[パチンコ遊技機の構成]
本発明に係る遊技機を実施するための形態を以下に説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。なお、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。なお、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」や「第1特別図柄」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」や「第2特別図柄」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、表示手段としての演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
また、この実施の形態では、演出表示装置5の表示画面の左上端部に、演出図柄を縮小した態様の「左」、「中」、「右」の小図柄(本例では、「1」〜「8」の図柄)の変動表示も実行される。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aおよび第2保留表示器25Bのそれぞれでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶情報の個数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4Aでは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第1始動入賞に基づいて発生した保留記憶情報(第1保留記憶情報)の個数を特定可能な第1特図保留記憶数がLEDの点灯(点灯個数)により表示される。第2保留表示器25Bでは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第2始動入賞に基づいて発生した保留記憶情報(第2保留記憶情報)の個数を特定可能な第2特図保留記憶数がLEDの点灯(点灯個数)により表示される。
演出表示装置5の表示領域における下部の左右2箇所には、第1保留表示エリア5D、第2保留表示エリア5Uが設定されている。第1保留表示エリア5Dでは、第1始動入賞に基づいて発生した第1保留記憶情報の個数を特定可能な第1特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。第2保留表示エリア5Uでは、第2始動入賞に基づいて発生した第2保留記憶情報の個数を特定可能な第2特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。
第1保留表示エリア5Dにおいては、第1保留記憶情報が発生するごとに左側に保留画像が増加する態様で保留画像Hが表示されていき、第1保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第1保留記憶情報に対応する右端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像Hが1つずつ右方向にシフトする表示が行なわれる。第2保留表示エリア5Uにおいては、第2保留記憶情報が発生するごとに右側に保留画像Hが増加する態様で保留画像が表示されていき、第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第2保留記憶情報に対応する左端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像が1つずつ左方向にシフトする表示が行なわれる。
第1保留表示エリア5Dおよび第2保留表示エリア5Uのそれぞれから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)AHを表示するアクティブ表示エリアAHAが保留表示エリアの中央部に形成される。アクティブ表示エリアAHAにおいては、第1保留表示エリア5Dまたは第2保留表示エリア5Uにおいて表示されていた保留画像Hが、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像AHが表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置5における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリア5Dと第2保留表示エリア5Uとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
第1保留表示エリア5Dおよび第2保留表示エリア5Uのそれぞれにおいて表示された保留画像Hについては、対象となる保留記憶情報の変動表示が実行される以前に保留表示の態様を変化させる保留表示態様変化演出が実行される場合がある。保留表示態様変化演出においては、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。
たとえば、保留画像Hの色としては、青色、緑色、および、赤色に変化可能である。保留表示態様変化演出は、所定の割合で実行することが決定され、演出対象の保留記憶情報に基づく変動表示結果が大当り表示結果となるときには、青色<緑色<赤色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定され、一方、当該変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、赤色<緑色<青色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定される。これにより、保留表示態様変化演出が実行されたときにおける変化後の保留画像Hの色に基づく大当りへの期待度は、青色<緑色<赤色という関係の割合となるように設定されている。したがって、保留表示態様変化演出が実行されたときには、変化後の保留画像の色に基づいて、遊技者の大当りへの期待感を盛上げることが可能となる。
また、アクティブ画像AHについても、保留画像Hと同様に、表示態様変化演出が実行され、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。そのようなアクティブ表示の表示態様変化演出についても、保留表示態様変化演出と同様の選択割合で、大当りへの期待度が特定可能な態様で、変化後の色または形状等の表示態様が決定される。なお、アクティブ表示については、表示態様変化演出を実行しなくてもよい。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
特別可変入賞球装置7の左方には、第1特別図柄の変動表示に同期して第1飾り図柄の変動表示が行われる第1飾り図柄表示器5Aが設けられている。また、特別可変入賞球装置7の右方には、第2特別図柄の変動表示に同期して第2飾り図柄の変動表示が行われる第2飾り図柄表示器5Bが設けられている。第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bは、それぞれ上下に配置された2個のランプ(または、LED)によって構成され、第1特別図柄の変動表示に同期して、これらの2個のランプ(または、LED)が点滅表示することによって第1飾り図柄や第2飾り図柄の変動表示が実行される。そして、大当り図柄で停止表示される場合には、これら2個のランプ(または、LED)が点灯した状態で変動表示を終了し、はずれ図柄で停止表示される場合には、これら2個のランプ(またはLED)が消灯した状態で変動を終了する。
なお、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bの変動表示の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、上下に設けられたランプ(またはLED)が交互に点灯および消灯を繰り返すことによって変動表示を行うものであってもよい。
また、例えば、第1飾り図柄表示器5Aや第2飾り図柄表示器5Bとして、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に、7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される表示器を設けるように構成してもよい。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の外周には、前面枠に設けられた天枠LED9a、左枠LED9b、および右枠LED9cが設けられている。この実施の形態では、前面枠のうちの上方に天枠LED9aが設けられ、前面枠のうちの左方に左枠LED9bが設けられ、前面枠のうちの右方に右枠LED9cが設けられている。また、遊技盤2にも盤側LED9d,9eが設けられている。この実施の形態では、遊技盤2の左方に盤側LED9dが設けられ、遊技盤2の右方に盤側LED9eが設けられている。なお、パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態(有利状態)に制御される。
本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。なお、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
なお、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eなどの発光体における点灯動作(点滅動作)、可動部材321の動作などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」、「大当り信頼度」、「期待度」、または、「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。なお、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「5」または「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「5」及び「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、本実施の形態では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。なお、本実施の形態では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
なお、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12と各演出手段との間で伝送される各種の制御信号を中継するための演出制御用中継基板16A、駆動制御基板16B、および発光体制御基板16C〜16Fなども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御用中継基板16Aを介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出制御用中継基板16Aを介して演出表示装置5、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B、スピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部302、可動部材321といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音出力動作の全部または一部、遊技枠側に設けられている天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9c、遊技盤2側に設けられている盤側LED9d,9eの点灯/消灯動作の全部または一部、可動部302や可動部材321の動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。また、演出制御基板12は、演出制御用中継基板16Aを介して、演出制御用マイクロコンピュータ120Aや各制御回路を冷却するための冷却ファン142が接続されている。
演出制御基板12には、演出制御用中継基板16Aを介して演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bに対して点灯信号を伝送するための配線、音声制御基板13に対して音声信号(効果音信号)を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御用中継基板16Aを介して駆動制御基板16Bや発光体制御基板16C、発光体制御基板16Dに各種信号を伝送するための配線も接続されている。
駆動制御基板16Bに伝送される情報信号は、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330の駆動により可動部302や可動部材321を動作させるための指令や制御データを示す駆動制御信号を含んでいればよい。
発光体制御基板16Cに伝送される情報信号は、盤側LED9d,9eとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
発光体制御基板16Dに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の左方に左枠LED9bとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板16Eに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の上方に天枠LED9aとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板16Fに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の右方に右枠LED9cとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
また、この実施の形態では、図2に示すように、発光体制御基板16Dに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120Aから演出制御用中継基板16Aのみを中継して伝送される。また、発光体制御基板16Eに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120Aから演出制御用中継基板16Aに加えて発光体制御基板16Dを中継して伝送される。さらに、発光体制御基板16Fに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120Aから演出制御用中継基板16Aに加えて発光体制御基板16Dおよび発光体制御基板16Eを中継して伝送される。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
演出制御用中継基板16Aは、遊技盤2の裏面に取り付けられた裏パックなどに設置され、主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される各種信号を中継したり、演出制御基板12から駆動制御基板16Bや発光体制御基板16C、発光体制御基板16Dに向けて伝送される各種信号を中継したりする。裏パックは、遊技盤2の裏面側の中央部分に取り付けられ、その中央には演出表示装置5が臨む開口が形成されていればよい。裏パックは、主基板11や音声制御基板13、駆動制御基板16B、発光体制御基板16Cなどを、後方から覆うように設けられてもよい。裏パックの後面側には、演出制御基板12が収容された演出制御基板ボックスが取り付けられてもよい。
また、演出制御用中継基板16Aには、演出表示装置5に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのCGROM141が搭載されている。
CGROM141は、演出表示装置5における表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶している。CGROM141が記憶する画像データには、静止画像データと動画像データとが含まれていればよい。静止画像データとして、演出表示装置5の画面上において可変表示される複数種類の演出図柄といった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データとなるスプライト画像データが用意されていればよい。また、演出表示装置5の画面上に表示されるキャラクタ、具体的には、人物、文字、図形や記号など、および背景画像の画像データが、予めCGROM141に記憶されていればよい。画像データの他にも、CGROM141には、スピーカ8L、8Rによる音声出力に用いられる音声データの一部または全部が記憶されていればよい。CGROM141には、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDなどに対する点灯駆動に用いられるランプ駆動データの一部または全部が記憶されていればよい。CGROM141には、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330に対する回転駆動に用いられるモータ駆動データの一部または全部が記憶されていればよい。CGROM141は、例えばNAND型フラッシュメモリといった、電気的に消去や書込あるいは書換などが可能な不揮発性の半導体メモリであればよい。ただし、パチンコ遊技機1における演出の進行が制御される通常使用の状態では、CGROM141は読出専用の記憶装置として使用される。演出制御用CPU120は、VDP機能を用いて、例えば512バイトのセクタがデータ転送の最小単位である場合に、512バイトの整数倍のサイズのデータを、CGROM141から読出可能であればよく、CGROM141に対して書込可能であればよい。
なお、この実施の形態では、CGROM141がNAND型フラッシュメモリによって構成される場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、NOR型フラッシュメモリなど他のメモリ素子によって構成されてもよい。
演出制御用CPU120は、VDP機能を用いて、セクタデータをCGROM141から読み出し、読み出したセクタデータに対し、エラー検出やエラー訂正を行うことができればよい。セクタデータのエラー検出では、エラービット数やエラービット位置を特定する。このときには、エラー訂正が可能か否かを判定する。エラー訂正が可能な場合には、エラー訂正を実行して、セクタデータをVRAM126などに転送して格納できればよい。CGROM141には、消去単位ブロックの管理情報が記憶されていればよい。消去単位ブロックは、CGROM141の記憶データを消去する場合の消去単位である。消去単位ブロックの管理情報は、各消去単位ブロックにおいて実行された消去処理の回数を示す情報を含んでいればよい。演出制御用CPU120は、セクタデータを含む消去単位ブロックの管理情報を読み出し、エラービット数の情報などに基づいて、CGROM141におけるセクタデータのメモリセルをリフレッシュ(データリフレッシュ)するか否かを判定する。
CGROM141では、記憶データの消去やリードディスターブなどの要因により、メモリセルの劣化が発生する。リードディスターブは、CGROM141の記憶データに対する読出回数が増加した場合に、メモリセルのフローティングゲートに蓄積された電子が徐々に引き抜かれて、トランジスタのしきい値電圧が変化することにより発生する。また、リードディスターブが発生しない場合でも、メモリセルのフローティングゲートに蓄積された電子は、極めてゆっくりとした速度で徐々に放出されて、トランジスタのしきい値電圧を変化させるデータリテンションが発生する場合もある。リードディスターブやデータリテンションによるメモリセルの劣化は、メモリセルをリフレッシュすることにより回復可能である。記憶データの消去によるメモリセルの劣化は、メモリセルの余命を減少させ、メモリセルをリフレッシュしても回復不能となる場合がある。この場合、回復不能となったメモリセルを含むブロックを不良ブロック(不良エリア)とし、別個に設けられた代替ブロック(代替エリア)にデータ移転する代替処理が実行される。
駆動制御基板16Bは、演出制御基板12とは別個に設けられた駆動制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、可動部302の回動制御や、可動部材321の移動制御を行うためのドライバICなどが搭載されている。駆動制御基板16Bからの出力信号は、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330に向けて伝送される。
発光体制御基板16Cは、遊技盤2に搭載され、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、盤側LED9d,9eとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
発光体制御基板16D〜16Fは、遊技機用枠3に搭載され、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、天枠LED9a、左枠LED9b、および右枠LED9cとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
なお、パチンコ遊技機1には、発光体制御基板16C〜16F以外にも、例えば、可動部材321に設けられた発光部321Aの点灯制御を行うための基板なども配置されているが、図示は省略している。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、演出制御用中継基板16Aによって中継される。演出制御用中継基板16Aを介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連(本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示であり、1つの始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する演出表示。)の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eの点灯動作などを制御するために用いられる発光体制御コマンド、可動部材321の動作などを制御するために用いられる駆動制御コマンドなどが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
次に、演出制御基板12および演出制御用中継基板16Aについて説明する。図3は、演出制御基板12および演出制御用中継基板16Aの回路構成例を示すブロック図である。図2および図3に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用マイクロコンピュータ120Aと、RAM122と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用中継基板16Aには、CGROM141が搭載されている。また、演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Yには、冷却ファン142が接続されている。また、演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Zには、主基板11からの演出制御コマンド伝送用の信号線が接続されている。また、演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Sには、各演出手段(本例では、演出表示装置5、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B、各LED9a〜9e、スピーカ8L,8R、可動部302、可動部材321など)と演出制御用中継基板16A、駆動制御基板16B、および発光体制御基板16C〜16Dへの信号線が接続されている。
また、演出制御基板12に設けられたコネクタ12Xと演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Xとをケーブルを用いて接続することによって、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとが接続されている。
なお、演出制御基板12および演出制御用中継基板16Aの実装の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎらず、様々な態様が考えられる。例えば、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとをユニット化して1つの基板ケース内に収納するように構成してもよい。この場合、例えば、この基板ケースに冷却ファンを取り付けるように構成し、冷却ファンによって基板ケース内の演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとを冷却するように構成してもよい。また、この基板ケースに放熱フィンを取り付けるように構成してもよく、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに放熱フィンを取り付けるように構成してもよい。
図4は、演出制御用マイクロコンピュータ120Aの構成例を示すブロック図である。図4に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、ワークメモリ131と、演出制御用CPU120と、ホストインタフェース132と、CGROMバスインタフェース133と、DRAMインタフェース134とを備えている。また、演出制御用CPU120は、VDP(Video Display Processor)機能を内蔵しており、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、VRAM(Video RAM)126と、表示回路127A〜127Cと、グラフィックデコーダ137とを備えている。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ROM135と温度センサ136とを備えている。
演出制御用CPU120は、演出制御用のプログラムに従って制御処理を実行する。ROM135は、演出制御用CPU120が制御処理を実行するために読み出される演出制御用のプログラムや固定データなどを記憶する。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが備えるROM135に認証データが記憶されているとともに、演出制御用中継基板に搭載されるCGROM141にも認証データが記憶されている。そして、後述するように、この実施の形態では、遊技機への電源投入時に、演出制御用CPU120は、CGROM141から読み出した認証データとROM135に記憶されている認証データとを照合して認証処理を行い、認証に成功したことにもとづいて各種演出制御の処理を開始する。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120AにROM135が内蔵されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されているのではなく、演出制御基板12上にROMが搭載されているように構成されていてもよい。
また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されているROM135とは別に、認証データを記憶する認証データ用のROMを、演出制御用マイクロコンピュータ120Aの外であって演出制御基板12上に設けるように構成してもよい。
温度センサ136は、演出制御用CPU120の温度を計測し、温度情報を出力する機能を備える。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに温度センサ136が内蔵されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されているのではなく、演出制御基板12上に温度センサが搭載されているように構成されていてもよい。そして、この場合、温度センサによって演出制御基板12の温度を監視するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、VDP機能を備え、CGROMバスインタフェース133を介して演出制御用中継基板16A上のCGROM141から各種キャラクタ画像データや動画像データなどの画像データを読み出してVRAM126に転送し、VRAM126上のフレームバッファに画像データを展開(描画)する機能を備える。また、グラフィックデコーダ137は、描画で使用する圧縮画像データをVRAMにデコードする機能を備える。また、表示回路127A〜127Cは、VRAM126のフレームバッファに展開されている画像データを外部の表示装置(演出表示装置5など)に表示出力する機能を備える。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120がVDP機能を内蔵ように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、演出制御用CPU120とは別に、制御回路としてのVDPを備えるように構成してもよい。また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aとは別に、演出制御基板12上に制御回路としてのVDPを搭載するように構成してもよい。さらに、例えば、演出制御基板12上に、演出制御用マイクロコンピュータ120Aとは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路を搭載するように構成してもよい。
図5は、演出制御基板12において映像信号を出力する機構の例を示す構成図である。図5に示すように、演出制御基板12に搭載される演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、演出制御用CPU120に加えて、VRAM126、表示回路127A〜127C、LVDS I/F128、およびC−MOS I/F129を備える。演出制御用CPU120は、CGROM141からムービーデータやキャラクタのソースデータを読み出して、VRAM126に展開(描画)する。また、各表示回路127A〜127Cは、VRAM126に展開されている描画データを読み出して、スケーリングや、ディザリング、カラー補正などを行う機能を備える。また、各表示回路127A〜127Cは、これらの処理を施した描画データを、差動伝送方式であるLVDS信号としてLVDS I/F128を介して出力する機能を備える。また、また、各表示回路127A〜127Cは、これらの処理を施した描画データを、デジタルRGB信号としてC−MOS I/F129を介して出力する機能を備える。
この実施の形態では、LVDS I/F128には、2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)を出力可能に端子が設けられており、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、映像信号として2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)を出力可能である。なお、例えば、それぞれ一対のラインを1ラインとして、データ信号用の4ラインと、クロック信号用の1ラインとで1本のLVDS信号線が形成され、差動伝送方式では、それら一対のライン間の電位差が信号レベルとして検出されるものである。
また、この実施の形態では、C−MOS I/F129には、1本のデジタルRGB信号を出力可能に端子が設けられており、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、映像信号として1本のデジタルRGB信号を出力可能である。なお、デジタルRGB信号は、例えば、赤色信号、緑色信号、青色信号、水平同期信号、垂直同期信号、ディスプレイイネーブル信号、クロック信号などを含む。
この実施の形態では、演出表示装置5(画像表示装置)として、19インチの液晶パネルを備える液晶表示装置を用いるのであるが、一般に、19インチの液晶表示装置には2本のLVDS信号が接続可能な接続口が設けられている。従って、この実施の形態では、図5に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載する表示回路127A〜127Cのうちの2つの表示回路(例えば、表示回路127Aと表示回路127B)を用いて、2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)が生成され、LVDS I/F128を介して出力された2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)が演出表示装置5に入力され、演出表示装置5における表示制御が行われる。
また、この実施の形態では、演出表示装置5は2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)で制御されるのであるから、デジタルRGB信号は使用されない。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力される各映像信号(LVDS信号、デジタルRGB信号)は、それぞれ個別に出力可能状態または出力不可状態に設定可能であり、デジタルRGB信号は出力不可状態に設定される。
図6は、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに設けられている各映像信号(LVDS信号、デジタルRGB信号)の出力状態を設定するための映像信号出力設定レジスタの構成例を示している。図6に示すように、例えば、映像信号出力設定レジスタのうち下位の3ビット(0〜2ビット)が各映像信号(LVDS信号、デジタルRGB信号)の出力状態の設定に用いられる。例えば、映像信号出力設定レジスタのビット番号[2]に格納されるデータA2は、LVDS信号1の出力状態を示す。図6に示す例では、データA2のビット値が「0」に設定されれば、LVDS信号1が出力不可状態に設定される。また、データA2のビット値が「1」に設定されれば、LVDS信号1が出力可能状態に設定される。また、例えば、映像信号出力設定レジスタのビット番号[1]に格納されるデータA1は、LVDS信号2の出力状態を示す。図6に示す例では、データA1のビット値が「0」に設定されれば、LVDS信号2が出力不可状態に設定される。また、データA1のビット値が「1」に設定されれば、LVDS信号2が出力可能状態に設定される。また、例えば、映像信号出力設定レジスタのビット番号[0]に格納されるデータA0は、デジタルRGB信号の出力状態を示す。図6に示す例では、データA0のビット値が「0」に設定されれば、デジタルRGB信号が出力不可状態に設定される。また、データA0のビット値が「1」に設定されれば、デジタルRGB信号が出力可能状態に設定される。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120AのROM121には、プログラム管理エリアが設けられており、図6に示す映像信号出力設定レジスタを含む各種設定レジスタの設定内容がプログラム管理エリアに格納されている。そして、遊技機への電源投入時やシステムリセット発生時に、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、プログラム管理エリアに格納されている設定内容を読み出し、読み出した設定内容に従って図6に示す映像信号出力設定レジスタの各ビット値を設定する。この実施の形態では、映像信号出力設定レジスタのデータA0(0ビット目)が「0」に設定され、データA1〜A2(1〜2ビット目)が「1」に設定される。そして、映像信号出力設定レジスタの設定に従って、各表示回路127A〜127CのデジタルRGB信号の出力端子がディセーブル状態に制御されるとともに、各LVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)の出力端子がイネーブル状態に制御されて、デジタルRGB信号が出力不可状態に設定され、2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)のみが出力可能状態に設定される。
なお、この実施の形態では、2本のLVDS信号およびデジタルRGB信号の全ての信号の出力状態を設定可能に構成する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、LVDS信号の出力状態のみを設定可能に構成してもよいし、デジタルRGB信号の出力状態のみを設定可能に構成してもよい。
図5および図6に示すように、この実施の形態では、複数系統の映像信号(本例では、LVDS信号1、LVDS信号2、デジタルRGB信号などの映像出力信号)を出力可能であり、複数系統の映像信号のうち少なくとも1系統の映像信号の出力の有無を設定可能である。そのため、映像信号の出力に関して部品の共通化による低コスト化を図りつつ、ノイズを抑制することができる。
具体的には、この実施の形態で示したように、VDPやVDP機能を備えたCPU(本例では、演出制御用CPU120)から液晶表示装置駆動用の複数系統の映像信号を出力可能に構成した場合において、実際には複数系統の映像信号のうちの一部の映像信号(本例では、LVDS信号1とLVDS信号2)しか液晶表示装置の表示制御に用いられず、他の一部の映像信号(本例では、デジタルRGB信号)が不要となる場合がある。そのような場合において、抵抗などの回路素子や配線などを用いてハードウェア的に不要な映像信号の出力を遮断するように構成することが考えられる。しかし、そのようにハードウェア的に不要な映像信号の出力を遮断するように構成しただけでは、その不要な映像信号の出力が依然としてノイズとして残ってしまい、表示制御や遊技制御など他の制御に影響を及ぼすおそれがある。そこで、この実施の形態では、映像出力用のIC(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ120A)からの映像信号の出力の有無自体を設定可能とすることによって、映像信号の出力に関して部品の共通化による低コスト化を図りつつ、ノイズを抑制することを可能としている。
なお、この実施の形態では、1つの演出表示装置5(本例では、19インチの液晶表示装置)のみを備える場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、複数の画像表示装置を備えるように構成してもよい。図7は、複数の画像表示装置を備える場合の変形例を示す構成図である。図7に示す例では、画像表示装置として、1つの主表示装置(メイン表示装置)5Mと、2つの副表示装置(サブ表示装置)5SA,5SBとを備える場合を示している。なお、図7に示す例では、主表示装置5Mは、15インチの液晶パネルを備える液晶表示装置である。また、各副表示装置5SA,5SBは、9インチの液晶パネルを備える液晶表示装置である。また、図7に示す例では、演出制御基板12は、液晶変換基板200を介して主表示装置5Mに接続される。また、演出制御基板12は、液晶変換基板および各ドライバ基板201A,201Bを介して各副表示装置5SA,5SBに接続される。
また、図7に示すように、液晶変換基板は、LVDS信号をRGB信号に変換するRGB変換器202A,202B、RGB信号を差動伝送方式のV−by−One方式に変換する信号変換回路203A,203B、およびRGB信号をLVDS信号に変換するLVDS変換器206を搭載している。また、各ドライバ基板201A,201Bは、それぞれ、映像信号を差動伝送方式のV−by−One方式からRGB信号に変換する信号変換回路204A,204B、およびRGB信号をLVDS信号に変換するLVDS変換器205A,205Bを搭載している。
図7に示す例では、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力されるLVDS信号1およびLVDS信号2は、それぞれ副表示装置5SA,5SBに入力される。演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力されるLVDS信号1およびLVDS信号2は、まず、それぞれ、液晶変換基板200に搭載されるRGB変換器202A,202BによってRGB信号に変換され、信号変換回路203A,203Bに入力される。次いで、信号変換回路203A,203Bによって、差動伝送方式のV−by−One方式に変換され、ドライバ基板201A,201Bに向けて出力される。具体的には、各信号変換回路203A,203Bは、発振器(図示せず)によって生成される副表示装置5SA,5SB用の動作周波数を用いて、RGB信号を差動伝送方式のV−by−One方式に変換する。
次いで、ドライバ基板201A,201Bに搭載される信号変換回路204A,204BによってRGB信号に変換されて、それぞれLVDS変換器205A,205Bに入力される。そして、LVDS変換器205A,205BによってLVDS信号に変換され、それぞれ副表示装置5SA,5SBに入力される。一般に、9インチの液晶表示装置には1本のLVDS信号が接続可能な接続口が設けられている。従って、図7に示す例では、それぞれ1本のLVDS信号を用いて各副表示装置5SA,5SBにおける表示制御が行われる。
なお、図7に示す例では、液晶変換基板200と各ドライバ基板201A,201Bとの間を差動伝送方式のV−by−One方式で伝送することによって、液晶変換基板200と各ドライバ基板201A,201Bとの距離が長くなってもノイズを低減させることができる。
また、図7に示す例では、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力されるRGB信号は、液晶変換基板200に搭載されるLVDS変換器206によってLVDS信号に変換される。そして、変換されたLVDS信号は、主表示装置5Mに入力される。一般に、15インチの液晶表示装置には1本のLVDS信号が接続可能な接続口が設けられている。従って、図7に示す例では、1本のRGB信号を変換したLVDS信号を用いて主表示装置5Mにおける表示制御が行われる。
なお、図7に示す例では、1つの主表示装置(メイン表示装置)5Mに加えて、2つの副表示装置(サブ表示装置)5SA,5SBを備える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの主表示装置(メイン表示装置)以外に、副表示装置(サブ表示装置)を1つのみ備えるように構成してもよいし、3以上の副表示装置(サブ表示装置)を備えるように構成してもよい。例えば、3以上の副表示装置(サブ表示装置)を備えるように構成する場合、ドライバ基板201A,201Bから出力されるLVDS信号をさらに分岐基板を経由して分岐し、それぞれの副表示装置(サブ表示装置)に入力するように構成すればよい。
また、本実施の形態では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。なお、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。また、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には演出ユニット300が設けられており、演出制御基板12には、この演出ユニット300に設けられる各種モータ(第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)等の複数の電子部品が接続されている。なお、図2において、これら電子部品のうち第1演出用モータ303、第2演出用モータ330以外の図示は省略している。
なお、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図4に示す演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されるROM135には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM135には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM135には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部材321や演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
なお、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出としては、例えば、後述するように可動体(可動物)としての可動部材321が上昇する可動予告や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
図8(1)は、駆動制御基板16Bの構成例を示している。図8(1)に示すように、駆動制御基板16Bには、モータ駆動ドライバ412が搭載されている。モータ駆動ドライバ412には、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、モータ駆動ドライバ412は、入力された制御信号で示される駆動制御情報にもとづいて、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行う。
図8(2)は、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体制御基板16Cの構成例を示している。図8(2)に示すように、発光体制御基板16Cには、発光体ドライバ411a,411bが搭載されている。発光体ドライバ411aには、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED9dの点灯制御を行う。また、発光体ドライバ411bには、演出制御用中継基板16Aを介して、さらに発光体ドライバ411aを経由して、シリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED9eの点灯制御を行う。
なお、図8(2)に示すように、発光体制御基板16Cでは、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから伝送された制御信号が、同じ発光体制御基板16C上の発光体ドライバ間で順次伝送される(本例では、発光体ドライバ411aから発光体ドライバ411bに伝送される)ことによって、各発光体ドライバにそれぞれ伝送されるように構成されている。
図9は、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体制御基板16D〜16Fの構成例を示している。図9に示すように、発光体制御基板16Dには、発光体ドライバ413bが搭載されている。発光体ドライバ413bには、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ413bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、左枠LED9bの点灯制御を行う。なお、図9において、発光体制御基板16D〜16Fは、例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネスなどの配線部材を介して相互に接続されている。
また、図9に示すように、発光体制御基板16Eには、発光体ドライバ413aが搭載されている。発光体ドライバ413aには、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が、演出制御用中継基板16Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板16Dを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、天枠LED9aの点灯制御を行う。
また、図9に示すように、発光体制御基板16Fには、発光体ドライバ413cが搭載されている。発光体ドライバ413cには、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が、演出制御用中継基板16Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板16Dおよび発光体制御基板16Eを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413cは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、右枠LED9cの点灯制御を行う。
なお、図9に示すように、発光体制御基板16D〜16Fでは、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから伝送された制御信号が、異なる発光体制御基板16D〜16Fにそれぞれ搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送されることによって、各発光体ドライバ413a〜413cにそれぞれ伝送されるように構成されている。
また、この実施の形態では、遊技盤2に設けられている各LEDをそれぞれ盤側LED9d,9eと包括的に表現しているが、具体的には、遊技盤2の左方に盤側LED9dとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技盤2の右方に盤側LED9eとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。また、この実施の形態では、遊技枠に設けられている各LEDをそれぞれ天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cと包括的に表現しているが、具体的には、遊技枠の上方に天枠LED9aとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の左方に左枠LED9bとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の右方に右枠LED9cとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。
また、この実施の形態では、モータ駆動ドライバ412、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411b、および天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、同じ種類のシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて実現される。図10は、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路の構成を示すブロック図である。また、図11は、図10に示すシリアル−パラレル変換回路に設けられている各入出力端子を説明するための説明図である。
なお、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路には、入力したシリアル信号形式の信号を24チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものと、入力したシリアル信号形式の信号を12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものとの2種類があるのであるが、一部の回路素子や端子の数が異なるだけで同様の構成および機能を備えるため、図10および図11に示す例では代表して24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路について説明することとし、12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路については相違する部分のみ説明することとする。なお、この実施の形態では、発光体ドライバ411a,411bは24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現され、モータ駆動ドライバ412および発光体ドライバ413a〜413cは12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図10および図11に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、演出制御用中継基板16Aや発光体制御基板16D,16Eを経由して演出制御用マイクロコンピュータ120Aからのクロック信号を入力するCLK/I端子やデータを入力するDATA/I端子が設けられている。また、入力されたクロック信号とデータの一部はシリアル−パラレル変換回路内で分岐されて、そのままシリアル−パラレル変換回路からスルー出力可能であり、クロック信号をスルー出力するCLK/O端子とデータをスルー出力するDATA/O端子とが設けられている。
例えば、この実施の形態では、図9に示すように、発光体制御基板16Dの発光体ドライバ413bは、演出制御用中継基板16Aを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板16Eの発光体ドライバ413aに出力しているのであるが、発光体ドライバ413bを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。また、例えば、この実施の形態では、図9に示すように、発光体制御基板16Eの発光体ドライバ413aは、演出制御用中継基板16Aおよび発光体制御基板16Dを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板16Fの発光体ドライバ413cに出力しているのであるが、発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413cを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。
また、図10および図11に示すように、CLK/I端子から入力されたクロック信号およびDATA/I端子から入力されたデータの他の一部は、デコーダに入力されてシリアル信号形式から24チャネルのパラレル信号形式の信号にデコードされる。そして、レジスタブロックに設けられた各レジスタにそれぞれ一旦格納された後、内部発振クロック回路による内部クロック信号(本例では、6MHzの内部クロック信号)を用いてパルス幅変調(PWM)され、それぞれ各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力される。なお、12チャネルの回路である場合には、12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換されて各ドライブ出力端子Q0〜Q11から出力される。なお、各ドライブ出力端子Q0〜Q23や各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が、例えばLEDなどの発光体に供給されたり動作用モータに供給されたりすることになる。
また、図10および図11に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4(12チャネルの回路ではAD0〜AD5)が設けられており、端子AD0〜AD4をそれぞれH(ハイ)またはL(ロー)に設定することにより、シリアル−パラレル変換回路ごとにアドレスを設定することが可能である。DATA/Iから入力されるデータにはアドレス情報も含まれ、シリアル−パラレル変換回路は、入力したデータに含まれるアドレス情報が設定したアドレスと一致するデータのみパラレス信号形式の信号にデコードして各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する。
なお、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が5端子AD0〜AD4設けられているので、最大32種類のアドレスを設定可能であり、最大で32個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が6端子AD0〜AD5設けられているので、最大64種類のアドレスを設定可能であり、最大で64個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたS端子は、CLK/O端子から出力するクロック信号のスルー出力、およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力のスルーレートを設定するための設定端子である。S端子をL(ロー)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
図12は、クロック信号およびデータのスルー出力のスルーレート設定を説明するための説明図である。図12(1)に示すように、S端子をL(ロー)に設定し通常のスルーレートの出力に設定すると、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾き(単位時間あたりの電圧変化量)がある程度大きい。これに対して、図12(2)に示すように、S端子をH(ハイ)に設定し低スルーレートの出力に設定すると、通常のスルーレートの設定の場合と比較して、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが緩やかとなる。
一般に、基板からの電波放射を抑制するためにはスルーレートを低く抑えた方がよく、図12(2)に示す低スルーレートの出力に設定した方がよい。一方、ノイズに対する耐性を確保するためには波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい方がよく、図12(1)に示す通常のスルーレートの出力設定した方がよい。
なお、S端子の設定は、単にCLK/O端子から出力するクロック信号およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力の波形を設定するだけではなく、CLK/I端子から入力したクロック信号およびDATA/I端子から入力したデータに対して出力波形を補償する機能を備えている。すなわち、一般に演出制御用CPU120などから出力されたクロック信号およびデータは、出力された段階では矩形波として出力されるのであるが、シリアル−パラレル変換回路のCLK/I端子およびDATA/I端子に到達するまでの間の配線による伝送損失が大きい場合などには、本来の矩形波から崩れた波形のクロック信号やデータが入力される場合がある。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路は、単に入力したクロック信号やデータをそのままスルー出力するのではなく、このように本来の矩形波から崩れた波形の状態で入力されたクロック信号やデータを本来の矩形波に近い波形に補償して出力する機能を備える。この場合、S端子の設定により通常のスルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい波形に補償して出力されるので、より本来の矩形波に近い状態の出力信号を出力することができ、外来ノイズによる影響を軽減することができる。ただし、そのように立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きいと瞬間的に電圧変化量が大きくなるので、基板外に対する電波放射が大きくなるおそれがある。一方で、S端子の設定により低スルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きがより小さい波形に補償して出力されるので、通常のスルーレートの出力と比較すると、外来ノイズによる影響に対しては弱くなるが、瞬間的な電圧変化量を小さくすることができ、基板外に対する電波放射が大きくなることを抑えることができる。
なお、上記の出力波形を補償する機能自体を有効とするか無効とするかを設定可能に構成し、上記の出力波形を補償する機能を全て無効とするように構成してもよい。また、上記の出力波形を補償する機能について、シリアル−パラレル変換回路の外部に増幅回路等を設けて、シリアル−パラレル変換回路の外部において実現してもよい。
さらに、上記の通常のスルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がり及び立ち下りの傾きよりも、出力波形の立ち上がり及び立ち下がりの傾きが大きいように補償するものであったが、通常のスルーレートの出力設定として、出力波形の補償を行わずに、入力波形をそのまま出力するようなものとしてもよい(即ち所定態様として入力波形の立ち上がりと同等の立ち上がりの出力波形とするもの)。この場合、低スルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がりよりも傾きが小さくなるような波形を出力すればよい。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたT端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のタイムアウトリセット機能を設定するための設定端子である。T端子をL(ロー)に設定するとタイムアウトリセット機能が無効状態に設定され、端子をH(ハイ)に設定するとタイムアウトリセット機能が有効状態に設定される。
T端子をH(ハイ)に設定しタイムアウトリセット機能を有効状態に設定すると、CLK/I端子およびDATA/I端子からクロック信号およびデータを入力し、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から信号の出力を開始した後、所定期間(本例では、1秒)を経過するとタイムアウトしたものとされて、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が自動的にリセット(出力停止)される。従って、タイムアウトリセット機能を有効状態に設定した場合には、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から継続して各LEDや動作モータに信号を供給したい場合には、例えば、演出制御用CPU120から少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する必要がある。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、10msごとに制御信号の書き換えを行う処理を行っており、各ドライブ出力端子からの出力を継続する場合には、10msごとに演出制御用CPU120からシリアル−パラレル変換回路に繰り返し制御信号が出力されることにより、タイムアウトリセット機能が有効状態にセットされていても各ドライブ出力端子からの出力が継続される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/S端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のドライブ方式を設定するための設定端子である。Q/S端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定される。また、Q/S端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/I端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号の出力論理を反転して出力するか否かを設定するための設定端子である。Q/I端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定される。また、Q/I端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたR端子は、電流リファレンス設定端子である。具体的には、図10に示すように、R端子は定電流回路を経由して各ドライブ出力端子A0〜A23と接続され、R端子とグランド(GND)との間に任意の抵抗値の外部抵抗を接続することによって、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値を所定の範囲(例えば、4mA〜20mA)で設定することができる。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたVP端子は、保護用の静電保護端子である。VP端子には、そのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧が接続される。すなわち、VP端子にそのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧を接続すれば、その電源電圧以上の過電圧を逃がすことができる。なお、シリアル−パラレル変換回路において複数種類の電源電圧が用いられる場合には、電圧値が高い方の電源電圧をVP端子に接続するようにすればよい。
次に、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットについて説明する。図13は、制御データフォーマットを説明するための説明図である。シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの基本的な制御データフォーマットは、図13(1)に示す共通フォーマットと、図13(2)に示す基本フォーマットとによって構成される。
図13(1)に示すように、共通フォーマットは、9ビットのヘッダ(HD)、4ビットのデバイスID(ID)、5ビットのデコードアドレスAD0〜AD4(図10および図11参照)、および1ビットのEXデータによって構成される。なお、EXデータは、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが基本フォーマットであるか、後述する拡張フォーマットであるかを設定するためのものであり、基本フォーマットではEX=0に設定される。
図13(2)に示すように、基本フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される。例えば、LEDの点灯制御を行うためのデータを伝送する場合、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとに時系列に6ビットのデータを設定して伝送することによって、LEDの諧調制御も含めた点灯制御を行うことができる。
また、制御データフォーマットとして、図13(2)に示す基本フォーマットに代えて拡張フォーマットを使用することも可能である。具体的には、図13(1)に示す共通フォーマットにおいてEX=1に設定されていれば、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが、図13(3)に示す拡張フォーマットとなる。
図13(3)に示すように、拡張フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される。拡張フォーマットでは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとのデータが1ビットで構成されるので、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットを小さくすることができる。例えば、シリアル−パラレル変換回路を用いて第1演出用モータ303や第2演出用モータ330を駆動制御する場合であれば、LEDなどの発光体の点灯制御を行う場合と異なり諧調制御などを行う必要がないので、図13(3)に示すような拡張フォーマットを用いることが有効である。
なお、図13では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットについて説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットでは、例えば、図13(1)に示す共通フォーマットが6ビットのデコードアドレスAD0〜AD5を含む点で異なる。また、例えば、図13(2)に示す基本フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される分短い点で異なる。さらに、例えば、図13(3)に示す拡張フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される分短い点で異なる。
また、シリアル−パラレル変換回路では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して電波放射を抑制できるように構成されている。図14は、シリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明するための説明図である。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路が内蔵する内部発振クロック回路では6MHzのクロック信号が出力されるので、図14に示すように、その6MHzの内部クロック信号を1MHzの6相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q23を1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
この実施の形態では、図14に示すように、ドライブ出力端子Q0〜Q3の4チャネルでグループ1が構成され、ドライブ出力端子Q4〜Q7の4チャネルでグループ2が構成され、ドライブ出力端子Q8〜Q11の4チャネルでグループ3が構成され、ドライブ出力端子Q12〜Q15の4チャネルでグループ4が構成され、ドライブ出力端子Q16〜Q19の4チャネルでグループ5が構成され、ドライブ出力端子Q20〜Q23の4チャネルでグループ6が構成される。そして、図14に示すように、同じグループ内のドライブ出力端子(例えば、グループ1内のドライブ出力端子Q0〜Q3)相互間では信号の出力タイミングは同じであるが、異なるグループのドライブ出力端子(例えば、グループ1のドライブ出力端子Q0とグループ2のドライブ出力端子Q4)間では出力タイミングが分散されている。
なお、図14では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、6MHzの内部クロック信号を1MHzの3相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q11を1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
次いで、図10〜図14を用いて説明したシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバ411a,411bや、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例について説明する。図15〜図17は、シリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図15は、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を示している。また、図16は、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を示している。また、図17は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を示している。
まず、図15を用いて、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を説明する。図15に示すように、この実施の形態では、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
この実施の形態では、発光体ドライバ411aに対してアドレス[02]が割り振られているものとし、図15に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD1は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0,AD2〜AD4はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00010(B)=[02]に設定されている場合が示されている。
なお、図15では発光体ドライバ411aにおけるデコードアドレスの設定態様が示されているが、発光体ドライバ411bに対してはアドレス[03]が割り振られているものとし、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD0,AD1が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD2〜AD4がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00011(B)=[03]に設定されるものとする。
また、図15に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図8(2)に示すように、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、全て同じ発光体制御基板16C上に搭載され、発光体ドライバ間の制御信号の伝送は同じ発光体制御基板16C上で行われる(基板をまたがった伝送は行われない)ので、ノイズに対する耐性はそれ程気にする必要はない。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を低スルーレートの出力に設定することによって、むしろ基板からの電波放射を抑制するように構成している。
また、図15に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図15に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図15に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図15に示す例では、VP端子には電源電圧VCL(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図15に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23は、盤側LED9d,9eに接続されている。なお、図15に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されている図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよいし、発光体として単色LEDを用いるのであれば1つの端子が1つの単色LEDに接続されるように構成してもよい。また、例えば、1つの端子に複数の単色LEDが直列に複数接続されるように構成してもよい。
また、図15に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
次に、図16を用いて、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を説明する。図16に示すように、この実施の形態では、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412は、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
この実施の形態では、モータ駆動ドライバ412に対してアドレス[04]が割り振られているものとし、図16に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0,AD1,AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000100(B)=[04]に設定されている場合が示されている。
また、図16に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図8(1)に示すように、モータ駆動ドライバ412と他のドライバとの間で制御信号の伝送が行われることはないのであるから、S端子をグランド(GND)に接続(L(ロー)に設定)してクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力となるように設定してもよい。
また、図16に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図16に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともに電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、Q/S端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定され、Q/I端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定されている。
また、図16に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図16に示す例では、VP端子には電源電圧VCC(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図16に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ1のQ0〜Q3の4チャネルの端子が1つ目の第1演出用モータ303に接続されている。また、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ2のQ4〜Q7の4チャネルの端子が2つ目の第2演出用モータ330に接続されている。なお、この実施の形態では、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の2つの動作用モータの制御が行われ、グループ3のQ8〜Q11の端子は不要であることから、Q8〜Q11の端子はグランド(GND)に接続されている。
既に説明したように、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、グループ1〜3の3つのグループにグループ分けされてドライブ出力端子Q0〜Q11からの信号の出力タイミングが分散されているのであるが、同じ動作用モータ(本例では、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330)に出力される信号間で出力タイミングが異なっていたのでは、動作用モータの駆動精度を維持できないおそれがある。そこで、この実施の形態では、図16に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続するようにして、そのように動作用モータの駆動精度を維持できなくなる事態が発生することを防止ししている。
なお、逆に、例えば、図15で説明した盤側LED9d,9eに接続する場合や、後述する図17の天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9cに接続する場合など発光体に接続する場合には、上記のような駆動精度の問題などは生じないのであるから、各発光体に出力される信号間で出力タイミングが異なっていても、それ程支障が生じることはない。従って、ドライブ出力端子からの出力信号をLEDなどの発光体に接続する場合には、それ程出力タイミングを気にする必要はない。
次に、図17を用いて、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を説明する。図17に示すように、この実施の形態では、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
この実施の形態では、発光体ドライバ413aに対してアドレス[07]が割り振られているものとし、図17に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000111(B)=[07]に設定されている場合が示されている。
なお、図17では発光体ドライバ413aにおけるデコードアドレスの設定態様が示されているが、発光体ドライバ413bに対してはアドレス[08]が割り振られているものとし、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD3が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0〜AD2,AD4,AD5がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001000(B)=[08]に設定されるものとする。また、発光体ドライバ413cに対してはアドレス[09]が割り振られているものとし、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、A0,AD3が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD1,AD2,AD4,AD5がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001001(B)=[09]に設定されるものとする。
また、図17に示す例では、S端子はグランド(GND)に接続されている。すなわち、S端子をL(ロー)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図9に示すように、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、相互に異なる発光体制御基板16D〜16F上に搭載され、異なる基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号の伝送が行われるので、ノイズの影響が大きい。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を通常のスルーレートの出力に設定することによって、ノイズに対する耐性を確保するように構成している。
また、図17に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図17に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図17に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図17に示す例では、VP端子には電源電圧VDL(12V)が接続されている。すなわち、図17に示す例では、シリアル−パラレル変換回路には12Vの電源電圧(VDL)と5Vの電源電圧(VCL、VCC)とが用いられているので、で電圧値が高い方の12Vの電源電圧VDLをV端子に接続し、12V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図17に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q11は、天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9cとしての複数の発光体に接続されている。なお、図17に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されていたり、同様の制御を行う3つの発光体(例えば、単色LED)が直列に接続されていたりする図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよい。
また、図17に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
また、図15〜図17に示すように、この実施の形態では、発光体ドライバ411やモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのT端子がそれぞれH(ハイ)に設定されタイムアウト機能が有効状態に設定されている。この実施の形態では、例えば、演出制御用CPU120は、後述する演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eを点灯制御するための制御信号を出力したり、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330を駆動制御するための制御信号を出力したりするのであるが、タイムアウト機能が有効状態に設定されているので、制御信号を1度出力しただけでは所定期間(本例では、1秒)経過後には各ドライブ出力端子からの出力信号が自動的にリセットされて点灯制御や駆動制御を継続できない。そこで、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、例えば、後述する演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cの点灯制御を継続して実行したり、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を継続して実行したりするように制御している。
なお、この実施の形態では、上記のようにタイムアウト機能を有効状態に設定するように構成し、所定期間(本例では、1秒)ごとに発光体ドライバ411a,411bやモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのドライブ出力端子からの出力が自動的に停止されるように構成しているので、例えば、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動制御を行った後、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330を停止させる制御を行ったにもかかわらず、信号の取りこぼしや誤動作によって第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動が停止せず、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の焼き付きを起こしてしまうような事態を防止できるようにしている。
なお、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、一律にT端子をH(ハイ)に設定しタイムアウト機能を有効状態に設定する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、用途に応じてタイムアウト機能の有効状態と無効状態との設定を使い分けてもよい。例えば、モータ駆動ドライバについては第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の焼き付き防止の観点からタイムアウト機能を有効状態に設定する一方で、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cなどの発光体に関しては第1演出用モータ303や第2演出用モータ330と異なり焼き付きなどの問題は生じないのであるから、T端子をL(ロー)に設定しタイムアウト機能を無効状態に設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、点灯制御や駆動制御を継続して実行するために、演出制御用CPU120が少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する(具体的には、10msごとに制御信号の書き換えを行う処理を行って繰り返し制御信号を出力する)場合を示しているが、そのような制御態様にかぎられない。例えば、演出制御用CPU120とは別に出力回路(出力IC)を設け(演出制御基板12上に設けてもよいし、演出制御用中継基板16Aなど他の基板上に設けてもよい)、演出制御用CPU120が制御信号を1回出力すると、出力回路が、その1回出力された制御信号にもとづいて、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、T端子が電源電圧VCC(5V)に接続され、ハードウェア上で物理的にT端子がH(ハイ)に設定されてタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、T端子設定用のレジスタにT端子を接続し、演出制御用CPU120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的にタイムアウト機能を有効状態とするか無効状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値(本例では、10kΩ)の外部抵抗が接続され、ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11の全出力の駆動電流値が15MAに設定されている。ここで、内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))も存在することから、そのような内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして用いて、内部リファレンス抵抗を用いるように設定することも考えられるが、一般にシリアル−パラレル変換回路が備える内蔵リファレンス抵抗は駆動電流値が固定(例えば、20mA固定)であったり誤差も大きい(例えば、誤差±30%)。そこで、この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に外部抵抗を接続して外部リファレンス抵抗を用いることによって、適切な駆動電流値(本例では、15MA)に設定するとともに、誤差も提言している(本例では、誤差±3%)。
なお、発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして、内部リファレンス抵抗と外部リファレンス抵抗との両方を利用可能なシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて、用途に応じて使い分けるように構成してもよい。例えば、演出用にLEDなどの複数の発光体が密集して設けられている場合には、発光がまばらとなると演出に支障が生じることから、外部リファレンス抵抗を用いるようにし誤差が小さくなるように構成してもよい。一方、エラー報知ようなど単独で用いられるLEDの点灯制御を行う場合には、そのような演出上の障害はなく多少誤差が大きくても構わないことから、内部リファレンス抵抗を用いるように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、電気部品(本例では、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、可動部302を動作させるための第1演出用モータ303、可動部材321を動作させるための第2演出用モータ330)を制御するための制御手段(本例では、演出制御用CPU120)と、制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(本例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(本例では、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413c)とを備える。また、出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、入力した制御信号と同程度以上の変化態様により波形が立ち上がる第1出力状態(本例では、通常のスルーレートの出力状態)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(本例では、低スルーレートの出力状態)とのいずれかの出力状態に設定可能である(本例では、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される)。そのため、使用環境に応じた設定変更が可能となり、設定に応じて、基板からの電波放射を抑制できる一方、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。具体的には、低スルーレートの出力状態に設定すれば基板からの電波放射を抑制でき、通常のスルーレートの出力状態に設定すれば誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段と同一基板内に他の出力手段が設けられている(本例では、図8(2)に示すように、発光体制御基板16C上に複数の発光体ドライバ411a,411bが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板16C上の発光体ドライバ411a,411b間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第2出力状態に設定されている(本例では、図15に示すように、発光体制御基板16C上に搭載された発光体ドライバ411a,411bではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、同一基板内に他の出力手段が設けられている場合には、基板からの電波放射を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている(本例では、図9に示すように、発光体ドライバ413a〜413cはそれぞれ異なる発光体制御基板16D〜16F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板16D〜16Fに搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第1出力状態に設定されている(本例では、図17に示すように、発光体制御基板16D〜16F上に搭載された発光体ドライバ413a〜413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、配線部材を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている場合には、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
上記のように、この実施の形態では、一般に回路基板はノイズ耐性が高いので回路基板内における接続関係では電波放射の抑制を優先して低スルーレートの出力状態に設定して緩やかな信号波形とし、逆に基板間に接続される配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)はノイズ耐性が低いので回路基板間の絶族関係ではノイズ耐性を優先して通常のスルーレートの出力状態として矩形波に近い信号波形としている。そのように構成することによって、この実施の形態では、遊技機外部に対する電波放射を抑制しつつ、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
なお、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、S端子が電源電圧VCC(5V)に接続されたりグランド(GND)に接続され、ハードウェア上で物理的にS端子がH(ハイ)に設定されて低スルーレートの出力状態に設定されたりL(ロー)に設定されて通常のスルーレートの出力状態に設定されたりしている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、S端子設定用のレジスタにS端子を接続し、演出制御用CPU120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的に低スルーレートの出力状態とするか通常のスルーレートの出力状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、同一基板内に搭載された出力手段(本例では、発光体ドライバ)間での低スルーレートの出力状態による制御信号の伝送、または異なる基板に搭載された出力手段間での通常のスルーレートの出力状態による制御信号の伝送のいずれか一方のみが行われる基板(本例では、発光体制御基板16C〜16F)を備える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの発光体制御基板に複数の発光体ドライバが搭載されている場合であって、それらの発光体ドライバのうち同じ発光体制御基板上の発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものと、さらに他の発光体制御基板に搭載れた発光体ドライバに対して制御信号を伝送するものとが混在するように構成してもよい。この場合、例えば、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバであっても、発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものは低スルーレートの出力状態に設定し、他の発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバに対して制御信号を出力するものは通常のスルーレートの出力状態に設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11)からパラレル通信方式による特定信号(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する(本例では、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、図14に示すように、1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けされている。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けされている。)。そして、特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なる(本例では、図14に示すように、ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号の出力タイミングがグループごとに分散されている)。そのため、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して、基板からの電波放射をより一層抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、動作を行う可動部材(本例では、可動部302、可動部材321)を備える。また、可動部材を動作させる駆動手段(本例では、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)は、出力手段の同一グループの特定信号出力部から出力される特定信号にもとづいて駆動される(本例では、図16に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続される)。そのため、基板からの電波放射を抑制しつつ、駆動手段の駆動精度の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、制御信号を入力してから所定期間(本例では、1秒)経過後に特定信号の出力を停止する停止機能(本例では、タイムアウト機能)を有する(本例では、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図11参照。)。そのため、配線不具合などによる動作不具合を回避でき、電気部品を安定して制御することができる。
また、この実施の形態によれば、制御信号を継続して出力するための制御信号継続手段を備える(本例では、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cの点灯制御を継続して実行したり、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動制御を継続して実行したりするように制御している)。そのため、出力手段の停止機能に対応した制御を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、停止機能を有効または無効に設定可能である(本例では、T端子をL(ロー)に設定することによってタイムアウト機能が無効状態に設定され、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図11参照。)。そのため、用途に応じた出力手段の停止機能の設定変更が可能となり、部品共通化によりコストを削減することができる。
なお、この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路のうちクロック信号およびデータのスルー出力が同一基板内の他のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路411a,411bや、演出用モータ303,330が接続されるシリアル−パラレル変換回路412については、S端子がH(ハイ)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定され(図15および図16参照)、クロック信号およびデータのスルー出力が基板外のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路413a,413b,413cについては、S端子がL(ロー)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される(図17参照)場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されるように構成してもよい。また、逆に、例えば、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が低スルーレートの出力に設定されるように構成してもよい。
また、シリアル−パラレル変換回路のドライブ出力端子の中に未使用端子がある場合に、それらの未使用端子を非接続状態とすると、静電気などの要因によりサージ電圧がそれらの未使用端子に入力され、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合を生じる恐れがある。そこで、シリアル−パラレル変換回路の内部にサージ電圧対策用の保護回路を設けるようにすることも考えられるが、シリアル−パラレル変換回路の製造費用が増加することになる点で好ましくない。そこで、それらの未使用端子を所定の基準電位に接続するように構成して、サージ電圧を所定の電源基板(図示せず)における基準電位側に逃がすようにし、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生を抑制するように構成してもよい。以下、シリアル−パラレル変換回路のドライブ出力端子の未使用端子を基準電位としてグランド(GND)に接続する変形例について説明する。
図18〜図20は、変形例におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図18は、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例の変形例を示している。図18に示す例では、24個のドライブ出力端子Q0〜Q24のうち18個のドライブ出力端子Q0〜Q17に盤側LEDが接続されているが、6個のドライブ出力端子Q18〜Q23が未使用端子となっており、6個のドライブ出力端子Q18〜Q23の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
また、図19は、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例の変形例を示している。図19に示す例では、12個のドライブ出力端子Q0〜Q11のうち8個のドライブ出力端子Q0〜Q7に各演出用モータが接続されているが、4個のドライブ出力端子Q8〜Q11が未使用端子となっており、4個のドライブ出力端子Q8〜Q11の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
また、図20は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例の変形例を示している。図20に示す例では、12個のドライブ出力端子Q0〜Q11のうち9個のドライブ出力端子Q0〜Q8に各枠用のLEDが接続されているが、3個のドライブ出力端子Q9〜Q11が未使用端子となっており、3個のドライブ出力端子Q9〜Q11の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
図18〜図20に示す変形例によれば、サージ電圧が発生しても、そのサージ電圧をグランド(GND)側に逃がすことができ、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生を抑制することができる。
また、図18〜図20に示す変形例では、さらに、保護用の静電保護端子であるVP端子にそれぞれ3kΩの外部抵抗が接続されている。このようにVP端子に外部抵抗を接続するように構成することによって、仮にサージ電圧が発生したとしても、VP端子に定格電流以上の電流が流れることを防止し、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生をさらに抑制できるようにしている。
また、図18〜図20に示す変形例では、未使用端子を基準電位としてグランド(GND)に接続する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、他の固定電位に接続するように構成してもよい。例えば、未使用端子をVP端子と同じ電源電圧に接続し、VCL(5V)や、VCC(5V)、VDL(12V)に接続するように構成してもよい。
[パチンコ遊技機の動作]
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図21のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図21に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普図表示結果判定用の乱数値MR4を用いて普通図柄の変動表示態様を決定し、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理として、図21に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞判定処理では、まず、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。そして、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部材321などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
なお、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部(図示略)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施の形態では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図23は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ120A(具体的には、演出制御用CPU120)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、演出制御用CPU120は、電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信したか否かを確認する(S50A)。なお、電源投入指定コマンドは、遊技機への電源供給が開始されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100によって初期化処理が実行されたことにもとづいて送信される。また、停電復旧指定コマンドは、遊技機への電源供給が開始されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100によって停電復旧処理が実行されたことにもとづいて送信される。
電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU120は、認証処理を実行する(S50B)。ステップS50Bでは、演出制御用CPU120は、演出制御用中継基板16A上のCGROM141から認証データを読み出し、読み出した認証データを演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載するROM135が記憶する認証データと照合することによって認証処理を実行する。
認証処理において認証に失敗した場合には(S50CのN)、演出制御用CPU120は、認証エラーを報知する認証エラー報知処理を実行する(S50D)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、認証に失敗した旨を表示する制御を行う。そして、そのままループ処理に移行し、通常の演出制御を行わないように制御する。
認証処理において認証に成功した場合には(S50CのY)、演出制御用CPU120は、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。
次に、演出制御用CPU120は、予告演出などの演出における可動部材321の複数種類の動きのパターンの動作を確認したり、位置検出センサ333によって可動部材321の初期位置(本実施の形態では第1位置)を検出したり、その初期位置に可動部材321を移動させたりする可動部材初期化処理を実行する(S51A)。
S51Aの可動部材初期化処理に続いて、演出制御用CPU120は、電源投入時のメモリ検査設定を行う(ステップS51B)。例えば、演出制御用CPU120は、メモリ検査処理を実行することにより、CGROM141の記憶データを検査する。ステップS51Bにおける設定の後には、演出制御用CPU120は、メモリ検査のインターバル設定を行う(ステップS51C)。例えば、演出制御用CPU120は、メモリ検査の検査結果に基づいて、次回のメモリ検査処理を実行するまでのインターバル(待機時間)を設定すればよい。
次に、演出制御用CPU120は、初期演出データ転送処理を実行する(S51D)。初期演出データ転送処理では、演出制御用CPU120は、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に格納されている各種画像データのうち、あらかじめ定められた初期データ(例えば、電源投入時の初期表示を行うための画像データや、使用頻度の高い画像データ)を読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120AのVRAM126に転送する。
その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載する温度センサ136からの温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度異常を検出した場合に、演出制御用CPU120のVDP機能を段階的に制限する温度制限処理を実行する(ステップS53A)。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御用CPU120のVDP機能を制限している状態から段階的に復帰する温度制限復帰処理を実行する(ステップS53B)。
次いで、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、エラー演出を実行する処理の1つであるエラー報知処理を実行する(S54A)。ステップS54Aのエラー報知処理では、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されたエラー指定コマンドに対応して、演出表示装置5の表示領域におけるエラー画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからのエラー音声出力動作、LED9a〜9eにおけるエラー発光動作等によるエラー報知等が行われる。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、小図柄プロセス処理を行う(S55A)。小図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(小図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示画面の左上端部において小図柄の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、飾り図柄プロセス処理を行う(S55B)。飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(飾り図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bの表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、制御中メモリ検査処理を行う(S55C)。ステップS55Cの制御中メモリ検査処理では、演出の進行を制御している演出制御中に、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過したことに応じて、CGROM141の記憶データを検査するための設定が行われる。
次いで、演出制御用CPU120は、制御中演出データ転送処理を行う(S55D)。ステップS55Dの制御中演出データ転送処理では、演出の進行を制御している演出制御中に、演出データを転送するための設定が行われる。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図24は、演出制御メイン処理における温度制限処理(S53A)を示すフローチャートである。温度制限処理において、演出制御用CPU120は、まず、温度センサ136から温度情報を読み込む(ステップS101)。次いで、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃であるか否かを確認する(ステップS102)。演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃であれば(ステップS102のY)、演出制御用CPU120は、第1段階の温度異常状態であると判断し、第1段階の制限モード(第1制限モード)に移行する。第1段階の制限モードでは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に表示されている背景画像表示を消去する制御を行う(ステップS103)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して低速動作用の駆動信号の出力を開始し、冷却ファン142の低速動作を開始させる制御を行う(ステップS104)。また、演出制御用CPU120は、第1温度異常報知を開始する制御を行う(ステップS105)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、第1温度異常状態である旨を表示する制御を行う。そして、演出制御用CPU120は、第1段階の温度異常状態であることを示す第1温度異常フラグをセットする(ステップS106)。
以上の処理が実行され、この実施の形態では、第1制限モードに移行される場合には、演出表示装置5の表示画面において、背景画像が消去され、演出図柄の変動表示や簡易な予告表示と、小図柄の変動表示と、保留画像およびアクティブ画像の表示のみが行われる。また、第1制限モードでは、演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限され、スケーラ機能(VRAM126上のフレームバッファに展開されている画像データをサイズを拡大したり縮小したりして表示出力する機能)も停止される。
演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃でなければ(ステップS102のN)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃であるか否かを確認する(ステップS107)。演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃であれば(ステップS107のY)、演出制御用CPU120は、第2段階の温度異常状態であると判断し、第2段階の制限モード(第2制限モード)に移行する。第2段階の制限モードでは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に表示されている左中右の演出図柄表示を消去する制御を行う(ステップS108)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して中速動作用の駆動信号の出力を開始し、冷却ファン142の中速動作を開始させる制御を行う(ステップS109)。また、演出制御用CPU120は、第2温度異常報知を開始する制御を行う(ステップS110)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、第2温度異常状態である旨を表示する制御を行う。そして、演出制御用CPU120は、第2段階の温度異常状態であることを示す第2温度異常フラグをセットする(ステップS111)。また、演出制御用CPU120は、セットされていれば、第1温度異常フラグをリセットする(ステップS112)。
以上の処理が実行され、この実施の形態では、第2制限モードに移行される場合には、演出表示装置5の表示画面において、背景画像に加えて、演出図柄の変動表示や簡易な予告表示も消去され、小図柄の変動表示と、保留画像およびアクティブ画像の表示のみが行われる。
演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃でもなければ(ステップS107のN)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が95℃以上であるか否かを確認する(ステップS113)。演出制御用CPU120の温度が95℃以上であれば(ステップS113のY)、演出制御用CPU120は、第3段階の温度異常状態であると判断し、第3段階の制限モード(第3制限モード)に移行する。第3段階の制限モードでは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の表示画面の左上端部に表示されている小図柄、第1保留表示エリア5Dや第2保留表示エリア5Uに表示されている保留画像、およびアクティブ表示エリアAHAに表示されているアクティブ画像を消去し、演出表示装置5における全ての表示(ただし、後述する第3温度異常報知を除いて)を消去する制御を行う(ステップS114)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して高速動作用の駆動信号の出力を開始し、冷却ファン142の高速動作を開始させる制御を行う(ステップS115)。また、演出制御用CPU120は、第3温度異常報知を開始する制御を行う(ステップS116)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、第3温度異常状態である旨を表示する制御を行う。そして、演出制御用CPU120は、第3段階の温度異常状態であることを示す第3温度異常フラグをセットする(ステップS117)。また、演出制御用CPU120は、セットされていれば、第1温度異常フラグや第2温度異常フラグをリセットする(ステップS118)。
以上の処理が実行され、この実施の形態では、第3制限モードに移行される場合には、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知を除いて)が消去される。
図25は、演出制御メイン処理における温度制限復帰処理(S53B)を示すフローチャートである。温度制限復帰処理において、演出制御用CPU120は、まず、温度センサ136から温度情報を読み込む(ステップS151)。次いで、演出制御用CPU120は、第3温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS152)。第3温度異常フラグがセットされていれば(すなわち、第3段階の温度異常状態であれば)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が90℃以下に下がっているか否かを確認する(ステップS153)。演出制御用CPU120の温度が90℃以下に下がっていれば(ステップS153のY)、演出制御用CPU120は、第3段階の制限モードから第2段階の制限モードに移行する制御を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の表示画面の左上端部における小図柄の表示を再開し、第1保留表示エリア5Dや第2保留表示エリア5Uにおける保留画像およびアクティブ表示エリアAHAに表示されているアクティブ画像の表示を再開する制御を行う(ステップS154)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して中速動作用の駆動信号の出力に切り替え、冷却ファン142を中速動作に切り替える制御を行う(ステップS155)。また、演出制御用CPU120は、第3温度異常報知から第2温度異常報知に切り替える制御を行う(ステップS156)。そして、演出制御用CPU120は、第3温度異常フラグをリセットし、第2温度異常フラグをセットする(ステップS157)。
第3温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、第2温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS158)。第2温度異常フラグがセットされていれば(すなわち、第2段階の温度異常状態であれば)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が66℃以下に下がっているか否かを確認する(ステップS159)。演出制御用CPU120の温度が66℃以下に下がっていれば(ステップS159のY)、演出制御用CPU120は、第2段階の制限モードから第1段階の制限モードに移行する制御を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、演出表示装置5における左中右の演出図柄表示を再開する制御を行う(ステップS160)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して低速動作用の駆動信号の出力に切り替え、冷却ファン142を低速動作に切り替える制御を行う(ステップS161)。また、演出制御用CPU120は、第2温度異常報知から第1温度異常報知に切り替える制御を行う(ステップS162)。そして、演出制御用CPU120は、第2温度異常フラグをリセットし、第1温度異常フラグをセットする(ステップS163)。
第2温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS164)。第1温度異常フラグがセットされていれば(すなわち、第1段階の温度異常状態であれば)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が55℃以下に下がっているか否かを確認する(ステップS165)。演出制御用CPU120の温度が55℃以下に下がっていれば(ステップS165のY)、演出制御用CPU120は、第1段階の制限モードを終了する制御を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において背景画像表示を再開する制御を行う(ステップS166)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して駆動信号の出力を停止し、冷却ファン142の動作を停止する制御を行う(ステップS167)。また、演出制御用CPU120は、第1温度異常報知を消去する制御を行う(ステップS168)。そして、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグをリセットする(ステップS169)。
図26および図27は、コマンド解析処理(S54)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAM122に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドを、RAM122に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かを確認する(ステップS626)。第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれもセットされていなければ(ステップS626のN)、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、通常状態に応じた背景画像(例えば、青色の背景色の背景画像)を表示する制御を行う(ステップS627)。一方、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされていれば(ステップS626のY)、ステップS627の処理を実行することなく、ステップS628に移行する。すなわち、第1段階〜第3段階のいずれかの制御モード中であることから、演出表示装置5において背景画像を表示する制御を行うことなく、ステップS628に移行する。そして、演出制御用CPU120は、セットされていれば、時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS629)、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かを確認する(ステップS630)。第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれもセットされていなければ(ステップS630のN)、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、時短状態に応じた背景画像(例えば、緑色の背景色の背景画像)を表示する制御を行う(ステップS631)。一方、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされていれば(ステップS630のY)、ステップS631の処理を実行することなく、ステップS632に移行する。すなわち、第1段階〜第3段階のいずれかの制御モード中であることから、演出表示装置5において背景画像を表示する制御を行うことなく、ステップS632に移行する。そして、演出制御用CPU120は、時短状態フラグをセットする(ステップS632)とともに、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグをリセットする(ステップS633)。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS634)、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かを確認する(ステップS635)。第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれもセットされていなければ(ステップS635のN)、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、確変状態に応じた背景画像(例えば、赤色の背景色の背景画像)を表示する制御を行う(ステップS636)。一方、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされていれば(ステップS635のY)、ステップS636の処理を実行することなく、ステップS637に移行する。すなわち、第1段階〜第3段階のいずれかの制御モード中であることから、演出表示装置5において背景画像を表示する制御を行うことなく、ステップS637に移行する。そして、演出制御用CPU120は、確変状態フラグをセットする(ステップS637)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS638)。そして、ステップS611に移行する。
図28は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、第3温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(S70A)。第3温度異常フラグがセットされていれば、演出制御プロセス処理を終了する。すなわち、第3段階の制限モードに移行している状態であり、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知を除いて)を消去している状態であるので、そのまま演出制御プロセス処理を終了する。
第3温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、保留表示予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する保留表示予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置5の第1保留表示エリア5D及び第2保留表示エリア5Uにおける保留記憶表示を始動入賞時受信コマンドバッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
次いで、演出制御用CPU120は、第2温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(S70B)。第2温度異常フラグがセットされていれば、演出制御プロセス処理を終了する。すなわち、第2段階の制限モードに移行している状態であり、演出表示装置5において小図柄、保留画像およびアクティブ画像の表示のみを行い、演出図柄の表示を行わない状態であるので、ステップS71,S72の保留画像を表示する処理のみを行って演出制御プロセス処理を終了する。
第2温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。なお、この実施の形態では、演出図柄変動開始処理において、後述するLED制御を行うための演出実行設定処理も実行される。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図29は、図28に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU120は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU120は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU120は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
ステップS8001では、例えば、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置5に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置5において予告演出を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8002)。
次いで、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8003)。第1温度異常フラグがセットされていれば、演出制御用CPU120は、変動パターン、および予告演出を実行する場合には予告演出に応じた制限用のプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。この実施の形態では、第1段階の制限モードに移行されている場合には、ステップS8004で選択されたプロセステーブルに従って後述するステップS8007および演出図柄変動中処理(S75)が実行されることによって、演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限されたり、スケーラ機能(VRAM126上のフレームバッファに展開されている画像データをサイズを拡大したり縮小したりして表示出力する機能)を停止した状態で画像表示される。
なお、この実施の形態では、第1制限モードでは演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限されるのであるが、第2制限モードや第3制限モードでは演出制御プロセス処理のS73〜S79の処理が実行されないので演出図柄の変動表示に関する音出力は全く行われない。
一方、第1温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、変動パターン、および予告演出を実行する場合には予告演出に応じた通常用のプロセステーブルを選択する(ステップS8005)。
そして、演出制御用CPU120は、ステップS8004,S8005で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8006)。
プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、プロセステーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載するROM135に格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップS8007)。例えば、演出表示装置5において変動パターンや予告演出に応じた画像を表示させるために、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に格納されている各種画像データのうち、演出図柄の変動表示や予告演出の表示態様となる各種画像データを読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120AのVRAM126に転送する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8008)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(ステップS8009)。
なお、その後、演出制御用CPU120は、演出図柄変動中処理(ステップS75)において、プロセスタイマがタイムアウトすると、プロセスデータの切り替えを行う。演出制御用CPU120は、切り替えられるプロセスデータに表示制御実行データを含むと判定した場合には、メモリ検査中であるか否かを判定する。メモリ検査中ではないと判定された場合には、演出データ読出中であるか否かを判定する(例えば、制御中演出データ転送処理にて演出データの読出中であるか否かを判定する)。演出データ読出中ではないと判定された場合には、次のプロセスデータの表示制御実行データに従って、演出表示装置5における表示態様を変更するなど通常の表示制御を行う。これに対し、メモリ検査中であると判定した場合、または演出データ読出中であると判定した場合には、演出表示装置5における表示態様を簡易制御(簡易表示制御)するための設定を行う。
簡易表示制御では、例えばVRAM126に記憶されている画像データのみを用いて簡易な表示を行うための設定が行われてもよい。メモリ検査中や演出データ読出中の場合には、CGROM141の記憶データをリアルタイムに読み出して画像表示に用いることができない。そこで、例えば複数種類の演出図柄に対応した画像データ(スプライト画像データ)のように、初期データとしてVRAM126に転送されて記憶される画像データを用いて、演出図柄の可変表示などを行うようにしてもよい。その一方で、例えば動画像データを用いた動画像再生が行われるリーチ演出のように、CGROM141の記憶データを読み出す必要がある画像表示については、表示を行わずに表示停止としてもよい。なお、メモリ検査中であると判定した場合や、演出データ読出中であると判定した場合には、簡易表示制御を行うことなく、演出図柄変動中処理を終了してもよい。これらの場合には、VRAM126などに設けられたフレームバッファの記憶データが更新されないことで、演出表示装置5の画面上では、画像表示が更新されずに表示停止した状態になる可能性がある。あるいは、フレームバッファの記憶データが消去(クリア)されることで、演出表示装置5の画面上では、画像表示が行われずに表示停止(ブラックアウト)した状態になる可能性もある。
図30は、図23に示された演出制御メイン処理における小図柄プロセス処理(S55A)を示すフローチャートである。小図柄プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、第3温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS200)。第3温度異常フラグがセットされていれば、小図柄プロセス処理を終了する。すなわち、第3段階の制限モードに移行している状態であり、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知を除いて)を消去している状態であるので、そのまま小図柄プロセス処理を終了する。
第3温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、小図柄プロセスフラグの値に応じてステップS201〜S203のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、小図柄プロセス処理では、演出表示装置5の小図柄表示領域における小図柄の表示状態が制御され、小図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示に関する制御も、一つの小図柄プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示とを、別の小図柄プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの小図柄プロセス処理により小図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。さらに、この場合、小図柄自体も、第1特別図柄の変動表示を行う場合と第2特別図柄の変動表示を行う場合とで異なる種類の表示を行うようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、青色の表示色で小図柄の変動表示を実行し、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、赤色の表示色で小図柄の変動表示を実行するなど、何らかの態様で区別可能に表示することが望ましい。
小図柄変動開始処理(ステップS201):変動パターンコマンドの受信により、小図柄の変動が開始されるように制御する。そして、小図柄プロセスフラグの値を小図柄変動中処理(ステップS202)に対応した値に更新する。
小図柄変動中処理(ステップS202):小図柄の変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御する。そして、図柄確定指定コマンドを受信したら、小図柄プロセスフラグの値を小図柄変動停止処理(ステップS203)に対応した値に更新する。
小図柄変動停止処理(ステップS203):小図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、小図柄プロセスフラグの値を小図柄変動開始処理(ステップS201)に対応した値に更新する。
なお、ステップS201〜S203の処理では、例えば、演出表示装置5において小図柄の変動表示に応じた画像を表示させるために、随時、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に格納されている各種画像データのうち、小図柄の変動表示に応じた各種画像データを読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120AのVRAM126に転送する。
図31は、図23に示された演出制御メイン処理における飾り図柄プロセス処理(S55B)を示すフローチャートである。飾り図柄プロセス処理では、演出制御用CPU120は、飾り図柄プロセスフラグの値に応じてステップS251〜S253のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、飾り図柄プロセス処理では、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bを構成する2個のランプ(またはLED)の点灯状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した第1飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した第2飾り図柄の可変表示に関する制御も、一つの飾り図柄プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した第1飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した第2飾り図柄の可変表示とを、別の飾り図柄プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの飾り図柄プロセス処理により飾り図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
飾り図柄変動開始処理(ステップS251):変動パターンコマンドの受信により、飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS252)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS252):飾り図柄の変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御する。そして、図柄確定指定コマンドを受信したら、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS253)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS253):飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS251)に対応した値に更新する。
なお、図31に示すように、飾り図柄プロセス処理においては、特に第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かの確認を行うことなく、ステップS251〜S253の処理が実行されるので、温度異常にもとづくいずれかの制限モードに移行されているか否かに関係なく、第1飾り図柄表示器5Aにおける第1飾り図柄の変動表示や第2飾り図柄表示器5Bにおける第2飾り図柄の変動表示が実行される。
次に、温度異常にもとづく制限モードに移行しているときの演出表示装置5の表示態様について説明する。図32は、温度異常にもとづく制限モードに移行しているときの演出表示装置5の表示態様を説明するための説明図である。まず、温度異常が検出されておらず、いずれの制限モードにも移行していない通常モードである場合には、図32(A)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、背景画像(本例では、地面と太陽の絵柄を含む画像)が表示されるとともに、左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアに演出図柄の変動表示が表示される。また、演出表示装置5の表示画面の左上端部に左中右の小図柄の変動表示5Sが表示され、演出表示装置5の表示画面の下方には保留画像やアクティブ画像が表示される(本例では、第1保留表示エリア5Dにおいて3個の保留画像が表示されるとともに、アクティブ表示エリアAHAにおいてアクティブ画像が表示される場合が示されている)。
次いで、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃となり、第1制限モードに移行すると、図32(B)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、背景画像表示が消去される(ステップS103参照)。なお、図32(B)に示すように、第1制限モードに移行しても、左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアにおける演出図柄の変動表示と、小図柄の変動表示5Sと、保留画像およびアクティブ画像の表示は継続される。また、第1制限モードでは、冷却ファン142の低速動作が開始される(ステップS104参照)とともに、図32(B)に示すように、演出表示装置5の表示画面において第1温度異常報知E1が開始される(ステップS105参照)。
次いで、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃となり、第2制限モードに移行すると、図32(C)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアにおける演出図柄表示が消去される(ステップS108参照)。なお、図32(C)に示すように、第2制限モードに移行しても、小図柄の変動表示5Sと、保留画像およびアクティブ画像の表示は継続される。また、第2制限モードでは、冷却ファン142の中速動作が開始される(ステップS109参照)とともに、図32(C)に示すように、演出表示装置5の表示画面において第2温度異常報知E2が開始される(ステップS110参照)。
さらに、演出制御用CPU120の温度が95℃以上となり、第3制限モードに移行すると、図32(D)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、小図柄の変動表示5Sと、保留画像およびアクティブ画像も消去され、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知E1を除いて)が消去される(ステップS114参照)。また、第3制限モードでは、冷却ファン142の高速動作が開始される(ステップS115参照)とともに、図32(D)に示すように、演出表示装置5の表示画面において第3温度異常報知E3が開始される(ステップS116参照)。
次にLED9a〜9eの制御について説明する。LED9a〜9eは、実行される演出に対応した複数種類の発光パターンで発光(点灯、点滅など)可能となっている。演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた制御用データ領域に制御用データが設定されている場合にLED9a〜9eを所定の発光パターンにて発光(点灯、点滅など)させるように制御可能となっている。
また、制御用データ領域に設定される制御用データは、各発光体制御基板16C〜16Fにおいて発光(点灯、点滅など)制御を行うためのデータである。具体的に、各々の発光パターンには、それらを一意に識別するための識別子が割り当てられており、上述した制御用データは、この識別子を示すデータである。演出制御用CPU120は、制御用データ領域に制御用データが設定されている場合には、この制御用データを読み取り、各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力する。各発光体制御基板16C〜16Fでは、制御用データが示す識別子で識別された発光パターンで発光するように各発光体ドライバ411a,411b,413a〜413cなどによって制御することで、LED9a〜9eが点灯/消灯駆動される。一方、制御用データ領域がNULLの場合は、当該制御用データ領域に制御用データは設定されていないと判定する。また、制御用データが設定されるタイミングは、当該制御用データにより制御を開始するタイミング、又は当該制御用データにより制御を開始するタイミングよりも前のタイミングである。以下の説明では、LED9a〜9eのいずれかのLEDによる演出を説明する場合には、単にLED演出と表現することがある。
図33は、制御用データ領域の一例を示す図である。制御用データ領域は、一の制御用データ領域と他の制御用データ領域とを少なくとも含む。具体的に、本実施形態の場合は、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の5つの制御用データ領域を含む。そして、各レイヤは、音声を出力する音演出に対応している。例えば、「エラー」演出は、演出表示装置5にもエラーを示す画面が表示される演出であるが、そのうちのエラー音を出力する演出に対応している。なお、音演出は、音を出さない演出(無音演出)も含み、この無音演出に対応したLED演出があってもよい。この無音演出に対応したLED演出は、LEDを消灯させるのではなく、発光させる演出である。
また、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5は優先順位が設定されており、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5(レイヤ1が最も優先順位が低く、レイヤ5が最も優先順位が高い)となっている。ここで、「優先順位が設定されている」とは、具体的に、演出制御用CPU120がLED9a〜9eを制御する場合には、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に制御用データが設定されているか否かを判定し、設定されていると判定された制御用データ領域に設定されている制御用データを各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力するという制御を行うため、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に優先されることを示している。なお、優先順位の設定を実現する例は、これに限るものではなく、例えば、各レイヤに優先順位を示す値を割り当てるようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、まず制御用データが設定されている全てのレイヤに割り当てられた値を参照し、(複数のレイヤに制御データが設定されている場合であっても)その中で優先順位が最も高い値(例えば最大値)が割り当てられているレイヤに設定された制御用データを各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力することとなる。
このように、レイヤには優先順位が設定されているため、LED演出では1つのLED演出のみが行われ、複数のLED演出が同時に行われることはないが、LED演出に対応する音演出は同時に行われることがある。例えば、レイヤ1の制御用データ領域にBGM演出の制御用データが設定され、レイヤ1より優先順位が高いレイヤの制御用データ領域に他の演出の制御用データが設定されていない場合は、BGM演出のLED演出とともに、BGMが音演出として行われる。この状態で、例えばレイヤ3の制御用データ領域に他の演出の制御用データが設定されると、LED演出では、BGM演出のLED演出が終了して、他の演出のLED演出が行われるが、音演出では、BGMと他の演出の音演出とが同時に行われる。
演出制御用CPU120は、いずれか一方の制御用データ領域に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。具体的に例えば、遊技状態が低ベース状態では、図33に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(通常変動、リーチ変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2の予告B演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の予告A演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確定報知演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
また、遊技状態が高ベース状態では、図33に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(通常変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2のBGM演出(リーチ変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の予告演出(全て)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確定報知演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
さらに、遊技状態が大当り状態では、図33に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(大当り)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2の予告演出(保留連、昇格)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の大入賞口入賞演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確変入賞演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
演出制御用CPU120は、両方の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。具体的に例えば、レイヤ2とレイヤ3の両方の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域であるレイヤ3に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。さらに、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域であるレイヤ4に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。
さらに、本実施形態において、第1遊技状態中において一の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターンと、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態中に一の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターンとが異なる。具体的には、図33に示されるように、制御用データ領域は、遊技状態(低ベース状態、高ベース状態、大当り状態)ごとに設けられている。そして、例えば低ベース状態中において例えばレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターン(予告A演出に対応した発光パターン)と、低ベース状態とは異なる例えば高ベース状態中にレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターン(BGM演出に対応した発光パターン)とが異なる。
図33に示される制御用データ領域への設定は、原則として一の遊技が終了するたびにリセットされる。「一の遊技」とは、遊技状態が低ベース状態または高ベース状態の場合は、可変表示の開始に始まり、可変表示の停止表示により終了するまでの遊技を示し、遊技状態が大当り状態の場合は、大当り状態の開始から終了までの遊技を示している。
従って、遊技状態が低ベース状態または高ベース状態の場合、制御用データは、可変表示の開始タイミングまたは可変表示中の演出の開始タイミングで設定され、可変表示の停止表示または各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングによりリセットされる。なお、各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングが到来しない場合でも、可変表示が停止表示した場合にはリセットされる。
また、遊技状態が大当り状態の場合、制御用データは、S173の特図当り待ち処理またはS176の大当り遊技中処理などにて設定され、大当りが終了した場合、ラウンドが終了した場合、または各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングによりリセットされる。
例外的に複数の遊技に跨って行われる演出(例えば、先読予告演出や、複数回の大当りを含む演出)に対応するLED9a〜9eによるLED演出の制御用データの設定は遊技の終了によりリセットされることはない。なお、複数の遊技に跨って行われるLED演出は、上述した遊技状態により異なる一の遊技を組み合わせたものを改めて一の遊技とし、この一の遊技の複数に跨る演出もLED演出であってもよい。
次に、図33に示される各演出について説明する。上述したように、本実施形態におけるLED制御は、図33に示される各演出における音演出に対応している。以下の説明では、各演出において発光(点灯、点滅など)するLEDが記載されているが、記載されているLEDのみが発光(点灯、点滅など)する場合と、他のLEDも発光(点灯、点滅など)する場合がある。
図33において、エラー演出は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されたエラー指定コマンドに対応して、演出表示装置5の表示領域におけるエラー画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからのエラー音声出力動作、LED9a〜9eにおけるエラー発光動作等によるエラー報知等が行われる演出である。本実施形態でのエラー演出は、LED9a〜9eの全てが発光(点灯、点滅など)する演出である。そして、図33に示されるように、演出制御用CPU120は、最も高い優先順位が設定される制御用データ領域(レイヤ5)に制御用データが設定されている場合には、遊技状態に依らずエラー演出を示す発光パターンにて発光(点灯、点滅など)させるように制御するようになっている。
確定報知演出は、V字状に配列されたLEDなどが点滅したり、演出表示装置5の表示領域にV字状の図柄が表示される演出であり、演出図柄の変動中に行われる大当りが確定を示す演出(予告)である。
確変入賞演出には、例えば、確変入賞口(若しくは確変入賞口内に設けられた所定領域。以下、確変入賞口等)の入賞の有無により大当り後の状態を確定させる態様のV確変タイプの遊技機において、確変入賞口等に入賞した際に行われる演出である。確変入賞口等に入賞した場合、大当り後の状態を確変状態とし、確変入賞口等に入賞しなかった場合、大当り後の状態を非確変状態とすることが一般的である。この場合、遊技者に確変入賞口等への入賞を狙わせる演出が設けられており、この演出を本実施形態では確変チャレンジ演出と称する。図1に示したパチンコ遊技機1には、確変入賞口は設けられていないが、LED制御の一例を説明するために、本実施形態での確変入賞演出は、例えば特別可変入賞球装置7内に上記所定領域を設け、その所定領域へ入賞した際にLED(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDでもよい)が発光(点灯、点滅など)する演出とする。また、確変チャレンジ演出は、本実施形態では、LED(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDでもよい)が発光(点灯、点滅など)する演出とする。なお、この確変入賞口は、確変アタッカーともいわれる。
予告A演出、及び予告B演出は、本実施形態では、いずれの演出もLED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)するとともに演出表示装置5の表示領域における演出であって、予告A演出は、キャラクタAが演出表示装置5の表示領域に表示される演出であり、予告B演出は、キャラクタBが演出表示装置5の表示領域に表示される演出である。また「予告(全て)」は、予告A演出、及び予告B演出を示している。また、「予告(保留連、昇格)」のうち、予告(保留連)は、大当り前又は大当り中に保留された保留内に大当りとなる保留が存在する場合に、大当りとなる保留が存在することを大当り中に予告する演出である。予告(昇格)は、上述した大当り中昇格演出や、例えば大当りラウンド数が8ラウンドから16ラウンドなどに増加するラウンド数昇格演出である。この「予告(保留連、昇格)」は、LED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)するとともに演出表示装置5の表示領域における演出である。
大入賞口入賞演出は、特別可変入賞球装置7へ入賞したときに行われる演出である。本実施形態での大入賞口入賞演出は、特別可変入賞球装置7へ入賞するたびにLED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)する演出である。この大入賞口入賞演出では、所謂オーバー入賞時に特に目立たせるような演出が行われることがある。
以上説明した各演出では、LED演出のみの演出だけではなく、LED演出以外の演出(例えば、音による音演出、演出表示装置5による表示演出、または音演出と表示演出を組み合わせた演出等)が行われることがあるが、以下の説明において、特に断らない限り、「演出」は、当該演出におけるLED演出のみを示すものとする。LED演出とLED以外の演出を含む演出全体を示す場合には「演出(全て)」と表現する。また、LED以外の演出を示す場合には「演出(LED以外)」と表現する。例えば、「BGM演出」は、LED演出のみを示し、「BGM演出(全て)」は、LED演出の他に、音演出などLED以外の演出を含む演出全体を示し、「BGM演出(LED以外)」は、音演出などLED以外の演出を示す。
また、以上説明した各演出において、BGM演出の優先順位は、BGMの性質上、いずれの遊技状態においても最も低く設定される。低ベース状態において、予告A演出は予告B演出より優先順位が高いが、これは予告A演出が予告B演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。さらに低ベース状態において、確定報知演出は予告A演出よりも優先順位が高いが、これは確定報知演出が大当り確定を示す演出であるためである。
高ベース状態において、BGM(リーチ変動)演出は、BGM(通常)演出より優先順位が高いが、これはBGM(リーチ変動)演出がBGM(通常)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。高ベース状態において、予告(全て)演出は、BGM(リーチ変動)演出より優先順位が高いが、これは予告(全て)演出がBGM(リーチ変動)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。高ベース状態において、確定報知演出は、予告(全て)演出より優先順位が高いが、これは確定報知演出が予告(全て)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。
大当り状態において、予告(保留連、昇格)演出は、BGM(大当り)演出より優先順位が高いが、これは予告(保留連、昇格)がBGM(大当り)演出より遊技者にとって重要な演出であるためである。大当り状態において、大入賞口入賞演出は、予告(保留連、昇格)演出より優先順位が高いが、これは大入賞口入賞演出は入賞するたびに行われるものであり、予告(保留連、昇格)演出(LED以外)は一般的に演出表示装置5の表示領域において大入賞口入賞演出よりも比較的長く行われる演出であるところ、大入賞口入賞演出を予告(保留連、昇格)演出より優先順位を高くした場合には、いずれの演出も遊技者に告知可能であるが、予告(保留連、昇格)演出を大入賞口入賞演出よりも優先順位を高くした場合には、予告(保留連、昇格)演出のみが行われ、大入賞口入賞演出が行われなくなるためである。また、上述したように、大入賞口入賞演出ではオーバー入賞時の演出が行われることが一般的であり、オーバー入賞は遊技者にとって本来であれば得られない利益のため、演出の重要性が高いためでもある。
各演出の制御用データの設定は、BGM演出及び複数の遊技に跨って行われる演出の制御用データを除き、各演出ごとに定められた時間が経過するとリセットされる。なお、一般的なパチンコ遊技機における演出(全て)として、2つ以上の演出(全て)に分岐する演出(全て)がある。こうした複数の演出(全て)に分岐する場合は、分岐するときに対応する演出の制御用データを再設定することとなる。
以上説明した各制御用データ領域に設定される制御用データは一例であり、図33に示した例に限るものではなく、パチンコ遊技機の演出等に応じて適宜設定される。
図34および図35は、LED制御例を示すタイムチャートである。まず、図34に示すタイムチャートは、エラー報知が実行されておらず、遊技状態が低ベース状態で、可変表示が行われてなく、さらに保留も存在しない状態において、時間T1で始動入賞があり、演出図柄が変動を開始し、時間T2に予告B演出が発生し、さらに時間T3で予告A演出が発生した場合のタイムチャートを示している。なお、BGM演出(LED以外)は、時間T1から最後まで行われ、予告B演出(LED以外)は、時間T2から最後まで行われ、予告A演出(LED以外)は、時間T3から最後まで行われている。制御対象LEDは、一例としてLED9a〜9eとしている。
図34に示されるタイムチャートでは、縦軸は各レイヤに対応するLED制御を示し、横軸は時間を示している。
また、図34では、レイヤ5の制御用データ領域に設定される制御用データをエラー演出の制御用データとし、レイヤ4の制御用データ領域に設定される制御用データを確定報知演出の制御用データとし、レイヤ3の制御用データ領域に設定される制御用データを予告A演出の制御用データとし、レイヤ2の制御用データ領域に設定される制御用データを予告B演出の制御用データとし、レイヤ1の制御用データ領域に設定される制御用データをBGM演出の制御用データとしている。
LED9a〜9eは、エラー演出では色Aで発光(点灯、点滅など)し、確定報知演出では色Bで発光(点灯、点滅など)し、予告A演出では色Cで発光(点灯、点滅など)し、予告B演出では色Dで発光(点灯、点滅など)し、BGM演出では色Eで発光(点灯、点滅など)する。
また、図34に示されるタイムチャートでは、LED9a〜9eの発光色等を示す表示態様が示されている。この表示態様において、「消」は、LED9a〜9eが消灯していることを示し、アルファベットは、それに対応する色で発光(点灯、点滅など)していることを示す。「消」やアルファベットによる表現は、これから説明する他のタイムチャートでも用いられる。
さらに、図34に示されるタイムチャートでは、各レイヤに対応する演出(LED以外)が実行されているか否かも示されている。例えば、BGM演出(全て)は、LED演出とともに音演出を実行する演出であるので、優先順位が低くLED演出が実行されない場合でも音演出を実行することはできる。
また、図34の場合、各演出(LED以外)は同時に実行可能である。例えば、予告A演出(LED以外)と予告B演出(LED以外)は同時に実行可能である。
以上を踏まえ、図34のタイムチャートについて説明する。まず、各制御用データ領域に制御用データが設定されていないので、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは消灯している。
時間T1にて始動入賞があり、レイヤ1の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、BGMLED制御がオンとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Eで発光(点灯、点滅など)する。
次いで、時間T2にて、レイヤ1より優先順位の高いレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、予告BLED制御がオンとなり、BGMLED制御がオフとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Dで発光(点灯、点滅など)する。
次いで、時間T3にて、レイヤ2より優先順位の高いレイヤ3の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、予告ALED制御がオンとなり、予告BLED制御がオフとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Cで発光(点灯、点滅など)する。図34に示した制御によれば、BGM演出より遊技者にとって重要な予告B演出が優先され、さらに予告B演出よりも重要な予告A演出が優先されることから、遊技者に各LED演出による視覚効果を適切に与えることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図35に示すタイムチャートは、遊技状態が低ベース状態で、可変表示が行われてなく、さらに保留も存在しない状態において、時間T1で始動入賞があり、演出図柄が変動を開始し、時間T2に予告B演出が発生し、さらに時間T3で予告A演出が発生した場合であることは図34と同じであるが、エラー報知の実行中である場合のタイムチャートを示している。
図35に示す例では、エラー報知の実行中であるので、エラー演出(LED以外)が実行されているとともに、レイヤ5の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Aで発光(点灯、点滅など)している。そして、レイヤ5に設定されるエラー報知用の制御用データは最も優先順位が高いので、時間T1や時間T2、時間T3となってBGM演出や予告B演出、予告A演出の発生タイミングとなっても、エラーLED制御が継続されるとともにエラー演出(LED以外)の実行も継続される。
なお、図35に示すように、エラー報知の実行中であっても、BGM演出(LED以外)や、予告B演出(LED以外)、予告A演出(LED以外)は同時に実行可能である。
また、図34および図35では、一例として、遊技状態が低ベース状態である場合のLED制御例を示しているが、遊技状態が高ベース状態である場合や大当り遊技状態である場合も、図33に示すレイヤの優先順位に従ってLED制御が行われる。
図36および図37は、演出図柄変動開始処理(ステップS74)にて実行される演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートでは、一例として図33で示した制御用データ領域を用いて説明する。また、このフローチャートの説明では、「演出Yの制御用データをレイヤNの制御用データ領域に設定し、演出Yの開始タイミングに従って演出制御パターンのLED制御データを設定すること」を、単に「演出Yの制御用データをレイヤNに設定する」と表現する。例えば、「予告演出の制御用データをレイヤ2に設定する」との記載は、「予告演出の制御用データをレイヤ2の制御用データ領域に設定し、予告演出の開始タイミングに従って演出制御パターンのLED制御データを設定すること」を意味する。
図36に示す演出実行設定処理において、演出制御用CPU120は、エラーLED発光中か否か(例えば、LED9a〜9eを色Aで発光(点灯、点滅など)中であるか否か)の判定を行う(ステップS901)。演出制御用CPU120は、ステップS54Aのエラー報知処理を実行したか否かで判定する。
エラーLED発光中である場合には(ステップS901;Yes)、エラー演出が最も優先順位が高いため、演出制御用CPU120は、下位のレイヤに制御用データを設定せずに、ステップS915に進む。
エラーLED発光中である場合には(ステップS901;Yes)、演出制御用CPU120は、遊技状態が高ベース状態か否かの判定を行う(ステップS902)。遊技状態が高ベース状態の場合には(ステップS902;Yes)、演出制御用CPU120は、変動パターンがリーチ変動パターンか否かの判定を行う(ステップS903)。変動パターンがリーチ変動パターンの場合には(ステップS903;Yes)、演出制御用CPU120は、BGM(リーチ変動)演出の制御用データをレイヤ2に設定し(ステップS904)、ステップS906に進む。変動パターンがリーチ変動パターンではない場合には(ステップS903;NO)、演出制御用CPU120は、BGM(通常変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS905)、ステップS906に進む。
次いで、演出制御用CPU120は、予告演出を実行するか決定するための予告決定処理を行う(ステップS906)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告決定処理の決定結果から、予告演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS907)。予告演出を実行しない場合には(ステップS907;No)、ステップS909に進む。予告演出を実行する場合には(ステップS907;Yes)、演出制御用CPU120は、予告演出の制御用データをレイヤ3に設定する(ステップS908)。
次いで、演出制御用CPU120は、確定報知演出を実行するか決定するための確定報知決定処理を行う(ステップS909)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンが大当りを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、確定報知決定処理の決定結果から、確定報知演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS910)。確定報知演出を実行しない場合には(ステップS910;No)、ステップS912に進む。確定報知演出を実行する場合には(ステップS910;Yes)、演出制御用CPU120は、確定報知演出の制御用データをレイヤ4に設定する(ステップS911)。次いで、演出制御用CPU120は、各決定処理で決定された各演出制御パターンを選択する(ステップS912)。そして、演出実行設定処理を終了する。
ステップS902の処理に戻り、遊技状態が低ベース状態の場合には(ステップS902;No)、図37のステップS913に進む。演出制御用CPU120は、変動パターンがリーチ変動パターンか否かの判定を行う(ステップS913)。変動パターンがリーチ変動パターンの場合には(ステップS913;Yes)、演出制御用CPU120は、BGM(リーチ変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS914)、ステップS916に進む。変動パターンがリーチ変動パターンではない場合には(ステップS913;NO)、演出制御用CPU120は、BGM(通常変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS915)、ステップS916に進む。
次いで、演出制御用CPU120は、予告B演出を実行するか決定するための予告B決定処理を行う(ステップS916)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告B決定処理の決定結果から、予告B演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS917)。予告B演出を実行しない場合には(ステップS917;No)、ステップS919に進む。予告B演出を実行する場合には(ステップS917;Yes)、演出制御用CPU120は、予告B演出の制御用データをレイヤ2に設定する(ステップS918)。
次いで、演出制御用CPU120は、予告A演出を実行するか決定するための予告A決定処理を行う(ステップS919)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告A決定処理の決定結果から、予告A演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS920)。予告A演出を実行しない場合には(ステップS920;No)、ステップS922に進む。予告A演出を実行する場合には(ステップS920;Yes)、演出制御用CPU120は、予告A演出の制御用データをレイヤ3に設定する(ステップS921)。
次いで、演出制御用CPU120は、確定報知演出を実行するか決定するための確定報知決定処理を行う(ステップS922)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンが大当りを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、確定報知決定処理の決定結果から、確定報知演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS923)。確定報知演出を実行しない場合には(ステップS923;No)、ステップS912に進む。確定報知演出を実行する場合には(ステップS923;Yes)、演出制御用CPU120は、確定報知演出の制御用データをレイヤ4に設定する(ステップS924)。
以上説明した演出図柄変動開始処理におけるLED9a〜9eの制御の他に、変動パターンコマンド受信待ち処理、演出図柄変動中処理、及び大当り遊技中処理などにおいてもLED9a〜9eの制御が行われる。例えば、変動パターンコマンド受信待ち処理において、パチンコ遊技機1の電源投入時に客待ちデモ指定コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、直ちにLED9a〜9eを客待ちデモ演出でのLED態様で表示させる。一方、BGM演出が一定パターンを繰り返す演出を行っている場合には、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンドを受信した数秒後にLED9a〜9eを客待ちデモ演出でのLED態様で表示させる。このように、同じ客待ちデモ指定コマンドを受信した場合でも、状況に応じて制御内容が異なる。
また、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理において設定された開始タイミングに基づき、LED9a〜9eを制御するとともに、各演出ごとに定められた時間が経過するか、可変表示が終了すると当該演出の制御用データの設定をリセットする。さらに、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、遊技者の操作に応じてLED9a〜9eを制御することがある。遊技者の操作例として、例えばスティックコントローラ31Aのトリガボタンの押下操作などがある。このような押下操作に応じて、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120はLED9a〜9eを制御する。また、大当り遊技中処理において、演出制御用CPU120は、図33に示した各制御用データを制御用データ領域に設定してLED9a〜9eを制御するとともに、各演出ごとに定められた時間が経過すると当該演出の制御用データの設定をリセットする。また、大当り遊技中処理においても、遊技者の操作に応じてLED9a〜9eを制御することがあるので、演出制御用CPU120は、押下操作に応じてLED9a〜9eを制御する。
以上のように、この実施の形態では、優先順位が設定された複数層(本例では、図33に示すレイヤ1〜レイヤ5)を有するデータ設定領域(本例では、図33に示す制御用データ領域)を備える。また、データ設定領域の各層に、少なくとも電気部品のうちの発光体(本例では、LED9a〜9e)の発光制御を行うための発光データを設定可能である。そして、制御手段(本例では、演出制御用CPU120)は、発光データにもとづいて発光体の発光制御を行うことが可能であり、データ設定領域の複数の層に発光データが設定されている場合に、優先順位が高い層に設定されている発光データにもとづいて発光体の発光制御を行う。そのため、層(レイヤ)の切り替えによって優先順位を簡単に切り替えて発光体の発光制御を行うことができる。
また、この実施の形態では、実行される演出(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出等)に対応した複数種類の発光パターン(例えば、色パターン、点滅パターン等)で発光可能な発光装置(例えば、LED9a〜9e等)と、発光装置を制御可能な制御手段(例えば、演出制御用CPU120等)と、を備え、制御手段は、制御用データが制御用データ領域に設定されている場合に発光装置を所定の発光パターンにて発光させるように制御可能であり、制御用データ領域は一の制御用データ領域(例えば、図33のレイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域等)と他の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうち、一の制御用データ領域とは異なる制御用データ領域等)とを少なくとも含み、いずれか一方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの、いずれかの制御用データ領域等)に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターン(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出に対応した発光パターン等)にて発光装置を発光させるように制御し、両方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの2つの制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合は、優先順位(例えば、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5等)が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにて発光装置を発光させるように制御可能であり、第1遊技状態中(例えば、図33の低ベース状態)において一の制御用データ領域(例えば、図33の低ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域等)に制御用データ(例えば、図33の低ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域に設定される予告B演出の制御用データ等)が設定されるときの発光パターンと、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態中(例えば、図33の高ベース状態)に一の制御用データ領域に制御用データ(例えば、図33の高ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域に設定されるBGM演出の制御用データ等)が設定されるときの発光パターンとが異なる。そのため、遊技状態に応じた優先順位でランプ演出を行うことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、実行される演出(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出等)に対応した複数種類の発光パターン(例えば、色パターン、点滅パターン等)で発光可能な発光装置(例えば、LED9a〜9e等)と、発光装置を制御可能な制御手段(例えば、演出制御用CPU120等)と、を備え、制御手段は、制御用データが制御用データ領域に設定されている場合に発光装置を所定の発光パターンにて発光させるように制御可能であり、制御用データ領域は一の制御用データ領域(例えば、図33のレイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域等)と他の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうち、一の制御用データ領域とは異なる制御用データ領域等)とを少なくとも含み、いずれか一方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの、いずれかの制御用データ領域等)に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターン(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出に対応した発光パターン等)にて発光装置を発光させるように制御し、両方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの2つの制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合は、優先順位(例えば、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5等)が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにて発光装置を発光させるように制御可能であり、制御用データ領域には、優先順位が低い順に第1データ領域(例えば、レイヤ1の制御用データ領域等)、第2データ領域(例えば、レイヤ2の制御用データ領域等)、第3データ領域(例えば、レイヤ3の制御用データ領域等)が設けられており、第2データ領域に設定される制御用データとして、発光装置を発光させるように制御する制御用データ(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDを発光させるように制御する制御用データ等)と、発光装置を消灯させるように制御する消灯制御用データとがあり、第1データ領域に制御用データ(例えば、BGM演出の制御用データ等)が設定されている場合に、第2データ領域に消灯制御用データを設定し、当該消灯制御用データが設定されているときに、第3データ領域に制御用データ(例えば、大入賞口入賞演出の制御用データ等)を設定可能である。そのため、優先順位の高い発光パターンを目立たせることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
図34から図37で示した演出説明は一例で、この実施の形態で示した演出は図34から図37に示した遊技状態以外に適用してもよい。具体的には、例えば図34で示した遊技状態は低ベース状態であるが、大当り状態に適用するようにしてもよい。
また、説明したLED9a〜9eの制御における演出は音演出としていたが、音演出に限らず、演出表示装置5において実行される演出、役物を稼働させる演出などであってもよい。また、レイヤ数を5としているが、レイヤ数は2以上であればよい。さらに、設定データ領域は、低ベース状態、高ベース状態、大当り状態ごとに設けられているが、これに限らず、低確高ベース状態、高確高ベース状態など、種々の状態ごとに設けるようにしてもよい。
以上説明した制御用データ領域に設定される制御用データとして、ランプ制御基板14に出力する制御用データを例にしたが、発光パターンを示すデータのアドレス、または、オンオフなどを示す1ビットのデータであってもよい。
制御用データ領域に発光パターンを示すデータのアドレスが設定される場合、演出制御用CPU120は、制御用データ領域に設定されたアドレスを参照して、当該アドレスに記憶されている制御用データをランプ制御基板14に出力し、制御用データ領域がNULLの場合は、制御用データが設定されていないと判定する。
制御用データ領域にオンオフを示す1ビットのデータが設定される場合、演出制御用CPU120は、制御用データ領域にオンを示す「1」が設定されているときに、当該制御用データ領域に対応する演出の発光パターンを示す制御用データをランプ制御基板14に出力し、制御用データ領域にオフを示す「0」が設定されている場合は、制御用データが設定されていないと判定する。従って、「0」が設定されている場合は、当該制御用データ領域に対応する演出の発光パターンを示す制御用データがランプ制御基板14に出力されないため、当該発光パターンでランプ9は発光されないこととなる。
また、ランプの発光パターンとして、色の違いによる実施形態について説明したが、これに限らず、発光間隔が異なる点滅パターンなどを用いるようにしてもよい。さらに、色A、B、C、D、Eの具体例として、青、黄、緑、赤、金、虹が挙げられるが、複数の色で発光してもよい。
また、この実施の形態では、制御手段は、最も高い優先順位が設定される制御用データ領域(例えば、図33のレイヤ5の制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合には、遊技状態に依らずエラーを示す発光パターンにて発光させるように制御する。そのため、エラーを適切に報知することができる。
また、この実施の形態では、制御用データ領域に設定されたときに第1発光パターンにて発光装置を発光させる第1制御用データ(例えば、図33の予告A演出の制御用データ)と、制御用データ領域に設定されたときに第2発光パターンにて発光装置を発光させる第2制御用データとが存在し、一の遊技状態中(例えば、図33の低ベース状態等)において、第1制御用データ(例えば、図33のレイヤ3に設定される予告A演出の制御用データ)は第2制御用データ(例えば、図33のレイヤ2に設定される予告B演出の制御用データ)よりも優先順位が高い制御用データ領域に設定され、一の遊技状態とは異なる遊技状態(例えば、図33(B)の高ベース状態等)において、第1制御用データ(例えば、図33(B)のレイヤ2に設定される予告A演出の制御用データ)は第2制御用データ(例えば、図33(B)のレイヤ3に設定される予告B演出の制御用データ)よりも優先順位が低い制御用データ領域に設定される。そのため、遊技状態に応じた優先順位でランプ演出を行うことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
図38は、制御中メモリ検査処理として、図23のステップS55Cにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す制御中メモリ検査処理において、演出制御用CPU120は、メモリ検査中であるか否かを判定する(ステップS1251)。ステップS1251では、例えば、メモリ検査を実行するときにメモリ検査中フラグをセットするようにし、このメモリ検査中フラグがオンであるかオフであるかに応じて、メモリ検査中であるか否かを判定すればよい。ステップS1251にてメモリ検査中ではないと判定した場合には(ステップS1251;No)、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS1252)。演出制御用CPU120は、例えばCTCに含まれるタイマ回路(図示せず)から出力されるタイムアウト信号がオンであるときに、メモリ検査のインターバルが経過したと判定すればよい。あるいは、演出制御用CPU120は、例えばRTC(リアルタイムクロック:図示せず)を用いて特定される現在時刻が、メモリ検査のインターバルとして設定された時刻を経過したときに、メモリ検査のインターバルが経過したと判定すればよい。
ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には(ステップS1252;Yes)、デモ表示中であるか否かを判定する(ステップS1253)。ステップS1253では、パチンコ遊技機1における遊技が進行しておらず、演出表示装置5の画面上にデモンストレーションとなる演出画像を表示するデモ表示が実行されているときに、デモ表示中であると判定すればよい。なお、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には、メモリ検査のインターバルが再度設定されるようにすればよい。ステップS1253にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS1253;No)、制御中検査待機時間として予め定められた所定時間(例えば10分間など)を設定し(ステップS1254)、制御中メモリ検査処理を終了する。ステップS1254にて制御中検査待機時間として設定される所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過した以後にデータリフレッシュやデータ移転が実行される場合に対応して、CGROM141の記憶データを正常に回復可能あるいは移転可能(代替可能)となるように、データリフレッシュやデータ移転が正常に実行できる範囲内で設定すればよい。例えば制御中検査待機時間となる所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行されたCGROM141の読出回数に応じて、異なる時間が設定されてもよい。この場合には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行されたCGROM141の読出回数が予め定められた回数判定値以上である場合には、回数判定値未満である場合よりも短い時間が設定されてもよい。あるいは、制御中検査待機時間となる所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過するまでに発生したエラービット数に応じて、異なる時間が設定されてもよい。この場合には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに検出されたエラービット数が予め定められたエラー判定値以上である場合には、エラー判定値未満である場合よりも短い時間が設定されてもよい。
ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過していない場合には(ステップS1252;No)、ステップS1254にて設定された制御中検査待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS1255)。制御中検査待機時間が経過していない場合には(ステップS1255;No)、デモ表示中となったか否かを判定する(ステップS1256)。ステップS1256にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS1256;No)、制御中メモリ検査処理を終了する。
ステップS1253にてデモ表示中であると判定した場合や(ステップS1253;Yes)、ステップS1255にて制御中検査待機時間が経過した場合(ステップS1255;Yes)、あるいは、ステップS1256にてデモ表示中であると判定した場合には(ステップS1256;Yes)、演出制御中においてCGROM141の記憶データを検査する制御中メモリ検査を開始させるように制御する(ステップS1257)。例えば、演出制御用CPU120は、メモリ検査処理を実行することにより、CGROM141の記憶データを検査する。このときには、例えば、メモリ検査中フラグをセットしてオンにするなど、メモリ検査中に対応する設定を行い(ステップS1258)、制御中メモリ検査処理を終了する。なお、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には、ステップS1253にてデモ表示中であるか否かを判定することなく、ステップS1257に進み、直ちに制御中メモリ検査を開始させるようにしてもよい。
ステップS1251にてメモリ検査中であると判定した場合には(ステップS1251;Yes)、メモリ検査が完了したか否かを判定する(ステップS1259)。メモリ検査が完了していないと判定した場合には(ステップS1259;No)、制御中メモリ検査処理を終了する。これに対し、メモリ検査が完了したと判定した場合には(ステップS1259;Yes)、制御中メモリ検査の終了に対応する制御を行う(ステップS1260)。このときには、例えば、メモリ検査中フラグをクリアしてオフにするなど、メモリ検査後に対応する設定を行い(ステップS1261)、制御中メモリ検査処理を終了する。
図39は、制御中演出データ転送処理として、図23のステップS55Dにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す制御中演出データ転送処理において、演出制御用CPU120は、演出データ読出中であるか否かを判定する(ステップS271)。ステップS271では、例えば演出データ読出中フラグがオンであるかオフであるかに応じて、演出データ読出中であるか否かを判定すればよい。ステップS271にて演出データ読出中ではないと判定した場合には(ステップS271;No)、演出データ読出条件が成立したか否かを判定する(ステップS272)。ステップS272では、例えば演出制御パターンに含まれる演出制御実行データ(プロセスデータに含まれる表示制御実行データ)の内容から、CGROM141の記憶データをVRAM126に転送する必要がある場合に、演出データ読出条件が成立したと判定すればよい。
ステップS272にて演出データ読出条件が成立していないと判定した場合には(ステップS272;No)、通常時WDTクリア設定を行う(ステップS273)。ステップS273では、CGROM141の記憶データが読み出されない場合に対応して、ウォッチドッグタイマ(図示せず)の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマをクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。例えば演出制御用CPU120は、WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に書き込むことで、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアすればよい。
ステップS272にて演出データ読出条件が成立した場合には(ステップS272;Yes)、演出データの読み出しを開始させるように制御する(ステップS274)。例えば、演出制御用CPU120は、CGROM141の記憶データを読み出し、VRAM126に転送して格納させればよい。このときには、例えば演出データ読出中フラグをセットしてオンにするなど、演出データ読出中に対応する設定を行い(ステップS275)、制御中演出データ転送処理を終了する。また、ステップS275では、読出中クリア時間として予め定められた一定時間が設定される。
ステップS271にて演出データ読出中であると判定した場合には(ステップS271;Yes)、演出データの読出完了となったか否かを判定する(ステップS276)。演出データの読出完了であると判定した場合には(ステップS276;Yes)、演出データ読出の終了に対応する制御を行う(ステップS277)。このときには、例えば演出データ読出中フラグをクリアしてオフにするなど、演出データ読出後に対応する設定を行い(ステップS278)、制御中演出データ転送処理を終了する。
ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定した場合には(ステップS276;No)、読出中クリア時間が経過したか否かを判定する(ステップS279)。このとき、読出中クリア時間が経過していれば(ステップS279;Yes)、読出中クリア回数が予め定められたクリア上限判定値に達しているか否かを判定する(ステップS280)。読出中クリア回数は、ステップS274での制御により演出データが読出開始となってから、ステップS281の設定によりウォッチドッグタイマがクリアされた回数を示している。例えばステップS275では、読出中クリアカウンタのカウント初期値として「0」が設定され、ステップS282の設定により、そのカウント値が1加算されるように更新すればよい。
ステップS279にて読出中クリア時間が経過していない場合や(ステップS279;No)、ステップS280にてクリア上限判定値に達している場合には(ステップS280;Yes)、制御中演出データ転送処理を終了する。これに対し、ステップS280にてクリア上限判定値に達していない場合には(ステップS280;No)、読出中WDTクリア設定を行う(ステップS281)。ステップS281では、CGROM141の記憶データが読み出されている場合に対応して、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマをクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。ステップS281にて読出中WDTクリア設定が行われた場合には、読出中クリア回数を1加算するなどして更新し(ステップS282)、制御中演出データ転送処理を終了する。
なお、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合とは異なる周期で、ウォッチドッグタイマをクリアするように設定されてもよい。例えば、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合よりも長い周期で、ウォッチドッグタイマをクリアする。この場合、ステップS273における通常時WDTクリア設定は、毎回の設定によりウォッチドッグタイマをクリアするのに対し、ステップS281における読出中WDTクリア設定は、複数回の設定が行われることでウォッチドッグタイマをクリアしてもよい。WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に設定することによりウォッチドッグタイマがクリアされるものでは、ステップS273における通常時WDTクリア設定が1回行われたときに複数のWDTクリアデータをすべて順番に設定するのに対し、ステップS281における読出中WDTクリア設定が1回行われたときには1のWDTクリアデータのみが設定され、複数回の読出中WDTクリア設定が繰り返されることで、複数のWDTクリアデータが順番に設定されるようにしてもよい。逆に、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合よりも短い周期で、ウォッチドッグタイマをクリアしてもよい。
このように、制御中演出データ転送処理では、ステップS273の通常時WDTクリア設定が行われる場合に、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマによる計測時間を初期化する。また、ステップS274での制御により演出データの読み出しを開始した後、ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定が行われると、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマによる計測時間を初期化する。これにより、演出データの読出時間が長期化した場合に、ウォッチドッグタイマを適切にクリアして演出制御用CPU120の不適切なリセットを抑制できるので、不具合の発生を防止できる。
図39に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS271にて演出データ読出中であるか否かを判定することにより、CGROM141の記憶データを読み出している読出期間中であるか否かを判定する。この読出期間中にて、CGROM141におけるデータリフレッシュやデータ移転(代替処理)が実行される場合には、読出期間が長期化して、ステップS273での通常時WDTクリア設定を行うことができなくなるおそれがある。そこで、ステップS271にて演出データ読出中と判定されるとともに、ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定により、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマによる計測時間を初期化できるようにしている。この場合には、ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達していないと判定されたときに、ステップS281の読出中WDTクリア設定を行うことができる。ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達したと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定を行わないので、ウォッチドッグタイマによる計測時間の初期化が制限される。このように、読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した後には、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過したときに、時間経過信号となるタイムアウト信号を発生させて、演出制御用CPU120をリセット状態にして再起動する。なお、読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した場合には、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するまで待機することなく、直ちに演出制御用CPU120をリセット状態にして再起動してもよい。例えばステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達したと判定されたときに、演出制御用CPU120のリセット割込みを発生させて、演出制御用CPU120をリセット状態にしてもよい。
図40は、演出制御用CPU120によって実行されるメモリ検査処理の一例を示すフローチャートである。なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120がVDP機能を用いてメモリ検査処理などを実行する場合を示しているが、演出制御用マイクロコンピュータ120Aがメモリコントローラ(図示せず)を備えるように構成し、メモリコントローラが、演出制御用CPU120からの検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモリ検査処理の実行を開始するように構成してもよい。この場合、メモリコントローラは、演出制御用CPU120からの信号供給を条件に、メモリ検査処理を実行できればよい。あるいは、メモリコントローラは、演出制御用CPU120からの信号供給を条件とすることなく、電源投入時の設定や、メモリ検査のインターバルが終了したことなどに基づいて、メモリ検査処理を実行できるようにしてもよい。
図40に示すメモリ検査処理において、演出制御用CPU120(あるいは、メモリコントローラ)は、CGROM141などに記憶されているステータス情報を読み出す(ステップS451)。ステータス情報は、消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管理情報、データリフレッシュの管理情報などを含んでいればよい。エラービット数の管理情報は、CGROM141からセクタデータが読み出されるごとに作成され、各セクタデータのエラー検出で特定されたエラービット数を示す情報であればよい。エラー訂正の管理情報は、CGROM141から読み出したセクタデータのエラー訂正が行われた場合に作成され、各セクタデータのエラー訂正ができたか否かを示す情報であればよい。データリフレッシュの管理情報は、CGROM141に記憶されたセクタデータのデータリフレッシュが行われた場合などに作成され、データリフレッシュが行われた回数や実行日時などを示す情報であればよい。
続いて、ステップS451にて読み出したステータス情報の内容などに基づいて、データリフレッシュ条件が成立したか否かを判定する(ステップS452)。例えば、エラービット数の管理情報に示されるエラービット数が、予め定められたエラーしきい値を超えているセクタデータがある場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定すればよい。また、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂正ができなかったセクタデータがある場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定してもよい。
ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立した場合には(ステップS452;Yes)、データリフレッシュを実行するための制御を行う(ステップS453)。ステップS453では、例えばデータリフレッシュの対象となるセクタデータを含む消去単位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正などを行って正しいデータを復元する。そして、記憶データを読み出した消去単位ブロックについて、記憶データを消去してから、復元した正しいデータを書き込むようにしてもよい。あるいは、記憶データを読み出した消去単位ブロックとは異なる消去単位ブロックに、復元した正しいデータを書き込むようにしてもよい。復元した正しいデータを書き込んだときには、書き込んだデータを再度読み出して、書込前のデータと比較することなどにより、正常にデータリフレッシュが終了したか否かを判定してもよい。
ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立していない場合や(ステップS452;No)、ステップS453の制御を行った後には、データ移転条件が成立したか否かを判定する(ステップS454)。例えば、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂正ができなかったセクタデータがある場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。また、データリフレッシュの管理情報に示されるデータリフレッシュが行われた回数が、予め定められた移転しきい値を超えているセクタデータがある場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。ステップS453にて正常にデータリフレッシュが終了しなかった場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。
ステップS454にてデータ移転条件が成立していない場合には(ステップS454;No)、メモリ検査処理を終了する。これに対し、データ移転条件が成立した場合には(ステップS454;Yes)、データ移転を実行するための制御を行ってから(ステップS455)、メモリ検査処理を終了する。ステップS455では、例えばデータ移転の対象となるセクタデータを含む消去単位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正などを行って正しいデータを復元する。このとき、記憶データを読み出した消去単位ブロックを、不良エリアとしての不良ブロックに設定する。そして、復元したデータを、冗長領域内の代替エリアとなる代替ブロックに書き込むようにすればよい。また、アドレス変換テーブルに含まれる配置情報を更新するなどして、不良ブロックに代えて代替ブロックの記憶データが読出可能となるように設定する。
図40に示すメモリ検査処理では、ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立したときに、ステップS453での制御によりデータリフレッシュを実行可能にする。これにより、CGROM141において、リードディスターブやデータリテンションなどの要因で劣化したメモリセルが生じた場合でも、記憶データを正しいデータに復元して保護することができる。さらに、ステップS454にてデータ移転条件が成立したときに、ステップS455での制御によりデータ移転を行う代替処理を実行可能にする。これにより、CGROM141において、メモリセルをリフレッシュしても回復不能な不良エリアとなる不良ブロックがある場合に、不良エリアの記憶データを代替エリアとなる代替ブロックに移転して保護することができる。
図23に示す演出制御メイン処理では、ステップS51Bにて電源投入時メモリ検査設定が行われ、図40に示すメモリ検査処理を、電源投入時に実行する。このときには、ステップS453での制御によりデータリフレッシュが実行される場合や、ステップS455での制御によりデータ移転が実行される場合がある。例えば前回の電源遮断前といった、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されてから、CGROM141のステータス情報が更新され、データリフレッシュ条件が成立し得る状態や、データ移転条件が成立し得る状態になることがある。しかしながら、データリフレッシュやデータ移転を行うことなく電源切断により電力供給が終了すると、メモリセルの劣化が放置された状態さらには進行していく状態になり、CGROM141の記憶データが多くの誤りを含むものになるおそれがある。そこで、再び電源投入により電力供給が開始されたときに、図40に示すメモリ検査処理が実行されることで、ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立すればステップS453での制御によりデータリフレッシュを実行し、ステップS454にてデータ移転条件が成立すればステップS455での制御によりデータ移転を実行する。また、図23に示す演出制御メイン処理では、ステップS51Cにてメモリ検査のインターバルが設定される。
図38に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合に、ステップS1253またはステップS1256にてデモ表示中であると判定されたこと、あるいは、ステップS1255にて制御中検査待機時間が経過したと判定されたことを条件に、ステップS1257での制御により制御中のメモリ検査を実行可能にする。このように、電源投入時だけでなく、演出の進行を制御中であっても、メモリ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データリフレッシュやデータ移転を実行可能なので、電源投入時からの電力供給が停止されずに長時間が経過した場合でも、CGROM141の記憶データを保護するための処理を実行することができる。特に、メモリ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データ移転する代替処理を実行できるので、メモリセルをリフレッシュしても回復不能なデータエラーが発生する不良エリアとなる不良ブロックの記憶データを、代替エリアとなる代替ブロックに、適切に移転して記憶させることができる。
図41は、CGROM141における記憶領域の構成例を示している。CGROM141の記憶領域は、データ領域、制御領域、冗長領域といった、3つの領域を有している。データ領域と冗長領域には、管理テーブルと各種の演出データを記憶可能である。演出データは、静止画像データおよび動画像データを含む画像データの他に、音声データ、ランプ駆動データ、モータ駆動データなどであってもよい。データ領域は、CGROM141の通常アクセスに使用される通常使用領域である。演出の進行を制御するためのプログラムや演出を実行するために使用される演出データは、アクセスに支障がない限り、データ領域に書き込まれて記憶される。冗長領域は、データ領域のうちで、書き込みや読み出しに支障のある不良エリアに代替して使用可能な代替使用領域である。データ領域においてアクセスに支障があると判断された不良ブロックなどの不良エリアは、使用禁止に設定され、不良エリアの記憶データは冗長領域における代替ブロックなどの代替エリアに記憶される。制御領域は、データ領域の不良エリアと冗長領域の代替エリアとの関係を示す対応関係情報などを記憶する制御情報領域である。対応関係情報として、例えばデータ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報が記憶される。データ領域のアドレスや冗長領域のアドレスは、ページ番号やブロック番号で指定されてもよいし、開始アドレスと終了アドレスで指定されてもよい。データ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報は、アドレス変換テーブルにまとめて記憶されてもよい。アドレス変化テーブルは、演出制御用CPU120からCGROM141へのアクセスを要求する際に指定される論理ブロックアドレスを、実際の記憶領域に割り当てられた物理ブロックアドレスに変換可能とする配置情報のテーブルデータにより構成されていればよい。
図41に示すデータ領域には、3つの不良エリアA、B、Dが存在している。この場合、冗長エリアには、不良エリアA、B、Dの記憶データが移転された代替エリアA、B、Dが設けられる。制御領域には、不良エリアA、B、Dと代替エリアA、B、Dとの対応関係を指定する配置情報A、B、Dが記憶される。冗長領域には、履歴情報が書き込まれてもよい。履歴情報は、CGROM141においてデータ移転が行われた履歴を示す情報であればよく、例えばデータ移転が行われた日付情報を含んでいればよい。図41に示す冗長領域には、履歴情報Cが記憶されている。制御領域には、履歴情報Cに対応する配置情報Cが記憶されている。配置情報Cは、不良エリアと代替エリアとの対応関係を示す配置情報とは異なり、履歴情報に関する配置情報であることを示す履歴フラグと、履歴情報を記憶している冗長領域のアドレス情報とを含んでいればよい。履歴フラグがオンである配置情報に含まれるアドレス情報を読み取ることにより、冗長領域に記憶された履歴情報を読み出すことができる。履歴情報に含まれるデータ移転の日付情報などから、CGROM141においてデータ移転が行われた回数を特定し、CGROM141の使用を継続できるか廃棄すべきかを判定してもよい。制御領域には、配置情報の他にも、例えば消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管理情報、データリフレッシュの管理情報といった、ステータス情報を構成する様々な管理情報が記憶されてもよい。
図42(A)は、CGROM141に記憶される演出データのうちで、画像データに含まれる動画像データの構成例を示している。図42(B)は、動画像データを映像データと音声データとに分離して復号化する動作例を示している。図42(C)は、動画像データを用いた動画再生の実行例を示している。動画像データは、それぞれが圧縮符号化された映像データと音声データを、所定のコンテナフォーマットで多重化して構成されていればよい。動画像データでは、ヘッダ情報に続けて、パケット化された映像データが格納される映像データブロックや、パケット化された音声データが格納される音声データブロックが、所定の順番で配置されていればよい。CGROM141から読み出された動画像データは、デマルチプレクサに入力されて、映像データと音声データとに分離される。デマルチプレクサから出力された映像データは、映像デコーダに供給される。デマルチプレクサから出力された音声データは、音声デコーダに供給される。映像デコーダは、デマルチプレクサから供給された映像データを復号化して、ヘッダ情報または各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。音声デコーダは、デマルチプレクサから供給された音声データを復号化して、ヘッダ情報または各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。
このように、映像データと音声データとが多重化されて構成された動画像データを用いて、映像データと音声データとを分離して復号化した後、タイムスタンプにあわせて出力される。これにより、映像出力と音声出力とが同期した動画像の再生が可能になる。CGROM141には、演出表示装置5の表示制御に関する映像データと、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御に関する音声データとが、一連の動画像データとして記憶されている。演出制御用CPU120と音声制御基板13の音声処理回路(図示せず)は、CGROM141から読み出された動画像データを用いて動画像を再生することにより、演出表示装置5の表示制御と、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行することができる。
図43〜図45は、動画像再生命令が供給された場合に対応して、動画像の再生制御例を示すシーケンス図である。図43は、CGROM141から読み出した動画像データ(読出データ)の検査結果が正常である検査OKの場合を示している。図44は、CGROM141においてデータリフレッシュが成功したデータリフレッシュ成功の場合を示している。図45は、CGROM141において不良ブロックが検出された不良ブロック検出の場合を示している。なお、図43〜図45では、演出制御用CPU120の機能のうちのVDPとメモリコントローラの部分をそれぞれ1つのブロックとして示している。なお、この実施の形態では、VDP機能を備えた演出制御用CPU120を用いる場合を示しているが、演出制御用CPU120とは別にVDPやメモリコントローラを備えるように構成してもよい。
図43に示すように、VDPでは、演出制御用CPU120からの動画像再生命令を受けると、パラメータとなるレジスタ値などから特定される動画像データの読み出しを要求する動画像データ読出要求を、メモリコントローラに供給する。メモリコントローラは、動画像データ読出要求を受けたことに対応して、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオンに設定する。その後、動画像データの読み出しを開始する。動画像データの読み出しが終了すると、読み出した動画像データのエラー検出およびエラー訂正を行う。これにより、動画像データが読出完了になると、VDPでは演出表示装置5の画面上にて動画像の再生表示を開始させる。なお、すべての動画像データが読出完了になるまで動画像の再生表示が開始されないものに限定されず、所定単位の動画像データが読出完了になるごとに、読み出された動画像データを用いて順次に動画像の再生表示が進行するものであってもよい。また、図42(A)〜(C)に示したように、動画像の再生表示では、演出表示装置5における映像出力と、スピーカ8L、8Rにおける音声出力とが、同期して実行され、連携して進行すればよい。
また、メモリコントローラでは、エラー検出やエラー訂正の実行結果を用いて、読出データの検査を行う。例えばエラー検出で特定されたエラービット数がエラーしきい値を超えているか否かや、エラー訂正で訂正できなかったセクタデータがあるか否かに応じて、読出データの検査結果を判定する。このとき、読出データの検査結果が正常であると判定すれば、CGROM141の記憶データが正常に読出完了となったので、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。その後、VDPなどの制御による動画像の再生表示が終了したときには、VDPから演出制御用CPU120に対して動画像再生完了を通知すればよい。
図44に示す場合では、メモリコントローラにて、読出データの検査結果が異常であると判定される。この場合には、CGROM141に記憶されたセクタデータに対し、データリフレッシュが開始される。その後、データリフレッシュが正常に終了すると、CGROM141の記憶データを新たに読出可能となるので、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検査結果に基づくデータリフレッシュは、エラー検出やエラー訂正の実行結果に応じて実行されるので、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしてもよい。これにより、CGROM141の記憶データに対するデータリフレッシュが実行される場合でも、動画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の再生表示による演出を実行できる。その一方で、データリフレッシュが終了するまで、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、動画像の再生表示に遅延が生じることになる。
図45に示す場合では、メモリコントローラにて、データリフレッシュが開始された後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたことにより、データリフレッシュが中断されている。この場合には、不良ブロックの検出に対応して、CGROM141に記憶された消去単位ブロックのセクタデータに対し、データ移転が開始される。その後、CGROM141では、データ領域における不良エリアとなる不良ブロックから、冗長領域における代替エリアとなる代替ブロックへのデータ移転が終了して、CGROM141の記憶データを新たに読出可能になると、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検出結果に基づくデータリフレッシュに続いて実行されるデータ移転は、データリフレッシュと同様に、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしてもよい。これにより、CGROM141の記憶データに対するデータ移転が実行される場合でも、動画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の再生表示による演出を実行できる。その一方で、不良エリアから代替エリアへのデータ移転が終了するまで、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、データリフレッシュが正常に終了した場合と比較して、動画像の再生表示にさらなる遅延が生じることになる。
図44および図45に示す場合では、読出データの検査結果が異常であると判定されたときに、続けてデータリフレッシュが開始される。図45に示す場合では、データリフレッシュが開始された後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたときに、続けてデータ移転が開始される。このように、CGROM141の読出データに対する検査結果に応じて、読み出しが行われた直後に、データリフレッシュやデータ移転を実行可能であってもよい。これに対し、CGROM141の読出データに対するエラー検出やエラー訂正の実行結果を、CGROM141に記憶しておき、メモリ検査のインターバルが経過したときに、データリフレッシュ条件やデータ移転条件が成立したことに対応して、データリフレッシュやデータ移転を実行可能であってもよい。
図43〜図45に示す動画像の再生制御例では、演出制御用CPU120からVDPに対して動画像再生命令が供給されると、VDPがメモリコントローラに動画像データ読出要求を供給して、動画像データの読み出しを開始している。これに対し、動画像データ読出要求に対応する命令は、演出制御用CPU120からメモリコントローラに供給されてもよい。演出制御用CPU120では、演出制御パターンに含まれる演出制御実行データ(プロセスデータに含まれる表示制御実行データ)などから動画像の再生開始を決定したときに、図39に示す制御中演出データ転送処理のステップS272にて、演出データ読出条件が成立したと判定する。そこで、ステップS274の制御により、演出制御用CPU120からメモリコントローラに対して動画像データ読出要求に対応する命令を供給すればよい。ただし、演出制御用CPU120からVDPに対して動画像再生命令を供給するとともに、演出制御用CPU120からメモリコントローラに対して動画像データ読出要求に対応する命令を供給する場合には、演出制御用CPU120の処理負荷が増大するおそれがある。他方において、図43〜図45に示す動画像の再生制御例のように、VDPが演出制御用CPU120から供給された動画像再生命令を受けたときに、VDPからメモリコントローラに動画像データ読出要求を供給することで、動画像データを読み出すための処理負荷が分散されるので、演出制御用CPU120の処理負担を軽減することができる。
動画像の再生表示を開始する場合には、様々な要因により遅延が生じることがある。例えば図44および図45に示された動画像の再生制御例のように、読出データの検査結果に基づくデータリフレッシュやデータ移転による遅延が生じることがある。その他にも、図38に示す制御中メモリ検査処理のステップ257にて制御中メモリ検査を開始させる制御が行われると、CGROM141の記憶データが読出不可となり、制御中メモリ検査が終了するまで、動画像の再生表示に遅延が生じることがある。さらに、NAND型フラッシュメモリを用いて構成されたCGROM141では、ランダムアクセスによる記憶データの読み出しを要因として、動画像の再生表示に遅延が生じることもある。NAND型フラッシュメモリを用いて構成されたCGROM141は、セクタ単位で記憶データが読み出される。動画像データは、他の演出データに比べてデータ容量が大きくなりやすいので、CGROM141にて複数のセクタにまたがって記憶される場合がある。CGROM141では、動画像データなどの演出データが複数のセクタにまたがって記憶されている場合に、それぞれのセクタにアクセスして記憶データを読み出さなければならない。この場合には、CGROM141に対するランダムアクセスが頻繁に発生することで、記憶データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示にも遅延の影響が及んでしまうことになる。
パチンコ遊技機1において実行される演出のうちには、動画像の再生表示が実行される場合のように、CGROM141の読出許否状態に応じて、遅延が生じやすい演出がある。その一方で、CGROM141の読出許否状態にかかわらず、遅延なく実行可能な演出もある。例えばROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、始動入賞報知SH1を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。始動入賞報知SH1は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動口入賞時に、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材における動作、これらの一部または全部の組合せにより、始動入賞の発生を報知する。また、ROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、リーチ後演出AR1やリーチ後演出AR2を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。リーチ後演出AR1は、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、例えば動画像の再生表示が正常に開始される期間に対応して、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材における動作、これらの一部または全部の組合せにより、リーチ演出の開始を報知する。その他、ROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、エラー報知EH1を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。エラー報知EH1は、各種のエラーが発生したエラー発生時に、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、これらの一部または全部の組合せにより、異常の発生を報知する。あるいは、ROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、予告演出YA1を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。予告演出YA1は、演出図柄の可変表示中にて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材における動作、これらの一部または全部の組合せにより、有利状態としての大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する。
図46および図47は、始動入賞報知SH1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図である。図46は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図47は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図46および図47に示す制御例では、リーチ演出開始までの制御が共通している。具体的には、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける特別図柄の可変表示が開始されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送信される。例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドを送信するための設定を行う。演出制御基板12では、可変表示開始コマンドを受信したことに対応して、演出制御用CPU120が演出図柄変動開始処理を実行し、演出図柄の可変表示を開始する。こうして、特別図柄の可変表示開始に対応して、演出図柄の可変表示開始設定が行われ、演出図柄の可変表示が開始される。その後、リーチ前演出BR1が実行されてもよい。リーチ前演出BR1は、例えば「滑り」や「擬似連」の可変表示演出といった、演出図柄の可変表示態様により、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ前演出BR1は、例えば予告演出といった、演出図柄の可変表示態様によらず、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。その後、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立に達したことに対応して、リーチ演出の実行が開始されるリーチ演出開始となる。
図46に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される。動画像の再生表示が開始された後に、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動入賞時にて、始動入賞報知SH1が実行される。始動入賞報知SH1は、始動入賞の発生に対応してROM135に記憶された演出制御実行データ(表示制御実行データ)を読み出すことにより、始動入賞時に遅延なく実行可能である。始動入賞報知SH1は、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口、または普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口といった、遊技球が通過可能な通過領域(始動領域)を、遊技球が通過したことに関する通過補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、演出表示装置5の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ8L、8Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、演出表示装置5の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図46に示す制御例でリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図46に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、演出図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、演出図柄の可変表示における表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定演出図柄が表示された状態になる。
図47に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる期間がある。この表示停止期間にて、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場合には、表示停止期間であっても始動入賞報知SH1が実行される。例えば始動入賞報知SH1の実行に用いられる演出制御実行データ(表示制御実行データ)は、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。あるいは、始動入賞報知SH1の実行に用いられる演出制御実行データ(表示制御実行データ)は、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。演出制御用CPU120は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、始動入賞報知SH1を実行可能にすればよい。例えば、演出制御用CPU120は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場合に対応して用意された演出制御実行データを、ROM135から読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いて始動入賞報知SH1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においても始動入賞報知SH1を実行することができる。
図47に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、演出図柄の揺れ表示が開始される。演出図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、ROM135から読み出した演出制御パターン(プロセスデータ)に設定された演出制御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。演出図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、確定表示の対象となる演出図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した表示状態となる。確定表示の対象となる演出図柄は、演出図柄の可変表示における表示結果として導出される確定演出図柄であり、図8に示す可変表示開始設定処理のステップS201にて決定される最終停止図柄であればよい。演出図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターン(プロセスデータ)で予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、演出表示装置5の画面上における表示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表示時間が長くなる場合には、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
なお、図47に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。このように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制することができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出表示手段(本例では、演出表示装置5)の表示制御を行う表示制御機能(本例では、VDP機能)を有する制御手段(本例では、演出制御用CPU120)と、制御手段の温度を監視する温度監視手段(本例では、温度センサ136)を備える。また、制御手段の温度に応じて、表示制御機能を段階的に制限可能である(本例では、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃となると第1制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃となると第2制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が95℃以上となると第3制限モードに移行する)。そのため、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる。すなわち、演出制御用CPU120の温度異常を検出したときに直ちに全ての演出表示を行わないように構成してしまったのでは、遊技に対する興趣を大幅に低下させてしまうことになる。これに対して、この実施の形態では、直ちに全ての演出表示を行わないようにするのではなく、演出表示を段階的に制限していくように制御するので、必要以上に遊技に対する興趣が低下してしまうことを防止することができ、より適切な熱対策を実現することができる。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、温度センサ136からの温度情報にもとづいて演出制御用CPU120の具体的な温度を判定して温度異常の判定を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、温度センサ136から具体的な温度を特定可能な温度情報を出力するのではなく、ある特定の温度となったときに所定の割込信号を発生するにし、その割込信号を入力したことにもとづいて温度異常が発生したと判定するように構成してもよい。この場合、例えば、割込信号を入力したタイミングで第1制限モードに移行し、割込信号を入力してから所定期間(例えば、30秒)経過したタイミングで第2制限モードに移行するなど、割込信号を入力してからの経過時間に応じて段階的に表示制御機能を制限するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1制限モードでは背景画像が消去され、第2制限モードでは演出図柄の変動表示も消去され、第3制限モードでは小図柄や保留画像、アクティブ画像も消去される場合を示したが、そのような制限態様にかぎられない。例えば、表示制御機能の制限態様として、ある制限モードではリーチ前の予告演出を制限したりするなど、演出の種類に応じて制限を行うように構成してもよい。また、例えば、ある制限モードでは演出表示装置5の表示画面の端部のみ表示しないように制限するなど、表示領域単位の制限を行うように構成してもよい。また、例えば、メイン液晶表示装置とサブ液晶表示装置など複数の表示装置を備える場合に、ある制限モードではサブ液晶表示装置を表示しないようにしてメイン液晶表示装置のみ表示を継続するなど、表示器単位の制限を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1制限モード〜第3制御モードの3段階に表示制御機能を制限する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、2段階の制限のみを行うように構成してもよく、4段階以上の制限を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、少なくとも第1制限モードおよび該第1制限モードよりも制限度合いが高い第2制限モードを含む複数種類の制限モードにより表示制御機能を制限可能である(本例では、図32(B)に示すように、第1制限モードでは演出表示装置5の表示画面において背景画像のみを消去し、図32(C)に示すように、第2制限モードでは演出表示装置5の表示画面においてさらに左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアにおける演出図柄表示も消去する)。そのため、遊技の興趣の低下を抑制することができる。例えば、この実施の形態では、第1制限モードでは背景画像などの表示のみを制限し、演出図柄の変動表示や簡易な予告表示は継続されるので、演出表示の一部は継続可能であり、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、制御手段の温度が所定温度(本例では、60℃〜70℃)に達したことに応じて第1制限モードにより表示制御機能を制限可能であり、制御手段の温度が所定温度よりも高い特定温度(本例では、71℃〜94℃)に達したことに応じて第2制限モードにより表示制御機能を制限可能である。そのため、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、制御手段の温度が特定温度よりも高い特別温度(本例では、95℃以上)に達したことに応じて、演出表示手段の表示制御を停止させる表示停止モードにより表示制御機能を制限可能である(本例では、図32(D)に示すように、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知E1を除いて)が消去される)。また、制御手段の温度の特別温度からの低下に応じて、表示停止モードによる表示制御機能の制限を解除可能である(本例では、第3制限モードに移行しているときに演出制御用CPU120の温度が90℃以下に下がると、第2制限モードに移行する)。そのため、表示制御機能を有する制御手段の熱対策を強化できるとともに、表示停止モードへの移行後に表示停止モードから自動的に復旧することができる。
また、この実施の形態によれば、第1制限モードにより表示制御機能を制限する場合に、一部の演出を実行しないように制御する(本例では、演出表示装置5の表示画面において背景画像を消去したり、スケーラ機能を停止した状態で画像表示したりする)。そのため、制御手段の温度に応じた適切な表示制御を実現することができる。
なお、この実施の形態では、第1制限モードでは背景画像を消去したり、スケーラ機能を停止したりする場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で予告演出などの一部の演出を選択したり決定したりしないように制限するものであってもよい。
また、この実施の形態によれば、制限モードの種類に応じて音出力を制限可能である(本例では、第1制限モードでは演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限され、第2制限モードや第3制限モードでは演出図柄の変動表示に関する音出力は全く行われない)。そのため、表示制御と音出力との演出の不一致を防止することができる。
なお、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく、エラー音は継続して出力するように構成することが望ましい。そのように構成すれば、エラーに関しては適切に報知を継続することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行に関する情報を発光体(本例では、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B)を発光させることにより表示制御する。また、制限態様によらず共通に発光体を発光させる表示制御を可能である(本例では、温度異常にもとづくいずれかの制限モードに移行されているか否かに関係なく、第1飾り図柄表示器5Aにおける第1飾り図柄の変動表示や第2飾り図柄表示器5Bにおける第2飾り図柄の変動表示が実行される)。そのため、遊技の進行状況を適切に報知することができる。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で発光制御する発光体として、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bについて、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく表示制御を継続する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で発光制御する発光体として、保留表示を表示するためのランプ(LED)、エラーランプ(LED)、右打ち操作を促すための右打ち表示ランプ(LED)について、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく表示制御を継続するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1飾り図柄表示器5Aや第2飾り図柄表示器5Bなどの発光体については、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく表示制御を継続する場合を示したが、演出制御用CPU120がある一定の温度以上となった場合には、これら発光体の表示制御も停止するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、制御手段の温度に応じた温度異常を報知可能である(本例では、図32(B)〜(D)に示すように、第1温度異常報知E1〜第3温度異常報知E3を表示する)。そのため、制御手段の温度に応じた適切な報知を行うことができる。
なお、この実施の形態では、第1制限モード〜第3制限モードのいずれであるかに応じて段階的に第1温度異常報知E1〜第3温度異常報知E3を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、第1制限モード〜第3制限モードのいずれであるかに関係なく、演出制御用CPU120がある一定の温度となると共通態様の温度異常報知を表示するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第3制限モードでも第3温度異常報知E3を表示する場合を示しているが(図32(D)参照)、第3制限モードでは温度異常報知も表示しないようにし、演出表示装置5の表示画面において温度異常報知も含めて全く表示を行わないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、制御手段を冷却するための冷却手段(本例では、冷却ファン142)を備える。また、制御手段の温度に応じて冷却手段の動作態様を変更可能である(本例では、第1制限モードでは冷却ファン142を低速動作させ、第2制限モードでは冷却ファン142を中速動作させ、第3制限モードでは冷却ファン142を高速動作させる)。そのため、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、制御手段(本例では、演出制御用CPU120)が設けられた第1基板(本例では、演出制御基板12)と、演出制御に関連する演出情報(本例では、各種画像データ)を記憶する記憶手段(本例では、CGROM141)が設けられた第2基板(本例では、演出制御用中継基板16A)とを備える。また、記憶手段には、あらかじめ認証情報が記憶され(本例では、CGROM141には、認証データが記憶されている)、制御手段は、記憶手段に記憶されている認証情報にもとづいて認証処理を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、CGROM141から読み出した認証データとROM135に記憶されている認証データとを照合して認証処理を行う)。そして、認証処理にて認証成功となったことにもとづいて、演出制御を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、認証に成功したことにもとづいて初期演出データ転送処理(S51D)を含む各種演出制御の処理を実行する)。そのため、制御手段が設けられた基板と記憶手段が設けられた基板との間で適正な接続関係を確保することができる。
例えば、この実施の形態のようにVDP機能を備えた演出制御用マイクロコンピュータ120Aが1つの基板(本例では、演出制御基板12)上に実装されて1つの演出制御ユニットとして流通すると、この演出制御ユニットを搭載した遊技機が遊技店にて撤去された後に、この遊技機から演出制御ユニットが取り外されて、演出制御ユニットの正規購入メーカ以外の他の遊技機メーカの遊技機において演出制御ユニットが流用可能となってしまう。この場合、中古の演出制御ユニットが搭載された遊技機の品質を確保することができず、また演出制御ユニットの正規流通量の低下に伴って部品コストが高くなり、正規購入メーカにおける遊技機の製造コスト(費用)が増加するという問題が生じる。そこで、この実施の形態では、演出制御基板12において、他の基板(本例では、演出制御用中継基板16A)との間で認証処理を実行することによって、正規購入メーカ以外の他の遊技機メーカでの演出制御ユニットの流用を抑制することができる。他方、正規購入メーカにおいては、演出制御ユニットを正規に再利用することによって、遊技機の製造コストを低減することができる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵するROM135に記憶されている認証データと、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に記憶されている認証データとについて、ROM単位で固有の値を認証データとして記憶するように構成するようにしてもよいし、遊技機の機種単位で固有の値を認証データとして記憶するように構成してもよい。さらに、遊技機メーカ単位で固有の値を認証データとして記憶するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、制御手段は、記憶手段に記憶されている演出情報の転送処理(本例では、初期演出データ転送処理(S51D))を実行可能であり、認証処理にて認証成功となったことにもとづいて、転送処理を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、認証に成功したことにもとづいて初期演出データ転送処理(S51D)を実行可能である)。そのため、適正な演出情報の転送処理を実行することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100)を備え、遊技制御手段は、遊技機への電源供給が開始されたことを示す電源開始コマンド(本例では、電源投入指定コマンド)および電断状態から復旧したことを示す電断復旧コマンド(本例では、停電復旧指定コマンド)を出力可能である。また、制御手段は、電源開始コマンドまたは電断復旧コマンドを入力したことにもとづいて認証処理を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信したことにもとづいて認証処理を実行可能である)。そのため、遊技制御手段側が正常に起動したことにもとづいて認証処理を実行することができる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信したことにもとづいて認証処理を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120A(具体的には、演出制御用CPU120)側で電源監視回路(図示せず)からの検出信号にもとづいて電源電圧が所定値に達したか否かを確認し、電源電圧が所定値に達したことにもとづいて認証処理を実行するように構成してもよい。図48は、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で電源電圧を監視する場合における演出制御メイン処理の変形例を示すフローチャートである。
図48に示す変形例では、演出制御用CPU120は、まず、電源監視回路(図示せず)からの検出信号にもとづいて電源電圧が所定値に達したか否かを確認する(S50X)。例えば、演出制御用CPU120に電源電圧としてVCC(5V)が供給されている場合に、電源電圧VCCの値が4.5Vに達したか否かを確認する。そして、電源電圧が所定値に達した場合には、演出制御用CPU120は、認証処理を実行する(S50B)。なお、ステップS50B以降の処理は、図23に示したそれらの処理と同様である。
図48に示す変形例によれば、制御手段は、電源電圧を監視可能であり(図48に示す変形例では、演出制御用CPU120は、電源監視回路(図示せず)からの検出信号にもとづいて電源電圧が所定値に達したか否かを確認する)、電源電圧が所定値に達したことにもとづいて認証処理を実行可能である(図48に示す変形例では、演出制御用CPU120は、電源電圧が所定値に達したことにもとづいて認証処理を実行可能である)。そのため、制御手段自身の電源電圧が確保できたことにもとづいて認証処理を実行することができる。
また、この実施の形態によれば、認証処理にて認証失敗となったことにもとづいて、演出表示手段に認証失敗となったことを報知する(本例では、演出制御用CPU120は、認証エラー報知処理(S50D)を実行する)。そのため、制御手段が設けられた基板と記憶手段が設けられた基板との間の接続関係を確保できなかったことを報知することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100)を備え、第2基板には、遊技制御手段に接続するための接続部(本例では、コネクタ16Z)と、複数の演出手段(本例では、演出表示装置5、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B、各LED9a〜9e、スピーカ8L,8R、可動部302、可動部材321など)を接続するための接続部(本例では、コネクタ16S)とが設けられている。そのため、遊技機の機種単位で第2基板を設計すればよいので、遊技機の異なる機種間で第1基板の共通化を図ることができ、遊技機の開発コストおよび製造コストを低減することができる。
また、この実施の形態によれば、図39に示す制御中演出データ転送処理のステップS281にて読出中WDTクリア設定が行われることにより、不適切な演出制御用CPU120のリセットを抑制できるので、不具合の発生を防止できる。
図38に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過したと判定されたことに基づいて、ステップS1257での制御によりメモリ検査を実行し、データ移転条件が成立すれば不良エリアの記憶データを代替エリアに移転する代替処理を実行できるので、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図47に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、始動入賞報知SH1を実行できるので、適切に演出を実行できる。
図41に示すように、CGROM141の記憶領域は、通常使用領域となるデータ領域と、代替使用領域となる冗長領域とを含んでいるので、不具合の発生を防止でき、また、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図40に示すメモリ検査処理のステップS455では、データ領域の不良エリアとなる不良ブロックの記憶データを、冗長領域の代替エリアとなる代替エリアに移転する制御を行うので、不具合の発生を防止でき、また、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図39に示す制御中演出データ転送処理のステップS271では、CGROM141に記憶された演出データを読出中であるか否かを判定するので、不具合の発生を防止できる。
図42(A)に示すように、動画像データは、表示制御に関する映像データと、演出音の出力制御に関する音声データとが、一連のデータとして多重化して構成され、表示制御と演出音の出力制御とを同期して実行できるので、適切に演出を実行できる。
図39に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した場合に、ステップS281での設定によるウォッチドッグタイマのクリアを制限するので、不具合の発生を防止できる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。なお、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。また、スロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施の形態では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ変動表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、変動表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
また、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声制御基板13、駆動制御基板16B、発光体制御基板16C〜16Fなどが設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(可動体、発光体、スピーカなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用マイクロコンピュータに対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用マイクロコンピュータに送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、可動体や発光体、スピーカなどに関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置5を制御する演出制御用マイクロコンピュータに送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータは、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で表示結果(大当りか否か)や変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞の発生時に抽出した乱数の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
なお、上記に示した実施の形態では、以下の(1)〜(7)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技を行うことが可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、表示制御に関するデータを記憶可能な記憶手段(例えばCGROM141など)と、記憶手段の記憶データを読み出して表示手段を制御可能な表示制御手段(例えば演出制御用CPU120など)と、計測時間が監視時間を経過したときに時間経過信号を発生させる信号発生手段(例えばウォッチドッグタイマなど)とを備え、表示制御手段は、監視時間が経過するより前に信号発生手段による計測時間を初期化する第1制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS273による制御など)と、記憶手段の記憶データを読み出している読出期間中にて第1制御が実行されない所定事象が発生した場合に、監視時間が経過するより前に信号発生手段による計測時間を初期化する第2制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS281による制御など)とを実行可能である遊技機。このような構成によれば、不具合の発生を防止できる。
(2)上記(1)の遊技機において、記憶手段は、通常使用領域(例えばデータ領域など)と、代替使用領域(例えば冗長領域など)とを含んでもよい(例えば図41を参照)。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、所定事象として、記憶手段の通常使用領域に記憶されたデータを、記憶手段の代替使用領域に記憶させる処理(例えばメモリ検査処理のステップS455など)を実行してもよい。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、読出期間中であるか否かを判定する判定手段(例えば制御中演出データ転送処理のステップS271を実行する演出制御用CPU120など)を備えてもよい。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、演出音の出力を制御可能な音声制御手段(例えば音声処理回路など)を備え、記憶手段には、表示制御に関するデータと、演出音の出力制御に関するデータとが、一連のデータ(例えば動画像データなど)として記憶され、表示制御手段による制御と、音声制御手段による制御とを同期して実行可能であってもよい(例えば図42を参照)。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、可変表示が開始されてから表示結果が導出される前に、所定事象の発生により遅延した制御を実行可能な期間(例えば演出図柄の揺れ表示が行われる期間など)が設けられてもよい。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、第2制御により計測時間を初期化した回数が所定数に達したことに基づいて、信号発生手段による計測時間の初期化を制限してもよい(例えば制御中演出データ転送処理のステップS280にてYesの場合など)。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、この発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技を行うことが可能な遊技機であって、演出表示手段(例えば、演出表示装置5)の表示制御を行う表示制御機能(例えば、VDP機能)を有する制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、制御手段の温度を監視する温度監視手段(例えば、温度センサ136)とを備え、制御手段の温度に応じて、表示制御機能を段階的に制限可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS101〜S118を実行し、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃となると第1制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃となると第2制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が95℃以上となると第3制限モードに移行する)、さらに、可変表示を実行するときの背景として、少なくとも第1背景と第2背景とを含み、第1背景では、可変表示が1回実行される毎に第1背景楽曲(例えば楽曲A)を先頭から出力し、第2背景では、複数回の可変表示に亘って第2背景楽曲(例えば楽曲B)を出力し、第2背景では、可変表示を開始するときに所定音を出力可能である(例えば図73(B))遊技機が挙げられる。そのような構成によれば、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる。また、複数回の可変表示に亘って楽曲を出力する状態であっても可変表示の開始タイミングが認識しやすくなり、遊技の興趣が向上する。
また、上記遊技機において、制御手段の温度に応じて、第1背景を表示不可であるが第2背景を表示可能である状態、第1背景を表示可能であるが第2背景を表示不可である状態などが生じるようにしてもよい。また、制御手段の温度に応じて、第1背景楽曲や第2背景楽曲、所定音などが制限(音量を下げる、出力しないなど)されるようにしてもよい。
さらに、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができ、また、遊技の興趣が向上する遊技機の形態の一例として、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機901)であって、可変表示を実行するときの背景として、少なくとも第1背景と第2背景とを含み、第1背景では、可変表示が1回実行される毎に第1背景楽曲(例えば楽曲A)を先頭から出力し、第2背景では、複数回の可変表示に亘って第2背景楽曲(例えば楽曲B)を出力し、第2背景では、可変表示を開始するときに所定音を出力可能である(例えば図73(B))遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図49は、他の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図49に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはともに、例えば方形状に形成されている。なお、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置905の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置905の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置905の表示領域では、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可変表示される飾り図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア905Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置905の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア905Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア905Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示(保留表示)が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。始動入賞記憶表示エリア905Hのおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせてもよい。
画像表示装置905の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア905Hの左側方には、変動中特図表示エリア905Iが設けられている。変動中特図表示エリア905Iには、現在実行されている可変表示に対応した画像が表示される。現在実行されている可変表示に対応した表示は、実行中表示、アクティブ表示、可変表示対応表示などともいう。なお、実行中表示と保留記憶表示を総称して特定表示ともいう。第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中特図表示エリア905Iに丸型で実行中表示が表示される。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中図柄表示エリア905Iに丸型で実行中表示が表示される。即ち、第1または第2開始条件の成立とともに、始動入賞記憶表示エリア905Hから除去された表示がこの変動中特図表示エリア905Iにシフトして表示されることとなる。変動中特図表示エリア905Iの表示により、遊技者は第1特別図柄表示装置904Aまたは第2特別図柄表示装置904Bのいずれで特図ゲームが実行されているかを把握することができるようにしてもよい。なお、保留記憶表示と実行中表示とで大きさや形状を異ならせてもよい。
図49に示す例では、始動入賞記憶表示エリア905Hとともに、第1特別図柄表示装置904A及び第2特別図柄表示装置904Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図50に示す普通電動役物用となるソレノイド9081によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置906Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図50に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図50に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図50に示す大入賞口扉用となるソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図50に示すカウントスイッチ9023によって検出される。カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個や10個等)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置907において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置907において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤902の所定位置(図49に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球装置907等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ9031Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ9031Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機901と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤902の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤902の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン9031Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン9031Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機901における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機901では、遊技領域に設けられた通過ゲート9041を通過した遊技球が図50に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことといった、普通図柄表示器9020にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置906Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図50に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図50に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間としての可変表示時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態(有利状態、特定状態)としての大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。
この実施の形態におけるパチンコ遊技機901では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置907の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤902の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「15」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置907を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」、「7」の数字を示す特別図柄は通常開放ラウンド大当り図柄となり、「5」の数字を示す特別図柄は短期開放ラウンド大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として通常開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置907の大入賞口扉が、第1期間となる所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば10個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。なお、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
特図ゲームにおける確定特別図柄として短期開放ラウンド大当り図柄が導出された後に制御される短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態(短期開放大当り状態)では、各ラウンドで特別可変入賞球装置907を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放大当り状態における第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放大当り状態では、大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御されればよく、それ以外の制御は通常開放大当り状態と同様に行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放大当り状態では、ラウンドの実行回数が、通常開放大当り状態における第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。
このような短期開放大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば15個や10個等)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間は第2期間(0.1秒間など)であって、非常に短い。そのため、短期開放大当り状態は実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態である。なお、短期開放大当り状態は、第2特定遊技状態ともいう。
また、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、通常開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態に比べて、大入賞口の開放期間が短いものに限定されず、例えば大入賞口の開放期間(上限時間)は短期開放ラウンド特定遊技状態と通常開放ラウンド特定遊技状態とで同一である一方で、短期開放ラウンド特定遊技状態では大入賞口を開放状態とする上限回数(例えば2回)が通常開放ラウンド特定遊技状態での上限回数(例えば15回)に比べて少なくなるものであってもよい。すなわち、短期開放ラウンド特定遊技状態としての大当り遊技状態は、各ラウンドで大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンドの実行回数が通常開放ラウンド特定遊技状態における第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として導出された後には、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置907において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置907を第2期間にわたり第1状態(開放状態)とする動作が繰り返し実行される。
画像表示装置905に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置905の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア905Cなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部又は一部で飾り図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置905の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置905における表示動作のみならず、スピーカ908L、908Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ909などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、この実施の形態では、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチαやスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板9011の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板9011の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板9012の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア905Lと「右」の飾り図柄表示エリア905Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄を再び変動(擬似連変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回まで)行うことができる。擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数である。
「擬似連」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示される。その後に、擬似連変動(再可変表示)が行われる。この実施の形態では、「擬似連」の可変表示演出において、擬似連変動(再変動)が1回〜3回行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも2回〜4回続けて開始されたかのように見せることができる。なお、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動(再変動)の回数は、例えば4回や5回といった、1回〜3回よりも多くの回数まで実行できるようにしてもよい。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み予告ともいう)となるものが含まれる。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる可変表示を開始するより前に、特図ゲームの保留情報などに基づいて実行可能となる予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出とも称される。
この実施の形態では、先読み予告演出として、予告対象の可変表示が実行されるよりも前の複数回の可変表示において、予め定められた飾り図柄の組合せが導出表示される停止図柄予告が実行されるようになっている。この実施の形態では、予め定められた飾り図柄の組合せは、リーチハズレの組合せとなっている。遊技者は、リーチハズレの組合せが連続して導出表示されることで、後の可変表示において大当りとなる可能性が高いことを認識できる。
先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア905Hにおいて特図保留記憶数を特定可能に表示する保留記憶表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する保留表示予告が実行されるようにしてもよい。例えば、始動入賞記憶表示エリア905Hにおける保留記憶表示を、所定のタイミングにおいて通常の表示態様と異なる特別態様で表示する保留表示予告が実行されるようにしてもよい。
始動入賞記憶表示エリア905Hに加えて、変動中特図表示エリア905Iにおいても先読み予告演出が実行されるようにしてもよい。この実施の形態では、保留が消化されたことに対応して始動入賞記憶表示エリア905Hから除去された保留記憶表示は、この変動中特図表示エリア905Iにシフトして表示されることとなるが、始動入賞記憶表示エリア905Hにおいて特別態様で保留記憶表示がなされているときに、変動中特図表示エリア905Iにシフトする場合には、変動中特図表示エリア905Iにおける実行中表示も特別態様とするようにしてもよい。このようにすることで、保留記憶数が少ない段階で先読み予告演出が実行された場合であっても、表示態様が特別態様に変化する機会を増やすことができ、遊技の興趣が向上する。
また、この実施の形態では、このような先読み予告演出とは別に、可変表示が実行されるときに、当該可変表示の変動パターンや可変表示結果に基づいて、当該可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される変動中予告演出が実行されるようになっている。変動中予告演出は、演出画像の表示、音声の出力、ランプの点灯、演出役物の動作、それらの組み合せ等によって、「大当り」となる可能性などを予告するものであればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。このような飾り図柄の可変表示結果は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の可変表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄といった通常大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が停止表示される。通常大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、通常大当り組合せの確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「非確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機901の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、通常開放ラウンド大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、飾り図柄の可変表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがある。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、飾り図柄の可変表示結果として、通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定飾り図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「確変」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に可変表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、通常状態あるいは低ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。なお、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態(特別状態)とも称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「5」の数字を示す特別図柄といった短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合や、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、開放チャンス目として予め定められた複数種類の確定飾り図柄の組合せのいずれかが停止表示されることがある。また、特図ゲームにおける確定特別図柄として、短期開放ラウンド大当り図柄が停止表示される場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後などに、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄(短期開放ラウンド大当り状態に対応したチャンス目となる確定飾り図柄)が停止表示されることもある。
特図ゲームにおける確定特別図柄が短期開放ラウンド大当り図柄となることに対応して、各種の確定飾り図柄が停止表示される飾り図柄の可変表示態様は、可変表示結果が「大当り」となる場合における「突確」(「突確大当り」あるいは「突然確変大当り」ともいう)の可変表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。「突確」の大当り種別で可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確変制御が行われればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、「2」の数字を示す特別図柄といった小当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「小当り」となったことに基づいて、小当り遊技状態に制御され、その終了後には、遊技状態の変更が行われず、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに、特別遊技状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、特別遊技状態が終了して通常状態となることがある。
飾り図柄の可変表示結果として開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となる場合には、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときと、可変表示結果が「小当り」であることに基づき小当り遊技状態に制御されたときとがある。一方、飾り図柄の可変表示結果としてリーチ組合せを構成する確定飾り図柄が導出表示された後に大入賞口が開放状態となるのは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」であることに基づき短期開放大当り状態に制御されたときのみである。したがって、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄は、短期開放大当り状態および小当り遊技状態のいずれに制御されることにも対応している一方で、リーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放大当り状態に制御されることに対応している。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rに通常大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる飾り図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定飾り図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、画像表示装置905の表示領域にて飾り図柄を可変表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、飾り図柄の可変表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機901には、例えば図50に示すような主基板9011、演出制御基板9012、音声制御基板9013、ランプ制御基板9014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号をソレノイド9081、9082に伝送するソレノイド回路90111などが搭載されている。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置905、スピーカ908L、908R及び遊技効果ランプ909といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板9012は、画像表示装置905における表示動作や、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ909などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ908L、908Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板9014は、演出制御基板9012とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板9012からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ909などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図50に示すように、主基板9011には、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板9011には、第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置905における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ909や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図51(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図51(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図51(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する可変表示結果通知コマンドである。可変表示結果通知コマンドでは、例えば図51(B)に示すように、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、可変表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4可変表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、可変表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5可変表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機901における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機901における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば可変表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、可変表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ9022Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ9022Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア905Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア905Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、可変表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、入賞時乱数値判定処理(図62参照)において、始動入賞の発生に基づき、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板9012に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値MR3´が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板9012に対して送信する制御を行う。演出制御基板9012に搭載された演出制御用CPU90120は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、可変表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/output port)90105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図52は、主基板9011の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図52に示すように、この実施の形態では、主基板9011の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1´、大当り種別決定用の乱数値MR2´、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´、変動パターン決定用の乱数値MR4´、普図表示結果決定用の乱数値MR5´のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路90104は、これらの乱数値MR1´〜MR5´の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU90103は、例えば図56に示す遊技制御カウンタ設定部90154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路90104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1´〜MR5´の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1´は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別決定用の乱数値MR2´は、可変表示結果を「大当り」とする場合における飾り図柄の可変表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別決定用の乱数値MR3´は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン決定用の乱数値MR4´は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果決定用の乱数値MR5´は、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図53は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、可変表示結果が「ハズレ」で飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。可変表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチαまたはスーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。可変表示結果が「小当り」である場合に対応した変動パターンは、小当り変動パターンと称される。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
図53に示す各変動パターンは、予め定められた複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれていてもよい。各変動パターン種別は、例えば飾り図柄の可変表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されてもよい。
一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチαまたはスーパーリーチβ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分けてもよい。また、スーパーリーチを伴う変動パターンについては、リーチ演出の内容(例えばスーパーリーチαであるかスーパーリーチβであるか)に応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。あるいは、所定の可変表示演出が実行されるか否かなどに応じて、異なる変動パターン種別に分類されるようにしてもよい。他の一例として、複数の変動パターンを飾り図柄の可変表示時間などに応じて、分類(グループ化)してもよい。複数の変動パターン種別のうちには、共通の変動パターンを含んで構成されたものがあってもよい。
図50に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図53に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図54は、ROM90101に記憶される特図表示結果決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、特図表示結果決定テーブルとして、図54(A)に示す第1特図表示結果決定テーブル90130Aと、図54(B)に示す第2特図表示結果決定テーブル90130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果決定テーブル90130Aは、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1´に基づいて決定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果決定テーブル90130Bは、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果決定用の乱数値MR1´に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果決定テーブル90130Aでは、パチンコ遊技機901における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1´と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果決定テーブル90130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1´と比較される数値(決定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル90130Aや第2特図表示結果決定テーブル90130Bにおいて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される決定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる決定用データとなっている。第1特図表示結果決定テーブル90130Aと第2特図表示結果決定テーブル90130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの決定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機901において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果決定テーブル90130Aと第2特図表示結果決定テーブル90130Bのそれぞれでは、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、決定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
第1特図表示結果決定テーブル90130Aの設定例では、所定範囲の決定値(「30000」〜「30350」の範囲の値)が「小当り」の特図表示結果に割り当てられている。その一方で、第2特図表示結果決定テーブル90130Bの設定例では、「小当り」の特図表示結果に決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合と、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて可変表示結果の判定を行う場合とで、特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定される割合を、異ならせることができる。
特に、第2特図を用いた特図ゲームでは特図表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短状態(低確高ベース状態)や確変状態(高確高ベース状態)といった、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な小当り遊技状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、第2特図表示結果決定テーブル90130Bにおいても、第1特図表示結果決定テーブル90130Aにおける設定とは異なる所定範囲の決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられるようにしてもよい。例えば、第2特図表示結果決定テーブル90130Bでは、第1特図表示結果決定テーブル90130Aに比べて少ない決定値が、「小当り」の特図表示結果に割り当てられてもよい。こうして、時短状態や確変状態といった高ベース状態であるときには、通常状態や時短なし確変状態といった低ベース状態であるときよりも、小当り遊技状態に制御すると決定される割合が低くなるようにしてもよい。あるいは、第1開始条件と第2開始条件のいずれが成立したかにかかわらず、共通の特図表示結果決定テーブルを参照して、特図表示結果の決定を行うようにしてもよい。
図55は、ROM90101に記憶される大当り種別決定テーブル90131の構成例を示している。大当り種別決定テーブル90131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別決定用の乱数値MR2´に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別決定テーブル90131では、特図ゲームにおいて可変表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2´と比較される数値(決定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
大当り種別決定テーブル90131の設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する決定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の決定値(「83」〜「100」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して決定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別を「突確」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な短期開放大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない決定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM90101には、特図表示結果や、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´や、変動パターン決定用の乱数値MR4´に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照される変動パターン決定テーブルなどが記憶される。
図50に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるRAM90102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機901に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM90102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM90102には、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図56に示すような遊技制御用データ保持エリア90150が設けられている。図56に示す遊技制御用データ保持エリア90150は、第1特図保留記憶部90151Aと、第2特図保留記憶部90151Bと、普図保留記憶部90151Cと、遊技制御フラグ設定部90152と、遊技制御タイマ設定部90153と、遊技制御カウンタ設定部90154と、遊技制御バッファ設定部90155とを備えている。
第1特図保留記憶部90151Aは、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部90151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1´や大当り種別決定用の乱数値MR2´、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部90151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部90151Bは、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部90151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1´や大当り種別決定用の乱数値MR2´、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部90151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部90151Cは、通過ゲート9041を通過した遊技球がゲートスイッチ9021によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器9020により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部90151Cは、遊技球が通過ゲート9041を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU90103により乱数回路90104等から抽出された普図表示結果決定用の乱数値MR5´を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部90152には、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部90152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部90153には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部90153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部90154には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部90154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部90154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU90103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部90154のランダムカウンタには、乱数値MR2´〜MR5´を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU90103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU90103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路90104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路90104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部90155には、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部90155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図50に示す遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるI/O90105は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図50に示すように、演出制御基板9012には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU90120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM90121と、演出制御用CPU90120のワークエリアを提供するRAM90122と、画像表示装置905における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部90123と、演出制御用CPU90120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90124と、I/O90125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板9012では、演出制御用CPU90120がROM90121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU90120がROM90121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU90120がRAM90122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU90120がRAM90122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU90120がI/O90125を介して演出制御基板9012の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU90120、ROM90121、RAM90122は、演出制御基板9012に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板9012には、画像表示装置905に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板9013に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板9014に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板9012には、スティックコントローラ9031Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット9035Aから伝送するための配線や、プッシュボタン9031Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ9035Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板9012では、例えば乱数回路90124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図50に示す演出制御基板9012に搭載されたROM90121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM90121には、演出制御用CPU90120が各種の演出装置(例えば画像表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターンとが、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、飾り図柄の可変表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、飾り図柄の可変表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図57(A)は、演出制御パターンの構成例を示している。特図変動時演出制御パターンや各種演出制御パターンといった、それぞれの演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードといった、各種の演出動作を制御するための制御データから構成され、時系列的に、各種の演出制御の内容や、演出制御の切換タイミング等が設定されていればよい。その他にも、演出制御パターンには、例えば遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材における動作制御の内容等を指定する可動部材制御データなどが、含まれていてもよい。演出制御プロセスタイマ判定値は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵された演出制御用RAMの所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの値(演出制御プロセスタイマ値)と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板9011から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用マイクロコンピュータにおいて演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の変動態様を示すデータといった、画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ908L、908Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、例えば遊技効果ランプ909や装飾用LEDといった、発光体の点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。操作検出制御データには、例えば操作ボタン9030といった操作部に対する操作を有効に検出する期間や、有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を示すデータが含まれている。すなわち、操作検出制御データは、操作部に対する操作に応じた演出動作を指定するデータである。なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。
図57(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を説明するための図である。演出制御用CPU90120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった演出画像を画像表示装置905の画面上に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ908L、908Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で遊技効果ランプ909や装飾用LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
図57(B)に示す演出動作は、飾り図柄の変動が開始されてから最終停止するまでの期間全体に対応しているが、これに限定されるものではなく、飾り図柄の可変表示中における一部の期間(例えば予告演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示中以外の所定期間(例えば大当り遊技状態においてラウンドを実行中の期間や、大当り遊技状態の終了時にエンディング演出を実行する期間など)に対応して演出動作を実行するための演出制御パターンが設けられてもよい。
演出制御用CPU90120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)をセットする。また、演出制御用CPU90120は、例えば予告演出の実行を開始するときなどに、対応する演出制御パターン(予告演出制御パターン)をセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータを、ROM90121から読み出してRAM90122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM90121における記憶アドレスを、RAM90122の所定領域に一時記憶させて、ROM90121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。このように、演出制御用CPU90120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置905、スピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909や装飾用LED等の発光体、演出用模型が備える可動部材など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU90120から表示制御部90123や音声制御基板9013などに対して出力される。演出制御用CPU90120からの指令を受けた表示制御部90123では、例えば所定のVDP等がその指令に示される画像データをCGROM等の画像データメモリから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU90120からの指令を受けた音声制御基板9013では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図50に示す演出制御基板9012に搭載されたRAM90122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図58(A)に示すような演出制御用データ保持エリア90190が設けられている。図58(A)に示す演出制御用データ保持エリア90190は、演出制御フラグ設定部90191と、演出制御タイマ設定部90192と、演出制御カウンタ設定部90193と、演出制御バッファ設定部90194とを備えている。
演出制御フラグ設定部90191には、例えば画像表示装置905の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板9011から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部90191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部90192には、例えば画像表示装置905の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部90192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部90193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部90193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部90194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部90194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図58(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部90194の所定領域に記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドを1セットして、主基板9011から演出制御基板9012へと送信される。始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
演出制御用CPU90120は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図58(B)に示すように、バッファ番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。なお、図58(B)では、バッファ番号「1」〜「6」に対応する格納領域にてコマンドが格納されている。
図58(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(バッファ番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図58(B)に示す格納状態において新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、バッファ番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、バッファ番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドがバッファ番号「1」に対応した領域にシフトされ、バッファ番号「3」〜「6」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、バッファ番号「2」〜「5」に対応した領域にシフトされる。
図58(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aのうち、バッファ番号「6」に対応した領域については、コマンド受信を正常に行えず、保留記憶数通知コマンドを取りこぼした場合の例が示されている。そのため、図58(B)に示す例では、バッファ番号「6」に対応して、本来、保留記憶数通知コマンドが格納されるべき4つ目の記憶領域における内容が「0000(H)」のままとなっている。
始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aに格納される始動入賞時のコマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび保留記憶数通知コマンド)に基づいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する場合における先読み予告パターンが決定される。このとき、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み予告演出の設定が行われないように制限される。こうした先読み予告演出の設定が制限される期間(先読み予告制限中)に始動入賞時のコマンドを受信した場合に、その受信タイミングで先読み予告演出の設定が行われなかったものに対応して、未判定情報が「1」(あるいはオン状態)にセットされる。なお、先読み予告演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み予告演出について、全部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み予告演出を実行しないようにしてもよい。
図58(B)に示す始動入賞時受信コマンドバッファ90194Aには、各バッファ番号(保留番号)に保留記憶表示の表示態様を示す「保留表示態様」が対応づけて記憶される。この「保留表示態様」の値が「0」である場合は通常の表示態様となり、「1」や「2」である場合は通常の表示態様とは異なる特別態様であることを示す。例えば、予告表示予告の先読み予告演出が実行されている場合には特別態様となる。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。
主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM90102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図59のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図59に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU90103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(ステップS9011)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS9012)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(ステップS9013)。
情報出力処理に続いて、主基板9011の側で用いられる乱数値MR1´〜MR5´といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS9014)。この後、CPU90103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS9015)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置907における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS9016)。CPU90103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器9020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU90103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(ステップS9017)。一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部90155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図60は、特別図柄プロセス処理として、図59に示すステップS9015にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU90103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS90101)。図61は、始動入賞判定処理として、図60のステップS90101にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図61に示す始動入賞判定処理において、CPU90103は、まず、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ9022Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ9022Aがオンであるか否かを判定する(ステップS90201)。このとき、第1始動口スイッチ9022Aがオンであれば(ステップS90201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS90202)。CPU90103は、例えば遊技制御カウンタ設定部90154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS90202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS90202;No)、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS90203)。
ステップS90201にて第1始動口スイッチ9022Aがオフであるときや(ステップS90201;No)、ステップS90202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS90202;Yes)、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ9022Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ9022Bがオンであるか否かを判定する(ステップS90204)。このとき、第2始動口スイッチ9022Bがオンであれば(ステップS90204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS90205)。CPU90103は、例えば遊技制御カウンタ設定部90154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS90205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS90205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部90155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS90206)。
ステップS90203、S90206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS90207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS90208)。例えば、遊技制御カウンタ設定部90154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS90208の処理を実行した後に、CPU90103は、乱数回路90104や遊技制御カウンタ設定部90154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1´や大当り種別決定用の乱数値MR2´、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´を示す数値データを、抽出する(ステップS90209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS90210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部90151Aに乱数値MR1´〜MR3´を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部90151Bに乱数値MR1´〜MR3´を示す数値データがセットされる。
特図表示結果決定用の乱数値MR1´や大当り種別決定用の乱数値MR2´を示す数値データは、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには可変表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別決定用の乱数値MR3´は、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが属する変動パターン種別を決定するために用いられる。CPU90103は、ステップS90209の処理を実行することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果や可変表示時間を含む可変表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
ステップS90210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS90211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM90101における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板9012に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM90101における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板9012に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図59に示すステップS9017のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。
ステップS90211の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS90212)。その後、例えばROM90101における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板9012に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS90213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図59に示すステップS9017のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される。
ステップS90213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS90214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS90214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS90215)、ステップS90204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS90214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS90216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ9022Aと第2始動口スイッチ9022Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図62は、入賞時乱数値判定処理として、図61のステップS90212にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、特別図柄通常処理により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」や「小当り」として大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、変動パターン設定処理において、飾り図柄の可変表示態様を抽象的に分類した変動パターン種別の決定や、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU90103がステップS90212の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄や小当り図柄を導出表示すると決定される乱数値MR1´であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」や「小当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が所定表示態様となることを先読みし、この先読み結果に基づいて、演出制御基板9012の側で演出制御用CPU90120などにより、先読み予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図62に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU90103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部90152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機901における現在の遊技状態を特定する(ステップS90401)。CPU90103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS90401の処理に続いて、第1特図表示結果決定テーブル90130Aまたは第2特図表示結果決定テーブル90130Bを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値(「1」または「2」)や現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられる特図表示結果決定用テーブルデータを選択する(ステップS90402)。その後、図61のステップS90209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1´を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS90403)。大当り判定範囲には、ステップS90402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU90103が乱数値MR1´と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1´と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU90103が乱数値MR1´と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1´が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1´が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1´を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS90403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS90403;No)、その乱数値MR1´を示す数値データが所定の小当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS90404)。CPU90103は、ステップS90402の処理により選択された特図表示結果決定用テーブルデータにおいて「小当り」の特図表示結果に割り当てられた決定値について、大当り判定範囲の場合と同様の処理を実行することにより、乱数値MR1´が小当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。ステップS90404にて小当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS90404;No)、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板9012に対して送信するための設定を行う(ステップS90405)。一例として、CPU90103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「00H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。
ステップS90405の処理に続いて、ステップS90401の処理により特定された現在の遊技状態における時短制御の有無に応じて、ハズレ用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS90406)。変動パターン種別判定閾値は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´が含まれる決定値の範囲を特定し、変動パターン種別などに応じて予め設定された複数種類の変動カテゴリのうち、いずれに決定されるかを判定するために設定される判定値となる。この実施の形態では、少なくとも可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、時短制御の有無や合計保留記憶数にかかわらず共通して「非リーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリ(「非リーチ共通」の変動カテゴリ)、時短制御の有無や合計保留記憶数にかかわらず共通して「スーパーリーチ」の可変表示態様となる変動カテゴリ(「スーパーリーチ共通」の変動カテゴリ)、それら以外の「ハズレ」の変動カテゴリ(「その他のハズレ」の変動カテゴリ)が設けられる。そして、乱数値MR3´に基づいて、このような変動カテゴリに決定されるか否かを判定できればよい。
ステップS90404にて小当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS90404;Yes)、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板9012に対して送信するための設定を行う(ステップS90407)。一例として、CPU90103は、図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「04H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ステップS90407の処理に続いて、小当り用の変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS90408)。例えば、ステップS90408の処理では、「251」を小当り用の変動パターン種別判定閾値に設定する。ここで、「251」は、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´における最大値であり、乱数値MR3´は常に小当り用の変動パターン種別判定閾値以下の値となる。すなわち、可変表示結果が「小当り」となる場合に応じた変動カテゴリは1つのみ設けられて、その変動カテゴリに決定されると判定される。
ステップS90403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS90403;Yes)、大当り種別決定用の乱数値MR2´に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS90409)。このとき、CPU90103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別決定テーブル90131を構成するテーブルデータから大当り種別決定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別決定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに決定されるかを判定する。こうしたステップS90409の処理による判定結果に応じた図柄指定コマンドを、演出制御基板9012に対して送信するための設定が行われる(ステップS90410)。一例として、ステップS90409にて大当り種別が「確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「01H」とし、大当り種別が「非確変」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「02H」とし、大当り種別が「突確」に決定されると判定した場合には図柄指定コマンドにおけるEXTデータを「03H」とするためのコマンドテーブルなどを設定すればよい。ステップS90410の処理に続いて、ステップS90409の処理による判定結果に応じた変動パターン種別判定閾値を設定する(ステップS90411)。
ステップS90406、S90408、S90411の処理のいずれかを実行した後には、それぞれの処理にて設定された変動パターン種別判定閾値と、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´を示す数値データとを用いて、乱数値MR3´が含まれる決定値の範囲に応じた変動カテゴリを判定する(ステップS90412)。
なお、ステップS90406、S90408、S90411の処理により、予め定められた変動パターン種別判定閾値を設定するものに代えて、変動パターン種別決定テーブルのいずれかを設定して、変動カテゴリとしていずれの変動パターン種別に決定されるかの判定を行うようにしてもよい。その後、ステップS90412の処理による判定結果に応じた変動カテゴリコマンドを、演出制御基板9012に対して送信するための設定を行ってから(ステップS90413)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図62に示す入賞時乱数値判定処理では、可変表示結果が「大当り」や「小当り」となる場合でも一律に変動パターン種別決定用の乱数値MR3´が含まれる決定値の範囲となる変動カテゴリの判定を行うようにしている。これに対して、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定される場合には、変動カテゴリの判定を行わないようにしてもよい。この場合、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となることに応じた図柄指定コマンドを送信するとともに、可変表示結果が「大当り」または「小当り」であるときの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
図61に示す始動入賞判定処理や図62に示す入賞時乱数値判定処理では、図61におけるステップS90211の処理を実行した後に、ステップS90212にて図62に示す入賞時乱数値判定処理が実行されることで、図62におけるステップS90405、S90407、S90410、S90413の処理を実行し、さらに図61におけるステップS90214の処理を実行する。これらの処理が実行されてから、図59に示すステップS9017のコマンド制御処理を実行することにより、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件や第2始動条件が成立したときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)という4つのコマンドが1セットとして、1タイマ割込内に一括して送信される。なお、1タイマ割込内に一括して送信されるものに限定されず、タイマ割込毎にステップS9017のコマンド制御処理により1つずつコマンドが順次に送信されてもよい。
図60のステップS90101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU90103は、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS90110〜S90120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部90151Aや第2特図保留記憶部90151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1´を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。なお、この実施の形態では、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようになっている(特図2優先消化ともいう)。そのため、特別図柄通常処理では、第1特図を用いた特図ゲームの実行条件、及び、第2特図を用いた特図ゲームの実行条件が成立している場合(第1特図保留記憶部90151A及び第2特図保留記憶部90151Bに保留データが記憶されている場合)には、第2特図を用いた特図ゲームの開始条件を優先的に成立させる制御が実行される。なお、これに対して、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
ステップS90111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´を示す数値データを用いて変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する処理や、変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターン決定用の乱数値MR4´を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の可変表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS90110の特別図柄通常処理やステップS90111の変動パターン設定処理により、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および飾り図柄の可変表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果決定用の乱数値MR1´、大当り種別決定用の乱数値MR2´、変動パターン種別決定用の乱数値MR3´、変動パターン決定用の乱数値MR4´を用いて、特別図柄や飾り図柄の可変表示態様を決定する処理を含んでいる。
ステップS90112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS90112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部90153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS90112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部90152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS90114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS90115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ9023によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS90116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS90117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS90118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「小当り」となったときには、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS90119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド9082に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS90120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置905やスピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機901における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
次に、演出制御基板9012における動作を説明する。
演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU90120が起動して、図63のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図63に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU90120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS9071)、RAM90122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板9012に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS9072)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS9072;No)、ステップS9072の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板9012の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板9011から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板9011からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU90120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU90120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O90125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板9015を介して主基板9011から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えば演出制御バッファ設定部90194に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。一例として、演出制御コマンドが2バイト構成である場合には、1バイト目(MODE)と2バイト目(EXT)を順次に受信して演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU90120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS9072にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS9072;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS9073)、コマンド解析処理を実行する(ステップS9074)。ステップS9074にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップS9074にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS9075)。ステップS9075の演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ908L、908Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ909及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板9011から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS9075の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS9076)、演出制御に用いる各種の乱数値として、演出制御カウンタ設定部90193のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS9072の処理に戻る。
図64は、演出制御プロセス処理として、図63のステップS9075にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図64に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU90120は、まず、始動入賞記憶表示エリア905Hや変動中特図表示エリア905Iに保留表示や実行中表示(特定表示)を表示するための特定表示処理を実行する(ステップS90161)。特定表示処理では、保留表示予告を実行するための処理が行われてもよい。
ステップS90161の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、先読み予告演出として、停止図柄予告を実行するための停止図柄予告設定処理を実行する(ステップS90162)。
ステップS90162の処理を実行した後、演出制御用CPU90120は、例えば演出制御フラグ設定部90191などに設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS90170〜S90177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板9011からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置905における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU90120は、演出制御タイマ設定部90192に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。特図変動時演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して確定飾り図柄を完全停止表示させるようにすれば、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板9011からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板9012の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU90120は、主基板9011から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“6”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS90174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新する。
ステップS90175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS90176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板9011からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新する。
ステップS90177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU90120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置905の表示画面に表示させることや、音声制御基板9013に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板9014に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ909や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図65は、停止図柄予告設定処理として、図64のステップS90162にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図65に示す停止図柄予告設定処理において、演出制御用CPU90120は、まず、第1始動入賞口または第2始動入賞口に遊技球が進入したことによって始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS90701)。ステップS90701の処理では、例えば第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドといった始動口入賞指定コマンドを受信したか否か判定することにより、始動入賞が発生したか否かを判定すればよい。
始動入賞が発生したと判定された場合(ステップS90701;Yes)、現在既に停止図柄予告を実行中であるかを判定する(ステップS90702)。停止図柄予告を実行中であるかは、例えば、停止図柄予告実行中フラグがオン状態であるか否かにより判定すればよい。停止図柄予告実行中フラグは、停止図柄予告を開始するときにオン状態にセットされ、停止図柄予告を終了するときにオフ状態にリセットされる。
停止図柄予告を実行中でなければ(ステップS90702;No)、低ベース状態であるか否かを判定する(ステップS90703)。低ベース状態であるか否かは、遊技状態指定コマンドから特定すればよい。
低ベース状態である場合には(ステップS90703;Yes)、第1特図保留記憶数が3以上であるか否かを判定する(ステップS90704)。高ベース状態である場合には(ステップS90704;No)、第2保留記憶数が3以上であるか否かを判定する(ステップS90705)。第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数は、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドから特定すればよい。
新たな始動入賞が発生していないと判定された場合(ステップS90701;No)、停止図柄予告を既に実行中である場合(ステップS90702;Yes)、低ベース状態において第1保留記憶数が3未満である場合(ステップS90704;No)、高ベース状態において第2保留記憶数が3未満である場合(ステップS90705;No)、停止図柄予告の実行条件が成立していないものとして停止図柄予告設定処理を終了する。なお、保留記憶数が3未満である場合や遊技状態に問わず停止図柄予告を実行するようにしてもよい。また、始動入賞を契機とせずに、例えば前回の可変表示が終了したときなどに、停止図柄予告を実行するか否かを決定するようにしてもよい。即ち、停止図柄予告設定処理の実行条件は本実施の形態のものに限定されない。
低ベース状態において第1保留記憶数が3以上である場合(ステップS90704;Yes)、または、高ベース状態において第2保留記憶数が3以上である場合(ステップS90705;Yes)、今回の始動入賞に対応する保留記憶(予告対象)より前に、可変表示結果が「大当り」となるかスーパーリーチハズレとなる保留記憶が含まれているか否かを判定する(ステップS90706)。なお、保留記憶の可変表示結果は図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドに基づいて、判定すればよい。
可変表示結果が「大当り」となるかスーパーリーチハズレとなる保留記憶が含まれている場合には(ステップS90706;Yes)、停止図柄予告の対象となる可変表示よりも前の可変表示においてスーパーリーチが実行されたり大当りとなることにより、予告対象が不明確になるため、停止図柄予告しない。そのため、停止図柄予告設定処理を終了する。
この実施の形態では、予告対象の保留記憶よりも前に、非リーチハズレとなる保留記憶の他に、ノーマルリーチハズレとなる保留記憶が含まれている場合でも、停止図柄予告を実行可能になっている。このようにすることで、停止図柄予告の実行頻度を確保することができる。なお、非リーチハズレとなる保留記憶に対応する可変表示において停止図柄予告を実行する場合、主基板9011の側に決定された変動パターンに反してリーチハズレの組合せが停止図柄として停止表示されることになる。そのため、図53における非リーチの変動パターンは、厳密には非リーチの変動パターンというわけではなく、主基板9011側では非リーチにすると決定されたことに対応する変動パターンである。
なお、この実施の形態では、ノーマルリーチハズレとなる変動パターンは複数設けられているが(図53参照)、ノーマルリーチハズレとなる変動パターンのうちの少なくとも一部の変動パターン(例えば変動時間の長い方のPA2´−2)が保留記憶に含まれている場合には、停止図柄予告を実行しないようにしてもよいし、スーパーリーチハズレとなる変動パターンのうち少なくとも一部の変動パターンが保留記憶に含まれていても、停止図柄予告を実行可能にしてもよい。また、この実施の形態のように、予告対象の保留記憶よりも前にリーチハズレとなる変動パターンのうち少なくとも一部の変動パターンに対応した保留記憶が含まれていても停止図柄予告を実行可能にしてもよいし、予告対象の保留記憶よりも前にリーチハズレとなる保留記憶が含まれている場合には、停止図柄予告を実行しないようにしてもよい。さらに、予告対象の保留記憶よりも前の保留記憶内容によらず、停止図柄予告を実行可能にしてもよい。
可変表示結果が「大当り」となるかスーパーリーチハズレとなる保留記憶が含まれていない場合には(ステップS90706;No)、今回発生した始動入賞を対象として停止図柄予告を実行するか否かを判定する(ステップS90707)。
ステップS90707の処理では、始動入賞時に始動口入賞指定コマンドとともに受信する図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドに基づいて、可変表示結果や変動カテゴリ(変動パターン)を先読みして、例えば図66に示す決定割合で、保留表示予告の実行有無が決定されればよい。
図66に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」(確変大当り)である場合に95%の割合で停止図柄予告を実行することが決定され、スーパーリーチハズレである場合に40%の割合で停止図柄予告を実行することが決定される。このように、この実施の形態の停止図柄予告は、確変大当りとなることを予告する予告演出であるともいえる。これに対して、他の大当り種別である場合にも、停止図柄予告を実行可能にしてもよい。
なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」(非確変大当り)である場合に停止図柄予告を実行する場合には、停止図柄予告として確変図柄によるリーチハズレの組み合わせと停止させると、遊技者に確変図柄によるリーチから非確変大当りに成り下がったかのように感じさせてしまう。そのため、予告対象の可変表示結果が非確変大当りとなる場合には、停止図柄予告においては非確変図柄によるリーチハズレの組み合わせのみが停止されるようにすることが望ましい。
ステップS90707にて、停止図柄予告の実行有無が決定されると停止図柄予告を実行すると決定されたか否かを判定し(ステップS90708)、実行しないと決定された場合には(ステップS90708;No)、停止図柄予告設定処理を終了する。
停止図柄予告を実行すると決定された場合には(ステップS90708;Yes)、遊技状態が確変状態であるか否かを判定する(ステップS90709)。
確変状態と判定された場合には(ステップS90709;Yes)、停止図柄予告における停止させる飾り図柄の組み合わせ(停止図柄)として、非確変図柄によるリーチハズレの停止図柄(停止図柄予告パターン)を決定する(ステップS90710)。
確変状態でない(非確変状態)であると判定された場合には(ステップS90709;No)、停止図柄予告における停止図柄として、確変図柄または非確変図柄によるリーチハズレの停止図柄(停止図柄予告パターン)を決定する(ステップS90711)。
続いて、ステップS90707、S90710、S90711における決定結果をRAMの所定領域等に保存して(ステップS90712)、停止図柄予告設定処理を終了する。
この実施の形態では、停止図柄予告を実行する場合、図67に示すように、リーチハズレを形成する停止図柄のいずれかが停止表示されるようになっている。図67に示すよう、この実施の形態では、停止図柄のパターン(停止図柄予告パターン)として、「左」及び「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905Rに「1」〜「8」のいずれかの飾り図柄が揃い、「中」の飾り図柄表示エリア905Cに1つずれた数字となるパターン(停止図柄パターンA〜H)が用意されている。なお、「中」の飾り図柄表示エリア905Cの停止図柄(中停止図柄)は、任意の図柄(大当り除く)であってもよい。また、中停止図柄は専用の図柄(例えば数字以外の予告図柄等)であってもよい。停止図柄予告の予告対象となる可変表示よりも前の可変表示において、リーチハズレの組合せが連続的に停止表示されることで、遊技者の期待感を効果的に煽ることができる。
図67に示すように、遊技状態が確変状態である場合には、非確変図柄によるリーチハズレの停止図柄予告パターンのいずれかとなり、遊技状態が非確変状態である場合には、非確変図柄または確変図柄によるリーチハズレの停止図柄予告パターンのいずれかとなる。このように、この実施の形態では、確変状態である場合には、非確変図柄によるリーチを表示することで、非確変大当りとなって確変状態が終了しまうのではと遊技者に一旦感じさせる。その後、リーチハズレとなって、停止図柄予告が開始される。よって、非確変大当りとなるようにみせかける停止図柄予告を実行でき、より遊技者の期待感を煽ることができ、遊技の興趣が向上する。
なお、この実施の形態では、停止図柄予告が実行される場合には、同じ停止図柄(リーチハズレ)が連続して停止表示される。即ち、図65のステップS90710またはS90711の処理で、図67に示す停止図柄予告パターンのいずれかに決定され、その停止図柄予告パターンに対応した停止図柄が予告対象までの可変表示において連続して停止表示されるようになっている。このようにすることで、同じ停止図柄が連続することで、停止図柄予告が実行されていることを遊技者が認識しやすくなる。
これに対して、予告対象となるまでの連続した可変表示において停止させる図柄をそれぞれ決定するようにしてもよい。この場合、図71に示すように、複数回(図71では3回)の可変表示において停止させる停止図柄(例えば図67の停止図柄予告A〜Hのいずれかの図柄)を予めパターン化しておき、そのパターンを選択することで、複数回の可変表示において停止させる図柄を決定するようにしてもよい。
図71における停止図柄予告B→B→Bの停止図柄予告パターンは、3回の可変表示において、「212」の停止図柄が停止表示される停止図柄予告パターンであることを示している。停止図柄予告B→D→Fの停止図柄予告パターンは、3回の可変表示において、「212」、「434」、「656」の停止図柄が順次停止表示される停止図柄予告パターンであることを示している。停止図柄予告D→D→Dの停止図柄予告パターンは、3回の可変表示において、「434」の停止図柄が停止表示される停止図柄予告パターンであることを示している。停止図柄予告D→F→Hの停止図柄予告パターンは、3回の可変表示において、「434」、「656」、「878」の停止図柄が順次停止表示される停止図柄予告パターンであることを示している。なお、ここでは説明のため一部の停止図柄予告パターンを示しているが、確変図柄のリーチハズレが停止表示されるパターンや2回の可変表示において停止図柄予告を実行する場合の停止図柄予告パターン等が適宜用意されればよい。このように、停止図柄予告を実行する複数の可変表示おいて停止表示させる停止図柄をパターン化することで、決定処理のおける処理負担が軽減したり、各図柄の出現率の調整が容易になる。
この場合において、図71に示すように、同じリーチハズレの停止図柄が連続した場合、連続しない場合よりも大当りとなる信頼度が高くなるようにしてもよい。また、中停止図柄が異なっていても、左右図柄が同じリーチが連続した場合には信頼度が高くなるようにしてもよい。この場合、中停止図柄も同じか否かで信頼度が異なるようにしてもよい。このようにすることで、停止図柄予告が開始された場合、同じ図柄が停止表示されるかに遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
また、予告対象となるまでの連続した可変表示において停止させる図柄をそれぞれ決定する場合、確変状態において非確変図柄の停止図柄に決定する(あるいは決定しやすくする)のは、一連の停止図柄予告における最初の停止図柄だけであってもよい。このように、停止図柄予告が開始されてから少なくとも最初の停止図柄が非確変図柄によるリーチとすることで、非確変大当りが終了して確変状態が終了してしまうのではと遊技者に認識させることができる。
なお、通常は、リーチハズレを停止表示させるか否かは、主基板9011の側で変動パターンを決定することで決定されるが、この実施の形態では、停止図柄予告を実行すると決定された場合には、変動パターンによらず、演出制御基板9012の側で、リーチハズレの停止図柄が停止表示されるようになっている。
このように、演出制御基板9012の側で、リーチハズレの停止図柄を停止表示させる場合には、即ち、停止図柄予告を実行している場合には、停止するときの態様によって停止図柄予告であることを遊技者が認識可能であることが好ましい。例えば、図68(A)に示すように、変動パターンにより指定されたノーマルリーチハズレである場合と比較して、停止図柄予告を実行する場合であって非リーチハズレの変動パターン時にリーチハズレの停止図柄を停止表示させる場合には、リーチが成立してから最終停止までの変動期間(リーチ煽り期間)が短くなるようにしてもよい。また、リーチが成立してから最終停止までの変動期間が短くすることに加えてまたは代えて、飾り図柄を最終停止させるときに停止音を出力させる場合、その停止音を異ならせたり、専用のエフェクトを使用しても良い。例えば、図68(A)に示すように、変動パターンにより指定されたノーマルリーチハズレである場合の停止音を停止音Aとして、停止図柄予告を実行する場合のリーチハズレである場合停止音を停止音Bとしてもよい。また、停止図柄予告であるか否かによって、リーチハズレ時の左右図柄(リーチ図柄)と中停止図柄の図柄差が異なるようにしてもよい。例えば、停止図柄予告を実行しないリーチハズレの場合は、左右図柄と比較して「−2」〜「+2」の範囲のいずれかの図柄を「中」に停止表示させる一方、停止図柄予告である場合には、図67に示すような、左右図柄と比較して「−1」の図柄のみを「中」に停止表示させるようにしてもよい。また、停止図柄予告である場合のみ停止表示されるものであってもよい(例えば「+3」、「−3」等)。
また、同じノーマルリーチの変動パターンである場合であっても、図68(B)に示すように、停止図柄予告を実行する場合には、停止図柄予告を実行しない場合よりもリーチが成立してから最終停止までの変動期間(リーチ煽り期間)を、非リーチハズレで停止図柄予告を実行する場合同様に短くしてもよい。この場合、リーチ煽り期間以外の期間が長くなるため、その期間において他の演出を実行するようにしてもよい。例えば、全図柄変動期間において、停止図柄予告が実行されることを示唆する演出を実行するようにしてもよい。
また、図68(C)に示すように、非リーチハズレの変動パターンにおいて停止図柄予告を実行する場合、リーチを構成する図柄が確変図柄である場合には、非確変図柄である場合よりもリーチが成立してから最終停止までの変動期間(リーチ煽り期間)を長くしてもよい。このようにすることで、停止図柄予告である場合でも、遊技者が確変大当りとなることを期待できる期間を長くすることができ、遊技の興趣が向上する。なお、確変図柄である場合も非確変図柄である場合よもリーチ煽り期間は同じであってもよい。
なお、非リーチハズレの変動パターンにおいて停止図柄予告を実行する場合については図示していないが、全図柄変動期間(左図柄停止までの期間)や右図柄停止までの期間を確変図柄で停止図柄予告を実行する場合、または、非確変図柄で停止図柄予告を実行する場合、のいずれかと同じにしてもよいしいずれとも違うようにしてもよい。また、左停止図柄が確変図柄である場合には、確変図柄で停止図柄予告を実行する場合と同様にし、左停止図柄が非確変図柄である場合には、非確変図柄で停止図柄予告を実行する場合と同様にしてもよい。このようにすることで、左図柄停止までの期間や右図柄停止までの期間によって、停止図柄予告の有無が遊技者にばれてしまうことを防止できる。
また、図68では、停止図柄予告が実行される場合のほうが実行されない場合よりもリーチ煽り期間が短くなる例を示したが、停止図柄予告が実行される場合のほうが実行されない場合よりもリーチ煽り期間が長くなるようにしてもよい。
図69は、図64の演出制御プロセス処理におけるステップS90171内で実行される最終停止図柄(確定飾り図柄)を決定するための停止図柄決定処理の一例を示すフローチャートである。停止図柄決定処理において、演出制御用CPU90120は、停止図柄予告実行中であるか否かを判定する(ステップS90721)。停止図柄予告を実行中であるかは、例えば、停止図柄予告実行中フラグがオン状態であるか否かにより判定すればよい。
停止図柄予告実行中である場合(ステップS90721;Yes)、停止図柄予告設定処理のステップS90710またはS90711にて決定された停止図柄予告パターンに応じた最終停止図柄が停止表示されるための設定を行い(ステップS90722)、停止図柄決定処理を終了する。
停止図柄予告実行中でない場合(ステップS90721;No)、可変表示結果に対応した最終停止図柄を決定するための処理を実行する。この実施の形態では、停止図柄予告実行中でない場合(ステップS90721;No)、停止図柄予告の予告対象の変動であるか否かを判定する(ステップS90723)。
停止図柄予告の予告対象の変動である場合(ステップS90723;Yes)、可変表示結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS90724)。
可変表示結果が大当りである場合(ステップS90724;Yes)、予告対象の停止図柄予告パターンに基づいて大当り図柄(大当り組合せ)を決定する(ステップS90725)。その後、停止図柄決定処理を終了する。
この実施の形態では、予告対象の可変表示において、停止図柄予告と同じ数字の飾り図柄でリーチとなった場合、大当りとなる信頼度が高くなるようになっている。従って、ステップS90725においては、図70に示すように、停止図柄予告のリーチ図柄と同じ大当り図柄に決定される割合が高くなっている。また、左右のリーチ図柄のみならず、停止図柄における中図柄と同じ大当り図柄にも決定されやすくなっている。
このようにすることで、停止図柄予告における停止図柄(リーチ図柄)と、予告対象の可変表示においていずれの図柄でリーチとなるかと、に遊技者を注目させることができ遊技の興趣が向上する。
なお、図70に示す決定割合は一例であり、予告対象の可変表示において、停止図柄予告と同じ数字の飾り図柄でリーチとなった場合、大当りとなる信頼度が高くなっていればよい。
この実施の形態では、停止図柄予告を実行する場合、予告対象の可変表示まで同じリーチハズレの図柄が停止表示されるが、予告対象の可変表示において異なるリーチハズレの図柄が停止表示される場合は、予告対象の可変表示において、停止図柄予告において停止表示されたリーチハズレの図柄のうち少なくとも一部と同じ図柄でリーチなった場合、大当り信頼度が高くなるようにすればよい。また、停止図柄予告において停止表示された回数が多いリーチハズレの図柄ほど、大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。
停止図柄予告の予告対象の変動でない場合(ステップS90723;No)、可変表示結果に対応した最終停止図柄を決定する(ステップS90726)。ステップS90726では、可変表示結果に対応して、非リーチハズレの組合せ、リーチハズレの組合せ、確変大当りの組合せ、非確変大当りの組合せが決定されればよい。
また、停止図柄予告の予告対象の変動である場合でも、可変表示結果が大当りでない場合(ステップS90724;No)、可変表示結果(この場合リーチハズレ)に対応した最終停止図柄を決定する(ステップS90726)。この場合、所定の割合(例えば均等割合)で「1」〜「8」の飾り図柄のいずれかに決定すればよいが、停止図柄予告と同じ数字の飾り図柄でリーチとなった場合、大当りとなる信頼度が高くなるような割合でリーチ図柄を決定するようにしてもよい。即ち、停止図柄予告と同じ数字のリーチ図柄が選択されづらくなるようにしてもよい。このように、停止図柄予告の予告対象の変動である場合には、予告対象の可変表示結果に応じて、停止図柄予告と同じ数字の飾り図柄でリーチとなった場合、大当りとなる信頼度が高くなるように最終停止図柄が決定さればよい。
ステップS90725またはS90726の処理を実行した後には、停止図柄決定処理を終了する。
なお、この実施の形態では、画像表示装置905における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける有効ラインは1ラインであったが、図72(A)に示すように、少なくとも中央ラインSC、斜めラインWA、WBを含む複数の有効ライン(合計3ライン)があってもよい。また、上段ラインや下段ラインの有効ライン(合計5ライン)があってもよい。
この場合、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、「1」〜「8」の数字を示す飾り図柄と、数字以外のブランク図柄(例えば「*」等)と、が交互に配置されてスクロール表示される。「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rは、それぞれ3段の表示エリアで構成され、数字を示す飾り図柄とブランク図柄が3つずつ表示されるようになっている。そして、中央ラインSC、斜めラインWA、WBにおいて、同じ数字を示す飾り図柄が揃って停止表示されると大当りとなる。なお、ブランク図柄は大当り組合せを構成せず、ブランク図柄が揃ってもハズレとなる。何らかのチャンス目にブランク図柄を含むものがあってもよい。
このような有効ラインが3つである場合、図72(B)に示すように、斜めラインWA及びWBにおいて2種の図柄が同時にリーチとなるダブルリーチ(Wリーチ)を発生させることができる。例えば、図72(B)に示す例であれば、「中」の各飾り図柄表示エリア905Cの中段に、「1」または「2」の飾り図柄が停止すれば大当りとなるため、中央ラインSC等に表示される単独のリーチ(シングルリーチ)よりも、大当りとなりやすいかのように見せるリーチ演出が実行可能である。
このような有効ラインが複数である場合においても、本願発明を適用できる。このような有効ラインが複数である場合には、停止図柄予告において、図72(C)に示すような、Wリーチのリーチハズレとなる図柄(停止図柄予告I〜P)が停止表示される場合がある。なお、停止図柄予告を実行する場合(図65のステップS90710、S90711)、上述の実施の形態における停止図柄予告A〜Hを含めていずれかの停止図柄予告パターンに決定されればよい。
そして、予告対象の可変表示において、停止図柄予告において停止表示されたリーチハズレに少なくとも含まれる飾り図柄でリーチとなった場合、大当りとなる信頼度が高くなっていればよい。具体的には、停止図柄予告Wリーチのリーチハズレとなる図柄が停止表示された場合、予告対象の可変表示において、Wリーチのうちいずれか一方または双方が一致するリーチとなった場合、大当り信頼度が高くなるようにすればよい。
また、停止図柄予告の実行中に異なるリーチハズレの停止図柄が表示される場合、Wリーチのうちいずれか一方または双方が一致するリーチハズレの停止図柄が続いた場合は、続かない場合よりも大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。Wリーチの双方が一致するリーチハズレの停止図柄が続いた場合は、いずれか一方が一致する場合より大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。
このような有効ラインが3つである場合、大当り図柄は、「1」〜「8」の数字が中央ラインSCに揃うものの他、図72(D)に示すように、斜めラインWA及びWBに揃うものが含まれる。例えば、斜めラインWA及びWBに「1」が揃うものをそれぞれ1WA、1WB、斜めラインWA及びWBに「3」が揃うものをそれぞれ3WA、3WB等とする。
Wリーチの停止図柄予告が実行された予告対象の可変表示において大当り図柄を決定する場合、図69のステップS90725では、例えば図72(E)に示すような決定割合で、最終停止図柄(大当り図柄)が決定さればよい。図72に示す決定割合では、Wリーチの停止図柄予告に少なくとも含まれるリーチとなった場合には含まれない場合よりも大当り信頼度が高くなり、同じWリーチとなった場合にはより大当り信頼度が高くなるように設定されている。
このようにすることで、停止図柄予告における停止図柄の組合せと、予告対象の可変表示においていずれの図柄でリーチとなるかにと、に遊技者を注目させることができ遊技の興趣が向上する。
なお、図72(E)に示す決定割合は一例であり、予告対象の可変表示において、停止図柄予告と同じ数字の飾り図柄でリーチとなった場合、大当りとなる信頼度が高くなっていればよい。
<変動中の音声について>
続いて、この実施の形態のパチンコ遊技機901における変動中(可変表示中)の音声について説明する。この実施の形態では、変動中の背景画像を遊技者が第1背景と第2背景とから選択可能になっている。第1背景と第2背景とは、色や描かれるキャラクタ等が異なっていればよい。そして、選択されている背景画像に応じて、変動中に異なる楽曲が再生出力されるようになっている。第1背景が選択されている場合は、図73(A)に示すように、変動が開始されるごと第1背景に対応した楽曲Aが先頭から頭出しで繰り返し再生出力される。変動の終了時には楽曲Aの再生出力も終了する。これに対して、第2背景が選択されている場合には、図73(B)に示すように、客待ちデモや大当り遊技状態終了から遊技が開始される初回変動において、第2背景に対応した楽曲Bの再生出力が開始される。第2背景では変動が終了しても引き続き楽曲Bの再生出力が継続される。一連の楽曲Bのデータの再生出力が終了した場合、楽曲Bを最初から再生出力させる。即ち、第2背景である場合、楽曲Bが停止することなくループ再生される。なお、初回変動は客待ちデモから遊技が開始されるときだけであってもよい。
そして、この実施の形態では、初回変動を除いて、第2背景において変動が開始されるときに、変動が開始されることを示す変動開始音が出力される。変動開始音は、変動が開始されることを示す音であればよい。
このように、この実施の形態では、第1背景と第2背景とで異なる背景画像を表示できるとともに、異なる音声の出力制御が実行されるため、演出が多彩になる。そして、複数回の変動に亘って楽曲Bがループ再生させる第2背景においては、変動が開始されることを示す変動開始音を出力するので、複数回の変動に亘って楽曲を再生する場合でも、変動開始タイミングを遊技者が把握しやすくなる。
なお、第2背景であっても、初回変動では、無音状態や楽曲を再生出力していない状態から楽曲Bの再生出力が開始されることから、遊技者が変動開始を把握しやすいため変動開始音は出力しないようになっている。このようにすることで、必要に応じた変動開始音を出力することができる。なお、これに限定されず、初回変動であっても変動開始音は出力するようにしてもよい。そうした場合、変動開始音の出力制御が容易になる。
図73に示すように、いずれの背景であっても変動の終了時(変動停止時)には、共通の停止音を出力するようになっている。このようにすることで、背景や再生出力される楽曲によらず変動の終了タイミングがわかりやすくなる。なお、背景Aでは変動停止時に楽曲の再生が途切れるため、停止音を出力しないようにしてもよい。また、背景Bでは変動停止後間もなく次回変動の開始により変動開始音が主力されるので、停止音を出力しないようにしてもよい。背景A及びBにおいて停止音を主力しないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第2背景において複数種類の変動開始音を出力可能になっている。この実施の形態では、変動開始音として開始音Aと開始音Bとが設けられている。開始音Aと開始音Bとは、異なる音であればよい。そして、開始音Aが出力される頻度が高くなっており、まれに開始音Bが出力されるようになっている。このように複数種類の変動開始音を設けることで、演出が単調になることを防止できる。
この実施の形態では、変動中にスティックコントローラ9031A等の操作手段を所定の操作をすることで、第1背景と第2背景とを相互に切り替え可能になっている。第1背景で楽曲Aを出力しているときに、背景の切替操作があった場合、第2背景に切り替えられるとともに、出力される楽曲が楽曲Bに変更される。逆の場合も同様である。変動が実行されているときには、第1背景であるか第2背景であるかに関わらず、楽曲A及び楽曲Bが音声制御基板9013において再生される。そして、いずれの背景であるかに応じて、対応する楽曲が出力される。よって、変動中に背景が切り替えられたときには、再生途中の楽曲が出力されることになる。即ち、楽曲Aを出力している場合でも裏で楽曲Bが再生されており、楽曲Bを出力している場合でも、裏で楽曲Aが再生されていることになる。このようにすることで、変動中に背景の変更操作があった場合でも、即時対応する楽曲を出力することができる。なお、ここでの再生とは、楽曲データを出力可能な音声に変換することをいい、出力する部分までは含まない。
なお、ここで説明した音声は、演出制御基板9012の制御のもと、音声制御基板9013により再生され、スピーカ908L、908Rから出力される。
音声制御基板9013には、パチンコ遊技機901における音声(演出音)を再生するための再生チャンネルが複数設けられている。そして、音声の種類に応じて、再生チャンネルが割り当てられている。例えば、同時に出力する音声は、異なる再生チャンネルにより再生され、重畳して出力される。また、楽曲Aと楽曲Bとは異なる再生チャンネルで再生されるが、背景画像に応じて何れか一方が出力される。具体的には、第1背景である場合には、楽曲Aが所定の音量でスピーカ908L、908Rから出力される。第2背景である場合には、楽曲Bが所定の音量でスピーカ908L、908Rから出力される。そして、出力しない(背景に対応していない)方の楽曲は再生チャンネルで再生されるが、音量をゼロにする等の制御により、スピーカ908L、908Rから出力されないように制御される。
図74は、図64の演出制御プロセス処理におけるステップS90171内で実行される変動開始音を設定するための変動開始音設定処理の一例を示すフローチャートである。変動開始音設定処理では、演出制御用CPU90120は、まず、現在が第2背景であるか否かを判定する(ステップS90741)。現在の背景が第1背景であるか第2背景であるかは、例えばRAMに設けられた背景フラグにより判定すればよい。背景が第1背景に設定された場合、背景フラグに「1」の値がセットされ、第2背景に設定された場合、背景フラグに「2」の値がセットされる。
現在の背景が第1背景である場合には(ステップS90741;No)、変動開始音を出力しないので変動開始音設定処理を終了する。
現在の背景が第2背景である場合には(ステップS90741;Yes)、いずれの変動開始音を出力させるかの開始音判定を行う(ステップS90742)。ステップS90742では、表示結果が「大当り」となるか否か、スーパーリーチとなるか否か等に応じて、例えば図75に示す判定割合で、変動開始音を開始音Aとするか開始音Bとするかを判定すればよい。図75に示す判定割合では、概ね開始音Aに判定されるようになっており、開始音Bはレアな変動開始音となっている。なお、図75に示す判定割合は一例であり、これに限定されない。例えば、表示結果によらず低確率で開始音Bにすると判定されるようにしてもよい。
ステップS90742にて開始音Aと判定された場合(ステップS90743;Yes)、開始音Aを変動開始時に出力するための設定を行い(ステップS90744)、変動開始音設定処理を終了する。
ステップS90742にて開始音Bと判定された場合(ステップS90743;No)、開始音Bを変動開始時に出力するための設定を行い(ステップS90745)、変動開始音設定処理を終了する。
なお、変動開始音がいずれであるかに応じて、大当り信頼度やスーパーリーチとなる割合が異なっていてもよい。例えば、開始音Bが出力された場合に開始音Aが出力された場合よりも、大当りやスーパーリーチになりやすくしてもよい。このようにすることで、変動開始音により変動開始タイミングを把握しやくすするとともに、大当りとなるか否かを遊技者に示唆することができる。そして、遊技者が変動開始音の種類に注目するようになるので、遊技の興趣が向上する。
図76は、図64の演出制御プロセス処理におけるステップS90172内で実行される変動中の音声を再生するための音声再生処理の一例を示すフローチャートである。なお、図76に示す音声再生処理は、この発明に係る音声を出力するための部分を抽出したものであり、ステップS90172内では他の演出音等を出力するための処理も実行される。図76に示す音声再生処理では、演出制御用CPU90120は、まず、変動開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS90781)。変動中のいずれのタイミングであるかは、演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値や演出制御パターンから判定すればよい。
変動開始タイミングであると判定された場合(ステップS90781;Yes)、客待ちデモや大当り遊技状態終了(無音状態)からの初回変動であるか否かを判定する(ステップS90782)。
初回変動であると判定された場合(ステップS90782;Yes)、第2背景に対応した楽曲Bの再生を開始させるための制御を実行する(ステップS90783)。
初回変動でないと判定された場合(ステップS90782;No)、またはステップS90783の処理を実行した後は、第1背景であるか否かを判定する(ステップS90784)。
第1背景であると判定された場合(ステップS90784;Yes)、第1背景に対応した楽曲Aの再生を開始させるための制御を実行する(ステップS90785)。その後、音声再生処理を終了する。
第1背景でない(第2背景である)と判定された場合(ステップS90784;No)、客待ちデモや大当り遊技状態終了(無音状態)からの初回変動であるか否かを判定する(ステップS90786)。
初回変動でないと判定された場合(ステップS90786;No)、図74のステップS90744またはS90745にて設定された変動開始音を出力するための制御を実行し(ステップS90787)、音声再生処理を終了する。初回変動であると判定された場合(ステップS90786;Yes)、音声再生処理を終了する。
変動開始タイミングでないと判定された場合(ステップS90781;No)、変動停止時であるか否かを判定する(ステップS90788)。なお、ここでの変動停止時とは停止音の出力タイミングを示しており、厳密に終了タイミングとは一致していなくてもよい。変動停止時でなければ(ステップS90788;No)、音声再生処理を終了する。
変動停止時であれば(ステップS90788;Yes)、停止音を出力するための制御を実行し(ステップS90789)、音声再生処理を終了する。なお、図68に示したように、複数種類の停止音を出力する場合には、ステップS90789において、停止図柄予告の有無等に応じて、対応した停止音を出力するための制御が実行されればよい。
この実施の形態では、上述したように、変動中の背景画像を遊技者が第1背景と第2背景とから選択可能になっている。具体的には、変動中に遊技者がスティックコントローラ9031A等により、所定の操作を実行することで変動中の任意のタイミングで背景画像を変更可能である。
図77は、図64の演出制御プロセス処理におけるステップS90172内で実行される背景画像を切り替えるための背景切替処理を示すフローチャートである。図77に示す背景切替処理では、演出制御用CPU90120は、まず、所定の背景切替操作を検出したか否かを判定する(ステップS90761)。ステップS90761では、例えば、コントローラセンサユニット9035Aから所定の操作信号が入力されたか否かを判定すればよい。背景切替操作を検出しなければ(ステップS90761;No)、背景切替処理を終了する。
背景切替操作を検出した場合(ステップS90761;Yes)、現在が第1背景であるか否かを判定する(ステップS90762)。現在の背景画像は、背景フラグから判定すればよい。
現在の背景が第1背景であると判定された場合には(ステップS90762;Yes)、第2背景に変更するための制御を行う(ステップS90763)。ステップS90763では、背景フラグを切り替える処理も実行する。そして、楽曲を出力する再生チャンネルを楽曲A再生用の再生チャンネルから楽曲B再生用の再生チャンネルに切り替えて(ステップS90764)、背景切替処理を終了する。
現在の背景が第2背景であると判定された場合には(ステップS90762;No)、第1背景に変更するための制御を行う(ステップS90765)。ステップS90765では、背景フラグを切り替える処理も実行する。そして、楽曲を出力する再生チャンネルを楽曲B再生用の再生チャンネルから楽曲A再生用の再生チャンネルに切り替えて(ステップS90766)、背景切替処理を終了する。
このように、この実施の形態では、遊技状態に関わらず遊技者が変動中の任意のタイミングで背景画像を変更可能である。即ち、第1背景であっても第2背景でも同じ遊技状態である場合がある。このようにすることで、各遊技状態における演出が多彩になり、遊技の興趣が向上する。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、始動入賞発生時に停止図柄予告を実行すると決定された場合、図65のステップS90710、S90711において、停止図柄予告における停止図柄(停止図柄予告パターン)を決定し、予告対象の最終停止図柄は、図69のステップS90725において、可変表示を開始するときに予告対象の停止図柄予告パターンに基づいて決定されていた。これに限定されず、停止図柄予告を実行すると決定された場合、始動入賞時に予告対象の最終停止図柄(大当り図柄、リーチ図柄)を決定するようにしてもよい。この場合、停止図柄予告における停止図柄と予告対象の最終停止図柄が予め定められたパターンを複数用意しておき、当該パターンを決定することで停止図柄予告における停止図柄と予告対象の最終停止図柄を決定するようにしてもよい。
また、停止図柄予告を実行しているときに、いずれの図柄でリーチハズレとなったかを表示しておくようにしてもよい。このようにすることで、予告対象において信頼度の高いリーチ図柄がわかりやすくなる。
上記実施の形態では、確変状態において非確変大当りとなった場合、非確変状態(低確高ベース状態)に制御されるが、低確低ベース状態に制御されるようにしてもよい。
上記実施の形態では、確変状態において停止図柄予告を実行する場合、確変図柄によるリーチハズレの停止図柄となる場合はなかったが、低確率で確変図柄によるリーチハズレの停止図柄となるようにしてもよい。非確変状態において停止図柄予告を実行する場合においても、非確変図柄によるリーチハズレの停止図柄となる割合を高くしてもよい。
上記実施の形態では、停止図柄予告においてリーチハズレを停止表示する場合と、停止図柄予告を実行しない場合においてリーチハズレを停止表示する場合とで、可変表示の実行態様を異ならせていたが、停止図柄予告であるか否かに関わらず可変表示の実行態様を同様にしてもよい。また、ノーマルリーチハズレの変動パターンにおいて停止図柄予告を実行する場合も、停止図柄予告であるか否かに関わらず可変表示の実行態様を同様にしてもよい。
また、停止図柄予告において特定のリーチハズレ(例えば、Wリーチのリーチハズレ)となる図柄が停止表示された場合には、特定のリーチハズレが停止表示されない場合よりも、予告対象の可変表示の大当り信頼度が高くなるようにしてもよい。このようにすることで、停止図柄予告の実行過程について遊技者が注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
上記実施の形態では、変動中の背景画像を遊技者が第1背景と第2背景とから選択可能であったが、選択可能な背景画像が3種類以上であってもよい。また、各背景で再生可能な楽曲が複数種類あってもよい。
上記実施の形態では、第2背景における変動開始音としてそれぞれ音が異なる開始音Aと開始音Bとを設けることで演出を多彩にしていた。変動開始音の出力態様を異ならせる方法はこれに限定されず、音の種類、音量を異ならせてもよい。また、出力タイミングを変動開始とわずかにずらして、遊技者に違和感を与えるようにしてもよい。さらに、組み合わせて異なる変動開始音を設けてもよい。また、変動開始音は3種類以上あってもよい。
変動開始音の種類に応じて、大当り信頼度やスーパーリーチとなる期待度が異なるようにしてもよい。即ち、変動開始音によって予告演出を実行するようにしてもよい。このようにすることで遊技者が変動開始音に注目するようになり、遊技の興趣が向上する。
また、上記実施の形態では、遊技者の操作によって背景画像を切り替え可能となっていたが、可変表示結果や変動パターンに応じて自動で切り替わるようにしてもよい。また、遊技状態によらずまたは遊技状態によって切り替わる複数種類の演出モードを設けて、演出モードに応じた背景画像となるようにしてもよい。
次に、大当り遊技状態中であるラウンド中に、遊技球の入賞によって付与される遊技球数に関連した報知演出が実行される変形例について説明する。本変形例では、変動表示の表示結果が大当り表示結果となったことに基づいて遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。そして、大当り遊技状態中であるラウンド中には、遊技球の入賞によって付与される遊技球数に関連した報知演出が実行される。ここで、遊技球数に関連した報知演出には、入賞した遊技球に対して払出される獲得遊技球の数を報知する演出が含まれる。また、遊技球数に関連した報知演出には、オーバー入賞が発生したときに報知の態様を変化させることでオーバー入賞の発生を報知する演出が含まれる。このように、遊技球数に関連した演出とは、獲得した遊技球(遊技球数)に対する何らかの報知を行なう演出である。
また、遊技球数に関連した報知演出は、複数の種類が設けられている。たとえば、演出状態が第1演出状態のときには、第1報知態様により報知演出が実行され、演出状態が第2演出状態のときには、第2報知態様により報知演出が実行される。つまり、報知演出は、演出状態により異なる報知演出が実行されることとなる。第1報知態様による報知演出は、ラウンド中(大当り遊技状態中)に付与された遊技媒体数が所定数となったことに基づいて実行される。また、第2報知態様による報知演出は、ラウンド中(大当り遊技状態中)に付与された遊技媒体数が所定数とは異なる特定数となったことに基づいて実行される。
ラウンド中(大当り遊技状態中)においては、遊技球が特別可変入賞球装置907に入賞する毎に、付与された遊技球数が可変表示可能に表示される。また、ラウンド中(大当り遊技状態中)における演出状態を第1演出状態とするか第2演出状態とするかを選択することが可能である。また、オーバー入賞により獲得する遊技球数についても、遊技球数に関連した報知演出の遊技球数のカウントに考慮される。
以下に、報知演出の具体例を説明する。図78は、報知演出を説明するための図である。ここで、本変形例では、1回の大当りで獲得できる遊技球の総数は、約1500個である。具体的には、1回のラウンドにおいて、遊技球1個の入賞に対して10個の払出しがあり、10個入賞するまでラウンドが継続されるので、1ラウンドあたり約100個(10×10=100)の遊技球を獲得することができる。また、大当りが継続する場合には、前回の獲得総数表示の値が引継がれる。図78では、2回目以降の大当りが実行された場合が示されている。
図78(a)は、大当り表示結果となったときの大当り遊技中の1ラウンド目における画像表示装置905の表示画面を示す図である。1ラウンド目においては、ラウンド中における演出状態を2つのモードのうちから選択可能とする演出が実行される。画像表示装置905の画面の左側には、女の子キャラクタによるAモード画像90211が表示される。また、画像表示装置5の画面の右側には、男の子キャラクタによるBモード画像90212が表示される。遊技者は、遊技者の選択操作を促す左右の矢印で示されるモード選択画像90210に従い、いずれか一方のモードを選択する。ラウンド開始時には、初期値としてAモード画像90211が選択されているとともに、モード選択画像90210の左側が選択されている。これらの画像が選択されていることは、画像の点滅により知ることができる。なお、点滅ではなく選択されている方の画像を太枠で囲む等としてもよく、いずれのモードが選択されていることが分かればどのような態様であってもよい。
遊技者は、1ラウンドの期間中いずれかのモードを選択することが可能である。このようなモード(演出状態)の切替えは、スティックコントローラ9031Aを左右に操作することで変更可能である。なお、十字キー等の操作手段により左右の選択が変更可能となるようにしてもよいし、プッシュボタン9031Bの押下げによりモードが切替るようにしてもよい。また、演出モードは3種類以上設けられていてもよいし、大当りの回数毎に選択できる演出モードの種類が増加されていくようにしてもよい。また、モードの選択期間は、1ラウンド以外のラウンドでもよく、ラウンド中の所定時間(たとえば、10秒)に限って選択操作が可能となるようにしてもよい。また、大当り毎に新たな演出モードが初期値(最初に選択されているモードの種類)として設定されるようにしてもよい。
図78(b)〜(d)は、Aモードが選択された場合の画像表示装置905の表示画面を示す説明図である。また、図78(e)〜(g)は、Bモードが選択された場合の画像表示装置905の表示画面を示す説明図である。図78(b)に示すように、Aモードが選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数の獲得総数表示画像90205が表示される。獲得総数表示画像90205は、遊技球が大入賞口に入賞する毎に増加していく。図78(b)では、大当りにおける遊技球の獲得総数が2000個であることが示されている。また、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数が500個の倍数を超える毎に画面中央に第1報知画像90204が表示される。図78(b)では、遊技球数が500個の4倍である2000個を超えたときに第1報知画像90204により、遊技球が2000個獲得されたことが示される。また、画面右上に女の子画像90203が表示される。なお、獲得総数表示画像90205で表示される数字と第1報知画像90204として表示される数字とは瞬間的なタイミングで同じ表示である場合を示している。また、獲得総数が区切りのよい数字でない場合(たとえば、13個ずつ増加する場合等)には、獲得総数表示画像90205で表示される数字と第1報知画像90204として表示される数字とは異なる(獲得総数表示画像90205で表示される数字が2013、第1報知画像90204として表示される数字が2000等)ことがある。
図78(c)は、図78(b)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が2500個となった場合の画像表示装置905の表示画面を示している。図78(c)に示すように、獲得総数表示画像90205により、遊技球の獲得総数が2500個であることが示される。また、遊技球数が500の5倍である2500個を超えたときに第1報知画像90204により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。また、女の子画像90203が図78(b)のときとは異なる人物で表示される。さらに、4回目の大当りでは、画像表示装置905の表示画面が図78(d)のようになる。図78(d)では、獲得総数表示画像90205が5000個であることが示される。また、遊技球数が500の10倍である5000個を超えたときに第1報知画像90204により、遊技球が5000個獲得されたことが示される。また、女の子画像90203が図78(b)や図78(c)のときとは異なる人物で表示される。このように、遊技球数が500の倍数を超えたときは、第1報知画像90204とともに女の子画像90203も変化する。ここで、第1報知画像90204と女の子画像90203とは、次の第1報知画像90204と女の子画像90203に変化するまで継続して表示される。しかし、第1報知画像90204と女の子画像90203とが所定時間経過することにより消去されるようにしてもよい。
次に図78(a)においてBモードが選択された場合について説明する。図78(e)に示すように、Bモードが選択された場合には、画面左上に、大入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数の獲得総数表示画像90215が表示される。獲得総数表示画像90215は、遊技球が大入賞口に入賞する毎に増加していく。ここで、Bモードでの獲得総数表示画像90215とAモードでの獲得総数表示画像90205は、文字の表示態様が異なっている。このように、演出モードにより獲得総数の表示を異ならせているが、獲得総数の表示はモードによらず同じであってもよい。図78(e)では、大当りにおける遊技球の獲得総数が2000個であることが示されている。また、画面右上に男の子画像90213が表示される。Bモードでは、このような男の子画像90213による演出が実行される。しかし、Aモードとは異なり、Bモードでは、遊技球の獲得総数が2000個を超えたとしても画面中央に獲得した遊技球の総数を報知する演出は実行されない。なお、図78(e)では、男の子画像90213を表示せずに、別の演出画像が表示されるようにしてもよい。
図78(f)は、図78(e)と同じ大当りの中で獲得した遊技球の獲得総数が2500個となった場合の画像表示装置905の表示画面を示している。図78(f)に示すように、獲得総数表示画像90215により遊技球の獲得総数が2500個であることが示される。また、遊技球数が2500個を超えたときに第2報知画像90214により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。Bモードでは、入賞口に入賞することにより獲得した遊技球数が2500個の倍数を超える毎に画面中央に第2報知画像90214が表示される。図78(f)では、遊技球数が2500個の1倍である2500個を超えたときに第2報知画像90214により、遊技球が2500個獲得されたことが示される。第2報知画像90214は所定時間経過により消去される(たとえば、表示されてから2秒経過後)。
さらに、4回目の大当りでは、画像表示装置905の表示画面が図78(g)のようになる。図78(g)では、獲得総数表示画像90215が5000個であることが示される。また、遊技球数が2500の2倍である5000個を超えたときに第2報知画像90214により、遊技球が5000個獲得されたことが示される。ここで、Bモードにおいて男の子画像90213は、Aモードのようにキャラクタが変化することがなく、同一人物の画像が表示される。
図78に示すように、Aモードに制御されているときは、第1報知画像90204により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、Bモードに制御されているときは、第2報知画像90214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、演出状態がAモードであるかBモードであるかに応じた報知演出により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図78(b)〜(d)に示すように、遊技球の獲得総数が500の倍数を超える毎に第1報知画像90204により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。また、図78(e)〜(g)に示すように、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超える毎に第2報知画像90214により、遊技球を獲得したことによる報知演出が実行される。よって、報知演出が多様化することにより、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、図78のAモードの獲得総数表示画像90205,Bモードの獲得総数表示画像90215に示すように、特別可変入賞球装置907の大入賞口に遊技球が入賞する毎に、付与された遊技球が10ずつ増加していく表示が行なわれる。よって、付与された遊技球数を可変表示可能であるため、獲得総数表示の変化により、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
また、ラウンド中においてAモードとするかBモードとするかを選択するためのモード選択画像90210が表示される。よって、ラウンド中における演出状態を選択することが可能となるので、大当り遊技中(ラウンド中)の遊技の興趣を向上させることができる。
図79は、図63のS9074にて実行されるコマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図79では特に、大入賞口に遊技球の入賞があったときに設定される各種のフラグについて説明する。図79に示すコマンド解析処理において、演出制御用CPU90120は、まず、演出制御コマンド受信用バッファの記憶内容を確認すること等により、主基板9011からの受信コマンドがあるか否かを判定する(S90511)。演出制御用CPU90120は、受信コマンドがない場合には(S90511でN)、コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御用CPU90120は、受信コマンドがある場合には(S90511でY)、たとえば受信コマンドのMODEデータを確認すること等により、その受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドであるか否かを判定する(S90512)。演出制御用CPU90120は、大入賞口入賞通知コマンドである場合には(S90512でY)、演出制御カウンタ設定部に設けられている大入賞口入賞回数カウンタの格納値である大入賞口入賞回数カウント値を1加算するように更新する(S90513)。大入賞口入賞回数カウント値は、ラウンドが実行されてから、次のラウンドが実行されるまでの間に、大入賞口に遊技球が入賞した回数を示すものである。そして、演出制御用CPU90120は、演出制御フラグ設定部に設けられている大入賞口入賞フラグをセットし(S90514)、S90515の処理へ移行する。大入賞口入賞フラグは、大入賞口に遊技球が入賞するごとにセットされるフラグである。
S90515において、演出制御用CPU90120は、オーバー入賞であるか否かを判定する。たとえば、更新後の大入賞口入賞回数カウント値が予め定められたオーバー入賞判定値(入賞上限判定値よりも1大きい値。本変形例では入賞上限判定値は「10」であるためオーバー入賞判定値は「11」)となったか否かを判定すればよい。演出制御用CPU90120は、オーバー入賞でない場合には(S90515でN)、コマンド解析処理を終了する。一方、演出制御用CPU90120は、オーバー入賞である場合には(S90515でY)、オーバー入賞フラグをセットし(S90516)、コマンド解析処理を終了する。オーバー入賞フラグは、大入賞口へ入賞上限判定値を超えて遊技球が入賞するごとにセットされるフラグである。
S90512おいて、演出制御用CPU90120は、受信コマンドが大入賞口入賞通知コマンドでない場合には(S90512でN)、受信コマンドに応じた設定を行ない(S90517)、コマンド解析処理を終了する。
図80および図81は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理を示すフローチャートである。なお、この変形例では、演出制御プロセス処理における大当り中演出処理(図64のS90176)をより詳細に説明するために、ラウンド中処理(例えば図80、図81)とラウンド後処理(例えば図82〜図84)とに分けている。ラウンド中処理とラウンド後処理とを統合して大当り中演出処理としてもよい。
図80に示すラウンド中処理において、演出制御用CPU90120は、まず、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S90920)。ここで、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグ等のフラグは、RAM90122に形成されるコマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合に、演出制御用CPU90120によりセットされ、大当り遊技が終了するなどの所定のタイミングで消去される。
演出制御用CPU90120は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には(S90920でN)、プロセスタイマの値を1減算する(S90921)。次いで、演出制御用CPU90120は、プロセスデータnの内容(表示制御実行データn)にしたがって、演出装置(画像表示装置905、スピーカ908、遊技効果ランプ909等)の制御を実行する(S90922)。
次いで、演出制御用CPU90120は、第1ラウンドの開始時であるか否かを判定する(S90923)。第1ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。演出制御用CPU90120は、第1ラウンドの開始時であると判定した場合には(S90923でY)、図78(a)に示すようなモード選択画面を表示し(S90924)、S90925の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は、第1ラウンドの開始時でないと判定した場合には(S90923でN)、S90924からS90926の処理を行なわずに、S90928の処理へ移行する。
S90925において、演出制御用CPU90120は、選択されたモードがAモードであるか否かを判定する。演出制御用CPU90120は、選択されたモードがAモードである場合には(S90925でY)、Aモードフラグをセットし(S90926)、S90928の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は、選択されたモードがAモードでない場合には(S90925でN)、Bモードフラグをセットし(S90927)、S90928の処理へ移行する。ここで、遊技者がモード選択画面を表示中にモードを選択しない場合には、初期値として設定されているAモードが選択される。
次いで、S90928において、演出制御用CPU90120は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを判定する。大入賞口入賞フラグは、図79のS90514において設定されるフラグであり、大入賞口への遊技球の入賞が発生する毎に設定されるフラグである。演出制御用CPU90120は、大入賞口入賞フラグがセットされている場合には(S90928でY)、大入賞口入賞フラグをリセットし(S90929)、S90932の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は、大入賞口入賞フラグがセットされていない場合には(S90928でN)、オーバー入賞フラグがセットされているか否かを判定する(S90930)。オーバー入賞フラグは、図79のS90516において設定されるフラグであり、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合に設定されるフラグである。
演出制御用CPU90120は、オーバー入賞フラグがセットされている場合には(S90930でY)、オーバー入賞フラグをリセットし(S90931)、S90932の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は、オーバー入賞フラグがセットされていない場合には(S90930でN)、S90932とS90933の処理を行なわずに、S90940の処理へ移行する。
S90932において、演出制御用CPU90120は、入賞カウンタの値を1加算し、モードに応じた獲得総数表示(総獲得数表示)を更新し(S90933)、S90940の処理へ移行する。S90933においては、たとえば、図78(b)や図78(e)に示すように、Aモードでの獲得総数表示画像90205やBモードでの獲得総数表示画像90215が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していくことになる。なお、ラウンド中に大入賞口以外の払出しのある入賞口に遊技球が入賞した場合についても獲得総数の表示を更新する処理を実行するようにしてもよい。
S90940において、演出制御用CPU90120は、Aモードフラグがセットされているか否かを判定する。演出制御用CPU90120は、Aモードフラグがセットされている場合には(S90940でY)、S90941の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は、Aモードフラグがセットされていない場合(すなわち、Bモードフラグがセットされている場合)には(S90940でN)、S90943の処理へ移行する。
S90941において、演出制御用CPU90120は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えたか否かを判定する。演出制御用CPU90120は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えた場合には(S90941でY)、Aモードの表示により、遊技球の獲得数を報知し(S90942)、S90945の処理へ移行する。たとえば、Aモードの表示とは、図78(b)〜(d)に示すように、第1報知画像90204や女の子画像90203を遊技球の獲得総数が500の倍数を超えたときに表示する(変更する)処理である。Aモードによる表示は、次の表示の更新まで継続して表示される。一方、演出制御用CPU90120は、遊技球の獲得総数が500の倍数を超えていない場合には(S90941でN)、S90942の処理を行なわずに、S90945の処理へ移行する。
S90943において、演出制御用CPU90120は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたか否かを判定する。演出制御用CPU90120は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えた場合には(S90943でY)、Bモードの表示により、遊技球の獲得数を報知し(S90944)、S90945の処理へ移行する。たとえば、Bモードの表示とは、図78(f),(g)に示すように、第2報知画像90214を遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたときに表示する処理である。ここで、Bモードによる第2報知画像90214の表示は、所定時間経過後に消去される。たとえば、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えたときに表示されて後から2秒後に消去される。なお、第2報知画像90214の表示は、実行されているラウンドが終了したタイミングで消去されるようにしてもよい。一方、演出制御用CPU90120は、遊技球の獲得総数が2500の倍数を超えていない場合には(S90943でN)、S90944の処理を行なわずに、S90945の処理へ移行する。
S90945において、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマがタイムアウトになっているか否かを判定する。演出制御用CPU90120は、プロセスタイマがタイムアウトになっている場合には(S90945でY)、次のプロセスタイマをスタートさせ(S90946)、次のプロセスデータの内容にしたがって演出装置を制御し(S90947)、ラウンド中処理を終了する。一方、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイムアウトになっていない場合には(S90945でN)、S90946とS90947の処理を行なわずに、ラウンド中処理を終了する。
S90920において、演出制御用CPU90120は、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(S90920でY)、大入賞口開放後指定コマンド受信フラグをリセットする(S90934)。次いで、演出制御用CPU90120は、インターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行なう演出)を選択し、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(S90935)。そして、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマをスタートさせ(S90936)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S90806)に対応した値に設定し(S90937)、ラウンド中処理を終了する。
図80のS90930〜S90932の処理においてオーバー入賞での賞球を加える処理が実行された上で、Aモードでの獲得総数表示画像90205やBモードでの獲得総数表示画像90215が遊技球が大入賞口に入賞する毎に10ずつ増加していく獲得総数表示の可変表示が行なわれる。このようにすれば、1の単位遊技において遊技球が10個より多い11個や12個入賞したことにより付与される遊技球数を加えた上で、報知演出が実行されるので、遊技者に適切な報知演出を実行することができる。
なお、図80では、S90940においてAモードフラグが設定されているか否かを判定した後に、遊技球の獲得総数の判定がされる場合を示した。しかし、遊技球の獲得総数を先に判定し、その判定値が所定の個数を超えている場合に、AモードであるかBモードであるかを確認することで、表示する画像が決定されるようにしてもよい。
[第2変形例] 第2変形例では、遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したときに実行される報知演出による遊技の興趣を向上させることができる遊技機について説明する。たとえば、このような遊技機は、以下のようなものである。
(1) 例えば、遊技を行なうことが可能な遊技機であって、遊技媒体(たとえば、遊技球)が入賞容易な第1状態(たとえば、開放状態)と遊技媒体が入賞困難な第2状態(たとえば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する特別可変入賞球装置(大入賞口))と、所定期間(たとえば、29秒)が経過することまたは遊技媒体が所定数(たとえば、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段を第1状態に変化させることが可能な単位遊技(たとえば、ラウンド)を所定回数(たとえば、15ラウンド)実行する有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100)とを備え、有利状態制御手段は、有利状態として、少なくとも第1有利状態(たとえば、確変大当りにもとづく大当り遊技状態)と該第1有利状態よりも有利度が低い第2有利状態(たとえば、通常大当りにもとづく大当り遊技状態)とに制御可能であり、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したこと(たとえば、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LED9020aをレインボー発光させるとともにスピーカ908から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能な報知演出実行手段(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用CPU90120におけるステップS903923,S903924と同様の処理を実行する部分)をさらに備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
(2) また、遊技を行なうことが可能な遊技機であって、遊技媒体(たとえば、遊技球)が入賞容易な第1状態(たとえば、開放状態)と遊技媒体が入賞困難な第2状態(たとえば、閉鎖状態)とに変化可能な可変入賞手段(たとえば、第1特別可変入賞球装置907a(第1大入賞口)、第2特別可変入賞球装置907b(第2大入賞口))と、所定期間(たとえば、29秒)が経過することまたは遊技媒体が所定数(たとえば、10個)入賞することのうちの少なくとも一方が成立するまで可変入賞手段を第1状態に変化させることが可能な単位遊技(たとえば、ラウンド)を所定回数(たとえば、15ラウンド)実行する有利状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御可能な有利状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100)と、有利状態において可変入賞手段に設けられた特定領域(たとえば、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて、特別状態(たとえば、確変状態)に制御可能な特別状態制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100)と、有利状態において特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したこと(たとえば、オーバー入賞が発生したこと)に基づいて、特殊態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LED9020aをレインボー発光させるとともにスピーカ908から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能な報知演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU90120におけるステップS903923,S903924を実行する部分)とを備えたことを特徴とする。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過した後に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
(3) (1)において、報知演出実行手段は、第2有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用CPU90120は、通常大当りであると判定すると、ステップS903923,S903924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
(4) (2)において、報知演出実行手段は、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(たとえば、演出制御用CPU90120は、ステップS903921,S903922でNのとき、ステップS903923,S903924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
(5) (1)または(3)において、報知演出実行手段は、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LED9020aや第2大入賞口LED9020bを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能であり(たとえば、ステップS903920でNのときステップS903925を実行する部分)、第2有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用CPU90120は、通常大当りであると判定すると、ステップS903925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(6) (2)または(4)において、報知演出実行手段は、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(たとえば、第1大入賞口LED9020aや第2大入賞口LED9020bを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能であり(たとえば、ステップS903920でNのときステップS903925を実行する部分)、特定領域を遊技媒体が通過する前に、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行する(たとえば、演出制御用CPU90120は、ステップS903921,S903922でNのとき、ステップS903925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定領域を遊技媒体が通過する前では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(7) (1)、(3)、または(5)のうちのいずれかにおいて、有利状態に制御されているときに、所定の遊技価値が付与されること(たとえば、確変状態に制御されること)を報知する特定演出(たとえば、図85(2)〜(6)と同様または類似の態様で実行される昇格演出)を実行可能な特定演出実行手段(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用CPU90120は、S903928と同様の処理を実行する部分)を備え、報知演出実行手段は、特定演出を実行する前に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行せず(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用CPU90120は、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであると判定すると、ステップS903923,S903924を実行しない)、特定演出を実行した後に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合に、特殊態様による報知演出を実行する(たとえば、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行するものにおいて、演出制御用CPU90120は、昇格演出が実行された後の第6ラウンド以降のラウンドであると判定すると、ステップS903923,S903924を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特定演出を実行した後に特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
(8) (2)、(4)、または(6)のうちのいずれかにおいて、有利状態において特定領域(たとえば、第2大入賞口内の特定領域)を遊技媒体が通過したことに基づいて特別演出(たとえば、確変確定報知)を実行可能な特別演出実行手段(たとえば、演出制御用CPU90120におけるステップS903908〜S903916を実行する部分)を備え、報知演出実行手段は、有利状態における特定領域を遊技媒体が通過した単位遊技(たとえば、第6ラウンド)において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(たとえば、演出制御用CPU90120は、第6ラウンドである場合には、ステップS903921でNと判定し、ステップS903923,S903924を実行しない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、特殊態様による報知演出により特別演出の実行を妨げてしまうことを防止することができ、演出効果が却って低下してしまうことを防止することができる。
(9) (1)から(8)のうちのいずれかにおいて、報知演出実行手段は、特殊態様による報知演出として、発光体による発光(たとえば、第1大入賞口LED9020aのレインボー発光)および音出力(たとえば、スピーカ908からの所定の入賞音の音出力)を含む演出を実行する(たとえば、演出制御用CPU90120は、ステップS903923,S903925を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、発光体による発光および音出力を用いた演出により報知演出の演出効果を向上させることができる。
(10) (1)から(9)のうちのいずれかにおいて、所定演出を実行する所定演出実行手段(たとえば、賞球数報知演出、獲得枚数報知演出、累積賞球数報知演出、累積獲得枚数報知演出、確変確定報知演出、連チャン回数報知、大当り中楽曲名報知、右打ち報知、エラー報知、大当り中昇格演出を実行する演出制御用CPU90120等)を備え、所定演出実行手段は、所定演出として、特定期間において獲得した価値の大きさを報知する第1所定演出(たとえば、大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出など)と、特別期間において獲得した価値の大きさを報知する第2所定演出(たとえば、連チャン中における大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出など)とを実行可能であり、第1所定演出と第2所定演出とで優先度合いが異なる(たとえば、賞球数報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されないことなど)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、複数の所定演出を好適に実行することができる。
(11) (1)から(10)のうちのいずれかにおいて、報知演出実行手段は、所定数よりも多い第1特定数目(たとえば、11個目)の入賞と該第1特定数目の入賞の次の入賞である第2特定数目(たとえば、12個目)の入賞とで異なる音出力チャンネルを用いて報知演出を実行する(たとえば、演出制御用CPU90120は、11個目(オーバー入賞1個目)では再生チャンネルCh0にて第1報知演出を実行し、12個目(オーバー入賞2個目)では再生チャンネルCh1にて第2報知演出を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、所定数よりも多い第1特定数目の入賞と第1特定数目の入賞の次の入賞である第2特定数目の入賞とで異なるチャンネルで報知演出を実行できるため、遊技者の興趣の低下を防止することができる。また、短い間隔で所定数よりも多い入賞が発生した場合であっても報知演出を実行することができる。
第2変形例についてさらに詳細に説明する。ここで、第2変形例においては、普通可変入賞球装置906Bの下方に、第1特別可変入賞球装置907aが設けられているものとする。第1特別可変入賞球装置907aは開閉板を備え、第1特別図柄表示装置904Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示装置904Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイドによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第1大入賞口が開放状態になる。第1大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ9023aで検出される。また、第1特別可変入賞球装置907aの内部には、第1大入賞口LED9020aが設けられている。なお、この変形例では、第1大入賞口LED9020aは、マルチカラーLEDによって実現される。
また、第1特別可変入賞球装置907aの下方には、第2特別可変入賞球装置907bが設けられているものとする。第2特別可変入賞球装置907bは開閉板を備え、第1特別図柄表示装置904Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示装置904Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイドによって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる第2大入賞口が開放状態になる。第2大入賞口に入賞した遊技球は第2カウントスイッチ9023bで検出される。また、この変形例では、第2特別可変入賞球装置907b内の第2カウントスイッチ9023bが設けられている領域よりも下流側には特定領域が設けられており、特定領域に入賞した遊技球は特定検出スイッチ9024で検出される。なお、この変形例では、上流側に第2カウントスイッチ9023bが設けられ、その下流側に特定検出スイッチ9024が設けられているので、第2大入賞口に入賞して第2カウントスイッチ9023bで検出された遊技球は、殆ど全て特定領域に入賞し特定検出スイッチ9024で検出されることになる。そして、この変形例では、第2カウントスイッチ9023bで遊技球が検出されたことにもとづいて10個の賞球払出が行なわれ、特定検出スイッチ9024で検出されたことにもとづいて確変状態に制御されることが確定する。また、第2特別可変入賞球装置907bの内部には、第2大入賞口LED9020bが設けられている。なお、この変形例では、第2大入賞口LED9020bは、マルチカラーLEDによって実現される。
また、この変形例では、第1特別図柄表示装置904Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示装置904Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)において、第6ラウンドでは第2大入賞口が開放状態に制御され、第6ラウンド以外のラウンドでは第1大入賞口が開放状態に制御される。そして、この変形例では、大当り遊技中の第6ラウンドにおいて第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞すると、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に制御されることが確定する。
また、この変形例では、ラウンド中処理として、第1大入賞口または第2大入賞口への入賞が発生していれば、演出制御用CPU90120は、第1大入賞口LED9020aまたは第2大入賞口LED9020bを白色発光させる制御を行なう。この場合、大当り遊技中の第6ラウンド以外のラウンドであれば、第1大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第1大入賞口LED9020aを白色発光させる制御を行なう。また、第6ラウンドであれば、第2大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第2大入賞口LED9020bを白色発光させる制御を行なう。なお、第6ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
図82〜図84は、第2変形例の演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(S90806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU90120は、まず、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(S903901)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていないときは(S903901のN)、演出制御用CPU90120は、大入賞口開放中指定コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(S903902)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(S903902のN)、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマの値を1減算し(S903903)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(画像表示装置905、スピーカ908、遊技効果ランプ909等)の制御を実行する(S903904)。
次いで、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(S903905)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば(S903905でY)、プロセスデータの切替を行なう(S903906)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせ(S903907)、S903908の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(S903905でN)、S903906とS903907の処理を行なわずに、S903908の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU90120は、確変確定報知フラグがセットされているか否かを確認する(S903908)。確変確定報知フラグがセットされていれば(すなわち、第2大入賞口内の特定領域を通過することで送信される確変状態に制御されることが確定したことを示す確変確定報知指定コマンドを受信していれば)(S903908でY)、演出制御用CPU90120は、その確変確定報知フラグをリセットする(S903909)。また、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905において確変確定報知の実行を開始する(S903910)。また、演出制御用CPU90120は、確変確定報知実行中フラグをセットするとともに、演出期間計測タイマ1に確変確定報知の実行期間に相当する値(たとえば、1.0秒に相当する値)をセットし(S903911)、S903912の処理へ移行する。一方、演出制御用CPU90120は、確変確定報知フラグがセットされていなければ(S903908でN)、S903909〜S903911の処理を行なわずに、S903912の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU90120は、確変確定報知実行中フラグがセットされているか否かを確認する(S903912)。確変確定報知実行中フラグがセットされていれば(すなわち、確変確定報知の実行中であれば)(S903912でY)、演出制御用CPU90120は、演出期間計測タイマ1の値を1減算し(S903913)、減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となったか否かを確認する(S903914)。減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となっていれば(S903914のY)、演出制御用CPU90120は、画像表示装置905において確変確定報知の実行を終了する(S903915)。また、演出制御用CPU90120は、確変確定報知実行中フラグをリセットし、確変確定報知の実行済みであることを示す確変確定報知済フラグをセットし(S903916)、S903917の処理へ移行する。
S903912において、確変確定報知実行中フラグがセットされていなければ(S903912でN)、演出制御用CPU90120は、S903913〜S903916の処理を行なわずに、S903917の処理へ移行する。また、S903914において,減算後の演出期間計測タイマ1の値が0となっていなければ(S903914のN)、S903915とS903916の処理を行なわずに、S903917の処理へ移行する。
次いで、演出制御用CPU90120は、大入賞口入賞フラグがセットされているか否かを確認する(S903917)。大入賞口入賞フラグがセットされていなければ(S903917でN)、演出制御用CPU90120は、ラウンド後処理を終了する。一方、大入賞口入賞フラグがセットされていれば(すなわち、第1大入賞口または第2大入賞口への入賞が発生し、大入賞口入賞指定コマンドを受信していれば)(S903917でY)、演出制御用CPU90120は、大入賞口入賞フラグをリセットする(S903918)。また、演出制御用CPU90120は、入賞カウンタの値を1加算し(S903919)、加算後の入賞カウンタの値が11以上となっているか否かを確認する(S903920)。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば、大入賞口へのオーバー入賞が発生した場合である。「オーバー入賞」とは、たとえば、この変形例では、大当り遊技中におけるラウンドごとの第1大入賞口や第2大入賞口への遊技球の入賞数の上限数(本例では、10個)が定められているのであるが、その上限数を超えて第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞することである。たとえば、この変形例では、大当り遊技中の各ラウンドにおいて所定の開放時間(たとえば、29秒間)が経過する前であっても、第1大入賞口や第2大入賞口への10個目の入賞を検出すれば第1大入賞口や第2大入賞口が閉鎖状態に制御されるのであるが、その第1大入賞口や第2大入賞口の閉鎖直前に遊技球が入賞したような場合に11個目や12個目の入賞となりオーバー入賞が発生する場合がある。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていれば(すなわち、オーバー入賞が発生していれば)(S903920でY)、演出制御用CPU90120は、第7ラウンド以降のラウンドであるか否かを確認する(S903921)。なお、第7ラウンド以降のラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
第7ラウンド以降のラウンドであれば(S903921でY)、演出制御用CPU90120は、確変確定報知済フラグがセットされているか否かを確認する(S903922)。確変確定報知済フラグがセットされていれば(すなわち、既に確変確定報知の終了後であれば)(S903922でY)、演出制御用CPU90120は、第1大入賞口LED9020aをレインボー発光させる(たとえば、赤色、青色、黄色など複数色に順に発光させる)制御を行なう(S903923)。また、演出制御用CPU90120は、スピーカ908から所定の入賞音を音出力させる制御を行ない(S903924)、ラウンド後処理を終了する。
なお、この変形例では、第7ラウンド以降のラウンドでは第1大入賞口が開放状態に制御される場合しかないので、S903923では第1大入賞口LED9020aをレインボー発光させる場合しかない。なお、第2大入賞口LED9020bもレインボー発光させるように制御してもよい。
なお、この変形例では、ラウンド後処理においてのみS903920〜S903924の処理を実行する場合を示したが、そのような処理態様にかぎられない。たとえば、ラウンド中処理においてもS903920〜S903924と同様の処理を実行するように構成してもよい。そのように構成すれば、たとえば、第1大入賞口や第2大入賞口に入賞した遊技球が全て検出されるまでラウンド中処理を行なうようにプログラムを構成した場合であっても、オーバー入賞を検出したときに第1大入賞口LED9020aをレインボー発光させたり所定の入賞音を音出力させたりすることができる。
加算後の入賞カウンタの値が11以上となっていない場合(すなわち、オーバー入賞でない場合)(S903920でN)や、第7ラウンド以降のラウンドでない場合(すなわち、第1ラウンド〜第6ラウンドである場合)(S903921でN)、確変確定報知済フラグがセットされていない場合(すなわち、まだ確変確定報知が終了していない場合)(S903922でN)であれば、演出制御用CPU90120は、第1大入賞口LED9020aまたは第2大入賞口LED9020bを白色発光させる制御を行ない(S903925)、ラウンド後処理を終了する。この場合、大当り遊技中の第6ラウンド以外のラウンドであれば、第1大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第1大入賞口LED9020aを白色発光させる制御を行なう。また、第6ラウンドであれば、第2大入賞口が開放状態に制御されている場合であるので、第2大入賞口LED9020bを白色発光させる制御を行なう。なお、第6ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。
この変形例では、ラウンド中処理や、ラウンド後処理のS903917〜S903925の処理が実行されることによって、第1大入賞口や第2大入賞口に遊技球が入賞した場合には、少なくとも第1大入賞口LED9020aや第2大入賞口LED9020bを発光させる報知演出が実行される。そして、特にS903920〜S903924の処理が実行されることによって、この変形例では、オーバー入賞が発生した場合に、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後、大当り遊技の第7ラウンド以降のラウンドである場合には、第1大入賞口LED9020aがレインボー発光されるとともにスピーカ908から所定の入賞音が音出力される態様により報知演出が実行される。そのようにオーバー入賞が発生した場合には、通常態様(本例では、第1大入賞口LED9020aや第2大入賞口LED9020bを白色発光させる)とは異なる特殊態様による報知演出を実行するので、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
ただし、この変形例では、S903921,S903922の判定処理が実行されることによって、オーバー入賞が発生した場合であっても、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞する前である場合には、特殊態様による報知演出を実行しないようにしている。そのように特定領域に遊技球が入賞する前では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止している。また、この変形例では、S903921,S903922でNのときにはS903925に移行することによって、オーバー入賞が発生した場合であっても、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞する前である場合には、通常態様による報知演出を実行するようにしている。そのように特定領域に遊技球が入賞する前では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させるようにしている。
さらに、この変形例では、S903921の判定処理が実行されることによって、第2大入賞口が開放状態に制御され特定領域に遊技球が入賞する可能性がある第6ラウンドにおいてオーバー入賞が発生した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例では、通常態様による報知演出を実行)ようにしている。そのような構成により、この変形例では、確変確定報知が実行される可能性がある第6ラウンドでは特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、特殊態様による報知演出により確変確定報知の実行を妨げてしまうことを防止し、演出効果が却って低下してしまうことを防止するようにしている。
なお、この変形例では、S903921,S903922の判定処理を行なうことによって、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後、大当り遊技の第7ラウンド以降のラウンドである場合に、第1大入賞口90LED20aがレインボー発光されるとともにスピーカ908から所定の入賞音が音出力される場合を示しているが、そのような処理態様にかぎられない。たとえば、オーバー入賞が発生した場合に、大当り種別が確変状態に制御可能な有利な大当りであるか、実質的に確変状態に制御されない不利な大当りであるかを判定し、有利な大当りであると判定した場合に、第1大入賞口LED9020aがレインボー発光されるとともにスピーカ908から所定の入賞音が音出力されるように構成してもよい。また、この変形例で示した第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後であるか否かの判定と、上記の有利な大当りであるか否かの判定とのいずれか一方のみを実行して、第1大入賞口LED9020aのレインボー発光および所定の入賞音の音出力を実行してもよいし、第2大入賞口内の特定領域に遊技媒体が入賞して確変確定報知が実行された後であるか否かの判定と、有利な大当りであるか否かの判定との両方を実行して、第1大入賞口LED9020aのレインボー発光および所定の入賞音の音出力を実行してもよい。
また、この変形例では、演出制御用CPU90120側で入賞カウンタを用いて受信した大入賞口入賞指定コマンドの数をカウントし、入賞カウンタの値が11以上となったことに基づいてオーバー入賞と判定する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ90100側で大入賞口への入賞数が11以上となったか否かを判定してオーバー入賞が発生したか否かを判定するようにしてもよい。そして、オーバー入賞であるか否かに応じて異なる大入賞口入賞指定コマンドを送信するようにし、演出制御用CPU90120側では、いずれの大入賞口入賞指定コマンドを受信したかに基づいて、オーバー入賞であるか否かを認識するように構成してもよい。
図82のS903902において、大入賞口開放中フラグがセットされているときは(S903902でY)、演出制御用CPU90120は、大入賞口開放中フラグをリセットする(S903926)。
次いで、演出制御用CPU90120は、次に開始するラウンドが第2ラウンド〜第5ラウンドであるか否かを確認する(S903927)。なお、第2ラウンド〜第5ラウンドであるか否かは、たとえば、大入賞口開放中指定コマンドのEXTデータの値を確認することにより判定できる。次に開始するラウンドが第2ラウンド〜第5ラウンドであれば(S903927でY)、演出制御用CPU90120は、昇格演出を含むラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択し(S903928)、S903930の処理へ移行する。一方、第2ラウンド〜第5ラウンドでなければ(すなわち、次に開始するラウンドが第6ラウンド以降のラウンドであれば)(S903927でN)、演出制御用CPU90120は、通常のラウンド中演出(昇格演出を含まないラウンド中演出)に応じたプロセステーブルを選択し(S903929)、S903930の処理へ移行する。
なお、この変形例では、たとえば、昇格演出として画像表示装置905においてルーレット演出を実行する。この場合、第1ラウンド〜第4ラウンドを開始するときには、S903928において、昇格演出としてルーレットを球が回転するような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。また、第5ラウンドを開始するときには、S903928において、大当り種別がいずれであるかを特定し、第2大入賞口内の特定領域に入賞する見込みのない(確変状態に制御されることが確定する見込みのない)大当りである場合には、昇格演出としてルーレットの結果がはずれとなるような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。一方、第2大入賞口内の特定領域に入賞する見込みが高い(確変状態に制御される見込みが高い)大当りである場合には、昇格演出としてルーレットの結果が当りとなるような態様の演出を含むプロセステーブルを選択する。なお、大当り種別がいずれであるかは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドを確認することにより判定できる。
次いで、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマをスタートさせ(S903930)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置905、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ908)の制御を実行する(S903931)。また、演出制御用CPU90120は、セットされていれば、演出期間計測タイマ1の値を1減算する(S903932)。
次いで、演出制御用CPU90120は、入賞カウンタを初期化する(S903933)。すなわち、入賞カウンタの値を0にする。
そして、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグをラウンド中処理に対応した値に設定し(S903934)、ラウンド後処理を終了する。
図82のS903901において大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされたときは(S903901でY)、演出制御用CPU90120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットする(S903935)。
次いで、演出制御用CPU90120は、エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(S903936)。また、演出制御用CPU90120は、大当り遊技終了時のエンディング期間に対応した値(たとえば、3.0秒間に相当する値)を、大当り遊技の終了時に実行するエンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマにセットする(S903937)。
次いで、演出制御用CPU90120は、プロセスタイマをスタートさせ(S903938)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての画像表示装置905、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ908)の制御を実行する(S903939)。
そして、演出制御用CPU90120は、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理(S90177)に対応した値に設定し(S903940)、ラウンド後処理を終了する。
次に、報知演出の演出態様の具体例について説明する。図85および図86は、第2変形例の報知演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図85および図86において、(1)(2)(3)・・・の順に演出態様が遷移する。
図85(1)に示すように、左中右の飾り図柄(演出図柄)が同じ図柄で停止表示されて大当りが発生し、図85(2)に示すように、第1ラウンドが開始されて大当り遊技が開始されたものとする。また、図85(2)〜(6)に示すように、第1ラウンド〜第5ラウンドにおいては昇格演出も実行される(S903928参照)。図85(2)に示す例では、画像表示装置905においてルーレットを球が回転するような態様の画像90200を表示することにより昇格演出が開始される場合が示されている。
また、図85(3)に示すように、大当り遊技のラウンド中に大入賞口への入賞が発生すると、通常態様により報知演出が実行される。図85(3)に示す例では、第1大入賞口に遊技球が入賞し、第1大入賞口LED9020aを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている。
また、大入賞口への入賞数が所定の上限数(本例では、10個)に達しラウンドを終了した場合であってもオーバー入賞が発生する場合がある。この場合、図85(4)に示すように、オーバー入賞が発生した場合であっても、第6ラウンドよりも前のラウンドであり第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞して確変確定報知が実行される前である場合には、通常態様により報知演出が実行される。図85(4)に示す例では、第1大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第1大入賞口LED9020aを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S903925参照)。
次いで、図85(5)に示すように、同様の態様で第2ラウンド以降のラウンドが実行され、図85(6)に示すように、第5ラウンドとなると、ルーレットの当否結果を報知するような態様の昇格演出が実行される。図85(6)に示す例では、大当り種別が確変大当りとなる大当りであることに基づいて、球がルーレット内の「確」と表示された領域に入球し、ルーレットの結果が当り(確変状態となることを示唆する結果)となるような態様の画像を表示するとともに、「確変昇格あり!」などの文字列90201を表示する態様により昇格演出が実行される場合が示されている。なお、大当り種別が確変大当りとならない大当り(通常大当り)である場合には、たとえば、球がルーレット内の「確」と表示された領域以外の領域に入球し、ルーレットの結果がはずれ(確変状態とならないことを示唆する結果)となるような態様の画像を表示するとともに、「確変昇格なし!」などの文字列を表示する態様により昇格演出が実行される。
なお、この変形例では、昇格演出として、ルーレット演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、昇格演出として、敵と味方のキャラクタがバトルを行ない、味方のキャラクタが勝利することによって確変状態となることを示唆したり、味方のキャラクタが敗北することによって確変状態とならないことを示唆したりする演出を実行してもよい。また、たとえば、昇格演出として、おみくじを表示するような演出を行ない、おみくじの結果が「吉」であれば確変状態となることを示唆したり、おみくじの結果が「凶」であれば確変状態とならないことを示唆したりする演出を実行してもよい。そのように、昇格演出として、何らかの態様で確変状態に制御されるか否かを煽ることができる演出を実行するものであればよい。
また、この変形例では、第1ラウンド〜第5ラウンドにわたって昇格演出が実行され、最後の第5ラウンドにおいて昇格演出の結果報知(本例では、ルーレットの結果が報知)がされる場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第5ラウンドを待たずに、第1ラウンド〜第4ラウンドでも昇格演出の結果報知を可能に構成してもよい。この場合、昇格演出の結果報知の後であれば、第5ラウンドや第6ラウンドを待たずに、オーバー入賞発生時に特殊態様による報知演出を実行可能に構成してもよい。
次いで、図85(7)に示すように、第6ラウンドに移行し第2大入賞口が開放状態に制御される。そして、図85(7)に示すように、第6ラウンドにおいて第2大入賞口に遊技球が入賞するとともに第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞し、確変状態に制御されることが確定したものとする。図85(7)に示す例では、第6ラウンド中に第2大入賞口に遊技球が入賞したことから、第2大入賞口LED9020bを白色発光させる態様で報知演出が実行されることも示されている。また、確変状態に制御されることが確定したことに基づいて、図85(8)に示すように、画像表示装置905において確変確定報知の実行が開始される。図85(8)に示す例では、確変確定報知として、画像表示装置905において「確変確定!」などの文字列90202が表示される場合が示されている。
なお、図85(7)において、第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したときに(特に、特定領域に1個目の遊技球が入賞したときに)、第2大入賞口LED9020b(第1大入賞口LED9020aでもよい)を専用の発光色で発光(たとえば、特殊態様の報知演出とは異なる赤色で発光)させたり、専用の入賞音(たとえば、特殊態様の報知演出とは異なる専用の入賞音)を音出力させたりしてもよい。
また、第6ラウンドにおいて第2大入賞口への入賞数が所定の上限数(本例では、10個)に達しラウンドを終了した場合であってもオーバー入賞が発生する場合がある。この場合、図86(9)に示すように、オーバー入賞が発生した場合であっても、確変確定報知が実行される場合がある第6ラウンドである場合には、通常態様により報知演出が実行される。図86(9)に示す例では、第2大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第2大入賞口LED20bを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S903925参照)。
次いで、第7ラウンド以降のラウンドに移行する。第7ラウンド以降のラウンドであっても、図86(10)に示すように、大当り遊技のラウンド中に大入賞口への入賞が発生すると、通常態様により報知演出が実行される。図86(10)に示す例では、第1大入賞口に遊技球が入賞し、第1大入賞口LED9020aを白色発光させる態様で報知演出が実行される場合が示されている。
一方、第7ラウンド以降のラウンドにおいてオーバー入賞が発生した場合には、図86(11)に示すように、通常態様とは異なる特殊態様により報知演出が実行される。図86(11)に示す例では、第1大入賞口へのオーバー入賞が発生し、第1大入賞口LED9020aをレインボー発光させるとともに、スピーカ908から所定の入賞音を音出力させる態様で報知演出が実行される場合が示されている(S903923,S903924参照)。
なお、この変形例では、特殊態様による報知演出の場合にのみスピーカ908から所定の入賞音を音出力させる場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、通常態様による報知演出を実行する場合にも何らかの入賞音(特殊態様の場合と同じ音でも異なる音でもよい)を音出力させるようにしてもよい。
また、この変形例では、特殊態様による報知演出として、第1大入賞口LED9020aをレインボー発光させるとともに、スピーカ908から所定の入賞音を音出力させる態様の演出を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第1大入賞口LED9020aをレインボー発光させるだけで、入賞音の音出力を伴わないものであってもよい。また、たとえば、通常態様による報知演出とは異なる発光色で発光するものであれば、レインボー発光以外の発光色(たとえば、赤色や黄色)で第1大入賞口LED9020aなどを発光させるものであってもよい。また、たとえば、第1大入賞口LED9020aをレインボー発光させるのではなく、特殊態様による報知演出として、所定のキャラクタのボイスを模した音を音出力させる態様の演出を実行してもよい。そのように特殊態様による報知演出として、様々な態様の演出が考えられる。
なお、この変形例では、大当り遊技において単位遊技(ラウンド)が実行される所定回数が15回(15ラウンド)である場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、他の回数であってもよい。また、所定回数は、1回や2回であってもよく、たとえば、大入賞口を1回または2回のみ開放する突然確変大当りや小当りが設けられている場合に、その突然確変大当りや小当りにおけるオーバー入賞も検出可能に構成してもよい。
なお、この変形例では、第2大入賞口内の特定領域を遊技球が入賞する前にオーバー入賞が発生した場合には、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第2大入賞口内の特定領域を遊技球が入賞する前にオーバー入賞が発生した場合には、報知演出を全く実行しないように構成してもよい。
なお、この変形例では、確変確定報知が実行される第6ラウンドでは、特殊態様による報知演出のみを実行しないようにし、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED9020aや第2大入賞口LED9020bを白色発光させる態様の報知演出)は実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、確変確定報知が実行される第6ラウンドでは、特殊態様による報知演出と通常態様による報知演出との両方を実行しないように構成してもよい。
なお、この変形例では、第2大入賞口内に設けられた特定領域に遊技球が入賞したことに基づいて確変状態に制御されるように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、大当り種別として、通常大当り(大当り遊技後に確変状態に制御されない大当り。なお、大当り遊技後に時短状態や高ベース状態に制御されるようにしてもよい。)と、確変大当り(大当り遊技後に確変状態に制御される大当り。なお、確変状態とともに時短状態や高ベース状態にも制御されるようにしてもよい。)とを設け、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において、この変形例で示した報知演出を実行する構成を適用してもよい。以下、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する変形例について説明する。
なお、本変形例では、大入賞口内に特定領域が設けられている必要はなく、1つの特別可変入賞球装置(大入賞口)のみ備えるように構成されていてもよい。
確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態(本例では、大当り遊技状態)として、少なくとも第1有利状態(本例では、確変大当りにもとづく大当り遊技状態)と該第1有利状態よりも有利度が低い第2有利状態(本例では、通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態)とに制御可能とする。そして、このうちの第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数(本例では、10個)より多い特定数(たとえば、11個目や12個目)入賞したことに基づいて、特殊態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED9020aをレインボー発光させるとともにスピーカ908から所定の入賞音を音出力させる態様の報知演出)を実行可能とすればよい。そのように構成すれば、第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が所定数より多い特定数入賞したことに基づいて、通常態様とは異なる特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出による遊技の興趣を向上させることができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、第2有利状態(本例では、通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態)における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しないようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS903921,S903922の判定処理に代えて、通常大当りであるか否かを判定し、通常大当りであると判定すると、S903923,S903924の処理を実行しないようにすればよい。そのように構成すれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出を実行しないようにすることによって、報知演出による遊技の興趣が却って低下してしまうことを防止することができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数未満入賞したことに基づいて、通常態様による報知演出(本例では、第1大入賞口LED9020aや第2大入賞口LED9020bを白色発光させる態様の報知演出)を実行可能とする。そして、第2有利状態(本例では、通常大当りにもとづく大当り遊技状態)における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、通常態様による報知演出を実行するようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS903921,S903922の判定処理に代えて、通常大当りであるか否かを判定し、通常大当りであると判定すると、S903925の処理を実行するようにすればよい。そのように構成すれば、第2有利状態では特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
また、確変大当りとなったことに基づいて確変状態に制御されるように構成した遊技機において報知演出を実行する場合、有利状態に制御されているときに、所定の遊技価値が付与されること(本例では、確変状態に制御されること)を報知する特定演出(本例では、図85(2)〜(6)と同様または類似の態様で実行される昇格演出)を実行可能とする。そして、特定演出を実行する前(本例では、昇格演出における結果報知の前)に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合には、特殊態様による報知演出を実行しない(本例では、特殊態様による報知演出に代えて通常態様による報知演出を実行する)ようにし、特定演出を実行した後(本例では、昇格演出における結果報知の後)に第1有利状態における1の単位遊技において遊技媒体が特定数入賞した場合に、特殊態様による報知演出を実行するようにすればよい。具体的には、ラウンド後処理におけるS903921の判定処理に代えて、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであるか否かを判定し、昇格演出が実行される第1ラウンド〜第5ラウンドであると判定すると、S903923,S903924を実行しないようにすればよい(S903925を実行するようにしてもよい)。また、第6ラウンド以降のラウンドであると判定すると、S903923,S903924を実行するようにすればよい。そのように構成すれば、特定演出を実行した後に特殊態様による報知演出を実行することによって、報知演出の演出効果を向上させることができる。
なお、上記の変形例では、実際には第2大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞したことに基づいて確変状態に制御されることが確定することから、第1ラウンド〜第5ラウンドにおいて昇格演出が実行されて当り結果が報知されても、確変状態に制御される見込みが高いことを示唆するものであるが、本変形例では、大当り種別によって確変状態に制御されるか否かが決定していることから、昇格演出において当り結果が報知されれば、そのまま確変状態に制御されることが認識できることになる。
なお、上記の変形例では、有利度が高い第1有利状態が確変大当りにもとづく大当り遊技状態であり、有利度が低い第2有利状態が通常大当り(非確変大当り)にもとづく大当り遊技状態である場合を示したが、そのような態様にかぎられない。
たとえば、大当り遊技後に時短状態のみに制御される時短大当りと、通常状態にしか制御されない通常大当りとが設けられている場合に、第1有利状態を時短大当りにもとづく大当り遊技状態とし、第2有利状態を通常大当りにもとづく大当り遊技状態としてもよい。また、たとえば、大当り遊技中にいわゆる先読み判定を行なうように構成した場合に、保留記憶中に大当りとなるものが存在する場合(すなわち、連続大当りとなる場合)を第1有利状態とし、大当りとなるものが存在しない場合を第2有利状態としてもよい。
また、たとえば、第1有利状態をラウンド数の多い大当り(たとえば、15ラウンド大当り)とし、第2有利状態をラウンド数の少ない大当り(たとえば、5ラウンド大当り)としてもよい。また、たとえば、第1有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が定められていない大当り(次回の大当りまで確変状態や時短状態が継続する大当り)とし、第2有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が定められている大当りとしてもよい。また、たとえば、第1有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が多い大当りとし、第2有利状態を大当り遊技後の確変継続回数や時短継続回数が少ない大当りとしてもよい。
上記のように何らかの形式で、有利度が高い第1有利状態と有利度が低い第2有利状態とが設けられているものであればよい。
また、1つのケースであっても、複数の観点から有利または不利が区別されうる場合もある。たとえば、大当り種別として5R確変大当りと10R通常大当りとがある場合には、ラウンド数の観点から考えればラウンド数が多い10R通常大当りの方が有利であり、大当り遊技後の遊技状態の観点から考えれば大当り遊技後に確変状態に制御される5R確変大当りの方が有利である。この場合に、ラウンド数の観点を優先して、10R通常大当りを第1有利状態とし、5R確変大当りを第2有利状態としてもよいし、大当り遊技後の遊技状態の観点を優先して、5R確変大当りを第1有利状態とし、10R通常大当りを第2有利状態としてもよい。
上記の変形例において、さらに、報知演出として、特定期間において獲得した価値の大きさを報知する第1報知(大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出)と、特別期間において獲得した価値の大きさを報知する第2報知(連チャン中における大当り遊技中に賞球として払い出された賞球数を報知する賞球数報知演出)とを実行可能としてもよい。そして、第2報知よりも第1報知の優先度合いが高い(賞球数報知演出が実行中である場合には、累積賞球数報知演出は実行されない)ようにしてもよい。このようにすれば、複数の報知演出を好適に実行することができる。すなわち、複数の報知演出を優先順位に従って重複しないように実行することができ、複数の報知演出を好適に実行することができる。
また、上記の変形例において、さらに、一の開放遊技(本例では、大当り遊技)において、遊技媒体(本例では、遊技球)が上限入賞数(本例では、10個)よりも多く可変入賞手段(本例では、特別可変入賞球装置907(大入賞口))に入賞したことに基づいて、報知演出(オーバー入賞に対する報知演出)を実行可能である。また、上限入賞数よりも多い第1入賞数目(11個目)の入賞と第1入賞数目の入賞の次の入賞である第2入賞数目(12個目)の入賞とで異なる音出力チャンネルを用いて報知演出を実行する(11個目(オーバー入賞1個目)では再生チャンネルCh0にて第1報知演出を実行し、12個目(オーバー入賞2個目)では再生チャンネルCh1にて第2報知演出を実行する)ようにしてもよい。このようにすれば、上限入賞数よりも多い第1入賞数目の入賞と第1入賞数目の入賞の次の入賞である第2入賞数目の入賞とで異なるチャンネルで報知演出を実行できるため、遊技者の興趣の低下を防止することができる。また、短い間隔で上限入賞数よりも多い入賞が発生した場合であっても報知演出を実行することができる。
次に、以上に説明した変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した変形例では、報知演出の報知態様を所定条件が成立しているか否かにより異ならせるようにしてもよい。たとえば、報知演出の態様を複数種類の報知態様として、白色文字での報知演出と虹色文字での報知演出とが実行されるようにする。そして、大当り遊技中において、保留記憶バッファに大当り表示結果となる保留記憶があることに基づいて、通常白色文字で実行される報知演出を虹色文字で実行するようにしてもよい。このようにすれば、保留記憶バッファに大当り表示結果となる変動表示が記憶されていることを踏まえて報知演出の報知態様を決定することができ、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。なお、保留記憶バッファに大当り表示結果となる変動表示が記憶されているときは、100%の割合で報知演出が虹色文字で実行されるようにしてもよいし、所定の抽選割合(たとえば、50%の割合)で報知演出が虹色文字で実行されるようにしてもよい。また、このような場合に、1回の大当りにおいて複数回報知演出が実行される可能性があるが、その度に、虹色文字にするか否かの抽選が実行されるようにしてもよい。また、一度に虹色文字による報知演出が実行されると、それ以降の報知演出は虹色文字により実行されるようにすればよい。
(2) 前述した変形例では、大当り遊技中において、通常大当りから確変大当りへの昇格演出を実行するようにしてもよい。そのような場合には、昇格演出を実行するラウンドにおいて報知演出が実行されるときに、報知演出の態様を通常の態様とは異なる態様にしてもよい。
(3) 前述した変形例では、大当りの種類を複数種類設けてもよい。そして、大当りの種類により報知演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、大当りの種類として、4R大当り、8R大当り、15ラウンド大当りを設け、各大当りの種類により、報知演出の報知態様が異なるようにしてもよい。
(4) 前述した変形例では、獲得総数表示の表示に対し上限値を設けるようにしてもよい。そして、当該上限値まで遊技球を獲得した場合には、獲得総数表示の更新を停止するようにしてもよい。たとえば、10万個を上限値と設定した場合において、遊技球の獲得総数が10万個を超えた場合には、Aモードでの獲得総数表示画像90205やBモードでの獲得総数表示画像90215の表示画像の更新が停止されるようにすればよい。このようにすれば、遊技者が大量の遊技球を獲得できたことを更新を停止することで報知することができ、遊技者に優越感を与えることができる。なお、上限値に到達した場合には、獲得総数表示を通常の表示態様とは異なる態様に変更するようにしてもよい。
(5) 前述した変形例では、報知演出の態様を獲得した遊技球の総数によって変化させるようにしてもよい。たとえば、Bモードが選択されている場合において、遊技球の獲得総数が2500個となったときは、第2報知画像90214を白色文字の画像で表示し、遊技球の獲得総数が5000個となったときは、第2報知画像90214を赤色文字の画像で表示し、遊技球の獲得総数が10000個となったときは、第2報知画像90214を虹色文字の画像で表示してもよい。このようにすれば、獲得総数に合わせて報知態様が変化し、大当り遊技中の遊技の興趣を向上させることができる。なお、Aモードの場合も遊技球の獲得総数に応じて報知態様が異なるようにしてもよい。このような場合には、2500個、5000個、10000個などの区切りのよい数字のときにのみ、報知態様が異なるようにしてもよいし、500個毎に報知態様が異なるようにしてもよい。
(6) 前述した変形例では、遊技球の獲得総数が所定値を超えることにより、報知演出の態様が異なるようにしてもよい。たとえば、遊技球の獲得総数が所定値を超えると報知演出を実行しないようにしてもよいし、異なる概念の表示が行なわれるようにしてもよい。より具体的には、遊技球の獲得総数が所定値を超えた後は、報知画像を表示しないようにしてもよい。また、遊技球の獲得総数が所定値を超えた後は、「おめでとう!」のような、獲得総数の表示と異なる概念の表示(所定値を達成したことを祝うような表示等)として数字から文字に変化する表示による報知演出が実行されるようにしてもよい。
(7) 前述した変形例では、演出状態により(AモードまたはBモードにより)報知演出の態様として表示画像が異なる場合を示した。このような表示画像としては、文字の色が異なるようなものでもよいし、文字のフォントが異なるようにしてもよいし、文字の見せ方が異なるようにしてもよい。文字の見せ方が異なるとは、たとえば、文字(数字)の出現方向が画像表示装置905の表示画面の左から出てくるものと右から出てくるものとで異なるようにしてもよい。
(8) 前述した変形例では、報知演出を実行するときの画像が別々の素材から構成されるようにしてもよい。たとえば、Aモードが選択された場合において、第1報知画像90204と女の子画像90203とが、別素材で構成されていてもよい。このようにすれば、表示させる画像を別々に設定することができる。そして、表示のさせ方として、たとえば、抽選により、いずれの画像の組合せで表示するかが決定されるようにしてもよい。このような場合に、同じ所定の画像が連続して表示されないように、制限をかけるようにしてもよい。
(9) 前述した変形例では、図78(a)に示すようなモードの選択中は、遊技球の獲得総数が所定の値を超えたとしても報知演出を実行しないようにしてもよい。また、このような場合には、報知演出が実行されることをRAM90122の記憶領域に記憶し、モードの選択終了後に遊技球の獲得総数が所定の値を超えたことが報知されるようにしてもよい。また、モードの選択中に遊技球の獲得総数が所定の値を超えた場合には、報知演出を実行しないようにしてもよい。
(10) 前述した変形例では、1ラウンド目においてAモードとBモードとの選択が可能である場合を示した。しかし、大当り遊技中は、常にAモードとBモードとの選択ができるようにしてもよい。その場合に、2ラウンド目以降においては、選択表示が画像表示装置905の表示画面の領域を大幅に占めることによりラウンド中の演出の妨げにならないように、表示画面の端の領域に選択可能であることを小さく表示するようにしてもよい。
(11) 前述した変形例では、1ラウンド目においてAモードとBモードとの選択が可能である場合を示した。しかし、特殊条件の成立により、遊技者によるモードの選択が不可能となるようにしてもよい。たとえば、大当り毎のラウンド中に何らかのストーリーが継続して表示されるものにおいて、大当りが20回連続したことに基づいて、ストーリーのエンディングが表示されることを特殊条件の成立とする。この場合に、エンディングが表示される20回目の大当り中は、モードの選択が不可能としてもよい。また、エンディングが表示される20回目の大当り中は、報知演出を実行しないようにしてもよいし、報知演出のための小窓画像をエンディングが表示される領域とは異なる領域に表示し当該領域で報知演出が実行されるようにしてもよい。また、報知演出の態様を遊技者が選択できる大当りと遊技者が選択できない大当り(特殊条件での大当り)とで、異ならせるようにしてもよい。
(12) 前述した変形例では、遊技者にとって有利な大当りであるか不利な大当りであるかにより、報知演出の実行の有無を決定するようにしてもよい。たとえば、遊技者に有利な大当りである確変大当りの場合には、報知演出を実行し、遊技者にとって不利な大当りである通常大当りの場合には、報知演出を実行しないようにしてもよい。
(13) 前述した変形例では、報知演出のためにカウントされる遊技球は、遊技球の入賞に対して払出されるものについて説明した。しかし、遊技領域に打込んでアウト口に取込まれた遊技球を払出される遊技球から差し引いた差球数を報知演出のためにカウントされる遊技球としてもよい。このようにするには、たとえば、打球の発射位置に発射センサを設けるとともに、アウト口に取込まれた遊技球をカウント可能なアウト口センサを設ければよい。そして、大入賞口を含む各入賞センサ、発射センサ、および、アウト口センサを監視することで、差球数のカウントが可能とすればよい。
(14) 前述した変形例では、パチンコ遊技機901と、インターネット網に接続された管理サーバとを含む構成の遊技システムにおいて、パチンコ遊技機901と管理サーバとが2次元コード読み取り機能およびインターネット網への接続機能を備える携帯端末を介してデータのやり取りを行ない、パチンコ遊技機901において、携帯端末(たとえば携帯電話)を所有する遊技者の選択によって自身の過去の遊技履歴や遊技者が選択した演出モード(登場するキャラクタが異なるモード)等を反映させた遊技モードで遊技を行なうことが可能となる遊技モード(携帯連動モード)を実行できるようにしてもよい。このような場合に、携帯連動モードを実行しているか否かにより大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。また、遊技者が選択したモードの種類によって、大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(15) 前述した変形例では、異なる抽選の報知により大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。異なる抽選の報知とは、たとえば、大当り中に通常大当りから確変大当りとなることを報知する昇格演出において、1回の告知により確変昇格の有無を告知する完全告知モードと複数回の告知により確変昇格の有無を告知するチャンス告知モードとによる報知のようなものである。このような報知の違いを演出状態の違いとして、完全告知モードとチャンス告知モードとにより、大当り中の報知演出の態様が異なるようにしてもよい。
(16) 前述した変形例では、演出状態(演出モード)を大当り遊技中以外の遊技状態で変化可能としてもよい。たとえば、大当り遊技状態終了後の時短状態中に、演出状態を変化させることにより次回の大当り遊技中の報知演出の態様が変化するようにしてもよい。
上記実施の形態において、各種の決定が行われる「割合」や「確率」は、例えば70:30といった、各決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)にはならないように設定されてもよいし、少なくともいずれかの決定結果となる可能性が0%(決定されることがない)や100%(必ず決定される)となるように設定されてもよい。例えば、各種の決定を行う場合において、複数の決定結果のうちいずれか1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなることには、1の決定結果とする割合が100%となることが含まれてもよいし、他の決定結果とする割合が0%となることが含まれてもよい。1の決定結果とする割合が100%となるときには、他の決定結果とする割合が0%となる。また、他の決定結果とする割合が0%となるときには、1の決定結果とする割合が100%以外でも0%でない所定割合であれば、1の決定結果とする割合が、他の決定結果とする割合よりも高くなる。
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板(サブ側)に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、主基板(メイン側)は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様(例えば前変動パターン)を示すコマンド(例えば前変動パターン指定コマンド)を送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様(例えば後変動パターン)を示すコマンド(例えば後変動パターン指定コマンド)を送信する様にしてもよい。
この場合、演出制御基板は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、主基板の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、先読み予告演出や保留記憶表示の表示態様(色や形状など)を異ならせてもよい。
また、図62に示すステップS90403の処理では、ステップS90402の処理にて選択された特図表示結果決定用テーブルデータを用いた判定を行う。このように、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かの判定に用いられる大当り判定範囲を示す大当り判定用データとして、遊技状態が確変状態(高確状態)ではないときに所定数の大当り判定値を含んだ通常判定用データと、遊技状態が確変状態であるときに所定数よりも多数の大当り判定値を含んだ特別判定用データとが設けられ、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態ではないときに通常判定用データを用いて可変表示結果を判定する一方、始動入賞が発生したときの遊技状態が確変状態であるときには特別判定用データを用いて可変表示結果を判定する。ここで、遊技状態が確変状態であるときに、始動入賞の発生に基づいて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1´を示す数値データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定されると判定するとともに、大当り種別決定用の乱数値MR2´を示す数値データを用いて大当り種別が「非確変」に決定されて大当り遊技状態の終了後には確変制御が行われないと判定したときには、その判定の対象となった可変表示における表示結果に基づき確変制御が終了するまでの期間内に発生した始動入賞に基づく先読み予告演出の実行を制限してもよい。これにより、確変制御が終了するにもかかわらず、確変状態に対応した特別判定用データを用いて可変表示結果が「大当り」に決定される旨の判定結果に基づく先読み予告演出が実行されてしまうことを防止して、演出内容の整合性を保つことができる。
上記実施の形態では、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。
その他にも、パチンコ遊技機901の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置905の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
加えて、この発明の遊技機は、遊技者に景品として遊技球が払い出され、遊技者は払い出された遊技球(貸し球の場合もある)を遊技領域に発射して遊技が行われる遊技機であったが、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点または遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にもこの発明を適用することができる。
即ち、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い表示結果を導出表示する可変表示手段を備え、当該可変表示手段に予め定められた特定表示結果が導出表示されたときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であるが、遊技得点が0でないときに遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技が行われ、遊技球の打ち込みに応じて遊技得点を減算し、遊技領域に設けられた入賞領域に遊技球が入賞することに応じて遊技得点を加算する遊技機にもこの発明を適用できる。そのような遊技機は、遊技得点の加算に使用可能な遊技用価値の大きさを特定可能な情報が記録された遊技用記録媒体を挿入するための遊技用記録媒体挿入口と、遊技用記録媒体挿入口に挿入された遊技用記録媒体に記録されている記録情報の読み出しを行う遊技用記録媒体処理手段を備えていてもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記実施の形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し(大当り種別などで特定すればよい。)、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
この発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機901に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、この発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。