JP2020084883A - エンジン装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気再循環装置を備えるものにおいて、酸素吸蔵容量に基づく触媒の劣化診断の実行機会を確保すると共に劣化診断を高精度で行なう。【解決手段】エンジン装置は、エンジンと排気再循環装置とを制御すると共に酸素吸蔵容量に基づいてエンジンの排気管に設けられた触媒の劣化を診断する触媒劣化診断を行なう制御装置を備える。制御装置は、酸素吸蔵容量が所定量未満の場合に、排気再循環の実行を制限して触媒劣化診断を行なう。これにより、酸素吸蔵容量に基づく触媒の劣化診断の実行機会を確保することができると共に、酸素吸蔵容量が所定量未満の場合には排気再循環の実行を制限した上で改めて触媒劣化診断を行なうため、診断の精度を高めることができる。【選択図】図3
Description
本発明は、排気再循環装置を備えるエンジン装置に関する。
従来、この種のエンジン装置としては、酸素吸蔵容量の低下から触媒の劣化を診断するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、排気の一部を吸気中に再循環させる排気再循環(EGR)システムを備える。酸素吸蔵容量は、触媒の劣化の進行度が同じでも、EGRの実施時よりも非実施時の方が大きくなる。そこで、EGRの非実施時には、その実施時に比して、より大きい酸素吸蔵容量で触媒の劣化有りと診断することで、EGR導入の如何によらず、触媒の劣化を好適に診断することができるとしている。
しかしながら、上述したエンジン装置では、測定された酸素吸蔵容量が小さいときに、その要因がEGRの実施によるものなのか触媒の劣化によるものなのかを区別できず、十分な精度で触媒の劣化診断を行なうことができない場合がある。EGRの非実施時にのみ触媒の劣化診断を行なうことも考えられるが、この場合、診断の実行機会を十分に確保することが困難となる。
本発明のエンジン装置は、排気再循環装置を備えるものにおいて、酸素吸蔵容量に基づく触媒の劣化診断の実行機会を確保すると共に劣化診断を高精度で行なうことを主目的とする。
本発明のエンジン装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のエンジン装置は、
排気管に触媒を有するエンジンと、
前記エンジンの排気の一部を吸気管へ再循環させる排気再循環装置と、
前記エンジンと前記排気再循環装置とを制御すると共に酸素吸蔵容量に基づいて前記触媒の劣化を診断する触媒劣化診断を行なう制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記酸素吸蔵容量が所定量未満の場合に、前記排気再循環装置の排気再循環の実行を制限して前記触媒劣化診断を行なう、
ことを要旨とする。
排気管に触媒を有するエンジンと、
前記エンジンの排気の一部を吸気管へ再循環させる排気再循環装置と、
前記エンジンと前記排気再循環装置とを制御すると共に酸素吸蔵容量に基づいて前記触媒の劣化を診断する触媒劣化診断を行なう制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記酸素吸蔵容量が所定量未満の場合に、前記排気再循環装置の排気再循環の実行を制限して前記触媒劣化診断を行なう、
ことを要旨とする。
この本発明のエンジン装置は、エンジンと排気再循環装置とを制御すると共に酸素吸蔵容量に基づいてエンジンの排気管に設けられた触媒の劣化を診断する触媒劣化診断を行なう制御装置を備える。制御装置は、酸素吸蔵容量が所定量未満の場合に、排気再循環の実行を制限して触媒劣化診断を行なう。これにより、酸素吸蔵容量に基づく触媒の劣化診断の実行機会を確保することができると共に、酸素吸蔵容量が所定量未満の場合には排気再循環の実行を制限した上で改めて触媒劣化診断を行なうため、診断の精度を高めることができる。ここで、「排気再循環の実行を制限」とは、排気再循環の実行(排気の再循環)を禁止するものが含まれる他、循環量が所定量を超えない範囲で排気再循環の実行を許可するものが含まれる。
こうした本発明のエンジン装置において、前記制御装置は、前記酸素吸蔵容量が前記所定量以上の場合には前記触媒に劣化が生じていないと判定し、前記酸素吸蔵容量が前記所定量よりも少ない第2所定量未満の場合には前記触媒に劣化が生じていると判定し、前記酸素吸蔵容量が前記所定量未満で且つ前記第2所定量以上である場合の場合には前記排気再循環装置の排気再循環の実行を制限して前記触媒劣化診断を行なうものとしてもよい。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのエンジン装置10の構成の概略を示す構成図である。実施例のエンジン装置10は、図示するように、エンジン12と、電子制御ユニット14と、を備える。エンジン装置10は、本実施例では、走行用の動力源として自動車に搭載される。
エンジン12は、例えばガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料を用いて動力を出力する内燃機関として構成されている。エンジン12は、エアクリーナ22により清浄された空気をスロットルバルブ24を介して吸気管25に吸入すると共に燃料噴射弁26から燃料を噴射して空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ28aを介して燃焼室29に吸入し、点火プラグ30による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン32の往復運動をクランクシャフト16の回転運動に変換する。燃焼室29から排気バルブ28bを介して排気管33に排出される排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する排気浄化装置34とを介して外気に排出される。排気浄化装置34には、酸素吸蔵能を有する触媒(三元触媒)34aが充填されている。
燃焼室29からの排気は、外気に排出されるだけでなく、排気を吸気に還流する排気再循環装置(以下、「EGR(Exhaust Gas Recirculation)システム」という)60を介して吸気側に供給される。EGRシステム60は、EGR管62と、EGRバルブ64と、を備える。EGR管62は、排気浄化装置34の後段に接続されており、排気を吸気側のサージタンクに供給するために用いられる。EGRバルブ64は、EGR管62に配置されており、ステッピングモータ63により駆動される。このEGRシステム60は、EGRバルブ64の開度を調節することにより、不燃焼ガスとしての排気の還流量(EGR率)を調節して吸気側に還流する。エンジン12は、こうして空気と排気とガソリンとの混合気を燃焼室29に吸引することができるようになっている。
電子制御ユニット14は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。
電子制御ユニット14には、エンジン12を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。電子制御ユニット14に入力される信号としては、例えば、クランクシャフト16の回転位置を検出するクランクポジションセンサ40からのクランク角θcrやエンジン12の冷却水の温度を検出する水温センサ42からの冷却水温Twを挙げることができる。また、吸気バルブ28aを開閉するインテークカムシャフトの回転位置や排気バルブ28bを開閉するエキゾーストカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ44からのカム角θcも挙げることができる。更に、スロットルバルブ24のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ46からのスロットル開度THや吸気管25に取り付けられたエアフローメータ48からの吸入空気量Qa,吸気管25に取り付けられた温度センサ49からの吸気温Taも挙げることができる。また、排気浄化装置34の触媒34aの温度を検出する温度センサ34bからの触媒温度Tcや排気管33の排気浄化装置34の上流側に取り付けられた空燃比センサ35aからの空燃比AF,排気管33の排気浄化装置34の下流側に取り付けられた酸素センサ35bからの酸素信号O2も挙げることができる。
電子制御ユニット14からは、エンジン12を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。電子制御ユニット14から出力される信号としては、例えば、スロットルバルブ24のポジションを調節するスロットルモータ36への駆動制御信号や、燃料噴射弁26への駆動制御信号,イグナイタと一体化されたイグニッションコイル38への駆動制御信号を挙げることができる。また、EGRバルブ64を開度を調整するステッピングモータ63への駆動制御信号も挙げることができる。
こうして構成された実施例のエンジン装置10では、電子制御ユニット14は、エンジン12がアクセル開度や車速に基づいて設定される目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって運転されるようにエンジン12の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などを行なう。燃料噴射制御は、基本的には、空燃比センサ35aからの空燃比AFが理論空燃比AFTと一致するように目標空燃比AF*に理論空燃比AFTを設定して燃料噴射弁26の燃料噴射量を制御することにより行なう。また、エンジン12の運転ポイント(目標回転数Ne*および目標トルクTe*)が所定の運転領域内にあるときには、その運転ポイントに応じた目標EGR率を設定し、目標EGR率でEGRが実施されるようにEGRバルブ64を制御する。
次に、こうして構成された実施例のエンジン装置10の動作について説明する。特に、
排気浄化装置34の触媒の劣化を診断する際の動作について説明する。図2は、電子制御ユニット14により実行される触媒劣化診断処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。本ルーチンは、図示しないイグニッションスイッチがオンされてエンジン12が始動されたときに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
排気浄化装置34の触媒の劣化を診断する際の動作について説明する。図2は、電子制御ユニット14により実行される触媒劣化診断処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。本ルーチンは、図示しないイグニッションスイッチがオンされてエンジン12が始動されたときに所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
触媒劣化診断処理ルーチンが実行されると、電子制御ユニット14のCPUは、まず、診断実行条件が成立したか否かを判定する(ステップS100)。ここで、診断実行条件は、例えば、温度センサ34bからの触媒温度Tcが所定温度以上であり、エアフローメータ48からの吸入空気量Qaの単位時間当りの変化量が所定量以下であり、且つ、イグニッションオンされてからイグニッションオフされるまでの間(1トリップの間)に触媒34aの劣化診断が実行されていないときに成立する条件であるものとすることができる。診断実行条件が成立していないと判定すると、EGR制限フラグFegrqに値0を設定して(ステップS110)。触媒劣化診断処理ルーチンを終了する。EGR制限フラグFegrqは、排気の吸気側への還流を禁止するためのフラグであり、値0は排気の還流を許可することを示し、値1は排気の還流を禁止することを示す。
ステップS100で診断実行条件が成立していると判定すると、触媒劣化診断が実行中であるか否かを判定する(ステップS120)。触媒劣化診断が実行中でないと判定すると、Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowが値1であるか否かを判定し(ステップS130)、Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowが値0であると判定すると、EGR制限フラグFegrqに値0を設定し(ステップS140)、Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowが値1であると判定すると、EGR制限フラグFegrqに値1を設定する(ステップS150)。Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowは、触媒劣化診断に際してEGRの実行を禁止すべきかどうかを判断するためのフラグである。Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowの詳細については後述する。
そして、触媒34aの劣化診断を開始する。劣化診断は、本実施例では、触媒34aの酸素吸蔵容量(触媒34aが吸蔵可能な最大酸素量)の低下に基づいて行なう。触媒34aの酸素吸蔵容量は、Cmax法によって測定(推定)することができる。電子制御ユニット14のCPUは、まず、目標空燃比AF*を強制的にリーン側とリッチ側とに寄せるアクティブ空燃比制御を実行する(ステップS160)。ここで、アクティブ空燃比制御は、具体的には、酸素センサ35bにより検出される酸素信号O2がリーン側の信号となると、目標空燃比AF*を理論空燃比AFTよりもリッチ側に寄せ、酸素センサ35bにより検出される酸素信号O2がリッチ側の信号となると、目標空燃比AF*を理論空燃比AFTよりもリーン側に寄せる制御である。すなわち、アクティブ空燃比制御は、酸素センサ35bの信号が反転する毎に目標空燃比をリッチ側の空燃比とリーン側の空燃比との間で反転させる。このように空燃比を制御した場合、触媒34aが酸素を一杯に吸蔵した状態と、触媒34aが酸素を全て放出した状態とが繰り返されることになる。続いて、その実行回数Nを値1だけインクリメントし(ステップS170)、実行回数Nが第1所定回数Nr1以上であるか否かを判定する(ステップS180)。実行回数Nが第1所定回数Nr1未満であると判定すると、触媒劣化診断処理ルーチンを一旦終了する。この場合、次に触媒劣化診断処理ルーチンが実行されたときに、診断実行条件が引き続き成立していれば、ステップS120において診断実行中と判定されるため、アクティブ空燃比制御を繰り返して(ステップS160)、その実行回数Nを値1だけインクリメントする(ステップS170)。そして、実行回数Nが第1所定回数N1以上となると、そのときに実行されたアクティブ空燃比制御において空燃比センサ35aにより検出される空燃比AFに基づいて触媒34aの酸素吸蔵量OSAを測定する(ステップS190)。酸素吸蔵量OSAは、目標空燃比AF*をリッチ側に寄せた際の酸素放出量の積算値と目標空燃比AF*をリーン側に寄せた際の酸素吸蔵量の積算値とを測定し、両者の平均値をとることにより算出することができる。酸素吸蔵量の積算値(酸素放出量の積算値)は、次式(1)により算出される単位時間当たりの酸素吸蔵量(酸素放出量)OSAutを積算することにより求めることができる。ここで、式(1)中、「α」は空気中の酸素の質量割合を示し、「AFT」は理論空燃比を示し、「FCA」は燃料噴射量を示す。ここで、本実施例では、アクティブ空燃比制御の実行回数Nが第1所定回数Nr1に達するまでは、アクティブ空燃比制御を実行するだけで、酸素吸蔵量OSAを測定されない。これは、触媒34aの状態を酸素吸蔵量OSAの測定に適した状態にリセットするためである。
OSAut=α×(AF-AFT)×FCA …(1)
なお、触媒34aの劣化診断の実行中に診断実行条件が成立しなくなると、ステップS100で否定的な判定がなされるため、診断の実行を中断し、EGR制限フラグFegrqを値0(オフ)として(ステップS110)、触媒劣化診断処理ルーチンを終了する。
こうして、酸素吸蔵量OSAを測定すると、アクティブ空燃比制御の実行回数Nが第1所定回数Nr1よりも多い第2所定回数Nr2以上であるか否かを判定する(ステップS200)。実行回数Nが第2所定回数Nr2未満であると判定すると、触媒劣化診断処理ルーチンを一旦終了する。すなわち、実行回数Nが第1所定回数Nr1以上になると、実行回数Nが第2所定回数Nr2以上になるまで、アクティブ空燃比制御と酸素吸蔵量OSAの測定とを繰り返し実行する。したがって、アクティブ空燃比制御は、第2所定回数Nr2実行され、酸素吸蔵量OSAの測定は、(Nr2−Nr1+1)回実行される。そして、実行回数Nが第2所定回数Nr2以上となると、実行回数Nを値0にクリアすると共に(ステップS210)、実行回数Nが第1所定回数Nr1以上となってから第2所定回数Nr2以上となるまでの間に測定した各酸素吸蔵量OSAの平均値をとることにより酸素吸蔵容量の指標となる劣化判定用測定値Cmaxを算出する(ステップS220)。触媒34aの劣化度と酸素吸蔵容量とは相関関係にあるため、劣化判定用測定値Cmaxに基づいて触媒34aの劣化診断を行なうことができる。
そして、劣化判定用測定値Cmaxが第1閾値Cr1未満であるか否か(ステップS230)、第1閾値Cr1よりも小さい第2閾値Cr2以上であるか否か(ステップS240)、をそれぞれ判定する。劣化判定用測定値Cmaxが第1閾値Cr1以上であると判定すると、触媒34aに劣化は生じていないと判定し(ステップS250)、Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowを値0(オフ)として(ステップS260)、触媒劣化診断処理ルーチンを終了する。一方、劣化判定用測定値Cmaxが第1閾値Cr1未満かつ第2閾値Cr2未満であると判定すると、触媒34aに劣化が生じていると判定し(ステップS270)、Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowを値1(オン)として(ステップS280)、触媒劣化診断処理ルーチンを終了する。本実施例では、連続する2回の診断でいずれも触媒34aに劣化が生じていると判定したときに、その劣化判定を確定するものとした。
劣化判定用測定値Cmaxが第1閾値Cr1未満かつ第2閾値Cr2以上であると判定すると、触媒34aの劣化の有無を判断することなく、Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowを値1(オン)として(ステップS280)、触媒劣化診断処理ルーチンを終了する。
劣化判定用測定値Cmaxが第1閾値Cr1未満かつ第2閾値Cr2以上であることにより触媒34aの劣化の有無が判断されなかった場合、次のトリップにおいて診断実行条件が成立すると、ステップS130においてCmax低レベル状態判定フラグFmaxlowが値1であると判定されるため、EGR制限フラグが値1(オン)とされる。したがって、EGRが非実施の状態で次の触媒劣化診断が実行される。これにより、劣化判定用測定値Cmax(酸素吸蔵容量)の低下の要因が触媒34aの劣化によるものなのかEGRの実施によるものなのかが区別しづらい状況においては、EGRの実施を禁止した上で酸素吸蔵量OSAを測定して劣化判定用測定値Cmaxにより触媒34aの劣化診断が行なわれるため、診断の精度を高めることができる。
図3は、触媒劣化診断処理ルーチンを実行する際の診断実行条件とアクティブ空燃比制御の実行回数Nと酸素吸蔵量OSAと劣化判定用測定値CmaxとCmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowとEGR制限フラグFegrqの時間変化の様子を示す説明図である。図示するように、イグニッションオンされた後(時刻t1)、診断実行条件が成立すると(時刻t2)、実行回数Nが第1所定回数Nr1に達するまで、アクティブ空燃比制御が繰り返し実行され、触媒34aの状態がリセットされる。実行回数Nが第1所定回数Nr1に達すると(時刻t3)、第2所定回数Nr2に達するまで、アクティブ空燃比制御が繰り返し実行されると共に各回のアクティブ空燃比制御において酸素吸蔵量OSAが測定される。実行回数Nが第2所定回数Nr2に達すると(時刻t4)、時刻t3から時刻t4までのアクティブ空燃比制御において測定された酸素吸蔵量OSAに基づいて劣化判定用測定値Cmaxが算出される。この例では、劣化判定用測定値Cmaxは第1閾値Cr1未満かつ第2閾値Cr2以上であるため、触媒34aの劣化の有無が判断されることなく、Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowがオンされる。そして、次のトリップ(時刻t5)において、診断実行条件が成立すると(時刻t6)、Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowがオンであるため、EGR制限フラグFegrqがオンされ、診断中のEGRの実施が禁止される。これにより、劣化判定用測定値Cmaxの低下の要因が触媒34aの劣化によるものなのかEGRの実施によるものなのかが区別しづらい状況においては、次のトリップでEGRが非実施の状態で診断が実行されるから、誤った診断が下されるのを防止することができる。この例では、診断中の時刻t7にイグニッションオフされて診断実行条件が不成立となるため、診断の実行が中断される。この場合、次のトリップにおいても(時刻t8)、Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowがオンのまま維持され、診断実行条件が成立したときに(時刻t9)、EGR制限フラグFegrqがオンされ、EGRが非実施の状態で診断が実行される。そして、実行回数Nが第1所定回数Nr1を経て第2所定回数Nr2に達すると(時刻t10,t11)、劣化判定用測定値Cmaxが算出される。この例では、劣化判定用測定値Cmaxが第1閾値Cr1以上であるから、触媒34aに劣化が生じていないと判定され、Cmax低レベル状態判定フラグFcmaxlowとEGR制限フラグFegrqとがオフされる。
以上説明した本実施例のエンジン装置10では、酸素吸蔵容量の指標となる劣化判定用測定値Cmaxに基づいて触媒34aの劣化を診断する触媒劣化診断を行なう。触媒劣化診断において、劣化判定用測定値Cmaxが第1閾値Cr1未満の場合には、EGR(排気再循環)の実施を制限(禁止)して触媒劣化診断を行なう。これにより、酸素吸蔵容量に基づく触媒34aの劣化診断の実行機会を確保することができると共に、酸素吸蔵容量が所定量未満の場合には排気再循環の実行を制限した上で改めて触媒劣化診断を行なうため、診断の精度を高めることができる。
実施例のエンジン装置10では、劣化判定用測定値Cmaxが第1閾値Cr1未満かつ第2閾値Cr2以上の場合に、次のトリップで触媒34aの劣化診断を行なう際にEGRの実施を禁止するものとした。しかし、この場合、例えば、目標EGR率に上限値を設定し、その上限値を超えない範囲内でEGRの実施を許可するものとしてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン12が「エンジン」に相当し、排気再循環装置(EGRシステム)60が「排気再循環装置」に相当し、電子制御ユニット14が「制御装置」に相当し、第1閾値Cr1が「所定量」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、エンジン装置の製造産業に利用可能である。
10 エンジン装置、12 エンジン、14 電子制御ユニット、22 エアクリーナ、24 スロットルバルブ、25 吸気管、26 燃料噴射弁、28a 吸気バルブ、28b 排気バルブ、29 燃焼室、30 点火プラグ、32 ピストン、34 排気浄化装置、34a 触媒、34b 温度センサ、35a 空燃比センサ、35b 酸素センサ、36 スロットルモータ、38 イグニッションコイル、40 クランクポジションセンサ、42 水温センサ、44 カムポジションセンサ、46 スロットルバルブポジションセンサ、48 エアフローメータ、49 温度センサ、60 排気再循環装置(EGRシステム)、62 EGR管、64 EGRバルブ。
Claims (1)
- 排気管に触媒を有するエンジンと、
前記エンジンの排気の一部を吸気管へ再循環させる排気再循環装置と、
前記エンジンと前記排気再循環装置とを制御すると共に酸素吸蔵容量に基づいて前記触媒の劣化を診断する触媒劣化診断を行なう制御装置と、
を備えるエンジン装置であって、
前記制御装置は、前記酸素吸蔵容量が所定量未満の場合に、前記排気再循環装置の排気再循環の実行を制限して前記触媒劣化診断を行なう、
エンジン装置。
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