JP2020080843A - Dnaを改変したり、新たに核酸を導入した細胞を抗生物質を利用せずに確認、選抜する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一般的に用いられる大腸菌の菌株やベクターを用いて、抗生物質耐性遺伝子を選択マーカーとして用いることなく大腸菌の形質転換体を選抜し、さらにその過程を視覚的にしっかりと学べる実験系を開発すること。【解決手段】lacZ遺伝子をもつプラスミドを用いて形質転換した大腸菌JM109を、抗生物質を含まない液体培地を用いて選択的に増殖させ、形質転換しているかを色の変化で確認したり、形質転換している細胞が増えていく様子を視覚的にとらえる。その後、その液体培地の一部をLB培地(X−galを含む)に塗抹することで、形質転換している細胞の割合を確認したり、形質転換したものを選抜する。【選択図】図2

Description

本発明は、DNAを改変したり、新たに核酸を導入した大腸菌などの生物を抗生物質を利用せずに確認、選抜する方法とそれに関するものである。
大腸菌に新しい遺伝子を導入する、つまり形質転換する際は、普通、選択マーカー遺伝子を含んだプラスミドを用いて行われる。選択マーカー遺伝子の発現の有無により、形質転換した大腸菌をスクリーニングすることができる。選択マーカーとしては、アンピシリンやカナマイシンといった抗生物質に抵抗性を付与するタンパク質をコードする遺伝子や、GFPなどの蛍光タンパク質をコードする遺伝子、βガラクトシダーゼという酵素をコードするlacZという遺伝子等が知られている。
しかし、研究や教育で使用されるプラスミドは、アンピシリン抵抗性遺伝子とGFP遺伝子、アンピシリン抵抗性遺伝子とlacZ遺伝子等のように、抗生物質の抵抗性遺伝子が含まれているものを用いることが多く、抗生物質入りの培地で、スクリーニングをすることがほとんどである。というのも、プラスミドを大腸菌に近づけても、形質転換するものはごく一部だけであり、抗生物質を含まない寒天培地で培養すると、増殖するのは、形質転換をしていない大腸菌がほとんどとなる。そのため、形質転換した大腸菌をスクリーニングするには適していない。
また、抗生物質の耐性菌の出現が特に医療現場で問題になっている。医療現場では、ウイルス性の風邪には抗生物質がきかないにも関わらず、患者から抗生物質が求められることがあり、そのような抗生物質の乱用が問題とされている。
植物においては、形質転換植物を食品にする際、その遺伝子産物の人体への安全性を調査する必要がある。そこで、選択マーカーとして、抗生物質耐性の遺伝子を含まない形質転換植物の作製が研究されている(例えば、特許文献1)。
大腸菌においては、トリプトファンなどを合成できない変異株に対して、その欠損(変異)を相補するマーカー遺伝子を含むベクターを導入することによって、抗生物質によらない選択を行える宿主ベクター系の開発が研究がされている(例えば、特許文献2)。この宿主ベクター系は、例えば、形質転換した細胞をカザミノ酸(トリプトファンを含まない酸加水分解したカゼイン)を含む寒天培地で選抜する、または、形質転換した細胞をカザミノ酸を含む液体培地で培養して増殖を吸光度で測定し、回収後、タンパク質を抽出し、組み込んだ目的の遺伝子の発現を解析することが記されている。しかしながら、これらの宿主ベクター系を簡単に入手し、使用することは難しい。
患者に投与するための産生することが目的の組換え治療薬の製造のためには、抗生物質耐性遺伝子の使用は問題がある。このような治療薬の製造の観点からも、抗生物質耐性遺伝子を選択マーカーとしない研究が大腸菌において行われている(例えば、特許文献3)。この宿主ベクター系は、大腸菌のaraD遺伝子欠損細菌株にaraD遺伝子を含むプラスミドで形質転換し、形質転換体を選択する方法が記されている。
このように大腸菌においても、抗生物質耐性遺伝子を選択マーカーとしない形質転換体の選択の研究がおこなれているが、どの場合も開発された宿主ベクター系を簡単に入手し、使用することは難しい。
また、日本の高等学校などの生物教育の現場では、形質転換の実験は大腸菌を使ったものが中心である。それらは全て抗生物質(アンピシリン)抵抗性遺伝子を含むプラスミドを利用して、抗生物質入りの寒天培地で形質転換したことの確認を行っている(非特許文献1、2、3、4参照)。抗生物質を使って、すばやく形質転換した細胞を選抜できるかが重視されているようで、その過程をじっくり学ぶことや抗生物質を必要以上に使わないことの大切さをより重視することが必要かもしれない。
特開2005−6522号公報 特開2000−050888号公報 特表2007−505616号公報
嶋田正和ほか著「改訂版 生物」数研出版2018年、p.128−129 庄野邦彦 馬場昭次ほか著「新訂版 生物」実教出版2018年、p96、p.118−121 本川達雄、谷本英一ほか著「改訂版 生物」啓林館2017年、p.94−95 浅島誠ほか著「改訂版 生物」東京書籍2018年、p148−150
高等学校などの教育機関では、抗生物質(の乱用)について話をすることや、抗生物質耐性菌とどう向き合っていくのかを未来を担う生徒や学生に話をすることが大事になってきている。しかしながら、実験では、安易に抗生物質を使った形質転換の実験を行っているのが現状である。また、教育機関では、単に結果だけでなく、過程をしっかり理解し、学ぶことが大切である。そこで、新たに開発しようとする点は、高等学校の教科書にのっているような、一般的に用いられる大腸菌の菌株やベクター(好ましくは教育上大切なオペロン説に関わるlacZ遺伝子を含むベクター)を用いて、なおかつ、環境や人類のために抗生物質を用いずに大腸菌の形質転換体を選抜し、さらにその過程を視覚的にしっかりと学べる実験系を開発することにある。
本発明者は、β−ガラクトシダーゼをコードするlacZ遺伝子を含むプラスミドpUC19を、β−ガラクトシダーゼの活性がない大腸菌JM109株に、定法にもとづき形質転換させて、最少培地(M9培地のグルコースをラクトースにかえた寒天培地)に塗抹し、形質転換体を選抜する研究を行っていた。この研究は、ラクトースを利用できるようになったことを生徒に示したいために行っていたものであるが、最少培地の寒天培地では、形質転換体でも短時間で十分に増殖することが難しい感触を得ている。また、形質転換の実験は、形質転換するものがごく一部であるため、寒天培地で、形質転換体を選抜する。その選抜したものを液体培地で増やし、目的の遺伝子がコードするタンパク質を回収するという流れが一般的である。ただ、この研究の過程で、形質転換後、寒天培地に塗抹しするのではなく、M9培地を改良した液体培地(M9培地のグルコースをラクトースにかえ、BTB溶液を加えたもの、もとは青色、以後改良M9培地とする)に入れたらどうなるかと、たまたま入れてみたところ、形質転換したものでは、ラクトースを分解して、液が青色からだんだんと黄色になっていくという現象をたまたま発見できた。つまり、形質転換したものは、ごく一部であるが、その一部がラクトースを利用して、どんどん増えていったことが、色の変化でわかる。形質転換していないものは、青色のままだったので、生徒実験ではそれだけでも十分効果的である。その黄色になった改良M9培地の液体には形質転換したもののみが増えたとは言っても、形質転換していないものも混ざっているが、その液体をLB寒天培地(X−galを含む)に塗抹することで、形質転換したものは青色のコロニーになるため、その形質転換した細胞を選抜することができる。なお、改良M9培地を経由しなかった場合は、形質転換体が増えていないので、ほとんど青色のコロニーは出現しないので、大きな違いがある。よって、この実験系は、液体培地で形質転換した細胞の有無を視覚的に確認することができるだけでなく、形質転換した細胞が選択的にだんだんと増殖する様子を確認できる。さらに、たまたま液体培地も寒天培地も抗生物質を用いずに形質転換した細胞を選抜できることに気付き本発明に至った。
すなわち本発明は、lacZ遺伝子をもつプラスミドを用いて形質転換した大腸菌JM109を、直接、寒天培地に塗抹するのではなく、改良M9液体培地を用いて増殖させ、形質転換が成功しているかを色の変化で確認したり、形質転換している細胞が増えていく様子を視覚的にとられ、その後、液体培地の一部をLB培地(X−galを含む)に塗抹することで、形質転換している細胞の割合を確認したり、形質転換したものを選抜する方法である。固体培地の前に、例えば液体培地で数日間培養することは、スピード重視の世の中を逆行している。そんな中、あえて一手間かかて、形質転換した細胞を選抜する方法である。そのことで、抗生物質を使用せず、なおかつ形質転換した細胞が増えていく過程が確認できるようになった。
本発明では、形質転換の実験を行った際、改良M9液体培地よって形質転換した細胞の有無や、形質転換した細胞が増えていく様子を視覚的にとらえれることができ、その増えていった様子を、固体培地での培養でさらに確認することができる。つまり、形質転換した細胞が増殖していく過程をとらえることができる方法である。このことは、単に結果を求めるだけでなく、過程を学ぶことが大切な学生、生徒などに大きな効果を発揮する。よって、本発明は形質転換を学ぶ際のキットなどにも利用することが可能となる。また、本発明者は、未来を担う生徒や学生に環境や人類のために抗生物質を必要以上に用いないことを伝えたいと思っているが、本発明は、実験全般において、抗生物質を一切用いずに形質転換体を効率よく選抜できる点で、大変意義がある。さらに、高等学校の教科書にも載っているような一般的に知られている大腸菌の菌株やベクターを用いて行うことができる本発明は、商用的に限らず、教育的に絶大な効果を発揮する。
従来の一般的な形質転換体を選抜方法を示す図。形質転換の操作後、抗生物質を含む固体培地で形質転換体を選抜する。 本発明の形質転換体の確認・選抜方法を示す図。形質転換の操作後、抗生物質耐性遺伝子以外の選択マーカーにより形質転換体を液体培地で選択的に増殖させ、その様子を視覚化する。その後、固体培地上で形質転換体の割合を確認したり、抗生物質耐性遺伝子以外の選択マーカーにより形質転換体を選抜する。
抗生物質耐性遺伝子を選択マーカーとして用いず、例えばβ−ガラクトシダーゼ活性を用いた選抜を行う。そのため、使用するベクターは、lacZ遺伝子をもつプラスミドである。通常はlacZ遺伝子全体ではなく、lacZαの部分をもつものが利用され、そのα補完によりβ−ガラクトシダーゼの活性をもたせるベクターを利用することが多いため、pUC18、pUC19、M13mp10、M13mp11、M13mp18、M13mp19、pBT7、pCBC1、pCBC2、pCL1920、pCL1921、pEML18−、pEML18+、pEML19−、pEML19+、pGMB5、pGMB6、pHSG298、pHSG299、pHSG396、pHSG397、pHSG398、pHSG399、pHSG575、pHSG576、pHSG587、pK18、pK19、pKF16c、pKF16k、pKF17c、pKF18c、pKF18k、pKF19c、pKF19k、pKRX、pKUN19、pMBL18、pMBL19、pMCL200、pMCL210、pMPM−A2、pMPM−A3、pMPM−K1、pMPM−K2、pMPM−K3、pMPM−T1、pMPM−T2、pMPM−T3、pNY17、pOM1などを用いることができる。つまり、β−ガラクトシダーゼ活性を付与することができるベクターであれば、どのようなものでもよい。
宿主細胞としては、大腸菌を用いる場合は、β−ガラクトシダーゼ活性がないものを用いる。例えば、JM109株は、β−ガラクトシダーゼ活性がないが、F因子にβ−ガラクトシダーゼのωフラグメントをコードする遺伝子があり、形質転換で導入されたプラスミドからαフラグメントが合成され、そのαとωが共存すると複合体を形成して、β−ガラクトシダーゼ活性をもつようになる。よって、プラスミドにlacZ全体でなくてもlacZαの遺伝子の部分があれば、β−ガラクトシダーゼ活性を用いた選抜に使用することができる。JM109株に制限されることはなく、lacZ遺伝子を欠損したり、lacZαを欠損している大腸菌であれば、どのようなものでもよい。
形質転換は定法に従うが、例えば、大腸菌を塩化カルシウム溶液で処理し、プラスミドと混合後、ヒートショックにより形質転換させた後、LB培地やSOC培地で回復させ、通常は寒天培地に塗抹する。本発明の方法では、LB培地やSOC培地で回復させた後、改良M9液体培地に加える。改良M9液体培地では糖源をラクトースにしているため、形質転換していない大腸菌は、増殖することが難しい。ただし、LB培地やSOC培地に懸濁している大腸菌を直接加えているため、LB培地やSOC培地の一部が入ってくることを頭に入れておかなくてはならない。よって、好ましくは、回復培地は、グルコースが入っていないLB培地を用いて、その一部を改良M9培地に加える。ただし、回復培地で回復させたあと、遠心分離して、菌を回収し、滅菌水で希釈して加えるなど、形質転換した大腸菌を改良M9液体培地に加えることができれば、どのようなやり方でもよい。また、回復させずに、改良M9液体培地に入れるなどでもよい。
改良M9培地では、指示薬としてBTB溶液を入れており、ラクトースが分解され、二酸化炭素が発生するとpHが下がり、液が青色から黄色に変化することで、ラクトースが分解したかを検出できる。つまり、形質転換によりβ−ガラクトシダーゼ活性をもつようになったかが液が黄色になるかどうかで検出できる。これは、指示薬として用いるものはBTB溶液に限らず、ラクトースが分解できたかどうかを検出できれば、どのようなものでもよい。また、ラクトースではなく、X−galなどβ−ガラクトシダーゼで分解されて色が変わるものを用いることもできる。
改良M9培地では、単に形質転換した菌を増やすことができればよいと考えるならば、指示薬を入れないことも可能である。次の寒天培地に塗抹する通過点とすることもできる。なお、色の変化はみなくても、菌数を吸光度などで推測することもできる。
改良M9培地に限ることなく、最少培地であれば、どのようなものでもよい。ただし、その最少培地の糖源をラクトースやX−galまたは、それらの類似物質にしておく必要がある。
また、最少培地ではなく、目的の形質転換した細胞のみが増えるものではあれば、どのようなものでもよい。
改良M9培地で形質転換した菌を増やした後に、LB寒天培地(X−galを含む)に塗抹して、形質転換体を選抜する。β−ガラクトシダーゼの活性の有無で形質転換体を選抜するので、β−ガラクトシダーゼによって分解されると青色になるX−galを加えているが、X−galにIPTGをさらに加えておいてもよい。なお、用いる固体培地はX−galなどβ−ガラクトシダーゼの活性の有無確認できる物質を含んでいればLB培地に限らず、大腸菌が増殖するものであれば、どのようなものでもよい。また、ゲル化するものとしては寒天に限らず、固まるものであれば、他のものでもよい。
β−ガラクトシダーゼの活性を用いた選抜であるが、β−ガラクトシダーゼ活性に限定されることでなく、形質転換体のみが利用したり、分解できたりするものや、栄養の要求性がかわるものなど、他の性質を選抜に用いることができる。本発明の主流からはずれるが、抗生物質耐性遺伝子を選択マーカーとして用いることも当然できる。
上記は、大腸菌の形質転換を例にしたものだが、形質転換に限ることなく、ゲノム編集などでDNAが改変されたり、新しい核酸が導入され、そのことで何らかの性質が変わるものであれば、どのようなものでもよく、DNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞のみが増殖しやすい液体の培地に、その細胞の影響で色やpHが変わる試薬や指示薬を混ぜておくことで、DNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞の有無を確認したり、時間がたつごとにDNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞が増殖していく様子を確認することができる。その液体培地を固体培地に塗抹することで、固体培地上で、DNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞のコロニーの有無を確認したり、液体培地での培養時間の違いにより、固体培地上に現れるDNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞のコロニーの割合が変化してくることを確認することもできる。また、そのことで、固体培地にから、効率よくDNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞を選抜することもできる。
また、上記は、大腸菌に限定したことではなく、ゲノム編集などでDNAが改変されたり、新しい核酸が導入され、そのことで何らかの性質が変わるものであれば、どのような生物でもよい。
以下の実施例において、さらに詳しく本発明を説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。
実施例1(大腸菌の形質転換)
大腸菌Escherichia coli JM109株(供給源:国立遺伝学研究所)を塗抹したLB培地を37℃で一晩増殖させた。その大腸菌を0.05Mの塩化カルシウム溶液に入れ、氷冷した。そこにプラスミドpUC19を入れ、氷冷後、ヒートショックを行って、氷冷した。その後、LB液体培地(LB Broth,Miller(Luria−Bertani)、Difco Laboratoriesより作製)を加えて、大腸菌を回復させた。プラスミドを加えていないものも同様に行い、対照実験とした。
実施例2(改良M9培地の作製)
NHCl、KHPO、NaHPO、NaCl、MgSO、CaClを含み、グルコースを除いた一般的なM9培地を作製し、BTB溶液を培養するときの終濃度が20%になるように、ラクトースを培養するときの終濃度が終濃度0.5%になるようにを加えて、改良M9液体培地を作製した。
実施例3(実施例1で得た大腸菌の改良M9培地での培養)
実施例1で形質転換の操作後、回復させた大腸菌が懸濁されているLB液体培地の一部を実施例2で作製した改良M9培地に加えて、混合した。37℃で培養した。その結果、プラスミドを加えて形質転換した大腸菌が含まれているものは、改良M9培地が青色から緑、そして黄色に変化していった。なお、色は、時間がたつごとに変化していく様子がよくわかり、形質転換した細胞が増えていくことを視覚的にとられることができた。対照実験で行ったプラスミドを加えていないものは、青色のままだった。
実施例4(実施例3で得た改良M9培地中の大腸菌の寒天培地上での選抜)
ジメチルホルムアミドに溶かしたX−galが終濃度0.004%なるように加えたLB寒天培地(X−gal)、X−galが終濃度0.004%、IPTGが終濃度0.1mMになるように加えたLB寒天培地(X−gal/IPTG)を作製した。LB寒天培地(X−gal)とLB寒天培地(X−gal/IPTG)に実施例3で得た改良M9培地中の大腸菌を塗抹し、37℃培養した。その結果、どちらの寒天培地でも、白色のコロニー(形質転換していない大腸菌)と青色のコロニー(形質転換している大腸菌のコロニー)が出現し、容易に形質転換している大腸菌を選抜できることが確認された。また、液体培地で色の変化がないものは青色のコロニーが出現せず、液体培地で少ししか色が変化していないものを塗布した寒天培地では青色のコロニーの割合が少なく、液体培地で色がかなり変化しているものを塗布した寒天培地では青色のコロニーが多かった。

Claims (8)

  1. 微生物などの細胞において、形質転換の操作後、形質転換体のみが増殖しやすい液体の培地に、その細胞の影響で色やpHが変わる試薬や指示薬を混ぜておくことで、形質転換した細胞の有無を確認したり、時間がたつごとに形質転換した細胞が増殖していく様子を確認する方法。
  2. 請求項1を行った液体培地を固体培地に塗抹することで、固体培地上で、形質転換した細胞のコロニーの有無を確認したり、液体培地での培養時間の違いにより、固体培地上に現れる形質転換した細胞のコロニーの割合が変化してくることを確認する方法。
  3. 微生物などの細胞において、形質転換の操作後、形質転換体を固体培地に塗抹するのではなく、形質転換体のみが増殖しやすい液体培地で培養後、その液体の培地を固体培地に塗抹することで、効率よく形質転換体を選抜する方法。
  4. DNAを改変したり、新たな核酸を導入する操作をし、DNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞と、そうでない細胞がどの程度ずつ混ざっているかわからない状態において、DNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞のみが増殖しやすい液体の培地に、その細胞の影響で色やpHが変わる試薬や指示薬を混ぜておくことで、DNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞の有無を確認したり、時間がたつごとにDNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞が増殖していく様子を確認する方法。
  5. 請求項4を行った液体培地を固体培地に塗抹することで、固体培地上で、DNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞のコロニーの有無を確認したり、液体培地での培養時間の違いにより、固体培地上に現れるDNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞のコロニーの割合が変化してくることを確認する方法。
  6. DNAを改変したり、新たな核酸を導入する操作をし、DNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞と、そうでない細胞がどの程度ずつ混ざっているかわからない状態において、DNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞のみが増殖しやすい液体の培地で培養後、その液体の培地を固体培地に塗抹することで、効率よくDNAが改変された細胞や新たな核酸が導入された細胞を選抜する方法。
  7. 請求項1、2、3、4、5、6のいずれかを、抗生物質を用いずに行う方法。
  8. β−ガラクトシダーゼをコードするlacZ遺伝子を含むベクターを、β−ガラクトシダーゼの活性がない大腸菌に導入し、そのβ−ガラクトシダーゼ活性を利用することで、抗生物質を用いることなく、請求項1、2、3、4、5、6のいずれかを行う方法。
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