JP2020084720A - マット型舗装補修材 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便で作業効率が高く、耐久性を確保し補修後も破損することなく、長期にわたって舗装体を維持することが可能な舗装用補修材の提案を課題とする。【解決手段】マット型舗装補修材1は、アスファルトと細骨材及び粗骨材を加熱混錬したアスファルト混合物製のマット状補修材本体3と、マット状補修材本体3の下面に設けられた、接着面に自着可能な粘着層7と、粘着層7の下面に貼り付けられた剥離シート9とを備える。マット型舗装補修材1を用いることにより、ひび割れが発生した箇所を補修することができる。【選択図】 図4
Description
本発明は、マット型舗装補修材に関する。
現状の舗装の補修技術は、全面的に表面を切削して補修する切削オーバーレイ工法、常温アスファルト混合物によって舗装上に発生した小穴(ポットホール)を埋める簡易工法などがある。
特許文献1は、舗装の補修方法を開示する。
社会資本である道路舗装は建設後の経年劣化が進んでおり、道路舗装の維持管理を効率的に行う必要に迫られている。特に最近では、交通車両の大型化や交通量の増大によって、舗装体が受ける損傷も大きくなっており、舗装体の損傷に応じた適切な補修を適切な時期に行わないと、道路の寿命そのものが短くなる危険性が高まっている。
現在の道路の維持管理における問題は、過去に建設された大量の道路舗装が同時に修繕時期を迎えていることである。舗装の補修は早期発見、早期補修が望ましいが、現状では補修箇所が大量に発生しているため、その全てに対応しきれていない。舗装の破損は、線状のひび割れから発生するものが多い。小さいひび割れを補修せずに放置すると、ひび割れは亀甲状に成長し、その後表面のアスファルト層の剥脱が発生する。アスファルト層の剥脱が発生すると舗装としての機能は失われ、車両の安全な走行は確保できなくなる。現在は局所的に亀甲状のひび割れが増加している傾向にあり、適切な補修工法が求められている。
亀甲状のひび割れに対して、従来の補修では、アスファルト合材工場出荷の加熱アスファルト混合物によるオーバーレイ工法や袋入り常温混合物やセメント組成物(下記特許文献1参照)による応急補修が適用されているが、これらの工法には経済性や施工性、効果の継続性などの点で一長一短がある。オーバーレイ工法は、破損した表層部分を切削して、新しい表層を舗設する工法で舗装表面を新設と同様の状態に回復できる。しかし、施工面積が大きくなり、かつ破損していない箇所も切削するため、費用及び時間が多大に必要となり、かつ、産業廃棄物となる舗装廃材も大量に発生する。袋入り常温混合物による補修では、袋から常温混合物を取り出して、敷き均し、転圧することで補修が完了する。これは比較的簡便な補修が可能であるが、骨材同士の結合力が低いため、耐久性は低く、ひび割れが再発しやすい。
本発明は、上記従来技術の補修工法の欠点を解決し、補修された道路舗装の長期供用性を維持するためになされたものである。本発明では、簡便で作業効率が高く、耐久性を確保し補修後も破損することなく、長期にわたって舗装体を維持することが可能な舗装用補修材の提案を課題とする。
本発明に係るマット型舗装補修材は、高粘度特殊アスファルトと細骨材及び粗骨材を加熱混錬したアスファルト混合物製のマット状補修材本体と、前記マット状補修材本体の下面に設けられた、接着面に自着可能な粘着層と、前記粘着層の下面に貼り付けられた剥離シートとを備える。
本発明に係るマット型舗装補修材では、高粘度特殊アスファルトと細骨材及び粗骨材を加熱混錬したアスファルト混合物製のマット状補修材本体と、マット状補修材本体の下面に設けられた、接着面に自着可能な粘着層と、粘着層の下面に貼り付けられた剥離シートとを備えることにより、簡便な施工性と長期における供用性の確保を実現できる。
また、本発明に係るマット型舗装補修材では、前記粘着層は、前記マット状舗装補修材本体の下面に貼り付けられた粘着シートであることができる。
本発明に係るマット型舗装補修材では、粘着層として、マット状舗装補修材本体の下面に貼り付けられた粘着シートを用いることができる。
また、本発明に係るマット型舗装補修材は、高粘度特殊アスファルトと細骨材及び粗骨材を加熱混錬したアスファルト混合物製のマット状補修材本体と、前記マット状舗装補修材本体の下に位置する補修対象面に自着可能な粘着層と、前記粘着層の下面に貼り付けられた剥離シートとを備えて構成されてもよい。
また、本発明に係るマット型舗装補修材では、前記マット状舗装補修材本体と前記粘着層との間に、前記マット状舗装補修材本体と前記粘着層とが一体化した中間層が形成されていてもよい。マット状補修材本体と粘着層との間に、マット状補修材本体と粘着層とが一体化した中間層が形成されていることにより、粘着層とマット状舗装補修材のアスファルト混合物層とは非常に強く密着して強固な補修材を形成することができる。
本発明のマット型舗装補修材によって破損が発生した舗装を簡単に補修できる。また、本発明のマット型舗装補修材を用いることにより、舗装修理する際の施工時間の短縮化、施工に伴う交通渋滞の抑制及び施工用の機械や設備が不要となることによる施工費用の節減が可能となる。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明のマット型舗装補修材に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1は、一実施形態に係るマット型舗装補修材の平面図を概略的に示す図面である。図2は、一実施形態に係るマット型舗装補修材の断面図を概略的に示す図面である。図3は、別の実施形態に係る本発明のマット型舗装補修材の断面図を概略的に示す図面である。また、図4は、本発明に係るマット型舗装補修材の使用時の断面図を概略的に示す図面である。
本発明者らは、ひび割れの補修に最適な補修材の特性に焦点を当てて研究開発を重ねた結果、ゴムや熱可塑性高分子材料を含む高粘度特殊アスファルトを結合材とした高粘度アスファルト混合物の表面に骨材を撒布し下面に接着層を有するマット型の補修材が施工性と耐久性を兼ね備えることができることを見出して、本発明を完成した。
図1において、マット型舗装補修材1は、マット型に成型された高粘度特殊アスファルト混合物3と、高粘度特殊アスファルト混合物3の表面に散布された細骨材5を含む。本実施形態において、マット型に成型された高粘度特殊アスファルト混合物3は、本発明におけるアスファルト混合物製のマット状補修材本体に該当する。マット状補修材本体を構成するアスファルト混合物は、細骨材及び粗骨材が、高粘度特殊アスファルトに加熱混錬されて形成されている。また、細骨材及び粗骨材は、例えば粒径の異なる砂或いは砂利からなることができる。また、図2は、マット型舗装補修材の断面図を概略的に示す。図2において、高粘度特殊アスファルト混合物3の下面にシート状の粘着層7を設置し、粘着層7の下面に剥離シート9が設置されている。粘着層7は、補修する舗装表面(接着面)に自着可能に形成されている。
また、粘着層7は、高粘度特殊アスファルト混合物(マット状補修材本体)3の下に位置する補修対象面に自着可能に形成されてもよい。この場合、補修対象面は、道路等の舗装表面に限られない。例えば、建物等の床や壁等の補修にも適用することができる。
図3は、マット型舗装補修材1の断面図を概略的に示す。図3のマット型舗装補修材1では、図2のマット型舗装補修材と同様に、高粘度特殊アスファルト混合物3の下面にシート状の粘着層7を設置し、粘着層7の下面に剥離シート9が設置されている。さらに、高粘度特殊アスファルト混合物3と粘着層7との間に、高粘度特殊アスファルト混合物3と粘着層7とが一体化した中間層11が形成されている。図4は、マット型舗装補修材1の使用時の断面図を概略的に示す。図4において、マット型舗装補修材1は、離形シート9を剥がし、粘着層7を露出させた状態で、舗装に発生したひび割れ10の上に設置される。これにより、舗装の表面に表れたひび割れが解消される。粘着層7は、補修する舗装表面(接着面)に強固に自着し、剥離しない。従い、マット型舗装補修材1を用いて、舗装表面を補修することにより、長期間にわたり供用性を維持できる。
次に、本実施形態に係るマット型舗装補修材1の使用方法について説明する。本発明によるマット型舗装補修材で求められる性能は、施工における簡便性と交通荷重に対する耐久性である。まず、施工における簡便性の実現であるが、これは補修材をマット型としたことで解決した。マットの大きさは、通常は、一辺約50cmを基準とし、厚さは約3〜20mmである。粘着層7には剥離シート(離形紙)9が貼付されており、使用する際には剥離シート9を剥がし、粘着層7と補修面を接着させる。持ち運びが可能な大きさのマット型補修材としたことで、前述の施工において必要な簡便性を有する。
次に、補修後の補修箇所の耐久性を確保する上で、マット型舗装補修材は、この補修材が貼り付けられるひび割れ破損箇所の上下動に追随し、交通荷重によって容易に圧縮変形しないことが望まれる。すなわち、繰り返し発生する上下の変位によって破断しない柔軟性と繰り返し載荷される交通荷重の圧縮力によって変形しない剛性という相反する性能を有する必要がある。
本発明では、基材に高粘度特殊アスファルトを結合材としたアスファルト混合物を使い、その表面に骨材を撒布することで前述の弾性と剛性を兼ね備えた性能を獲得した。表面に撒布される骨材は、マット型舗装補修材が、交通荷重を受けた際に変形することを防止する役目を果たす。加えて、表面に散布される骨材は、タイヤに対して適度な摩擦を発生させて、雨天時における車両通行の安全性を確保する。
本発明における粘着層は、マット状舗装補修材本体の下面に粘着シートを設置したものである。
以上より、本発明によるマット型アスファルト混合物舗装補修材では、舗装表面のひび割れの補修に際し、簡便な施工性と長期における供用性の確保を実現できる。
使用材料のうち高粘度特殊アスファルトについて説明する。本発明で使用する高粘度特殊アスファルトとは、製油所で製造される石油系アスファルトにゴム及び熱可塑性高分子材料を添加した改質されたアスファルトである。本発明で使用する高粘度アスファルトの性状は以下の表1の通りである。
針入度の値が高いほど軟らかく、また、軟化点の値が高いほど、熱に対して変形しにくくなる。ゴム及び熱可塑性樹脂が添加されない通常の石油系アスファルトでは、針入度が高くなるほど、軟化点は低くなる。本発明で使用される高粘度特殊アスファルトは、針入度と軟化点が、共に高い値を示している。この性状の特徴によって、本発明の舗装補修用アスファルト混合物マットは、低温時における弾性と高温時における剛性を確保することができる。
使用材料のうち高粘度アスファルト混合物について説明する。本発明で使用する高粘
度アスファルト混合物は、細骨材と粗骨材及び前述の高粘度特殊アスファルトを混練さ
せることで製造される。細骨材は粒径が0mm以上5mm未満、粗骨材は5mm以上のものを
使用する。このように大きさが著しく異なる骨材を使用することで、大きい骨材同士の
隙間に小さい骨材が詰まることで混合物の密度があがり、かつ骨材同士のかみ合わせが
発生することで、外力に対する変形抵抗性が発現する。細骨材及び粗骨材と高粘度特殊
アスファルトの配合割合は、細骨材及び粗骨材100重量部に対して、5〜40重量部
である。細骨材、粗骨材と高粘度特殊アスファルトの配合割合は使用箇所の気候や交通
条件によって変動させる。例えば、気温が高く、交通量が多い場所では、高粘度特殊ア
スファルトの配合割合を少なくし、粗骨材の配合割合を多くする。また、気温が低く、
交通量が少ない場所では、高粘度特殊アスファルトの配合割合を多くし、細骨材の配合
割合を多くする。
度アスファルト混合物は、細骨材と粗骨材及び前述の高粘度特殊アスファルトを混練さ
せることで製造される。細骨材は粒径が0mm以上5mm未満、粗骨材は5mm以上のものを
使用する。このように大きさが著しく異なる骨材を使用することで、大きい骨材同士の
隙間に小さい骨材が詰まることで混合物の密度があがり、かつ骨材同士のかみ合わせが
発生することで、外力に対する変形抵抗性が発現する。細骨材及び粗骨材と高粘度特殊
アスファルトの配合割合は、細骨材及び粗骨材100重量部に対して、5〜40重量部
である。細骨材、粗骨材と高粘度特殊アスファルトの配合割合は使用箇所の気候や交通
条件によって変動させる。例えば、気温が高く、交通量が多い場所では、高粘度特殊ア
スファルトの配合割合を少なくし、粗骨材の配合割合を多くする。また、気温が低く、
交通量が少ない場所では、高粘度特殊アスファルトの配合割合を多くし、細骨材の配合
割合を多くする。
使用材料のうち、高粘度アスファルト混合物の表面に撒布する骨材は粒径が5mm程度の骨材を使用する。骨材は、その使用が可能ならば、舗装廃材から回収される再生骨材が望ましい。再生骨材では、表面にアスファルトが微量付着しており、高粘度アスファルト混合物との接着性が良いからである。撒布量は、使用箇所に応じて調整を行うが、表面のすべり抵抗性を確保する観点から約0.2/cm2〜0.8g/cm2とする。
マット型舗装補修材の形状は、通常は、一辺の長さが約20cm〜1mの正方形もしくは長方形で、厚さは約3mm〜20mmである。この程度の大きさにすることで、補修現場で容易に持ち運びができ、 施工も簡単に行うことができる。
マット型舗装補修材の粘着層は合成ゴムである。合成ゴムの組成はアスファルトの組成と同様の炭化水素化合物であることから、粘着層とマット型舗装補修材のアスファルト混合物層とは強く密着して分離不能な中間層を形成する。この中間層によってマット型舗装補修材は、交通荷重などによって容易に破断しない充分な強度を発現する。また、粘着層は既設の舗装のアスファルト分と融着し密着性を確保することで、破損した舗装面を補修する。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
1 マット型舗装補修材
3 マット型に成型された高粘度特殊アスファルト混合物
5 表面に散布された細骨材
7 粘着層
9 離形シート
10舗装に発生したひび割れ
11中間層
3 マット型に成型された高粘度特殊アスファルト混合物
5 表面に散布された細骨材
7 粘着層
9 離形シート
10舗装に発生したひび割れ
11中間層
Claims (4)
- アスファルトと細骨材及び粗骨材を加熱混錬したアスファルト混合物製のマット状補修材本体と、
前記マット状補修材本体の下面に設けられた、接着面に自着可能な粘着層と、
前記粘着層の下面に貼り付けられた剥離シートと、を備えたマット型舗装補修材。 - 前記粘着層は、前記マット状舗装補修材本体の下面に貼り付けられた粘着シートである、請求項1に記載のマット型舗装補修材。
- アスファルトと細骨材及び粗骨材を加熱混錬したアスファルト混合物製のマット状補修材本体と、
前記マット状補修材本体の下に位置する補修対象面に自着可能な粘着層と、
前記粘着層の下面に貼り付けられた剥離シートと、を備えたマット型舗装補修材。 - 前記マット状補修材本体と前記粘着層との間に、前記マット状補修材本体と前記粘着層とが一体化した中間層が形成されている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のマット型舗装補修材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018225153A JP2020084720A (ja) | 2018-11-30 | 2018-11-30 | マット型舗装補修材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018225153A JP2020084720A (ja) | 2018-11-30 | 2018-11-30 | マット型舗装補修材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020084720A true JP2020084720A (ja) | 2020-06-04 |
Family
ID=70907021
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018225153A Pending JP2020084720A (ja) | 2018-11-30 | 2018-11-30 | マット型舗装補修材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020084720A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112458926A (zh) * | 2020-10-15 | 2021-03-09 | 杨同伟 | 一种基于高架桥梁维护用断面修补方法 |
-
2018
- 2018-11-30 JP JP2018225153A patent/JP2020084720A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112458926A (zh) * | 2020-10-15 | 2021-03-09 | 杨同伟 | 一种基于高架桥梁维护用断面修补方法 |
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