JP2020080760A - 二酸化炭素回収施用一体型発電機 - Google Patents

二酸化炭素回収施用一体型発電機 Download PDF

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Abstract

【課題】発電機で電力供給しながら、その排ガス中の有害ガス成分の影響を排除しつつ、二酸化炭素を高回収率で回収して、農産物の生育生産性向上の目的で植物工場に施用するとともに、低コストで省エネルギーを達成できる二酸化炭素回収施用一体型発電機を提供する。【解決手段】発電機4と吸着ハニカムロータ1と送風機7及び8、加熱ヒータ5により構成され、前記吸着ハニカムロータ1は少なくとも吸着ゾーン2と脱着ゾーン3に分割され、二酸化炭素を含む発電機排ガスを前記吸着ハニカムロータ1の吸着ゾーン2に導入し、前記吸着ゾーン2では二酸化炭素を吸着することにより、二酸化炭素濃度の低くなったガスが排気され、前記脱着ゾーン3では前記加熱ヒータ5を通った植物工場内の空気及び/又は外気を導入し、脱着した二酸化炭素を含むガスを植物工場に供給するようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、発電機にて発電給電しながら同時に、発電機排ガスから二酸化炭素を回収し、植物工場に農産物の生育生産性向上の目的で施用する、二酸化炭素回収施用一体型発電機に関するものである。
地球温暖化対策として、産業や自動車及び家庭から排出される二酸化炭素をできるだけ削減しようとする取り組みが世界レベルで行われている。これには、エネルギーを消費する機器を省エネルギーとなるように改良し、古い機器と置き換えるという取り組みをしている。また、発電などのエネルギーを生み出す機器としては、太陽光や風力等再生可能エネルギーを利用したものを用いたり、火力発電所の発電効率を上げる改良を行ったり、将来的には火力発電所から排出される二酸化炭素を回収濃縮して、地中や深海に貯留する技術等も研究開発されている。
一方、地球温暖化による異常気象や少子高齢化による農業後継者不足の傾向から、未来的に食料自給及び調達が益々困難になると予想される。また消費者側では農産物の安全、安心を求める傾向の高まりもあり、各国、各企業にて農業の企業化や植物工場の開発、導入が加速されつつある。さらに、地球温暖化防止対策による化石エネルギーの高効率利用も重要化課題となっている。
植物工場は、高温、多雨、干ばつ、冷夏等異常気象の影響を受けず、温度、湿度、空気質、病害虫、大気汚染等屋外の成行き環境と分断して、農薬を使わずに健康的な高品質農作物を必要とする時期に生産することができることで、未来的な成長産業になる可能性を秘めている。
しかし、ビニールハウスや植物工場は外気環境を遮断するメリットと引き換えに、農作物育成の必須要素の内、二酸化炭素の施用供給が不足し易い。そこで二酸化炭素ボンベによる施用や、燃焼方式による二酸化炭素施用装置が採用されている。
特開平3−236723号公報 特開2016−52285号公報 特開2012−16322号公報 特開2016−175014号公報
しかしながら、前記二酸化炭素ボンベや燃焼方式による施用は、定期的にガスボンベや燃料の購入が必要で、地球温暖化の主原因である二酸化炭素を有効に活用できているとは言い難い。また燃焼方式は発熱するので夏期の場合デメリットとなる。さらにビニールハウスや植物工場では、目標作物が不足する時期や、必要とする時期あるいは高値で取り引きされる時期に育成出荷タイミングをコントロールするために、夜間照明や冷暖房など一時的な給電が必要になることもある。そのための受電設備費や受電契約料金も負担となっている。
火力発電の排気を大気に放出せず、排熱と排ガス中の二酸化炭素を利用して植物栽培に役立てるため、特許文献1には、火力発電によって生じる二酸化炭素を含む熱排気を熱交換器によって外気や海水と熱交換し、植物栽培にふさわしい温度(摂氏30〜40℃(以下、温度は全て「摂氏」とする))に冷却して、植物工場に導いて植物栽培に用いる熱排気利用植物栽培システムが開示されている。
しかし、特許文献1に記載のシステムでは、排気中の二酸化炭素をそのまま植物工場に供給するので、発電所の運転状況や負荷変動によって供給二酸化炭素濃度が変動し、植物工場内の二酸化炭素濃度が安定しにくいという不都合がある。
また、火力発電の排ガスに含まれる硫黄酸化物や窒素酸化物、一酸化炭素などの有害ガス成分がそのまま植物工場に供給されるため、植物の生育や作業者の健康に影響を及ぼす懸念がある。
以上のような背景から、有害ガス成分の影響を排除しつつ二酸化炭素の回収率を高め、かつ十分な量の二酸化炭素を供給するため、二酸化炭素を吸着材に吸着させて回収し、濃度を高めた二酸化炭素を植物工場へ供給する方法が提案されている。
吸着法はゼオライトや活性炭などのガス吸着材を用いるもので、圧力差を利用して吸・脱着するプレッシャースイング法(以下PSA法)と温度差を利用して吸・脱着するサーマルスイング法(以下TSA法)とがある。
PSA法は圧力により二酸化炭素の吸着量が変わる原理を利用して、加圧して二酸化炭素のみを吸着させ、減圧して二酸化炭素を脱着分離回収する方法である。例えば、特許文献2及び特許文献3に開示の方法として、発電機の排ガス中に含まれる硫黄酸化物や窒素酸化物といった有害ガス成分を、触媒装置などを利用した除去装置によって植物の成長に影響を及ぼさない濃度以下に予め除去し、PSA法を用いて二酸化炭素を濃縮し、大気圧以上の圧力にて貯留し、必要時に大気へ戻して園芸用施設へ供給する二酸化炭素供給装置が開示されている。
しかしPSA法は、耐圧性装置が必要で、周辺機器として電磁弁やコンプレッサ、真空ポンプ等精密機械も必要となり大型化が困難、さらに排熱が利用できず総て高価な電気エネルギーに頼らざるを得ないという問題がある。また、PSA法で用いる吸着材は、水分を吸着すると二酸化炭素吸着性能が低下するため、排ガスに含まれる水分の予備的除去、及び定期的に減圧して吸着材中の水分を除去する再生工程が必要となる。
一方、TSA法は50℃以下の温度で二酸化炭素を吸着させ、100〜200℃前後の温度に加熱して二酸化炭素を脱着させて回収する方法である。
TSA法の中でも二酸化炭素吸着材を充填した複数の吸着塔を吸着と再生と交互に切り替える多塔式では、ガスの圧力損失が高く、塔の切り替えによる濃度、圧力の変動が避けられない、大型化が困難などの欠点がある。また排熱は利用できるが、蒸気動力にも変換可能な有価排熱を利用するのでランニングコストが無視できないという問題もある。
一般的なTSA法には、大きく分けて粒状吸着材充填層による固定床方式、流動床方式、移動床(層)方式と、ハニカム状吸着体を用いたハニカムロータ吸着・濃縮法がある。充填層を用いる方式は比較的低コストで実現できるが圧力損失が高く、粒状吸着材の流動により粒子の磨耗、破損を生じたり、充填の偏りを生じたりする等の欠点がある。ハニカム状吸着体を用いる方法は、表面積が広くても圧力損失が低く、軽量でも強度が高いため大型の装置を実現し易い長所がある。
特許文献4には、二酸化炭素吸着材を担持したハニカムロータを用いたTSA法により、煙道排ガスに含まれる二酸化炭素濃度10%前後のガスから二酸化炭素を吸着除去して、二酸化炭素濃度75〜95%に高めて濃縮回収する方法が開示されている。
この方法では、ハニカムを通過するガスから高濃度の二酸化炭素を吸着しなくてはならないため膨大な吸着熱が発生し、吸着熱によりガスやハニカムが昇温することで吸着材の吸着力が低下する。そのため冷却ゾーンで十分に冷却しても、吸着ゾーンでの吸着熱による温度上昇で吸着容量が低下して、回収率及び濃縮濃度が上がらない。
以上の理由から再生後のハニカムの蓄熱と二酸化炭素の吸着熱を除去するために比較的大きい冷却ゾーンを設けて循環冷却しているが、冷却のためのエネルギー増やロータ径の大径化や、装置が過大になるという問題がある。
さらにPSA法と同様、二酸化炭素の吸着材にゼオライトのような親水性の多孔質材料を用いると、前段に除湿装置を設けて、予め排ガス中の水分を除去する必要がある。このため、水分及び二酸化炭素の吸脱着のためにかかる熱エネルギーは膨大になる。
以上のような実状に鑑み、本発明は発電機と吸着ハニカムロータと送風機、加熱ヒータにより構成され、前記吸着ハニカムロータは少なくとも吸着ゾーンと脱着ゾーンに分割され、二酸化炭素を含む発電機排ガスを前記吸着ハニカムロータの吸着ゾーンに導入し、前記吸着ゾーンでは二酸化炭素を吸着することにより、二酸化炭素濃度の低くなったガスが排気され、前記脱着ゾーンでは前記加熱ヒータを通った植物工場内の空気及び/又は外気を導入し、脱着した二酸化炭素を含むガスを植物工場に供給施用するようにした二酸化炭素回収施用一体型発電機を提案するものである。
本発明の二酸化炭素回収施用一体型発電機は上記の如く構成したので、吸着ハニカムロータに一旦吸着させてから脱着回収した二酸化炭素を植物工場に導くことができ、植物の生育や人体に有害なガス成分の影響を排除しつつ、高い二酸化炭素回収率を達成できる効果を有する。発電機で発電した電力の一部を用いながら、その排ガスと排熱を利用して施用するので、外部電力工事が不要で、装置全体の小型化や単純化、低コスト化だけでなく、省エネルギーも達成できる効果がある。またビニールハウスや植物工場では、電照菊やイチゴ等の促成栽培の夜間照明用にポータブル発電機として電力を供給しながら、又はヒートポンプに電力供給して冷暖房しながら同時に二酸化炭素を施用できるなど、ビニールハウスや植物工場用途に適した運用が可能である。
図1は本発明の実施例1に係る二酸化炭素回収施用一体型発電機のフロー図である。 図2は本発明の実施例2に係る二酸化炭素回収施用一体型発電機のフロー図である。 図3は原料ガスの二酸化炭素濃度に対する、濃縮回収される二酸化炭素の濃度及び回収率の関係を示すグラフである。
本発明にて用いる吸着ハニカムロータは、円盤状又は中空円筒のロータいずれでも可能で、ロータの回転によって次工程に吸着ハニカムが移動するため、構造や切り替え制御が簡単で、小型化も大型化もしやすいというメリットがある。
一例として、無機繊維シート、金属シートを加工したハニカムのフルート内表面に、アミン基を有するイオン交換樹脂や固体アミン、イオン液体等の二酸化炭素吸収剤、セリウムやジルコニウム、リチウムを主成分とする金属酸化物や、活性炭やシリカゲル、活性アルミナ等多孔質吸着材に炭酸塩やMEA、アミノシランなどアミン系の二酸化炭素吸収材を担持した吸着材で構成したロータを用いる。
なお、本発明は粉状または粒状の前述二酸化炭素吸着材を、無機繊維シート、耐熱繊維不織布等の、シートのハニカム加工前又は加工後に担持し、さらにそのシートを複数積層又は巻きつけた円盤型又は円筒型にしたロータで構成するようにすると、低コストとなる。
図1に示す本発明の二酸化炭素回収施用一体型発電機は、発電機4と吸着ハニカムロータ1と発電機排ガス系及び植物工場への給気系送風機7及び8、加熱ヒータ5により構成される。ここで発電機4は、例えば定格出力3kVAまでの小型の発電機を想定しているが、これに限るものではなく、定格出力3kVA以上の発電機を用いるようにしてもよい。送風機7として小型換気扇のような安価な軸流タイプの送風機を用いるようにすると、イニシャルコストが低減できる。
吸着ハニカムロータ1は少なくとも発電機排ガスを導入する吸着ゾーン2と脱着ゾーン3に分割シールされ、吸着ハニカムロータ1はギヤドモータ(図示せず)によって数rphから数十rpmの速度で回転させように構成する。
吸着ゾーン2ではハニカムを通過する発電機排ガスから二酸化炭素を吸着し、二酸化炭素濃度の薄くなった発電機排ガスが排気(図中EAと表記)される。脱着ゾーン3では加熱ヒータ5で所定の温度に加熱した植物工場(以下ビニールハウス含む)等の空気又は外気(以下外気と表示するが、植物工場内の空気も含む。図中OAと表記。)を通気して、脱着した二酸化炭素を含む空気を植物工場に供給する。
発電機排ガスには数〜十数%の二酸化炭素、一酸化炭素や窒素酸化物、燃料によっては硫黄酸化物、不完全燃焼したハイドロカーボンなどの有害ガス成分が含まれているので、そのままでも、また薄めても植物工場に施用すると植物の生育や人体への影響が懸念される。
そこで二酸化炭素のみを選択吸着する吸着ハニカムロータ1の吸着ゾーン2に発電機排ガスを通して、ハニカムに二酸化炭素を吸着させ、その後ハニカムは脱着ゾーン3に回転移行する。脱着ゾーン3では外気を加熱ヒータ5で加熱して導入し、ハニカムに吸着した二酸化炭素を脱着して植物工場に導入する。発電機排ガスから選択吸着された二酸化炭素が植物工場へ供給され、排ガス中の有害ガス成分は吸着ゾーン2を通過してそのまま排気されるので、有害ガス成分が植物工場へ供給されることを防ぐ効果がある。
外気導入ダンパ6を開き、発電機4からの発電機排ガスを外気と混合して薄めるようにすると、発電機排ガス中の有害ガス成分は希釈され、植物工場への有害ガス成分の流入を抑制できる効果が高まる。このとき、二酸化炭素濃度が低下して、回収濃度も低下することが懸念されるが、後述の理由により、二酸化炭素回収の面においても発電機排ガスを外気と混合するメリットは大きい。
図2に示す本発明の二酸化炭素回収施用一体型発電機は、図1の実施例1と同様の機器構成に加えて、全熱交換器9により構成される。発電機4は、実施例1と同様定格出力3kVAまでの小型の発電機を想定している。
実施例1と重複する説明は省略するが、実施例2では、発電機4の発電機排ガスを全熱交換器9で外気と全熱交換して温度と湿度を低下させ、さらに外気導入ダンパ6を開放して、外気と混合して二酸化炭素濃度を2%以下に薄めて吸着ゾーン2からハニカムに導入する。なお、本実施例では、静止型の直交全熱交換器を用いているが、これに限定するものではなく、ロータ型の回転式全熱交換器を用いてもよい。
全熱交換器9のもう一方のゾーンに導入した外気は発電機排ガスとの全熱交換によって加温・加湿される。熱回収後の外気をそのまま、あるいは必要に応じて、加熱ヒータ5で所定の温度に加熱し、加温・加湿された外気を吸着ハニカムロータ1の脱着ゾーン3に導入することで、ハニカムに吸着されている二酸化炭素を脱着して、二酸化炭素濃度の高くなった外気を植物工場に導入する。加温だけでなく加湿してエンタルピを高くして二酸化炭素の脱着を促進することは特開2017−154063にも記述されているが、本発明は発電機排ガスから全熱を回収して脱着エネルギーに有効利用することが特徴である。なお、脱着ゾーン3に導入する空気は、上記のような全熱交換した外気ではなく、装置外の外気をそのまま用いる構成としてもよい。
すなわち、本発明では発電機排ガスに含まれる水蒸気は二酸化炭素の回収を阻害するものではなく、むしろ全熱として回収して高エンタルピの脱着空気として利用し、脱着性能の向上に寄与する。つまり発電機排ガスの水蒸気のエネルギーも利用しながら、水蒸気による性能への悪影響を受けにくいというメリットがある。
前記発電機排ガスと外気との混合は全熱交換器導入前でもよく、排気温度が高い場合は全熱交換器の耐熱温度以下になるように外気を混合して温度を下げて全熱交換器に導入するようにしてもよい。
二酸化炭素の回収や濃縮の知識あるいは科学的知識を持つ技術者であれば、二酸化炭素回収源の排ガスを薄めずに回収した方が高濃度に回収できて、回収装置も小型にできてメリットがあると考えるのが普通であるが、本発明の方法は逆発想で、二酸化炭素を回収する前に一旦薄めることで、回収率を上げるとともに、装置全体の小型化や単純化、低コスト化を達成するものである。
図3は原料ガスの二酸化炭素濃度に対する、濃縮回収される二酸化炭素の濃度及び回収率の関係を示すグラフである。図3によると、原料ガスの二酸化炭素濃度が低いほど、回収ガスの二酸化炭素濃度は低下するが、回収率は上昇する。これは、原料ガスの二酸化炭素濃度の上昇に伴う二酸化炭素ガス量の増加に対して、吸着熱等の影響により、ハニカム自体の二酸化炭素吸着量の増加は相対的に小さいので、吸着されずに排出される二酸化炭素量が増えることにもよる。
発電機排ガスを二酸化炭素濃度2%以下に薄めて吸着ゾーンに導入する理由は、全熱交換器の耐熱性や吸着ガス温度の低下、一酸化炭素やその他有害ガス成分の濃度を、外気の混合によって低下させて安全で簡便、安価な装置を達成する効果もあるが本当のメリットは別にある。
二酸化炭素の気化潜熱は369.9kJ/kgあり、吸着時にはこの潜熱相当、又はそれ以上の吸着熱を発生し、吸着ガスやハニカムの温度が上昇して吸着効果が低下する。ゼオライト系、炭酸塩系、アミン系の何れも40〜60℃に温度上昇すると二酸化炭素吸着又は吸収能力は急激に低下する。つまり排ガスの二酸化炭素濃度が数〜十数%の場合、排ガスを吸着材に接触させると二酸化炭素濃度の1〜2%吸着するとこの温度に昇温してそれ以上吸着ができなくなり、吸着されなかった大部分の二酸化炭素は排出される。
この現象の対策として特許文献4では、吸着ゾーンを通過して排出されたまだ高濃度の二酸化炭素混合排ガスを冷却して、再度ハニカムロータに導入して二酸化炭素を吸着させるという方法で二酸化炭素の回収量を向上させているが、それでも60%程度の回収率に留まる。
特許文献4のように二酸化炭素濃度10%前後のガスから吸着処理する場合は、二酸化炭素以外の空気成分は二酸化炭素の9倍しかないので、吸着熱によるガスの温度上昇が著しく吸着回収率は上げられない。本発明では、二酸化炭素濃度を2%以下に薄めているので、二酸化炭素以外の空気成分が98%以上と二酸化炭素濃度の50倍近く又は以上あり、吸着熱を分散させる効果があるので、回収率が飛躍的に向上する。
二酸化炭素濃度を2%以下に薄めて回収処理した場合の回収二酸化炭素濃度は1%前後に低下するが植物工場への施用濃度としては十分で、もし回収二酸化炭素が漏れた場合の危険性リスクが低くなるメリットもある。二酸化炭素濃度の安全衛生基準は5000ppm以下であり、1%前後の二酸化炭素が漏れても周囲の空気で瞬時に薄められて、安全衛生基準濃度を超えるリスクは限りなく少ない。
発電機4から排気される発電機排ガスを全熱交換により排気温度・湿度を低下させ、さらに二酸化炭素濃度が2%以下になるように外気を混合して、二酸化炭素吸着ハニカムロータ1の吸着ゾーン2に送る。吸着ゾーン2では、吸着ハニカムロータ1を通過する際に二酸化炭素が吸着され吸着熱により温度上昇する。
例えば二酸化炭素濃度10%の場合、二酸化炭素の9倍の空気成分に吸着熱が分散されるが、吸着熱による温度上昇が著しく、二酸化炭素の吸着が弱くなり、大部分の二酸化炭素は吸着されずにハニカムロータを通過してしまう。そこで回収率を向上するためにハニカムロータ通過排ガスを冷却し、再度冷却ゾーンを通過循環吸着させる。このように3〜5回循環させても回収率は60%に止まる。
本発明では二酸化炭素濃度を2%以下に薄めることで、二酸化炭素以外の約50倍の空気成分に吸着熱が分散されるので、大部分の二酸化炭素は1回の吸着ハニカムの通過で吸着できる。
さらに本発明の目指すもう一つの効果は季節変動や、植物工場内での必要な空調条件に応じて2段階の回収モードを設定できることである。
一つは二酸化炭素脱着のための脱着空気のエンタルピが得られ、植物工場内空気のエンタルピ上昇が歓迎される場合には、ハニカム除湿機のように数〜十数rphの回転数で吸着ハニカムロータ1を回転させながら、加熱・加温された脱着空気を脱着ゾーン3から導入する(以下、「加湿モード」という)。
別の方法では、二酸化炭素脱着のためのエンタルピが十分に得られない場合は、吸着ハニカムロータ1の回転数を十数〜数十rpm回転前後に回転数を上げることで、脱着のためのエネルギーを用いなくても濃度差により全熱交換器の潜熱交換的に二酸化炭素移行をさせることで回収空気側に二酸化炭素を回収することができる(以下、「全熱交換モード」という)。
この回転数について定義するなら、単位時間当たりに吸着ゾーンに投入される吸着ハニカムの熱容量と処理ガスの熱容量の比率で定義することができる。つまりロータのハニカム重量と比熱と回転数(rph)を掛け合わせると吸着ハニカムの単位時間投入熱容量が計算できる。ガス側は処理ガス量(Nm/h)と平均比熱を掛け合わせて単位時間投入熱容量を計算し、ハニカムロータ単位時間投入熱容量(kJ/h)÷処理ガス単位時間投入熱容量(kJ/h)にて計算すればよい。
ハニカム除湿機等のようにTSA法で二酸化炭素を低濃度側に移動させる場合は処理空気量(ガス量)に対し、ハニカムの単位時間投入熱容量が約6分の1倍になるように回転数を設定する。
全熱交換器の潜熱交換的に濃度差によるガス交換現象で二酸化炭素を低濃度側に移動させる場合は、処理空気ガスの単位時間投入熱容量に対し、ハニカムロータ単位時間投入熱容量が約10倍になるように回転数を設定する。つまり高濃度側から低濃度側にガス移動させる場合、サーマルスイング法による加湿モードと全熱交換的ガス交換現象で移動させる全熱交換モードでは約60倍の回転速度差になる。
全熱交換器の潜熱交換的ガス移動であれば脱着のためのエネルギー追加は不要で非常に省エネルギーになり、装置構成材料も安価になる。
本発明は発電機排ガスを原料にするので二酸化炭素の濃度が高く、かつ回収供給する対象が植物工場なので、施用する二酸化炭素濃度が1%以下でも運用が可能で、潜熱交換的ガス移動交換により運用ができる。これは単なる公知技術の組み合わせではなく、全熱交換器やハニカム回転除湿機、VOC濃縮装置や二酸化炭素濃縮装置を開発、高度に精通した者が、かつ工夫考案を詰めることにより発明に至ったものである。
なお、実施例1においても吸着ハニカムロータ1の回転数を調整することによって、加湿モードと全熱交換モードの2段階の回収モードを設定できるようにしてもよい。
実施例2では、外気と混合して二酸化炭素濃度2%以下としたが、排ガスをそのまま吸着ハニカムロータ1に導入してもよく、外気と混合しても2%以上の二酸化炭素濃度となるようにしてもよい。
本発明に係る実施例1及び実施例2は上記の如く構成したので、発電機で発電して電力供給しながら、その一部の電力と、発電機排ガスと排熱を利用して植物工場へ二酸化炭素を施用するため、外部電力工事が不要で低コスト、小型軽量化しやすいメリットがある。
実施例1及び実施例2に記載のものは、小型の発電機に限るものではなく、別の形態として、定格出力10〜100kVAの中型の発電機や、定格電力100〜400kVAの大型の発電機の排ガス、火力発電所や下水処理場の消化ガス利用したガス発電など、種々の発電機排ガスを用いるようにしてもよい。
また、吸着ゾーン2を通過した空気の一部を吸着ハニカムロータ1の吸着入口側に再び戻す、あるいは脱着ゾーン3を通過した空気の一部を吸着ハニカムロータ1の脱着入口側に再び戻して、吸着側、脱着側のいずれか一方もしくは両方を循環させるように構成してもよい。
本発明の二酸化炭素回収施用一体型発電機に、植物工場内の二酸化炭素濃度を検出する手段を設ければ、植物工場内の二酸化炭素濃度が設定下限値より低くなった場合に、装置が作動して回収二酸化炭素を植物工場に放出し、設定上限値より高くなった場合に装置を停止させることができる。
また、排ガスには人体に有害な一酸化炭素も含まれることから、発電機の排ガスの二酸化炭素を回収して、植物工場に供給するとき、吸着ハニカムロータ1の脱着出口の下流側に一酸化炭素検出手段を設けて、検出された一酸化炭素濃度が設定上限値より高くなった場合には、原料排ガスあるいは脱着ガスを大気に放出する、もしくは装置を停止するようにしてもよい。
さらに、有害ガス成分除去装置を用いて排ガスから有害ガス成分を除去して外気と混合した後、吸着ハニカムロータ1の吸着ゾーン2に導入するように構成すると、有害ガス成分低減効果はいっそう高まる。窒素酸化物の処理方法にもよるが、主に硝酸イオンとして水に溶解した窒素源が得られる場合には、植物工場内で肥料として利用するようにしてもよい。
本発明は、発電機排ガスから二酸化炭素を回収し、ビニールハウスや植物工場に、農産物の生育生産性向上の目的で供給する、二酸化炭素回収施用一体型発電機に関するものである。本発明は、植物の生育や人体に有害なガス成分の低減を図りつつ、高い二酸化炭素回収率を達成できるとともに、PSA法及びTSA法の従来の課題や欠点を解消し、かつハニカムロータ方式の高コスト化の欠点を解決しながら、装置全体の小型化や単純化、低コスト化や省エネルギーの達成も可能になる。
1 吸着ハニカムロータ
2 吸着ゾーン
3 脱着ゾーン
4 エンジン(発電機)
5 加熱ヒータ
6 外気導入ダンパ
7、8 送風機
9 全熱交換器

Claims (5)

  1. 発電機と吸着ハニカムロータと送風機、加熱ヒータにより構成され、前記吸着ハニカムロータは少なくとも吸着ゾーンと脱着ゾーンに分割され、発電機排ガスを前記吸着ハニカムロータの吸着ゾーンに導入し、前記吸着ゾーンでは二酸化炭素を吸着することにより、二酸化炭素濃度の低くなったガスが排気され、前記脱着ゾーンでは前記加熱ヒータを通った植物工場内の空気及び/又は外気を導入し、脱着した二酸化炭素を含むガスを植物工場に供給施用するようにした二酸化炭素回収施用一体型発電機。
  2. 前記発電機排ガスを全熱交換器で外気及び/又は植物工場内の空気と全熱交換し、前記吸着ハニカムロータに導入するようにした請求項1に記載の二酸化炭素回収施用一体型発電機。
  3. 前記全熱交換器で全熱交換した外気及び/又は植物工場内の空気を前記脱着ゾーンに導入するようにした請求項2に記載の二酸化炭素回収施用一体型発電機。
  4. 前記発電機排ガスを植物工場内の空気及び/又は外気と混合して、前記吸着ハニカムロータに導入するようにした請求項1又は2に記載の二酸化炭素回収施用一体型発電機。
  5. 前記吸着ハニカムロータの回転数を変えることにより、二酸化炭素を回収供給しながらの加湿モードと全熱交換モードの2段階の回収モードを設定できるようにした、請求項1から4に記載のいずれか1項に記載の二酸化炭素回収施用一体型発電機。
JP2018221799A 2018-11-28 2018-11-28 二酸化炭素回収施用一体型発電機 Active JP6578492B1 (ja)

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