以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED(Light Emitting Diode)等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。
さらに、上皿21の上縁部には、遊技演出への介入操作等に用いられる演出ボタン25が設けられている。なお、演出ボタン25は、遊技演出への介入操作を受け付ける演出操作受付部として機能するとともに、所要の態様(たとえば、発光態様や振動や突出等の動作態様等)で演出可能な演出部としても機能する。また、上皿21の左縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29が設けられている。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチと、十字カーソルスイッチの中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチと、十字カーソルスイッチの周縁部にあって音量操作等に用いられる2つの付属スイッチとが設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、遊技機10は、演出ボタン25(プッシュボタン)の操作(たとえば押下操作)を検出する演出ボタンスイッチ25a(図4参照)から受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。なお、このような遊技者の操作介入には、演出ボタン25のみならずオプション設定部29のスイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数が使用される構成でもよい。後述する図4では、オプション設定部29の各スイッチをまとめて設定スイッチ29aと表している。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者がオプション設定部29の前述した設定スイッチ29a(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数を操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図3参照)によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(図3参照)が設けられている。
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、演出ボタン25の演出ボタンスイッチ25aやオプション設定部29の設定スイッチ29aと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。なお図4では、オプション設定部29の各スイッチを便宜上まとめて設定スイッチ29aと表しているが、詳細には、前述した各スイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)の状態がスイッチ入力回路336によりそれぞれ個別に検出されるように接続されており、各スイッチの各状態を示す検出信号がそれぞれ主制御用マイコン311へ入力される。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図6から図10を用いて説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS14)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「−1」更新し(ステップS15)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS30では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステップS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS55に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む。
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS49では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS52に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ステップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップS66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS64)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55まで、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS71)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中または設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS78)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理である。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
次に、遊技機10の遊技中に演出制御装置300が実行する表示について図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態の遊技中の表示画面の例を示す図である。ここで表示画面(単に「画面」という場合もある)とは、表示装置41の表示領域に表示される一つ又は複数の画像からなる画面であり、原則的に表示内容が異なるごとに異なる符号を付している。
図13(1)に示す表示画面500は、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。表示画面500は、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを表示する。
大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群501は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
表示画面500では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面500では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示す。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。保留表示505が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示503が表示する保留記憶数と特図2保留数表示504が表示する保留記憶数の和に相当する。
たとえば、表示画面500に示すように特図1保留数表示503が「4」を表示し、特図2保留数表示504が「0」を表示するとき、保留表示505は、4つの保留記憶表示により保留記憶数が「4」であることを示す。なお、保留数または保留記憶数とは、特図の変動表示ゲームが未実行である始動記憶の数を意味する。
保留表示505は、その表示態様(保留表示505に表示した保留記憶表示)により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面500では保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、変動表示を開始する。
図13(2)に示す表示画面510は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面510は、表示画面500の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。表示画面510では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面510では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
表示画面510では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図変動表示ゲームの保留記憶数が「3」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
次に、盤演出装置44について図14及び図15を用いて説明する。図14は、第1の実施形態の盤演出装置の一例を示す側面図である。図15は、第1の実施形態の盤演出装置の一例を示す正面図である。これらの図において符号41aは、表示装置41の表示領域を示す。また、図14(1)及び図15(1)は後述する第1演出部511と第2演出部512が両方とも初期位置にある状態を示し、図14(2)及び図15(2)は後述する第1演出部511が初期位置にあって第2演出部512が下降位置にある状態を示し、図14(3)及び図15(3)は後述する第2演出部512が初期位置にあって第1演出部511が下降位置にある状態を示す。
盤演出装置44は、図14に示すように、表示装置41の表示領域41aよりも遊技機10の前面側(正面側)に配置された第1演出部511と、この第1演出部511よりもさらに前面側に配置された第2演出部512とを有する。
第1演出部511は、主要部が前面から見てたとえば略円形の形状である演出用組立体(演出ユニット)であり、図示省略した支持機構によってセンターケース40内に上下動可能に支持されており、図示省略した駆動源によって駆動されて演出制御装置300の制御によって上下動可能であって上下方向停止位置を変化させることが可能である。第1演出部511は、図15(2)に示すように、この第1演出部511の前面において回転動作可能な針状の可動部511aを有する。この可動部511aは、図示省略した駆動源によって駆動されて演出制御装置300の制御によって第1演出部511の前面に沿って回転して回転位置(前面から見た姿勢、鉛直方向や水平方向に対する角度)を変化させることが可能である。本例の場合、一般的な時計の針のように、可動部511aの基端部は前後方向に配設された回転軸(図示省略)によって第1演出部511の前面の中央に回転自在に支持され、可動部511aの先端部は第1演出部511の前面の外縁に向かって伸びるように配置されている。
そして、可動部511aは、可動部511aの基端部を支持する前述の回転軸を中心として回転可能であり、この可動部511aの回転に伴って、可動部511aの先端部が第1演出部511の前面の外縁部に沿って周回する。第1演出部511の前面には、第1演出部511が時計またはメーターとして見えるような装飾が施されており、第1演出部511は時計役物あるいはメーター役物と呼ぶことができる。なお、可動部511a(すなわち、時計またはメーターの針に相当する可動部)や第1演出部511の前面の装飾は、実体のある構成ではなく、第1演出部511の前面の表示機能によって表示される画像によって実現される構成でもよい。すなわち、第1演出部511の前面の全体または一部がたとえば液晶表示器などの表示器(表示装置41とは別の表示器)の表示領域となっており、この表示器の表示機能によって可動部511aや第1演出部511の前面の装飾が表示される構成でもよい。
第2演出部512は、主要部が前面から見てたとえば略円形の形状である演出用組立体(演出ユニット)であり、図示省略した支持機構によってセンターケース40内に上下動可能に支持されており、図示省略した駆動源によって駆動されて演出制御装置300の制御によって上下動可能であって上下方向停止位置を変化させることが可能である。第2演出部512は、第1演出部511とは独立しており、第1演出部511とは別個に上下動可能である。ただし第2演出部512は、第1演出部511の前面の略全体を覆うことが可能となるように、左右方向の中心位置が第1演出部511と同じであり、上下動の範囲もたとえば第1演出部511と同じとなっている。
第2演出部512は、導光板からなる一種の表示装置(裏側(奥側)を透視できる状態にすることが可能な表示装置)であり、この第2演出部512の少なくとも主要部(たとえば、外周部を構成する枠部分などを除く部分)は、一つの導光板または層状に重ねて配設された複数の導光板によって構成された表示部(透視部)となっている。
導光板は、主要な要素としてアクリルなどよりなる板状体を有し、板状体に一側面からLEDなどの発光素子からの光を入射させ、板状体に形成した凹凸などで光を表面側(前面側)に導き出すことで、前面側をほぼ均一に発光させたり、前面側に凹凸などに応じた特定の文字や図形などを表示したりすることが可能なデバイスである。この導光板としては、発光素子が発光していないオフ状態であると高い透明度で裏側全体を前面から透視可能とし、発光素子が発光しているオン状態では凹凸に応じた文字や図形などを部分的に浮かび上がらせるように表示するものがある。
本実施形態の第2演出部512は、このような導光板よりなる表示部であって、たとえば第1演出部511の主要部(可動部511aが回転する領域を含み、時計などを表す部分)の大きさ以上の大きさの表示部(オフ状態では透明または半透明となる部分)を有し、図14(1)及び図15(1)に示すように、この第2演出部512の表示部が第1演出部511の主要部を覆うことが可能となっている。ここで、第2演出部512を構成する導光板に付帯する発光素子などの図示は省略している。
なお、第1演出部511と第2演出部512の可動範囲(上下動可能な範囲)は、特に限定されるものではないが、第1演出部511は、たとえば図14(1)及び図15(1)に示す初期位置にある状態(初期状態)から、図14(3)及び図15(3)に示す下降位置にある状態(下降状態)までの範囲において、上下動可能であり、またこの範囲の何れかの位置で停止することが可能となっている。同様に、第2演出部512は、たとえば図14(1)及び図15(1)に示す初期位置にある状態(初期状態)から、図14(2)及び図15(2)に示す下降位置にある状態(下降状態)までの範囲において、上下動可能であり、またこの範囲の何れかの位置で停止することが可能となっている。
このような第1演出部511と第2演出部512によれば、それぞれの動作とその組み合わせによって、また表示装置41の表示領域41aの表示との組み合わせ(協働)によって、多彩な演出が可能となる。
たとえば図14(1)及び図15(1)に示すように、第1演出部511と第2演出部512を両方とも同じ初期位置に維持して、第2演出部512によって第1演出部511を覆った状態(第2演出部512の表示部の奥側に第1演出部511の主要部を重ねて配置した状態)とし、第2演出部512の導光板の機能によって第1演出部511の前面に文字や図形やキャラクタなどを浮かび上がらせるように表示したり、第1演出部511の前面の発光状態や発色状態を異ならせたり、第1演出部511を視認良好な状態にしたり、第1演出部511を視認困難な状態にしたりすることができる。そしてこの際、表示装置41の表示領域41aは略全体が前面側に露出しており、表示装置41の表示領域41aにおける表示(表示画面)の略全体を遊技者にそのまま見せて、たとえば第1演出部511の状態(可動部511aの回転状態や、可動部511aの停止位置の状態)や第2演出部512の状態(導光板による表示状態、発光状態、発色状態、透視状態)と連動する演出表示を表示領域41aでおこなって興趣を向上させることができる。
また、たとえば図14(2)及び図15(2)に示すように、第1演出部511を初期位置とし第2演出部512を下降位置にして、第2演出部512によって表示装置41の表示領域41aの中央部を含む一部を覆った状態(第2演出部512の表示部の奥側に表示領域41aの一部を透視させて見せる状態)とし、第2演出部512の導光板の機能によって表示領域41aの前面に文字や図形やキャラクタなどを浮かび上がらせるように表示したり、表示領域41aの前面の発光状態や発色状態を異ならせたり、表示領域41aの一部を視認困難な状態にしたりすることができる。この際、表示装置41の表示領域41aでは、たとえば第2演出部512の状態と関連する演出表示をおこなって興趣を向上させることができる。
また、たとえば図14(3)及び図15(3)に示すように、第2演出部512を初期位置とし第1演出部511を下降位置にして、第1演出部511によって表示装置41の表示領域41aの中央部を含む一部を覆った状態とし、表示装置41の表示領域41aの前面側で第1演出部511の動作による演出をおこなうことができる。この際、表示装置41の表示領域41aでは、たとえば第1演出部511の状態と関連する(あるいは対応する)演出表示をおこなって興趣を向上させることができる。
なお、第2演出部512の奥側に第1演出部511を重ねて配置した状態(あるいは部分的に重ねて配置した状態)は、図14(1)及び図15(1)に示す初期位置に限らず、動作範囲内の任意の位置で実現可能であり、たとえば第1演出部511と第2演出部512を両方とも同じ下降位置に維持して、第2演出部512によって第1演出部511を覆った状態として同様の演出をおこなうこともできる。この際、表示装置41の表示領域41aは第1演出部511と第2演出部512によって部分的に前面側が遮蔽されて見えなくなるが、たとえば第1演出部511の状態や第2演出部512の状態と関連する(あるいは対応する)演出表示を表示領域41aでおこなって興趣を向上させることができる。
また、第2演出部512と第1演出部511は、図14(1)及び図15(1)に示すように全体が重なるように配置してもよいが、部分的に重ねて配置した状態(たとえば半分だけ重なった状態)として演出をおこなうこともができる。
また第1演出部511や第2演出部512は、演出中に所定位置に停止状態に維持されてもよいが、たとえば特定の演出において表示装置41の表示領域41aの演出表示に対応して(あるいは関連または連動して)、下降したり上昇したり、あるいは上下に振動するように動いたりしてもよい。
次に、変動表示パターンと変動コマンドについて図16及び図17を用いて説明する。図16は、第1の実施形態の変動表示パターンと変動コマンドを説明する図である。図17は、第1の実施形態の変動表示パターンを示すタイミングチャートである。
変動表示パターンは、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動態様であり、変動パターンと称することもある。変動コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される各種コマンドのうち、変動表示パターンを指示するコマンドである。この変動コマンドのデータによって変動表示パターン(前半変動表示パターンと後半変動表示パターンとに分かれる)が特定され、少なくとも特図変動表示ゲームの実行時間(特図が変動を開始して停止するまでの時間(一般的には停止図柄の表示期間を含む)であり、変動時間と称することもある)が決定する。変動コマンドは、変動パターンコマンドや変動系コマンドと称することもある。
演出制御装置300は、前述したメイン処理におけるステップD22の受信コマンドチェック処理において、受信した変動コマンドを解析し、前述したメイン処理におけるステップD23以降の処理などによって、受信した変動コマンドにより指定される変動表示パターンに対応する演出(表示装置41による演出表示に加え、スピーカ19a,19bからの音声主力、盤演出装置44の動作による演出なども含む)を実行する。この際、実行する演出の詳細(たとえば、表示装置41による演出表示に登場させるキャラクタの種類や、このキャラクタの態様や、背景の種類や態様など)は、受信した変動コマンドにより指定される変動表示パターンから逸脱しない範囲内で、演出制御装置300が受信した他のコマンドやその時点の遊技状態や乱数抽選などによって決定する。変動コマンドは、変動表示パターンを特定し、少なくとも変動時間を演出制御装置300に対して指定するコマンドということができる。
本実施形態では、当り(大当り、または小当り)になる場合の変動表示パターンの種類として、図16(1)に示すように、第1変動表示パターンと、第2変動表示パターンとがある。第1変動表示パターンは、変動中の予告演出において当りの発生を報告したこと(すなわち、当確演出(当り確定演出)をおこなったこと)を報知する報知期間を含み、好ましくは、この報知期間の経過後に変動中ファンファーレに直ぐに移行する変動表示パターンである。
ここで、変動中ファンファーレは、たとえば当りになったことを祝福する演出を含むものであり、変動終了後の大当り中の最初におこなわれるファンファーレ(大当りファンファーレ)とは異なる。この変動中ファンファーレの終了直後、あるいは、この変動中ファンファーレの実行中または終了時に飾り特図の停止図柄表示がおこなわれて、特図変動が終了し、当り状態(たとえば大当り中)に移行する。なお、報知期間の終了後に、飾り特図の停止図柄表示のみをおこなって当り状態に移行する構成(変動中に当りになったことを祝福する演出をおこなわない構成)でもよい。
また、当確演出(当り確定演出)とは、たとえば大当り発生確定を報告する大当り確定演出であり、小当り発生確定を報告するものでもよい。また当確演出は、具体的には、表示装置41の表示画面中の文字や背景などの配色をたとえば虹色(レインボー)にする演出である。なお当確演出は、当りになる期待度(一般的には100%未満)を示唆する一般的な予告演出とは異なるものと解釈することもできるが、期待度が100%である一種の予告演出であると考えることもできる。また、上述した報知期間は、好ましくは、当りが確定したことを当確演出よりも分かり易く報知する演出(以下、当確報知演出という場合がある)を実行する期間である。この報知期間におこなわれる当確報知演出には当確演出が含まれてもよい。
一方、第2変動表示パターンは、上述した報知期間を含まない変動表示パターンであり、第1変動表示パターンと比較して変動時間が長い。逆にいうと、第1変動表示パターンは第2変動表示パターンよりも変動時間が短い。ただし、多数ある変動表示パターンの中には、第1変動表示パターンにも第2変動表示パターンにも属さないで、第1変動表示パターンよりも変動時間が短い変動表示パターン(たとえば、リーチ状態なしで外れる場合の変動表示パターンや、当確演出なしで短時間のリーチ状態を経て当りになる変動表示パターンなど)があり得る。
また、第1変動表示パターンは当確演出を必ずおこなうものであるため、第1変動表示パターンを指定する変動コマンドは、当確演出の実行を実質的に演出制御装置300に指示する性格を持つ。これに対して、第2変動表示パターンは当確演出をおこなう場合とおこなわない場合があるため、第2変動表示パターンを指定する変動コマンドは、当確演出を実行するか否かを演出制御装置300の処理に委ねる性格を持つ。
大当りとなる場合の変動コマンドには、たとえば図16(2)に示すコマンドA〜Dがある(A〜Dは仮称)。コマンドAは、変動時間として180秒を指定する。コマンドAにより指定されて実行される変動表示パターン(以下、コマンドAによる変動表示パターンという)は、第2変動表示パターンであり、たとえば図17の最上段(上から1段目)に示すように、予告演出1、予告演出2、及び予告演出3が順次おこなわれた後に、変動中ファンファーレ(図では「変動中fan」と記載している)がおこなわれる変動表示パターンである。予告演出1、予告演出2、及び予告演出3の詳細な態様(登場するキャラクタの種類など)は、同じコマンドAであっても異なる場合がある。
コマンドAによる変動表示パターンは、予告演出1、予告演出2、及び予告演出3のそれぞれにおいて、当確演出をおこなう機会(当確演出ポイント1、当確演出ポイント2、及び当確演出ポイント3)があり、実際に当確演出を行うか否かの抽選が、予告演出1、予告演出2、及び予告演出3のそれぞれについて演出制御装置300によっておこなわれる。当確演出は、各予告演出の開始直後におこなってもよいし、各予告演出の実行途中でおこなってもよいし、各予告演出の終了時におこなってもよい。また、予告演出1、予告演出2、及び予告演出3については、詳細な態様を決める抽選が演出制御装置300によっておこなわれる。
次に、コマンドBは、変動時間として150秒を指定する。コマンドBにより指定されて実行される変動表示パターン(以下、コマンドBによる変動表示パターンという)は、第1変動表示パターンであり、たとえば図17の上から2段目に示すように、予告演出1、予告演出2、及び予告演出3が順次おこなわれた後に、報知期間を経て変動中ファンファーレ(変動中fan)がおこなわれる変動表示パターンである。予告演出1、予告演出2、及び予告演出3の詳細な態様(登場するキャラクタの種類など)は、同じコマンドBであっても異なる場合がある。
コマンドBによる変動表示パターンは、予告演出3において当確演出がおこなわれ、この当確演出の開始と同時に、あるいは、この当確演出の開始から所定時間後(たとえば、0.5秒〜1秒後)に報知期間(図16(2)では単に「報知」と記載している)が開始し、この報知期間(たとえば、1秒〜4秒程度の期間)が経過すると直ぐに変動中ファンファーレ(変動中fan)に移行する。このコマンドBによる変動表示パターンの場合も、各予告演出について詳細な態様を決める抽選が演出制御装置300によっておこなわれてもよいが、予告演出3については図16(2)に示すように抽選がおこなわれない構成でもよい。このコマンドBによる変動表示パターンの場合には、予告演出3において当確演出をおこなうことが決まっているので、演出制御装置300における少なくとも当確演出をおこなうか否かの抽選はおこなわれない。
次に、コマンドCは、変動時間として120秒を指定する。コマンドCにより指定されて実行される変動表示パターン(以下、コマンドCによる変動表示パターンという)は、第1変動表示パターンであり、たとえば図17の上から3段目に示すように、予告演出1、及び予告演出2が順次おこなわれた後に、報知期間を経て変動中ファンファーレ(変動中fan)がおこなわれる変動表示パターンである。予告演出1、及び予告演出2の詳細な態様(登場するキャラクタの種類など)は、同じコマンドCであっても異なる場合がある。
コマンドCによる変動表示パターンは、予告演出2において当確演出がおこなわれ、この当確演出の開始と同時に、あるいは、この当確演出の開始から所定時間後(たとえば、0.5秒〜1秒後)に報知期間が開始し、この報知期間(たとえば、1秒〜4秒程度の期間)が経過すると直ぐに変動中ファンファーレ(変動中fan)に移行する。このコマンドCによる変動表示パターンの場合も、各予告演出について詳細な態様を決める抽選が演出制御装置300によっておこなわれてもよいが、予告演出2については図16(2)に示すように抽選がおこなわれない構成でもよい。このコマンドCによる変動表示パターンの場合には、予告演出2において当確演出をおこなうことが決まっているので、演出制御装置300における少なくとも当確演出をおこなうか否かの抽選はおこなわれない。
次に、コマンドDは、変動時間として90秒を指定する。コマンドDにより指定されて実行される変動表示パターン(以下、コマンドDによる変動表示パターンという)は、第1変動表示パターンであり、たとえば図17の上から4段目(最下段)に示すように、予告演出1がおこなわれた後に、報知期間を経て変動中ファンファーレ(変動中fan)がおこなわれる変動表示パターンである。予告演出1の詳細な態様(登場するキャラクタの種類など)は、同じコマンドDであっても異なる場合がある。
コマンドDによる変動表示パターンは、予告演出1において当確演出がおこなわれ、この当確演出の開始と同時に、あるいは、この当確演出の開始から所定時間後(たとえば、0.5秒〜1秒後)に報知期間が開始し、この報知期間(たとえば、1秒〜4秒程度の期間)が経過すると直ぐに変動中ファンファーレ(変動中fan)に移行する。このコマンドDによる変動表示パターンの場合も、予告演出1について詳細な態様を決める抽選が演出制御装置300によっておこなわれてもよいが、予告演出1については図16(2)に示すように抽選がおこなわれない構成でもよい。このコマンドDによる変動表示パターンの場合には、予告演出1において当確演出をおこなうことが決まっているので、演出制御装置300における少なくとも当確演出をおこなうか否かの抽選はおこなわれない。
なお、以上説明した変動コマンドや変動表示パターンは一部の具体例にすぎず、予告演出の数や変動時間などが異なる各種の態様があり得る。
また、第1変動表示パターンにおける最後の予告演出(当確演出がおこなわれるもの)は、第2変動表示パターンと同じ予告演出(あるいは同種の予告演出)の最後に当確演出をおこなうものでもよいが、冗長感をより軽減するために、第2変動表示パターンと同じ予告演出(あるいは同種の予告演出)の最初または途中で当該予告演出を中断する態様(途中で打ち切って終了する態様)で報知期間に移行する構成が好ましい。たとえば、図17の上から2段目に示す第1変動表示パターン(コマンドBによる変動表示パターン)における最後の予告演出3は、図17の最上段に示す第2変動表示パターン(コマンドAによる変動表示パターン)における最後の予告演出3と同じ演出(登場するキャラクタの種類や態様などは異なってもよい)のうちの時間的に最初の部分だけ(あるいは時間的に途中までの部分だけ)を実行して報知期間に移行する構成が好ましい。このようにすれば、なるべく冗長な演出をおこなわずに、より早く当り状態(たとえば大当り中)に移行できる。
次に、第2変動表示パターン(コマンドAによる変動表示パターン)の表示例を図18から図21を用いて説明する。図18は、第1の実施形態の第2変動表示パターンの表示例を示す図(その1)である。図19は、第1の実施形態の第2変動表示パターンの表示例を示す図(その2)である。図20は、第1の実施形態の第2変動表示パターンの表示例を示す図(その3)である。図21は、第1の実施形態の第2変動表示パターンの表示例を示す図(その4)である。
図18(1)に示す表示画面515は、リーチ状態ではない変動表示中であって予告演出1を実行中の表示画面であり、前述した表示画面510と同様に、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを表示し、加えて予告演出1用のキャラクタ表示516,517と文字表示518を表示する。表示画面515は、たとえば前述した表示画面510の後の画面であって、キャラクタ表示516,517と文字表示518を大図柄群501と重ならないようにして見やすくするために、大図柄群501を変動表示する領域(飾り特図変動表示領域)を画面の上部の狭い領域に縮小して表示する。
なお、大図柄群501に透過性の加工を施して表示することによって、キャラクタ表示516,517等と重なってもキャラクタ表示516,517等の視認性が確保される構成とし、飾り特図変動表示領域を縮小せずに表示してもよい。また、表示画面515では、上述したキャラクタ表示516,517等の表示要素以外にも、たとえば表示画面515の全体の奥側に配置される背景画像を表示してもよい(後述する他の表示画面も同様である)。
キャラクタ表示516,517と文字表示518(あるいは、さらに背景画像など)の種類や態様は、遊技機10の演出テーマに沿って演出制御装置300の記憶手段に予め登録された多数の静止画や動画のデータを基に表示可能なもののうちから、受信した変動コマンドにより指定される変動表示パターンから逸脱しない範囲内で、演出制御装置300が決定する。そして、少なくとも予告演出(当りになる期待度を示唆する演出)や当確演出にかかわる表示内容(たとえば、キャラクタの種類や色、文字の色や表示する大きさなど)については、受信した変動コマンドにより指定される変動表示パターンや、受信した他のコマンドやその時点の遊技状態によって、演出制御装置300の記憶手段に登録された乱数抽選用の振分テーブルを複数ある中から選択し、選択した振分テーブルを使用した乱数抽選によって表示内容ごとに決定して表示する。そして、この振分テーブルは、当りになる場合と外れになる場合とで乱数の判定値の設定範囲に偏りがあるように設定され、これにより表示内容によって遊技者に当りになる期待度を示唆する予告演出や当確演出が実現される。
たとえば、予告演出にかかわる文字表示の色を決定する振分テーブルの場合、当りになる場合の振分テーブルの設定は、青よりも黄、黄よりも赤の方が判定値の範囲が広く出現率が高くなる設定とされ、逆に外れになる場合の振分テーブルの設定は、青よりも黄、黄よりも赤の方が判定値の範囲が狭くて出現率が低くなる設定とされる。これにより遊技者は、当該文字表示の色が青よりも黄、黄よりも赤の方が当りになる可能性が高い(期待度が高い)と推定することができ、遊技者に当りになる期待度を示唆する予告演出が実現される。
また、たとえば文字表示の色で当確演出をおこなう場合、この当確演出をおこなう色(たとえば虹色)については、外れになる場合の振分テーブルの設定では、判定値の範囲がない設定とされ、外れになる場合の出現率がゼロになる設定とされる。すなわち、当確演出をおこなう色(たとえば虹色)については、当りになる場合の振分テーブルの設定でのみ、判定値が設定され、当りになる場合の出現率のみがゼロより大きな所定値となる設定とされる。つまり、当確演出をおこなう色(たとえば虹色)については、当りになる場合にしか出現しないように振分テーブルが予め設定されている。これにより遊技者は、当該文字表示の色が当該色(たとえば虹色)になれば当りになると認識することができ、遊技者に対する当確演出が実現される。
なお、文字表示の色に限られず、その他の表示内容によって予告演出(当りになる期待度を示唆する演出)や当確演出(当りになることを報知する演出)をおこなう場合も同様である。また、以上は表示による予告演出や当確演出について説明したが、音声出力や演出用の役物(演出装置)の動作による予告演出や当確演出がおこなわれてもよく、これらの演出内容を決定する処理も演出制御装置300によって同様におこなわれる。
図18(1)に示す表示画面515の場合、キャラクタ表示516,517の種類や態様、あるいは文字表示518の種類や態様によって予告演出がおこなわれる。キャラクタ表示516,517や文字表示518は、表示位置、表示の大きさ、形状や姿勢や色などの態様が時間経過にともなって変化してもよく、図18(1)に示す表示画面515はその一場面(1フレーム)を図示したにすぎない。文字表示518は、たとえば奥側から手前側に移動してくるように見せるために、最初は比較的小さく表示され、時間の経過にともなって大きく表示される。また文字表示518は、この場合、「空手道」という文字画像とその周囲に位置する装飾及び演出用のエフェクト画像を一体的に表示するものである。文字表示518の色により期待度示唆をおこなう場合、文字表示518の文字画像またはエフェクト画像の色を、前述した乱数抽選によって決定して表示する。
図18(2)に示す表示画面520は、表示画面515の後の画面であり、予告演出1において当確演出を実行中の表示画面である。この表示画面520も、表示画面515と同様に、予告演出1用のキャラクタ表示516,517と文字表示518を表示する。演出制御装置300は、この表示画面520において、文字表示518のエフェクト画像を虹色とし、キャラクタ表示516(空手着を着た人物)の帯の色を虹色として、当確演出をおこなっている。
図19(1)に示す表示画面523は、表示画面520の後の画面であり、リーチ状態となって予告演出2を開始した直後の表示画面である。この表示画面523は、大図柄群のうちの左図柄と右図柄として、図柄が「3」の左図柄画像524と図柄が「3」の右図柄画像525を表示領域の左右上部の隅にそれぞれ停止状態で表示する。また表示画面523は、大図柄群のうちの中図柄として、複数の中図柄画像526a,526b,526c,526dを表示する。中図柄画像526a,526b,526c,526dは、図柄がそれぞれ「3」,「4」,「5」,「6」である画像である。演出制御装置300は、これら中図柄画像526a,526b,526c,526dを、表示領域の上方右側から左下に向かって、順番に列を成して出現して移動するように表示する。また表示画面523は、表示領域の中央にキャラクタ表示527を表示する。キャラクタ表示527は、キャラクタ(空手着を着た人物)の画像とその周囲に位置する装飾及び演出用のエフェクト画像を一体的に表示するものである。
図19(2)に示す表示画面529は、表示画面523の後の画面であり、リーチ状態における予告演出2が少し進んだ状態の表示画面である。この表示画面529は、表示画面523と同様に、左図柄画像524と右図柄画像525とキャラクタ表示527を表示する。また表示画面529は、大図柄群のうちの中図柄として、複数の中図柄画像526a,526b,526c,526d,526e,526fを表示する。中図柄画像526a,526b,526c,526d,526e,526fは、図柄がそれぞれ「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」である画像である。演出制御装置300は、これら中図柄画像526a,526b,526c,526d,526e,526fを表示領域の上方右側から左下に向かって、順番に列を成して出現して移動するように表示する。
予告演出2は、このようにリーチ状態において変動中の中図柄の飾り特図の表示として、各図柄の画像(中図柄画像526a等)を順番に移動させるように表示し、遊技者の期待感(中図柄も「3」で停止してほしいという期待感)を高める演出である。予告演出2の終盤では、たとえばキャラクタ表示527の周りを中図柄画像526a等が円形状に順に周回する演出表示がおこなわれてもよい。そして演出制御装置300は、この予告演出2で当確演出をおこなう場合、たとえばキャラクタ表示527のエフェクト画像などを虹色にする。
図20(1)に示す表示画面532は、表示画面529の後の画面であり、リーチ状態において予告演出3を開始した直後の表示画面である。この表示画面532は、大図柄群のうちの左図柄と右図柄として、図柄が「3」の左図柄画像524と図柄が「3」の右図柄画像525を表示領域の左右上部にそれぞれ停止状態で表示する。また表示画面532は、大図柄群のうちの中図柄として、複数の中図柄画像533a,533bを部分的に重ねた状態で表示する。中図柄画像533a,533bは、図柄がそれぞれ「2」,「3」である画像である。また表示画面532は、表示領域の中央右側にキャラクタ表示534を表示する。キャラクタ表示534は、キャラクタ(空手着を着た人物)の画像と、当該キャラクタのセリフの画像と、当該キャラクタの作用を表すエフェクト画像を表示するものである。
この予告演出3の際、演出制御装置300は、中図柄画像533a(図柄「2」)に対してキャラクタ表示534のキャラクタが作用して(具体的には、空手の突きや蹴りをおこなって)中図柄が中図柄画像533bの図柄「3」になるように動作する状態を表示する。また、キャラクタ表示534のエフェクト画像は、たとえば図20(1)に示すように当該キャラクタの突いた拳の先(あるいは蹴った足の先)に表示される画像(拳などの衝突を表現する画像)である。
また演出制御装置300は、演出ボタン25(プッシュボタン)の操作を遊技者に促す画像を表示画面532中に表示して、いわゆるプッシュボタン演出(介入操作を受け付ける演出)として予告演出3を実行してもよい。
図20(2)に示す表示画面536は、表示画面532の後の画面であり、リーチ状態における予告演出3が終盤に進んだ状態の表示画面である。この表示画面536は、表示画面532と同様に、左図柄画像524と右図柄画像525とキャラクタ表示534を表示する。また表示画面536は、大図柄群のうちの中図柄として、図柄「2」である中図柄画像533aを歪んだ態様で左右方向位置を中央より左に移動させて表示し、図柄「3」である中図柄画像533bを主要部(図柄「3」を表示する部分)が視認可能な状態で左右方向中央位置に表示する。この際、演出制御装置300は、中図柄画像533a(図柄「2」)に対してキャラクタ表示534のキャラクタが作用して(具体的には、空手の突きや蹴りをおこなって)中図柄が中図柄画像533bの図柄「3」になった状態(あるいは、図柄「3」になりそうな状態)を表示する。
予告演出3は、このようにリーチ状態において変動中の中図柄にキャラクタが作用する映像を表示し、遊技者の期待感(中図柄も「3」で停止してほしいという期待感)を高めるとともに、最終的に当りになったこと(あるいは当りになりそうなこと)を遊技者に報知する演出である。演出制御装置300は、この予告演出3で当確演出をおこなう場合、たとえばキャラクタ表示534のエフェクト画像などを虹色にする。
図21(1)に示す表示画面539は、表示画面536の後の画面であり、変動中ファンファーレの演出中の表示画面である。この表示画面539は、当りが確定したことを祝福する表示画面であり、キャラクタ表示516,517と文字表示540を表示する。表示画面539は、キャラクタ表示516,517に限られず、遊技機10の演出で登場する各種のキャラクタをたとえば全て登場させて表示する構成でもよい。この表示画面539は、キャラクタ表示516,517と文字表示540を見やすくするために、大図柄群を表示しない。なお、大図柄群に透過性の加工を施して表示することによって、キャラクタ表示516,517等の視認性が確保される構成とし、大図柄群(たとえば、左中右の各図柄が全て「3」であるもの)を表示してもよい。また文字表示540は、この場合、「おめでとう!」という文字画像とその周囲に位置する装飾及び演出用のエフェクト画像を一体的に表示するものである。
図21(2)に示す表示画面542は、表示画面539の後の画面であり、図17に示した演出期間としては変動中ファンファーレの期間における表示画面である。この表示画面542は、変動中ファンファーレの期間の最後におこなわれる停止図柄の表示のための表示画面であり、停止図柄の態様を除いて、前述した図13(1)の表示画面500と同じである。表示画面500と異なるのは、表示画面500が外れの停止図柄であるのに対して、表示画面542は停止図柄の態様が当りの態様(大図柄群501の左中右の図柄がたとえば「3、3、3」である態様)となっている。この表示画面542は、小図柄群502の図柄も大図柄群501と同じ態様で停止表示し、保留消化表示506を停止状態として表示する。
以上説明した第2変動表示パターンの表示例から分かるように、第2変動表示パターンでは、当確演出がおこなわれた場合にも、それ以降の他の予告演出を全て実行した後でなければ変動中ファンファーレに移行せず変動表示ゲームが終了しないので、当確演出により当りとなることを認識した遊技者にとっては、当確演出後の遊技が退屈となり、遊技の冗長感を覚える虞がある。また第2変動表示パターンでは、当確演出のみが一時的におこなわれて、この当確演出以外には、当りの発生を報知する期間がないため、遊技者が当りとなったことに気付かずに当確演出が無駄な演出になる虞がある。
なお、以上説明した第2変動表示パターンの表示例では、表示装置41による演出表示について説明したが、変動コマンドにより指定される変動表示パターン等に基づいて演出制御装置300がおこなう演出には、前述した盤演出装置44などの演出用の役物の動作による演出、スピーカ19a,19bからの音声出力による演出(たとえば、前述の表示画面539の際に「おめでとう」という音声を出力する演出)、盤装飾装置46のLEDの発光動作による演出などもある。これらの演出手段による演出(あるいは、これらの演出手段による演出と表示装置41による演出表示の組合せによる演出)の中で予告演出や当確演出がおこなわれてもよい。
次に、第1変動表示パターン(コマンドDによる変動表示パターン)の表示例を図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態の第1変動表示パターンの表示例を示す図(その1)である。
図22(1)に示す表示画面545は、前述した表示画面520と同じ当確演出(予告演出1における当確演出)をおこなった直後の報知期間における表示画面である。この報知期間には、表示画面545のように、前述した表示画面520(予告演出1における当確演出の表示画面)と基本的に同じ表示をおこなうが、以下の点で表示画面520を表示する演出(すなわち、予告演出1における当確演出)とは異なる。
すなわち、非フリーズとなる表示要素(オブジェクト)である第1表示要素を除く第2表示要素については、報知期間中はたとえば当確演出と同じ状態で表示を静止させる(フリーズさせる)。表示を静止させる(フリーズさせる)とは、少なくとも見かけ上、静止画に見えるように表示することを意味し、表示要素が動画である場合には動画の一場面(一フレーム)を同じ状態(同じ表示位置、同じ表示の大きさなど)で表示したまま維持し、表示要素が静止画である場合にはその静止画を同じ状態(同じ表示位置、同じ表示の大きさなど)で表示したまま維持することを意味する。
ここで、非フリーズとなる第1表示要素は、報知期間中に静止させる制御がおこなわれない表示要素であり、この第1表示要素には、たとえば図22(1)に示すように、小図柄群502、特図1保留数表示503、特図2保留数表示504、保留表示505、及び保留消化表示506が含まれる。なお、第1表示要素であっても、報知期間中に本来静止画として表示されるものもあり得る。しかし、本来動画として表示される表示要素や、表示位置等が変化する静止画として表示される表示要素については、第1表示要素であれば、報知期間中もそのまま動きのある表示がおこなわれる。たとえば、小図柄群502は、変動時間の終了時まで停止しない(前述の表示画面542のような停止図柄の表示がおこなわれるまで停止しない)ため、この報知期間中も変動表示される。また、保留表示505や保留消化表示506として動きのある表示(たとえば、先読み予告演出のための動画の再生など)をおこなっている場合には、報知期間中も、その動きのある表示を継続する。先読み予告とは、保留記憶ごと(すなわち始動記憶ごと)のゲーム結果に対する期待度を事前に示唆または報知する演出である。
また、報知期間中に静止させる第2表示要素には、図22(1)に示すように、第1表示要素を除いた表示要素(大図柄群501、キャラクタ表示516,517、文字表示518、図示省略した背景画像など)が含まれる。なお大図柄群501は、この報知期間中は、表示をおこなわない構成としてもよい。大図柄群501を表示する場合は、たとえば図22(1)に示すように当りとなる停止図柄の態様で表示する。
またこの報知期間中は、第2表示要素を静止させるとともに、当りとなったことを遊技者に示唆または報知する音声出力(当確演出がおこなわれたことを示唆または報知する当確報知音声の出力)をおこなってもよい。たとえば、図22(1)に示すような「ジャンジャカジャーン」という音声や、あるいは「パンパカパーン」といった音声(当りとなったことを示唆する音声)を出力してもよい。また、このような音声出力に代えて、あるいはこのような音声出力に加えて、「大当り確定だ」といった音声(当りを明確に報知する音声)を出力してもよい。なお、これらの音声(当確報知音声)の一部は、報知期間の直前の当確演出の際(第2表示要素をフリーズさせていないとき)に出力してもよい。
またこの報知期間中は、第2表示要素を静止させるとともに、それまで出力し続けていたBGM(バックグラウンドミュージック)を停止する(出力を停止するか、音量をゼロとする)か、その音量を下げるようにしてもよい。
このような、従来の当確演出にはない演出内容を有する報知期間中の演出(当確報知演出)を、当確演出に続いておこなう構成であれば、遊技者が当りとなったことに気付かない可能性は格段に低下する。本実施形態の場合、報知期間中に表示装置41の表示の多くが静止するとともに、上述した当確報知音声(当確演出がおこなわれたこと(いいかえると、当りになったこと)を示唆または報知する音声)の出力がおこなわれるため、遊技者が当りとなったことに気付かない可能性はより低下する。また、報知期間中にBGMを停止または音量ダウンすれば、上述した当確報知音声が際立つことになり、この効果が高まる。
図22(2)に示す表示画面547は、表示画面545の後の画面であり、変動中ファンファーレの演出中の表示画面である。この表示画面547は、前述の表示画面539と同様に、当りが確定したことを祝福する表示画面であり、キャラクタ表示516,517と文字表示540を表示する。演出制御装置300は、この表示画面547を表示する変動中ファンファーレの演出において、文字表示540に対応する「おめでとう」という音声出力をおこなう。また演出制御装置300は、表示画面545を表示する報知期間が終了すると、この表示画面547を表示する変動中ファンファーレの演出に直ぐに移行する。このため、当確演出及びその後の報知期間の演出によって当りになることを認識した遊技者が冗長感を覚えて退屈になることがない。すなわち、当たるのが分かっている上で長い変動時間の残りの演出を最後まで待たなくてはならない間延び感を排除できる。
なお、表示画面547の後には、変動中ファンファーレの期間(図17に示した演出期間)における表示画面として、たとえば図21(2)に示した表示画面542を表示する。
また、第2変動表示パターンでは、当確演出を予告演出1の最初または途中に出現させた場合、当確演出の後でも、予告演出1の残りの演出や、他の演出(予告演出2、予告演出3)をおこなった後に、ようやく変動中ファンファーレの演出がおこなわれる。しかし、この第1変動表示パターンは、第2変動表示パターンとたとえば同じ予告演出1を当確演出が出現した時点で打ち切って報知期間を経て変動中ファンファーレへと直ぐに移行する構成となっており、当確演出及びその後の報知期間の演出がおこなわれた後には、第2変動表示パターンでは実行した予告演出1の残りの演出をおこなわない構成となっており、さらに他の演出(予告演出2、予告演出3)もおこなわない構成となっている。このため、第2変動表示パターンに比べて変動時間も極めて短く、遊技者が冗長感を覚えることがない構成となっている。
次に、第1変動表示パターン(コマンドCによる変動表示パターン)の表示例を図23を用いて説明する。図23は、第1の実施形態の第1変動表示パターンの表示例を示す図(その2)である。
図23(1)に示す表示画面550は、前述した表示画面523と同じ予告演出2の最初の時点で当確演出をおこなった直後の報知期間における表示画面である。この報知期間には、表示画面550のように、前述した表示画面523(予告演出2の表示画面)と基本的に同じ表示をおこなうが、以下の点で表示画面523を表示する演出(すなわち、当確演出をおこなっていない予告演出2)とは異なる。
まず、当確演出のために、キャラクタ表示527のエフェクト画像やキャラクタの帯の色を虹色とし、表示領域全体に広がる枠状背景表示551を表示し、この枠状背景表示551も虹色としている。なお、この当確演出のための表示(キャラクタ表示527のエフェクト画像等を虹色にする表示)は、既述したように、たとえば報知期間の直前か報知期間の開始時点からおこなう。
そして、前述の表示画面545と同様に、非フリーズとなる表示要素(オブジェクト)である第1表示要素を除く第2表示要素については、報知期間中はたとえば当確演出と同じ状態で表示を静止させる(フリーズさせる)。
報知期間中に静止させる第2表示要素には、図23(1)に示すように、第1表示要素を除いた表示要素(大図柄群、キャラクタ表示527、枠状背景表示551など)が含まれる。なお、大図柄群のうちの中図柄画像526a,526b,526c,526dは、第2変動表示パターンであれば、既述したように表示領域の上方右側から左下に向かって順番に列を成して移動するように表示するが、この動きを報知期間の開始時点で停止させ、報知期間中は停止させた状態に維持する。なお、第1変動表示パターンの場合、予告演出2の演出はここで打ち切りになるので、第2変動表示パターンのようにその後の予告演出2の演出表示(たとえば、前述した表示画面529)を遊技者が見ることはない。
またこの報知期間中は、第2表示要素を静止させるとともに、前述した当確報知音声の出力をおこなってもよい。たとえば、図23(1)に示すような「ジャンジャカジャーン」という音声などを出力してもよい。また、このような音声出力に代えて、あるいはこのような音声出力に加えて、「大当り確定だ」といった音声を出力してもよい。なお、これらの音声(当確報知音声)の一部は、報知期間の直前の当確演出の際(第2表示要素をフリーズさせていないとき)に出力してもよい。またこの報知期間中は、第2表示要素を静止させるとともに、それまで出力し続けていたBGMを停止するか、その音量を下げるようにしてもよい。
このような、従来の当確演出にはない演出内容を有する報知期間中の演出(当確報知演出)を、当確演出に続いておこなう構成であれば、遊技者が当りとなったことに気付かない可能性は格段に低下する。本実施形態の場合、報知期間中に表示装置41の表示の多くが静止するとともに、上述した当確報知音声の出力がおこなわれるため、遊技者が当りとなったことに気付かない可能性はより低下する。また、報知期間中にBGMを停止または音量ダウンすれば、上述した当確報知音声が際立つことになり、この効果が高まる。
図23(2)に示す表示画面553は、表示画面550の後の画面であり、変動中ファンファーレの演出中の表示画面である。この表示画面553は、前述の表示画面539と同様に、当りが確定したことを祝福する表示画面であり、キャラクタ表示516,517と文字表示540を表示する。演出制御装置300は、この表示画面553を表示する変動中ファンファーレの演出において、文字表示540に対応する「おめでとう」という音声出力をおこなう。また演出制御装置300は、表示画面550を表示する報知期間が終了すると、この表示画面553を表示する変動中ファンファーレの演出に直ぐに移行する。このため、当確演出及びその後の報知期間の演出によって当りになることを認識した遊技者が冗長感を覚えて退屈になることがない。
なお、表示画面553の後には、変動中ファンファーレの期間(図17に示した演出期間)における表示画面として、たとえば図21(2)に示した表示画面542を表示する。
また、第2変動表示パターンでは、当確演出を予告演出2の最初または途中に出現させた場合、当確演出の後でも、予告演出2の残りの演出や、他の演出(予告演出3)をおこなった後に、ようやく変動中ファンファーレの演出がおこなわれる。しかし、この第1変動表示パターンは、第2変動表示パターンとたとえば同じ予告演出2を当確演出が出現した時点で打ち切って報知期間を経て変動中ファンファーレへと直ぐに移行する構成となっており、当確演出及びその後の報知期間の演出がおこなわれた後には、第2変動表示パターンでは実行した予告演出2の残りの演出をおこなわない構成となっており、さらに他の演出(予告演出3)もおこなわない構成となっている。このため、第2変動表示パターンに比べて変動時間も格段に短く、遊技者が冗長感を覚えることがない構成となっている。
次に、第1変動表示パターン(コマンドBによる変動表示パターン)の表示例を図24を用いて説明する。図24は、第1の実施形態の第1変動表示パターンの表示例を示す図(その3)である。
図24(1)に示す表示画面556は、前述した表示画面532と同じ予告演出3の最初の時点で当確演出をおこなった直後の報知期間における表示画面である。この報知期間には、表示画面556のように、前述した表示画面532(予告演出3の表示画面)と基本的に同じ表示をおこなうが、以下の点で表示画面532を表示する演出(すなわち、当確演出をおこなっていない予告演出3)とは異なる。
まず、当確演出のために、キャラクタ表示534のエフェクト画像やキャラクタの帯の色を虹色とし、表示領域全体に広がる枠状背景表示557を表示し、この枠状背景表示557も虹色としている。なお、この当確演出のための表示(キャラクタ表示534のエフェクト画像等を虹色にする表示)は、既述したように、たとえば報知期間の直前か報知期間の開始時点からおこなう。
そして、前述の表示画面545と同様に、非フリーズとなる表示要素(オブジェクト)である第1表示要素を除く第2表示要素については、報知期間中はたとえば当確演出と同じ状態で表示を静止させる(フリーズさせる)。
報知期間中に静止させる第2表示要素には、図24(1)に示すように、第1表示要素を除いた表示要素(大図柄群、キャラクタ表示534、枠状背景表示557など)が含まれる。なお、第2変動表示パターンであれば、既述したように中図柄画像533a(図柄「2」)に対してキャラクタ表示534のキャラクタが作用する(具体的には、空手の突きや蹴りをおこなう)ように表示するが、この動きを報知期間の開始時点で停止させ、報知期間中は停止させた状態に維持する。なお、第1変動表示パターンの場合、予告演出3の演出はここで打ち切りになるので、第2変動表示パターンのようにその後の予告演出3の演出表示(たとえば、前述した表示画面536)を遊技者が見ることはない。
またこの報知期間中は、第2表示要素を静止させるとともに、前述した当確報知音声の出力をおこなってもよい。たとえば、図24(1)に示すような「ジャンジャカジャーン」という音声などを出力してもよい。また、このような音声出力に代えて、あるいはこのような音声出力に加えて、「大当り確定だ」といった音声を出力してもよい。なお、これらの音声(当確報知音声)の一部は、報知期間の直前の当確演出の際(第2表示要素をフリーズさせていないとき)に出力してもよい。またこの報知期間中は、第2表示要素を静止させるとともに、それまで出力し続けていたBGMを停止するか、その音量を下げるようにしてもよい。
このような、従来の当確演出にはない演出内容を有する報知期間中の演出(当確報知演出)を、当確演出に続いておこなう構成であれば、遊技者が当りとなったことに気付かない可能性は格段に低下する。本実施形態の場合、報知期間中に表示装置41の表示の多くが静止するとともに、上述した当確報知音声の出力がおこなわれるため、遊技者が当りとなったことに気付かない可能性はより低下する。また、報知期間中にBGMを停止または音量ダウンすれば、上述の当確報知音声が際立つことになり、この効果が高まる。
図24(2)に示す表示画面559は、表示画面556の後の画面であり、変動中ファンファーレの演出中の表示画面である。この表示画面559は、前述の表示画面539と同様に、当りが確定したことを祝福する表示画面であり、キャラクタ表示516,517と文字表示540を表示する。演出制御装置300は、この表示画面559を表示する変動中ファンファーレの演出において、文字表示540に対応する「おめでとう」という音声出力をおこなう。また演出制御装置300は、表示画面556を表示する報知期間が終了すると、この表示画面559を表示する変動中ファンファーレの演出に直ぐに移行する。このため、当確演出及びその後の報知期間の演出によって当りになることを認識した遊技者が冗長感を覚えて退屈になることがない。
なお、表示画面559の後には、変動中ファンファーレの期間(図17に示した演出期間)における表示画面として、たとえば図21(2)に示した表示画面542を表示する。
また、第2変動表示パターンでは、当確演出を予告演出3の最初または途中に出現させた場合、当確演出の後でも、予告演出3の残りの演出をおこなった後に、ようやく変動中ファンファーレの演出がおこなわれる。しかし、この第1変動表示パターンは、第2変動表示パターンとたとえば同じ予告演出3を当確演出が出現した時点で打ち切って報知期間を経て変動中ファンファーレへと直ぐに移行する構成となっており、当確演出及びその後の報知期間の演出がおこなわれた後には、第2変動表示パターンでは実行した予告演出3の残りの演出をおこなわない構成となっている。このため、第2変動表示パターンに比べて変動時間も短く、遊技者が冗長感を覚えることがない構成となっている。
以上説明した第1の実施形態の遊技機10は、上述した報知期間のない当確演出のみをおこなう可能性のある第2変動表示パターンの演出と、第2変動表示パターンよりも変動時間(演出時間)が短く、上述した当確演出と報知期間の演出(当確報知演出)をおこなう第1変動表示パターンの演出と、を実行する制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を備える。このため、当確演出による当り確定後(大当り確定後または小当り確定後)の遊技の冗長感を軽減でき、また、当確演出がおこなわれたのに遊技者が当りになることに気付けずに当確演出が無駄になるなどの問題を改善できる。
この遊技機10では、遊技制御装置100における演出制御装置300に送信する変動コマンドの内容の選択(たとえば前述した変動パターン乱数1,2,3による乱数抽選などによる選択であり、前述したステップS82等でおこなわれる選択処理)の結果に応じて、たとえば上述した第1変動表示パターンの演出がおこなわれる場合もあれば、上述した第2変動表示パターンの演出がおこなわれる場合もあり、必ずしも当確演出後の予告演出がおこなわれない第1変動表示パターンばかりが実行されるわけではない。
しかし、第2変動表示パターンの場合には、上述した報知期間がなく明確な当確報知がおこなわれないので、長時間の演出を楽しみつつ、この演出の中のどこかで、たとえば虹色の表示による当確演出がおこなわれるか否かを発見する楽しみがある。また遊技者は一方で、第1変動表示パターンの演出を時々鑑賞することで冗長感がない遊技もおこなうことができ、しかもこのとき虹色の表示等による当確演出について第1変動表示パターンの報知期間において確実に気付いて当該当確演出について意識しなくても学習することになる。このため、第1変動表示パターンでしっかり当確演出の態様等について学習し、第2変動表示パターンの演出を上述したように楽しむ際(すなわち、当確演出を発見する際)に当該学習結果を生かすことができる。
したがって第1変動表示パターンと第2変動表示パターンの演出の両者を選択しておこなう本実施形態の遊技機10であれば、当確演出に遊技者が気付いた場合、第1変動表示パターンであればその後の冗長な演出はおこなわれないし、第2変動表示パターンであったとしても、当該遊技者は、不快感を持たずに残りの演出を楽しむことができる。
これに対して、仮に第1変動表示パターンのない構成(当確演出がおこなわれるのが第2変動表示パターンのみである構成)であると、遊技者は当確演出に気付いたとき、毎回残りの長い演出を見なければならず、遊技者が不快感を覚える虞があるが、本実施形態であれば、そのような問題が格段に改善される。
次に、第1の実施形態の変形例1について図25を用いて説明する。図25は、第1の実施形態の変形例1の第1変動表示パターンの演出例を示す図である。この変形例1の遊技機10は、第1変動表示パターンの演出において、前述した報知期間の演出の次に、図25(1)または図25(2)に示すような盤演出装置44を用いた演出(可動演出部協働演出)をおこなう点に特徴を有し、その他は第1の実施形態と同じ構成である。この可動演出部協働演出は、変動中ファンファーレの直前に変動中ファンファーレとは別の演出としておこなってもよいし、変動中ファンファーレの演出の前段部分の演出としておこなってもよい。
なお、図25(1)または図25(2)に符号511b、511cで示すのは、盤演出装置44の第1演出部511を支持するアーム状の支持部である。これら支持部511b、511cを介して、第1演出部511はセンターケース40内に上下動可能に支持されている。また、図25(1)または図25(2)に符号512b、512cで示すのは、盤演出装置44の第2演出部512を支持するアーム状の支持部である。これら支持部512b、512cを介して、第2演出部512はセンターケース40内に上下動可能に支持されている。
図25(1)に示す可動演出部協働演出では、演出制御装置300は、前述した盤演出装置44の第2演出部512を初期位置に維持したまま、第1演出部511を下降位置まで下降させて、この演出の最後に初期位置に戻すまで第1演出部511を下降位置に停止させる。また、第1演出部511の針状の可動部511aをたとえば高速で時計回りまたは反時計回りに回転させて期間中何度も周回させる(すなわち、ぐるぐる回す)。そして演出制御装置300は、第1演出部511を下降位置に停止させている期間(あるいは、第1演出部511を下降位置に下降させる期間や初期位置に戻す期間が含まれてもよい)において、表示装置41の表示領域41aに盤演出装置44の動作に対応する表示画面565を表示する。表示画面565は、たとえば、図25(1)に示すように、虹色の背景画像566と、第1演出部511の周囲に放射状に光が広がって放射状に移動するように見えるエフェクト画像567とを表示する。またこの演出期間中に、演出制御装置300は、第2演出部512の導光板の表示機能により演出テーマに沿った文字表示や画像表示をおこなってもよい。
図25(2)に示す可動演出部協働演出では、演出制御装置300は、前述した盤演出装置44の第2演出部512と第1演出部511の両者を下降位置まで下降させて、この演出の最後に初期位置に戻すまでこれらを下降位置に停止させる。また、第1演出部511の針状の可動部511aをたとえば高速で時計回りまたは反時計回りに回転させて期間中何度も周回させる(すなわち、ぐるぐる回す)。そして演出制御装置300は、第1演出部511等を下降位置に停止させている期間(あるいは、第1演出部511等を下降位置に下降させる期間や初期位置に戻す期間が含まれてもよい)において、表示装置41の表示領域41aに盤演出装置44の動作に対応する前述の表示画面565を表示する。またこの演出期間中に、演出制御装置300は、第2演出部512の導光板の表示機能により演出テーマに沿った文字表示や画像表示を第1演出部511の前面に重なる状態でおこなってもよい。
なお、図25(1)、(2)に示した表示画面565は、小図柄群502と特図1保留数表示503と特図2保留数表示504とを表示内容に含む。これにより、遊技機10は、この演出期間中に第2演出部512の導光板の表示機能により演出テーマに沿った文字表示や画像表示をおこなう場合にも遊技進行を遊技者に案内することができる。たとえば、図25(1)、(2)に示した表示画面565は、小図柄群502により対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示し、特図1保留数表示503により特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示し、特図2保留数表示504により特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。
図25に例示した上述したような演出によれば、たとえば、時間の流れ(時間が戻る流れ、時間が進む流れ)や、時間の流れに類するもの(記憶の遡り、空手修行の日々の経過など)を部分的に飛び越える(ワープする)感覚を遊技者に与えることができ、興趣が向上する。特にこの場合、たとえば図22で説明した当確演出と報知期間の演出(表示画面545を表示する演出)と、その後の変動中ファンファーレの演出(表示画面547を表示する演出)との間に、この可動演出部協働演出が介在することによって、予告演出1が途中で打ち切られて他の予告演出(予告演出2、予告演出3)を飛び越して、一気に変動中ファンファーレに移行し、次いで当り状態(たとえば大当り中)に移行することが、遊技者に違和感なく受け入れられるとともに、冗長な演出を飛び越して大当り状態に移行する遊技者の感激をより高める効果が得られる。
次に、第1の実施形態の他の変形例について説明する。
前述の表示例では、空手道の修行を演出テーマとしたものを一例として挙げたが、これに限定されない。たとえば、女性のキャラクタを登場させ、演出テーマを表す文字の画像や当該文字を装飾する画像(エフェクト画像や背景画像)、あるいは女性のキャラクタの画像や、女性のキャラクタの衣装(リボンなど)の画像などを、特定の色(たとえば虹色)にすることによって当確演出をおこなう構成でもよい。
また遊技機10の制御手段は、当確演出として、たとえば画像を虹色ではない色(たとえば金色や銀色)にする演出をおこなってもよいし、特別なキャラクタや模様やマークを表示する演出をおこなってもよい。一般的に遊技機の分野では虹色が分かり易いが、それ以外の当確演出の態様であっても、本発明の第1変動表示パターンであれば、当確演出がおこなわれたことを報知する報知期間の演出が当確演出と併せておこなわれるため、当確演出がおこなわれたことを遊技者が確実に認識でき、当確演出の態様について意識しなくても学習できる。また遊技機10の制御手段は、当確演出として、画像の全体ではなく画像の一部(たとえば、文字の一部、キャラクタの一部、キャラクタの衣装の一部、エフェクト画像の一部、背景画像の一部など)を特定の色(たとえば、虹色、金色、銀色など)にする演出をおこなってもよい。
また、遊技機10の制御手段がおこなう前述した可動演出部協働演出は、図25に示した態様に限定されず、たとえば第1演出部511を初期位置に維持し、第2演出部512のみを下降位置に下降させて、表示装置41の表示画面の表示に第2演出部512(導光板)による表示を重ねる演出であってもよい。あるいは遊技機10の制御手段が、演出期間中、第1演出部511や第2演出部512を上下に振動するように動かしたり、停止位置を変化させたりする演出をおこなってもよい。
また遊技機10の制御手段は、盤演出装置44のような演出用の役物(演出装置)を、第1変動表示パターンにおける当確演出や報知期間の演出(当確報知演出)の際に作動させて、この役物の動作と表示装置41の表示とが協働する演出をおこなってもよい。この場合、役物の動作(たとえば、当該役物の位置変化や、前述した可動部511aのような役物内の可動部の動作など)は静止させず(フリーズさせず)、表示装置41の表示(たとえば、役物の周囲の背景となる表示)は静止させる(フリーズさせる)構成としてもよい。これにより、当確演出や報知期間中の面白い演出が実現できる。
また遊技機10の制御手段は、第1変動表示パターンの出現率を、通常遊技状態(普電サポート状態や高確率状態などの特定遊技状態でない状態であり、特図の当り確率は低確率な状態)に比較して、普電サポート状態や高確率状態(特図の当り確率が高確率である状態)などの特定遊技状態において高く設定する構成でもよい。
なお、第1の実施形態の遊技機10は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを実行可能な遊技機であり、いわゆる1種ゲームを実行可能な遊技機であるが、第2の実施形態で説明するような1種ゲーム+2種ゲームを実行可能な遊技機であってもよいし、その他のゲームを実行可能な遊技機であってもよい。
上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、変動表示ゲームの結果として当りを導出可能な遊技機であって、所定の予告演出の実行機会を有する第1変動表示パターンと第2変動表示パターンを表示手段(表示装置41)に表示させる制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)を備える。第1変動表示パターンは、予告演出に続き、予告演出において当りの発生を報告したことを報知する報知期間を含み、第2変動表示パターンは、報知期間を含まず、第1変動表示パターンよりも変動時間が長い。
(2)(1)の第1変動表示パターンは、第2変動表示パターンでもおこなう同種の予告演出を、当りの発生を報告する演出(当確演出、すなわち当り確定演出)が出現した時点で打ち切って報知期間に移行する構成である。
(3)(1)の遊技機10は、当りを導出する場合、変動表示ゲームの結果を導出する直前の変動中ファンファーレの演出(あるいは、変動表示ゲームの結果を導出する演出を含む変動中ファンファーレの演出)をおこなう。(1)の第1変動表示パターンは、報知期間を経ると変動中ファンファーレに移行する構成である。
(4)(1)の制御手段は、第1変動表示パターンにおける報知期間中に、第1表示要素を除く第2表示要素を静止させる。第1表示要素は、変動表示ゲームの始動記憶についての表示である保留表示を含む。
(5)(1)の制御手段は、第1変動表示パターンにおける報知期間中に、当確演出がおこなわれたこと(いいかえると、当りになること)を示唆または報知する当確報知音声の出力をおこなう。
(6)(5)の制御手段は、第1変動表示パターンにおける報知期間中に、当確報知音声を除く音出力(たとえばBGM)を停止するか、当確報知音声を除く音出力の音量を当確報知音声よりも低下させる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態の遊技機10について説明する。第1の実施形態の遊技機10は、いわゆる1種ゲームを実行可能な遊技機であったが、第2の実施形態の遊技機10は、1種ゲーム+2種ゲームを実行可能な遊技機である。第2の実施形態の遊技機10は、いわゆる1種ゲームを実行可能な遊技盤30に代えて1種ゲーム+2種ゲームを実行可能な遊技盤を備える点で第1の実施形態の遊技機10と相違する。
まず、1種ゲーム+2種ゲームを実行可能な遊技盤について図26を用いて説明する。図26は、第2の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。なお、遊技盤30xの説明においては、第1の実施形態の遊技盤30と同様の構成について符号を同じにして説明を省略する。
遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路を通って下方へ流下する。この流下路の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、上面94で受け止め、後述する第1特別変動入賞装置75、第2特別変動入賞装置76が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(大入賞口1)75が配設されている。第1特別変動入賞装置75は、開閉部材(開閉扉)75cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材75cが大入賞口1を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材75cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち第1特別変動入賞装置75は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口1を備え、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1遊技状態)中は、大入賞口1を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口1内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口1の内部(入賞領域)には、当該大入賞口1に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。なお、第1特別変動入賞装置75は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下であって、第1特別変動入賞装置75の左方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(大入賞口2)76が配設されている。第2特別変動入賞装置76は、開閉部材(開閉扉)76cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材76cが大入賞口2を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材75cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち第2特別変動入賞装置76は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b相当、図示せず)により駆動される開閉部材76cによって開閉される大入賞口2を備え、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第3遊技状態)中は、大入賞口2を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口2内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口2の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)(大入賞口スイッチ38a相当、図示せず)が配設されている。また、大入賞口2の内部(入賞領域)には、特別領域が配設され、当該特別領域に入った遊技球を検出する検出手段としての特別領域スイッチ(図示せず)が配設されている。なお、特別領域スイッチは、カウントスイッチを兼用して設けられるものであってもよいし、カウントスイッチと独立して設けられるものであってもよい。遊技機10は、大入賞口2が受け入れた遊技球を特別領域に案内し、特別領域への入賞にもとづいて大当り(第1遊技状態)を導出し得る。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下であって、第2特別変動入賞装置76の下方には、Vランプ77を備える。Vランプ77は、特別領域への入賞に関する演出を担当する発光装置であり、たとえばフルカラーLED等により多様な発光態様を実現する。
ここで、第2の実施形態の遊技機10のゲーム進行について説明する。第2の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や左部にある一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、第1特別変動入賞装置75、第2特別変動入賞装置76などへの入賞を狙うことができるようになっている。
通常時において、遊技機10は、遊技者に左打ちを案内し、始動入賞口36への入賞により始動契機を得る第1特図変動表示ゲームによるゲーム進行を制御する。遊技機10は、第1特図変動表示ゲームの結果により大当り(第1遊技状態)を導出すると、遊技者に右打ちを案内し、第1特別変動入賞装置75への入賞による賞球獲得機会を制御する。遊技機10は、大当りが終了すると、普電サポート状態(第1普電サポート状態、第2遊技状態)に移行する。第1普電サポート状態は、特図2変動表示ゲームが第1の所定回数(たとえば、1回)変動表示するまで普電サポート状態を継続する。
遊技機10は、普電サポート状態において普図変動表示ゲームの変動表示時間を短縮したり、普図変動表示ゲームの当り確率を高くしたり、普通変動入賞装置37の開放態様を変更したりして、普通変動入賞装置37への入賞機会を大きくする。
これにより、遊技機10は、普電サポート状態において特図2変動表示ゲームが第1の所定回数(たとえば、1回)だけ変動表示するまでの間に、特図2始動記憶を上限の4つまで貯めることを容易にしている。すなわち、遊技機10は、第1普電サポート状態において第1の所定回数が1回のときには、特図2変動表示ゲームについて5回(消化中のゲーム1回+保留記憶分のゲーム4回)の変動表示機会を確保可能にする。
遊技機10は、特図2変動表示ゲームにおいて大当たりと小当りとを導出可能にしていて、大当たりを導出した場合には第1特別変動入賞装置75を開放する第1遊技状態となり(いわゆる1種ゲーム)、小当たりを導出した場合には第2特別変動入賞装置76を開放する第3遊技状態となる(いわゆる2種ゲーム)。また、遊技機10は、第3遊技状態において特別領域への入賞を検出した場合にも大当り(第1遊技状態)を導出し得る。すなわち、遊技機10は、いわゆる1種ゲームと、いわゆる2種ゲームの両方から第1遊技状態を導出し得る。
また、遊技機10は、特図2変動表示ゲームを経て第1遊技状態を導出した場合、大当りが終了すると、普電サポート状態(第2普電サポート状態、第2遊技状態)に移行する。第2普電サポート状態は、特図2変動表示ゲームが第2の所定回数(たとえば、7回)変動表示するまで普電サポート状態を継続する。
また、遊技機10は、普電サポート状態において特図2変動表示ゲームが第2の所定回数(たとえば、7回)だけ変動表示する間、終始、特図2始動記憶を上限の4つまで貯めている状態を容易にしている。すなわち、遊技機10は、第2普電サポート状態において第2の所定回数が7回のときには、特図2変動表示ゲームについて11回(消化中のゲーム7回+保留記憶分のゲーム4回)の変動表示機会を確保可能にする。
なお、第2普電サポート状態は、特図2変動表示ゲームが第2の所定回数変動表示するまで普電サポート状態を継続するとしたが、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが合計で第2の所定回数変動表示するまで普電サポート状態を継続するようにしてもよい。
通常、遊技機10が指示する右打ち遊技であれば、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが合計で第2の所定回数変動表示するまで普電サポート状態を継続するとしても特図2変動表示ゲームについて11回の変動表示機会が確保される。また、遊技機10が指示する右打ち遊技であっても特図2始動記憶が発生しない場合、先に特図1変動表示ゲームが始動記憶の範囲内で実行され、11回から特図1変動表示ゲームが始動記憶数分だけ除外されて特図2変動表示ゲームについての変動表示機会が確保される。たとえば、遊技機10は、第2普電サポート状態において第2の所定回数が7回のときには、特図1変動表示ゲームについて4回(消化中のゲーム)、特図2変動表示ゲームについて7回(消化中のゲーム+保留記憶分のゲーム)の変動表示機会が確保される。
また、遊技機10が指示する右打ち遊技に反して左打ち遊技を継続するのであれば、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとが合計で第2の所定回数変動表示するまで普電サポート状態を継続するとしても特図2変動表示ゲームについて変動表示機会が確保されず、特図1変動表示ゲームの変動表示機会が11回となる。なお、特図2変動表示ゲームについての変動表示機会が確保されず、第2遊技状態において最終回(たとえば11回)の特図1変動表示ゲームを実行する場合、特図1変動表示ゲームの変動表示パターンは、あらかじめ定める固定時間の変動表示パターンであってもよいし、特図2変動表示ゲームにおいて選択される変動表示パターンと同じ変動表示時間の変動表示パターンであってもよいし、特図2変動表示ゲームにおいて選択される変動表示パターンよりも短い変動表示時間の変動表示パターンであってもよいし、あらかじめ定める最短時間の変動表示パターンであってもよい。
また、第2遊技状態における最終回以外(たとえば1〜10回)についての特図1変動表示ゲームの変動表示パターンは、あらかじめ定める固定時間の変動表示パターンであってもよいし、特図2変動表示ゲームにおいて選択される変動表示パターンと同じ変動表示時間の変動表示パターンであってもよいし、特図2変動表示ゲームにおいて選択される変動表示パターンよりも短い変動表示時間の変動表示パターンであってもよいし、あらかじめ定める最短時間の変動表示パターンであってもよい。
なお、遊技機10は、特図1変動表示ゲームの大当り確率を比較的低確率(たとえば、1/200)に設定し、特図2変動表示ゲームの小当り確率を比較的高確率(たとえば、1/8)に設定する。これにより、遊技機10は、普電サポート状態における特図2始動記憶内に適当な頻度で小当りを存在させることができる。同様に、遊技機10は、第1遊技状態における特図2始動記憶内に適当な頻度で小当りを存在させることができる。
なお、遊技機10は、特図2始動記憶内に存在する小当りを先読みすることで検出することができ、表示装置41やVランプ77、その他演出装置により所定タイミングで先読み結果を報知することができる。
次に、遊技機10が大当り演出から大当り後の電サポ遊技状態(普電サポート状態中の遊技状態)に跨っておこなう一連の演出について図27〜30を用いて説明する。電サポ遊技状態では、大当りの種類に応じた所定回数(1回または7回)の電サポ(普電サポート)がおこなわれる。電サポ遊技状態は、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。
図27は、第2の実施形態の遊技演出の一例を示す図(その1)である。図28は、第2の実施形態の遊技演出の一例を示す図(その2)である。図29は、第2の実施形態の遊技演出の一例を示す図(その3)である。図30は、第2の実施形態の遊技演出の一例を示す図(その4)である。なお、図13に示した表示画面500と同じ表示内容については、適宜、同じ符号を付して説明する。
図27(1)に示す表示画面700は、大当り中の表示画面である。表示画面700は、ラウンド表示701と、ラウンド獲得価値表示702と、総合獲得価値表示703と、案内表示704とを表示内容に含む。
ラウンド表示701は、現在が大当りの何ラウンド目であるかを表示する。なお、ラウンドとは、遊技機10が、大入賞口1(第1特別変動入賞装置75)に所定個数(たとえば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口1の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口1を開放する期間であり、大当りにおいては、所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)がおこなわれる。表示画面700では、ラウンド表示701は、「1ラウンド」を表示しており、大当りの1ラウンド目であることを示している。
ラウンド獲得価値表示702は、ラウンド中に獲得した累積の価値(ポイント:Pt)を表示する。ポイント(Pt)は、大入賞口1への入賞によって獲得した賞球数に対して、所要の単位変換を施したものである。すなわち、ポイント(Pt)は、単位変換賞球数ともいう。たとえば、遊技機10は、賞球数に10を乗じて「Pt」に変換する。表示画面700では、ラウンド獲得価値表示702は、「0Pt」を表示しており、現在までに当該ラウンドにおいて獲得したポイントがないことを示している。
総合獲得価値表示703は、当該大当り中に獲得した累積の価値を表示する。表示画面700においては、総合獲得価値表示703は、「0Pt」を表示しており、現在までに当該大当りにおいて獲得したポイントがないことを示している。
案内表示704は、その態様により、遊技演出に関する各種案内を表示する。案内表示704は、遊技状態(大当り中、エンディング中、電サポ遊技状態中)に応じた情報を遊技者に対して案内する。
表示画面700では、案内表示704は、男の子のようなキャラクタと、男の子のようなキャラクタの周囲に表示された10個の丸い形状のアイコンを表示している。丸い形状のアイコンは、点灯状態/消灯状態を切り替え可能であり、表示画面700では、10個全てが消灯状態となっている。丸い形状のアイコンは、アイコンのデフォルト(通常)の態様であり、たとえば、白色である。
案内表示704は、このアイコンの数(10個のアイコン)により、現在のラウンドにおける大入賞口1への遊技球の入賞上限(設計上の上限)が「10」であることを示(案内)している。このように遊技機10は、大当り中においては案内表示704を、入賞上限(大入賞口1への入賞数に関する情報)の示唆手段として機能させることができる。
また、案内表示704は、このアイコンの態様(10個の消灯状態のアイコン)により、現在のラウンドにおいて大入賞口1へ入賞した遊技球が「0」であることを示(案内)している。このように遊技機10は、大当り中において案内表示704を、入賞状況(大入賞口1への入賞数に関する情報)の示唆手段として機能させることができる。遊技機10は、たとえば、大入賞口1への入賞が生じた場合、左下から時計回りに順番に消灯状態のアイコンを点灯状態とする。
なお、表示画面700では、保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示している。また、表示画面700では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示している。また、表示画面700では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「3」であることを示し、保留表示505は、特図変動表示ゲームの保留記憶数が「3」であることを示している。
図27(1)に示すVランプ77は、表示装置41が表示画面700を表示中における態様を示している。図27(1)に示すように、表示装置41が表示画面700を表示中においては、Vランプ77は、消灯状態(非点灯状態)となっている。
図27(2)に示す表示画面705は、表示画面700の後の表示画面であって1ラウンドにおいて遊技球が大入賞口1に入賞した後の表示画面である。
表示画面705では、ラウンド獲得価値表示702は、「150Pt」を表示しており、当該ラウンドにおいて「150Pt」を獲得していることを示している。また、表示画面705では、総合獲得価値表示703は、「150Pt」を表示しており、当該大当りにおいて現在までに「150Pt」を獲得していることを示している。
また、表示画面705では、案内表示704は、男の子のようなキャラクタと、男の子のようなキャラクタの周囲に表示された9個の消灯状態の丸い形状のアイコンおよび1個の点灯状態の丸い形状のアイコンと、を表示している。案内表示704は、この10個のアイコンにより、現在のラウンドにおける大入賞口1への遊技球の入賞上限(設計上の上限)が「10」であることを示(案内)している。また、案内表示704は、9個の消灯状態のアイコンと1個の点灯状態のアイコンとにより、現在のラウンドにおいて大入賞口1へ入賞した遊技球が「1」であることを示(案内)している。
また、表示画面705では、案内表示704は、10個のアイコンで囲まれた背景(部分)の一部(ここでは4分の1)の態様を1ラウンドの開始(表示画面700の状態)からの時間経過に応じて変化させて表示している。これにより案内表示704は、1ラウンドの4分の1の時間が経過したこと(ラウンドの経過時間)を示(案内)している。このように遊技機10は、大当り中において案内表示704を、ラウンドの経過時間(ラウンドの終了条件(大当り演出の時間に関する情報))の示唆手段として機能させることができる。なお、遊技機10は、案内表示704の背景表示の変化に替えてまたは加えて案内表示704のキャラクタの態様の変化や、ゲージを追加表示することによって経過時間を案内してもよい。
図27(2)に示すVランプ77は、表示装置41が表示画面705を表示中における態様を示している。図27(2)に示すように、表示装置41が表示画面705を表示中においては、Vランプ77は、消灯状態(非点灯状態)となっている。
図28(1)に示す表示画面706は、表示画面705の後の表示画面であって最終ラウンド開始後の表示画面である。
表示画面706では、ラウンド表示701は、「最終ラウンド」を表示しており、大当りの最終ラウンドであることを示している。また、表示画面706では、ラウンド獲得価値表示702は、「0Pt」を表示しており、当該ラウンドにおいて「0Pt」を獲得していることを示している。また、表示画面706では、総合獲得価値表示703は、「13500Pt」を表示しており、当該大当りにおいて現在までに「13500Pt」を獲得していることを示している。
また、表示画面706では、案内表示704は、男の子のようなキャラクタと、男の子のようなキャラクタの周囲に表示された9個の消灯状態の丸い形状のアイコンおよび1個の消灯状態の星の形状のアイコンと、を表示している。案内表示704は、この10個のアイコンにより、現在のラウンドにおける大入賞口1への遊技球の入賞上限(設計上の上限)が「10」であることを示(案内)している。また、案内表示704は、10個の消灯状態のアイコンにより、現在のラウンドにおいて大入賞口1へ入賞した遊技球が「0」であることを示(案内)している。
また、案内表示704は、星の形状のアイコンにより、V予告報知演出が当該ラウンドにおいておこなわれる予定であることを示(案内)している。このように遊技機10は、大当り中において案内表示704を、V予告報知演出の実施の示唆手段として機能させることができる。このように遊技機10は、案内表示704において入賞上限と現在の入賞数とに加えて、V予告報知演出の実施の示唆をまとめておこなうため、遊技者がV予告報知演出の実施の示唆を見逃す虞を抑止でき、演出の視認機会を確保(視認機会の喪失を抑止)できる。これにより遊技機10は、興趣を向上できる。
なお、V予告報知演出は、保留している始動記憶(保留記憶)内の大当りおよび小当り(大当りを導出可能な小当り)の存在(V保留の存在)を、報知する演出である。V予告報知演出では、遊技機10は、Vランプ77の点灯状態/消灯状態によってV保留の存在を報知する。
また、案内表示704は、星の形状のアイコンの位置(星の形状のアイコンが左下から時計回りに数えて6番目の位置に配置されていること)により、V予告報知演出が当該ラウンドにおいて大入賞口1に6個の遊技球が入賞したことを契機(星の形状のアイコンが点灯したことをトリガとして)におこなわれる予定であることを示(案内)している。このように遊技機10は、大当り中において案内表示704を、V予告報知演出の実施タイミングの示唆手段として機能させることができる。このように遊技機10は、V予告報知演出の実施タイミングを示唆し、V予告報知演出を実施することで、遊技が冗長となることを抑止し(マンネリ化による冗長感を軽減できる)、より一層興趣を向上できる。また、遊技機10は、遊技者の遊技操作(大入賞口1への遊技球の入賞)に応じてV予告報知演出をおこなうため、遊技者を能動的に演出に関与させることができる。これによっても遊技機10は、興趣を向上できる。
また、案内表示704は、星の形状のアイコンにより、V予告報知演出において大当りまたは小当り(大当りを導出可能な小当り)が存在することが報知される期待度(V保留が存在することが報知される期待度)が所要の期待度であることを示(案内)している。このように遊技機10は、大当り中において案内表示704を、V予告報知演出の期待度の示唆手段として機能させることができる。
また、表示画面706では、案内表示704は、「星に注目!」というメッセージを男の子のようなキャラクタと関連付けて表示し、注意を喚起している。これにより案内表示704は、星の形状のアイコンが発生したこと(V予告報知演出がおこなわれること)を遊技者が見逃すのを防止している。これにより、遊技機10は、遊技者がV予告報知演出を見損なうのを防止し、興趣が低下するのを抑止できる。
図28(1)に示すVランプ77は、表示装置41が表示画面706を表示中における態様を示している。図28(1)に示すように、表示装置41が表示画面706を表示中においては、Vランプ77は、消灯状態(非点灯状態)となっている。
図28(2)に示す表示画面707は、表示画面706の後の表示画面であってV予告報知演出実行中(大入賞口1に6個目の遊技球が入賞したタイミング)の表示画面である。
表示画面707では、ラウンド獲得価値表示702は、「900Pt」を表示しており、当該ラウンドにおいて「900Pt」を獲得していることを示している。また、表示画面707では、総合獲得価値表示703は、「14400Pt」を表示しており、当該大当りにおいて現在までに「14400Pt」を獲得していることを示している。
また、表示画面707では、案内表示704は、男の子のようなキャラクタと、男の子のようなキャラクタの周囲に表示された4個の消灯状態の丸い形状のアイコン、5個の点灯状態の丸い形状のアイコンおよび1個の点灯状態の星の形状のアイコンと、を表示している。案内表示704は、この10個のアイコンにより、現在のラウンドにおける大入賞口1への遊技球の入賞上限(設計上の上限)が「10」であることを示(案内)している。また、案内表示704は、4個の消灯状態のアイコンと6個の点灯状態のアイコンとにより、現在のラウンドにおいて大入賞口1へ入賞した遊技球が「6」であることを示(案内)している。
また、案内表示704は、星の形状のアイコンにより、V予告報知演出が当該ラウンドにおいておこなわれる予定であることを示(案内)している。また、案内表示704は、星の形状のアイコンの位置(星の形状のアイコンが左下から時計回りに数えて6番目の位置に配置されていること)により、V予告報知演出が当該ラウンドにおいて大入賞口1に6個の遊技球が入賞したことを契機(星の形状のアイコンが点灯したことをトリガとして)におこなわれる予定であることを示(案内)している。また、案内表示704は、星の形状のアイコンにより、V予告報知演出においてV保留が存在することが報知される期待度が所要の期待度であることを示(案内)している。
また、案内表示704は、星の形状のアイコンが消灯状態から点灯状態に切り替わったことにより、V予告報知演出がおこなわれるタイミングになったことを示(案内)している。また、表示画面707では、案内表示704は、10個のアイコンで囲まれた背景(部分)の一部(ここでは2分の1)の態様を最終ラウンド開始(表示画面706の状態)からの時間経過に応じて変化させて表示している。これにより、案内表示704は、最終ラウンドの2分の1の時間が経過したこと(当該ラウンドにおける経過時間)を示(案内)している。
図28(2)に示すVランプ77は、表示装置41が表示画面707を表示中(V予告報知演出実行中)における態様を示している。図28(2)に示すように、V予告報知演出実行によって、Vランプ77は、点灯状態となっている。これにより、遊技機10は、遊技者に対して保留記憶内に大当りまたは小当り(大当りを導出可能な小当り)が存在すること(V保留が存在すること)を案内している。
なお、遊技機10は、V保留が存在する場合であっても、V予告報知演出においてVランプ77を消灯状態のままとし、V保留が存在することを報知しないこともできる(存在するV保留を秘匿することもできる)。これによれば遊技機10は、V予告報知演出でV保留が存在することが報知されなかった場合でも、保留記憶が大当りや小当り(大当りを導出可能な小当り)を導出する期待感を遊技者に維持させることが(V保留が報知されなかった場合に保留記憶がはずれ確定となることを防止)でき、冗長感を軽減できる。これにより、遊技機10は、興趣が低下するのを抑止できる。
図29(1)に示す表示画面708は、表示画面707の後の表示画面であってエンディング中の表示画面である。表示画面708は、エンディング演出表示709を表示内容に含む。エンディング演出表示709は、エンディングにおいておこなわれる各種演出を表示する。エンディングにおこなわれる演出としては、たとえば、図柄の表示、機種名の表示、ムービーの表示、メーカーロゴの表示、注意喚起の表示(たとえば、のめり込み防止やプリペイドカード取り忘れ防止の注意喚起の表示)などがある。
表示画面708では、エンディング演出表示709は、プリペイドカードが排出口から排出される様子を示す画像と、「カード取り忘れ注意!」というメッセージを表示することで、プリペイドカード取り忘れ防止の注意喚起をおこなっている。
また、表示画面708では、案内表示704は、大当りの最終ラウンドのアイコンの態様(形状、点灯状態)をそのまま引き継いだ表示をおこなっており、男の子のようなキャラクタと、男の子のようなキャラクタの周囲に表示された9個の点灯状態の丸い形状のアイコンおよび1個の点灯状態の星の形状のアイコンと、を表示している。
また、表示画面708では、案内表示704は、10個のアイコンで囲まれた背景(部分)の一部(ここでは2分の1)の態様をプリペイドカード取り忘れ防止の注意喚起開始からの時間経過に応じて変化させて表示している。これにより案内表示704は、プリペイドカード取り忘れ防止の注意喚起表示をおこなう時間のうちの2分の1の時間が経過したことを示(案内)している。このように遊技機10は、エンディング中において案内表示704を、エンディングにおこなわれる各種演出の経過時間(演出の終了条件(エンディング演出の時間に関する情報))の示唆手段として機能させることができる。なお、案内表示704は、各種演出の経過時間に替えてまたは加えてエンディング全体の経過時間を示唆してもよい。
図29(2)に示す表示画面710は、表示画面708の後の表示画面であってエンディング中の表示画面である。
表示画面710では、エンディング演出表示709は、虎のようなキャラクタと、「のめり込みに気を付けよう」というメッセージを表示することで、のめり込み防止の注意喚起をおこなっている。
また、表示画面710では、案内表示704は、大当りの最終ラウンドのアイコンの態様(形状、点灯状態)をそのまま引き継いだ表示をおこなっており、男の子のようなキャラクタと、男の子のようなキャラクタの周囲に表示された9個の点灯状態の丸い形状のアイコンおよび1個の点灯状態の星の形状のアイコンと、を表示している。
また、表示画面710では、案内表示704は、10個のアイコンで囲まれた背景(部分)の一部(ここでは4分の1)の態様をのめり込み防止の注意喚起開始からの時間経過に応じて変化させて表示している。これにより、案内表示704は、のめり込み防止の注意喚起表示をおこなう時間のうちの4分の1の時間が経過したことを示(案内)している。
図30(1)に示す表示画面711は、表示画面710の後の表示画面であって大当り後の遊技を開始した状態の表示画面である。
表示画面711は、モード表示712と、演出説明表示713と、操作タイミング表示714と、演出図柄群715とを表示内容に含む。
モード表示712は、現在の演出モードを表示する。表示画面711では、モード表示712は、「〇×モード」を表示しており、現在の演出モードが〇×モードであることを示している。たとえば、〇×モードは、電サポ遊技状態における演出モードの一例である。
演出説明表示713は、当該演出モードにおける演出に関する説明を表示する。演出説明表示713は、「ボタンを押して図柄を揃えろ!!」という説明を表示し、遊技者によるプッシュボタン(演出ボタン25)の操作を伴うプッシュボタン演出(プッシュボタンの操作によって図柄を停止させる演出)がおこなわれることを示(案内)している。プッシュボタン演出は、案内表示704が表示(案内)する回数を上限とするプッシュボタンによる介入操作を受け付ける演出である。
操作タイミング表示714は、プッシュボタンの操作を受け付け可能(遊技者が介入可能)なタイミングであることを表示(案内)する。操作タイミング表示714は、プッシュボタンの操作を受け付け可能なタイミングごとに表示される。操作タイミング表示714は、プッシュボタンを操作している手の画像を表示し、プッシュボタンの操作を受け付け可能なタイミングであることを示している。
演出図柄群715は、プッシュボタン演出においてプッシュボタンの操作に伴って図柄変動、図柄停止を表示する演出用の図柄群である。演出図柄群715は、小図柄群502(特図変動表示ゲーム)と独立して図柄変動、図柄停止を表示可能である。すなわち、演出図柄群715は、1回の特図変動表示ゲームの間に複数回の図柄変動と図柄表示を表示することができるし、複数回の特図変動表ゲームの間に1回の図柄変動と図柄停止を表示することもできる。演出図柄群715は、案内表示704が表示(案内)する回数を上限として、図柄停止を表示するプッシュボタン演出を表示する。
なお、演出図柄群715は、電サポ遊技状態が終了するまでの間に1回のプッシュボタン演出を表示してもよいし、電サポ遊技状態が終了するまでの間に複数回のプッシュボタン演出を表示してもよい。
演出図柄群715は、操作タイミング表示714が表示中に遊技者によるプッシュボタンの操作を受け付けた場合に図柄停止を表示する。演出図柄群715は、実行中の特図変動表示ゲーム(消化中の保留記憶)が大当りまたは小当り(大当りを導出可能な小当り)を導出する場合にのみ、大当りの組合せ(たとえば、「777」)で図柄を停止表示可能であり、実行中の特図変動表示ゲーム(消化中の保留記憶)がはずれを導出する場合には、はずれの組合せでのみ図柄を停止表示する。
演出図柄群715が、大当りの組合せで図柄を停止表示した場合には、小図柄群502(実行中の特図変動表示ゲーム)も同期してそのタイミングで大当りまたは小当り(大当りを導出可能な小当り)の組合せで図柄を停止表示し、当該〇×モードを終了して大当り状態に遷移することとなる。
表示画面711では、演出図柄群715は、図柄を変動表示させており、遊技者によるプッシュボタン操作(介入操作)が実行されていないタイミングであることを示している。
また表示画面711では、案内表示704は、大当りの最終ラウンドのアイコンの態様(形状、点灯状態)をそのまま引き継いだ表示をおこなっており、男の子のようなキャラクタと、男の子のようなキャラクタの周囲に表示された9個の点灯状態の丸い形状のアイコンおよび1個の点灯状態の星の形状のアイコンと、を表示している。
案内表示704は、この点灯状態の10個のアイコンにより、1回のプッシュボタン演出における残りプッシュボタンの操作可能回数(演出図柄群715の停止可能回数)に「10」回の制限があることを示(案内)している。このように遊技機10は、電サポ遊技状態中において案内表示704を、プッシュボタン演出における操作回数(遊技演出に関する情報)の示唆手段として機能させることができる。遊技機10は、たとえば、プッシュボタンの操作がおこなわれた場合、左下から時計回りに順番に点灯状態のアイコンを消灯状態とする。
また表示画面711では、案内表示704は、星の形状のアイコンおよびその位置(星の形状のアイコンが左下から時計回りに数えて6番目の位置に配置されていること)により、遊技者による6回目のプッシュボタン操作の実行に伴い大当りまたは小当り(大当りを導出可能な小当り)が導出される期待度が所要の期待度であることを示(案内)している。このように遊技機10は、電サポ遊技状態中において案内表示704を、特定操作タイミングにおけるプッシュボタン演出による大当り導出の期待度(遊技演出(操作結果)に関する情報)の示唆手段として機能させることができる。
また、表示画面711では、案内表示704は、「星に注目!」というメッセージを男の子のようなキャラクタと関連付けて表示し、注意を喚起している。これにより案内表示704は、星の形状のアイコンが発生したことを遊技者が見逃すのを防止している。
なお、表示画面711では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。表示画面711では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「2」であることを示し、保留表示505は、特図変動表示ゲームの保留記憶数が「2」であることを示す。また、表示画面711では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図30(2)に示す表示画面716は、表示画面711の後の表示画面であって3回目のプッシュボタン操作を実行した状態の表示画面である。
表示画面716では、案内表示704は、男の子のようなキャラクタと、男の子のようなキャラクタの周囲に表示された3個の消灯状態の丸い形状のアイコン、6個の点灯状態の丸い形状のアイコンおよび1個の点灯状態の星の形状のアイコンと、を表示している。
案内表示704は、この7個の点灯状態のアイコンにより、1回のプッシュボタン演出における残りプッシュボタンの操作可能回数(演出図柄群715の停止可能回数)に「7」回の制限があることを示(案内)している。また、案内表示704は、星の形状のアイコンおよびその位置(星の形状のアイコンが左下から時計回りに数えて6番目の位置に配置されていること)により、遊技者による6回目のプッシュボタン操作の実行に伴い大当りまたは小当り(大当りを導出可能な小当り)が導出される期待度が所要の期待度であることを示(案内)している。
また、案内表示704は、左下から時計回りに位置する3個の消灯状態のアイコンにより、プッシュボタンの操作を3回実行済みであること(演出図柄群715の図柄停止を3回実行したこと)を示している。このように遊技機10は、電サポ遊技状態中において案内表示704を、プッシュボタン演出における操作状況(遊技演出に関する情報)の示唆手段として機能させることができる。
また、表示画面716では、案内表示704は、10個のアイコンで囲まれた背景(部分)の一部(ここでは2分の1)の態様を時間経過に応じて変化させて表示している。これにより、案内表示704は、プッシュボタン演出をおこなう時間のうちの2分の1の時間が経過したことを示(案内)している。このように遊技機10は、電サポ遊技状態中において案内表示704を、プッシュボタン演出の経過時間(プッシュボタン演出の終了条件)の示唆手段として機能させることができる。なお、案内表示704は、遊技演出の経過時間に替えてまたは加えて演出モードの経過時間(電サポ遊技状態の経過時間)を案内してもよい。また、案内表示704は、遊技演出の経過時間に替えてまたは加えてプッシュボタンの操作1回あたりの操作有効期間に関する情報を示唆する示唆手段として機能させてもよい。
表示画面716では、遊技者によるプッシュボタンの操作に伴い演出図柄群715が「743」の組み合わせ(はずれの組合せ)で停止表示している。一方で、表示画面716では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面716では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。すなわち、演出図柄群715が、特図変動表示ゲームとは独立して図柄停止を表示していることを示している。
そして、表示画面716では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「2」であることを示し、保留表示505は、特図変動表示ゲームの保留記憶数が「2」であることを示す。すなわち、表示画面711の状態に実行中の特図変動表示ゲームが継続していることを示している。
以上が第2の実施形態の遊技機10が大当り演出から大当り後の電サポ遊技状態に跨っておこなう一連の演出である。
このように、遊技機10は、大当り中、エンディング中、電サポ遊技状態中に跨って、案内表示704を表示するとともに、各状態において異なる情報を示唆する示唆手段として機能させることができる。これによれば、遊技機10は、案内表示704を表示する時間を確保するとともに、案内表示704を各状態において有効利用することができる。また、遊技機10は、案内表示704をそれぞれに跨って表示することで、大当り、エンディング、および電サポ遊技状態の相互間に一体感(統一感)を創出すること(全体としてまとまった演出とすること)ができ、冗長感を軽減できる。これにより、遊技機10は、相乗的に興趣を向上できる。
また、遊技機10は、案内表示704の大当りの最終ラウンドのアイコンの態様をそのまま大当り後の遊技状態まで引き継いだ表示とするとともに、アイコンの点灯数をプッシュボタン演出の操作上限として流用しているため大当りと電サポ遊技状態との一体感(統一感)をより高めることができ、冗長感を軽減できる。これにより、遊技機10は、相乗的に興趣を向上できる。
なお、遊技機10は、大当り中において大入賞口1への入賞に応じて左下のアイコンから時計回りに順番に点灯させたがこれに限らない。たとえば、消灯状態のアイコンのうちからランダムに点灯する順番を決めてもよい。このようにランダムに点灯する順番を決め、V予告報知演出をおこなうタイミングを不規則とすることで、V予告報知演出がおこなわれるまでの期間の遊技が冗長となるのを抑止できる。
また、たとえば、遊技機10は、残り時間が4分の1になるまでの間にはV予告報知演出を10個目の入賞タイミングにするように設定し、V予告報知演出がされることなく残り時間が4分の1になった場合には次の入賞タイミングにV予告報知演出をするように設定してもよい(残り時間に応じたV予告報知演出のタイミング決定をおこなってもよい)。これによれば遊技機10は、実行タイミングをラウンドの終了間際に調整して焦らすことにより興趣を向上させるとともに、実行機会の喪失も抑止できる。
なお、遊技機10は、状態を遷移する際に(大当り中と、電サポ遊技状態中とで)星形のアイコンの位置を変化させてもよいし、アイコンの数を変化させてもよい(たとえば、電サポ遊技状態中においては大当り中に消灯状態であったアイコンを非表示とする)。また、遊技機10は、大当り中と、電サポ遊技状態中とで所要の期待度を示唆するアイコン(星形のアイコン)を他の期待度を示唆するアイコンに変化させてもよい。また、遊技機10は、大当り中のラウンドの途中や電サポ遊技状態の途中で、アイコンの態様を変化させてもよい。このように、アイコンに変化を生じさせることを可能とすることで、遊技機10は、新たな興趣を創出し、冗長感を軽減できる。
また、遊技機10は、電サポ遊技状態中に新たな保留記憶(特図2保留記憶)が発生した場合に、アイコンの数を追加し、プッシュボタン操作の操作上限を増加させてもよい。
また、遊技機10は、状態を遷移(エンディングや電サポ遊技状態に遷移)する際に、案内表示704の機能変化(案内する内容が変化すること)を示唆(報知)してもよい。また、遊技機10は、キャラクタの態様(たとえば、ポーズ)を大当り中、エンディング中、電サポ遊技状態中とで変化させることで、現在の状態を案内表示704によって示唆(案内)してもよい。また、遊技機10は、アイコンの点灯状態/消灯状態が変化するタイミングにおいて、案内表示704のキャラクタの態様を変化させて、点灯状態/消灯状態が変化したことを把握容易にしてもよい。
また、遊技機10は、V予告保留演出においてV保留が大当りと小当り(大当りを導出する小当り)のいずれであるかを区別可能に報知してもよい。また、遊技機10は、電サポ遊技状態の演出図柄群の停止図柄を大当りと小当り(大当りを導出する小当り)とで異ならせることで、導出されたのが大当りであるか小当り(大当りを導出する小当り)であるかを区別可能にしてもよい。
次にVランプ77のV保留を報知する際の点灯態様について図31を用いて説明する。図31は、第2の実施形態のVランプの点灯態様の一例を示す図である。
図31(1)のテーブルは、Vランプ77の点灯態様が設定されたテーブルの一例である。図31(1)に示すテーブルでは、V保留の数ごとに異なる点灯態様が設定されている。
遊技機10は、V保留が「4」であることを示唆する場合にはVランプ77を「虹色」の点灯態様とし、V保留が「3」であることを示唆する場合にはVランプ77を「紫色」の点灯態様とし、V保留が「2」であることを示唆する場合にはVランプ77を「赤色」の点灯態様とし、V保留が「1」であることを示唆する場合にはVランプ77を「黄色」の点灯態様とする。このように、V保留に応じて点灯態様を変化させることで、遊技機10は、V保留の数も遊技者に示唆(案内)することができる。
なお、遊技機10は、V保留の報知においては、実際に存在するV保留の数以下の数であることを示唆すればよく、たとえば、実際にV保留が「4」である場合でも、点灯態様を「黄色」としてもよい。これにより、遊技機10は、保留記憶が大当りや小当り(大当りを導出可能な小当り)を導出する期待感を遊技者に維持させることが(V保留が報知されなかった保留記憶がはずれ確定となることを防止)でき、冗長感を軽減できる。これにより、遊技機10は、興趣が低下するのを抑止できる。
図31(2)のテーブルは、Vランプ77の点灯態様が設定されたテーブルの一例である。図31(2)に示すテーブルでは、V保留の数ごとに異なる点灯態様が設定されている。
遊技機10は、V保留が「4」であることを示唆する場合にはVランプ77を「終始点滅」する点灯態様とし、V保留が「3」であることを示唆する場合にはVランプ77を「周期的に2回点滅」する点灯態様とし、V保留が「2」であることを示唆する場合にはVランプ77を「周期的に1回点滅」する点灯態様とし、V保留が「1」であることを示唆する場合にはVランプ77を「常時点灯」の点灯態様とする。このように、V保留に応じて点灯態様を変化させることで、遊技機10は、V保留の数も遊技者に示唆(案内)することができる。
次にアイコンの態様について図32を用いて説明する。図32は、第2の実施形態のアイコンの態様の一例を示す図である。
図32(1)のテーブルは、期待度報知用(デフォルト以外)のアイコン態様と、その期待度が設定されたテーブルである。アイコン態様としては、星形の態様と、六角形の態様と、ひし形の態様と、楕円の態様との4つの態様がある。
星形の態様のアイコンは、大当り中においてはVランプ点灯期待度(V保留が存在することが報知される期待度)が100%であることを示唆(案内)し、電サポ遊技状態中においては大当り導出期待度が100%であることを示唆(案内)する。
六角形の態様のアイコンは、大当り中においてはVランプ点灯期待度(V保留が存在することが報知される期待度)が60%であることを示唆(案内)し、電サポ遊技状態中においては大当り導出期待度が60%であることを示唆(案内)する。
ひし形の態様のアイコンは、大当り中においてはVランプ点灯期待度(V保留が存在することが報知される期待度)が30%であることを示唆(案内)し、電サポ遊技状態中においては大当り導出期待度が30%であることを示唆(案内)する。
楕円の態様のアイコンは、大当り中においてはVランプ点灯期待度(V保留が存在することが報知される期待度)が10%であることを示唆(案内)し、電サポ遊技状態中においては大当り導出期待度が10%であることを示唆(案内)する。
図32(2)のテーブルは、期待度報知用(デフォルト以外)のアイコン態様と、その期待度が設定されたテーブルである。アイコン態様としては、虹色の態様と、紫色の態様と、赤色の態様と、黄色の態様との4つの態様がある。
虹色の態様のアイコンは、大当り中においてはVランプ点灯期待度(V保留が存在することが報知される期待度)が100%であることを示唆(案内)し、電サポ遊技状態中においては大当り導出期待度が100%であることを示唆(案内)する。
紫色の態様のアイコンは、大当り中においてはVランプ点灯期待度(V保留が存在することが報知される期待度)が60%であることを示唆(案内)し、電サポ遊技状態中においては大当り導出期待度が60%であることを示唆(案内)する。
赤色の態様のアイコンは、大当り中においてはVランプ点灯期待度(V保留が存在することが報知される期待度)が30%であることを示唆(案内)し、電サポ遊技状態中においては大当り導出期待度が30%であることを示唆(案内)する。
黄色の態様のアイコンは、大当り中においてはVランプ点灯期待度(V保留が存在することが報知される期待度)が10%であることを示唆(案内)し、電サポ遊技状態中においては大当り導出期待度が10%であることを示唆(案内)する。
なお、遊技機10は、大当り中のVランプ点灯期待度を案内する態様と、電サポ遊技状態中の大当り導出期待度を案内する態様とを異ならせてもよい。たとえば、遊技機10は、星形の紫色の態様のアイコンを表示し、星形(形状)によりVランプ点灯期待度を案内し、紫色(色彩)により大当り導出期待度を案内するようにしてもよい。この場合には、たとえば、出現時には白色(デフォルト色)の星形のアイコンを表示し、点灯により紫色に表示してもよい。なお、形状や色彩は期待度を報知する方法の一例であってこれに限らない。たとえば、遊技機10は、丸い形状のアイコンに対して所定エフェクトを表示することによって期待度を報知してもよい。
次に電サポ遊技状態における案内表示704のアイコンの変形例について図33を用いて説明する。図33は、第2の実施形態の電サポ遊技状態における案内表示の変形例を示す図である。
図33(1)に示す案内表示704は、電サポ遊技状態中であってプッシュボタン演出の操作上限が「10」回である場合において、プッシュボタン操作を「3」回実行済みであることを案内している態様を示す。
図33(1)では案内表示704は、左下から時計回りに位置する3個のアイコンを消灯状態に替えて非表示とすることにより、プッシュボタンの操作を3回実行済みであること(演出図柄群715の図柄停止を3回実行したこと)を示している。このように操作状況に応じてアイコンを非表示とすることで、遊技機10は、残りの操作回数を示唆(案内)してもよい。
図33(2)に示す案内表示704は、図33(1)の態様を変形した態様である。すなわち、図33(2)に示す案内表示704は、電サポ遊技状態中であってプッシュボタン演出の操作上限が「10」回である場合において、プッシュボタン操作を「3」回実行済みであることを案内している態様を示す。
図33(2)では案内表示704は、丸い形状のアイコンに替えて、プッシュボタンを模したアイコンをデフォルト形状のアイコンとし、期待度報知用の星の形状のアイコンに替えて所定のエフェクトを伴うプッシュボタンを模したアイコンを表示する。
このように遊技機10は、電サポ遊技状態において丸い形状のアイコンに替えてプッシュボタンを模した形状のアイコンとすることで、アイコンがプッシュボタン演出と関連した情報を報知することを示唆(案内)し、遊技者にとって分かり易い表示とすることができる。
次に大当り中におけるV予告報知演出のタイミングについて図34を用いて説明する。図34は、第2の実施形態のV予告報知演出のタイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図34は大当り中のタイミングチャートである。図34に示すタイミングチャートにおいては、第1ラウンドがタイミングt1からタイミングt2の間におこなわれ、第2ラウンドがタイミングt2からタイミングt3の間におこなわれ、第3ラウンドがタイミングt3からタイミングt4の間におこなわれ、第4ラウンドがタイミングt4からt5の間におこなわれ、最終ラウンドがタイミングt6からタイミングt7の間におこなわれている。
図34(1)は、V予告報知演出の実行タイミングの一例を示す。図34(1)では、V予告報知演出は、最終ラウンドのみにおいておこなわれる。このように遊技機10は、最終ラウンドでV予告報知演出をおこなうものであってもよい。
図34(2)は、V予告報知演出の実行タイミングの一例を示す。図34(2)では、V予告報知演出は、第1ラウンドのみにおいておこなわれる。このように遊技機10は、第1ラウンドでV予告報知演出をおこなうものであってもよい。
図34(3)は、V予告報知演出の実行タイミングの一例を示す。図34(3)では、V予告報知演出は、第1ラウンドから最終ラウンドまでの全てのラウンドにおいておこなわれる。このように遊技機10は、全てのラウンドでV予告報知演出をおこなうものであってもよい。
図34(4)は、V予告報知演出の実行タイミングの一例を示す。図34(4)では、V予告報知演出は、第1ラウンド、第4ラウンドおよび最終ラウンド(所定ラウンド(たとえば、一定ラウンドごと))においておこなわれる。このように遊技機10は、所定ラウンドでV予告報知演出をおこなうものであってもよい。
なお、遊技機10は、大当りにおいて複数回V予告報知演出をおこなう場合、各V予告報知演出において報知する報知内容(V保留数)を異ならせてもよい(たとえば、ラウンドが経過するにしたがってV保留数を増加させる)。これにより遊技機10は、複数回V予告報知演出をおこなう場合であっても冗長感を軽減できる。
次にエンディング中における案内表示の表示態様について図35を用いて説明する。図35は、第2の実施形態の案内表示の表示態様の一例を示すタイミングチャートである。
図35はエンディング中のタイミングチャートである。図35に示すように遊技機10は、エンディング中において演出1〜4の4種類の異なるエンディング演出をおこなう。
図35に示すタイミングチャートにおいては、エンディング演出1がタイミングt11からタイミングt13の間におこなわれ、エンディング演出2がタイミングt13からタイミングt15の間におこなわれ、エンディング演出3がタイミングt15からタイミングt17の間におこなわれ、エンディング演出4がタイミングt17からタイミングt20の間におこなわれている。
図35(1)は、エンディング中における案内表示704の表示態様の一例を示す。図35(1)では、案内表示704は、エンディングにおいて常時表示される。このように遊技機10は、エンディング中において案内表示704を常時表示するものであってもよい。
図35(2)は、エンディング中における案内表示704の表示態様の一例を示す。図35(2)では、案内表示704は、エンディング演出1の前半部分(タイミングt11からタイミングt12の間)およびエンディング演出4の後半部分(タイミングt19からタイミングt20の間)、すなわち、エンディングの開始直後と終了直前に表示され、その他のタイミング(タイミングt12からタイミングt19の間)においては非表示とされる。このように遊技機10は、エンディングの開始直後と終了直前に案内表示704を表示するとともに、その他のタイミングにおいては非表示とするものであってもよい。これによれば遊技機10は、エンディングにおいても案内表示704の表示が継続していることを遊技者に対してほのめかし、一体感(統一感)を創出するとともに、エンディング演出における演出表示内容の視認性を向上できる。
図35(3)は、エンディング中における案内表示704の表示態様の一例を示す。図35(3)では、案内表示704は、エンディング演出2およびエンディング演出4において表示され、エンディング演出1およびエンディング演出3において非表示とされる。このように遊技機10は、所定のエンディング演出において案内表示704を非表示とするものであってもよい。たとえば、遊技機10は、エンディング演出ごとに表示の優先度(重要度)を設定し、案内表示704を表示するエンディング演出を優先度に基づいて決定する。なお、遊技機10は、表示/非表示することに替えてまたは加えて優先度に応じて案内表示704の視認性(たとえば、大きさ、透過率)を変化させてもよい。なお、遊技機10は、エンディングを構成するエンディング演出の優先度によっては案内表示704を全ての期間において非表示としてもよい。
このように、遊技機10は、エンディングにおいても案内表示704の表示が継続していることを遊技者に対してほのめかし、一体感(統一感)を創出することで冗長感の軽減を図りながら、所定のエンディング演出(案内表示704を非表示とするエンディング演出)における演出表示内容の視認性を向上できる。
図35(4)は、エンディング中における案内表示704の表示態様の一例を示す。図35(4)では、案内表示704は、各エンディング演出の前半部分(タイミングt11からタイミングt12の間、タイミングt13からタイミングt14の間、タイミングt15からタイミングt16の間、タイミングt17からタイミングt18の間)において表示され、各エンディング演出の後半部分において非表示とされる。このように遊技機10は、各エンディング演出の一部において案内表示704を表示するとともに、他の部分においては非表示とするものであってもよい。これによれば遊技機10は、各エンディング演出において案内表示704の表示が継続していることを遊技者に対してほのめかし、一体感(統一感)を創出することで冗長感の軽減を図りながら、各エンディング演出における演出表示内容の視認性を向上できる。
次にプッシュボタン演出がおこなわれるタイミングについて図36を用いて説明する。図36は、第2の実施形態の電サポ遊技状態におけるプッシュボタン演出の実行タイミングを示すタイミングチャートである。
図36は電サポ遊技状態のタイミングチャートである。図36に示すタイミングチャートでは、遊技機10は、電サポ遊技状態中に7回の電サポ(普電サポート)を実行する。
図36に示すタイミングチャートにおいては、1回目の電サポがタイミングt31からタイミングt32の間におこなわれ、2回目の電サポがタイミングt32からタイミングt33の間におこなわれ、3回目の電サポがタイミングt33からタイミングt34の間におこなわれ、4回目の電サポがタイミングt34からタイミングt35の間におこなわれ、5回目の電サポがタイミングt35からタイミングt36の間におこなわれ、6回目の電サポがタイミングt36からタイミングt37の間におこなわれ、7回目の電サポがタイミングt37からタイミングt38の間におこなわれている。
図36(1)は、電サポ遊技状態におけるプッシュボタン演出の実行タイミングの一例を示す。図36(1)では、プッシュボタン演出(PB演出)は、タイミングt31からタイミングt38の間に(電サポ遊技状態に亘って)1回おこなわれる。このように遊技機10は、電サポ遊技状態に亘ってプッシュボタン演出を1回おこなうものであってもよい。
図36(2)は、電サポ遊技状態におけるプッシュボタン演出の実行タイミングの一例を示す。図36(2)では、プッシュボタン演出は、タイミングt31からタイミングt32の間に(電サポ1回目がおこなわれている間に)おこなわれる。このように遊技機10は、電サポ遊技状態の電サポ1回目にプッシュボタン演出をおこなうものであってもよい。
図36(3)は、電サポ遊技状態におけるプッシュボタン演出の実行タイミングの一例を示す。図36(3)では、プッシュボタン演出は、タイミングt31からタイミングt33までの間に(電サポ1回目および電サポ2回目がおこなわれている間に)おこなわれる。このように遊技機10は、電サポ遊技状態の電サポ1回目および電サポ2回目の間にプッシュボタン演出をおこなうものであってもよい。
図36(4)は、電サポ遊技状態におけるプッシュボタン演出の実行タイミングの一例を示す。図36(4)では、プッシュボタン演出は、タイミングt31からタイミングt32の間(電サポ1回目)、タイミングt34からタイミングt35の間(電サポ4回目)およびタイミングt37からタイミングt38の間(電サポ7回目)にそれぞれおこなわれる。このように遊技機10は、電サポ遊技状態の所定の電サポ時(電サポ1回目、電サポ4回目および電サポ7回目)にそれぞれプッシュボタン演出をおこなうものであってもよい。
[第2の実施形態の変形例1]
次に第2の実施形態の変形例1について説明する。第2の実施形態の変形例1では、遊技機10は、エンディング中または大当り中において電サポ遊技状態でおこなう演出モード(プッシュボタン演出の演出態様)を選択可能とする。プッシュボタン演出の押下態様の選択画面について図37を用いて説明する。図37は、第2の実施形態の変形例1における演出モード選択画面と各演出モードにおける案内表示の態様とを示す図である。
図37(1)に示す表示画面716は、演出モード(プッシュボタン演出の演出態様)の選択画面を示す。表示画面716は、モード選択表示717を表示内容に含む。
モード選択表示717は、電サポ遊技状態における演出モードを選択可能に表示する。表示画面716では、モード選択表示717は、選択可能な演出モードとしてノーマルモードと連打モードと一発モードの3つの選択肢を表示する。
ノーマルモードは、プッシュボタンを所定のタイミングごとに押下するプッシュボタン演出を実行するモードである。ノーマルモードでは、遊技機10は、点灯状態のアイコンに応じた回数を上限とする操作を受け付ける。
連打モードは、プッシュボタンを連続で押下するプッシュボタン演出を実行する演出モードである。連打モードでは、遊技機10は、点灯状態のアイコンに応じた回数を上限とする連打操作を受け付ける。
一発モードは、プッシュボタンを1回押下するプッシュボタン演出を実行する演出モードである。一発モードでは、遊技機10は、点灯状態のアイコンに関わらず1回の操作を受け付ける。
表示画面716では、モード選択表示717は、ノーマルモードを選択肢として選択している状態であり、案内表示704が、モード選択表示717において選択中のノーマルモードに対応する表示態様となっている。具体的には、案内表示704は、10個のアイコンをそれぞれ分離(独立)した状態で表示することで、10回のプッシュボタン操作がおこなわれる演出であることを示唆(案内)している。
図37(2)に示す表示画面718は、演出モード(プッシュボタン演出の演出態様)の選択画面を示す。表示画面718では、モード選択表示717は、連打モードを選択肢として選択している状態であり、案内表示704が、モード選択表示717において選択中の連打モードに対応する表示態様となっている。具体的には、案内表示704は、10個のアイコンを結合(一体と)した状態(10個のアイコンを数珠つなぎにした状態)で表示することで、10連打のプッシュボタン操作がおこなわれる演出であることを示唆(案内)している。
図37(3)に示す表示画面719は、演出モード(プッシュボタン演出の演出態様)の選択画面を示す。表示画面719では、モード選択表示717は、一発モードを選択肢として選択している状態であり、案内表示704が、モード選択表示717において選択中の一発モードに対応する表示態様となっている。具体的には、案内表示704は、10個のアイコンを1つにまとめた状態で表示することで、1回のプッシュボタン操作がおこなわれる演出であることを示唆(案内)している。
このように、遊技機10は、プッシュボタン演出の演出態様に応じて案内表示704のアイコンの態様を変化させることで、プッシュボタンの操作方法を示唆する示唆手段として機能させることができる。これにより遊技機10は、表示を遊技者にとってより分かり易くすることができる。
上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、所定条件が成立したことに応じてゲームを実行し、ゲームの結果が特別結果となった場合に第1遊技状態(大当り)を発生可能とし、第1遊技状態を経て第2遊技状態(普電サポート状態(第1普電サポート状態、第2普電サポート状態)、電サポ遊技状態)に遷移可能な遊技機において、所定画像を表示可能な表示手段(表示装置41)と、遊技者による操作を受付可能な操作手段(演出ボタン25(プッシュボタン))と、第1遊技状態において動作可能な変動入賞装置(第1特別変動入賞装置75(大入賞口1))と、第1遊技状態において、所定期間における変動入賞装置への入賞数に関する報知を実行可能であり、第2遊技状態においてゲームの結果が特別結果となることをあらかじめ報知する特定演出の実行タイミングを示唆可能な特定画像(案内表示704)を表示手段に表示させる第1案内手段(演出制御装置300)と、を備える。
(2)(1)の遊技機10は、第2遊技状態において特定画像により操作手段による操作制限を案内し、操作手段による操作結果に関連して特定演出に関する表示を表示手段に表示可能な第2案内手段(演出制御装置300)を備える。
(3)(1)の特定画像には、第1遊技状態の経過時間に関する情報を示唆可能な示唆画像が含まれる。
(4)(2)の第2案内手段は、操作制限を、第1遊技状態における大入賞口への入賞回数に応じた回数とする。
(5)(1)の第1案内手段は、第1遊技状態において複数回の特定演出を実行可能であり、各特定演出において異なる報知内容を報知可能である。
(6)(5)の第1案内手段は、第1の特定演出よりも後に行われる第2の特定演出では、第1の特定演出において報知した報知内容よりも遊技者にとって有利な報知内容を報知する。
(7)遊技機10は、所定条件が成立したことに応じてゲームを実行し、ゲームの結果が特別結果となった場合に特別遊技状態(大当り)を発生可能とし、特別遊技状態を経て特定遊技状態(普電サポート状態(第1普電サポート状態、第2普電サポート状態)、電サポ遊技状態)に遷移可能な遊技機において、所定画像を表示可能な表示手段(表示装置41)と、遊技者による操作を受付可能な操作手段(演出ボタン25(プッシュボタン))と、特定遊技状態において操作手段による操作制限を案内し、操作手段による操作結果に関連した報知を実行可能な特定画像(案内表示704)を表示手段に表示可能な特定画像表示手段(演出制御装置300)と、を備える。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。