JP2020081475A - 調整板 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、歯列板および突出板それぞれにおける厚みが、これらの全域にわたって互いに同等となっているので、歯列板と突出板との間に段差が生じていない。このため、突出板を、口腔内のうち、左右のどちらか一方側のみに配置することで、左右片側における歯列の咬み合わせを評価することができる。
本発明の一実施形態に係る調整板1について、図1から図6を参照して説明する。
本実施形態に係る調整板1は、被験者の咬合の状態を評価・調整するために、表裏面を被験者の上下の歯に噛みこまれて用いられる板状部材である。
なお、詳細は後述するが、調整板1は、咬合からの体の影響を一時的にでも取り除くことで、リハビリ、エクササイズなどの効果を最大限に得ることもできる。
ここで、平面視で歯列板11が延びる方向を第1方向Xといい、第1方向Xと直交し、かつ突出板12が延びる方向を第2方向Yという。被験者が歯列板11を上下の歯により噛みこんだ際に、第1方向Xが左右方向と一致し、第2方向Yが前後方向と一致する。
調整板1は、第1方向Xに非対称な形状となっている。
調整板1の大きさは、被験者の口腔内の大きさに合わせて、キッズサイズ、Sサイズ、Mサイズ、Lサイズと複数設定することができる。
歯列板11および突出板12それぞれにおける厚みは、5mm以下である。図示の例では、歯列板11および突出板12それぞれにおける厚みは3.8mmとなっている。なお、例えば2mmや1mmといった複数の厚みを設定してもよい。
歯列板11の第1方向Xの端部は、平面視において、外側に向けて突となす曲線状に形成されている。歯列板11は、平面視で歯列にそったU字状を呈している。
突出板12は、第1方向Xと直交する第2方向Yに延びている。突出板12の平面視における幅寸法の最大値は、歯列板11の平面視における幅寸法の最大値と同等となっている。
突出板12の両側縁部12A、12Bのうち、少なくともいずれか一方には、突出板12が歯列板11から突出する方向(第2方向Yのうち、歯列板11から離れる方向)に向かうに従い漸次、両側縁部の他方側(第1方向Xのうち、突出板12の内側を向く方向)に向けて延びる曲線部12Cが形成されている。
曲線部12Cは、突出板12の左側に位置する側縁部12Aのうち、第1方向Xにおける側縁部12B側に向かう変曲点から、突出板12の先端までの領域となる。
なお、曲線部12Cは、突出板12の右側に位置する側縁部12Bに形成されてもよいし、左右両側の側縁部12A、12Bにそれぞれ形成されてもよい。
接続部分13のうち、右側に位置する側縁部12Bと、歯列板11の外周縁部と、の接続部の第1曲率半径R1は、左側に位置する側縁部12Aと、歯列板11の外周縁部と、の接続部の第2曲率半径R2よりも大きくなっている。第1曲率半径R1は、この調整板1が使用される被験者として想定される歯列の曲率半径の平均値と同等になっている。
また、図4は、調整板1における突出板12を、口腔内の左側に配置した状態を示す模式図である。図5は、図2に示す配置状態における被験者の様子を示す模式図である。図6は、図4に示す配置状態において、被験者の全身の状態を評価する様子を示す模式図である。
つまり、左足の地面を踏ん張る位置が狂っているので、調整板1を噛ませて重心位置を整え、左足の足裏の正しい位置で地面を踏ませる。このように、地面をしっかりと踏める感覚を脳に入力することで、正しい感覚を得ながら体を使うことができるようになり、エクササイズや運動療法に活かすことができる。
例えば、頚の可動域が右側の方が左側よりも大きい場合には、頚周辺の筋肉のうち、左右のどちらか、あるいか両方の筋肉が緊張している可能性がある。このように、頸部筋肉の緊張があり可動域が失われている場合は、調整板1を噛みこませることにより歯からの影響である緊張を緩和させ、可動域を正常化させることができる。
この際、突出板12のうち、曲線部12Cが左右方向の外側に位置するようにする。検査者は、歯列板11の端部を把持して、口腔内に突出板12を配置することができる。
また、同様に、図4に示すように、突出板12を左側の口腔内に配置して、同様の評価を行う。この際、調整板1は表裏面を反転しながら、被験者の口腔内に配置される。
そして、歯列板11および突出板12それぞれにおける厚みが、これらの全域にわたって互いに同等となっているので、歯列板11と突出板12との間に段差が生じていない。このため、突出板12を、口腔内のうち、左右のどちらか一方側のみに配置することで、左右片側における歯列の咬み合わせを評価することができる。
ここで、身体の変化を十分に出すためには、プレートが歯のアーチの上に位置した際に、左右一塊であることが重要である。
舌の最適なポジションを認識させるため、又は鼻呼吸を習得させることにも、調整板1の効果が期待できる。このように、調整板1の効果は咬合に限られない。
咬合の働きは食事の際の咀嚼、嚥下運動のみならず、全身の運動に関わり、顎関節を含む頭頸部の筋肉の緊張、骨盤の動き、前後左右重心の位置に影響を及ぼし、力みを生みだす特性はグラウンディングに繋がっている。
例えば、怪我をした被験者が、歩行や立ち上がるリハビリの中で、奥歯で噛むとグラウンディングできるという感覚をもたらす神経回路の再構築のために調整板1は有効な働きを見せる。
更に、この調整板1を使用することで、頸部、筋の過緊張は視機能を始め、脳血流、呼吸、全身のダイナミックな運動にも不良な影響を与えるため、歯列板11または突出板12を噛みこむことによる筋肉の緊張が緩和する効果はリハビリ、トレーニング、エクササイズ、救急処置としても有効な利用が期待できる。
このようにして、調整板1を用いて、全身への影響までも考慮して、被験者の咬合の状態を適切に評価することができる。この調整板1は、リハビリ、トレーニング、エクササイズ、顎関節症などの救急処置、鼻呼吸、舌機能訓練、歯科医療分野での活躍が見込まれる。
次に、調整板1の変形例について図7を用いて説明する。図7は、変形例に係る調整板1の平面図である。
変形例に係る調整板1では、突出板12が、曲線部12Cに沿って全体が湾曲している。このように突出板12が曲線部12Cに沿って全体が湾曲していることで、第1方向Xに非対称である調整板1において、容易に裏表の識別を行うことができる。これにより、調整板1の取扱性を確保することができる。
また、上記実施形態においては、歯列板11の後方に、舌が通過可能に形成された切り欠き11Aが形成されている構成を示したが、このような態様に限られない。歯列板11の後方に、切り欠き11Aが形成されなくてもよい。
また、上記実施形態においては、歯列板11と突出板12との接続部分13が、第1方向Xに非対称に形成されている構成を示したが、このような態様に限られない。歯列板11と突出板12との接続部分13を、第1方向Xに対称に形成してもよい。
11 歯列板
11A 切り欠き
12 突出板
12C 曲線部
13 接続部分
Claims (6)
- 被験者の咬合の状態を評価するために、前記被験者の上下の歯に噛みこまれて用いられる調整板であって、
前記被験者の歯列に沿って湾曲した歯列板と、
前記歯列板の外周縁部の中央部から突出して延びる突出板と、を備え、
前記歯列板および前記突出板それぞれにおける厚みは、これらの全域にわたって互いに均等となっている調整板。 - 前記歯列板および前記突出板それぞれにおける厚みは、5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の調整板。
- 前記突出板の両側縁部のうち、少なくともいずれか一方には、前記突出板が前記歯列板から突出する方向に向かうに従い漸次、前記両側縁部の他方側に向けて延びる曲線部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の調整板。
- 前記突出板は、前記曲線部に沿って全体が湾曲していることを特徴とする請求項3に記載の調整板。
- 前記歯列板の内周縁部は、前記被験者が前記歯列板を噛みこんだ際に、前記被験者が舌を口蓋に接触できるように、前記舌が通過可能となるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の調整板。
- 前記歯列板と前記突出板との接続部分の縁部は、前記歯列板の中央部に向けて突となす曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の調整板。
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