JP2020077552A - 電力ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 捻じりによってループが生じても、キンクが発生しにくい電力ケーブルを提供する。【解決手段】 抗張力体21は、2層で構成される。抗張力体21の内側は、線材21aで構成され、抗張力体21の外側は、線材21bおよび高剛性線材21cで構成される。線材21a、21bは、例えば繊維補強プラスチック(FRP)等で構成される。高剛性線材21cは、例えば鋼線である。すなわち、高剛性線材21cは、他の線材21a、21bとは材質が異なり、他の線材21a、21bに対して、相対的に剛性が高い。高剛性線材21cは、周方向に配置された複数の線材21bに対して、周方向の所定の角度ごとに線材21bに代えて配置される。このようにして、抗張力体21の周方向における所定の角度ごと配置することで、曲げ方向によって、電力ケーブル1の曲げ剛性を変えることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、深海の無人探査システムなどに電力等を供給することが可能な電力ケーブルに関するものである。
例えば、海洋において無人探査システムを用いて深海の探査を行う場合には、母船から海中ケーブルで接続された無人探査システムが海中に繰り出される。海中ケーブルを用いることで、母船から無人探査システムへ電力や信号等を送ることができる。
このような海中ケーブルは、所定の軸力が必要であるため、抗張力体からなる外装が設けられる。外装は、電力用心線の外周部に、例えば2層に設けられる。それぞれの層の抗張力体は、互いに逆向きに所定の撚りピッチで配置される(例えば特許文献1)。
特開2009−199847号公報
しかし、例えば、海中潜水作業ロボットと洋上基地を結ぶ海中ケーブル(アンビリカルケーブル)は、自重や波浪、潮流等による張力が常時作用するため、海中ケーブルには張力によってトルクが発生する。このため、海中ケーブルには、全体が捻られるように力が加わる。一般に、電力ケーブル線心や通信ケーブル線心は捻りによる損傷が発生し易く、これによって伝送機能を失うことが多い。
特に、アンビリカルケーブルは、洋上基地から潜水ロボットまで長距離ケーブルを繰り出して使用することが多く、他のケーブルより海中外乱による捻じりの影響を受けやすくなる。さらに、このように捻じられた状態で張力が緩むと、当該箇所にループが発生し、そのループ状態で再度張力を受けると、ループ径が縮まってキンクが発生するおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、捻じりによってループが生じても、キンクが発生しにくい電力ケーブルを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、本発明は、電線と、前記電線に沿って配置される抗張力体と、前記電線及び前記抗張力体を一括して被覆する保護層と、を具備する電力ケーブルであって、軸方向の任意の位置において、前記電力ケーブルの軸方向に垂直な方向に対する最小の曲げ剛性と最大の曲げ剛性の比が2以上であることが望ましい。
前記電力ケーブルは海中ケーブルであり、前記抗張力体は、複数本の線材であり、前記線材が所定の撚りピッチで前記電線の外周に配置されてもよい。
周方向に配置された複数の前記線材の内、周方向の所定の角度ごとに、他の位置の前記線材に対して相対的に剛性の高い高剛性線材が配置されてもよい。
前記高剛性線材は、他の前記線材と材質が異なってもよい。この場合、前記高剛性線材は鋼線であり、他の前記線材は樹脂繊維体であることが望ましい。
前記高剛性線材は、他の前記線材と断面形状が異なってもよい。この場合、前記高剛性線材は、断面が略矩形状であることが望ましい。
周方向に配置された複数の前記線材の内、周方向の所定の角度ごとに、隣り合う複数の前記線材が連結されてもよい。この場合、前記所定の角度が、120度または180度であることが望ましい。
周方向に配置された複数の前記線材の内、周方向の所定の角度ごとに、前記線材が前記保護層と接着されてもよい。
前記電力ケーブルの外形が非円形であり、長径方向と短径方向とで曲げ剛性が異なってもよい。
本発明によれば、電力ケーブルの軸方向に垂直な方向の曲げ剛性が、曲げ方向によって異方性を有するため、張力が緩んでループが形成されても、再び張力が生じた際にもキンクになりことを抑制することができる。
このような効果は、特に、電力ケーブルの曲げ方向に対する最小の曲げ剛性と最大の曲げ剛性の比が2以上である場合に有効に得ることができる。
このような電力ケーブルとしては、抗張力体が複数本の線材で構成され、線材が所定の撚りピッチで電線の外周に配置された海中ケーブルに適用することができる。
また、周方向に配置された複数の線材の内、周方向の所定の角度ごとに、剛性の高い高剛性線材を配置することで、曲げ方向による異方性を容易に得ることができる。
この場合、高剛性線材の材質を、他の線材の材質と異なるようにすることで、容易に、曲げ方向による異方性を得ることができる。例えば、高剛性線材として鋼線を適用し、他の線材としては樹脂繊維体を適用することができる。
同様に、高剛性線材の断面形状を、他の線材の断面形状と異なるようにすることでも、容易に、曲げ方向による異方性を得ることができる。例えば、高剛性線材の断面を略矩形状として、他の線材の断面を略円形とすることができる。
また、周方向に配置された複数の線材の内、周方向の所定の角度ごとに、隣り合う複数の線材を連結することでも、曲げ方向による異方性を得ることができる。例えば、120度または180度の角度ごとに、隣り合う複数の線材を連結することで、曲げ剛性の異方性を効率よく得ることができる。
また、周方向に配置された複数の線材の内、周方向の所定の角度ごとに、線材と保護層とを接着することでも、曲げ方向による異方性を得ることができる。
また、電力ケーブルの外形を非円形とすることによっても、曲げ方向による異方性を得ることができる。
本発明によれば、捻じりによってループが生じても、キンクが発生しにくい電力ケーブルを提供することができる。
電力ケーブル1を示す断面図。 電力ケーブル1の使用状態の一例を示す図。 電力ケーブル1aを示す断面図。 電力ケーブル1bを示す断面図。 電力ケーブル1cを示す断面図。 電力ケーブル1dを示す断面図。 電力ケーブル1eを示す断面図。 電力ケーブル1fを示す断面図。 (a)〜(d)は、試験体30の試験方法を示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、電力ケーブル1の断面図である。電力ケーブル1は、主に、電線9、光ケーブル11、抗張力体21、内部シース17、保護層19等から構成される。なお、図示した例では、3本の電線9と2本の光ケーブル11と、1本の接地線13を配置した例を示すが、少なくとも電線9を有すれば、他の構成や断面配置等は特に限定されない。
電線9、光ケーブル11、および接地線13は束ねられて内部シース17で一括して覆われる。内部シース17は、可撓性を有し、遮水性を有する樹脂層であり、例えばポリエチレン製である。内部シース17内であって、電線9、光ケーブル11、および接地線13以外の空間には、シリコン15が充填される。
内部シース17の外周には、電線9等に沿って抗張力体21が配置される。抗張力体21は、複数本の線材21a、21b等で構成され、線材21a、21bが所定の撚りピッチで電線9等の外周(内部シース17の外周)に配置される。なお、抗張力体21は、線材21a、21bが2層に配置され、内側の線材21aと外側の線材21bとは、互いに逆方向に撚り合わせられる。なお、抗張力体21の詳細は後述する。
電線9等を含み、その外周に配置される抗張力体21は、一括して保護層19で被覆される。保護層19は、抗張力体21を外部から保護するためのものであり、例えばテトロン撚糸が編み込まれた編組チューブで構成される。電力ケーブル1は、全体として可撓性を有する。
次に、電力ケーブル1の抗張力体21について、詳細に説明する。前述したように、抗張力体21は、2層で構成される。抗張力体21の内側は、線材21aで構成され、抗張力体21の外側は、線材21bおよび高剛性線材21cで構成される。
線材21a、21bは、例えば樹脂繊維体(FRP)等で構成される。高剛性線材21cは、例えば鋼線である。すなわち、高剛性線材21cは、他の線材21a、21bとは材質が異なり、他の線材21a、21bに対して、相対的に剛性が高い。
高剛性線材21cは、周方向に配置された複数の線材21bに対して、周方向の所定の角度ごとに線材21bに代えて配置される。図示した例では、高剛性線材21cは、周方向に180°ごとに配置される。このようにして、抗張力体21の周方向における所定の角度ごと高剛性線材21cを配置することで、曲げ方向によって、電力ケーブル1の曲げ剛性を変えることができる。すなわち、電力ケーブル1の軸方向の任意の位置において、電力ケーブル1の軸方向に垂直な方向の曲げ剛性が、曲げ方向によって異方性を有することとなる。
例えば、図示した例では、曲げ剛性の高い高剛性線材21cの曲げが大きくなる方向である、電力ケーブル1のY方向の曲げ剛性が高くなり、高剛性線材21cの曲げが小さくなる方向である、電力ケーブル1のX方向の曲げ剛性が低くなる。
ここで、電力ケーブルの軸方向に垂直な方向の曲げ剛性が、曲げ方向によって異方性を有するとは、周方向に対して、所定の角度ごとに三点曲げ(例えばJIS K7171)を行い、曲げの向きによって、曲げ剛性が周期的に変化することを言う。なお、電力ケーブル1の曲げ方向に対する最小の曲げ剛性と最大の曲げ剛性の比は2以上であることが望ましい。曲げ剛性比が十分にあれば、効果的にキンクの発生を抑制することができる。また、電力ケーブル1の曲げ方向に対する最小の曲げ剛性と最大の曲げ剛性の比が12以下であることが望ましい。曲げ剛性比が高すぎると、取り扱い性が悪くなる。
次に、電力ケーブル1の使用方法の一例を説明する。図1は、電力ケーブル1の使用方法の一例を示す概念図である。なお、図においては、電力ケーブル1以外のケーブル等の図示を省略する。電力ケーブル1は、例えば、海中ケーブルとして使用することができる。
洋上の母船3からシーブを介して、海中へ電力ケーブル1が繰り出されている。電力ケーブル1の先端は、潜水艇5と接続されており、さらに、潜水艇5には電力ケーブル1を介して探査機7が接続される。電力ケーブル1を介して、母船3から、潜水艇5および探査機7へ電力及び信号を送ることができる。
前述したように、電力ケーブル1は、繰り出し時や張力を受けた際に、ねじれが生じる場合がある。特に、図1のように電力ケーブル1を使用すると、波浪や海流によって、電力ケーブル1には繰り返しの力が付与される。このため、張力が緩んだ際に、捻じれによってループが形成され、再度張力が付与された際に、このループが元の状態に戻らずにキンクが発生する恐れがある。キンクが生じると、内部の電線等の断線の要因となる。このため、キンクの発生を抑制する必要がある。
発明者らは、キンクの発生のメカニズムを調査したところ、電力ケーブル1の曲げ剛性に異方性がある場合に、キンクの発生を抑制する効果があることを見出した。すなわち、捻じれが生じた電力ケーブル1に対して張力が緩むとループが形成され、再び張力が付与された際に、このループが小径になって局所化した場合にキンクとなるが、ループが小さくなる段階で、電力ケーブル1の一部に曲げにくい部位があると、ループが元の状態に戻りやすくなることを見出した。
なお、全方位に対して曲げ剛性が高いと、取り扱い性も悪くなる。本実施形態のように、曲げやすい方向と曲げにくい方向とを形成することで、取り扱い性にも優れ、効率よくキンクの発生を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、電力ケーブル1の曲げ剛性が、曲げ方向によって異方性を有するため、キンクの発生を抑制することができる。
また、抗張力体21の一部において、線材21bに代えて、材質の異なる高剛性線材21cを用いることで、曲げ剛性の異方性を得ることができるため、特殊な製造工程が不要である。例えば、線材21bと高剛性線材21cの外径がほぼ同じであれば、従来の電力ケーブルの製造工程によって、容易に電力ケーブル1を製造することができる。
なお、高剛性線材21cの配置する範囲は、特に限定されない。例えば、図示した例では、隣り合う3本の高剛性線材21cを線材21bに対して置換したが、より多くの線材21bを高剛性線材21cに置換してもよい。例えば、線材21bよりも高剛性線材21cの本数が多くてもよい。この場合には、周方向に配置された複数の高剛性線材21cの内、周方向の所定の角度ごとに相対的に剛性の低い線材21bが配置されることとなる。しかし、この場合も、周方向の所定の角度ごとに、高剛性線材21cが配置されている本実施形態の一態様とする。
次に、第2の実施形態について説明する。図3は、第2の実施形態にかかる電力ケーブル1aの断面図である。なお、以下の説明において、電力ケーブル1と同様の機能を奏する構成については、図1と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
電力ケーブル1aは、電力ケーブル1とほぼ同様の構成であるが、高剛性線材21cの構成が異なる。電力ケーブル1aの高剛性線材21cは、他の線材21bに対して断面形状が異なる。図示した例では、高剛性線材21cは、略円形断面の線材21bに対して、断面が長細い形状(例えば略矩形状)であり、高剛性線材21cの長径方向の長さが、線材21bの外径よりも大きい。なお、線材21bと高剛性線材21cとは、同一素材(例えばFRP)であってもよく、第1の実施形態のように、異なる材質であってもよい。
ここで、高剛性線材21cは、短径方向(厚み方向)の曲げ剛性と長径方向(幅方向)の曲げ剛性が異なり、長径方向の曲げ剛性が、短径方向の曲げ剛性よりも大きい。また、高剛性線材21cは、互いに対向する位置に、長径と短径の向きを互いに揃えて配置される。このため、電力ケーブル1aは、高剛性線材21cの曲がりやすいX方向には曲げ剛性が低く、高剛性線材21cの曲がり難いY方向には曲げ剛性が高くなる。すなわち、電力ケーブル1aの軸方向の任意の位置において、電力ケーブル1aの軸方向に垂直な方向の曲げ剛性が、曲げ方向によって異方性を有する。
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、線材21bよりも曲げ剛性の高い曲げ方向を有する高剛性線材21cを、電力ケーブル1aの周方向の所定の角度ごとに配置することで、電力ケーブル1aの曲げ剛性に、曲げ方向による異方性を生じさせることができる。
次に、第3の実施形態について説明する。図4は、第3の実施形態にかかる電力ケーブル1bの断面図である。電力ケーブル1bは、電力ケーブル1とほぼ同様の構成であるが、抗張力体21が線材21aと線材21bのみで構成される点で異なる。
電力ケーブル1bでは、周方向に配置された複数の線材21bの内、周方向の所定の角度(図では180°)ごとに、隣り合う複数の線材21bが連結材23で連結される。連結材23は、バンドル材であってもよく、または、線材21b同士を接着する接着剤であってもよい。このようにすることで、連結された線材21bが一体化して、互いにずれにくくなる。
このため、電力ケーブル1bは、連結された線材21bの曲がりやすいX方向には曲げ剛性が低く、連結された線材21bの曲がり難いY方向には曲げ剛性が高くなる。すなわち、電力ケーブル1bの軸方向の任意の位置において、電力ケーブル1bの曲げ剛性に、曲げ方向による異方性を生じさせることができる。
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、線材21bを連結することで、高剛性線材21cを配置したのと同様の効果を得ることができる。なお、隣り合う線材21b同士の連結を、例えば、120度ごと、または180度ごとに行うことで、効率よく曲げ剛性の異方性を得ることができる。
次に、第4の実施形態について説明する。図5は、第4の実施形態にかかる電力ケーブル1cの断面図である。電力ケーブル1cは、電力ケーブル1とほぼ同様の構成であるが、一部の線材21bが保護層19と接着される点で異なる。
電力ケーブル1cでは、周方向に配置された複数の線材21bの内、周方向の所定の角度(図では180°)ごとに、一部の線材21bが保護層19と接着剤25で接着される。このようにすることで、接着された線材21bが保護層19に対してずれることがなくなるため、保護層19によって曲がりが抑制される。
このため、電力ケーブル1cは、元々、接着された線材21bと保護層19とのずれが生じにくかったX方向には曲げ剛性が低く、接着された線材21bと保護層19とのずれが生じやすかったY方向には、曲げ剛性が高くなる。すなわち、電力ケーブル1cの軸方向の任意の位置において、電力ケーブル1cの曲げ剛性に、曲げ方向による異方性を生じさせることができる。
第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、線材21bの一部を保護層19と接着することで、高剛性線材21cを配置したのと同様の効果を得ることができる。
次に、第5の実施形態について説明する。図6は、第5の実施形態にかかる電力ケーブル1dの断面図である。電力ケーブル1dは、電力ケーブル1とほぼ同様の構成であるが、電力ケーブル1dの外形が非円形である点で異なる。電力ケーブル1dは、長円形であるため、長径方向と短径方向とで曲げ剛性が異なる。
なお、電力ケーブル1dは、内部シース17の外形を非円形としたが、これには限られない。また、図7に示す電力ケーブル1eのように、略円形の電力ケーブルの外周に、外形が非円形の外部カバー27を配置して、全体として非円形としてもよい。なお、この場合には、保護層19をなくして、外部カバー27を保護層として機能させてもよい。
電力ケーブル1d、1eは、長径方向と短径方向とで曲げ剛性が異なる。すなわち、電力ケーブル1dは、曲がりやすい短径方向のX方向には曲げ剛性が低く、曲がり難い長径方向のY方向には曲げ剛性が高くなる。このように、電力ケーブル1d、1eの軸方向の任意の位置において、電力ケーブル1d、1eの曲げ剛性に、曲げ方向による異方性を生じさせることができる。
第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、外形を非円形として、長径方向と短径方向とを設けることで、電力ケーブル1d、1eの曲げ剛性に、曲げ方向による異方性を生じさせることができる。
次に、第6の実施形態について説明する。図8は、第6の実施形態にかかる電力ケーブル1fの断面図である。電力ケーブル1fは、海中ケーブルではなく、地上で用いられる電力ケーブルである。
電力ケーブル1fは、スロット29、電線9、抗張力体21、保護層19等から構成される。スロット29の外周には、周方向に所定の間隔で溝が形成され、それぞれの溝に電線9が収容される。なお、電線9の一部に代えて、光ケーブル等を配置してもよい。
スロット29の外周には、押さえ巻き等を介して、保護層19が形成される。保護層19は、例えば樹脂製である。保護層19には、抗張力体21が埋設される。抗張力体21は、ケーブルの中心を挟んで対向する位置に一対配置される。
電力ケーブル1fは、抗張力体21の配置によって、曲げ方向に対する曲げ剛性が異なる。すなわち、電力ケーブル1fは、抗張力体21が曲がりやすいY方向には曲げ剛性が低く、抗張力体21が曲がり難いX方向には曲げ剛性が高くなる。このように、電力ケーブル1fの軸方向の任意の位置において、電力ケーブル1fの曲げ剛性に、曲げ方向による異方性を生じさせることができる。
第6の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。このように、本発明の電力ケーブルは海中ケーブル以外にも適用可能である。
各種の電力ケーブルについて、キンクの生じやすさを評価した。試験に供する試験体の断面構造は、電力ケーブル1aと略同様とし、内部シース17の材質はポリエチレン、外径は19.2mmとした。また、抗張力体21としては、材質をFRPとして、一部に略長方形断面の高剛性線材を配置した。また、保護層19は、テトロン撚糸からなる編組チューブであり、外径は29mmとした。
まず、最小曲げ剛性となる方向の曲げ剛性(図3のX方向)と、最大曲げ剛性となる方向の曲げ剛性(図3のY方向)とをそれぞれ測定した。曲げ剛性の評価は、JIS K7171に準じて行った。より詳細には、曲げ速度を0.5mm/minとし、試験機荷重点Rを5Rとし、受け側冶具は面取り金属とした。支点間距離は、110mmとした。
以上のようにして測定された、最大曲げ剛性/最小曲げ剛性の比を算出したところ、高剛性線材のサイズおよび形状を変更することで、曲げ剛性比を変化させることができた。
次に、曲げ剛性比を変えて、キンクの発生のしやすさを評価した。評価は、beam要素を用いたシミュレーションによって行った。線長9mとし、鉄(ヤング率210GPa、ポアソン比0.3、ssカーブにおける1570MPaでひずみ0.03)の物性を用い、断面を長方形として寸法を変更することで、縦横の曲げ剛性の異方性を得た。
シミュレーションは、まず、図9(a)に示すように、初期長さLの試験体30の両端を固定し、まっすぐに伸ばした。次に、図9(b)に示すように、試験体30の一方の端部を線長Lの5%だけ他端側に移動させ(図中矢印B)るとともに、試験体30の一方の端部を所定の角度捻じった(図中矢印A)。
次に、図9(c)に示すように、試験体30の一方の端部側を線長Lの75%だけ試験体30の他方の端部側に移動させた(図中矢印B)。すなわち、試験体30に対する張力を緩めた。この際、捻じり角度が所定以上となると、試験体30にループが形成された。
次に、図9(d)に示すように、試験体30の一方の端部を、元の位置に戻していくと(図中矢印C)、所定以上の捻じり角度の場合に、ループが解消されずにキンクが発生した。上記の試験を、捻じり角度を変えて行い、キンクが発生した最小捻じり角度を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2020077552
捻じり角度は、曲げ剛性に異方性がない場合の計算結果を基準として、比を算出した。結果より、曲げ剛性比が大きくなるほど、キンクの発生する捻じり角度が大きくなり、キンクが生じにくくなることがわかる。特に、計算上では、曲げ剛性比が2以上の場合にその効果を確認することができた。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、前述した各実施形態において、曲げ方向に対する曲げ剛性の異方性を得るため、それぞれの電力ケーブルの周方向の180°の位置に、高剛性線材21cや連結材23等、異方性の要因となる構成を配置したが、この角度は特に限定されない。すなわち、最小曲げ剛性となる曲げ方向と、最大曲げ剛性となる曲げ方向とは、互い直交する方向でなくてもよい。例えば、高剛性線材21c等を120°間隔で配置してもよい。
1、1a、1b、1c、1d、1e、1f………電力ケーブル
3………母船
5………潜水艇
7………探査機
9………電線
11………光ケーブル
13………接地線
15………シリコン
17………内部シース
19………保護層
21………抗張力体
21a、21b………線材
21c………高剛性線材
23………連結材
25………接着剤
27………外部カバー
29………スロット
30………試験体

Claims (11)

  1. 電線と、
    前記電線に沿って配置される抗張力体と、
    前記電線及び前記抗張力体を一括して被覆する保護層と、
    を具備する電力ケーブルであって、
    軸方向の任意の位置において、前記電力ケーブルの軸方向に垂直な方向に対する最小の曲げ剛性と最大の曲げ剛性の比が2以上であることを特徴とする電力ケーブル。
  2. 前記電力ケーブルは海中ケーブルであり、
    前記抗張力体は、複数本の線材であり、前記線材が所定の撚りピッチで前記電線の外周に配置されることを特徴とする請求項1記載の電力ケーブル。
  3. 周方向に配置された複数の前記線材の内、周方向の所定の角度ごとに、他の位置の前記線材に対して相対的に剛性の高い高剛性線材が配置されることを特徴とする請求項2記載の電力ケーブル。
  4. 前記高剛性線材は、他の前記線材と材質が異なることを特徴とする請求項3記載の電力ケーブル。
  5. 前記高剛性線材は鋼線であり、他の前記線材は樹脂繊維体であることを特徴とする請求項4に記載の電力ケーブル。
  6. 前記高剛性線材は、他の前記線材と断面形状が異なることを特徴とする請求項3記載の電力ケーブル。
  7. 前記高剛性線材は、断面が略矩形状であることを特徴とする請求項6記載の電力ケーブル。
  8. 周方向に配置された複数の前記線材の内、周方向の所定の角度ごとに、隣り合う複数の前記線材が連結されることを特徴とする請求項2記載の電力ケーブル。
  9. 前記所定の角度が、120度または180度であることを特徴とする請求項8記載の電力ケーブル。
  10. 周方向に配置された複数の前記線材の内、周方向の所定の角度ごとに、前記線材が前記保護層と接着されることを特徴とする請求項2記載の電力ケーブル。
  11. 前記電力ケーブルの外形が非円形であり、長径方向と短径方向とで曲げ剛性が異なることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の電力ケーブル。
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