JP2020078790A - 焼却灰の無害化方法及び焼却灰再生肥料 - Google Patents

焼却灰の無害化方法及び焼却灰再生肥料 Download PDF

Info

Publication number
JP2020078790A
JP2020078790A JP2018214037A JP2018214037A JP2020078790A JP 2020078790 A JP2020078790 A JP 2020078790A JP 2018214037 A JP2018214037 A JP 2018214037A JP 2018214037 A JP2018214037 A JP 2018214037A JP 2020078790 A JP2020078790 A JP 2020078790A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
incineration ash
organic waste
ash
fertilizer
incinerated ash
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018214037A
Other languages
English (en)
Inventor
博樹 押田
Hiroki Oshida
博樹 押田
正美 末永
Masami Suenaga
正美 末永
径典 陸田
Michinori Mutsuda
径典 陸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TECHNO CHUBU KK
Original Assignee
TECHNO CHUBU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TECHNO CHUBU KK filed Critical TECHNO CHUBU KK
Priority to JP2018214037A priority Critical patent/JP2020078790A/ja
Publication of JP2020078790A publication Critical patent/JP2020078790A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/20Fertilizers of biological origin, e.g. guano or fertilizers made from animal corpses
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/78Recycling of wood or furniture waste

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Abstract

【課題】簡便な方法によって、六価クロムの含有量を低減させる焼却灰の無害化方法と、六価クロム含有量を低減させた焼却灰再生肥料を提供する。【解決手段】本発明の焼却灰の無害化方法は、バイオマス資源の焼却灰と有機性廃棄物とを混合し、発酵させる方法である。本発明の焼却灰の無害化方法によれば、有機性廃棄物に含まれる微生物による発酵により、又は、有機性廃棄物に含まれる有機物との接触による還元反応により、焼却灰に含まれる有害な六価クロムが無害な三価クロムに還元されるため、簡便な方法によって、バイオマス資源の焼却灰を無害なものとすることができる。また、本発明の焼却灰再生肥料は、バイオマス資源の焼却灰と、有機性廃棄物と、を含有し、本発明の焼却灰の無害化方法によって無害化された肥料である。【選択図】図1

Description

本発明は、バイオマス資源の焼却灰を無害化する方法と、バイオマス資源の焼却灰を含有する焼却灰再生肥料に関する。
製材廃材及び林地残材などの木質廃材、野菜などの食品残材及びサトウキビ残渣などの食品廃材並びに糞尿などの下水汚泥などのバイオマスのエネルギー(以下、バイオマス資源とする。)は、日々発生し、バイオマス資源を有効に活用する方法の検討が進められている。バイオマス資源を有効に活用する方法の一つとして、バイオマス資源を燃焼させて発電を行なうバイオマス発電がある。バイオマス発電により、バイオマス資源を有効に活用することができるものの、バイオマス発電は、発電を行なうことによって、大量の焼却灰が発生する。バイオマス資源の焼却灰の利用として、特許文献1では、バイオマス資源の焼却灰に石灰源材料などを添加して成分調整を行なった焼却灰再生肥料が記載されている。
しかし、バイオマス資源の焼却灰は、人体に極めて有害な六価クロムが多く含まれているという問題がある。これに対して、焼却灰に含まれる六価クロムの含有量を低減させる方法として、従来、特許文献2において、燃焼中の生成ガスの比を調整することにより、六価クロムの含有量を低減させる方法が記載されている。
特開2005−253313号公報 特開2007−196214号公報
特許文献2に記載された従来の焼却灰に含まれる六価クロムの含有量を低減させる方法は、燃焼中の生成ガスの比を調整することが困難であり、簡便に実施することができないという課題があった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、簡便な方法によって、六価クロムの含有量を低減させる焼却灰の無害化方法と、六価クロム含有量を低減させた焼却灰再生肥料を提供することを目的とする。
本発明に係る焼却灰の無害化方法は、バイオマス資源の焼却灰と有機性廃棄物とを混合し、発酵させることを特徴とする。
本発明の焼却灰の無害化方法によれば、有機性廃棄物に含まれる微生物による発酵により、又は、有機性廃棄物に含まれる有機物との接触による還元反応により、焼却灰に含まれる有害な六価クロムが無害な三価クロムに還元されるため、簡便な方法によって、バイオマス資源の焼却灰を無害なものとすることができる。
ここで、上記焼却灰の無害化方法において、前記発酵の温度が0〜100℃であるものとすることができる。
これによれば、微生物による発酵が活発になり、六価クロムの三価クロムへの還元が促進されるため、好適に、バイオマス資源の焼却灰を無害なものとすることができる。
また、上記焼却灰の無害化方法において、前記有機性廃棄物が植物由来有機性廃棄物であるものとすることができる。
これによれば、植物由来有機性廃棄物は、他の有機性廃棄物と比して発酵時に発する臭いが少なく、無害化時の周辺環境への負担を少なくすることができる。
ここで、本発明に係る焼却灰再生肥料は、バイオマス資源の焼却灰と、有機性廃棄物と、を含有することを特徴とする。
本発明の焼却灰再生肥料によれば、有機性廃棄物に含まれる微生物による発酵により、又は、有機性廃棄物に含まれる有機物との接触による還元反応により、焼却灰に含まれる有害な六価クロムが無害な三価クロムに還元されるため、無害な焼却灰再生肥料を提供することができる。
また、上記焼却灰再生肥料において、前記有機性廃棄物が植物由来有機性廃棄物であるものとすることができる。
これによれば、植物由来有機性廃棄物は、肥料の三大栄養素である窒素、リン及びカリウムをバランスよく含有しているため、焼却灰再生肥料の栄養バランスが高いものとすることができる。
また、上記焼却灰再生肥料において、バイオマス資源の焼却灰が木質廃材の焼却灰であるものとすることができる。
これによれば、木質廃材が他のバイオマス資源と比して長期保管が容易であるため、焼却灰再生肥料の生産調整が容易なものとなる。
本発明の焼却灰の無害化方法によれば、有機性廃棄物に含まれる微生物による発酵により、又は、有機性廃棄物に含まれる有機物との接触による還元反応により、焼却灰に含まれる有害な六価クロムが無害な三価クロムに還元されるため、焼却灰と有機性廃棄物を混合し、発酵させるだけの簡便な方法によって、バイオマス資源の焼却灰を無害なものとすることができる。また、本発明の焼却灰再生肥料によれば、有機性廃棄物に含まれる微生物による発酵により、又は、有機性廃棄物に含まれる有機物との接触による還元反応により、焼却灰に含まれる有害な六価クロムが無害な三価クロムに還元されるため、無害な焼却灰再生肥料を提供することができる。
本発明の実施形態の焼却灰再生肥料を利用したエネルギー循環サイクルを示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る焼却灰の無害化方法と焼却灰再生肥料について説明する。実施形態の焼却灰の無害化方法は、バイオマス資源の焼却灰と有機性廃棄物とを混合し、有機性廃棄物に含まれる微生物による発酵により、又は、有機性廃棄物に含まれる有機物との接触による還元反応により、焼却灰に含まれる有害な六価クロムを無害な三価クロムに還元するものである。実施形態の焼却灰再生肥料は、バイオマス資源の焼却灰と、有機性廃棄物と、を含有し、実施形態の焼却灰の無害化方法によって無害化された肥料である。
バイオマス資源の焼却灰は、バイオマス資源がバイオマス発電によって燃焼されることによって発生する。バイオマス資源としては、製材廃材及び林地残材などの木質廃材、野菜などの食品残材及びサトウキビ残渣などの食品廃材並びに糞尿などの下水汚泥などを使用することができる。これらバイオマス資源の中でも、木質廃材を好んで使用することができる。木質廃材は、他のバイオマス資源と比して長期保管が容易であるため、焼却灰再生肥料の生産調整を容易なものとすることができ、かつ、木材が肥料の土壌改良要素として有用なカルシウムを多く含有しているからである。また、木質廃材は、バイオマス発電所で発電の熱源として燃焼に供されるときに、二酸化炭素を排出するが、木材の成長過程で大気中の二酸化炭素を吸収するため、二酸化炭素の排出量と吸収量が等しい、いわゆる、カーボンニュートラルであるため、自然環境に優しいものである。
バイオマス資源としての木質廃材には、植林地で育成された木材、並びに、木材から発生する製材廃材及び林地残材などが使用される。木質廃材は、粉末状に裁断され、その後、圧縮成形されることにより、木質ペレットとされ、バイオマス発電所で発電の熱源として燃焼に供される。木質ペレットには、原料とする木材の採取する部位の違いにより、木部ペレット(ホワイトペレット)、樹皮ペレット(バークペレット)及び全木ペレットの3種類がある。ホワイトペレットは樹皮を含まない木質部を主体とした原料を用いて製造したペレットであり、バークペレットは樹皮を主体とした原料を用いて製造したペレットであり、全木ペレットは樹皮付き丸太を原料として製造したペレットである。実施形態の焼却灰の無害化方法では、木材の採取する部位の違いに係らず、バイオマス資源としての木質ペレットを使用することができるが、バイオマス資源として発熱量が大きいホワイトペレットをより好んで使用することができる。
木質ペレットは、木材を原料としているため、自然環境として特に地下水中に存在する有害物質を高い濃度で含有し、木質ペレットがバイオマス発電所で発電の熱源として燃焼に供され燃焼残留物として残った焼却灰には、有害物質として六価クロムやフッ素が高い濃度で存在する。このため、焼却灰を再利用又は破棄するにあたり、これら有害物質を無害化又は除去する必要が生じる。
これに対して、本願発明者らは、鋭意開発に努力をした結果、有機性廃棄物に含まれる微生物による発酵により、又は、有機性廃棄物に含まれる有機物との接触による還元反応により、焼却灰に含まれる有害な六価クロムが無害な三価クロムに還元されるため、簡便な方法によって、バイオマス資源の焼却灰を無害なものとすることを見出したものである。また、有機性廃棄物が、焼却灰に含まれる有害なフッ素を無害化することも見出したものである。これは、焼却灰に含まれるフッ素が、カルシウムと難溶性塩を形成し、混合された有機性廃棄物や焼却灰に吸着され、無害化されるものと推測する。
有機性廃棄物とは、本来の用途を終えた原材料の残滓や原材料そのものであって、有機分を含有し、かつ、三大栄養素(窒素、リン、カリウム)の少なくともいずれか一種類を含有するものとし、肥料取締法(昭和二十五年法律第百二十七号)においては、およそ特殊肥料に該当するものである。
有機性廃棄物は、有機分を含有する特殊肥料に該当するものであれば、実施形態の焼却灰の無害化方法における、バイオマス資源の焼却灰と混合させて発酵させる有機性廃棄物として使用することができるが、有機性廃棄物が植物由来有機性廃棄物であるものがより好ましい。植物由来有機性廃棄物は、動物由来の有機性廃棄物と比して、発酵時の発生する臭いが少ないため、周辺環境に及ぼす影響を小さいものとすることができるからである。また、植物由来有機性廃棄物は、肥料の三大栄養素である窒素、リン及びカリウムをバランスよく含有しているため、焼却灰再生肥料の栄養バランスの高いものとすることができる。
植物由来有機性廃棄物としては、肥料取締法における肥料の種類の表記で、米ぬか、くず植物油かす及びその粉末、草本性植物種子皮殻油かす及びその粉末、木の実油かす及びその粉末、又は、くず大豆及びその粉末が入手容易であるため、より好んで使用することができる。なお、米ぬかとは、精米の際に発生する米の皮部、胚乳の一部及び胚の混合物であり、20%程度の油分を含むものである。くず植物油かす及びその粉末とは、植物油原料の精選の際に排出されるくず植物種子や事故原料種子を別途に搾油したかすのことである。草本性植物種子皮殻油かす及びその粉末とは、草本性の植物種子の皮殻を搾油して得られる油かすであって、芥子粉の製造の際に得られるものが主で、窒素3%、りん酸、カリウムそれぞれ1%程度を含むものである。木の実油かす及びその粉末とは、カポックの種子以外の木本性植物の種子を搾油したかすの総称であり、桐の実油かす、ろうみ油かす、茶の実油かす、オリーブ実油かすなどのことである。くず大豆及びその粉末とは、半割等のくず大豆または水ぬれ等により変質した大豆を、搾油工程を経ないで加熱変性させ、フレーク状に圧ぺんしたもの、またはこれを粉末にしたものであり、窒素6%、りん酸1%、カリウム2%程度を含むものである。植物由来有機性廃棄物として具体的には、入手が容易であり、焼却灰との混合性に優れる粉末状である、米ぬか、肌ぬか、種々の植物油を原料とする油かす、又は、おから、をより好んで使用することができる。
バイオマス資源の焼却灰は、有機性廃棄物と混合され、有機性廃棄物に含まれる微生物による発酵により、又は、有機性廃棄物に含まれる有機物との接触による還元反応により、焼却灰に含まれる有害な六価クロムが無害な三価クロムに還元される。また、焼却灰に含まれる有害なフッ素が、カルシウムと難溶性塩を形成し、混合された有機性廃棄物や焼却灰に吸着され、無害化される。
バイオマス資源の焼却灰に対する有機性廃棄物の混合比(重量比)は、特に限定されるものではないが、バイオマス資源の焼却灰1に対して、有機性廃棄物が0.05〜10の範囲であることが好ましい。バイオマス資源の焼却灰に含まれる有害物質を好適に無害化することができるためである。混合比が0.05に満たない場合には、有害物質を十分に無害化することができないおそれがあり、また、焼却灰再生肥料としての肥料成分が不足するおそれがある。一方、混合比が10を超えると、有機性廃棄物が過剰となり、有機性廃棄物の輸送や保管にコストを要することとなり、コスト的に不利益が生じるおそれがある。より好ましくは、混合比は、バイオマス資源の焼却灰1に対して、有機性廃棄物が0.1〜1であり、さらに好ましくは、0.2〜0.5である。焼却灰は、篩にかけて有機性廃棄物に混合させ、パドルミキサーなどで撹拌を行なう。また、発酵中においても、発酵が促進するように、2〜3日毎に撹拌を行なうのが好ましい。
発酵の温度は、0〜100℃であることが好ましい。微生物による発酵が活発になり、有害物質の無害化が促進されるため、好適に、バイオマス資源の焼却灰を無害なものとすることができるためである。発酵の温度が0℃に満たない場合には、微生物による発酵が活発にならず、有害物質の無害化が促進されないおそれがある。一方、発酵の温度が100℃を超えると、有機性廃棄物が分解してしまい、有害物質を好適に無害化することができないおそれがあると共に、加える熱量が過大となり不経済となるおそれがある。より好ましくは、発酵の温度は、10〜80℃であり、さらに好ましくは、20〜60℃である。
バイオマス資源の焼却灰は、有機性廃棄物と混合され、発酵させられることにより、有害物質が無害化され、栄養素が豊富であることにより、焼却灰再生肥料として使用することができる。
焼却灰再生肥料は、バイオマス資源としての木質ペレットの原料となる木材の植林地に使用されることにより、図1に示すような、焼却灰再生肥料を利用したエネルギー循環サイクルを形成する。
植林地で育成された木材、並びに、木材から発生する製材廃材及び林地残材などの木質廃材は、木質ペレット工場にて、バイオマス資源として、圧縮成形されて、粒状の燃料体である木質ペレットに加工される。木材は、自然環境として特に地下水中に存在する有害物質を高い濃度で含有し、有害物質として三価クロムやフッ素が高い濃度で含有されている。加工された木質ペレットも同様に、三価クロムやフッ素が高い濃度で含有されている。
バイオマス資源としての木質ペレットは、バイオマス発電所にて、燃焼に供されて発電がおこなわれる。木質ペレットは、燃焼されることによって焼却灰となり、焼却灰には、土壌改良成分として有用なカルシウム分が多く含まれる。一方で、焼却灰には、木質ペレットに含まれる三価クロムが、燃焼時の高温の酸化雰囲気により六価クロムに酸化され、六価クロムが、燃焼による灰化減量により焼却灰中で濃縮され、高濃度で含有されることになる。また、木質ペレットに含まれるフッ素も、燃焼による灰化減量により焼却灰中で濃縮され、高濃度で含有されることになる。
焼却灰は、有効利用されるために、焼却灰再生工場にて、有機性廃棄物と混合され、無害化及び肥料化がなされる。具体的には、焼却灰は、有機性廃棄物と混合され、有機性廃棄物に含まれる微生物による発酵により、又は、有機性廃棄物に含まれる有機物との接触による還元反応により、焼却灰に含まれる有害な六価クロムが無害な三価クロムに還元される。また、焼却灰に含まれる有害なフッ素が難溶性塩を形成し、混合された有機性廃棄物や焼却灰に吸着され、無害化される。有機性廃棄物と混合されることによって、焼却灰は、カルシウム分に加え、窒素、リン及びカリウム分が付加され、栄養素が豊富な焼却灰再生肥料となる。
焼却灰再生肥料は、植林地で使用されることによって、焼却灰再生肥料の栄養分が木材を育成し、木材の一部となる。植林地で育成された木材は、再び、加工されてバイオマス資源に供され、エネルギー循環サイクルを形成する。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。実施例では、焼却灰は、株式会社中部プラントサービスが運営する、再生可能エネルギー木質バイオマス発電所「多気バイオパワー」(三重県多気郡多気町)から排出されたバイオマス資源の焼却灰を使用した。「多気バイオパワー」では、木質ペレット工場で加工されたホワイトペレットを燃焼させてバイオマス発電がおこなわれている。有機性廃棄物には、精米工場から排出された米ぬかと、食品工場から排出された油粕を使用した。焼却灰、米ぬか及び油粕の肥料成分と有害成分の含有量を表1に記載する。なお、肥料成分は、窒素全量、リン酸、カリウム及びカルシウムの含有量を重量%で記載した。有害成分は、六価クロム及びフッ素の含有量をmg/Lで記載した。
Figure 2020078790
(実施例1)
実施例1は、焼却灰に「多気バイオパワー」から排出されたバイオマス資源の焼却灰を使用し、有機性廃棄物に精米工場から排出された米ぬかを使用し、重量比で、焼却灰:有機性廃棄物=1:4で混合した。焼却灰と有機性廃棄物との混合は、焼却灰を2mmの篩にかけて米ぬかと混合させ、混合物を25℃の環境下で発酵させ、焼却灰に含まれる有害成分の無害化を行なった。混合物は、2日毎に撹拌を行なった。そして、肥料成分と有害成分の含有量の測定を、混合直後、2週間後及び1か月後に行い、測定結果を表2に記載した。なお、混合直後は、酸化反応により含有量に誤差が生じるため、混合前の焼却灰と有機性廃棄物の肥料成分と有害成分の含有量の測定値から、混合比により計算した値を混合直後の肥料成分と有害成分の含有量とした。
Figure 2020078790
実施例1では、六価クロムは、混合直後の0.04mg/Lから、発酵期間2週間で75%減の0.01mg/Lまで減少し、1か月で測定限界値以下となり、無害化されたことが確認できた。フッ素は、混合直後の0.42mg/Lから、発酵期間2週間で29%減の0.3mg/Lまで減少したが、1か月でも同じ値であった。肥料成分は、発酵期間が2週間でも1か月でも変化はほとんど見られなかった。
(実施例2)
実施例2は、混合物の発酵を37℃の環境下で行った。それ以外は実施例1と同じである。混合直後、2週間後及び1か月後の肥料成分と有害成分の含有量の測定結果を表3に記載する。
Figure 2020078790
実施例2では、六価クロムは、混合直後の0.04mg/Lから、発酵期間2週間で75%減の0.01mg/Lまで減少し、1か月で測定限界値以下となり、無害化されたことが確認できた。フッ素は、混合直後の0.42mg/Lから、発酵期間2週間で52%減の0.2mg/Lまで減少し、1か月で76%減の0.1mg/Lまで減少した。肥料成分は、発酵期間が2週間でも1か月でも変化はほとんど見られなかった。
(実施例3)
実施例3は、有機性廃棄物に油粕を使用した。それ以外は実施例1と同じである。混合直後、2週間後及び1か月後の肥料成分と有害成分の含有量の測定結果を表4に記載する。
Figure 2020078790
実施例3では、六価クロムは、混合直後の0.04mg/Lから、発酵期間2週間で25%減の0.03mg/Lまで減少し、1か月で50%減の0.02mg/Lまで減少した。フッ素は、混合直後の0.42mg/Lから、発酵期間2週間で29%減の0.3mg/Lまで減少し、1か月で52%減の0.2mg/Lまで減少した。肥料成分は、発酵期間が2週間でも1か月でも変化はほとんど見られなかった。
(実施例4)
実施例4は、混合物の発酵を37℃の環境下で行った。それ以外は実施例3と同じである。混合直後、2週間後及び1か月後の肥料成分と有害成分の含有量の測定結果を表5に記載する。
Figure 2020078790
実施例4では、六価クロムは、混合直後の0.04mg/Lから、発酵期間2週間で変化は見られなかったものの、1か月で測定限界値以下となり、無害化されたことが確認できた。フッ素は、混合直後の0.42mg/Lから、発酵期間2週間で29%減の0.3mg/Lまで減少し、1か月で52%減の0.2mg/Lまで減少した。肥料成分は、発酵期間が2週間でも1か月でも変化はほとんど見られなかった。
実施例の焼却灰の無害化方法によって、六価クロムを無害化することができ、フッ素の大半を無害化することができた。また、実施例の焼却灰再生肥料は、実施例の焼却灰の無害化方法によって、肥料成分に変化はほとんどなく、焼却灰のカルシウム分に加え、有機性廃棄物の窒素、リン及びカリウム分が付加された栄養素のバランスに優れるものであった。焼却灰再生肥料の三大栄養素の含有量は、焼却灰と有機性廃棄物の混合比率に依存するため、混合比率を変化させて計算した結果を表6と表7に記載する。米ぬかと油粕は、有機性廃棄物:焼却灰=1:9より多く含まれることによって、肥料として十分な三大栄養素を含有することが分かる。なお、実施例の焼却灰無害化方法は、常温で無害化が進行するため、バイオマス資源の焼却灰と有機性廃棄物とを混合及び梱包した焼却灰再生肥料を出荷することによって、出荷の移動中に有害物質の無害化を図ることもできる。
Figure 2020078790
Figure 2020078790

Claims (6)

  1. バイオマス資源の焼却灰と有機性廃棄物とを混合し、発酵させることを特徴とする焼却灰の無害化方法。
  2. 前記発酵の温度が0〜100℃であることを特徴とする請求項1に記載の焼却灰の無害化方法。
  3. 前記有機性廃棄物が植物由来有機性廃棄物であることを特徴とする請求項1に記載の焼却灰の無害化方法。
  4. バイオマス資源の焼却灰と、有機性廃棄物と、を含有することを特徴とする焼却灰再生肥料。
  5. 前記有機性廃棄物が植物由来有機性廃棄物であることを特徴とする請求項4に記載の焼却灰再生肥料。
  6. バイオマス資源の焼却灰が木質廃材の焼却灰であることを特徴とする請求項4に記載の焼却灰再生肥料。
JP2018214037A 2018-11-14 2018-11-14 焼却灰の無害化方法及び焼却灰再生肥料 Pending JP2020078790A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018214037A JP2020078790A (ja) 2018-11-14 2018-11-14 焼却灰の無害化方法及び焼却灰再生肥料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018214037A JP2020078790A (ja) 2018-11-14 2018-11-14 焼却灰の無害化方法及び焼却灰再生肥料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020078790A true JP2020078790A (ja) 2020-05-28

Family

ID=70801262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018214037A Pending JP2020078790A (ja) 2018-11-14 2018-11-14 焼却灰の無害化方法及び焼却灰再生肥料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020078790A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7169601B1 (ja) 2021-06-25 2022-11-11 九電みらいエナジー株式会社 焼却灰の無害化方法及び再生肥料の生産方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5684388A (en) * 1979-12-11 1981-07-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Composting treatment high water content organic waste
JPH07172966A (ja) * 1992-11-10 1995-07-11 Jiyoumou Riyokusan Kogyo Kk 有機汚泥物の醗酵促進方法及び醗酵促進装置
JP2000301121A (ja) * 1999-04-20 2000-10-31 Hotsuma Plant:Kk 生ゴミ処理剤の製造方法、生ゴミ処理物製造方法、生ゴミ処理剤および生ゴミ処理装置
JP2006315885A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Shimizu Corp リサイクル肥料及びその製造方法
JP2007196214A (ja) * 2005-08-31 2007-08-09 Yoshinobu Hayashi バイオマス燃焼・灰有効利用方法
JP2008230919A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Suzuki Farm:Kk 肥料、土壌改良剤又は下水処理調整剤の製造方法
JP2009280472A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Yoshinobu Hayashi 有機物系植物栽培用素材の製造方法。
JP2011223900A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Tomoyasu Sugiyama 六価クロム還元能を有する微生物の活性化方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5684388A (en) * 1979-12-11 1981-07-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd Composting treatment high water content organic waste
JPH07172966A (ja) * 1992-11-10 1995-07-11 Jiyoumou Riyokusan Kogyo Kk 有機汚泥物の醗酵促進方法及び醗酵促進装置
JP2000301121A (ja) * 1999-04-20 2000-10-31 Hotsuma Plant:Kk 生ゴミ処理剤の製造方法、生ゴミ処理物製造方法、生ゴミ処理剤および生ゴミ処理装置
JP2006315885A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Shimizu Corp リサイクル肥料及びその製造方法
JP2007196214A (ja) * 2005-08-31 2007-08-09 Yoshinobu Hayashi バイオマス燃焼・灰有効利用方法
JP2008230919A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Suzuki Farm:Kk 肥料、土壌改良剤又は下水処理調整剤の製造方法
JP2009280472A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Yoshinobu Hayashi 有機物系植物栽培用素材の製造方法。
JP2011223900A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Tomoyasu Sugiyama 六価クロム還元能を有する微生物の活性化方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7169601B1 (ja) 2021-06-25 2022-11-11 九電みらいエナジー株式会社 焼却灰の無害化方法及び再生肥料の生産方法
JP2023004404A (ja) * 2021-06-25 2023-01-17 九電みらいエナジー株式会社 焼却灰の無害化方法及び再生肥料の生産方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chia et al. Sustainable utilization of biowaste compost for renewable energy and soil amendments
Suthar et al. Vermicomposting of milk processing industry sludge spiked with plant wastes
Chatterjee et al. Anaerobic digestion for the stabilization of the organic fraction of municipal solid waste: A review
Jain et al. Drum composting of nitrogen-rich Hydrilla Verticillata with carbon-rich agents: Effects on composting physics and kinetics
Guo et al. Introduction to biochar as an agricultural and environmental amendment
CN102320873B (zh) 一种生物质与污泥共利用制取复合缓释肥的方法
Wong et al. The growth of Agropyron elongatum in an artificial soil mix from coal fly ash and sewage sludge
KR102319965B1 (ko) 유기성폐기물 자원화 방법 및 이를 이용한 친환경 고기능성 인공 부식토
CN102746034A (zh) 利用餐厨垃圾生产微生物光能有机肥的方法
CN107365614A (zh) 烟秆生物成型燃料资源化循环利用方法
KR101588817B1 (ko) 식품가공 폐수 슬러지를 이용한 유기질 비료의 제조방법
CN101195782B (zh) 用植物燃料制作各种型炭的方法
Mucha et al. Re-use of digestate and recovery techniques
Sinha et al. Agricultural waste management policies and programme for environment and nutritional security
JP2020078790A (ja) 焼却灰の無害化方法及び焼却灰再生肥料
Chowdhury et al. Techno-economic analysis and life-cycle assessment of vermi-technology for waste bioremediation
KR100741696B1 (ko) 음식물 쓰레기를 이용한 유기질 비료 제조방법
Kannan et al. Biochar an alternate option for crop residues and solid waste disposal and climate change mitigation
Waqas et al. Composting Processes for Agricultural Waste Management: A Comprehensive Review, Processes, 2023, 11, 731
KR102356774B1 (ko) 바이오차 및 미생물을 활용한 유기질 비료 및 그 제조방법
Tan Conversion of agricultural biomass into valuable biochar and their competence on soil fertility enrichment
Hisham et al. Incorporation of rice husk ash with palm oil mill wastes in enhancing physicochemical properties of the compost.
JP2009066581A (ja) バイオマスの燃焼によって生じた灰分の有効利用方法
Domínguez-Gutiérrez et al. Composting and vermicomposting of spent mushroom substrate to produce organic fertilizer
EP2955217A1 (en) Method and system for processing biomass

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200217

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20200217

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200217

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220329

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221004