以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED(Light Emitting Diode)等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。
さらに、上皿21の上縁部には、遊技演出への介入操作等に用いられる演出ボタン25が設けられている。なお、演出ボタン25は、遊技演出への介入操作を受け付ける演出操作受付部として機能するとともに、所要の態様(たとえば、発光態様や振動や突出等の動作態様等)で演出可能な演出部としても機能する。また、上皿21の左縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29が設けられている。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチと、十字カーソルスイッチの中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチと、十字カーソルスイッチの周縁部にあって音量操作等に用いられる2つの付属スイッチとが設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、遊技機10は、演出ボタン25(プッシュボタン)の操作(たとえば押下操作)を検出する演出ボタンスイッチ25a(図4参照)から受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。なお、このような遊技者の操作介入には、演出ボタン25のみならずオプション設定部29のスイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数が使用される構成でもよい。後述する図4では、オプション設定部29の各スイッチをまとめて設定スイッチ29aと表している。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者がオプション設定部29の前述した設定スイッチ29a(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数を操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図3参照)によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(図3参照)が設けられている。
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、演出ボタン25の演出ボタンスイッチ25aやオプション設定部29の設定スイッチ29aと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。なお図4では、オプション設定部29の各スイッチを便宜上まとめて設定スイッチ29aと表しているが、詳細には、前述した各スイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)の状態がスイッチ入力回路336によりそれぞれ個別に検出されるように接続されており、各スイッチの各状態を示す検出信号がそれぞれ主制御用マイコン311へ入力される。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄〜第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図6から図10を用いて説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS14)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「−1」更新し(ステップS15)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS30では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステップS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS55に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む。
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS49では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS52に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ステップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップS66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS64)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55まで、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS71)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中または設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS78)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、遊技機10の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理である。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
次に、遊技機10の遊技中に演出制御装置300が実行する表示について図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態の遊技中の表示画面の例を示す図である。ここで表示画面(単に「画面」という場合もある)とは、表示装置41の表示領域に表示される一つ又は複数の画像からなる画面であり、原則的に表示内容が異なるごとに異なる符号を付している。
図13(1)に示す表示画面500は、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。表示画面500は、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを表示する。
大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群501は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
表示画面500では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面500では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶(始動記憶)数を表示する。表示画面500では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示す。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。保留表示505が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示503が表示する保留記憶数と特図2保留数表示504が表示する保留記憶数の和に相当する。
たとえば、表示画面500に示すように特図1保留数表示503が「4」を表示し、特図2保留数表示504が「0」を表示するとき、保留表示505は、4つの保留記憶(始動記憶)表示により保留記憶数が「4」であることを示す。なお、保留数または保留記憶数とは、特図の変動表示ゲームが未実行である始動記憶の数を意味する。
保留表示505は、保留記憶表示(アイコン表示)により待機中の保留記憶を表示する。保留表示505は、その表示態様(保留表示505に表示した保留記憶表示数、および各表示態様(保留待機表示態様))により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。
保留消化表示506は、保留記憶表示(アイコン)により消化中の保留記憶を表示する。保留消化表示506は、その表示態様(保留消化表示506に表示した保留記憶表示、および表示態様(保留消化表示態様))により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面500では保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、変動表示を開始する。
図13(2)に示す表示画面510は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面510は、表示画面500の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。表示画面510では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面510では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
表示画面510では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図変動表示ゲームの保留記憶数が「3」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
遊技機10は、表示画面510において大図柄群501を半透明状態にすることで、背景表示の視認性を大図柄群501の視認性より高めている。一方、遊技機10は、表示画面510において小図柄群502を半透明状態にしないことで、背景表示に優先する視認性を確保している。
まず、保留記憶表示の表示態様(保留表示態様(保留待機表示態様および保留消化表示態様を含む))について図14を用いて説明する。図14は、第1の実施形態の保留記憶表示の表示態様の一例を示す図である。
保留記憶表示(アイコン)は、複数種類の表示態様があり、たとえば識別コードによって識別可能な7つの表示態様がある。識別コード「H0」および識別コード「H1」によって識別される表示態様は、デフォルト(標準)表示態様であり、たとえば円形かつ白色の表示態様である。ただし、識別コード「H0」によって識別される表示態様は、保留予告演出が予定されていない保留記憶に関する表示態様である。言い換えれば、識別コード「H0」によって識別される表示態様は、保留予告演出が潜伏していない非潜伏状態の保留記憶に関する表示態様である。また、識別コード「H1」によって識別される表示態様は、保留予告演出が予定されている保留記憶に関する表示態様である。言い換えれば、識別コード「H1」によって識別される表示態様は、保留予告演出が潜伏している潜伏状態の保留記憶に関する表示態様である。
なお、遊技機10は、識別コード「H1」によって識別される表示態様によって保留予告演出をおこなわないが、保留予告演出をおこなわない場合であっても識別コード「H1」の参照により保留予告によらない予告報知演出(たとえばキャラクタ表示や音声出力等)をおこなうことができる。
識別コード「H2」によって識別される表示態様は、所定の期待度を報知する表示態様の1つであり、たとえば円形かつ青色の表示態様である。たとえば、識別コード「H2」によって識別される表示態様は、3%程度の大当り期待度を報知する。識別コード「H3」によって識別される表示態様は、所定の期待度を報知する表示態様の1つであり、たとえば円形かつ緑色の表示態様である。たとえば、識別コード「H3」によって識別される表示態様は、10%程度の大当り期待度を報知する。識別コード「H4」によって識別される表示態様は、所定の期待度を報知する表示態様の1つであり、たとえば円形かつ赤色の表示態様である。たとえば、識別コード「H4」によって識別される表示態様は、30%程度の大当り期待度を報知する。
識別コード「H5」によって識別される表示態様は、所定の期待度を報知する表示態様の1つであり、たとえば円形かつ桜模様の表示態様である。たとえば、識別コード「H5」によって識別される表示態様は、70%程度の大当り期待度を報知する。識別コード「H6」によって識別される表示態様は、所定の期待度を報知する表示態様の1つであり、たとえば円形かつ虹模様の表示態様である。たとえば、識別コード「H6」によって識別される表示態様は、100%程度の大当り期待度を報知する。
なお、保留記憶表示の表示態様は、円形に限らずその他の形状(たとえば矩形や星型等)であってもよい。また、保留記憶表示の表示態様は、静止状態における表示に限らず、大きさを変えたり、アクションを伴う表示であったりしてもよい。また、保留記憶表示の表示態様により報知する内容は、大当り(小当り等を含む)の導出の有無やその可能性の他、大当り導出時の価値の大きさ(たとえば確率変動の有無や普電サポートの有無等)やその可能性であってもよい。また、保留記憶表示の表示態様により報知する内容は、リーチ発展の有無やその可能性であってもよい。
このようにして、遊技機10は、保留記憶表示の表示態様や保留消化表示の表示態様によって、変動表示ゲームの結果に関連して予告報知をおこなうことができる。
次に保留記憶表示の表示態様を、第1の態様(初期態様(変化前態様))から第2の態様(最終態様)に変化(変更)させる一連の保留演出について図15〜図20を用いて説明する。
図15は、第1の実施形態の演出フローの一例を示す図である。図16は、第1の実施形態の表示装置が表示する画面の一例(その1)を示す図である。図17は、第1の実施形態の表示装置が表示する画面の一例(その2)を示す図である。図18は、第1の実施形態の表示装置が表示する画面の一例(その3)を示す図である。図19は、第1の実施形態の表示装置が表示する画面の一例(その4)を示す図である。図20は、第1の実施形態の表示装置が表示する画面の一例(その5)を示す図である。
なお、以下では、デフォルト(潜伏)の表示態様(第1の態様)から虹の表示態様(第2の態様)に変化させる例を用いて一連の保留演出について説明する。
[演出フローF1]遊技機10は、特図変動表示ゲームの変動停止状態を表示する。変動停止状態を表示する画面例を図16(F1)の表示画面511に示す。
表示画面511は、特図変動表示ゲームが変動停止状態(停止表示中)の画面を示す。表示画面511では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、停止しており、特図変動表示ゲームが停止表示中であることを示す。また、表示画面511では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、停止しており、特図変動表示ゲームが停止表示中であることを示す。
また、表示画面511では、保留消化表示506は、ブランク表示により特図変動表示ゲームが変動表示状態にないことを示す。また、表示画面511では、特図1保留数表示503は特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示し、特図2保留数表示504は特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は特図1ゲームと特図2ゲームの合計保留記憶数が「4」であることを示す。また、表示画面511では、保留表示505は、4つの白色の円形の保留記憶表示を表示しており、各保留記憶表示がデフォルトまたはデフォルト(潜伏)の表示態様であることを示している。
[演出フローF2]遊技機10は、特図変動表示ゲームを開始し、図柄変動を表示する。図柄変動を表示する画面例を図16(F2)の表示画面512に示す。
表示画面512は、表示画面511の後の画面であって、変動表示開始後の画面を示す。表示画面512では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面512では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
また、表示画面512では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数を「4」から1つ減数した値(「3」)を表示し、保留表示505は、特図変動表示ゲームの保留記憶数を「4」から1つ減数した値(「3」)を表示する。保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示す。
[演出フローF3]遊技機10は、示唆演出を実行する。示唆演出は、保留記憶表示の表示態様に変化が生じることを示唆する演出である。示唆演出を実行中の画面例を図16(F3)の表示画面513に示す。
表示画面513は、表示画面512の後の画面であって、示唆演出を実行中の画面を示す。表示画面513は、保留表示505が表示する1番目に待機中(待機順が1番)の保留記憶表示を対象とした示唆演出がおこなわれている状態を示す。具体的には、表示画面513では、保留表示505が表示する1番目に待機中(待機順が1番)の保留記憶表示が光り輝い(きらめい)ており、これにより、1番目に待機中の保留記憶表示の表示態様に変化が生じること(一連の保留演出の対象であること)を明示している。
なお、示唆演出は、保留記憶表示の表示態様に変化が生じることを明示できればよく、光り輝かせることに限らない。たとえば、遊技機10は、示唆演出として、保留記憶表示のサイズを拡縮させることで保留記憶表示の表示態様に変化が生じることを明示してもよい。
[演出フローF4]遊技機10は、第1の保留変化演出をおこなう。第1の保留変化演出は、演出の導出結果(演出成否)に応じて保留記憶表示の表示態様を変化させる演出である。より具体的には、第1の保留変化演出は、演出が成功した場合には、保留記憶表示の表示態様を第1の態様(初期態様)から第2の態様(最終態様)に変化させ、演出が失敗した場合には保留記憶表示の表示態様を変化させない。第1の保留変化演出を実行中の画面例を図17(F4)の表示画面514に示す。
表示画面514は、表示画面513の後の画面であって、第1の保留変化演出を実行中の画面を示す。表示画面514は、演出表示515を表示内容に含む。
演出表示515は、その表示態様により第1の保留変化演出(保留記憶表示の表示態様を変化させる演出)を表示する。表示画面514では、演出表示515は、雲を用いた演出によって一連の保留演出の対象である保留記憶表示(変化対象である1番目の保留記憶表示)の表示態様を変化させる演出を表示している。
たとえば、第1の保留変化演出では、演出表示515は、雲から雷を発生させ、変化対象である保留記憶表示に直撃した場合に演出の成功を示し、変化対象である保留記憶表示に直撃しなかった場合に演出の失敗を示す。
遊技機10は、第1の保留変化演出が成功した場合には演出フローF5に進み、第1の保留変化演出が失敗した場合には演出フローF6に進む。
[演出フローF5]遊技機10は、第1の保留変化演出が成功したことに伴い、変化対象である保留記憶表示の表示態様を変化させ、最終態様(第2の態様)とする。保留変化演出が成功した場合の画面例を図17(F5)に示す。表示画面516は、表示画面514の後の画面であって、第1の保留変化演出が成功した場合の画面を示す。
表示画面516では、デフォルトの表示態様であった1番目の保留記憶表示の表示態様が虹の表示態様で表示されており、保留記憶表示の表示態様が第1の態様(デフォルト)から第2の態様(虹)に変化したことを示している。
遊技機10は、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第2の態様に変化させると、一連の保留演出を終了する。
[演出フローF6]遊技機10は、第1の保留変化演出が失敗したことに伴い、変化対象である保留記憶表示の表示態様を変化させず、初期態様(第1の態様)のままとする。保留変化演出が失敗した場合の画面例を図17(F6)に示す。表示画面517は、表示画面514の後の画面であって、第1の保留変化演出が失敗した場合の画面を示す。
表示画面517では、変化対象である保留記憶表示の表示態様がデフォルトの表示態様のままで表示されており、保留記憶表示の表示態様に変化が生じなかった(第1の態様(デフォルト)のままである)ことを示している。
[演出フローF7]遊技機10は、保留記憶表示の表示態様を表示から非表示にする第1の非表示(第1の消去)をおこなう。第1の非表示をおこなう(保留記憶表示の表示態様を表示から非表示にした)場合の画面例を図18(F7a,F7b)に示す。
表示画面518は、表示画面517の後の画面であって、第1の非表示前の状態を示す。表示画面518では、大図柄群501は、左図柄と右図柄とが図柄「7」で仮停止しており、当り目が図柄「7」であるリーチが発生している状態を示す。
表示画面519は、表示画面518の後の画面であって、第1の非表示後の状態を示す。表示画面519では、保留記憶表示の表示態様(保留表示態様(保留待機表示態様および保留消化表示態様を含む))が表示から非表示となっており、第1の非表示がおこなわれたことを示す。具体的には、表示画面519では、保留表示505および保留消化表示506が非表示となっており、保留表示505および保留消化表示506に表示されていた保留記憶表示も非表示(保留記憶表示の表示態様が表示から非表示)となっている。
なお、第1の非表示の非表示内容は、保留表示505および保留消化表示506と、保留表示505および保留消化表示506に表示されていた保留記憶表示とに限らない。たとえば、遊技機10は、第1の非表示では、保留表示505と保留消化表示506のうちのいずれか一方の保留記憶表示の表示態様だけを表示から非表示にしてもよいし、変化対象である保留記憶表示(待機順が1番である保留記憶表示)の表示態様だけを表示から非表示にしてもよいし、対象である保留記憶表示の表示態様以外を表示から非表示にしてもよい。また、遊技機10は、第1の非表示では、保留記憶表示の表示態様だけを表示から非表示とし、保留表示505および保留消化表示506を非表示としなくてもよい。
また、第1の非表示をおこなうタイミングは、リーチ発生時でなくてもよい。たとえば、遊技機10は、大図柄群501が三図柄変動中(表示画面517の状態)において第1の非表示をおこなってもよい。
また、遊技機10は、第1の非表示において保留表示505に表示される保留記憶表示の表示態様(保留待機表示態様)と、保留消化表示506に表示される保留記憶表示の表示態様(保留消化表示態様)とを同時に表示から非表示にすることに限らず、所定の時間差を設けて表示から非表示としてもよい。
また、遊技機10は、第1の非表示をおこなうタイミングに応じて非表示内容を異ならせてもよい。また、遊技機10は、第2の態様(最終態様)に応じて第1の非表示の非表示内容や非表示タイミングを異ならせてもよい。
たとえば、第1の非表示の非表示内容や非表示タイミングにバリエーションを持たせることで、遊技機10は、演出がマンネリ化することによる興趣の低下を抑止できる。
[演出フローF8]遊技機10は、保留記憶表示の表示態様を非表示から表示にする第1の表示をおこなう。第1の表示(保留記憶表示の表示態様を非表示から表示にした)後の画面例を図18(F8)の表示画面520に示す。表示画面520は、表示画面519の後の画面であって、第1の表示後の状態を示す。
表示画面520では、大図柄群501は、左図柄と右図柄とが、図柄「7」で仮停止し、中図柄が図柄「6」で仮停止しており、リーチが終了した状態を示す。また、表示画面520では、表示画面519で非表示であった保留記憶表示の表示態様が非表示から表示となっており、第1の表示がおこなわれたことを示す。
[演出フローF9]遊技機10は、実行中の特図変動表示ゲームを終了し、特図変動表示ゲームの変動停止状態を表示する。遊技機10は、特図変動表示ゲームの変動停止状態となったことに伴い、保留消化表示506の保留記憶表示の表示態様(保留消化表示態様)を表示から非表示にする第2の非表示(第2の消去)をおこなう。変動停止状態を表示する(第2の非表示後の)画面例を図19(F9)の表示画面521に示す。
表示画面521は、表示画面520の後の画面であって、特図変動表示ゲームが変動停止状態(停止表示中)の画面を示す。表示画面521では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、停止しており、特図変動表示ゲームが停止表示中であることを示す。また、表示画面521では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、停止しており、特図変動表示ゲームが停止表示中であることを示す。
また、表示画面521では、保留消化表示506は、表示画面520では表示されていた保留記憶表示が特図変動表示ゲームの終了に伴い非表示(保留記憶表示の表示態様が表示から非表示)になっており、第2の非表示がおこなわれたことを示す。また、保留消化表示506は、保留記憶表示が非表示になっていることにより(ブランク表示により)、特図変動表示ゲームが変動表示状態にないことを示している。
[演出フローF10]遊技機10は、特図変動表示ゲームを開始し、図柄変動を表示する。遊技機10は、特図変動表示ゲームを開始したことに伴い、保留消化表示506の保留記憶表示の表示態様を非表示から表示にする第2の表示をおこなう。
第2の表示(保留消化表示506の保留記憶表示の表示態様を非表示から表示にした)後の画面例を図19(F10)の表示画面522に示す。表示画面522は、表示画面521の後の画面であって、第2の表示後の状態を示す。
表示画面522では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面522では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
また、表示画面522では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数を「3」から1つ減数した値(「2」)を表示し、保留表示505は、特図変動表示ゲームの保留記憶数を「3」から1つ減数した値(「2」)を表示する。
また、表示画面522では、保留消化表示506は、表示画面521では非表示であった保留記憶表示の表示態様が非表示から表示となっており、第2の表示がおこなわれたことを示す。また、表示画面522では、保留消化表示506は、表示画面521において保留表示505の1番目に待機中であった保留記憶表示(変化対象である保留記憶表示)を表示しており、変化対象である保留記憶表示についての特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示す。
[演出フローF11]遊技機10は、第2の保留変化演出をおこなう。第2の保留変化演出は、保留記憶表示の表示態様を第1の態様から第2の態様と異なる第3の態様(中間態様)に変化させる演出である。第2の保留変化演出を実行中の画面例を図20(F11)の表示画面523に示す。
表示画面523は、表示画面522の後の表示画面であって、第2の保留変化演出を実行中の画面を示す。表示画面523は、演出表示524を表示内容に含む。
演出表示524は、その表示態様により第2の保留変化演出(保留記憶表示の表示態様を変化させる演出)を表示する。表示画面523では、演出表示524は、雲を用いた演出によって変化対象である保留記憶表示の表示態様が青(第3の態様)に変化している様子を示す。第3の態様は、たとえば、第1の態様よりも期待度が高く、第2の態様よりも期待度が低い態様である。これにより、遊技機10は、段階的な期待度の向上を遊技者に対して表示することができる。なお、遊技機10は、第3の態様を第2の態様よりも期待度が高い態様としてもよい。
たとえば、第2の保留変化演出では、演出表示524は、演出表示515(図17(F4)の表示画面514)が演出成功の場合に表示する演出をおこなって、保留記憶表示の表示態様を第1の態様から第3の態様へと変化させる。
[演出フローF12]遊技機10は、第3の保留変化演出をおこなう。第3の保留変化演出は、保留記憶表示の表示態様を第3の態様から第2の態様に変化させる演出である。第3の保留変化演出を実行中の画面例を図20(F12)の表示画面525に示す。
表示画面525は、表示画面523の後の表示画面であって、第3の保留変化演出を実行中の画面を示す。表示画面525は、演出表示526を表示内容に含む。
演出表示526は、その表示態様により第3の保留変化演出(保留記憶表示の表示態様を変化させる演出)を表示する。表示画面525では、演出表示526は、雲を用いた演出によって変化対象である保留記憶表示(変化を示唆した保留消化表示506に表示中の保留記憶表示)の表示態様が虹(第2の態様)に変化している様子を示す。
たとえば、第3の保留変化演出では、演出表示526は、演出表示524(第2の保留変化演出)と同様に、演出表示515(図17(F4)の表示画面514)が演出成功の場合に表示する演出をおこなって、保留記憶表示の表示態様を第3の態様から第2の態様へと変化させる。
遊技機10は、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第2の態様に変化させると、一連の保留演出を終了する。
以上が、一連の保留演出である。これによれば、遊技機10は、第1の保留変化演出が成功演出である場合に変化対象である保留記憶表示の表示態様(保留表示態様)を第1の態様から第2の態様に変化させ、第1の保留変化演出が失敗演出である場合に第1の非表示、第1の表示、第2の非表示、第2の表示を挟んで変化対象である保留記憶表示の表示態様を第1の態様から第3の態様に変化させた後に第2の態様に変化させる。
このような今までにない斬新な保留演出を実行することで、遊技機10は、遊技の興趣を向上できる。
また、遊技機10は、第2の保留変化演出および第3の保留変化演出を、第1の保留変化演出における演出成功の場合に表示する演出としているため、第1の保留変化演出、第2の保留変化演出、および第3の保留変化演出に一体感を持たせることができるとともに、関連のある一連の保留演出であることを感得可能にできる。これにより、遊技機10は、遊技の興趣を向上できる。
たとえば、遊技機10は、期待度(大当りの期待度)が高い場合に成功演出を発生させ直接第2の態様に変化させる変化パターンを選択し、期待度が低い場合に失敗演出を発生させ第3の態様を挟んで第2の態様に変化させる変化パターンを選択する。このように期待度によって変化過程を異ならせることにより、遊技機10は、最終形態がともに同一態様であっても変化過程によっても期待感を演出することができる。なお、遊技機10は、期待度が低い場合に成功演出を発生させ直接第2の態様に変化させる変化パターンを選択し、期待度が高い場合に失敗演出を発生させ第3の態様を挟んで第2の態様に変化させる変化パターンを選択する。
なお、第2の保留変化演出および第3の保留変化演出をおこなうタイミングは、変化対象である保留記憶表示が消化される前(変化対象である保留記憶表示に対応する変動表示ゲームが終了する前)であればよく、変化対象である保留記憶表示が保留消化表示506に表示されている間に限らず、保留表示505に表示されている間であってもよい。
また、第2の保留変化演出および第3の保留変化演出をおこなうタイミングは、保留記憶表示が非表示となっている状態であってもよいし、非表示中に変化する条件が成立した場合に非表示を解除して変化させてもよい。なお、非表示を解除して変化させた場合には、再度非表示としてもよいし、再度非表示とせずに表示し続けてもよい。
なお、遊技機10は、示唆演出によって保留消化表示506に表示中の保留記憶表示を変化対象としてもよい。この場合、遊技機10は、実行中の特図変動表示ゲーム内で演出フローF12までの演出をおこなえばよい(たとえば、この場合には遊技機10は、変動停止や変動開始と無関係に第2の非表示と第2の表示をおこなう)。
たとえば、遊技機10は、示唆演出によって2番目に待機中(待機順が2番)の保留記憶表示が変化対象とした場合には、変化対象である保留記憶表示が保留表示505の1番目に表示されている間に第2の保留変化演出および第3の保留変化演出をおこなってもよいし、変化対象である保留記憶表示が保留消化表示506に表示されている間におこなってもよい。
また、遊技機10は、第1の保留変化演出が失敗演出である場合に第1の非表示および第1の表示と、第2の非表示および第2の表示のうち少なくとも一方を挟んで変化対象である保留記憶表示の表示態様を第1の態様から第3の態様に変化させた後に第2の態様に変化させればよく、たとえば、第1の非表示、第1の表示の後に(第2の非表示、第2の表示を挟まないで)変化対象である保留記憶表示の表示態様を変化させてもよい。また、遊技機10は、第1の非表示および第1の表示をおこなわずに第2の非表示、第2の表示の後に変化対象である保留記憶表示の表示態様を変化させてもよい。また、遊技機10は、第1の非表示、第1の表示の後に変化対象である保留記憶表示の表示態様を第1の態様から第3の態様に変化させ、第2の非表示、第2の表示の後に変化対象である保留記憶表示の表示態様を第3の態様から第2の態様に変化させてもよい。また、遊技機10は、第1の保留変化演出が失敗演出である場合に、さらに、第3の非表示、第3の表示を挟んで変化対象である保留記憶表示の表示態様を第1の態様から第3の態様に変化させた後に第2の態様に変化させてもよい。
なお、遊技機10は、第1の保留変化演出が失敗の場合に、所定の確率で最終態様を初期態様と同じ態様とし、保留変化失敗を表示してもよい。
次に一連の保留演出における保留待機表示態様(保留表示505の保留記憶表示の表示態様)の非表示と表示との切り替え、および保留消化表示態様(保留消化表示506の保留記憶表示の表示態様)の非表示と表示との切り替えタイミングについて図21を用いて説明する。
図21は、第1の実施形態の一連の保留演出における保留待機表示態様の非表示と表示との切り替えおよび保留消化表示態様の非表示と表示との切り替えタイミングを示すタイミングチャートである。
図21に示すタイミングチャートは、第1の保留変化演出が失敗した場合(F1〜F4,F6〜F12)における一連の保留演出における保留待機表示態様の非表示と表示との切り替えおよび保留消化表示態様の非表示と表示との切り替えタイミングを示している。
遊技機10は、保留待機表示態様を表示とし、保留消化表示態様を非表示とした状態で変動停止(演出フローF1)を表示する。そして、遊技機10は、タイミングt1に特図変動表示ゲームを開始(演出フローF2)すると保留消化表示態様を非表示から表示とし、示唆演出(演出フローF3)、保留変化演出(演出フローF4)、変化対象である保留記憶表示の表示態様に変化が生じない様子を表示する(演出フローF6)。
そして、遊技機10は、タイミングt2に第1の非表示(演出フローF7)をおこない、保留待機表示態様および保留消化表示態様を表示から非表示とする。そして、遊技機10は、タイミングt3に第1の表示(演出フローF8)をおこない、保留待機表示態様および保留消化表示態様を非表示から表示とする。そして、遊技機10は、タイミングt4に特図変動表示ゲームを終了し変動停止して(演出フローF9)、特図変動表示ゲームが終了したことに伴い保留消化表示態様を表示から非表示とする(第2の非表示)。
そして、遊技機10は、タイミングt5に次の特図変動表示ゲームを開始(演出フローF10)し、保留消化表示態様を非表示から表示とし、第2の保留変化演出(演出フローF11)、第3の保留変化演出(演出フローF12)をおこない、一連の保留演出を終了する。
このように、遊技機10は、第1の保留変化演出が失敗した場合、保留消化表示態様をタイミングt2に表示から非表示とし、タイミングt3に非表示から表示とし、タイミングt4に表示から非表示とし、タイミングt5に非表示から表示とする切り替えを挟んだ後に、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第1の態様から第3の態様に変化させた後に第2の態様に変化させる。
また、遊技機10は、第1の保留変化演出が失敗した場合、保留待機表示態様をタイミングt2に表示から非表示とし、タイミングt3に非表示から表示とする切り替えを挟んだ後に、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第1の態様から第3の態様に変化させた後に第2の態様に変化させる。
このような今までにない斬新な保留演出(表示と非表示の切り替えを挟んだ後に変化対象である保留記憶表示の表示態様を変化させる演出)を実行することで、遊技機10は、遊技の興趣を向上できる。
上述した例においては、保留変化演出(第1の保留変化演出,第2の保留変化演出,第3の保留変化演出)の演出態様として雲を演出モチーフとした演出態様を例として用いて説明したがこれに限らない。ここで保留変化演出(第1の保留変化演出,第2の保留変化演出,第3の保留変化演出)の演出態様について図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態の保留変化演出の演出態様の一例を示す図である。
保留変化演出の演出態様としては、パターン1〜3の3つがある。パターン1は、雲を演出モチーフとした演出態様である。たとえば、パターン1の保留変化演出では、遊技機10は、演出が成功である場合(保留記憶表示の表示態様を変化させる場合)には、雲から雷を発生させた後に変化対象である保留記憶表示に直撃させ、演出が失敗である場合(保留記憶表示の表示態様を変化させない場合)には、雲から雷を発生させた後に変化対象である保留記憶表示に直撃させない演出をおこなう。
パターン2は、パラシュートをモチーフとした演出態様である。たとえば、パターン2の保留変化演出では、遊技機10は、演出が成功である場合(保留記憶表示の表示態様を変化させる場合)には、パラシュートを変化対象である保留記憶表示に落下させ、演出が失敗である場合(保留記憶表示の表示態様を変化させない場合)には、パラシュートを変化対象である保留記憶表示以外に落下させる演出をおこなう。
パターン3は、剣をモチーフとした演出態様である。たとえば、パターン3の保留変化演出では、遊技機10は、演出が成功である場合(保留記憶表示の表示態様を変化させる場合)には、剣で変化対象である保留記憶表示を切断し、演出が失敗である場合(保留記憶表示の表示態様を変化させない場合)には、剣が変化対象である保留記憶表示にぶつかって折れる演出をおこなう。
このように、遊技機10は、複数の演出態様(演出のモチーフ)のうちから選択した演出態様を用いて保留変化演出(第1の保留変化演出,第2の保留変化演出,第3の保留変化演出)をおこなうことで、演出がマンネリ化することによる興趣の低下を抑止できる。
なお、遊技機10は、第1の保留変化演出と第2の保留変化演出と第3の保留変化演出とで演出のモチーフ(演出態様)を異ならせてもよい。また、遊技機10は、演出のモードによって選択するモチーフを異ならせてもよい。また、遊技機10は、第1の保留変化演出と第2の保留変化演出と第3の保留変化演出とで演出のモチーフ(演出態様)が同じ場合であっても、それぞれの演出でおこなう演出内容を一部異ならせてもよい。
なお、遊技機10は、演出内容が異なっている場合でもトータルの演出時間が同じ時間になるようにしてもよい。また、遊技機10は、演出内容が異なる場合に演出の開始から保留記憶表示に作用するまでのタイミング(たとえば、雷が保留記憶表示に直撃するまでの時間と、剣が保留記憶表示にぶつかるまでのタイミング)を異ならせ、保留記憶表示が変化するタイミングを異ならせてもよい。
また、遊技機10は、演出の開始から保留記憶表示が変化するタイミングと、演出が終了(雲や剣が消える)するタイミングを全ての演出で同じとしてもよい。この場合には、遊技機10は、雲や剣が出現するときに、出現したことを強調する強調演出(雲が大きくなるや、剣が大きくなる等)も共通のタイミングとしてもよいし、強調演出だけ異なるタイミングとしてもよい。
また、遊技機10は、同じ演出モチーフ(たとえば、雲)において演出を開始してから保留記憶表示が変化するまでの時間が短いパターンと長いパターン(たとえば、雲の移動速度が速いパターンと遅いパターン)を有していてもよい。たとえば、遊技機10は、期待度が高い場合に保留記憶表示が変化するまでの時間が短いパターンを選択し、期待度が低い場合に保留記憶表示が変化するまでの時間が長いパターンを選択するよう構成されていてもよいし、期待度が高い場合に保留記憶表示が変化するまでの時間が長いパターンを選択し、期待度が低い場合に保留記憶表示が変化するまでの時間が短いパターンを選択するよう構成されていてもよい。このように期待度によって変化過程を異ならせることにより、遊技機10は、同じ演出モチーフであっても変化過程によっても期待感を演出することができる。
また、遊技機10は、第2の態様に変化する期待度が高い場合に保留記憶表示が変化するまでの時間が短いパターンを選択し、第2の態様に変化する期待度が低い場合に保留記憶表示が変化するまでの時間が長いパターンを選択するよう構成されていてもよいし、第2の態様に変化する期待度が高い場合に保留記憶表示が変化するまでの時間が長いパターンを選択し、第2の態様に変化する期待度が低い保留記憶表示が変化するまでの時間が短いパターンを選択するよう構成されていてもよい。このように第2の態様に変化する期待度によって変化過程を異ならせることにより、遊技機10は、同じ演出モチーフであっても変化過程によっても期待感を演出することができる。
また、遊技機10は、第1の保留変化演出において演出成功となる確率を、演出のモチーフ(演出態様)毎に異ならせてもよい。また、遊技機10は、第2の態様(最終態様)に応じて、選択される演出のモチーフ(演出態様)の確率を異ならせてもよい。
[第1の実施形態の変形例1]
第1の実施形態の変形例1では、遊技機10は、第1の実施形態とは異なるタイミングで第1の保留変化演出を実行する。第1の実施形態の変形例1について図23を用いて説明する。図23は、第1の実施形態の変形例1の演出フローの一例を示す図である。
なお、以下では、デフォルト(潜伏)の表示態様(第1の態様)から虹の表示態様(第2の態様)に変化させる例を用いて一連の保留演出について説明する。また、第1の実施形態と同様の内容については同じフロー番号を用いて説明する。
[演出フローF1]遊技機10は、特図変動表示ゲームの変動停止状態を表示する。
[演出フローF21]遊技機10は、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で示唆演出を実行する。
[演出フローF22]遊技機10は、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で第1の保留変化演出をおこなう。
[演出フローF23]遊技機10は、第1の保留変化演出が成功したことに伴い、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で変化対象である保留記憶表示の表示態様を変化させ、最終態様(第2の態様)とする。遊技機10は、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第2の態様に変化させると、一連の保留演出を終了する。
[演出フローF24]遊技機10は、第1の保留変化演出が失敗したことに伴い、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で変化対象である保留記憶表示の表示態様を変化させず、初期態様(第1の態様)のままとする。
[演出フローF2]遊技機10は、特図変動表示ゲームを開始し、図柄変動を表示する。
[演出フローF7]遊技機10は、保留記憶表示の表示態様を表示から非表示にする第1の非表示をおこなう。
[演出フローF8]遊技機10は、保留記憶表示の表示態様を非表示から表示にする第1の表示をおこなう。
[演出フローF9]遊技機10は、実行中の特図変動表示ゲームを終了し、特図変動表示ゲームの変動停止状態を表示する。遊技機10は、特図変動表示ゲームの変動停止状態となったことに伴い、保留消化表示506の保留記憶表示の表示態様(保留消化表示態様)を表示から非表示にする第2の非表示をおこなう。
[演出フローF10]遊技機10は、特図変動表示ゲームを開始し、図柄変動を表示する。遊技機10は、特図変動表示ゲームを開始したことに伴い、保留消化表示506の保留記憶表示の表示態様を非表示から表示にする第2の表示をおこなう。
[演出フローF11]遊技機10は、第2の保留変化演出をおこない、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第1の態様から第3の態様に変化させる。
[演出フローF12]遊技機10は、第3の保留変化演出をおこない、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第3の態様から第2の態様に変化させる。遊技機10は、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第2の態様に変化させると、一連の保留演出を終了する。
以上が、一連の保留演出の変形例である。これによれば、遊技機10は、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で示唆演出および第1の保留変化演出をおこなうため、遊技者が見落とすことを抑止できる。これにより、遊技機10は、保留演出への注目度を高め、遊技の興趣を向上できる。
[第1の実施形態の変形例2]
第1の実施形態の変形例2では、遊技機10は、第1の実施形態の変形例1とは異なるタイミングで第2の保留変化演出および第3の保留変化演出を実行する。第1の実施形態の変形例2について図24を用いて説明する。図24は、第1の実施形態の変形例2の演出フローの一例を示す図である。
なお、以下では、デフォルト(潜伏)の表示態様(第1の態様)から虹の表示態様(第2の態様)に変化させる例を用いて一連の保留演出について説明する。また、第1の実施形態の変形例1と同様の内容については同じフロー番号を用いて説明する。
[演出フローF1]遊技機10は、特図変動表示ゲームの変動停止状態を表示する。
[演出フローF21]遊技機10は、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で示唆演出を実行する。
[演出フローF22]遊技機10は、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で第1の保留変化演出をおこなう。
[演出フローF23]遊技機10は、第1の保留変化演出が成功したことに伴い、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で変化対象である保留記憶表示の表示態様を変化させ、最終態様(第2の態様)とする。遊技機10は、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第2の態様に変化させると、一連の保留演出を終了する。
[演出フローF24]遊技機10は、第1の保留変化演出が失敗したことに伴い、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で変化対象である保留記憶表示の表示態様を変化させず、初期態様(第1の態様)のままとする。
[演出フローF31]遊技機10は、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で保留待機表示態様(保留表示505の保留記憶表示の表示態様)を表示から非表示にする第1の非表示をおこなう。
[演出フローF32]遊技機10は、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で保留待機表示態様(保留表示505の保留記憶表示の表示態様)を非表示から表示にする第1の表示をおこなう。
[演出フローF10]遊技機10は、特図変動表示ゲームを開始し、図柄変動を表示する。遊技機10は、特図変動表示ゲームを開始したことに伴い、保留消化表示506の保留記憶表示の表示態様を非表示から表示にする第2の表示をおこなう。
[演出フローF11]遊技機10は、第2の保留変化演出をおこない、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第1の態様から第3の態様に変化させる。
[演出フローF12]遊技機10は、第3の保留変化演出をおこない、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第3の態様から第2の態様に変化させる。遊技機10は、変化対象である保留記憶表示の表示態様を第2の態様に変化させると、一連の保留演出を終了する。
以上が、一連の保留演出の変形例である。これによれば、遊技機10は、特図変動表示ゲームを変動停止状態とした状態で示唆演出および第1の保留変化演出をおこない、第1の保留変化演出が失敗である場合であっても次の特図変動表示ゲーム内において保留記憶表示の表示態様を第1の態様から第3の態様を経て第2の態様へと変更させる。
これによれば遊技機10は、第1の実施形態の変形例1と比べて保留演出全体が間延びするのを抑止できる。これにより、遊技機10は、演出が間延びすることによる興趣の低下を抑止できる。
[第1の実施形態の変形例3]
第1の実施形態の変形例3では、遊技機10は、第3の態様から第2の態様へと変化させる変化態様を第1の実施形態と異なる態様とする。第1の実施形態の変形例3について図25を用いて説明する。
図25は、第1の実施形態の変形例3の保留記憶表示の表示態様の変化例を示す図である。
図25(a)(b)は、第1の保留変化演出が失敗した場合における保留記憶表示の表示態様の変化例である。
図25(a)に示す保留記憶表示の表示態様の変化例においては、遊技機10は、第1の保留変化演出が失敗した場合、第1の保留変化演出の実行に伴って保留記憶表示の表示態様を変化させず第1の態様のままとし、第2の保留変化演出の実行に伴って第1の態様から識別コード「H0」〜「H6」のいずれによっても識別されない表示態様(一連の演出中のみ表示される一時的な態様(専用態様))である第3の態様とし、第3の保留変化演出の実行に伴って第3の態様から第2の態様とする。
このように、中間態様である第3の態様を識別コード「H0」〜「H6」のいずれによっても識別されない表示態様(一連の演出中のみ表示される一時的な態様(専用態様))とすることで、遊技機10は、保留記憶表示の表示態様がさらに変化すること(保留演出が継続していること)を遊技者に感得させることができる。これにより遊技機10は、演出の期待感を維持向上させ、遊技の興趣を向上できる。
図25(b)に示す保留記憶表示の表示態様の変化例においては、遊技機10は、第1の保留変化演出が失敗した場合、第1の保留変化演出の実行に伴って保留記憶表示の表示態様を変化させず第1の態様のままとし、第2の保留変化演出の実行に伴って第1の態様から識別コード「H0」〜「H6」のいずれによっても識別されない表示態様(一連の演出中のみ表示される一時的な態様(専用態様))である第3の態様とし、さらに、第3の態様から第2の態様とする。
このように遊技機10は、1度の保留変化演出の実行に伴って複数回の表示態様の変化をおこなうことを可能とすることで、遊技機10は、演出にさらなるバリエーションを持たせることが可能となり、演出がマンネリ化することによる興趣の低下を抑止できる。
[第1の実施形態の変形例4]
第1の実施形態の変形例4では、遊技機10は、表示装置41(表示画面内)で特図1保留数表示503および特図2保留数表示504を表示せずに、LED表示装置において表示する。ここで遊技機10において演出制御装置300(演出制御手段)が制御する二つの表示装置(表示装置41、LED表示装置)について図26を用いて説明する。図26は、第1の実施形態の変形例4の各表示装置の配置を示す遊技盤正面図である。
図26は、遊技盤30の正面側(表側)の概略を図示したものである。前述したように、遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた遊技領域32が形成され、遊技領域32の中央付近には、表示装置41の表示領域の周囲を囲うセンターケース(遊技演出構成体)40が配置され、遊技領域32の底部にはアウト口30aが設けられている。また、遊技盤30における遊技領域32の外側には、遊技制御装置100によって制御される一括表示装置50が設けられている。
表示装置41は、前述したようにLCD等の装置で構成され、演出制御装置300の制御により、演出用の識別情報である飾り特図の変動表示などを表示領域にておこなう第1の表示手段に相当し、遊技者が最も注目する演出用のメインの表示装置である。表示装置41の表示領域は、前述したようにセンターケース40内(遊技領域32のほぼ中央)に配設されている。
そして、たとえば図26(1)に示すように遊技盤30の前面にLED表示装置530が配設されている。LED表示装置530は、演出制御装置300の制御により、特図の変動表示の実行状態を報知する表示(いわゆる第4図柄の表示)などをおこなう第2の表示手段に相当し、演出用のサブの表示装置である。
LED表示装置530は、遊技盤30の前面における遊技領域32内(たとえばセンターケース40の外)に配設され、一括表示装置50よりも表示装置41の表示領域に近い位置に設けられる。なお、一括表示装置50が遊技領域32外に配設されているのに対して、LED表示装置530は遊技領域32内に配設される。これにより、LED表示装置530は、遊技制御装置100の制御によっていわゆる本特図(演出用の飾り特図ではない特図)を表示する本特図表示手段である一括表示装置50とは明確に区別される。
また表示装置41は、遊技者向けの演出用の飾り特図を表示する飾り特図表示手段であり、LED表示装置530は、表示装置41の表示を補助するものということができ、いわゆる第4図柄(特図の変動状態を示す情報)を表示する第4図柄表示手段である。LED表示装置530は、LEDの点灯態様により各種状態表示(各種情報報知)をおこなう。たとえば、LED表示装置530は、LEDの動作態様により、特図1ゲーム(特図1の変動表示ゲームを意味する。以下同様)における図柄の変動状態、特図2ゲーム(特図2の変動表示ゲームを意味する。以下同様)における図柄の変動状態、特図1ゲームにおける保留数(特図1の変動表示ゲームが未実行で残っている特図1の始動記憶の数であり、特図1の保留記憶数や始動記憶数と称することもある)、特図2ゲームにおける保留数(特図2の変動表示ゲームが未実行で残っている特図2の始動記憶の数であり、特図2の保留記憶数や始動記憶数と称することもある)を表示する。
LED表示装置530は、図4に示した演出制御装置関連の構成においては、盤装飾LED制御回路332が駆動制御する盤装飾装置46に相当し、この盤装飾装置46を構成する複数の機器のうちの一つの表示装置(表示ユニット)である。
LED表示装置530は、このLED表示装置530の表示(第4図柄としての表示など)を遊技者が常に視認可能となるように、役物の可動部が動いた場合などでも常に前面側から見える位置(たとえば遊技盤上の他の要素や役物の可動部などによって前面を覆われることがない位置)に配置される。
LED表示装置530は、表示装置41からの視線の移動距離を少なくする観点からは、表示装置41の表示領域により近い位置に配置するのが望ましく、たとえば図26(2)に示すようにセンターケース40の前面に配設してもよい。これにより、表示装置41の表示とLED表示装置530の表示の両方を遊技者が見易くなる。またLED表示装置530は、好ましくは、遊技領域32内を流下する遊技球がこのLED表示装置530の表示面の前面側を流れない位置、すなわち、遊技球によってLED表示装置530の表示が一時的にも遮られることのない位置に配設することが望ましい。これにより、このLED表示装置530の表示(第4図柄としての表示など)を遊技者が常に視認容易となる。
本実施形態の遊技機10は、このように表示装置41(第1の表示手段)とは別個に異なる位置に配設されたLED表示装置530(第2の表示手段)によって第4図柄としての表示などをおこなう。このため、表示装置41の表示状態や表示装置41の表示領域を覆う可動範囲を有する役物の可動部の作動状態に無関係に、LED表示装置530による第4図柄としての表示などを常に確実に観察者(遊技者など)に見せることができる。
なお、従来の遊技機では、メインの表示装置41の表示領域の一部(表示画面の一部)において第4図柄としての表示をおこなうことがあったが、この場合には、表示装置41の表示領域に表示する他の画像に対して優先的に第4図柄を表示する制御が必要になるとともに、この第4図柄の表示をおこなう表示領域の箇所の前面には役物の可動部を動かすことができないという問題があった。しかし、本実施形態の遊技機10は、表示装置41とは別個に異なる位置に配設されたLED表示装置530によって第4図柄としての表示などをおこなうため、この問題が解消され、表示装置41にて第4図柄の表示をおこなう必要がなくなり、表示装置41での表示の自由度が向上するとともに、表示装置41の表示領域全体を役物の可動部で一時的に遮蔽するなどの演出も可能となる。
なお、上述した第1の実施形態(変形例を含む)において遊技機10は、保留記憶表示を非表示とするとして説明したがこれに限らない。たとえば、遊技機10は、保留記憶表示を非表示とする演出に替えて、保留記憶表示をエフェクトや所定画像などを用いて視認困難とする演出をおこなってもよい。
たとえば、上記実施形態においては、遊技機10は、リーチ中(たとえば、表示画面519)に非表示(第1の非表示)をおこなうとしたが、リーチ中にエフェクトや所定画像(リーチ演出)で保留記憶表示が視認困難となる場合、エフェクトや所定画像によって視認困難となる前後で保留変化に関する演出を実行してもよい。
また、遊技機10は、リーチ中およびリーチ前の保留表示態様の視認性を低下させる場合、リーチ中の保留表示態様の視認性をリーチ前の保留表示態様の視認性よりも低下させることで視認困難としてもよい。たとえば、リーチ前の状態において保留記憶表示の透過率が30%であるとき、リーチ中に透過率を30%以上の値(たとえば、70%)とすることで視認困難としてもよいし、リーチ前の状態において保留記憶表示の一部の領域が他の表示と重なっているとき、リーチ中に重なる領域を多くして視認困難としてもよい。
また、遊技機10は、リーチ前の保留記憶表示を半透明(視認性が低い表示)とし、リーチ中の保留記憶表示を非表示としてもよい。また、遊技機10は、リーチ前の保留記憶表示を非表示とし、リーチ中の保留記憶表示を半透明(視認性が低い表示)としてもよい。
また、遊技機10は、リーチ前に保留記憶表示を複数回非表示と、半透明(視認性が低い表示)とを繰り返し、リーチ中に非表示または半透明(視認性が低い表示)になるような演出を実行してもよい。
なお、遊技機10は、変更演出の成功により保留待機表示態様を第1の態様から第2の態様に第1のタイミングで変更(図15の演出フローF5)し、変更演出の失敗により保留待機表示態様を第1の態様から第2の態様と異なる第3の態様に表示切替を挟んで第1のタイミングに遅れた第2のタイミングで変更(図15の演出フローF6〜F12)するとき、保留待機表示態様が第2の態様の特定演出態様または第3の態様の特定演出態様で表示された状態で、保留消化表示態様の表示と非表示とを切り替えるようにしてもよい。ここで、特定演出態様とは、特定の演出態様であり、たとえばアニメーションや移動表示、回転表示等の動的表示態様を含む。「保留待機表示態様が第2の態様の特定演出態様で表示された状態」とは、保留待機表示態様が第2の態様であることを認識可能にしながら、保留待機表示態様を特別に演出する状態をいう。たとえば、後述する図22に示したような、保留変化演出の演出態様として示した演出モチーフ等は、特定演出態様の一形態を示す。また、後述する図32に示すような、表示態様「留」が傾きながらシフトする移動表示や、表示態様「留」が回転しながらシフトする回転表示等は、特定演出態様の一形態を示す。また、後述する図43に示すような、けん玉の「けん」のような表示態様もまた特定演出態様の一形態を示す。なお、「保留待機表示態様が第2の態様であることを認識可能にしながら」とは、保留待機表示態様が第2の態様であることを認識可能であればよく、たとえば、第2の態様の形状や色彩等の他の態様と区別可能な特徴を保持しながら表示態様(位置や形状、色彩、大きさ等)を変化させることをいう。なお、「保留待機表示態様が第2の態様の特定演出態様で表示された状態」について説明したが、「保留待機表示態様が第3の態様の特定演出態様で表示された状態」についても同様とすることができる。
なお、遊技機10は、保留待機表示態様が第2の態様の特定演出態様または第3の態様の特定演出態様で表示された状態で、保留消化表示態様の表示と非表示とを切り替えたとき、特定演出態様を保留シフトするときにも継続するようにしてもよい。このとき、遊技機10は、保留シフト前の特定演出態様と保留シフト中の特定演出態様とを違えるようにしてもよい。
また、遊技機10は、保留待機表示態様が第2の態様の特定演出態様または第3の態様の特定演出態様で表示された状態で、保留消化表示態様の表示と非表示とを切り替えたとき、特定演出態様を保留シフト中からおこなって継続するようにしてもよい。このとき、遊技機10は、保留シフト中の特定演出態様と保留シフト後の特定演出態様とを違えるようにしてもよい。
また、遊技機10は、保留シフト前の特定演出態様と保留シフト後の特定演出態様とを同じにしてもよいし、違えるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、保留シフト前の特定演出態様を保留待機表示の回転表示とし、保留シフト後の特定演出態様を保留待機表示の揺れ表示としてもよい。また、遊技機10は、所定条件(先読み予告の有無や、RTCの出力値が所定値である、遊技状態が所定状態である等)に応じて特定演出態様を選択するようにしてもよい。
なお、遊技機10は、保留消化表示態様についても特定演出態様としてもよく、その場合に保留消化表示態様の特定演出態様と保留待機表示態様の特定演出態様とを同じにしてもよいし、異なるものとしてもよい。
上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果に関連して始動記憶の保留表示態様を変更して保留予告演出を実行可能な遊技機であって、変動開始前の始動記憶を所定の保留待機表示態様で表示する保留待機表示手段(保留表示505,演出制御装置300,表示装置41)と、変動開始後の始動記憶を所定の保留消化表示態様で表示する保留消化表示手段(保留消化表示506,演出制御装置300,表示装置41)と、保留消化表示態様を非表示にする保留消化非表示手段(演出制御装置300,表示装置41)と、保留待機表示態様を非表示にする保留待機非表示手段(演出制御装置300,表示装置41)と、保留待機表示態様または保留消化表示態様を変更する保留表示態様変更手段(演出制御装置300,表示装置41)と、保留消化表示態様の表示と非表示とを切り替える第1切替を制御する保留消化表示切替制御手段(演出制御装置300,表示装置41)と、保留待機表示態様の表示と非表示とを切り替える第2切替を制御する保留待機表示切替制御手段(演出制御装置300,表示装置41)と、を含み、保留表示態様変更手段は、変更演出の成功により保留待機表示態様または保留消化表示態様について第1の態様から第2の態様に即時変更(図15の演出フローF5)し、変更演出の失敗により保留待機表示態様または保留消化表示態様を第1の態様から第2の態様と異なる第3の態様に第1切替と第2切替のうち少なくとも一方を挟んで遅延変更する(図15の演出フローF6〜F12)。
(2)(1)の遊技機10は、保留待機表示態様または保留消化表示態様について第1の態様から第2の態様へと変更を示唆する示唆演出(図15の演出フローF3)を実行する示唆演出実行手段(演出制御装置300,表示装置41)を備える。
(3)(2)の示唆演出実行手段は、保留待機表示態様または保留消化表示態様について変動表示ゲームにおける図柄変動中に示唆演出を実行する(図15)。
(4)(2)の示唆演出実行手段は、保留待機表示態様または保留消化表示態様について変動表示ゲームにおける図柄停止中に示唆演出を実行する(図23,24)。
(5)(1)の保留表示態様変更手段は、変更演出の失敗により保留待機表示態様または保留消化表示態様を第3の態様に遅延変更した後に第2の態様に変更する。
(6)(1)の第1切替は、変更演出の失敗から第2の態様へと遅延変更するまでの間において保留消化表示態様を第1のタイミングで非表示にし(図21のタイミングt2)、第2のタイミングで表示し(図21のタイミングt3)、第3のタイミングで非表示にし(図21のタイミングt4)、第4のタイミングで表示し(図21のタイミングt5)、第2切替は、変更演出の失敗から第2の態様へと遅延変更するまでの間において保留待機表示態様を第5のタイミングで非表示にし(図21のタイミングt2)、第6のタイミングで表示する(図21のタイミングt3)。
(7)(6)の第1のタイミングと第5のタイミングは同じタイミングである。
(8)(6)の第2のタイミングと第6のタイミングは同じタイミングである。
(9)遊技機10は、変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果に関連して始動記憶の保留表示態様を変更して保留予告演出を実行可能な遊技機であって、変動開始前の始動記憶を所定の保留待機表示態様で表示する保留待機表示手段(保留表示505,演出制御装置300,表示装置41)と、変動開始後の始動記憶を所定の保留消化表示態様で表示する保留消化表示手段(保留消化表示506,演出制御装置300,表示装置41)と、保留消化表示態様を非表示にする保留消化非表示手段(演出制御装置300,表示装置41)と、保留待機表示態様を非表示にする保留待機非表示手段(演出制御装置300,表示装置41)と、保留待機表示態様または保留消化表示態様を変更する保留表示態様変更手段(演出制御装置300,表示装置41)と、保留消化表示態様の表示と非表示とを切り替える表示切替を制御する保留消化表示切替制御手段(演出制御装置300,表示装置41)と、を含む。保留表示態様変更手段は、変更演出の成功により保留待機表示態様を第1の態様から第2の態様に第1のタイミングで変更(図15の演出フローF5)可能であり、変更演出の失敗により保留待機表示態様を第1の態様から第2の態様と異なる第3の態様に表示切替を挟んで第1のタイミングに遅れた第2のタイミングで変更(図15の演出フローF6〜F12)可能である。保留消化表示切替制御手段は、保留待機表示態様が第2の態様の特定演出態様または第3の態様の特定演出態様で表示された状態で、保留消化表示態様の表示と非表示とを切り替える。
(10)遊技機10は、変動表示ゲームの実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果に関連して始動記憶の保留表示態様を変更して保留予告演出を実行可能な遊技機であって、変動開始前の始動記憶を所定の保留待機表示態様で表示する保留待機表示手段(保留表示505,演出制御装置300,表示装置41)と、変動開始後の始動記憶を所定の保留消化表示態様で表示する保留消化表示手段(保留消化表示506,演出制御装置300,表示装置41)と、保留消化表示態様を非表示にする保留消化非表示手段(演出制御装置300,表示装置41)と、保留待機表示態様を非表示にする保留待機非表示手段(演出制御装置300,表示装置41)と、保留待機表示態様または保留消化表示態様を変更する保留表示態様変更手段(演出制御装置300,表示装置41)と、保留消化表示態様の表示と非表示とを切り替える第1切替を制御する保留消化表示切替制御手段(演出制御装置300,表示装置41)と、保留待機表示態様の表示と非表示とを切り替える第2切替を制御する保留待機表示切替制御手段(演出制御装置300,表示装置41)と、を含み、保留表示態様変更手段は、特定演出が第1演出態様となることによって保留待機表示態様または保留消化表示態様について第1の態様から第2の態様に第1のタイミングで変更(図15の演出フローF5)し、特定演出が第1演出態様と異なる第2演出態様となることによって保留待機表示態様または保留消化表示態様を第1の態様から第2の態様と異なる第3の態様に第1切替と第2切替のうち少なくとも一方を挟んで第1のタイミングに遅れた第2のタイミングで変更する(図15の演出フローF6〜F12)。
(11)(9)の保留表示態様変更手段が変更演出の成功により保留待機表示態様を第1の態様から第2の態様に第1のタイミングで変更(図15の演出フローF5)し、変更演出の失敗により保留待機表示態様を第1の態様から第2の態様と異なる第3の態様に表示切替を挟んで第1のタイミングに遅れた第2のタイミングで変更(図15の演出フローF6〜F12)するとき、保留消化表示切替制御手段は、保留待機表示態様が第2の態様の特定演出態様または第3の態様の特定演出態様で表示された状態で、保留消化表示態様の表示と非表示とを切り替える。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態を図面にもとづいて説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。第2の実施形態の遊技機10は、始動記憶の表示態様切替演出を実行可能である。図27は、第2の実施形態の始動記憶の表示態様切替演出の概略を示す図である。
図27(1)に始動記憶の表示態様切替演出を実行可能な実行手段の概略構成の一例を示す。遊技制御装置100は、ゲーム(たとえば、変動表示ゲーム等)の実行制御をおこなう。遊技制御装置100は、、所定のコマンドを演出制御装置300に送信してゲームに対応する演出制御をおこなわせる。演出制御装置300は、遊技制御装置100からコマンドを受信して、受信したコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、受信したコマンドに対応する演出表示を表示装置41に表示させる。より具体的には、演出制御装置300は、ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の表示態様で表示装置41に表示させる。
演出制御装置300は、表示装置41に表示させる始動記憶の保留表示態様を、遊技制御装置100から受信したコマンドにもとづいて変更可能である。なお、始動記憶の保留表示は、未だ開始されていないゲームの保留表示となる保留待機表示と、実行中のゲームの保留表示となる保留消化表示とを含む。
演出制御装置300は、表示装置41に表示させる始動記憶の保留表示態様を変更させるとき、制御状態(たとえば、制御状態Aと制御状態B)に応じて始動記憶の保留表示態様の変更態様を違える。たとえば図27(2)に示すように、演出制御装置300は、タイミングt0で遊技制御装置100から所定のコマンドを受信したとき、演出制御装置300の制御状態が制御状態Aであるときに、タイミングt1で表示装置41に表示させる始動記憶の保留表示態様を表示態様A1から表示態様A2に変更させる。また、演出制御装置300は、タイミングt0で遊技制御装置100から所定のコマンドを受信したとき、演出制御装置300の制御状態が制御状態Bであるときに、表示装置41に表示させる始動記憶の保留表示態様を表示態様Bのままとしてタイミングt1で表示態様の変更をおこなわない。
これにより、遊技機10は、演出制御装置300が遊技制御装置100から同じコマンドを受信していても、演出制御装置300の制御状態に応じて保留演出態様を違えることができる。このような遊技機10は、斬新な保留演出による一層の興趣向を図ることできる。
なお、所定のコマンドは、変動表示コマンド、停止図柄コマンド、保留数コマンドなどがあるが、その他のコマンドであってもよい。また、演出制御装置300の制御状態は、演出モード(たとえば、モードA、モードB等)、設定値(たとえば、設定「1」、設定「2」、…等)、確率変動状態(低確率状態、高確率状態等)、普電サポート状態(普電サポートあり、普電サポートなし等)がある。演出制御装置300の制御状態は、遊技者にとって区別容易なもの(たとえば、演出モード、普電サポート状態等)に限らず、遊技者にとって区別容易でないもの(たとえば、確率変動状態、設定値等)であってもよい。
次に、演出モードの違いによる保留演出態様の違いについて図28および図29を用いて説明する。図28は、第2の実施形態の表示装置が表示する画面の一例(その1)を示す図である。図29は、第2の実施形態の表示装置が表示する画面の一例(その2)を示す図である。
図28(1)に示す表示画面600は、演出モードAにおける表示装置41の表示内容である。表示画面600は、大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606を表示内容に含む。大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606は、それぞれ演出モードAに対応する表示態様である。
大図柄群601は、特図1図柄表示部53または特図2図柄表示部54(図5参照)に対応する飾り図柄の1つで興趣向上を目的として遊技演出を担当する。大図柄群601は、を表示画面600の略中央部に大きく表示される。大図柄群601は、演出モードAに対応する左図柄と中図柄と右図柄とを含む。演出モードAに対応する左図柄と中図柄と右図柄は、矩形の背景の枠内に各図柄を識別可能なイメージ(たとえば、四角形、三角形、星形)を含み、矩形の背景の枠に重なるように各図柄を識別可能な文字(たとえば、数字「3」、数字「5」、数字「7」)を含む。表示画面600の大図柄群601における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
小図柄群602は、特図1図柄表示部53または特図2図柄表示部54に対応する飾り図柄の1つで遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。小図柄群602は、大図柄群601による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように周縁部に小さく表示される。小図柄群602は、演出モードAに対応する左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面600の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数(始動記憶数)を表示する。特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面600の特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数「4」を示し、表示画面600の特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数「0」を示す。
保留待機表示605は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留待機表示605が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示603が表示する保留記憶数または特図2保留数表示604が表示する保留記憶数に相当する。たとえば、遊技機10は、特図1ゲームによる遊技進行状態(たとえば、普電サポート状態でないとき(左打ち遊技))において特図1保留数表示603が表示する保留記憶数を保留待機表示605に表示し、特図2ゲームによる遊技進行状態(たとえば、普電サポート状態であるとき(右打ち遊技))において特図2保留数表示604が表示する保留記憶数を保留待機表示605に表示する。なお、保留待機表示605が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示603が表示する保留記憶数と特図2保留数表示604が表示する保留記憶数の和に相当するものであってもよい。表示画面600の保留待機表示605は、特図1ゲームの保留記憶数「4」を示す。
保留消化表示606は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面600の保留消化表示606は、特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
図28(2)に示す表示画面610は、演出モードAにおける表示装置41の表示内容である。表示画面610は、大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606を表示内容に含む。大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606は、それぞれ演出モードAに対応する表示態様である。
表示画面610の大図柄群601における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。表示画面610の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
表示画面610の特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数「3」を示し、表示画面610の特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数「0」を示す。表示画面610の保留待機表示605は、特図1ゲームの保留記憶数「3」を示す。表示画面610の保留消化表示606は、特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。
図28(3)に示す表示画面611は、演出モードAにおける表示装置41の表示内容であり、表示画面610より遅れたタイミングの表示画面である。表示画面611は、大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604を表示内容に含む。大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604とは、それぞれ演出モードAに対応する表示態様である。
表示画面611の大図柄群601における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。表示画面611の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
表示画面611の特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数「3」を示し、表示画面611の特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数「0」を示す。
表示画面611は、表示画面610と比較して保留待機表示605と保留消化表示606を表示内容に含まない点で相違する。すなわち、表示画面611は、表示画面610における演出モードAの表示態様(たとえば、表示態様A1)を演出モードAの他の表示態様(たとえば、表示態様A2)に切り替えた後の表示画面を示す。
図29(1)に示す表示画面612は、演出モードBにおける表示装置41の表示内容である。表示画面612は、大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606を表示内容に含む。大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606は、それぞれ演出モードBに対応する表示態様である。
大図柄群601は、特図1図柄表示部53または特図2図柄表示部54(図5参照)に対応する飾り図柄の1つで興趣向上を目的として遊技演出を担当する。大図柄群601は、を表示画面612の略中央部に大きく表示される。大図柄群601は、演出モードBに対応する左図柄と中図柄と右図柄とを含む。演出モードBに対応する左図柄と中図柄と右図柄は、各図柄を識別可能な文字(たとえば、漢数字「三」、漢数字「五」、漢数字「七」)だけからなる。表示画面612の大図柄群601における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
なお、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604は、演出モードAと共通の表示態様かつ同様の機能であるため説明を省略するが、同様の機能を有するものであれば異なる表示態様であってもよい。
演出モードBに対応する保留待機表示605は、演出モードAに対応する保留待機表示605と異なる表示態様かつ同様の機能であるため、保留待機表示605の機能についての説明を省略する。演出モードBに対応する保留待機表示605は、漢字によって表される表示態様「留」により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面612の保留待機表示605は、特図1ゲームの保留記憶数「4」を示す。
演出モードBに対応する保留消化表示606は、演出モードAに対応する保留待機表示605と異なる表示態様かつ同様の機能であるため、保留待機表示605の機能についての説明を省略する。演出モードBに対応する保留消化表示606は、漢字によって表される表示態様「解」により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面612の保留消化表示606は、特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
図29(2)に示す表示画面613は、演出モードBにおける表示装置41の表示内容である。表示画面613は、大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606を表示内容に含む。大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606は、それぞれ演出モードBに対応する表示態様である。
表示画面613の大図柄群601における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。表示画面613の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
表示画面613の特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数「3」を示し、表示画面613の特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数「0」を示す。表示画面613の保留待機表示605は、特図1ゲームの保留記憶数「3」を示す。表示画面613の保留消化表示606は、特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。
図29(3)に示す表示画面614は、演出モードBにおける表示装置41の表示内容であり、表示画面613より遅れたタイミングの表示画面である。表示画面614は、大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606を表示内容に含む。大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604とは、それぞれ演出モードBに対応する表示態様である。
表示画面614の大図柄群601における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。表示画面614の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
表示画面614の特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数「3」を示し、表示画面614の特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数「0」を示す。表示画面614の保留待機表示605は、特図1ゲームの保留記憶数「3」を示す。表示画面614の保留消化表示606は、特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。
表示画面614は、表示画面613と比較して表示内容に変わるところがない。すなわち、表示画面614は、表示画面613における演出モードBの表示態様(たとえば、表示態様B1)を切り替えずに継続している表示画面を示す。
このように、遊技機10は、演出制御装置300が遊技制御装置100から同じコマンド(変動表示コマンド)を受信していても、演出制御装置300の制御状態(演出モード)に応じて保留演出態様(表示態様切替の有無)を違えることができる。このような遊技機10は、斬新な保留演出による一層の興趣向上を図ることができる。
次に、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドを受信しておこなう保留演出における制御状態ごとの保留演出態様について図30を用いて説明する。図30は、第2の実施形態の変動表示コマンドと制御状態と保留演出態様の対応表の一例を示す図である。
図30(1)に示す表は、変動表示コマンドの受信による変動表示開始時の保留シフトにおける保留表示態様を、制御状態別に示すものである。たとえば、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの制御状態が制御状態SAであったとき、演出制御装置300は、表示装置41においてシフトタイムラグなしに、すなわち遅滞なく保留待機表示を「1」デクリメントし、保留待機表示の1つを保留消化表示にシフトする。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの制御状態が制御状態SBであったとき、演出制御装置300は、表示装置41においてシフトタイムラグAで、すなわち遅延時間STa(たとえば、200ms)を設定して保留待機表示を「1」デクリメントし、保留待機表示の1つを保留消化表示にシフトする。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの制御状態が制御状態SCであったとき、演出制御装置300は、表示装置41においてシフトタイムラグBで、すなわち遅延時間STb(たとえば、400ms)を設定して保留待機表示を「1」デクリメントし、保留待機表示の1つを保留消化表示にシフトする。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの制御状態が制御状態SDであったとき、演出制御装置300は、表示装置41においてシフトタイムラグCで、すなわち遅延時間STc(たとえば、600ms)を設定して保留待機表示を「1」デクリメントし、保留待機表示の1つを保留消化表示にシフトする。
なお、制御状態SA,SB,SC,SDは、それぞれモードA,B,C,Dの演出モードに対応するが、設定値(たとえば、設定「1」、設定「2」、…等)、確率変動状態(低確率状態、高確率状態等)、普電サポート状態(普電サポートあり、普電サポートなし等)、その他状態、あるいはこれらの組合せ状態であってもよい。
図30(2)に示す表は、変動表示コマンドの受信による変動表示中における保留表示態様を、制御状態別に示すものである。たとえば、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCAを受信したときの制御状態が制御状態SAであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において非表示タイミングなしに保留待機表示と保留消化表示とを表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCAを受信したときの制御状態が制御状態SBであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において非表示タイミングなしに保留待機表示を表示し、非表示タイミングを設けて保留消化表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCAを受信したときの制御状態が制御状態SCであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において非表示タイミングなしに保留消化表示を表示し、非表示タイミングを設けて保留待機表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCAを受信したときの制御状態が制御状態SDであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において非表示タイミングを設けて保留待機表示と保留消化表示を表示する。
なお、非表示タイミングは、変動表示コマンドHCAの受信にもとづく変動表示開始から変動表示停止までの所定期間に1回以上設定される。また、制御状態SDにおける保留待機表示の非表示タイミングと保留消化表示の非表示タイミングとは、同一のタイミングであってもよいし、異なるタイミングであってもよいし、非表示回数が同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCBを受信したときの制御状態が制御状態SAであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において表示態様切替なしに保留待機表示と保留消化表示とを表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCBを受信したときの制御状態が制御状態SBであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において表示態様切替なしに保留待機表示を表示し、表示態様切替を設定して保留消化表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCBを受信したときの制御状態が制御状態SCであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において表示態様切替なしに保留消化表示を表示し、表示態様切替を設定して保留待機表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCBを受信したときの制御状態が制御状態SDであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において表示態様切替を設定して保留待機表示と保留消化表示とを表示する。
なお、表示態様切替は、変動表示コマンドHCBの受信にもとづく変動表示開始から変動表示停止までの所定期間に1回以上設定される。また、制御状態SDにおける保留待機表示の表示態様切替タイミングと保留消化表示の表示態様切替タイミングとは、同一のタイミングであってもよいし、異なるタイミングであってもよいし、表示態様切替回数が同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
なお、変動表示コマンドHC,HCA,HCBは、単独のコマンドであってもよいし、一連のコマンドであれば2以上のコマンドを含むものであってもよい。たとえば、変動表示コマンドHCは、変動表示コマンドと変動表示コマンドに付随する保留数コマンドを含むものであってもよい。
このようにして、遊技機10は、演出制御装置300が遊技制御装置100から同じ変動表示コマンドを受信しても、演出制御装置300における制御状態に応じて異なる保留演出をおこなうことができる。
次に、変動表示コマンドの受信による変動表示開始時の保留シフトにおける保留表示態様切替タイミングについて図31を用いて説明する。図31は、第2の実施形態の制御状態ごとの保留シフトのタイミングチャートの一例を示す図である。
演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数(保留数)が「3」であったとき、制御状態が制御状態SAであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0でシフトタイムラグなしに始動記憶数を「2」に切り替える。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数が「3」であったとき、制御状態が制御状態SBであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0に遅延時間STa(たとえば、200ms)を設定してタイミングt1で始動記憶数を「2」に切り替える。このとき、演出制御装置300は、遅延時間STaを用いて始動記憶数「3」から「2」への切替表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数が「3」であったとき、制御状態が制御状態SCであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0に遅延時間STb(たとえば、400ms)を設定してタイミングt2で始動記憶数を「2」に切り替える。このとき、演出制御装置300は、遅延時間STbを用いて始動記憶数「3」から「2」への切替表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数が「3」であったとき、制御状態が制御状態SDであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0に遅延時間STc(たとえば、600ms)を設定してタイミングt3で始動記憶数を「2」に切り替える。このとき、演出制御装置300は、遅延時間STcを用いて始動記憶数「3」から「2」への切替表示を表示する。
なお、遊技機10は、演出制御装置300が切替表示を表示する間、表示装置41において保留待機表示605の始動記憶数(保留待機表示数)が不明確になるが、特図1保留数表示603や特図2保留数表示604によって明確性が担保される。また、遊技機10は、特図1保留数表示603や特図2保留数表示604によらずとも、遊技制御装置100が制御する一括表示装置50によっても保留待機表示数の明確性が担保される。
ここで、始動記憶数の切替時に遅延時間を設定しておこなう切替表示について図32を用いて説明する。図32は、第2の実施形態の表示装置が表示する画面の一例(その3)を示す図である。
図32(1)に示す表示画面615は、制御状態SBにおける始動記憶数の切替表示中の表示装置41の表示内容である。表示画面615は、大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606を表示内容に含む。
表示画面615の大図柄群601における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。表示画面615の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
表示画面615の特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数「2」を示し、表示画面615の特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数「0」を示す。表示画面615の保留待機表示605と保留消化表示606は、遅延時間STa(たとえば、200ms)を使って漢字によって表される表示態様「留」が傾きながらシフト中の様子を示す。このとき、表示画面615の保留待機表示605と保留消化表示606は、デフォルト位置に収まっておらず、始動記憶数(保留待機表示数)の明確性が必ずしも担保されていない状態となっているが、保留演出に対する興趣向上に寄与するものとなっている。
図32(2)に示す表示画面616は、制御状態SCにおける始動記憶数の切替表示中の表示装置41の表示内容である。表示画面616は、大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606を表示内容に含む。
表示画面616の大図柄群601における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。表示画面616の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
表示画面616の特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数「2」を示し、表示画面616の特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数「0」を示す。表示画面616の保留待機表示605と保留消化表示606は、遅延時間STb(たとえば、400ms)を使って漢字によって表される表示態様「留」が回転しながらシフト中の様子を示す。
このとき、表示画面616の保留待機表示605と保留消化表示606は、デフォルト位置に収まっておらず、始動記憶数(保留待機表示数)の明確性が必ずしも担保されていない状態となっているが、保留演出に対する興趣向上に寄与するものとなっている。
このようにして、遊技機10は、演出制御装置300が遊技制御装置100から同じ変動表示コマンドを受信しても、演出制御装置300における制御状態に応じて異なる保留演出をおこなうことができる。
なお、遊技機10は、保留待機表示605から保留消化表示606への保留表示シフト時間(待機外移動時間)と、保留待機表示605の内部における保留表示シフト時間(待機内移動時間)とは、同じであってもよいし、違えるようにしてもよい。遊技機10は、待機外移動時間と待機内移動時間とを違える場合、待機外移動時間を待機内移動時間よりも大きくして保留待機表示605から保留消化表示606への保留表示シフトに関する演出時間を確保してもよい。また、遊技機10は、待機外移動時間と待機内移動時間とを違える場合、待機外移動時間を待機内移動時間よりも小さくして保留待機表示605から保留待機表示605の内部における保留表示シフトに関する演出時間を確保してもよい。また、遊技機10は、待機内移動時間を大きくすることで、保留記憶数減少時の寂寥感を軽減する。
また、遊技機10は、待機外移動時間と待機内移動時間とのうち少なくともいずれか一方について、演出制御装置300の制御状態に応じて違えるようにしてもよい。なお、演出制御装置300の制御状態は、演出モード(たとえば、モードA、モードB等)、設定値(たとえば、設定「1」、設定「2」、…等)、確率変動状態(低確率状態、高確率状態等)、普電サポート状態(普電サポートあり、普電サポートなし等)がある。たとえば、遊技機10は、モードAにおける待機外移動時間をモードBにおける待機外移動時間よりも大きくしてもよい。これによれば、遊技機10は、消化保留に対してモードAにおいてモードBよりも遊技者の注意を大きくすることができる。また、遊技機10は、モードBにおける待機内移動時間をモードAにおける待機内移動時間よりも大きくしてもよい。これによれば、遊技機10は、待機保留に対してモードBにおいてモードAよりも遊技者の注意を大きくすることができる。また、遊技機10は、モードAにおける待機外移動時間>モードBにおける待機外移動時間>モードBにおける待機内移動時間>モードAにおける待機内移動時間のような関係を設定してもよく、このような関係によりモードごとの特徴付けをして興趣向上を図ることができる。
また、遊技機10は、保留待機表示605の内部における待機保留毎の保留表示シフト時間(保留毎待機内移動時間)を同じにしてもよいし、違えるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、「n」番目の待機保留の保留表示シフト時間よりも「n+1」番目の待機保留の保留表示シフト時間を大きくすることで、保留記憶数減少時の寂寥感を軽減する。また、遊技機10は、「n」番目の待機保留の保留表示シフト時間よりも「n+1」番目の待機保留の保留表示シフト時間を小さくすることで、保留待機表示605全体としての演出時間を確保しながらテンポよく保留記憶数減少を案内する。
また、遊技機10は、先読み予告における期待感の演出を消化保留や待機保留の表示態様でおこなうことに加えて、あるいはこれに代えて、消化保留や待機保留のシフト時間を通常シフト時間と異なる先読みシフト時間に変更しておこなうようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、通常シフト時間が200msのときに、先読みシフト時間を1000msとしてもよいし、先読みシフト時間を100msとしてもよい。これにより、遊技機10は、消化保留や待機保留のシフトによって斬新な先読み予告演出をおこなうことができる。また、遊技機10は、通常シフト時間よりも先読みシフト時間を大きくした場合に先読み予告演出を大きく確保することができる。
また、遊技機10は、保留表示シフトの際に保留表示(待機保留表示と消化保留表示とを含む)の表示態様を変化させて先読み予告演出をおこなう場合に、保留待機表示605から保留消化表示606への保留表示シフト(待機外移動)と、保留待機表示605の内部における保留表示シフト(待機内移動)とで、保留表示の表示態様の変化率や変化内容を違えるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、待機内移動の保留表示の表示態様の変化率よりも待機外移動の保留表示の表示態様の変化率を大きくしてもよく、これにより先読み予告演出の期待感の持続性を高めるようにしてもよい。
また、遊技機10は、保留表示シフトの際に保留表示の表示態様を変化させて先読み予告演出をおこなう場合に、演出制御装置300の制御状態に応じて保留表示の表示態様の変化率や変化内容を違えるようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、モードAにおいて待機内移動の保留表示の表示態様の変化率よりも待機外移動の保留表示の表示態様の変化率を大きくして、モードBにおいて待機外移動の保留表示の表示態様の変化率よりも待機内移動の保留表示の表示態様の変化率を大きくしてもよい。これによれば、遊技機10は、モードごとの特徴付けをして興趣向上を図ることができる。
次に、非表示タイミングのある保留待機表示と保留消化表示、および表示態様切替のある保留待機表示と保留消化表示について図33を用いて説明する。図33は、第2の実施形態の保留演出態様の一例を示す図である。図33(1)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、保留待機表示605が表示態様「留」を表示し、保留消化表示606が表示態様「解」を表示する。
図33(2)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、保留待機表示605が非表示中で、保留消化表示606が表示態様「解」を表示する。すなわち、図33(2)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、保留待機表示605について非表示タイミングがあることを示す。
図33(3)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、保留待機表示605が表示態様「留」を表示し、保留消化表示606が非表示中である。すなわち、図33(3)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、保留消化表示606について非表示タイミングがあることを示す。
図33(4)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、ともに非表示中である。すなわち、図33(4)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、保留待機表示605と保留消化表示606について重複するタイミングで非表示タイミングがあることを示す。
図33(5)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、保留待機表示605が表示態様「留」を表示し、保留消化表示606が表示態様「怪」を表示する。すなわち、図33(5)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、図33(1)に示す保留待機表示605と保留消化表示606と比較して、保留消化表示606について表示態様切替があることを示す。
図33(6)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、保留待機表示605が表示態様「竜」を表示し、保留消化表示606が表示態様「解」を表示する。すなわち、図33(6)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、図33(1)に示す保留待機表示605と保留消化表示606と比較して、保留待機表示605について表示態様切替があることを示す。
図33(7)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、保留待機表示605が表示態様「竜」を表示し、保留消化表示606が表示態様「怪」を表示する。すなわち、図33(7)に示す保留待機表示605と保留消化表示606は、図33(1)に示す保留待機表示605と保留消化表示606と比較して、保留待機表示605と保留消化表示606について重複するタイミングで表示態様切替があることを示す。
次に、変動表示コマンドの受信による変動表示中の保留待機表示または保留消化表示の非表示タイミングについて図34を用いて説明する。図34は、第2の実施形態の制御状態ごとの始動記憶の保留表示の表示/非表示切替のタイミングチャートの一例を示す図である。
演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCAを受信したときの始動記憶数(保留数)が「3」であったとき、変動表示コマンドHCAを受信したタイミングt0で始動記憶数を「2」に切り替える。
演出制御装置300は、制御状態が制御状態SAであれば、変動表示コマンドHCAの変動表示開始から変動表示終了までを通じて非表示タイミングを設定することなく保留待機表示605と保留消化表示606とを表示する。なお、演出制御装置300は、制御状態が制御状態SAであれば、変動表示コマンドHCAの受信の前後を通じて非表示タイミングを設定することなく保留待機表示605と保留消化表示606とを表示するようにしてもよい。
また、演出制御装置300は、制御状態が制御状態SD1であれば、非表示時間ND1(たとえば、400ms)を設定して変動表示コマンドHCAを受信したタイミングt0からタイムアップするタイミングt1まで保留待機表示605と保留消化表示606とを非表示とする。
また、演出制御装置300は、制御状態が制御状態SD2であれば、非表示時間ND2(たとえば、400ms)を設定して変動表示コマンドHCAの受信タイミングt0に遅延したタイミングt2からタイムアップするタイミングt3まで保留待機表示605と保留消化表示606とを非表示とする。
このようにして、演出制御装置300は、制御状態に応じて非表示タイミングの有無を設定することができるほか、異なる態様の非表示タイミングを設定することができる。なお、異なる態様の非表示タイミングは、非表示時間の相違、非表示開始タイミングの相違、非表示終了タイミングの相違、非表示回数の相違によって実現することができ、表示状態と非表示状態との切替におけるエフェクトや演出の相違によって実現するものであってもよい。また、制御状態SD1と制御状態SD2とは異なる制御状態である。また、非表示時間ND1と非表示時間ND2は、同じ時間であってもよいし、異なる時間であってもよい。
次に、変動表示コマンドの受信による変動表示中の保留待機表示または保留消化表示の表示態様切替について図35を用いて説明する。図35は、第2の実施形態の制御状態ごとの始動記憶の保留表示の表示態様切替のタイミングチャートの一例を示す図である。
演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCBを受信したときの始動記憶数(保留数)が「3」であったとき、変動表示コマンドHCBを受信したタイミングt0で始動記憶数を「2」に切り替え、次の変動表示コマンドを受信したタイミングt2で始動記憶数を「1」に切り替える。
演出制御装置300は、制御状態が制御状態SAであれば、変動表示コマンドHCBの変動表示開始から変動表示終了までを通じて表示態様切替をおこなうことなく保留待機表示605と保留消化表示606とを表示する。なお、演出制御装置300は、制御状態が制御状態SAであれば、変動表示コマンドHCBの受信の前後を通じて表示態様切替をおこなうことなく保留待機表示605と保留消化表示606とを表示するようにしてもよい。
また、演出制御装置300は、制御状態が制御状態SDであれば、表示態様切替時間CD(たとえば、5000ms)を設定して変動表示コマンドHCBの受信タイミングt0に遅延したタイミングt1からタイムアップするタイミングt2まで保留待機表示605と保留消化表示606とについて表示態様切替をおこなう。
より具体的には、演出制御装置300は、制御状態が制御状態SAであれば、変動表示コマンドHCBの変動表示開始から変動表示終了までを通じて保留待機表示605と保留消化表示606の表示態様を表示態様Aとする。また、演出制御装置300は、制御状態が制御状態SDであれば、変動表示コマンドHCの変動表示開始からタイミングt1まで保留待機表示605と保留消化表示606の表示態様を表示態様B1とし、タイミングt1からタイミングt2まで保留待機表示605と保留消化表示606の表示態様を表示態様B2とし、タイミングt2以降の保留待機表示605と保留消化表示606の表示態様を表示態様B1とする。
このようにして、演出制御装置300は、制御状態に応じて異なる態様の表示態様切替をおこなうことができる。なお、異なる態様の表示態様切替は、表示態様切替時間の相違、表示態様切替開始タイミングの相違、表示態様切替終了タイミングの相違、表示態様切替回数の相違によって実現することができ、表示態様切替におけるエフェクトや演出の相違によって実現するものであってもよい。
次に、演出制御装置300が遊技制御装置100から停止図柄コマンドを受信しておこなう保留演出における制御状態ごとの保留演出態様について図36を用いて説明する。図36は、第2の実施形態の停止図柄コマンドと制御状態と保留演出態様の対応表の一例を示す図である。
図36に示す表は、停止図柄コマンドの受信による変動表示中における保留表示態様を、制御状態別に示すものである。たとえば、演出制御装置300が遊技制御装置100から停止図柄コマンドZCAを受信したとき、演出制御装置300は、制御状態に関わらず表示装置41において非表示タイミングなしに保留待機表示と保留消化表示とを表示する。なお、停止図柄コマンドZCAは、非チャンス目を指定する停止図柄コマンドである。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から停止図柄コマンドZCBを受信したときの制御状態が制御状態SAであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において非表示タイミングなしに保留待機表示と保留消化表示とを表示する。なお、停止図柄コマンドZCBは、チャンス目を指定する停止図柄コマンドである。チャンス目は、あらかじめ設定されるものであり、当該変動表示ゲームの結果に対する期待度の大きさや、先読み予告演出の期待度の大きさを案内する役割を果たす。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から停止図柄コマンドZCBを受信したときの制御状態が制御状態SBであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において非表示タイミングなしに保留待機表示を表示し、非表示タイミングを設けて保留消化表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から停止図柄コマンドZCBを受信したときの制御状態が制御状態SCであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において非表示タイミングなしに保留消化表示を表示し、非表示タイミングを設けて保留待機表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から停止図柄コマンドZCBを受信したときの制御状態が制御状態SDであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において非表示タイミングを設けて保留待機表示と保留消化表示を表示する。
なお、非表示タイミングは、停止図柄コマンドZCBの受信にもとづく変動表示開始から変動表示停止までの所定期間に1回以上設定される。また、制御状態SDにおける保留待機表示の非表示タイミングと保留消化表示の非表示タイミングとは、同一のタイミングであってもよいし、異なるタイミングであってもよいし、非表示回数が同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から停止図柄コマンドZCCを受信したときの制御状態が制御状態SAであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において表示態様切替なしに保留待機表示と保留消化表示とを表示する。なお、停止図柄コマンドZCCは、停止図柄コマンドZCBとは異なるチャンス目を指定する停止図柄コマンドである。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から停止図柄コマンドZCCを受信したときの制御状態が制御状態SBであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において表示態様切替なしに保留待機表示を表示し、表示態様切替を設定して保留消化表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から停止図柄コマンドZCCを受信したときの制御状態が制御状態SCであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において表示態様切替なしに保留消化表示を表示し、表示態様切替を設定して保留待機表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から停止図柄コマンドZCCを受信したときの制御状態が制御状態SDであったとき、演出制御装置300は、表示装置41において表示態様切替を設定して保留待機表示と保留消化表示とを表示する。
なお、表示態様切替は、停止図柄コマンドZCCの受信にもとづく変動表示開始から変動表示停止までの所定期間に1回以上設定される。また、制御状態SDにおける保留待機表示の表示態様切替タイミングと保留消化表示の表示態様切替タイミングとは、同一のタイミングであってもよいし、異なるタイミングであってもよいし、表示態様切替回数が同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
なお、停止図柄コマンドZCA,ZCB,ZCCは、単独のコマンドであってもよいし、一連のコマンドであれば2以上のコマンドを含むものであってもよい。たとえば、停止図柄コマンドZCA,ZCB,ZCCは、変動表示コマンドとともに一連のコマンドをなすものであってもよい。
このようにして、遊技機10は、演出制御装置300が遊技制御装置100から同じ停止図柄コマンドを受信しても、演出制御装置300における制御状態に応じて異なる保留演出をおこなうことができる。
ここで、停止図柄コマンドを受信しておこなう保留演出態様について図37と図38を用いて説明する。図37は、第2の実施形態の表示装置が表示する画面の一例(その4)を示す図である。図38は、第2の実施形態の表示装置が表示する画面の一例(その5)を示す図である。
図37(1)に示す表示画面620は、所定の演出モードにおける表示装置41の表示内容である。表示画面620は、大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606を表示内容に含む。大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606は、それぞれ所定の演出モードに対応する表示態様である。
表示画面620の大図柄群601における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。表示画面620の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが変動停止状態であることを示す。
表示画面620の特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数「3」を示し、表示画面620の特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数「0」を示す。表示画面620の保留待機表示605は、特図1ゲームの保留記憶数「3」を示す。表示画面620の保留消化表示606は、特図変動表示ゲームが変動表示状態であることを示す。
図37(2)に示す表示画面621は、表示画面620と比較して保留消化表示606を非表示にする点で相違する。このようにして、停止図柄コマンドを受信しておこなう保留演出態様について、変動表示中に保留待機表示605を表示して保留消化表示606を非表示とすることができる。
図37(3)に示す表示画面622は、表示画面620と比較して保留待機表示605を非表示にする点で相違する。このようにして、停止図柄コマンドを受信しておこなう保留演出態様について、変動表示中に保留消化表示606を表示して保留待機表示605を非表示とすることができる。
これにより、遊技機10は、チャンス目を表示する前からチャンス目を表示する期待感を演出することができる。なお、遊技機10は、停止図柄コマンドを受信しておこなう保留演出態様について、変動表示中に保留消化表示606と保留待機表示605とを非表示とするようにしてもよい。
図38(1)に示す表示画面623は、所定の演出モードにおける表示装置41の表示内容である。表示画面623は、大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604とを表示内容に含む。大図柄群601と、小図柄群602と、特図1保留数表示603と、特図2保留数表示604と、保留待機表示605と、保留消化表示606は、それぞれ所定の演出モードに対応する表示態様である。
表示画面623の大図柄群601における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。表示画面623の小図柄群602における左図柄と中図柄と右図柄は、対応する特図変動表示ゲームが図柄停止状態であることを示す。大図柄群601と小図柄群602は、チャンス目として左図柄に「七」、中図柄に「五」、右図柄に「三」を表示する。なお、チャンス目の表示は、大図柄群601と小図柄群602の両方でおこなうようにしてもよいし、いずれか一方でおこなうようにしてもよい。
表示画面623の特図1保留数表示603は、特図1ゲームの保留記憶数「3」を示し、表示画面623の特図2保留数表示604は、特図2ゲームの保留記憶数「0」を示す。表示画面623は、保留消化表示606と保留待機表示605とを非表示とする。なお、表示画面623は、図柄停止状態において保留消化表示606と保留待機表示605とを非表示とするとしたが、図柄停止前の仮停止状態において保留消化表示606と保留待機表示605とを非表示とするようにしてもよい。その場合、遊技機10は、図柄停止状態において保留待機表示605を表示するようにしてもよい。
図38(2)に示す表示画面624は、表示画面623と比較して保留消化表示606だけを非表示にする点で相違する。このようにして、停止図柄コマンドを受信しておこなう保留演出態様について、図柄停止状態において保留消化表示606を非表示にして保留待機表示605を表示することができる。なお、表示画面624は、図柄停止状態において保留消化表示606を非表示とするとしたが、図柄停止前の仮停止状態において保留消化表示606を非表示とするようにしてもよい。その場合、遊技機10は、図柄停止状態において保留待機表示605を表示するようにしてもよい。
図38(3)に示す表示画面625は、大図柄群601において特殊図柄を含むチャンス目を表示して保留消化表示606と保留待機表示605とを非表示とする。なお、停止図柄コマンドは、特殊図柄を含むチャンス目を表示可能な指示をおこなうものであればよく、具体的な特殊図柄を含むチャンス目の指示をおこなわないものであってもよい。
なお、特殊図柄は、通常の図柄と異なり、遊技進行を報知する役割を有する図柄である。たとえば、特殊図柄が報知する遊技進行は、実行予定の演出の種類、実行予定のリーチの種類、大当りの予告、大当りの種類の報知等がある。
次に、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数コマンドを受信しておこなう保留演出における制御状態ごとの保留演出態様について図39を用いて説明する。図39は、第2の実施形態の保留数コマンドと制御状態と保留演出態様の対応表の一例を示す図である。
図39に示す表は、保留数コマンドの受信による保留表示態様の更新演出を制御状態別に示すものである。たとえば、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数「0」を指定する保留数コマンドRCを受信したとき、演出制御装置300は、制御状態に関わらず表示装置41に表示する保留待機表示605がない。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数「1」から「3」を指定する保留数コマンドRCを受信したときに制御状態が制御状態SAであった場合、演出制御装置300は、表示装置41においてタイムラグなしに保留表示態様の更新演出をおこなう。ここでいう更新演出は、保留待機表示605が表示する保留数(始動記憶数)を「1」インクリメントする表示演出をいう。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数「1」から「3」を指定する保留数コマンドRCを受信したときに制御状態が制御状態SBであった場合、演出制御装置300は、表示装置41において更新タイムラグA1で、すなわち遅延時間UTa(たとえば、200ms)を設定して保留表示態様の更新演出をおこなう。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数「1」から「3」を指定する保留数コマンドRCを受信したときに制御状態が制御状態SCであった場合、演出制御装置300は、表示装置41において更新タイムラグB1で、すなわち遅延時間UTb(たとえば、400ms)を設定して保留表示態様の更新演出をおこなう。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数「1」から「3」を指定する保留数コマンドRCを受信したときに制御状態が制御状態SDであった場合、演出制御装置300は、表示装置41において更新タイムラグC1で、すなわち遅延時間UTc(たとえば、600ms)を設定して保留表示態様の更新演出をおこなう。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数「4」を指定する保留数コマンドRCを受信したときに制御状態が制御状態SAであった場合、演出制御装置300は、表示装置41においてタイムラグなしに保留表示態様の更新演出をおこなう。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数「4」を指定する保留数コマンドRCを受信したときに制御状態が制御状態SBであった場合、演出制御装置300は、表示装置41において更新タイムラグA2で、すなわち遅延時間UTa2(たとえば、250ms)を設定して保留表示態様の更新演出をおこなう。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数「4」を指定する保留数コマンドRCを受信したときに制御状態が制御状態SCであった場合、演出制御装置300は、表示装置41において更新タイムラグB2で、すなわち遅延時間UTb2(たとえば、450ms)を設定して保留表示態様の更新演出をおこなう。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数「4」を指定する保留数コマンドRCを受信したときに制御状態が制御状態SDであった場合、演出制御装置300は、表示装置41において更新タイムラグC2で、すなわち遅延時間UTc2(たとえば、650ms)を設定して保留表示態様の更新演出をおこなう。
このようにして、遊技機10は、演出制御装置300が遊技制御装置100から同じ保留数コマンドを受信しても、演出制御装置300における制御状態に応じて異なる遅延時間(時間値)で保留演出をおこなうことができる。また、遊技機10は、演出制御装置300が遊技制御装置100から異なる保留数コマンドを受信した場合に、演出制御装置300における異なる遅延時間(時間値)で保留演出をおこなうことができる。
次に、保留数コマンドの受信による保留表示態様の更新演出における保留表示態様切替タイミングについて図40を用いて説明する。図40は、第2の実施形態の制御状態ごとの保留追加のタイミングチャートの一例を示す図である。
演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数コマンドRCを受信したときの始動記憶数(保留数)が「1」であったとき、制御状態が制御状態SAであれば保留数コマンドRCを受信したタイミングt0で更新タイムラグなしに始動記憶数を「2」に切り替える。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数コマンドRCを受信したときの始動記憶数が「1」であったとき、制御状態が制御状態SBであれば保留数コマンドRCを受信したタイミングt0に遅延時間UTa(たとえば、200ms)を設定してタイミングt1で始動記憶数を「2」に切り替える。このとき、演出制御装置300は、遅延時間UTaを用いて始動記憶数「1」から「2」への切替表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数コマンドRCを受信したときの始動記憶数が「1」であったとき、制御状態が制御状態SCであれば保留数コマンドRCを受信したタイミングt0に遅延時間UTb(たとえば、400ms)を設定してタイミングt2で始動記憶数を「2」に切り替える。このとき、演出制御装置300は、遅延時間UTbを用いて始動記憶数「1」から「2」への切替表示を表示する。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から保留数コマンドRCを受信したときの始動記憶数が「1」であったとき、制御状態が制御状態SDであれば保留数コマンドRCを受信したタイミングt0に遅延時間UTc(たとえば、600ms)を設定してタイミングt3で始動記憶数を「2」に切り替える。このとき、演出制御装置300は、遅延時間UTcを用いて始動記憶数「1」から「2」への切替表示を表示する。
なお、遊技機10は、演出制御装置300が切替表示を表示する間、表示装置41において保留待機表示605の始動記憶数(保留待機表示数)が不明確になるが、特図1保留数表示603や特図2保留数表示604によって明確性が担保される。また、遊技機10は、特図1保留数表示603や特図2保留数表示604によらずとも、遊技制御装置100が制御する一括表示装置50によっても保留待機表示数の明確性が担保される。
次に、第2の実施形態の変形例1について図41を用いて説明する。第2の実施形態の遊技機10は、保留表示態様を更新する際に切替表示を表示したが、第2の実施形態の変形例1の遊技機10は、保留表示態様を更新する際に切替表示を表示することに代えて演出表示をおこなう。図41は、第2の実施形態の変形例1の制御状態ごとの保留シフトのタイミングチャートの一例を示す図である。
演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数(保留数)が「3」であったとき、制御状態が制御状態SAであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0でシフトタイムラグなしに始動記憶数を「2」に切り替える。したがって、遊技機10は、保留表示態様を更新する際に切替表示を表示することをしない。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数が「3」であったとき、制御状態が制御状態SBであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0でシフトタイムラグなしに始動記憶数を「2」に切り替える。したがって、遊技機10は、保留表示態様を更新する際に切替表示を表示することをしない。しかしながら、演出制御装置300は、変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0から所定時間CTa(たとえば、500ms)の演出時間を設定してタイミングt1まで演出表示をおこなう。なお、演出表示は、図17を用いて説明した演出表示515と同様のものとすることができる。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数が「3」であったとき、制御状態が制御状態SCであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0でシフトタイムラグなしに始動記憶数を「2」に切り替える。したがって、遊技機10は、保留表示態様を更新する際に切替表示を表示することをしない。しかしながら、演出制御装置300は、変動表示コマンドHCにもとづく変動表示を停止するタイミングt4までに所定時間CTb(たとえば、500ms)の演出時間を設定してタイミングt2からタイミングt4まで演出表示をおこなう。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数が「3」であったとき、制御状態が制御状態SDであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0でシフトタイムラグなしに始動記憶数を「2」に切り替える。したがって、遊技機10は、保留表示態様を更新する際に切替表示を表示することをしない。しかしながら、演出制御装置300は、変動表示コマンドHCにもとづく変動表示を停止するタイミングt4を挟んで所定時間CTc(たとえば、500ms)の演出時間を設定してタイミングt3からタイミングt5まで演出表示をおこなう。
このような、遊技機10は、保留表示の切替にタイムラグがないので、表示装置41において保留待機表示605の始動記憶数(保留待機表示数)が不明確になるおそれがない。また、遊技機10は、表示装置41において保留待機表示605の始動記憶数(保留待機表示数)が不明確になるおそれがあったとしても特図1保留数表示603や特図2保留数表示604によって明確性が担保される。また、遊技機10は、特図1保留数表示603や特図2保留数表示604によらずとも、遊技制御装置100が制御する一括表示装置50によっても保留待機表示数の明確性が担保される。
次に、第2の実施形態の変形例2について図42を用いて説明する。第2の実施形態の変形例1の遊技機10は、保留表示態様を更新する際に演出表示を表示したが、第2の実施形態の変形例2の遊技機10は、保留表示態様を更新する際に演出表示と同様のタイミングで切替表示をおこなう。図42は、第2の実施形態の変形例2の制御状態ごとの保留シフトのタイミングチャートの一例を示す図である。
演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数(保留数)が「3」であったとき、制御状態が制御状態SAであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0でシフトタイムラグなしに始動記憶数を「2」に切り替える。したがって、遊技機10は、保留表示態様を更新する際に切替表示を表示することをしない。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数が「3」であったとき、制御状態が制御状態SBであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0から所定時間CTd(たとえば、500ms)の切替表示時間を設定してタイミングt1まで切替表示をおこなう。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数が「3」であったとき、制御状態が制御状態SCであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0でシフトタイムラグなしに始動記憶数を「2」に切り替える。演出制御装置300は、変動表示コマンドHCにもとづく変動表示を停止するタイミングt4までに所定時間CTe(たとえば、500ms)の切替表示時間を設定してタイミングt2からタイミングt4まで切替表示をおこなう。
また、演出制御装置300が遊技制御装置100から変動表示コマンドHCを受信したときの始動記憶数が「3」であったとき、制御状態が制御状態SDであれば変動表示コマンドHCを受信したタイミングt0でシフトタイムラグなしに始動記憶数を「2」に切り替える。したがって、遊技機10は、保留表示態様を更新する際に切替表示を表示することをしない。しかしながら、演出制御装置300は、変動表示コマンドHCにもとづく変動表示を停止するタイミングt4を挟んで所定時間CTf(たとえば、500ms)の演出時間を設定してタイミングt3からタイミングt5まで演出表示をおこなう。
このようにして、遊技機10は、演出制御装置300が遊技制御装置100から同じ変動表示コマンドを受信しても、演出制御装置300における制御状態に応じて異なる切替表示時間(時間値)で保留演出をおこなうことができる。
次に、第2の実施形態の変形例3について図43を用いて説明する。図43は、第2の実施形態の変形例3の保留演出態様の一例を示す図である。第2の実施形態の変形例3の遊技機10は、主保留消化表示630と保留消化演出表示631とを含んで保留消化表示606を構成し、主保留待機表示632と保留待機演出表示633とを含んで保留待機表示605を構成する。主保留消化表示630は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留消化演出表示631は、主保留消化表示630を演出する。たとえば、主保留消化表示630は、けん玉の「玉」のような表示態様であり、色、大きさ、形状、動作等により特図変動表示ゲームが変動表示状態にあることを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留消化演出表示631は、けん玉の「けん」のような表示態様であり、色、大きさ、形状、動作等により主保留消化表示630を演出する。
主保留待機表示632は、その表示態様により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留待機演出表示633は、主保留待機表示632を演出する。たとえば、主保留待機表示632は、けん玉の「玉」のような表示態様であり、色、大きさ、形状、動作等により特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。保留待機演出表示633は、けん玉の「けん」のような表示態様であり、色、大きさ、形状、動作等により主保留待機表示632を演出する。
図43(1)に示す保留待機表示605は、3つの主保留待機表示632により保留記憶数が「3」であることを示す。保留待機表示605は、「玉」(主保留待機表示632)の脇に「けん」(保留待機演出表示633)が控えて主保留待機表示632を演出する。図43(1)に示す保留消化表示606は、「玉」(主保留消化表示630)が「けん」(保留消化演出表示631)の大皿の上に載って期待感を演出する。このような遊技機10は、主保留消化表示630の表示態様のみによらずに、主保留消化表示630と保留消化演出表示631との表示態様によって期待感を演出できる。
図43(2)に示す保留待機表示605は、変動表示中の保留表示態様の切替を示す。保留待機表示605は、「玉」(主保留待機表示632)の表示態様変化を抑制して、「けん」(保留待機演出表示633)の表示態様変化を大きくして演出する。たとえば、「玉」(主保留待機表示632)が動かない状態(あるいは動きが少ない状態)で「けん」(保留待機演出表示633)が大きく動いている。このような遊技機10は、保留待機数の視認性を容易にしながら保留表示演出の興趣を向上している。
図43(3)に示す保留待機表示605は、変動停止中の保留表示態様の切替を示す。保留待機表示605は、「けん」(保留待機演出表示633)の表示態様変化を抑制して、「玉」(主保留待機表示632)の表示態様変化を大きくして演出する。たとえば、「けん」(保留待機演出表示633)が動かない状態(あるいは動きが少ない状態)で「玉」(主保留待機表示632)が大きく動いている。図43(3)に示す保留消化表示606は、変動停止中のため非表示である。このような遊技機10は、変動停止等のイベントに対する注意喚起をおこないながら保留表示演出の興趣を向上している。
図43(4)に示す保留待機表示605は、2つの主保留待機表示632により保留記憶数が「2」であることを示す。保留待機表示605は、「玉」(主保留待機表示632)の脇に「けん」(保留待機演出表示633)が控えて主保留待機表示632を演出する。図43(4)に示す保留消化表示606は、「玉」(主保留消化表示630)が「けん」(保留消化演出表示631)の小皿の上に載って図43(1)に示す保留消化表示606とは異なる期待感を演出する。このような遊技機10は、主保留消化表示630の表示態様のみによらずに、主保留消化表示630と保留消化演出表示631との表示態様によって期待感を演出できる。
なお、遊技機10は、保留待機表示605から保留消化表示606への保留表示シフト時間(待機外移動時間)と、保留待機表示605の内部における保留表示シフト時間(待機内移動時間)と違えて、主保留待機表示632と保留待機演出表示633とを含んで構成した保留待機表示605や、主保留消化表示630と保留消化演出表示631とを含んで構成した保留消化表示606を表示するようにしてもよい。
また、遊技機10は、演出制御装置300の制御状態に応じて待機外移動時間や待機内移動時間を違えるようにしてもよい。また、遊技機10は、先読み予告演出として待機外移動時間や待機内移動時間を違えるようにしてもよい。遊技機10は、異なる待機外移動時間や待機内移動時間で異なる演出表示をおこなうようにしてもよい。
たとえば、遊技機10は、モードAにおける待機外移動時間を300msにして保留消化表示606の表示態様変化を低難易度の技Aによる表示演出とし、モードBにおける待機外移動時間を500msにして保留消化表示606の表示態様変化を中難易度の技Bによる表示演出とし、モードCにおける待機外移動時間を1000msにして保留消化表示606の表示態様変化を高難易度の技Cによる表示演出とする。遊技機10は、待機内移動時間についても同様とすることができる。
また、遊技機10は、遊技機10は、異なる待機外移動時間や待機内移動時間で異なる演出表示をおこなうときに、技が成功する場合と技が失敗する場合とを含む異なる演出表示結果を表示するようにしてもよい。また、遊技機10は、異なる演出表示結果を表示するに先立ち、異なる演出結果を示唆する示唆表示をおこなうようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、保留待機表示605の普段表示においてけん玉の練習やウォーミングアップをするような表示により、技の成否を予告や示唆するようにしてもよい。
なお、上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、適宜、第1の実施形態の遊技機10との組合せ適用をおこなうようにしてもよい。たとえば、第2の実施形態の遊技機10は、演出制御装置300の制御状態に応じて非表示タイミングの設定や表示態様の切替が異なるときに、第1の実施形態において説明したような保留変化を実行してもよい。
上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム、特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)の実行制御をおこなう主制御手段(遊技制御装置100)と、主制御手段からコマンド(変動表示コマンド、停止図柄コマンド、保留数コマンドなど)を受信してゲームの実行権利となる始動記憶を所定の表示態様で表示手段(表示装置41)に表示させる従制御手段(演出制御装置300)と、を備える。従制御手段は、表示手段に表示させる始動記憶の保留表示態様を、主制御手段から所定のコマンドを受信したことに関連して変更するとき、第1の制御状態と第2の制御状態のうちいずれか一方において所定タイミングで始動記憶の表示態様を第1の表示態様から第2の表示態様に変更し、他方において所定タイミングで始動記憶の表示態様を変更しない(図27)。
(2)遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム、特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)の実行制御をおこなう主制御手段(遊技制御装置100)と、主制御手段からコマンド(変動表示コマンド、停止図柄コマンド、保留数コマンドなど)を受信してゲームの実行権利となる始動記憶を所定の表示態様で表示手段(表示装置41)に表示させる従制御手段(演出制御装置300)と、を備える。従制御手段は、表示手段に表示させる始動記憶の保留表示態様を、主制御手段から所定のコマンドを受信したことに関連して変更するとき、第1の制御状態と第2の制御状態のうちいずれか一方において所定タイミングで始動記憶の保留待機または保留消化の表示態様(保留待機表示態様、保留消化表示態様)を第1の表示態様から非表示を含む第2の表示態様に変更し、他方において所定タイミングで始動記憶の表示態様を変更しない(図27)。
(3)遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム、特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)の実行制御をおこなう主制御手段(遊技制御装置100)と、主制御手段からコマンド(変動表示コマンド、停止図柄コマンド、保留数コマンドなど)を受信してゲームの実行権利となる始動記憶に関する保留表示を所定の表示態様で表示手段(表示装置41)に表示させる従制御手段(演出制御装置300)と、を備える。従制御手段は、保留表示として、第1保留表示と、実行中のゲームに対応する第2保留表示を表示手段に表示可能であり、主制御手段から所定のコマンドを受信したとき、第1の制御状態と第2の制御状態のうちいずれか一方において所定タイミングで第1保留表示または第2保留表示を第1の表示態様から第2の表示態様に変更し、他方において所定タイミングで第1保留表示または第2保留表示の表示態様を変更しない(図27)。
(4)遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム、特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)の実行制御をおこなう主制御手段(遊技制御装置100)と、主制御手段からコマンド(変動表示コマンド、停止図柄コマンド、保留数コマンドなど)を受信してゲームの実行権利となる始動記憶に関する保留表示を所定の表示態様で表示手段(表示装置41)に表示させる従制御手段(演出制御装置300)と、を備える。従制御手段は、保留表示として、第1保留表示と、実行中のゲームに対応する第2保留表示を表示手段に表示可能であり、主制御手段から所定のコマンドを受信したとき、第1の制御状態と第2の制御状態のうちいずれか一方において第1タイミングで第1保留表示または第2保留表示を第1の表示態様から第2の表示態様に変更し、他方において第1タイミングと異なる第2タイミングで第1保留表示または第2保留表示の表示態様を変更する遊技機(図31、図40)。
(5)遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム、特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)の実行制御をおこなう主制御手段(遊技制御装置100)と、主制御手段からコマンド(変動表示コマンド、停止図柄コマンド、保留数コマンドなど)を受信してゲームの実行権利となる始動記憶に関する保留表示を所定の表示態様で表示手段(表示装置41)に表示させる従制御手段(演出制御装置300)と、を備える。従制御手段は、主制御手段から所定のコマンドを受信したとき、第1の制御状態と第2の制御状態のうちいずれか一方において所定タイミングで保留表示を第1の表示態様から第2の表示態様に変更し、他方において所定タイミングで保留表示の表示態様を変更しない(図27)。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD(Compact Disk)−ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。