JP2020076654A - 送電線の高度検出装置及びこれを用いた送電線監視システム - Google Patents

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Abstract

【課題】送電線の振動幅を正確に検出して相間ショートの危険性を客観的に評価する。【解決手段】送電線監視システム1Aは、支持塔2A,2B間に架設された送電線3に少なくとも取り付けられ、当該取り付け位置における送電線3の高度を検出する少なくとも一つの高度検出装置10と、高度検出装置10によって検出された送電線3の高度の変動幅及び変動周期に基づいて、送電線の異常振動の有無を判定する管理サーバ30とを備えている。高度検出装置10は、高度を計測して高度データを出力する高度計と、高度計が出力した高度データを送信する無線通信部とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、送電線の高度検出装置及びこれを用いた送電線監視システムに関し、特に、架空送電線の異常振動を早期に検出して停電事故を未然に防止するシステムに関する。
ギャロッピングと呼ばれる送電線の異常振動現象が知られている。図4に示すように、ギャロッピングは冬場に架空送電線3に付着した氷雪と強風が原因で送電線が上下に大きく振動する現象である。ギャロッピングは支持塔2A,2Bへの動的な不平均張力を発生させ、支持塔のボルト抜け等の送電設備の損傷、送電線の断線等の原因となる。また送電線が大きく波打って上下方向に隣接する異相の送電線同士が接触した場合には相間ショートが発生する。送電線の断線や相間ショートが発生した場合には、大規模な停電が発生することから、系統事故や設備被害が生じる前にギャロッピングを検出する必要性は極めて高い。
通常、送電系統は冗長構成を有するため、送電線の断線や相間ショートが発生する前に送電線のギャロッピング状態を早期に検出することができれば、当該送電系統の使用を中止し、別の送電系統に切り替えて電力を送電することができ、停電事故を未然に防止することが可能である。
送電線のギャロッピングを検出する方法に関し、例えば特許文献1には、架空送電線の張力および触れ角を検出し、これをもとに送電線のギャロッピングが発生したかどうかを計算により求めることが記載されている。特許文献2には、加速度センサを用いて架空送電線の振動を検出する振動検出装置が記載されている。この振動検出装置によって検出された送電線の振動データは、電力線搬送通信(PLC)を利用して送電線上に送出され、送配変電施設に設けられた受信装置に送られる。
特開平7−301557号公報 特開2007−93342号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来のギャロッピング検出装置は、センサ群で架空送電線の張力および振れ角を検出し、これらの検出結果から送電線がギャロッピング状態か否かを検出するため、架空送電線の振動幅を正確に求めることできず、上下の送電線間のショートの危険性を客観的に評価することは困難であった。特許文献2に記載された従来の振動検出装置においても送電線の振動幅を正確に求めることができず、相間ショートの危険性を客観的に評価することは困難であった。
したがって、本発明の目的は、送電線の振動幅を正確に検出して間ショートの危険性を客観的に評価することが可能な送電線の高度検出装置及びこれを用いた送電線監視システムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明による送電線の高度検出装置は、支持塔間に架設された送電線に取り付けられ、当該取り付け位置における前記送電線の高度を検出する高度検出装置であって、高度を計測して高度データを出力する高度計と、前記高度計が出力した前記高度データを送信する無線通信部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、送電線が上下に振動したときの振動幅及び振動周期を正確に求めることができ、これにより送電線の異常振動の検出精度を高めることができる。
本発明において、前記高度計は、気圧を計測して気圧データを出力する気圧センサと、気温を計測して気温データを出力する温度センサと、前記気圧データ及び前記気温データから前記高度データを算出するデータ処理部とを含むことが好ましい。これによれば、送電線の振動に伴う高度の変化を正確に測定することができる。
本発明による高度検出装置は、前記高度計及び前記無線通信部に電力を供給する電源部をさらに備え、前記電源部は、前記送電線の周囲に発生する磁界の変化による電磁誘導を利用して発電する電磁誘導型発電装置を含むことが好ましい。これにより、送電線から安定的に電力供給を受けることができる。
また、本発明による送電線監視システムは、支持塔間に架設された送電線に取り付けられ、当該取り付け位置における前記送電線の高度を検出する少なくとも一つの第1の高度検出装置と、前記第1の高度検出装置によって検出された前記送電線の高度の変動幅及び変動周期に基づいて、前記送電線の異常振動の有無を判定する管理サーバとを備え、前記第1の高度検出装置は、高度を計測して高度データを出力する高度計と、前記高度計が出力した前記高度データを送信する無線通信部とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、送電線が上下に振動したときの振動幅及び振動周期を正確に求めることができ、これにより送電線の異常振動の検出精度を高めることができる。
本発明による送電線監視システムは、前記第1の高度検出装置を複数備え、前記複数の第1の高度検出装置は、単一の送電線上に所定の間隔を隔てて取り付けられていることが好ましい。さらに、各送電線上の複数の第1の高度検出装置の長手方向の位置は、上下の送電線間で同じであることが好ましい。この場合、前記複数の第1の高度検出装置の一つは、前記送電線の長手方向の略中間位置に配置されていることが好ましい。これにより、送電線の異常振動の検出精度を高めることができ、相間ショートの危険性を客観的に評価することができる。
本発明において、前記送電線は、上下方向に所定の間隔を隔てて配列された3相の送電線を含み、前記第1の高度検出装置は、前記3相の送電線の各々に取り付けられており、前記管理サーバは、前記第1の高度検出装置によって検出された前記3相の送電線の各々の高度の変動幅及び変動周期に基づいて、前記3相の送電線の異常振動の有無を判定することが好ましい。これによれば、上下の送電線間の接近距離を求めることができ、相間ショートの可能性を早期に検出して送電系統の切り替えなどの対策を施すことができる。
本発明による送電線監視システムは、前記支持塔に取り付けられた中継装置をさらに備え、前記中継装置は、前記第1の高度検出装置と無線通信可能に構成され、少なくとも前記第1の高度検出装置から送信された前記高度データを受信する第1通信部と、前記管理サーバと通信可能に構成され、少なくとも前記高度データを前記管理サーバに送信する第2通信部とを含むことが好ましい。この場合において、前記第2通信部は、前記送電線と共に前記支持塔間に架設された光ファイバー回線を介して前記管理サーバに接続されていることが好ましい。この構成により、一又は複数の高度検出装置から送信された高度データを集めて管理サーバに確実に送ることができる。
本発明において、前記中継装置は、前記第1の高度検出装置によって検出された前記送電線の高度の変動幅及び変動周期に基づいて、前記送電線の異常振動の有無を判定し、前記送電線が異常振動していると判定した場合に、前記第1の高度検出装置から送られてくる前記高度データを前記管理サーバに連続的に送り、前記送電線が異常振動していないと判定した場合に、前記第1の高度検出装置から送られてくる前記高度データを前記管理サーバに間欠的に送ることが好ましい。これにより、中継装置と管理サーバとの間の通信トラフィックを低減することができる。
本発明において、前記複数の高度検出装置は、前記支持塔に取り付けられ、当該取り付け位置の高度を検出する第2の高度検出装置を含み、前記高度検出装置は、前記高度を計測して高度データを出力する高度計と、前記高度計が出力した前記高度データを送信する無線通信部とを含み、前記管理サーバは又は前記中継装置は、前記第2の高度検出装置によって検出された高度及び当該第2の高度検出装置の取り付け位置の既知の高度から天候変動による高度の外乱ノイズを算出し、前記送電線に取り付けられた前記第1の高度検出装置によって検出された当該送電線の高度から前記外乱ノイズを取り除くことが好ましい。これにより、送電線の高度の測定精度を高めることができる。
本発明において、前記管理サーバは、前記送電線が実質的に振動していないときの高度データから前記送電線の弛度を判定することが好ましい。これにより、送電線の異常振動を検出するシステムを利用して、送電線の弛度も監視することができる。
本発明による送電線監視システムは、前記支持塔に取り付けられ、前記管理サーバと通信可能に構成された遠隔監視カメラをさらに備え、前記管理サーバは、前記送電線が異常振動していると判定したとき、前記遠隔監視カメラを起動して前記送電線の動画又は静止画を撮影することが好ましい。これにより、送電線のギャロッピング現象を確実に撮影することができる。
本発明によれば、送電線の振幅の大きさに基づいて相間ショートの危険性を客観的に評価することが可能な送電線の高度検出装置及びこれを用いた送電線監視システムを提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態による送電線監視システムの構成を示す模式図である。 図2は、送電線監視システムの構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の第2の実施の形態による送電線監視システムの構成を示す模式図である。 図4は、送電線のギャロッピング現象を説明するための模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による送電線監視システムの構成を示す模式図である。また図2は、送電線監視システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、送電線監視システム1Aは、支持塔2A、2B間に架設された複数本の送電線3の各々に取り付けられた複数の高度検出装置10(第1の高度検出装置)と、支持塔2A、2Bにそれぞれ取り付けられ、高度検出装置10が計測した送電線3の高度データを中継する中継装置20と、通信ネットワークを介して中継装置20に接続され、中継装置20から送られてくる送電線3の高度データに基づいて送電線3の振動状態を監視する管理サーバ30で構成されている。
支持塔2A,2Bは、例えば三相二回線送電鉄塔であり、その左右には上段、中段、下段の3段アームが設けられており、3段アームによって3本の送電線3が支持されている。3本の送電線3は、変電所から供給される電力を送電する三相交流の送電線である。そのため、ギャロッピングにより送電線3が大きく振動して上下の送電線3が接触した場合には相間ショートにより大規模な停電事故が発生する。このような事故を未然に防止するため、本実施形態による送電線監視システム1Aは、各送電線3の高度をリアルタイムに監視するものである。
高度検出装置10は、その取り付け位置における送電線3の高度を検出する装置である。高度検出装置10は、支持塔2A、2B間に架設されたすべての送電線3に取り付けられていることが好ましい。図1では紙面の手前側(左側)の3相の送電線3(第1回線)のみを詳細に示し、紙面の奥側(右側)の3相の送電線(第2回線)の図示を簡略化しているが、第2回線の3相の送電線にも第1回線と同様の設備が設けられている。
単一の送電線3上には、所定の間隔を隔てて複数(ここでは3つ)の高度検出装置10が設けられることが好ましい。支持塔2A,2B間の送電線3の長さは数百メートルと非常に長く、その位置によって振動時の振れ幅が違うことがあるからである。単一の送電線3上に所定の間隔を隔てて複数の高度検出装置10を設ける場合には、図示のように上下間の高度検出装置10の位置を揃えることが好ましく、各送電線3の長手方向の同じ位置に高度検出装置10が取り付けられることが好ましい。これにより、上下の送電線間の接近距離をその長手方向の位置ごとに正確に求めることができ、送電線3の相間ショートの可能性をより正確に評価することができる。
送電線3に取り付けられる高度検出装置10の一つは、送電線3の長手方向の中間位置に取り付けられていることが好ましい。送電線3の長手方向の中間位置の振動幅が最も大きくなりやすいからである。また、送電線3の長手方向の中間位置に高度検出装置10を取り付けた場合には、送電線3の振動のみならず送電線3が静止状態のときの弛度を正確に測定することができる。
図2に示すように、高度検出装置10は、高度を計測する高度計11と、中継装置20と無線通信可能に構成され、高度計11が計測した高度データを送信する無線通信部12と、高度データ等の各種データを保存する記憶部13と、各種データの処理及び各部の制御を行う制御部14と、各部に電力を供給する電源部15を備えている。
高度計11は、送電線3に取り付けられた位置(測定点)における気圧をリアルタイムに計測する気圧センサ11aと、測定点における気温をリアルタイムに計測する温度センサ11bと、気圧センサ11aによって計測された気圧データ及び温度センサ11bによって計測された気温データに基づいて高度データを算出するデータ処理部11cとを有している。
海面気圧P、高度測定点における気圧P、高度測定点における気温Tとするとき、送電線3の高度(海抜高さh)は、以下の(1)式から求めることができる。
h={((P0/P)1/5.257−1)×(T+273.15)}/0.0065 (1)
気圧センサ11a及び温度センサ11bの種類は、送電線3の振動に追従できる限りにおいて特に限定されず、種々のセンサを用いることができる。ギャロッピングによる送電線3の振動幅は1m以上であることから、気圧センサ11aは0.1hPa以上の感度を有していればよい。またギャロッピングによる送電線3の振動周波数は0.3Hz程度であることから、気圧センサ11aの応答速度は2ms以上を有していればよい。このような感度及び応答速度を有する気圧センサ11aを使用することで、その送電線3の高度の変動幅及び変動周期を求めることができ、これにより送電線3のギャロッピング状態を検出することができる。
電源部15は、交流電流が流れる送電線3の周囲に発生する磁界の変化による電磁誘導を利用して発電する電磁誘導型発電装置を含むことが好ましい。これにより、送電線3に取り付けられた高度検出装置10に対して電力を安定的に供給することができる。また電源部15は、太陽光発電装置や風力発電装置などを備えていてもよい。
高度検出装置10は、高度データをその計測時刻データ及び当該高度検出装置10の識別IDと共に送信する。これにより、中継装置20や管理サーバ30は高度データがどの送電線3のどの位置に取り付けられた高度検出装置10がいつ計測したものであるかを識別することできる。
中継装置20は、高度検出装置10と無線通信可能に構成され、高度検出装置10から送信された高度データを受信する第1通信部21と、管理サーバ30と通信可能に構成され、高度データを管理サーバ30に送信する第2通信部22と、高度検出装置10から送られてくる高度データ等の各種データを保存する記憶部23と、各部を制御する制御部24と、各部に電力を供給する電源部25とを備えている。制御部24は、高度検出装置10から送られてくる高度データの時間変化から送電線3の異常振動の有無を判定する判定機能を有していてもよい。
中継装置20は、高度検出装置10から送られてくる高度データに基づいて送電線3の異常振動の有無を判定する機能を有していてもよい。すなわち、中継装置20は、高度検出装置10から送られてくる高度データの変動幅と変動周期から送電線3の異常振動が発生しているか否かを概略的に判断し、異常振動が発生しているおそれがあると判断した場合には高度データを間引くことなく連続的に送信し、異常振動が発生していないと判断した場合には高度データを間引いて間欠的に送信する。送電線3の振動幅が所定の閾値以上である場合には高度データの送信頻度を高くし、所定の閾値未満の場合には高度データの送信頻度を低くすることで、中継装置20と管理サーバ30との間の通信トラフィックを軽減することが可能になる。
高度データを間欠的に送信する際の送信頻度は特に限定されず、適宜設定することができる。また送電線3の振動幅に応じて高度データの送信頻度を段階的に変化させてもよい。中継装置20によって異常振動の有無を判定する際に用いる閾値LTH2は、後述する管理サーバ30が異常振動の有無を判定する際に用いる閾値LTH1よりも低い(LTH2>LTH1)ことが望ましい。
また中継装置20は、送電線3に取り付けられた高度検出装置10から頻繁或いはリアルタイムに送られてくる高度データを間引いて管理サーバに送信してもよい。すなわち、中継装置20は、送電線3に取り付けられたギャロッピングが発生していると判定した場合には当該高度データを間引くことなくそのまま送信するが、ギャロッピングが発生していないと判定した場合には当該高度データを間引いて送信する。
中継装置20が支持塔2Aと支持塔2Bにそれぞれ設けられている場合、支持塔2Aの近くに設置された高度検出装置10からの高度データは、支持塔2A側の中継装置20によって中継され、支持塔2Bの近くに設置された高度検出装置10からの高度データは、支持塔2B側の中継装置20によって中継される。送電線3の長手方向の中間付近に取り付けられた高度検出装置10からの高度データは、支持塔2A側の中継装置20と支持塔2B側の中継装置20の両方が受信して中継することができる。
高度検出装置10が計測した高度データは中継装置20を介して管理サーバ30に送られる。管理サーバ30は、各送電線3の高度を監視しており、送電線3が比較的短い周期で大きく変動している状態が計測ずる場合には、ギャロッピングが発生しているものと判断し、上下方向に隣接する異相の送電線3,3同士が接触して相間ショートが発生するおそれがあるため、当該送電線3を含む送電系統の使用を中止し、別の送電系統の使用に切り換える。通常、送電系統は冗長構成を有するため、ギャロッピングが発生している送電線3の使用を中止しても問題はなく、これにより送電系統全体の安全性を確保することができる。
支持塔2A,2Bの上端部間には光ファイバー回線4も架設されている。この光ファイバー回線4は、支持塔2A,2Bの上端部間に架空地線と一緒に架設されているものである。中継装置20の第2通信部22は、この光ファイバー回線4に接続されていることが好ましく、光ファイバー回線4を介して変電所等に設けられた管理サーバ30に接続されている。
管理サーバ30は、中継装置20を介して複数の高度検出装置10から送られてきた高度データに基づいて送電線3の異常振動の有無を判定する。本実施形態において、送電線3の測定点の地上(又は海面)からの高度を正確に求めることは必ずしも必要ではなく、振動時における送電線3の高度差(振動幅)を測定できればよい。例えば、静止状態における上下の送電線3,3間の距離Lとするとき、閾値LTH1=L/2とすることができる。そして、高度データの最大値と最小値との差から送電線3の振動幅Hを求め、当該振動幅Hが所定の閾値LTH1以上となったときにギャロッピングによる異常振動が発生したものと判定して当該送電線3の使用を中止し、別の送電系統に切り換える。
管理サーバ30は、送電線3の異常振動が発生していると判定した場合に、支持塔2A等に取り付けられた遠隔監視カメラ40を制御して送電線3の振動状態を撮影してもよい。遠隔監視カメラ40は、中継装置20と同様、光ファイバー回線4を介して管理サーバ30と通信可能に構成されており、遠隔監視カメラ40は、送電線3の動画又は静止画を撮影して管理サーバ30に送信する。この構成によれば、送電線3のギャロッピング現象を確実に撮影することができる。
本実施形態において、管理サーバ30は、送電線3が振動していない静止状態であると判定した場合に、送電線3の高度の最小値から送電線3の弛度を求めることができる。特に、高度検出装置10の一つが送電線3の長手方向の中間位置に取り付けられている場合には、送電線3の弛度を正確に求めることができる。したがって、送電線3の経年変化による弛度の変化を監視することができ、また夏場の高温によって伸びてしまった送電線3の弛度の変化を監視することができ、送電線3の弛度が一定の範囲に収まっていない場合には調整することができる。
以上説明したように、本実施形態による送電線監視システム1Aは、送電線3に取り付けられた高度検出装置10と、高度検出装置10と無線通信可能な中継装置20と、中継装置と通信可能な管理サーバ30とを備え、管理サーバ30は、高度検出装置10によって検出された送電線3の測定点における高度の振動幅及び振動周期から送電線3が異常振動しているか否かを判断するので、送電線3の振動幅の測定精度を高めることができ、ギャロッピングが原因で生じる相間ショートの可能性を客観的に評価することができる。特に、3相の送電線3の各々に高度検出装置10を取り付けているので、3相の送電線3の上下方向の動きを監視することができ、これにより相間ショートの危険性を客観的に評価することができる。
図3は、本発明の第2の実施の形態による送電線監視システムの構成を示す模式図である。
図3に示すように、この送電線監視システム1Bの特徴は、送電線3上のみならず支持塔2A,2Bにも高度検出装置10(第2の高度検出装置)が設けられている点にある。支持塔2A,2B上の所定の高さ位置に取り付けられた高度検出装置10の測定点の高度は既知であるため、気圧センサ11a及び温度センサ11bの計測結果に基づく高度データが既知の高度に対してずれている場合には、天候変動による高度の誤差が発生しているということができる。
したがって、管理サーバ30は、支持塔2A,2Bに取り付けられた高度検出装置10から送られてきた高度データを既知の高度と比較して高度の誤差(外乱ノイズ)を算出し、各送電線3に取り付けられた高度検出装置10から送られてきた高度データから天候変動による外乱ノイズを取り除く。このように高度データを補正することで、送電線3の高度の測定精度を高めることができる。
支持塔2A,2Bに取り付けられる高度検出装置10の数は特に限定されず、各支持塔2A,2Bに一つであってもよく、複数であってもよい。複数の場合、送電線3の本数と同数の高度検出装置10を各送電線3の取り付け根元位置と同じ高さにそれぞれ取り付けてもよい。これにより、ほぼ同じ高さの送電線3に設けられた高度検出装置10に対する基準高度を個別に生成して補正することができる。高度検出装置10は中継装置20内に組み込まれていてもよい。これによれば、中継装置20を設置するだけで高度検出装置10を支持塔2A,2Bに取り付けたことになるので、支持塔への高度検出装置10の設置作業を容易にすることができる。また中継装置20との通信に必要な高度検出装置10内の無線通信部12を省略することができる。
天候変動の影響を取り除くための高度データの補正処理は、中継装置20内で行ってもよい。中継装置20は、支持塔2A,2Bに取り付けられた高度検出装置10から送られてきた高度データを既知の高度と比較して高度の誤差(外乱ノイズ)を算出し、当該高度の誤差を用いて、各送電線3に取り付けられた高度検出装置10から送られてきた高度データから天候変動による外乱ノイズを取り除く。補正後の高度データは、中継装置20から管理サーバ30に送られる。中継装置20が異常振動の有無を判定する場合には、補正後の高度データを用いて異常振動の有無を判定することが望ましい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態においては、複数本の送電線3の各々に複数の高度検出装置10が一定の間隔を隔てて配置されているが、各送電線3には少なくとも一個の高度検出装置が設けられていればよく、さらには、複数本の送電線3のうちのいずれか一本に高度検出装置10が一個だけ設けられた構成であってもよい。例えば、中段の送電線3の長手方向の中間位置に高度検出装置10が一個だけ設けられた構成であってもよい。
1A,1B 送電線監視システム
2A,2B 支持塔(鉄塔)
3 送電線(架空送電線)
4 光ファイバー回線
10 高度検出装置
11 高度計
11a 気圧センサ
11b 温度センサ
11c データ処理部
12 無線通信部
13 記憶部
14 制御部
15 電源部
20 中継装置
21 第1通信部
22 第2通信部
23 記憶部
24 制御部
25 電源部
30 管理サーバ
40 遠隔監視カメラ

Claims (12)

  1. 支持塔間に架設された送電線に取り付けられ、当該取り付け位置における前記送電線の高度を検出する高度検出装置であって、
    高度を計測して高度データを出力する高度計と、
    前記高度計が出力した前記高度データを送信する無線通信部とを備えることを特徴とする送電線の高度検出装置。
  2. 前記高度計は、気圧を計測して気圧データを出力する気圧センサと、気温を計測して気温データを出力する温度センサと、前記気圧データ及び前記気温データから前記高度データを算出するデータ処理部とを含む、請求項1に記載の高度検出装置。
  3. 前記高度計及び前記無線通信部に電力を供給する電源部をさらに備え、
    前記電源部は、前記送電線の周囲に発生する磁界の変化による電磁誘導を利用して発電する電磁誘導型発電装置を含む、請求項1又は2に記載の高度検出装置。
  4. 支持塔間に架設された送電線に取り付けられ、当該取り付け位置における前記送電線の高度を検出する少なくとも一つの第1の高度検出装置と、
    前記第1の高度検出装置によって検出された前記送電線の高度の変動幅及び変動周期に基づいて、前記送電線の異常振動の有無を判定する管理サーバとを備え、
    前記第1の高度検出装置は、
    高度を計測して高度データを出力する高度計と、
    前記高度計が出力した前記高度データを送信する無線通信部とを含むことを特徴とする送電線監視システム。
  5. 前記第1の高度検出装置を複数備え、
    前記複数の第1の高度検出装置は、単一の送電線上に所定の間隔を隔てて取り付けられている、請求項4に記載の送電線監視システム。
  6. 前記送電線は、上下方向に所定の間隔を隔てて配列された3相の送電線を含み、
    前記第1の高度検出装置は、前記3相の送電線の各々に取り付けられており、
    前記管理サーバは、前記第1の高度検出装置によって検出された前記3相の送電線の各々の高度の変動幅及び変動周期に基づいて、前記3相の送電線の異常振動の有無を判定する、請求項4又は5に記載の送電線監視システム。
  7. 前記支持塔に取り付けられた中継装置をさらに備え、
    前記中継装置は、
    前記第1の高度検出装置と無線通信可能に構成され、少なくとも前記第1の高度検出装置から送信された前記高度データを受信する第1通信部と、
    前記管理サーバと通信可能に構成され、少なくとも前記高度データを前記管理サーバに送信する第2通信部とを含む、請求項4乃至6のいずれか一項に記載の送電線監視システム。
  8. 前記第2通信部は、前記送電線と共に前記支持塔間に架設された光ファイバー回線を介して前記管理サーバに接続されている、請求項7に記載の送電線監視システム。
  9. 前記中継装置は、
    前記第1の高度検出装置によって検出された前記送電線の高度の変動幅及び変動周期に基づいて、前記送電線の異常振動の有無を判定し、
    前記送電線が異常振動していると判定した場合に、前記第1の高度検出装置から送られてくる前記高度データを前記管理サーバに連続的に送り、
    前記送電線が異常振動していないと判定した場合に、前記第1の高度検出装置から送られてくる前記高度データを前記管理サーバに間欠的に送る、請求項7又は8に記載の送電線監視システム。
  10. 前記複数の高度検出装置は、前記支持塔に取り付けられ、当該取り付け位置の高度を検出する第2の高度検出装置を含み、
    前記高度検出装置は、
    前記高度を計測して高度データを出力する高度計と、
    前記高度計が出力した前記高度データを送信する無線通信部とを含み、
    前記管理サーバは又は前記中継装置は、
    前記第2の高度検出装置によって検出された高度及び当該第2の高度検出装置の取り付け位置の既知の高度から天候変動による高度の外乱ノイズを算出し、
    前記送電線に取り付けられた前記第1の高度検出装置によって検出された当該送電線の高度から前記外乱ノイズを取り除く、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の送電線監視システム。
  11. 前記管理サーバは、前記送電線が実質的に振動していないときの高度データから前記送電線の弛度を判定する、請求項4乃至10のいずれか一項に記載の送電線監視システム。
  12. 前記支持塔に取り付けられ、前記管理サーバと通信可能に構成された遠隔監視カメラをさらに備え、
    前記管理サーバは、前記送電線が異常振動していると判定したとき、前記遠隔監視カメラを起動して前記送電線の動画又は静止画を撮影する、請求項4乃至11のいずれか一項に記載の送電線監視システム。
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