露させて回収することができる。
次に、容器2の内部を冷却又は加熱する場合の熱媒体供給装置16の動作について説明する。
冷凍機19によって予め冷却された熱媒体は、ブラインタンク20から三方弁34に供給される。三方弁34は、ブラインタンク20と熱交換器26とを接続している。従って、熱媒体は、熱交換器26を経由してジャケット15に送られる。熱交換器26を通過する前の熱媒体の温度は、例えば−40℃以上かつ0℃以下である。
熱交換器26において、熱媒体と冷温水との間で、必要に応じて熱交換が行われる。三方弁36を制御することで、温調器23から熱交換器26に供給される冷温水の流量を適宜変更することができる。冷温水の温度は、例えば10℃以上かつ40℃以下である。
熱媒体は、熱交換器26を通過することにより、−40℃から40℃までの間の温度で調整される。ジャケット15に供給される熱媒体の温度を例えば−40℃とすることで、容器2内の原料等を冷却することができ、40℃とすることで、逆に加熱することができる。
ジャケット15を通過した熱媒体は、戻し流路41を経由してブラインタンク20に戻される。ブラインタンク20内の熱媒体は、冷凍機19により冷却されて、再びジャケット15側に送られる。
このように、撹拌造粒機1は、ジャケット15付きの容器2にアジテータ羽根4を備え、真空ポンプ18で減圧することにより被処理物の乾燥を行う。即ち、容器2に被処理物となる湿潤物を投入して、真空引きしながら、優れた撹拌作用を有するアジテータ羽根4を回転駆動する。被処理物は、アジテータ羽根4の回転による遠心力によって径方向外側に移動する。そして、アジテータ羽根4の形状がもたらす被処理物の反転運動と、減圧により水等の沸点が低下して対象物からの蒸発を活発化させる現象とで、被処理物から水分が良好に蒸発して、効率良く乾燥するようになる。
そして、アジテータ3やチョッパ5による撹拌機構54、真空ポンプ18による圧力調整機構53、及び、熱媒体供給装置16は、制御装置51によって制御される構成となっている。即ち、図2に示されるように、アジテータ羽根駆動用モータ8、チョッパ羽根駆動用モータ11、インバータ31、及び温度センサ37は、制御装置51と接続されている。そして、被処理物を乾燥させるまでの一連の作業が、制御装置51によって自動的に動作を切り替えて行うことができるよう構成されている。動作の切替のタイミングは、例えば、制御装置51が備えるタイマ52を利用して定めれば良い。あるいは、容器2内の温度、圧力の変化により、動作切替のタイミングを推測しても良い。
次に、前記撹拌造粒機1を用いた減圧乾燥方法について詳細に説明する。
先ず、図2及び図3に概略的に示されるように、被処理物である湿潤物を撹拌造粒機1の容器2に投入し、アジテータ羽根4を回転させて湿潤物を撹拌しながら、ジャケット15に低温の熱媒体を供給して冷却する(第3工程、ステップS101)。容器2内において、湿潤物は、アジテータ羽根4の回転により適宜バインダ(結合剤)と混合するように撹拌されつつ、容器2の側壁に衝突して跳ね返され、上方へ押し上げられて反転する。湿潤物はバインダにより結合されて造粒され、凍結して氷の粒となり、凍結造粒品となる。
なお、凍結は、アジテータ羽根4を回転させて撹拌させることで造粒された被処理物に液体窒素を添加することにより行われてもよい。液体窒素は、容器2内に設けられた適宜の供給口から供給することができる。この場合、被処理物は、撹拌されながら液体窒素と効率的に混合されるので、短時間で凍結する。液体窒素を用いて冷却を行う場合、撹拌造粒機1において容器2の冷却機能を省略することもできる。
また、本実施形態においては、湿潤物を投入して、造粒しながら凍結させる構成としたが、あらかじめ造粒された造粒品を容器2に投入して、撹拌しながら凍結させる構成としてもよい。また、撹拌造粒機1とは別の装置であらかじめ凍結された造粒品を容器2に投入して、撹拌造粒機1での処理は後述の第1工程より開始する構成としても良い。
次に、撹拌と冷却を行いながら、真空ポンプ18により容器2内を減圧する(第1工程、ステップS102)。更に、撹拌と減圧を行いながら、温めた熱媒体をジャケット15に供給して加熱する(第2工程、ステップS103)。これにより、凍結造粒品の減圧乾燥が行われる。凍結造粒品の加熱は、アジテータ羽根4を回転させることで発生した撹拌熱も利用して行う。
なお、容器2内の圧力が低過ぎると、造粒品の溶媒の昇華が起こり、被処理物はフリーズドライ製品となるが、本実施形態の減圧乾燥方法では、容器2内の圧力は、造粒品の溶媒の昇華が起こらないレベルの圧力とする。
気化させる溶媒は様々に考えられるが、ここでは水を例として、被処理物を乾燥させる過程を説明する。
図4には、水の状態図との関係で、本実施形態の減圧乾燥方法が示されている。図4の状態図において、縦軸が圧力、横軸が温度である。水は、温度と圧力に依存して、氷(固相)、水(液相)、水蒸気(気相)の3つの状態をとる。3つの相を分けている相境界曲線は、昇華曲線、蒸気圧曲線、及び融解曲線からなる。昇華曲線上では氷と水蒸気が共存し、蒸気圧曲線上では水と水蒸気が共存し、融解曲線上では水と氷が共存する。そして、温度が0.0075℃、圧力が0.006atmである点は、3つの相境界曲線が交わる三重点P1であり、氷、水、水蒸気の3相が共存する。
本実施形態の減圧乾燥方法においては、まず、被処理物中の水分は、常温における水の状態から温度が低下して氷の状態となる(ステップS101)。
次に、温度を一定にしたままで、減圧が行われる(ステップS102)。減圧する際の圧力は、大気圧より小さく、0.006atm(4.58mmHg)以上とする。これにより、温度を上げる過程で、被処理物中の水分の昇華が起こらないようにすることができる。
そして、徐々に温度を上昇させる(ステップS103)。これにより、被処理物中の水分を、融解させてから気化させて、被処理物を乾燥させる。本実施形態においては、蒸発させる物質を水としたが、蒸発させる物質が水以外の物質であった場合には、その物質における三重点P1の圧力より大きい圧力まで減圧することになる。
凍った粒子は表面から徐々に溶け、溶けた水が少しずつ蒸発して乾燥が進む。通常の減圧乾燥に比べると、造粒品の表面から徐々に溶けるため、水分が少なく、造粒品内部から出る水によって造粒が進行することを防ぐことができる。よって、ダマの発生も少なく、粒径の揃った、適度にふんわりした風合いの造粒品乾燥物を得ることができる。
また、従来のフリーズドライ製法(即ち、被処理物を凍結させた後、溶媒を昇華させる方法)よりも短時間で乾燥することができ、5倍から10倍程度の良好な効率で、フリーズドライ製品に近い製品を得ることができる。被処理物を凍結させる工程においては、撹拌することで、迅速に凍結させることができる。減圧乾燥させる工程においては、撹拌することで、撹拌熱も利用して素早く乾燥させることができる。また、撹拌しながら乾燥を行うため、従来のように被処理物を並べる棚を設ける必要もなく、乾燥機の設置に大きなスペースを必要とすることもない。また、凍結した後に減圧乾燥するため、被処理物の温度を高温まで上げる必要がない。逆に言えば、温度が上げられない原料も乾燥させることができる。そして、撹拌しながら乾燥させるため、被処理物を粒状にして乾燥させることができる。
以上に説明したように、本実施形態では、加熱及び冷却が可能な容器2にアジテータ羽根4を備えて、真空ポンプ18で減圧することにより、被処理物の乾燥を行う撹拌造粒機1を用いて、減圧乾燥が以下のように行われている。第1工程では、造粒品である被処理物が凍結した状態で入っている容器2を冷却しながら減圧する。第2工程では、容器2で撹拌と加熱を行い、被処理物を減圧乾燥させる。第1工程において、大気圧よりも小さく、気化させる溶媒の三重点P1における圧力よりも大きい圧力まで減圧する。
これにより、凍結した状態の被処理物を少しずつ溶かして蒸発させることで、効率良くフリーズドライ製品に近い製品を製造することができる。また、加熱、冷却、減圧、撹拌を行うことができる撹拌造粒機1を用いることで、製造効率を高めることができる。
また、本実施形態において、容器2で撹拌と冷却を行い、造粒した撹拌造粒機1を凍結させる第3工程が、第1工程の前に行われる。
これにより、凍結まで含めた一連の工程を、1つの撹拌造粒機1によって行うことができる。従って、作業を簡素化できる。
ただし、第3工程は、容器2で撹拌しながら当該容器2の内部に液体窒素を供給することで、造粒した被処理物を凍結させるようにすることもできる。
この場合、被処理物を短時間で凍結させることができる。
また、本実施形態では、被処理物において気化させる溶媒は水である。第1工程において、0.006atmよりも大きい圧力まで減圧する。
これにより、水による湿潤物を被処理物とする場合に、効率良く乾燥させることができる。
ただし、気化させる溶媒は、アセトン、アセトニトリル、酢酸、クロロホルム、DMSO、エタノール、メタノール、ジクロロメタン等の有機溶媒であってもよい。
これにより、幅広い製品を製造することができる。
また、本実施形態において、撹拌造粒機1のアジテータ羽根4は、容器2の底部に配置され、上下方向の回転軸を中心として回転する。
これにより、重力により容器2の底部に落下する被処理物を、上方に巻き上げながら容器2内に分散させることで、効率的に撹拌させて乾燥させることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
第1工程、第2工程、及び第3工程は、制御装置51で自動的に切り替えながら連続的に行うことに代えて、オペレータが手作業で制御を切り替えて行っても良い。
容器2の内部の原料等を加熱/冷却する方法は、熱媒体をジャケット15に供給する方法に限定されない。例えば、電熱ヒータにより加熱を行っても良い。
図1に示す構成以外の撹拌造粒機によって、本発明の減圧乾燥方法が行われても良い。
1 撹拌造粒機
2 容器(撹拌槽)
3 アジテータ
4 アジテータ羽根(撹拌羽根)
15 ジャケット
18 真空ポンプ
S101 第3工程
S102 第1工程
S103 第2工程
P1 三重点

Claims (6)

  1. 加熱及び冷却が可能な撹拌槽に撹拌羽根を備えて、真空ポンプで減圧することにより、被処理物の乾燥を行う撹拌造粒機を用いた減圧乾燥方法であって、
    造粒品である被処理物が凍結した状態で入っている前記撹拌槽を冷却しながら減圧する第1工程と、
    前記撹拌槽で撹拌と加熱を行い、被処理物を減圧乾燥させる第2工程と、
    を含み、
    前記第1工程において、大気圧よりも小さく、気化させる溶媒の三重点における圧力よりも大きい圧力まで減圧することを特徴とする減圧乾燥方法。
  2. 請求項1に記載の減圧乾燥方法であって、
    前記撹拌槽で撹拌と冷却を行い、造粒した被処理物を凍結させる第3工程が、前記第1工程の前に行われることを特徴とする減圧乾燥方法。
  3. 請求項1に記載の減圧乾燥方法であって、
    前記撹拌槽で撹拌しながら当該撹拌槽の内部に液体窒素を供給することで、造粒した被処理物を凍結させる第3工程が、前記第1工程の前に行われることを特徴とする減圧乾燥方法。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載の減圧乾燥方法であって、
    気化させる溶媒は水であり、
    前記第1工程において、0.006atmよりも大きい圧力まで減圧することを特徴とする減圧乾燥方法。
  5. 請求項1から3までの何れか一項に記載の減圧乾燥方法であって、
    気化させる溶媒は、有機溶媒であることを特徴とする減圧乾燥方法。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載の減圧乾燥方法であって、
    前記撹拌羽根は、前記撹拌槽の底部に配置され、上下方向の回転軸を中心として回転することを特徴とする減圧乾燥方法。
JP2018220761A 2018-11-26 2018-11-26 減圧乾燥方法 Active JP7144291B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018220761A JP7144291B2 (ja) 2018-11-26 2018-11-26 減圧乾燥方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018220761A JP7144291B2 (ja) 2018-11-26 2018-11-26 減圧乾燥方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020085346A true JP2020085346A (ja) 2020-06-04
JP7144291B2 JP7144291B2 (ja) 2022-09-29

Family

ID=70907384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018220761A Active JP7144291B2 (ja) 2018-11-26 2018-11-26 減圧乾燥方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7144291B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022050080A1 (ja) 2020-09-03 2022-03-10 不二商事株式会社 乾燥方法
CN114247326A (zh) * 2021-12-23 2022-03-29 重庆品涂新材料科技有限公司 用于多彩涂料的多功能搅拌设备

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4928573U (ja) * 1972-06-14 1974-03-12
JPH05332673A (ja) * 1992-05-29 1993-12-14 Brother Ind Ltd 粒子状物質の乾燥方法及び乾燥装置
JP2006246817A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Aoa:Kk ルイボスティー製品の製造方法およびルイボスティー製品
JP2013538327A (ja) * 2010-08-04 2013-10-10 アイエムエー ライフ ノース アメリカ インコーポレーテッド 噴霧凍結および撹拌乾燥を使用するバルク・フリーズドライ
JP2020517884A (ja) * 2017-04-21 2020-06-18 ゲア ライオファイル ゲーエムベーハー 製品中の核生成を誘発するフリーズドライヤ及び方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5332673B2 (ja) 2008-02-07 2013-11-06 三菱化学株式会社 半導体発光装置、バックライトおよびカラー画像表示装置
JP4928573B2 (ja) 2009-02-02 2012-05-09 日本放送協会 デジタル伝送方式の復号器及び受信装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4928573U (ja) * 1972-06-14 1974-03-12
JPH05332673A (ja) * 1992-05-29 1993-12-14 Brother Ind Ltd 粒子状物質の乾燥方法及び乾燥装置
JP2006246817A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Aoa:Kk ルイボスティー製品の製造方法およびルイボスティー製品
JP2013538327A (ja) * 2010-08-04 2013-10-10 アイエムエー ライフ ノース アメリカ インコーポレーテッド 噴霧凍結および撹拌乾燥を使用するバルク・フリーズドライ
JP2020517884A (ja) * 2017-04-21 2020-06-18 ゲア ライオファイル ゲーエムベーハー 製品中の核生成を誘発するフリーズドライヤ及び方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022050080A1 (ja) 2020-09-03 2022-03-10 不二商事株式会社 乾燥方法
CN114247326A (zh) * 2021-12-23 2022-03-29 重庆品涂新材料科技有限公司 用于多彩涂料的多功能搅拌设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP7144291B2 (ja) 2022-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5114552B2 (ja) 凍結乾燥方法および凍結乾燥装置
US4608764A (en) Process of drying a particulate material and apparatus for implementing the process
CN105318665B (zh) 一种全自动密闭式喷雾冻干生产设备及方法
JP5680199B2 (ja) 噴霧凍結および撹拌乾燥を使用するバルク・フリーズドライ
US9945611B2 (en) Bulk freeze drying using spray freezing and agitated drying
JP7144291B2 (ja) 減圧乾燥方法
US4698917A (en) Rotary drier for drying heat-sensitive products and pharmaceuticals
US5544424A (en) Aggressive convective drying in a conical screw type mixer/dryer
US5544425A (en) Aggressive convective drying in a nutsche type filter/dryer
JP2020085347A (ja) フリーズドライ製品の製造方法及びフリーズドライシステム
CN205228039U (zh) 喷雾冻干设备用加热干燥装置
US5275484A (en) Apparatus for continuously processing liquids and/or solids including mixing, drying or reacting
KR101941109B1 (ko) 버섯분말 제조 장치
EP1601919B1 (en) Stirred freeze drying
Devahastin et al. Indirect dryers
WO1996036843A1 (en) Aggressive convective drying in an agitated pan type dryer
JPH0642867A (ja) タンブラー型回転乾燥機
PT1793187E (pt) Processo e máquina destinados à sinterização e/ou secagem de materiais em pó utilizando uma radiação infravermelha
JPH10118480A (ja) 温調用ジャケット装置付き撹拌型造粒機およびそれによる粒状物の製造方法
RU2814171C1 (ru) Шнековый сублиматор
JP2000126501A (ja) 連続真空式ディスクドライヤ
KR200414334Y1 (ko) 가정용 식품 동결건조 및 분쇄장치
CN217962834U (zh) 一种结块新戊二醇的破碎装置
JPS6083576A (ja) 真空凍結濃縮乾燥装置
US3258059A (en) Process and apparatus for removing water from inorganic material

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220909

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220914

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7144291

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150