JP2020084311A - 造形方法及び造形装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 造形可能な形状の制限が少ない造形技術を提供する。【解決手段】 第1の粉末を均し、粉末層を形成する第1の工程と、前記粉末層に、製造する立体物モデルの三次元形状データに基づいて第2の粉末を含む液体の付与を行う第2の工程と、前記粉末層の、前記第2の粉末を含む液体を付与していない領域の、少なくとも一部に第3の粉末を含む液体を付与する第3の工程と、前記第1から第3の工程の繰り返しによって得られる積層体を、前記第3の粉末は焼結せず、前記第2の粉末が焼結または溶融する温度で加熱する第4の工程と、を有することを特徴とする。【選択図】 図1
Description
本発明は、粒子状の材料を用いて立体物を造形する技術に関する。
立体物を造形する方法として、造形対象物である立体物モデルのスライスデータに従って造形材料を積層する積層造形法が注目されている。従来は樹脂材料を用いた造形が主流であったが、最近では、金属やセラミックスなど、樹脂以外の造形材料を用いた造形を行う装置も増えてきている。
特許文献1には、基板上に粉末材料の薄層を形成し、その後レーザで局所的な加熱を行って粉末材料を焼結する、という工程を繰り返して造形物を得る方法が開示されている。特許文献1の手法では、オーバーハング構造や可動部のある構造など、粉末材料が焼結されていない領域(以下「非造形領域」とよぶ)の上に構造体を形成する場合、非造形領域の上部に存在する粉末材料を焼結しなければならない。その際の局所的な熱収縮により反りが発生することがあるため、構造体の形状によっては、反りを抑制するサポート体(サポート構造とも称す)を付加して造形する必要がある。サポート体は、本来不要な構造であるため、立体物モデルの形状次第では、造形後に除去が必要となる場合があり、サポート体の除去が困難な形状ないし構造をもつ立体物モデルは造形が困難である。特に、金属の造形物からサポート体を除去する際には金属加工機を用いる必要があるため、金属加工機による除去が物理的に困難な微細構造は造形することができなかった。また、セラミックスの造形物からサポート体を除去する場合も、セラミックスが負荷により破損しやすいため、選択的にサポート体を除去することは困難であった。
また、金属又はセラミックスなどの粒子と樹脂バインダーとの混合材料を用いて造形物の形状を作製した後に、樹脂を除去(脱脂)し焼結することで、金属又はセラミックスの造形物を得る手法が知られている。特許文献2では、金属粒子含有層に樹脂成分を含む液状結合剤を塗布して固化する工程を繰り返した後に、固化していない領域を取り除くことで、樹脂と金属粒子の複合造形物を作製する手法が開示されている。得られた複合造形物を、熱処理により脱脂、焼結することで金属造形物を得ている。
特許文献2の方法では、オーバーハング構造や可動部のある構造などを有する形状を作製する場合、結合剤を塗布していない粉末(固化していない粉末)をサポート体の代わりに利用して造形している。しかし、サポート体代わりの粉末は、脱脂及び焼結の前に除去されるため、脱脂あるいは焼結の際に形状を維持できず、変形、破損することがある。したがって、特許文献2の造形方法では、造形可能な形状、サイズに制限があった。とはいえ、形状維持のためにサポート体代わりの粉末を除去しないで熱処理を行うと、非造形領域の金属粒子が造形領域の金属粒子に合一してしまい、求める形状が得られない可能性がある。
上述したように、従来の造形方法では造形可能な形状に制限がある。特に金属やセラミックスなどの造形材料を用いる方法では、所望の形状が造形できるとは言い難い状況である。本発明は、造形可能な形状の制限が少ない造形技術を提供することを目的とする。
本発明第一態様にかかる立体物の製造方法は、第1の粉末を均し、粉末層を形成する第1の工程と、前記粉末層に、製造する立体物モデルの三次元形状データに基づいて第2の粉末を含む液体の付与を行う第2の工程と、前記粉末層の、前記第2の粉末を含む液体を付与していない領域の、少なくとも一部に第3の粉末を含む液体を付与する第3の工程と、前記第1から第3の工程の繰り返しによって得られる積層体を、前記第3の粉末は焼結せず、前記第2の粉末が焼結または溶融する温度で加熱する第4の工程と、を有することを特徴とする。
本発明第二態様にかかる立体物の製造方法は、第1の粉末を均し、粉末層を形成する第1の工程と、前記粉末層に、製造する立体物モデルの三次元形状データに基づいて第2の粉末を含む液体の付与を行う第2の工程と、前記粉末層の、前記第2の粉末を含む液体を付与していない領域の、少なくとも一部に第3の粉末を含む液体を付与する第3の工程と、前記第3の粉末は焼結せず、前記第2の粉末が焼結または溶融する温度で加熱する第4の工程と、をこの順に繰り返すことを特徴とする。
本発明第三態様にかかる造形装置は、第1の粉末を均して粉末層を形成する動作と、該粉末層に作製する製造する立体物モデルの三次元形状データに基づいて第2の粉末を含む液体の付与を行う描画動作と、を含む一連の動作を繰り返し行うことにより造形を行う造形装置であって、前記粉末層を形成する粉末層形成部と、前記粉末層に前記三次元形状データに基づいて液体の付与を行う描画部と、を備え、前記描画部は、前記第1の粉末を固定化する領域に前記第2の粉末を含む液体を付与し、前記第2の粉末を含む液体が付与された領域外の少なくとも一部の領域に第3の粉末を含む液体を付与することを特徴とする。
本発明によれば、製造可能な形状の制限が少ない、立体物の製造方法を提供することができる。
本発明は、粉末状の材料を用いて立体物を製造するための製造方法に関する。本発明の方法は、アディティブマニファクチャリング(AM)システム、三次元プリンタ、ラピッドプロトタイピングシステムなどと呼ばれる造形装置を用いた製造方法に好ましく利用可能である。
以下、本発明の好ましい実施形態及び実施例を示して、本発明を詳細に説明する。各図面において、同一部材あるいは対応する部材を示す箇所には、同一の符号を付与している。特に図示あるいは記述をしない構成や工程には、当該技術分野の周知技術又は公知技術を適用することが可能である。また、重複する説明は省略する場合がある。
(立体物の製造方法)
本発明の実施形態に係る立体物の製造方法は、概略、下記の(工程1)〜(工程5)を有する。
(工程1)第1の粉末を用いて粉末層を形成する工程
(工程2)粉末層の造形領域に、第2の粉末を含む液体を付与する工程
(工程3)粉末層の非造形領域に、第3の粉末を含む液体を付与する工程
(工程4)第3の無機粒子が焼結せず、第1の粉末および/または第2の粉末が焼結する温度で加熱する工程
(工程5)非造形領域の第1の粉末および第3の粉末を取り除く工程
本発明の実施形態に係る立体物の製造方法は、概略、下記の(工程1)〜(工程5)を有する。
(工程1)第1の粉末を用いて粉末層を形成する工程
(工程2)粉末層の造形領域に、第2の粉末を含む液体を付与する工程
(工程3)粉末層の非造形領域に、第3の粉末を含む液体を付与する工程
(工程4)第3の無機粒子が焼結せず、第1の粉末および/または第2の粉末が焼結する温度で加熱する工程
(工程5)非造形領域の第1の粉末および第3の粉末を取り除く工程
上記の(工程1)〜(工程5)を行うことにより、第2の無機粒子を付与した領域の粉末を固定化させ、粉末層1層分の厚みを有するシート状(又は板状)の造形物を形成することができる。さらに、上記の(工程1)〜(工程3)の動作を繰り返して複数の粉末層を積層した後に(工程4)を行う、あるいは、(工程1)〜(工程4)一連の動作を繰り返して複数の粉末層を積層することで、所望形状を有する立体物を製造することができる。
[第1の実施形態]
図1は、(工程1)〜(工程4)の一連の動作を複数回繰り返したのち(工程5)を実行する場合の工程例を示している。図3は粉末層の造形領域と非造形領域の構造を模式的に示す拡大図である。
図1は、(工程1)〜(工程4)の一連の動作を複数回繰り返したのち(工程5)を実行する場合の工程例を示している。図3は粉末層の造形領域と非造形領域の構造を模式的に示す拡大図である。
立体物の製造を開始する前に、造形装置又は外部装置(例えばパーソナルコンピュータなど)によって、製造する立体物モデルの三次元形状データから、各層を形成するためのスライスデータが生成されているものとする。三次元形状データとしては、三次元CAD、三次元モデラー、三次元スキャナなどで作成されたデータを用いることができ、例えば、STLファイルなどを好ましく利用できる。スライスデータは、立体モデルの三次元形状を所定の間隔(厚み)でスライスして得られるデータであり、断面の形状、層の厚み、材料の配置などの情報を含むデータである。層の厚みは造形精度に影響するため、要求される造形精度や造形に用いる粉末の平均粒子径に応じて層の厚みを決めると良い。
(各工程の説明)
図1、3を用いて、(工程1)〜(工程5)の各工程について説明する。
図1、3を用いて、(工程1)〜(工程5)の各工程について説明する。
(工程1)第1の粉末を用いて粉末層を形成する工程
本工程では、立体モデルの三次元形状データから生成したスライスデータに基づき、第1の無機粒子1を含む第1の粉末を用いて粉末層11が形成される(図1(A))。本明細書では、複数の粒子の集合体を「粉末」と称し、粉末を所定の厚さに均したものを「粉末層」と称し、複数の粉末層を積層したものを「積層体」と称す。本工程の段階では、粉末層11を構成する個々の粒子は固定されていないが、粒子間に作用する摩擦力などの力により粉末層11の形態は保持される。
本工程では、立体モデルの三次元形状データから生成したスライスデータに基づき、第1の無機粒子1を含む第1の粉末を用いて粉末層11が形成される(図1(A))。本明細書では、複数の粒子の集合体を「粉末」と称し、粉末を所定の厚さに均したものを「粉末層」と称し、複数の粉末層を積層したものを「積層体」と称す。本工程の段階では、粉末層11を構成する個々の粒子は固定されていないが、粒子間に作用する摩擦力などの力により粉末層11の形態は保持される。
粉末層11を形成する第1の粉末を構成する第1の無機粒子1としては、例えば、金属粒子、セラミックス粒子などを使用することができる。前述したように、従来の造形方法では後加工(サポート体の除去など)が困難という理由から、金属又はセラミックスで造形可能な形状に制限があった。これに対し、本実施形態の方法は後述するように金属やセラミックスでも複雑形状や微細形状の造形が容易である。したがって、本実施形態の立体物の製造方法は、金属を含む立体物あるいはセラミックスを含む立体物の製造に好適である。
第1の無機粒子1に適した金属としては、例えば、銅、錫、鉛、金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、チタン、タンタル、鉄、ニッケルなどが挙げられる。ステンレス合金、チタン合金、コバルト合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、鉄合金、ニッケル合金、クロム合金、シリコン合金、ジルコニウム合金などの金属合金を用いることもできる。さらに、炭素鋼のように、金属に炭素などの非金属元素を添加したものを、第1の無機粒子1として用いてもよい。
酸化物セラミックスや非酸化物セラミックスの粒子を、第1の無機粒子1として用いてもよい。酸化物セラミックスとしては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ウラン、チタン酸バリウム、バリウムヘキサフェライト、ムライトなどの金属酸化物が挙げられる。非酸化物セラミックスとしては、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化タングステン、炭化ホウ素、ホウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化ランタン、モリブデンシリサイド、鉄シリサイド、バリウムシリサイドなどが挙げられる。第1の無機粒子は、複数種類の金属の複合粒子や、複数種類のセラミックスの複合粒子であってもよい。
第1の粉末は、第1の無機粒子1以外の物質を含んでいてもよい。例えば、粉末層11の成形を容易にすること、粉末層11の形態を保持すること、あるいは後述する(工程2)で付与する液体の拡散を良好に制御すること、などを目的として、第1の粉末に添加剤を添加してもよい。これにより造形の容易化及び造形精度の向上を図ることができる。また、第1の粉末の中に、異なる材料からなる複数種類の第1の無機粒子1を混合してもよい。
第1の粉末の平均粒子径は、粉末層11を良好に形成するために、凝集が起こらない程度の寸法にすることが好ましい。また、第1の無機粒子1の平均粒子径は、(工程2)で付与する液体の浸透や拡散、(工程4)の加熱処理における粒子の固定、さらには造形物の強度や機能の要求に適した寸法にすることが好ましい。具体的には、第1の粉末の体積基準の平均粒子径が、1μm以上、500μm以下の範囲から選択されるとよく、好ましくは、1μm以上、100μm以下の範囲から選択されるとよい。平均粒子径が1μm以上500μm以下であることで、粉末層形成時の粒子の凝集が抑えられ、欠陥の少ない層形成と、高い造形精度の実現が容易になる傾向にある。本発明では、体積基準の平均粒子径を、単に平均粒子径と記述する場合がある。
粉末の体積基準の平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒径分布測定装置 LA−950(HORIBA社製)を用いた粒子径分布の測定値から算出することができる。粒子径分布の測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフトを用いる。粒子径分布の測定を乾式法で行い、得られた測定結果から体積基準の平均粒子径を算出する。
前述の方法で粒子径が測定できない場合は、電子顕微鏡を用いて粒子を観察して、少なくとも10個以上の粒子から算出した体積基準の粒子径を平均化したものを平均粒子径としてもよい。
第1の粉末は、平均粒子径の異なる複数群の第1の無機粒子1を含んでいてもよいが、各々の群の平均粒子径はいずれも上述した数値範囲に設定されることが好ましい。
第1の粉末に、平均粒子径が互いに異なる複数群の粒子が含まれる場合、第1の粉末の粒子径分布を測定すると、それぞれの群の平均粒子径近傍に存在比率が高いことを示すピークが現れる。例えば、相対的に平均粒子径の大きい第一群の粒子と、相対的に平均粒子径の小さい第二群の粒子とを混合することで、粉末層11を形成したときに第一群の粒子どうしの間隙に第二群の粒子が入り込み、粉末層11の空隙を減らすことができる。このとき、第二群の粒子の平均粒子径は、後述する第2の無機粒子の平均粒子径よりも大きく、第一群の粒子の平均粒子径の0.41倍以下であることが好ましい。第一群の粒子と第二群の粒子の平均粒子径の比をこのように設定すると、第一群の粒子が最密構造を形成した場合の粒子間隙(八面体サイト)に第二群の粒子を配置できるため、粉末層11の空間充填率を可及的に大きくすることができる。これにより、結果的に空隙率の小さい造形物を作製することができる。なお、第一群の粒子と第二群の粒子は同じ材料の粒子であることが好ましいが、異なる材料の粒子でも構わない。
第1の無機粒子1は、平均円形度が0.85以上であることが好ましく、より好ましくは0.90以上である。第1の無機粒子1の平均円形度が0.85以上であれば、粒子が球に近い構造を有することになり、粒子同士の接点を少なくすることができる。そうなると、第1の無機粒子1を含む第1の粉末の流動性が向上し、粉末層11を形成するときに第1の無機粒子1が最密充填されやすくなるため、空隙が少ない粉末層11を形成しやすくなる。
粒子の円形度は、以下のように測定することができ、平均円形度は、任意の粒子10個以上について測定して得られた円形度を平均して得ることができる。
円形度=(粒子の投影面積と同じ面積の円の周囲長)/(粒子の投影像の周囲長)
「粒子の投影像」は、粒子画像を二値化することで得ることができる。「粒子の投影面積」は粒子の投影像の面積であり、「粒子の投影像の周囲長」は粒子の投影像の輪郭線の長さである。
「粒子の投影像」は、粒子画像を二値化することで得ることができる。「粒子の投影面積」は粒子の投影像の面積であり、「粒子の投影像の周囲長」は粒子の投影像の輪郭線の長さである。
円形度は粒子の形状の複雑さを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合に1.00を示し、粒子の投影像が円形から外れる程、円形度は小さな値となる。なお、粒子の円形度は、電子顕微鏡やフロー式粒子像測定装置(例えば、東亜医用電子社製FPIA−3000型)などを用いて取得した粉末の画像に画像処理を施して必要な数値を取得することによって算出することができる。
粉末層11の形成は、例えば、図4に示すように、上方開口したコンテナ401と、コンテナの内部に設定された昇降可能な支持体402と、層厚規制手段(例えばブレードやローラ)404を備えた粉末層形成部を用いて形成することができる。具体的には、粉末層形成部のコンテナ401に収容された粉末の表面がコンテナの上縁より一層の厚さ分だけ上方となるように、支持体403の上面の位置を昇降可能な支持体402によって調整する。そして、造形コンテナ405に収容された粉末の表面(粉末がない場合は支持体406の上面)がコンテナの上縁より一層の厚さ分だけ下方となるように、の支持体406の上面の位置を昇降可能な支持体407によって調整する。そして、層厚規制手段404を用いて、粉末層形成部により造形コンテナ405の平板405の上に材料を供給し、粉末の厚さを均して1層分の粉末層11を形成する。さらに、不図示の加圧手段(例えば加圧ローラ、加圧板など)で粉末層11を加圧してもよい。加圧によって粒子間の密度が増大することで、造形物の欠陥が形成されにくくなる傾向にある。また、粉末層中の第1の無機粒子1が緻密に存在することで、後段の(工程2)及び(工程4)の処理中に、第1の無機粒子1が動くこと(粉末層11の形態が崩れること)が抑制され、形状精度の高い造形物を作製することができる。
なお、(工程1)、(工程2)は、第2の粉末を含む液体を付与する塗布装置408、第3の粉末を含む液体を付与する塗布装置409、塗布装置408および409の動作を制御する描画制御部410で構成される描画部によって実行することができる。
造形装置が組成の異なる複数種類の第1の粉末を備えており(つまり、異なる種類の第1の粉末を収容可能な複数の粉末層形成部を有し)、使用する第1の粉末を切り替え可能であってもよい。例えば、複数の粉末層11を積層する場合に、層ごとに粉末の組成を変えてもよい。
(工程2)粉末層の造形領域に、第2の粉末を含む液体を付与する工程
本工程では、製造する立体物モデル(造形対象物)から生成したスライスデータに基づき、液体付与装置によって、粉末層11のうちの造形領域Sに、第2の粉末を含む液体12(「粒子分散液12」とも呼ぶ)を付与する(図1B)。ここで「造形領域S」とは、造形対象物の断面に対応する領域(つまり、粉末層11のうち粉末を固めて造形物として取り出すべき部分)をさす。なお、造形領域S外の領域(つまり、最終的には除去されるべき部分)は「非造形領域N」と呼ぶ。
本工程では、製造する立体物モデル(造形対象物)から生成したスライスデータに基づき、液体付与装置によって、粉末層11のうちの造形領域Sに、第2の粉末を含む液体12(「粒子分散液12」とも呼ぶ)を付与する(図1B)。ここで「造形領域S」とは、造形対象物の断面に対応する領域(つまり、粉末層11のうち粉末を固めて造形物として取り出すべき部分)をさす。なお、造形領域S外の領域(つまり、最終的には除去されるべき部分)は「非造形領域N」と呼ぶ。
第2の粉末は、少なくとも、第1の粉末よりも低い温度及び/又は短い時間で焼結および溶融が可能な粉末である。すなわち、第1の粉末と第2の粉末の混合粉末を加熱すると、第1の粉末を構成する第1の無機粒子よりも先に、第2の粉末を構成する第2の無機粒子が焼結または溶融(以下、焼結/溶融と記述する)する。従って、造形領域に第2の粉末を配置することで、第2の粉末が配置されていない非造形領域の第1の粉末よりも先に、造形領域の第1の粉末の焼結を開始および促進させることができる。
ここで「焼結」とは、粒子どうしが接触する状態で粉末を融点以下の温度で加熱し、粒子どうしを固定(結合)させる処理をいい、「溶融」とは、粒子どうしが接触する状態で粉末を融点以上の温度で加熱し、粒子どうしを固定(結合)させる処理をいう。粉末の融点は、示差走査熱量計(DSC)など公知の測定方法を用いて求めることができる。
本発明において、第2の粉末の平均粒子径は、1nm以上500nm以下の範囲にあることが好ましく、1nm以上100nmより小さい範囲にあることが更に好ましい。
平均粒子径が1nm以上、500nm以下の第2の粉末を用いることは、第2の粉末の焼結または溶融開始温度を、第1の粉末の焼結開始温度に比べて十分に小さくする効果があり、第1の粉末の焼結を進め、造形物の強度を高めることができる。第2の粉末の平均粒子径が1nm以上100nm以下より小さいことで、より焼結温度が低下するだけでなく、液体12中での第2の無機粒子2の分散性が良くなり、液体12を付与する際の均一性が向上するため好ましい。
また、第2の粉末の平均粒子径は第1の粉末の平均粒子径よりも小さいため、第2の無機粒子2が第1の無機粒子1の間隙に充填され、第2の無機粒子2による第1の無機粒子1どうしの固定が図られやすくなる。第2の粉末の平均粒子径は、液体付与時に第2の無機粒子2が第1の無機粒子1の間隙に容易に入り込むことができる程度のサイズに設定するとよい。
第2の無機粒子2は、第1の無機粒子1に用いる材質に応じて、金属粒子、セラミックス粒子などを使用することができる。例えば、第1の無機粒子1として、金属粒子を用いた場合には、第2の無機粒子2にも金属粒子を用いることが好ましい。第2の無機粒子2として使用可能な金属としては、第1の無機粒子1と同様の金属、金属合金、非金属元素を添加した金属などを用いることができる。また、第1の無機粒子1としてセラミックス粒子を用いる場合は、第2の無機粒子2に、第1無機粒子1と同様の酸化物セラミックスや非酸化物セラミックスを用いることができる。第2の無機粒子2は、複数種類の金属の複合粒子や、複数種類のセラミックスの複合粒子であってもよい。
第2の無機粒子2は、第1の無機粒子1と少なくとも一種類の同じ成分を含有することが好ましい。同じ成分を含有することで、第2の無機粒子2の焼結時に第2の無機粒子2の表面と第1の無機粒子1表面とが結合しやすくなり、第2の無機粒子2を介して強固に第1の無機粒子1を固定することができる。さらには、第2の無機粒子2が、第1の無機粒子1に含有されている成分を主成分として構成されているとより好ましい。最終的な造形物は第1の無機粒子1と第2の無機粒子2の混合物になる。従って、第2の無機粒子2が第1の無機粒子1に含有されている成分(材料)で構成されていれば、造形物内の不純物の量が少なくなり、造形物の材質が均質化されるので、造形物の強度や品質を向上することができる。例えば、第1の無機粒子1が鉄を含有するステンレス合金である場合、第2の無機粒子2としては鉄粒子やニッケル粒子などを好適に使用できる。
前述のように、領域ごと又は層ごとに第1の粉末の組成を変更可能な構成の場合、第2の無機粒子2の組成及び液体12の種類を、第1の粉末の組成に合わせて領域ごと又は層ごとに変えてもよいし、第1粉末の組成に依らず一種類の液体12を用いてもよい。液体12の濃度及び量は、造形物の空隙率に影響するため、要求される造形物の空隙率に応じて決めるとよい。
(工程2)と(工程4)のあいだに、液体12を乾燥させる工程を設けるとよく、液体12を乾燥させる工程は、1層ごとに行うのが好ましい。乾燥が進むにつれて徐々に濃縮される液体12が、その表面張力によって、第1の無機粒子1どうしが近接する箇所(接触点を含む)の近傍に集まる。液体12に含まれる第2の無機粒子2も、液体12の動きに伴って第1の無機粒子1どうしが近接する箇所の周りに集まり、凝集する。このように、液体12の乾燥工程を導入して、第1の無機粒子1どうしが近接する箇所の周りに第2の無機粒子2を凝集させることにより、後述する第2の無機粒子2の焼結によって、第1の無機粒子1どうしを、効率的かつ強固に固定させることができる。液体を乾燥させる際には、液体12の濃度や量などに応じて最適な温度、時間などの乾燥条件を選ぶとよい。
また、液体12は粒子の分散性を高めるための溶媒を含んでいる。具体的な溶媒として水溶媒、有機溶媒若しくは水溶媒と有機溶媒の混合溶媒を用いることができる。中でも、水溶媒が特に好ましい。水は乾燥や加熱により容易に除去可能なため、造形物中の不純物が少なくなる傾向がある。
水溶媒としては、純水等を用いることができる。また、有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。液体12に溶媒を添加すると、乾燥時に適切な速度で溶媒の蒸発が行われ、第2の無機粒子2が、第1の無機粒子1どうしが近接する箇所の近傍に凝集しやすくなり、好ましい。液体12中の第2の無機粒子2の分散性を制御するために添加剤を適宜添加することもできる。液体12は、必要に応じて顔料などの機能性物質を含んでいても良い。ただし、添加剤は後述する(工程2)乃至(工程4)、またはその後の焼結工程で分解されるものが好ましい。
液体12中の無機粒子2以外の固形分体積は無機粒子2の体積に対して30倍以下であることが好ましく、より好ましくは20倍以下、さらに好ましくは15倍以下である。30倍以下であることで、後述する(工程2)乃至(工程4)、またはその後の焼結工程で分解した際に、造形物中に残存しにくく、不純物を減らすことができる。
なお、固形分体積は溶媒成分を蒸発した際の体積を示す。
液体12の付与に用いる液体付与装置としては、所望の位置に所望の量で液体を付与できる装置であればどのようなものを用いてもよい。液量や配置位置が精度良く制御可能な点から、図4に示すインクジェット装置408を好ましく利用できる。インクジェット装置408の動作は、描画制御部409によって制御される。
インクジェット装置にて液体12を付与する場合には、液体12の粘度をインクジェットヘッドからの吐出に適した値に調整する必要である。この場合、液体12の粘度は、50cP以下が好ましく、より好ましくは20cP以下である。液体12の粘度が20cP以下であることにより、粉末層への塗布後の液体12を第1の無機粒子1の間に速やかに拡散させることも可能となる。
造形物の体積密度を上げて強度をより高めるためには、液体12中の第2の無機粒子2の体積濃度は、上記粘度の範囲内で、高い方が好ましい。しかしながら、液体12を乾燥する過程において、第1の無機粒子1どうしが近接する箇所の近傍に第2の無機粒子2を凝集させやすくする観点では、液体12の体積濃度は低い方が望ましい。これらの条件を考慮すると、液体12の無機粒子2の体積濃度は、0.1vol%以上50vol%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3vol%以上30vol%以下である。
また、液体12は複数回付与してもよく、付与するごとに乾燥させてもよい。複数回付与することで造形領域における粉末層11中の第2の無機粒子2の濃度を制御することができる。
(工程3)粉末層の非造形領域に、第3の粉末を含む液体を付与する工程
本工程では、造形対象物のスライスデータに基づき、液体付与装置によって、粉末層11の非造形領域Nに第3の無機粒子3を含む液体13(「粒子分散液13」とも呼ぶ)を付与する(図1(C))。第3の無機粒子を含む液体を付与する領域は、少なくとも前記第2の無機粒子が付与される造形領域Sの外周領域を含むことが好ましい。本発明における外周領域とは、造形領域Sに接する非造形領域Nの境界部分を指す。
本工程では、造形対象物のスライスデータに基づき、液体付与装置によって、粉末層11の非造形領域Nに第3の無機粒子3を含む液体13(「粒子分散液13」とも呼ぶ)を付与する(図1(C))。第3の無機粒子を含む液体を付与する領域は、少なくとも前記第2の無機粒子が付与される造形領域Sの外周領域を含むことが好ましい。本発明における外周領域とは、造形領域Sに接する非造形領域Nの境界部分を指す。
少なくとも造形領域Sに接する非造形領域Nの境界部分に第3の無機粒子が存在することで、液体13の使用量が少なくても、後述する(工程5)の後で造形領域Sと非造形領域Nとを分離しやすくすることができる。
なお、第3の無機粒子を付与する非造形領域Nの境界部分を除いた非造形領域に、第3の無機粒子を付与しない、もしくは第2の無機粒子を付与し、(工程4)によって第3の無機粒子を付与していない非造形領域の粉末を固化物としてもよい。非造形領域の形状によっては、粉末を複数の固化物に分けた方が除去しやすい場合がある。その場合は、非造形領域Nの境界部分に加えて、非造形領域を分割するように、第3の無機粒子を含む液体を付与することが好ましい。非造形領域Nを分割した固化物にすることで、非造形部分が造形物から取り出しにくい箇所や構造であっても、造形後に容易に取り出すことが可能になる。
また、非造形領域N全面に第3の無機粒子を含む液体を付与してもよい。非造形領域Nの全面に第3の無機粒子が存在することで後述する(工程4)でも非造形領域N全体が固化しないため、後述する工程5で非造形領域Nを取り外すことが容易になる。
また、(工程3)は、(工程2)の前に実施してもよく、(工程2)と同時に実施してもよい。
(工程3)と後述する(工程4)との間に、液体13を乾燥させる工程を設けるとよい。液体13を乾燥させる工程は、1層ごとに行うのが好ましい。
乾燥が進むにつれて徐々に濃縮される液体13が、その表面張力によって、第1の無機粒子1どうしが接する箇所、あるいは近接する箇所の近傍に集まる。液体13に含まれる第3の無機粒子3は液体13の動きに伴い、選択的に第1の無機粒子1どうしが接する箇所、あるいは近接する箇所の近傍に集まり、凝集する。
乾燥工程の結果として、第1の無機粒子1どうしが接する箇所、あるいは近接する箇所の近傍に第3の無機粒子3が凝集する。これにより、(工程4)において第1の無機粒子1どうしが焼結して固定化されるのを効率的に阻害することができる。液体13を乾燥する際には、液体13の濃度や量などに応じて最適な温度、時間などの乾燥条件を選ぶとよい。
第3の無機粒子を含む第3の粉末は、少なくとも、第1の粉末よりも高い温度及び/又は長い時間で焼結が可能な粉末である。従って、第1の粉末と第3の粉末との混合粉末を加熱した場合に、第1の粉末に含まれる一部の第1の無機粒子1どうしが焼結しても、第3の粉末を構成する第3の無機粒子どうしは焼結しない加熱条件(温度や時間など)を設定することができる。ここで「焼結」とは、粒子どうしが接触する状態で粉末を融点以下の温度で加熱し、粒子どうしを固定させる処理をいう。
詳しくは後述するが、本実施形態にかかる立体物の製造方法は、第2の無機粒子どうしは焼結/溶融するが、前記第3の無機粒子どうしは焼結しない温度で加熱する。これにより、造形領域Sでは第1の無機粒子の間に存在する第2の無機粒子によって第1の無機粒子どうし焼結を促進させる。その一方で、非造形領域Nでは第3の無機粒子によって第1の無機粒子どうしの焼結を阻害し、非造形領域Nの第1の粉末を除去しやすくするという点に特徴を有する。
本実施形態にかかる立体物の製造方法は、以下のメカニズムによって実現されていると推測する。
第2の無機粒子を含む液体、第3の無機粒子を含む液体は、それぞれ粉末層に付与された後、乾燥が進むに従って、粉末層に含まれる第1の無機粒子間の距離が最小となる箇所の近傍に集まってメニスカスを形成する。この時の第1の無機粒子1、第2の無機粒子2、第3の無機粒子それぞれの配置を図3に示す。
その後、第2の無機粒子は焼結/溶融するが、第3の無機粒子3は焼結しない温度で加熱する。この時、第2の無機粒子が焼結/溶融することで、第1の無機粒子どうしをつなぎ、第1の無機粒子間の固定が進行する。第2の無機粒子を介して第1の無機粒子どうしがつながることで、第1の粒子の接触点が増え、第1の粒子の焼結が進行する。一方、第3の無機粒子3は、第1の無機粒子間に存在するが、焼結しないため、第1の無機粒子どうしの焼結および固定を阻害する。
このように、本発明では第1の無機粒子を主材料として、造形領域内の第1の無機粒子間の結合強度を高めながらも、非造形領域の第1の無機粒子間の焼結を抑制するため、積層物の加熱時の熱収縮率、膨張率の変化が小さく、造形精度に優れる。
本発明の効果は、後述する(工程5)の後に、第2の無機粒子だけでなく第1の無機粒子が焼結する温度で加熱する工程(工程6)を行うことで、さらに大きく発現することができる。第1の無機粒子が焼結する温度で加熱することで、造形領域の第1の無機粒子どうしの結合強度をさらに高めることができる。そして、非造形領域の第1の無機粒子どうしは、第3の無機粒子3の存在によって互いに焼結しないため、簡単に除去することができる。また、(工程5)による造形領域の第1の無機粒子どうしの結合強度が高いため、(工程6)における熱による変形が小さい。その結果、造形精度が高く、強度に優れた立体物を得ることができる。
第3の粉末の平均粒子径は、1nm以上500nm以下の範囲が好ましく、1nm以上100nmより小さい範囲にあることがより好ましい。
平均粒子径が100nmより小さいことで、液体13中の第3の無機粒子3の分散性が良くなり、液体13を付与する際の均一性が向上するため好ましい。
第3の粉末の平均粒子径は第1の粉末の平均粒子径よりも小さい。これにより、第3の無機粒子3が第1の無機粒子1の間隙に充填され、第3の無機粒子3による第1の無機粒子1どうしの焼結阻害が図られやすくなる。
第3の粉末の平均粒子径は、造形に用いる第1の粉末の平均粒子径に応じて、上記範囲の中から、液体付与時に第3の無機粒子3が第1の無機粒子1の間隙に容易に入り込むことができる程度のサイズに設定するとよい。
液体13の付与に用いる液体付与装置としては、所望の位置に所望の量で液体を付与できる装置であればどのようなものを用いてもよい。液量や配置位置が精度良く制御可能な点から、インクジェット装置を好ましく利用できる。
インクジェット装置にて液体13を付与する場合には、液体13の粘度をインクジェットヘッドからの吐出に適した値に調整する必要である。この場合、液体13の粘度は、50cP以下が好ましく、より好ましくは20cP以下である。液体13の粘度が20cP以下であることにより、粉末層への塗布後の液体13を第1の無機粒子1の間に速やかに拡散させることも可能となる。
第1の無機粒子1どうしの焼結を阻害するためには、液体13中の第3の無機粒子3の体積濃度は、上記粘度の範囲内で、高い方が好ましい。しかしながら、液体13を乾燥する過程において、第1の無機粒子1間の接触点近傍に第3の無機粒子3を凝集させやすくする観点では、液体13の体積濃度は低い方が望ましい。これらの条件を考慮すると、液体13の体積濃度は、0.1vol%以上50vol%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3vol%以上30vol%以下である。
(工程4)の加熱処理を実現するためには、第2の粉末が焼結/溶融する条件下で、第3の粉末が焼結しない温度条件が存在する必要がある。
この温度条件を実現するためには、第2の粉末の焼結開始温度をT2、第3の粉末の焼結開始温度をT3とした場合、T2<T3であることが好ましい。例えば、第2の無機粒子2に金属粒子を使用した場合は、第3の無機粒子3にセラミックス粒子を好適に使用することができる。第2の無機粒子2に用いる粒子の材料によるが、第3の無機粒子3としては、第2の無機粒子と同様の金属粒子、セラミックス粒子を使用することができる。
また、第1の粉末、第2の粉末、第3の粉末それぞれの焼結開始温度を、T1、T2、T3とした場合、T2<T1<T3の関係を満たすと、造形領域の造形物の強度を上げ、非造形領域の粉除去が容易になる傾向にあり、特に好ましい。この関係は、第1の粉末、第2の粉末、第3の粉末それぞれの融点をt1、t2、t3とした場合、t2<t1<t3の関係を満たすと言い換えることもできる。プロセス中の温度制御のマージンを広げることができるため、T3とT1との温度差(t3とt1との温度差)は、100℃以上であることが好ましく、200℃以上あることがより好ましい。
第3の無機粒子3の組成及び液体13の種類は、第1の粉末の組成に合わせて領域ごと又は層ごとに変えてもよいし、あるいはすべて同じ種類の液体13を用いてもよい。また、液体13の濃度及び量は、第1の無機粒子のサイズに応じて決めることができ、層ごとに変えてもよい。
また、液体13は、無機粒子を分散する溶媒を含んでいる。具体的な溶媒として水溶媒、有機溶媒若しくは水溶媒と有機溶媒の混合溶媒を用いることができる。中でも、水溶媒が特に好ましい。水は乾燥や加熱により容易に除去可能なため、溶媒の分解物が造形物中へ取り込まれることが少なくなる傾向がある。
水溶媒としては、純水等を用いることができる。また、有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。液体13に溶媒を添加すると、乾燥時に適切な速度で溶媒の蒸発が行われるため、第3の無機粒子3が、第1の無機粒子1どうしが接触する点の近傍に凝集しやすくなり、好ましい。
水溶媒としては、純水等を用いることができる。また、有機溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素等が用いられる。液体13に溶媒を添加すると、乾燥時に適切な速度で溶媒の蒸発が行われるため、第3の無機粒子3が、第1の無機粒子1どうしが接触する点の近傍に凝集しやすくなり、好ましい。
液体13は、液体12と同様に、第3の無機粒子3の分散性を制御するために添加剤や機能性物質を含んでいても良い。
液体13中の無機粒子3以外の固形分体積は無機粒子3の量に対して30倍以下であることが好ましく、より好ましくは20倍以下、さらに好ましくは15倍以下である。30倍以下であることで、後述する(工程4)で分解した際に、分解しやすく、後述する(工程5)で非造形領域の第1の無機粒子および第3無機粒子を取り除く容易に造形物から除去することができる傾向にある。
液体13をインクジェット装置にて吐出する場合には、液体12と同様に、粘度を50cP以下に調整するのが好ましく、20cP以下に調整するとより好ましい。
(工程4)第3の粉末が焼結せず、第2の粉末が焼結/溶融する温度で加熱する工程
本工程では、第3の粉末が焼結せず、第2の無機粒子が焼結または溶融する条件にて加熱することで、焼結または溶融する第2の無機粒子2を介して、造形領域S内の第1の無機粒子1どうしを固定する(図1(D)、(G))。この時の加熱温度の上限は、第1の粉末が焼結を開始する温度以下とするのが好ましい。
本工程では、第3の粉末が焼結せず、第2の無機粒子が焼結または溶融する条件にて加熱することで、焼結または溶融する第2の無機粒子2を介して、造形領域S内の第1の無機粒子1どうしを固定する(図1(D)、(G))。この時の加熱温度の上限は、第1の粉末が焼結を開始する温度以下とするのが好ましい。
図1(D)、(G)の符号14は粒子どうしが固定された領域を示している。図1(A)〜(I)の造形プロセスでは、(工程1)から(工程4)、即ち、図1(E)〜(G)を繰り返し、造形領域Sの粒子のみを固定しながら粉末層を積層することで、造形物を内部に含む積層体15が形成される。
加熱時の雰囲気は材料の種類に応じて任意に定めることができる。例えば金属の場合、Ar、N2などの不活性ガスや、水素ガス雰囲気、真空雰囲気などの酸素が少ない雰囲気で加熱することが、焼結時の金属の酸化を抑えることができるため好ましい。
また、(工程4)では、周囲に第1の無機粒子が存在する状況下で、有機成分、樹脂を熱により除去することができる。従って、造形物の形状を維持しながら、造形物中の残炭素成分を減らすことができる。特に造形物中に厚さが異なる造形形状が混在する場合でも、内部の有機成分、樹脂成分を除去することができるため、造形物の形状の自由度に優れる。さらに、造形領域および非造形領域がともに第1の無機粒子で構成されるため、加熱時の収縮率の差が小さく、造形物の精度に優れる。
(工程5)非造形領域の第1の無機粒子および第3無機粒子を取り除く工程
本工程では、(工程4)で得られた積層体15から造形領域S外の粉末を除去し、造形物(立体物)16を得る(図1(I))。積層体15から不要な粉末を除去する方法としては、公知の方法含め、いかなる方法を用いてもよい。例えば、洗浄、エア吹付、吸引、加振などが挙げられる。
本工程では、(工程4)で得られた積層体15から造形領域S外の粉末を除去し、造形物(立体物)16を得る(図1(I))。積層体15から不要な粉末を除去する方法としては、公知の方法含め、いかなる方法を用いてもよい。例えば、洗浄、エア吹付、吸引、加振などが挙げられる。
本実施形態の造形方法では除去対象となる粉末に含まれる第1の無機粒子1は固定されていないか、固定されていたとしても、造形領域Sと比較して弱く固定されているため、除去が極めて容易である。また、除去した粉末は回収して、無機粒子3を取り除くことによって、造形材料として再利用することもできる。無機粒子3を付与した領域では無機粒子1の焼結が抑えられているため、無機粒子1の再利用が容易である。
[第2の実施形態]
本実施形態では、(工程1)から(工程3)の一連の動作を複数回繰り返したのち、(工程4)と(工程5)を実行する造形プロセスについて説明する。
本実施形態では、(工程1)から(工程3)の一連の動作を複数回繰り返したのち、(工程4)と(工程5)を実行する造形プロセスについて説明する。
図2に示す造形プロセスは、(工程1)から(工程3)、即ち、図2(D)〜(F)の一連の動作を繰り返して、造形領域S内に第2の無機粒子2を付与した状態の粉末層を積層する。造形用のデータに応じて必要回数繰り返したのち、複数の粉末層からなる積層体17をまとめて加熱して、(工程5)を施す。この造形プロセスでも、図1(H)と同じように、造形物を内部に含む積層体15が形成される。なお、積層体17を加熱する前に、積層体17に、ローラや平板を用いて加圧する工程を設けてもよい。積層体17を加圧することによって、第1の無機粒子1間の接点数が増加し、加熱時の粒子間結着が効率よく進む傾向にあるからである。
各工程は、ほとんど第1の実施形態と同様に行うことができるので、異なる点に絞って説明する。
液体12は、第2の無機粒子による第1の無機粒子の固定を補助するための結合剤を含んでもよい。結合剤としては既存の物質が使用可能であるが、(工程4)で行う加熱処理によって分解される物質、即ち、第2の無機粒子が焼結する温度または溶融する温度よりも低い分解温度を有する物質が好ましい。結合剤の添加量は、(工程4)で行う加熱処理によって分解される量の範囲にすることで、造形物中の不純物量を低下することができるため好ましい。
この場合、液体12中の無機粒子2以外の固形分体積は無機粒子2の体積に対して30倍以下であることが好ましく、より好ましくは20倍以下、さらに好ましくは15倍以下である。30倍以下であることで、後述する(工程2)乃至(工程4)、またはその後の焼結工程で分解した際に、造形物中に残存しにくく、不純物を減らすことができる。
なお、固形分体積は溶媒成分を蒸発した際の体積を示す。
造形領域S内に付与された結合剤は、(工程1)から(工程3)の繰り返しの間、第1の無機粒子1及び/又は第2の無機粒子2を固定し、形物の形状を保つのに寄与する。そして、(工程4)での加熱により分解され、分解物が第1の無機粒子間の隙間を通って除去される。その結果、(工程4)を経た造形物には、結合剤が造形物中の不純物として残りにくい。結合剤を添加する場合は、造形物中に結合剤の残留が生じないよう、結合剤の種類及び添加量を決定することが好ましい。結合剤の具体例としては、樹脂材料や水溶性炭水化物が挙げられる。結合剤は液体12中に溶解または分散することが好ましい。
液体12と同様に、液体13も第1の無機粒子を固定するための結合剤を含んでいても良い。結合剤としては液体12と同様の物質が使用可能で、(工程4)で行う加熱処理によって分解される物質、即ち、第2の無機粒子が焼結する温度または溶融する温度よりも低い分解温度を有する物質が好ましい。液体13に含まれる結合剤も、加熱により分解されることで、(工程4)までは非造形領域N内の第1の無機粒子1及び第3の無機粒子3を固定しながらも、(工程4)で分解して除去することができる。その結果、結合剤によって結合されていた非造形領域N内の第1の無機粒子1及び第3の無機粒子3は、(工程4)の終了後に結合前の状態にほぼ戻るため、造形物の取り出しが容易になり、非造形領域内の粒子1を回収して再利用する際の不純物量も少なくなる。
また、液体12や液体13の付与工程とは別に、(工程2)の後かつ(工程4)の前に、粉末層11に対して結合剤を付与する工程を設けてもよい。この場合、結合剤は、造形領域Sまたは/および非造形領域Nに付与することができる。結合剤を造形領域および非造形領域に付与することにより、粉末層の状態を維持することができ、次の粉末層形成以降も状態が維持され易くなる。
結合剤の付与方法としては、液体に結合剤を溶解あるいは分散した液体結合剤を、液体付与装置を用いて付与する方法が好ましい。液体結合剤には、樹脂材料を溶剤に溶かした樹脂溶液、水溶性物質を水に溶かした溶液、樹脂材料を溶媒に分散した溶液などを用いることができる。
液体12を付与する装置、液体13を付与する装置とは別の装置で液体結合剤を付与すれば、それぞれの付与装置を、付与する液体に応じて独立して最適化することができるため、付与装置の耐久性が優れる傾向にあり、好ましい。液体12、13と液体結合剤とを別々に付与する場合は、それぞれの液を吐出するノズルが設けられたヘッドを有するインクジェット装置により、造形領域Sへの粒子分散液12、13の付与と液体結合剤の付与を一度に行う構成も好ましい。
このように、粉末層に付与された結合剤は、(工程2)の間は第1の無機粒子1及び第2の無機粒子2を固定し、形物の形状を保つのに寄与するが、(工程4)での加熱により分解され、分解物が第1の無機粒子間の隙間を通って除去される。その結果、結合剤が造形物中の不純物として残りにくく、非造形領域N内の第1の無機粒子1の除去も容易である。結合剤の残留が生じないように結合剤の種類及び量を決定することが好ましい。
(工程1)から(工程3)の繰り返しを経て(工程4)の処理を行う前の造形領域の単位体積当たりに含まれる液体結合剤の固形分量は、付与した無機粒子2の量に対して30倍以下であることが好ましい。より好ましくは20倍以下、さらに好ましくは15倍以下である。30倍以下であることで、造形物中に残存しにくく、不純物を減らすことができる。
また、(工程1)から(工程3)の繰り返しを経て(工程4)の処理を行う前の造形領域に付与される液体12に含まれる固形分量と液体結合剤に含まれる固形分量の和は、単位体積当たり、付与した無機粒子2の量に対して30倍以下であることが好ましい。より好ましくは20倍以下、さらに好ましくは15倍以下である。30倍以下であることで、造形物中に残存しにくく、不純物を減らすことができる。
以上の説明をまとめると、本発明にかかる造形方法は、次のような特徴を有する。
・主たる造形材料である第1の無機粒子1どうしを直接結合させるのではなく、第2の無機粒子2を焼結または溶融させ、第2の無機粒子2の結合作用によってその周囲に存在する第1の無機粒子1を間接的に結合させる。したがって、第2の無機粒子2を付与する位置及び範囲を制御することで、造形物の形状を制御することができる。しかも粒子分散液12の状態で第2の無機粒子2を付与するため、インクジェット装置などの液体付与装置を利用することで、第2の無機粒子2を付与する位置、範囲、量などを簡単にかつ高精度に制御することができる。
・第2の無機粒子2が第1の無機粒子1の間隙を埋める作用があるので、造形物の空隙率を低減することができる。
・非造形領域の第1の無機粒子1に第3の無機粒子を付与することで、第1の無機粒子1の結合を抑制する。従って、第1の無機粒子1が焼結する温度近くまで加熱温度を上昇させても、第1の無機粒子1どうしの焼結を阻害することができる。そのため、非造形領域に第3の無機粒子を付与しない場合よりも高い温度で、造形領域の第1の無機粒子1どうしの焼結を促進させて、造形物の強度を高めることができる。
・第3の無機粒子3が存在により非造形領域の第1の無機粒子1どうしの固定が抑制されるため、非造形領域Nの粉末を除去する際に、大きな力を加える必要がなく、造形物の強度も高くなるので、造形物を破損したり傷つけたりするおそれが低減される。
・(工程5)の直前まで非造形領域Nの第1の無機粒子1が除去されず形態を保持したまま残っているため、オーバーハング構造がある場合には、オーバーハング構造の下の第1の無機粒子1がサポート体として機能する。これにより、造形物の変形を抑制することができる。しかも、サポート体として利用される第1の無機粒子1は、除去が容易である。したがって、本実施形態の造形方法によれば、金属やセラミックスなどの材料を用いて、従来手法では造形が困難だった複雑形状や微細形状の造形を容易にかつ高品質に行うことが可能である。
・図2のように(工程1)〜(工程3)を繰り返して積層体16を形成し、まとめて加熱する場合には、造形物の全体が均一に加熱される。したがって、局所的な熱衝撃が少なくなり、造形物形成時のひずみや割れを低減することができる。
・樹脂などの結合剤を用いなくても造形が可能であるため、脱脂による造形物の縮みや変形を回避できる。また、樹脂を使用しない、もしくは樹脂を使用しても工程2で除去することができるため、不純物の少ない造形物を作製できる。
上述した(工程1)〜(工程5)は、本実施形態の造形方法のうちの基本的な工程を例示するものにすぎず、本発明の範囲は上述した内容に限定されるものではない。上述した各工程の具体的な処理内容を適宜変更したり、上述した各工程以外の工程を追加したりしても構わない。
例えば、(工程5)の後に、(工程5)での加熱温度よりも高い温度で造形物15または造形物16を加熱する(工程6)を設けてもよい。このような追加加熱処理を行うことで、造形物15または造形物16の密度をより高めることができる。この場合に、第1の無機粒子1が焼結する条件(加熱温度、加熱時間など)で造形物15または造形物16を加熱するのが好ましい。第1の無機粒子1どうしを焼結させることにより、造形物15または造形物16の特性を向上させ、強度をより高めることができる。
この際、第1の無機粒子1が第2の無機粒子2によって固定、または第1の無機粒子同士が焼結した状態で、さらに第1の無機粒子同士の焼結を進めることができる。そして、(工程6)によって、造形物15または造形物16の形状を維持したまま、(工程4)では除去しきれずに造形物15または16内に残存した樹脂などの不純物を充分に分解することができる。さらには、周囲の粉がない状態で造形物15または造形物16の加熱を進めることで、分解物が気中へ放出されやすくなり、造形物中の有機成分の除去が容易になる。
また、非造形領域Nのうち第3の無機粒子を付与しない領域を固化物とする場合、固形物箇所および固形物箇所と造形物間の第1の無機粒子および第3の無機粒子を残したまま(工程6)を実施しても良い。
例えば、オーバーハング構造がある場合には、オーバーハング構造の下の第1の無機粒子1および第3の無機粒子3および固形物箇所がサポート体として機能する。(工程6)の後に固形物箇所および固形物箇所と造形物間の第1の無機粒子1および第3の無機粒子3を取り除くことによって、造形精度が高く、強度に優れた立体物を得ることができる。
特に、固形物箇所には第2の無機粒子2が付与されていることが好ましい。その場合、造形物箇所と固形物箇所の熱膨張率が近いため、前記加熱時の熱変形が小さく造形物に加わる負荷が小さくなる。さらには、固形物中の第1の無機粒子は熱分解しにくい第2の無機粒子で固定されるため、固形物箇所の加熱時の強度低下が小さく、造形物を支えることで、変形が小さくなる。
また、造形物の密度が低い状態で、(工程5)を行った後に、(工程6)を実施してもよい。造形物の密度が低い状態では造形物表面の第3の無機粒子の除去が容易であり、造形物中への無機粒子3の混入が少ない造形物を得ることができる。さらには、前述したように、無機粒子2の効果により、追加加熱処理時の変形が小さいため、造形精度が高く、強度と純度に優れた立体物を得ることができる。
本実施形態の方法で得られる造形物15または造形物16は、(工程4)で造形物成分として不要な結合剤などの成分を除去することができるため、(工程5)で加熱する段階の造形物15は、基本的には造形材料(第1の無機粒子1と第2の無機粒子2)で構成されている。つまり、造形物中の樹脂バインダーなどの残留物を、従来方法の造形物よりも低減することができる。また、造形物15を追加で加熱(焼結)しても、加熱処理の前後で造形物15の組成変化が小さい。また、従来方法では加熱処理で樹脂を脱脂する際に造形物の形状が変化するおそれがあったが、本実施形態の造形物15の場合はそのような問題も生じにくい。
(粒子の製造方法)
第1の無機粒子1及び第2の無機粒子2及び第3の無機粒子3は、公知の方法を含む、いかなる方法で作製してもよい。例えば、金属粒子の製造方法としては、略球形の粒子を得ることができる点で、ガスアトマイズ法及び水アトマイズ法を好ましく用いることができる。また、セラミックス粒子の製造方法としては、略球形の粒子を得ることができる点で、ゾルゲル法などの湿式での製法や、高温の気中で液化させた金属酸化物を冷却し固化させる乾式での製法を、好ましく用いることができる。
第1の無機粒子1及び第2の無機粒子2及び第3の無機粒子3は、公知の方法を含む、いかなる方法で作製してもよい。例えば、金属粒子の製造方法としては、略球形の粒子を得ることができる点で、ガスアトマイズ法及び水アトマイズ法を好ましく用いることができる。また、セラミックス粒子の製造方法としては、略球形の粒子を得ることができる点で、ゾルゲル法などの湿式での製法や、高温の気中で液化させた金属酸化物を冷却し固化させる乾式での製法を、好ましく用いることができる。
(粒子分散液の製造方法)
粒子分散液12及び粒子分散液13は、所定量の第2の無機粒子2または第3の無機粒子3を溶液中に分散させることができれば、公知の方法を含む、いかなる方法で作製してもよい。例えば、第2の無機粒子2を溶液中に添加し撹拌することで作製してもよい。
粒子分散液12及び粒子分散液13は、所定量の第2の無機粒子2または第3の無機粒子3を溶液中に分散させることができれば、公知の方法を含む、いかなる方法で作製してもよい。例えば、第2の無機粒子2を溶液中に添加し撹拌することで作製してもよい。
(実施例)
次に、上記実施形態にかかる製造方法の具体的な実施例について説明する。
次に、上記実施形態にかかる製造方法の具体的な実施例について説明する。
<粉末A>
平均粒子径が11μmのSUS粒子を含むSUS粉末(SUS316L 山陽特殊製鋼社製)を粉末Aとする。
平均粒子径が11μmのSUS粒子を含むSUS粉末(SUS316L 山陽特殊製鋼社製)を粉末Aとする。
<粉末B>
平均粒径が70nmの鉄(Fe)の粉末(NP−FE−4−25 イーエムジャパン社)を粉末Bとする。
平均粒径が70nmの鉄(Fe)の粉末(NP−FE−4−25 イーエムジャパン社)を粉末Bとする。
<粉末C>
平均粒径が20nmのシリカの粉末(RX200 日本アエロジル社)を粉末Cとする。
平均粒径が20nmのシリカの粉末(RX200 日本アエロジル社)を粉末Cとする。
<粉末1の調製>
第1の粉末としての粉末Aに、第2の粉末としての粉末Bを5wt%となるように混合した粉末を粉末1とする。
第1の粉末としての粉末Aに、第2の粉末としての粉末Bを5wt%となるように混合した粉末を粉末1とする。
<粉末2の調製>
第1の粉末としての粉末Aに、第2の粉末としての粉末Cを1wt%となるように混合した粉末を粉末2とする。
第1の粉末としての粉末Aに、第2の粉末としての粉末Cを1wt%となるように混合した粉末を粉末2とする。
<粉末3の調製>
第1の粉末としての粉末Aに、第2の粉末としての粉末Cを5wt%となるように混合した粉末を粉末3とする。
第1の粉末としての粉末Aに、第2の粉末としての粉末Cを5wt%となるように混合した粉末を粉末3とする。
<溶液Aの調製>
5.0gの粉末Bをエタノール(特級 キシダ化学社製)45.0g中に分散させ、溶液Aを得た。
5.0gの粉末Bをエタノール(特級 キシダ化学社製)45.0g中に分散させ、溶液Aを得た。
<溶液Bの調製>
5.0gの粉末Cをエタノール(特級 キシダ化学社製)49.5g中に分散させ、溶液Bを得た。
5.0gの粉末Cをエタノール(特級 キシダ化学社製)49.5g中に分散させ、溶液Bを得た。
<焼結温度の測定>
それぞれの粉末の焼成温度を、以下の手順で取得した。
それぞれの粉末の焼成温度を、以下の手順で取得した。
直径5mm、高さ2.5mmのアルミナ容器に、底から2.0mmの量の粉末Aを詰める。上記アルミナ容器を電気炉にて500℃6で0分間加熱し、粉末Aの状態を観察した。粉末Aの焼結が確認できない場合は更に温度を100℃上げた条件で加熱し、観察することを繰り返し、粉末Aの焼結が確認されたときの温度である700℃を粉末Aの焼結温度とする。
焼結したかどうかは、下記手法にて確認した。
熱処理前に電子顕微鏡で粉末Aに含まれる平均粒子径程度の二つ以上の粒子が視野内に概ね収まる倍率の視野を定め、熱処理後の粉末Aに含まれるSUS粒子を、前記倍率にて30か所以上で観察した。半数以上の観察視野で、平均粒子径程度(平均粒子径以下)のSUS粒子が結合し、もとの粒子間の境界が観察できなくなるまで粒子間が固定(結合)している場合に、粉末Aが焼結していると判断した。
また、平均粒径が70nmの鉄の粉末Bについても同様の実験を行い、焼結温度を取得した。粉末Bの焼結温度は、500℃以下であり、鉄(融点1538℃)よりも融点の低いSUS316L(融点1420℃)の粉末(粉末A)の焼結温度700℃に比べても有意に低かった。また、粉末Cの焼結温度は900℃以上であり、粉末Aと比較して有意に高かった。
粉末A、粉末1乃至3の粉末を熱処理した際の強度に関する実験例を説明する。
<実験例1>
直径5mm、高さ2.5mmのアルミナ容器に、底が見えなくなる程度の量の粉末Aを詰める。
直径5mm、高さ2.5mmのアルミナ容器に、底が見えなくなる程度の量の粉末Aを詰める。
前記容器を800℃で1hr、窒素雰囲気下で熱処理し、圧縮強度を引張圧縮試験機(テンシロンRTC1250A ORIENTEC社)を用いて、測定した。
前記熱処理したサンプルを引張圧縮試験機に設置し、荷重をかけた際の最初の降伏点の値を圧縮強度とした。
800℃で加熱した粉末Aの圧縮強度は1.6MPaであった。
<実験例2>
粉末Aの代わりに粉末1を用いる以外は粉末Aと同様にして熱処理後の圧縮強度を測定した。800℃で加熱した粉末1の圧縮強度は4.6MPaであった。
粉末Aの代わりに粉末1を用いる以外は粉末Aと同様にして熱処理後の圧縮強度を測定した。800℃で加熱した粉末1の圧縮強度は4.6MPaであった。
<実験例3>
粉末Aの代わりに粉末2を用いる以外は粉末Aと同様にして、熱処理後の圧縮強度を測定した。800℃で加熱した粉末2の圧縮強度は0.2MPaであった。
粉末Aの代わりに粉末2を用いる以外は粉末Aと同様にして、熱処理後の圧縮強度を測定した。800℃で加熱した粉末2の圧縮強度は0.2MPaであった。
<実験例4>
粉末Aの代わりに粉末3を用いる以外は粉末Aと同様にして熱処理後の圧縮強度を測定した。800℃で加熱した粉末3の圧縮強度は0.0MPaであった。
粉末Aの代わりに粉末3を用いる以外は粉末Aと同様にして熱処理後の圧縮強度を測定した。800℃で加熱した粉末3の圧縮強度は0.0MPaであった。
<実験例5>
熱処理温度を600℃とする以外は、実験例1と同様にして熱処理後の圧縮強度を測定した。600℃で加熱した粉末Aの圧縮強度は0.1MPaであった。
熱処理温度を600℃とする以外は、実験例1と同様にして熱処理後の圧縮強度を測定した。600℃で加熱した粉末Aの圧縮強度は0.1MPaであった。
<実験例6>
熱処理温度を600℃とする以外は、実験例2と同様にして熱処理後の圧縮強度を測定した。600℃で加熱した粉末1の圧縮強度は1.6MPaであった。
熱処理温度を600℃とする以外は、実験例2と同様にして熱処理後の圧縮強度を測定した。600℃で加熱した粉末1の圧縮強度は1.6MPaであった。
以上の実験から、粉末Aのみを焼結して作製した造形物よりも、粉末Aに粉末Bであるナノサイズの鉄粒子を混合させた粉末1を焼結して作製した造形物の方が、圧縮強度が約3倍と高くなった。それに対して、粉末Aに粉末Cであるナノサイズのシリカ粒子を混合させた粉末2を焼結した積層体はほとんど固化しなかった。さらに、粉末Aに対する粉末Cの割合が高くすると、粉末Aの焼結が阻害される効果が高いことがわかった。
次に、粉末Aを第1の粉末として用い、粉末Bを第2の粉末、粉末Cを第3の粉末として用いて、造形する例について説明する。
<実施例1>
粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第1の粉末層を形成した後に、第1粉末層の片側半分の10mm×10mmの範囲に溶液Aを付与する。そして、溶液Aを付与しない10mm×10mmの範囲に、溶液Bに含まれる粉末Bの粉末Aに対する濃度が1wt%になるまで、溶液Bの付与と乾燥を繰り返す。粉末Bの粉末Aに対する濃度が1wt%となるのに必要な塗布回数は、溶液Aの粉末Bの濃度から算出することができる。
粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第1の粉末層を形成した後に、第1粉末層の片側半分の10mm×10mmの範囲に溶液Aを付与する。そして、溶液Aを付与しない10mm×10mmの範囲に、溶液Bに含まれる粉末Bの粉末Aに対する濃度が1wt%になるまで、溶液Bの付与と乾燥を繰り返す。粉末Bの粉末Aに対する濃度が1wt%となるのに必要な塗布回数は、溶液Aの粉末Bの濃度から算出することができる。
次いで、第1粉末層の上に、粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第2粉末層を形成し、第2粉末層の全体に溶液Aを付与して、積層体を作製する。
得られた積層体を電気炉に入れ、第2の無機粒子(粉末B)の焼結温度以上の温度である600℃で1時間熱処理する。
熱処理後の積層体のうち、溶液Aを塗布した部分(造形領域Sに相当)のSUS粒子(第1の無機粒子に相当)は、鉄粒子(第2の無機粒子に相当)によって互いに固定化される。それに対して、液Bを塗布した部分(非造形領域Nに相当)のSUS粒子(第1の無機粒子に相当)は、シリカ粒子(第3の無機粒子に相当)によって互いの固定化が阻止される。従って、溶液Bを塗布した部分のSUS粒子を、ほとんど力をかけることなく、固化したSUS粒子の周りから除去することができ、所望の造形物を得ることができる。得られる造形物は、オーバーハング構造を有する。
<実施例2>
粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ2mmの第1粉末層を形成後に、第1粉末層の片側半分の10mm×10mmの範囲に溶液Aを付与する。次いで、溶液Aを付与しない10mm×10mmの範囲に、溶液Bに含まれる粉末Bの粉末Aに対する濃度が1wt%になるまで、溶液Bの付与と乾燥を繰り返す。
粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ2mmの第1粉末層を形成後に、第1粉末層の片側半分の10mm×10mmの範囲に溶液Aを付与する。次いで、溶液Aを付与しない10mm×10mmの範囲に、溶液Bに含まれる粉末Bの粉末Aに対する濃度が1wt%になるまで、溶液Bの付与と乾燥を繰り返す。
次いで、第1粉末層の上に、粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第2粉末層を形成し、第2粉末層の全体に溶液Aを付与し、積層体を得る。得られた積層体を電気炉に入れ、SUS粒子の焼結温度以上の温度である800℃で1時間熱処理する。
熱処理後の積層体のうち、溶液Aを塗布した部分(造形領域Sに相当)のSUS粒子(第1の無機粒子に相当)は鉄粒子(第2の無機粒子に相当)によって互いに固定化される。溶液Bを塗布した部分(非造形領域Nに相当)のSUS粒子は、軽い力によって崩れ、固化したSUS粒子の周りから除去することができ、所望の造形物を得ることができる。得られる造形物は、大きいオーバーハング構造を有する。本実施例は、実施例1よりも高い温度で加熱しているため、得られる造形物の強度は相対的に高く、溶液Bを塗布した部分の粒子を除去する際に、オーバーハングを有するなど複雑な形状の造形物が破損する恐れを低減することが可能となる。
<比較例1>
粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第1粉末層を形成後に、第1粉末層の片側半分10mm×10mmの範囲に溶液Aを付与する。次いで、第1粉末層の上に、粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第2粉末層を形成し、第2粉末層の全体に溶液Aを付与し、積層体を得る。得られた積層体を電気炉に入れ、SUS粒子の焼結温度以上の温度である800℃で1時間熱処理する。
粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第1粉末層を形成後に、第1粉末層の片側半分10mm×10mmの範囲に溶液Aを付与する。次いで、第1粉末層の上に、粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第2粉末層を形成し、第2粉末層の全体に溶液Aを付与し、積層体を得る。得られた積層体を電気炉に入れ、SUS粒子の焼結温度以上の温度である800℃で1時間熱処理する。
どちらの領域のSUS粒子も焼結し、積層体全体で金属焼結体が形成されてしまい、所望の造形物は得られない。
<比較例2>
粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第1粉末層を形成後に10mm×10mmの範囲に溶液Aを付与する。次いで、第1粉末層の上に、粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第2粉末層を形成し、第2粉末層の全体に溶液Aを付与し、積層体を得る。得られた積層体を電気炉に入れ、鉄粒子(粉末B)の焼結温度以上の温度である600℃で1時間熱処理する。
粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第1粉末層を形成後に10mm×10mmの範囲に溶液Aを付与する。次いで、第1粉末層の上に、粉末Aを用いて20mm×10mm、厚さ1mmの第2粉末層を形成し、第2粉末層の全体に溶液Aを付与し、積層体を得る。得られた積層体を電気炉に入れ、鉄粒子(粉末B)の焼結温度以上の温度である600℃で1時間熱処理する。
熱処理後の積層体のうち、溶液Aを塗布した部分(造形領域Sに相当)のSUS粒子は鉄粒子によって固定化する。溶液Aを塗布しない部分(非造形領域Nに相当)のSUS粒子は軽い力によって崩れ、固定化したSUS粒子の周りから除去することができる。ただし、溶液Aを塗布した部分のSUS粒子どうしの強度が弱いため、粉末を除去する際に造形物のオーバーハング構造の端部などの一部では欠けが生じてしまう。
(その他)
以上、本発明について具体的な形態を挙げて説明してきたが、本発明は上記形態に制限されるものではなく、本発明の技術思想から離脱しない範囲で、様々の変更を行ってもよい。
以上、本発明について具体的な形態を挙げて説明してきたが、本発明は上記形態に制限されるものではなく、本発明の技術思想から離脱しない範囲で、様々の変更を行ってもよい。
例えば上記実施例では、熱処理の温度を制御することで第2の無機粒子2のみを選択的に焼結または溶融させたが、熱処理の時間、又は、温度と時間の両方を適切に制御することで第2の無機粒子2のみを選択的に焼結または溶融させてもよい。
Claims (20)
- 第1の粉末を均し、粉末層を形成する第1の工程と、
前記粉末層に、製造する立体物モデルの三次元形状データに基づいて第2の粉末を含む液体の付与を行う第2の工程と、
前記粉末層の、前記第2の粉末を含む液体を付与していない領域の、少なくとも一部に第3の粉末を含む液体を付与する第3の工程と、
前記第1から第3の工程の繰り返しによって得られる積層体を、前記第3の粉末は焼結せず、前記第2の粉末が焼結または溶融する温度で加熱する第4の工程と、を有することを特徴とする立体物の製造方法。 - 前記第4の工程における加熱温度は、前記第1の粉末が焼結する温度以下であることを特徴とする請求項1に記載の立体物の製造方法。
- 前記第4の工程の後に、前記第3の粉末を付与した領域の前記第1の粉末および前記第3の粉末を除去し、前記第1の粉末が焼結する温度に加熱する工程をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の立体物の製造方法。
- 第1の粉末を均し、粉末層を形成する第1の工程と、
前記粉末層に、製造する立体物モデルの三次元形状データに基づいて第2の粉末を含む液体の付与を行う第2の工程と、
前記粉末層の、前記第2の粉末を含む液体を付与していない領域の、少なくとも一部に第3の粉末を含む液体を付与する第3の工程と、
前記第3の粉末は焼結せず、前記第2の粉末が焼結または溶融する温度で加熱する第4の工程と、をこの順に繰り返すことを特徴とする立体物の製造方法。 - 前記第4の工程における加熱温度は、前記第1の粉末が焼結する温度以下であることを特徴とする請求項4に記載の立体物の製造方法。
- 前記第1から第4の工程を所定の回数繰り返した後、前記第3の粉末を付与した領域の前記第1の粉末および前記第3の粉末を除去し、前記第1の粉末が焼結する温度に加熱する工程をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の立体物の製造方法。
- 前記第2の粉末及び第3の粉末それぞれの体積基準の平均粒子径は、前記第1の粉末の体積基準の平均粒子径より小さいことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
- 前記第1の無機粒子を含む粉末の体積基準の平均粒子径が1μm以上、500μm以下の範囲にあり、前記第2の無機粒子および前記第3の無機粒子それぞれの体積基準の平均粒子径が1nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項7に記載の立体物の製造方法。
- 前記第3の粉末を含む液体を付与する領域は、少なくとも前記第2の粉末が付与される領域の外周領域を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
- 前記第1の無機粒子の焼結温度をT1、第3の無機粒子の焼結温度をT3とすると、T1<T3の関係を満たすことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
- (T3−T1)が100℃以上であることを特徴とする請求項10に記載の立体物の製造方法。
- (T3−T1)が200℃以上であることを特徴とする請求項10に記載の立体物の製造方法。
- 前記第2の無機粒子の焼結開始温度をT2とすると、T2<T1<T3の関係を満たすことを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
- 前記第1の無機粒子の融点をt1、第3の無機粒子の融点をt3とすると、t1<t3の関係を満たすことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
- (t3−t1)が100℃以上であることを特徴とする請求項14に記載の立体物の製造方法。
- (t3−t1)が200℃以上であることを特徴とする請求項15に記載の立体物の製造方法。
- 前記第1の無機粒子が金属を含む粒子であり、前記第2の無機粒子が金属を含む粒子であり、前記第3の粒子がセラミックスを含む粒子であることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
- 前記第2の粉末を含む液体の体積濃度が、0.1vol%以上50vol%以下であることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
- 前記第3の粉末を含む液体の体積濃度が、0.1vol%以上50vol%以下であることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の立体物の製造方法。
- 第1の粉末を均して粉末層を形成する動作と、該粉末層に作製する製造する立体物モデルの三次元形状データに基づいて第2の粉末を含む液体の付与を行う動作と、を含む一連の動作を繰り返し行うことにより造形を行う造形装置であって、
前記粉末層を形成する粉末層形成部と、
前記粉末層に前記三次元形状データに基づいて液体の付与を行う描画部と、を備え、
前記描画部は、前記第1の粉末を固定化する領域に前記第2の粉末を含む液体を付与し、前記第2の粉末を含む液体が付与された領域の外の少なくとも一部の領域に第3の粉末を含む液体を付与することを特徴とする造形装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018225874A JP2020084311A (ja) | 2018-11-30 | 2018-11-30 | 造形方法及び造形装置 |
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JP2018225874A JP2020084311A (ja) | 2018-11-30 | 2018-11-30 | 造形方法及び造形装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2018
- 2018-11-30 JP JP2018225874A patent/JP2020084311A/ja active Pending
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WO2022044930A1 (ja) * | 2020-08-31 | 2022-03-03 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 積層造形焼成体および該積層造形焼成体の製造方法 |
JP7190613B2 (ja) | 2020-08-31 | 2022-12-15 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | 積層造形焼成体および該積層造形焼成体の製造方法 |
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