JP2020082528A - 熱放射構造体 - Google Patents

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豊志夫 渡
Toshio Watari
豊志夫 渡
吉本 博
Hiroshi Yoshimoto
博 吉本
矢次 健一
Kenichi Yatsugi
健一 矢次
和孝 西川
Kazutaka Nishikawa
和孝 西川
晃太 伊藤
Kota Ito
晃太 伊藤
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Abstract

【課題】本開示は、温度帯選択性を有する熱放射構造体を提供することを目的とする。【解決手段】本実施形態の一態様は、金属層と、前記金属層の上に、第1の相転移材料から構成される第1の相転移材料層と、前記第1の相転移材料層の上に、第2の相転移材料から構成される第2の相転移材料層と、を含み、前記第1の相転移材料及び前記第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも大きく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも小さい材料であり、且つ前記第2の相転移材料の相転移温度が、前記第1の相転移材料の相転移温度よりも低いか、或いは前記第1の相転移材料及び前記第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも小さく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも大きい材料であり、且つ前記第2の相転移材料の相転移温度が、前記第1の相転移材料の相転移温度よりも高い、熱放射構造体に関する。【選択図】なし

Description

本開示は、主に、熱を放射可能な熱放射構造体に関する。
電子部品を含む電子機器は、電子部品の性能や寿命の観点から、温度を適正な範囲に保つことが望まれている。そこで、熱マネジメントにより各種産業機器の効率化に貢献できれば、CO排出削減等の環境対応をはじめとする非常に大きいインパクトを与えることができる。熱伝達の三モード(伝導、対流、輻射)のうち熱輻射は、高い制御性を有する。そこで、電子機器の温度を制御するために、機器内の熱輻射(熱放射)を利用することにより制御可能な熱制御装置が開発されている。
例えば、特許文献1には、高温相では絶縁体性質であり、低温相では金属的性質であり、且つ、高温相では熱放射量が大であり、低温相では熱放射量が小である相変化物質であって、且つ低温相に於いて熱赤外域で高い反射率を有する相変化物質に、高温相で熱放射量が大である基材物質を組み合わせて構成された複合材料により、対象物の温度を制御することを特徴とする熱制御装置が開示されている。特許文献1の発明は、対象物が高温の場合、外部環境への放熱量を大きくすることができ、対象物が低温の場合、外部環境への放熱量を小さくすることができる。
特開2002−120799号公報
K. Ito, K. Nishikawa, H. Iizuka, H. Toshiyoshi, "Experimental investigation of radiative thermal rectifier using vanadium dioxide," Applied Physics Letters 105, No. 25, 253503 (2014).
上述の特許文献に示されるように、相転移材料を利用して、すなわち相転移材料の高温相と低温相における性質の違いを利用して、熱を制御すべき対象物の熱を制御可能な熱放射構造体が開示されている。
しかしながら、従来技術においては、特許文献1の発明のように、低温又は高温という2つの温度帯での熱放射性の変化を有する熱放射構造体しか開示されておらず、所定の温度帯で熱放射性が高くなり且つそれ以外の温度帯では熱放射性が低くなる性質(以下、温度帯選択性とも称す)を有する熱放射構造体は存在しない。
そこで、本開示は、温度帯選択性を有する熱放射構造体を提供することを目的とする。
本実施形態の態様は、以下の通りに表すことができる。
(1) 金属層と、
前記金属層の上に、第1の相転移材料から構成される第1の相転移材料層と、
前記第1の相転移材料層の上に、第2の相転移材料から構成される第2の相転移材料層と、
を含み、
前記第1の相転移材料及び前記第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも大きく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも小さい材料であり、且つ前記第2の相転移材料の相転移温度が、前記第1の相転移材料の相転移温度よりも低いか、或いは
前記第1の相転移材料及び前記第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも小さく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも大きい材料であり、且つ前記第2の相転移材料の相転移温度が、前記第1の相転移材料の相転移温度よりも高い、熱放射構造体。
(2) 前記第1の相転移材料の相転移温度及び前記第2の相転移材料の相転移温度の間の温度で熱放射性が向上する温度帯選択性を有する、(1)に記載の熱放射構造体。
(3) 前記第2の相転移材料層の膜厚が100nm以下である、(1)又は(2)に記載の熱放射構造体。
(4) 前記第1の相転移材料及び前記第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも大きく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも小さい材料であり、且つ前記第2の相転移材料の相転移温度が、前記第1の相転移材料の相転移温度よりも低い、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の熱放射構造体。
(5) 前記第1の相転移材料及び第2の相転移材料が、それぞれ独立して、バナジウム酸化物を含む、(4)に記載の熱放射構造体。
(6) 前記バナジウム酸化物が、二酸化バナジウム、又は二酸化バナジウムにおいてバナジウムの一部が他の金属で置換された酸化物である、(5)に記載の熱放射構造体。
(7) 前記第1の相転移材料が、二酸化バナジウムであり、前記第2の相転移材料が、二酸化バナジウムにおいてバナジウムの一部が他の金属で置換された酸化物である、(6)に記載の熱放射構造体。
(8) 前記他の金属が、Mg、W、Mo、Ta、Nb及びRuからなる群から選択される少なくとも1種である、(6)又は(7)に記載の熱放射構造体。
(9) 前記第1の相転移材料及び前記第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも小さく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも大きい材料であり、且つ前記第2の相転移材料の相転移温度が、前記第1の相転移材料の相転移温度よりも高い、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の熱放射構造体。
(10) 前記第1の相転移材料及び第2の相転移材料が、ペロブスカイト型Mn酸化物を含む、(9)に記載の熱放射構造体。
本開示によれば、温度帯選択性を有する熱放射構造体を提供することができる。
本実施形態の熱放射構造体10の構成を説明するための模式的断面図である。 図1の熱放射構造体の模式的斜視図である。 第一の実施形態としての熱放射構造体100を示す模式的断面図である。 熱放射構造体100の温度が低温である場合について、熱放射構造体100の熱放射特性について説明するための模式的断面図である。 熱放射構造体100の温度が所定の温度帯の範囲内である場合について、熱放射構造体100の熱放射特性について説明するための模式的断面図である。 熱放射構造体100の温度が高温である場合について、熱放射構造体100の熱放射特性について説明するための模式的断面図である。 熱放射構造体100について、所定の温度帯で熱放射性が向上する温度帯選択性を説明するための概念図である。 第二の実施形態としての熱放射構造体200を示す模式的断面図である。 熱放射構造体200の温度が低温である場合について、熱放射構造体200の熱放射特性について説明するための模式的断面図である。 熱放射構造体200の温度が所定の温度帯の範囲内である場合について、熱放射構造体200の熱放射特性について説明するための模式的断面図である。 熱放射構造体200の温度が高温である場合について、熱放射構造体200の熱放射特性について説明するための模式的断面図である。 熱放射構造体200について、所定の温度帯で熱放射性が向上する温度帯選択性を説明するための概念図である。 実施例1で検証した熱放射構造体の構成を説明するための模式的断面図である。 実施例1において、低温(20℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。 実施例1において、所定の温度帯内(60℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。 実施例1において、高温(100℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。 実施例1において、低温(20℃)における熱放射構造体の放射特性を解析した結果を示すグラフである。 実施例1において、所定の温度帯内(60℃)における熱放射構造体の放射特性を解析した結果を示すグラフである。 実施例1において、高温(100℃)における熱放射構造体の放射特性を解析した結果を示すグラフである。 実施例2において、低温(20℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。 実施例2において、所定の温度帯内(60℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。 実施例2において、高温(100℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。 実施例2において、低温(20℃)における熱放射構造体の放射特性を解析した結果を示すグラフである。 実施例2において、所定の温度帯内(60℃)における熱放射構造体の放射特性を解析した結果を示すグラフである。 実施例2において、高温(100℃)における熱放射構造体の放射特性を解析した結果を示すグラフである。 実施例1〜3における熱放射構造体の放射特性を解析した結果を示すグラフである。 実施例4において作製した熱放射構造体の構造を説明するための模式的断面図である。 実施例4において作製した熱放射構造体について、20℃においてFTIRを用いて反射率を測定した結果を示すグラフである。 実施例4において作製した熱放射構造体について、60℃においてFTIRを用いて反射率を測定した結果を示すグラフである。 実施例4において作製した熱放射構造体について、100℃においてFTIRを用いて反射率を測定した結果を示すグラフである。 実施例4において作製した熱放射構造体について、熱流測定結果を示すグラフである。 実施例4において作製した熱放射構造体について、輻射率測定結果を示すグラフである。
本実施形態は、金属層と、前記金属層の上に、第1の相転移材料から構成される第1の相転移材料層と、前記第1の相転移材料層の上に、第2の相転移材料から構成される第2の相転移材料層と、を含み、前記第1の相転移材料及び前記第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも大きく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも小さい材料であり、且つ前記第2の相転移材料の相転移温度が、前記第1の相転移材料の相転移温度よりも低いか、或いは前記第1の相転移材料及び前記第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも小さく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも大きい材料であり、且つ前記第2の相転移材料の相転移温度が、前記第1の相転移材料の相転移温度よりも高い、熱放射構造体である。
本実施形態によれば、温度帯選択性を有する熱放射構造体を提供することができる。すなわち、第2の相転移材料の相転移温度(以下、第2の相転移温度とも称す)及び第1の相転移材料の相転移温度(第1の相転移温度とも称す)の間において、熱放出性が向上するという温度帯選択性を奏する熱放射構造体を提供することができる。
以下、本実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施形態の熱放射構造体10の構成を説明するための模式的断面図である。図2は、図1の熱放射構造体の模式的斜視図である。図1は、図2の熱放射構造体10を点線AA'により矢印の方向に向かって切断した際の断面図に相当する。本実施形態において、左右方向、前後方向及び上下方向は、図2に示した通りとする。熱放射構造体10は、金属層1と、該金属層1の上に形成された第1の相転移材料層2と、該第1の相転移材料層2の上に形成された第2の相転移材料層3と、を含む。第1の相転移材料層2は第1の相転移材料から構成され、第2の相転移材料層3は第2の相転移材料から構成される。金属層1、第1の相転移材料層2、第2の相転移材料層3は、それぞれベタ膜から構成することができ、平板状に形成され得る。
第1の相転移材料及び第2の相転移材料は、高温相での導電率が低温相での導電率よりも大きく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも小さい材料であり、且つ第2の相転移材料の相転移温度が、第1の相転移材料の相転移温度よりも低いか、或いは第1の相転移材料及び第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも小さく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも大きい材料であり、且つ第2の相転移材料の相転移温度が、第1の相転移材料の相転移温度よりも高い。
この熱放射構造体10は、所定の温度帯、すなわち、第1の相転移材料の相転移温度(第1の相転移温度)及び第2の相転移材料の相転移温度(第2の相転移温度とも称す)の間の温度において、MIM(Metal−Insulator−Metal)構造となり、Fabry−Perot共鳴により熱放射性が向上する。そのため、熱放射構造体10の熱放射率は、所定の温度帯において向上する。そのため、熱放射構造体10は、温度帯選択性を有する。
金属層1は、金属から構成される。金属の具体例としては、金(Au)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、又はタンタル(Ta)等が挙げられる。
上述のとおり、一実施形態において、第1の相転移材料及び第2の相転移材料は、高温相での導電率が低温相での導電率よりも大きく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも小さい材料であり、且つ第2の相転移材料の相転移温度が、第1の相転移材料の相転移温度よりも低い(第一の実施形態とも称す)。或いは、一実施形態において、第1の相転移材料及び第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも小さく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも大きい材料であり、且つ第2の相転移材料の相転移温度が、第1の相転移材料の相転移温度よりも高い(第二の実施形態とも称す)。
相転移材料は、高温相と低温相とで導電性が変化する材料であり、具体的には金属相と絶縁体相(又は誘電体相)とに変化する。相転移材料としては、高温相と低温相とで導電性が変化する材料であれば、特に制限されずに用いることができる。相転移材料は相変化材料とも表現し得る。
第一の実施形態において、第1の相転移材料及び第2の相転移材料としては、高温相での導電率が低温相での導電率よりも大きく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも小さい材料(より具体的には、高温相では金属的性質を有し、低温相では絶縁体的性質(絶縁体相又は誘電体相)を有し、かつ、高温相での熱放射率が小さく、低温相での熱放射率が大きい材料)が用いられる。第1の相転移材料及び第2の相転移材料は、それぞれ独立して選択され得る。このような相転移材料としては、例えば、バナジウム酸化物が挙げられる。バナジウム酸化物としては、例えば、二酸化バナジウム、又は二酸化バナジウムにおいてバナジウムの一部が他の金属で置換された酸化物等が挙げられる。他の金属としては、好ましくは、Mg、W、Mo、Ta、Nb及びRuからなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。二酸化バナジウムは、一般的に、70℃(343K)付近に相転移温度を有する。また、二酸化バナジウム等の相転移材料は、他の金属の添加によりその相転移温度を下げることができ、例えば、二酸化バナジウムにタングステン(W)を1%添加すると、相転移温度を約30℃下げることができる。
第二の実施形態において、第1の相転移材料及び第2の相転移材料としては、高温相での導電率が低温相での導電率よりも小さく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも大きい材料(より具体的には、高温相では絶縁体的性質(絶縁体相又は誘電体相)を有し、低温相では金属的性質を有し、かつ、高温相での熱放射率が大きく、低温相での熱放射率が小さい材料)が用いられる。第1の相転移材料及び第2の相転移材料は、それぞれ独立して選択され得る。このような相転移材料としては、例えば、ペロブスカイト型Mn酸化物等が挙げられる。ペロブスカイト型Mn酸化物としては、例えば、A1−XMnOで表されるMnを含むペロブスカイト酸化物(Aは、La、Pr、Nd及びSmから選ばれる少なくとも1つの希土類金属を表し、Bは、Ca、Sr及びBaから選ばれる少なくとも1つのアルカリ土類金属を表す)が挙げられる。ペロブスカイト型Mn酸化物は、一般的に、−210〜−150℃に相転移温度を有するものが多い。また、ペロブスカイト型Mn酸化物の他には、Crを含むコランダムバナジウム酸化物が挙げられ、具体的には(V1−XCrで表されるコランダムバナジウム酸化物が挙げられる。
相転移材料において、高温相での抵抗値と低温相での抵抗値とが3桁以上異なることが好ましい。相転移温度よりも50℃高い温度での抵抗値と相転移温度よりも50℃低い温度での抵抗値とが3桁以上異なることが好ましく、相転移温度よりも30℃高い温度での抵抗値と相転移温度よりも30℃低い温度での抵抗値とが3桁以上異なることが好ましい。相転移温度Tcは、例えば、Tcでの抵抗値の対数がTc±50℃での抵抗値の対数の平均と等しくなるような温度と定義できる。相転移が温度ヒステリシスを取る場合は、昇温時のTcと降温時のTcの平均として定義すればよい。
第1の相転移材料層2と第2の相転移材料層3との間には、接着層が形成されていてもよい。また、金属層1と第1の相転移材料層2との間に接着層が形成されていてもよい。接着層は、各層を直接接合する場合と比べて接着力を高めることができる。接着層の材料としては、例えば、Cr、Ti、又はRu等が挙げられる。また、その他にも、接着層の材料としては、アモルファスシリコンを用いてもよい。接着層の膜厚は、本実施形態の効果の発現を妨げない厚さとすることが望ましい。
金属層1の膜厚(t1)、第1の相転移材料層2の膜厚(t)、及び第2の相転移材料層3の膜厚(t)は、特に制限されるものではなく、それぞれ適宜選択することができる。
金属層1の膜厚(t1)は、例えば、30〜300nmである。
第1の相転移材料層2の膜厚(t)は、例えば、50〜500nmである。
第2の相転移材料層3の膜厚(t)は、例えば、10〜200nmである。第2の相転移材料層の膜厚(t)は、温度帯選択性の観点から、150nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、75nm以下であることがさらに好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。第2の相転移材料層の膜厚(t)が150nm以下である場合、所定の温度帯での輻射率がその他の温度帯での輻射率に比べてより効果的に高く設定することができる。すなわち、所定の温度帯での輻射率のその他の温度帯での輻射率に対する比を高くすることができる。
以下、さらに具体的な実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第一の実施形態)
上述した第一の実施形態について、図3を参照しつつ説明する。図3は、基板104上に形成された第一の実施形態に係る熱放射構造体100を説明するための模式的断面図である。
第一の実施形態では、上述の通り、第1の相転移材料及び第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも大きく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも小さい材料(より具体的には、高温相では金属的性質を有し、低温相では絶縁体的性質を有し、かつ、高温相での熱放射率が小さく、低温相での熱放射率が大きい材料)が用いられる。また、第一の実施形態において、第2の相転移材料の相転移温度は第1の相転移材料の相転移温度よりも低い。一実施形態において、例えば、第1の相転移材料が二酸化バナジウムであり、第2の相転移材料が二酸化バナジウムにおいてバナジウムの一部が他の金属で置換された酸化物である。上述の通り、二酸化バナジウムに他の金属を添加することにより、その相転移温度を下げることができる。より具体的には、一実施形態として、第1の相転移材料が二酸化バナジウムであり、第2の相転移材料が二酸化バナジウムにおいてバナジウムの一部がタングステン(W)で置換された酸化物(Wドープ型二酸化バナジウムとも称す)である。
基板104は、熱放射構造体100が設置されるものであり、特に制限されるものではない。基板としては、例えば、温度制御又は温度管理等の対象物の一部分であり得る。
金属層101は、金属(例えばAl)から構成される平板状の部材である。図3は、基板104と金属層101が別の材料で構成されている形態を示しているが、本実施形態は特にこの形態に限定されるものではない。例えば、温度制御又は温度管理等の対象物が表面に金属を有する場合、この金属を熱放射構造体の金属層として利用してもよい。
第1の相転移材料及び第2の相転移材料は、上述の通り、高温相での導電率が低温相での導電率よりも大きく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも小さい材料である。また、第2の相転移材料の相転移温度が、第1の相転移材料の相転移温度よりも低い。
第1の相転移材料層102は、金属層101の上に形成され、例えば、二酸化バナジウムから構成される。二酸化バナジウムは、約340K付近で抵抗値が3桁以上変化する相転移材料であり、高温相では金属的性質を有し、低温相では絶縁体的性質を有し、かつ、高温相での熱放射率が小さく、低温相での熱放射率が大きい相転移材料である。
第2の相転移材料層103は、例えば、Wドープ型二酸化バナジウムから構成される。二酸化バナジウムの場合、例えば、バナジウムの一部をタングステンで置換すると(V1−x)、その相転移温度を下げることができる。Wドープ型二酸化バナジウムの相転移温度は、そのWの添加量(ドープ量)に応じて、例えば、30〜65℃の範囲であり得る。
ここで、第一の実施形態に係る熱放射構造体100が、温度帯選択性を有するメカニズムについて説明する。
図4Aに示すように、熱放射構造体100の温度が低温である場合、すなわち、熱放射構造体100の温度が第2の相転移材料の相転移温度以下(例えば20℃)である場合について説明する。熱放射構造体100の温度が低い場合、第1の相転移材料層102及び第2の相転移材料層103の両方が誘電体相となる。その結果、金属層101での反射が主に生じ、熱吸収率が低下する。熱吸収率の低下は、キルヒホッフの法則より、熱放射率が低下することを意味する。
図4Cに示すように、熱放射構造体100の温度が高温である場合、すなわち、熱放射構造体100の温度が第1の相転移材料の相転移温度よりも高い場合(例えば100℃)について説明する。熱放射構造体100の温度が高い場合、第1の相転移材料層102及び第2の相転移材料層103の両方が金属相となる。その結果、反射が主に生じ、熱吸収率が低下する。熱吸収率の低下は、キルヒホッフの法則より、熱放射率が低下することを意味する。
図4Bに示すように、熱放射構造体100の温度が所定の温度帯の範囲内である場合、すなわち、熱放射構造体100の温度が第2の相転移材料の相転移温度超且つ第1の相転移材料の相転移温度以下である場合(例えば60℃)について説明する。熱放射構造体100の温度が所定の温度帯の範囲内である場合、第2の相転移材料層103が金属相となり、第1の相転移材料層102が誘電体相となる。すなわち、熱放射構造体100は、誘電体相(第1の相転移材料層102)が二つの金属相(金属層101及び第2の相転移材料層103)に挟まれた構造を有する。そのため、熱放射構造体100では、金属相の状態である第2の相転移材料層103と金属層101の間で反射が起こり、ブロードな共鳴が生じる(Fabry−Perot共鳴)。その結果、熱放射性(熱輻射率)が大きくなる。
以上の理由により、熱放射構造体100は、図5に示すように、所定の温度帯で熱放射性が向上する温度帯選択性を有する。すなわち、熱放射構造体100は、第2の相転移材料の相転移温度及び第1の相転移材料の相転移温度の間において、熱放出性が向上するという温度帯選択性を奏する。
なお、このような熱放射構造体100は、例えば以下のように形成することができる。
まず、基板104の表面にスパッタリングにより金属層101を形成する。また、基板104と金属層101の間に接着層を設けてもよい。なお、基板は、例えば、温度を制御若しくは管理する対象となる対象物の一部であってもよい。また、基板104を含めて、本実施形態の熱制御装置又は熱放射装置としてもよい。
次に、金属層101の表面にスパッタリングにより第1の相転移材料層102を形成する。続いて、第1の相転移材料層102の表面にスパッタリングにより第2の相転移材料層103を形成する。
(第二の実施形態)
上述した第二の実施形態について、図6を参照しつつ説明する。図6は、基板204上に形成された第二の実施形態に係る熱放射構造体200を説明するための模式的断面図である。
第一の実施形態では、上述の通り、第1の相転移材料及び第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも大きく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも小さい材料であり、且つ第2の相転移材料の相転移温度が第1の相転移材料の相転移温度よりも低い形態について説明した。第二の実施形態では、第1の相転移材料及び第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも小さく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも大きい材料(より具体的には、高温相では絶縁体的性質(絶縁体相又は誘電体相)を有し、低温相では金属的性質を有し、かつ、高温相での熱放射率が大きく、低温相での熱放射率が小さい材料)であり、且つ第2の相転移材料の相転移温度が第1の相転移材料の相転移温度よりも高い形態について説明する。
第二の実施形態において、第1の相転移材料及び第2の相転移材料は、高温相での導電率が低温相での導電率よりも小さく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも大きい材料である。このような材料としては、例えば、ペロブスカイト型Mn酸化物が挙げられる。ペロブスカイト型Mn酸化物は、その組成によって異なる相転移温度を有し、例えば、−210〜−150℃の範囲に相転移温度を有し得る。ぺロブスカイト型Mn酸化物は、CaやSr等をドープすることで相転移温度を制御することができる。また、ペロブスカイト型Mn酸化物は、磁場を印加することでも相転移温度を制御することができる。
ここで、第二の実施形態に係る熱放射構造体が、温度帯選択性を有するメカニズムについて説明する。
図7Aに示すように、熱放射構造体200の温度が低温である場合、すなわち、熱放射構造体200の温度が第1の相転移材料の相転移温度以下(例えば−210℃)である場合について説明する。熱放射構造体200の温度が低い場合、第1の相転移材料層202及び第2の相転移材料層203の両方が金属相となる。その結果、反射が主に生じ、熱吸収率が低下する。熱吸収率の低下は、キルヒホッフの法則より、熱放射率が低下することを意味する。
図7Cに示すように、熱放射構造体200の温度が高温である場合、すなわち、熱放射構造体200の温度が第2の相転移材料の相転移温度よりも高い場合(例えば−150℃)について説明する。熱放射構造体200の温度が高い場合、第1の相転移材料層202及び第2の相転移材料層203の両方が誘電体相となる。その結果、金属層201での反射が主に生じ、熱吸収率が低下する。熱吸収率の低下は、キルヒホッフの法則より、熱放射率が低下することを意味する。
図7Bに示すように、熱放射構造体200の温度が所定の温度帯の範囲内である場合、すなわち、熱放射構造体200の温度が第1の相転移材料の相転移温度超且つ第2の相転移材料の相転移温度以下である場合(例えば−180℃)について説明する。熱放射構造体200の温度が所定の温度帯の範囲内である場合、第2の相転移材料層203が金属相となり、第1の相転移材料層202が誘電体相となる。すなわち、熱放射構造体200は、誘電体相(第1の相転移材料層202)が二つの金属相(金属層201及び第2の相転移材料層203)に挟まれた構造を有する。そのため、熱放射構造体200では、金属相の状態である第2の相転移材料層203と金属層201の間で反射が起こり、ブロードな共鳴が生じる(Fabry−Perot共鳴)。その結果、熱放射性(熱輻射率)が大きくなる。
以上の理由により、熱放射構造体200は、図8に示すように、所定の温度帯で熱放射性が向上する温度帯選択性を有する。すなわち、熱放射構造体200は、第1の相転移材料の相転移温度及び第2の相転移材料の相転移温度の間において、熱放出性が向上するという温度帯選択性を奏する。
また、本実施形態に係る熱放射構造体は、対象物の熱(より具体的には温度)を検出可能な熱検出システムに応用することができる。例えば、熱を検出する対象物の上に、本実施形態に係る熱放射構造体を配置し、熱放射構造体からの熱放射を赤外線検出手段等により検出することにより、対象物の熱の発生・状態を容易に把握することができる。熱放射構造体は、熱放射性が向上する温度帯が異なるものを複数用意し、対象物上に設けてもよい。対象物としては、例えば電池が挙げられる。
また、本実施形態に係る熱放射構造体は、対象物の熱(より具体的には温度)を制御可能な熱制御装置に応用することができる。例えば、熱を制御する対象物の上に、本実施形態に係る熱放射構造体を配置することにより、対象物の熱を制御することができる。具体的には、対象物が所定の温度範囲にある場合に、対象物からの外部環境への放熱量を多くすることができる。その結果、対象物の温度上昇を抑えることができる。熱放射構造体は、熱放射性が向上する温度帯が異なるものを複数用意し、対象物上に設けてもよい。対象物としては、特に制限されるものではなく、例えば、電子機器を挙げることができる。本実施形態の熱放射構造体は、対象物の内部に配置してもよく、または外部に配置してもよい。本実施形態の熱制御装置は、熱放射構造体に加え、他の構成要素を含んでもよく、例えば、上述の基板を備えてもよい。なお、本実施形態は、対象物と、該対象物における熱を制御する熱制御装置としての本開示の熱放射構造体と、を含む熱制御システムとしても把握することができる。また、本実施形態は、本開示の熱放射構造体を対象物内又は外に設けることにより、対象物における熱を制御する方法としても把握することができる。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下に、本実施形態を実施例に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
(実施例1:シミュレーションを用いた検証1)
上述した第一の実施形態の熱放射構造体100(図3参照)に相当する構造を有する熱放射構造体(図9参照)の熱放射特性を検証した。熱放射特性は、電磁界シミュレーター(ソフトウェア名:CST MICROWAVE STUDIO 2016)を用いて検証した。
図9に示す熱放射構造体について、金属層101としてタングステン(W)を用い、第1の相転移材料層102として二酸化バナジウム(VO、相転移温度:67℃)を用い、第2の相転移材料層103としてタングステンを1%含有する二酸化バナジウム(W1%VO、相転移温度:37℃)を用いた。また、基板104はSi基板とした。
検証した熱放射構造体の構成について、金属層101の膜厚を100nmに設定し、第1の相転移材料層102の膜厚を400nmに設定し、第2の相転移材料層103の膜厚を50nmに設定した。
熱放射構造体を構成する各材料の誘電率として、二酸化バナジウムの誘電率として、非特許文献1(K. Ito, K. Nishikawa, H. Iizuka, H. Toshiyoshi, “Experimental investigation of radiative thermal rectifier using vanadium dioxide,” Applied Physics Letters 105, No. 25, 253503 (2014).)に記載の定義式を参照した。また、W1%VOはWドープ量が非常に少ないことから、W1%VOの誘電率はVOの光誘電率と同じであるものとして扱った。また、タングステンの誘電率として、「RefractiveIndex.INFO - Refractive index database」(https://refractiveindex.info/)の「W(Tungsten)」、「Ordal et al. 1988: n,k 0.667-200μm」を参照した。
図10A、図10B及び図10Cに、シミュレーション結果を示す。図10Aは、低温(20℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。図10Bは、所定の温度帯内(60℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。また、図10Cは、高温(100℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。
図11Aは、低温(20℃)における熱放射構造体の放射特性を解析した結果を示す。図11Bは、所定の温度帯内(60℃)における熱放射構造体の放射特性について解析した結果を示す。図11Cは、高温(100℃)における熱放射構造体の放射特性を解析した結果を示す。なお、図11A〜図11Cには、参考のため、それぞれの温度での黒体の放射スペクトルも示す。
図11A〜図11Cより、所定の温度帯内(60℃)における熱放射構造体の熱放射性が向上していることがわかる。
(実施例2:シミュレーションを用いた検証2)
第2の相転移材料層103の膜厚(t)を50nmの代わりに200nmに設定したこと以外は、実施例1と同様にして、シミュレーションを行い、熱放射構造体の放射特性を解析した。
図12A、図12B及び図12Cに、シミュレーション結果を示す。図12Aは、低温(20℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。図12Bは、所定の温度帯内(60℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。また、図12Cは、高温(100℃)における熱放射構造体の入射角毎の放射率スペクトルのシミュレーション結果である。
図13Aは、低温(20℃)における熱放射構造体の放射特性を解析した結果を示す。図13Bは、所定の温度帯内(60℃)における熱放射構造体の放射特性について解析した結果を示す。図13Cは、高温(100℃)における熱放射構造体の放射特性を解析した結果を示す。なお、図13A〜図13Cには、参考のため、それぞれの温度での黒体の放射スペクトルも示す。
図13A〜図13Cより、60℃における輻射率が20℃及び100℃における輻射率よりも若干高くなっているが、温度帯選択性の観点からは、実施例1の熱放射構造体の方が好ましいことがわかる。これは、第2の相転移材料層が薄い方が第2の相転移材料層を光が透過し易くなり、共鳴が生じ易くなるためと考えられる。
(実施例3:シミュレーションを用いた検証3)
第2の相転移材料層103の膜厚(t)を50nmの代わりに10nm又は100nmに設定したこと以外は、実施例1と同様にして、シミュレーションを行い、熱放射構造体の放射特性を解析した。解析結果を、実施例1及び2の結果と併せて図14に示す。図14より、温度帯選択性の観点から、第2の相転移材料層の膜厚は、100nm以下であることが好ましいことがわかる。
(実施例4)
以下の方法により、第一の実施形態に係る熱放射構造体を実際に作製した。熱放射構造体の作製に用いた材料及び膜厚は図15に示す通りである。
まず、基板(Si基板)の上に、スパッタリングにより、WSi/W/WSi/a−Siを製膜した。a−Siは接着層としての機能を有する。次に、バナジウムをターゲットとして1時間成膜した。その後、600℃で1時間、2Paの減圧下で熱処理し、VOを形成した。次に、VOの上にW1%V(Wを1%含有するV)を製膜し(7分間)、600℃で1時間、2Paの減圧下で熱処理し、W1%VO(WドープVO)を形成した。これらの工程により、熱放射構造体を作製した。
作製した熱放射構造体について、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を用いて、温度毎の反射率を測定した。結果を図16A〜16Cに示す。図16A〜16Cから、20℃及び100℃において、熱放射構造体の反射率が大きく(すなわち、放射率が小さい)、60℃において反射率が小さい(すなわち、放射率が大きい)ことがわかる。そのため、熱放射構造体が温度帯選択性を有することが実証され得る。
また、作製した熱放射構造体の熱流及び輻射率測定結果を図17及び図18に示す。図17及び図18からも、熱放射構造体が温度帯選択性を有することが実証され得る。
以上、本実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本開示の範囲に含まれるものである。
1 金属層
2 第1の相転移材料層
3 第2の相転移材料層
10 熱放射構造体
100 熱放射構造体
101 金属層
102 第1の相転移材料層
103 第2の相転移材料層
104 基板
200 熱放射構造体
201 金属層
202 第1の相転移材料層
203 第2の相転移材料層
204 基板

Claims (1)

  1. 金属層と、
    前記金属層の上に、第1の相転移材料から構成される第1の相転移材料層と、
    前記第1の相転移材料層の上に、第2の相転移材料から構成される第2の相転移材料層と、
    を含み、
    前記第1の相転移材料及び前記第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも大きく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも小さい材料であり、且つ前記第2の相転移材料の相転移温度が、前記第1の相転移材料の相転移温度よりも低いか、或いは
    前記第1の相転移材料及び前記第2の相転移材料が、高温相での導電率が低温相での導電率よりも小さく、かつ、高温相での熱放射率が低温相での熱放射率よりも大きい材料であり、且つ前記第2の相転移材料の相転移温度が、前記第1の相転移材料の相転移温度よりも高い、熱放射構造体。
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