JP6767405B2 - 遊技機 - Google Patents

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本発明は、パチンコ遊技機やスロット機等の遊技機に関する。
遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定の入賞価値を遊技者に与えるように構成されたものがある。さらに、識別情報を可変表示(「変動」ともいう。)可能な可変表示手段が設けられ、可変表示手段において識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となった場合に、所定の遊技価値を遊技者に与えるように構成されたものがある(いわゆるパチンコ機)。
また、所定の遊技媒体を1ゲームに対して所定数の賭数を設定した後、遊技者がスタートレバーを操作することにより可変表示装置による識別情報の可変表示を開始し、遊技者が各可変表示装置に対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で識別情報の可変表示を停止し、全ての可変表示装置の可変表示を停止したときに導出された表示結果に従って入賞が発生し、入賞に応じて予め定められた所定の遊技媒体が払い出され、特定入賞が発生した場合に、遊技状態を所定の遊技価値を遊技者に与える状態にするように構成されたものがある(いわゆるスロット機)。
なお、入賞価値とは、入賞領域への遊技球の入賞に応じて賞球を払い出したり得点や景品を付与したりすることである。また、遊技価値とは、特定表示結果となった場合に遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球が入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になることである。
パチンコ遊技機では、始動入賞口に遊技球が入賞したことにもとづいて可変表示手段において開始される特別図柄(識別情報)の可変表示の表示結果として、あらかじめ定められた特定の表示態様が導出表示された場合に、「大当り(有利状態)」が発生する。なお、導出表示とは、図柄を停止表示させることである。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば16ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。以下、各々の大入賞口の開放期間をラウンドということがある。
そのような遊技機において、演出表示手段の表示制御を行う表示制御機能を有する制御手段を備え、制御手段の温度を監視するように構成されたものがある。例えば、特許文献1には、画像生成部の画像CPUの温度を検知する温度検知センサを備え、温度検知センサが検知した温度が第1閾値より低い第2閾値に達すると、耐熱限界温度に近いことが報知され、第1閾値に達すると画像出力装置に画像が出力されなくなることが記載されている。
特開2011−206468号公報(段落0055,0172,0176,0179)
しかし、特許文献1に記載された遊技機では、制御手段の表示制御機能の制限としては、第1閾値に達したときに画像の出力を停止する1段階の制限しか行っていない。そのため、表示制御機能を有する制御手段の熱対策としては不十分であった。
そこで、本発明は、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる遊技機を提供することを目的とする。
(手段A)本発明による遊技機は、遊技を行うことが可能な遊技機であって、演出表示手段の表示制御を行う表示制御機能を有する制御手段と、制御手段の温度を監視する温度監視手段と、を備え、制御手段は、表示制御機能として、演出表示手段における第1表示領域を用いた表示制御を行う第1表示制御機能と、演出表示手段における第1表示領域よりも大きい第2表示領域を用いた表示制御を行う第2表示制御機能と、を有し、制御手段の温度の上昇に応じて、表示制御機能を段階的に制限可能であり、第1段階において第2表示制御機能を制限し、第1段階より制御手段の温度が上昇した第2段階において第1表示制御機能を制限し、さらに、遊技枠に動作可能に設けられた可動体と、可動体の動作を制御する可動体制御手段と、可動体の動作を報知する報知演出を実行する報知演出手段とを備え、可動体制御手段は、報知演出に関連して可動体を動作させる第1パターンと、報知演出に関連せずに可動体を動作させる第2パターンとにより可動体の動作を制御し、第1パターンまたは第2パターンのいずれで可動体が動作されるかにより遊技者にとって有利な有利状態に制御される期待度が異なる、ことを特徴とする。
(手段1)本発明による遊技機は、遊技を行うことが可能な遊技機であって、演出表示手段(例えば、演出表示装置5)の表示制御を行う表示制御機能(例えば、VDP機能)を有する制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、制御手段の温度を監視する温度監視手段(例えば、温度センサ136)とを備え、制御手段の温度に応じて、表示制御機能を段階的に制限可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS101〜S118を実行し、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃となると第1制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃となると第2制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が95℃以上となると第3制限モードに移行する)、さらに、遊技枠に動作可能に設けられた可動体(第1上部役物9029L,第2上部役物9029R等)と、可動体の動作を制御する可動体制御手段と(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)、可動体の動作を報知する報知演出(図62に示す報知演出等)を実行する報知演出手段(演出表示装置909等)とを備え、可動体制御手段は、報知演出に関連して可動体を動作させる第1パターン(動作+報知の第1パターン等)と、報知演出に関連せずに可動体を動作させる第2パターン(動作のみの第2パターン等)とにより可動体の動作を制御し、第1パターンまたは第2パターンのいずれで可動体が動作されるかにより遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御される期待度が異なる(図63に示すように、通常遊技中においては、第1パターンが実行されたときの方が第2パターンが実行されたときよりも大当り期待度が高い等)ことを特徴とする。そのような構成によれば、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる。また、第1パターンまたは第2パターンのいずれで可動体が動作されるかにより有利状態に制御される期待度が異なるため、遊技枠に設けられた可動体を用いた演出の興趣を向上させることができる。
(手段2)手段1において、少なくとも第1制限モード(例えば、第1制限モード)および該第1制限モードよりも制限度合いが高い第2制限モード(例えば、第2制限モード)を含む複数種類の制限モードにより表示制御機能を制限可能である(例えば、図32(B)に示すように、第1制限モードでは演出表示装置5の表示画面において背景画像のみを消去し、図32(C)に示すように、第2制限モードでは演出表示装置5の表示画面においてさらに左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアにおける演出図柄表示も消去する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(手段3)手段2において、制御手段の温度が所定温度(例えば、60℃〜70℃)に達したことに応じて第1制限モードにより表示制御機能を制限可能であり、制御手段の温度が所定温度よりも高い特定温度(例えば、71℃〜94℃)に達したことに応じて第2制限モードにより表示制御機能を制限可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120AにおけるステップS102〜S112を実行する部分)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
(手段4)手段3において、制御手段の温度が特定温度よりも高い特別温度(例えば、95℃以上)に達したことに応じて、演出表示手段の表示制御を停止させる表示停止モードにより表示制御機能を制限可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS113〜S118を実行し、図32(D)に示すように、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知E1を除いて)を消去する)、制御手段の温度の特別温度からの低下に応じて、表示停止モードによる表示制御機能の制限を解除可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS152〜S157を実行し、第3制限モードに移行しているときに演出制御用CPU120の温度が90℃以下に下がると、第2制限モードに移行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、表示制御機能を有する制御手段の熱対策を強化できるとともに、表示停止モードへの移行後に表示停止モードから自動的に復旧することができる。
(手段5)手段2から手段4のうちのいずれかにおいて、第1制限モードにより表示制御機能を制限する場合に、一部の演出を実行しないように制御する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、演出表示装置5の表示画面において背景画像を消去したり、スケーラ機能を停止した状態で画像表示したりする)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、制御手段の温度に応じた適切な表示制御を実現することができる。
(手段6)手段2から手段5のうちのいずれかにおいて、制限モードの種類に応じて音出力を制限可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、第1制限モードでは演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力を制限し、第2制限モードや第3制限モードでは演出図柄の変動表示に関する音出力を全く行わない)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、表示制御と音出力との演出の不一致を防止することができる。
(手段7)手段1から手段6のうちのいずれかにおいて、遊技の進行に関する情報を発光体(例えば、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B)を発光させることにより表示制御する発光表示制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120AにおけるステップS251〜S253を実行する部分)を備え、発光表示制御手段は、制限態様によらず共通に発光体を発光させる表示制御を可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、温度異常にもとづくいずれかの制限モードに移行されているか否かに関係なく、第1飾り図柄表示器5Aにおける第1飾り図柄の変動表示や第2飾り図柄表示器5Bにおける第2飾り図柄の変動表示を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技の進行状況を適切に報知することができる。
(手段8)手段1から手段7のうちのいずれかにおいて、制御手段の温度に応じた温度異常を報知可能な異常報知手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS105,S110,S116を実行し、図32(B)〜(D)に示すように、第1温度異常報知E1〜第3温度異常報知E3を表示する)を備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、制御手段の温度に応じた適切な報知を行うことができる。
(手段9)手段1から手段8のうちのいずれかにおいて、制御手段を冷却するための冷却手段(例えば、冷却ファン142)と、制御手段の温度に応じて冷却手段の動作態様を変更可能な冷却態様変更手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS104,S109,S115を実行し、第1制限モードでは冷却ファン142を低速動作させ、第2制限モードでは冷却ファン142を中速動作させ、第3制限モードでは冷却ファン142を高速動作させる)とを備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる。
(手段10)手段1から手段9のうちのいずれかにおいて、制御手段(例えば、演出制御用CPU120)が設けられた第1基板(例えば、演出制御基板12)と、演出制御に関連する演出情報(例えば、各種画像データ)を記憶する記憶手段(例えば、CGROM141)が設けられた第2基板(例えば、演出制御用中継基板16A)とを備え、記憶手段には、あらかじめ認証情報が記憶され(例えば、CGROM141には、認証データが記憶されている)、制御手段は、記憶手段に記憶されている認証情報にもとづいて認証処理を実行可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS50Bを実行し、CGROM141から読み出した認証データとROM135に記憶されている認証データとを照合して認証処理を行う)、認証処理にて認証成功となったことにもとづいて、演出制御を実行可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS50CでYのときにステップS51以降の処理に移行し、認証に成功したことにもとづいて初期演出データ転送処理(S51D)を含む各種演出制御の処理を実行する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、制御手段が設けられた基板と記憶手段が設けられた基板との間で適正な接続関係を確保することができる。
(手段11)手段10において、制御手段は、記憶手段に記憶されている演出情報の転送処理(例えば、初期演出データ転送処理(ステップS51D))を実行可能であり、認証処理にて認証成功となったことにもとづいて、転送処理を実行可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS50CでYのときにステップS51Dを実行可能であり、認証に成功したことにもとづいて初期演出データ転送処理(S51D)を実行可能である)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、適正な演出情報の転送処理を実行することができる。
(手段12)手段10または手段11において、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100)を備え、遊技制御手段は、遊技機への電源供給が開始されたことを示す電源開始コマンド(例えば、電源投入指定コマンド)および電断状態から復旧したことを示す電断復旧コマンド(例えば、停電復旧指定コマンド)を出力可能であり、制御手段は、電源開始コマンドまたは電断復旧コマンドを入力したことにもとづいて認証処理を実行可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS50AでYのときステップS50Bを実行可能であり、電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信したことにもとづいて認証処理を実行可能である)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技制御手段側が正常に起動したことにもとづいて認証処理を実行することができる。
(手段13)手段10または手段11において、制御手段は、電源電圧を監視可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、図48に示す変形例において、電源監視回路(図示せず)からの検出信号にもとづいて電源電圧が所定値に達したか否かを確認する)、電源電圧が所定値に達したことにもとづいて認証処理を実行可能である(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、図48に示す変形例において、ステップS50XでYのときステップS50Bを実行可能であり、電源電圧が所定値に達したことにもとづいて認証処理を実行可能である)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、制御手段自身の電源電圧が確保できたことにもとづいて認証処理を実行することができる。
(手段14)手段10から手段13のうちのいずれかにおいて、認証処理にて認証失敗となったことにもとづいて、演出表示手段に認証失敗となったことを報知する認証失敗報知手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aにおける認証エラー報知処理(ステップS50D)を実行する部分)を備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、制御手段が設けられた基板と記憶手段が設けられた基板との間の接続関係を確保できなかったことを報知することができる。
(手段15)手段10から手段14のうちのいずれかにおいて、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100)を備え、第2基板には、遊技制御手段に接続するための接続部(例えば、コネクタ16Z)と、複数の演出手段(例えば、演出表示装置5、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B、各LED9a〜9e、スピーカ8L,8R、可動部302、可動部材321など)を接続するための接続部(例えば、コネクタ16S)とが設けられているように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技機の機種単位で第2基板を設計すればよいので、遊技機の異なる機種間で第1基板の共通化を図ることができ、遊技機の開発コストおよび製造コストを低減することができる。
(手段16)手段1から手段15のうちのいずれかにおいて、電気部品(例えば、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、可動部302を回動させるための第1演出用モータ303、可動部材321をスライドさせるための第2演出用モータ330)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、制御手段からの制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力するとともに、入力された制御信号を出力可能な出力手段(例えば、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413c)とを備え、出力手段は、制御信号を入力してから所定期間(例えば、1秒)経過後に特定信号の出力を停止する停止機能(例えば、タイムアウト機能)を有し(例えば、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図11参照。)、優先順位が設定された複数層(例えば、図33に示すレイヤ1〜レイヤ5)を有するデータ設定領域(例えば、図33に示す制御用データ領域)を備え、データ設定領域の各層に、少なくとも電気部品のうちの発光体(例えば、LED9a〜9e)の発光制御を行うための発光データ(例えば、LED9a〜9eを発光させるための制御データ)を設定可能であり、制御手段は、発光データにもとづいて発光体の発光制御を行うことが可能であり(例えば、演出制御用CPU120は、図33に示す制御用データ領域に設定されている制御データを各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力する)、データ設定領域の複数の層に発光データが設定されている場合に、優先順位が高い層に設定されている発光データにもとづいて発光体の発光制御を行う(例えば、演出制御用CPU120は、複数のレイヤに制御データが設定されている場合には、その中で優先順位が最も高い値が割り当てられているレイヤに設定された制御用データを各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力する)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、電気部品を安定して制御することができる。
(手段17)手段16において、電気部品(例えば、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、可動部302を回動させるための第1演出用モータ303、可動部材321をスライドさせるための第2演出用モータ330)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力するとともに、入力された制御信号を出力可能な複数の出力手段(例えば、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413c)とを備え、複数の出力手段のそれぞれは、入力した制御信号を出力するときの出力状態が所定態様により波形が立ち上がるように構成されている(例えば、全てのシリアル−パラレル変換回路について、それぞれスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されているようにしてもよい)ように構成してもよい。そのような構成によれば、ノイズ耐性を考慮しつつ設計を簡略化することができる。
(手段18)手段16において、電気部品(例えば、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、可動部302を回動させるための第1演出用モータ303、可動部材321をスライドさせるための第2演出用モータ330)を制御するための制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(例えば、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力するとともに、入力された制御信号を出力可能な複数の出力手段(例えば、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413c)とを備え、複数の出力手段のそれぞれは、入力した制御信号を出力するときの出力状態が所定態様よりも緩やかに波形が立ち上がるように構成されている(例えば、全てのシリアル−パラレル変換回路について、それぞれスルー出力が低スルーレートの出力に設定されているようにしてもよい)ように構成してもよい。そのような構成によれば、ノイズ耐性を考慮しつつ設計を簡略化することができる。
(手段19)手段16から手段18のうちのいずれかにおいて、出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、所定態様により波形が立ち上がる第1出力状態(例えば、通常のスルーレートの出力状態(図12(1)参照))と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(例えば、低スルーレートの出力状態(図12(2)参照))とのいずれかの出力状態に設定可能である(例えば、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される(図11参照))ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、使用環境に応じた設定変更が可能となり、設定に応じて、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
(手段20)手段16から手段19のうちのいずれかにおいて、出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部(例えば、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11)からパラレル通信方式による特定信号(例えば、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力し(例えば、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、図14に示すように、1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けされている。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けされている。)、特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なる(例えば、図14に示すように、ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号の出力タイミングがグループごとに分散されている)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、基板からの電波放射をより一層抑制することができる。
(手段21)手段20において、動作を行う可動部材(例えば、可動部302、可動部材321)を備え、可動部材を動作させる駆動手段(例えば、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)は、出力手段の同一グループの特定信号出力部から出力される特定信号にもとづいて駆動される(例えば、図16に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続される)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、基板からの電波放射を抑制しつつ、駆動手段の駆動精度の低下を抑制することができる。
(手段22)手段16から手段21のうちのいずれかにおいて、制御信号を継続して出力するための制御信号継続手段(例えば、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cの点灯制御を継続して実行したり、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動制御を継続して実行したりするように制御している)を備えるように構成されていてもよい。そのような構成によれば、出力手段の停止機能に対応した制御を実現することができる。
(手段23)手段16から手段22のうちのいずれかにおいて、出力手段は、停止機能を有効または無効に設定可能である(例えば、T端子をL(ロー)に設定することによってタイムアウト機能が無効状態に設定され、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図11参照。)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、用途に応じた出力手段の停止機能の設定変更が可能となり、部品共通化によりコストを削減することができる。
(手段24)手段16から手段23のうちのいずれかにおいて、データ設定領域の各層には、遊技状態に応じて異なる発光データが設定されている(例えば、図33に示すように、遊技状態が低ベース状態、高ベース状態または大当り状態のいずれであるかに応じて、レイヤ1〜5に設定される制御データの組み合わせが異なっている)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技状態に応じた優先順位により発光体の発光制御を行うことができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
(手段25)手段24において、データ設定領域の各層のうち最も高い優先順位が設定された層には、遊技状態に関係なくエラー報知に応じた発光体の発光制御を行うための発光データが設定されている(例えば、図33に示すように、最も優先順位が高いレイヤ5には、遊技状態に関係なくエラー報知に応じた制御データが設定される)ように構成されていてもよい。そのような構成によれば、遊技状態に関係なくエラー報知を優先して発光体の発光制御を行うことができる。
また、後述する発明を実施するための形態には、以下の(手段26)〜(手段32)に係る発明が含まれる。従来より、遊技機において、特開2016−67423号公報に示されているような、遊技枠に設けられた可動体(役物)が動作する際に、可動体の動作を液晶表示装置の画面上で報知するものがあった。しかしながら、上記した従来の遊技機では、遊技枠に設けられた可動体が動作することを報知する態様の演出しか設けられていなかったので、遊技枠に設けられた可動体を用いた演出の興趣を十分に向上することができなかった。この点に鑑み、遊技枠に設けられた可動体を用いた演出の興趣を向上させることのできる遊技機の提供が求められている。
(手段26)上記目的を達成するため、別態様による遊技機は、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、遊技枠に動作可能に設けられた可動体(第1上部役物9029L,第2上部役物9029R等)と、可動体の動作を制御する可動体制御手段と(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)、可動体の動作を報知する報知演出(図62に示す報知演出等)を実行する報知演出手段(演出表示装置909等)とを備え、可動体制御手段は、報知演出に関連して可動体を動作させる第1パターン(動作+報知の第1パターン等)と、報知演出に関連せずに可動体を動作させる第2パターン(動作のみの第2パターン等)とにより可動体の動作を制御し、第1パターンまたは第2パターンのいずれで可動体が動作されるかにより遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御される期待度が異なる(図63に示すように、通常遊技中においては、第1パターンが実行されたときの方が第2パターンが実行されたときよりも大当り期待度が高い等)。
このような構成によれば、第1パターンまたは第2パターンのいずれで可動体が動作されるかにより有利状態に制御される期待度が異なるため、遊技枠に設けられた可動体を用いた演出の興趣を向上させることができる。
(手段27)手段26において、第2パターンよりも第1パターンで可動体が動作した場合の方が有利状態に制御される期待度が高い(図63に示すように、通常遊技中においては、第1パターンが実行されたときの方が第2パターンが実行されたときよりも大当り期待度が高い等)。
このような構成によれば、第1パターンが実行されることに対する期待感を高めることができる。
(手段28)手段26または手段27において、可動体制御手段は、第1パターンと第2パターンとで可動体を類似または同じ動作で制御する(第1パターンと第2パターンとで上部役物を同じ動作とする等)。
このような構成によれば、可動体を動作させるときの制御の負担を軽減することができる。
(手段29)手段26から手段28のうちのいずれかにおいて、報知演出手段は、可動体が動作していることを示す態様の報知を行なう(図62に示すように、演出表示装置909の画面において、上部役物が動作していることを示す報知画像9096を表示する等)。
このような構成によれば、可動体を動作していることを確実に遊技者に報知することができる。
(手段30)手段26から手段29のうちのいずれかにおいて、 第1状態(通常状態等)と、当該第1状態よりも有利状態に制御されやすい第2状態(高ベース状態、確変状態等)とに制御可能な状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ90560等)をさらに備え、可動体制御手段は、第2状態において有利状態に制御されることが確定しているときには、第2パターンにより可動体の動作を制御する(図63に示すように、高ベース中において大当り遊技状態に制御されるときには、第2パターンにより上部役物を動作させる等)。
このような構成によれば、有利状態に制御されやすい第2状態では、第2パターンにより可動体の動作を制御することによって無駄な演出の実行を抑制することができる。
(手段31)手段26から手段30のうちのいずれかにおいて、遊技枠に設けられ、可動体の動作に応じた演出を実行する演出手段(枠LED9028等)をさらに備え、報知演出手段は、演出手段による演出を含めずに報知演出を実行する(図62に示すように、演出表示装置909の画面において、上部役物が動作していることを示す報知画像9096を表示する際に枠LED9028による演出は表示しない等)。
このような構成によれば、演出手段による演出を含めずに報知演出が実行されるので、当該報知演出による可動体の動作をより目立たせることができる。
(手段32)手段26から手段31のうちのいずれかにおいて、可動体は、原点位置と該原点位置から離れた位置との間で動作可能に設けられ(図50に示すように、上部役物は、角度0度と角度90度との間で動作可能である等)、可動体を動作させるための駆動手段(第1上部役物モータ9030L,第2上部役物モータ9030R等)をさらに備え、可動体制御手段は、原点位置に可動体を位置させるための第1動作制御(演出制御用マイクロコンピュータ90100による非検出時動作制御や検出時動作制御等)と、可動体が正常に動作可能であることを確認するための第2動作制御(演出制御用マイクロコンピュータ90100による実動作確認用動作制御等)と、可動体による演出を行うための第3動作制御(演出制御用マイクロコンピュータ90100による図柄の変動表示を実行している期間や大当り遊技状態における上部役物演出を実行する制御等)とを行なうことが可能であり、第2動作制御においては、第1速度と該第1速度よりも速い第2速度との範囲内で可動体が動作するように制御し(実動作確認用動作制御を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で上部役物が動作するように制御する等)、第1動作制御においては、第2動作制御における第1速度以下の速度で可動体が動作するように制御する(非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)で上部役物が動作するように制御する等)。
このような構成によれば、第1動作制御において、可動体はいかなるタイミングでも停止可能な速度で動作するため、安全に原点位置に位置させることができる。
パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示すブロック図である。 演出制御基板および演出制御用中継基板の回路構成例を示すブロック図である。 演出制御用マイクロコンピュータの構成例を示すブロック図である。 演出制御基板において映像信号を出力する機構の例を示す構成図である。 映像信号出力設定レジスタの構成例を示す図である。 複数の画像表示装置を備える場合の変形例を示す構成図である。 駆動制御基板の構成例、および盤側LEDの点灯制御を行うための発光体制御基板の構成例を示す図である。 天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体制御基板の構成例を示す図である。 シリアル−パラレル変換回路の構成を示すブロック図である。 図10に示すシリアル−パラレル変換回路に設けられている各入出力端子を説明するための説明図である。 クロック信号およびデータのスルー出力のスルーレート設定を説明するための説明図である。 制御データフォーマットを説明するための説明図である。 シリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子からの信号の出力タイミングを説明するための説明図である。 シリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。 シリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。 シリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。 変形例におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。 変形例におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。 変形例におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。 遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 温度制限処理を示すフローチャートである。 温度制限復帰処理を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。 コマンド解析処理の具体例を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出図柄変動開始処理を示すフローチャートである。 小図柄プロセス処理を示すフローチャートである。 飾り図柄プロセス処理を示すフローチャートである。 温度異常にもとづく制限モードに移行しているときの演出表示装置の表示態様を説明するための説明図である。 制御用データ領域の一例を示す図である。 LED制御例を示すタイムチャートである。 LED制御例を示すタイムチャートである。 演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。 演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。 制御中メモリ検査処理の一例を示すフローチャートである。 制御中演出データ転送処理の一例を示すフローチャートである。 メモリ検査処理の一例を示すフローチャートである。 演出データメモリにおける記憶領域の構成例を示す図である。 動画像データの構成例などを示す図である。 動画像再生制御例を示すシーケンス図である。 動画像再生制御例を示すシーケンス図である。 動画像再生制御例を示すシーケンス図である。 始動入賞報知制御例を示すシーケンス図である。 始動入賞報知制御例を示すシーケンス図である。 演出制御メイン処理の変形例を示すフローチャートである。 パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。 上部役物の動作を説明するための図である。 当り種別表を示す図である。 主基板(遊技制御基板)における回路構成の一例を示すブロック図である。 各乱数を示す説明図である。 大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。 変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。 演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。 タイマ割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。 演出制御メイン処理を示すフローチャートである。 上部役物設定処理を示すフローチャートである。 演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。 上部役物演出の一例を示すための図である。 上部役物演出決定テーブルを示す図である。 演出設定処理を示すフローチャートである。 非検出時動作制御と検出時動作制御と実動作確認用動作制御の動作例を示す説明図である。 非検出時動作制御と検出時動作制御と実動作確認用動作制御の動作速度例を示す説明図である。
[パチンコ遊技機の構成]
本発明に係る遊技機を実施するための形態を以下に説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。なお、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。なお、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」や「第1特別図柄」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」や「第2特別図柄」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、表示手段としての演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
また、この実施の形態では、演出表示装置5の表示画面の左上端部に、演出図柄を縮小した態様の「左」、「中」、「右」の小図柄(本例では、「1」〜「8」の図柄)の変動表示も実行される。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aおよび第2保留表示器25Bのそれぞれでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶情報の個数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4Aでは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第1始動入賞に基づいて発生した保留記憶情報(第1保留記憶情報)の個数を特定可能な第1特図保留記憶数がLEDの点灯(点灯個数)により表示される。第2保留表示器25Bでは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第2始動入賞に基づいて発生した保留記憶情報(第2保留記憶情報)の個数を特定可能な第2特図保留記憶数がLEDの点灯(点灯個数)により表示される。
演出表示装置5の表示領域における下部の左右2箇所には、第1保留表示エリア5D、第2保留表示エリア5Uが設定されている。第1保留表示エリア5Dでは、第1始動入賞に基づいて発生した第1保留記憶情報の個数を特定可能な第1特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。第2保留表示エリア5Uでは、第2始動入賞に基づいて発生した第2保留記憶情報の個数を特定可能な第2特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。
第1保留表示エリア5Dにおいては、第1保留記憶情報が発生するごとに左側に保留画像が増加する態様で保留画像Hが表示されていき、第1保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第1保留記憶情報に対応する右端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像Hが1つずつ右方向にシフトする表示が行なわれる。第2保留表示エリア5Uにおいては、第2保留記憶情報が発生するごとに右側に保留画像Hが増加する態様で保留画像が表示されていき、第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第2保留記憶情報に対応する左端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像が1つずつ左方向にシフトする表示が行なわれる。
第1保留表示エリア5Dおよび第2保留表示エリア5Uのそれぞれから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)AHを表示するアクティブ表示エリアAHAが保留表示エリアの中央部に形成される。アクティブ表示エリアAHAにおいては、第1保留表示エリア5Dまたは第2保留表示エリア5Uにおいて表示されていた保留画像Hが、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像AHが表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置5における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリア5Dと第2保留表示エリア5Uとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
第1保留表示エリア5Dおよび第2保留表示エリア5Uのそれぞれにおいて表示された保留画像Hについては、対象となる保留記憶情報の変動表示が実行される以前に保留表示の態様を変化させる保留表示態様変化演出が実行される場合がある。保留表示態様変化演出においては、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。
たとえば、保留画像Hの色としては、青色、緑色、および、赤色に変化可能である。保留表示態様変化演出は、所定の割合で実行することが決定され、演出対象の保留記憶情報に基づく変動表示結果が大当り表示結果となるときには、青色<緑色<赤色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定され、一方、当該変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、赤色<緑色<青色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定される。これにより、保留表示態様変化演出が実行されたときにおける変化後の保留画像Hの色に基づく大当りへの期待度は、青色<緑色<赤色という関係の割合となるように設定されている。したがって、保留表示態様変化演出が実行されたときには、変化後の保留画像の色に基づいて、遊技者の大当りへの期待感を盛上げることが可能となる。
また、アクティブ画像AHについても、保留画像Hと同様に、表示態様変化演出が実行され、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。そのようなアクティブ表示の表示態様変化演出についても、保留表示態様変化演出と同様の選択割合で、大当りへの期待度が特定可能な態様で、変化後の色または形状等の表示態様が決定される。なお、アクティブ表示については、表示態様変化演出を実行しなくてもよい。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
特別可変入賞球装置7の左方には、第1特別図柄の変動表示に同期して第1飾り図柄の変動表示が行われる第1飾り図柄表示器5Aが設けられている。また、特別可変入賞球装置7の右方には、第2特別図柄の変動表示に同期して第2飾り図柄の変動表示が行われる第2飾り図柄表示器5Bが設けられている。第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bは、それぞれ上下に配置された2個のランプ(または、LED)によって構成され、第1特別図柄の変動表示に同期して、これらの2個のランプ(または、LED)が点滅表示することによって第1飾り図柄や第2飾り図柄の変動表示が実行される。そして、大当り図柄で停止表示される場合には、これら2個のランプ(または、LED)が点灯した状態で変動表示を終了し、はずれ図柄で停止表示される場合には、これら2個のランプ(またはLED)が消灯した状態で変動を終了する。
なお、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bの変動表示の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、上下に設けられたランプ(またはLED)が交互に点灯および消灯を繰り返すことによって変動表示を行うものであってもよい。
また、例えば、第1飾り図柄表示器5Aや第2飾り図柄表示器5Bとして、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に、7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される表示器を設けるように構成してもよい。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の外周には、前面枠に設けられた天枠LED9a、左枠LED9b、および右枠LED9cが設けられている。この実施の形態では、前面枠のうちの上方に天枠LED9aが設けられ、前面枠のうちの左方に左枠LED9bが設けられ、前面枠のうちの右方に右枠LED9cが設けられている。また、遊技盤2にも盤側LED9d,9eが設けられている。この実施の形態では、遊技盤2の左方に盤側LED9dが設けられ、遊技盤2の右方に盤側LED9eが設けられている。なお、パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態(有利状態)に制御される。
本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。なお、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
なお、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eなどの発光体における点灯動作(点滅動作)、可動部材321の動作などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」、「大当り信頼度」、「期待度」、または、「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。なお、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「5」または「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「5」及び「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、本実施の形態では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。なお、本実施の形態では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
なお、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12と各演出手段との間で伝送される各種の制御信号を中継するための演出制御用中継基板16A、駆動制御基板16B、および発光体制御基板16C〜16Fなども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御用中継基板16Aを介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出制御用中継基板16Aを介して演出表示装置5、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B、スピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部302、可動部材321といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音出力動作の全部または一部、遊技枠側に設けられている天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9c、遊技盤2側に設けられている盤側LED9d,9eの点灯/消灯動作の全部または一部、可動部302や可動部材321の動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。また、演出制御基板12は、演出制御用中継基板16Aを介して、演出制御用マイクロコンピュータ120Aや各制御回路を冷却するための冷却ファン142が接続されている。
演出制御基板12には、演出制御用中継基板16Aを介して演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bに対して点灯信号を伝送するための配線、音声制御基板13に対して音声信号(効果音信号)を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御用中継基板16Aを介して駆動制御基板16Bや発光体制御基板16C、発光体制御基板16Dに各種信号を伝送するための配線も接続されている。
駆動制御基板16Bに伝送される情報信号は、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330の駆動により可動部302や可動部材321を動作させるための指令や制御データを示す駆動制御信号を含んでいればよい。
発光体制御基板16Cに伝送される情報信号は、盤側LED9d,9eとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
発光体制御基板16Dに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の左方に左枠LED9bとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板16Eに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の上方に天枠LED9aとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板16Fに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の右方に右枠LED9cとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
また、この実施の形態では、図2に示すように、発光体制御基板16Dに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120Aから演出制御用中継基板16Aのみを中継して伝送される。また、発光体制御基板16Eに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120Aから演出制御用中継基板16Aに加えて発光体制御基板16Dを中継して伝送される。さらに、発光体制御基板16Fに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120Aから演出制御用中継基板16Aに加えて発光体制御基板16Dおよび発光体制御基板16Eを中継して伝送される。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
演出制御用中継基板16Aは、遊技盤2の裏面に取り付けられた裏パックなどに設置され、主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される各種信号を中継したり、演出制御基板12から駆動制御基板16Bや発光体制御基板16C、発光体制御基板16Dに向けて伝送される各種信号を中継したりする。裏パックは、遊技盤2の裏面側の中央部分に取り付けられ、その中央には演出表示装置5が臨む開口が形成されていればよい。裏パックは、主基板11や音声制御基板13、駆動制御基板16B、発光体制御基板16Cなどを、後方から覆うように設けられてもよい。裏パックの後面側には、演出制御基板12が収容された演出制御基板ボックスが取り付けられてもよい。
また、演出制御用中継基板16Aには、演出表示装置5に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのCGROM141が搭載されている。
CGROM141は、演出表示装置5における表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶している。CGROM141が記憶する画像データには、静止画像データと動画像データとが含まれていればよい。静止画像データとして、演出表示装置5の画面上において可変表示される複数種類の演出図柄といった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データとなるスプライト画像データが用意されていればよい。また、演出表示装置5の画面上に表示されるキャラクタ、具体的には、人物、文字、図形や記号など、および背景画像の画像データが、予めCGROM141に記憶されていればよい。画像データの他にも、CGROM141には、スピーカ8L、8Rによる音声出力に用いられる音声データの一部または全部が記憶されていればよい。CGROM141には、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDなどに対する点灯駆動に用いられるランプ駆動データの一部または全部が記憶されていればよい。CGROM141には、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330に対する回転駆動に用いられるモータ駆動データの一部または全部が記憶されていればよい。CGROM141は、例えばNAND型フラッシュメモリといった、電気的に消去や書込あるいは書換などが可能な不揮発性の半導体メモリであればよい。ただし、パチンコ遊技機1における演出の進行が制御される通常使用の状態では、CGROM141は読出専用の記憶装置として使用される。演出制御用CPU120は、VDP機能を用いて、例えば512バイトのセクタがデータ転送の最小単位である場合に、512バイトの整数倍のサイズのデータを、CGROM141から読出可能であればよく、CGROM141に対して書込可能であればよい。
なお、この実施の形態では、CGROM141がNAND型フラッシュメモリによって構成される場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、NOR型フラッシュメモリなど他のメモリ素子によって構成されてもよい。
演出制御用CPU120は、VDP機能を用いて、セクタデータをCGROM141から読み出し、読み出したセクタデータに対し、エラー検出やエラー訂正を行うことができればよい。セクタデータのエラー検出では、エラービット数やエラービット位置を特定する。このときには、エラー訂正が可能か否かを判定する。エラー訂正が可能な場合には、エラー訂正を実行して、セクタデータをVRAM126などに転送して格納できればよい。CGROM141には、消去単位ブロックの管理情報が記憶されていればよい。消去単位ブロックは、CGROM141の記憶データを消去する場合の消去単位である。消去単位ブロックの管理情報は、各消去単位ブロックにおいて実行された消去処理の回数を示す情報を含んでいればよい。演出制御用CPU120は、セクタデータを含む消去単位ブロックの管理情報を読み出し、エラービット数の情報などに基づいて、CGROM141におけるセクタデータのメモリセルをリフレッシュ(データリフレッシュ)するか否かを判定する。
CGROM141では、記憶データの消去やリードディスターブなどの要因により、メモリセルの劣化が発生する。リードディスターブは、CGROM141の記憶データに対する読出回数が増加した場合に、メモリセルのフローティングゲートに蓄積された電子が徐々に引き抜かれて、トランジスタのしきい値電圧が変化することにより発生する。また、リードディスターブが発生しない場合でも、メモリセルのフローティングゲートに蓄積された電子は、極めてゆっくりとした速度で徐々に放出されて、トランジスタのしきい値電圧を変化させるデータリテンションが発生する場合もある。リードディスターブやデータリテンションによるメモリセルの劣化は、メモリセルをリフレッシュすることにより回復可能である。記憶データの消去によるメモリセルの劣化は、メモリセルの余命を減少させ、メモリセルをリフレッシュしても回復不能となる場合がある。この場合、回復不能となったメモリセルを含むブロックを不良ブロック(不良エリア)とし、別個に設けられた代替ブロック(代替エリア)にデータ移転する代替処理が実行される。
駆動制御基板16Bは、演出制御基板12とは別個に設けられた駆動制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、可動部302の回動制御や、可動部材321の移動制御を行うためのドライバICなどが搭載されている。駆動制御基板16Bからの出力信号は、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330に向けて伝送される。
発光体制御基板16Cは、遊技盤2に搭載され、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、盤側LED9d,9eとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
発光体制御基板16D〜16Fは、遊技機用枠3に搭載され、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、天枠LED9a、左枠LED9b、および右枠LED9cとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
なお、パチンコ遊技機1には、発光体制御基板16C〜16F以外にも、例えば、可動部材321に設けられた発光部321Aの点灯制御を行うための基板なども配置されているが、図示は省略している。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、演出制御用中継基板16Aによって中継される。演出制御用中継基板16Aを介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連(本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示であり、1つの始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する演出表示。)の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eの点灯動作などを制御するために用いられる発光体制御コマンド、可動部材321の動作などを制御するために用いられる駆動制御コマンドなどが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
次に、演出制御基板12および演出制御用中継基板16Aについて説明する。図3は、演出制御基板12および演出制御用中継基板16Aの回路構成例を示すブロック図である。図2および図3に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用マイクロコンピュータ120Aと、RAM122と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用中継基板16Aには、CGROM141が搭載されている。また、演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Yには、冷却ファン142が接続されている。また、演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Zには、主基板11からの演出制御コマンド伝送用の信号線が接続されている。また、演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Sには、各演出手段(本例では、演出表示装置5、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B、各LED9a〜9e、スピーカ8L,8R、可動部302、可動部材321など)と演出制御用中継基板16A、駆動制御基板16B、および発光体制御基板16C〜16Dへの信号線が接続されている。
また、演出制御基板12に設けられたコネクタ12Xと演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Xとをケーブルを用いて接続することによって、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとが接続されている。
なお、演出制御基板12および演出制御用中継基板16Aの実装の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎらず、様々な態様が考えられる。例えば、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとをユニット化して1つの基板ケース内に収納するように構成してもよい。この場合、例えば、この基板ケースに冷却ファンを取り付けるように構成し、冷却ファンによって基板ケース内の演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとを冷却するように構成してもよい。また、この基板ケースに放熱フィンを取り付けるように構成してもよく、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに放熱フィンを取り付けるように構成してもよい。
図4は、演出制御用マイクロコンピュータ120Aの構成例を示すブロック図である。図4に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、ワークメモリ131と、演出制御用CPU120と、ホストインタフェース132と、CGROMバスインタフェース133と、DRAMインタフェース134とを備えている。また、演出制御用CPU120は、VDP(Video Display Processor)機能を内蔵しており、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、VRAM(Video RAM)126と、表示回路127A〜127Cと、グラフィックデコーダ137とを備えている。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ROM135と温度センサ136とを備えている。
演出制御用CPU120は、演出制御用のプログラムに従って制御処理を実行する。ROM135は、演出制御用CPU120が制御処理を実行するために読み出される演出制御用のプログラムや固定データなどを記憶する。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが備えるROM135に認証データが記憶されているとともに、演出制御用中継基板に搭載されるCGROM141にも認証データが記憶されている。そして、後述するように、この実施の形態では、遊技機への電源投入時に、演出制御用CPU120は、CGROM141から読み出した認証データとROM135に記憶されている認証データとを照合して認証処理を行い、認証に成功したことにもとづいて各種演出制御の処理を開始する。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120AにROM135が内蔵されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されているのではなく、演出制御基板12上にROMが搭載されているように構成されていてもよい。
また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されているROM135とは別に、認証データを記憶する認証データ用のROMを、演出制御用マイクロコンピュータ120Aの外であって演出制御基板12上に設けるように構成してもよい。
温度センサ136は、演出制御用CPU120の温度を計測し、温度情報を出力する機能を備える。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに温度センサ136が内蔵されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されているのではなく、演出制御基板12上に温度センサが搭載されているように構成されていてもよい。そして、この場合、温度センサによって演出制御基板12の温度を監視するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、VDP機能を備え、CGROMバスインタフェース133を介して演出制御用中継基板16A上のCGROM141から各種キャラクタ画像データや動画像データなどの画像データを読み出してVRAM126に転送し、VRAM126上のフレームバッファに画像データを展開(描画)する機能を備える。また、グラフィックデコーダ137は、描画で使用する圧縮画像データをVRAMにデコードする機能を備える。また、表示回路127A〜127Cは、VRAM126のフレームバッファに展開されている画像データを外部の表示装置(演出表示装置5など)に表示出力する機能を備える。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120がVDP機能を内蔵ように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、演出制御用CPU120とは別に、制御回路としてのVDPを備えるように構成してもよい。また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aとは別に、演出制御基板12上に制御回路としてのVDPを搭載するように構成してもよい。さらに、例えば、演出制御基板12上に、演出制御用マイクロコンピュータ120Aとは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路を搭載するように構成してもよい。
図5は、演出制御基板12において映像信号を出力する機構の例を示す構成図である。図5に示すように、演出制御基板12に搭載される演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、演出制御用CPU120に加えて、VRAM126、表示回路127A〜127C、LVDS I/F128、およびC−MOS I/F129を備える。演出制御用CPU120は、CGROM141からムービーデータやキャラクタのソースデータを読み出して、VRAM126に展開(描画)する。また、各表示回路127A〜127Cは、VRAM126に展開されている描画データを読み出して、スケーリングや、ディザリング、カラー補正などを行う機能を備える。また、各表示回路127A〜127Cは、これらの処理を施した描画データを、差動伝送方式であるLVDS信号としてLVDS I/F128を介して出力する機能を備える。また、また、各表示回路127A〜127Cは、これらの処理を施した描画データを、デジタルRGB信号としてC−MOS I/F129を介して出力する機能を備える。
この実施の形態では、LVDS I/F128には、2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)を出力可能に端子が設けられており、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、映像信号として2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)を出力可能である。なお、例えば、それぞれ一対のラインを1ラインとして、データ信号用の4ラインと、クロック信号用の1ラインとで1本のLVDS信号線が形成され、差動伝送方式では、それら一対のライン間の電位差が信号レベルとして検出されるものである。
また、この実施の形態では、C−MOS I/F129には、1本のデジタルRGB信号を出力可能に端子が設けられており、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、映像信号として1本のデジタルRGB信号を出力可能である。なお、デジタルRGB信号は、例えば、赤色信号、緑色信号、青色信号、水平同期信号、垂直同期信号、ディスプレイイネーブル信号、クロック信号などを含む。
この実施の形態では、演出表示装置5(画像表示装置)として、19インチの液晶パネルを備える液晶表示装置を用いるのであるが、一般に、19インチの液晶表示装置には2本のLVDS信号が接続可能な接続口が設けられている。従って、この実施の形態では、図5に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載する表示回路127A〜127Cのうちの2つの表示回路(例えば、表示回路127Aと表示回路127B)を用いて、2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)が生成され、LVDS I/F128を介して出力された2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)が演出表示装置5に入力され、演出表示装置5における表示制御が行われる。
また、この実施の形態では、演出表示装置5は2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)で制御されるのであるから、デジタルRGB信号は使用されない。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力される各映像信号(LVDS信号、デジタルRGB信号)は、それぞれ個別に出力可能状態または出力不可状態に設定可能であり、デジタルRGB信号は出力不可状態に設定される。
図6は、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに設けられている各映像信号(LVDS信号、デジタルRGB信号)の出力状態を設定するための映像信号出力設定レジスタの構成例を示している。図6に示すように、例えば、映像信号出力設定レジスタのうち下位の3ビット(0〜2ビット)が各映像信号(LVDS信号、デジタルRGB信号)の出力状態の設定に用いられる。例えば、映像信号出力設定レジスタのビット番号[2]に格納されるデータA2は、LVDS信号1の出力状態を示す。図6に示す例では、データA2のビット値が「0」に設定されれば、LVDS信号1が出力不可状態に設定される。また、データA2のビット値が「1」に設定されれば、LVDS信号1が出力可能状態に設定される。また、例えば、映像信号出力設定レジスタのビット番号[1]に格納されるデータA1は、LVDS信号2の出力状態を示す。図6に示す例では、データA1のビット値が「0」に設定されれば、LVDS信号2が出力不可状態に設定される。また、データA1のビット値が「1」に設定されれば、LVDS信号2が出力可能状態に設定される。また、例えば、映像信号出力設定レジスタのビット番号[0]に格納されるデータA0は、デジタルRGB信号の出力状態を示す。図6に示す例では、データA0のビット値が「0」に設定されれば、デジタルRGB信号が出力不可状態に設定される。また、データA0のビット値が「1」に設定されれば、デジタルRGB信号が出力可能状態に設定される。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120AのROM121には、プログラム管理エリアが設けられており、図6に示す映像信号出力設定レジスタを含む各種設定レジスタの設定内容がプログラム管理エリアに格納されている。そして、遊技機への電源投入時やシステムリセット発生時に、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、プログラム管理エリアに格納されている設定内容を読み出し、読み出した設定内容に従って図6に示す映像信号出力設定レジスタの各ビット値を設定する。この実施の形態では、映像信号出力設定レジスタのデータA0(0ビット目)が「0」に設定され、データA1〜A2(1〜2ビット目)が「1」に設定される。そして、映像信号出力設定レジスタの設定に従って、各表示回路127A〜127CのデジタルRGB信号の出力端子がディセーブル状態に制御されるとともに、各LVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)の出力端子がイネーブル状態に制御されて、デジタルRGB信号が出力不可状態に設定され、2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)のみが出力可能状態に設定される。
なお、この実施の形態では、2本のLVDS信号およびデジタルRGB信号の全ての信号の出力状態を設定可能に構成する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、LVDS信号の出力状態のみを設定可能に構成してもよいし、デジタルRGB信号の出力状態のみを設定可能に構成してもよい。
図5および図6に示すように、この実施の形態では、複数系統の映像信号(本例では、LVDS信号1、LVDS信号2、デジタルRGB信号などの映像出力信号)を出力可能であり、複数系統の映像信号のうち少なくとも1系統の映像信号の出力の有無を設定可能である。そのため、映像信号の出力に関して部品の共通化による低コスト化を図りつつ、ノイズを抑制することができる。
具体的には、この実施の形態で示したように、VDPやVDP機能を備えたCPU(本例では、演出制御用CPU120)から液晶表示装置駆動用の複数系統の映像信号を出力可能に構成した場合において、実際には複数系統の映像信号のうちの一部の映像信号(本例では、LVDS信号1とLVDS信号2)しか液晶表示装置の表示制御に用いられず、他の一部の映像信号(本例では、デジタルRGB信号)が不要となる場合がある。そのような場合において、抵抗などの回路素子や配線などを用いてハードウェア的に不要な映像信号の出力を遮断するように構成することが考えられる。しかし、そのようにハードウェア的に不要な映像信号の出力を遮断するように構成しただけでは、その不要な映像信号の出力が依然としてノイズとして残ってしまい、表示制御や遊技制御など他の制御に影響を及ぼすおそれがある。そこで、この実施の形態では、映像出力用のIC(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ120A)からの映像信号の出力の有無自体を設定可能とすることによって、映像信号の出力に関して部品の共通化による低コスト化を図りつつ、ノイズを抑制することを可能としている。
なお、この実施の形態では、1つの演出表示装置5(本例では、19インチの液晶表示装置)のみを備える場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、複数の画像表示装置を備えるように構成してもよい。図7は、複数の画像表示装置を備える場合の変形例を示す構成図である。図7に示す例では、画像表示装置として、1つの主表示装置(メイン表示装置)5Mと、2つの副表示装置(サブ表示装置)5SA,5SBとを備える場合を示している。なお、図7に示す例では、主表示装置5Mは、15インチの液晶パネルを備える液晶表示装置である。また、各副表示装置5SA,5SBは、9インチの液晶パネルを備える液晶表示装置である。また、図7に示す例では、演出制御基板12は、液晶変換基板200を介して主表示装置5Mに接続される。また、演出制御基板12は、液晶変換基板および各ドライバ基板201A,201Bを介して各副表示装置5SA,5SBに接続される。
また、図7に示すように、液晶変換基板は、LVDS信号をRGB信号に変換するRGB変換器202A,202B、RGB信号を差動伝送方式のV−by−One方式に変換する信号変換回路203A,203B、およびRGB信号をLVDS信号に変換するLVDS変換器206を搭載している。また、各ドライバ基板201A,201Bは、それぞれ、映像信号を差動伝送方式のV−by−One方式からRGB信号に変換する信号変換回路204A,204B、およびRGB信号をLVDS信号に変換するLVDS変換器205A,205Bを搭載している。
図7に示す例では、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力されるLVDS信号1およびLVDS信号2は、それぞれ副表示装置5SA,5SBに入力される。演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力されるLVDS信号1およびLVDS信号2は、まず、それぞれ、液晶変換基板200に搭載されるRGB変換器202A,202BによってRGB信号に変換され、信号変換回路203A,203Bに入力される。次いで、信号変換回路203A,203Bによって、差動伝送方式のV−by−One方式に変換され、ドライバ基板201A,201Bに向けて出力される。具体的には、各信号変換回路203A,203Bは、発振器(図示せず)によって生成される副表示装置5SA,5SB用の動作周波数を用いて、RGB信号を差動伝送方式のV−by−One方式に変換する。
次いで、ドライバ基板201A,201Bに搭載される信号変換回路204A,204BによってRGB信号に変換されて、それぞれLVDS変換器205A,205Bに入力される。そして、LVDS変換器205A,205BによってLVDS信号に変換され、それぞれ副表示装置5SA,5SBに入力される。一般に、9インチの液晶表示装置には1本のLVDS信号が接続可能な接続口が設けられている。従って、図7に示す例では、それぞれ1本のLVDS信号を用いて各副表示装置5SA,5SBにおける表示制御が行われる。
なお、図7に示す例では、液晶変換基板200と各ドライバ基板201A,201Bとの間を差動伝送方式のV−by−One方式で伝送することによって、液晶変換基板200と各ドライバ基板201A,201Bとの距離が長くなってもノイズを低減させることができる。
また、図7に示す例では、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力されるRGB信号は、液晶変換基板200に搭載されるLVDS変換器206によってLVDS信号に変換される。そして、変換されたLVDS信号は、主表示装置5Mに入力される。一般に、15インチの液晶表示装置には1本のLVDS信号が接続可能な接続口が設けられている。従って、図7に示す例では、1本のRGB信号を変換したLVDS信号を用いて主表示装置5Mにおける表示制御が行われる。
なお、図7に示す例では、1つの主表示装置(メイン表示装置)5Mに加えて、2つの副表示装置(サブ表示装置)5SA,5SBを備える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの主表示装置(メイン表示装置)以外に、副表示装置(サブ表示装置)を1つのみ備えるように構成してもよいし、3以上の副表示装置(サブ表示装置)を備えるように構成してもよい。例えば、3以上の副表示装置(サブ表示装置)を備えるように構成する場合、ドライバ基板201A,201Bから出力されるLVDS信号をさらに分岐基板を経由して分岐し、それぞれの副表示装置(サブ表示装置)に入力するように構成すればよい。
また、本実施の形態では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。なお、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。また、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には演出ユニット300が設けられており、演出制御基板12には、この演出ユニット300に設けられる各種モータ(第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)等の複数の電子部品が接続されている。なお、図2において、これら電子部品のうち第1演出用モータ303、第2演出用モータ330以外の図示は省略している。
なお、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図4に示す演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されるROM135には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM135には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM135には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部材321や演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
なお、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出としては、例えば、後述するように可動体(可動物)としての可動部材321が上昇する可動予告や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
図8(1)は、駆動制御基板16Bの構成例を示している。図8(1)に示すように、駆動制御基板16Bには、モータ駆動ドライバ412が搭載されている。モータ駆動ドライバ412には、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、モータ駆動ドライバ412は、入力された制御信号で示される駆動制御情報にもとづいて、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行う。
図8(2)は、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体制御基板16Cの構成例を示している。図8(2)に示すように、発光体制御基板16Cには、発光体ドライバ411a,411bが搭載されている。発光体ドライバ411aには、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED9dの点灯制御を行う。また、発光体ドライバ411bには、演出制御用中継基板16Aを介して、さらに発光体ドライバ411aを経由して、シリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED9eの点灯制御を行う。
なお、図8(2)に示すように、発光体制御基板16Cでは、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから伝送された制御信号が、同じ発光体制御基板16C上の発光体ドライバ間で順次伝送される(本例では、発光体ドライバ411aから発光体ドライバ411bに伝送される)ことによって、各発光体ドライバにそれぞれ伝送されるように構成されている。
図9は、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体制御基板16D〜16Fの構成例を示している。図9に示すように、発光体制御基板16Dには、発光体ドライバ413bが搭載されている。発光体ドライバ413bには、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ413bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、左枠LED9bの点灯制御を行う。なお、図9において、発光体制御基板16D〜16Fは、例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネスなどの配線部材を介して相互に接続されている。
また、図9に示すように、発光体制御基板16Eには、発光体ドライバ413aが搭載されている。発光体ドライバ413aには、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が、演出制御用中継基板16Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板16Dを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、天枠LED9aの点灯制御を行う。
また、図9に示すように、発光体制御基板16Fには、発光体ドライバ413cが搭載されている。発光体ドライバ413cには、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が、演出制御用中継基板16Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板16Dおよび発光体制御基板16Eを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413cは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、右枠LED9cの点灯制御を行う。
なお、図9に示すように、発光体制御基板16D〜16Fでは、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから伝送された制御信号が、異なる発光体制御基板16D〜16Fにそれぞれ搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送されることによって、各発光体ドライバ413a〜413cにそれぞれ伝送されるように構成されている。
また、この実施の形態では、遊技盤2に設けられている各LEDをそれぞれ盤側LED9d,9eと包括的に表現しているが、具体的には、遊技盤2の左方に盤側LED9dとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技盤2の右方に盤側LED9eとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。また、この実施の形態では、遊技枠に設けられている各LEDをそれぞれ天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cと包括的に表現しているが、具体的には、遊技枠の上方に天枠LED9aとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の左方に左枠LED9bとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の右方に右枠LED9cとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。
また、この実施の形態では、モータ駆動ドライバ412、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411b、および天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、同じ種類のシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて実現される。図10は、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路の構成を示すブロック図である。また、図11は、図10に示すシリアル−パラレル変換回路に設けられている各入出力端子を説明するための説明図である。
なお、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路には、入力したシリアル信号形式の信号を24チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものと、入力したシリアル信号形式の信号を12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものとの2種類があるのであるが、一部の回路素子や端子の数が異なるだけで同様の構成および機能を備えるため、図10および図11に示す例では代表して24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路について説明することとし、12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路については相違する部分のみ説明することとする。なお、この実施の形態では、発光体ドライバ411a,411bは24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現され、モータ駆動ドライバ412および発光体ドライバ413a〜413cは12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図10および図11に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、演出制御用中継基板16Aや発光体制御基板16D,16Eを経由して演出制御用マイクロコンピュータ120Aからのクロック信号を入力するCLK/I端子やデータを入力するDATA/I端子が設けられている。また、入力されたクロック信号とデータの一部はシリアル−パラレル変換回路内で分岐されて、そのままシリアル−パラレル変換回路からスルー出力可能であり、クロック信号をスルー出力するCLK/O端子とデータをスルー出力するDATA/O端子とが設けられている。
例えば、この実施の形態では、図9に示すように、発光体制御基板16Dの発光体ドライバ413bは、演出制御用中継基板16Aを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板16Eの発光体ドライバ413aに出力しているのであるが、発光体ドライバ413bを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。また、例えば、この実施の形態では、図9に示すように、発光体制御基板16Eの発光体ドライバ413aは、演出制御用中継基板16Aおよび発光体制御基板16Dを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板16Fの発光体ドライバ413cに出力しているのであるが、発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413cを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。
また、図10および図11に示すように、CLK/I端子から入力されたクロック信号およびDATA/I端子から入力されたデータの他の一部は、デコーダに入力されてシリアル信号形式から24チャネルのパラレル信号形式の信号にデコードされる。そして、レジスタブロックに設けられた各レジスタにそれぞれ一旦格納された後、内部発振クロック回路による内部クロック信号(本例では、6MHzの内部クロック信号)を用いてパルス幅変調(PWM)され、それぞれ各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力される。なお、12チャネルの回路である場合には、12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換されて各ドライブ出力端子Q0〜Q11から出力される。なお、各ドライブ出力端子Q0〜Q23や各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が、例えばLEDなどの発光体に供給されたり動作用モータに供給されたりすることになる。
また、図10および図11に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4(12チャネルの回路ではAD0〜AD5)が設けられており、端子AD0〜AD4をそれぞれH(ハイ)またはL(ロー)に設定することにより、シリアル−パラレル変換回路ごとにアドレスを設定することが可能である。DATA/Iから入力されるデータにはアドレス情報も含まれ、シリアル−パラレル変換回路は、入力したデータに含まれるアドレス情報が設定したアドレスと一致するデータのみパラレス信号形式の信号にデコードして各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する。
なお、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が5端子AD0〜AD4設けられているので、最大32種類のアドレスを設定可能であり、最大で32個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が6端子AD0〜AD5設けられているので、最大64種類のアドレスを設定可能であり、最大で64個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたS端子は、CLK/O端子から出力するクロック信号のスルー出力、およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力のスルーレートを設定するための設定端子である。S端子をL(ロー)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
図12は、クロック信号およびデータのスルー出力のスルーレート設定を説明するための説明図である。図12(1)に示すように、S端子をL(ロー)に設定し通常のスルーレートの出力に設定すると、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾き(単位時間あたりの電圧変化量)がある程度大きい。これに対して、図12(2)に示すように、S端子をH(ハイ)に設定し低スルーレートの出力に設定すると、通常のスルーレートの設定の場合と比較して、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが緩やかとなる。
一般に、基板からの電波放射を抑制するためにはスルーレートを低く抑えた方がよく、図12(2)に示す低スルーレートの出力に設定した方がよい。一方、ノイズに対する耐性を確保するためには波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい方がよく、図12(1)に示す通常のスルーレートの出力設定した方がよい。
なお、S端子の設定は、単にCLK/O端子から出力するクロック信号およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力の波形を設定するだけではなく、CLK/I端子から入力したクロック信号およびDATA/I端子から入力したデータに対して出力波形を補償する機能を備えている。すなわち、一般に演出制御用CPU120などから出力されたクロック信号およびデータは、出力された段階では矩形波として出力されるのであるが、シリアル−パラレル変換回路のCLK/I端子およびDATA/I端子に到達するまでの間の配線による伝送損失が大きい場合などには、本来の矩形波から崩れた波形のクロック信号やデータが入力される場合がある。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路は、単に入力したクロック信号やデータをそのままスルー出力するのではなく、このように本来の矩形波から崩れた波形の状態で入力されたクロック信号やデータを本来の矩形波に近い波形に補償して出力する機能を備える。この場合、S端子の設定により通常のスルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい波形に補償して出力されるので、より本来の矩形波に近い状態の出力信号を出力することができ、外来ノイズによる影響を軽減することができる。ただし、そのように立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きいと瞬間的に電圧変化量が大きくなるので、基板外に対する電波放射が大きくなるおそれがある。一方で、S端子の設定により低スルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きがより小さい波形に補償して出力されるので、通常のスルーレートの出力と比較すると、外来ノイズによる影響に対しては弱くなるが、瞬間的な電圧変化量を小さくすることができ、基板外に対する電波放射が大きくなることを抑えることができる。
なお、上記の出力波形を補償する機能自体を有効とするか無効とするかを設定可能に構成し、上記の出力波形を補償する機能を全て無効とするように構成してもよい。また、上記の出力波形を補償する機能について、シリアル−パラレル変換回路の外部に増幅回路等を設けて、シリアル−パラレル変換回路の外部において実現してもよい。
さらに、上記の通常のスルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がり及び立ち下りの傾きよりも、出力波形の立ち上がり及び立ち下がりの傾きが大きいように補償するものであったが、通常のスルーレートの出力設定として、出力波形の補償を行わずに、入力波形をそのまま出力するようなものとしてもよい(即ち所定態様として入力波形の立ち上がりと同等の立ち上がりの出力波形とするもの)。この場合、低スルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がりよりも傾きが小さくなるような波形を出力すればよい。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたT端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のタイムアウトリセット機能を設定するための設定端子である。T端子をL(ロー)に設定するとタイムアウトリセット機能が無効状態に設定され、端子をH(ハイ)に設定するとタイムアウトリセット機能が有効状態に設定される。
T端子をH(ハイ)に設定しタイムアウトリセット機能を有効状態に設定すると、CLK/I端子およびDATA/I端子からクロック信号およびデータを入力し、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から信号の出力を開始した後、所定期間(本例では、1秒)を経過するとタイムアウトしたものとされて、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が自動的にリセット(出力停止)される。従って、タイムアウトリセット機能を有効状態に設定した場合には、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から継続して各LEDや動作モータに信号を供給したい場合には、例えば、演出制御用CPU120から少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する必要がある。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、10msごとに制御信号の書き換えを行う処理を行っており、各ドライブ出力端子からの出力を継続する場合には、10msごとに演出制御用CPU120からシリアル−パラレル変換回路に繰り返し制御信号が出力されることにより、タイムアウトリセット機能が有効状態にセットされていても各ドライブ出力端子からの出力が継続される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/S端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のドライブ方式を設定するための設定端子である。Q/S端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定される。また、Q/S端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/I端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号の出力論理を反転して出力するか否かを設定するための設定端子である。Q/I端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定される。また、Q/I端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたR端子は、電流リファレンス設定端子である。具体的には、図10に示すように、R端子は定電流回路を経由して各ドライブ出力端子A0〜A23と接続され、R端子とグランド(GND)との間に任意の抵抗値の外部抵抗を接続することによって、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値を所定の範囲(例えば、4mA〜20mA)で設定することができる。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたVP端子は、保護用の静電保護端子である。VP端子には、そのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧が接続される。すなわち、VP端子にそのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧を接続すれば、その電源電圧以上の過電圧を逃がすことができる。なお、シリアル−パラレル変換回路において複数種類の電源電圧が用いられる場合には、電圧値が高い方の電源電圧をVP端子に接続するようにすればよい。
次に、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットについて説明する。図13は、制御データフォーマットを説明するための説明図である。シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの基本的な制御データフォーマットは、図13(1)に示す共通フォーマットと、図13(2)に示す基本フォーマットとによって構成される。
図13(1)に示すように、共通フォーマットは、9ビットのヘッダ(HD)、4ビットのデバイスID(ID)、5ビットのデコードアドレスAD0〜AD4(図10および図11参照)、および1ビットのEXデータによって構成される。なお、EXデータは、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが基本フォーマットであるか、後述する拡張フォーマットであるかを設定するためのものであり、基本フォーマットではEX=0に設定される。
図13(2)に示すように、基本フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される。例えば、LEDの点灯制御を行うためのデータを伝送する場合、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとに時系列に6ビットのデータを設定して伝送することによって、LEDの諧調制御も含めた点灯制御を行うことができる。
また、制御データフォーマットとして、図13(2)に示す基本フォーマットに代えて拡張フォーマットを使用することも可能である。具体的には、図13(1)に示す共通フォーマットにおいてEX=1に設定されていれば、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが、図13(3)に示す拡張フォーマットとなる。
図13(3)に示すように、拡張フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される。拡張フォーマットでは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとのデータが1ビットで構成されるので、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットを小さくすることができる。例えば、シリアル−パラレル変換回路を用いて第1演出用モータ303や第2演出用モータ330を駆動制御する場合であれば、LEDなどの発光体の点灯制御を行う場合と異なり諧調制御などを行う必要がないので、図13(3)に示すような拡張フォーマットを用いることが有効である。
なお、図13では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットについて説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットでは、例えば、図13(1)に示す共通フォーマットが6ビットのデコードアドレスAD0〜AD5を含む点で異なる。また、例えば、図13(2)に示す基本フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される分短い点で異なる。さらに、例えば、図13(3)に示す拡張フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される分短い点で異なる。
また、シリアル−パラレル変換回路では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して電波放射を抑制できるように構成されている。図14は、シリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明するための説明図である。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路が内蔵する内部発振クロック回路では6MHzのクロック信号が出力されるので、図14に示すように、その6MHzの内部クロック信号を1MHzの6相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q23を1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
この実施の形態では、図14に示すように、ドライブ出力端子Q0〜Q3の4チャネルでグループ1が構成され、ドライブ出力端子Q4〜Q7の4チャネルでグループ2が構成され、ドライブ出力端子Q8〜Q11の4チャネルでグループ3が構成され、ドライブ出力端子Q12〜Q15の4チャネルでグループ4が構成され、ドライブ出力端子Q16〜Q19の4チャネルでグループ5が構成され、ドライブ出力端子Q20〜Q23の4チャネルでグループ6が構成される。そして、図14に示すように、同じグループ内のドライブ出力端子(例えば、グループ1内のドライブ出力端子Q0〜Q3)相互間では信号の出力タイミングは同じであるが、異なるグループのドライブ出力端子(例えば、グループ1のドライブ出力端子Q0とグループ2のドライブ出力端子Q4)間では出力タイミングが分散されている。
なお、図14では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、6MHzの内部クロック信号を1MHzの3相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q11を1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
次いで、図10〜図14を用いて説明したシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバ411a,411bや、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例について説明する。図15〜図17は、シリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図15は、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を示している。また、図16は、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を示している。また、図17は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を示している。
まず、図15を用いて、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を説明する。図15に示すように、この実施の形態では、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
この実施の形態では、発光体ドライバ411aに対してアドレス[02]が割り振られているものとし、図15に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD1は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0,AD2〜AD4はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00010(B)=[02]に設定されている場合が示されている。
なお、図15では発光体ドライバ411aにおけるデコードアドレスの設定態様が示されているが、発光体ドライバ411bに対してはアドレス[03]が割り振られているものとし、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD0,AD1が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD2〜AD4がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00011(B)=[03]に設定されるものとする。
また、図15に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図8(2)に示すように、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、全て同じ発光体制御基板16C上に搭載され、発光体ドライバ間の制御信号の伝送は同じ発光体制御基板16C上で行われる(基板をまたがった伝送は行われない)ので、ノイズに対する耐性はそれ程気にする必要はない。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を低スルーレートの出力に設定することによって、むしろ基板からの電波放射を抑制するように構成している。
また、図15に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図15に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図15に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図15に示す例では、VP端子には電源電圧VCL(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図15に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23は、盤側LED9d,9eに接続されている。なお、図15に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されている図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよいし、発光体として単色LEDを用いるのであれば1つの端子が1つの単色LEDに接続されるように構成してもよい。また、例えば、1つの端子に複数の単色LEDが直列に複数接続されるように構成してもよい。
また、図15に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
次に、図16を用いて、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を説明する。図16に示すように、この実施の形態では、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412は、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
この実施の形態では、モータ駆動ドライバ412に対してアドレス[04]が割り振られているものとし、図16に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0,AD1,AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000100(B)=[04]に設定されている場合が示されている。
また、図16に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図8(1)に示すように、モータ駆動ドライバ412と他のドライバとの間で制御信号の伝送が行われることはないのであるから、S端子をグランド(GND)に接続(L(ロー)に設定)してクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力となるように設定してもよい。
また、図16に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図16に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともに電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、Q/S端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定され、Q/I端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定されている。
また、図16に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図16に示す例では、VP端子には電源電圧VCC(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図16に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ1のQ0〜Q3の4チャネルの端子が1つ目の第1演出用モータ303に接続されている。また、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ2のQ4〜Q7の4チャネルの端子が2つ目の第2演出用モータ330に接続されている。なお、この実施の形態では、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の2つの動作用モータの制御が行われ、グループ3のQ8〜Q11の端子は不要であることから、Q8〜Q11の端子はグランド(GND)に接続されている。
既に説明したように、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、グループ1〜3の3つのグループにグループ分けされてドライブ出力端子Q0〜Q11からの信号の出力タイミングが分散されているのであるが、同じ動作用モータ(本例では、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330)に出力される信号間で出力タイミングが異なっていたのでは、動作用モータの駆動精度を維持できないおそれがある。そこで、この実施の形態では、図16に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続するようにして、そのように動作用モータの駆動精度を維持できなくなる事態が発生することを防止ししている。
なお、逆に、例えば、図15で説明した盤側LED9d,9eに接続する場合や、後述する図17の天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9cに接続する場合など発光体に接続する場合には、上記のような駆動精度の問題などは生じないのであるから、各発光体に出力される信号間で出力タイミングが異なっていても、それ程支障が生じることはない。従って、ドライブ出力端子からの出力信号をLEDなどの発光体に接続する場合には、それ程出力タイミングを気にする必要はない。
次に、図17を用いて、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を説明する。図17に示すように、この実施の形態では、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
この実施の形態では、発光体ドライバ413aに対してアドレス[07]が割り振られているものとし、図17に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000111(B)=[07]に設定されている場合が示されている。
なお、図17では発光体ドライバ413aにおけるデコードアドレスの設定態様が示されているが、発光体ドライバ413bに対してはアドレス[08]が割り振られているものとし、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD3が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0〜AD2,AD4,AD5がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001000(B)=[08]に設定されるものとする。また、発光体ドライバ413cに対してはアドレス[09]が割り振られているものとし、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、A0,AD3が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD1,AD2,AD4,AD5がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001001(B)=[09]に設定されるものとする。
また、図17に示す例では、S端子はグランド(GND)に接続されている。すなわち、S端子をL(ロー)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図9に示すように、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、相互に異なる発光体制御基板16D〜16F上に搭載され、異なる基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号の伝送が行われるので、ノイズの影響が大きい。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を通常のスルーレートの出力に設定することによって、ノイズに対する耐性を確保するように構成している。
また、図17に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図17に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図17に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図17に示す例では、VP端子には電源電圧VDL(12V)が接続されている。すなわち、図17に示す例では、シリアル−パラレル変換回路には12Vの電源電圧(VDL)と5Vの電源電圧(VCL、VCC)とが用いられているので、で電圧値が高い方の12Vの電源電圧VDLをV端子に接続し、12V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図17に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q11は、天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9cとしての複数の発光体に接続されている。なお、図17に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されていたり、同様の制御を行う3つの発光体(例えば、単色LED)が直列に接続されていたりする図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよい。
また、図17に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
また、図15〜図17に示すように、この実施の形態では、発光体ドライバ411やモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのT端子がそれぞれH(ハイ)に設定されタイムアウト機能が有効状態に設定されている。この実施の形態では、例えば、演出制御用CPU120は、後述する演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eを点灯制御するための制御信号を出力したり、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330を駆動制御するための制御信号を出力したりするのであるが、タイムアウト機能が有効状態に設定されているので、制御信号を1度出力しただけでは所定期間(本例では、1秒)経過後には各ドライブ出力端子からの出力信号が自動的にリセットされて点灯制御や駆動制御を継続できない。そこで、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、例えば、後述する演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cの点灯制御を継続して実行したり、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を継続して実行したりするように制御している。
なお、この実施の形態では、上記のようにタイムアウト機能を有効状態に設定するように構成し、所定期間(本例では、1秒)ごとに発光体ドライバ411a,411bやモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのドライブ出力端子からの出力が自動的に停止されるように構成しているので、例えば、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動制御を行った後、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330を停止させる制御を行ったにもかかわらず、信号の取りこぼしや誤動作によって第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動が停止せず、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の焼き付きを起こしてしまうような事態を防止できるようにしている。
なお、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、一律にT端子をH(ハイ)に設定しタイムアウト機能を有効状態に設定する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、用途に応じてタイムアウト機能の有効状態と無効状態との設定を使い分けてもよい。例えば、モータ駆動ドライバについては第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の焼き付き防止の観点からタイムアウト機能を有効状態に設定する一方で、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cなどの発光体に関しては第1演出用モータ303や第2演出用モータ330と異なり焼き付きなどの問題は生じないのであるから、T端子をL(ロー)に設定しタイムアウト機能を無効状態に設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、点灯制御や駆動制御を継続して実行するために、演出制御用CPU120が少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する(具体的には、10msごとに制御信号の書き換えを行う処理を行って繰り返し制御信号を出力する)場合を示しているが、そのような制御態様にかぎられない。例えば、演出制御用CPU120とは別に出力回路(出力IC)を設け(演出制御基板12上に設けてもよいし、演出制御用中継基板16Aなど他の基板上に設けてもよい)、演出制御用CPU120が制御信号を1回出力すると、出力回路が、その1回出力された制御信号にもとづいて、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、T端子が電源電圧VCC(5V)に接続され、ハードウェア上で物理的にT端子がH(ハイ)に設定されてタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、T端子設定用のレジスタにT端子を接続し、演出制御用CPU120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的にタイムアウト機能を有効状態とするか無効状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値(本例では、10kΩ)の外部抵抗が接続され、ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11の全出力の駆動電流値が15MAに設定されている。ここで、内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))も存在することから、そのような内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして用いて、内部リファレンス抵抗を用いるように設定することも考えられるが、一般にシリアル−パラレル変換回路が備える内蔵リファレンス抵抗は駆動電流値が固定(例えば、20mA固定)であったり誤差も大きい(例えば、誤差±30%)。そこで、この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に外部抵抗を接続して外部リファレンス抵抗を用いることによって、適切な駆動電流値(本例では、15MA)に設定するとともに、誤差も提言している(本例では、誤差±3%)。
なお、発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして、内部リファレンス抵抗と外部リファレンス抵抗との両方を利用可能なシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて、用途に応じて使い分けるように構成してもよい。例えば、演出用にLEDなどの複数の発光体が密集して設けられている場合には、発光がまばらとなると演出に支障が生じることから、外部リファレンス抵抗を用いるようにし誤差が小さくなるように構成してもよい。一方、エラー報知ようなど単独で用いられるLEDの点灯制御を行う場合には、そのような演出上の障害はなく多少誤差が大きくても構わないことから、内部リファレンス抵抗を用いるように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、電気部品(本例では、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、可動部302を動作させるための第1演出用モータ303、可動部材321を動作させるための第2演出用モータ330)を制御するための制御手段(本例では、演出制御用CPU120)と、制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(本例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(本例では、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413c)とを備える。また、出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、入力した制御信号と同程度以上の変化態様により波形が立ち上がる第1出力状態(本例では、通常のスルーレートの出力状態)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(本例では、低スルーレートの出力状態)とのいずれかの出力状態に設定可能である(本例では、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される)。そのため、使用環境に応じた設定変更が可能となり、設定に応じて、基板からの電波放射を抑制できる一方、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。具体的には、低スルーレートの出力状態に設定すれば基板からの電波放射を抑制でき、通常のスルーレートの出力状態に設定すれば誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段と同一基板内に他の出力手段が設けられている(本例では、図8(2)に示すように、発光体制御基板16C上に複数の発光体ドライバ411a,411bが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板16C上の発光体ドライバ411a,411b間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第2出力状態に設定されている(本例では、図15に示すように、発光体制御基板16C上に搭載された発光体ドライバ411a,411bではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、同一基板内に他の出力手段が設けられている場合には、基板からの電波放射を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている(本例では、図9に示すように、発光体ドライバ413a〜413cはそれぞれ異なる発光体制御基板16D〜16F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板16D〜16Fに搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第1出力状態に設定されている(本例では、図17に示すように、発光体制御基板16D〜16F上に搭載された発光体ドライバ413a〜413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、配線部材を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている場合には、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
上記のように、この実施の形態では、一般に回路基板はノイズ耐性が高いので回路基板内における接続関係では電波放射の抑制を優先して低スルーレートの出力状態に設定して緩やかな信号波形とし、逆に基板間に接続される配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)はノイズ耐性が低いので回路基板間の絶族関係ではノイズ耐性を優先して通常のスルーレートの出力状態として矩形波に近い信号波形としている。そのように構成することによって、この実施の形態では、遊技機外部に対する電波放射を抑制しつつ、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
なお、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、S端子が電源電圧VCC(5V)に接続されたりグランド(GND)に接続され、ハードウェア上で物理的にS端子がH(ハイ)に設定されて低スルーレートの出力状態に設定されたりL(ロー)に設定されて通常のスルーレートの出力状態に設定されたりしている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、S端子設定用のレジスタにS端子を接続し、演出制御用CPU120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的に低スルーレートの出力状態とするか通常のスルーレートの出力状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、同一基板内に搭載された出力手段(本例では、発光体ドライバ)間での低スルーレートの出力状態による制御信号の伝送、または異なる基板に搭載された出力手段間での通常のスルーレートの出力状態による制御信号の伝送のいずれか一方のみが行われる基板(本例では、発光体制御基板16C〜16F)を備える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの発光体制御基板に複数の発光体ドライバが搭載されている場合であって、それらの発光体ドライバのうち同じ発光体制御基板上の発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものと、さらに他の発光体制御基板に搭載れた発光体ドライバに対して制御信号を伝送するものとが混在するように構成してもよい。この場合、例えば、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバであっても、発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものは低スルーレートの出力状態に設定し、他の発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバに対して制御信号を出力するものは通常のスルーレートの出力状態に設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11)からパラレル通信方式による特定信号(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する(本例では、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、図14に示すように、1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けされている。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けされている。)。そして、特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なる(本例では、図14に示すように、ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号の出力タイミングがグループごとに分散されている)。そのため、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して、基板からの電波放射をより一層抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、動作を行う可動部材(本例では、可動部302、可動部材321)を備える。また、可動部材を動作させる駆動手段(本例では、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)は、出力手段の同一グループの特定信号出力部から出力される特定信号にもとづいて駆動される(本例では、図16に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続される)。そのため、基板からの電波放射を抑制しつつ、駆動手段の駆動精度の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、制御信号を入力してから所定期間(本例では、1秒)経過後に特定信号の出力を停止する停止機能(本例では、タイムアウト機能)を有する(本例では、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図11参照。)。そのため、配線不具合などによる動作不具合を回避でき、電気部品を安定して制御することができる。
また、この実施の形態によれば、制御信号を継続して出力するための制御信号継続手段を備える(本例では、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cの点灯制御を継続して実行したり、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動制御を継続して実行したりするように制御している)。そのため、出力手段の停止機能に対応した制御を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、停止機能を有効または無効に設定可能である(本例では、T端子をL(ロー)に設定することによってタイムアウト機能が無効状態に設定され、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図11参照。)。そのため、用途に応じた出力手段の停止機能の設定変更が可能となり、部品共通化によりコストを削減することができる。
なお、この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路のうちクロック信号およびデータのスルー出力が同一基板内の他のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路411a,411bや、演出用モータ303,330が接続されるシリアル−パラレル変換回路412については、S端子がH(ハイ)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定され(図15および図16参照)、クロック信号およびデータのスルー出力が基板外のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路413a,413b,413cについては、S端子がL(ロー)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される(図17参照)場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されるように構成してもよい。また、逆に、例えば、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が低スルーレートの出力に設定されるように構成してもよい。
また、シリアル−パラレル変換回路のドライブ出力端子の中に未使用端子がある場合に、それらの未使用端子を非接続状態とすると、静電気などの要因によりサージ電圧がそれらの未使用端子に入力され、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合を生じる恐れがある。そこで、シリアル−パラレル変換回路の内部にサージ電圧対策用の保護回路を設けるようにすることも考えられるが、シリアル−パラレル変換回路の製造費用が増加することになる点で好ましくない。そこで、それらの未使用端子を所定の基準電位に接続するように構成して、サージ電圧を所定の電源基板(図示せず)における基準電位側に逃がすようにし、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生を抑制するように構成してもよい。以下、シリアル−パラレル変換回路のドライブ出力端子の未使用端子を基準電位としてグランド(GND)に接続する変形例について説明する。
図18〜図20は、変形例におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図18は、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例の変形例を示している。図18に示す例では、24個のドライブ出力端子Q0〜Q24のうち18個のドライブ出力端子Q0〜Q17に盤側LEDが接続されているが、6個のドライブ出力端子Q18〜Q23が未使用端子となっており、6個のドライブ出力端子Q18〜Q23の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
また、図19は、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例の変形例を示している。図19に示す例では、12個のドライブ出力端子Q0〜Q11のうち8個のドライブ出力端子Q0〜Q7に各演出用モータが接続されているが、4個のドライブ出力端子Q8〜Q11が未使用端子となっており、4個のドライブ出力端子Q8〜Q11の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
また、図20は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例の変形例を示している。図20に示す例では、12個のドライブ出力端子Q0〜Q11のうち9個のドライブ出力端子Q0〜Q8に各枠用のLEDが接続されているが、3個のドライブ出力端子Q9〜Q11が未使用端子となっており、3個のドライブ出力端子Q9〜Q11の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
図18〜図20に示す変形例によれば、サージ電圧が発生しても、そのサージ電圧をグランド(GND)側に逃がすことができ、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生を抑制することができる。
また、図18〜図20に示す変形例では、さらに、保護用の静電保護端子であるVP端子にそれぞれ3kΩの外部抵抗が接続されている。このようにVP端子に外部抵抗を接続するように構成することによって、仮にサージ電圧が発生したとしても、VP端子に定格電流以上の電流が流れることを防止し、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生をさらに抑制できるようにしている。
また、図18〜図20に示す変形例では、未使用端子を基準電位としてグランド(GND)に接続する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、他の固定電位に接続するように構成してもよい。例えば、未使用端子をVP端子と同じ電源電圧に接続し、VCL(5V)や、VCC(5V)、VDL(12V)に接続するように構成してもよい。
[パチンコ遊技機の動作]
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図21のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図21に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普図表示結果判定用の乱数値MR4を用いて普通図柄の変動表示態様を決定し、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理として、図21に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞判定処理では、まず、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。そして、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部材321などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
なお、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部(図示略)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施の形態では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図23は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ120A(具体的には、演出制御用CPU120)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、演出制御用CPU120は、電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信したか否かを確認する(S50A)。なお、電源投入指定コマンドは、遊技機への電源供給が開始されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100によって初期化処理が実行されたことにもとづいて送信される。また、停電復旧指定コマンドは、遊技機への電源供給が開始されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100によって停電復旧処理が実行されたことにもとづいて送信される。
電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU120は、認証処理を実行する(S50B)。ステップS50Bでは、演出制御用CPU120は、演出制御用中継基板16A上のCGROM141から認証データを読み出し、読み出した認証データを演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載するROM135が記憶する認証データと照合することによって認証処理を実行する。
認証処理において認証に失敗した場合には(S50CのN)、演出制御用CPU120は、認証エラーを報知する認証エラー報知処理を実行する(S50D)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、認証に失敗した旨を表示する制御を行う。そして、そのままループ処理に移行し、通常の演出制御を行わないように制御する。
認証処理において認証に成功した場合には(S50CのY)、演出制御用CPU120は、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。
次に、演出制御用CPU120は、予告演出などの演出における可動部材321の複数種類の動きのパターンの動作を確認したり、位置検出センサ333によって可動部材321の初期位置(本実施の形態では第1位置)を検出したり、その初期位置に可動部材321を移動させたりする可動部材初期化処理を実行する(S51A)。
S51Aの可動部材初期化処理に続いて、演出制御用CPU120は、電源投入時のメモリ検査設定を行う(ステップS51B)。例えば、演出制御用CPU120は、メモリ検査処理を実行することにより、CGROM141の記憶データを検査する。ステップS51Bにおける設定の後には、演出制御用CPU120は、メモリ検査のインターバル設定を行う(ステップS51C)。例えば、演出制御用CPU120は、メモリ検査の検査結果に基づいて、次回のメモリ検査処理を実行するまでのインターバル(待機時間)を設定すればよい。
次に、演出制御用CPU120は、初期演出データ転送処理を実行する(S51D)。初期演出データ転送処理では、演出制御用CPU120は、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に格納されている各種画像データのうち、あらかじめ定められた初期データ(例えば、電源投入時の初期表示を行うための画像データや、使用頻度の高い画像データ)を読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120AのVRAM126に転送する。
その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載する温度センサ136からの温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度異常を検出した場合に、演出制御用CPU120のVDP機能を段階的に制限する温度制限処理を実行する(ステップS53A)。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御用CPU120のVDP機能を制限している状態から段階的に復帰する温度制限復帰処理を実行する(ステップS53B)。
次いで、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、エラー演出を実行する処理の1つであるエラー報知処理を実行する(S54A)。ステップS54Aのエラー報知処理では、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されたエラー指定コマンドに対応して、演出表示装置5の表示領域におけるエラー画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからのエラー音声出力動作、LED9a〜9eにおけるエラー発光動作等によるエラー報知等が行われる。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、小図柄プロセス処理を行う(S55A)。小図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(小図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示画面の左上端部において小図柄の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、飾り図柄プロセス処理を行う(S55B)。飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(飾り図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bの表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、制御中メモリ検査処理を行う(S55C)。ステップS55Cの制御中メモリ検査処理では、演出の進行を制御している演出制御中に、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過したことに応じて、CGROM141の記憶データを検査するための設定が行われる。
次いで、演出制御用CPU120は、制御中演出データ転送処理を行う(S55D)。ステップS55Dの制御中演出データ転送処理では、演出の進行を制御している演出制御中に、演出データを転送するための設定が行われる。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図24は、演出制御メイン処理における温度制限処理(S53A)を示すフローチャートである。温度制限処理において、演出制御用CPU120は、まず、温度センサ136から温度情報を読み込む(ステップS101)。次いで、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃であるか否かを確認する(ステップS102)。演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃であれば(ステップS102のY)、演出制御用CPU120は、第1段階の温度異常状態であると判断し、第1段階の制限モード(第1制限モード)に移行する。第1段階の制限モードでは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に表示されている背景画像表示を消去する制御を行う(ステップS103)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して低速動作用の駆動信号の出力を開始し、冷却ファン142の低速動作を開始させる制御を行う(ステップS104)。また、演出制御用CPU120は、第1温度異常報知を開始する制御を行う(ステップS105)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、第1温度異常状態である旨を表示する制御を行う。そして、演出制御用CPU120は、第1段階の温度異常状態であることを示す第1温度異常フラグをセットする(ステップS106)。
以上の処理が実行され、この実施の形態では、第1制限モードに移行される場合には、演出表示装置5の表示画面において、背景画像が消去され、演出図柄の変動表示や簡易な予告表示と、小図柄の変動表示と、保留画像およびアクティブ画像の表示のみが行われる。また、第1制限モードでは、演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限され、スケーラ機能(VRAM126上のフレームバッファに展開されている画像データをサイズを拡大したり縮小したりして表示出力する機能)も停止される。
演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃でなければ(ステップS102のN)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃であるか否かを確認する(ステップS107)。演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃であれば(ステップS107のY)、演出制御用CPU120は、第2段階の温度異常状態であると判断し、第2段階の制限モード(第2制限モード)に移行する。第2段階の制限モードでは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に表示されている左中右の演出図柄表示を消去する制御を行う(ステップS108)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して中速動作用の駆動信号の出力を開始し、冷却ファン142の中速動作を開始させる制御を行う(ステップS109)。また、演出制御用CPU120は、第2温度異常報知を開始する制御を行う(ステップS110)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、第2温度異常状態である旨を表示する制御を行う。そして、演出制御用CPU120は、第2段階の温度異常状態であることを示す第2温度異常フラグをセットする(ステップS111)。また、演出制御用CPU120は、セットされていれば、第1温度異常フラグをリセットする(ステップS112)。
以上の処理が実行され、この実施の形態では、第2制限モードに移行される場合には、演出表示装置5の表示画面において、背景画像に加えて、演出図柄の変動表示や簡易な予告表示も消去され、小図柄の変動表示と、保留画像およびアクティブ画像の表示のみが行われる。
演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃でもなければ(ステップS107のN)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が95℃以上であるか否かを確認する(ステップS113)。演出制御用CPU120の温度が95℃以上であれば(ステップS113のY)、演出制御用CPU120は、第3段階の温度異常状態であると判断し、第3段階の制限モード(第3制限モード)に移行する。第3段階の制限モードでは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の表示画面の左上端部に表示されている小図柄、第1保留表示エリア5Dや第2保留表示エリア5Uに表示されている保留画像、およびアクティブ表示エリアAHAに表示されているアクティブ画像を消去し、演出表示装置5における全ての表示(ただし、後述する第3温度異常報知を除いて)を消去する制御を行う(ステップS114)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して高速動作用の駆動信号の出力を開始し、冷却ファン142の高速動作を開始させる制御を行う(ステップS115)。また、演出制御用CPU120は、第3温度異常報知を開始する制御を行う(ステップS116)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、第3温度異常状態である旨を表示する制御を行う。そして、演出制御用CPU120は、第3段階の温度異常状態であることを示す第3温度異常フラグをセットする(ステップS117)。また、演出制御用CPU120は、セットされていれば、第1温度異常フラグや第2温度異常フラグをリセットする(ステップS118)。
以上の処理が実行され、この実施の形態では、第3制限モードに移行される場合には、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知を除いて)が消去される。
図25は、演出制御メイン処理における温度制限復帰処理(S53B)を示すフローチャートである。温度制限復帰処理において、演出制御用CPU120は、まず、温度センサ136から温度情報を読み込む(ステップS151)。次いで、演出制御用CPU120は、第3温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS152)。第3温度異常フラグがセットされていれば(すなわち、第3段階の温度異常状態であれば)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が90℃以下に下がっているか否かを確認する(ステップS153)。演出制御用CPU120の温度が90℃以下に下がっていれば(ステップS153のY)、演出制御用CPU120は、第3段階の制限モードから第2段階の制限モードに移行する制御を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の表示画面の左上端部における小図柄の表示を再開し、第1保留表示エリア5Dや第2保留表示エリア5Uにおける保留画像およびアクティブ表示エリアAHAに表示されているアクティブ画像の表示を再開する制御を行う(ステップS154)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して中速動作用の駆動信号の出力に切り替え、冷却ファン142を中速動作に切り替える制御を行う(ステップS155)。また、演出制御用CPU120は、第3温度異常報知から第2温度異常報知に切り替える制御を行う(ステップS156)。そして、演出制御用CPU120は、第3温度異常フラグをリセットし、第2温度異常フラグをセットする(ステップS157)。
第3温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、第2温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS158)。第2温度異常フラグがセットされていれば(すなわち、第2段階の温度異常状態であれば)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が66℃以下に下がっているか否かを確認する(ステップS159)。演出制御用CPU120の温度が66℃以下に下がっていれば(ステップS159のY)、演出制御用CPU120は、第2段階の制限モードから第1段階の制限モードに移行する制御を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、演出表示装置5における左中右の演出図柄表示を再開する制御を行う(ステップS160)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して低速動作用の駆動信号の出力に切り替え、冷却ファン142を低速動作に切り替える制御を行う(ステップS161)。また、演出制御用CPU120は、第2温度異常報知から第1温度異常報知に切り替える制御を行う(ステップS162)。そして、演出制御用CPU120は、第2温度異常フラグをリセットし、第1温度異常フラグをセットする(ステップS163)。
第2温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS164)。第1温度異常フラグがセットされていれば(すなわち、第1段階の温度異常状態であれば)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が55℃以下に下がっているか否かを確認する(ステップS165)。演出制御用CPU120の温度が55℃以下に下がっていれば(ステップS165のY)、演出制御用CPU120は、第1段階の制限モードを終了する制御を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において背景画像表示を再開する制御を行う(ステップS166)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して駆動信号の出力を停止し、冷却ファン142の動作を停止する制御を行う(ステップS167)。また、演出制御用CPU120は、第1温度異常報知を消去する制御を行う(ステップS168)。そして、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグをリセットする(ステップS169)。
図26および図27は、コマンド解析処理(S54)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAM122に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドを、RAM122に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かを確認する(ステップS626)。第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれもセットされていなければ(ステップS626のN)、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、通常状態に応じた背景画像(例えば、青色の背景色の背景画像)を表示する制御を行う(ステップS627)。一方、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされていれば(ステップS626のY)、ステップS627の処理を実行することなく、ステップS628に移行する。すなわち、第1段階〜第3段階のいずれかの制御モード中であることから、演出表示装置5において背景画像を表示する制御を行うことなく、ステップS628に移行する。そして、演出制御用CPU120は、セットされていれば、時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS629)、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かを確認する(ステップS630)。第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれもセットされていなければ(ステップS630のN)、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、時短状態に応じた背景画像(例えば、緑色の背景色の背景画像)を表示する制御を行う(ステップS631)。一方、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされていれば(ステップS630のY)、ステップS631の処理を実行することなく、ステップS632に移行する。すなわち、第1段階〜第3段階のいずれかの制御モード中であることから、演出表示装置5において背景画像を表示する制御を行うことなく、ステップS632に移行する。そして、演出制御用CPU120は、時短状態フラグをセットする(ステップS632)とともに、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグをリセットする(ステップS633)。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS634)、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かを確認する(ステップS635)。第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれもセットされていなければ(ステップS635のN)、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、確変状態に応じた背景画像(例えば、赤色の背景色の背景画像)を表示する制御を行う(ステップS636)。一方、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされていれば(ステップS635のY)、ステップS636の処理を実行することなく、ステップS637に移行する。すなわち、第1段階〜第3段階のいずれかの制御モード中であることから、演出表示装置5において背景画像を表示する制御を行うことなく、ステップS637に移行する。そして、演出制御用CPU120は、確変状態フラグをセットする(ステップS637)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS638)。そして、ステップS611に移行する。
図28は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、第3温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(S70A)。第3温度異常フラグがセットされていれば、演出制御プロセス処理を終了する。すなわち、第3段階の制限モードに移行している状態であり、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知を除いて)を消去している状態であるので、そのまま演出制御プロセス処理を終了する。
第3温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、保留表示予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する保留表示予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置5の第1保留表示エリア5D及び第2保留表示エリア5Uにおける保留記憶表示を始動入賞時受信コマンドバッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
次いで、演出制御用CPU120は、第2温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(S70B)。第2温度異常フラグがセットされていれば、演出制御プロセス処理を終了する。すなわち、第2段階の制限モードに移行している状態であり、演出表示装置5において小図柄、保留画像およびアクティブ画像の表示のみを行い、演出図柄の表示を行わない状態であるので、ステップS71,S72の保留画像を表示する処理のみを行って演出制御プロセス処理を終了する。
第2温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。なお、この実施の形態では、演出図柄変動開始処理において、後述するLED制御を行うための演出実行設定処理も実行される。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図29は、図28に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU120は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU120は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU120は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
ステップS8001では、例えば、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置5に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置5において予告演出を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8002)。
次いで、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8003)。第1温度異常フラグがセットされていれば、演出制御用CPU120は、変動パターン、および予告演出を実行する場合には予告演出に応じた制限用のプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。この実施の形態では、第1段階の制限モードに移行されている場合には、ステップS8004で選択されたプロセステーブルに従って後述するステップS8007および演出図柄変動中処理(S75)が実行されることによって、演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限されたり、スケーラ機能(VRAM126上のフレームバッファに展開されている画像データをサイズを拡大したり縮小したりして表示出力する機能)を停止した状態で画像表示される。
なお、この実施の形態では、第1制限モードでは演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限されるのであるが、第2制限モードや第3制限モードでは演出制御プロセス処理のS73〜S79の処理が実行されないので演出図柄の変動表示に関する音出力は全く行われない。
一方、第1温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、変動パターン、および予告演出を実行する場合には予告演出に応じた通常用のプロセステーブルを選択する(ステップS8005)。
そして、演出制御用CPU120は、ステップS8004,S8005で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8006)。
プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、プロセステーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載するROM135に格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップS8007)。例えば、演出表示装置5において変動パターンや予告演出に応じた画像を表示させるために、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に格納されている各種画像データのうち、演出図柄の変動表示や予告演出の表示態様となる各種画像データを読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120AのVRAM126に転送する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8008)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(ステップS8009)。
なお、その後、演出制御用CPU120は、演出図柄変動中処理(ステップS75)において、プロセスタイマがタイムアウトすると、プロセスデータの切り替えを行う。演出制御用CPU120は、切り替えられるプロセスデータに表示制御実行データを含むと判定した場合には、メモリ検査中であるか否かを判定する。メモリ検査中ではないと判定された場合には、演出データ読出中であるか否かを判定する(例えば、制御中演出データ転送処理にて演出データの読出中であるか否かを判定する)。演出データ読出中ではないと判定された場合には、次のプロセスデータの表示制御実行データに従って、演出表示装置5における表示態様を変更するなど通常の表示制御を行う。これに対し、メモリ検査中であると判定した場合、または演出データ読出中であると判定した場合には、演出表示装置5における表示態様を簡易制御(簡易表示制御)するための設定を行う。
簡易表示制御では、例えばVRAM126に記憶されている画像データのみを用いて簡易な表示を行うための設定が行われてもよい。メモリ検査中や演出データ読出中の場合には、CGROM141の記憶データをリアルタイムに読み出して画像表示に用いることができない。そこで、例えば複数種類の演出図柄に対応した画像データ(スプライト画像データ)のように、初期データとしてVRAM126に転送されて記憶される画像データを用いて、演出図柄の可変表示などを行うようにしてもよい。その一方で、例えば動画像データを用いた動画像再生が行われるリーチ演出のように、CGROM141の記憶データを読み出す必要がある画像表示については、表示を行わずに表示停止としてもよい。なお、メモリ検査中であると判定した場合や、演出データ読出中であると判定した場合には、簡易表示制御を行うことなく、演出図柄変動中処理を終了してもよい。これらの場合には、VRAM126などに設けられたフレームバッファの記憶データが更新されないことで、演出表示装置5の画面上では、画像表示が更新されずに表示停止した状態になる可能性がある。あるいは、フレームバッファの記憶データが消去(クリア)されることで、演出表示装置5の画面上では、画像表示が行われずに表示停止(ブラックアウト)した状態になる可能性もある。
図30は、図23に示された演出制御メイン処理における小図柄プロセス処理(S55A)を示すフローチャートである。小図柄プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、第3温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS200)。第3温度異常フラグがセットされていれば、小図柄プロセス処理を終了する。すなわち、第3段階の制限モードに移行している状態であり、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知を除いて)を消去している状態であるので、そのまま小図柄プロセス処理を終了する。
第3温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、小図柄プロセスフラグの値に応じてステップS201〜S203のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、小図柄プロセス処理では、演出表示装置5の小図柄表示領域における小図柄の表示状態が制御され、小図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示に関する制御も、一つの小図柄プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示とを、別の小図柄プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの小図柄プロセス処理により小図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。さらに、この場合、小図柄自体も、第1特別図柄の変動表示を行う場合と第2特別図柄の変動表示を行う場合とで異なる種類の表示を行うようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、青色の表示色で小図柄の変動表示を実行し、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、赤色の表示色で小図柄の変動表示を実行するなど、何らかの態様で区別可能に表示することが望ましい。
小図柄変動開始処理(ステップS201):変動パターンコマンドの受信により、小図柄の変動が開始されるように制御する。そして、小図柄プロセスフラグの値を小図柄変動中処理(ステップS202)に対応した値に更新する。
小図柄変動中処理(ステップS202):小図柄の変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御する。そして、図柄確定指定コマンドを受信したら、小図柄プロセスフラグの値を小図柄変動停止処理(ステップS203)に対応した値に更新する。
小図柄変動停止処理(ステップS203):小図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、小図柄プロセスフラグの値を小図柄変動開始処理(ステップS201)に対応した値に更新する。
なお、ステップS201〜S203の処理では、例えば、演出表示装置5において小図柄の変動表示に応じた画像を表示させるために、随時、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に格納されている各種画像データのうち、小図柄の変動表示に応じた各種画像データを読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120AのVRAM126に転送する。
図31は、図23に示された演出制御メイン処理における飾り図柄プロセス処理(S55B)を示すフローチャートである。飾り図柄プロセス処理では、演出制御用CPU120は、飾り図柄プロセスフラグの値に応じてステップS251〜S253のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、飾り図柄プロセス処理では、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bを構成する2個のランプ(またはLED)の点灯状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した第1飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した第2飾り図柄の可変表示に関する制御も、一つの飾り図柄プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した第1飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した第2飾り図柄の可変表示とを、別の飾り図柄プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの飾り図柄プロセス処理により飾り図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
飾り図柄変動開始処理(ステップS251):変動パターンコマンドの受信により、飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS252)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS252):飾り図柄の変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御する。そして、図柄確定指定コマンドを受信したら、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS253)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS253):飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS251)に対応した値に更新する。
なお、図31に示すように、飾り図柄プロセス処理においては、特に第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かの確認を行うことなく、ステップS251〜S253の処理が実行されるので、温度異常にもとづくいずれかの制限モードに移行されているか否かに関係なく、第1飾り図柄表示器5Aにおける第1飾り図柄の変動表示や第2飾り図柄表示器5Bにおける第2飾り図柄の変動表示が実行される。
次に、温度異常にもとづく制限モードに移行しているときの演出表示装置5の表示態様について説明する。図32は、温度異常にもとづく制限モードに移行しているときの演出表示装置5の表示態様を説明するための説明図である。まず、温度異常が検出されておらず、いずれの制限モードにも移行していない通常モードである場合には、図32(A)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、背景画像(本例では、地面と太陽の絵柄を含む画像)が表示されるとともに、左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアに演出図柄の変動表示が表示される。また、演出表示装置5の表示画面の左上端部に左中右の小図柄の変動表示5Sが表示され、演出表示装置5の表示画面の下方には保留画像やアクティブ画像が表示される(本例では、第1保留表示エリア5Dにおいて3個の保留画像が表示されるとともに、アクティブ表示エリアAHAにおいてアクティブ画像が表示される場合が示されている)。
次いで、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃となり、第1制限モードに移行すると、図32(B)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、背景画像表示が消去される(ステップS103参照)。なお、図32(B)に示すように、第1制限モードに移行しても、左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアにおける演出図柄の変動表示と、小図柄の変動表示5Sと、保留画像およびアクティブ画像の表示は継続される。また、第1制限モードでは、冷却ファン142の低速動作が開始される(ステップS104参照)とともに、図32(B)に示すように、演出表示装置5の表示画面において第1温度異常報知E1が開始される(ステップS105参照)。
次いで、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃となり、第2制限モードに移行すると、図32(C)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアにおける演出図柄表示が消去される(ステップS108参照)。なお、図32(C)に示すように、第2制限モードに移行しても、小図柄の変動表示5Sと、保留画像およびアクティブ画像の表示は継続される。また、第2制限モードでは、冷却ファン142の中速動作が開始される(ステップS109参照)とともに、図32(C)に示すように、演出表示装置5の表示画面において第2温度異常報知E2が開始される(ステップS110参照)。
さらに、演出制御用CPU120の温度が95℃以上となり、第3制限モードに移行すると、図32(D)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、小図柄の変動表示5Sと、保留画像およびアクティブ画像も消去され、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知E1を除いて)が消去される(ステップS114参照)。また、第3制限モードでは、冷却ファン142の高速動作が開始される(ステップS115参照)とともに、図32(D)に示すように、演出表示装置5の表示画面において第3温度異常報知E3が開始される(ステップS116参照)。
次にLED9a〜9eの制御について説明する。LED9a〜9eは、実行される演出に対応した複数種類の発光パターンで発光(点灯、点滅など)可能となっている。演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた制御用データ領域に制御用データが設定されている場合にLED9a〜9eを所定の発光パターンにて発光(点灯、点滅など)させるように制御可能となっている。
また、制御用データ領域に設定される制御用データは、各発光体制御基板16C〜16Fにおいて発光(点灯、点滅など)制御を行うためのデータである。具体的に、各々の発光パターンには、それらを一意に識別するための識別子が割り当てられており、上述した制御用データは、この識別子を示すデータである。演出制御用CPU120は、制御用データ領域に制御用データが設定されている場合には、この制御用データを読み取り、各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力する。各発光体制御基板16C〜16Fでは、制御用データが示す識別子で識別された発光パターンで発光するように各発光体ドライバ411a,411b,413a〜413cなどによって制御することで、LED9a〜9eが点灯/消灯駆動される。一方、制御用データ領域がNULLの場合は、当該制御用データ領域に制御用データは設定されていないと判定する。また、制御用データが設定されるタイミングは、当該制御用データにより制御を開始するタイミング、又は当該制御用データにより制御を開始するタイミングよりも前のタイミングである。以下の説明では、LED9a〜9eのいずれかのLEDによる演出を説明する場合には、単にLED演出と表現することがある。
図33は、制御用データ領域の一例を示す図である。制御用データ領域は、一の制御用データ領域と他の制御用データ領域とを少なくとも含む。具体的に、本実施形態の場合は、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の5つの制御用データ領域を含む。そして、各レイヤは、音声を出力する音演出に対応している。例えば、「エラー」演出は、演出表示装置5にもエラーを示す画面が表示される演出であるが、そのうちのエラー音を出力する演出に対応している。なお、音演出は、音を出さない演出(無音演出)も含み、この無音演出に対応したLED演出があってもよい。この無音演出に対応したLED演出は、LEDを消灯させるのではなく、発光させる演出である。
また、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5は優先順位が設定されており、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5(レイヤ1が最も優先順位が低く、レイヤ5が最も優先順位が高い)となっている。ここで、「優先順位が設定されている」とは、具体的に、演出制御用CPU120がLED9a〜9eを制御する場合には、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に制御用データが設定されているか否かを判定し、設定されていると判定された制御用データ領域に設定されている制御用データを各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力するという制御を行うため、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に優先されることを示している。なお、優先順位の設定を実現する例は、これに限るものではなく、例えば、各レイヤに優先順位を示す値を割り当てるようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、まず制御用データが設定されている全てのレイヤに割り当てられた値を参照し、(複数のレイヤに制御データが設定されている場合であっても)その中で優先順位が最も高い値(例えば最大値)が割り当てられているレイヤに設定された制御用データを各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力することとなる。
このように、レイヤには優先順位が設定されているため、LED演出では1つのLED演出のみが行われ、複数のLED演出が同時に行われることはないが、LED演出に対応する音演出は同時に行われることがある。例えば、レイヤ1の制御用データ領域にBGM演出の制御用データが設定され、レイヤ1より優先順位が高いレイヤの制御用データ領域に他の演出の制御用データが設定されていない場合は、BGM演出のLED演出とともに、BGMが音演出として行われる。この状態で、例えばレイヤ3の制御用データ領域に他の演出の制御用データが設定されると、LED演出では、BGM演出のLED演出が終了して、他の演出のLED演出が行われるが、音演出では、BGMと他の演出の音演出とが同時に行われる。
演出制御用CPU120は、いずれか一方の制御用データ領域に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。具体的に例えば、遊技状態が低ベース状態では、図33に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(通常変動、リーチ変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2の予告B演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の予告A演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確定報知演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
また、遊技状態が高ベース状態では、図33に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(通常変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2のBGM演出(リーチ変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の予告演出(全て)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確定報知演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
さらに、遊技状態が大当り状態では、図33に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(大当り)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2の予告演出(保留連、昇格)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の大入賞口入賞演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確変入賞演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
演出制御用CPU120は、両方の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。具体的に例えば、レイヤ2とレイヤ3の両方の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域であるレイヤ3に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。さらに、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域であるレイヤ4に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。
さらに、本実施形態において、第1遊技状態中において一の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターンと、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態中に一の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターンとが異なる。具体的には、図33に示されるように、制御用データ領域は、遊技状態(低ベース状態、高ベース状態、大当り状態)ごとに設けられている。そして、例えば低ベース状態中において例えばレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターン(予告A演出に対応した発光パターン)と、低ベース状態とは異なる例えば高ベース状態中にレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターン(BGM演出に対応した発光パターン)とが異なる。
図33に示される制御用データ領域への設定は、原則として一の遊技が終了するたびにリセットされる。「一の遊技」とは、遊技状態が低ベース状態または高ベース状態の場合は、可変表示の開始に始まり、可変表示の停止表示により終了するまでの遊技を示し、遊技状態が大当り状態の場合は、大当り状態の開始から終了までの遊技を示している。
従って、遊技状態が低ベース状態または高ベース状態の場合、制御用データは、可変表示の開始タイミングまたは可変表示中の演出の開始タイミングで設定され、可変表示の停止表示または各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングによりリセットされる。なお、各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングが到来しない場合でも、可変表示が停止表示した場合にはリセットされる。
また、遊技状態が大当り状態の場合、制御用データは、S173の特図当り待ち処理またはS176の大当り遊技中処理などにて設定され、大当りが終了した場合、ラウンドが終了した場合、または各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングによりリセットされる。
例外的に複数の遊技に跨って行われる演出(例えば、先読予告演出や、複数回の大当りを含む演出)に対応するLED9a〜9eによるLED演出の制御用データの設定は遊技の終了によりリセットされることはない。なお、複数の遊技に跨って行われるLED演出は、上述した遊技状態により異なる一の遊技を組み合わせたものを改めて一の遊技とし、この一の遊技の複数に跨る演出もLED演出であってもよい。
次に、図33に示される各演出について説明する。上述したように、本実施形態におけるLED制御は、図33に示される各演出における音演出に対応している。以下の説明では、各演出において発光(点灯、点滅など)するLEDが記載されているが、記載されているLEDのみが発光(点灯、点滅など)する場合と、他のLEDも発光(点灯、点滅など)する場合がある。
図33において、エラー演出は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されたエラー指定コマンドに対応して、演出表示装置5の表示領域におけるエラー画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからのエラー音声出力動作、LED9a〜9eにおけるエラー発光動作等によるエラー報知等が行われる演出である。本実施形態でのエラー演出は、LED9a〜9eの全てが発光(点灯、点滅など)する演出である。そして、図33に示されるように、演出制御用CPU120は、最も高い優先順位が設定される制御用データ領域(レイヤ5)に制御用データが設定されている場合には、遊技状態に依らずエラー演出を示す発光パターンにて発光(点灯、点滅など)させるように制御するようになっている。
確定報知演出は、V字状に配列されたLEDなどが点滅したり、演出表示装置5の表示領域にV字状の図柄が表示される演出であり、演出図柄の変動中に行われる大当りが確定を示す演出(予告)である。
確変入賞演出には、例えば、確変入賞口(若しくは確変入賞口内に設けられた所定領域。以下、確変入賞口等)の入賞の有無により大当り後の状態を確定させる態様のV確変タイプの遊技機において、確変入賞口等に入賞した際に行われる演出である。確変入賞口等に入賞した場合、大当り後の状態を確変状態とし、確変入賞口等に入賞しなかった場合、大当り後の状態を非確変状態とすることが一般的である。この場合、遊技者に確変入賞口等への入賞を狙わせる演出が設けられており、この演出を本実施形態では確変チャレンジ演出と称する。図1に示したパチンコ遊技機1には、確変入賞口は設けられていないが、LED制御の一例を説明するために、本実施形態での確変入賞演出は、例えば特別可変入賞球装置7内に上記所定領域を設け、その所定領域へ入賞した際にLED(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDでもよい)が発光(点灯、点滅など)する演出とする。また、確変チャレンジ演出は、本実施形態では、LED(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDでもよい)が発光(点灯、点滅など)する演出とする。なお、この確変入賞口は、確変アタッカーともいわれる。
予告A演出、及び予告B演出は、本実施形態では、いずれの演出もLED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)するとともに演出表示装置5の表示領域における演出であって、予告A演出は、キャラクタAが演出表示装置5の表示領域に表示される演出であり、予告B演出は、キャラクタBが演出表示装置5の表示領域に表示される演出である。また「予告(全て)」は、予告A演出、及び予告B演出を示している。また、「予告(保留連、昇格)」のうち、予告(保留連)は、大当り前又は大当り中に保留された保留内に大当りとなる保留が存在する場合に、大当りとなる保留が存在することを大当り中に予告する演出である。予告(昇格)は、上述した大当り中昇格演出や、例えば大当りラウンド数が8ラウンドから16ラウンドなどに増加するラウンド数昇格演出である。この「予告(保留連、昇格)」は、LED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)するとともに演出表示装置5の表示領域における演出である。
大入賞口入賞演出は、特別可変入賞球装置7へ入賞したときに行われる演出である。本実施形態での大入賞口入賞演出は、特別可変入賞球装置7へ入賞するたびにLED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)する演出である。この大入賞口入賞演出では、所謂オーバー入賞時に特に目立たせるような演出が行われることがある。
以上説明した各演出では、LED演出のみの演出だけではなく、LED演出以外の演出(例えば、音による音演出、演出表示装置5による表示演出、または音演出と表示演出を組み合わせた演出等)が行われることがあるが、以下の説明において、特に断らない限り、「演出」は、当該演出におけるLED演出のみを示すものとする。LED演出とLED以外の演出を含む演出全体を示す場合には「演出(全て)」と表現する。また、LED以外の演出を示す場合には「演出(LED以外)」と表現する。例えば、「BGM演出」は、LED演出のみを示し、「BGM演出(全て)」は、LED演出の他に、音演出などLED以外の演出を含む演出全体を示し、「BGM演出(LED以外)」は、音演出などLED以外の演出を示す。
また、以上説明した各演出において、BGM演出の優先順位は、BGMの性質上、いずれの遊技状態においても最も低く設定される。低ベース状態において、予告A演出は予告B演出より優先順位が高いが、これは予告A演出が予告B演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。さらに低ベース状態において、確定報知演出は予告A演出よりも優先順位が高いが、これは確定報知演出が大当り確定を示す演出であるためである。
高ベース状態において、BGM(リーチ変動)演出は、BGM(通常)演出より優先順位が高いが、これはBGM(リーチ変動)演出がBGM(通常)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。高ベース状態において、予告(全て)演出は、BGM(リーチ変動)演出より優先順位が高いが、これは予告(全て)演出がBGM(リーチ変動)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。高ベース状態において、確定報知演出は、予告(全て)演出より優先順位が高いが、これは確定報知演出が予告(全て)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。
大当り状態において、予告(保留連、昇格)演出は、BGM(大当り)演出より優先順位が高いが、これは予告(保留連、昇格)がBGM(大当り)演出より遊技者にとって重要な演出であるためである。大当り状態において、大入賞口入賞演出は、予告(保留連、昇格)演出より優先順位が高いが、これは大入賞口入賞演出は入賞するたびに行われるものであり、予告(保留連、昇格)演出(LED以外)は一般的に演出表示装置5の表示領域において大入賞口入賞演出よりも比較的長く行われる演出であるところ、大入賞口入賞演出を予告(保留連、昇格)演出より優先順位を高くした場合には、いずれの演出も遊技者に告知可能であるが、予告(保留連、昇格)演出を大入賞口入賞演出よりも優先順位を高くした場合には、予告(保留連、昇格)演出のみが行われ、大入賞口入賞演出が行われなくなるためである。また、上述したように、大入賞口入賞演出ではオーバー入賞時の演出が行われることが一般的であり、オーバー入賞は遊技者にとって本来であれば得られない利益のため、演出の重要性が高いためでもある。
各演出の制御用データの設定は、BGM演出及び複数の遊技に跨って行われる演出の制御用データを除き、各演出ごとに定められた時間が経過するとリセットされる。なお、一般的なパチンコ遊技機における演出(全て)として、2つ以上の演出(全て)に分岐する演出(全て)がある。こうした複数の演出(全て)に分岐する場合は、分岐するときに対応する演出の制御用データを再設定することとなる。
以上説明した各制御用データ領域に設定される制御用データは一例であり、図33に示した例に限るものではなく、パチンコ遊技機の演出等に応じて適宜設定される。
図34および図35は、LED制御例を示すタイムチャートである。まず、図34に示すタイムチャートは、エラー報知が実行されておらず、遊技状態が低ベース状態で、可変表示が行われてなく、さらに保留も存在しない状態において、時間T1で始動入賞があり、演出図柄が変動を開始し、時間T2に予告B演出が発生し、さらに時間T3で予告A演出が発生した場合のタイムチャートを示している。なお、BGM演出(LED以外)は、時間T1から最後まで行われ、予告B演出(LED以外)は、時間T2から最後まで行われ、予告A演出(LED以外)は、時間T3から最後まで行われている。制御対象LEDは、一例としてLED9a〜9eとしている。
図34に示されるタイムチャートでは、縦軸は各レイヤに対応するLED制御を示し、横軸は時間を示している。
また、図34では、レイヤ5の制御用データ領域に設定される制御用データをエラー演出の制御用データとし、レイヤ4の制御用データ領域に設定される制御用データを確定報知演出の制御用データとし、レイヤ3の制御用データ領域に設定される制御用データを予告A演出の制御用データとし、レイヤ2の制御用データ領域に設定される制御用データを予告B演出の制御用データとし、レイヤ1の制御用データ領域に設定される制御用データをBGM演出の制御用データとしている。
LED9a〜9eは、エラー演出では色Aで発光(点灯、点滅など)し、確定報知演出では色Bで発光(点灯、点滅など)し、予告A演出では色Cで発光(点灯、点滅など)し、予告B演出では色Dで発光(点灯、点滅など)し、BGM演出では色Eで発光(点灯、点滅など)する。
また、図34に示されるタイムチャートでは、LED9a〜9eの発光色等を示す表示態様が示されている。この表示態様において、「消」は、LED9a〜9eが消灯していることを示し、アルファベットは、それに対応する色で発光(点灯、点滅など)していることを示す。「消」やアルファベットによる表現は、これから説明する他のタイムチャートでも用いられる。
さらに、図34に示されるタイムチャートでは、各レイヤに対応する演出(LED以外)が実行されているか否かも示されている。例えば、BGM演出(全て)は、LED演出とともに音演出を実行する演出であるので、優先順位が低くLED演出が実行されない場合でも音演出を実行することはできる。
また、図34の場合、各演出(LED以外)は同時に実行可能である。例えば、予告A演出(LED以外)と予告B演出(LED以外)は同時に実行可能である。
以上を踏まえ、図34のタイムチャートについて説明する。まず、各制御用データ領域に制御用データが設定されていないので、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは消灯している。
時間T1にて始動入賞があり、レイヤ1の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、BGMLED制御がオンとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Eで発光(点灯、点滅など)する。
次いで、時間T2にて、レイヤ1より優先順位の高いレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、予告BLED制御がオンとなり、BGMLED制御がオフとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Dで発光(点灯、点滅など)する。
次いで、時間T3にて、レイヤ2より優先順位の高いレイヤ3の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、予告ALED制御がオンとなり、予告BLED制御がオフとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Cで発光(点灯、点滅など)する。図34に示した制御によれば、BGM演出より遊技者にとって重要な予告B演出が優先され、さらに予告B演出よりも重要な予告A演出が優先されることから、遊技者に各LED演出による視覚効果を適切に与えることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図35に示すタイムチャートは、遊技状態が低ベース状態で、可変表示が行われてなく、さらに保留も存在しない状態において、時間T1で始動入賞があり、演出図柄が変動を開始し、時間T2に予告B演出が発生し、さらに時間T3で予告A演出が発生した場合であることは図34と同じであるが、エラー報知の実行中である場合のタイムチャートを示している。
図35に示す例では、エラー報知の実行中であるので、エラー演出(LED以外)が実行されているとともに、レイヤ5の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Aで発光(点灯、点滅など)している。そして、レイヤ5に設定されるエラー報知用の制御用データは最も優先順位が高いので、時間T1や時間T2、時間T3となってBGM演出や予告B演出、予告A演出の発生タイミングとなっても、エラーLED制御が継続されるとともにエラー演出(LED以外)の実行も継続される。
なお、図35に示すように、エラー報知の実行中であっても、BGM演出(LED以外)や、予告B演出(LED以外)、予告A演出(LED以外)は同時に実行可能である。
また、図34および図35では、一例として、遊技状態が低ベース状態である場合のLED制御例を示しているが、遊技状態が高ベース状態である場合や大当り遊技状態である場合も、図33に示すレイヤの優先順位に従ってLED制御が行われる。
図36および図37は、演出図柄変動開始処理(ステップS74)にて実行される演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートでは、一例として図33で示した制御用データ領域を用いて説明する。また、このフローチャートの説明では、「演出Yの制御用データをレイヤNの制御用データ領域に設定し、演出Yの開始タイミングに従って演出制御パターンのLED制御データを設定すること」を、単に「演出Yの制御用データをレイヤNに設定する」と表現する。例えば、「予告演出の制御用データをレイヤ2に設定する」との記載は、「予告演出の制御用データをレイヤ2の制御用データ領域に設定し、予告演出の開始タイミングに従って演出制御パターンのLED制御データを設定すること」を意味する。
図36に示す演出実行設定処理において、演出制御用CPU120は、エラーLED発光中か否か(例えば、LED9a〜9eを色Aで発光(点灯、点滅など)中であるか否か)の判定を行う(ステップS901)。演出制御用CPU120は、ステップS54Aのエラー報知処理を実行したか否かで判定する。
エラーLED発光中である場合には(ステップS901;Yes)、エラー演出が最も優先順位が高いため、演出制御用CPU120は、下位のレイヤに制御用データを設定せずに、ステップS915に進む。
エラーLED発光中である場合には(ステップS901;Yes)、演出制御用CPU120は、遊技状態が高ベース状態か否かの判定を行う(ステップS902)。遊技状態が高ベース状態の場合には(ステップS902;Yes)、演出制御用CPU120は、変動パターンがリーチ変動パターンか否かの判定を行う(ステップS903)。変動パターンがリーチ変動パターンの場合には(ステップS903;Yes)、演出制御用CPU120は、BGM(リーチ変動)演出の制御用データをレイヤ2に設定し(ステップS904)、ステップS906に進む。変動パターンがリーチ変動パターンではない場合には(ステップS903;NO)、演出制御用CPU120は、BGM(通常変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS905)、ステップS906に進む。
次いで、演出制御用CPU120は、予告演出を実行するか決定するための予告決定処理を行う(ステップS906)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告決定処理の決定結果から、予告演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS907)。予告演出を実行しない場合には(ステップS907;No)、ステップS909に進む。予告演出を実行する場合には(ステップS907;Yes)、演出制御用CPU120は、予告演出の制御用データをレイヤ3に設定する(ステップS908)。
次いで、演出制御用CPU120は、確定報知演出を実行するか決定するための確定報知決定処理を行う(ステップS909)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンが大当りを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、確定報知決定処理の決定結果から、確定報知演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS910)。確定報知演出を実行しない場合には(ステップS910;No)、ステップS912に進む。確定報知演出を実行する場合には(ステップS910;Yes)、演出制御用CPU120は、確定報知演出の制御用データをレイヤ4に設定する(ステップS911)。次いで、演出制御用CPU120は、各決定処理で決定された各演出制御パターンを選択する(ステップS912)。そして、演出実行設定処理を終了する。
ステップS902の処理に戻り、遊技状態が低ベース状態の場合には(ステップS902;No)、図37のステップS913に進む。演出制御用CPU120は、変動パターンがリーチ変動パターンか否かの判定を行う(ステップS913)。変動パターンがリーチ変動パターンの場合には(ステップS913;Yes)、演出制御用CPU120は、BGM(リーチ変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS914)、ステップS916に進む。変動パターンがリーチ変動パターンではない場合には(ステップS913;NO)、演出制御用CPU120は、BGM(通常変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS915)、ステップS916に進む。
次いで、演出制御用CPU120は、予告B演出を実行するか決定するための予告B決定処理を行う(ステップS916)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告B決定処理の決定結果から、予告B演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS917)。予告B演出を実行しない場合には(ステップS917;No)、ステップS919に進む。予告B演出を実行する場合には(ステップS917;Yes)、演出制御用CPU120は、予告B演出の制御用データをレイヤ2に設定する(ステップS918)。
次いで、演出制御用CPU120は、予告A演出を実行するか決定するための予告A決定処理を行う(ステップS919)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告A決定処理の決定結果から、予告A演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS920)。予告A演出を実行しない場合には(ステップS920;No)、ステップS922に進む。予告A演出を実行する場合には(ステップS920;Yes)、演出制御用CPU120は、予告A演出の制御用データをレイヤ3に設定する(ステップS921)。
次いで、演出制御用CPU120は、確定報知演出を実行するか決定するための確定報知決定処理を行う(ステップS922)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンが大当りを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、確定報知決定処理の決定結果から、確定報知演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS923)。確定報知演出を実行しない場合には(ステップS923;No)、ステップS912に進む。確定報知演出を実行する場合には(ステップS923;Yes)、演出制御用CPU120は、確定報知演出の制御用データをレイヤ4に設定する(ステップS924)。
以上説明した演出図柄変動開始処理におけるLED9a〜9eの制御の他に、変動パターンコマンド受信待ち処理、演出図柄変動中処理、及び大当り遊技中処理などにおいてもLED9a〜9eの制御が行われる。例えば、変動パターンコマンド受信待ち処理において、パチンコ遊技機1の電源投入時に客待ちデモ指定コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、直ちにLED9a〜9eを客待ちデモ演出でのLED態様で表示させる。一方、BGM演出が一定パターンを繰り返す演出を行っている場合には、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンドを受信した数秒後にLED9a〜9eを客待ちデモ演出でのLED態様で表示させる。このように、同じ客待ちデモ指定コマンドを受信した場合でも、状況に応じて制御内容が異なる。
また、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理において設定された開始タイミングに基づき、LED9a〜9eを制御するとともに、各演出ごとに定められた時間が経過するか、可変表示が終了すると当該演出の制御用データの設定をリセットする。さらに、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、遊技者の操作に応じてLED9a〜9eを制御することがある。遊技者の操作例として、例えばスティックコントローラ31Aのトリガボタンの押下操作などがある。このような押下操作に応じて、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120はLED9a〜9eを制御する。また、大当り遊技中処理において、演出制御用CPU120は、図33に示した各制御用データを制御用データ領域に設定してLED9a〜9eを制御するとともに、各演出ごとに定められた時間が経過すると当該演出の制御用データの設定をリセットする。また、大当り遊技中処理においても、遊技者の操作に応じてLED9a〜9eを制御することがあるので、演出制御用CPU120は、押下操作に応じてLED9a〜9eを制御する。
以上のように、この実施の形態では、優先順位が設定された複数層(本例では、図33に示すレイヤ1〜レイヤ5)を有するデータ設定領域(本例では、図33に示す制御用データ領域)を備える。また、データ設定領域の各層に、少なくとも電気部品のうちの発光体(本例では、LED9a〜9e)の発光制御を行うための発光データを設定可能である。そして、制御手段(本例では、演出制御用CPU120)は、発光データにもとづいて発光体の発光制御を行うことが可能であり、データ設定領域の複数の層に発光データが設定されている場合に、優先順位が高い層に設定されている発光データにもとづいて発光体の発光制御を行う。そのため、層(レイヤ)の切り替えによって優先順位を簡単に切り替えて発光体の発光制御を行うことができる。
また、この実施の形態では、実行される演出(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出等)に対応した複数種類の発光パターン(例えば、色パターン、点滅パターン等)で発光可能な発光装置(例えば、LED9a〜9e等)と、発光装置を制御可能な制御手段(例えば、演出制御用CPU120等)と、を備え、制御手段は、制御用データが制御用データ領域に設定されている場合に発光装置を所定の発光パターンにて発光させるように制御可能であり、制御用データ領域は一の制御用データ領域(例えば、図33のレイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域等)と他の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうち、一の制御用データ領域とは異なる制御用データ領域等)とを少なくとも含み、いずれか一方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの、いずれかの制御用データ領域等)に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターン(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出に対応した発光パターン等)にて発光装置を発光させるように制御し、両方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの2つの制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合は、優先順位(例えば、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5等)が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにて発光装置を発光させるように制御可能であり、第1遊技状態中(例えば、図33の低ベース状態)において一の制御用データ領域(例えば、図33の低ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域等)に制御用データ(例えば、図33の低ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域に設定される予告B演出の制御用データ等)が設定されるときの発光パターンと、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態中(例えば、図33の高ベース状態)に一の制御用データ領域に制御用データ(例えば、図33の高ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域に設定されるBGM演出の制御用データ等)が設定されるときの発光パターンとが異なる。そのため、遊技状態に応じた優先順位でランプ演出を行うことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、実行される演出(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出等)に対応した複数種類の発光パターン(例えば、色パターン、点滅パターン等)で発光可能な発光装置(例えば、LED9a〜9e等)と、発光装置を制御可能な制御手段(例えば、演出制御用CPU120等)と、を備え、制御手段は、制御用データが制御用データ領域に設定されている場合に発光装置を所定の発光パターンにて発光させるように制御可能であり、制御用データ領域は一の制御用データ領域(例えば、図33のレイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域等)と他の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうち、一の制御用データ領域とは異なる制御用データ領域等)とを少なくとも含み、いずれか一方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの、いずれかの制御用データ領域等)に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターン(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出に対応した発光パターン等)にて発光装置を発光させるように制御し、両方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの2つの制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合は、優先順位(例えば、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5等)が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにて発光装置を発光させるように制御可能であり、制御用データ領域には、優先順位が低い順に第1データ領域(例えば、レイヤ1の制御用データ領域等)、第2データ領域(例えば、レイヤ2の制御用データ領域等)、第3データ領域(例えば、レイヤ3の制御用データ領域等)が設けられており、第2データ領域に設定される制御用データとして、発光装置を発光させるように制御する制御用データ(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDを発光させるように制御する制御用データ等)と、発光装置を消灯させるように制御する消灯制御用データとがあり、第1データ領域に制御用データ(例えば、BGM演出の制御用データ等)が設定されている場合に、第2データ領域に消灯制御用データを設定し、当該消灯制御用データが設定されているときに、第3データ領域に制御用データ(例えば、大入賞口入賞演出の制御用データ等)を設定可能である。そのため、優先順位の高い発光パターンを目立たせることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
図34から図37で示した演出説明は一例で、この実施の形態で示した演出は図34から図37に示した遊技状態以外に適用してもよい。具体的には、例えば図34で示した遊技状態は低ベース状態であるが、大当り状態に適用するようにしてもよい。
また、説明したLED9a〜9eの制御における演出は音演出としていたが、音演出に限らず、演出表示装置5において実行される演出、役物を稼働させる演出などであってもよい。また、レイヤ数を5としているが、レイヤ数は2以上であればよい。さらに、設定データ領域は、低ベース状態、高ベース状態、大当り状態ごとに設けられているが、これに限らず、低確高ベース状態、高確高ベース状態など、種々の状態ごとに設けるようにしてもよい。
以上説明した制御用データ領域に設定される制御用データとして、ランプ制御基板14に出力する制御用データを例にしたが、発光パターンを示すデータのアドレス、または、オンオフなどを示す1ビットのデータであってもよい。
制御用データ領域に発光パターンを示すデータのアドレスが設定される場合、演出制御用CPU120は、制御用データ領域に設定されたアドレスを参照して、当該アドレスに記憶されている制御用データをランプ制御基板14に出力し、制御用データ領域がNULLの場合は、制御用データが設定されていないと判定する。
制御用データ領域にオンオフを示す1ビットのデータが設定される場合、演出制御用CPU120は、制御用データ領域にオンを示す「1」が設定されているときに、当該制御用データ領域に対応する演出の発光パターンを示す制御用データをランプ制御基板14に出力し、制御用データ領域にオフを示す「0」が設定されている場合は、制御用データが設定されていないと判定する。従って、「0」が設定されている場合は、当該制御用データ領域に対応する演出の発光パターンを示す制御用データがランプ制御基板14に出力されないため、当該発光パターンでランプ9は発光されないこととなる。
また、ランプの発光パターンとして、色の違いによる実施形態について説明したが、これに限らず、発光間隔が異なる点滅パターンなどを用いるようにしてもよい。さらに、色A、B、C、D、Eの具体例として、青、黄、緑、赤、金、虹が挙げられるが、複数の色で発光してもよい。
また、この実施の形態では、制御手段は、最も高い優先順位が設定される制御用データ領域(例えば、図33のレイヤ5の制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合には、遊技状態に依らずエラーを示す発光パターンにて発光させるように制御する。そのため、エラーを適切に報知することができる。
また、この実施の形態では、制御用データ領域に設定されたときに第1発光パターンにて発光装置を発光させる第1制御用データ(例えば、図33の予告A演出の制御用データ)と、制御用データ領域に設定されたときに第2発光パターンにて発光装置を発光させる第2制御用データとが存在し、一の遊技状態中(例えば、図33の低ベース状態等)において、第1制御用データ(例えば、図33のレイヤ3に設定される予告A演出の制御用データ)は第2制御用データ(例えば、図33のレイヤ2に設定される予告B演出の制御用データ)よりも優先順位が高い制御用データ領域に設定され、一の遊技状態とは異なる遊技状態(例えば、図33(B)の高ベース状態等)において、第1制御用データ(例えば、図33(B)のレイヤ2に設定される予告A演出の制御用データ)は第2制御用データ(例えば、図33(B)のレイヤ3に設定される予告B演出の制御用データ)よりも優先順位が低い制御用データ領域に設定される。そのため、遊技状態に応じた優先順位でランプ演出を行うことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
図38は、制御中メモリ検査処理として、図23のステップS55Cにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す制御中メモリ検査処理において、演出制御用CPU120は、メモリ検査中であるか否かを判定する(ステップS1251)。ステップS1251では、例えば、メモリ検査を実行するときにメモリ検査中フラグをセットするようにし、このメモリ検査中フラグがオンであるかオフであるかに応じて、メモリ検査中であるか否かを判定すればよい。ステップS1251にてメモリ検査中ではないと判定した場合には(ステップS1251;No)、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS1252)。演出制御用CPU120は、例えばCTCに含まれるタイマ回路(図示せず)から出力されるタイムアウト信号がオンであるときに、メモリ検査のインターバルが経過したと判定すればよい。あるいは、演出制御用CPU120は、例えばRTC(リアルタイムクロック:図示せず)を用いて特定される現在時刻が、メモリ検査のインターバルとして設定された時刻を経過したときに、メモリ検査のインターバルが経過したと判定すればよい。
ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には(ステップS1252;Yes)、デモ表示中であるか否かを判定する(ステップS1253)。ステップS1253では、パチンコ遊技機1における遊技が進行しておらず、演出表示装置5の画面上にデモンストレーションとなる演出画像を表示するデモ表示が実行されているときに、デモ表示中であると判定すればよい。なお、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には、メモリ検査のインターバルが再度設定されるようにすればよい。ステップS1253にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS1253;No)、制御中検査待機時間として予め定められた所定時間(例えば10分間など)を設定し(ステップS1254)、制御中メモリ検査処理を終了する。ステップS1254にて制御中検査待機時間として設定される所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過した以後にデータリフレッシュやデータ移転が実行される場合に対応して、CGROM141の記憶データを正常に回復可能あるいは移転可能(代替可能)となるように、データリフレッシュやデータ移転が正常に実行できる範囲内で設定すればよい。例えば制御中検査待機時間となる所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行されたCGROM141の読出回数に応じて、異なる時間が設定されてもよい。この場合には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行されたCGROM141の読出回数が予め定められた回数判定値以上である場合には、回数判定値未満である場合よりも短い時間が設定されてもよい。あるいは、制御中検査待機時間となる所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過するまでに発生したエラービット数に応じて、異なる時間が設定されてもよい。この場合には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに検出されたエラービット数が予め定められたエラー判定値以上である場合には、エラー判定値未満である場合よりも短い時間が設定されてもよい。
ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過していない場合には(ステップS1252;No)、ステップS1254にて設定された制御中検査待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS1255)。制御中検査待機時間が経過していない場合には(ステップS1255;No)、デモ表示中となったか否かを判定する(ステップS1256)。ステップS1256にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS1256;No)、制御中メモリ検査処理を終了する。
ステップS1253にてデモ表示中であると判定した場合や(ステップS1253;Yes)、ステップS1255にて制御中検査待機時間が経過した場合(ステップS1255;Yes)、あるいは、ステップS1256にてデモ表示中であると判定した場合には(ステップS1256;Yes)、演出制御中においてCGROM141の記憶データを検査する制御中メモリ検査を開始させるように制御する(ステップS1257)。例えば、演出制御用CPU120は、メモリ検査処理を実行することにより、CGROM141の記憶データを検査する。このときには、例えば、メモリ検査中フラグをセットしてオンにするなど、メモリ検査中に対応する設定を行い(ステップS1258)、制御中メモリ検査処理を終了する。なお、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には、ステップS1253にてデモ表示中であるか否かを判定することなく、ステップS1257に進み、直ちに制御中メモリ検査を開始させるようにしてもよい。
ステップS1251にてメモリ検査中であると判定した場合には(ステップS1251;Yes)、メモリ検査が完了したか否かを判定する(ステップS1259)。メモリ検査が完了していないと判定した場合には(ステップS1259;No)、制御中メモリ検査処理を終了する。これに対し、メモリ検査が完了したと判定した場合には(ステップS1259;Yes)、制御中メモリ検査の終了に対応する制御を行う(ステップS1260)。このときには、例えば、メモリ検査中フラグをクリアしてオフにするなど、メモリ検査後に対応する設定を行い(ステップS1261)、制御中メモリ検査処理を終了する。
図39は、制御中演出データ転送処理として、図23のステップS55Dにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す制御中演出データ転送処理において、演出制御用CPU120は、演出データ読出中であるか否かを判定する(ステップS271)。ステップS271では、例えば演出データ読出中フラグがオンであるかオフであるかに応じて、演出データ読出中であるか否かを判定すればよい。ステップS271にて演出データ読出中ではないと判定した場合には(ステップS271;No)、演出データ読出条件が成立したか否かを判定する(ステップS272)。ステップS272では、例えば演出制御パターンに含まれる演出制御実行データ(プロセスデータに含まれる表示制御実行データ)の内容から、CGROM141の記憶データをVRAM126に転送する必要がある場合に、演出データ読出条件が成立したと判定すればよい。
ステップS272にて演出データ読出条件が成立していないと判定した場合には(ステップS272;No)、通常時WDTクリア設定を行う(ステップS273)。ステップS273では、CGROM141の記憶データが読み出されない場合に対応して、ウォッチドッグタイマ(図示せず)の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマをクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。例えば演出制御用CPU120は、WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に書き込むことで、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアすればよい。
ステップS272にて演出データ読出条件が成立した場合には(ステップS272;Yes)、演出データの読み出しを開始させるように制御する(ステップS274)。例えば、演出制御用CPU120は、CGROM141の記憶データを読み出し、VRAM126に転送して格納させればよい。このときには、例えば演出データ読出中フラグをセットしてオンにするなど、演出データ読出中に対応する設定を行い(ステップS275)、制御中演出データ転送処理を終了する。また、ステップS275では、読出中クリア時間として予め定められた一定時間が設定される。
ステップS271にて演出データ読出中であると判定した場合には(ステップS271;Yes)、演出データの読出完了となったか否かを判定する(ステップS276)。演出データの読出完了であると判定した場合には(ステップS276;Yes)、演出データ読出の終了に対応する制御を行う(ステップS277)。このときには、例えば演出データ読出中フラグをクリアしてオフにするなど、演出データ読出後に対応する設定を行い(ステップS278)、制御中演出データ転送処理を終了する。
ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定した場合には(ステップS276;No)、読出中クリア時間が経過したか否かを判定する(ステップS279)。このとき、読出中クリア時間が経過していれば(ステップS279;Yes)、読出中クリア回数が予め定められたクリア上限判定値に達しているか否かを判定する(ステップS280)。読出中クリア回数は、ステップS274での制御により演出データが読出開始となってから、ステップS281の設定によりウォッチドッグタイマがクリアされた回数を示している。例えばステップS275では、読出中クリアカウンタのカウント初期値として「0」が設定され、ステップS282の設定により、そのカウント値が1加算されるように更新すればよい。
ステップS279にて読出中クリア時間が経過していない場合や(ステップS279;No)、ステップS280にてクリア上限判定値に達している場合には(ステップS280;Yes)、制御中演出データ転送処理を終了する。これに対し、ステップS280にてクリア上限判定値に達していない場合には(ステップS280;No)、読出中WDTクリア設定を行う(ステップS281)。ステップS281では、CGROM141の記憶データが読み出されている場合に対応して、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマをクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。ステップS281にて読出中WDTクリア設定が行われた場合には、読出中クリア回数を1加算するなどして更新し(ステップS282)、制御中演出データ転送処理を終了する。
なお、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合とは異なる周期で、ウォッチドッグタイマをクリアするように設定されてもよい。例えば、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合よりも長い周期で、ウォッチドッグタイマをクリアする。この場合、ステップS273における通常時WDTクリア設定は、毎回の設定によりウォッチドッグタイマをクリアするのに対し、ステップS281における読出中WDTクリア設定は、複数回の設定が行われることでウォッチドッグタイマをクリアしてもよい。WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に設定することによりウォッチドッグタイマがクリアされるものでは、ステップS273における通常時WDTクリア設定が1回行われたときに複数のWDTクリアデータをすべて順番に設定するのに対し、ステップS281における読出中WDTクリア設定が1回行われたときには1のWDTクリアデータのみが設定され、複数回の読出中WDTクリア設定が繰り返されることで、複数のWDTクリアデータが順番に設定されるようにしてもよい。逆に、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合よりも短い周期で、ウォッチドッグタイマをクリアしてもよい。
このように、制御中演出データ転送処理では、ステップS273の通常時WDTクリア設定が行われる場合に、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマによる計測時間を初期化する。また、ステップS274での制御により演出データの読み出しを開始した後、ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定が行われると、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマによる計測時間を初期化する。これにより、演出データの読出時間が長期化した場合に、ウォッチドッグタイマを適切にクリアして演出制御用CPU120の不適切なリセットを抑制できるので、不具合の発生を防止できる。
図39に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS271にて演出データ読出中であるか否かを判定することにより、CGROM141の記憶データを読み出している読出期間中であるか否かを判定する。この読出期間中にて、CGROM141におけるデータリフレッシュやデータ移転(代替処理)が実行される場合には、読出期間が長期化して、ステップS273での通常時WDTクリア設定を行うことができなくなるおそれがある。そこで、ステップS271にて演出データ読出中と判定されるとともに、ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定により、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマによる計測時間を初期化できるようにしている。この場合には、ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達していないと判定されたときに、ステップS281の読出中WDTクリア設定を行うことができる。ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達したと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定を行わないので、ウォッチドッグタイマによる計測時間の初期化が制限される。このように、読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した後には、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過したときに、時間経過信号となるタイムアウト信号を発生させて、演出制御用CPU120をリセット状態にして再起動する。なお、読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した場合には、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するまで待機することなく、直ちに演出制御用CPU120をリセット状態にして再起動してもよい。例えばステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達したと判定されたときに、演出制御用CPU120のリセット割込みを発生させて、演出制御用CPU120をリセット状態にしてもよい。
図40は、演出制御用CPU120によって実行されるメモリ検査処理の一例を示すフローチャートである。なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120がVDP機能を用いてメモリ検査処理などを実行する場合を示しているが、演出制御用マイクロコンピュータ120Aがメモリコントローラ(図示せず)を備えるように構成し、メモリコントローラが、演出制御用CPU120からの検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモリ検査処理の実行を開始するように構成してもよい。この場合、メモリコントローラは、演出制御用CPU120からの信号供給を条件に、メモリ検査処理を実行できればよい。あるいは、メモリコントローラは、演出制御用CPU120からの信号供給を条件とすることなく、電源投入時の設定や、メモリ検査のインターバルが終了したことなどに基づいて、メモリ検査処理を実行できるようにしてもよい。
図40に示すメモリ検査処理において、演出制御用CPU120(あるいは、メモリコントローラ)は、CGROM141などに記憶されているステータス情報を読み出す(ステップS451)。ステータス情報は、消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管理情報、データリフレッシュの管理情報などを含んでいればよい。エラービット数の管理情報は、CGROM141からセクタデータが読み出されるごとに作成され、各セクタデータのエラー検出で特定されたエラービット数を示す情報であればよい。エラー訂正の管理情報は、CGROM141から読み出したセクタデータのエラー訂正が行われた場合に作成され、各セクタデータのエラー訂正ができたか否かを示す情報であればよい。データリフレッシュの管理情報は、CGROM141に記憶されたセクタデータのデータリフレッシュが行われた場合などに作成され、データリフレッシュが行われた回数や実行日時などを示す情報であればよい。
続いて、ステップS451にて読み出したステータス情報の内容などに基づいて、データリフレッシュ条件が成立したか否かを判定する(ステップS452)。例えば、エラービット数の管理情報に示されるエラービット数が、予め定められたエラーしきい値を超えているセクタデータがある場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定すればよい。また、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂正ができなかったセクタデータがある場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定してもよい。
ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立した場合には(ステップS452;Yes)、データリフレッシュを実行するための制御を行う(ステップS453)。ステップS453では、例えばデータリフレッシュの対象となるセクタデータを含む消去単位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正などを行って正しいデータを復元する。そして、記憶データを読み出した消去単位ブロックについて、記憶データを消去してから、復元した正しいデータを書き込むようにしてもよい。あるいは、記憶データを読み出した消去単位ブロックとは異なる消去単位ブロックに、復元した正しいデータを書き込むようにしてもよい。復元した正しいデータを書き込んだときには、書き込んだデータを再度読み出して、書込前のデータと比較することなどにより、正常にデータリフレッシュが終了したか否かを判定してもよい。
ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立していない場合や(ステップS452;No)、ステップS453の制御を行った後には、データ移転条件が成立したか否かを判定する(ステップS454)。例えば、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂正ができなかったセクタデータがある場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。また、データリフレッシュの管理情報に示されるデータリフレッシュが行われた回数が、予め定められた移転しきい値を超えているセクタデータがある場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。ステップS453にて正常にデータリフレッシュが終了しなかった場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。
ステップS454にてデータ移転条件が成立していない場合には(ステップS454;No)、メモリ検査処理を終了する。これに対し、データ移転条件が成立した場合には(ステップS454;Yes)、データ移転を実行するための制御を行ってから(ステップS455)、メモリ検査処理を終了する。ステップS455では、例えばデータ移転の対象となるセクタデータを含む消去単位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正などを行って正しいデータを復元する。このとき、記憶データを読み出した消去単位ブロックを、不良エリアとしての不良ブロックに設定する。そして、復元したデータを、冗長領域内の代替エリアとなる代替ブロックに書き込むようにすればよい。また、アドレス変換テーブルに含まれる配置情報を更新するなどして、不良ブロックに代えて代替ブロックの記憶データが読出可能となるように設定する。
図40に示すメモリ検査処理では、ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立したときに、ステップS453での制御によりデータリフレッシュを実行可能にする。これにより、CGROM141において、リードディスターブやデータリテンションなどの要因で劣化したメモリセルが生じた場合でも、記憶データを正しいデータに復元して保護することができる。さらに、ステップS454にてデータ移転条件が成立したときに、ステップS455での制御によりデータ移転を行う代替処理を実行可能にする。これにより、CGROM141において、メモリセルをリフレッシュしても回復不能な不良エリアとなる不良ブロックがある場合に、不良エリアの記憶データを代替エリアとなる代替ブロックに移転して保護することができる。
図23に示す演出制御メイン処理では、ステップS51Bにて電源投入時メモリ検査設定が行われ、図40に示すメモリ検査処理を、電源投入時に実行する。このときには、ステップS453での制御によりデータリフレッシュが実行される場合や、ステップS455での制御によりデータ移転が実行される場合がある。例えば前回の電源遮断前といった、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されてから、CGROM141のステータス情報が更新され、データリフレッシュ条件が成立し得る状態や、データ移転条件が成立し得る状態になることがある。しかしながら、データリフレッシュやデータ移転を行うことなく電源切断により電力供給が終了すると、メモリセルの劣化が放置された状態さらには進行していく状態になり、CGROM141の記憶データが多くの誤りを含むものになるおそれがある。そこで、再び電源投入により電力供給が開始されたときに、図40に示すメモリ検査処理が実行されることで、ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立すればステップS453での制御によりデータリフレッシュを実行し、ステップS454にてデータ移転条件が成立すればステップS455での制御によりデータ移転を実行する。また、図23に示す演出制御メイン処理では、ステップS51Cにてメモリ検査のインターバルが設定される。
図38に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合に、ステップS1253またはステップS1256にてデモ表示中であると判定されたこと、あるいは、ステップS1255にて制御中検査待機時間が経過したと判定されたことを条件に、ステップS1257での制御により制御中のメモリ検査を実行可能にする。このように、電源投入時だけでなく、演出の進行を制御中であっても、メモリ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データリフレッシュやデータ移転を実行可能なので、電源投入時からの電力供給が停止されずに長時間が経過した場合でも、CGROM141の記憶データを保護するための処理を実行することができる。特に、メモリ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データ移転する代替処理を実行できるので、メモリセルをリフレッシュしても回復不能なデータエラーが発生する不良エリアとなる不良ブロックの記憶データを、代替エリアとなる代替ブロックに、適切に移転して記憶させることができる。
図41は、CGROM141における記憶領域の構成例を示している。CGROM141の記憶領域は、データ領域、制御領域、冗長領域といった、3つの領域を有している。データ領域と冗長領域には、管理テーブルと各種の演出データを記憶可能である。演出データは、静止画像データおよび動画像データを含む画像データの他に、音声データ、ランプ駆動データ、モータ駆動データなどであってもよい。データ領域は、CGROM141の通常アクセスに使用される通常使用領域である。演出の進行を制御するためのプログラムや演出を実行するために使用される演出データは、アクセスに支障がない限り、データ領域に書き込まれて記憶される。冗長領域は、データ領域のうちで、書き込みや読み出しに支障のある不良エリアに代替して使用可能な代替使用領域である。データ領域においてアクセスに支障があると判断された不良ブロックなどの不良エリアは、使用禁止に設定され、不良エリアの記憶データは冗長領域における代替ブロックなどの代替エリアに記憶される。制御領域は、データ領域の不良エリアと冗長領域の代替エリアとの関係を示す対応関係情報などを記憶する制御情報領域である。対応関係情報として、例えばデータ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報が記憶される。データ領域のアドレスや冗長領域のアドレスは、ページ番号やブロック番号で指定されてもよいし、開始アドレスと終了アドレスで指定されてもよい。データ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報は、アドレス変換テーブルにまとめて記憶されてもよい。アドレス変化テーブルは、演出制御用CPU120からCGROM141へのアクセスを要求する際に指定される論理ブロックアドレスを、実際の記憶領域に割り当てられた物理ブロックアドレスに変換可能とする配置情報のテーブルデータにより構成されていればよい。
図41に示すデータ領域には、3つの不良エリアA、B、Dが存在している。この場合、冗長エリアには、不良エリアA、B、Dの記憶データが移転された代替エリアA、B、Dが設けられる。制御領域には、不良エリアA、B、Dと代替エリアA、B、Dとの対応関係を指定する配置情報A、B、Dが記憶される。冗長領域には、履歴情報が書き込まれてもよい。履歴情報は、CGROM141においてデータ移転が行われた履歴を示す情報であればよく、例えばデータ移転が行われた日付情報を含んでいればよい。図41に示す冗長領域には、履歴情報Cが記憶されている。制御領域には、履歴情報Cに対応する配置情報Cが記憶されている。配置情報Cは、不良エリアと代替エリアとの対応関係を示す配置情報とは異なり、履歴情報に関する配置情報であることを示す履歴フラグと、履歴情報を記憶している冗長領域のアドレス情報とを含んでいればよい。履歴フラグがオンである配置情報に含まれるアドレス情報を読み取ることにより、冗長領域に記憶された履歴情報を読み出すことができる。履歴情報に含まれるデータ移転の日付情報などから、CGROM141においてデータ移転が行われた回数を特定し、CGROM141の使用を継続できるか廃棄すべきかを判定してもよい。制御領域には、配置情報の他にも、例えば消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管理情報、データリフレッシュの管理情報といった、ステータス情報を構成する様々な管理情報が記憶されてもよい。
図42(A)は、CGROM141に記憶される演出データのうちで、画像データに含まれる動画像データの構成例を示している。図42(B)は、動画像データを映像データと音声データとに分離して復号化する動作例を示している。図42(C)は、動画像データを用いた動画再生の実行例を示している。動画像データは、それぞれが圧縮符号化された映像データと音声データを、所定のコンテナフォーマットで多重化して構成されていればよい。動画像データでは、ヘッダ情報に続けて、パケット化された映像データが格納される映像データブロックや、パケット化された音声データが格納される音声データブロックが、所定の順番で配置されていればよい。CGROM141から読み出された動画像データは、デマルチプレクサに入力されて、映像データと音声データとに分離される。デマルチプレクサから出力された映像データは、映像デコーダに供給される。デマルチプレクサから出力された音声データは、音声デコーダに供給される。映像デコーダは、デマルチプレクサから供給された映像データを復号化して、ヘッダ情報または各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。音声デコーダは、デマルチプレクサから供給された音声データを復号化して、ヘッダ情報または各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。
このように、映像データと音声データとが多重化されて構成された動画像データを用いて、映像データと音声データとを分離して復号化した後、タイムスタンプにあわせて出力される。これにより、映像出力と音声出力とが同期した動画像の再生が可能になる。CGROM141には、演出表示装置5の表示制御に関する映像データと、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御に関する音声データとが、一連の動画像データとして記憶されている。演出制御用CPU120と音声制御基板13の音声処理回路(図示せず)は、CGROM141から読み出された動画像データを用いて動画像を再生することにより、演出表示装置5の表示制御と、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行することができる。
図43〜図45は、動画像再生命令が供給された場合に対応して、動画像の再生制御例を示すシーケンス図である。図43は、CGROM141から読み出した動画像データ(読出データ)の検査結果が正常である検査OKの場合を示している。図44は、CGROM141においてデータリフレッシュが成功したデータリフレッシュ成功の場合を示している。図45は、CGROM141において不良ブロックが検出された不良ブロック検出の場合を示している。なお、図43〜図45では、演出制御用CPU120の機能のうちのVDPとメモリコントローラの部分をそれぞれ1つのブロックとして示している。なお、この実施の形態では、VDP機能を備えた演出制御用CPU120を用いる場合を示しているが、演出制御用CPU120とは別にVDPやメモリコントローラを備えるように構成してもよい。
図43に示すように、VDPでは、演出制御用CPU120からの動画像再生命令を受けると、パラメータとなるレジスタ値などから特定される動画像データの読み出しを要求する動画像データ読出要求を、メモリコントローラに供給する。メモリコントローラは、動画像データ読出要求を受けたことに対応して、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオンに設定する。その後、動画像データの読み出しを開始する。動画像データの読み出しが終了すると、読み出した動画像データのエラー検出およびエラー訂正を行う。これにより、動画像データが読出完了になると、VDPでは演出表示装置5の画面上にて動画像の再生表示を開始させる。なお、すべての動画像データが読出完了になるまで動画像の再生表示が開始されないものに限定されず、所定単位の動画像データが読出完了になるごとに、読み出された動画像データを用いて順次に動画像の再生表示が進行するものであってもよい。また、図42(A)〜(C)に示したように、動画像の再生表示では、演出表示装置5における映像出力と、スピーカ8L、8Rにおける音声出力とが、同期して実行され、連携して進行すればよい。
また、メモリコントローラでは、エラー検出やエラー訂正の実行結果を用いて、読出データの検査を行う。例えばエラー検出で特定されたエラービット数がエラーしきい値を超えているか否かや、エラー訂正で訂正できなかったセクタデータがあるか否かに応じて、読出データの検査結果を判定する。このとき、読出データの検査結果が正常であると判定すれば、CGROM141の記憶データが正常に読出完了となったので、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。その後、VDPなどの制御による動画像の再生表示が終了したときには、VDPから演出制御用CPU120に対して動画像再生完了を通知すればよい。
図44に示す場合では、メモリコントローラにて、読出データの検査結果が異常であると判定される。この場合には、CGROM141に記憶されたセクタデータに対し、データリフレッシュが開始される。その後、データリフレッシュが正常に終了すると、CGROM141の記憶データを新たに読出可能となるので、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検査結果に基づくデータリフレッシュは、エラー検出やエラー訂正の実行結果に応じて実行されるので、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしてもよい。これにより、CGROM141の記憶データに対するデータリフレッシュが実行される場合でも、動画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の再生表示による演出を実行できる。その一方で、データリフレッシュが終了するまで、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、動画像の再生表示に遅延が生じることになる。
図45に示す場合では、メモリコントローラにて、データリフレッシュが開始された後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたことにより、データリフレッシュが中断されている。この場合には、不良ブロックの検出に対応して、CGROM141に記憶された消去単位ブロックのセクタデータに対し、データ移転が開始される。その後、CGROM141では、データ領域における不良エリアとなる不良ブロックから、冗長領域における代替エリアとなる代替ブロックへのデータ移転が終了して、CGROM141の記憶データを新たに読出可能になると、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検出結果に基づくデータリフレッシュに続いて実行されるデータ移転は、データリフレッシュと同様に、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしてもよい。これにより、CGROM141の記憶データに対するデータ移転が実行される場合でも、動画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の再生表示による演出を実行できる。その一方で、不良エリアから代替エリアへのデータ移転が終了するまで、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、データリフレッシュが正常に終了した場合と比較して、動画像の再生表示にさらなる遅延が生じることになる。
図44および図45に示す場合では、読出データの検査結果が異常であると判定されたときに、続けてデータリフレッシュが開始される。図45に示す場合では、データリフレッシュが開始された後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたときに、続けてデータ移転が開始される。このように、CGROM141の読出データに対する検査結果に応じて、読み出しが行われた直後に、データリフレッシュやデータ移転を実行可能であってもよい。これに対し、CGROM141の読出データに対するエラー検出やエラー訂正の実行結果を、CGROM141に記憶しておき、メモリ検査のインターバルが経過したときに、データリフレッシュ条件やデータ移転条件が成立したことに対応して、データリフレッシュやデータ移転を実行可能であってもよい。
図43〜図45に示す動画像の再生制御例では、演出制御用CPU120からVDPに対して動画像再生命令が供給されると、VDPがメモリコントローラに動画像データ読出要求を供給して、動画像データの読み出しを開始している。これに対し、動画像データ読出要求に対応する命令は、演出制御用CPU120からメモリコントローラに供給されてもよい。演出制御用CPU120では、演出制御パターンに含まれる演出制御実行データ(プロセスデータに含まれる表示制御実行データ)などから動画像の再生開始を決定したときに、図39に示す制御中演出データ転送処理のステップS272にて、演出データ読出条件が成立したと判定する。そこで、ステップS274の制御により、演出制御用CPU120からメモリコントローラに対して動画像データ読出要求に対応する命令を供給すればよい。ただし、演出制御用CPU120からVDPに対して動画像再生命令を供給するとともに、演出制御用CPU120からメモリコントローラに対して動画像データ読出要求に対応する命令を供給する場合には、演出制御用CPU120の処理負荷が増大するおそれがある。他方において、図43〜図45に示す動画像の再生制御例のように、VDPが演出制御用CPU120から供給された動画像再生命令を受けたときに、VDPからメモリコントローラに動画像データ読出要求を供給することで、動画像データを読み出すための処理負荷が分散されるので、演出制御用CPU120の処理負担を軽減することができる。
動画像の再生表示を開始する場合には、様々な要因により遅延が生じることがある。例えば図44および図45に示された動画像の再生制御例のように、読出データの検査結果に基づくデータリフレッシュやデータ移転による遅延が生じることがある。その他にも、図38に示す制御中メモリ検査処理のステップ257にて制御中メモリ検査を開始させる制御が行われると、CGROM141の記憶データが読出不可となり、制御中メモリ検査が終了するまで、動画像の再生表示に遅延が生じることがある。さらに、NAND型フラッシュメモリを用いて構成されたCGROM141では、ランダムアクセスによる記憶データの読み出しを要因として、動画像の再生表示に遅延が生じることもある。NAND型フラッシュメモリを用いて構成されたCGROM141は、セクタ単位で記憶データが読み出される。動画像データは、他の演出データに比べてデータ容量が大きくなりやすいので、CGROM141にて複数のセクタにまたがって記憶される場合がある。CGROM141では、動画像データなどの演出データが複数のセクタにまたがって記憶されている場合に、それぞれのセクタにアクセスして記憶データを読み出さなければならない。この場合には、CGROM141に対するランダムアクセスが頻繁に発生することで、記憶データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示にも遅延の影響が及んでしまうことになる。
パチンコ遊技機1において実行される演出のうちには、動画像の再生表示が実行される場合のように、CGROM141の読出許否状態に応じて、遅延が生じやすい演出がある。その一方で、CGROM141の読出許否状態にかかわらず、遅延なく実行可能な演出もある。例えばROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、始動入賞報知SH1を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。始動入賞報知SH1は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動口入賞時に、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材における動作、これらの一部または全部の組合せにより、始動入賞の発生を報知する。また、ROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、リーチ後演出AR1やリーチ後演出AR2を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。リーチ後演出AR1は、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、例えば動画像の再生表示が正常に開始される期間に対応して、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材における動作、これらの一部または全部の組合せにより、リーチ演出の開始を報知する。その他、ROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、エラー報知EH1を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。エラー報知EH1は、各種のエラーが発生したエラー発生時に、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、これらの一部または全部の組合せにより、異常の発生を報知する。あるいは、ROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、予告演出YA1を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。予告演出YA1は、演出図柄の可変表示中にて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材における動作、これらの一部または全部の組合せにより、有利状態としての大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する。
図46および図47は、始動入賞報知SH1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図である。図46は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図47は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図46および図47に示す制御例では、リーチ演出開始までの制御が共通している。具体的には、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける特別図柄の可変表示が開始されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送信される。例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドを送信するための設定を行う。演出制御基板12では、可変表示開始コマンドを受信したことに対応して、演出制御用CPU120が演出図柄変動開始処理を実行し、演出図柄の可変表示を開始する。こうして、特別図柄の可変表示開始に対応して、演出図柄の可変表示開始設定が行われ、演出図柄の可変表示が開始される。その後、リーチ前演出BR1が実行されてもよい。リーチ前演出BR1は、例えば「滑り」や「擬似連」の可変表示演出といった、演出図柄の可変表示態様により、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ前演出BR1は、例えば予告演出といった、演出図柄の可変表示態様によらず、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。その後、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立に達したことに対応して、リーチ演出の実行が開始されるリーチ演出開始となる。
図46に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される。動画像の再生表示が開始された後に、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動入賞時にて、始動入賞報知SH1が実行される。始動入賞報知SH1は、始動入賞の発生に対応してROM135に記憶された演出制御実行データ(表示制御実行データ)を読み出すことにより、始動入賞時に遅延なく実行可能である。始動入賞報知SH1は、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口、または普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口といった、遊技球が通過可能な通過領域(始動領域)を、遊技球が通過したことに関する通過補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、演出表示装置5の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ8L、8Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、演出表示装置5の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図46に示す制御例でリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図46に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、演出図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、演出図柄の可変表示における表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定演出図柄が表示された状態になる。
図47に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる期間がある。この表示停止期間にて、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場合には、表示停止期間であっても始動入賞報知SH1が実行される。例えば始動入賞報知SH1の実行に用いられる演出制御実行データ(表示制御実行データ)は、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。あるいは、始動入賞報知SH1の実行に用いられる演出制御実行データ(表示制御実行データ)は、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。演出制御用CPU120は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、始動入賞報知SH1を実行可能にすればよい。例えば、演出制御用CPU120は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場合に対応して用意された演出制御実行データを、ROM135から読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いて始動入賞報知SH1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においても始動入賞報知SH1を実行することができる。
図47に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、演出図柄の揺れ表示が開始される。演出図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、ROM135から読み出した演出制御パターン(プロセスデータ)に設定された演出制御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。演出図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、確定表示の対象となる演出図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した表示状態となる。確定表示の対象となる演出図柄は、演出図柄の可変表示における表示結果として導出される確定演出図柄であり、図8に示す可変表示開始設定処理のステップS201にて決定される最終停止図柄であればよい。演出図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターン(プロセスデータ)で予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、演出表示装置5の画面上における表示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表示時間が長くなる場合には、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
なお、図47に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。このように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制することができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出表示手段(本例では、演出表示装置5)の表示制御を行う表示制御機能(本例では、VDP機能)を有する制御手段(本例では、演出制御用CPU120)と、制御手段の温度を監視する温度監視手段(本例では、温度センサ136)を備える。また、制御手段の温度に応じて、表示制御機能を段階的に制限可能である(本例では、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃となると第1制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃となると第2制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が95℃以上となると第3制限モードに移行する)。そのため、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる。すなわち、演出制御用CPU120の温度異常を検出したときに直ちに全ての演出表示を行わないように構成してしまったのでは、遊技に対する興趣を大幅に低下させてしまうことになる。これに対して、この実施の形態では、直ちに全ての演出表示を行わないようにするのではなく、演出表示を段階的に制限していくように制御するので、必要以上に遊技に対する興趣が低下してしまうことを防止することができ、より適切な熱対策を実現することができる。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、温度センサ136からの温度情報にもとづいて演出制御用CPU120の具体的な温度を判定して温度異常の判定を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、温度センサ136から具体的な温度を特定可能な温度情報を出力するのではなく、ある特定の温度となったときに所定の割込信号を発生するにし、その割込信号を入力したことにもとづいて温度異常が発生したと判定するように構成してもよい。この場合、例えば、割込信号を入力したタイミングで第1制限モードに移行し、割込信号を入力してから所定期間(例えば、30秒)経過したタイミングで第2制限モードに移行するなど、割込信号を入力してからの経過時間に応じて段階的に表示制御機能を制限するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1制限モードでは背景画像が消去され、第2制限モードでは演出図柄の変動表示も消去され、第3制限モードでは小図柄や保留画像、アクティブ画像も消去される場合を示したが、そのような制限態様にかぎられない。例えば、表示制御機能の制限態様として、ある制限モードではリーチ前の予告演出を制限したりするなど、演出の種類に応じて制限を行うように構成してもよい。また、例えば、ある制限モードでは演出表示装置5の表示画面の端部のみ表示しないように制限するなど、表示領域単位の制限を行うように構成してもよい。また、例えば、メイン液晶表示装置とサブ液晶表示装置など複数の表示装置を備える場合に、ある制限モードではサブ液晶表示装置を表示しないようにしてメイン液晶表示装置のみ表示を継続するなど、表示器単位の制限を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1制限モード〜第3制御モードの3段階に表示制御機能を制限する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、2段階の制限のみを行うように構成してもよく、4段階以上の制限を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、少なくとも第1制限モードおよび該第1制限モードよりも制限度合いが高い第2制限モードを含む複数種類の制限モードにより表示制御機能を制限可能である(本例では、図32(B)に示すように、第1制限モードでは演出表示装置5の表示画面において背景画像のみを消去し、図32(C)に示すように、第2制限モードでは演出表示装置5の表示画面においてさらに左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアにおける演出図柄表示も消去する)。そのため、遊技の興趣の低下を抑制することができる。例えば、この実施の形態では、第1制限モードでは背景画像などの表示のみを制限し、演出図柄の変動表示や簡易な予告表示は継続されるので、演出表示の一部は継続可能であり、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、制御手段の温度が所定温度(本例では、60℃〜70℃)に達したことに応じて第1制限モードにより表示制御機能を制限可能であり、制御手段の温度が所定温度よりも高い特定温度(本例では、71℃〜94℃)に達したことに応じて第2制限モードにより表示制御機能を制限可能である。そのため、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、制御手段の温度が特定温度よりも高い特別温度(本例では、95℃以上)に達したことに応じて、演出表示手段の表示制御を停止させる表示停止モードにより表示制御機能を制限可能である(本例では、図32(D)に示すように、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知E1を除いて)が消去される)。また、制御手段の温度の特別温度からの低下に応じて、表示停止モードによる表示制御機能の制限を解除可能である(本例では、第3制限モードに移行しているときに演出制御用CPU120の温度が90℃以下に下がると、第2制限モードに移行する)。そのため、表示制御機能を有する制御手段の熱対策を強化できるとともに、表示停止モードへの移行後に表示停止モードから自動的に復旧することができる。
また、この実施の形態によれば、第1制限モードにより表示制御機能を制限する場合に、一部の演出を実行しないように制御する(本例では、演出表示装置5の表示画面において背景画像を消去したり、スケーラ機能を停止した状態で画像表示したりする)。そのため、制御手段の温度に応じた適切な表示制御を実現することができる。
なお、この実施の形態では、第1制限モードでは背景画像を消去したり、スケーラ機能を停止したりする場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で予告演出などの一部の演出を選択したり決定したりしないように制限するものであってもよい。
また、この実施の形態によれば、制限モードの種類に応じて音出力を制限可能である(本例では、第1制限モードでは演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限され、第2制限モードや第3制限モードでは演出図柄の変動表示に関する音出力は全く行われない)。そのため、表示制御と音出力との演出の不一致を防止することができる。
なお、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく、エラー音は継続して出力するように構成することが望ましい。そのように構成すれば、エラーに関しては適切に報知を継続することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行に関する情報を発光体(本例では、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B)を発光させることにより表示制御する。また、制限態様によらず共通に発光体を発光させる表示制御を可能である(本例では、温度異常にもとづくいずれかの制限モードに移行されているか否かに関係なく、第1飾り図柄表示器5Aにおける第1飾り図柄の変動表示や第2飾り図柄表示器5Bにおける第2飾り図柄の変動表示が実行される)。そのため、遊技の進行状況を適切に報知することができる。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で発光制御する発光体として、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bについて、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく表示制御を継続する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で発光制御する発光体として、保留表示を表示するためのランプ(LED)、エラーランプ(LED)、右打ち操作を促すための右打ち表示ランプ(LED)について、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく表示制御を継続するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1飾り図柄表示器5Aや第2飾り図柄表示器5Bなどの発光体については、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく表示制御を継続する場合を示したが、演出制御用CPU120がある一定の温度以上となった場合には、これら発光体の表示制御も停止するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、制御手段の温度に応じた温度異常を報知可能である(本例では、図32(B)〜(D)に示すように、第1温度異常報知E1〜第3温度異常報知E3を表示する)。そのため、制御手段の温度に応じた適切な報知を行うことができる。
なお、この実施の形態では、第1制限モード〜第3制限モードのいずれであるかに応じて段階的に第1温度異常報知E1〜第3温度異常報知E3を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、第1制限モード〜第3制限モードのいずれであるかに関係なく、演出制御用CPU120がある一定の温度となると共通態様の温度異常報知を表示するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第3制限モードでも第3温度異常報知E3を表示する場合を示しているが(図32(D)参照)、第3制限モードでは温度異常報知も表示しないようにし、演出表示装置5の表示画面において温度異常報知も含めて全く表示を行わないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、制御手段を冷却するための冷却手段(本例では、冷却ファン142)を備える。また、制御手段の温度に応じて冷却手段の動作態様を変更可能である(本例では、第1制限モードでは冷却ファン142を低速動作させ、第2制限モードでは冷却ファン142を中速動作させ、第3制限モードでは冷却ファン142を高速動作させる)。そのため、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、制御手段(本例では、演出制御用CPU120)が設けられた第1基板(本例では、演出制御基板12)と、演出制御に関連する演出情報(本例では、各種画像データ)を記憶する記憶手段(本例では、CGROM141)が設けられた第2基板(本例では、演出制御用中継基板16A)とを備える。また、記憶手段には、あらかじめ認証情報が記憶され(本例では、CGROM141には、認証データが記憶されている)、制御手段は、記憶手段に記憶されている認証情報にもとづいて認証処理を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、CGROM141から読み出した認証データとROM135に記憶されている認証データとを照合して認証処理を行う)。そして、認証処理にて認証成功となったことにもとづいて、演出制御を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、認証に成功したことにもとづいて初期演出データ転送処理(S51D)を含む各種演出制御の処理を実行する)。そのため、制御手段が設けられた基板と記憶手段が設けられた基板との間で適正な接続関係を確保することができる。
例えば、この実施の形態のようにVDP機能を備えた演出制御用マイクロコンピュータ120Aが1つの基板(本例では、演出制御基板12)上に実装されて1つの演出制御ユニットとして流通すると、この演出制御ユニットを搭載した遊技機が遊技店にて撤去された後に、この遊技機から演出制御ユニットが取り外されて、演出制御ユニットの正規購入メーカ以外の他の遊技機メーカの遊技機において演出制御ユニットが流用可能となってしまう。この場合、中古の演出制御ユニットが搭載された遊技機の品質を確保することができず、また演出制御ユニットの正規流通量の低下に伴って部品コストが高くなり、正規購入メーカにおける遊技機の製造コスト(費用)が増加するという問題が生じる。そこで、この実施の形態では、演出制御基板12において、他の基板(本例では、演出制御用中継基板16A)との間で認証処理を実行することによって、正規購入メーカ以外の他の遊技機メーカでの演出制御ユニットの流用を抑制することができる。他方、正規購入メーカにおいては、演出制御ユニットを正規に再利用することによって、遊技機の製造コストを低減することができる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵するROM135に記憶されている認証データと、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に記憶されている認証データとについて、ROM単位で固有の値を認証データとして記憶するように構成するようにしてもよいし、遊技機の機種単位で固有の値を認証データとして記憶するように構成してもよい。さらに、遊技機メーカ単位で固有の値を認証データとして記憶するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、制御手段は、記憶手段に記憶されている演出情報の転送処理(本例では、初期演出データ転送処理(S51D))を実行可能であり、認証処理にて認証成功となったことにもとづいて、転送処理を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、認証に成功したことにもとづいて初期演出データ転送処理(S51D)を実行可能である)。そのため、適正な演出情報の転送処理を実行することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100)を備え、遊技制御手段は、遊技機への電源供給が開始されたことを示す電源開始コマンド(本例では、電源投入指定コマンド)および電断状態から復旧したことを示す電断復旧コマンド(本例では、停電復旧指定コマンド)を出力可能である。また、制御手段は、電源開始コマンドまたは電断復旧コマンドを入力したことにもとづいて認証処理を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信したことにもとづいて認証処理を実行可能である)。そのため、遊技制御手段側が正常に起動したことにもとづいて認証処理を実行することができる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信したことにもとづいて認証処理を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120A(具体的には、演出制御用CPU120)側で電源監視回路(図示せず)からの検出信号にもとづいて電源電圧が所定値に達したか否かを確認し、電源電圧が所定値に達したことにもとづいて認証処理を実行するように構成してもよい。図48は、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で電源電圧を監視する場合における演出制御メイン処理の変形例を示すフローチャートである。
図48に示す変形例では、演出制御用CPU120は、まず、電源監視回路(図示せず)からの検出信号にもとづいて電源電圧が所定値に達したか否かを確認する(S50X)。例えば、演出制御用CPU120に電源電圧としてVCC(5V)が供給されている場合に、電源電圧VCCの値が4.5Vに達したか否かを確認する。そして、電源電圧が所定値に達した場合には、演出制御用CPU120は、認証処理を実行する(S50B)。なお、ステップS50B以降の処理は、図23に示したそれらの処理と同様である。
図48に示す変形例によれば、制御手段は、電源電圧を監視可能であり(図48に示す変形例では、演出制御用CPU120は、電源監視回路(図示せず)からの検出信号にもとづいて電源電圧が所定値に達したか否かを確認する)、電源電圧が所定値に達したことにもとづいて認証処理を実行可能である(図48に示す変形例では、演出制御用CPU120は、電源電圧が所定値に達したことにもとづいて認証処理を実行可能である)。そのため、制御手段自身の電源電圧が確保できたことにもとづいて認証処理を実行することができる。
また、この実施の形態によれば、認証処理にて認証失敗となったことにもとづいて、演出表示手段に認証失敗となったことを報知する(本例では、演出制御用CPU120は、認証エラー報知処理(S50D)を実行する)。そのため、制御手段が設けられた基板と記憶手段が設けられた基板との間の接続関係を確保できなかったことを報知することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100)を備え、第2基板には、遊技制御手段に接続するための接続部(本例では、コネクタ16Z)と、複数の演出手段(本例では、演出表示装置5、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B、各LED9a〜9e、スピーカ8L,8R、可動部302、可動部材321など)を接続するための接続部(本例では、コネクタ16S)とが設けられている。そのため、遊技機の機種単位で第2基板を設計すればよいので、遊技機の異なる機種間で第1基板の共通化を図ることができ、遊技機の開発コストおよび製造コストを低減することができる。
また、この実施の形態によれば、図39に示す制御中演出データ転送処理のステップS281にて読出中WDTクリア設定が行われることにより、不適切な演出制御用CPU120のリセットを抑制できるので、不具合の発生を防止できる。
図38に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過したと判定されたことに基づいて、ステップS1257での制御によりメモリ検査を実行し、データ移転条件が成立すれば不良エリアの記憶データを代替エリアに移転する代替処理を実行できるので、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図47に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、始動入賞報知SH1を実行できるので、適切に演出を実行できる。
図41に示すように、CGROM141の記憶領域は、通常使用領域となるデータ領域と、代替使用領域となる冗長領域とを含んでいるので、不具合の発生を防止でき、また、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図40に示すメモリ検査処理のステップS455では、データ領域の不良エリアとなる不良ブロックの記憶データを、冗長領域の代替エリアとなる代替エリアに移転する制御を行うので、不具合の発生を防止でき、また、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図39に示す制御中演出データ転送処理のステップS271では、CGROM141に記憶された演出データを読出中であるか否かを判定するので、不具合の発生を防止できる。
図42(A)に示すように、動画像データは、表示制御に関する映像データと、演出音の出力制御に関する音声データとが、一連のデータとして多重化して構成され、表示制御と演出音の出力制御とを同期して実行できるので、適切に演出を実行できる。
図39に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した場合に、ステップS281での設定によるウォッチドッグタイマのクリアを制限するので、不具合の発生を防止できる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。なお、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。また、スロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施の形態では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ変動表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、変動表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
また、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声制御基板13、駆動制御基板16B、発光体制御基板16C〜16Fなどが設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(可動体、発光体、スピーカなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用マイクロコンピュータに対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用マイクロコンピュータに送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、可動体や発光体、スピーカなどに関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置5を制御する演出制御用マイクロコンピュータに送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータは、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で表示結果(大当りか否か)や変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞の発生時に抽出した乱数の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
なお、上記に示した実施の形態では、以下の(1)〜(7)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技を行うことが可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、表示制御に関するデータを記憶可能な記憶手段(例えばCGROM141など)と、記憶手段の記憶データを読み出して表示手段を制御可能な表示制御手段(例えば演出制御用CPU120など)と、計測時間が監視時間を経過したときに時間経過信号を発生させる信号発生手段(例えばウォッチドッグタイマなど)とを備え、表示制御手段は、監視時間が経過するより前に信号発生手段による計測時間を初期化する第1制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS273による制御など)と、記憶手段の記憶データを読み出している読出期間中にて第1制御が実行されない所定事象が発生した場合に、監視時間が経過するより前に信号発生手段による計測時間を初期化する第2制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS281による制御など)とを実行可能である遊技機。このような構成によれば、不具合の発生を防止できる。
(2)上記(1)の遊技機において、記憶手段は、通常使用領域(例えばデータ領域など)と、代替使用領域(例えば冗長領域など)とを含んでもよい(例えば図41を参照)。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、所定事象として、記憶手段の通常使用領域に記憶されたデータを、記憶手段の代替使用領域に記憶させる処理(例えばメモリ検査処理のステップS455など)を実行してもよい。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、読出期間中であるか否かを判定する判定手段(例えば制御中演出データ転送処理のステップS271を実行する演出制御用CPU120など)を備えてもよい。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、演出音の出力を制御可能な音声制御手段(例えば音声処理回路など)を備え、記憶手段には、表示制御に関するデータと、演出音の出力制御に関するデータとが、一連のデータ(例えば動画像データなど)として記憶され、表示制御手段による制御と、音声制御手段による制御とを同期して実行可能であってもよい(例えば図42を参照)。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、可変表示が開始されてから表示結果が導出される前に、所定事象の発生により遅延した制御を実行可能な期間(例えば演出図柄の揺れ表示が行われる期間など)が設けられてもよい。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、第2制御により計測時間を初期化した回数が所定数に達したことに基づいて、信号発生手段による計測時間の初期化を制限してもよい(例えば制御中演出データ転送処理のステップS280にてYesの場合など)。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技を行うことが可能な遊技機であって、演出表示手段(例えば、演出表示装置5)の表示制御を行う表示制御機能(例えば、VDP機能)を有する制御手段(例えば、演出制御用CPU120)と、制御手段の温度を監視する温度監視手段(例えば、温度センサ136)とを備え、制御手段の温度に応じて、表示制御機能を段階的に制限可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS101〜S118を実行し、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃となると第1制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃となると第2制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が95℃以上となると第3制限モードに移行する)、さらに、遊技枠に動作可能に設けられた可動体(第1上部役物9029L,第2上部役物9029R等)と、可動体の動作を制御する可動体制御手段と(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)、可動体の動作を報知する報知演出(図62に示す報知演出等)を実行する報知演出手段(演出表示装置909等)とを備え、可動体制御手段は、報知演出に関連して可動体を動作させる第1パターン(動作+報知の第1パターン等)と、報知演出に関連せずに可動体を動作させる第2パターン(動作のみの第2パターン等)とにより可動体の動作を制御し、第1パターンまたは第2パターンのいずれで可動体が動作されるかにより遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御される期待度が異なる(図63に示すように、通常遊技中においては、第1パターンが実行されたときの方が第2パターンが実行されたときよりも大当り期待度が高い等)遊技機が挙げられる。この構成によれば、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる。また、第1パターンまたは第2パターンのいずれで可動体が動作されるかにより有利状態に制御される期待度が異なるため、遊技枠に設けられた可動体を用いた演出の興趣を向上させることができる。
また、上記遊技機において、一の制御手段が演出表示手段の表示制御および可動体の動作の制御を行うようにしてもよい。この場合、制御手段の温度に応じて、可動体の動作の制御を段階的に制限可能としてもよい。例えば、可動範囲を段階的に狭くする制限であったり、可動体が動作する割合を段階的に低くする制限であったり、可動体が複数ある場合であれば可動させる可動体の数を段階的に少なくする制限であってもよい。このような構成によれば、適切な熱対策を実現することができる。
さらに、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができ、また、遊技枠に設けられた可動体を用いた演出の興趣を向上させることができる遊技機の形態の一例として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、遊技枠に動作可能に設けられた可動体(第1上部役物9029L,第2上部役物9029R等)と、可動体の動作を制御する可動体制御手段と(演出制御用マイクロコンピュータ90100等)、可動体の動作を報知する報知演出(図62に示す報知演出等)を実行する報知演出手段(演出表示装置909等)とを備え、可動体制御手段は、報知演出に関連して可動体を動作させる第1パターン(動作+報知の第1パターン等)と、報知演出に関連せずに可動体を動作させる第2パターン(動作のみの第2パターン等)とにより可動体の動作を制御し、第1パターンまたは第2パターンのいずれで可動体が動作されるかにより遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御される期待度が異なる(図63に示すように、通常遊技中においては、第1パターンが実行されたときの方が第2パターンが実行されたときよりも大当り期待度が高い等)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、この発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機、スロットマシン等のその他の遊技機であってもよく、遊技を行なうことが可能な遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図49はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機901は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域907に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機901では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905等が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取付けられている。遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ90122が取付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン90125(図52参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ90121(図52参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図52参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図52参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ90122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図52参照)が設けられていればよい。図49に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域907の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置909が設けられている。遊技領域907における演出表示装置909の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)908aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)908bとが設けられている。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置909は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器908aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置909においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置909の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置909の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。したがって、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置909の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、および、演出表示装置909のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図49に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置9020が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。この実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置909の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置909の上方には、役物9012が設けられている。役物9012は、遊技盤906と演出表示装置909との間に位置し、役物モータ9017によって位置を変位することが可能である。役物9012は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置909の前方の位置)に移動する。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
また、遊技枠の上部には、遊技枠に設けられた軸90290(図50参照)に対して回転することで当該遊技枠から突出可能な可動体としての第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rが設けられている。遊技者から向かって左側の第1上部役物9029Lは、第1上部役物モータ9030L(図52参照)によって回転動作することが可能であり、遊技者から向かって右側の第2上部役物9029Rは、第2上部役物モータ9030R(図52参照)によって回転動作することが可能である。以下では、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとを上部役物と総称することがある。
第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとは、回転角度を段階的に調整可能である。また、第1上部役物9029Lの内部には第1上部LED9029Aが設けられており、第1上部役物9029Lの回転角度によらず同一の輝度で発光する。また、第2上部役物9029Rの内部には第2上部LED9029Bが設けられており、第2上部役物9029Rの回転角度によらず同一の輝度で発光する。このように、発光手段としての第1上部LED9029A,第2上部LED9029Bは、上部役物の回転角度によらず同一の輝度で発光するので、発光手段の制御の複雑化を防止することができる。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機901に隣接して設置される(図示せず)。
図50は上部役物の動作を説明するための図である。図50においては、遊技者から向かって右側面におけるパチンコ遊技機901の様子を示している。第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとは、遊技枠に設けられた軸90290に対して回転角度を段階的に調整可能である。たとえば、図50(a)〜(d)に示すように、上部役物の回転角度は、0度、45度、60度、90度の4段階に調整可能である。上部役物の動作は、演出制御用マイクロコンピュータ90100によって制御される。たとえば、回転角度が45度に設定されている場合には、後述する上部役物演出の実行時に、0度から45度に向けて上部役物が動作し、上部役物演出が終了すると上部役物が最初の0度の位置に戻る。また、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bは、上部役物の回転角度によらず同一の輝度で発光するように、演出制御用マイクロコンピュータ90100によって制御される。
図50(a)は、遊技枠に対して上部役物が全く突出しない回転角度である0度に設定されているときの様子を示している。図50(a)では、上部役物の回転角度が0度に設定されているため、上部役物が動作することはなく、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからの光が遊技者へ届くこともない。なお、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからの光が遊技枠の隙間から漏れるような演出を実行してもよい。また、上部役物の回転角度がある0度の場合には、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bが発光しないように制御してもよい。
図50(b)は、遊技枠に対して上部役物が45度に設定されているときの様子を示している。このとき、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからの光が遊技者に届くが、輝度が同じであっても発光面が少ないので遊技者に届く光は、60度や90度の場合と比べて少ない。図50(c)は、遊技枠に対して上部役物が60度に設定されているときの様子を示している。このとき、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bから遊技者に届く光は、45度の場合と比べて多い。
図50(d)は、上部役物が遊技枠に対して最も突出する回転角度である90度に設定されているときの様子を示している。このとき、発光面が最も大きくなるので、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bからは最も多くの光が届く。
図50に示すように、上部役物の回転角度を段階的に調整可能であるので、上部役物の回転角度を無段階で調整することによる制御の複雑化を防止することができる。
ここで、図50(b)〜(d)において、上部役物の回転角度によって上部役物の動作速度は異なるように制御される。具体的には、上部役物の回転動作は、45度<60度<90度の順に回転速度が速くなる。このように、上部役物の回転角度によって回転速度を異ならせることにより上部役物が動作されるときに実行される演出の演出時間を共通化することができる。
図51は当り種別表である。図51の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、この実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置9015が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置9015に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置9015への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置9015の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置9015の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置9015が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口9014への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置9015、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置9015への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図51に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図52は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図52には、払出制御基板9037等も示されている。主基板9031には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ROM9054およびRAM9055が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令にしたがって駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう。
演出制御基板9080は、演出制御用マイクロコンピュータ90100、ROM90102、RAM90103、VDP90109、および、I/Oポート部90105等を搭載している。ROM90102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM90103は、ワークメモリとして使用される。ROM90102およびRAM90103は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されてもよい。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ90100は、主基板9031から演出制御基板9080の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板9077を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置909の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行なうとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100において演出制御用CPU90101がROM90102に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、演出制御用マイクロコンピュータ90100(または演出制御用CPU90101)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、演出制御用CPU90101がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、演出制御基板9080以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90121から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、I/Oポート部90105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ9017を駆動して役物9012を動作させる。
また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して、第1上部役物モータ9030Lを駆動して第1上部役物9029Lを動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して、第2上部役物モータ9030Rを駆動して第2上部役物9029Rを動作させる。また、演出制御用CPU90101は、ランプドライバ基板9035を介して遊技枠の上部に設けられた第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bの表示制御を行なう。
図53は、各乱数を示す説明図である。図53においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR´:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムR´は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4´(MR4´):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1´は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図54は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図54(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図54(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図54(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図54(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図54(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図54(B),(C)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図54(B)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図54(C)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図54(B)、および、図54(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図54(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図54(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図54(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU9056は、大当り種別として、ランダム1´の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1´の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図54(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図54(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図54(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図54(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図54(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図54(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図55を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図55は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図55には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図55(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM9054に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図55に示す判定テーブルは、ランダム2´と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3´と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図55の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図55の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図55(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図55のテーブルで「ランダム2´範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2´範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図55(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2´(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図55(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2´の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図55のテーブルで「ランダム3´範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3´範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図55(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3´(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図55(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3´が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図55(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図55(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図55(a),図55(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図55(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図55(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図55(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図55(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図55(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図55(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図55(a)および図55(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図55(c)および図55(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図55(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図55(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図56は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560においては、図56に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100へ送信する。
図56のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置909において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図55に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU90101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき(RAMクリアによる初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたとき(RAMクリアではない停電等による再開時の初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM9055に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR´)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、CPU9056は、乱数回路90503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口9013への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板9031から演出制御基板9080へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ90100のRAM90103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機901の動作について説明する。パチンコ遊技機901においては、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路90503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図57は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図57に示すステップS(以下、単に「S」と示す)9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S9020)。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、S9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S9028)。さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S9030)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S9033)。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S9034)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図58は、特別図柄プロセス処理(S9026)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S90312)。そして、内部状態に応じて、S90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、RAM9055には、前述したように、第1始動入賞口9013への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口9014への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ9013aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ9014aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S90300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S90301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S90302)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S90303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S90304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S90305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置9020において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S90306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S90305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S90307)に移行する。大当り終了処理(S90307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ90100の動作を説明する。図59は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(S90702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(S90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM90103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S90704)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行なう(S90705)。演出制御プロセス処理では、S90704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置909での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ90100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1´−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1´−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1´−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S90706)。このような乱数SR1´−1〜SR1´−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S90707)。その後、遊技枠の上部に取り付けられた上部役物の動作態様を設定する上部役物設定処理を実行する(S90708)。そして、S90702の処理へリターンする。上部役物設定処理については、図60により詳細に説明する。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置909、各種ランプ、第1上部役物9029L,第2上部役物9029R、および、スピーカ9027等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図60は、図59に示された演出制御メイン処理における上部役物設定処理(S90708)を示すフローチャートである。上部役物設定処理は、電源投入後、図59に示されたS90701からS90707の処理後に、演出制御用CPU90101によって実行される処理であり、遊技枠上部に取り付けられた第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rの回転角度(開閉角度)を設定する処理である。上部役物の回転角度は複数段階(たとえば、0度、45度、60度、90度など)設けられており、その中から任意に選択した一つの角度を設定できるようになっている。
ここで、初期状態(最初に電源投入した場合やRAMクリアによる電源投入の場合)においては、上部役物の回転角度が遊技枠に対して最も突出する回転角度である90度よりも突出しない角度(たとえば、45度)になるように制御される。このようにすれば、調整をしていない場合であっても上部役物が他の物体と当接することを防ぐことができる。
上部役物の角度を設定する設定画面は、RAM9055をクリアしたときの電源投入が実行され、動作確認のための初期動作として各役物のイニシャル動作が実行された後に表示される。演出制御用CPU90101は、イニシャル動作を実行する際に、各役物の近くに設けられた検出手段としての役物用センサからの検出信号に各役物が初期位置に存在するか否かを判定する。一方、RAM9055をクリアせずに電源を投入した場合には、上部役物の設定はなされない。したがって、演出制御用CPU90101は、図56に示された初期化指定コマンドを受信した場合には、上部役物設定期間であると判定し、初期化指定コマンドを受信していない場合(停電復旧指定コマンドを受信した場合)には、上部役物設定期間ではないと判定する。
S90750では、演出制御用CPU90101は、初期化指定コマンドを受信したか否かにより、上部役物設定期間であるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、初期化指定コマンドを受信した場合、つまり、上部役物設定期間であると判定した場合(S90750でY)には、S90751へ移行し、初期化指定コマンドを受信していない場合、つまり、上部役物設定期間ではないと判定した場合(S90750でN)には、処理を終了する。
S90751では、演出制御用CPU90101は、設定操作を検出したか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、店員等による設定操作を検出した場合(S90751でY)には、設定された角度に応じて、上部役物の回転角度および上部役物の回転速度を設定し(S90752)、S90753へ移行する。一方、演出制御用CPU90101は、設定操作を検出しなかった場合(S90751でN)には、処理を終了する。
次いで、S90753では、演出制御用CPU90101は、設定角度が0度であるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、設定角度が0度である場合には(S90753でY)、上部役物演出制限フラグをセットし(S90754)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、設定角度が0度ではない場合(S90753でN)には、処理を終了する。
S90752に示すように、設定された角度に応じて、第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rの回転角度・回転速度を設定するので、遊技枠に設けられた軸90290に対して回転する上部役物を動作させつつ、上部役物が遊技機に隣接する別の遊技機の遊技枠や上部に配置されるデータランプ等の他の物体と当接することを防ぐことができる。
図61は、図59に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S90700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S90700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S90801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S90802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S90803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S90804)は、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S90805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S90806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S90807)は、演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU90101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM90102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置909の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
[上部役物演出]
次に、この実施の形態で実行される各種の演出について説明する。この実施の形態では、第1上部役物9029Lおよび第2上部役物9029Rが動作する上部役物演出が実行されることがある。上部役物演出では、上部役物が動作するとともに演出表示装置909の表示画面上で上部役物が動作することを報知する第1パターンによる演出と、上部役物は動作するが演出表示装置909の表示画面には上部役物が動作することが報知されない第2パターンによる演出が設けられている。
図62は、上部役物演出の一例を示すための図である。図62(a)〜(c)では、第1パターンによる上部役物演出が実行されているときの演出表示装置909の表示画面を示している。図62(a)に示すように、変動表示中にチャンス画像9095が表示されることで期待度が高い演出が実行されることが示される。その後、図62(b)に示すように、上部役物が可動することを示す報知画像9096が演出表示装置909の画面上に表示される。たとえば、図62(b)では、第1上部役物9029Lおよび第2上部役物9029Rが遊技枠から上方に突出する映像が流れる。
さらに、図62(c)に示すように、上部役物が最も突出する90度の角度になることが演出表示装置909の画面上で示される。図62(c)では、第1上部役物9029Lに設けられた第1上部LED9029Aおよび第2上部役物9029Rに設けられた第2上部LED9029Bが発光する様子も示される。
図62に示すような上部役物演出の実行中に、上部役物が設定された角度によって回転動作を開始する。このように、演出表示装置909の画面において、上部役物が動作していることを示す報知画像9096が表示されるので、上部役物が動作していることを確実に遊技者に報知することができる。なお、上部役物の実際の動作の開始時期は、演出表示装置909で上部役物が動作していることを示す映像が流れた後であってもよいし、映像が流れる前であってもよい。
ここで、上部役物が動作するときには、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029Bが発光する演出とともに、第1上部LED9029Aおよび第2上部LED9029B以外の枠LED9028等が発光する演出も実行される。しかしながら、演出表示装置909の画面上には、上部役物が動作していることを示す報知画像9096を表示する際に枠LED9028による演出は表示しない。このようにすれば、枠LED9028等による演出を含めずに上部役物演出が実行されるので、当該上部役物演出による上部役物の動作をより目立たせることができる。
なお、図62(b),(c)において、演出表示装置909の画面において表示される報知画像9096に流れる映像内の液晶内において、所定の映像が流れるようにしてもよい。このような映像内の液晶における所定の映像としては、どのような映像を流すようにしてもよい。具体的には、上部役物の動作とは関連のない大当りを報知するようなプレミアム演出としてオリジナルキャラクタを表示してもよいし、枠LED9028等が発光する映像を流すようにしてもよい。
次に、上部役物演出の演出内容を決定するためのテーブルについて説明する。図63は、上部役物演出決定テーブルを示す図である。図63では、通常遊技中と高ベース中とで上部役物演出の決定に用いられるテーブルが異なっている。また、上部役物演出決定テーブルは、上部役物演出を実行するか否かを決定するとともに、上部役物演出を実行する場合には、第1パターン(動作と報知との両方を実行する場合)と第2パターン(動作のみを実行する場合)のうち、いずれの上部役物演出を実行するのかを決定するための抽選に用いるデータテーブルである。ここで、動作とは、上部役物が設定された角度によって動作する演出を示している。また、報知とは、図62で説明したように、演出表示装置909において、上部役物が動作していることを示す動画を再生する演出等である。
図63(A),(B)は、通常遊技中における上部役物演出決定テーブルを示す図である。通常遊技中における上部役物演出決定テーブルには、図63(A)の通常遊技中大当り時上部役物演出決定テーブルと、図63(B)の通常遊技中はずれ時上部役物演出決定テーブルとが含まれている。これらの通常遊技中における上部役物演出決定テーブルは、演出制御基板9080に設けられたROM90102に記憶されている。
図63(A)の通常遊技中大当り時上部役物演出決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「第1パターン>第2パターン>実行なし」という大小関係となるようにデータが設定されている。図63(B)の通常遊技中はずれ時上部役物演出決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「第1パターン<第2パターン<実行なし」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図63(A),(B)でのデータの設定により、通常遊技中においては、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、上部役物演出が実行される割合が高くなる。また、大当り表示結果となるときには、第1パターンの上部役物演出は、第2パターンの上部役物演出よりも高い割合で実行される。よって、上部役物演出が実行される場合には、上部役物演出が実行されない場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。さらに、第1パターンの上部役物演出が実行される場合には、第2パターンの上部役物演出が実行される場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図63(A),(B)でのデータの設定により、通常遊技中においては、第1パターンまたは第2パターンのいずれで上部役物が動作されるかにより大当り期待度が異なるため、遊技枠に設けられた可動体を用いた演出の興趣を向上させることができる。より具体的には、通常遊技中においては、第1パターンが実行されたときの方が第2パターンが実行されたときよりも大当り期待度が高いので、第1パターンが実行されることに対する期待感を高めることができる。
図63(C),(D)は、高ベース中における上部役物演出決定テーブルを示す図である。高ベース中における上部役物演出決定テーブルには、図63(C)の高ベース中大当り時上部役物演出決定テーブルと、図63(D)の高ベース中はずれ時上部役物演出決定テーブルとが含まれている。これらの高ベース中における上部役物演出決定テーブルは、演出制御基板9080に設けられたROM90102に記憶されている。
図63(C)の高ベース中大当り時上部役物演出決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「第2パターン>実行なし」という大小関係となるようにデータが設定されており、第1パターンの上部役物演出に決定されることはない。図63(D)の高ベース中はずれ時上部役物演出決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によることなく、100パーセントの割合で「実行なし」に決定されるようにデータが設定されている。つまり、高ベース中では、第2パターンによる上部役物演出が実行されることにより大当りが確定することになる。
図63(C),(D)でのデータの設定により、高ベース中においては、変動表示の表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べ、上部役物演出が実行される割合が高い。よって、高ベース中においても、通常遊技中と同様に、上部役物演出が実行される場合には、上部役物演出が実行されない場合よりも、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
また、図63(C),(D)でのデータの設定により、高ベース中においては、動作と報知との両方が実行される第1パターンの上部役物演出が実行されることはない。つまり、高ベース中において大当り遊技状態に制御されるときには、第2パターンにより上部役物を動作させる。よって、確変中や時短中等の大当りに制御されやすい高ベース状態では、報知を伴わない第2パターンによる上部役物演出を実行することによって、無駄な演出の実行を抑制することができる。
このように、通常遊技状態における上部役物演出は、予告の1つとして可動体を動かす演出であり、高ベース状態中における上部役物演出は、予告というよりかは大当りの報知演出として可動体を動かす演出ということができる。つまり、高ベース状態中における上部役物演出は、大当り報知演出として大当り確定を示す期待度の高い演出である。このように、上部役物演出について予告と報知という関係で比較をすると、報知の方が期待度が高いということもできる。
ここで、第1パターンによる上部役物演出と第2パターンによる上部役物演出とでは、設定された角度に対応する上部役物の動作態様は同じである。このようにすれば、上部役物を動作させるときの制御の負担を軽減することができる。
なお、第1パターンによる上部役物演出と第2パターンによる上部役物演出とでは、上部役物の動作態様が全く同じものではなく動作が類似するようにしてもよい。ここで、類似とは一部が同じなど、共通点が多く存在することである。たとえば、類似として、動作速度、動作タイミング、動作の態様(動き方など)が多少違ってもよい。また、通常遊技状態と高ベース状態とで上部役物演出が実行されるときの上部役物の動作態様を異ならせてもよい。
次に、上部役物演出が実行されるときの演出の設定について説明する。図64は、演出設定処理を示すフローチャートである。図64においては、演出図柄変動開始処理(S90801)における演出設定処理に含まれる各種の演出の設定に関する処理のうち、上部役物演出に関係する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なうことによって、上部役物演出で実行される各種演出を決定する。
演出制御用CPU90101は、上部役物演出を制限するための上部役物演出制限フラグがセットされているか否かを判定する(S90901)。演出制御用CPU90101は、上部役物演出制限フラグがセットされていない場合(S90901でN)には、S90902へ移行する。一方、演出制御用CPU90101は、上部役物演出制限フラグがセットされている場合(S90901でY)には、その他の演出を決定し(S90907)、処理を終了する。
S90902では、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動がスーパーリーチであるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、今回実行される変動がスーパーリーチである場合(S90902でY)には、S903へ移行する。一方、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動がスーパーリーチではない場合(S90902でN)には、その他の演出を決定し(S90907)、処理を終了する。
S90903では、演出制御用CPU90101は、現在の遊技状態が高ベース中であるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、現在の遊技状態が高ベース中ではない場合(S90903でN)には、S90904へ移行する。一方、演出制御用CPU90101は、現在の遊技状態が高ベース中である場合(S90903でY)には、S90908へ移行する。
S90904では、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動が大当りであるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、今回実行される変動が大当りである場合(S90904でY)には、通常遊技中大当り時上部役物演出決定テーブルにより上部役物演出の内容を決定し(S90905)、その他の演出を決定した後(S90907)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動が大当りではない場合(S90904でN)には、通常遊技中はずれ時上部役物演出決定テーブルにより上部役物演出の内容を決定し(S90906)、その他の演出を決定した後(S90907)、処理を終了する。
S90908では、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動が大当りであるか否かを判定する。演出制御用CPU90101は、今回実行される変動が大当りである場合(S90908でY)には、高ベース中大当り時上部役物演出決定テーブルにより上部役物演出の内容を決定し(S90909)、その他の演出を決定した後(S90907)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90101は、今回実行される変動が大当りではない場合(S90908でN)には、高ベース中はずれ時上部役物演出決定テーブルにより上部役物演出の内容を決定し(S90910)、その他の演出を決定した後(S90907)、処理を終了する。
S90901に示すように、上部役物演出制限フラグがセットされているときは、上部役物演出の実行が制限される。このようにすれば、上部役物が遊技枠に対して突出しない回転角度に制御されているにも関わらず上部役物の動作に関連した演出(上部役物演出)を実行してしまい、遊技者に違和感を与えることを防止できる。
[動作制御の変形例について]
次に上部役物における動作制御の変形例について説明する。原点検出を行なうことが必要な原点検出対象役物(動作対象役物)として第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rがある。第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rは、図示しない原点検出センサにより原点位置が検出可能である。なお、役物9012を原点検出対象物として動作制御を行なってもよい。
ここで、動作エラー判定回数(たとえば3回)に達するまで繰返し動作対象役物を原点位置(初期位置)に移動させる動作を非検出時動作制御と称する。原点位置(初期位置)から一旦離れ、該原点位置(初期位置)から離れた位置から原点位置(初期位置)に戻るという動作を検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度に基づく最低速度で行なう制御を検出時動作制御と称する。なお、原点位置から離れた位置とは、原点位置の近傍位置、つまり、各原点センサにより各上部役物の被検出部を検出できない位置であって各演出位置よりも原点位置に近い所定位置(検出時動作位置)として設定されている。実動作確認用プロセスデータに実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて動作対象役物を動作させることにより、動作対象役物の制御速度を、時系列的に順次変更して、上部役物による演出において当該上部役物を実際に動作させる際に設定する制御速度と同一の加速または減速を行なう制御を実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)と称する。
上部役物の動作態様および制御内容について、図65、図66を用いて説明する。図65は、演出制御用CPU90101が行なう非検出時動作制御、検出時動作制御および実動作確認用動作制御の動作態様を示す概略説明図である。図66は、(A)は実動作確認用動作制御における制御速度を示す説明図、(B)は検出時動作制御における制御速度を示す説明図、(C)は非検出時動作制御における制御速度を示す説明図である。
なお、図65および図66においては、原点検出対象役物である第1上部役物9029Lおよび第2上部役物9029Rにおける非検出時動作制御(ショート初期化動作制御)、検出時動作制御(ショート初期化動作制御)および実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)についてのみ説明し、原点検出対象役物でない役物9012についての説明は省略することとする。
図65に示すように、第1上部役物9029Lおよび第2上部役物9029Rは、それぞれ原点位置(退避位置、初期位置)と演出位置との間で往復動作可能に設けられており、原点位置から演出位置への往動作や演出位置から原点位置への復動作は、上部役物演出等において実際に行なう実動作とされている。
演出制御用CPU90101は、初期化処理を実行したときに上部役物の被検出部が原点検出センサにより検出されない場合、つまり、上部役物が何らかの理由(たとえば、搬送や遊技島への設置時に原点位置から動いてしまっている場合、前回の動作時に原点復帰できなかった場合(たとえば、演出の実行時において、モータの脱調、故障、引っ掛かりなどにより上部役物の原点復帰が確認できなかったり、動作できなくなるといった役物エラー(動作異常)が発生した場合など)、遊技機の振動により原点位置から動いてしまった場合など)により原点位置以外の位置(たとえば、図65における非検出時動作制御に対応する黒丸で示す位置など、原点位置と演出位置との間の所定位置)にある場合、原点復帰させるための非検出時動作制御を実行する。この非検出時動作制御を実行する場合、上部役物は原点位置から離れた位置にあるため、動作としては上部役物を原点位置方向に移動させる動作のみとされている。
また、演出制御用CPU90101は、初期化処理を実行したときに第1上部役物9029Lや第2上部役物9029Rの被検出部が原点検出センサにより検出された場合、検出時動作制御を実行する。
たとえば、被検出部が原点検出センサにより確実に検出されるように、被検出部が原点検出センサにより検出されたときから上部役物の原点位置方向への動作が規制されるまでの間に所定の動作可能範囲(たとえば、遊び)が設定されている場合などにおいては、原点復帰して原点検出センサにより検出された位置よりもさらに奥側にずれた位置に停止することがある。よって、被検出部が原点検出センサにより検出されていても、上部役物をより正確な原点位置に復帰させるための検出時動作制御を行なう。
この検出時動作制御は、原点検出センサによる被検出部の検出状態を一旦解除するために上部役物を原点位置から離れた位置へ移動させた後に原点位置に復帰させる必要があるが、演出位置まで移動させる必要はないので、上部役物を原点位置から該原点位置の近傍である検出時動作位置まで移動させた後、原点位置に復帰させる。つまり、実動作よりも短い距離で往復動作させる。
また、演出制御用CPU90101は、初期化処理において非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後、実動作確認用動作制御を実行する。実動作確認用動作制御は、上部役物が各種演出等において実際に行なう実動作と同一の動作とされている。
次に、演出制御用CPU90101が非検出時動作制御、検出時動作制御および実動作確認用動作制御を実行する際に設定する制御速度について比較する。なお、図66(A)、図66(B)、図66(C)にて示す速度は、演出制御用CPU90101が各上部役物を動作させるために設定する制御速度であって、上部役物の実際の動作速度とは異なる。つまり、たとえば、所定の上部役物を動作させる場合において、原点位置と演出位置との間における一の移動区間と他の移動区間に同一の制御速度を設定した場合でも、一の移動区間と他の移動区間とで態様が異なる場合においては、上部役物を実際に動作させた場合の動作速度は制御速度とは異なることがある。また、上部役物に対し同一の制御速度を設定しても、各上部役物の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各上部役物の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。複数の上部役物を同一性能のステッピングモータにて動作させる場合において、各上部役物に対し同一の制御速度を設定しても、各上部役物の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各上部役物の実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。
図66(A)に示すように、演出制御用CPU90101は、実動作確認用動作制御を実行する場合、セットした実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度に基づいて確認対象役物を動作させる。具体的には、原点位置から加速した後に減速して演出位置に停止させるとともに、演出位置から加速した後に減速して原点位置に停止させる制御を行なう。すなわち、各上部役物が正常に動作可能であることを確認するための実動作確認用動作制御では、原点位置と演出位置との間において、上部役物の制御速度を低速→高速→低速の順に変化させる。つまり、演出制御用CPU90101は、各上部役物の可動体演出を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各上部役物が動作するように制御するため、実動作確認用動作制御を実行する場合においても、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各上部役物が動作するように制御する。
すなわち、上記第1速度としての最低速度や第2速度としての最高速度は、上部役物の実際の動作速度であって、該動作速度としての最低速度や最高速度となるように制御速度が設定されることになる。なお、以下においては、最低制御速度に基づいて上部役物を動作させた場合は最低速度にて動作し、最高制御速度に基づいて上部役物を動作させた場合は最高速度にて動作するものとして説明する。
ここで、上部役物の加速時および減速時における動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御速度が設定されている。また、演出位置に移動した後に原点位置に復帰させる際においては、演出位置に停止させるときよりも長い時間にわたり実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御することで、上部役物を確実に減速させてから原点検出センサにより被検出部が検出されるようにしている。
図66(B)に示すように、演出制御用CPU90101は、検出時動作制御を実行する場合、原点位置から演出位置まで移動させる期間および演出位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて上部役物が動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU90101は、第1動作制御としての検出時動作制御における最高速度が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて上部役物を動作させる制御を行なう。
また、検出時動作制御の場合、実動作確認用動作制御に比べて上部役物の動作距離が短いため、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、原点検出センサにて被検出部を確実に検出できなかったり、近距離から上部役物が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により上部役物等が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
また、図66(C)に示すように、演出制御用CPU90101は、非検出時動作制御を実行する場合、原点位置と演出位置との間の任意の位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて動作するように制御する。つまり、演出制御用CPU90101は、第1動作制御としての非検出時動作制御における最高速度(最大動作速度)が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度に基づいて上部役物を動作させる制御を行なう。
この場合、上部役物は原点位置からどの程度離れた位置にあるかが不明であるため、上部役物が原点位置の近傍に位置していた場合、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、上部役物が原点位置に復帰したときに原点検出センサにて被検出部を確実に検出できなかったり、近距離から上部役物が原点位置に復帰して移動規制されたときの衝撃により上部役物等が破損したりする虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
このように、演出制御用CPU90101は、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度に基づいて常に単一(一定)の動作速度で上部役物が動作するように制御を行なう。そしてこれら最低速度は、各上部役物に対応する実動作確認用動作制御における最低速度であり、各上部役物に共通する動作速度ではないので、各上部役物における最低速度は異なる場合がある。
具体的には、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとは、大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動モータを含む駆動機構が各々異なるため、同一の制御速度を設定した場合でも上部役物の実際の動作速度は異なる。また、各上部役物に対し異なる制御速度を設定した場合においても上部役物の実際の動作速度は異なる。このように、最低速度は各上部役物に応じて設定された制御速度に基づく動作速度であり、上部役物に最適な最低速度にて動作するように制御するため、態様が異なる複数の上部役物を原点位置にて確実に検出させることが可能となる。
以上説明したように、上部役物を動作させるための駆動手段としての第1上部役物モータ9030L、第2上部役物モータ9030Rによる上部役物の動作を制御する制御手段としての演出制御用CPU90101と、を備え、演出制御用CPU90101は、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御と、上部役物が正常に動作可能であることを確認するための第2動作制御としての実動作確認用動作制御と、上部役物による上部役物演出を行なうための第3動作制御と、を実行可能であり、実動作確認用動作制御を実行する場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で上部役物が動作するように制御し、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で上部役物が動作するように制御する。
このようにすることで、第1動作制御において、上部役物はいかなるタイミングでも停止可能な速度で動作するため、安全に原点位置に位置させることができる。具体的には、非検出時動作制御や検出時動作制御では、実動作確認用動作制御に比べて上部役物を原点位置まで移動させる距離が短い場合があるため、非検出時動作制御や検出時動作制御における最高速度を、実動作確認用動作制御における最低速度とすることで、被検出部を検出手段により確実に検出させることができるとともに、上部役物を高速で移動させたまま移動規制された衝撃で破損することを回避できる。
なお、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する際に、実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で上部役物が動作するように制御する場合、非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する際に設定する制御速度と、実動作確認用動作制御において設定する最低制御速度とは同一の制御速度でもよいし異なる制御速度でもよい。
また、演出制御用CPU90101は、非検出時動作制御および検出時動作制御を実行する場合、常に予め設定された単一(一定)の動作速度、つまり、常に実動作確認用動作制御における最低速度にて第1上部役物9029Lや第2上部役物9029Rが動作するように制御してもよい。
このようにすることで、第1上部役物9029Lや第2上部役物9029Rを原点位置に位置させる際の速度を一定とすることができ、第1上部役物9029Lや第2上部役物9029Rの破損等を防ぐことができる。
また、演出制御用CPU90101は、非検出時動作制御および検出時動作制御を実行する場合、実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて第1上部役物9029Lや第2上部役物9029Rが動作するように制御してもよい。
このようにすることで、第1上部役物9029Lや第2上部役物9029Rの安全動作を確保しつつ、過度に速度を下げる(たとえば、実動作確認用動作制御における最低速度よりも遅い速度とするなど)ことなく安全に動作できる最高速度(第1速度)を選択することで、非検出時動作制御や検出時動作制御の期間を短縮することができる。
また、第1上部役物9029Lや第2上部役物9029Rが原点位置に位置していることを検出可能な検出手段としての原点検出センサを備え、演出制御用CPU90101は、原点検出センサが検出状態ではない場合は非検出時動作制御を実行し、原点検出センサが検出状態である場合は検出時動作制御を実行し、非検出時動作制御を実行する場合、検出時動作制御における最低速度で上部役物が動作するように制御してもよい。
このようにすることで、非検出時動作制御や検出時動作制御によって、原点検出センサの不具合の有無も把握することができる。また、非検出時動作制御を実行する場合は、上部役物が原点位置の近くにあるか否かが不明であるのに対し、検出時動作制御を実行する場合は、上部役物は原点位置にあることため、検出時動作制御においては、非検出時動作制御よりも速い速度であって、実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で動作するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU90101は、特定の異常(たとえば、演出の実行時に発生した動作異常など)が発生している場合において、原点検出センサが検出状態でない場合、動作エラー判定回数が「3」に達するまで、実動作確認用動作制御における最低速度にて第1上部役物9029Lや第2上部役物9029Rが原点位置方向へ向けて移動するように制御してもよい。
このようにすることで、特定の異常(たとえば、演出の実行時に発生した動作異常などのエラー)が発生している場合に実行される異常時動作においても、第1上部役物9029Lや第2上部役物9029Rを安全に動作させることができる。具体的には、たとえば、演出の実行時に動作異常が発生した場合、その後に初期化処理が行われるときは、上部役物は原点位置に復帰していないため、非検出時動作制御が実行されることになる。また、動作異常が発生した場合、初期化処理においても上部役物は動作しないことが考えられるため、異常時動作として実動作確認用動作制御における最低速度にて第1上部役物9029Lや第2上部役物9029Rが原点位置方向へ向けて動作するように制御する。
また、演出制御用CPU90101は、当該対象役物の原点復帰エラーの記憶が有る場合、実動作確認用動作制御を行わないようにしてもよい。
このようにすることで、異常によって第1上部役物9029Lや第2上部役物9029Rが実動作確認用動作制御中に原点位置以外で停止してしまうことを防ぐことができる。具体的には、たとえば、演出の実行時に動作異常が発生した場合、初期化処理においても上部役物は動作しないことが考えられるため、その場合は実動作確認用動作制御を実行しても駆動手段に負荷がかかるだけで無駄になるため、実動作確認用動作制御は実行しないことが好ましい。
また、上部役物として第1上部役物9029Lおよび第2上部役物9029Rを有し、演出制御用CPU90101は、上部役物が原点検出を行なうことが必要な原点検出対象役物であると判定した場合、非検出時動作制御または検出時動作制御と実動作確認用動作制御とを実行する一方、上部役物が原点検出を行なうことが必要な原点検出対象役物でないと判定した場合、非検出時動作制御と検出時動作制御とを行わないようにしてもよい。
このようにすることで、必要な上部役物だけ実動作確認用動作制御を行なうことができ、実動作確認用動作制御による動作確認時間を短縮することができる。
また、演出制御用CPU90101は、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rの各々の第1動作としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、各々の実動作確認用動作制御における最低速度にて上部役物が動作するように制御し、実動作確認用動作制御の動作速度は、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとで異なるようにしてもよい。
このようにすることで、各々の上部役物に応じた動作速度によって各上部役物の安全動作を確保しつつ、非検出時動作制御および検出時動作制御の期間を短縮することができる。たとえば、第1上部役物9029Lと第2上部役物9029Rとにおいて、実動作確認用動作制御において同一の制御速度を設定しても、各上部役物の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、非検出時動作制御および検出時動作制御を実行した場合の各上部役物の実際の動作速度は異なることになる。
具体的には、非検出時動作制御および検出時動作制御において、同一の制御速度(実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度)を設定した場合でも、複数の上部役物のうち重量が大きい上部役物の実際の動作速度は、重量が小さい上部役物の実際の動作速度よりも遅くなる。また、上部役物を上昇させる場合、下降させる場合に比べて実際の動作速度は遅くなる。また、駆動機構として可動部を演出方向に付勢するバネ等が設けられている場合、バネが縮んでいる状態で付勢力に抗する方向に移動させる場合、バネが伸びている状態で付勢力に抗する方向に移動させる場合に比べて実際の動作速度は遅くなる。このように、非検出時動作制御および検出時動作制御において、上部役物を実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度で上部役物が動作するように制御する場合、各上部役物の大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等を考慮して、各々の実動作確認用動作制御において個別の最低制御速度を設定することが好ましい。
たとえば、第1可動部と第2可動部とが、原点位置に向けて移動する際に遊技者から見たときに第1可動部の手前側に第2可動部が重なるように前後に配置されるものにおいて、非検出時動作制御、検出時動作制御および実動作確認用動作制御のいずれかを実行する際に、第1可動部および第2可動部双方の動作制御を一緒に行なう場合、第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。このようにすることで、仮に、第1可動部と第2可動部とが何らかの理由でそれぞれ原点位置から離れた位置まで移動した状態で電源がオン状態とされ、初期化処理において第1可動部および第2可動部双方の非検出時動作制御が一緒に実行される場合において、第1可動部および第2可動部双方の動作速度(最低速度)が同一になるように制御されると、第2可動部により第1可動部が隠れて原点位置へ移動する状況が見え難くなるが、第1可動部と第2可動部の最低速度が異なるように制御することで、第1可動部と第2可動部とが移動する際にずれていくので、第1可動部および第2可動部各々の原点復帰動作を確認しやすくなる。
また、第1可動部と、該第1可動部よりも大きい(あるいは長い)第2可動部とを有する場合においても、第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。このようにすることで、たとえば、第2可動部よりも小さい(あるいは短い)ので目立たない第1可動部の非検出時動作制御、検出時動作制御および実動作確認用動作制御のいずれかにおける最低速度が、第1可動部よりも大きい(あるいは長い)ので目立つ第2可動部の非検出時動作制御、検出時動作制御および実動作確認用動作制御のいずれかにおける最低速度よりも遅くすることで、第1可動部および第2可動部それぞれの動作を確認しやすくなる。
このように、第1可動部と該第1可動部とは異なる第2可動部とを有する場合において、第1可動部と第2可動部それぞれの非検出時動作制御、検出時動作制御および実動作確認用動作制御における動作速度(最低速度)が異なるように制御することが好ましい。なお、このように第1可動部と第2可動部の動作速度(最低速度)が異なるように制御する場合、第1可動部と第2可動部それぞれの非検出時動作制御、検出時動作制御および実動作確認用動作制御において設定する最低制御速度は異なっていてもよいし、同一でもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図63に示すように、上部役物演出として第1パターンと第2パターンとでは、大当り遊技状態に制御される期待度が異なる。具体的に通常遊技中においては、上部役物演出として第1パターンが実行されたときの方が第2パターンが実行されたときよりも大当り期待度が高い。このようにすれば、第1パターンまたは第2パターンのいずれで上部役物が動作されるかにより大当り遊技状態に制御される期待度が異なるため、遊技枠に設けられた可動体を用いた演出の興趣を向上させることができる。また、第1パターンが実行されることに対する期待感を高めることができる。
(2) 第1パターンと第2パターンとで上部役物を同じ動作とする。このようにすれば、可動体を動作させるときの制御の負担を軽減することができる。
(3) 図62に示すように、演出表示装置909の画面において、上部役物が動作していることを示す報知画像9096を表示する。このようにすれば、可動体を動作していることを確実に遊技者に報知することができる。
(4) 図63に示すように、高ベース中において大当り遊技状態に制御されるときには、第2パターンにより上部役物を動作させる。このようにすれば、大当り遊技状態に制御されやすい高ベース状態では、第2パターンにより可動体の動作を制御することによって無駄な演出の実行を抑制することができる。
(5) 図62に示すように、演出表示装置909の画面において、上部役物が動作していることを示す報知画像9096を表示する際に枠LED9028による演出は表示しない。このようにすれば、枠LED9028による演出を含めずに上部役物演出が実行されるので、当該上部役物演出による可動体の動作をより目立たせることができる。
(6) 図60のS90752に示すように、設定された角度に応じて、第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rの回転角度・回転速度を設定する。このようにすれば、遊技枠に設けられた軸90290に対して回転する可動体を動作させつつ、可動体が他の物体と当接することを防ぐことができる。
(7) 図64のS90901に示すように、上部役物演出制限フラグがセットされているときは、上部役物演出の実行を制限する。このようにすれば、可動体が遊技枠に対して突出しない回転角度(0度)に制御されているにも関わらず可動体の動作に関連した演出を実行してしまい、遊技者に違和感を与えることを防止できる。
(8) 図50に示すように、上部役物の回転角度を段階的に調整可能である。このようにすれば、無段階で調整することによる制御の複雑化を防止することができる。
(9) 初期状態においては、90度よりも突出しない角度に制御する。このようにすれば、調整をしていない場合であっても可動体が他の物体と当接することを防ぐことができる。
(10) 上部役物の回転角度によって回転速度を異ならせる。このようにすれば、可動体が動作するときに実行される演出の演出時間を共通化することができる。
(11) 発光手段としての第1上部LED9029A,第2上部LED9029Bは、上部役物の回転角度によらず同一の輝度で発光する。このようにすれば、発光手段の制御の複雑化を防止することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、上部役物演出として動作+報知の第1パターンと動作のみの第2パターンとが設けられていた。第2パターンによる上部役物演出が実行されるときには、演出表示装置909の画面において、上部役物が動作していることを示す報知画像9096を表示するのではなく、別の演出(上部役物の動作を示さないような別の画像による演出)が実行されるようにしてもよい。また、上部役物を遊技状態の切替り(大当りに制御されるとき)や演出の切替り(スーパーリーチへの発展時)等のタイミングに関連して動作するようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、発光手段としての第1上部LED9029A,第2上部LED9029Bは、上部役物の回転角度(動作角度)によらず同一の輝度で発光する場合について説明した。しかしながら、回転角度と輝度とが対応しているようにしてもよい。たとえば、角度が45度のときは輝度が小、角度が60度のときは輝度が中、角度が90度のときは輝度が大となるようにしてもよい。また、逆に回転角度が狭い程、輝度を強めるようにしてもよい。このようにすれば、光が見え難くなることを防ぐことができる。
(3) 前述した実施の形態では、役物の取付け位置として、遊技枠の上部について説明した。しかし、役物は、遊技枠の上部以外の位置に配置されるようにしてもよい。たとえば、遊技枠の側面、正面、下部等の位置に配置されるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態では、通常遊技状態において、動作+報知の第1パターンの方が動作のみの第2パターンよりも大当り期待度が高い場合について説明した。しかしながら、第2パターンの方が第1パターンよりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。また、高ベース状態において第1パターンにより上部役物演出が実行されるようにしてもよいし、第1パターンと第2パターンとで大当り期待度が異なるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、上部役物演出の第1パターンとして、上部役物が動作していることを示す動画を再生する報知について説明した。当該報知は、上部役物実物の動画や画像であってもよいし、実物を模した絵やCGなどであってもよい。
(6) 前述した実施の形態では、上部役物演出の実行時に上部役物以外の役物9012やプッシュボタン90120等の操作手段を動作させたり、発光させたりする演出を実行してもよい。このような場合であっても、上部役物が動作していることを示す報知画像9096を表示する際に、役物9012や操作手段による演出が実行されることを示す表示をしない方が望ましい。
(7) 前述した実施の形態では、上部役物演出制限フラグがセットされているときは、上部役物演出の実行が制限されていた(実行されることがない禁止状態であった)。しかし、上部役物演出制限フラグがセットされているときは、上部役物演出に替えて代替演出が実行されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、第1上部役物9029L,第2上部役物9029Rのように複数の可動体(役物)が設けられていた。このような可動体は、別々に動作の設定が実行できるようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、初期状態(最初に電源投入した場合やRAMクリアによる電源投入の場合)においては、上部役物の回転角度が遊技枠に対して最も突出する回転角度である90度よりも突出しない角度(たとえば、45度)になるように制御される場合を説明した。しかしながら、90度まで全開放できる遊技店であるにも関わらず新たな設定をしない場合には、45度の角度に設定されていることに気付かずに使い続けてしまうことも想定される。そこで、パチンコ遊技機901の起動時に現在の回転角度を演出表示装置909の画面上で報知することが望ましい。このようにすれば、遊技場の店員は、現在の上部役物の回転角度を容易に把握することができる。
(10) 前述した実施の形態に示した各種制御は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、といったボーナス、また内部抽選結果を報知する演出を実行するAT、通常遊技状態と比較して再遊技役の当選確率が異なるRT、ATとRTとに移行されたARTへの制御を示す演出として前述した上部役物演出を実行するようにしてもよい。たとえば、AT等に当選した契機(はずれの場合のガセ演出も含む)で上部役物演出を実行し、AT中においては、動作のみによる演出が実行されるようにしてもよい。
(11) 前述した実施の形態では、遊技店員ではなく遊技者が上部役物の回転角度や輝度を調整できるようにしてもよい。このような場合には、変動表示中ではない状態で操作手段を操作することでメニュー画面を表示し、上部役物の回転角度等を設定できるようにすることが望ましい。なお、変動中に上部役物の回転角度や輝度が設定できるようにしてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(13) この実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(14) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(15) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(16) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(17) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機
5 演出表示装置
5A 第1飾り図柄表示器
5B 第2飾り図柄表示器
12 演出制御基板
16A 演出制御用中継基板
100 遊技制御用マイクロコンピュータ
102 RAM
120 演出制御用CPU
120A 演出制御用マイクロコンピュータ
126 VRAM
135 ROM
136 温度センサ
141 CGROM
142 冷却ファン
321 可動部材
901 パチンコ遊技機
909 演出表示装置
9029L 第1上部役物
9029R 第2上部役物
90100 演出制御用マイクロコンピュータ
90560 遊技制御用マイクロコンピュータ

Claims (1)

  1. 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
    演出表示手段の表示制御を行う表示制御機能を有する制御手段と、
    前記制御手段の温度を監視する温度監視手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記表示制御機能として、前記演出表示手段における第1表示領域を用いた表示制御を行う第1表示制御機能と、前記演出表示手段における前記第1表示領域よりも大きい第2表示領域を用いた表示制御を行う第2表示制御機能と、を有し、
    前記制御手段の温度の上昇に応じて、前記表示制御機能を段階的に制限可能であり、
    第1段階において前記第2表示制御機能を制限し、
    前記第1段階よりも前記制御手段の温度が上昇した第2段階において前記第1表示制御機能を制限し、
    さらに、
    遊技枠に動作可能に設けられた可動体と、
    前記可動体の動作を制御する可動体制御手段と、
    前記可動体の動作を報知する報知演出を実行する報知演出手段とを備え、
    前記可動体制御手段は、前記報知演出に関連して前記可動体を動作させる第1パターンと、前記報知演出に関連せずに前記可動体を動作させる第2パターンとにより前記可動体の動作を制御し、
    前記第1パターンまたは前記第2パターンのいずれで前記可動体が動作されるかにより遊技者にとって有利な有利状態に制御される期待度が異なる、
    ことを特徴とする遊技機。
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