以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。また、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態の稼働状態判定装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の稼働状態判定装置は、生産ラインに配置された設備の稼働状況をロットごとに分析し、複数のロットの稼働状況に基づいてその設備の稼働状態を判定する。
図1は、本実施形態の稼働状態判定装置1を生産ラインに配置する一例である。稼働状態判定装置1は、複数の製品121によって構成されるロット120ごとに設備(以下、対象設備100と呼ぶ)の稼働状況を分析し、複数のロット120に関する対象設備100の稼働状況に基づいて対象設備100の稼働状態を判定する。稼働状態判定装置1は、稼働状態の判定対象となる対象設備100に対応して配置される。
稼働状態判定装置1は、対象設備100に製品121が進入する時刻(以下、生産開始時刻と呼ぶ)を計測する第1センサ111と、対象設備100から製品121が退出する時刻(以下、生産終了時刻と呼ぶ)を計測する第2センサ112とに接続される。第1センサ111および第2センサ112は、対象設備100に製品121が入出する時刻を検出できさえすれば、特に限定を加えない。例えば、第1センサ111および第2センサ112は、一般的な在荷センサによって実現できる。稼働状態判定装置1、第1センサ111、および第2センサ112は、稼働状態判定システムを構成する。
稼働状態判定装置1は、第1センサ111および第2センサ112によって計測される製品121ごとの生産開始時刻T
inおよび生産終了時刻T
outを取得する。稼働状態判定装置1は、取得した生産終了時刻T
outから生産開始時刻T
inを減算して製品121ごとの生産時間C
iを算出する(iは自然数)。製品121ごとの生産時間C
iは、以下の式1で表される。
稼働状態判定装置1は、対象設備100に関して、ロット120ごとの基準生産時間CTを予め記憶しておく。基準生産時間CTは、対象設備100が正常に稼働し、遅延が発生していない状況における製品ごと121の理想的な生産時間である。稼働状態判定装置1は、ロット120を構成する製品121ごとの生産時間Ciと、そのロット120の基準生産時間CTとを用いて、対象設備100の稼働状況をロット120ごとに分析する。稼働状態判定装置1は、以下の二つの指標を用いてロット120ごとの対象設備100の稼働状況を判定する。
ロット120ごとの対象設備100の稼働状況を判定するための一つ目の指標は、タクト達成率T
1(第1判定値とも呼ぶ)である。タクト達成率T
1は、ロット120を構成する製品121のそれぞれの生産時間C
iの総和を、ロット120を構成する製品121の数Nと基準生産時間C
Tとの積で除した値である(i、Nは自然数)。すなわち、タクト達成率T
1は、基準生産時間C
Tに対する生産時間C
iの達成率に関する。タクト達成率T
1は、以下の式2で表される。
対象設備100の稼働状況が正常である場合のタクト達成率T1の理論値は1である。タクト達成率T1が小さいほど、そのロット120に関する対象設備100の稼働状況が良好であることを示す。タクト達成率T1の値の範囲は、基準生産時間CTに依存する。
タクト達成率T1に関しては、第1検出値D1を判定基準値とする。第1検出値D1は、対象設備100において、ロット120ごとや製品121ごとに許容される余剰時間に基づいて設定すればよい。タクト達成率T1が第1検出値D1未満であれば、そのロット120に関する対象設備100の稼働状況は良好である。一方、タクト達成率T1が第1検出値D1以上であれば、そのロット120に関する対象設備100の稼働状況は不良である。
ロット120ごとの対象設備100の稼働状況を判定するための二つ目の指標は、タクト超過率T
2(第2判定値とも呼ぶ)である。タクト超過率T
2は、ロット120を構成する製品121のそれぞれの生産時間C
iが基準生産時間C
Tを超えた回数を、ロット120を構成する製品121の数Nで除した値である。すなわち、タクト超過率T
2は、生産時間C
iが基準生産時間C
Tを超えた回数に関する。タクト超過率T
2は、以下の式3で表される。
タクト超過率T2は、0以上1以下の範囲の値であり、値が小さいほどそのロット120に関する対象設備100の稼働状況が良好であることを示す。
タクト超過率T2に関しては、第2検出値D2を判定基準値とする。第2検出値D2は、対象設備100において、ロット120ごとや製品121ごとに許容される基準生産時間CTの超過回数に基づいて設定すればよい。第2検出値がD2未満であれば、そのロット120に関する対象設備100の稼働状況は良好である。一方、第2検出値がD2以上であれば、そのロット120に関する対象設備100の稼働状況は不良である。
ここで、稼働状態判定装置1が、複数のロット120に関する対象設備100の稼働状況を分析する一例について図面を参照しながら説明する。図2は、ロット120ごとの対象設備100の稼働状況について説明するためのグラフである。図2のグラフは、縦軸がタクト達成率T1、横軸がタクト超過率T2であり、ロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係をプロットしたグラフである。図2のグラフは、第1検出値D1と第2検出値D2とによって4つの領域(領域A1〜A4)に分割される。稼働状態判定装置1は、タクト達成率T1とタクト超過率T2との関係に基づいてロット120ごとの対象設備100の稼働状況を分析する。
タクト達成率T1とタクト超過率T2との関係に基づいたロット120ごとの対象設備100の稼働状況は、下記の(1)〜(4)のように分類される。
(1)タクト達成率T1が第1検出値D1未満、かつタクト超過率T2が第2検出値D2未満である場合(図2の領域A1)、そのロット120に関する対象設備100の稼働状況は第1稼働状況である。第1稼働状況は、そのロット120に関する対象設備100の稼働状況が良好の状況である。
(2)タクト達成率T1が第1検出値D1未満、かつタクト超過率T2が第2検出値D2以上である場合(図2の領域A2)、そのロット120に関する対象設備100の稼働状況は第2稼働状況である。第2稼働状況は、そのロット120に関して、対象設備100に短時間の停止(チョコ停とも呼ばれる)が発生した状態である。例えば、第2稼働状況は、対象設備100に10〜15分未満の停止が発生した状況である。
(3)タクト達成率T1が第1検出値D1以上、かつタクト超過率T2が第2検出値D2未満である場合(図2の領域A3)、そのロット120に関する対象設備100の稼働状況は第3稼働状況である。第3稼働状況は、そのロット120に関して、対象設備100に長時間の停止(ドカ停とも呼ばれる)が発生した状態である。例えば、第3稼働状況は、対象設備100に10〜15分以上の停止が発生した状況である。
(4)タクト達成率T1が第1検出値D1以上、かつタクト超過率T2が第2検出値D2以上である場合(図2の領域A4)、そのロット120に関する対象設備100の稼働状況は第4稼働状況である。第4稼働状況は、そのロット120に関して、対象設備100に長時間の停止が多発した状況(停止多発とも呼ばれる)である。
図2の例では、領域A1〜A4のそれぞれにおいて、ロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係を示すプロットを異なる形状で示している。具体的には、図2において、ロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係を、領域A1では円形(○)、領域A2では三角形(△)、領域A3では逆三角形(▽)、領域A4では菱形(◇)で示している。また、図2の例では、領域A1〜A4のそれぞれにおいて、ロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係を異なる模様(色)で示している。ロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係を異なる形状や模様、色などの形態で区別すれば、ロット120ごとの対象設備100の稼働状況を視覚的に判別しやすくなる。
稼働状態判定装置1は、複数のロット120に関する対象設備100の稼働状況に基づいて、その対象設備100の稼働状態を判定する。以下に、稼働状態判定装置1による対象設備100の稼働状態の判定例を列挙する。ただし、以下の稼働状態の判定例は一例であって、稼働状態判定装置1による稼働状態の判定内容を限定するものではない。
例えば、図2のグラフにおいて、全てのロット120の稼働状況が領域A1にプロットされる場合がある。このような場合、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態が良好であると判定する。
例えば、図2のグラフにおいて、大部分のロット120の稼働状況が領域A1にプロットされ、1つのロット120の稼働状況が別の領域にプロットされる場合がある。このような場合、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態は良好であるが、別の領域にプロットされたロット120に異常があると判定する。
例えば、図2のグラフにおいて、過半数のロット120の稼働状況が領域A2や領域A3、領域Aにプロットされる場合がある。このような場合、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態にチョコ停やドカ停、停止多発などの異常が発生していると判定する。
例えば、図2のグラフにおいて、品種Aに関する複数のロット120の稼働状況は領域A1にプロットされているが、品種Bに関する複数のロット120の稼働状況は領域A2にプロットされている場合がある。このような場合、稼働状態判定装置1は、品種Bに関して、対象設備100の稼働状態に異常があると判定する。
稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態に関する判定結果を出力する。例えば、稼働状態判定装置1は、図示しない表示装置に判定結果を表示させる。また、稼働状態判定装置1は、ロット120ごとの対象設備100の稼働状況を示すグラフ(図2)を判定結果として図示しない表示装置に表示させてもよい。作業者は、表示装置に表示された判定結果を参照することによって、対象設備100の稼働状態を確認できる。
また、例えば、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態を管理する管理システム(図示しない)に判定結果を送信する。対象設備100の管理者は、管理システムによる処理結果を参照することによって、対象設備100の稼働状態を認識できる。なお、稼働状態判定装置1による対象設備100の稼働状態の判定結果の出力先については特に限定を加えない。
(構成)
次に、稼働状態判定装置1の構成について図面を参照しながら説明する。図3は、稼働状態判定装置1の構成の一例を示すブロック図である。図3のように、稼働状態判定装置1は、取得部11、生産時間計算部12、基準生産時間設定部13、稼働状態分析部14、および出力部15を備える。生産時間計算部12、基準生産時間設定部13、および稼働状態分析部14は、稼働状態判定装置1の機能を発揮するための最小構成単位(稼働状態判定装置10とも呼ぶ)である。
取得部11は、ロット識別子が付与された製品121に関して、対象設備100への進入時刻(以下、生産開始時刻Tinと呼ぶ)を第1センサ111から取得する。また、取得部11は、ロット識別子が付与された製品121に関して、対象設備100からの退出時刻(以下、生産終了時刻Toutと呼ぶ)を第2センサ112から取得する。取得部11は、ロット120を構成する製品121ごとに取得される生産開始時刻Tinおよび生産終了時刻Toutを生産時間計算部12に出力する。また、取得部11は、対象となる製品121が含まれるロット120のロット識別子を基準生産時間設定部13に出力する。
生産時間計算部12は、ロット120を構成する製品121ごとの生産開始時刻Tinおよび生産終了時刻Toutを取得部11から取得する。生産時間計算部12は、生産終了時刻Toutから生産開始時刻Tinを減算してロット120を構成する製品121ごとの生産時間Ciを計算する(iは、1以上N以下の自然数)。生産時間計算部12は、算出したロット120を構成する製品121ごとの生産時間Ciを稼働状態分析部14に出力する。
基準生産時間設定部13は、取得部11からロット識別子を取得する。基準生産時間設定部13は、取得したロット識別子に紐付けられた基準生産時間CTを稼働状態分析部14に出力する。例えば、基準生産時間設定部13は、ロット識別子に紐付けられて予め記憶された基準生産時間CTを稼働状態分析部14に出力する。
稼働状態分析部14は、ロット120を構成する製品121ごとの生産時間Ciを生産時間計算部12から取得する。また、稼働状態分析部14は、その製品121が含まれるロット120のロット識別子に紐付けられた基準生産時間CTを基準生産時間設定部13から取得する。稼働状態分析部14は、ロット120を構成する製品121ごとの生産時間Ciと、基準生産時間CTとを用いて、そのロット120に関する対象設備100の稼働状況を分析する。ロット120ごとの対象設備100の稼働状況の分析手法は、上述の通りである。稼働状態分析部14は、複数のロット120に関する対象設備100の稼働状況に基づいて、対象設備100の稼働状態を判定する。稼働状態分析部14は、対象設備100の稼働状態の判定結果を出力部15に出力する。
出力部15は、対象設備100の稼働状態の判定結果を稼働状態分析部14から取得する。出力部15は、対象設備100の稼働状態に関する判定結果を出力する。例えば、出力部15は、図示しない設備の管理システムや表示装置に判定結果を出力する。
以上が、稼働状態判定装置1の構成についての説明である。なお、図3の稼働状態判定装置1の構成は一例であって、本実施形態の稼働状態判定装置1の構成をそのままの形態に限定するものではない。
〔稼働状態分析部〕
次に、稼働状態分析部14の詳細構成について図面を参照しながら説明する。図4は、稼働状態分析部14の詳細構成について説明するためのブロック図である。図4のように、稼働状態分析部14は、生産時間取得部141、第1判定値算出部142、第2判定値算出部143、分析部145、判定部146、および判定結果出力部147を有する。
生産時間取得部141は、ロット120を構成する製品121ごとの生産時間Ciを生産時間計算部12から取得し、そのロット120の基準生産時間CTを基準生産時間設定部13から取得する。生産時間取得部141は、取得した生産時間Ciおよび基準生産時間CTを第1判定値算出部142および第2判定値算出部143に出力する。
第1判定値算出部142は、ロット120を構成する製品121ごとの生産時間Ciと、ロット120の基準生産時間CTとを生産時間取得部141から取得する。第1判定値算出部142は、ロット120を構成する全ての製品121の生産時間C1〜CNと、基準生産時間CTとを用いてタクト達成率T1を計算する。例えば、第1判定値算出部142は、前述の式2を用いてタクト達成率T1を計算する。第1判定値算出部142は、算出したタクト達成率T1を分析部145に出力する。
第2判定値算出部143は、ロット120を構成する製品121ごとの生産時間Ciと、ロット120の基準生産時間CTとを生産時間取得部141から取得する。第1判定値算出部142は、ロット120を構成する全ての製品121の生産時間C1〜CNと、基準生産時間CTとを用いてタクト超過率T2を計算する。例えば、第2判定値算出部143は、前述の式3を用いてタクト超過率T2を計算する。第2判定値算出部143は、算出したタクト超過率T2を分析部145に出力する。
分析部145は、第1判定値算出部142からタクト達成率T1を取得し、第2判定値算出部143からタクト超過率T2を取得する。分析部145は、タクト達成率T1とタクト超過率T2とを用いて、ロット120ごとの対象設備100の稼働状況を分析する。例えば、分析部145は、タクト達成率T1とタクト超過率T2との関係に基づいて、前述の(1)〜(4)のように、ロット120ごとの対象設備100の稼働状況を分類する。分析部145は、ロット120ごとの対象設備100の稼働状況を判定部146に出力する。
判定部146は、ロット120ごとの対象設備100の稼働状況を分析部145から取得する。判定部146は、複数のロット120に関する対象設備100の稼働状況に基づいて、その対象設備100の稼働状態を判定する。判定部146は、対象設備100の稼働状態の判定結果を判定結果出力部147に出力する。
判定結果出力部147は、対象設備100の稼働状態の判定結果を分析部145から取得する。判定結果出力部147は、取得した判定結果を出力部15に出力する。
以上が、稼働状態分析部14の詳細構成についての説明である。なお、図3の稼働状態分析部14の詳細構成は一例であって、本実施形態の稼働状態分析部14の詳細構成をそのままの形態に限定するものではない。
(動作)
次に、本実施形態の稼働状態判定装置1の動作について図面を参照しながら説明する。図5は、稼働状態判定装置1の動作について説明するためのフローチャートである。以下の図5のフローチャートに沿った説明においては、稼働状態判定装置1を動作の主体として説明する。
図5において、まず、稼働状態判定装置1は、ロット120を構成する製品121ごとに対象設備100における生産開始時刻と生産終了時刻を取得する(ステップS11)。
次に、稼働状態判定装置1は、生産開始時刻と生産終了時刻とを用いて、製品121ごとの生産時間を計算する(ステップS12)。
次に、稼働状態判定装置1は、製品121ごとの生産時間と、そのロット120の基準生産時間とを用いて、ロット120ごとのタクト達成率およびタクト超過率を計算する(ステップS13)。
次に、稼働状態判定装置1は、タクト達成率およびタクト超過率を用いて、ロット120ごとの対象設備100の稼働状況を分析する(ステップS14)。
次に、稼働状態判定装置1は、複数のロット120に関する対象設備100の稼働状況に基づいて、その対象設備100の稼働状態を判定する(ステップS15)。
そして、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態に関する判定結果を出力する(ステップS16)。
以上が、本実施形態の稼働状態判定装置1の動作についての説明である。なお、図5のフローチャートに沿った処理は一例であって、本実施形態の稼働状態判定装置1の動作をそのままの手法に限定するものではない。
〔判定結果の表示例〕
次に、本実施形態の稼働状態判定装置1による対象設備100の稼働状態の判定結果の表示例について図面を参照しながら説明する。図6〜図12は、稼働状態の判定結果の表示例について説明するための概念図である。図6〜図12では、稼働状態判定装置1に接続された表示装置130に判定結果を表示させる例を示す。稼働状態判定装置1、第1センサ111、および第2センサ112に表示装置130を追加することによって稼働状態判定システムを構成してもよい。
図6は、対象設備100において10ロット分の生産を行った際に得られたロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係の一例を示す概念図である。図6の例では、10個のロット120に関するプロットの全てが領域A1の範囲内にある。この場合、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態が第1稼働状況であると判定する。表示装置130の画面(図6)を見た作業者は、稼働状態判定装置1の稼働状態が良好であると認識できる。
図7は、対象設備100において10ロット分の生産を行った際に得られたロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係の一例を示す概念図である。図7の例では、10個のロット120に関するプロットのうち、大部分の9個は領域A1の範囲内にあるが、1個だけが領域A4の範囲内にある。この場合、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態が良好であるが、領域A4にプロットされたロット120に異常があると判定する。稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態を表示装置130の画面に表示させる。表示装置130の画面(図7)を見た作業者は、対象設備100の稼働状態は良好であるが、領域A4の範囲内にプロットされたロット120に異常があることを認識できる。
図8は、対象設備100において10ロット分の生産を行った際に得られたロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係の一例を示す概念図である。図8の例では、10個のロット120に関するプロットのうち、半分の5個は領域A1の範囲内にあるが、もう半分の5個が領域A2の範囲内にある。この場合、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態に異常(チョコ停)があると判定する。稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態を表示装置130の画面に表示させる。表示装置130の画面(図8)を見た作業者は、対象設備100にチョコ停が発生したことを認識できる。
図9は、対象設備100において10ロット分の生産を行った際に得られたロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係の一例を示す概念図である。図9の例では、10個のロット120に関するプロットのうち、半分の5個は領域A1の範囲内にあるが、もう半分の5個が領域A3の範囲内にある。この場合、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態に異常(ドカ停)があると判定する。稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態を表示装置130の画面に表示させる。表示装置130の画面(図9)を見た作業者は、対象設備100にドカ停が発生したことを認識できる。
図10は、2種類の品種(品種Aと品種B)に関して、対象設備100において10ロット分ずつ生産を行った際に得られたロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係の一例を示す概念図である。図10の例では、品種Aのロット120のプロットは領域A1の範囲内にあるが、品種Bのロット120のプロットは領域A2の範囲内にある。この場合、稼働状態判定装置1は、品種Aに関しては対象設備100の稼働状態が良好であるが、品種Bに関しては対象設備100の稼働状態に異常(チョコ停)があると判定する。稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態を表示装置130の画面に表示させる。表示装置130の画面(図10)を見た作業者は、品種Aに関しては対象設備100の稼働状態が良好であるものの、品種Bに関してはチョコ停が発生していることを認識できる。
図11は、対象設備100において多数ロットの生産を行った際に得られたロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係をヒートマップで表示させる一例を示す概念図である。図11には、プロットの多い箇所ほど濃く示している。図11の例では、プロットの全体的な分布は領域A1の範囲内に入っているが、プロットの多い箇所が領域A2の範囲内に入っている。そのため、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態に異常(チョコ停)があると判定する。稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態を表示装置130の画面に表示させる。表示装置130の画面(図11)を見た作業者は、プロットの多い箇所が領域A2の範囲内に入っていることから、対象設備100にチョコ停が発生していると認識できる。図11の例は、ロット120の数が多く、個々のプロットが重なってしまうような場合において視認性を向上させるのに好適である。
図12は、対象設備100において10ロット分の生産を行った際に得られたロット120ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係の一例を示す概念図である。図12は、対象設備100の稼働状態を表示装置130の画面に表示するとともに、稼働状態をスピーカ140から音声で通知する例である。図12の例では、10個のロット120に関するプロットのうち、半分の5個は領域A1の範囲内にあるが、もう半分の5個が領域A2の範囲内にある。この場合、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態に異常(チョコ停)があると判定する。稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態を表示装置130の画面に表示させるとともに、スピーカ140から稼働状態に関する音声情報を出音させる。作業者は、スピーカ140からの音声情報を聞いて対象設備100にチョコ停が発生したことを認識した、さらに表示装置130の画面(図12)を参照することによって対象設備100に発生したチョコ停の発生状況を認識できる。例えば、稼働状態判定装置1は、対象設備100の稼働状態をメロディや音階でスピーカ140から出音させてもよい。
図6〜図12のように、ロット120ごとのタクト達成率とタクト超過率との関係を、同一のグラフ上で比較すれば、ロット120ごとの対象設備100の稼働状況を参照しながら、その対象設備100の稼働状態を検証できる。また、ロット120ごとのタクト達成率とタクト超過率との関係を同一のグラフ上に表示させれば、対象設備100の稼働状態をロット120間で比較できる。また、複数の品種に関して、ロット120ごとのタクト達成率とタクト超過率との関係を同一のグラフ上に表示させれば、品種ごとの対象設備100の稼働状態をロット120間で比較できる。
以上のように、本実施形態の稼働状態判定装置は、生産時間計算部、基準生産時間設定部、および稼働状態分析部を備える。生産時間計算部は、生産ラインにおける生産開始時刻および生産終了時刻を取得し、取得した生産開始時刻および生産終了時刻を用いて生産時間を計算する。基準生産時間設定部は、生産ラインにおける基準生産時間を設定する。稼働状態分析部は、基準生産時間に対する生産時間の達成率に関する第1判定値と、生産時間が基準生産時間を超えた回数に関する第2判定値とを用いて生産ラインの稼働状態を判定する。
より具体的には、生産時間計算部は、複数の製品によって構成されるロットに関して、生産ラインに含まれる少なくとも一つの設備における生産開始時刻および生産終了時刻を製品ごとに取得する。生産時間計算部は、取得した生産開始時刻および生産終了時刻を用いて生産時間を製品ごとに計算する。基準生産時間設定部は、設備における製品ごとの基準生産時間をロットごとに設定する。稼働状態分析部は、ロットを構成する製品のそれぞれの生産時間の総和を、ロットを構成する製品の数と基準生産時間との積で除算することによって第1判定値を計算する。稼働状態分析部は、ロットを構成する製品のそれぞれの生産時間が基準生産時間を超えた回数を、ロットを構成する製品の数で除算することによって第2判定値を計算する。第1判定値と第2判定値との関係に基づいて設備の稼働状況をロットごとに分析し、複数のロットに関する設備の稼働状況に基づいて設備の稼働状態を判定する。
例えば、稼働状態分析部は、第1判定値の良否を判定する基準である第1検出値と、第2判定値の良否を判定する基準である第2検出値とに基づいて、設備の稼働状況を以下の4つに分類する。第1判定値が第1検出値未満、かつ第2判定値が第2検出値未満である場合、ロットに関する設備の稼働状況が第1稼働状況であると分類する。第1判定値が第1検出値未満、かつ第2判定値が第2検出値以上である場合、ロットに関する設備の稼働状況が第2稼働状況であると分類する。第1判定値が第1検出値以上、かつ第2判定値が第2検出値未満である場合、ロットに関する設備の稼働状況が第3稼働状況であると分類する。第1判定値が第1検出値以上、かつ第2判定値が第2検出値以上である場合、ロットに関する設備の稼働状況が第4稼働状況であると分類する。
例えば、本実施形態の稼働状態判定装置は、稼働状態分析部による判定結果を表示装置に出力する出力部をさらに備える。一例として、出力部は、表示装置の画面上に、第1判定値と第2判定値との関係を示すグラフ上に、ロットごとの第1判定値と第2判定値との関係を設備の稼働状況ごとに異なる形態で表示させる。また、一例として、出力部は、表示装置の画面上に、第1判定値と第2判定値との関係を示すグラフ上に、ロットごとの第1判定値と第2判定値との関係を品種ごとに異なる形態で表示させる。
一般的な生産現場においては、例えば、アンケート集計などの手法によって、生産ラインで作業する作業者の申告に基づいて設備の稼働状態を判定することが多かった。このような判定手法では、判定結果が作業者に依存してしまう傾向があった。また、生産時間に基づいて設備の稼働状態を判定することもできるが、生産時間のみでは稼働状態の詳細については判定することはできなかった。
それに対し、本実施形態の稼働状態判定装置は、ロットごとに予め設定された基準生産時間を参照し、製品ごとの生産時間と基準生産時間とを用いて、時間に関するタクト達成率と、回数に関するタクト超過率とを算出する。本実施形態の稼働状態判定装置は、タクト達成率およびタクト超過率のうち少なくともいずれかに基づいて、設備の稼働状態が良好であるか不良であるかを判定する。
言い換えると、本実施形態の稼働状態判定装置は、1つ1つの製品の生産時間と、その製品を含むロットの基準生産時間とに基づいて生産時間の達成率を時間と回数の側面で分析し、ロットごとの設備の稼働状況を解析する。そして、本実施形態の稼働状態判定装置は、複数のロットの設備の稼働状況に基づいて、その設備の稼働状態を判定する。
そのため、本実施形態の稼働状態判定装置によれば、生産ラインにおける設備の稼働状態を正確に判定することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る稼働状態判定装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の稼働状態判定装置は、生産の遅延に関する補正係数(第1補正係数とも呼ぶ)を用いて基準生産時間を補正する点において、第1の実施形態とは異なる。以下においては、第1の実施形態とは異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図13は、稼働状態判定装置2の構成について図面を参照しながら説明する。図13のように、稼働状態判定装置2は、取得部21、生産時間計算部22、基準生産時間設定部23、稼働状態分析部24、および出力部25に加えて、第1補正係数記憶部26を備える。生産時間計算部22、基準生産時間設定部23、稼働状態分析部24、および第1補正係数記憶部26は、稼働状態判定装置2の機能を発揮するための最小構成単位(稼働状態判定装置20とも呼ぶ)である。なお、取得部21、生産時間計算部22、および出力部25の主な機能は、第1の実施形態の稼働状態判定装置1の対応する構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1補正係数記憶部26には、生産の遅延に関する第1補正係数αが記憶される。遅延がない理想的な場合、第1補正係数αは1となる。実用的な第1補正係数αは1.3程度である。
基準生産時間設定部23は、取得部21からロット識別子を取得する。また、基準生産時間設定部23は、そのロット識別子に紐付けられた第1補正係数αを第1補正係数記憶部26から取得する。基準生産時間設定部23は、取得したロット識別子に基づいた基準生産時間C
Tを第1補正係数αで補正し、補正後の基準生産時間C
TCを稼働状態分析部24に出力する。例えば、基準生産時間設定部23は、以下の式4を用いて補正後の基準生産時間C
TCを計算する。
稼働状態分析部24は、ロットを構成する製品ごとの生産時間Ciを生産時間計算部22から取得する。また、稼働状態分析部24は、その製品が含まれるロットのロット識別子に紐付けられた基準生産時間CTの補正後の基準生産時間CTCを基準生産時間設定部23から取得する。稼働状態分析部24は、ロットを構成する製品ごとの生産時間Ciと補正後の基準生産時間CTCとを用いてそのロットの対象設備の稼働状況を分析し、複数のロットに関する対象設備の稼働状況に基づいて対象設備の稼働状態を判定する。稼働状態分析部24は、対象設備の稼働状態の判定結果を出力部25に出力する。
以上が、稼働状態判定装置2の構成についての説明である。なお、図13の稼働状態判定装置2の構成は一例であって、本実施形態の稼働状態判定装置2の構成をそのままの形態に限定するものではない。
(動作)
次に、本実施形態の稼働状態判定装置2の動作について図面を参照しながら説明する。図14は、稼働状態判定装置2の動作について説明するためのフローチャートである。以下の図14のフローチャートに沿った説明においては、稼働状態判定装置2を動作の主体として説明する。
図14において、まず、稼働状態判定装置2は、ロットを構成する製品ごとに対象設備における生産開始時刻と生産終了時刻とを取得する(ステップS21)。
次に、稼働状態判定装置2は、生産開始時刻と生産完了時間とを用いて、製品ごとの生産時間を計算する(ステップS22)。
次に、稼働状態判定装置2は、第1補正係数を用いて生産時間を補正する(ステップS23)。
次に、稼働状態判定装置2は、製品ごとの生産時間と、補正後の基準生産時間とを用いて、ロットごとのタクト達成率およびタクト超過率を計算する(ステップS24)。
次に、稼働状態判定装置2は、タクト達成率およびタクト超過率を用いて、ロットごとの対象設備の稼働状況を分析する(ステップS25)。
次に、稼働状態判定装置2は、複数のロットに関する対象設備の稼働状況に基づいて、その対象設備の稼働状態を判定する(ステップS26)。
そして、稼働状態判定装置2は、対象設備の稼働状態に関する判定結果を出力する(ステップS27)。
以上が、本実施形態の稼働状態判定装置2の動作についての説明である。なお、図14のフローチャートに沿った処理は一例であって、本実施形態の稼働状態判定装置2の動作をそのままの手法に限定するものではない。
以上のように、本実施形態の稼働状態判定装置は、生産の遅延に関する補正を加えるための第1補正係数をロットに対応付けて記憶させる第1補正係数記憶部をさらに備える。基準生産時間設定部は、ロットに対応する第1補正係数を第1補正係数記憶部から取得し、取得した第1補正係数を用いて基準生産時間を補正する。稼働状態分析部は、補正後の基準生産時間を用いて、ロットごとに稼働状況を分析する。
すなわち、本実施形態の稼働状態判定装置は、生産の遅延に関する補正を加えるための第1補正係数を用いて基準生産時間を補正する。そのため、本実施形態の稼働状態判定装置によれば、生産の遅延を考慮に入れるための第1補正係数によって補正された基準生産時間を用いて設備や工程の稼働状態を判定できるため、より正確な判定結果を得ることができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態の稼働状態判定装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の稼働状態判定装置は、生産ラインにおける工程の稼働状態をロットごとに判定する。すなわち、本実施形態の稼働状態判定装置は、複数の設備によって構成される工程の稼働状態を判定する点において第1の実施形態とは異なる。以下においては、第1の実施形態とは異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図15は、本実施形態の稼働状態判定装置3を生産ラインに配置する一例である。稼働状態判定装置3は、複数の製品によって構成されるロット320ごとに工程(以下、対象工程300と呼ぶ)の稼働状況を分析し、複数のロット320に関する対象工程300の稼働状況に基づいて対象設備100の稼働状態を判定する。稼働状態判定装置3は、稼働状態の判定対象となる対象工程300に対応して配置される。対象工程300は、複数の設備301−1〜nによって構成される。なお、稼働状態判定装置3の構成は、第1の実施形態の稼働状態判定装置3と同様であるので図面は省略する。
稼働状態判定装置3は、対象工程300にロット320が進入する時刻(以下、生産開始時刻と呼ぶ)を計測する第1センサ311と、対象工程300からロット320が退出する時刻(以下、生産終了時刻と呼ぶ)を計測する第2センサ312とに接続される。第1センサ311および第2センサ312は、対象工程300にロット320が入出する時刻を検出できさえすれば、特に限定を加えない。例えば、第1センサ311および第2センサ312は、一般的な在荷センサによって実現できる。稼働状態判定装置3、第1センサ311、および第2センサ312は、稼働状態判定システムを構成する。
稼働状態判定装置3は、第1センサ311および第2センサ312によって計測される生産開始時刻および生産終了時刻を取得する。稼働状態判定装置3は、ロット320を構成する先頭の製品の生産開始時刻T
sと、末尾の製品の生産終了時刻T
eとを用いてロット320ごとの生産時間Cを算出する。生産時間Cは、以下の式5で表される。
稼働状態判定装置3は、対象工程300に関して、ロット320ごとの基準生産時間CTを予め記憶しておく。基準生産時間CTは、対象工程300が正常に稼働し、遅延が発生していない理想的な状況における、ロット320を構成する製品ごとの生産時間である。稼働状態判定装置3は、ロット320ごとの生産時間Cと、そのロット320の基準生産時間CTとを用いて、対象工程300の稼働状態をロット320ごとに判定する。稼働状態判定装置3は、以下の二つの指標を用いてロット320ごとの対象工程300の稼働状態を判定する。
ロット320ごとの対象工程300の稼働状況を判定するための一つ目の指標は、タクト達成率T
1(第1判定値とも呼ぶ)である。タクト達成率T
1は、ロット320の生産時間Cを、ロット320を構成する製品の数Nと基準生産時間C
Tとの積で除した値である(Nは自然数)。タクト達成率T
1は、以下の式6で表される。式6の分母は、ロット320の理想的な生産時間を示す。
対象工程300の稼働状況が正常である場合のタクト達成率T1の理論値は1である。タクト達成率T1が小さいほど、そのロット320に関する対象工程300の稼働状態が良好であることを示す。タクト達成率T1の値の範囲は、基準生産時間CTに依存する。
タクト達成率T1に関しては、第1検出値D1を判定基準値とする。第1検出値D1は、対象工程300において、ロット320ごとに許容される余剰時間に基づいて設定すればよい。タクト達成率T1が第1検出値D1未満であれば、そロット320に関する対象工程300の稼働状況は良好である。一方、タクト達成率T1が第1検出値D1以上であれば、そのロット320に関する対象設備100の稼働状態は不良である。
ロット320ごとの対象工程300の稼働状況を判定するための二つ目の指標は、タクト超過率T
2(第2判定値とも呼ぶ)である。タクト超過率T
2は、ロット320ごとの生産時間Cと基準生産時間C
Tとの大小関係に依存する数値である。タクト超過率T
2は、以下の式7で表される。タクト超過率T
2は、0または1である。
タクト超過率T2が0であれば稼働状態は良好である。一方、タクト超過率T2が1であれば稼働状態は不良である。
ここで、稼働状態判定装置3が、複数のロット320に関する対象工程300の稼働状況を分析する一例について図面を参照しながら説明する。図16は、ロット320ごとの対象工程300の稼働状況について説明するためのグラフである。図16のグラフは、縦軸がタクト達成率T1、横軸がタクト超過率T2であり、ロット320ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係をプロットしたグラフである。図16のグラフは、第1検出値D1と第2検出値D2とによって4つの領域(領域B1〜B4)に分割される。稼働状態判定装置3は、タクト達成率T1とタクト超過率T2との関係に基づいてロット320ごとの対象工程300の稼働状況を分析する。図16において、タクト達成率T1とタクト超過率T2との関係を示すプロットは、直線T2=0および直線T1=1の上に表示される。実用上は、タクト達成率T1とタクト超過率T2との関係を示すプロットを直線T2=0および直線T1=1からずらして表示させてもよい。
タクト達成率T1とタクト超過率T2との関係に基づいたロット320ごとの対象工程300の稼働状況は、下記の(1)〜(4)のように分類される。
(1)タクト達成率T1が第1検出値D1未満、かつタクト超過率T2が0の場合(図16の領域B1)、そのロット320に関する対象工程300の稼働状況は第1稼働状況である。第1稼働状況は、そのロット320に関する対象工程300の稼働状況が良好の状況である。
(2)タクト達成率T1が第1検出値D1未満、かつタクト超過率T2が1の場合(図16の領域B2)、そのロット320に関する対象工程300の稼働状況は第2稼働状況である。第2稼働状況は、そのロット320に関して、対象工程300に短時間の停止(チョコ停とも呼ばれる)が発生した状態である。例えば、第2稼働状況は、対象工程300に10〜15分未満の停止が発生した状況である。
(3)タクト達成率T1が第1検出値D1以上、かつタクト超過率T2が0の場合(グラフの領域B3)、そのロット320に関する対象工程300の稼働状況は第3稼働状況である。第3稼働状況は、そのロット320に関して、対象工程300に長時間の停止(ドカ停とも呼ばれる)が発生した状態である。例えば、第3稼働状況は、対象工程300に10〜15分以上の停止が発生した状況である。
(4)タクト達成率T1が第1検出値D1以上、かつタクト超過率T2が1の場合(グラフの領域B4)、そのロット320に関する対象工程300の稼働状況は第4稼働状況である。第4稼働状況は、そのロット320に関して、対象工程300に長時間の停止が多発した状況(停止多発とも呼ばれる)である。
図16の例では、領域B1〜B4のそれぞれにおいて、ロット320ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係示すプロットを異なる形状で示している。具体的には、図16において、ロット320ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係を、領域B1では円形(○)、領域B2では三角形(△)、領域B3では逆三角形(▽)、領域B4では菱形(◇)で示している。また、図13の例では、領域B1〜B4のそれぞれにおいて、ロット320ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係を異なる模様(色)で示している。ロット320ごとのタクト達成率T1とタクト超過率T2との関係を異なる形状や模様、色などの形態で区別すれば、ロット320ごとの対象工程300の稼働状態を視覚的に判別しやすくなる。
稼働状態判定装置3は、複数のロット320に関する対象工程300の稼働状況に基づいて、その対象工程300の稼働状態を判定する。以下に、稼働状態判定装置3による対象工程300の稼働状態の判定例を列挙する。ただし、以下の稼働状態の判定例は一例であって、稼働状態判定装置3による稼働状態の判定内容を限定するものではない。
例えば、図16のグラフにおいて、全てのロット320の稼働状況が領域B1にプロットされる場合がある。このような場合、稼働状態判定装置3は、対象工程300の稼働状態が良好であると判定する。
例えば、図16のグラフにおいて、大部分のロット320の稼働状況が領域B1にプロットされ、1つのロット320の稼働状況が別の領域にプロットされる場合がある。このような場合、稼働状態判定装置1は、対象工程300の稼働状態は良好であるが、別の領域にプロットされたロット320に異常があると判定する。
例えば、図16のグラフにおいて、過半数のロット320の稼働状況が領域B2や領域B3、領域Bにプロットされる場合がある。このような場合、稼働状態判定装置1は、対象工程300の稼働状態にチョコ停やドカ停、停止多発などの異常が発生していると判定する。
稼働状態判定装置3は、対象工程300の稼働状態に関する判定結果を出力する。例えば、稼働状態判定装置3は、図示しない表示装置に判定結果を表示させる。また、稼働状態判定装置3は、ロット320ごとの対象工程300の稼働状況を示すグラフ(図16)を判定結果として図示しない表示装置に表示させてもよい。作業者は、表示装置に表示された判定結果を参照することによって、対象工程300の稼働状態を確認できる。
また、例えば、稼働状態判定装置3は、対象工程300の稼働状態を管理する管理システム(図示しない)に判定結果を送信する。対象工程300の管理者は、管理システムによる処理結果を参照することによって、対象工程300の稼働状態を認識できる。なお、稼働状態判定装置3による対象工程300の稼働状態の判定結果の出力先については特に限定を加えない。
(動作)
次に、本実施形態の稼働状態判定装置3の動作について図面を参照しながら説明する。図17は、稼働状態判定装置3の動作について説明するためのフローチャートである。以下の図17のフローチャートに沿った説明においては、稼働状態判定装置3を動作の主体として説明する。
図17において、まず、稼働状態判定装置3は、ロット320ごとの生産開始時刻と生産終了時刻を取得する(ステップS31)。
次に、稼働状態判定装置3は、生産開始時刻と生産終了時刻とを用いて、ロット320ごとの生産時間を計算する(ステップS32)。
次に、稼働状態判定装置3は、ロット320ごとの生産時間と、そのロット320の基準生産時間とを用いて、ロット320ごとのタクト達成率およびタクト超過率を計算する(ステップS33)。
次に、稼働状態判定装置3は、タクト達成率およびタクト超過率を用いて、ロット320ごとの対象工程300の稼働状況を分析する(ステップS34)。
次に、稼働状態判定装置3は、複数のロット320に関する対象工程300の稼働状況に基づいて、その対象工程300の稼働状態を判定する(ステップS35)。
そして、稼働状態判定装置3は、対象工程300の稼働状態に関する判定結果を出力する(ステップS36)。
以上が、本実施形態の稼働状態判定装置3の動作についての説明である。なお、図17のフローチャートに沿った処理は一例であって、本実施形態の稼働状態判定装置3の動作をそのままの手法に限定するものではない。
以上のように、本実施形態の稼働状態判定装置は、生産時間計算部、基準生産時間設定部、および稼働状態分析部を備える。生産時間計算部は、生産ラインにおける生産開始時刻および生産終了時刻を取得し、取得した生産開始時刻および生産終了時刻を用いて生産時間を計算する。基準生産時間設定部は、生産ラインにおける基準生産時間を設定する。稼働状態分析部は、基準生産時間に対する生産時間の達成率に関する第1判定値と、生産時間が基準生産時間を超えた回数に関する第2判定値とを用いて生産ラインの稼働状態を判定する。
より具体的には、生産時間計算部は、複数の製品によって構成されるロットに関して、生産ラインに含まれる少なくとも一つの工程における生産開始時刻および生産終了時刻をロットごとに取得する。生産時間計算部は、取得した生産開始時刻および生産終了時刻を用いて生産時間をロットごとに計算する。基準生産時間設定部は、工程における製品ごとの基準生産時間をロットごとに設定する。稼働状態分析部は、ロットの生産時間を、ロットを構成する製品の数と基準生産時間との積で除算することによって第1判定値を計算する。稼働状態分析部は、ロットを構成する製品の数と基準生産時間との積がロットごとの生産時間よりも小さい場合は1、ロットを構成する製品の数と基準生産時間との積がロットごとの生産時間よりも大きい場合は0を第2判定値に設定する。稼働状態分析部は、第1判定値と第2判定値との関係に基づいてロットごとの工程の稼働状況を分析し、複数のロットに関する工程の稼働状況に基づいて工程の稼働状態を判定する。
すなわち、本実施形態の稼働状態判定装置は、複数の設備によって構成される工程の稼働状態を判定できる。そのため、本実施形態の稼働状態判定装置によれば、生産ラインにおける工程の稼働状態を正確に判定することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る稼働状態判定装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の稼働状態判定装置は、生産ラインにおける計画的な停止時間を計算に入れるための補正係数(第2補正係数とも呼ぶ)を用いて生産時間を補正する点で第1の実施形態とは異なる。以下においては、第1の実施形態とは異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図18は、稼働状態判定装置4の構成について図面を参照しながら説明する。図18のように、稼働状態判定装置4は、取得部41、生産時間計算部42、基準生産時間設定部43、稼働状態分析部44、および出力部45に加えて、第2補正係数記憶部47を備える。生産時間計算部42、基準生産時間設定部43、稼働状態分析部44、および第2補正係数記憶部47は、稼働状態判定装置4の機能を発揮するための最小構成単位(稼働状態判定装置40とも呼ぶ)である。なお、取得部41、基準生産時間設定部43、および出力部45の主な機能は、第1の実施形態の稼働状態判定装置1の対応する構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第2補正係数記憶部47には、生産ラインにおける計画的な停止時間を計算に入れるための第2補正係数βが記憶される。第2補正係数βは、作業者の休憩時間帯や、工程や設備の非稼働時間帯、トラブル停止期間などに関する時間を生産時間から除外するための係数である。
生産時間計算部42は、ロットを構成する製品の生産開始時刻T
inおよび生産終了時刻T
outを取得部41から取得する。また、生産時間計算部42は、そのロットの第2補正係数βを第2補正係数記憶部47から取得する。生産時間計算部42は、生産終了時刻T
outから生産開始時刻T
inを減算した値から、さらに第2補正係数βを減算することで生産時間C
iを補正する(iは、1以上N以下の自然数)。生産時間計算部42は、補正後の生産時間C
icを稼働状態分析部44に出力する。例えば、生産時間計算部42は、以下の式8を用いて補正後の生産時間C
icを計算する。
稼働状態分析部44は、補正後の生産時間Cicを生産時間計算部42から取得する。また、稼働状態分析部24は、対象となる製品が含まれるロットのロット識別子に紐付けられた基準生産時間CTを基準生産時間設定部43から取得する。稼働状態分析部24は、補正後の生産時間Cicと基準生産時間CTとを用いてそのロットの対象設備の稼働状況を分析し、複数のロットに関する対象設備の稼働状況に基づいて対象設備の稼働状態を判定する。稼働状態分析部44は、対象設備の稼働状態の判定結果を出力部45に出力する。
以上が、稼働状態判定装置4の構成についての説明である。なお、図18の稼働状態判定装置4の構成は一例であって、本実施形態の稼働状態判定装置4の構成をそのままの形態に限定するものではない。また、稼働状態判定装置4は、複数の設備によって構成される工程の稼働状態を判定対象としてもよい。
(動作)
次に、本実施形態の稼働状態判定装置4の動作について図面を参照しながら説明する。図19は、稼働状態判定装置4の動作について説明するためのフローチャートである。図19のフローチャートは、少なくとも一つの設備によって構成される工程を稼働状態の判定対象とする。以下の図19のフローチャートに沿った説明においては、稼働状態判定装置4を動作の主体として説明する。
図19において、まず、稼働状態判定装置4は、ロットごとに対象工程における生産開始時刻と生産終了時刻を取得する(ステップS41)。
次に、稼働状態判定装置4は、生産開始時刻と生産完了時間とを用いて、ロットごとの生産時間を計算する(ステップS42)。
次に、稼働状態判定装置4は、第2補正係数を用いて生産時間を補正する(ステップS43)。
次に、稼働状態判定装置4は、補正後の生産時間と、基準生産時間とを用いて、ロットごとのタクト達成率およびタクト超過率を計算する(ステップS44)。
次に、稼働状態判定装置4は、タクト達成率およびタクト超過率を用いて、ロットごとの対象工程の稼働状況を分析する(ステップS45)。
次に、稼働状態判定装置3は、複数のロットに関する対象工程の稼働状況に基づいて、その対象工程の稼働状態を判定する(ステップS46)。
そして、稼働状態判定装置4は、対象工程の稼働状態に関する判定結果を出力する(ステップS47)。
以上が、本実施形態の稼働状態判定装置4の動作についての説明である。なお、図19のフローチャートに沿った処理は一例であって、本実施形態の稼働状態判定装置4の動作をそのままの手法に限定するものではない。
以上のように、本実施形態の稼働状態判定装置は、生産ラインにおける計画的な停止時間に関する第2補正係数をロットに対応付けて記憶させる第2補正係数記憶部をさらに備える。生産時間計算部は、ロットに対応する第2補正係数を第2補正係数記憶部から取得し、取得した第2補正係数を用いて生産時間を補正する。稼働状態分析部は、補正後の生産時間を用いて、ロットごとに稼働状況を分析する。
すなわち、本実施形態の稼働状態判定装置は、生産ラインにおける計画的な停止時間に関する第2補正係数を用いて生産時間を補正する。そのため、本実施形態によれば、計画的な停止時間が除去された生産時間を用いて設備や工程の稼働状態を判定できるため、より正確な判定結果を得ることができる。
〔変形例〕
ここで、図18の稼働状態判定装置4の変形例について図面を参照しながら説明する。本変形例の稼働状態判定装置は、第2補正係数に加えて、第2の実施形態で示した第1補正係数を用いる。
図20は、本変形例の稼働状態判定装置4−2は、取得部41、生産時間計算部42、基準生産時間設定部43、稼働状態分析部44、出力部45、および第2補正係数記憶部47に加えて、第1補正係数記憶部46を備える。生産時間計算部42、基準生産時間設定部43、稼働状態分析部44、第1補正係数記憶部46、および第2補正係数記憶部47は、稼働状態判定装置4の機能を発揮するための最小構成単位(稼働状態判定装置40とも呼ぶ)である。なお、取得部41、生産時間計算部42、出力部45、および第2補正係数記憶部47の主な機能は、本実施形態の稼働状態判定装置4の対応する構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。また、基準生産時間設定部43および第1補正係数記憶部46の主な機能は、第2の実施形態の稼働状態判定装置2の対応する構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上のように、本変形例の稼働状態判定装置は、生産ラインにおける計画的な停止時間を計算に入れるための第2補正係数を用いて生産時間を補正するとともに、生産の遅延に関する補正を加えるための第1補正係数を用いて基準生産時間を補正する。そのため、本変形例によれば、より正確な判定結果を得ることができる。
(ハードウェア)
ここで、本発明の各実施形態に係る稼働状態判定装置を実行するハードウェア構成について、図21の情報処理装置90を一例として挙げて説明する。なお、図21の情報処理装置90は、各実施形態の稼働状態判定装置の処理を実行するための構成例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
図21のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95および通信インターフェース96を備える。図21においては、インターフェースをI/F(Interface)と略して表記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、バス99を介して互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラムを主記憶装置92に展開し、展開されたプログラムを実行する。本実施形態においては、情報処理装置90にインストールされたソフトウェアプログラムを用いる構成とすればよい。プロセッサ91は、本実施形態に係る稼働状態判定装置による処理を実行する。
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリとすればよい。また、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリを主記憶装置92として構成・追加してもよい。
補助記憶装置93は、種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって構成される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
入出力インターフェース95は、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、外部機器と接続するインターフェースとして共通化してもよい。
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器を接続するように構成してもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。なお、タッチパネルを入力機器として用いる場合は、表示機器の表示画面が入力機器のインターフェースを兼ねる構成とすればよい。プロセッサ91と入力機器との間のデータ通信は、入出力インターフェース95に仲介させればよい。
また、情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器を備え付けてもよい。表示機器を備え付ける場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられていることが好ましい。表示機器は、入出力インターフェース95を介して情報処理装置90に接続すればよい。
また、情報処理装置90には、必要に応じて、ディスクドライブを備え付けてもよい。ディスクドライブは、バス99に接続される。ディスクドライブは、プロセッサ91と図示しない記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体からのデータ・プログラムの読み出し、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みなどを仲介する。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。また、記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体や、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現してもよい。
以上が、本発明の各実施形態に係る稼働状態判定装置を可能とするためのハードウェア構成の一例である。なお、図21のハードウェア構成は、各実施形態に係る稼働状態判定装置を実現するためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。また、各実施形態に係る稼働状態判定装置に関する処理をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。さらに、各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も本発明の範囲に含まれる。
各実施形態の稼働状態判定装置の構成要素は、任意に組み合わせることができる。また、各実施形態の稼働状態判定装置の構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよいし、回路によって実現してもよい。
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。