JP2020072740A - コンバイン - Google Patents

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Abstract

【課題】刈取部の破損を防止できるとともに、収穫作業の容易化と効率化とを図ることができるコンバインを提供する。【解決手段】機体に昇降自在に連結された刈取部と前記機体の傾斜角度を検出する傾斜角センサとを備え、衛星測位システムを用いて位置情報を取得し、自律走行が可能なコンバインであって、走行経路の情報及び圃場端の情報を含む圃場情報と、取得する前記位置情報と、検出される前記傾斜角度の情報とに基づいて、前記刈取部の高さ位置を変更する。【選択図】図16

Description

本発明は、GPSを用いて位置情報を取得し、自律走行が可能なコンバインのうち、前方作業機の高さ位置を自動的に変更する構成を備えたコンバインに関する。
GPSを用いて取得する位置情報に基づいて圃場端の位置を記録することができる自律作業車両が、従来から公知である(特許文献1参照)。圃場端の位置を記録する方法としては、前以てオペレータが圃場端まで当該自律作業車両を移動させたうえで、遠隔操作装置のディスプレイを操作することにより、圃場端の位置に該当する緯度と経度との情報を制御装置に記憶させている。
一方、前方作業機としての刈取装置の高さ位置を自動的に変更することができる無人操縦コンバインが、従来から公知である(特許文献2)。当該無人操縦コンバインにおいては、畦や塀等の障害物を検出する障害検出センサが刈取装置の分草体に設けられている。当該無人操縦コンバインは、障害検出センサが検出する障害物の高さと、障害物までの距離とに基づいて、刈取装置を昇降させている。これにより、当該無人操縦コンバインは、分草体の破損を防止することができ、更に、畦の近くまで穀稈を刈り取って収穫することができる。
しかし、特許文献2に記載された障害検出センサのようなセンサによらずに、GPSを用いて取得した位置情報に基づいて刈取装置(刈取部)の高さ位置を変更することによって、分草体を含む刈取部の路面への衝突を回避し、刈取部の破損を防止することができるとともに、収穫作業の容易化と効率化とを図ることができるコンバインが望まれている。
国際公開第2015/118730号 特開2016−10372号公報
本発明は、GPSを用いて取得した位置情報に基づいて刈取部の高さ位置を変更することによって、刈取部の破損を防止できるとともに、収穫作業の容易化と効率化とを図ることができるコンバインを提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1に係る発明は、機体に昇降自在に連結された刈取部と前記機体の傾斜角度を検出する傾斜角センサとを備え、衛星測位システムを用いて位置情報を取得し、自律走行が可能なコンバインであって、走行経路の情報及び圃場端の情報を含む圃場情報と、取得する前記位置情報と、検出される前記傾斜角度の情報とに基づいて、前記刈取部の高さ位置を変更するものである。
請求項2に係る発明は、取得する前記位置情報に対して、前記刈取部よりも前方に所定間隔をあけて、偏差点が設定され、前記圃場情報は、前記走行経路上に予め設定された目標点の情報を含み、前記偏差点が前記目標点に重複していることを認識するときに、前記刈取部の高さ位置を変更するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明によれば、GPSを用いて取得した位置情報に基づいて刈取部の高さ位置を変更することによって、刈取部の破損を防止できるとともに、収穫作業の容易化と効率化とを図ることができる。
コンバインの外観斜視図である。 図1の矢印Lから見た図である。 図1の矢印Rから見た図である。 コンバインの制御システムを示すブロック図である。 コンバインの位置情報を取得するための構成を示すブロック図である。 (A)はコンバインに入力される圃場情報の概念を示す図であって、(B)は傾斜角度の情報を表す圃場と傾斜路との一断面を示す図であって、(C)は傾斜角度の情報を表す圃場と傾斜路との別断面を示す図である。 圃場情報に含まれる走行経路の一例を示す図である。 圃場情報に含まれる走行経路の別の一例を示す図である。 刈取部の周囲の障害物を検出するレーザースキャナによる検出範囲を示すコンバインの平面図である。 傾斜路を走行して圃場に進入するコンバインを示す図である。 圃場に進入しながら刈取作業を実施するコンバインを示す図である。 圃場における刈取済み領域を走行するコンバインを示す図である。 圃場における未刈取済み領域に到達したコンバインを示す図である。 圃場端付近で刈取作業を実施するコンバインを示す図である。 圃場から退場しながら刈取作業を実施するコンバインを示す図である。 圃場から退場するコンバインを示す図である。 圃場から退場して傾斜路を走行するコンバインを示す図である。
以下に、図1、図2及び図3を用いて本発明の実施形態としてのコンバイン1を説明する。コンバイン1は、自律して走行及び作業が可能な自律走行型コンバインであって、無人で走行及び作業できる。つまり、無人操縦式のコンバイン1は、刈取対象物のある圃場内に、圃場に接続された傾斜路から自律走行して進入することができ、また、自律走行して圃場内から圃場外に退出することができるように構成されている。更に、コンバイン1は、圃場内において、自律して走行、転回、及び、作業するように構成されている。
図1に示すように、コンバイン1は、主に走行部10と、刈取部2と、搬送部3と、脱穀部4と、選別部5と、貯留部6と、動力部7とで構成されている。なお、図1には、コンバイン1の前後方向、左右方向及び上下方向を表す。図2と図3とには、コンバイン1の前後方向及び上下方向を表す。
走行部10は、シャシ13の下方に設けられている。走行部10は、トランスミッション11と、クローラ式走行装置12・12とで構成されている。トランスミッション11は、動力部7を構成するエンジン71の回転動力をクローラ式走行装置12・12へ伝達する。クローラ式走行装置12・12は、コンバイン1を前後方向に走行させる。また、クローラ式走行装置12・12は、コンバイン1を左右方向に旋回させる。
走行部10は、図示しない制動装置を含む。制動装置としては、トランスミッション11における機構の作動を制動する制動装置と、クローラ式走行装置12の回転を制動する制動装置とが該当する。
刈取部2は、走行部10の前方に設けられている。刈取部2は、リール21と刈刃22とデバイダ23とを含む。リール21は、圃場の穀稈を引き起こす。また、リール21は、左右方向を向いた回転軸線を中心にして回転自在に構成されている。刈刃22は、リール21によって引き起こされた穀稈を切断する。デバイダ23は、刈刃22の前方に配置されている。デバイダ23は、刈取フレーム24の左右の側壁25から前方に向かって突出することによって、刈取部2の前端及び左右各端を形成している。刈取部2は、前方作業機を構成している。
搬送部3は、刈取部2の後方に設けられている。搬送部3は、オーガ31と、コンベヤ32とを含む。オーガ31は、刈刃22によって切断された穀稈を集合させてコンベヤ32へ送り込む。コンベヤ32は、オーガ31によって送り込まれた穀稈を脱穀部4へ送り込む。
脱穀部4は、搬送部3の後方に設けられている。脱穀部4は、ローター41と、シーブメッシュ42とを含む。ローター41は、搬送部3によって送り込まれた穀稈から穀粒を脱穀する。また、ローター41は、穀稈を搬送する。シーブメッシュ42は、ローター41によって搬送される穀稈を支持するとともに、穀粒をふるいにかける(穀粒を落下させる)。
選別部5は、脱穀部4の下方に設けられている。選別部5は、揺動装置51と、送風装置52とで構成されている。揺動装置51は、シーブメッシュ42から落下してきた脱穀物をふるいにかけて穀粒を選別する。送風装置52は、穀粒とともに落下してきた穀稈屑や揺動装置51の上に残った穀稈屑を吹き飛ばす。
貯留部6は、脱穀部4及び選別部5の側方に設けられている。貯留部6は、グレンタンク61と、排出オーガ62とで構成されている。グレンタンク61は、選別部5から搬送されてきた穀粒を貯留する。排出オーガ62は、グレンタンク61内の穀粒を排出する際に用いられる装置である。
動力部7は、貯留部6の下方に設けられている(図3参照)。動力部7は、エンジン71で構成されている。エンジン71は、燃料を燃焼させて得た熱エネルギーを回転動力に変換する。
コンバイン1は、オペレータが乗り込み、操縦するためのスペースを有している。即ち、グレンタンク61の前方に、キャビン8が設けられている。また、コンバイン1には、有人操縦式のコンバインと同様にオペレータによって操作される操作具が設けられていている。コンバイン1の各構成は、自律して自動的に作動することに加えて、オペレータによる操作に基づいて作動するものであってもよい。
キャビン8内部には運転座席8aが載置され、運転座席8aの前方には操向操作手段となるステアリングハンドル(図示せず)が設けられていている。例えば、このステアリングハンドルの操作により、左右のクローラ式走行装置12・12の各回転数が調整されて、転回を含むコンバイン1の操舵方向が人為的に制御されることでもよい。
このように構成されたコンバイン1は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)を利用することにより、自身の位置情報を取得する。更に、コンバイン1は、この位置情報に基づいて、進行方位、走行速度の各情報を算出等することにより、これら各情報に基づいて所定の経路に沿って走行及び作業するように構成されている。
次に、刈取部2と搬送部3との構成について、より詳細に説明する。
搬送部3のコンベヤ32は、フィーダハウス33に収容されている。フィーダハウス33は、機体9に対して回転自在に連結されている。フィーダハウス33の後端部が、シャシ13を構成するフレーム部材の前部に支持されている。フィーダハウス33の前端部は、刈取フレーム24の後端部を支持している。
なお、コンバイン1の機体9とは、コンバイン1の各構成のうち、搬送部3と刈取部2とを除いた部位を指し、シャシ13に支持された部位である。機体9は、脱穀部4、選別部5、貯留部6、動力部7、及び、キャビン8を含む。
図3に示すように、フィーダハウス33の下部には、油圧シリンダ34の一端(前端)が支持されている。油圧シリンダ34の他端(後端)は、シャシ13を構成するフレーム部材に支持されている。油圧シリンダ34の伸縮に応じてフィーダハウス33が機体9に対して上下にスイングすることにより、刈取部2が機体9に対して上下に移動する。フィーダハウス33を含む搬送部3及び刈取部2の高さ位置は、設定された最下位置から最上位置まで連続的に変更自在である。
刈取部2のリール21は、刈取フレーム24に対して上下に移動自在に構成されている。刈取フレーム24に対してリール21を支持する左右の各アーム26が、刈取フレーム24の上部にスイング自在に支持されている。左右の各アーム26と刈取フレーム24の側壁25との間には、それぞれリール昇降用の昇降シリンダ27が設けられている。各昇降シリンダ27の一端(上端)は、各アーム26の後端部に支持され、他端(下端)は刈取フレーム24の側壁25に支持されている。
油圧作動式の昇降シリンダ27の伸縮に応じてアーム26が刈取フレーム24に対して上下にスイングすることによって、アーム26とともにリール21が刈取フレーム24に対して上下に移動する。刈取フレーム24に対するリール21の高さ位置は、設定された最下位置から最上位置まで連続的に変更自在である。
なお、図示していないが、コンバイン1は、リール21を刈取フレーム24に対して前後移動させるための構成を含んでいてもよい。この場合に、アーム26が伸縮自在に構成されていてもよく、刈取フレーム24とリール21との間に連結される油圧作動式のシリンダが設けられていてもよい。
図1〜図3に図示するように、無人操縦式のコンバイン1は、普通型コンバインである。しかし、本発明の実施形態として、コンバイン1は、自脱型コンバインであってもよい。自脱型のコンバインにおいて、刈取部2は、引起装置、複数の分草板、刈刃、掻込装置、及び、搬送装置を備える。
図示していないが、引起装置は、一条毎の未刈穀稈を起立させる複数の引起タインを備える。引起装置は、各分草板によって一条毎に分離された穀稈を引き起こす。掻込装置は、引起装置によって引き起こされた穀稈の株元を掻き込む。刈刃を含む切断装置は、掻込装置の下方に設けられている。切断装置は、掻込装置によって掻き込まれた穀稈を切断する。
自脱型コンバインの刈取部2に設けられた搬送装置は、穀稈の穂先側を把持する上部搬送装置と、穀稈の株元側を把持する下部搬送装置と、下部搬送装置から脱穀部4に穀稈を引き継ぐ縦搬送装置及び受継搬送装置とで構成されている。
また、コンバイン1が自脱型コンバインである場合には、油圧シリンダ34がシャシ13と刈取部2のフレームとに連結されている。油圧シリンダ34の伸縮によって、自脱型コンバインは、刈取部2の高さ位置を変更することができる。
次に、コンバイン1の制御装置80について説明する。
コンバイン1は、最大限の性能を発揮できるよう、各所に情報ネットワークが張り巡らされている。具体的には、動力部7のほか、コンバイン1の各構成が互いに情報を共有できるコントローラ・エリア・ネットワーク(CAN)を構成している。
図4に示すように、制御装置80は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータからなる処理部81と、ROM(Read Only Memory)、RAM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の記憶部82とを有している。処理部81は、ROMに格納されているプログラム等をRAM上に読み出したうえで、これを実行することができる。更に、制御装置80は、制御プログラムを処理部81が実行することにより、各種構成要素の作動制御を行う。具体的には、通信時における情報の送受信、各種の入出力制御及び演算処理の制御等を行う。
コンバイン1は、制御装置80の入力側の構成として、エンジン回転数センサ101、走行速度センサ102、ジャイロセンサ103、方位センサ104、操向センサ105、フィーダハウス角度センサ106、及び、リール高さセンサ107を備える。更に、コンバイン1は、後述するレーザースキャナ108を備えている。
エンジン回転数センサ101は、エンジン71のクランクシャフト(図示せず)の回転数を検出する。走行速度センサ102は、コンバイン1の走行速度を検出する。傾斜角センサとしてのジャイロセンサ103は、コンバイン1の機体9の変位として、前後方向の傾斜(ピッチ)の角速度、左右方向の傾斜(ロール)の角速度、及び、旋回(ヨー)の角速度を検出する。このようにして、ジャイロセンサ103は、GPSを用いて取得するコンバイン1の現在位置における路面の傾斜角度θ1(図10参照)を検出する。
方位センサ104は、コンバイン1の進行方向を検出する。操向センサ105は、コンバイン1の操舵方向を検出する。フィーダハウス角度センサ106は、機体9に対するフィーダハウス33の角度θ2(図10参照)を検出する。機体9に対するフィーダハウス33の角度としては、油圧シリンダ34の伸長量を検出することでもよい。リール高さセンサ107は、刈取フレーム24に対するリール21の高さ位置を検出する。刈取フレーム24に対するリール21の高さ位置としては、昇降シリンダ27の伸長量を検出することでもよい。
これらの各センサには、公知の構成を有するセンサを用いることができる。各センサからの信号は、制御装置80に送信される。制御装置80は、これらの情報のうち、ジャイロセンサ103及び方位センサ104から取得した信号に基づいて、コンバイン1の姿勢(向き、機体前後方向及び機体左右方向の傾斜、旋回方向)を算出又は導出等によって認識する。
制御装置80は、算出等の結果に基づいて、予め設定された走行経路をコンバイン1が走行するとともに、予め設定された作業の情報に基づいて圃場内においてコンバイン1が所定の作業を実施するように各構成を制御する。即ち、制御装置80は、走行部10、刈取部2、搬送部3、脱穀部4、選別部5、貯留部6及び動力部7を制御する。
このとき、制御装置80は、エンジン71の状態を検出するエンジン回転数センサ101、温度センサ、及び、油温センサ(いずれも図示せず)等からの入力情報(検出情報)に基づいて、エンジン71の運転状態を制御する。また、制御装置80は、フィーダハウス33の角度を変更することによって刈取部2及び搬送部3の高さを設定高さに調整したり、リール21の高さ位置を調整したりする制御を実行する。また、制御装置80は、刈取速度の変更に伴って搬送部3における搬送速度を変更したり、脱穀部4のローター41の回転数を処理量に応じて変更したり、送風装置52の風量及びシーブメッシュ42の開度を処理量に応じて変更したりする制御を実行する。更に、制御装置80は、後述する位置情報、変位及び方位情報、圃場情報fI(図6参照)等に基づいて、操舵方向が変更されるように走行部10を制御するとともに、刈取部2の高さ位置及びリール21の高さ位置が変更されるように油圧シリンダ34と昇降シリンダ27とを制御する。
なお、コンバイン1が実施する作業に必要な各設定値としては、走行経路に沿って、又は、走行状態ごとに各構成の作動がプログラミングされている。コンバイン1は、このようなプログラムに従って所定の作業を実施できる。また、コンバイン1において、自律した走行及び作業に必要な緊急停止、一時停止、再発進、走行速度の変更、エンジン回転数の変更、刈取部2の高さ位置の自動調整、及び、刈取物の搬送速度の自動調整等のための設定値は、予め記憶部82に格納されている。
図5に示すように、制御装置80は、通信部83を有する。通信部83は、コンバイン1の外部の構成と通信する機能を有する。制御装置80は、通信部83を通じて別のコンバイン等の車両、収穫物を運送する別の車両、携帯端末等と通信自在である。制御装置80は、外部の構成から送信される情報を読取及び解析等することにより、外部の構成から必要な情報が入力されて、プログラム等の格納された情報の書き換えに対応できるように構成されていてもよい。
次に、コンバイン1がGPSを用いて自身の位置情報を取得する方法について説明する。
図5に示すように、コンバイン1は、移動局となる移動通信機91と移動GPSアンテナ92とデータ受信アンテナ93とを備える。また、基準局となる固定通信機94と固定GPSアンテナ95とデータ送信アンテナ96とが、畦等の圃場における作業の邪魔にならない所定位置に配置される。基準局及び移動局の両方で位相の測定(相対測位)が行われ、基準局の固定通信機94で測位されたデータがデータ送信アンテナ96からコンバイン1のデータ受信アンテナ93に送信される。
コンバイン1に配置された移動GPSアンテナ92は、GPS衛星90・90・・・からの信号を受信する。この信号は、移動通信機91に送信され、測位される。そして、同時に基準局となる固定GPSアンテナ95がGPS衛星90・90・・・からの信号を受信する。固定通信機94で測位されたデータが、データ送信アンテナ96とデータ受信アンテナ93とを介して移動通信機91に送信される。コンバイン1の移動通信機91においては、観測されたデータが解析されて、移動局の位置が決定される。こうして得られた位置情報は、コンバイン1の制御装置80に送信される。
こうして、GPS衛星90・90・・・から送信される信号に基づいて、移動通信機91において設定時間間隔でコンバイン1の位置情報が取得され、ジャイロセンサ103及び方位センサ104からはコンバイン1の変位情報及び方位情報が検出される。
コンバイン1の制御装置80は、これら位置情報と変位情報と方位情報とに基づいて、予め設定された走行経路に沿ってコンバイン1が走行するように、走行部10及び動力部7等の各構成を制御する。また、コンバイン1は、制御装置80が位置情報を認識することにより、現在位置に応じて、走行経路に沿って設定された所定の作業を実施し、又は、コンバイン1の走行状態ごとに設定された作業を実施することができる。
なお、各設定値は、稲又は豆等といった2種以上の刈取対象物ごとに別の設定がなされている。つまり、各設定値は、刈取対象物ごとに異なっていてもよい。或いは、コンバイン1の制御装置80は、基準となる設定値を予め格納するとともに、基準の設定に対して刈取対象物の種類に応じて補正された各設定値を刈取作業に用いることができる。
次に、コンバイン1の制御装置80に予め入力されている圃場情報fIについて説明する。図6に、圃場情報fIの一例を示す。図6(A)に示すように、圃場情報fIはマップ状に構成されている。
圃場情報fIとして、作業範囲となる圃場Fの外周の位置情報(地図情報)が予め設定されている。オペレータが事前に圃場Fを目視等によって確認することにより、データ化されている地図上に、圃場端Eとして圃場Fの外周を指定する。或いは、衛星写真、ドローン等を活用することによって目視に代わる方法を採用することもできる。
また、図6(B)及び図6(C)に示すように、圃場端Eの外側の傾斜路SLの傾斜角度の情報と、圃場F内の傾斜面の情報とが、地図情報のブロック(図6(A)中の格子)の角ごと、即ち、地図情報の点ごとに入力されている。このように、圃場情報fIは、三次元の地図情報によって構成されている。
圃場F内の傾斜面とは、圃場Fにおいて水平方向に対して傾斜している部分の面である。本例の圃場Fは、図6(B)及び図6(C)に示すように、略水平面によって形成されている。一方、傾斜路SLとは、圃場端Eよりも外方に位置する路面であって、圃場Fに接続する接続路のことである。
圃場情報fIは、走行経路の情報を含む。図7に、走行経路の一例を示す。
図7に示すように、走行経路は、圃場情報fIとしての地図情報に対応している。設定される走行経路には、傾斜路SLを通って圃場Fに進入する経路と、圃場F内で走行及び作業する経路と、圃場Fから傾斜路SLに退出する経路とが含まれる。傾斜路SLを通って圃場Fに進入する経路と、圃場Fから傾斜路SLに退出する経路とは、圃場端Eに交差する経路として設定されている。これにより、後述のように、コンバイン1の制御装置80は、圃場情報fI、GPSを用いて取得する位置情報、ジャイロセンサ103によって検出される傾斜角度の情報とを用いて、走行経路上の圃場端Eの位置を認識することができる。
図7に示す走行経路によれば、コンバイン1は、傾斜路SLを走行して、所定の圃場端Eの辺(図中の下側辺)を通って圃場F内に進入する。コンバイン1は、圃場F内において、直進状に走行しつつ圃場Fの中心に向かって左に旋回しながら刈取作業を実施する。そして、コンバイン1は、進入した圃場端Eの近傍から圃場Fを退出する。
なお、圃場の形状等の環境に応じて、圃場ごとに異なる走行経路が設定されていてもよい。図8に、走行経路の別の一例を示す。
図8に示す走行経路は、別の圃場Foに対して設定された経路である。この走行経路は、丸で囲まれた数の順に圃場Fo内でコンバイン1が走行及び刈取作業を実施するように設定されている。コンバイン1が刈取作業を実施する経路は、図中に直線状の矢印で表す。1〜10の数が記された経路は、圃場Fo内の刈取用の経路として、コンバイン1が順に走行する経路である。コンバイン1が刈取作業を実施せずに走行するだけの経路は、図中に二点鎖線の矢印で表す。このように設定された走行経路によれば、コンバイン1は、圃場Foとその周りの二つの傾斜路SLとを図中の1〜10の順に辿りつつ、螺旋状に移動する。
コンバイン1は、傾斜路SLを走行して、二つの圃場端Eの辺のうちの一方(図中の下方)を通って圃場Fo内に進入する。更に、コンバイン1は、二つの圃場端Eの辺の間で圃場Fo内を直進状に走行しながら刈取作業を実施し、他方(図中の上方)の圃場端Eから圃場Foを退出する。そして、傾斜路SLで90°左に転回した後に他方の圃場端Eの辺に沿って移動して、再び左に90°転回したうえで圃場Foに向かって傾斜路SLを走行する。それから、他方の圃場端Eから圃場Foに再度進入して、一方の圃場端Eに向かって直進状に走行しながら刈取作業を実施し、一方の圃場端Eから圃場Foを退出する。そして、傾斜路SLで90°左に転回した後に一方の圃場端Eの辺に沿って移動して、再び左に90°転回したうえで圃場Foに向かって傾斜路SLを走行する。コンバイン1は、次に一方の圃場端Eから圃場Fo内に進入するときに、先に通った軌跡の直ぐ左側を走行する。また、コンバイン1は、次に他方の圃場端Eから圃場Fo内に進入するときに、先に通った軌跡の直ぐ右側を走行する。
圃場Foの特徴は、互いに向かい合う二つの圃場端Eの辺に隣接した各傾斜路SLの傾斜角度が極めて緩やかであって、これらの傾斜路SLにはコンバイン1の転回のためのスペースが大きく含まれている。収穫した穀粒を運搬する車両(運搬車)は、これらの傾斜路SLに隣接する車道で駐車する。また、この圃場Fo一枚当たりの収穫量は、グレンタンク61(図1参照)の容量を上回っている。従って、コンバイン1は、圃場Fo内で刈取作業を実施している間にグレンタンク61が満杯になる前に、刈取作業を一旦中断する必要がある。
しかし、コンバイン1は、圃場Fo内の一方と他方との圃場端Eの辺の間で刈取作業を実施したうえで、圃場Fo外の傾斜路SLにおいて、運搬車が待機できる車道に沿って次の刈取用の経路に移動することができる。そのため、グレンタンク61の上限に収穫量が近づいたときに圃場端Eまで刈取作業を実施してから圃場Foから退出し、運搬車が待機する位置まで傾斜路SLを走行したうえで、グレンタンク61から穀粒を排出することができる。つまり、コンバイン1は、刈取作業を中断した位置の近傍で穀粒を排出できるので、刈取作業の効率化を図ることができる。
なお、図8に示す走行経路は、グレンタンク61の上限に収穫量が近づくまでは、コンバイン1が傾斜路SLに都度乗り上げることなく、圃場端Eの手前で90°左に転回して、圃場Fo内で二つの各圃場端Eの辺に沿って、次の数が記された刈取用の経路まで移動するように設定されていてもよい。このような経路によれば、コンバイン1が傾斜路SLを乗り上げてここを走行する距離が省かれるので、刈取作業の効率化を更に図ることができる。
図7と図8と示すように、コンバイン1の走行経路は、上空から圃場を見下ろす視線において、反時計回りに設定されている。つまり、コンバイン1は、左に旋回しながら刈取作業を実施する。従って、圃場F・Fo内において走行するコンバイン1の右側は、刈取が済んだ側に該当する。コンバイン1は、刈取が済んだ側に偏って障害物を検出するための構成を備えている。このような障害物を検出するための構成又は方法は、以下のレーザースキャナ108に限定されず、ミリ波レーダを用いた検出であってもよく、カメラ等を用いた画像処理によるものであってもよい。
図9に示すように、コンバイン1は、レーザースキャナ108を備える。レーザースキャナ108は、刈取部2の周囲にレーザーを照射する。レーザースキャナ108は、キャビン8の下方に設けられている。キャビン8は、コンバイン1の機体9において右側に位置している。そのため、レーザースキャナ108からのレーザーの照射範囲は、刈取部2の右側に偏っている。
詳しくは、レーザースキャナ108の照射範囲の中心、即ち、レーザースキャナ108の設置位置は、刈取部2の中心位置Cよりも右側にある。レーザースキャナ108からのレーザーの照射範囲(角度)は、設置位置を中心にして前方に90°で設定されている。そのため、刈取部2の右側部分は、左側部分よりも広い範囲で照射範囲に収まっている。このように、レーザーの照射範囲は、刈取済みの側に偏っている。
圃場F・Fo内の作業については、刈取が済んだ側に人が立ち入る場合が多いと考えられる。コンバイン1は、刈取が済んだ側に人が立ち入る場合に備えて、刈取部2の右側部分に偏ってレーザーが照射されるように構成されている。また、圃場F・Fo内の刈取が済んだ部分は、刈取対象物が刈り取られることによって路面の大部分が露呈している。このような刈取が済んだ部分に対するレーザーの照射が遮断され難いので、刈取済みの側、即ち、刈取部2の右側部分とその右方において、人、動物等の障害物を容易に検出できる。
次に、コンバイン1が圃場F1内に進入する場合に制御装置80が実施する制御について、図10と図11とを用いて説明する。
図10に示すように、圃場F1に接続する傾斜路SLをコンバイン1が走行して、圃場F1に進入する場合について説明する。コンバイン1は、圃場F1に向かって傾斜路SLを走行する間に、刈取作業のための作動を開始している。具体的には、リール21の回転、刈刃22の作動、コンベヤ32(何れも図1参照)の駆動等を開始している。
コンバイン1は、GPSを用いて、圃場F1の内外における自身の位置情報を所定時間ごとに取得している。また、コンバイン1のジャイロセンサ103(図4参照)は、傾斜路SLのうち、コンバイン1の現在位置の傾斜角度θ1を検出する。更に、上述のように、制御装置80の記憶部82(図4参照)には、上述のように走行経路の情報及び圃場端Eの情報を含む圃場情報fIが予め入力されている。そして、圃場情報fIにおいて設定されている走行経路に沿って走行しながらコンバイン1は圃場F1に進入する。
コンバイン1は、取得する位置情報によって、圃場F1内外における現在位置を認識できる。コンバイン1が取得する位置情報に対して、コンバイン1におけるデータ受信アンテナ93(図1参照)の位置が現在位置に対応している。また、取得する位置情報に対して、所定距離だけ前方にデバイダ先端23Tの位置が離れている。そのため、この所定距離の情報、即ち、データ受信アンテナ93の位置からデバイダ先端23Tの位置までの所定距離の寸法の情報が、制御装置80の記憶部82に予め格納されている。デバイダ先端23Tの位置を表す所定距離としては、機体9に対するフィーダハウス33の角度θ2に対応した値が予め格納されている。また、デバイダ先端23Tの高さ位置を表す値としては、機体9に対するフィーダハウス33の角度θ2に対応した値が予め格納されている。
更に、取得する位置情報に対して、デバイダ先端23Tよりも前方に所定間隔Lfをあけて偏差点Dが設定されている。偏差点Dの情報、即ち、デバイダ先端23Tから前方への所定間隔Lfの情報は、制御装置80の記憶部82に予め格納されている。このように、デバイダ先端23Tの位置よりも機体9から離れた位置に偏差点Dが設定されている。
このようにして、コンバイン1は、予め設定された走行経路の情報及び圃場端Eの情報を含む圃場情報fIと、GPSを用いて取得する位置情報と、ジャイロセンサ103によって検出される傾斜角度θ1の情報とを用いて圃場端Eに対する刈取部2のデバイダ先端23Tの位置を認識する。
そして、コンバイン1は、偏差点Dが圃場端Eに重複していることを認識するときに、刈取部2の高さ位置を上昇させる。これにより、コンバイン1は、高度なセンサによらずに、GPSによる位置情報に基づいて刈取部2の高さ位置を変更することができる。圃場端Eは、圃場情報fIに含まれる目標点のひとつである。
なお、コンバイン1は、走行経路上の傾斜路SLから圃場F1に進入する際にデバイダ先端23Tが圃場端Eに到達したときに、刈取部2の高さ位置を上昇させるように構成されていてもよい。コンバイン1の走行速度が比較的低い場合等には、このような簡易な制御によって刈取部2の高さ位置を効果的に変更することができる。これにより、コンバイン1の制御装置80に予め入力される情報を簡素化できる。このように、デバイダ先端23T又は偏差点Dが圃場端Eに到達したことを検出するときに刈取部2の高さ位置が自動的に上昇するので、圃場F1への進入時のデバイダ先端23Tの突っ込みを防止できる。
また、コンバイン1は、図示していないが、超音波センサ等によって構成された対地センサを備えていてもよい。このような対地センサを更に含むコンバイン1によれば、傾斜路SL又は圃場F1において凸凹した路面に刈取部2の下面又はデバイダ先端23Tが衝突することを効果的に防止できる。
更に、上述のように、フィーダハウス角度センサ106(図4参照)は、機体9に対するフィーダハウス33の角度θ2を検出する。これにより、コンバイン1の制御装置80は、機体9に対するフィーダハウス33の位置の情報を取得できる。コンバイン1は、機体9に対するフィーダハウス33の位置の情報(即ち、角度θ2)と、ジャイロセンサ103によって検出される傾斜角度θ1の情報とに基づいて、走行経路上の路面と刈取部2との間隔が一定に保持されるように刈取部2の高さ位置を変更する。
なお、ここでいう走行経路上の路面と刈取部2との間隔は、例えば、刈取部2に設けられた上述の対地センサと路面との間隔であって、路面と刈取部2との衝突を回避できるように設定された間隔である。走行経路上の路面と刈取部2との設定された間隔Hsを図11に示す。
このような構成によれば、図11に示すように、コンバイン1は、圃場端E直近の刈取対象物を適切に刈り取りながら、傾斜路SLから圃場F1内に進入することができる。つまり、機体9が圃場F1内に進入していないとしてもデバイダ先端23Tが圃場端Eを通り越して圃場F1内に進入している場合に、デバイダ先端23Tの突っ込みを防止するとともに刈取作業を適切に実施することができる。このように圃場F1内に進入したコンバイン1は、これ以後、制御装置80による制御に応じて走行経路に沿って所定の作業を実施する。
次に、圃場F2内をコンバイン1が走行する場合に制御装置80が実施する制御について、図12と図13とを用いて説明する。先行して刈取作業が途中まで実施された圃場として、圃場F2を例示する。
先ず、コンバイン1の制御装置80(図4参照)は、先行して実施された刈取作業の情報を有している。具体的には、制御装置80の記憶部82は、コンバイン1よりも先に圃場F2内に進入している車両として、別のコンバインの走行経路と当該走行経路に沿って実施された作業の情報であって、走行経路の位置ごとに実施された情報を格納している。或いは、制御装置80の記憶部82は、以前に圃場F2内に進入したコンバイン1の走行経路と当該走行経路に沿って実施された作業の情報であって、走行経路の位置ごとに実施された情報を格納している。記憶部82は、このような刈取作業の情報を、圃場情報fIに対応させて格納している。言い換えると、圃場情報fIは、先行して実施された刈取作業の情報を含む。
制御装置80の処理部81は、走行経路上の位置ごとの作業の情報、即ち、コンバイン1が走行する走行経路上の現在位置において実施されていた作業情報を読み出す。これにより、制御装置80は、圃場F2に設定されている走行経路の情報を含む圃場情報fIに読み出した作業情報を照合することによって、現在位置が刈取済み領域と未刈取領域とのいずれかであることを区別して読み出すことができる。
図12に示すように、先行して刈取作業が途中まで実施された結果として、圃場F2は、刈取済み領域F21と未刈取領域F22とに区分される。コンバイン1は、圃場端Eから圃場F2内に進入する場合に、走行経路上の路面と刈取部2との間隔を一定に保持することなく、設定された所定高さH1に刈取部2の高さ位置を上昇させる。所定高さH1は、機体9に対するフィーダハウス33の所定角度θ2sであって、リール21が排藁を掻き込むことなく且つデバイダ23に排藁が触れることないように、刈取対象物の種類に応じて設定された刈取部2の高さ位置である。このような構成によれば、刈取済み領域F21の地面に残った排稈の掻き込みを防止しながら、圃場進入時のデバイダ先端23Tの突っ込みを防止することができる。
そして、図13に示すように、圃場F2における未刈取領域F22にデバイダ先端23Tが到達したとき、言い換えると、刈取済み領域F21と未刈取領域F22との境界点Bにデバイダ先端23Tが到達したときに、刈取部2の高さ位置を設定された所定高さまで降下させる。境界点Bは、走行経路上の目標点のひとつである。ここでの所定高さの一例は、機体9に対するフィーダハウス33の位置の情報(即ち、角度θ2)と、ジャイロセンサ103によって検出される傾斜角度θ1の情報とに基づいて、走行経路上の路面と刈取部2との間隔Hs(図11参照)が一定に保持されるように変更される高さ位置である。このような構成によれば、刈取済み領域F21の地面に残った排稈の掻き込みを防止したうえで、コンバイン1は、未刈取領域F22の始端から適切に刈取作業を実施できる。このように圃場F2の未刈取領域F22に到達したコンバイン1は、これ以後、制御装置80による制御に応じて走行経路に沿って所定の作業を実施する。
次に、圃場F3内でコンバイン1が刈取作業する場合に制御装置80が実施する制御について、図14を用いて説明する。図14に示すように、圃場F3内の圃場端E付近で刈取作業を実施するコンバイン1について説明する。
上述のように、コンバイン1の制御装置80(図4参照)は、圃場端Eの情報と、圃場F内の傾斜面の情報とを含む圃場情報fI(図6(B)及び図6(C)参照)を有している。或いは、コンバイン1が圃場F3内に進入する際に通過した傾斜路SLの傾斜角度の情報と、現在位置に至るまでに通過した走行経路の傾斜面の情報とは、ジャイロセンサ103(図4参照)による検出結果に基づいて、圃場情報fIとして記憶部82に格納されている。記憶部82に格納される傾斜路SLの傾斜角度の情報及び走行経路の傾斜面の情報は、圃場情報fIにおける地図情報上の位置ごとに対応している。
コンバイン1は、上述の各情報を含む圃場情報fIと、GPSを用いて取得する位置情報と、ジャイロセンサ103によって検出される傾斜角度θ1の情報とに基づいて、デバイダ先端23Tの位置及び偏差点Dの位置を算出したうえで、偏差点Dの位置を認識できる。そして、図14に示すように、コンバイン1は、目標点としての圃場端Eに偏差点Dが重複していることを認識するときに、刈取部2の高さ位置を変更する。このような構成によれば、デバイダ先端23Tが圃場端Eよりも内側に残りながら偏差点Dが圃場端Eを通り越すような事態が生じたとしても、デバイダ先端23Tの突っ込みを防止するとともに刈取作業を適切に実施することができる。具体的には、コンバイン1は、圃場端Eの近傍にある刈取対象物を、圃場F3内の他の刈取対象物と同様に刈り取ることができる。
このように、コンバイン1は、上述の各情報を含む圃場情報fIと、GPSを用いて取得する位置情報と、ジャイロセンサ103によって検出される傾斜角度θ1の情報とに基づいて、刈取部2の高さ位置を変更する。この場合の刈取部2の上昇量Miは、刈取対象物の種類及び刈取対象物の倒伏状態に応じて設定されている刈取作業のための高さ位置から、圃場F内の傾斜面の情報を考慮して算出される。
また、上述のように、走行速度センサ102(図4参照)は、コンバイン1の走行速度を検出する。コンバイン1は、機体9に対するフィーダハウス33の位置の情報(即ち、角度θ2)と走行速度とに応じて、偏差点Dの位置を変更する。更に、この場合に、刈取部2の高さ位置を変更する速度を変更する。
例えば、設定された所定角度よりも機体9に対するフィーダハウス33の角度が小さい場合には、偏差点Dをより前方に設定することによって、コンバイン1は、目標点からより遠い位置から刈取部2を上昇させ、且つ/又は、より速い速度で刈取部2を上昇させる。設定された所定角度よりも機体9に対するフィーダハウス33の角度が大きい場合には、偏差点Dをより後方に設定することによって、コンバイン1は、目標点により近い位置から刈取部2を上昇させ、且つ/又は、より遅い速度で刈取部2を上昇させる。一方、設定された所定速度よりも走行速度が高い場合には、コンバイン1は、偏差点Dをより前方に設定することによって、目標点からより遠い位置から刈取部2を上昇させ、且つ/又は、より速い速度で刈取部2を上昇させる。設定された所定速度よりも走行速度が低い場合には、偏差点Dをより後方に設定することによって、コンバイン1は、傾斜路SLにより近い位置から刈取部2を上昇させ、且つ/又は、より遅い速度で刈取部2を上昇させる。このような構成によれば、コンバイン1は、フィーダハウス33の位置と走行速度とによらずに、刈残しが発生せずに刈取作業を適切に実施できるとともに、デバイダ先端23Tの路面への突っ込みを防止できる。
次に、コンバイン1が圃場外に退出する場合に制御装置80が実施する制御について、図15、図16及び図17を用いて説明する。
図14を用いた説明と同様に、コンバイン1の制御装置80(図4参照)は、圃場端Eの情報と、圃場F4内の傾斜面の情報とを含む圃場情報fIを有している。特に、圃場F4から退出する場合に走行する傾斜路SL上の走行経路として、圃場F4に進入する場合に走行した傾斜路SL上の走行経路を利用する場合には、コンバイン1は、記憶部82に格納された傾斜路SLの傾斜角度の情報を有効に利用することができる。
先ず、図15に示すように、コンバイン1は、圃場F4内において刈取作業を実施しながら圃場端Eを通過して傾斜路SLに退出する場合について説明する。この場合には、コンバイン1は、上述の各情報を含む圃場情報fIと、GPSを用いて取得する位置情報と、ジャイロセンサ103によって検出される傾斜角度θ1の情報とに基づいて、デバイダ先端23Tの位置として偏差点Dの位置を算出したうえで、偏差点Dの位置を認識できる。そして、コンバイン1は、圃場端Eよりも外側の傾斜路SLの傾斜面Siに偏差点Dが重複していることを認識するときに、刈取部2の高さ位置を変更する。このような構成によれば、コンバイン1は、圃場端Eを通って圃場F4から退出しながら、圃場端Eの近傍にある刈取対象物を圃場F4内の他の刈取対象物と同様に刈り取ることができる。
なお、コンバイン1は、圃場F4から退出する際にデバイダ先端23Tが圃場端Eに到達したことを認識するときに、刈取部2を上昇させるように構成されていてもよい。
図16に示すように、コンバイン1が圃場F4から傾斜路SLに退出する際に、傾斜路SLの傾斜角度θ3に応じて刈取部2の高さ位置を変更する。傾斜路SLの傾斜角度θ3の情報は、圃場情報fIとして記憶部82に格納されている。このような構成によれば、コンバイン1は、圃場F4から退出するときに刈残しが発生せずに刈取作業を適切に実施できるとともに、デバイダ先端23Tの傾斜路SLへの突っ込みを防止できる。
また、図14を用いた説明と同様に、コンバイン1は、機体9に対するフィーダハウス33の位置の情報(即ち、角度θ2)と走行速度とに応じて、刈取部2の高さ位置を変更する速度と、偏差点Dの位置とを変更する。
なお、コンバイン1の制御装置80は、取得する位置情報に基づいて単位時間当たりのコンバイン1の移動量を算出することによって、コンバイン1の走行速度を算出してもよい。
圃場端Eの外側の傾斜路SLの傾斜角度θ3の情報と、圃場F4内の傾斜面(圃場F4において略0°)の情報とを含む圃場情報fIによれば、コンバイン1は、角度θ2の情報と傾斜角度θ3の情報とに基づいて、走行経路上の路面に対して刈取部2を一定間隔Hsに保持することができる。圃場F4への進入時と圃場F4からの退出時とにおいて、走行経路上の路面と刈取部2との各間隔Hsは互いに異なっていてもよい。つまり、圃場F4からの退出時に保持される間隔Hsは、圃場F4への進入時に保持される間隔Hsよりも大きくてもよく、小さくてもよい。
更に、図17に示すように、傾斜路SLにおいて途中で傾斜角度が変化していても、格納される圃場情報fIには、圃場端Eの外側の傾斜路SLの傾斜角度θ3・θ4の情報が含まれている。このように、異なる傾斜角度θ3・θ4の情報を含む圃場情報fIによれば、コンバイン1は、傾斜路SLを走行する際に、傾斜路SLの傾斜角度θ3・θ4に応じて刈取部2の高さ位置を変更することができる。従って、走行経路上の路面の傾斜角度に対して必要以上に刈取部2及び搬送部3の高さ位置が高くなることなく、又は、刈取部2が路面に衝突することなく、コンバイン1は安全に圃場F4から退出できる。
このように、傾斜路SLを通って圃場F4から退出する際に、コンバイン1は、上述の各情報を含む圃場情報fIと、GPSを用いて取得する位置情報と、ジャイロセンサ103によって検出される傾斜角度θ1の情報とに基づいて、刈取部2の高さ位置を変更する。
1 コンバイン
2 刈取部
3 搬送部
9 機体
23 デバイダ
23T デバイダ先端
33 フィーダハウス
B 境界点(目標点)
E 圃場端(目標点)

Claims (2)

  1. 機体に昇降自在に連結された刈取部と前記機体の傾斜角度を検出する傾斜角センサとを備え、衛星測位システムを用いて位置情報を取得し、自律走行が可能なコンバインであって、
    走行経路の情報及び圃場端の情報を含む圃場情報と、取得する前記位置情報と、検出される前記傾斜角度の情報とに基づいて、前記刈取部の高さ位置を変更する、
    コンバイン。
  2. 取得する前記位置情報に対して、前記刈取部よりも前方に所定間隔をあけて、偏差点が設定され、
    前記圃場情報は、前記走行経路上に予め設定された目標点の情報を含み、
    前記偏差点が前記目標点に重複していることを認識するときに、前記刈取部の高さ位置を変更する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
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