[パチンコ遊技機の構成]
本発明に係る遊技機を実施するための形態を以下に説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。なお、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。なお、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。なお、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」や「第1特別図柄」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」や「第2特別図柄」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、表示手段としての演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
また、この実施の形態では、演出表示装置5の表示画面の左上端部に、演出図柄を縮小した態様の「左」、「中」、「右」の小図柄(本例では、「1」〜「8」の図柄)の変動表示も実行される。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aおよび第2保留表示器25Bのそれぞれでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶情報の個数としての保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4Aでは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第1始動入賞に基づいて発生した保留記憶情報(第1保留記憶情報)の個数を特定可能な第1特図保留記憶数がLEDの点灯(点灯個数)により表示される。第2保留表示器25Bでは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる第2始動入賞に基づいて発生した保留記憶情報(第2保留記憶情報)の個数を特定可能な第2特図保留記憶数がLEDの点灯(点灯個数)により表示される。
演出表示装置5の表示領域における下部の左右2箇所には、第1保留表示エリア5D、第2保留表示エリア5Uが設定されている。第1保留表示エリア5Dでは、第1始動入賞に基づいて発生した第1保留記憶情報の個数を特定可能な第1特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。第2保留表示エリア5Uでは、第2始動入賞に基づいて発生した第2保留記憶情報の個数を特定可能な第2特図保留記憶数が、球体(円形)の保留画像Hの画像個数により表示される。
第1保留表示エリア5Dにおいては、第1保留記憶情報が発生するごとに左側に保留画像が増加する態様で保留画像Hが表示されていき、第1保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第1保留記憶情報に対応する右端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像Hが1つずつ右方向にシフトする表示が行なわれる。第2保留表示エリア5Uにおいては、第2保留記憶情報が発生するごとに右側に保留画像Hが増加する態様で保留画像が表示されていき、第2保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるごとに当該第2保留記憶情報に対応する左端部の保留画像Hが消去され、残りの保留画像が1つずつ左方向にシフトする表示が行なわれる。
第1保留表示エリア5Dおよび第2保留表示エリア5Uのそれぞれから消去された(移動された、シフトされた)保留表示に対応する変動表示の実行中に当該変動表示に対応する変動対応表示を示す画像(以下、アクティブ画像またはアクティブ表示と呼ぶ)AHを表示するアクティブ表示エリアAHAが保留表示エリアの中央部に形成される。アクティブ表示エリアAHAにおいては、第1保留表示エリア5Dまたは第2保留表示エリア5Uにおいて表示されていた保留画像Hが、たとえば、アクティブ表示エリアに移動(シフト)される等、それまでに表示されていた保留画像に対応するものであることが特定可能な態様でアクティブ画像AHが表示される。なお、アクティブ表示エリアAHAは、演出表示装置5における表示領域のうちの何れの位置に配置されてもよい。
なお、保留表示エリアは、第1保留表示エリア5Dと第2保留表示エリア5Uとを区別せずに合算した表示態様で保留記憶情報が表示されるようにしてもよい。このような合算保留記憶表示により、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
第1保留表示エリア5Dおよび第2保留表示エリア5Uのそれぞれにおいて表示された保留画像Hについては、対象となる保留記憶情報の変動表示が実行される以前に保留表示の態様を変化させる保留表示態様変化演出が実行される場合がある。保留表示態様変化演出においては、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。
たとえば、保留画像Hの色としては、青色、緑色、および、赤色に変化可能である。保留表示態様変化演出は、所定の割合で実行することが決定され、演出対象の保留記憶情報に基づく変動表示結果が大当り表示結果となるときには、青色<緑色<赤色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定され、一方、当該変動表示結果がはずれ表示結果となるときには、赤色<緑色<青色という関係の割合で変化後の保留画像Hの色が選択決定される。これにより、保留表示態様変化演出が実行されたときにおける変化後の保留画像Hの色に基づく大当りへの期待度は、青色<緑色<赤色という関係の割合となるように設定されている。したがって、保留表示態様変化演出が実行されたときには、変化後の保留画像の色に基づいて、遊技者の大当りへの期待感を盛上げることが可能となる。
また、アクティブ画像AHについても、保留画像Hと同様に、表示態様変化演出が実行され、保留画像Hの色または形状等の表示態様が変化させられる。そのようなアクティブ表示の表示態様変化演出についても、保留表示態様変化演出と同様の選択割合で、大当りへの期待度が特定可能な態様で、変化後の色または形状等の表示態様が決定される。なお、アクティブ表示については、表示態様変化演出を実行しなくてもよい。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
特別可変入賞球装置7の左方には、第1特別図柄の変動表示に同期して第1飾り図柄の変動表示が行われる第1飾り図柄表示器5Aが設けられている。また、特別可変入賞球装置7の右方には、第2特別図柄の変動表示に同期して第2飾り図柄の変動表示が行われる第2飾り図柄表示器5Bが設けられている。第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bは、それぞれ上下に配置された2個のランプ(または、LED)によって構成され、第1特別図柄の変動表示に同期して、これらの2個のランプ(または、LED)が点滅表示することによって第1飾り図柄や第2飾り図柄の変動表示が実行される。そして、大当り図柄で停止表示される場合には、これら2個のランプ(または、LED)が点灯した状態で変動表示を終了し、はずれ図柄で停止表示される場合には、これら2個のランプ(またはLED)が消灯した状態で変動を終了する。
なお、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bの変動表示の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、上下に設けられたランプ(またはLED)が交互に点灯および消灯を繰り返すことによって変動表示を行うものであってもよい。
また、例えば、第1飾り図柄表示器5Aや第2飾り図柄表示器5Bとして、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に、7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成される表示器を設けるように構成してもよい。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の外周には、前面枠に設けられた天枠LED9a、左枠LED9b、および右枠LED9cが設けられている。この実施の形態では、前面枠のうちの上方に天枠LED9aが設けられ、前面枠のうちの左方に左枠LED9bが設けられ、前面枠のうちの右方に右枠LED9cが設けられている。また、遊技盤2にも盤側LED9d,9eが設けられている。この実施の形態では、遊技盤2の左方に盤側LED9dが設けられ、遊技盤2の右方に盤側LED9eが設けられている。なお、パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。なお、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態(有利状態)に制御される。
本実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。なお、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。なお、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。なお、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
なお、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eなどの発光体における点灯動作(点滅動作)、可動部材321の動作などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」、「大当り信頼度」、「期待度」、または、「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。なお、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。なお、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「5」または「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「5」及び「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。なお、本実施の形態では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。なお、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。なお、本実施の形態では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
なお、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12と各演出手段との間で伝送される各種の制御信号を中継するための演出制御用中継基板16A、駆動制御基板16B、および発光体制御基板16C〜16Fなども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御用中継基板16Aを介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出制御用中継基板16Aを介して演出表示装置5、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B、スピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部302、可動部材321といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音出力動作の全部または一部、遊技枠側に設けられている天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9c、遊技盤2側に設けられている盤側LED9d,9eの点灯/消灯動作の全部または一部、可動部302や可動部材321の動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。また、演出制御基板12は、演出制御用中継基板16Aを介して、演出制御用マイクロコンピュータ120Aや各制御回路を冷却するための冷却ファン142が接続されている。
演出制御基板12には、演出制御用中継基板16Aを介して演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bに対して点灯信号を伝送するための配線、音声制御基板13に対して音声信号(効果音信号)を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御用中継基板16Aを介して駆動制御基板16Bや発光体制御基板16C、発光体制御基板16Dに各種信号を伝送するための配線も接続されている。
駆動制御基板16Bに伝送される情報信号は、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330の駆動により可動部302や可動部材321を動作させるための指令や制御データを示す駆動制御信号を含んでいればよい。
発光体制御基板16Cに伝送される情報信号は、盤側LED9d,9eとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
発光体制御基板16Dに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の左方に左枠LED9bとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板16Eに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の上方に天枠LED9aとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。また、発光体制御基板16Fに伝送される情報信号は、遊技機用枠3の右方に右枠LED9cとして設けられている複数の発光体を点灯させるための発光データを示す点灯信号を含んでいればよい。
また、この実施の形態では、図2に示すように、発光体制御基板16Dに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120Aから演出制御用中継基板16Aのみを中継して伝送される。また、発光体制御基板16Eに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120Aから演出制御用中継基板16Aに加えて発光体制御基板16Dを中継して伝送される。さらに、発光体制御基板16Fに伝送される情報信号は、演出制御基板12に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ120Aから演出制御用中継基板16Aに加えて発光体制御基板16Dおよび発光体制御基板16Eを中継して伝送される。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。
演出制御用中継基板16Aは、遊技盤2の裏面に取り付けられた裏パックなどに設置され、主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される各種信号を中継したり、演出制御基板12から駆動制御基板16Bや発光体制御基板16C、発光体制御基板16Dに向けて伝送される各種信号を中継したりする。裏パックは、遊技盤2の裏面側の中央部分に取り付けられ、その中央には演出表示装置5が臨む開口が形成されていればよい。裏パックは、主基板11や音声制御基板13、駆動制御基板16B、発光体制御基板16Cなどを、後方から覆うように設けられてもよい。裏パックの後面側には、演出制御基板12が収容された演出制御基板ボックスが取り付けられてもよい。
また、演出制御用中継基板16Aには、演出表示装置5に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのCGROM141が搭載されている。
CGROM141は、演出表示装置5における表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶している。CGROM141が記憶する画像データには、静止画像データと動画像データとが含まれていればよい。静止画像データとして、演出表示装置5の画面上において可変表示される複数種類の演出図柄といった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データとなるスプライト画像データが用意されていればよい。また、演出表示装置5の画面上に表示されるキャラクタ、具体的には、人物、文字、図形や記号など、および背景画像の画像データが、予めCGROM141に記憶されていればよい。画像データの他にも、CGROM141には、スピーカ8L、8Rによる音声出力に用いられる音声データの一部または全部が記憶されていればよい。CGROM141には、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDなどに対する点灯駆動に用いられるランプ駆動データの一部または全部が記憶されていればよい。CGROM141には、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330に対する回転駆動に用いられるモータ駆動データの一部または全部が記憶されていればよい。CGROM141は、例えばNAND型フラッシュメモリといった、電気的に消去や書込あるいは書換などが可能な不揮発性の半導体メモリであればよい。ただし、パチンコ遊技機1における演出の進行が制御される通常使用の状態では、CGROM141は読出専用の記憶装置として使用される。演出制御用CPU120は、VDP機能を用いて、例えば512バイトのセクタがデータ転送の最小単位である場合に、512バイトの整数倍のサイズのデータを、CGROM141から読出可能であればよく、CGROM141に対して書込可能であればよい。
なお、この実施の形態では、CGROM141がNAND型フラッシュメモリによって構成される場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、NOR型フラッシュメモリなど他のメモリ素子によって構成されてもよい。
演出制御用CPU120は、VDP機能を用いて、セクタデータをCGROM141から読み出し、読み出したセクタデータに対し、エラー検出やエラー訂正を行うことができればよい。セクタデータのエラー検出では、エラービット数やエラービット位置を特定する。このときには、エラー訂正が可能か否かを判定する。エラー訂正が可能な場合には、エラー訂正を実行して、セクタデータをVRAM126などに転送して格納できればよい。CGROM141には、消去単位ブロックの管理情報が記憶されていればよい。消去単位ブロックは、CGROM141の記憶データを消去する場合の消去単位である。消去単位ブロックの管理情報は、各消去単位ブロックにおいて実行された消去処理の回数を示す情報を含んでいればよい。演出制御用CPU120は、セクタデータを含む消去単位ブロックの管理情報を読み出し、エラービット数の情報などに基づいて、CGROM141におけるセクタデータのメモリセルをリフレッシュ(データリフレッシュ)するか否かを判定する。
CGROM141では、記憶データの消去やリードディスターブなどの要因により、メモリセルの劣化が発生する。リードディスターブは、CGROM141の記憶データに対する読出回数が増加した場合に、メモリセルのフローティングゲートに蓄積された電子が徐々に引き抜かれて、トランジスタのしきい値電圧が変化することにより発生する。また、リードディスターブが発生しない場合でも、メモリセルのフローティングゲートに蓄積された電子は、極めてゆっくりとした速度で徐々に放出されて、トランジスタのしきい値電圧を変化させるデータリテンションが発生する場合もある。リードディスターブやデータリテンションによるメモリセルの劣化は、メモリセルをリフレッシュすることにより回復可能である。記憶データの消去によるメモリセルの劣化は、メモリセルの余命を減少させ、メモリセルをリフレッシュしても回復不能となる場合がある。この場合、回復不能となったメモリセルを含むブロックを不良ブロック(不良エリア)とし、別個に設けられた代替ブロック(代替エリア)にデータ移転する代替処理が実行される。
駆動制御基板16Bは、演出制御基板12とは別個に設けられた駆動制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、可動部302の回動制御や、可動部材321の移動制御を行うためのドライバICなどが搭載されている。駆動制御基板16Bからの出力信号は、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330に向けて伝送される。
発光体制御基板16Cは、遊技盤2に搭載され、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、盤側LED9d,9eとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
発光体制御基板16D〜16Fは、遊技機用枠3に搭載され、演出制御基板12とは別個に設けられた発光体出力用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどにもとづき、天枠LED9a、左枠LED9b、および右枠LED9cとして設けられている複数の発光体について点灯制御を行うための発光体駆動用となる各種回路が搭載されている。
なお、パチンコ遊技機1には、発光体制御基板16C〜16F以外にも、例えば、可動部材321に設けられた発光部321Aの点灯制御を行うための基板なども配置されているが、図示は省略している。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、演出制御用中継基板16Aによって中継される。演出制御用中継基板16Aを介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連(本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示であり、1つの始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する演出表示。)の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eの点灯動作などを制御するために用いられる発光体制御コマンド、可動部材321の動作などを制御するために用いられる駆動制御コマンドなどが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
次に、演出制御基板12および演出制御用中継基板16Aについて説明する。図3は、演出制御基板12および演出制御用中継基板16Aの回路構成例を示すブロック図である。図2および図3に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用マイクロコンピュータ120Aと、RAM122と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用中継基板16Aには、CGROM141が搭載されている。また、演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Yには、冷却ファン142が接続されている。また、演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Zには、主基板11からの演出制御コマンド伝送用の信号線が接続されている。また、演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Sには、各演出手段(本例では、演出表示装置5、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B、各LED9a〜9e、スピーカ8L,8R、可動部302、可動部材321など)と演出制御用中継基板16A、駆動制御基板16B、および発光体制御基板16C〜16Dへの信号線が接続されている。
また、演出制御基板12に設けられたコネクタ12Xと演出制御用中継基板16Aに設けられたコネクタ16Xとをケーブルを用いて接続することによって、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとが接続されている。
なお、演出制御基板12および演出制御用中継基板16Aの実装の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎらず、様々な態様が考えられる。例えば、演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとをユニット化して1つの基板ケース内に収納するように構成してもよい。この場合、例えば、この基板ケースに冷却ファンを取り付けるように構成し、冷却ファンによって基板ケース内の演出制御基板12と演出制御用中継基板16Aとを冷却するように構成してもよい。また、この基板ケースに放熱フィンを取り付けるように構成してもよく、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに放熱フィンを取り付けるように構成してもよい。
図4は、演出制御用マイクロコンピュータ120Aの構成例を示すブロック図である。図4に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、例えば1チップマイクロコンピュータなどを用いて構成され、ワークメモリ131と、演出制御用CPU120と、ホストインタフェース132と、CGROMバスインタフェース133と、DRAMインタフェース134とを備えている。また、演出制御用CPU120は、VDP(Video Display Processor)機能を内蔵しており、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、VRAM(Video RAM)126と、表示回路127A〜127Cと、グラフィックデコーダ137とを備えている。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ROM135と温度センサ136とを備えている。
演出制御用CPU120は、演出制御用のプログラムに従って制御処理を実行する。ROM135は、演出制御用CPU120が制御処理を実行するために読み出される演出制御用のプログラムや固定データなどを記憶する。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが備えるROM135に認証データが記憶されているとともに、演出制御用中継基板に搭載されるCGROM141にも認証データが記憶されている。そして、後述するように、この実施の形態では、遊技機への電源投入時に、演出制御用CPU120は、CGROM141から読み出した認証データとROM135に記憶されている認証データとを照合して認証処理を行い、認証に成功したことにもとづいて各種演出制御の処理を開始する。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120AにROM135が内蔵されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されているのではなく、演出制御基板12上にROMが搭載されているように構成されていてもよい。
また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されているROM135とは別に、認証データを記憶する認証データ用のROMを、演出制御用マイクロコンピュータ120Aの外であって演出制御基板12上に設けるように構成してもよい。
温度センサ136は、演出制御用CPU120の温度を計測し、温度情報を出力する機能を備える。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに温度センサ136が内蔵されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されているのではなく、演出制御基板12上に温度センサが搭載されているように構成されていてもよい。そして、この場合、温度センサによって演出制御基板12の温度を監視するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、VDP機能を備え、CGROMバスインタフェース133を介して演出制御用中継基板16A上のCGROM141から各種キャラクタ画像データや動画像データなどの画像データを読み出してVRAM126に転送し、VRAM126上のフレームバッファに画像データを展開(描画)する機能を備える。また、グラフィックデコーダ137は、描画で使用する圧縮画像データをVRAMにデコードする機能を備える。また、表示回路127A〜127Cは、VRAM126のフレームバッファに展開されている画像データを外部の表示装置(演出表示装置5など)に表示出力する機能を備える。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120がVDP機能を内蔵ように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、演出制御用CPU120とは別に、制御回路としてのVDPを備えるように構成してもよい。また、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aとは別に、演出制御基板12上に制御回路としてのVDPを搭載するように構成してもよい。さらに、例えば、演出制御基板12上に、演出制御用マイクロコンピュータ120Aとは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路を搭載するように構成してもよい。
図5は、演出制御基板12において映像信号を出力する機構の例を示す構成図である。図5に示すように、演出制御基板12に搭載される演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、演出制御用CPU120に加えて、VRAM126、表示回路127A〜127C、LVDS I/F128、およびC−MOS I/F129を備える。演出制御用CPU120は、CGROM141からムービーデータやキャラクタのソースデータを読み出して、VRAM126に展開(描画)する。また、各表示回路127A〜127Cは、VRAM126に展開されている描画データを読み出して、スケーリングや、ディザリング、カラー補正などを行う機能を備える。また、各表示回路127A〜127Cは、これらの処理を施した描画データを、差動伝送方式であるLVDS信号としてLVDS I/F128を介して出力する機能を備える。また、また、各表示回路127A〜127Cは、これらの処理を施した描画データを、デジタルRGB信号としてC−MOS I/F129を介して出力する機能を備える。
この実施の形態では、LVDS I/F128には、2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)を出力可能に端子が設けられており、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、映像信号として2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)を出力可能である。なお、例えば、それぞれ一対のラインを1ラインとして、データ信号用の4ラインと、クロック信号用の1ラインとで1本のLVDS信号線が形成され、差動伝送方式では、それら一対のライン間の電位差が信号レベルとして検出されるものである。
また、この実施の形態では、C−MOS I/F129には、1本のデジタルRGB信号を出力可能に端子が設けられており、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、映像信号として1本のデジタルRGB信号を出力可能である。なお、デジタルRGB信号は、例えば、赤色信号、緑色信号、青色信号、水平同期信号、垂直同期信号、ディスプレイイネーブル信号、クロック信号などを含む。
この実施の形態では、演出表示装置5(画像表示装置)として、19インチの液晶パネルを備える液晶表示装置を用いるのであるが、一般に、19インチの液晶表示装置には2本のLVDS信号が接続可能な接続口が設けられている。従って、この実施の形態では、図5に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載する表示回路127A〜127Cのうちの2つの表示回路(例えば、表示回路127Aと表示回路127B)を用いて、2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)が生成され、LVDS I/F128を介して出力された2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)が演出表示装置5に入力され、演出表示装置5における表示制御が行われる。
また、この実施の形態では、演出表示装置5は2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)で制御されるのであるから、デジタルRGB信号は使用されない。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力される各映像信号(LVDS信号、デジタルRGB信号)は、それぞれ個別に出力可能状態または出力不可状態に設定可能であり、デジタルRGB信号は出力不可状態に設定される。
図6は、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに設けられている各映像信号(LVDS信号、デジタルRGB信号)の出力状態を設定するための映像信号出力設定レジスタの構成例を示している。図6に示すように、例えば、映像信号出力設定レジスタのうち下位の3ビット(0〜2ビット)が各映像信号(LVDS信号、デジタルRGB信号)の出力状態の設定に用いられる。例えば、映像信号出力設定レジスタのビット番号[2]に格納されるデータA2は、LVDS信号1の出力状態を示す。図6に示す例では、データA2のビット値が「0」に設定されれば、LVDS信号1が出力不可状態に設定される。また、データA2のビット値が「1」に設定されれば、LVDS信号1が出力可能状態に設定される。また、例えば、映像信号出力設定レジスタのビット番号[1]に格納されるデータA1は、LVDS信号2の出力状態を示す。図6に示す例では、データA1のビット値が「0」に設定されれば、LVDS信号2が出力不可状態に設定される。また、データA1のビット値が「1」に設定されれば、LVDS信号2が出力可能状態に設定される。また、例えば、映像信号出力設定レジスタのビット番号[0]に格納されるデータA0は、デジタルRGB信号の出力状態を示す。図6に示す例では、データA0のビット値が「0」に設定されれば、デジタルRGB信号が出力不可状態に設定される。また、データA0のビット値が「1」に設定されれば、デジタルRGB信号が出力可能状態に設定される。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120AのROM121には、プログラム管理エリアが設けられており、図6に示す映像信号出力設定レジスタを含む各種設定レジスタの設定内容がプログラム管理エリアに格納されている。そして、遊技機への電源投入時やシステムリセット発生時に、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、プログラム管理エリアに格納されている設定内容を読み出し、読み出した設定内容に従って図6に示す映像信号出力設定レジスタの各ビット値を設定する。この実施の形態では、映像信号出力設定レジスタのデータA0(0ビット目)が「0」に設定され、データA1〜A2(1〜2ビット目)が「1」に設定される。そして、映像信号出力設定レジスタの設定に従って、各表示回路127A〜127CのデジタルRGB信号の出力端子がディセーブル状態に制御されるとともに、各LVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)の出力端子がイネーブル状態に制御されて、デジタルRGB信号が出力不可状態に設定され、2本のLVDS信号(LVDS信号1、LVDS信号2)のみが出力可能状態に設定される。
なお、この実施の形態では、2本のLVDS信号およびデジタルRGB信号の全ての信号の出力状態を設定可能に構成する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、LVDS信号の出力状態のみを設定可能に構成してもよいし、デジタルRGB信号の出力状態のみを設定可能に構成してもよい。
図5および図6に示すように、この実施の形態では、複数系統の映像信号(本例では、LVDS信号1、LVDS信号2、デジタルRGB信号などの映像出力信号)を出力可能であり、複数系統の映像信号のうち少なくとも1系統の映像信号の出力の有無を設定可能である。そのため、映像信号の出力に関して部品の共通化による低コスト化を図りつつ、ノイズを抑制することができる。
具体的には、この実施の形態で示したように、VDPやVDP機能を備えたCPU(本例では、演出制御用CPU120)から液晶表示装置駆動用の複数系統の映像信号を出力可能に構成した場合において、実際には複数系統の映像信号のうちの一部の映像信号(本例では、LVDS信号1とLVDS信号2)しか液晶表示装置の表示制御に用いられず、他の一部の映像信号(本例では、デジタルRGB信号)が不要となる場合がある。そのような場合において、抵抗などの回路素子や配線などを用いてハードウェア的に不要な映像信号の出力を遮断するように構成することが考えられる。しかし、そのようにハードウェア的に不要な映像信号の出力を遮断するように構成しただけでは、その不要な映像信号の出力が依然としてノイズとして残ってしまい、表示制御や遊技制御など他の制御に影響を及ぼすおそれがある。そこで、この実施の形態では、映像出力用のIC(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ120A)からの映像信号の出力の有無自体を設定可能とすることによって、映像信号の出力に関して部品の共通化による低コスト化を図りつつ、ノイズを抑制することを可能としている。
なお、この実施の形態では、1つの演出表示装置5(本例では、19インチの液晶表示装置)のみを備える場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、複数の画像表示装置を備えるように構成してもよい。図7は、複数の画像表示装置を備える場合の変形例を示す構成図である。図7に示す例では、画像表示装置として、1つの主表示装置(メイン表示装置)5Mと、2つの副表示装置(サブ表示装置)5SA,5SBとを備える場合を示している。なお、図7に示す例では、主表示装置5Mは、15インチの液晶パネルを備える液晶表示装置である。また、各副表示装置5SA,5SBは、9インチの液晶パネルを備える液晶表示装置である。また、図7に示す例では、演出制御基板12は、液晶変換基板200を介して主表示装置5Mに接続される。また、演出制御基板12は、液晶変換基板および各ドライバ基板201A,201Bを介して各副表示装置5SA,5SBに接続される。
また、図7に示すように、液晶変換基板は、LVDS信号をRGB信号に変換するRGB変換器202A,202B、RGB信号を差動伝送方式のV−by−One方式に変換する信号変換回路203A,203B、およびRGB信号をLVDS信号に変換するLVDS変換器206を搭載している。また、各ドライバ基板201A,201Bは、それぞれ、映像信号を差動伝送方式のV−by−One方式からRGB信号に変換する信号変換回路204A,204B、およびRGB信号をLVDS信号に変換するLVDS変換器205A,205Bを搭載している。
図7に示す例では、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力されるLVDS信号1およびLVDS信号2は、それぞれ副表示装置5SA,5SBに入力される。演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力されるLVDS信号1およびLVDS信号2は、まず、それぞれ、液晶変換基板200に搭載されるRGB変換器202A,202BによってRGB信号に変換され、信号変換回路203A,203Bに入力される。次いで、信号変換回路203A,203Bによって、差動伝送方式のV−by−One方式に変換され、ドライバ基板201A,201Bに向けて出力される。具体的には、各信号変換回路203A,203Bは、発振器(図示せず)によって生成される副表示装置5SA,5SB用の動作周波数を用いて、RGB信号を差動伝送方式のV−by−One方式に変換する。
次いで、ドライバ基板201A,201Bに搭載される信号変換回路204A,204BによってRGB信号に変換されて、それぞれLVDS変換器205A,205Bに入力される。そして、LVDS変換器205A,205BによってLVDS信号に変換され、それぞれ副表示装置5SA,5SBに入力される。一般に、9インチの液晶表示装置には1本のLVDS信号が接続可能な接続口が設けられている。従って、図7に示す例では、それぞれ1本のLVDS信号を用いて各副表示装置5SA,5SBにおける表示制御が行われる。
なお、図7に示す例では、液晶変換基板200と各ドライバ基板201A,201Bとの間を差動伝送方式のV−by−One方式で伝送することによって、液晶変換基板200と各ドライバ基板201A,201Bとの距離が長くなってもノイズを低減させることができる。
また、図7に示す例では、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから出力されるRGB信号は、液晶変換基板200に搭載されるLVDS変換器206によってLVDS信号に変換される。そして、変換されたLVDS信号は、主表示装置5Mに入力される。一般に、15インチの液晶表示装置には1本のLVDS信号が接続可能な接続口が設けられている。従って、図7に示す例では、1本のRGB信号を変換したLVDS信号を用いて主表示装置5Mにおける表示制御が行われる。
なお、図7に示す例では、1つの主表示装置(メイン表示装置)5Mに加えて、2つの副表示装置(サブ表示装置)5SA,5SBを備える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの主表示装置(メイン表示装置)以外に、副表示装置(サブ表示装置)を1つのみ備えるように構成してもよいし、3以上の副表示装置(サブ表示装置)を備えるように構成してもよい。例えば、3以上の副表示装置(サブ表示装置)を備えるように構成する場合、ドライバ基板201A,201Bから出力されるLVDS信号をさらに分岐基板を経由して分岐し、それぞれの副表示装置(サブ表示装置)に入力するように構成すればよい。
また、本実施の形態では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。なお、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。また、遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には演出ユニット300が設けられており、演出制御基板12には、この演出ユニット300に設けられる各種モータ(第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)、ソレノイド、センサ、発光ダイオード(LED)等の複数の電子部品が接続されている。なお、図2において、これら電子部品のうち第1演出用モータ303、第2演出用モータ330以外の図示は省略している。
なお、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図4に示す演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵されるROM135には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM135には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM135には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部材321や演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
なお、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出としては、例えば、後述するように可動体(可動物)としての可動部材321が上昇する可動予告や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
図8(1)は、駆動制御基板16Bの構成例を示している。図8(1)に示すように、駆動制御基板16Bには、モータ駆動ドライバ412が搭載されている。モータ駆動ドライバ412には、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、モータ駆動ドライバ412は、入力された制御信号で示される駆動制御情報にもとづいて、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行う。
図8(2)は、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体制御基板16Cの構成例を示している。図8(2)に示すように、発光体制御基板16Cには、発光体ドライバ411a,411bが搭載されている。発光体ドライバ411aには、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED9dの点灯制御を行う。また、発光体ドライバ411bには、演出制御用中継基板16Aを介して、さらに発光体ドライバ411aを経由して、シリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ411bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、盤側LED9eの点灯制御を行う。
なお、図8(2)に示すように、発光体制御基板16Cでは、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから伝送された制御信号が、同じ発光体制御基板16C上の発光体ドライバ間で順次伝送される(本例では、発光体ドライバ411aから発光体ドライバ411bに伝送される)ことによって、各発光体ドライバにそれぞれ伝送されるように構成されている。
図9は、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体制御基板16D〜16Fの構成例を示している。図9に示すように、発光体制御基板16Dには、発光体ドライバ413bが搭載されている。発光体ドライバ413bには、演出制御用中継基板16Aを介してシリアル信号形式により演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が入力される。そして、発光体ドライバ413bは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、左枠LED9bの点灯制御を行う。なお、図9において、発光体制御基板16D〜16Fは、例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネスなどの配線部材を介して相互に接続されている。
また、図9に示すように、発光体制御基板16Eには、発光体ドライバ413aが搭載されている。発光体ドライバ413aには、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が、演出制御用中継基板16Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板16Dを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413aは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、天枠LED9aの点灯制御を行う。
また、図9に示すように、発光体制御基板16Fには、発光体ドライバ413cが搭載されている。発光体ドライバ413cには、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aからの制御信号が、演出制御用中継基板16Aを経由するとともに、さらに発光体制御基板16Dおよび発光体制御基板16Eを経由して、シリアル信号形式により入力される。そして、発光体ドライバ413cは、入力された制御信号で示される点灯制御情報にもとづいて、右枠LED9cの点灯制御を行う。
なお、図9に示すように、発光体制御基板16D〜16Fでは、演出制御基板12の演出制御用マイクロコンピュータ120Aから伝送された制御信号が、異なる発光体制御基板16D〜16Fにそれぞれ搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送されることによって、各発光体ドライバ413a〜413cにそれぞれ伝送されるように構成されている。
また、この実施の形態では、遊技盤2に設けられている各LEDをそれぞれ盤側LED9d,9eと包括的に表現しているが、具体的には、遊技盤2の左方に盤側LED9dとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技盤2の右方に盤側LED9eとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。また、この実施の形態では、遊技枠に設けられている各LEDをそれぞれ天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cと包括的に表現しているが、具体的には、遊技枠の上方に天枠LED9aとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の左方に左枠LED9bとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられ、遊技枠の右方に右枠LED9cとして複数の発光体(カラーLEDや単色LED)が設けられているものとする。
また、この実施の形態では、モータ駆動ドライバ412、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411b、および天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、同じ種類のシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて実現される。図10は、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路の構成を示すブロック図である。また、図11は、図10に示すシリアル−パラレル変換回路に設けられている各入出力端子を説明するための説明図である。
なお、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、および発光体ドライバ413a〜413cとして用いられるシリアル−パラレル変換回路には、入力したシリアル信号形式の信号を24チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものと、入力したシリアル信号形式の信号を12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換して出力するものとの2種類があるのであるが、一部の回路素子や端子の数が異なるだけで同様の構成および機能を備えるため、図10および図11に示す例では代表して24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路について説明することとし、12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路については相違する部分のみ説明することとする。なお、この実施の形態では、発光体ドライバ411a,411bは24チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現され、モータ駆動ドライバ412および発光体ドライバ413a〜413cは12チャネル用のシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
図10および図11に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、演出制御用中継基板16Aや発光体制御基板16D,16Eを経由して演出制御用マイクロコンピュータ120Aからのクロック信号を入力するCLK/I端子やデータを入力するDATA/I端子が設けられている。また、入力されたクロック信号とデータの一部はシリアル−パラレル変換回路内で分岐されて、そのままシリアル−パラレル変換回路からスルー出力可能であり、クロック信号をスルー出力するCLK/O端子とデータをスルー出力するDATA/O端子とが設けられている。
例えば、この実施の形態では、図9に示すように、発光体制御基板16Dの発光体ドライバ413bは、演出制御用中継基板16Aを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板16Eの発光体ドライバ413aに出力しているのであるが、発光体ドライバ413bを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。また、例えば、この実施の形態では、図9に示すように、発光体制御基板16Eの発光体ドライバ413aは、演出制御用中継基板16Aおよび発光体制御基板16Dを経由して入力した制御信号(クロック信号とデータ)を発光体制御基板16Fの発光体ドライバ413cに出力しているのであるが、発光体ドライバ413aを実現するシリアル−パラレル変換回路のCLK/O端子およびDATA/O端子からそれぞれクロック信号およびデータが発光体ドライバ413cを実現するシリアル−パラレル変換回路に出力されるように構成されている。
また、図10および図11に示すように、CLK/I端子から入力されたクロック信号およびDATA/I端子から入力されたデータの他の一部は、デコーダに入力されてシリアル信号形式から24チャネルのパラレル信号形式の信号にデコードされる。そして、レジスタブロックに設けられた各レジスタにそれぞれ一旦格納された後、内部発振クロック回路による内部クロック信号(本例では、6MHzの内部クロック信号)を用いてパルス幅変調(PWM)され、それぞれ各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力される。なお、12チャネルの回路である場合には、12チャネルのパラレル信号形式の信号に変換されて各ドライブ出力端子Q0〜Q11から出力される。なお、各ドライブ出力端子Q0〜Q23や各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が、例えばLEDなどの発光体に供給されたり動作用モータに供給されたりすることになる。
また、図10および図11に示すように、シリアル−パラレル変換回路には、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4(12チャネルの回路ではAD0〜AD5)が設けられており、端子AD0〜AD4をそれぞれH(ハイ)またはL(ロー)に設定することにより、シリアル−パラレル変換回路ごとにアドレスを設定することが可能である。DATA/Iから入力されるデータにはアドレス情報も含まれ、シリアル−パラレル変換回路は、入力したデータに含まれるアドレス情報が設定したアドレスと一致するデータのみパラレス信号形式の信号にデコードして各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する。
なお、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が5端子AD0〜AD4設けられているので、最大32種類のアドレスを設定可能であり、最大で32個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、デコードアドレス入力用の端子が6端子AD0〜AD5設けられているので、最大64種類のアドレスを設定可能であり、最大で64個のシリアル−パラレル変換回路を接続することが可能である。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたS端子は、CLK/O端子から出力するクロック信号のスルー出力、およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力のスルーレートを設定するための設定端子である。S端子をL(ロー)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定するとクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定される。
図12は、クロック信号およびデータのスルー出力のスルーレート設定を説明するための説明図である。図12(1)に示すように、S端子をL(ロー)に設定し通常のスルーレートの出力に設定すると、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾き(単位時間あたりの電圧変化量)がある程度大きい。これに対して、図12(2)に示すように、S端子をH(ハイ)に設定し低スルーレートの出力に設定すると、通常のスルーレートの設定の場合と比較して、クロック信号およびデータの波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが緩やかとなる。
一般に、基板からの電波放射を抑制するためにはスルーレートを低く抑えた方がよく、図12(2)に示す低スルーレートの出力に設定した方がよい。一方、ノイズに対する耐性を確保するためには波形の立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい方がよく、図12(1)に示す通常のスルーレートの出力設定した方がよい。
なお、S端子の設定は、単にCLK/O端子から出力するクロック信号およびDATA/O端子から出力するデータのスルー出力の波形を設定するだけではなく、CLK/I端子から入力したクロック信号およびDATA/I端子から入力したデータに対して出力波形を補償する機能を備えている。すなわち、一般に演出制御用CPU120などから出力されたクロック信号およびデータは、出力された段階では矩形波として出力されるのであるが、シリアル−パラレル変換回路のCLK/I端子およびDATA/I端子に到達するまでの間の配線による伝送損失が大きい場合などには、本来の矩形波から崩れた波形のクロック信号やデータが入力される場合がある。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路は、単に入力したクロック信号やデータをそのままスルー出力するのではなく、このように本来の矩形波から崩れた波形の状態で入力されたクロック信号やデータを本来の矩形波に近い波形に補償して出力する機能を備える。この場合、S端子の設定により通常のスルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きい波形に補償して出力されるので、より本来の矩形波に近い状態の出力信号を出力することができ、外来ノイズによる影響を軽減することができる。ただし、そのように立ち上がりや立ち下がりの傾きが大きいと瞬間的に電圧変化量が大きくなるので、基板外に対する電波放射が大きくなるおそれがある。一方で、S端子の設定により低スルーレートの出力に設定していれば、立ち上がりや立ち下がりの傾きがより小さい波形に補償して出力されるので、通常のスルーレートの出力と比較すると、外来ノイズによる影響に対しては弱くなるが、瞬間的な電圧変化量を小さくすることができ、基板外に対する電波放射が大きくなることを抑えることができる。
なお、上記の出力波形を補償する機能自体を有効とするか無効とするかを設定可能に構成し、上記の出力波形を補償する機能を全て無効とするように構成してもよい。また、上記の出力波形を補償する機能について、シリアル−パラレル変換回路の外部に増幅回路等を設けて、シリアル−パラレル変換回路の外部において実現してもよい。
さらに、上記の通常のスルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がり及び立ち下りの傾きよりも、出力波形の立ち上がり及び立ち下がりの傾きが大きいように補償するものであったが、通常のスルーレートの出力設定として、出力波形の補償を行わずに、入力波形をそのまま出力するようなものとしてもよい(即ち所定態様として入力波形の立ち上がりと同等の立ち上がりの出力波形とするもの)。この場合、低スルーレートの出力設定では、入力波形の立ち上がりよりも傾きが小さくなるような波形を出力すればよい。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたT端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のタイムアウトリセット機能を設定するための設定端子である。T端子をL(ロー)に設定するとタイムアウトリセット機能が無効状態に設定され、端子をH(ハイ)に設定するとタイムアウトリセット機能が有効状態に設定される。
T端子をH(ハイ)に設定しタイムアウトリセット機能を有効状態に設定すると、CLK/I端子およびDATA/I端子からクロック信号およびデータを入力し、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から信号の出力を開始した後、所定期間(本例では、1秒)を経過するとタイムアウトしたものとされて、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が自動的にリセット(出力停止)される。従って、タイムアウトリセット機能を有効状態に設定した場合には、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から継続して各LEDや動作モータに信号を供給したい場合には、例えば、演出制御用CPU120から少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する必要がある。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、10msごとに制御信号の書き換えを行う処理を行っており、各ドライブ出力端子からの出力を継続する場合には、10msごとに演出制御用CPU120からシリアル−パラレル変換回路に繰り返し制御信号が出力されることにより、タイムアウトリセット機能が有効状態にセットされていても各ドライブ出力端子からの出力が継続される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/S端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号のドライブ方式を設定するための設定端子である。Q/S端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定される。また、Q/S端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたQ/I端子は、各ドライブ出力端子Q0〜Q23から出力する信号の出力論理を反転して出力するか否かを設定するための設定端子である。Q/I端子をL(ロー)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定される。また、Q/I端子をH(ハイ)に設定すると各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定される。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたR端子は、電流リファレンス設定端子である。具体的には、図10に示すように、R端子は定電流回路を経由して各ドライブ出力端子A0〜A23と接続され、R端子とグランド(GND)との間に任意の抵抗値の外部抵抗を接続することによって、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値を所定の範囲(例えば、4mA〜20mA)で設定することができる。
シリアル−パラレル変換回路に設けられたVP端子は、保護用の静電保護端子である。VP端子には、そのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧が接続される。すなわち、VP端子にそのシリアル−パラレル変換回路において用いられる電源電圧を接続すれば、その電源電圧以上の過電圧を逃がすことができる。なお、シリアル−パラレル変換回路において複数種類の電源電圧が用いられる場合には、電圧値が高い方の電源電圧をVP端子に接続するようにすればよい。
次に、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットについて説明する。図13は、制御データフォーマットを説明するための説明図である。シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの基本的な制御データフォーマットは、図13(1)に示す共通フォーマットと、図13(2)に示す基本フォーマットとによって構成される。
図13(1)に示すように、共通フォーマットは、9ビットのヘッダ(HD)、4ビットのデバイスID(ID)、5ビットのデコードアドレスAD0〜AD4(図10および図11参照)、および1ビットのEXデータによって構成される。なお、EXデータは、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが基本フォーマットであるか、後述する拡張フォーマットであるかを設定するためのものであり、基本フォーマットではEX=0に設定される。
図13(2)に示すように、基本フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される。例えば、LEDの点灯制御を行うためのデータを伝送する場合、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとに時系列に6ビットのデータを設定して伝送することによって、LEDの諧調制御も含めた点灯制御を行うことができる。
また、制御データフォーマットとして、図13(2)に示す基本フォーマットに代えて拡張フォーマットを使用することも可能である。具体的には、図13(1)に示す共通フォーマットにおいてEX=1に設定されていれば、共通フォーマットに続く制御データフォーマットが、図13(3)に示す拡張フォーマットとなる。
図13(3)に示すように、拡張フォーマットは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される。拡張フォーマットでは、ドライブ出力端子Q0〜Q23ごとのデータが1ビットで構成されるので、シリアル−パラレル変換回路が受信するデータの制御データフォーマットを小さくすることができる。例えば、シリアル−パラレル変換回路を用いて第1演出用モータ303や第2演出用モータ330を駆動制御する場合であれば、LEDなどの発光体の点灯制御を行う場合と異なり諧調制御などを行う必要がないので、図13(3)に示すような拡張フォーマットを用いることが有効である。
なお、図13では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットについて説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路に用いられる制御データフォーマットでは、例えば、図13(1)に示す共通フォーマットが6ビットのデコードアドレスAD0〜AD5を含む点で異なる。また、例えば、図13(2)に示す基本フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの6ビットのデータを含んで構成される分短い点で異なる。さらに、例えば、図13(3)に示す拡張フォーマットが、12チャネル分のドライブ出力端子Q0〜Q23ごとの1ビットの2値のデータを含んで構成される分短い点で異なる。
また、シリアル−パラレル変換回路では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して電波放射を抑制できるように構成されている。図14は、シリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明するための説明図である。この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路が内蔵する内部発振クロック回路では6MHzのクロック信号が出力されるので、図14に示すように、その6MHzの内部クロック信号を1MHzの6相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q23を1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
この実施の形態では、図14に示すように、ドライブ出力端子Q0〜Q3の4チャネルでグループ1が構成され、ドライブ出力端子Q4〜Q7の4チャネルでグループ2が構成され、ドライブ出力端子Q8〜Q11の4チャネルでグループ3が構成され、ドライブ出力端子Q12〜Q15の4チャネルでグループ4が構成され、ドライブ出力端子Q16〜Q19の4チャネルでグループ5が構成され、ドライブ出力端子Q20〜Q23の4チャネルでグループ6が構成される。そして、図14に示すように、同じグループ内のドライブ出力端子(例えば、グループ1内のドライブ出力端子Q0〜Q3)相互間では信号の出力タイミングは同じであるが、異なるグループのドライブ出力端子(例えば、グループ1のドライブ出力端子Q0とグループ2のドライブ出力端子Q4)間では出力タイミングが分散されている。
なお、図14では24チャネルのシリアル−パラレル変換回路における各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの信号の出力タイミングを説明したが、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路では、6MHzの内部クロック信号を1MHzの3相のクロック信号に分離し、ドライブ出力端子Q0〜Q11を1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けして、信号の出力タイミングを分散させている。
次いで、図10〜図14を用いて説明したシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバ411a,411bや、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例について説明する。図15〜図17は、シリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図15は、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を示している。また、図16は、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を示している。また、図17は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を示している。
まず、図15を用いて、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例を説明する。図15に示すように、この実施の形態では、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
この実施の形態では、発光体ドライバ411aに対してアドレス[02]が割り振られているものとし、図15に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD1は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0,AD2〜AD4はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00010(B)=[02]に設定されている場合が示されている。
なお、図15では発光体ドライバ411aにおけるデコードアドレスの設定態様が示されているが、発光体ドライバ411bに対してはアドレス[03]が割り振られているものとし、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD4のうち、AD0,AD1が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD2〜AD4がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが00011(B)=[03]に設定されるものとする。
また、図15に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図8(2)に示すように、盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bは、全て同じ発光体制御基板16C上に搭載され、発光体ドライバ間の制御信号の伝送は同じ発光体制御基板16C上で行われる(基板をまたがった伝送は行われない)ので、ノイズに対する耐性はそれ程気にする必要はない。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を低スルーレートの出力に設定することによって、むしろ基板からの電波放射を抑制するように構成している。
また、図15に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図15に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図15に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図15に示す例では、VP端子には電源電圧VCL(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図15に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23は、盤側LED9d,9eに接続されている。なお、図15に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されている図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよいし、発光体として単色LEDを用いるのであれば1つの端子が1つの単色LEDに接続されるように構成してもよい。また、例えば、1つの端子に複数の単色LEDが直列に複数接続されるように構成してもよい。
また、図15に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q23の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
次に、図16を用いて、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例を説明する。図16に示すように、この実施の形態では、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412は、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
この実施の形態では、モータ駆動ドライバ412に対してアドレス[04]が割り振られているものとし、図16に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0,AD1,AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000100(B)=[04]に設定されている場合が示されている。
また、図16に示す例では、S端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、S端子をH(ハイ)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図8(1)に示すように、モータ駆動ドライバ412と他のドライバとの間で制御信号の伝送が行われることはないのであるから、S端子をグランド(GND)に接続(L(ロー)に設定)してクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力となるように設定してもよい。
また、図16に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図16に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともに電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、Q/S端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号がシンク出力となるように設定され、Q/I端子をH(ハイ)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q23からの出力信号の出力論理を反転出力するように設定されている。
また、図16に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図16に示す例では、VP端子には電源電圧VCC(5V)が接続され、5V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図16に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ1のQ0〜Q3の4チャネルの端子が1つ目の第1演出用モータ303に接続されている。また、ドライブ出力端子Q0〜Q11のうち出力タイミングが同じであるグループ2のQ4〜Q7の4チャネルの端子が2つ目の第2演出用モータ330に接続されている。なお、この実施の形態では、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の2つの動作用モータの制御が行われ、グループ3のQ8〜Q11の端子は不要であることから、Q8〜Q11の端子はグランド(GND)に接続されている。
既に説明したように、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、グループ1〜3の3つのグループにグループ分けされてドライブ出力端子Q0〜Q11からの信号の出力タイミングが分散されているのであるが、同じ動作用モータ(本例では、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330)に出力される信号間で出力タイミングが異なっていたのでは、動作用モータの駆動精度を維持できないおそれがある。そこで、この実施の形態では、図16に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続するようにして、そのように動作用モータの駆動精度を維持できなくなる事態が発生することを防止ししている。
なお、逆に、例えば、図15で説明した盤側LED9d,9eに接続する場合や、後述する図17の天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9cに接続する場合など発光体に接続する場合には、上記のような駆動精度の問題などは生じないのであるから、各発光体に出力される信号間で出力タイミングが異なっていても、それ程支障が生じることはない。従って、ドライブ出力端子からの出力信号をLEDなどの発光体に接続する場合には、それ程出力タイミングを気にする必要はない。
次に、図17を用いて、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例を説明する。図17に示すように、この実施の形態では、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路によって実現される。
この実施の形態では、発光体ドライバ413aに対してアドレス[07]が割り振られているものとし、図17に示すように、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD0〜AD2は電源電圧VCC(5V)に接続され、AD3〜AD5はグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが000111(B)=[07]に設定されている場合が示されている。
なお、図17では発光体ドライバ413aにおけるデコードアドレスの設定態様が示されているが、発光体ドライバ413bに対してはアドレス[08]が割り振られているものとし、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、AD3が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD0〜AD2,AD4,AD5がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001000(B)=[08]に設定されるものとする。また、発光体ドライバ413cに対してはアドレス[09]が割り振られているものとし、デコードアドレス入力用の端子AD0〜AD5のうち、A0,AD3が電源電圧VCC(5V)に接続され、AD1,AD2,AD4,AD5がグランド(GND)に接続され、デコードアドレスが001001(B)=[09]に設定されるものとする。
また、図17に示す例では、S端子はグランド(GND)に接続されている。すなわち、S端子をL(ロー)に設定することによりクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されている。この実施の形態では、図9に示すように、天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cは、相互に異なる発光体制御基板16D〜16F上に搭載され、異なる基板上に搭載された発光体ドライバ間で制御信号の伝送が行われるので、ノイズの影響が大きい。そこで、クロック信号およびデータのスルー出力を通常のスルーレートの出力に設定することによって、ノイズに対する耐性を確保するように構成している。
また、図17に示す例では、T端子は電源電圧VCC(5V)に接続されている。すなわち、T端子をH(ハイ)に設定することによりタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている。
また、図17に示す例では、Q/S端子およびQ/I端子はともにグランド(GND)に接続されている。すなわち、Q/S端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号が定電流出力となるように設定され、Q/I端子をL(ロー)に設定することにより各ドライブ出力端子Q0〜Q11からの出力信号の出力論理を反転することなく通常出力するように設定されている。
また、図17に示す例では、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値の外部抵抗が接続されている。この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に10kΩの外部抵抗が接続されているものとする。この場合、例えば、ドライブ出力端子Q0〜Q23の全出力の駆動電流値は、150/10kΩ=15MAに設定される。
また、図17に示す例では、VP端子には電源電圧VDL(12V)が接続されている。すなわち、図17に示す例では、シリアル−パラレル変換回路には12Vの電源電圧(VDL)と5Vの電源電圧(VCL、VCC)とが用いられているので、で電圧値が高い方の12Vの電源電圧VDLをV端子に接続し、12V以上の過電圧を逃がすように保護されている。
また、図17に示す例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q11は、天枠LED9aや左枠LED9b、右枠LED9cとしての複数の発光体に接続されている。なお、図17に示す例では、便宜的にドライブ出力端子ごとに発光体が1つずつ接続されていたり、同様の制御を行う3つの発光体(例えば、単色LED)が直列に接続されていたりする図が示されているが、発光体としてカラーLEDが接続される場合にはRGB用に3つの端子が1つのカラーLEDに接続されるように構成してもよい。
また、図17に示す例では、ドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子に発光体が接続されている場合が示されているが、発光体の数や配置などに応じてドライブ出力端子Q0〜Q11の全ての端子を用いる必要がなければ、不使用の端子はグランド(GND)に接続するようにすればよい。
また、図15〜図17に示すように、この実施の形態では、発光体ドライバ411やモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのT端子がそれぞれH(ハイ)に設定されタイムアウト機能が有効状態に設定されている。この実施の形態では、例えば、演出制御用CPU120は、後述する演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eを点灯制御するための制御信号を出力したり、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330を駆動制御するための制御信号を出力したりするのであるが、タイムアウト機能が有効状態に設定されているので、制御信号を1度出力しただけでは所定期間(本例では、1秒)経過後には各ドライブ出力端子からの出力信号が自動的にリセットされて点灯制御や駆動制御を継続できない。そこで、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、例えば、後述する演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cの点灯制御を継続して実行したり、第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を継続して実行したりするように制御している。
なお、この実施の形態では、上記のようにタイムアウト機能を有効状態に設定するように構成し、所定期間(本例では、1秒)ごとに発光体ドライバ411a,411bやモータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413cのドライブ出力端子からの出力が自動的に停止されるように構成しているので、例えば、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動制御を行った後、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330を停止させる制御を行ったにもかかわらず、信号の取りこぼしや誤動作によって第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動が停止せず、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の焼き付きを起こしてしまうような事態を防止できるようにしている。
なお、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、一律にT端子をH(ハイ)に設定しタイムアウト機能を有効状態に設定する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、用途に応じてタイムアウト機能の有効状態と無効状態との設定を使い分けてもよい。例えば、モータ駆動ドライバについては第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の焼き付き防止の観点からタイムアウト機能を有効状態に設定する一方で、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cなどの発光体に関しては第1演出用モータ303や第2演出用モータ330と異なり焼き付きなどの問題は生じないのであるから、T端子をL(ロー)に設定しタイムアウト機能を無効状態に設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、点灯制御や駆動制御を継続して実行するために、演出制御用CPU120が少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力する(具体的には、10msごとに制御信号の書き換えを行う処理を行って繰り返し制御信号を出力する)場合を示しているが、そのような制御態様にかぎられない。例えば、演出制御用CPU120とは別に出力回路(出力IC)を設け(演出制御基板12上に設けてもよいし、演出制御用中継基板16Aなど他の基板上に設けてもよい)、演出制御用CPU120が制御信号を1回出力すると、出力回路が、その1回出力された制御信号にもとづいて、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、T端子が電源電圧VCC(5V)に接続され、ハードウェア上で物理的にT端子がH(ハイ)に設定されてタイムアウトリセット機能が有効状態に設定されている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、T端子設定用のレジスタにT端子を接続し、演出制御用CPU120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的にタイムアウト機能を有効状態とするか無効状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、R端子とグランド(GND)との間に所定抵抗値(本例では、10kΩ)の外部抵抗が接続され、ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11の全出力の駆動電流値が15MAに設定されている。ここで、内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))も存在することから、そのような内部リファレンス抵抗を備えたシリアル−パラレル変換回路を発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして用いて、内部リファレンス抵抗を用いるように設定することも考えられるが、一般にシリアル−パラレル変換回路が備える内蔵リファレンス抵抗は駆動電流値が固定(例えば、20mA固定)であったり誤差も大きい(例えば、誤差±30%)。そこで、この実施の形態では、R端子とグランド(GND)との間に外部抵抗を接続して外部リファレンス抵抗を用いることによって、適切な駆動電流値(本例では、15MA)に設定するとともに、誤差も提言している(本例では、誤差±3%)。
なお、発光体ドライバやモータ駆動ドライバとして、内部リファレンス抵抗と外部リファレンス抵抗との両方を利用可能なシリアル−パラレル変換回路(集積回路(IC))を用いて、用途に応じて使い分けるように構成してもよい。例えば、演出用にLEDなどの複数の発光体が密集して設けられている場合には、発光がまばらとなると演出に支障が生じることから、外部リファレンス抵抗を用いるようにし誤差が小さくなるように構成してもよい。一方、エラー報知ようなど単独で用いられるLEDの点灯制御を行う場合には、そのような演出上の障害はなく多少誤差が大きくても構わないことから、内部リファレンス抵抗を用いるように構成してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、電気部品(本例では、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、可動部302を動作させるための第1演出用モータ303、可動部材321を動作させるための第2演出用モータ330)を制御するための制御手段(本例では、演出制御用CPU120)と、制御手段からのシリアル通信方式による制御信号に応じて、電気部品を駆動させるための特定信号(本例では、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する出力手段(本例では、発光体ドライバ411a,411b、モータ駆動ドライバ412、発光体ドライバ413a〜413c)とを備える。また、出力手段は、入力した制御信号を他の出力手段に出力するときの出力状態を、入力した制御信号と同程度以上の変化態様により波形が立ち上がる第1出力状態(本例では、通常のスルーレートの出力状態)と、該第1出力状態よりも緩やかな変化態様により波形が立ち上がる第2出力状態(本例では、低スルーレートの出力状態)とのいずれかの出力状態に設定可能である(本例では、S端子をL(ロー)に設定すれば通常のスルーレートの出力に設定され、S端子をH(ハイ)に設定すれば低スルーレートの出力に設定される)。そのため、使用環境に応じた設定変更が可能となり、設定に応じて、基板からの電波放射を抑制できる一方、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。具体的には、低スルーレートの出力状態に設定すれば基板からの電波放射を抑制でき、通常のスルーレートの出力状態に設定すれば誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段と同一基板内に他の出力手段が設けられている(本例では、図8(2)に示すように、発光体制御基板16C上に複数の発光体ドライバ411a,411bが搭載されており、制御信号が同じ発光体制御基板16C上の発光体ドライバ411a,411b間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第2出力状態に設定されている(本例では、図15に示すように、発光体制御基板16C上に搭載された発光体ドライバ411a,411bではS端子がH(ハイ)に設定され低スルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、同一基板内に他の出力手段が設けられている場合には、基板からの電波放射を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段が設けられている基板と配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている(本例では、図9に示すように、発光体ドライバ413a〜413cはそれぞれ異なる発光体制御基板16D〜16F上に搭載されており、制御信号が異なる発光体制御基板16D〜16Fに搭載された発光体ドライバ413a〜413c間で順次伝送される)。そして、この場合、出力手段は、第1出力状態に設定されている(本例では、図17に示すように、発光体制御基板16D〜16F上に搭載された発光体ドライバ413a〜413cではS端子がL(ロー)に設定され通常のスルーレートの出力状態に設定されている)。そのため、配線部材を介して接続された他の基板に他の出力手段が設けられている場合には、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
上記のように、この実施の形態では、一般に回路基板はノイズ耐性が高いので回路基板内における接続関係では電波放射の抑制を優先して低スルーレートの出力状態に設定して緩やかな信号波形とし、逆に基板間に接続される配線部材(例えば、フレキシブルケーブルやワイヤハーネス)はノイズ耐性が低いので回路基板間の絶族関係ではノイズ耐性を優先して通常のスルーレートの出力状態として矩形波に近い信号波形としている。そのように構成することによって、この実施の形態では、遊技機外部に対する電波放射を抑制しつつ、誤動作防止のための制御信号のノイズ耐性を高めることができる。
なお、この実施の形態では、図15〜図17に示すように、S端子が電源電圧VCC(5V)に接続されたりグランド(GND)に接続され、ハードウェア上で物理的にS端子がH(ハイ)に設定されて低スルーレートの出力状態に設定されたりL(ロー)に設定されて通常のスルーレートの出力状態に設定されたりしている場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、S端子設定用のレジスタにS端子を接続し、演出制御用CPU120からの設定信号によりレジスタの設定値を変更することにより、ソフトウェア的に低スルーレートの出力状態とするか通常のスルーレートの出力状態とするかを設定できるように構成してもよい。
また、この実施の形態では、同一基板内に搭載された出力手段(本例では、発光体ドライバ)間での低スルーレートの出力状態による制御信号の伝送、または異なる基板に搭載された出力手段間での通常のスルーレートの出力状態による制御信号の伝送のいずれか一方のみが行われる基板(本例では、発光体制御基板16C〜16F)を備える場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、1つの発光体制御基板に複数の発光体ドライバが搭載されている場合であって、それらの発光体ドライバのうち同じ発光体制御基板上の発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものと、さらに他の発光体制御基板に搭載れた発光体ドライバに対して制御信号を伝送するものとが混在するように構成してもよい。この場合、例えば、同じ発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバであっても、発光体ドライバ間で制御信号の伝送を行うものは低スルーレートの出力状態に設定し、他の発光体制御基板上に搭載された発光体ドライバに対して制御信号を出力するものは通常のスルーレートの出力状態に設定するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、複数の異なるグループにグループ化された特定信号出力部(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11)からパラレル通信方式による特定信号(本例では、各ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号)を出力する(本例では、24チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、図14に示すように、1グループあたり4チャネルごとの6グループにグループ分けされている。また、12チャネルのシリアル−パラレル変換回路の場合、1グループあたり4チャネルごとの3グループにグループ分けされている。)。そして、特定信号出力部からの特定信号の出力タイミングは、グループごとに異なる(本例では、図14に示すように、ドライバ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの出力信号の出力タイミングがグループごとに分散されている)。そのため、各ドライブ出力端子Q0〜Q23,Q0〜Q11からの信号の出力タイミングを分散させてスペクトラム拡散を図り、放射ノイズの発生を防止して、基板からの電波放射をより一層抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、動作を行う可動部材(本例では、可動部302、可動部材321)を備える。また、可動部材を動作させる駆動手段(本例では、第1演出用モータ303、第2演出用モータ330)は、出力手段の同一グループの特定信号出力部から出力される特定信号にもとづいて駆動される(本例では、図16に示すように、同じ動作用モータに入力される信号に関しては、同じグループに属するドライブ出力端子に接続される)。そのため、基板からの電波放射を抑制しつつ、駆動手段の駆動精度の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、制御信号を入力してから所定期間(本例では、1秒)経過後に特定信号の出力を停止する停止機能(本例では、タイムアウト機能)を有する(本例では、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図11参照。)。そのため、配線不具合などによる動作不具合を回避でき、電気部品を安定して制御することができる。
また、この実施の形態によれば、制御信号を継続して出力するための制御信号継続手段を備える(本例では、演出制御用CPU120は、例えば、演出制御プロセス処理(ステップS55参照)において、少なくとも所定期間(本例では、1秒)ごとに繰り返し制御信号を出力することによって、盤側LED9d,9eや天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9cの点灯制御を継続して実行したり、第1演出用モータ303や第2演出用モータ330の駆動制御を継続して実行したりするように制御している)。そのため、出力手段の停止機能に対応した制御を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、出力手段は、停止機能を有効または無効に設定可能である(本例では、T端子をL(ロー)に設定することによってタイムアウト機能が無効状態に設定され、T端子をH(ハイ)に設定することによってタイムアウト機能が有効状態に設定される。図11参照。)。そのため、用途に応じた出力手段の停止機能の設定変更が可能となり、部品共通化によりコストを削減することができる。
なお、この実施の形態では、シリアル−パラレル変換回路のうちクロック信号およびデータのスルー出力が同一基板内の他のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路411a,411bや、演出用モータ303,330が接続されるシリアル−パラレル変換回路412については、S端子がH(ハイ)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が低スルーレートの出力に設定され(図15および図16参照)、クロック信号およびデータのスルー出力が基板外のシリアル−パラレル変換回路に接続されるシリアル−パラレル変換回路413a,413b,413cについては、S端子がL(ロー)に設定されてクロック信号およびデータのスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定される(図17参照)場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が通常のスルーレートの出力に設定されるように構成してもよい。また、逆に、例えば、遊技機が備える全てのシリアル−パラレル変換回路のスルー出力が低スルーレートの出力に設定されるように構成してもよい。
また、シリアル−パラレル変換回路のドライブ出力端子の中に未使用端子がある場合に、それらの未使用端子を非接続状態とすると、静電気などの要因によりサージ電圧がそれらの未使用端子に入力され、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合を生じる恐れがある。そこで、シリアル−パラレル変換回路の内部にサージ電圧対策用の保護回路を設けるようにすることも考えられるが、シリアル−パラレル変換回路の製造費用が増加することになる点で好ましくない。そこで、それらの未使用端子を所定の基準電位に接続するように構成して、サージ電圧を所定の電源基板(図示せず)における基準電位側に逃がすようにし、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生を抑制するように構成してもよい。以下、シリアル−パラレル変換回路のドライブ出力端子の未使用端子を基準電位としてグランド(GND)に接続する変形例について説明する。
図18〜図20は、変形例におけるシリアル−パラレル変換回路の接続例を説明するための説明図である。このうち、図18は、シリアル−パラレル変換回路を盤側LED9d,9eの点灯制御を行うための発光体ドライバ411a,411bとして用いる場合の接続例の変形例を示している。図18に示す例では、24個のドライブ出力端子Q0〜Q24のうち18個のドライブ出力端子Q0〜Q17に盤側LEDが接続されているが、6個のドライブ出力端子Q18〜Q23が未使用端子となっており、6個のドライブ出力端子Q18〜Q23の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
また、図19は、シリアル−パラレル変換回路を第1演出用モータ303および第2演出用モータ330の駆動制御を行うためのモータ駆動ドライバ412として用いる場合の接続例の変形例を示している。図19に示す例では、12個のドライブ出力端子Q0〜Q11のうち8個のドライブ出力端子Q0〜Q7に各演出用モータが接続されているが、4個のドライブ出力端子Q8〜Q11が未使用端子となっており、4個のドライブ出力端子Q8〜Q11の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
また、図20は、シリアル−パラレル変換回路を天枠LED9a、左枠LED9bおよび右枠LED9cの点灯制御を行うための発光体ドライバ413a〜413cとして用いる場合の接続例の変形例を示している。図20に示す例では、12個のドライブ出力端子Q0〜Q11のうち9個のドライブ出力端子Q0〜Q8に各枠用のLEDが接続されているが、3個のドライブ出力端子Q9〜Q11が未使用端子となっており、3個のドライブ出力端子Q9〜Q11の未使用端子がグランド(GND)に接続されている。
図18〜図20に示す変形例によれば、サージ電圧が発生しても、そのサージ電圧をグランド(GND)側に逃がすことができ、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生を抑制することができる。
また、図18〜図20に示す変形例では、さらに、保護用の静電保護端子であるVP端子にそれぞれ3kΩの外部抵抗が接続されている。このようにVP端子に外部抵抗を接続するように構成することによって、仮にサージ電圧が発生したとしても、VP端子に定格電流以上の電流が流れることを防止し、過剰な発熱や内部回路の損傷などの不具合の発生をさらに抑制できるようにしている。
また、図18〜図20に示す変形例では、未使用端子を基準電位としてグランド(GND)に接続する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、他の固定電位に接続するように構成してもよい。例えば、未使用端子をVP端子と同じ電源電圧に接続し、VCL(5V)や、VCC(5V)、VDL(12V)に接続するように構成してもよい。
[パチンコ遊技機の動作]
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図21のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図21に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普図表示結果判定用の乱数値MR4を用いて普通図柄の変動表示態様を決定し、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図22は、特別図柄プロセス処理として、図21に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞判定処理では、まず、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。そして、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9e、可動部材321などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
なお、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部(図示略)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施の形態では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。図23は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ120A(具体的には、演出制御用CPU120)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、演出制御用CPU120は、電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信したか否かを確認する(S50A)。なお、電源投入指定コマンドは、遊技機への電源供給が開始されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100によって初期化処理が実行されたことにもとづいて送信される。また、停電復旧指定コマンドは、遊技機への電源供給が開始されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ100によって停電復旧処理が実行されたことにもとづいて送信される。
電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU120は、認証処理を実行する(S50B)。ステップS50Bでは、演出制御用CPU120は、演出制御用中継基板16A上のCGROM141から認証データを読み出し、読み出した認証データを演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載するROM135が記憶する認証データと照合することによって認証処理を実行する。
認証処理において認証に失敗した場合には(S50CのN)、演出制御用CPU120は、認証エラーを報知する認証エラー報知処理を実行する(S50D)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、認証に失敗した旨を表示する制御を行う。そして、そのままループ処理に移行し、通常の演出制御を行わないように制御する。
認証処理において認証に成功した場合には(S50CのY)、演出制御用CPU120は、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。
次に、演出制御用CPU120は、予告演出などの演出における可動部材321の複数種類の動きのパターンの動作を確認したり、位置検出センサ333によって可動部材321の初期位置(本実施の形態では第1位置)を検出したり、その初期位置に可動部材321を移動させたりする可動部材初期化処理を実行する(S51A)。
S51Aの可動部材初期化処理に続いて、演出制御用CPU120は、電源投入時のメモリ検査設定を行う(ステップS51B)。例えば、演出制御用CPU120は、メモリ検査処理を実行することにより、CGROM141の記憶データを検査する。ステップS51Bにおける設定の後には、演出制御用CPU120は、メモリ検査のインターバル設定を行う(ステップS51C)。例えば、演出制御用CPU120は、メモリ検査の検査結果に基づいて、次回のメモリ検査処理を実行するまでのインターバル(待機時間)を設定すればよい。
次に、演出制御用CPU120は、初期演出データ転送処理を実行する(S51D)。初期演出データ転送処理では、演出制御用CPU120は、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に格納されている各種画像データのうち、あらかじめ定められた初期データ(例えば、電源投入時の初期表示を行うための画像データや、使用頻度の高い画像データ)を読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120AのVRAM126に転送する。
その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載する温度センサ136からの温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度異常を検出した場合に、演出制御用CPU120のVDP機能を段階的に制限する温度制限処理を実行する(ステップS53A)。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御用CPU120のVDP機能を制限している状態から段階的に復帰する温度制限復帰処理を実行する(ステップS53B)。
次いで、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、エラー演出を実行する処理の1つであるエラー報知処理を実行する(S54A)。ステップS54Aのエラー報知処理では、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されたエラー指定コマンドに対応して、演出表示装置5の表示領域におけるエラー画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからのエラー音声出力動作、LED9a〜9eにおけるエラー発光動作等によるエラー報知等が行われる。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、小図柄プロセス処理を行う(S55A)。小図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(小図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示画面の左上端部において小図柄の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、飾り図柄プロセス処理を行う(S55B)。飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(飾り図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bの表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU120は、制御中メモリ検査処理を行う(S55C)。ステップS55Cの制御中メモリ検査処理では、演出の進行を制御している演出制御中に、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過したことに応じて、CGROM141の記憶データを検査するための設定が行われる。
次いで、演出制御用CPU120は、制御中演出データ転送処理を行う(S55D)。ステップS55Dの制御中演出データ転送処理では、演出の進行を制御している演出制御中に、演出データを転送するための設定が行われる。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図24は、演出制御メイン処理における温度制限処理(S53A)を示すフローチャートである。温度制限処理において、演出制御用CPU120は、まず、温度センサ136から温度情報を読み込む(ステップS101)。次いで、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃であるか否かを確認する(ステップS102)。演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃であれば(ステップS102のY)、演出制御用CPU120は、第1段階の温度異常状態であると判断し、第1段階の制限モード(第1制限モード)に移行する。第1段階の制限モードでは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に表示されている背景画像表示を消去する制御を行う(ステップS103)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して低速動作用の駆動信号の出力を開始し、冷却ファン142の低速動作を開始させる制御を行う(ステップS104)。また、演出制御用CPU120は、第1温度異常報知を開始する制御を行う(ステップS105)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、第1温度異常状態である旨を表示する制御を行う。そして、演出制御用CPU120は、第1段階の温度異常状態であることを示す第1温度異常フラグをセットする(ステップS106)。
以上の処理が実行され、この実施の形態では、第1制限モードに移行される場合には、演出表示装置5の表示画面において、背景画像が消去され、演出図柄の変動表示や簡易な予告表示と、小図柄の変動表示と、保留画像およびアクティブ画像の表示のみが行われる。また、第1制限モードでは、演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限され、スケーラ機能(VRAM126上のフレームバッファに展開されている画像データをサイズを拡大したり縮小したりして表示出力する機能)も停止される。
演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃でなければ(ステップS102のN)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃であるか否かを確認する(ステップS107)。演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃であれば(ステップS107のY)、演出制御用CPU120は、第2段階の温度異常状態であると判断し、第2段階の制限モード(第2制限モード)に移行する。第2段階の制限モードでは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5に表示されている左中右の演出図柄表示を消去する制御を行う(ステップS108)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して中速動作用の駆動信号の出力を開始し、冷却ファン142の中速動作を開始させる制御を行う(ステップS109)。また、演出制御用CPU120は、第2温度異常報知を開始する制御を行う(ステップS110)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、第2温度異常状態である旨を表示する制御を行う。そして、演出制御用CPU120は、第2段階の温度異常状態であることを示す第2温度異常フラグをセットする(ステップS111)。また、演出制御用CPU120は、セットされていれば、第1温度異常フラグをリセットする(ステップS112)。
以上の処理が実行され、この実施の形態では、第2制限モードに移行される場合には、演出表示装置5の表示画面において、背景画像に加えて、演出図柄の変動表示や簡易な予告表示も消去され、小図柄の変動表示と、保留画像およびアクティブ画像の表示のみが行われる。
演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃でもなければ(ステップS107のN)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が95℃以上であるか否かを確認する(ステップS113)。演出制御用CPU120の温度が95℃以上であれば(ステップS113のY)、演出制御用CPU120は、第3段階の温度異常状態であると判断し、第3段階の制限モード(第3制限モード)に移行する。第3段階の制限モードでは、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の表示画面の左上端部に表示されている小図柄、第1保留表示エリア5Dや第2保留表示エリア5Uに表示されている保留画像、およびアクティブ表示エリアAHAに表示されているアクティブ画像を消去し、演出表示装置5における全ての表示(ただし、後述する第3温度異常報知を除いて)を消去する制御を行う(ステップS114)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して高速動作用の駆動信号の出力を開始し、冷却ファン142の高速動作を開始させる制御を行う(ステップS115)。また、演出制御用CPU120は、第3温度異常報知を開始する制御を行う(ステップS116)。例えば、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、第3温度異常状態である旨を表示する制御を行う。そして、演出制御用CPU120は、第3段階の温度異常状態であることを示す第3温度異常フラグをセットする(ステップS117)。また、演出制御用CPU120は、セットされていれば、第1温度異常フラグや第2温度異常フラグをリセットする(ステップS118)。
以上の処理が実行され、この実施の形態では、第3制限モードに移行される場合には、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知を除いて)が消去される。
図25は、演出制御メイン処理における温度制限復帰処理(S53B)を示すフローチャートである。温度制限復帰処理において、演出制御用CPU120は、まず、温度センサ136から温度情報を読み込む(ステップS151)。次いで、演出制御用CPU120は、第3温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS152)。第3温度異常フラグがセットされていれば(すなわち、第3段階の温度異常状態であれば)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が90℃以下に下がっているか否かを確認する(ステップS153)。演出制御用CPU120の温度が90℃以下に下がっていれば(ステップS153のY)、演出制御用CPU120は、第3段階の制限モードから第2段階の制限モードに移行する制御を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、演出表示装置5の表示画面の左上端部における小図柄の表示を再開し、第1保留表示エリア5Dや第2保留表示エリア5Uにおける保留画像およびアクティブ表示エリアAHAに表示されているアクティブ画像の表示を再開する制御を行う(ステップS154)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して中速動作用の駆動信号の出力に切り替え、冷却ファン142を中速動作に切り替える制御を行う(ステップS155)。また、演出制御用CPU120は、第3温度異常報知から第2温度異常報知に切り替える制御を行う(ステップS156)。そして、演出制御用CPU120は、第3温度異常フラグをリセットし、第2温度異常フラグをセットする(ステップS157)。
第3温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、第2温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS158)。第2温度異常フラグがセットされていれば(すなわち、第2段階の温度異常状態であれば)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が66℃以下に下がっているか否かを確認する(ステップS159)。演出制御用CPU120の温度が66℃以下に下がっていれば(ステップS159のY)、演出制御用CPU120は、第2段階の制限モードから第1段階の制限モードに移行する制御を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、演出表示装置5における左中右の演出図柄表示を再開する制御を行う(ステップS160)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して低速動作用の駆動信号の出力に切り替え、冷却ファン142を低速動作に切り替える制御を行う(ステップS161)。また、演出制御用CPU120は、第2温度異常報知から第1温度異常報知に切り替える制御を行う(ステップS162)。そして、演出制御用CPU120は、第2温度異常フラグをリセットし、第1温度異常フラグをセットする(ステップS163)。
第2温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS164)。第1温度異常フラグがセットされていれば(すなわち、第1段階の温度異常状態であれば)、演出制御用CPU120は、読み込んだ温度情報にもとづいて、演出制御用CPU120の温度が55℃以下に下がっているか否かを確認する(ステップS165)。演出制御用CPU120の温度が55℃以下に下がっていれば(ステップS165のY)、演出制御用CPU120は、第1段階の制限モードを終了する制御を行う。すなわち、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において背景画像表示を再開する制御を行う(ステップS166)。また、演出制御用CPU120は、冷却ファン142に対して駆動信号の出力を停止し、冷却ファン142の動作を停止する制御を行う(ステップS167)。また、演出制御用CPU120は、第1温度異常報知を消去する制御を行う(ステップS168)。そして、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグをリセットする(ステップS169)。
図26および図27は、コマンド解析処理(S54)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAM122に形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンドを、RAM122に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU120は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS625)、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かを確認する(ステップS626)。第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれもセットされていなければ(ステップS626のN)、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、通常状態に応じた背景画像(例えば、青色の背景色の背景画像)を表示する制御を行う(ステップS627)。一方、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされていれば(ステップS626のY)、ステップS627の処理を実行することなく、ステップS628に移行する。すなわち、第1段階〜第3段階のいずれかの制御モード中であることから、演出表示装置5において背景画像を表示する制御を行うことなく、ステップS628に移行する。そして、演出制御用CPU120は、セットされていれば、時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS629)、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かを確認する(ステップS630)。第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれもセットされていなければ(ステップS630のN)、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、時短状態に応じた背景画像(例えば、緑色の背景色の背景画像)を表示する制御を行う(ステップS631)。一方、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされていれば(ステップS630のY)、ステップS631の処理を実行することなく、ステップS632に移行する。すなわち、第1段階〜第3段階のいずれかの制御モード中であることから、演出表示装置5において背景画像を表示する制御を行うことなく、ステップS632に移行する。そして、演出制御用CPU120は、時短状態フラグをセットする(ステップS632)とともに、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグをリセットする(ステップS633)。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS634)、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かを確認する(ステップS635)。第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれもセットされていなければ(ステップS635のN)、演出制御用CPU120は、演出表示装置5において、確変状態に応じた背景画像(例えば、赤色の背景色の背景画像)を表示する制御を行う(ステップS636)。一方、第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされていれば(ステップS635のY)、ステップS636の処理を実行することなく、ステップS637に移行する。すなわち、第1段階〜第3段階のいずれかの制御モード中であることから、演出表示装置5において背景画像を表示する制御を行うことなく、ステップS637に移行する。そして、演出制御用CPU120は、確変状態フラグをセットする(ステップS637)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS638)。そして、ステップS611に移行する。
図28は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、第3温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(S70A)。第3温度異常フラグがセットされていれば、演出制御プロセス処理を終了する。すなわち、第3段階の制限モードに移行している状態であり、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知を除いて)を消去している状態であるので、そのまま演出制御プロセス処理を終了する。
第3温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、保留表示予告演出の有無とともに保留記憶表示の表示パターンを決定する保留表示予告演出決定処理を実行し(S71)、次いで、演出表示装置5の第1保留表示エリア5D及び第2保留表示エリア5Uにおける保留記憶表示を始動入賞時受信コマンドバッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
次いで、演出制御用CPU120は、第2温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(S70B)。第2温度異常フラグがセットされていれば、演出制御プロセス処理を終了する。すなわち、第2段階の制限モードに移行している状態であり、演出表示装置5において小図柄、保留画像およびアクティブ画像の表示のみを行い、演出図柄の表示を行わない状態であるので、ステップS71,S72の保留画像を表示する処理のみを行って演出制御プロセス処理を終了する。
第2温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。なお、この実施の形態では、演出図柄変動開始処理において、後述するLED制御を行うための演出実行設定処理も実行される。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図29は、図28に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8000)。次いで、演出制御用CPU120は、ステップS8000で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8001)。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU120は、ステップS8001において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU120は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
ステップS8001では、例えば、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置5に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。また、確変状態となることを想起させる図柄(この実施の形態では、奇数図柄)を確変図柄ともいい、確変状態とならないことを想起させる図柄(この実施の形態では、偶数図柄)を非確変図柄ともいう。
次いで、演出制御用CPU120は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置5において予告演出を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8002)。
次いで、演出制御用CPU120は、第1温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8003)。第1温度異常フラグがセットされていれば、演出制御用CPU120は、変動パターン、および予告演出を実行する場合には予告演出に応じた制限用のプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。この実施の形態では、第1段階の制限モードに移行されている場合には、ステップS8004で選択されたプロセステーブルに従って後述するステップS8007および演出図柄変動中処理(S75)が実行されることによって、演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限されたり、スケーラ機能(VRAM126上のフレームバッファに展開されている画像データをサイズを拡大したり縮小したりして表示出力する機能)を停止した状態で画像表示される。
なお、この実施の形態では、第1制限モードでは演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限されるのであるが、第2制限モードや第3制限モードでは演出制御プロセス処理のS73〜S79の処理が実行されないので演出図柄の変動表示に関する音出力は全く行われない。
一方、第1温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、変動パターン、および予告演出を実行する場合には予告演出に応じた通常用のプロセステーブルを選択する(ステップS8005)。
そして、演出制御用CPU120は、ステップS8004,S8005で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8006)。
プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。なお、プロセステーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ120Aが搭載するROM135に格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(ステップS8007)。例えば、演出表示装置5において変動パターンや予告演出に応じた画像を表示させるために、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に格納されている各種画像データのうち、演出図柄の変動表示や予告演出の表示態様となる各種画像データを読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120AのVRAM126に転送する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8008)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(ステップS8009)。
なお、その後、演出制御用CPU120は、演出図柄変動中処理(ステップS75)において、プロセスタイマがタイムアウトすると、プロセスデータの切り替えを行う。演出制御用CPU120は、切り替えられるプロセスデータに表示制御実行データを含むと判定した場合には、メモリ検査中であるか否かを判定する。メモリ検査中ではないと判定された場合には、演出データ読出中であるか否かを判定する(例えば、制御中演出データ転送処理にて演出データの読出中であるか否かを判定する)。演出データ読出中ではないと判定された場合には、次のプロセスデータの表示制御実行データに従って、演出表示装置5における表示態様を変更するなど通常の表示制御を行う。これに対し、メモリ検査中であると判定した場合、または演出データ読出中であると判定した場合には、演出表示装置5における表示態様を簡易制御(簡易表示制御)するための設定を行う。
簡易表示制御では、例えばVRAM126に記憶されている画像データのみを用いて簡易な表示を行うための設定が行われてもよい。メモリ検査中や演出データ読出中の場合には、CGROM141の記憶データをリアルタイムに読み出して画像表示に用いることができない。そこで、例えば複数種類の演出図柄に対応した画像データ(スプライト画像データ)のように、初期データとしてVRAM126に転送されて記憶される画像データを用いて、演出図柄の可変表示などを行うようにしてもよい。その一方で、例えば動画像データを用いた動画像再生が行われるリーチ演出のように、CGROM141の記憶データを読み出す必要がある画像表示については、表示を行わずに表示停止としてもよい。なお、メモリ検査中であると判定した場合や、演出データ読出中であると判定した場合には、簡易表示制御を行うことなく、演出図柄変動中処理を終了してもよい。これらの場合には、VRAM126などに設けられたフレームバッファの記憶データが更新されないことで、演出表示装置5の画面上では、画像表示が更新されずに表示停止した状態になる可能性がある。あるいは、フレームバッファの記憶データが消去(クリア)されることで、演出表示装置5の画面上では、画像表示が行われずに表示停止(ブラックアウト)した状態になる可能性もある。
図30は、図23に示された演出制御メイン処理における小図柄プロセス処理(S55A)を示すフローチャートである。小図柄プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、第3温度異常フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS200)。第3温度異常フラグがセットされていれば、小図柄プロセス処理を終了する。すなわち、第3段階の制限モードに移行している状態であり、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知を除いて)を消去している状態であるので、そのまま小図柄プロセス処理を終了する。
第3温度異常フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU120は、小図柄プロセスフラグの値に応じてステップS201〜S203のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、小図柄プロセス処理では、演出表示装置5の小図柄表示領域における小図柄の表示状態が制御され、小図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示に関する制御も、一つの小図柄プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した小図柄の可変表示とを、別の小図柄プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの小図柄プロセス処理により小図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。さらに、この場合、小図柄自体も、第1特別図柄の変動表示を行う場合と第2特別図柄の変動表示を行う場合とで異なる種類の表示を行うようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、青色の表示色で小図柄の変動表示を実行し、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、赤色の表示色で小図柄の変動表示を実行するなど、何らかの態様で区別可能に表示することが望ましい。
小図柄変動開始処理(ステップS201):変動パターンコマンドの受信により、小図柄の変動が開始されるように制御する。そして、小図柄プロセスフラグの値を小図柄変動中処理(ステップS202)に対応した値に更新する。
小図柄変動中処理(ステップS202):小図柄の変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御する。そして、図柄確定指定コマンドを受信したら、小図柄プロセスフラグの値を小図柄変動停止処理(ステップS203)に対応した値に更新する。
小図柄変動停止処理(ステップS203):小図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、小図柄プロセスフラグの値を小図柄変動開始処理(ステップS201)に対応した値に更新する。
なお、ステップS201〜S203の処理では、例えば、演出表示装置5において小図柄の変動表示に応じた画像を表示させるために、随時、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に格納されている各種画像データのうち、小図柄の変動表示に応じた各種画像データを読み出し、演出制御用マイクロコンピュータ120AのVRAM126に転送する。
図31は、図23に示された演出制御メイン処理における飾り図柄プロセス処理(S55B)を示すフローチャートである。飾り図柄プロセス処理では、演出制御用CPU120は、飾り図柄プロセスフラグの値に応じてステップS251〜S253のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、飾り図柄プロセス処理では、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bを構成する2個のランプ(またはLED)の点灯状態が制御され、飾り図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した第1飾り図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した第2飾り図柄の可変表示に関する制御も、一つの飾り図柄プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した第1飾り図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した第2飾り図柄の可変表示とを、別の飾り図柄プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの飾り図柄プロセス処理により飾り図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
飾り図柄変動開始処理(ステップS251):変動パターンコマンドの受信により、飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS252)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動中処理(ステップS252):飾り図柄の変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御する。そして、図柄確定指定コマンドを受信したら、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS253)に対応した値に更新する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS253):飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、飾り図柄プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS251)に対応した値に更新する。
なお、図31に示すように、飾り図柄プロセス処理においては、特に第1温度異常フラグ〜第3温度異常フラグのいずれかがセットされているか否かの確認を行うことなく、ステップS251〜S253の処理が実行されるので、温度異常にもとづくいずれかの制限モードに移行されているか否かに関係なく、第1飾り図柄表示器5Aにおける第1飾り図柄の変動表示や第2飾り図柄表示器5Bにおける第2飾り図柄の変動表示が実行される。
次に、温度異常にもとづく制限モードに移行しているときの演出表示装置5の表示態様について説明する。図32は、温度異常にもとづく制限モードに移行しているときの演出表示装置5の表示態様を説明するための説明図である。まず、温度異常が検出されておらず、いずれの制限モードにも移行していない通常モードである場合には、図32(A)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、背景画像(本例では、地面と太陽の絵柄を含む画像)が表示されるとともに、左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアに演出図柄の変動表示が表示される。また、演出表示装置5の表示画面の左上端部に左中右の小図柄の変動表示5Sが表示され、演出表示装置5の表示画面の下方には保留画像やアクティブ画像が表示される(本例では、第1保留表示エリア5Dにおいて3個の保留画像が表示されるとともに、アクティブ表示エリアAHAにおいてアクティブ画像が表示される場合が示されている)。
次いで、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃となり、第1制限モードに移行すると、図32(B)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、背景画像表示が消去される(ステップS103参照)。なお、図32(B)に示すように、第1制限モードに移行しても、左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアにおける演出図柄の変動表示と、小図柄の変動表示5Sと、保留画像およびアクティブ画像の表示は継続される。また、第1制限モードでは、冷却ファン142の低速動作が開始される(ステップS104参照)とともに、図32(B)に示すように、演出表示装置5の表示画面において第1温度異常報知E1が開始される(ステップS105参照)。
次いで、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃となり、第2制限モードに移行すると、図32(C)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアにおける演出図柄表示が消去される(ステップS108参照)。なお、図32(C)に示すように、第2制限モードに移行しても、小図柄の変動表示5Sと、保留画像およびアクティブ画像の表示は継続される。また、第2制限モードでは、冷却ファン142の中速動作が開始される(ステップS109参照)とともに、図32(C)に示すように、演出表示装置5の表示画面において第2温度異常報知E2が開始される(ステップS110参照)。
さらに、演出制御用CPU120の温度が95℃以上となり、第3制限モードに移行すると、図32(D)に示すように、演出表示装置5の表示画面において、小図柄の変動表示5Sと、保留画像およびアクティブ画像も消去され、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知E1を除いて)が消去される(ステップS114参照)。また、第3制限モードでは、冷却ファン142の高速動作が開始される(ステップS115参照)とともに、図32(D)に示すように、演出表示装置5の表示画面において第3温度異常報知E3が開始される(ステップS116参照)。
次にLED9a〜9eの制御について説明する。LED9a〜9eは、実行される演出に対応した複数種類の発光パターンで発光(点灯、点滅など)可能となっている。演出制御用CPU120は、RAM122に設けられた制御用データ領域に制御用データが設定されている場合にLED9a〜9eを所定の発光パターンにて発光(点灯、点滅など)させるように制御可能となっている。
また、制御用データ領域に設定される制御用データは、各発光体制御基板16C〜16Fにおいて発光(点灯、点滅など)制御を行うためのデータである。具体的に、各々の発光パターンには、それらを一意に識別するための識別子が割り当てられており、上述した制御用データは、この識別子を示すデータである。演出制御用CPU120は、制御用データ領域に制御用データが設定されている場合には、この制御用データを読み取り、各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力する。各発光体制御基板16C〜16Fでは、制御用データが示す識別子で識別された発光パターンで発光するように各発光体ドライバ411a,411b,413a〜413cなどによって制御することで、LED9a〜9eが点灯/消灯駆動される。一方、制御用データ領域がNULLの場合は、当該制御用データ領域に制御用データは設定されていないと判定する。また、制御用データが設定されるタイミングは、当該制御用データにより制御を開始するタイミング、又は当該制御用データにより制御を開始するタイミングよりも前のタイミングである。以下の説明では、LED9a〜9eのいずれかのLEDによる演出を説明する場合には、単にLED演出と表現することがある。
図33は、制御用データ領域の一例を示す図である。制御用データ領域は、一の制御用データ領域と他の制御用データ領域とを少なくとも含む。具体的に、本実施形態の場合は、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の5つの制御用データ領域を含む。そして、各レイヤは、音声を出力する音演出に対応している。例えば、「エラー」演出は、演出表示装置5にもエラーを示す画面が表示される演出であるが、そのうちのエラー音を出力する演出に対応している。なお、音演出は、音を出さない演出(無音演出)も含み、この無音演出に対応したLED演出があってもよい。この無音演出に対応したLED演出は、LEDを消灯させるのではなく、発光させる演出である。
また、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5は優先順位が設定されており、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5(レイヤ1が最も優先順位が低く、レイヤ5が最も優先順位が高い)となっている。ここで、「優先順位が設定されている」とは、具体的に、演出制御用CPU120がLED9a〜9eを制御する場合には、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に制御用データが設定されているか否かを判定し、設定されていると判定された制御用データ領域に設定されている制御用データを各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力するという制御を行うため、レイヤ5、レイヤ4、レイヤ3、レイヤ2、レイヤ1の順に優先されることを示している。なお、優先順位の設定を実現する例は、これに限るものではなく、例えば、各レイヤに優先順位を示す値を割り当てるようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は、まず制御用データが設定されている全てのレイヤに割り当てられた値を参照し、(複数のレイヤに制御データが設定されている場合であっても)その中で優先順位が最も高い値(例えば最大値)が割り当てられているレイヤに設定された制御用データを各発光体制御基板16C〜16Fに対して出力することとなる。
このように、レイヤには優先順位が設定されているため、LED演出では1つのLED演出のみが行われ、複数のLED演出が同時に行われることはないが、LED演出に対応する音演出は同時に行われることがある。例えば、レイヤ1の制御用データ領域にBGM演出の制御用データが設定され、レイヤ1より優先順位が高いレイヤの制御用データ領域に他の演出の制御用データが設定されていない場合は、BGM演出のLED演出とともに、BGMが音演出として行われる。この状態で、例えばレイヤ3の制御用データ領域に他の演出の制御用データが設定されると、LED演出では、BGM演出のLED演出が終了して、他の演出のLED演出が行われるが、音演出では、BGMと他の演出の音演出とが同時に行われる。
演出制御用CPU120は、いずれか一方の制御用データ領域に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。具体的に例えば、遊技状態が低ベース状態では、図33に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(通常変動、リーチ変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2の予告B演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の予告A演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確定報知演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
また、遊技状態が高ベース状態では、図33に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(通常変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2のBGM演出(リーチ変動)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の予告演出(全て)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確定報知演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
さらに、遊技状態が大当り状態では、図33に示されるように、レイヤ1に制御用データが設定されている場合には、レイヤ1のBGM演出(大当り)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ2に制御用データが設定されている場合には、レイヤ2の予告演出(保留連、昇格)に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ3に制御用データが設定されている場合には、レイヤ3の大入賞口入賞演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ4に制御用データが設定されている場合には、レイヤ4の確変入賞演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。また、レイヤ5に制御用データが設定されている場合には、レイヤ5のエラー演出に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御する。
演出制御用CPU120は、両方の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。具体的に例えば、レイヤ2とレイヤ3の両方の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域であるレイヤ3に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。さらに、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4の制御用データ領域に制御用データが設定されている場合は、優先順位が高く設定される制御用データ領域であるレイヤ4に対応した発光パターンにてLED9a〜9eを発光(点灯、点滅など)させるように制御可能である。
さらに、本実施形態において、第1遊技状態中において一の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターンと、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態中に一の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターンとが異なる。具体的には、図33に示されるように、制御用データ領域は、遊技状態(低ベース状態、高ベース状態、大当り状態)ごとに設けられている。そして、例えば低ベース状態中において例えばレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターン(予告A演出に対応した発光パターン)と、低ベース状態とは異なる例えば高ベース状態中にレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されるときの発光パターン(BGM演出に対応した発光パターン)とが異なる。
図33に示される制御用データ領域への設定は、原則として一の遊技が終了するたびにリセットされる。「一の遊技」とは、遊技状態が低ベース状態または高ベース状態の場合は、可変表示の開始に始まり、可変表示の停止表示により終了するまでの遊技を示し、遊技状態が大当り状態の場合は、大当り状態の開始から終了までの遊技を示している。
従って、遊技状態が低ベース状態または高ベース状態の場合、制御用データは、可変表示の開始タイミングまたは可変表示中の演出の開始タイミングで設定され、可変表示の停止表示または各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングによりリセットされる。なお、各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングが到来しない場合でも、可変表示が停止表示した場合にはリセットされる。
また、遊技状態が大当り状態の場合、制御用データは、S173の特図当り待ち処理またはS176の大当り遊技中処理などにて設定され、大当りが終了した場合、ラウンドが終了した場合、または各演出ごとに定められた時間が経過したタイミングによりリセットされる。
例外的に複数の遊技に跨って行われる演出(例えば、先読予告演出や、複数回の大当りを含む演出)に対応するLED9a〜9eによるLED演出の制御用データの設定は遊技の終了によりリセットされることはない。なお、複数の遊技に跨って行われるLED演出は、上述した遊技状態により異なる一の遊技を組み合わせたものを改めて一の遊技とし、この一の遊技の複数に跨る演出もLED演出であってもよい。
次に、図33に示される各演出について説明する。上述したように、本実施形態におけるLED制御は、図33に示される各演出における音演出に対応している。以下の説明では、各演出において発光(点灯、点滅など)するLEDが記載されているが、記載されているLEDのみが発光(点灯、点滅など)する場合と、他のLEDも発光(点灯、点滅など)する場合がある。
図33において、エラー演出は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されたエラー指定コマンドに対応して、演出表示装置5の表示領域におけるエラー画像の表示動作、スピーカ8L,8Rからのエラー音声出力動作、LED9a〜9eにおけるエラー発光動作等によるエラー報知等が行われる演出である。本実施形態でのエラー演出は、LED9a〜9eの全てが発光(点灯、点滅など)する演出である。そして、図33に示されるように、演出制御用CPU120は、最も高い優先順位が設定される制御用データ領域(レイヤ5)に制御用データが設定されている場合には、遊技状態に依らずエラー演出を示す発光パターンにて発光(点灯、点滅など)させるように制御するようになっている。
確定報知演出は、V字状に配列されたLEDなどが点滅したり、演出表示装置5の表示領域にV字状の図柄が表示される演出であり、演出図柄の変動中に行われる大当りが確定を示す演出(予告)である。
確変入賞演出には、例えば、確変入賞口(若しくは確変入賞口内に設けられた所定領域。以下、確変入賞口等)の入賞の有無により大当り後の状態を確定させる態様のV確変タイプの遊技機において、確変入賞口等に入賞した際に行われる演出である。確変入賞口等に入賞した場合、大当り後の状態を確変状態とし、確変入賞口等に入賞しなかった場合、大当り後の状態を非確変状態とすることが一般的である。この場合、遊技者に確変入賞口等への入賞を狙わせる演出が設けられており、この演出を本実施形態では確変チャレンジ演出と称する。図1に示したパチンコ遊技機1には、確変入賞口は設けられていないが、LED制御の一例を説明するために、本実施形態での確変入賞演出は、例えば特別可変入賞球装置7内に上記所定領域を設け、その所定領域へ入賞した際にLED(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDでもよい)が発光(点灯、点滅など)する演出とする。また、確変チャレンジ演出は、本実施形態では、LED(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDでもよい)が発光(点灯、点滅など)する演出とする。なお、この確変入賞口は、確変アタッカーともいわれる。
予告A演出、及び予告B演出は、本実施形態では、いずれの演出もLED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)するとともに演出表示装置5の表示領域における演出であって、予告A演出は、キャラクタAが演出表示装置5の表示領域に表示される演出であり、予告B演出は、キャラクタBが演出表示装置5の表示領域に表示される演出である。また「予告(全て)」は、予告A演出、及び予告B演出を示している。また、「予告(保留連、昇格)」のうち、予告(保留連)は、大当り前又は大当り中に保留された保留内に大当りとなる保留が存在する場合に、大当りとなる保留が存在することを大当り中に予告する演出である。予告(昇格)は、上述した大当り中昇格演出や、例えば大当りラウンド数が8ラウンドから16ラウンドなどに増加するラウンド数昇格演出である。この「予告(保留連、昇格)」は、LED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)するとともに演出表示装置5の表示領域における演出である。
大入賞口入賞演出は、特別可変入賞球装置7へ入賞したときに行われる演出である。本実施形態での大入賞口入賞演出は、特別可変入賞球装置7へ入賞するたびにLED9a〜9eが発光(点灯、点滅など)する演出である。この大入賞口入賞演出では、所謂オーバー入賞時に特に目立たせるような演出が行われることがある。
以上説明した各演出では、LED演出のみの演出だけではなく、LED演出以外の演出(例えば、音による音演出、演出表示装置5による表示演出、または音演出と表示演出を組み合わせた演出等)が行われることがあるが、以下の説明において、特に断らない限り、「演出」は、当該演出におけるLED演出のみを示すものとする。LED演出とLED以外の演出を含む演出全体を示す場合には「演出(全て)」と表現する。また、LED以外の演出を示す場合には「演出(LED以外)」と表現する。例えば、「BGM演出」は、LED演出のみを示し、「BGM演出(全て)」は、LED演出の他に、音演出などLED以外の演出を含む演出全体を示し、「BGM演出(LED以外)」は、音演出などLED以外の演出を示す。
また、以上説明した各演出において、BGM演出の優先順位は、BGMの性質上、いずれの遊技状態においても最も低く設定される。低ベース状態において、予告A演出は予告B演出より優先順位が高いが、これは予告A演出が予告B演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。さらに低ベース状態において、確定報知演出は予告A演出よりも優先順位が高いが、これは確定報知演出が大当り確定を示す演出であるためである。
高ベース状態において、BGM(リーチ変動)演出は、BGM(通常)演出より優先順位が高いが、これはBGM(リーチ変動)演出がBGM(通常)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。高ベース状態において、予告(全て)演出は、BGM(リーチ変動)演出より優先順位が高いが、これは予告(全て)演出がBGM(リーチ変動)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。高ベース状態において、確定報知演出は、予告(全て)演出より優先順位が高いが、これは確定報知演出が予告(全て)演出より大当りの期待度の高い演出であるためである。
大当り状態において、予告(保留連、昇格)演出は、BGM(大当り)演出より優先順位が高いが、これは予告(保留連、昇格)がBGM(大当り)演出より遊技者にとって重要な演出であるためである。大当り状態において、大入賞口入賞演出は、予告(保留連、昇格)演出より優先順位が高いが、これは大入賞口入賞演出は入賞するたびに行われるものであり、予告(保留連、昇格)演出(LED以外)は一般的に演出表示装置5の表示領域において大入賞口入賞演出よりも比較的長く行われる演出であるところ、大入賞口入賞演出を予告(保留連、昇格)演出より優先順位を高くした場合には、いずれの演出も遊技者に告知可能であるが、予告(保留連、昇格)演出を大入賞口入賞演出よりも優先順位を高くした場合には、予告(保留連、昇格)演出のみが行われ、大入賞口入賞演出が行われなくなるためである。また、上述したように、大入賞口入賞演出ではオーバー入賞時の演出が行われることが一般的であり、オーバー入賞は遊技者にとって本来であれば得られない利益のため、演出の重要性が高いためでもある。
各演出の制御用データの設定は、BGM演出及び複数の遊技に跨って行われる演出の制御用データを除き、各演出ごとに定められた時間が経過するとリセットされる。なお、一般的なパチンコ遊技機における演出(全て)として、2つ以上の演出(全て)に分岐する演出(全て)がある。こうした複数の演出(全て)に分岐する場合は、分岐するときに対応する演出の制御用データを再設定することとなる。
以上説明した各制御用データ領域に設定される制御用データは一例であり、図33に示した例に限るものではなく、パチンコ遊技機の演出等に応じて適宜設定される。
図34および図35は、LED制御例を示すタイムチャートである。まず、図34に示すタイムチャートは、エラー報知が実行されておらず、遊技状態が低ベース状態で、可変表示が行われてなく、さらに保留も存在しない状態において、時間T1で始動入賞があり、演出図柄が変動を開始し、時間T2に予告B演出が発生し、さらに時間T3で予告A演出が発生した場合のタイムチャートを示している。なお、BGM演出(LED以外)は、時間T1から最後まで行われ、予告B演出(LED以外)は、時間T2から最後まで行われ、予告A演出(LED以外)は、時間T3から最後まで行われている。制御対象LEDは、一例としてLED9a〜9eとしている。
図34に示されるタイムチャートでは、縦軸は各レイヤに対応するLED制御を示し、横軸は時間を示している。
また、図34では、レイヤ5の制御用データ領域に設定される制御用データをエラー演出の制御用データとし、レイヤ4の制御用データ領域に設定される制御用データを確定報知演出の制御用データとし、レイヤ3の制御用データ領域に設定される制御用データを予告A演出の制御用データとし、レイヤ2の制御用データ領域に設定される制御用データを予告B演出の制御用データとし、レイヤ1の制御用データ領域に設定される制御用データをBGM演出の制御用データとしている。
LED9a〜9eは、エラー演出では色Aで発光(点灯、点滅など)し、確定報知演出では色Bで発光(点灯、点滅など)し、予告A演出では色Cで発光(点灯、点滅など)し、予告B演出では色Dで発光(点灯、点滅など)し、BGM演出では色Eで発光(点灯、点滅など)する。
また、図34に示されるタイムチャートでは、LED9a〜9eの発光色等を示す表示態様が示されている。この表示態様において、「消」は、LED9a〜9eが消灯していることを示し、アルファベットは、それに対応する色で発光(点灯、点滅など)していることを示す。「消」やアルファベットによる表現は、これから説明する他のタイムチャートでも用いられる。
さらに、図34に示されるタイムチャートでは、各レイヤに対応する演出(LED以外)が実行されているか否かも示されている。例えば、BGM演出(全て)は、LED演出とともに音演出を実行する演出であるので、優先順位が低くLED演出が実行されない場合でも音演出を実行することはできる。
また、図34の場合、各演出(LED以外)は同時に実行可能である。例えば、予告A演出(LED以外)と予告B演出(LED以外)は同時に実行可能である。
以上を踏まえ、図34のタイムチャートについて説明する。まず、各制御用データ領域に制御用データが設定されていないので、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは消灯している。
時間T1にて始動入賞があり、レイヤ1の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、BGMLED制御がオンとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Eで発光(点灯、点滅など)する。
次いで、時間T2にて、レイヤ1より優先順位の高いレイヤ2の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、予告BLED制御がオンとなり、BGMLED制御がオフとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Dで発光(点灯、点滅など)する。
次いで、時間T3にて、レイヤ2より優先順位の高いレイヤ3の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、予告ALED制御がオンとなり、予告BLED制御がオフとなる。これにより、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Cで発光(点灯、点滅など)する。図34に示した制御によれば、BGM演出より遊技者にとって重要な予告B演出が優先され、さらに予告B演出よりも重要な予告A演出が優先されることから、遊技者に各LED演出による視覚効果を適切に与えることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図35に示すタイムチャートは、遊技状態が低ベース状態で、可変表示が行われてなく、さらに保留も存在しない状態において、時間T1で始動入賞があり、演出図柄が変動を開始し、時間T2に予告B演出が発生し、さらに時間T3で予告A演出が発生した場合であることは図34と同じであるが、エラー報知の実行中である場合のタイムチャートを示している。
図35に示す例では、エラー報知の実行中であるので、エラー演出(LED以外)が実行されているとともに、レイヤ5の制御用データ領域に制御用データが設定されることで、LED表示態様に示されるようにLED9a〜9eは色Aで発光(点灯、点滅など)している。そして、レイヤ5に設定されるエラー報知用の制御用データは最も優先順位が高いので、時間T1や時間T2、時間T3となってBGM演出や予告B演出、予告A演出の発生タイミングとなっても、エラーLED制御が継続されるとともにエラー演出(LED以外)の実行も継続される。
なお、図35に示すように、エラー報知の実行中であっても、BGM演出(LED以外)や、予告B演出(LED以外)、予告A演出(LED以外)は同時に実行可能である。
また、図34および図35では、一例として、遊技状態が低ベース状態である場合のLED制御例を示しているが、遊技状態が高ベース状態である場合や大当り遊技状態である場合も、図33に示すレイヤの優先順位に従ってLED制御が行われる。
図36および図37は、演出図柄変動開始処理(ステップS74)にて実行される演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートでは、一例として図33で示した制御用データ領域を用いて説明する。また、このフローチャートの説明では、「演出Yの制御用データをレイヤNの制御用データ領域に設定し、演出Yの開始タイミングに従って演出制御パターンのLED制御データを設定すること」を、単に「演出Yの制御用データをレイヤNに設定する」と表現する。例えば、「予告演出の制御用データをレイヤ2に設定する」との記載は、「予告演出の制御用データをレイヤ2の制御用データ領域に設定し、予告演出の開始タイミングに従って演出制御パターンのLED制御データを設定すること」を意味する。
図36に示す演出実行設定処理において、演出制御用CPU120は、エラーLED発光中か否か(例えば、LED9a〜9eを色Aで発光(点灯、点滅など)中であるか否か)の判定を行う(ステップS901)。演出制御用CPU120は、ステップS54Aのエラー報知処理を実行したか否かで判定する。
エラーLED発光中である場合には(ステップS901;Yes)、エラー演出が最も優先順位が高いため、演出制御用CPU120は、下位のレイヤに制御用データを設定せずに、ステップS915に進む。
エラーLED発光中である場合には(ステップS901;Yes)、演出制御用CPU120は、遊技状態が高ベース状態か否かの判定を行う(ステップS902)。遊技状態が高ベース状態の場合には(ステップS902;Yes)、演出制御用CPU120は、変動パターンがリーチ変動パターンか否かの判定を行う(ステップS903)。変動パターンがリーチ変動パターンの場合には(ステップS903;Yes)、演出制御用CPU120は、BGM(リーチ変動)演出の制御用データをレイヤ2に設定し(ステップS904)、ステップS906に進む。変動パターンがリーチ変動パターンではない場合には(ステップS903;NO)、演出制御用CPU120は、BGM(通常変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS905)、ステップS906に進む。
次いで、演出制御用CPU120は、予告演出を実行するか決定するための予告決定処理を行う(ステップS906)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告決定処理の決定結果から、予告演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS907)。予告演出を実行しない場合には(ステップS907;No)、ステップS909に進む。予告演出を実行する場合には(ステップS907;Yes)、演出制御用CPU120は、予告演出の制御用データをレイヤ3に設定する(ステップS908)。
次いで、演出制御用CPU120は、確定報知演出を実行するか決定するための確定報知決定処理を行う(ステップS909)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンが大当りを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、確定報知決定処理の決定結果から、確定報知演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS910)。確定報知演出を実行しない場合には(ステップS910;No)、ステップS912に進む。確定報知演出を実行する場合には(ステップS910;Yes)、演出制御用CPU120は、確定報知演出の制御用データをレイヤ4に設定する(ステップS911)。次いで、演出制御用CPU120は、各決定処理で決定された各演出制御パターンを選択する(ステップS912)。そして、演出実行設定処理を終了する。
ステップS902の処理に戻り、遊技状態が低ベース状態の場合には(ステップS902;No)、図37のステップS913に進む。演出制御用CPU120は、変動パターンがリーチ変動パターンか否かの判定を行う(ステップS913)。変動パターンがリーチ変動パターンの場合には(ステップS913;Yes)、演出制御用CPU120は、BGM(リーチ変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS914)、ステップS916に進む。変動パターンがリーチ変動パターンではない場合には(ステップS913;NO)、演出制御用CPU120は、BGM(通常変動)演出の制御用データをレイヤ1に設定し(ステップS915)、ステップS916に進む。
次いで、演出制御用CPU120は、予告B演出を実行するか決定するための予告B決定処理を行う(ステップS916)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告B決定処理の決定結果から、予告B演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS917)。予告B演出を実行しない場合には(ステップS917;No)、ステップS919に進む。予告B演出を実行する場合には(ステップS917;Yes)、演出制御用CPU120は、予告B演出の制御用データをレイヤ2に設定する(ステップS918)。
次いで、演出制御用CPU120は、予告A演出を実行するか決定するための予告A決定処理を行う(ステップS919)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンがスーパーリーチα、βを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、予告A決定処理の決定結果から、予告A演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS920)。予告A演出を実行しない場合には(ステップS920;No)、ステップS922に進む。予告A演出を実行する場合には(ステップS920;Yes)、演出制御用CPU120は、予告A演出の制御用データをレイヤ3に設定する(ステップS921)。
次いで、演出制御用CPU120は、確定報知演出を実行するか決定するための確定報知決定処理を行う(ステップS922)。ここでは、変動パターンや乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。例えば、変動パターンが大当りを示している場合に乱数にもとづく抽選処理を用いて決定される。演出制御用CPU120は、確定報知決定処理の決定結果から、確定報知演出を実行するか否かの判定を行う(ステップS923)。確定報知演出を実行しない場合には(ステップS923;No)、ステップS912に進む。確定報知演出を実行する場合には(ステップS923;Yes)、演出制御用CPU120は、確定報知演出の制御用データをレイヤ4に設定する(ステップS924)。
以上説明した演出図柄変動開始処理におけるLED9a〜9eの制御の他に、変動パターンコマンド受信待ち処理、演出図柄変動中処理、及び大当り遊技中処理などにおいてもLED9a〜9eの制御が行われる。例えば、変動パターンコマンド受信待ち処理において、パチンコ遊技機1の電源投入時に客待ちデモ指定コマンドを受信した場合、演出制御用CPU120は、直ちにLED9a〜9eを客待ちデモ演出でのLED態様で表示させる。一方、BGM演出が一定パターンを繰り返す演出を行っている場合には、演出制御用CPU120は、客待ちデモ指定コマンドを受信した数秒後にLED9a〜9eを客待ちデモ演出でのLED態様で表示させる。このように、同じ客待ちデモ指定コマンドを受信した場合でも、状況に応じて制御内容が異なる。
また、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、演出図柄変動開始処理において設定された開始タイミングに基づき、LED9a〜9eを制御するとともに、各演出ごとに定められた時間が経過するか、可変表示が終了すると当該演出の制御用データの設定をリセットする。さらに、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、遊技者の操作に応じてLED9a〜9eを制御することがある。遊技者の操作例として、例えばスティックコントローラ31Aのトリガボタンの押下操作などがある。このような押下操作に応じて、演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120はLED9a〜9eを制御する。また、大当り遊技中処理において、演出制御用CPU120は、図33に示した各制御用データを制御用データ領域に設定してLED9a〜9eを制御するとともに、各演出ごとに定められた時間が経過すると当該演出の制御用データの設定をリセットする。また、大当り遊技中処理においても、遊技者の操作に応じてLED9a〜9eを制御することがあるので、演出制御用CPU120は、押下操作に応じてLED9a〜9eを制御する。
以上のように、この実施の形態では、優先順位が設定された複数層(本例では、図33に示すレイヤ1〜レイヤ5)を有するデータ設定領域(本例では、図33に示す制御用データ領域)を備える。また、データ設定領域の各層に、少なくとも電気部品のうちの発光体(本例では、LED9a〜9e)の発光制御を行うための発光データを設定可能である。そして、制御手段(本例では、演出制御用CPU120)は、発光データにもとづいて発光体の発光制御を行うことが可能であり、データ設定領域の複数の層に発光データが設定されている場合に、優先順位が高い層に設定されている発光データにもとづいて発光体の発光制御を行う。そのため、層(レイヤ)の切り替えによって優先順位を簡単に切り替えて発光体の発光制御を行うことができる。
また、この実施の形態では、実行される演出(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出等)に対応した複数種類の発光パターン(例えば、色パターン、点滅パターン等)で発光可能な発光装置(例えば、LED9a〜9e等)と、発光装置を制御可能な制御手段(例えば、演出制御用CPU120等)と、を備え、制御手段は、制御用データが制御用データ領域に設定されている場合に発光装置を所定の発光パターンにて発光させるように制御可能であり、制御用データ領域は一の制御用データ領域(例えば、図33のレイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域等)と他の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうち、一の制御用データ領域とは異なる制御用データ領域等)とを少なくとも含み、いずれか一方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの、いずれかの制御用データ領域等)に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターン(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出に対応した発光パターン等)にて発光装置を発光させるように制御し、両方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの2つの制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合は、優先順位(例えば、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5等)が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにて発光装置を発光させるように制御可能であり、第1遊技状態中(例えば、図33の低ベース状態)において一の制御用データ領域(例えば、図33の低ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域等)に制御用データ(例えば、図33の低ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域に設定される予告B演出の制御用データ等)が設定されるときの発光パターンと、第1遊技状態とは異なる第2遊技状態中(例えば、図33の高ベース状態)に一の制御用データ領域に制御用データ(例えば、図33の高ベース状態のレイヤ2の制御用データ領域に設定されるBGM演出の制御用データ等)が設定されるときの発光パターンとが異なる。そのため、遊技状態に応じた優先順位でランプ演出を行うことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、実行される演出(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出等)に対応した複数種類の発光パターン(例えば、色パターン、点滅パターン等)で発光可能な発光装置(例えば、LED9a〜9e等)と、発光装置を制御可能な制御手段(例えば、演出制御用CPU120等)と、を備え、制御手段は、制御用データが制御用データ領域に設定されている場合に発光装置を所定の発光パターンにて発光させるように制御可能であり、制御用データ領域は一の制御用データ領域(例えば、図33のレイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域等)と他の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうち、一の制御用データ領域とは異なる制御用データ領域等)とを少なくとも含み、いずれか一方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの、いずれかの制御用データ領域等)に制御用データが設定される場合は、制御用データが設定される制御用データ領域に対応した発光パターン(例えば、BGM演出、予告演出、確定報知演出、大入賞口入賞演出、確変入賞演出、エラー演出に対応した発光パターン等)にて発光装置を発光させるように制御し、両方の制御用データ領域(例えば、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5の制御用データ領域のうちの2つの制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合は、優先順位(例えば、優先順位が低い順に、レイヤ1、レイヤ2、レイヤ3、レイヤ4、レイヤ5等)が高く設定される制御用データ領域に対応した発光パターンにて発光装置を発光させるように制御可能であり、制御用データ領域には、優先順位が低い順に第1データ領域(例えば、レイヤ1の制御用データ領域等)、第2データ領域(例えば、レイヤ2の制御用データ領域等)、第3データ領域(例えば、レイヤ3の制御用データ領域等)が設けられており、第2データ領域に設定される制御用データとして、発光装置を発光させるように制御する制御用データ(例えば、特別可変入賞球装置7に設けられたLEDを発光させるように制御する制御用データ等)と、発光装置を消灯させるように制御する消灯制御用データとがあり、第1データ領域に制御用データ(例えば、BGM演出の制御用データ等)が設定されている場合に、第2データ領域に消灯制御用データを設定し、当該消灯制御用データが設定されているときに、第3データ領域に制御用データ(例えば、大入賞口入賞演出の制御用データ等)を設定可能である。そのため、優先順位の高い発光パターンを目立たせることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
図34から図37で示した演出説明は一例で、この実施の形態で示した演出は図34から図37に示した遊技状態以外に適用してもよい。具体的には、例えば図34で示した遊技状態は低ベース状態であるが、大当り状態に適用するようにしてもよい。
また、説明したLED9a〜9eの制御における演出は音演出としていたが、音演出に限らず、演出表示装置5において実行される演出、役物を稼働させる演出などであってもよい。また、レイヤ数を5としているが、レイヤ数は2以上であればよい。さらに、設定データ領域は、低ベース状態、高ベース状態、大当り状態ごとに設けられているが、これに限らず、低確高ベース状態、高確高ベース状態など、種々の状態ごとに設けるようにしてもよい。
以上説明した制御用データ領域に設定される制御用データとして、ランプ制御基板14に出力する制御用データを例にしたが、発光パターンを示すデータのアドレス、または、オンオフなどを示す1ビットのデータであってもよい。
制御用データ領域に発光パターンを示すデータのアドレスが設定される場合、演出制御用CPU120は、制御用データ領域に設定されたアドレスを参照して、当該アドレスに記憶されている制御用データをランプ制御基板14に出力し、制御用データ領域がNULLの場合は、制御用データが設定されていないと判定する。
制御用データ領域にオンオフを示す1ビットのデータが設定される場合、演出制御用CPU120は、制御用データ領域にオンを示す「1」が設定されているときに、当該制御用データ領域に対応する演出の発光パターンを示す制御用データをランプ制御基板14に出力し、制御用データ領域にオフを示す「0」が設定されている場合は、制御用データが設定されていないと判定する。従って、「0」が設定されている場合は、当該制御用データ領域に対応する演出の発光パターンを示す制御用データがランプ制御基板14に出力されないため、当該発光パターンでランプ9は発光されないこととなる。
また、ランプの発光パターンとして、色の違いによる実施形態について説明したが、これに限らず、発光間隔が異なる点滅パターンなどを用いるようにしてもよい。さらに、色A、B、C、D、Eの具体例として、青、黄、緑、赤、金、虹が挙げられるが、複数の色で発光してもよい。
また、この実施の形態では、制御手段は、最も高い優先順位が設定される制御用データ領域(例えば、図33のレイヤ5の制御用データ領域等)に制御用データが設定されている場合には、遊技状態に依らずエラーを示す発光パターンにて発光させるように制御する。そのため、エラーを適切に報知することができる。
また、この実施の形態では、制御用データ領域に設定されたときに第1発光パターンにて発光装置を発光させる第1制御用データ(例えば、図33の予告A演出の制御用データ)と、制御用データ領域に設定されたときに第2発光パターンにて発光装置を発光させる第2制御用データとが存在し、一の遊技状態中(例えば、図33の低ベース状態等)において、第1制御用データ(例えば、図33のレイヤ3に設定される予告A演出の制御用データ)は第2制御用データ(例えば、図33のレイヤ2に設定される予告B演出の制御用データ)よりも優先順位が高い制御用データ領域に設定され、一の遊技状態とは異なる遊技状態(例えば、図33(B)の高ベース状態等)において、第1制御用データ(例えば、図33(B)のレイヤ2に設定される予告A演出の制御用データ)は第2制御用データ(例えば、図33(B)のレイヤ3に設定される予告B演出の制御用データ)よりも優先順位が低い制御用データ領域に設定される。そのため、遊技状態に応じた優先順位でランプ演出を行うことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
図38は、制御中メモリ検査処理として、図23のステップS55Cにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図38に示す制御中メモリ検査処理において、演出制御用CPU120は、メモリ検査中であるか否かを判定する(ステップS1251)。ステップS1251では、例えば、メモリ検査を実行するときにメモリ検査中フラグをセットするようにし、このメモリ検査中フラグがオンであるかオフであるかに応じて、メモリ検査中であるか否かを判定すればよい。ステップS1251にてメモリ検査中ではないと判定した場合には(ステップS1251;No)、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS1252)。演出制御用CPU120は、例えばCTCに含まれるタイマ回路(図示せず)から出力されるタイムアウト信号がオンであるときに、メモリ検査のインターバルが経過したと判定すればよい。あるいは、演出制御用CPU120は、例えばRTC(リアルタイムクロック:図示せず)を用いて特定される現在時刻が、メモリ検査のインターバルとして設定された時刻を経過したときに、メモリ検査のインターバルが経過したと判定すればよい。
ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には(ステップS1252;Yes)、デモ表示中であるか否かを判定する(ステップS1253)。ステップS1253では、パチンコ遊技機1における遊技が進行しておらず、演出表示装置5の画面上にデモンストレーションとなる演出画像を表示するデモ表示が実行されているときに、デモ表示中であると判定すればよい。なお、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には、メモリ検査のインターバルが再度設定されるようにすればよい。ステップS1253にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS1253;No)、制御中検査待機時間として予め定められた所定時間(例えば10分間など)を設定し(ステップS1254)、制御中メモリ検査処理を終了する。ステップS1254にて制御中検査待機時間として設定される所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過した以後にデータリフレッシュやデータ移転が実行される場合に対応して、CGROM141の記憶データを正常に回復可能あるいは移転可能(代替可能)となるように、データリフレッシュやデータ移転が正常に実行できる範囲内で設定すればよい。例えば制御中検査待機時間となる所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行されたCGROM141の読出回数に応じて、異なる時間が設定されてもよい。この場合には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行されたCGROM141の読出回数が予め定められた回数判定値以上である場合には、回数判定値未満である場合よりも短い時間が設定されてもよい。あるいは、制御中検査待機時間となる所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過するまでに発生したエラービット数に応じて、異なる時間が設定されてもよい。この場合には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに検出されたエラービット数が予め定められたエラー判定値以上である場合には、エラー判定値未満である場合よりも短い時間が設定されてもよい。
ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過していない場合には(ステップS1252;No)、ステップS1254にて設定された制御中検査待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS1255)。制御中検査待機時間が経過していない場合には(ステップS1255;No)、デモ表示中となったか否かを判定する(ステップS1256)。ステップS1256にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS1256;No)、制御中メモリ検査処理を終了する。
ステップS1253にてデモ表示中であると判定した場合や(ステップS1253;Yes)、ステップS1255にて制御中検査待機時間が経過した場合(ステップS1255;Yes)、あるいは、ステップS1256にてデモ表示中であると判定した場合には(ステップS1256;Yes)、演出制御中においてCGROM141の記憶データを検査する制御中メモリ検査を開始させるように制御する(ステップS1257)。例えば、演出制御用CPU120は、メモリ検査処理を実行することにより、CGROM141の記憶データを検査する。このときには、例えば、メモリ検査中フラグをセットしてオンにするなど、メモリ検査中に対応する設定を行い(ステップS1258)、制御中メモリ検査処理を終了する。なお、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には、ステップS1253にてデモ表示中であるか否かを判定することなく、ステップS1257に進み、直ちに制御中メモリ検査を開始させるようにしてもよい。
ステップS1251にてメモリ検査中であると判定した場合には(ステップS1251;Yes)、メモリ検査が完了したか否かを判定する(ステップS1259)。メモリ検査が完了していないと判定した場合には(ステップS1259;No)、制御中メモリ検査処理を終了する。これに対し、メモリ検査が完了したと判定した場合には(ステップS1259;Yes)、制御中メモリ検査の終了に対応する制御を行う(ステップS1260)。このときには、例えば、メモリ検査中フラグをクリアしてオフにするなど、メモリ検査後に対応する設定を行い(ステップS1261)、制御中メモリ検査処理を終了する。
図39は、制御中演出データ転送処理として、図23のステップS55Dにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図39に示す制御中演出データ転送処理において、演出制御用CPU120は、演出データ読出中であるか否かを判定する(ステップS271)。ステップS271では、例えば演出データ読出中フラグがオンであるかオフであるかに応じて、演出データ読出中であるか否かを判定すればよい。ステップS271にて演出データ読出中ではないと判定した場合には(ステップS271;No)、演出データ読出条件が成立したか否かを判定する(ステップS272)。ステップS272では、例えば演出制御パターンに含まれる演出制御実行データ(プロセスデータに含まれる表示制御実行データ)の内容から、CGROM141の記憶データをVRAM126に転送する必要がある場合に、演出データ読出条件が成立したと判定すればよい。
ステップS272にて演出データ読出条件が成立していないと判定した場合には(ステップS272;No)、通常時WDTクリア設定を行う(ステップS273)。ステップS273では、CGROM141の記憶データが読み出されない場合に対応して、ウォッチドッグタイマ(図示せず)の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマをクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。例えば演出制御用CPU120は、WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に書き込むことで、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアすればよい。
ステップS272にて演出データ読出条件が成立した場合には(ステップS272;Yes)、演出データの読み出しを開始させるように制御する(ステップS274)。例えば、演出制御用CPU120は、CGROM141の記憶データを読み出し、VRAM126に転送して格納させればよい。このときには、例えば演出データ読出中フラグをセットしてオンにするなど、演出データ読出中に対応する設定を行い(ステップS275)、制御中演出データ転送処理を終了する。また、ステップS275では、読出中クリア時間として予め定められた一定時間が設定される。
ステップS271にて演出データ読出中であると判定した場合には(ステップS271;Yes)、演出データの読出完了となったか否かを判定する(ステップS276)。演出データの読出完了であると判定した場合には(ステップS276;Yes)、演出データ読出の終了に対応する制御を行う(ステップS277)。このときには、例えば演出データ読出中フラグをクリアしてオフにするなど、演出データ読出後に対応する設定を行い(ステップS278)、制御中演出データ転送処理を終了する。
ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定した場合には(ステップS276;No)、読出中クリア時間が経過したか否かを判定する(ステップS279)。このとき、読出中クリア時間が経過していれば(ステップS279;Yes)、読出中クリア回数が予め定められたクリア上限判定値に達しているか否かを判定する(ステップS280)。読出中クリア回数は、ステップS274での制御により演出データが読出開始となってから、ステップS281の設定によりウォッチドッグタイマがクリアされた回数を示している。例えばステップS275では、読出中クリアカウンタのカウント初期値として「0」が設定され、ステップS282の設定により、そのカウント値が1加算されるように更新すればよい。
ステップS279にて読出中クリア時間が経過していない場合や(ステップS279;No)、ステップS280にてクリア上限判定値に達している場合には(ステップS280;Yes)、制御中演出データ転送処理を終了する。これに対し、ステップS280にてクリア上限判定値に達していない場合には(ステップS280;No)、読出中WDTクリア設定を行う(ステップS281)。ステップS281では、CGROM141の記憶データが読み出されている場合に対応して、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマをクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。ステップS281にて読出中WDTクリア設定が行われた場合には、読出中クリア回数を1加算するなどして更新し(ステップS282)、制御中演出データ転送処理を終了する。
なお、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合とは異なる周期で、ウォッチドッグタイマをクリアするように設定されてもよい。例えば、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合よりも長い周期で、ウォッチドッグタイマをクリアする。この場合、ステップS273における通常時WDTクリア設定は、毎回の設定によりウォッチドッグタイマをクリアするのに対し、ステップS281における読出中WDTクリア設定は、複数回の設定が行われることでウォッチドッグタイマをクリアしてもよい。WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に設定することによりウォッチドッグタイマがクリアされるものでは、ステップS273における通常時WDTクリア設定が1回行われたときに複数のWDTクリアデータをすべて順番に設定するのに対し、ステップS281における読出中WDTクリア設定が1回行われたときには1のWDTクリアデータのみが設定され、複数回の読出中WDTクリア設定が繰り返されることで、複数のWDTクリアデータが順番に設定されるようにしてもよい。逆に、ステップS281における読出中WDTクリア設定では、ステップS273における通常時WDTクリア設定の場合よりも短い周期で、ウォッチドッグタイマをクリアしてもよい。
このように、制御中演出データ転送処理では、ステップS273の通常時WDTクリア設定が行われる場合に、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマによる計測時間を初期化する。また、ステップS274での制御により演出データの読み出しを開始した後、ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定が行われると、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマによる計測時間を初期化する。これにより、演出データの読出時間が長期化した場合に、ウォッチドッグタイマを適切にクリアして演出制御用CPU120の不適切なリセットを抑制できるので、不具合の発生を防止できる。
図39に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS271にて演出データ読出中であるか否かを判定することにより、CGROM141の記憶データを読み出している読出期間中であるか否かを判定する。この読出期間中にて、CGROM141におけるデータリフレッシュやデータ移転(代替処理)が実行される場合には、読出期間が長期化して、ステップS273での通常時WDTクリア設定を行うことができなくなるおそれがある。そこで、ステップS271にて演出データ読出中と判定されるとともに、ステップS276にて演出データの読出完了ではないと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定により、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマによる計測時間を初期化できるようにしている。この場合には、ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達していないと判定されたときに、ステップS281の読出中WDTクリア設定を行うことができる。ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達したと判定された場合には、ステップS281の読出中WDTクリア設定を行わないので、ウォッチドッグタイマによる計測時間の初期化が制限される。このように、読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した後には、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過したときに、時間経過信号となるタイムアウト信号を発生させて、演出制御用CPU120をリセット状態にして再起動する。なお、読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した場合には、ウォッチドッグタイマの監視時間が経過するまで待機することなく、直ちに演出制御用CPU120をリセット状態にして再起動してもよい。例えばステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達したと判定されたときに、演出制御用CPU120のリセット割込みを発生させて、演出制御用CPU120をリセット状態にしてもよい。
図40は、演出制御用CPU120によって実行されるメモリ検査処理の一例を示すフローチャートである。なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120がVDP機能を用いてメモリ検査処理などを実行する場合を示しているが、演出制御用マイクロコンピュータ120Aがメモリコントローラ(図示せず)を備えるように構成し、メモリコントローラが、演出制御用CPU120からの検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモリ検査処理の実行を開始するように構成してもよい。この場合、メモリコントローラは、演出制御用CPU120からの信号供給を条件に、メモリ検査処理を実行できればよい。あるいは、メモリコントローラは、演出制御用CPU120からの信号供給を条件とすることなく、電源投入時の設定や、メモリ検査のインターバルが終了したことなどに基づいて、メモリ検査処理を実行できるようにしてもよい。
図40に示すメモリ検査処理において、演出制御用CPU120(あるいは、メモリコントローラ)は、CGROM141などに記憶されているステータス情報を読み出す(ステップS451)。ステータス情報は、消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管理情報、データリフレッシュの管理情報などを含んでいればよい。エラービット数の管理情報は、CGROM141からセクタデータが読み出されるごとに作成され、各セクタデータのエラー検出で特定されたエラービット数を示す情報であればよい。エラー訂正の管理情報は、CGROM141から読み出したセクタデータのエラー訂正が行われた場合に作成され、各セクタデータのエラー訂正ができたか否かを示す情報であればよい。データリフレッシュの管理情報は、CGROM141に記憶されたセクタデータのデータリフレッシュが行われた場合などに作成され、データリフレッシュが行われた回数や実行日時などを示す情報であればよい。
続いて、ステップS451にて読み出したステータス情報の内容などに基づいて、データリフレッシュ条件が成立したか否かを判定する(ステップS452)。例えば、エラービット数の管理情報に示されるエラービット数が、予め定められたエラーしきい値を超えているセクタデータがある場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定すればよい。また、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂正ができなかったセクタデータがある場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定してもよい。
ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立した場合には(ステップS452;Yes)、データリフレッシュを実行するための制御を行う(ステップS453)。ステップS453では、例えばデータリフレッシュの対象となるセクタデータを含む消去単位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正などを行って正しいデータを復元する。そして、記憶データを読み出した消去単位ブロックについて、記憶データを消去してから、復元した正しいデータを書き込むようにしてもよい。あるいは、記憶データを読み出した消去単位ブロックとは異なる消去単位ブロックに、復元した正しいデータを書き込むようにしてもよい。復元した正しいデータを書き込んだときには、書き込んだデータを再度読み出して、書込前のデータと比較することなどにより、正常にデータリフレッシュが終了したか否かを判定してもよい。
ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立していない場合や(ステップS452;No)、ステップS453の制御を行った後には、データ移転条件が成立したか否かを判定する(ステップS454)。例えば、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂正ができなかったセクタデータがある場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。また、データリフレッシュの管理情報に示されるデータリフレッシュが行われた回数が、予め定められた移転しきい値を超えているセクタデータがある場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。ステップS453にて正常にデータリフレッシュが終了しなかった場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。
ステップS454にてデータ移転条件が成立していない場合には(ステップS454;No)、メモリ検査処理を終了する。これに対し、データ移転条件が成立した場合には(ステップS454;Yes)、データ移転を実行するための制御を行ってから(ステップS455)、メモリ検査処理を終了する。ステップS455では、例えばデータ移転の対象となるセクタデータを含む消去単位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正などを行って正しいデータを復元する。このとき、記憶データを読み出した消去単位ブロックを、不良エリアとしての不良ブロックに設定する。そして、復元したデータを、冗長領域内の代替エリアとなる代替ブロックに書き込むようにすればよい。また、アドレス変換テーブルに含まれる配置情報を更新するなどして、不良ブロックに代えて代替ブロックの記憶データが読出可能となるように設定する。
図40に示すメモリ検査処理では、ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立したときに、ステップS453での制御によりデータリフレッシュを実行可能にする。これにより、CGROM141において、リードディスターブやデータリテンションなどの要因で劣化したメモリセルが生じた場合でも、記憶データを正しいデータに復元して保護することができる。さらに、ステップS454にてデータ移転条件が成立したときに、ステップS455での制御によりデータ移転を行う代替処理を実行可能にする。これにより、CGROM141において、メモリセルをリフレッシュしても回復不能な不良エリアとなる不良ブロックがある場合に、不良エリアの記憶データを代替エリアとなる代替ブロックに移転して保護することができる。
図23に示す演出制御メイン処理では、ステップS51Bにて電源投入時メモリ検査設定が行われ、図40に示すメモリ検査処理を、電源投入時に実行する。このときには、ステップS453での制御によりデータリフレッシュが実行される場合や、ステップS455での制御によりデータ移転が実行される場合がある。例えば前回の電源遮断前といった、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されてから、CGROM141のステータス情報が更新され、データリフレッシュ条件が成立し得る状態や、データ移転条件が成立し得る状態になることがある。しかしながら、データリフレッシュやデータ移転を行うことなく電源切断により電力供給が終了すると、メモリセルの劣化が放置された状態さらには進行していく状態になり、CGROM141の記憶データが多くの誤りを含むものになるおそれがある。そこで、再び電源投入により電力供給が開始されたときに、図40に示すメモリ検査処理が実行されることで、ステップS452にてデータリフレッシュ条件が成立すればステップS453での制御によりデータリフレッシュを実行し、ステップS454にてデータ移転条件が成立すればステップS455での制御によりデータ移転を実行する。また、図23に示す演出制御メイン処理では、ステップS51Cにてメモリ検査のインターバルが設定される。
図38に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合に、ステップS1253またはステップS1256にてデモ表示中であると判定されたこと、あるいは、ステップS1255にて制御中検査待機時間が経過したと判定されたことを条件に、ステップS1257での制御により制御中のメモリ検査を実行可能にする。このように、電源投入時だけでなく、演出の進行を制御中であっても、メモリ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データリフレッシュやデータ移転を実行可能なので、電源投入時からの電力供給が停止されずに長時間が経過した場合でも、CGROM141の記憶データを保護するための処理を実行することができる。特に、メモリ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データ移転する代替処理を実行できるので、メモリセルをリフレッシュしても回復不能なデータエラーが発生する不良エリアとなる不良ブロックの記憶データを、代替エリアとなる代替ブロックに、適切に移転して記憶させることができる。
図41は、CGROM141における記憶領域の構成例を示している。CGROM141の記憶領域は、データ領域、制御領域、冗長領域といった、3つの領域を有している。データ領域と冗長領域には、管理テーブルと各種の演出データを記憶可能である。演出データは、静止画像データおよび動画像データを含む画像データの他に、音声データ、ランプ駆動データ、モータ駆動データなどであってもよい。データ領域は、CGROM141の通常アクセスに使用される通常使用領域である。演出の進行を制御するためのプログラムや演出を実行するために使用される演出データは、アクセスに支障がない限り、データ領域に書き込まれて記憶される。冗長領域は、データ領域のうちで、書き込みや読み出しに支障のある不良エリアに代替して使用可能な代替使用領域である。データ領域においてアクセスに支障があると判断された不良ブロックなどの不良エリアは、使用禁止に設定され、不良エリアの記憶データは冗長領域における代替ブロックなどの代替エリアに記憶される。制御領域は、データ領域の不良エリアと冗長領域の代替エリアとの関係を示す対応関係情報などを記憶する制御情報領域である。対応関係情報として、例えばデータ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報が記憶される。データ領域のアドレスや冗長領域のアドレスは、ページ番号やブロック番号で指定されてもよいし、開始アドレスと終了アドレスで指定されてもよい。データ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報は、アドレス変換テーブルにまとめて記憶されてもよい。アドレス変化テーブルは、演出制御用CPU120からCGROM141へのアクセスを要求する際に指定される論理ブロックアドレスを、実際の記憶領域に割り当てられた物理ブロックアドレスに変換可能とする配置情報のテーブルデータにより構成されていればよい。
図41に示すデータ領域には、3つの不良エリアA、B、Dが存在している。この場合、冗長エリアには、不良エリアA、B、Dの記憶データが移転された代替エリアA、B、Dが設けられる。制御領域には、不良エリアA、B、Dと代替エリアA、B、Dとの対応関係を指定する配置情報A、B、Dが記憶される。冗長領域には、履歴情報が書き込まれてもよい。履歴情報は、CGROM141においてデータ移転が行われた履歴を示す情報であればよく、例えばデータ移転が行われた日付情報を含んでいればよい。図41に示す冗長領域には、履歴情報Cが記憶されている。制御領域には、履歴情報Cに対応する配置情報Cが記憶されている。配置情報Cは、不良エリアと代替エリアとの対応関係を示す配置情報とは異なり、履歴情報に関する配置情報であることを示す履歴フラグと、履歴情報を記憶している冗長領域のアドレス情報とを含んでいればよい。履歴フラグがオンである配置情報に含まれるアドレス情報を読み取ることにより、冗長領域に記憶された履歴情報を読み出すことができる。履歴情報に含まれるデータ移転の日付情報などから、CGROM141においてデータ移転が行われた回数を特定し、CGROM141の使用を継続できるか廃棄すべきかを判定してもよい。制御領域には、配置情報の他にも、例えば消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管理情報、データリフレッシュの管理情報といった、ステータス情報を構成する様々な管理情報が記憶されてもよい。
図42(A)は、CGROM141に記憶される演出データのうちで、画像データに含まれる動画像データの構成例を示している。図42(B)は、動画像データを映像データと音声データとに分離して復号化する動作例を示している。図42(C)は、動画像データを用いた動画再生の実行例を示している。動画像データは、それぞれが圧縮符号化された映像データと音声データを、所定のコンテナフォーマットで多重化して構成されていればよい。動画像データでは、ヘッダ情報に続けて、パケット化された映像データが格納される映像データブロックや、パケット化された音声データが格納される音声データブロックが、所定の順番で配置されていればよい。CGROM141から読み出された動画像データは、デマルチプレクサに入力されて、映像データと音声データとに分離される。デマルチプレクサから出力された映像データは、映像デコーダに供給される。デマルチプレクサから出力された音声データは、音声デコーダに供給される。映像デコーダは、デマルチプレクサから供給された映像データを復号化して、ヘッダ情報または各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。音声デコーダは、デマルチプレクサから供給された音声データを復号化して、ヘッダ情報または各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。
このように、映像データと音声データとが多重化されて構成された動画像データを用いて、映像データと音声データとを分離して復号化した後、タイムスタンプにあわせて出力される。これにより、映像出力と音声出力とが同期した動画像の再生が可能になる。CGROM141には、演出表示装置5の表示制御に関する映像データと、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御に関する音声データとが、一連の動画像データとして記憶されている。演出制御用CPU120と音声制御基板13の音声処理回路(図示せず)は、CGROM141から読み出された動画像データを用いて動画像を再生することにより、演出表示装置5の表示制御と、スピーカ8L、8Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行することができる。
図43〜図45は、動画像再生命令が供給された場合に対応して、動画像の再生制御例を示すシーケンス図である。図43は、CGROM141から読み出した動画像データ(読出データ)の検査結果が正常である検査OKの場合を示している。図44は、CGROM141においてデータリフレッシュが成功したデータリフレッシュ成功の場合を示している。図45は、CGROM141において不良ブロックが検出された不良ブロック検出の場合を示している。なお、図43〜図45では、演出制御用CPU120の機能のうちのVDPとメモリコントローラの部分をそれぞれ1つのブロックとして示している。なお、この実施の形態では、VDP機能を備えた演出制御用CPU120を用いる場合を示しているが、演出制御用CPU120とは別にVDPやメモリコントローラを備えるように構成してもよい。
図43に示すように、VDPでは、演出制御用CPU120からの動画像再生命令を受けると、パラメータとなるレジスタ値などから特定される動画像データの読み出しを要求する動画像データ読出要求を、メモリコントローラに供給する。メモリコントローラは、動画像データ読出要求を受けたことに対応して、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオンに設定する。その後、動画像データの読み出しを開始する。動画像データの読み出しが終了すると、読み出した動画像データのエラー検出およびエラー訂正を行う。これにより、動画像データが読出完了になると、VDPでは演出表示装置5の画面上にて動画像の再生表示を開始させる。なお、すべての動画像データが読出完了になるまで動画像の再生表示が開始されないものに限定されず、所定単位の動画像データが読出完了になるごとに、読み出された動画像データを用いて順次に動画像の再生表示が進行するものであってもよい。また、図42(A)〜(C)に示したように、動画像の再生表示では、演出表示装置5における映像出力と、スピーカ8L、8Rにおける音声出力とが、同期して実行され、連携して進行すればよい。
また、メモリコントローラでは、エラー検出やエラー訂正の実行結果を用いて、読出データの検査を行う。例えばエラー検出で特定されたエラービット数がエラーしきい値を超えているか否かや、エラー訂正で訂正できなかったセクタデータがあるか否かに応じて、読出データの検査結果を判定する。このとき、読出データの検査結果が正常であると判定すれば、CGROM141の記憶データが正常に読出完了となったので、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。その後、VDPなどの制御による動画像の再生表示が終了したときには、VDPから演出制御用CPU120に対して動画像再生完了を通知すればよい。
図44に示す場合では、メモリコントローラにて、読出データの検査結果が異常であると判定される。この場合には、CGROM141に記憶されたセクタデータに対し、データリフレッシュが開始される。その後、データリフレッシュが正常に終了すると、CGROM141の記憶データを新たに読出可能となるので、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検査結果に基づくデータリフレッシュは、エラー検出やエラー訂正の実行結果に応じて実行されるので、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしてもよい。これにより、CGROM141の記憶データに対するデータリフレッシュが実行される場合でも、動画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の再生表示による演出を実行できる。その一方で、データリフレッシュが終了するまで、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、動画像の再生表示に遅延が生じることになる。
図45に示す場合では、メモリコントローラにて、データリフレッシュが開始された後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたことにより、データリフレッシュが中断されている。この場合には、不良ブロックの検出に対応して、CGROM141に記憶された消去単位ブロックのセクタデータに対し、データ移転が開始される。その後、CGROM141では、データ領域における不良エリアとなる不良ブロックから、冗長領域における代替エリアとなる代替ブロックへのデータ移転が終了して、CGROM141の記憶データを新たに読出可能になると、演出制御用CPU120に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検出結果に基づくデータリフレッシュに続いて実行されるデータ移転は、データリフレッシュと同様に、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしてもよい。これにより、CGROM141の記憶データに対するデータ移転が実行される場合でも、動画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の再生表示による演出を実行できる。その一方で、不良エリアから代替エリアへのデータ移転が終了するまで、VDPなどの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、データリフレッシュが正常に終了した場合と比較して、動画像の再生表示にさらなる遅延が生じることになる。
図44および図45に示す場合では、読出データの検査結果が異常であると判定されたときに、続けてデータリフレッシュが開始される。図45に示す場合では、データリフレッシュが開始された後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたときに、続けてデータ移転が開始される。このように、CGROM141の読出データに対する検査結果に応じて、読み出しが行われた直後に、データリフレッシュやデータ移転を実行可能であってもよい。これに対し、CGROM141の読出データに対するエラー検出やエラー訂正の実行結果を、CGROM141に記憶しておき、メモリ検査のインターバルが経過したときに、データリフレッシュ条件やデータ移転条件が成立したことに対応して、データリフレッシュやデータ移転を実行可能であってもよい。
図43〜図45に示す動画像の再生制御例では、演出制御用CPU120からVDPに対して動画像再生命令が供給されると、VDPがメモリコントローラに動画像データ読出要求を供給して、動画像データの読み出しを開始している。これに対し、動画像データ読出要求に対応する命令は、演出制御用CPU120からメモリコントローラに供給されてもよい。演出制御用CPU120では、演出制御パターンに含まれる演出制御実行データ(プロセスデータに含まれる表示制御実行データ)などから動画像の再生開始を決定したときに、図39に示す制御中演出データ転送処理のステップS272にて、演出データ読出条件が成立したと判定する。そこで、ステップS274の制御により、演出制御用CPU120からメモリコントローラに対して動画像データ読出要求に対応する命令を供給すればよい。ただし、演出制御用CPU120からVDPに対して動画像再生命令を供給するとともに、演出制御用CPU120からメモリコントローラに対して動画像データ読出要求に対応する命令を供給する場合には、演出制御用CPU120の処理負荷が増大するおそれがある。他方において、図43〜図45に示す動画像の再生制御例のように、VDPが演出制御用CPU120から供給された動画像再生命令を受けたときに、VDPからメモリコントローラに動画像データ読出要求を供給することで、動画像データを読み出すための処理負荷が分散されるので、演出制御用CPU120の処理負担を軽減することができる。
動画像の再生表示を開始する場合には、様々な要因により遅延が生じることがある。例えば図44および図45に示された動画像の再生制御例のように、読出データの検査結果に基づくデータリフレッシュやデータ移転による遅延が生じることがある。その他にも、図38に示す制御中メモリ検査処理のステップ257にて制御中メモリ検査を開始させる制御が行われると、CGROM141の記憶データが読出不可となり、制御中メモリ検査が終了するまで、動画像の再生表示に遅延が生じることがある。さらに、NAND型フラッシュメモリを用いて構成されたCGROM141では、ランダムアクセスによる記憶データの読み出しを要因として、動画像の再生表示に遅延が生じることもある。NAND型フラッシュメモリを用いて構成されたCGROM141は、セクタ単位で記憶データが読み出される。動画像データは、他の演出データに比べてデータ容量が大きくなりやすいので、CGROM141にて複数のセクタにまたがって記憶される場合がある。CGROM141では、動画像データなどの演出データが複数のセクタにまたがって記憶されている場合に、それぞれのセクタにアクセスして記憶データを読み出さなければならない。この場合には、CGROM141に対するランダムアクセスが頻繁に発生することで、記憶データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示にも遅延の影響が及んでしまうことになる。
パチンコ遊技機1において実行される演出のうちには、動画像の再生表示が実行される場合のように、CGROM141の読出許否状態に応じて、遅延が生じやすい演出がある。その一方で、CGROM141の読出許否状態にかかわらず、遅延なく実行可能な演出もある。例えばROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、始動入賞報知SH1を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。始動入賞報知SH1は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動口入賞時に、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材における動作、これらの一部または全部の組合せにより、始動入賞の発生を報知する。また、ROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、リーチ後演出AR1やリーチ後演出AR2を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。リーチ後演出AR1は、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、例えば動画像の再生表示が正常に開始される期間に対応して、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材における動作、これらの一部または全部の組合せにより、リーチ演出の開始を報知する。その他、ROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、エラー報知EH1を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。エラー報知EH1は、各種のエラーが発生したエラー発生時に、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、これらの一部または全部の組合せにより、異常の発生を報知する。あるいは、ROM135に記憶される演出制御実行データ(表示制御実行データ)には、予告演出YA1を実行するための演出制御実行データ(表示制御実行データ)が含まれてもよい。予告演出YA1は、演出図柄の可変表示中にて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、天枠LED9a、左枠LED9b、右枠LED9c、盤側LED9d,9eその他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材における動作、これらの一部または全部の組合せにより、有利状態としての大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する。
図46および図47は、始動入賞報知SH1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図である。図46は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図47は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図46および図47に示す制御例では、リーチ演出開始までの制御が共通している。具体的には、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける特別図柄の可変表示が開始されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して可変表示開始コマンドが送信される。例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドを送信するための設定を行う。演出制御基板12では、可変表示開始コマンドを受信したことに対応して、演出制御用CPU120が演出図柄変動開始処理を実行し、演出図柄の可変表示を開始する。こうして、特別図柄の可変表示開始に対応して、演出図柄の可変表示開始設定が行われ、演出図柄の可変表示が開始される。その後、リーチ前演出BR1が実行されてもよい。リーチ前演出BR1は、例えば「滑り」や「擬似連」の可変表示演出といった、演出図柄の可変表示態様により、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ前演出BR1は、例えば予告演出といった、演出図柄の可変表示態様によらず、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。その後、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立に達したことに対応して、リーチ演出の実行が開始されるリーチ演出開始となる。
図46に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される。動画像の再生表示が開始された後に、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動入賞時にて、始動入賞報知SH1が実行される。始動入賞報知SH1は、始動入賞の発生に対応してROM135に記憶された演出制御実行データ(表示制御実行データ)を読み出すことにより、始動入賞時に遅延なく実行可能である。始動入賞報知SH1は、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口、または普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口といった、遊技球が通過可能な通過領域(始動領域)を、遊技球が通過したことに関する通過補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、演出表示装置5の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ8L、8Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、演出表示装置5の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図46に示す制御例でリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図46に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、演出図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、演出図柄の可変表示における表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定演出図柄が表示された状態になる。
図47に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる期間がある。この表示停止期間にて、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場合には、表示停止期間であっても始動入賞報知SH1が実行される。例えば始動入賞報知SH1の実行に用いられる演出制御実行データ(表示制御実行データ)は、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。あるいは、始動入賞報知SH1の実行に用いられる演出制御実行データ(表示制御実行データ)は、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。演出制御用CPU120は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、始動入賞報知SH1を実行可能にすればよい。例えば、演出制御用CPU120は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場合に対応して用意された演出制御実行データを、ROM135から読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いて始動入賞報知SH1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においても始動入賞報知SH1を実行することができる。
図47に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、演出図柄の揺れ表示が開始される。演出図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、ROM135から読み出した演出制御パターン(プロセスデータ)に設定された演出制御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。演出図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、確定表示の対象となる演出図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した表示状態となる。確定表示の対象となる演出図柄は、演出図柄の可変表示における表示結果として導出される確定演出図柄であり、図8に示す可変表示開始設定処理のステップS201にて決定される最終停止図柄であればよい。演出図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターン(プロセスデータ)で予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、演出表示装置5の画面上における表示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表示時間が長くなる場合には、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
なお、図47に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。このように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制することができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出表示手段(本例では、演出表示装置5)の表示制御を行う表示制御機能(本例では、VDP機能)を有する制御手段(本例では、演出制御用CPU120)と、制御手段の温度を監視する温度監視手段(本例では、温度センサ136)を備える。また、制御手段の温度に応じて、表示制御機能を段階的に制限可能である(本例では、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃となると第1制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃となると第2制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が95℃以上となると第3制限モードに移行する)。そのため、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる。すなわち、演出制御用CPU120の温度異常を検出したときに直ちに全ての演出表示を行わないように構成してしまったのでは、遊技に対する興趣を大幅に低下させてしまうことになる。これに対して、この実施の形態では、直ちに全ての演出表示を行わないようにするのではなく、演出表示を段階的に制限していくように制御するので、必要以上に遊技に対する興趣が低下してしまうことを防止することができ、より適切な熱対策を実現することができる。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、温度センサ136からの温度情報にもとづいて演出制御用CPU120の具体的な温度を判定して温度異常の判定を行う場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、温度センサ136から具体的な温度を特定可能な温度情報を出力するのではなく、ある特定の温度となったときに所定の割込信号を発生するにし、その割込信号を入力したことにもとづいて温度異常が発生したと判定するように構成してもよい。この場合、例えば、割込信号を入力したタイミングで第1制限モードに移行し、割込信号を入力してから所定期間(例えば、30秒)経過したタイミングで第2制限モードに移行するなど、割込信号を入力してからの経過時間に応じて段階的に表示制御機能を制限するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1制限モードでは背景画像が消去され、第2制限モードでは演出図柄の変動表示も消去され、第3制限モードでは小図柄や保留画像、アクティブ画像も消去される場合を示したが、そのような制限態様にかぎられない。例えば、表示制御機能の制限態様として、ある制限モードではリーチ前の予告演出を制限したりするなど、演出の種類に応じて制限を行うように構成してもよい。また、例えば、ある制限モードでは演出表示装置5の表示画面の端部のみ表示しないように制限するなど、表示領域単位の制限を行うように構成してもよい。また、例えば、メイン液晶表示装置とサブ液晶表示装置など複数の表示装置を備える場合に、ある制限モードではサブ液晶表示装置を表示しないようにしてメイン液晶表示装置のみ表示を継続するなど、表示器単位の制限を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1制限モード〜第3制御モードの3段階に表示制御機能を制限する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、2段階の制限のみを行うように構成してもよく、4段階以上の制限を行うように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、少なくとも第1制限モードおよび該第1制限モードよりも制限度合いが高い第2制限モードを含む複数種類の制限モードにより表示制御機能を制限可能である(本例では、図32(B)に示すように、第1制限モードでは演出表示装置5の表示画面において背景画像のみを消去し、図32(C)に示すように、第2制限モードでは演出表示装置5の表示画面においてさらに左5L、中5Cおよび右5Rの図柄表示エリアにおける演出図柄表示も消去する)。そのため、遊技の興趣の低下を抑制することができる。例えば、この実施の形態では、第1制限モードでは背景画像などの表示のみを制限し、演出図柄の変動表示や簡易な予告表示は継続されるので、演出表示の一部は継続可能であり、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、制御手段の温度が所定温度(本例では、60℃〜70℃)に達したことに応じて第1制限モードにより表示制御機能を制限可能であり、制御手段の温度が所定温度よりも高い特定温度(本例では、71℃〜94℃)に達したことに応じて第2制限モードにより表示制御機能を制限可能である。そのため、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、この実施の形態によれば、制御手段の温度が特定温度よりも高い特別温度(本例では、95℃以上)に達したことに応じて、演出表示手段の表示制御を停止させる表示停止モードにより表示制御機能を制限可能である(本例では、図32(D)に示すように、演出表示装置5における全ての表示(ただし、第3温度異常報知E1を除いて)が消去される)。また、制御手段の温度の特別温度からの低下に応じて、表示停止モードによる表示制御機能の制限を解除可能である(本例では、第3制限モードに移行しているときに演出制御用CPU120の温度が90℃以下に下がると、第2制限モードに移行する)。そのため、表示制御機能を有する制御手段の熱対策を強化できるとともに、表示停止モードへの移行後に表示停止モードから自動的に復旧することができる。
また、この実施の形態によれば、第1制限モードにより表示制御機能を制限する場合に、一部の演出を実行しないように制御する(本例では、演出表示装置5の表示画面において背景画像を消去したり、スケーラ機能を停止した状態で画像表示したりする)。そのため、制御手段の温度に応じた適切な表示制御を実現することができる。
なお、この実施の形態では、第1制限モードでは背景画像を消去したり、スケーラ機能を停止したりする場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で予告演出などの一部の演出を選択したり決定したりしないように制限するものであってもよい。
また、この実施の形態によれば、制限モードの種類に応じて音出力を制限可能である(本例では、第1制限モードでは演出図柄の変動表示中に一部の予告演出などの演出効果音やBGMの音出力が制限され、第2制限モードや第3制限モードでは演出図柄の変動表示に関する音出力は全く行われない)。そのため、表示制御と音出力との演出の不一致を防止することができる。
なお、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく、エラー音は継続して出力するように構成することが望ましい。そのように構成すれば、エラーに関しては適切に報知を継続することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行に関する情報を発光体(本例では、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B)を発光させることにより表示制御する。また、制限態様によらず共通に発光体を発光させる表示制御を可能である(本例では、温度異常にもとづくいずれかの制限モードに移行されているか否かに関係なく、第1飾り図柄表示器5Aにおける第1飾り図柄の変動表示や第2飾り図柄表示器5Bにおける第2飾り図柄の変動表示が実行される)。そのため、遊技の進行状況を適切に報知することができる。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で発光制御する発光体として、第1飾り図柄表示器5Aおよび第2飾り図柄表示器5Bについて、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく表示制御を継続する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で発光制御する発光体として、保留表示を表示するためのランプ(LED)、エラーランプ(LED)、右打ち操作を促すための右打ち表示ランプ(LED)について、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく表示制御を継続するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第1飾り図柄表示器5Aや第2飾り図柄表示器5Bなどの発光体については、表示制御機能の制限中であるか否かに関係なく表示制御を継続する場合を示したが、演出制御用CPU120がある一定の温度以上となった場合には、これら発光体の表示制御も停止するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、制御手段の温度に応じた温度異常を報知可能である(本例では、図32(B)〜(D)に示すように、第1温度異常報知E1〜第3温度異常報知E3を表示する)。そのため、制御手段の温度に応じた適切な報知を行うことができる。
なお、この実施の形態では、第1制限モード〜第3制限モードのいずれであるかに応じて段階的に第1温度異常報知E1〜第3温度異常報知E3を表示する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、第1制限モード〜第3制限モードのいずれであるかに関係なく、演出制御用CPU120がある一定の温度となると共通態様の温度異常報知を表示するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、第3制限モードでも第3温度異常報知E3を表示する場合を示しているが(図32(D)参照)、第3制限モードでは温度異常報知も表示しないようにし、演出表示装置5の表示画面において温度異常報知も含めて全く表示を行わないように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、制御手段を冷却するための冷却手段(本例では、冷却ファン142)を備える。また、制御手段の温度に応じて冷却手段の動作態様を変更可能である(本例では、第1制限モードでは冷却ファン142を低速動作させ、第2制限モードでは冷却ファン142を中速動作させ、第3制限モードでは冷却ファン142を高速動作させる)。そのため、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、制御手段(本例では、演出制御用CPU120)が設けられた第1基板(本例では、演出制御基板12)と、演出制御に関連する演出情報(本例では、各種画像データ)を記憶する記憶手段(本例では、CGROM141)が設けられた第2基板(本例では、演出制御用中継基板16A)とを備える。また、記憶手段には、あらかじめ認証情報が記憶され(本例では、CGROM141には、認証データが記憶されている)、制御手段は、記憶手段に記憶されている認証情報にもとづいて認証処理を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、CGROM141から読み出した認証データとROM135に記憶されている認証データとを照合して認証処理を行う)。そして、認証処理にて認証成功となったことにもとづいて、演出制御を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、認証に成功したことにもとづいて初期演出データ転送処理(S51D)を含む各種演出制御の処理を実行する)。そのため、制御手段が設けられた基板と記憶手段が設けられた基板との間で適正な接続関係を確保することができる。
例えば、この実施の形態のようにVDP機能を備えた演出制御用マイクロコンピュータ120Aが1つの基板(本例では、演出制御基板12)上に実装されて1つの演出制御ユニットとして流通すると、この演出制御ユニットを搭載した遊技機が遊技店にて撤去された後に、この遊技機から演出制御ユニットが取り外されて、演出制御ユニットの正規購入メーカ以外の他の遊技機メーカの遊技機において演出制御ユニットが流用可能となってしまう。この場合、中古の演出制御ユニットが搭載された遊技機の品質を確保することができず、また演出制御ユニットの正規流通量の低下に伴って部品コストが高くなり、正規購入メーカにおける遊技機の製造コスト(費用)が増加するという問題が生じる。そこで、この実施の形態では、演出制御基板12において、他の基板(本例では、演出制御用中継基板16A)との間で認証処理を実行することによって、正規購入メーカ以外の他の遊技機メーカでの演出制御ユニットの流用を抑制することができる。他方、正規購入メーカにおいては、演出制御ユニットを正規に再利用することによって、遊技機の製造コストを低減することができる。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ120Aに内蔵するROM135に記憶されている認証データと、演出制御用中継基板16A上のCGROM141に記憶されている認証データとについて、ROM単位で固有の値を認証データとして記憶するように構成するようにしてもよいし、遊技機の機種単位で固有の値を認証データとして記憶するように構成してもよい。さらに、遊技機メーカ単位で固有の値を認証データとして記憶するように構成してもよい。
また、この実施の形態によれば、制御手段は、記憶手段に記憶されている演出情報の転送処理(本例では、初期演出データ転送処理(S51D))を実行可能であり、認証処理にて認証成功となったことにもとづいて、転送処理を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、認証に成功したことにもとづいて初期演出データ転送処理(S51D)を実行可能である)。そのため、適正な演出情報の転送処理を実行することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100)を備え、遊技制御手段は、遊技機への電源供給が開始されたことを示す電源開始コマンド(本例では、電源投入指定コマンド)および電断状態から復旧したことを示す電断復旧コマンド(本例では、停電復旧指定コマンド)を出力可能である。また、制御手段は、電源開始コマンドまたは電断復旧コマンドを入力したことにもとづいて認証処理を実行可能である(本例では、演出制御用CPU120は、電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信したことにもとづいて認証処理を実行可能である)。そのため、遊技制御手段側が正常に起動したことにもとづいて認証処理を実行することができる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信される電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信したことにもとづいて認証処理を実行する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120A(具体的には、演出制御用CPU120)側で電源監視回路(図示せず)からの検出信号にもとづいて電源電圧が所定値に達したか否かを確認し、電源電圧が所定値に達したことにもとづいて認証処理を実行するように構成してもよい。図48は、演出制御用マイクロコンピュータ120A側で電源電圧を監視する場合における演出制御メイン処理の変形例を示すフローチャートである。
図48に示す変形例では、演出制御用CPU120は、まず、電源監視回路(図示せず)からの検出信号にもとづいて電源電圧が所定値に達したか否かを確認する(S50X)。例えば、演出制御用CPU120に電源電圧としてVCC(5V)が供給されている場合に、電源電圧VCCの値が4.5Vに達したか否かを確認する。そして、電源電圧が所定値に達した場合には、演出制御用CPU120は、認証処理を実行する(S50B)。なお、ステップS50B以降の処理は、図23に示したそれらの処理と同様である。
図48に示す変形例によれば、制御手段は、電源電圧を監視可能であり(図48に示す変形例では、演出制御用CPU120は、電源監視回路(図示せず)からの検出信号にもとづいて電源電圧が所定値に達したか否かを確認する)、電源電圧が所定値に達したことにもとづいて認証処理を実行可能である(図48に示す変形例では、演出制御用CPU120は、電源電圧が所定値に達したことにもとづいて認証処理を実行可能である)。そのため、制御手段自身の電源電圧が確保できたことにもとづいて認証処理を実行することができる。
また、この実施の形態によれば、認証処理にて認証失敗となったことにもとづいて、演出表示手段に認証失敗となったことを報知する(本例では、演出制御用CPU120は、認証エラー報知処理(S50D)を実行する)。そのため、制御手段が設けられた基板と記憶手段が設けられた基板との間の接続関係を確保できなかったことを報知することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行を制御する遊技制御手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100)を備え、第2基板には、遊技制御手段に接続するための接続部(本例では、コネクタ16Z)と、複数の演出手段(本例では、演出表示装置5、第1飾り図柄表示器5A、第2飾り図柄表示器5B、各LED9a〜9e、スピーカ8L,8R、可動部302、可動部材321など)を接続するための接続部(本例では、コネクタ16S)とが設けられている。そのため、遊技機の機種単位で第2基板を設計すればよいので、遊技機の異なる機種間で第1基板の共通化を図ることができ、遊技機の開発コストおよび製造コストを低減することができる。
また、この実施の形態によれば、図39に示す制御中演出データ転送処理のステップS281にて読出中WDTクリア設定が行われることにより、不適切な演出制御用CPU120のリセットを抑制できるので、不具合の発生を防止できる。
図38に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS1252にてメモリ検査のインターバルが経過したと判定されたことに基づいて、ステップS1257での制御によりメモリ検査を実行し、データ移転条件が成立すれば不良エリアの記憶データを代替エリアに移転する代替処理を実行できるので、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図47に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、始動入賞報知SH1を実行できるので、適切に演出を実行できる。
図41に示すように、CGROM141の記憶領域は、通常使用領域となるデータ領域と、代替使用領域となる冗長領域とを含んでいるので、不具合の発生を防止でき、また、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図40に示すメモリ検査処理のステップS455では、データ領域の不良エリアとなる不良ブロックの記憶データを、冗長領域の代替エリアとなる代替エリアに移転する制御を行うので、不具合の発生を防止でき、また、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図39に示す制御中演出データ転送処理のステップS271では、CGROM141に記憶された演出データを読出中であるか否かを判定するので、不具合の発生を防止できる。
図42(A)に示すように、動画像データは、表示制御に関する映像データと、演出音の出力制御に関する音声データとが、一連のデータとして多重化して構成され、表示制御と演出音の出力制御とを同期して実行できるので、適切に演出を実行できる。
図39に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した場合に、ステップS281での設定によるウォッチドッグタイマのクリアを制限するので、不具合の発生を防止できる。
以上、本発明の実施の形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。なお、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。また、スロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施の形態では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ変動表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変動表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、変動表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
また、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声制御基板13、駆動制御基板16B、発光体制御基板16C〜16Fなどが設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(可動体、発光体、スピーカなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用マイクロコンピュータに対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用マイクロコンピュータに送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、可動体や発光体、スピーカなどに関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置5を制御する演出制御用マイクロコンピュータに送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータは、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100側で表示結果(大当りか否か)や変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞の発生時に抽出した乱数の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
なお、上記に示した実施の形態では、以下の(1)〜(7)に示すような遊技機の特徴的構成も示されている。
(1)遊技を行うことが可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、表示制御に関するデータを記憶可能な記憶手段(例えばCGROM141など)と、記憶手段の記憶データを読み出して表示手段を制御可能な表示制御手段(例えば演出制御用CPU120など)と、計測時間が監視時間を経過したときに時間経過信号を発生させる信号発生手段(例えばウォッチドッグタイマなど)とを備え、表示制御手段は、監視時間が経過するより前に信号発生手段による計測時間を初期化する第1制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS273による制御など)と、記憶手段の記憶データを読み出している読出期間中にて第1制御が実行されない所定事象が発生した場合に、監視時間が経過するより前に信号発生手段による計測時間を初期化する第2制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS281による制御など)とを実行可能である遊技機。このような構成によれば、不具合の発生を防止できる。
(2)上記(1)の遊技機において、記憶手段は、通常使用領域(例えばデータ領域など)と、代替使用領域(例えば冗長領域など)とを含んでもよい(例えば図41を参照)。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、所定事象として、記憶手段の通常使用領域に記憶されたデータを、記憶手段の代替使用領域に記憶させる処理(例えばメモリ検査処理のステップS455など)を実行してもよい。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(4)上記(1)から(3)のいずれかの遊技機において、読出期間中であるか否かを判定する判定手段(例えば制御中演出データ転送処理のステップS271を実行する演出制御用CPU120など)を備えてもよい。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(5)上記(1)から(4)のいずれかの遊技機において、演出音の出力を制御可能な音声制御手段(例えば音声処理回路など)を備え、記憶手段には、表示制御に関するデータと、演出音の出力制御に関するデータとが、一連のデータ(例えば動画像データなど)として記憶され、表示制御手段による制御と、音声制御手段による制御とを同期して実行可能であってもよい(例えば図42を参照)。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(6)上記(1)から(5)のいずれかの遊技機において、可変表示が開始されてから表示結果が導出される前に、所定事象の発生により遅延した制御を実行可能な期間(例えば演出図柄の揺れ表示が行われる期間など)が設けられてもよい。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
(7)上記(1)から(6)のいずれかの遊技機において、第2制御により計測時間を初期化した回数が所定数に達したことに基づいて、信号発生手段による計測時間の初期化を制限してもよい(例えば制御中演出データ転送処理のステップS280にてYesの場合など)。このような構成においては、不具合の発生を防止できる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技を行うことが可能な遊技機であって、演出表示手段(例えば、演出表示装置5、画像表示装置905)の表示制御を行う表示制御機能(例えば、VDP機能)を有する制御手段(例えば、演出制御用CPU120、CPU90131、VDP90135)と、制御手段の温度を監視する温度監視手段(例えば、温度センサ136)とを備え、制御手段の温度に応じて、表示制御機能を段階的に制限可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ120Aは、ステップS101〜S118を実行し、演出制御用CPU120の温度が60℃〜70℃となると第1制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が71℃〜94℃となると第2制限モードに移行し、演出制御用CPU120の温度が95℃以上となると第3制限モードに移行する)、さらに、表示制御に関するデータを記憶可能な記憶手段(例えば演出データメモリ90123など)と、計測時間が監視時間を経過したときに時間経過信号を発生させる信号発生手段(例えばウォッチドッグタイマ90134など)とを備え、制御手段は、監視時間が経過するより前に信号発生手段による計測時間を初期化する第1制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS90273による制御など)と、記憶手段の記憶データを読み出している読出期間中にて第1制御が実行されない所定事象が発生した場合に、監視時間が経過するより前に信号発生手段による計測時間を初期化する第2制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS90281による制御など)とを実行可能である遊技機が挙げられる。そのような構成によれば、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができる。また、不具合の発生を防止できる。
また、上記遊技機において、温度監視手段が監視する制御手段と、第1制御および第2制御を行う制御手段とが別々の制御手段であってもよい。
さらに、表示制御機能を有する制御手段のより適切な熱対策を実現することができ、また、不具合の発生を防止できる遊技機の形態の一例として、遊技を行うことが可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機901など)であって、表示制御に関するデータを記憶可能な記憶手段(例えば演出データメモリ90123など)と、記憶手段の記憶データを読み出して表示手段を制御可能な表示制御手段(例えばCPU90131、VDP90135など)と、計測時間が監視時間を経過したときに時間経過信号を発生させる信号発生手段(例えばウォッチドッグタイマ90134など)とを備え、表示制御手段は、監視時間が経過するより前に信号発生手段による計測時間を初期化する第1制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS90273による制御など)と、記憶手段の記憶データを読み出している読出期間中にて第1制御が実行されない所定事象が発生した場合に、監視時間が経過するより前に信号発生手段による計測時間を初期化する第2制御(例えば制御中演出データ転送処理のステップS90281による制御など)とを実行可能である遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。図49は、他の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)901は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)902と、遊技盤902を支持固定する遊技機用枠(台枠)903とから構成されている。遊技盤902には、ガイドレールによって囲まれた、外縁をほぼ円形状とする遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤902の所定位置(図49に示す例では、遊技領域の右下側)には、第1特別図柄表示装置904Aと、第2特別図柄表示装置904Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。なお、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置904Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置904Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤902における遊技領域の中央付近には、画像表示装置905が設けられている。画像表示装置905は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置905の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置905の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、それぞれに対応した飾り図柄が可変表示される。この場合、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図の変動と第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置905の画面上では、第1特別図柄表示装置904Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置904Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて可変表示される飾り図柄は、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)を含んで構成されていればよい。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。なお、飾り図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の飾り図柄表示エリア905Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。
画像表示装置905の画面上には、始動入賞記憶表示エリア905Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア905Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置906Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置906Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機901が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。始動入賞記憶表示エリア905Hにおける保留表示は、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数といった、未だ開始されていない可変表示に関する情報(保留記憶情報)に基づいて、その保留数を特定可能に表示する。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア905Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示905Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図49に示す例では、始動入賞記憶表示エリア905Hとともに、第1特別図柄表示装置904Aおよび第2特別図柄表示装置904Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bとが設けられている。第1保留表示器9025Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器9025Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器9025Aと第2保留表示器9025Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置905の上部には、円形の演出用点灯役物9090が設けられている。演出用点灯役物9090の内部にはランプあるいはLEDなどの発光体が内蔵されている。演出用点灯役物9090は、例えば回転自在に構成され、回転(動作)しているときに点灯するように構成されてもよい。画像表示装置905の上部や下部といった、画像表示装置905の周囲には、画像表示装置905における表示画面の前面に進出して合体可能な演出用模型(演出用役物装置)を構成する複数の演出用可動部材9032A、9032Bが設けられている。これらの演出用可動部材9032A、9032Bは、飾り図柄の可変表示中に画像表示装置905における表示画面の前面に進出して合体することによって、所定の演出を実行するための演出用模型として用いられる。
画像表示装置905の下方には、普通入賞球装置906Aと、普通可変入賞球装置906Bとが設けられている。普通入賞球装置906Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置906Bは、図50に示す普通電動役物用となるソレノイド9081によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置906Bでは、普通電動役物用のソレノイド9081がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置906Bは、ソレノイド9081がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド9081がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置906Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図50に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出される。普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図50に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ9022Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機901は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置906Aと普通可変入賞球装置906Bの下方には、特別可変入賞球装置907が設けられている。特別可変入賞球装置907は、図50に示す大入賞口扉用となるソレノイド9082によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置907では、大入賞口扉用のソレノイド9082がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図50に示すカウントスイッチ9023によって検出される。カウントスイッチ9023によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置907において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置907において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置907において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤902の所定位置(図49に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器9020が設けられている。一例として、普通図柄表示器9020は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器9020の上方には、普図保留表示器9025Cが設けられている。普図保留表示器9025Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート9041を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤902の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車や多数の障害釘などが設けられている。第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠903の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ908L、908Rが設けられている。遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ909が設けられている。パチンコ遊技機901の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置906A、普通可変入賞球装置906B、特別可変入賞球装置907、画像表示装置905の周縁部に配置されたフレーム部材など)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠903の右下部位置には、打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。打球操作ハンドルは、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために、遊技者等によって操作される。例えば、遊技者等による打球操作ハンドルの操作量(回転量)に応じて、遊技球の弾発力を調整することができる。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方における遊技機用枠903の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠903の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機901の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ9031Aが取り付けられている。スティックコントローラ9031Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ9031Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、遊技者の動作として、トリガボタンに対する押引操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ9031Aの下部における下皿の本体内部などには、図50に示すコントローラセンサユニット9035Aが設けられていればよい。コントローラセンサユニット9035Aは、遊技者の動作として、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含んでいればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機901と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤902の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤902の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ9031Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン9031Bが設けられている。プッシュボタン9031Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン9031Bの設置位置における上皿の本体内部などには、図50に示すプッシュセンサ9035Bが設けられていればよい。プッシュセンサ9035Bは、遊技者の動作として、プッシュボタン9031Bに対する押下操作を検知する。なお、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bは、遊技者による操作が検出された場合、図50に示す演出制御基板9012での制御により、画像表示装置905の表示演出が変更されたり、スピーカ908L、908Rからの音声出力、遊技効果ランプ909や演出用点灯役物9090などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが行われる演出などにおいて使用されるものであればよい。
パチンコ遊技機901には、例えば図50に示すような主基板9011、演出制御基板9012、ランプドライバ基板9013、モータドライバ基板9014といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機901には、主基板9011と演出制御基板9012との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板9015なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機901における遊技盤902などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板9011は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板9011は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板9012などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板9011は、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯制御と消灯制御とを行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器9020の点灯制御と消灯制御あるいは発色制御などを行って普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板9011には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ90100に伝送するスイッチ回路90110、遊技制御用マイクロコンピュータ90100からのソレノイド駆動信号をソレノイド9081、9082に伝送するソレノイド回路90111などが搭載されている。
演出制御基板9012は、主基板9011とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置905、スピーカ908L、908R、遊技効果ランプ909、演出用点灯役物9090、演出用可動部材9032A、9032Bといった演出用の電気部品による演出の進行を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板9012は、画像表示装置905における表示態様や、遊技効果ランプ909および演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDなどにおける点灯態様の全部または一部、スピーカ908L、908Rからの音声出力態様の全部または一部、演出用可動部材9032A、9032Bの動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作などを実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
ランプドライバ基板9013は、演出制御基板9012とは別個に設けられたランプ駆動信号生成用の基板であり、演出制御基板9012からのランプ制御信号に基づき、遊技効果ランプ909および演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDなどの点灯と消灯を切替可能にする駆動信号が生成されるドライバ回路などを含んでいればよい。モータドライバ基板9014は、演出制御基板9012とは別個に設けられたモータ駆動信号生成用の基板であり、演出制御基板9012からのモータ制御信号に基づき、可動部材駆動モータ9033A、9033Bの回転、停止、回転速度、回転角度(位相)などを切替可能にする駆動信号が生成されるドライバ回路などを含んでいればよい。可動部材駆動モータ9033Aは演出用可動部材9032Aと所定のリンク機構を介して連結され、演出用可動部材9032Aの動作や位置を変更可能にする動力を供給できればよい。可動部材駆動モータ9033Bは演出用可動部材9032Bと所定のリンク機構を介して連結され、演出用可動部材9032Bの動作や位置を変更可能にする動力を供給できればよい。
図50に示すように、主基板9011には、ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023からの検出信号を伝送する配線が接続されている。ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。ゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023に加え、主基板9011に接続する他のスイッチ(例えば、ガラス扉の開閉状態を検知するスイッチ、遊技盤902自体の開閉状態を検知するスイッチ、不正な振動を検知するためのスイッチ、不正な電磁波を検知するためのスイッチ)が設けられてもよい。主基板9011には、第1特別図柄表示装置904A、第2特別図柄表示装置904B、普通図柄表示器9020、第1保留表示器9025A、第2保留表示器9025B、普図保留表示器9025Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板9011から演出制御基板9012に向けて伝送される制御信号は、中継基板9015によって中継される。中継基板9015を介して主基板9011から演出制御基板9012に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置905における画像表示内容を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ908L、908Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ909や演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDの点灯態様などを制御するために用いられるランプ制御コマンド、可動部材駆動モータ9033A、9033Bの動作などを制御するために用いられるモータ制御コマンドなどが含まれている。
主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)90101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)90102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)90103と、CPU90103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路90104と、I/O(Input/output port)90105とを備えて構成される。ROM90101は、読出専用の半導体メモリとして構成されたものであればよい。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ90100では、CPU90103がROM90101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU90103がROM90101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU90103がRAM90102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU90103がRAM90102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU90103がI/O90105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。乱数回路90104は、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。
主基板9011では、パチンコ遊技機901における遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100の乱数回路90104、あるいは、RAM90102の所定領域に設けられた遊技用ランダムカウンタなどにより、生成可能であればよい。このように、遊技用乱数は、乱数回路90104などのハードウェアによって一部または全部が更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ90100のCPU90103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって一部または全部が更新されるものであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ90100が備えるROM90101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM90101には、CPU90103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM90101には、CPU90103が主基板9011から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図51は、演出制御基板9012に搭載された各種回路の構成例を示している。図51に示す演出制御基板9012には、入力回路90121、メモリコントローラ90122、演出データメモリ90123、CPU90131、ROM90132、RAM90133、ウォッチドッグタイマ90134、VDP90135、音声処理回路90136、ランプ制御回路90137、モータ制御回路90138が搭載されている。VDP90135は、命令デコーダ90141、デマルチプレクサ90142、映像デコーダ90143、VRAM90144、表示駆動回路90145を備えている。音声処理回路90136は、音声デコーダ90151を備えている。図51に示す構成の一部または全部は、演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。例えば、CPU90131、VDP90135、音声処理回路90136、ランプ制御回路90137、モータ制御回路90138を統合化した演出制御用のマイクロプロセッサが用いられてもよい。
入力回路90121は、中継基板9015を介して主基板9011から伝送された演出制御コマンドを受信するためのバッファ回路などを備えていればよい。メモリコントローラ90122は、CPU90131やVDP90135から供給される要求信号に応じて、演出データメモリ90123の記憶データに対する各種処理を実行する。演出データメモリ90123は、画像表示装置905における表示画像を示す各種の画像データ(画像要素データ)を予め記憶している。演出データメモリ90123が記憶する画像データには、静止画像データと動画像データとが含まれていればよい。静止画像データとして、画像表示装置905の画面上において可変表示される複数種類の飾り図柄といった、複数種類の演出画像に対応した複数種類の画像要素データとなるスプライト画像データが用意されていればよい。また、画像表示装置905の画面上に表示されるキャラクタ、具体的には、人物、文字、図形や記号など、および背景画像の画像データが、予め演出データメモリ90123に記憶されていればよい。画像データの他にも、演出データメモリ90123には、スピーカ908L、908Rによる音声出力に用いられる音声データの一部または全部が記憶されていればよい。演出データメモリ90123には、遊技効果ランプ909や演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDなどに対する点灯駆動に用いられるランプ駆動データの一部または全部が記憶されていればよい。演出データメモリ90123には、可動部材駆動モータ9033A、9033Bに対する回転駆動に用いられるモータ駆動データの一部または全部が記憶されていればよい。演出データメモリ90123は、例えばNAND型フラッシュメモリといった、電気的に消去や書込あるいは書換などが可能な不揮発性の半導体メモリであればよい。ただし、パチンコ遊技機901における演出の進行が制御される通常使用の状態では、演出データメモリ90123は読出専用の記憶装置として使用される。メモリコントローラ90122は、例えば512バイトのセクタがデータ転送の最小単位である場合に、512バイトの整数倍のサイズのデータを、演出データメモリ90123から読出可能であればよく、演出データメモリ90123に対して書込可能であればよい。
メモリコントローラ90122は、CPU90131からの要求信号に対応するセクタデータを、演出データメモリ90123から読み出す。メモリコントローラ90122は、読み出したセクタデータに対し、エラー検出やエラー訂正を行うことができればよい。セクタデータのエラー検出では、エラービット数やエラービット位置を特定する。このときには、エラー訂正が可能か否かを判定する。エラー訂正が可能な場合には、エラー訂正を実行して、セクタデータをRAM90133やVRAM90144などに転送して格納できればよい。演出データメモリ90123には、消去単位ブロックの管理情報が記憶されていればよい。消去単位ブロックは、演出データメモリ90123の記憶データを消去する場合の消去単位である。消去単位ブロックの管理情報は、各消去単位ブロックにおいて実行された消去処理の回数を示す情報を含んでいればよい。メモリコントローラ90122は、セクタデータを含む消去単位ブロックの管理情報を読み出し、エラービット数の情報などに基づいて、演出データメモリ90123におけるセクタデータのメモリセルをリフレッシュ(データリフレッシュ)するか否かを判定する。
演出データメモリ90123では、記憶データの消去やリードディスターブなどの要因により、メモリセルの劣化が発生する。リードディスターブは、演出データメモリ90123の記憶データに対する読出回数が増加した場合に、メモリセルのフローティングゲートに蓄積された電子が徐々に引き抜かれて、トランジスタのしきい値電圧が変化することにより発生する。また、リードディスターブが発生しない場合でも、メモリセルのフローティングゲートに蓄積された電子は、極めてゆっくりとした速度で徐々に放出されて、トランジスタのしきい値電圧を変化させるデータリテンションが発生する場合もある。リードディスターブやデータリテンションによるメモリセルの劣化は、メモリセルをリフレッシュすることにより回復可能である。記憶データの消去によるメモリセルの劣化は、メモリセルの余命を減少させ、メモリセルをリフレッシュしても回復不能となる場合がある。この場合、回復不能となったメモリセルを含むブロックを不良ブロック(不良エリア)とし、別個に設けられた代替ブロック(代替エリア)にデータ移転する代替処理が実行される。
CPU90131は、演出制御用のコンピュータプログラムに従って制御処理を実行する。ROM90132は、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶する。RAM90133は、CPU90131のワークエリアを提供する。ウォッチドッグタイマ90134は、内蔵レジスタの設定に基づいてカウントアップまたはカウントダウンするカウンタ回路を有し、計測時間が監視時間(タイムアウト時間)を経過してタイムアウトが発生したときに、時間経過信号となるタイムアウト信号を発生させる。タイムアウト信号は、CPU90131をリセット状態にして再起動させる信号であればよい。ウォッチドッグタイマ90134は、ROM90132のプログラム管理エリアに記憶されるリセット設定により、起動方法が設定されてもよい。ウォッチドッグタイマ90134は、内蔵レジスタに含まれるWDTスタートレジスタに格納されるWDTスタートデータに応じて、タイムアウト時間の経過によるリセット動作を有効化または無効化できればよい。ウォッチドッグタイマ90134は、内蔵レジスタに含まれるWDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータが順番に書き込まれることにより、カウンタ回路の格納値であるカウント値をクリアして、カウント動作をリスタートさせる。CPU90131は、WDTクリアレジスタにWDTクリアデータを定期的に設定すれば、ウォッチドッグタイマ90134をクリアしリスタートさせることができる。その一方で、何らかの障害などによりCPU90131の処理に遅延が発生して、ウォッチドッグタイマ90134をクリアできずに計測時間が監視時間を経過したときには、タイムアウト信号が発生してCPU90131がリセットされる。
CPU90131は、ROM90132から読み出した演出制御用のプログラムに従って、演出用の電気部品による演出の進行を制御するための処理を実行する。この処理には、例えばCPU90131がROM90132から固定データを読み出す固定データ読出処理や、CPU90131がRAM90133に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込処理、CPU90131がRAM90133に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出処理、CPU90131が外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、CPU90131が外部へと各種信号を出力する送信処理、あるいは、これらの処理の一部または全部を含んでいてもよい。
ROM90132には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM90132には、CPU90131が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御パターンや演出制御実行データの一部または全部は、ディスプレイリストとして構成されていてもよい。ディスプレイリストは、VDP90135に実行させる一連の転送命令などを画像処理の順番などにあわせて記述した命令群のデータである。ディスプレイリストには、表示制御用の命令群、音声制御用の命令群、ランプ制御用の命令群、モータ制御用の命令群が、混在して含まれていてもよい。このようなディスプレイリストを用いて演出の進行を制御することにより、演出用の電気部品を連携して制御できればよい。RAM90133には、演出用の電気部品を制御するために用いられるプログラムや各種データが記憶される。CPU90131は、ROM90132に格納されているプログラムやデータの読出時間よりも短い読出時間で、RAM90133に記憶されたプログラムやデータを読み出すことができればよい。
VDP90135は、CPU90131からの表示制御指令やレジスタ設定などに基づいて、画像表示装置905における画像表示の制御内容を決定する。例えばVDP90135は、画像表示装置905の画面上に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。VDP90135は、高速描画機能や動画像データ分離機能、映像デコード機能といった画像データ処理機能を有する画像プロセッサである。なお、VDP90135は、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。
VDP90135は、命令デコーダ90141、デマルチプレクサ90142、映像デコーダ90143、VRAM90144、表示駆動回路90145を含んで構成されていればよい。命令デコーダ90141は、CPU90131からの表示制御指令に含まれる命令部(命令コード)を解読して、解読結果に応じた画像処理などを指示する。例えば解読結果に含まれる表示制御用の命令群は、VDP90135の内部回路に供給される。また、解読結果に含まれる音声制御用の命令群は音声処理回路90136に供給されてもよい。解読結果に含まれるランプ制御用の命令群はランプ制御回路90137に供給されてもよい。解読結果に含まれるモータ制御用の命令群はモータ制御回路90138に供給されてもよい。デマルチプレクサ90142は、演出データメモリ90123から読み出された動画像データが入力され、映像データと音声データとに分離して出力する。デマルチプレクサ90142から出力された映像データは、映像デコーダ90143に入力される。デマルチプレクサ90142から出力された音声データは、音声処理回路90136の音声デコーダ90151に入力される。映像デコーダ90143は、圧縮符号化された映像データを伸張して出力する。映像デコーダ90143から出力された映像データは、VRAM90144の所定領域に記憶される。VRAM90144は、画像データを一時記憶して、VDP90135による画像データ処理のワークエリアを提供する。VRAM90144には、例えばパレットデータが配置されるパレット領域、キャラクタ画像データが格納されるキャラクタ用バッファ、CG用バッファなどの各領域を提供できればよい。CG用バッファは、VDP90135による描画処理が実行されるときにキャラクタの表示色が定義されたパレットデータを一時的に保存したり、描画処理により作成される演出画像の表示データを一時的に保存したりするために用いられる。
VRAM90144の内部またはVRAM90144とは別個のメモリモジュールには、フレームバッファが設けられる。フレームバッファは、VDP90135による描画処理で作成される演出画像の表示データなどが展開記憶される仮想表示領域を提供する。フレームバッファに記憶される表示データは、例えばポイント、ライン、ポリゴンなどのベクトルデータ(ベクタデータ)などに基づいてVDP90135が作成したピクセルデータ(ラスタデータ)などであればよい。なお、フレームバッファには、例えば画像表示装置905の画面上に表示される各種画像の表示データを記憶する実表示領域と、画像表示装置905の画面上には表示されない各種画像の表示データを記憶する仮想表示領域とが含まれていてもよい。あるいは、フレームバッファの仮想表示領域にて画像表示装置905の表示画面と同じ大きさの画面表示を行うための表示データが作成され、VDP90135により読み出された仮想表示領域の表示データが表示駆動回路90145へと供給されることで、画像表示装置905の側に出力されるようにしてもよい。フレームバッファの記憶領域には、画像表示領域と、画像描画領域とが割り当てられる。画像表示領域には、画像表示装置905の画面上に演出画像を表示させるための表示データが格納される。画像描画領域には、描画処理により作成された各演出画像の表示データが格納される。画像表示領域と画像描画領域は、Vブランクが発生するごとに互いに切り替わるようにしてもよい。Vブランクは、画像表示装置905の画面上に表示される画像を更新する周期で発生する。Vブランクが開始されるごとに、VDP90135からCPU90131に対してVブランク割込信号が出力されるとともに、その他各種割込信号が、VDP90135からCPU90131に対して出力される。Vブランクが発生するごとに画像表示領域と画像描画領域とを切り替えることで、あるVブランク周期(第1描画表示期間)において画像描画領域として割り当てられた記憶領域では各演出画像の表示データを作成する描画処理が行われるとともに、次のVブランク周期(第2描画表示期間)おいては、この記憶領域が画像表示領域に切り替わる。したがって、第1描画表示期間における描画処理で作成された表示データは、第2描画表示期間にて画像表示装置905に向けて出力され、また、第2描画表示期間にて画像描画領域が割り当てられた記憶領域では、描画処理で作成された表示データの格納が行われることになる。
表示駆動回路90145は、画像表示装置905の画面上に各種画像を表示させる信号を出力するための回路である。表示駆動回路90145は、VDP90135が作成した表示データに応じた色信号(階調制御信号)とともに、所定のクロック信号(ドットクロック信号)や走査信号(駆動制御信号)を画像表示装置905に出力すればよい。
音声処理回路90136は、CPU90131やVDP90135からの命令やレジスタ設定に基づいて、スピーカ908L、908Rを用いた音声出力を可能にする音声信号を生成する。音声処理回路90136の音声デコーダ90151には、VDP90135のデマルチプレクサ90142から出力された音声データが入力される。音声デコーダ90151は、圧縮符号化された音声データを伸張して、音声信号を生成可能にする。また、音声処理回路90136は、動画像データに含まれない音声データを予め記憶可能な音声データメモリを含んでいてもよい。音声処理回路90136は、CPU90131やVDP90135からの命令やレジスタ設定に基づいて、音声データメモリから読み出した音声データを伸張するなどして、音声信号を生成してもよい。
ランプ制御回路90137は、遊技効果ランプ909や演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDといった発光部材の点灯、消灯、点滅などの点灯態様(発光態様)を制御する。ランプ制御回路90137は、CPU90131やVDP90135からの命令やレジスタ設定に基づいて、ランプ制御データを生成し、ランプドライバ基板9013へと出力する。モータ制御回路90138は、可動部材駆動モータ9033A、9033Bの回転、停止、回転速度、回転角度(位相)などの作動状態を制御する。モータ制御回路90138は、CPU90131やVDP90135からの命令やレジスタ設定に基づいて、モータ制御データを生成し、モータドライバ基板9014へと出力する。
演出制御基板9012では、演出の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出の進行を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、演出制御用マイクロコンピュータに内蔵または外付の乱数回路、あるいは、RAM90133の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタなどにより、生成可能であればよい。一例として、演出制御基板9012の側では、飾り図柄の可変表示における停止図柄決定用の乱数値や、予告演出決定用の乱数値といった、各種の演出決定用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。
パチンコ遊技機901においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機901における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。この遊技球が普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図50に示す第1始動口スイッチ9022Aによって検出されたことなどに基づいて第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて第1開始条件が成立する。第1開始条件が成立することで、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
遊技領域に向けて発射された遊技球が、普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)すると、その遊技球が図50に示す第2始動口スイッチ9022Bによって検出される。第2始動口スイッチ9022Bによって遊技球が検出されたことに基づいて、第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどに基づいて、第2開始条件が成立する。第2開始条件が成立することで、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される。なお、普通可変入賞球装置906Bが第2可変状態としての通常開放状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
普通可変入賞球装置906Bでは、普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに基づいて、電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。開放制御や拡大開放制御により、普通可変入賞球装置906Bが第1可変状態としての拡大開放状態であるときに、第2始動入賞口を遊技球が通過容易または通過可能になる。普通図柄表示器9020による普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件は、通過ゲート9041を通過した遊技球が図50に示すゲートスイッチ9021によって検出されたことに基づいて成立する。普図始動条件が成立した後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器9020による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。
第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図50に示す主基板9011の遊技制御用マイクロコンピュータ90100から演出制御基板9012に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置905の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rで可変表示される飾り図柄は、それぞれ左図柄、中図柄、右図柄ともいう。
第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置905において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として、予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、予め定められたハズレ図柄が導出表示されたときには可変表示結果が「ハズレ」(非特定表示結果)となる。可変表示結果が「大当り」となったことに基づいて、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置905の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置907が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、例えば29.5秒間あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ9023により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「16」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機901は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて遊技状態が確変状態となり、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変制御が行われることがある。確変状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されること、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の確変終了条件が成立するまで継続するように制御される。なお、確変終了条件は、可変表示の実行回数にかかわらず、次回の大当り遊技状態が開始されるときに成立するようにしてもよい。大当り遊技状態が終了した後には遊技状態が時短状態となり、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短制御が行われることがある。時短状態は、所定回数(例えば100回)の可変表示が実行されたこと、または可変表示の実行回数が所定回数に達する以前に大当り遊技状態が開始されることなど、所定の時短終了条件が成立するまで継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置906Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器9020による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置906Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(「有利遊技状態」ともいう)となる。なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。
画像表示装置905において、最終停止図柄(例えば左図柄、中図柄、右図柄のうちの中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して大当り組合せと一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出を、リーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出が含まれる可変表示をリーチ可変表示という。リーチ態様は、飾り図柄の変動パターンなどに対応して予め複数種類が用意されており、リーチ態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。リーチ演出のうちには、ノーマルのリーチ演出と、ノーマルのリーチ演出よりも大当り期待度が高いスーパーリーチのリーチ演出とが含まれていればよい。そして、画像表示装置905の画面上で変動表示される図柄の表示結果が大当り組合せでない場合には「ハズレ」となり、変動表示状態は終了する。
画像表示装置905の画面上における液晶表示の演出として飾り図柄の可変表示が行われる。加えて、画像表示装置905の画面上では、例えばキャラクタ画像を用いる演出や、大当り判定と変動パターンの判定結果などに基づいて報知画像を表示するような演出も実行される。特別図柄や飾り図柄の可変表示が行われている可変表示中に実行される各種の演出は、「可変表示中演出」ともいう。可変表示中演出の一例として、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性や、スーパーリーチのリーチ演出が実行される可能性、可変表示結果が「大当り」となる可能性などを、遊技者に予め示唆するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告演出パターンが予め用意されている。
第1特別図柄表示装置904Aまたは第2特別図柄表示装置904Bにハズレ図柄が停止表示(導出)されて可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、可変表示態様が「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)となる場合と、可変表示態様が「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)となる場合とが含まれている。可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態とならずに、リーチにならない所定の飾り図柄の組合せ(非リーチ組合せ)が停止表示(導出)される。可変表示態様が「リーチ」となる場合には、飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り組合せとはならない所定の飾り図柄の組合せ(リーチハズレ組合せ)が停止表示(導出)される。
パチンコ遊技機901において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機901で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機901において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
次に、この実施例におけるパチンコ遊技機901の動作(作用)を説明する。
主基板9011では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ90100が起動し、CPU90103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU90103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM90102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU90103へ送出され、CPU90103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機901の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU90103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、遊技制御プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機901における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路90110を介してゲートスイッチ9021、第1始動口スイッチ9022A、第2始動口スイッチ9022B、カウントスイッチ9023といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機901の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機901の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板9011の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる遊技制御プロセス処理では、RAM90102に設けられた遊技プロセスフラグの値をパチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置907における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器9020における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置906Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板9011から演出制御基板9012などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM90102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O90105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板9012に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図52は、遊技制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図52に示す遊技制御プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90100のCPU90103は、まず、始動入賞が発生したか否かを判定する(ステップS9011)。一例として、ステップS9011では、第1始動口スイッチ9022Aや第2始動口スイッチ9022Bから伝送される検出信号となる始動入賞信号の入力状態(オン/オフ)をチェックして、オン状態であれば始動入賞が発生したと判定すればよい。
ステップS9011にて始動入賞が発生した場合には(ステップS9011;Yes)、入賞時乱数を格納する(ステップS9012)。一例として、ステップS9012の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵(または外付)の乱数回路90104や、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられたランダムカウンタ、遊技制御用マイクロコンピュータ90100においてRAM90102とは別個に設けられた内部レジスタを用いて構成されたランダムカウンタなどのうち、少なくとも一部により更新される遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値)を示す数値データの一部または全部を抽出する。このとき抽出された乱数値は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた保留用乱数値記憶部などに、保留番号と対応付けた保留データとして記憶されればよい。
ステップS9012の処理に続いて、始動入賞時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS9013)。一例として、ステップS9013の処理では、始動入賞の発生を通知する始動入賞指定コマンドを、演出制御基板9012に対して送信するための設定が行われればよい。ステップS9011にて始動入賞が発生していない場合や(ステップS9011;No)、ステップS9013の処理を実行した後には、遊技プロセスフラグの値を判定する(ステップS9021)。そして、遊技制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から、判定値に応じた処理を選択して実行する。
例えば、遊技プロセスフラグの値が“0”であるときには、図柄の可変表示(可変表示ゲーム)が開始可能であるか否かを判定する(ステップS90101)。一例として、ステップS90101の処理では、保留用乱数値記憶部の記憶内容をチェックすることなどにより、可変表示ゲームの保留数が「0」であるか否かを判定する。このとき、保留数が「0」以外である場合には、可変表示の始動条件が成立した後、未だ開始条件が成立していない可変表示の保留が行われていることから、可変表示が開始可能であると判定する。これに対して、保留数が「0」である場合には、可変表示が開始不可能であると判定する。可変表示が開始不可能であるときには(ステップS90101;No)、遊技制御プロセス処理を終了する。
ステップS90101にて可変表示が開始可能であるときには(ステップS90101;Yes)、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定する(ステップS90102)。特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果は、特図表示結果と称される。ステップS90102の処理では、保留用乱数値記憶部において先頭(保留番号が最小の記憶領域)に記憶されている遊技用乱数(可変表示結果決定用の乱数値、遊技状態決定用の乱数値、変動パターン決定用の乱数値など)を読み出す。保留用乱数値記憶部から読み出した遊技用乱数は、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた可変表示用乱数バッファなどに一時記憶させておけばよい。そして、可変表示結果決定用の乱数値と可変表示結果決定テーブルとを用いて、可変表示結果を「大当り」とするか否かを所定割合で決定する。ここで、パチンコ遊技機901における遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態であるときよりも高い割合で、可変表示結果が「大当り」に決定されるように、可変表示結果決定テーブルにおける判定値が設定されていればよい。
ステップS90102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときには、さらに遊技状態決定用の乱数値と遊技状態決定テーブルとを用いて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態といった特別遊技状態とするか否かの決定を行う。これらの決定結果に対応して、可変表示結果として導出表示される確定図柄を決定すればよい。
ステップS90102の処理に続いて、内部フラグなどの設定を行う(ステップS90103)。一例として、ステップS90103の処理では、ステップS90102の処理にて可変表示結果が「大当り」に決定されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする。また、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた確変確定フラグをオン状態にセットするなどして、確変状態となることを特定可能に記憶しておいてもよい。その後、遊技プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS90104)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“1”であるときには、変動パターンなどを決定する(ステップS90111)。図53は、パチンコ遊技機901において用いられる変動パターンの設定例を示している。各変動パターンは、可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定図柄が導出表示されるまでの所要時間(可変表示時間)や演出態様の概略を特定可能に示している。この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、画像表示装置905において可変表示される飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における変動時間(可変表示時間)ごとに、予め複数パターンが用意されている。したがって、変動パターンを決定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間を決定することができる。
ステップS90111の処理では、可変表示用乱数バッファに一時記憶されている変動パターン決定用の乱数値と変動パターン決定テーブルとを用いて、使用パターンとなる変動パターンを所定割合で決定する。このときには、各変動パターンの決定割合を、可変表示結果が「大当り」に決定されたか否かに応じて異ならせることにより、各変動パターンに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を異ならせることができる。
また、ステップS90111の処理では、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合の変動パターンを決定することにより、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。あるいは、変動パターンを決定するより前に、リーチ決定用の乱数値とリーチ決定テーブルとを用いて、飾り図柄の可変表示状態を「リーチ」とするか否かを決定するようにしてもよい。すなわち、ステップS90111の処理では、可変表示結果やリーチ有無の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定することができればよい。
ステップS90111の処理に続いて、可変表示開始時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS90112)。一例として、ステップS90112の処理では、可変表示の開始を指定する可変表示開始コマンドとして、可変表示結果を通知する可変表示結果通知コマンドや、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを通知する変動パターン指定コマンドなどを、送信するための設定が行われればよい。また、可変表示の開始により保留数が減少することに対応して、減少後の保留数を通知する保留数通知コマンドを送信するための設定が行われてもよい。
ステップS90112の処理により変動パターンが決定されたことに対応して、可変表示時間が設定される。また、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bのいずれかによる特別図柄の可変表示を開始させるための設定が行われてもよい。一例として、第1特別図柄表示装置904Aと第2特別図柄表示装置904Bのいずれかに対して所定の駆動信号を伝送することにより、図柄の可変表示が開始されればよい。いずれの特別図柄表示装置における特別図柄を用いた特図ゲームを実行するかは、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、設定されればよい。より具体的には、第1始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置904Aによる特図ゲームが行われる。一方、第2始動入賞口を遊技球が通過したことに基づいて、第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームが行われる。その後、遊技プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS90113)、遊技制御プロセス処理を終了する。
遊技プロセスフラグの値が“2”であるときには、可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90121)。そして、可変表示時間が経過していない場合には(ステップS90121;No)、特別図柄の可変表示制御を行ってから(ステップS90122)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示時間が経過した場合には(ステップS90121;Yes)、特別図柄の可変表示を停止させ、確定図柄を導出表示させる制御を行う(ステップS90123)。
ステップS90123の処理に続いて、可変表示終了時に対応した各種の制御コマンドを送信する(ステップS90124)。一例として、ステップS90124の処理では、可変表示の終了(停止)を指示する可変表示終了コマンドや、可変表示結果が「大当り」の場合に大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(ファンファーレコマンド)などを、送信するための設定が行われればよい。
ステップS90124の処理を実行した後には、可変表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS90125)。そして、可変表示結果が「大当り」である場合には(ステップS90125;Yes)、遊技プロセスフラグの値を“3”に更新してから(ステップS90126)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、可変表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合には(ステップS90125;No)、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS90127)、遊技制御プロセス処理を終了する。なお、ステップS90127の処理が実行されるときには、確変状態や時短状態を終了させるか否かの判定を行い、所定条件の成立に基づき終了させると判定したときに、これらの遊技状態を終了して通常状態に制御するための設定が行われてもよい。
遊技プロセスフラグの値が“3”であるときには、所定の大当り終了条件が成立したか否かに応じて、大当り遊技状態を終了させるか否かを判定する(ステップS90131)。大当り終了条件は、例えば大当り遊技状態において実行されるラウンドがすべて終了したことなどであればよい。大当り遊技状態を終了させない場合には(ステップS90131;No)、大当り時における遊技動作制御を行ってから(ステップS90132)、遊技制御プロセス処理を終了する。これに対して、大当り遊技状態を終了させる場合には(ステップS90131;Yes)、大当り終了後の遊技状態を制御するための設定を行う(ステップS90133)。
一例として、ステップS90133の処理では、確変確定フラグがオンであるか否かを判定し、オンである場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAM90102の所定領域に設けられた確変フラグをオン状態にセットする。これにより、可変表示結果を「大当り」とすることに決定したときに、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を確変状態とすることが決定された場合には、この決定結果に対応して遊技状態を確変状態に制御することができる。時短状態に制御する場合にも、これに相当する設定が行われればよい。その後、遊技プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS90134)、遊技制御プロセス処理を終了する。
次に、演出制御基板9012における動作を説明する。演出制御基板9012では、電源基板等から電源電圧の供給を受ける。起動用の電力供給が開始された演出制御基板12では、CPU90131が演出制御メイン処理を実行する。
図54は、演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。図54に示す演出制御メイン処理において、CPU90131は、まず、初期化処理を実行する(ステップS9051)。ステップS9051の初期化処理では、例えばRAM90133における記憶領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御用のタイマ割込みを発生させるCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定などが行われる。また、ステップS9051の初期化処理により、ウォッチドッグタイマ90134におけるタイムアウト値の設定や計測開始の設定が行われてもよい。
ステップS9051の初期化処理に続いて、電源投入時のメモリ検査設定を行う(ステップS9052)。例えばCPU90131は、メモリコントローラ90122に対して検査要求信号を供給する。メモリコントローラ90122は、検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモリ検査処理を実行することにより、演出データメモリ90123の記憶データを検査する。ステップS9052における設定の後には、メモリ検査のインターバル設定を行う(ステップS9053)。例えばCPU90131は、メモリコントローラ90122による検査結果に基づいて、次回のメモリ検査処理を実行するまでのインターバル(待機時間)を設定すればよい。次に、電源投入時に対応して、初期演出データとして予め定められた演出データの転送設定を行う(ステップS9054)。例えばCPU90131は、電源投入時に対応して用意された転送要求信号を、メモリコントローラ90122に対して供給する。メモリコントローラ90122は、転送要求信号が供給されたことに基づいて、演出データメモリ90123に格納されて各種の演出装置による演出の実行に用いられるプログラムおよびデータのうちで、予め定められた初期データ(プログラムモジュールを構成するバイナリコードを含む)を、RAM90133やVDP90135のVRAM90144などへと転送する。また、CPU90131は、ROM90132に格納されたプログラムやデータのうちで、予め定められた初期データを、RAM90133やVDP90135のVRAM90144などへと転送してもよい。
その後、演出制御メイン処理において演出用乱数更新処理(ステップS9055)が実行され、演出用乱数となる乱数値を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。演出用乱数は、演出制御に用いる各種の乱数値としてカウントされる。なお、演出制御基板9012にて演出制御用マイクロコンピュータに内蔵または外付された乱数回路を用いて、ハードウェアにより更新される演出用乱数については、演出用乱数更新処理では更新されなくてもよい。あるいは、ハードウェアにより更新される乱数値を示す数値データを用いて、ソフトウェアにより演出用乱数が更新されてもよい。
演出用乱数更新処理を実行した後には、タイマ割込みが発生したか否かを判定する(ステップS9056)。ステップS9056では、例えばCTCに含まれるタイマ回路から出力されるタイマ割込み信号がオンであるときに、タイマ割込みが発生したと判定すればよい。あるいは、例えばRAM90133の所定領域に設けられたタイマ割込みフラグがオンであるときに、タイマ割込みが発生したと判定してもよい。タイマ割込みが発生した場合には、例えばCTCに含まれるタイマ回路をリスタートさせたり、タイマ割込みフラグをクリアしてオフとしたりすることにより、次回のタイマ割込みが発生するまでの時間計測を再開させてもよい。
ステップS9056にてタイマ割込みが発生していない場合には(ステップS9056;No)、ステップS9055の演出用乱数更新処理を繰返し実行する。これに対し、タイマ割込みが発生した場合には(ステップS9056;Yes)、演出制御用のタイマ割込み処理を実行する。演出制御用のタイマ割込み処理は、コマンド解析処理(ステップS9057)、演出制御プロセス処理(ステップS9058)、制御中メモリ検査処理(ステップS9059)、エラー報知処理(ステップS9060)、制御中演出データ転送処理(ステップS9061)を含んでいる。
CPU90131は、演出制御用のタイマ割込み処理の他に、コマンド受信用の割込み処理を実行可能である。コマンド受信用の割込み処理では、主基板9011から中継基板9015を介して伝送される演出制御コマンドを取得する。このとき取得した演出制御コマンドは、例えばRAM90133の所定領域などに設けられた受信コマンドバッファに一時記憶させればよい。ステップS9057のコマンド解析処理では、演出制御コマンドの受信があったか否かの判定が行われ、受信があった場合には受信コマンドに対応した設定や制御などが行われる。ステップS9058の演出制御プロセス処理では、演出用の電気部品による演出の進行を制御するために、主基板9011から送信された演出制御コマンドや演出の進行状況に応じた判定、決定、設定などが行われる。ステップS9059の制御中メモリ検査処理では、演出の進行を制御している演出制御中に、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過したことに応じて、演出データメモリ90123の記憶データを検査するための設定が行われる。ステップS9060のエラー報知処理では、パチンコ遊技機901における各種のエラー検出に基づいて、異常の発生を報知するための設定が行われる。ステップS9061の制御中演出データ転送処理では、演出の進行を制御している演出制御中に、演出データを転送するための設定が行われる。
図55は、演出制御プロセス処理として、図54のステップS9058にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図55に示す演出制御プロセス処理において、CPU90131は、始動入賞時演出設定(ステップS90161)を行った後に、RAM90133の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)などに記憶された演出プロセスフラグの値に応じて、演出制御用のコンピュータプログラムに予め記述された複数の処理から選択された処理を実行する。演出プロセスフラグの値に応じて実行される処理には、可変表示開始待ち処理(ステップS90170)、可変表示開始設定処理(ステップS90171)、可変表示中演出処理(ステップS90172)、特図当り待ち処理(ステップS90173)、大当り中演出処理(ステップS90174)、エンディング演出処理(ステップS90175)が含まれている。
図55に示すステップS90161の始動入賞時演出設定は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動口入賞時に、主基板9011から送信された演出制御コマンドの受信に応じて、始動入賞記憶表示エリア905Hでの保留表示を更新する設定が含まれていればよい。保留表示の更新とともに、スピーカ908L、908Rからの音声出力、遊技効果ランプ909や演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材9032A、9032Bにおける動作、これらの一部または全部の組合せにより、始動入賞の発生を報知してもよい。ステップS90161での設定は、始動入賞の発生を報知するための設定を含んでいればよい。
ステップS90170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理は、主基板9011から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、メイン画像表示装置905MAの画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置904Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置904Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。可変表示開始待ち処理において、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したと判定された場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS90171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置904Aや第2特別図柄表示装置904Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置905の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行された場合には、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS90172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。可変表示中演出処理において、CPU90131は、RAM90133の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。演出制御パターンから読み出された終了コードに基づいて表示制御を行うことにより、主基板9011からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板9012の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。可変表示中演出処理において、飾り図柄の可変表示結果を導出表示する制御などを行った後には、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS90173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。特図当り待ち処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板9011から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。大当り開始指定コマンドを受信したことにより、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始されると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される。これに対し、大当り開始指定コマンドを受信せずに待機時間が経過したことにより、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されないと判定した場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS90174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。大当り中演出処理において、CPU90131は、例えば大当り遊技状態であるときに実行される大当り中演出における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出制御を実行する。大当り中演出処理における演出制御には、演出画像を画像表示装置905の画面上に表示させるための制御、スピーカ908L、908Rから音声や効果音を出力させるための制御、遊技効果ランプ909や装飾用LEDの点灯態様を変更するための制御、その他の演出制御のうち、一部または全部が含まれていればよい。大当り中演出処理では、例えば主基板9011から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS90175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。エンディング演出処理において、CPU90131は、例えば大当り遊技状態が終了するときに実行されるエンディング演出(大当り終了演出)における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出制御を実行する。エンディング演出処理における演出制御により、演出画像の表示や音声の出力、各種発光部材の点灯や消灯あるいは点滅、その他の演出動作を制御して、大当り遊技状態の終了に対応したエンディング演出を実行可能にすればよい。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図56は、可変表示開始設定処理として、図55のステップS90171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図56に示す可変表示開始設定処理では、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などが決定される(ステップS90201)。最終停止図柄は、主基板9011から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて決定される。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」があればよい。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。非リーチ組合せの確定飾り図柄やリーチハズレ組合せの確定飾り図柄は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ組合せの確定飾り図柄に含まれる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、最終停止図柄は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて異なる(不一致の)飾り図柄となるように決定される。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、最終停止図柄は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア905L、905Rにて同一の(一致する)飾り図柄となるように決定される。可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、最終停止図柄は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて同一の(一致する)飾り図柄となるように決定される。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。さらに、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。
ステップS90201における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出を決定する(ステップS90202)。ステップS90202では、予告演出の有無と予告パターンとを決定できればよい。予告演出の有無は、予告演出を実行するか否かに対応している。予告パターンは、予告演出を実行する場合に決定され、複数種類の演出態様に対応して、複数の予告パターンが予め用意されていればよい。CPU90131は、乱数回路や演出用ランダムカウンタなどにより更新される予告演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM90132に予め記憶されて用意された予告決定テーブルを参照することなどにより、予告演出の有無と予告パターンを決定すればよい。
ステップS90202による決定の後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS90203)。例えば、CPU90131は、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する。また、CPU90131は、ステップS90202にて決定された予告パターンに対応して、複数用意された演出制御パターン(予告演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとして設定してもよい。なお、特図変動時演出制御パターン、予告演出制御パターンとして、別個の演出制御パターンを決定するものに限定されず、各演出の実行設定の組合せに対応した1の演出制御パターンを決定するものであってもよい。
ステップS90203により演出制御パターンが決定されると、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM90133の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS90204)。そして、画像表示装置905の画面上にて飾り図柄などの変動(可変表示)を開始させるための設定を行う(ステップS90205)。このときには、例えばステップS90203にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令をVDP90135に対して伝送させることなどにより、画像表示装置905の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS90205にて変動表示の開始設定を行った後には、可変表示開始時における保留表示の更新設定を行う(ステップS90206)。ステップS90206では、始動入賞記憶表示エリア905Hにおいて、実行が開始される可変表示に対応する保留表示を消去して、その他の保留表示を移動(シフト)させる。なお、実行が開始させる可変表示に対応する保留表示を、アクティブ表示エリアに移動(シフト)させ、アクティブ表示の更新が行われるようにしてもよい。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS90207)、可変表示開始設定処理を終了する。
図57は、可変表示中演出処理として、図55のステップS90172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図57に示す可変表示中演出処理では、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS90221)。このときに、可変表示時間が経過していないと判定された場合には(ステップS90221;No)、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新する(ステップS90222)。ステップS90222では、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。続いて、制御データ読出条件が成立したか否かを判定する(ステップS90223)。ステップS90223では、演出制御プロセスタイマのタイマ値が、演出制御パターンに設定されている演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かを判定する。演出制御プロセスタイマのタイマ値と判定値とが合致した場合には、制御データ読出条件が成立したと判定する。これに対し、演出制御プロセスタイマのタイマ値と判定値とが合致しない場合には、制御データ読出条件が成立していないと判定し(ステップS90223;No)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS90223にて制御データ読出条件が成立した場合には(ステップS90223;Yes)、対応する制御データを読み出す(ステップS90224)。ステップS90224では、演出制御パターンにおいて、演出制御プロセスタイマのタイマ値と合致した演出制御プロセスタイマ判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ、操作検出制御データなど)を読み出せばよい。その後、ステップS90224にて読み出した制御データが音声制御データを含むか否かを判定する(ステップS90225)。音声制御データを含むと判定した場合には(ステップS90225;Yes)、スピーカ908L、908Rによる音声出力を制御(音声制御)するための設定を行う(ステップS90226)。ステップS90226では、音声制御データに示される命令やレジスタ値を、VDP90135または音声処理回路90136に供給すればよい。
ステップS90225にて音声制御データを含まないと判定した場合や(ステップS90225;No)、ステップS90226の設定を行った後には、ステップS90224にて読み出した制御データがランプ制御データを含むか否かを判定する(ステップS90227)。ランプ制御データを含むと判定した場合には(ステップS90227;Yes)、各種の発光部材における点灯態様(発光態様)を制御(ランプ制御)するための設定を行う(ステップS90228)。ステップS90228では、ランプ制御データに示される命令やレジスタ値を、VDP90135またはランプ制御回路90137に供給すればよい。ステップS90227にてランプ制御データを含まないと判定した場合や(ステップS90227;No)、ステップS90228での設定を行った後には、ステップS90224にて読み出した制御データがモータ制御データを含むか否かを判定する(ステップS90229)。モータ制御データを含むと判定した場合には(ステップS90229;Yes)、可動部材用駆動モータ9033A、9033Bの作動状態を制御(モータ制御)するための設定を行う(ステップS90230)。ステップS90230では、モータ制御データに示される命令やレジスタ値を、VDP90135またはモータ制御回路90138に供給すればよい。
ステップS90229にてモータ制御データを含まないと判定した場合や(ステップS90229;No)、ステップS90230での設定を行った後には、ステップS90224にて読み出した制御データが表示制御データを含むか否かを判定する(ステップS90231)。表示制御データを含まないと判定した場合には(ステップS90231;No)、可変表示中演出処理を終了する。これに対し、表示制御データを含むと判定した場合には(ステップS90231;Yes)、メモリ検査中であるか否かを判定する(ステップS90232)。ステップS90232では、例えばRAM90133の所定領域(演出制御フラグ設定部)に設けられたメモリ検査中フラグがオンである場合に、メモリ検査中であると判定すればよい。メモリ検査中フラグは、図54および図58に示すステップS9059の制御中メモリ検査処理にてメモリ検査が開始されるときにセットされてオンとなり、メモリ検査が終了するとクリアされてオフとなればよい。
ステップS90232にてメモリ検査中ではないと判定された場合には(ステップS90232;No)、演出データ読出中であるか否かを判定する(ステップS90233)。ステップS90233では、例えばRAM90133の所定領域(演出制御フラグ設定部)に設けられた演出データ読出中フラグがオンである場合に、演出データ読出中であると判定すればよい。演出データ読出中フラグは、図54および図59に示すステップS9061の制御中演出データ転送処理にて演出データの読出中設定が行われるときにセットされてオンとなり、読出終了制御が行われるとクリアされてオフとなればよい。
ステップS90233にて演出データ読出中ではないと判定された場合には(ステップS90233;No)、画像表示装置905における表示態様を通常制御(通常表示制御)するための設定を行い(ステップS90234)、可変表示中演出処理を終了する。ステップS90234では、表示制御データに示される命令やレジスタ値を、VDP90135に供給すればよい。これに対し、ステップS90232にてメモリ検査中であると判定した場合(ステップS90232;Yes)、または、ステップS90233にて演出データ読出中であると判定した場合(ステップS90233;Yes)、画像表示装置905における表示態様を簡易制御(簡易表示制御)するための設定を行い(ステップS90235)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS90235では、例えばVRAM90144に記憶されている画像データのみを用いて簡易な表示を行うための設定が行われてもよい。メモリ検査中や演出データ読出中の場合には、演出データメモリ90123の記憶データをリアルタイムに読み出して画像表示に用いることができない。そこで、例えば複数種類の飾り図柄に対応した画像データ(スプライト画像データ)のように、初期データとしてVRAM90144に転送されて記憶される画像データを用いて、飾り図柄の可変表示などを行うようにしてもよい。その一方で、例えば動画像データを用いた動画像再生が行われるリーチ演出のように、演出データメモリ90123の記憶データを読み出す必要がある画像表示については、表示を行わずに表示停止としてもよい。なお、ステップS90232にてメモリ検査中であると判定した場合や、ステップS90233にて演出データ読出中であると判定した場合には、ステップS90235での設定を行うことなく、可変表示中演出処理を終了してもよい。これらの場合には、VRAM90144などに設けられたフレームバッファの記憶データが更新されないことで、画像表示装置905の画面上では、画像表示が更新されずに表示停止した状態になる可能性がある。あるいは、フレームバッファの記憶データが消去(クリア)されることで、画像表示装置905の画面上では、画像表示が行われずに表示停止(ブラックアウト)した状態になる可能性もある。
図57に示す可変表示中演出処理では、ステップS90232にてメモリ検査中であるか否かを判定し、ステップS90233にて演出データ読出中であるかを判定する。これらの判定に代えて、例えばメモリコントローラ90122から出力される読出待機信号がオンであるかオフであるかを判定してもよい。メモリコントローラ90122から出力される読出待機信号は、演出データメモリ90123の記憶データを読出中であるときと、演出データメモリ90123におけるメモリ検査を実行中であるときに、オンとなり、その他の期間ではオフとなる信号であればよい。
ステップS90221にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS90221;Yes)、主基板9011から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS90236)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS90236;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー発生が報知されるようにしてもよい。
ステップS90236にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS90236;Yes)、例えばVDP90135に対する命令やレジスタ値の供給により、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS90237)。続いて、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS90238)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS90239)、可変表示中演出処理を終了する。
図58は、制御中メモリ検査処理として、図54のステップS9059にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図58に示す制御中メモリ検査処理において、CPU90131は、メモリ検査中であるか否かを判定する(ステップS90251)。ステップS90251では、例えばメモリ検査中フラグがオンであるかオフであるかに応じて、メモリ検査中であるか否かを判定すればよい。ステップS90251にてメモリ検査中ではないと判定した場合には(ステップS90251;No)、メモリ検査のインターバルとなる待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS90252)。CPU90131は、例えばCTCに含まれるタイマ回路から出力されるタイムアウト信号がオンであるときに、メモリ検査のインターバルが経過したと判定すればよい。あるいは、CPU90131は、例えばRTC(リアルタイムクロック)を用いて特定される現在時刻が、メモリ検査のインターバルとして設定された時刻を経過したときに、メモリ検査のインターバルが経過したと判定すればよい。
ステップS90252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には(ステップS90252;Yes)、デモ表示中であるか否かを判定する(ステップS90253)。ステップS90253では、パチンコ遊技機901における遊技が進行しておらず、画像表示装置905の画面上にデモンストレーションとなる演出画像を表示するデモ表示が実行されているときに、デモ表示中であると判定すればよい。なお、ステップS90252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には、メモリ検査のインターバルが再度設定されるようにすればよい。ステップS90253にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS90253;No)、制御中検査待機時間として予め定められた所定時間(例えば10分間など)を設定し(ステップS90254)、制御中メモリ検査処理を終了する。ステップS90254にて制御中検査待機時間として設定される所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過した以後にデータリフレッシュやデータ移転が実行される場合に対応して、演出データメモリ90123の記憶データを正常に回復可能あるいは移転可能(代替可能)となるように、データリフレッシュやデータ移転が正常に実行できる範囲内で設定すればよい。例えば制御中検査待機時間となる所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行された演出データメモリ90123の読出回数に応じて、異なる時間が設定されてもよい。この場合には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに実行された演出データメモリ90123の読出回数が予め定められた回数判定値以上である場合には、回数判定値未満である場合よりも短い時間が設定されてもよい。あるいは、制御中検査待機時間となる所定時間は、メモリ検査のインターバルが経過するまでに発生したエラービット数に応じて、異なる時間が設定されてもよい。この場合には、メモリ検査のインターバルが経過するまでに検出されたエラービット数が予め定められたエラー判定値以上である場合には、エラー判定値未満である場合よりも短い時間が設定されてもよい。
ステップS90252にてメモリ検査のインターバルが経過していない場合には(ステップS90252;No)、ステップS90254にて設定された制御中検査待機時間が経過したか否かを判定する(ステップS90255)。制御中検査待機時間が経過していない場合には(ステップS90255;No)、デモ表示中となったか否かを判定する(ステップS90256)。ステップS90256にてデモ表示中ではないと判定した場合には(ステップS90256;No)、制御中メモリ検査処理を終了する。
ステップS90253にてデモ表示中であると判定した場合や(ステップS90253;Yes)、ステップS90255にて制御中検査待機時間が経過した場合(ステップS90255;Yes)、あるいは、ステップS90256にてデモ表示中であると判定した場合には(ステップS90256;Yes)、演出制御中において演出データメモリ90123の記憶データを検査する制御中メモリ検査を、メモリコントローラ90122に対して開始させるように制御する(ステップS90257)。例えばCPU90131は、メモリコントローラ90122に対して検査要求信号を供給する。メモリコントローラ90122は、検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモリ検査処理を実行することにより、演出データメモリ90123の記憶データを検査する。このときには、例えばメモリ検査中フラグをセットしてオンにするなど、メモリ検査中に対応する設定を行い(ステップS90258)、制御中メモリ検査処理を終了する。なお、ステップS90252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合には、ステップS90253にてデモ表示中であるか否かを判定することなく、ステップS90257に進み、直ちに制御中メモリ検査を開始させるようにしてもよい。
ステップS90251にてメモリ検査中であると判定した場合には(ステップS90251;Yes)、メモリ検査が完了したか否かを判定する(ステップS90259)。ステップS90259では、メモリコントローラ90122からメモリ検査の完了通知を受けた場合に、メモリ検査が完了したと判定すればよい。メモリ検査が完了していないと判定した場合には(ステップS90259;No)、制御中メモリ検査処理を終了する。これに対し、メモリ検査が完了したと判定した場合には(ステップS90259;Yes)、制御中メモリ検査の終了に対応する制御を行う(ステップS90260)。例えばCPU90131は、メモリ検査の実行により読出不可となっていた演出データを読み出させるために、メモリコントローラ90122やVDP90135などに命令やレジスタ値を供給してもよい。このときには、例えばメモリ検査中フラグをクリアしてオフにするなど、メモリ検査後に対応する設定を行い(ステップS90261)、制御中メモリ検査処理を終了する。
図59は、制御中演出データ転送処理として、図54のステップS9061にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図59に示す制御中演出データ転送処理において、CPU90131は、演出データ読出中であるか否かを判定する(ステップS90271)。ステップS90271では、例えば演出データ読出中フラグがオンであるかオフであるかに応じて、演出データ読出中であるか否かを判定すればよい。ステップS90271にて演出データ読出中ではないと判定した場合には(ステップS90271;No)、演出データ読出条件が成立したか否かを判定する(ステップS90272)。ステップS90272では、例えば演出制御パターンに含まれる演出制御実行データの内容から、演出データメモリ90123の記憶データをRAM90133やVRAM90144に転送する必要がある場合に、演出データ読出条件が成立したと判定すればよい。あるいは、メモリコントローラ90122やVDP90135から伝送される信号に基づいて、演出データメモリ90123の記憶データが読み出される場合に、演出データ読出条件が成立したと判定すればよい。
ステップS90272にて演出データ読出条件が成立していないと判定した場合には(ステップS90272;No)、通常時WDTクリア設定を行う(ステップS90273)。ステップS90273では、演出データメモリ90123の記憶データが読み出されない場合に対応して、ウォッチドッグタイマ90134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ90134をクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。例えばCPU90131は、WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に書き込むことで、ウォッチドッグタイマ90134を定期的にクリアすればよい。
ステップS90272にて演出データ読出条件が成立した場合には(ステップS90272;Yes)、演出データの読み出しを、メモリコントローラ90122に対して開始させるように制御する(ステップS90274)。例えばCPU90131は、メモリコントローラ90122に対して読出要求信号を供給する。なお、CPU90131がメモリコントローラ90122に読出要求信号を供給する場合に限定されず、例えばVDP90135がメモリコントローラ90122に読出要求信号を供給してもよい。メモリコントローラ90122は、読出要求信号が供給されたことに基づいて、演出データメモリ90123の記憶データを読み出し、RAM90133やVRAM90144に転送して格納させればよい。このときには、例えば演出データ読出中フラグをセットしてオンにするなど、演出データ読出中に対応する設定を行い(ステップS90275)、制御中演出データ転送処理を終了する。また、ステップS90275では、読出中クリア時間として予め定められた一定時間が設定される。
ステップS90271にて演出データ読出中であると判定した場合には(ステップS90271;Yes)、演出データの読出完了となったか否かを判定する(ステップS90276)。ステップS90276では、メモリコントローラ90122からデータ読出の完了通知を受けた場合に、演出データの読出完了であると判定すればよい。演出データの読出完了であると判定した場合には(ステップS90276;Yes)、演出データ読出の終了に対応する制御を行う(ステップS90277)。例えばCPU90131は、演出データ読出の実行により進行停止となっていた演出を進行再開させるために、VDP90135などに命令やレジスタ値を供給してもよい。このときには、例えば演出データ読出中フラグをクリアしてオフにするなど、演出データ読出後に対応する設定を行い(ステップS90278)、制御中演出データ転送処理を終了する。
ステップS90276にて演出データの読出完了ではないと判定した場合には(ステップS90276;No)、読出中クリア時間が経過したか否かを判定する(ステップS90279)。このとき、読出中クリア時間が経過していれば(ステップS90279;Yes)、読出中クリア回数が予め定められたクリア上限判定値に達しているか否かを判定する(ステップS90280)。読出中クリア回数は、ステップS90274での制御により演出データが読出開始となってから、ステップS90281の設定によりウォッチドッグタイマ90134がクリアされた回数を示している。例えばステップS90275では、読出中クリアカウンタのカウント初期値として「0」が設定され、ステップS90282の設定により、そのカウント値が1加算されるように更新すればよい。
ステップS90279にて読出中クリア時間が経過していない場合や(ステップS90279;No)、ステップS90280にてクリア上限判定値に達している場合には(ステップS90280;Yes)、制御中演出データ転送処理を終了する。これに対し、ステップS90280にてクリア上限判定値に達していない場合には(ステップS90280;No)、読出中WDTクリア設定を行う(ステップS90281)。ステップS90281では、演出データメモリ90123の記憶データが読み出されている場合に対応して、ウォッチドッグタイマ90134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ90134をクリアして、計測時間を初期化することでリスタートさせればよい。ステップS90281にて読出中WDTクリア設定が行われた場合には、読出中クリア回数を1加算するなどして更新し(ステップS90282)、制御中演出データ転送処理を終了する。
なお、ステップS90281における読出中WDTクリア設定では、ステップS90273における通常時WDTクリア設定の場合とは異なる周期で、ウォッチドッグタイマ90134をクリアするように設定されてもよい。例えば、ステップS90281における読出中WDTクリア設定では、ステップS90273における通常時WDTクリア設定の場合よりも長い周期で、ウォッチドッグタイマ90134をクリアする。この場合、ステップS90273における通常時WDTクリア設定は、毎回の設定によりウォッチドッグタイマ90134をクリアするのに対し、ステップS90281における読出中WDTクリア設定は、複数回の設定が行われることでウォッチドッグタイマ90134をクリアしてもよい。WDTクリアレジスタに複数のWDTクリアデータを順番に設定することによりウォッチドッグタイマ90134がクリアされるものでは、ステップS90273における通常時WDTクリア設定が1回行われたときに複数のWDTクリアデータをすべて順番に設定するのに対し、ステップS90281における読出中WDTクリア設定が1回行われたときには1のWDTクリアデータのみが設定され、複数回の読出中WDTクリア設定が繰り返されることで、複数のWDTクリアデータが順番に設定されるようにしてもよい。逆に、ステップS90281における読出中WDTクリア設定では、ステップS90273における通常時WDTクリア設定の場合よりも短い周期で、ウォッチドッグタイマ90134をクリアしてもよい。
このように、制御中演出データ転送処理では、ステップS90273の通常時WDTクリア設定が行われる場合に、ウォッチドッグタイマ90134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ90134による計測時間を初期化する。また、ステップS90274での制御により演出データの読み出しを開始した後、ステップS90276にて演出データの読出完了ではないと判定された場合には、ステップS90281の読出中WDTクリア設定が行われると、ウォッチドッグタイマ90134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ90134による計測時間を初期化する。これにより、演出データの読出時間が長期化した場合に、ウォッチドッグタイマ90134を適切にクリアしてCPU90131の不適切なリセットを抑制できるので、不具合の発生を防止できる。
図59に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS90271にて演出データ読出中であるか否かを判定することにより、演出データメモリ90123の記憶データを読み出している読出期間中であるか否かを判定する。この読出期間中にて、演出データメモリ90123におけるデータリフレッシュやデータ移転(代替処理)が実行される場合には、読出期間が長期化して、ステップS90273での通常時WDTクリア設定を行うことができなくなるおそれがある。そこで、ステップS90271にて演出データ読出中と判定されるとともに、ステップS90276にて演出データの読出完了ではないと判定された場合には、ステップS90281の読出中WDTクリア設定により、ウォッチドッグタイマ90134の監視時間が経過するより前に、ウォッチドッグタイマ90134による計測時間を初期化できるようにしている。この場合には、ステップS90280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達していないと判定されたときに、ステップS90281の読出中WDTクリア設定を行うことができる。ステップS90280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達したと判定された場合には、ステップS90281の読出中WDTクリア設定を行わないので、ウォッチドッグタイマ90134による計測時間の初期化が制限される。このように、読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した後には、ウォッチドッグタイマ90134の監視時間が経過したときに、時間経過信号となるタイムアウト信号を発生させて、CPU90131をリセット状態にして再起動する。なお、読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した場合には、ウォッチドッグタイマ90134の監視時間が経過するまで待機することなく、直ちにCPU90131をリセット状態にして再起動してもよい。例えばステップS90280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達したと判定されたときに、CPU90131のリセット割込みを発生させて、CPU90131をリセット状態にしてもよい。
図60は、メモリコントローラ90122によって実行されるメモリ検査処理の一例を示すフローチャートである。メモリコントローラ90122は、CPU90131からの検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモリ検査処理の実行を開始すればよい。このように、メモリコントローラ90122は、CPU90131からの信号供給を条件に、メモリ検査処理を実行できればよい。あるいは、メモリコントローラ90122は、CPU90131からの信号供給を条件とすることなく、電源投入時の設定や、メモリ検査のインターバルが終了したことなどに基づいて、メモリ検査処理を実行できるようにしてもよい。
図60に示すメモリ検査処理において、メモリコントローラ90122は、演出データメモリ90123などに記憶されているステータス情報を読み出す(ステップS90451)。ステータス情報は、消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管理情報、データリフレッシュの管理情報などを含んでいればよい。エラービット数の管理情報は、演出データメモリ90123からセクタデータが読み出されるごとに作成され、各セクタデータのエラー検出で特定されたエラービット数を示す情報であればよい。エラー訂正の管理情報は、演出データメモリ90123から読み出したセクタデータのエラー訂正が行われた場合に作成され、各セクタデータのエラー訂正ができたか否かを示す情報であればよい。データリフレッシュの管理情報は、演出データメモリ90123に記憶されたセクタデータのデータリフレッシュが行われた場合などに作成され、データリフレッシュが行われた回数や実行日時などを示す情報であればよい。
続いて、ステップS90451にて読み出したステータス情報の内容などに基づいて、データリフレッシュ条件が成立したか否かを判定する(ステップS90452)。例えば、エラービット数の管理情報に示されるエラービット数が、予め定められたエラーしきい値を超えているセクタデータがある場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定すればよい。また、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂正ができなかったセクタデータがある場合に、データリフレッシュ条件が成立したと判定してもよい。
ステップS90452にてデータリフレッシュ条件が成立した場合には(ステップS90452;Yes)、データリフレッシュを実行するための制御を行う(ステップS90453)。ステップS90453では、例えばデータリフレッシュの対象となるセクタデータを含む消去単位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正などを行って正しいデータを復元する。そして、記憶データを読み出した消去単位ブロックについて、記憶データを消去してから、復元した正しいデータを書き込むようにしてもよい。あるいは、記憶データを読み出した消去単位ブロックとは異なる消去単位ブロックに、復元した正しいデータを書き込むようにしてもよい。復元した正しいデータを書き込んだときには、書き込んだデータを再度読み出して、書込前のデータと比較することなどにより、正常にデータリフレッシュが終了したか否かを判定してもよい。
ステップS90452にてデータリフレッシュ条件が成立していない場合や(ステップS90452;No)、ステップS90453の制御を行った後には、データ移転条件が成立したか否かを判定する(ステップS90454)。例えば、エラー訂正の管理情報に示されるエラー訂正ができなかったセクタデータがある場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。また、データリフレッシュの管理情報に示されるデータリフレッシュが行われた回数が、予め定められた移転しきい値を超えているセクタデータがある場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。ステップS90453にて正常にデータリフレッシュが終了しなかった場合に、データ移転条件が成立したと判定してもよい。
ステップS90454にてデータ移転条件が成立していない場合には(ステップS90454;No)、メモリ検査処理を終了する。これに対し、データ移転条件が成立した場合には(ステップS90454;Yes)、データ移転を実行するための制御を行ってから(ステップS90455)、メモリ検査処理を終了する。ステップS90455では、例えばデータ移転の対象となるセクタデータを含む消去単位ブロックの記憶データを読み出し、エラー訂正などを行って正しいデータを復元する。このとき、記憶データを読み出した消去単位ブロックを、不良エリアとしての不良ブロックに設定する。そして、復元したデータを、冗長領域内の代替エリアとなる代替ブロックに書き込むようにすればよい。また、アドレス変換テーブルに含まれる配置情報を更新するなどして、不良ブロックに代えて代替ブロックの記憶データが読出可能となるように設定する。
図60に示すメモリ検査処理では、ステップS90452にてデータリフレッシュ条件が成立したときに、ステップS90453での制御によりデータリフレッシュを実行可能にする。これにより、演出データメモリ90123において、リードディスターブやデータリテンションなどの要因で劣化したメモリセルが生じた場合でも、記憶データを正しいデータに復元して保護することができる。さらに、ステップS90454にてデータ移転条件が成立したときに、ステップS90455での制御によりデータ移転を行う代替処理を実行可能にする。これにより、演出データメモリ90123において、メモリセルをリフレッシュしても回復不能な不良エリアとなる不良ブロックがある場合に、不良エリアの記憶データを代替エリアとなる代替ブロックに移転して保護することができる。
図54に示す演出制御メイン処理では、ステップS9052にて電源投入時メモリ検査設定が行われ、CPU90131からメモリコントローラに検査要求信号が供給される。この検査要求信号が供給されたことに基づいて、メモリコントローラ90122は、図60に示すメモリ検査処理を、電源投入時に実行する。このときには、ステップS90453での制御によりデータリフレッシュが実行される場合や、ステップS90455での制御によりデータ移転が実行される場合がある。例えば前回の電源遮断前といった、パチンコ遊技機901への電力供給が開始されてから、演出データメモリ90123のステータス情報が更新され、データリフレッシュ条件が成立し得る状態や、データ移転条件が成立し得る状態になることがある。しかしながら、データリフレッシュやデータ移転を行うことなく電源切断により電力供給が終了すると、メモリセルの劣化が放置された状態さらには進行していく状態になり、演出データメモリ90123の記憶データが多くの誤りを含むものになるおそれがある。そこで、再び電源投入により電力供給が開始されたときに、図60に示すメモリ検査処理が実行されることで、ステップS90452にてデータリフレッシュ条件が成立すればステップS90453での制御によりデータリフレッシュを実行し、ステップS90454にてデータ移転条件が成立すればステップS90455での制御によりデータ移転を実行する。また、図54に示す演出制御メイン処理では、ステップS9053にてメモリ検査のインターバルが設定される。
図58に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS90252にてメモリ検査のインターバルが経過している場合に、ステップS90253またはステップS90256にてデモ表示中であると判定されたこと、あるいは、ステップS90255にて制御中検査待機時間が経過したと判定されたことを条件に、ステップS90257での制御により制御中のメモリ検査を実行可能にする。このように、電源投入時だけでなく、演出の進行を制御中であっても、メモリ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データリフレッシュやデータ移転を実行可能なので、電源投入時からの電力供給が停止されずに長時間が経過した場合でも、演出データメモリ90123の記憶データを保護するための処理を実行することができる。特に、メモリ検査のインターバルが経過したことに基づいて、データ移転する代替処理を実行できるので、メモリセルをリフレッシュしても回復不能なデータエラーが発生する不良エリアとなる不良ブロックの記憶データを、代替エリアとなる代替ブロックに、適切に移転して記憶させることができる。
図61は、演出データメモリ90123における記憶領域の構成例を示している。演出データメモリ90123の記憶領域は、データ領域、制御領域、冗長領域といった、3つの領域を有している。データ領域と冗長領域には、管理テーブルと各種の演出データを記憶可能である。演出データは、静止画像データおよび動画像データを含む画像データの他に、音声データ、ランプ駆動データ、モータ駆動データなどであってもよい。データ領域は、演出データメモリ90123の通常アクセスに使用される通常使用領域である。演出の進行を制御するためのプログラムや演出を実行するために使用される演出データは、アクセスに支障がない限り、データ領域に書き込まれて記憶される。冗長領域は、データ領域のうちで、書き込みや読み出しに支障のある不良エリアに代替して使用可能な代替使用領域である。データ領域においてアクセスに支障があると判断された不良ブロックなどの不良エリアは、使用禁止に設定され、不良エリアの記憶データは冗長領域における代替ブロックなどの代替エリアに記憶される。制御領域は、データ領域の不良エリアと冗長領域の代替エリアとの関係を示す対応関係情報などを記憶する制御情報領域である。対応関係情報として、例えばデータ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報が記憶される。データ領域のアドレスや冗長領域のアドレスは、ページ番号やブロック番号で指定されてもよいし、開始アドレスと終了アドレスで指定されてもよい。データ領域のアドレスと冗長領域のアドレスとの対応関係を示す配置情報は、アドレス変換テーブルにまとめて記憶されてもよい。アドレス変化テーブルは、CPU90131やVDP90135から演出データメモリ90123へのアクセスを要求する際に指定される論理ブロックアドレスを、実際の記憶領域に割り当てられた物理ブロックアドレスに変換可能とする配置情報のテーブルデータにより構成されていればよい。
図61に示すデータ領域には、3つの不良エリアA、B、Dが存在している。この場合、冗長エリアには、不良エリアA、B、Dの記憶データが移転された代替エリアA、B、Dが設けられる。制御領域には、不良エリアA、B、Dと代替エリアA、B、Dとの対応関係を指定する配置情報A、B、Dが記憶される。冗長領域には、履歴情報が書き込まれてもよい。履歴情報は、演出データメモリ90123においてデータ移転が行われた履歴を示す情報であればよく、例えばデータ移転が行われた日付情報を含んでいればよい。図61に示す冗長領域には、履歴情報Cが記憶されている。制御領域には、履歴情報Cに対応する配置情報Cが記憶されている。配置情報Cは、不良エリアと代替エリアとの対応関係を示す配置情報とは異なり、履歴情報に関する配置情報であることを示す履歴フラグと、履歴情報を記憶している冗長領域のアドレス情報とを含んでいればよい。履歴フラグがオンである配置情報に含まれるアドレス情報を読み取ることにより、冗長領域に記憶された履歴情報を読み出すことができる。履歴情報に含まれるデータ移転の日付情報などから、演出データメモリ90123においてデータ移転が行われた回数を特定し、演出データメモリ90123の使用を継続できるか廃棄すべきかを判定してもよい。制御領域には、配置情報の他にも、例えば消去単位ブロックの管理情報やエラービット数の管理情報、エラー訂正の管理情報、データリフレッシュの管理情報といった、ステータス情報を構成する様々な管理情報が記憶されてもよい。
図62(A)は、演出データメモリ90123に記憶される演出データのうちで、画像データに含まれる動画像データの構成例を示している。図62(B)は、動画像データを映像データと音声データとに分離して復号化する動作例を示している。図62(C)は、動画像データを用いた動画再生の実行例を示している。動画像データは、それぞれが圧縮符号化された映像データと音声データを、所定のコンテナフォーマットで多重化して構成されていればよい。動画像データでは、ヘッダ情報に続けて、パケット化された映像データが格納される映像データブロックや、パケット化された音声データが格納される音声データブロックが、所定の順番で配置されていればよい。演出データメモリ90123から読み出された動画像データは、VDP90135のデマルチプレクサ90142に入力されて、映像データと音声データとに分離される。デマルチプレクサ90142から出力された映像データは、VDP90135の映像デコーダ90143に供給される。デマルチプレクサ90142から出力された音声データは、音声処理回路90136の音声デコーダ90151に供給される。映像デコーダ90143は、デマルチプレクサ90142から供給された映像データを復号化して、ヘッダ情報または各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。音声デコーダ90151は、デマルチプレクサ90142から供給された音声データを復号化して、ヘッダ情報または各パケットに付加されたタイムスタンプにあわせたタイミングで出力する。
このように、映像データと音声データとが多重化されて構成された動画像データを用いて、映像データと音声データとを分離して復号化した後、タイムスタンプにあわせて出力される。これにより、映像出力と音声出力とが同期した動画像の再生が可能になる。演出データメモリ90123には、画像表示装置905の表示制御に関する映像データと、スピーカ908L、908Rにおける演出音の出力制御に関する音声データとが、一連の動画像データとして記憶されている。VDP90135と音声処理回路90136は、演出データメモリ90123から読み出された動画像データを用いて動画像を再生することにより、画像表示装置5の表示制御と、スピーカ908L、908Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行することができる。
図63は、ROM90132に記憶される演出制御実行データの構成例を示している。演出制御実行データは、演出制御パターンにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けて記憶されてもよい。また、演出制御実行データは、例えば始動入賞の発生、プッシュボタン9031Bを押下操作する遊技者の動作検出といった、特定のイベント発生を条件として、読出可能に記憶されてもよい。演出制御実行データは、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ、操作検出制御データなど、各種の制御データの一部または全部を含んで構成されていればよい。
表示制御データは、画像表示装置905の表示状態を指定するデータとして構成され、表示制御用の命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んでいればよい。表示制御データによる指定内容は、動画再生を指定する場合と、静止画表示を指定する場合とを含んでいればよい。表示制御データにより動画再生を指定した場合には、演出データメモリ90123から読み出された動画像データを用いて動画像を再生表示するための制御が実行される。表示制御データにより静止画表示を指定した場合には、VRAM90144に予め記憶された静止画像データを用いて、または演出データメモリ90123から読み出された静止画像データを用いて、静止画像を画面表示するための制御が実行される。静止画像の画面表示は、各フレームの表示を短時間で切り替えることにより、各種の演出画像が円滑に変更表示されるアニメーション表示を実行可能であればよい。音声制御データは、スピーカ908L、908Rの音声出力状態を指定するデータとして構成され、音声制御用の命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。ランプ制御データは、遊技効果ランプ909や演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDといった発光部材の点灯態様(発光態様)を指定するデータとして構成され、ランプ制御用の命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。モータ制御データは、可動部材駆動モータ9033A、9033Bの作動状態を指定するデータとして構成され、モータ制御用の命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。操作検出制御データは、スティックコントローラ9031Aやプッシュボタン9031Bを操作する遊技者の動作検出状態を指定するデータとして構成され、検出制御用の命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)を含んで構成されていればよい。
図63に示す演出制御実行データは、表示制御データとともに、音声制御データおよびランプ制御データを含んでいる。これに対し、音声制御データとランプ制御データとを含む演出制御実行データは、表示制御データを含む演出制御実行データとは別個に構成されていてもよい。演出制御パターンとして、演出制御プロセスタイマ判定値と、音声制御データおよびランプ制御データを含む演出制御実行データとが対応付けられた組合せが複数格納された音声ランプ制御パターンが用意されてもよい。また、演出制御パターンとして、演出制御プロセスタイマ判定値と、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが対応付けられた組合せが複数格納された表示制御パターンが用意されてもよい。
CPU90131は、図56に示す可変表示開始設定処理のステップS90203にて演出制御パターンを決定し、この演出制御パターンに含まれる演出制御実行データに従って、飾り図柄の可変表示中における各種演出の制御内容を設定する。例えば,図57に示す可変表示中演出処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値が演出制御パターンに設定されている演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときに、ステップS90223にて制御データ読出条件が成立したと判定される。このときには、ステップS90224にて読み出された制御データに従って、ステップS90226では音声出力の制御内容が設定され、ステップS90228ではランプ出力の制御内容が設定され、ステップS90230ではモータ出力の制御内容が設定され、ステップS90234では表示出力の制御内容が設定される。例えばステップS90234での設定に従って、表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を可変表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像といった静止画像を用いた演出画像、あるいは、リーチ演出における動画像を用いた演出画像などを、画像表示装置905の画面上に表示させる制御を行う。例えばステップS90226での設定に従って、音声制御データにより指定される音声出力状態でスピーカ908L、908Rから演出音を出力させる制御を行う。例えばステップS90228での設定に従って、ランプ制御データにより指定される点灯態様(発光態様)で遊技効果ランプ909や演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDといった発光部材を点灯または消灯させる制御を行う。ステップS90230での設定に従って、モータ制御データにより指定される作動状態で可動部材駆動モータ9033A、9033Bを駆動させ、演出用可動部材9032A、9032Bを移動または停止させる制御を行う。また、操作検出制御データにより指定される動作検出状態で、スティックコントローラ9031Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン9031Bなどを操作する遊技者の動作を検出させる制御を行えばよい。
演出制御実行データにおける表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データ、操作検出制御データに含まれる命令(コマンド)やレジスタ値(パラメータ)は、CPU90131からVDP90135などに供給される。VDP90135では、例えば命令デコーダ90141が命令を解読して、解読結果に応じた画像処理などを指示する。例えば動画像再生命令が供給された場合には、パラメータとなるレジスタ値などから特定される動画像データを演出データメモリ90123から読み出してデマルチプレクサ90142に供給する。あるいは静止画像表示命令が供給された場合には、パラメータとなるレジスタ値などから特定される画像データがVRAM90144に予め記憶されていれば、フレームバッファの所定位置に配置するように描画を行い、1画面分の表示用データを作成する。あるいは音声出力命令が供給された場合には、パラメータとなるレジスタ値などから特定される音声データを音声処理回路90136に供給する。
動画像データは、他の演出データに比べて、データ容量が大きくなりやすい。データ容量が大きな動画像データは、VRAM90144などに予め記憶させておくと、VDP90135のワークエリアが圧迫されてしまうおそれがある。そのため、データ容量が大きな動画像データは、VRAM90144などに予め記憶させておくことが困難であり、使用される機会ごとに、演出データメモリ90123から読み出す必要がある。VDP90135は、CPU90131からの動画像再生命令が供給されたときに、メモリコントローラ90122に動画像データ読出要求を送ることで、演出データメモリ90123に記憶されている動画像データを読み出させる。
図64〜図66は、動画像再生命令が供給された場合に対応して、動画像の再生制御例を示すシーケンス図である。図64は、演出データメモリ90123から読み出した動画像データ(読出データ)の検査結果が正常である検査OKの場合を示している。図65は、演出データメモリ90123においてデータリフレッシュが成功したデータリフレッシュ成功の場合を示している。図66は、演出データメモリ90123において不良ブロックが検出された不良ブロック検出の場合を示している。
図64に示すように、VDP90135では、CPU90131からの動画像再生命令を受けると、パラメータとなるレジスタ値などから特定される動画像データの読み出しを要求する動画像データ読出要求を、メモリコントローラ90122に供給する。メモリコントローラ90122は、動画像データ読出要求を受けたことに対応して、CPU90131に向けて出力する読出待機信号をオンに設定する。その後、動画像データの読み出しを開始する。動画像データの読み出しが終了すると、読み出した動画像データのエラー検出およびエラー訂正を行う。これにより、動画像データが読出完了になると、VDP90135では画像表示装置905の画面上にて動画像の再生表示を開始させる。なお、すべての動画像データが読出完了になるまで動画像の再生表示が開始されないものに限定されず、所定単位の動画像データが読出完了になるごとに、読み出された動画像データを用いて順次に動画像の再生表示が進行するものであってもよい。また、図62(A)〜(C)に示したように、動画像の再生表示では、画像表示装置905における映像出力と、スピーカ908L、908Rにおける音声出力とが、同期して実行され、連携して進行すればよい。
また、メモリコントローラ90122では、エラー検出やエラー訂正の実行結果を用いて、読出データの検査を行う。例えばエラー検出で特定されたエラービット数がエラーしきい値を超えているか否かや、エラー訂正で訂正できなかったセクタデータがあるか否かに応じて、読出データの検査結果を判定する。このとき、読出データの検査結果が正常であると判定すれば、演出データメモリ90123の記憶データが正常に読出完了となったので、CPU90131に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。その後、VDP90135などの制御による動画像の再生表示が終了したときには、VDP90135からCPU90131に対して動画像再生完了を通知すればよい。
図65に示す場合では、メモリコントローラ90122にて、読出データの検査結果が異常であると判定される。この場合には、演出データメモリ90123に記憶されたセクタデータに対し、データリフレッシュが開始される。その後、データリフレッシュが正常に終了すると、演出データメモリ90123の記憶データを新たに読出可能となるので、CPU90131に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検査結果に基づくデータリフレッシュは、エラー検出やエラー訂正の実行結果に応じて実行されるので、VDP90135などの制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしてもよい。これにより、演出データメモリ90123の記憶データに対するデータリフレッシュが実行される場合でも、動画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の再生表示による演出を実行できる。その一方で、データリフレッシュが終了するまで、VDP90135などの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、動画像の再生表示に遅延が生じることになる。
図66に示す場合では、メモリコントローラ90122にて、データリフレッシュが開始された後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたことにより、データリフレッシュが中断されている。この場合には、不良ブロックの検出に対応して、演出データメモリ90123に記憶された消去単位ブロックのセクタデータに対し、データ移転が開始される。その後、演出データメモリ90123では、データ領域における不良エリアとなる不良ブロックから、冗長領域における代替エリアとなる代替ブロックへのデータ移転が終了して、演出データメモリ90123の記憶データを新たに読出可能になると、CPU90131に向けて出力する読出待機信号をオフに設定する。なお、読出データの検出結果に基づくデータリフレッシュに続いて実行されるデータ移転は、データリフレッシュと同様に、VDP90135などの制御による動画像の再生表示が開始された後に実行できるようにしてもよい。これにより、演出データメモリ90123の記憶データに対するデータ移転が実行される場合でも、動画像の再生表示に遅延が生じることを防止して、適切な動画像の再生表示による演出を実行できる。その一方で、不良エリアから代替エリアへのデータ移転が終了するまで、VDP90135などの制御による動画像の再生表示が開始されずに待機する場合には、データリフレッシュが正常に終了した場合と比較して、動画像の再生表示にさらなる遅延が生じることになる。
図65および図66に示す場合では、読出データの検査結果が異常であると判定されたときに、続けてデータリフレッシュが開始される。図66に示す場合では、データリフレッシュが開始された後、不良エリアとなる不良ブロックが検出されたときに、続けてデータ移転が開始される。このように、演出データメモリ90123の読出データに対する検査結果に応じて、読み出しが行われた直後に、データリフレッシュやデータ移転を実行可能であってもよい。これに対し、演出データメモリ90123の読出データに対するエラー検出やエラー訂正の実行結果を、演出データメモリ90123に記憶しておき、メモリ検査のインターバルが経過したときに、データリフレッシュ条件やデータ移転条件が成立したことに対応して、データリフレッシュやデータ移転を実行可能であってもよい。
図64〜図66に示す動画像の再生制御例では、CPU90131からVDP90135に対して動画像再生命令が供給されると、VDP90135がメモリコントローラ90122に動画像データ読出要求を供給して、動画像データの読み出しを開始している。これに対し、動画像データ読出要求に対応する命令は、CPU90131からメモリコントローラ90122に供給されてもよい。CPU90131では、演出制御パターンに含まれる演出制御実行データなどから動画像の再生開始を決定したときに、図59に示す制御中演出データ転送処理のステップS90272にて、演出データ読出条件が成立したと判定する。そこで、ステップS90274の制御により、CPU90131からメモリコントローラ90122に対して動画像データ読出要求に対応する命令を供給すればよい。ただし、CPU90131からVDP90135に対して動画像再生命令を供給するとともに、CPU90131からメモリコントローラ90122に対して動画像データ読出要求に対応する命令を供給する場合には、CPU90131の処理負荷が増大するおそれがある。他方において、図64〜図66に示す動画像の再生制御例のように、VDP90135がCPU90131から供給された動画像再生命令を受けたときに、VDP90135からメモリコントローラ90122に動画像データ読出要求を供給することで、動画像データを読み出すための処理負荷が分散されるので、CPU90131の処理負担を軽減することができる。
動画像の再生表示を開始する場合には、様々な要因により遅延が生じることがある。例えば図65および図66に示された動画像の再生制御例のように、読出データの検査結果に基づくデータリフレッシュやデータ移転による遅延が生じることがある。その他にも、図58に示す制御中メモリ検査処理のステップS90257にて制御中メモリ検査を開始させる制御が行われると、演出データメモリ90123の記憶データが読出不可となり、制御中メモリ検査が終了するまで、動画像の再生表示に遅延が生じることがある。さらに、NAND型フラッシュメモリを用いて構成された演出データメモリ90123では、ランダムアクセスによる記憶データの読み出しを要因として、動画像の再生表示に遅延が生じることもある。NAND型フラッシュメモリを用いて構成された演出データメモリ90123は、セクタ単位で記憶データが読み出される。動画像データは、他の演出データに比べてデータ容量が大きくなりやすいので、演出データメモリ90123にて複数のセクタにまたがって記憶される場合がある。演出データメモリ90123では、動画像データなどの演出データが複数のセクタにまたがって記憶されている場合に、それぞれのセクタにアクセスして記憶データを読み出さなければならない。この場合には、演出データメモリ90123に対するランダムアクセスが頻繁に発生することで、記憶データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示にも遅延の影響が及んでしまうことになる。
パチンコ遊技機901において実行される演出のうちには、動画像の再生表示が実行される場合のように、演出データメモリ90123の読出許否状態に応じて、遅延が生じやすい演出がある。その一方で、演出データメモリ90123の読出許否状態にかかわらず、遅延なく実行可能な演出もある。例えばROM90132に記憶される演出制御実行データには、始動入賞報知SH1を実行するための演出制御実行データが含まれてもよい。始動入賞報知SH1は、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動口入賞時に、スピーカ908L、908Rからの音声出力、遊技効果ランプ909や演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材9032A、9032Bにおける動作、これらの一部または全部の組合せにより、始動入賞の発生を報知する。また、ROM90132に記憶される演出制御実行データには、リーチ後演出AR1やリーチ後演出AR2を実行するための演出制御実行データが含まれてもよい。リーチ後演出AR1は、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに対応して、例えば動画像の再生表示が正常に開始される期間に対応して、スピーカ908L、908Rからの音声出力、遊技効果ランプ909や演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材9032A、9032Bにおける動作、これらの一部または全部の組合せにより、リーチ演出の開始を報知する。その他、ROM90132に記憶される演出制御実行データには、エラー報知EH1を実行するための演出制御実行データが含まれてもよい。エラー報知EH1は、各種のエラーが発生したエラー発生時に、スピーカ908L、90Rからの音声出力、遊技効果ランプ909や演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDにおける点灯態様、これらの一部または全部の組合せにより、異常の発生を報知する。あるいは、ROM90132に記憶される演出制御実行データには、予告演出YA1を実行するための演出制御実行データが含まれてもよい。予告演出YA1は、飾り図柄の可変表示中にて、スピーカ908L、908Rからの音声出力、遊技効果ランプ909や演出用点灯役物9090その他の装飾用LEDにおける点灯態様、演出用可動部材9032A、9032Bにおける動作、これらの一部または全部の組合せにより、有利状態としての大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する。
図67および図68は、始動入賞報知SH1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図である。図67は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図68は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図67および図68に示す制御例では、リーチ演出開始までの制御が共通している。具体的には、第1特別図柄表示装置904Aまたは第2特別図柄表示装置904Bにおける特別図柄の可変表示が開始されるときに、主基板9011から演出制御基板9012に対して可変表示開始コマンドが送信される。例えば主基板9011に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ90100のCPU90103は、図52に示す遊技制御プロセス処理のステップS90112にて、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドを送信するための設定を行う。演出制御基板9012では、可変表示開始コマンドを受信したことに対応して、CPU90131が図55および図56に示すステップS90171の可変表示開始設定処理を実行し、ステップS90205での設定などにより、飾り図柄の可変表示を開始する。こうして、特別図柄の可変表示開始に対応して、飾り図柄の可変表示開始設定が行われ、飾り図柄の可変表示が開始される。その後、リーチ前演出BR1が実行されてもよい。リーチ前演出BR1は、例えば「滑り」や「擬似連」の可変表示演出といった、飾り図柄の可変表示態様により、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ前演出BR1は、例えば予告演出といった、飾り図柄の可変表示態様によらず、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。その後、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立に達したことに対応して、リーチ演出の実行が開始されるリーチ演出開始となる。
図67に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される。動画像の再生表示が開始された後に、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した始動入賞時にて、始動入賞報知SH1が実行される。始動入賞報知SH1は、始動入賞の発生に対応してROM90132に記憶された演出制御実行データを読み出すことにより、始動入賞時に遅延なく実行可能である。始動入賞報知SH1は、普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口、または普通可変入賞球装置906Bに形成された第2始動入賞口といった、遊技球が通過可能な通過領域(始動領域)を、遊技球が通過したことに関する通過補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置905の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ908L、908Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、画像表示装置905の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図67に示す制御例でリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図67に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示における表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図68に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる期間がある。この表示停止期間にて、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場合には、表示停止期間であっても始動入賞報知SH1が実行される。例えば始動入賞報知SH1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。あるいは、始動入賞報知SH1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。メモリコントローラ90123から出力される読出待機信号がオンであるときに、CPU90131は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、始動入賞報知SH1を実行可能にすればよい。例えばCPU90131は、図55に示す演出制御プロセス処理のステップS90161にて始動入賞時演出設定を行うときに、第1始動入賞や第2始動入賞が発生した場合に対応して用意された演出制御実行データを、ROM90132から読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いて始動入賞報知SH1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においても始動入賞報知SH1を実行することができる。
図68に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始される。飾り図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、ROM90132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、確定表示の対象となる飾り図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した表示状態となる。確定表示の対象となる飾り図柄は、飾り図柄の可変表示における表示結果として導出される確定飾り図柄であり、図56に示す可変表示開始設定処理のステップS90201にて決定される最終停止図柄であればよい。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置5の画面上における表示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図53に示す変動パターンPA2´−3や変動パターンPA3´−3に対応する可変表示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
なお、図68に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。このように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制することができる。
図69は、始動入賞報知SH1の実行例などを示している。例えば図69(A)に示すように、普通入賞球装置906Aに形成された第1始動入賞口といった、通過領域に含まれる始動領域を遊技球が通過したときには、例えば図69(B1)に示す「ピコーン!」の音声をスピーカ908L、908Rから出力させることにより、始動入賞報知SH1が実行される。あるいは、始動領域を遊技球が通過したときには、例えば図69(B2)に示すように、普通可変入賞球装置906Aの内部または周辺に設けられた装飾用LEDを、青色または黄色といった、所定の発光色(ランプ点灯色)で発光(点灯)させることにより、始動入賞報知SH1が実行される。
図69(C)に示すように、入賞時判定結果に応じて異なる入賞時実行割合により、複数の保留表示色のそれぞれに対応して、音声出力の内容やランプ点灯色が異なる始動入賞報知SH1を実行してもよい。入賞時判定結果は、例えば図52に示す遊技制御プロセス処理のステップS9012にて抽出された乱数値を示す数値データを用いて、有利状態としての大当り遊技状態に制御されるか否かを判定した結果であればよい。ステップS9012において判定を行うことにより、大当り遊技状態に制御するか否かの決定前に、大当り遊技状態に制御されるか否かを判定できればよい。入賞時判定結果は、大当り遊技状態に制御される場合の「大当り」と、大当り遊技状態に制御されない場合の「ハズレ」とを含んでいればよい。あるいは、入賞時判定結果は、「大当り」と「ハズレ」に代えて、または「大当り」と「ハズレ」に加えて、例えばスーパーリーチのリーチ演出といった特定の演出が実行される特定変動パターンに決定される場合の判定結果と、特定変動パターンに決定されない場合の判定結果とを含んでいてもよい。保留表示色は、始動入賞記憶表示エリア905Hにおける保留表示の表示色である。始動入賞記憶表示エリア905Hでは、可変表示に関する保留記憶情報に基づいて、可変表示の保留数を特定可能な保留表示が行われる。図69(C)に示すように、保留表示色に対応した音声出力の内容やランプ点灯色が設定されることにより、保留表示の表示態様に応じて異なる演出態様により始動入賞報知SH1を実行できる。なお、図69(C)に示す例では、保留表示色に対応して、音声出力の内容およびランプ点灯色の両方が設定される。これに対し、保留表示色に対応して、音声出力の内容またはランプ点灯色の一方のみが設定され、他方は保留表示色にかかわらず一定内容が設定されてもよい。
図70および図71は、リーチ後演出AR1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図である。図70は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図71は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図70および図71に示す制御例でも、図67および図68の制御例と同様に、可変表示開始からリーチ演出開始までの制御が共通している。
図70に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される。動画像の再生表示が開始された後に、リーチ後演出AR1が実行される。リーチ後演出AR1は、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンに含まれる演出制御実行データを用いて、飾り図柄の可変表示中に遅延なく実行可能である。リーチ後演出AR1は、例えばプッシュボタン9031Bを押下操作する遊技者による動作を検出して、検出結果により演出実行条件が成立したときに実行されてもよい。あるいは、リーチ後演出AR1は、遊技者による動作の検出結果にかかわらず、飾り図柄の可変表示中における演出実行タイミングに達したときに実行されてもよい。遊技者による動作の検出結果により演出実行条件が成立するリーチ後演出AR1は、遊技者による動作の検出に関する検出補助演出に含まれる。遊技者による動作の検出結果にかかわらず、例えば可動部材駆動モータ9033A、9033Bの駆動力により演出用可動部材9032A、9032Bを動作させるリーチ後演出AR1は、可動物の動作に関する動作補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置905の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ908L、908Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、画像表示装置905の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図70に示す制御例でリーチ後演出AR1が実行された後には、さらにリーチ後演出AR2が実行されてもよい。リーチ後演出AR2は、例えば予め用意された演出画像のカットイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ後演出AR2は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図70に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示における表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図71に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる期間がある。この表示停止期間にて、演出実行条件が成立した場合、または演出実行タイミングに達した場合には、表示停止期間であってもリーチ後演出AR1が実行される。例えばリーチ後演出AR1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。あるいは、リーチ後演出AR1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。メモリコントローラ90123から出力される読出待機信号がオンであるときに、CPU90131は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、リーチ後演出AR1を実行可能にすればよい。例えばCPU90131は、図57に示す可変表示中演出処理のステップS90222にて更新した演出プロセスタイマのタイマ値に基づいて、ステップS90223にて制御データ読出条件が成立したと判定されたときに、図56に示すステップS90203にて決定された演出制御パターンを構成する演出制御実行データを読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いてリーチ後演出AR1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においてもリーチ後演出AR1を実行することができる。
図71に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された後には、図70の場合と同様に、リーチ後演出AR2が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始される。飾り図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、ROM90132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、確定表示の対象となる飾り図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した表示状態となる。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置905の画面上における表示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図53に示す変動パターンPA2´−3や変動パターンPA3´−3に対応する可変表示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
なお、図71に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。このように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制することができる。
図72は、リーチ後演出AR1の実行例などを示している。例えば図72(A)に示すように、プッシュボタン9031Bを繰返し押下操作する連打操作といった、遊技者による動作が検出されたことに基づいて、演出実行条件が成立したときには、例えば図72(B1)に示す「チャーンス!」の音声をスピーカ908L、908Rから出力させる音声出力により、リーチ後演出AR1が実行される。あるいは、演出実行条件が成立したときには、例えば図72(B2)に示すように、演出用点灯役物9090を点灯させる点灯態様により、リーチ後演出AR1が実行される。あるいは、演出実行条件が成立したときには、例えば図72(B3)に示すように、可動部材駆動モータ9033A、9033Bの駆動力により演出用可動部材9032A、9032Bを動作(進出)させることで、リーチ後演出AR1が実行される。リーチ後演出AR1は、音声出力、点灯態様、可動部材の動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、実行可能な演出であればよい。
図72(C)に示すように、可変表示結果に応じて異なる操作時実行割合により、リーチ後演出AR1を実行可能にしてもよい。可変表示結果は、例えば図52に示す遊技制御プロセス処理のステップS90102にて乱数値を用いて決定した結果であればよい。可変表示結果は、大当り遊技状態に制御される場合に対応した「大当り」と、大当り遊技状態に制御されない場合に対応した「ハズレ」とを含んでいればよい。あるいは、可変表示結果は、「大当り」と「ハズレ」に代えて、または「大当り」と「ハズレ」に加えて、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に対応した「確変」と、大当り遊技状態の終了後に確変状態とならない場合に対応した「非確変」とを含んでいてもよい。図72(C)に示す操作時実行割合は、可変表示結果が「大当り」の場合に、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」の場合には、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも、リーチ後演出AR1が実行されやすくなる。なお、可変表示結果に応じて操作時実行割合を異ならせるものに限定されず、可変表示結果に応じて異なる割合でリーチ後演出AR1の演出態様が決定されてもよい。この場合には、リーチ後演出AR1の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される期待度を、異ならせることができる。また、変動パターンに応じて操作時実行割合を異ならせてもよいし、変動パターンに応じて異なる割合でリーチ後演出AR1の演出態様が決定されてもよい。
リーチ後演出AR1は、遊技者の動作を促す促進報知が実行されていないときに、プッシュボタン9031Bを押下操作する遊技者による動作を検出して、検出結果により演出実行条件が成立したときに実行されてもよい。動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間にて、遊技者の動作を促す促進報知が実行されていないときに、プッシュボタン9031Bを押下操作する遊技者による動作を検出して、検出結果によりリーチ後演出AR1を実行可能にしてもよい。
遊技者の動作を促す促進報知として、画像表示装置905の画面上における演出画像の表示により、操作有効期間の残り時間が報知されてもよい。操作有効期間は、プッシュボタン9031Bを押下操作する遊技者による動作を、有効に検出する有効検出期間である。動画像の再生表示が遅延により開始されずに表示停止となる表示停止期間では、操作有効期間の残り時間が報知されなくなったり、残り時間の表示が更新されなくなったりすることがある。表示停止期間にて促進報知が適切に実行されなくなった場合に、演出の進行を制御する上で、操作有効期間の残り時間は、遅延のない通常の場合と同様に減少させ続けてもよいし、遅延のない通常の場合とは異なり減少させないように、残り時間の計測を一旦停止させてもよい。操作有効期間にてプッシュボタン9031Bを押下操作する遊技者による動作が検出されるごとに、図72(C)に示すような可変表示結果に応じて操作時実行割合で、リーチ後演出AR1を実行するか否かを決定すればよい。そして、リーチ後演出AR1を実行すると決定された場合に、図72(B1)〜(B3)に示された音声出力、点灯態様、可動部材の動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、リーチ後演出AR1を実行すればよい。
図73は、操作有効期間の残り時間を更新する場合の制御例を示すタイミング図などである。図73(A1)および(A2)は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図73(B1)〜(B3)は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図73(A1)に示す動画再生が「なし」から「あり」に変更されるタイミングは、演出制御パターンを構成する演出制御実行データに含まれる表示制御データなどにより指定される再生開始設定タイミングであり、設計の段階で動画像の再生開始として設定されたタイミングである。
例えば図73(A1)に示すように、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合は、再生開始設定タイミングと対応して、操作有効期間の残り時間に、図73(A2)に示すような初期設定時間T0が設定される。操作有効期間の残り時間は、例えばRAM90133の所定領域(演出制御タイマ設定部)などに設けられた有効期間タイマのタイマ値を用いて計測できればよい。図73(A2)に示すように、再生開始設定タイミングと対応して初期設定時間T0が設定された後には、時間の経過に伴い操作有効期間の残り時間を減少させる。そして、操作有効期間の残り時間が「0」になると、操作有効期間が終了する。なお、操作有効期間の残り時間が「0」になる前に、プッシュボタン9031Bを押下操作する遊技者による動作の検出結果に基づいて、操作有効期間の終了条件が成立した場合には、その時点で操作有効期間を終了させてもよい。操作有効期間の終了条件は、例えば図72(C)に示された操作時実行割合でリーチ後演出AR1を実行すると決定されたときなど、動作の検出に基づいて成立可能となるように、予め定められていればよい。
例えば図73(B1)に示すように、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合にも、再生開始設定タイミングと対応して、操作有効期間の残り時間には、図73(B2)および(B3)に示すような初期設定時間T0が設定される。その後における制御の一例として、図73(B2)に示すように、操作有効期間の残り時間は、読出遅延なしの場合と同様に減少させ、その残り時間が「0」になると、操作有効期間が終了してもよい。他の一例として、図73(B3)に示すように、操作有効期間の残り時間は、動画像の再生開始が遅延することにあわせて、減少させないように一旦停止させてもよい。この場合には、読出遅延なしの場合とは異なり、動画像の再生開始が遅延して表示停止となる表示停止期間では、有効期間タイマのタイマ値を更新させずに維持するタイマ停止の制御を行うようにすればよい。
図73(C)は、促進報知の実行例として、メータ画像MT1の表示例を示している。この表示例では、画像表示装置905の画面上に、「押せ!」のメッセージを報知する文字を示す演出画像MS1や、プッシュボタン9031Bに対応するキャラクタを示す演出画像BT1とともに、メータ画像MT1が表示される。メータ画像MT1は、動画像データから分離された映像データを用いて、更新可能に表示されてもよい。この場合、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありによって、表示停止期間ではメータ画像MT1の表示も更新が停止される。そのため、例えば図73(B2)に示すように、読出遅延ありの場合でも読出遅延なしの場合と同様に操作有効期間の残り時間を減少させるものでは、メータ画像MT1の表示状態により報知される操作有効期間の残り時間と、有効期間タイマのタイマ値を用いて実際に計測される操作有効期間の残り時間とに、相違が生じてしまうおそれがある。そこで、例えば図73(B3)に示すように、読出遅延ありの場合に操作有効期間の残り時間を減少させないように一旦停止させれば、メータ画像MT1の表示状態により報知される操作有効期間の残り時間と、有効期間タイマのタイマ値を用いて実際に計測される操作有効期間の残り時間との相違がなくなり、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。ただし、タイマ停止の制御を行うことにより、設計段階よりも長い操作有効期間が設けられることになるので、設計段階では意図しなかったタイミングでの遊技者による動作を検出して、リーチ後演出AR1が実行されてしまうことによる不具合が発生するおそれもある。
図73(C)に示すメータ画像MT1は、動画像データとは別個に用意された静止画像データを用いて、アニメーション表示などにより更新可能に表示されてもよい。メータ画像MT1の更新表示に用いられる静止画像データは、予めVRAM90144の所定領域などに記憶されていてもよい。メータ画像MT1の更新表示は、CPU90131がROM90132から読み出した演出制御パターンに含まれる演出制御実行データを用いて制御されてもよい。この場合、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありによって、表示停止期間ではメータ画像MT1の表示も更新が停止されることがある。なお、表示停止期間であっても、VRAM90144に予め記憶された静止画像データを用いることで、メータ画像MT1の表示を更新できるようにしてもよい。表示停止期間にてメータ画像MT1の更新表示が停止される場合でも、表示停止期間が終了したときには、演出制御実行データでの設定に応じて、読出遅延なしの場合と同様の表示状態となるように、メータ画像MT1の表示が更新されてもよい。これにより、例えば図73(B2)に示すように、読出遅延ありの場合でも読出遅延なしの場合と同様に操作有効期間の残り時間を減少させるものでは、少なくとも表示停止期間が終了した後に、メータ画像MT1の表示状態により報知される操作有効期間の残り時間と、有効期間タイマのタイマ値を用いて実際に計測される操作有効期間の残り時間との相違がなくなり、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。ただし、表示停止期間が終了したときに、メータ画像MT1の表示状態が不連続に変化する場合があるので、メータ画像MT1の表示に違和感が生じて不具合が発生するおそれもある。また、例えば図73(B3)に示すように、読出遅延ありの場合に操作有効期間の残り時間を減少させないように一旦停止させるものでは、少なくとも表示停止期間が終了した後に、メータ画像MT1の表示状態により報知される操作有効期間の残り時間と、有効期間タイマのタイマ値を用いて実際に計測される操作有効期間の残り時間とに、相違が生じてしまうおそれがある。CPU90131やVDP90135では、表示停止期間にて有効期間タイマに対するタイマ停止の制御が行われる場合に、メータ画像MT1の更新表示も停止させる更新表示停止の制御が行われるようにしてもよい。これにより、違和感ない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
図72(B3)に示す演出用可動部材9032A、9032Bを動作(進出)させるリーチ後演出AR1は、遊技者による動作の検出結果にかかわらず実行される場合があってもよい。例えば飾り図柄の可変表示を開始するときには、図56に示す可変表示開始設定処理のステップS90203にて、変動パターンに対応する演出制御パターンが決定される。そして、特定の変動パターンに対応して決定された特定の演出制御パターンでは、演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けた演出制御実行データに含まれるモータ制御データとして、演出実行タイミングに達したときに演出用可動部材9032A、9032Bを動作(進出)させるリーチ後演出AR1の実行に用いられるデータが、予め設定されていてもよい。こうした特定の演出制御パターンは、可変表示結果に応じて異なる割合で決定されてもよい。その決定割合は、可変表示結果が「大当り」の場合に、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも高くなるように設定されていてもよい。この設定により、可変表示結果が「大当り」の場合には、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも、リーチ後演出AR1が実行されやすくなる。なお、可変表示結果に応じて演出用可動部材9032A、9032Bを動作させるリーチ後演出AR1の実行割合を異ならせるものに限定されず、可変表示結果に応じて異なる割合で演出用可動部材9032A、9032Bの動作態様が決定されてもよい。この場合には、演出用可動部材9032A、9032Bの動作態様に応じて、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される期待度を、異ならせることができる。
図74および図75は、エラー報知EH1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図である。図74は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図75は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図74および図75に示す制御例でも、図67および図68の制御例と同様に、可変表示開始からリーチ演出開始までの制御が共通している。
図74に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される。動画像の再生表示が開始された後に、エラーの発生が検出されたエラー検出時にて、エラー報知EH1が実行される。エラー報知EH1は、エラー発生の検出に対応してROM90132に記憶された演出制御実行データを読み出すことにより、エラー検出時に遅延なく実行可能である。エラー報知EH1は、パチンコ遊技機901における異常の発生の報知に関する異常報知補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置905の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ908L、908Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、画像表示装置905の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図74に示す制御例でリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図74に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示における表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図75に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる期間がある。この表示停止期間にて、パチンコ遊技機901におけるエラーの発生が検出された場合には、表示停止期間であってもエラー報知EH1が実行される。例えばエラー報知EH1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。あるいは、エラー報知EH1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。メモリコントローラ90123から出力される読出待機信号がオンであるときに、CPU90131は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、エラー報知EH1を実行可能にすればよい。例えばCPU90131は、図54に示す演出制御メイン処理において、ステップS9060のエラー報知処理を実行するときに、エラーの発生が検出された場合に対応して予め用意された演出制御実行データを、ROM90132から読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いてエラー報知EH1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においてもエラー報知EH1を実行することができる。
図75に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始される。飾り図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、ROM90132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、確定表示の対象となる飾り図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した表示状態となる。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置905の画面上における表示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図53に示す変動パターンPA2´−3や変動パターンPA3´−3に対応する可変表示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
なお、図75に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。このように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制することができる。
図76は、エラー報知EH1の実行例を示している。例えばスイッチ電源の短絡異常によるエラーといった、電源異常に関するエラー(電源異常エラー)の発生が検出された場合には、図76(A)に示すように、「電源異常を検出しました」のメッセージを報知する音声をスピーカ908L、908Rから出力させることにより、エラー報知EH1が実行される。あるいは、前面扉が開放状態であることによるエラー(ドア開放エラー)の発生が検出された場合には、図76(B)に示すように、「扉が開いています」のメッセージを報知する音声をスピーカ908L、908Rから出力させることにより、エラー報知EH1が実行される。あるいは、下皿が遊技球で満タン状態であることによるエラー(満タンエラー)の発生が検出された場合には、図76(C)に示すように、「玉を抜いてください」のメッセージを報知する音声をスピーカ908L、908Rから出力させることにより、エラー報知EH1が実行される。
図54に示す演出制御メイン処理では、ステップS9060にてエラー報知処理が実行されたときに、主基板9011から伝送された演出制御コマンドなどに応じて、複数のエラーのうちで、いずれのエラーが発生したかを判定する。この判定結果に対応して、ROM90132に記憶されたエラー報知用の演出制御実行データを選択して読み出し、読み出した演出制御実行データを用いてエラー報知EH1を実行する。これにより、判定された異常に応じて異なる演出態様により、異常報知補助演出に含まれるエラー報知EH1を実行すればよい。
図77および図78は、予告演出YA1を実行する場合の制御例を示すシーケンス図である。図77は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合を示している。図78は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合を示している。図77および図78に示す制御例でも、図67および図68の制御例と同様に、可変表示開始からリーチ演出開始までの制御が共通している。
図77に示す制御例では、リーチ演出として、動画像の再生表示が遅延なく開始される。動画像の再生表示が開始された後に、予告演出YA1が実行される。予告演出YA1は、例えば予告演出パターンに対応して決定された演出制御パターンに含まれる演出制御実行データを用いて、飾り図柄の可変表示中に遅延なく実行可能である。予告演出YA1は、飾り図柄の可変表示中において、演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値などに対応して、予め定められた予告実行タイミングに達したときに実行される。予告演出YA1は、予告に関する予告補助演出に含まれる。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置905の画面上における映像出力と同期して実行されるスピーカ908L、908Rにおける音声出力を含んでいる。この音声出力は、画像表示装置905の表示に関する表示補助演出に含まれる。
図77に示す制御例で予告演出YA1が実行された後には、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。リーチ後演出AR10は、例えば予め用意された演出画像のカットイン表示といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆する演出であってもよい。あるいは、リーチ後演出AR10は、例えばリーチ演出の内容を説明する映像出力や音声出力といった、大当り遊技状態に制御されることなどを示唆しない演出であってもよい。図77に示す制御例では、遅延なく開始された動画像の再生表示が終了してから、飾り図柄の揺れ表示が開始される。続いて、リーチ演出の実行が終了するリーチ演出終了となり、特別図柄の可変表示が終了する可変表示終了に対応して、飾り図柄の可変表示における表示結果が停止表示(完全停止表示)され、確定飾り図柄が表示された状態になる。
図78に示す制御例では、リーチ演出に含まれる動画像の再生表示を実行するために用いられる動画像データの読み出しに遅延が生じ、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる期間がある。この表示停止期間にて、予告実行タイミングに達した場合には、表示停止期間であっても予告演出YA1が実行される。例えば予告演出YA1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む一方で、表示制御データを含まないように構成されていればよい。あるいは、予告演出YA1の実行に用いられる演出制御実行データは、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データと、表示制御データのみを含む演出制御実行データとが、別個に用意されていてもよい。メモリコントローラ90123から出力される読出待機信号がオンであるときに、CPU90131は、表示制御データのみを含む演出制御実行データを使用せず、音声制御データ、ランプ制御データ、モータ制御データの一部または全部を含む演出制御実行データを用いて、予告演出YA1を実行可能にすればよい。例えばCPU90131は、図57に示す可変表示中演出処理のステップS90222にて更新した演出プロセスタイマのタイマ値に基づいて、ステップS90223にて制御データ読出条件が成立したと判定されたときに、図56に示すステップS90203にて決定された演出制御パターンを構成する演出制御実行データを読み出す。このとき読み出した演出制御実行データを用いて予告演出YA1を実行するので、動画像の再生表示が遅延する影響を受けることなく、表示停止期間においても予告演出YA1を実行することができる。
図78に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始された後には、図77の場合と同様に、リーチ後演出AR10が実行されてもよい。この制御例では、遅延が生じた動画像の再生表示が終了するより前に、飾り図柄の揺れ表示が開始される。飾り図柄の揺れ表示が開始されるタイミングは、動画像の再生表示に遅延が生じたか否かにかかわらず、ROM90132から読み出した演出制御パターンに設定された演出制御プロセスタイマ判定値などにより、予め定められていればよい。飾り図柄の揺れ表示では、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア905L、905C、905Rにて、確定表示の対象となる飾り図柄が、微少な揺れや伸縮などを伴って表示され、停止表示(完全停止表示)されるまで待機した表示状態となる。飾り図柄の揺れ表示が行われる揺れ表示期間は、例えば2秒間といった、演出制御パターンで予め設定された時間が経過するまでの期間であればよい。この揺れ表示期間では、遅延が生じた動画像の再生表示を継続して実行する。動画像の再生表示によるリーチ演出は、画像表示装置905の画面上における表示に関する表示補助演出として、映像出力と同期して実行される音声出力を含んでいる。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生した場合には、その遅延による再生表示の停止期間に応じて、表示補助演出となる音声出力を遅延して実行可能であり、揺れ表示期間においても、遅延した表示補助演出となる音声出力の制御が実行される。こうして、揺れ表示期間は、読出遅延の発生により遅延した制御を実行可能な期間とすることができる。
例えば図53に示す変動パターンPA2´−3や変動パターンPA3´−3に対応する可変表示が実行される場合には、可変表示が開始されてから表示結果が導出されるまでの可変表示時間が長くなり、動画像の再生表示によるリーチ演出を実行するために使用される動画像データも、データ容量が大きなものになりやすい。そのため、動画像の再生表示に遅延が発生する可能性も高くなる。そこで、可変表示時間が長い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合には、可変表示時間が短い変動パターンに対応する可変表示が実行される場合に比べて、揺れ表示期間が長くなるように設定されてもよい。これにより、動画像の再生表示が遅延しやすい場合でも、遅延が生じた動画像の再生表示によるリーチ演出を完了させる可能性を向上させて、違和感のない適切な演出により不具合の発生を防止できる。
なお、図78に示す制御例で動画像の再生表示に遅延が生じたリーチ演出の実行が開始されるときには、動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせてもよい。例えば遅延した動画像の再生表示を開始するときには、動画像のブレンド率を「0」に初期設定しておき、時間の経過に伴って、ブレンド率を増加させていくように更新すればよい。このように、遅延した動画像の再生表示による映像出力をフェードインさせることにより、動画像の再生表示に遅延が生じた場合に、動画像を用いた表示演出の違和感を抑制することができる。
図79は、予告演出YA1の実行例などを示している。予告実行タイミングに達したときには、例えば図79(A1)に示す「激熱だ!」の音声をスピーカ908L、908Rから出力させる音声出力により、予告演出YA1が実行される。あるいは、予告実行タイミングに達したときには、例えば図79(A2)に示すように、演出用点灯役物9090を点灯させる点灯態様により、予告演出YA1が実行される。あるいは、予告実行タイミングに達したときには、例えば図79(A3)に示すように、可動部材駆動モータ9033A、9033Bの駆動力により演出用可動部材9032A、9032Bを動作(進出)させることで、予告演出YA1が実行される。予告演出YA1は、音声出力、点灯態様、可動部材の動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、実行可能な演出であればよい。
図79(B)に示すように、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに応じて異なる割合で、予告演出の有無として、予告演出YA1を実行するか否かが決定されてもよい。この場合、CPU90131は、例えば図56に示す可変表示開始設定処理のステップS90202にて、図79(B)に示すような変動パターンに応じて異なる割合で、予告演出YA1を実行するか否かを決定する。図79(B)に示す例では、変動パターンPA2´−3の場合と、変動パターンPA3´−3の場合に、所定割合で予告演出YA1を実行することができる。図53に示すように、変動パターンPA2´−3は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応して、リーチ状態となった後に、ノーマルのリーチ演出、スーパーAのリーチ演出、スーパーBのリーチ演出を、順番に実行可能な変動パターンである。変動パターンPA3´−3は、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応して、リーチ状態となった後に、変動パターンPA2´−3と同様のリーチ演出を実行可能な変動パターンである。図79(B)に示す決定割合は、変動パターンPA3´−3の場合に、変動パターンPA2´−3の場合よりも予告演出YA1が実行される割合が高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」の場合には、可変表示結果が「ハズレ」の場合よりも、予告演出YA1が実行されやすくなる。また、変動パターンPA2´−3や変動パターンPA3´−3に対応して実行されるスーパーBのリーチ演出は、ノーマルのリーチ演出が実行された場合よりも可変表示結果が「大当り」になる割合が高くなるスーパーリーチのリーチ演出である。予告演出YA1は、例えば動画像の再生表示によるスーパーAのリーチ演出が開始されることに対応して、スーパーBのリーチ演出が開始される前に実行可能であってもよい。予告演出YA1が実行された場合には、変動パターンPA2´−3または変動パターンPA3´−3に対応して、スーパーBのリーチ演出が実行されることを予告できるので、可変表示結果が「大当り」となることに対する遊技者の期待感を、飛躍的に高めることができる。
変動パターンに応じて異なる割合で予告演出YA1を実行するか否かが決定されるものに限定されず、変動パターンに応じて異なる割合で予告演出YA1の演出態様が決定されてもよい。この場合には、予告演出YA1の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態に制御される期待度や、スーパーBのリーチ演出といった特定演出が実行される期待度を、異ならせることができる。また、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応したリーチ変動パターンであれば、その変動パターンにかかわらず、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて異なる割合で予告演出YA1を実行するか否かが決定されてもよいし、可変表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかに応じて異なる割合で予告演出YA1の演出態様が決定されてもよい。
予告演出YA1は、リーチ後演出AR1の場合と同様に、操作有効期間にてプッシュボタン9031Bを押下操作する遊技者による動作の検出結果に基づいて、実行されてもよい。この場合には、遊技者の動作を促す促進報知が実行されてもよいし、例えば動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間にて、促進報知が実行されなくてもよい。促進報知が実行されていないときに、プッシュボタン9031Bを押下操作する遊技者による動作を検出して、検出結果により予告演出YA1を実行可能にしてもよい。
予告演出YA1が実行される予告演出期間は、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間の全部を含んでもよいし、表示停止期間の一部を含んでもよい。あるいは、表示停止期間が予告演出期間の全部を含んでもよいし、表示停止期間が予告演出期間の一部を含んでもよい。このように、予告演出期間と表示停止期間は、少なくとも互いの一部の期間が重複する場合に、表示停止期間であっても予告演出期間であれば予告演出YAを実行可能に制御すればよい。
図80は、予告演出YA1を実行する場合の制御例を示すタイミング図である。図80(A)は、動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合における動画再生の制御例を示している。図80(B)は、動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合における動画再生の制御例を示している。図80(C)は、予告演出YA1を実行する制御例を示している。図80(A)に示す動画再生が「なし」から「あり」に変更されるタイミングは、演出制御パターンを構成する演出制御実行データに含まれる表示制御データなどにより指定される再生開始設定タイミングであり、設計の段階で動画像の再生開始として設定されたタイミングである。
例えば図80(A)に示すような動画像データの読み出しに遅延が生じない読出遅延なしの場合であるか、図80(B)に示すような動画像データの読み出しに遅延が生じる読出遅延ありの場合であるかにかかわらず、予告演出YA1は、図80(C)に示すように、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるリーチ成立より前に、予告実行タイミングに達することにより、実行が開始される。その後、再生開始設定タイミングをまたがって予告演出期間が終了するまで、予告演出YA1が実行される。図80(B)に示す読出遅延ありの場合は、動画像の再生開始に遅延が生じるものの、予告演出期間が終了するより前に、動画再生が開始される。この場合、予告演出YA1が実行される予告演出期間は、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間の全部を含んでいる。予告演出YA1は、予告演出パターンに対応して決定された演出制御パターンを構成する演出制御実行データなどを用いて、表示停止期間であるか否かにかかわらず、音声出力、点灯態様、可動部材の動作のいずれか、あるいは、これらの一部または全部の組合せにより、実行される。
例えば表示停止期間が長期化した場合に、予告演出YA1が実行される予告演出期間は、表示停止期間が終了するより前に、終了することがあってもよい。あるいは、予告演出YA1が実行される予告演出期間は、再生開始設定タイミングより後に開始されてもよい。この場合には、表示停止期間が開始されてから、その表示停止期間が終了するより前に、予告実行期間が開始されることがある。また、表示停止期間が長期化した場合には、表示停止期間が終了するより前に、予告実行期間が終了することがある。このように、予告演出YA1が実行される予告演出期間と、表示停止期間との前後関係がどのような関係であっても、予告演出YA1は演出制御パターンを構成する演出制御実行データを用いて実行が制御されることにより、予め定められた予告演出期間において実行できればよい。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変更および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機901は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。例えば上記実施の形態で示した特徴のうちで、不具合の発生を防止する特徴、記憶データを適切に保護するための特徴、適切な演出を実行するための特徴のいずれか1つの特徴、あるいは、これらの少なくとも一部を組み合わせた特徴を、備えたものであればよい。
上記実施の形態では、動画像データとして、図62(A)に示すように、圧縮符号化された映像データと音声データを、所定のコンテナフォーマットで多重化して構成されたデータを用いて、映像出力と音声出力とが同期した動画像を再生するように、画像表示装置905の表示制御と、スピーカ908L、908Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行するものとして説明した。これに対し、例えばROM90132に記憶された演出制御パターンを構成する演出制御実行データの設定により、動画像の再生において、画像表示装置905の表示制御と、スピーカ908L、908Rにおける演出音の出力制御とを、同期して実行できるようにしてもよい。この場合には、演出データメモリ90123に記憶された画像データや音声データを読み出すときに、いずれか一方の記憶データの読み出しに生じた遅延を検出すると、他方の記憶データを用いた制御の進行を待機させて、表示制御と演出音の出力制御とを同期して実行してもよい。
この発明は、パチンコ遊技機901に限らずスロットマシンなどにも適用できる。スロットマシンは、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機であり、より具体的に、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされた遊技機である。このようなスロットマシンにおいて、遊技制御を行うための遊技制御用マイクロコンピュータを含めたハードウェア資源と、所定の処理を行うソフトウェアとが協働することにより、上記実施の形態で示されたパチンコ遊技機901が有する特徴の全部または一部を備えるように構成されていればよい。
その他にも、遊技機の装置構成や各種の動作などは、この発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。加えて、この発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技機において実行される遊技は、任意の遊技であればよく、少なくとも遊技者にとって有利な有利状態に制御可能なものであってもよいし、遊技者にとって有利な遊技価値を付与可能なものであってもよい。
以上説明したように、本願に係るパチンコ遊技機901などの遊技機では、図59に示す制御中演出データ転送処理のステップS90281にて読出中WDTクリア設定が行われることにより、不適切なCPU90131のリセットを抑制できるので、不具合の発生を防止できる。
図58に示す制御中メモリ検査処理では、ステップS90252にてメモリ検査のインターバルが経過したと判定されたことに基づいて、ステップS90257での制御によりメモリ検査を実行し、データ移転条件が成立すれば不良エリアの記憶データを代替エリアに移転する代替処理を実行できるので、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図68に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、始動入賞報知SH1を実行できるので、適切に演出を実行できる。
図71に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、リーチ後演出AR1を実行できるので、遊技者による動作の検出に関する演出を、適切に実行できる。
図71に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、リーチ後演出AR1を実行できるので、演出用可動部材9032A、9032Bに関する演出を、適切に実行できる。
図75に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、エラー報知EH1を実行できるので、異常の発生の報知に関する演出を、適切に実行できる。
図78に示す制御例では、動画像の再生表示が開始されずに表示停止となる表示停止期間においても、予告演出YA1を実行できるので、予告に関する演出を、適切に実行できる。
図61に示すように、演出データメモリ90123の記憶領域は、通常使用領域となるデータ領域と、代替使用領域となる冗長領域とを含んでいるので、不具合の発生を防止でき、また、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図60に示すメモリ検査処理のステップS90455では、データ領域の不良エリアとなる不良ブロックの記憶データを、冗長領域の代替エリアとなる代替エリアに移転する制御を行うので、不具合の発生を防止でき、また、記憶データを保護するための保護処理を適切に実行できる。
図59に示す制御中演出データ転送処理のステップS90271では、演出データメモリ90123に記憶された演出データを読出中であるか否かを判定するので、不具合の発生を防止できる。
図62(A)に示すように、動画像データは、表示制御に関する映像データと、演出音の出力制御に関する音声データとが、一連のデータとして多重化して構成され、表示制御と演出音の出力制御とを同期して実行できるので、適切に演出を実行できる。
図68、図71、図75および図78に示す制御例では、揺れ表示期間といった、可変表示の表示結果が導出される前の期間にて、遅延した動画像の再生表示などの制御を実行できるので、適切に演出を実行できる。
図59に示す制御中演出データ転送処理では、ステップS90280にて読出中クリア回数がクリア上限判定値に達した場合に、ステップS90281での設定によるウォッチドッグタイマ90134のクリアを制限するので、不具合の発生を防止できる。