JP2020072022A - 住宅および住宅の建築設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダイニング空間の利用者が、その住宅の立地環境、天候、季節などによる採光条件に左右されず、睡眠の質を向上させることができる住宅および住宅の建築設計方法を提供する。【解決手段】住宅は、調色および調光可能であって住宅のダイニング空間に配置された複数の照明部と、前記複数の照明部を集中制御する集中制御部と、前記ダイニング空間を画定する壁部とを備え、前記壁部は、前記壁部の内装仕上げ材としての第1高反射率部を備え、前記集中制御部は、前記複数の照明部から照射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上であって、前記ダイニング空間の利用者の眼の位置の鉛直面照度である眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成されるように、前記複数の照明部を集中制御する第1モードを有する。【選択図】図1

Description

本発明は住宅および住宅の建築設計方法に関する。
JIS照明基準総則(JIS Z 9110−2010)においては、空間の用途などに応じて下記のような推奨照度[Lx]が定められている。
ダイニング 全般 50[Lx]
ダイニング 食卓 300[Lx]
リビング 全般 50[Lx]
リビング 団らん 200[Lx]
従来においては、住宅の照明設計を行う場合に、時間帯に関係なく、部屋の用途や作業に応じた水平面照度が用いられてきた。また、睡眠に影響する照明条件としては、就寝前の照明について、照度を落とした暖色系の照明を使うことが望ましいと考えられてきた。
特許文献1には、日中の活動に応じて就寝前後の期間における適切な照明環境を実現する照明システムが記載されている。特許文献1に記載された照明システムには、光を照射する照明装置と、照明装置を点灯制御する制御部とが備えられている。特許文献1に記載された照明システムでは、ユーザの日中の集中度を示す入力信号に基づいて、ユーザの就寝前後における照明装置の点灯パターンが設定される。
ところで、上述したように、特許文献1に記載された技術は、ユーザの就寝前後に照明装置に対して適用され、ユーザの起床後の時間帯には、照明装置に対して適用されない。
そのため、特許文献1に記載された技術によっては、ユーザの睡眠の質を向上させるために適切なユーザの起床後の時間帯の光環境を形成することができない。
特許文献2には、人が生活する場所に細やかな光環境を生成する照明システムが記載されている。特許文献2に記載された照明システムには、複数の照明部と、複数の照明部の点灯を制御する制御部とが備えられている。特許文献2に記載された照明システムでは、サーカディアンリズムを整えるために、夕食予定前時間帯における照明制御、夕食予定後時間帯における照明制御、および、起床予定前時刻から起床予定時刻までの時間帯における照明制御が行われる。
ところで、上述したように、特許文献2に記載された技術は、夕食予定前時間帯、夕食予定後時間帯、および、起床予定前時刻から起床予定時刻までの時間帯における照明制御に対して適用され、起床後の時間帯における照明制御に対して適用されない。
そのため、特許文献2に記載された技術によっては、睡眠の質を向上させるために適切な起床後の時間帯の光環境を形成することができない。
特許文献3には、仕事場所の就業時間における生体リズムに好ましい光環境と省エネルギー化とを両立させる照明制御装置が記載されている。特許文献3に記載された照明制御装置は、オフィスに設けられた照明負荷の相関色温度を調節する調色、および照明負荷の光出力を可変として、オフィスの照度を調整する調光を行う。特許文献3に記載された照明制御装置では、午後の時間帯に、照明負荷の相関色温度およびオフィスの照度が低下させられる。
ところで、上述したように、特許文献3に記載された技術は、就業時間帯の仕事場所の照明負荷に対して適用され、住宅における起床後の時間帯には適用されない。
そのため、特許文献3に記載された技術によっては、睡眠の質を向上させるために適切な起床後の時間帯の光環境を形成することができない。
特許文献4には、人間の生体リズムにとって好ましい光環境を生成する照明システムが記載されている。特許文献4に記載された照明システムには、高照度光と中照度光と低照度光とを得ることができる照明器具と、照明器具の点灯制御を行う制御装置とが備えられている。特許文献4に記載された照明システムでは、朝からほぼ夕刻までの第1時間帯に高照度光が生じさせられ、夕刻から夜就寝するまでの第2時間帯に中照度光が生じさせられ、夜就寝後から朝までの第3時間帯に低照度光が生じさせられる。
ところで、上述したように、特許文献4に記載された技術では、相関色温度が制御対象になっていない。
そのため、特許文献4に記載された技術によっては、睡眠の質を向上させるために適切な光環境を形成することができない。
非特許文献1には、午前中の照度が300Lx以下の場合に、夜間の高照度暴露によりメラトニン分泌が抑制され、午前中の照度が900Lx以上の場合に、高照度暴露によるメラトニン分泌抑制が発生しづらい旨が記載されている。
一方、非特許文献1には、実生活環境での具体的な方法論について記載されていない。
そのため、非特許文献1に記載された技術によっては、睡眠の質を向上させるために適切な光環境を形成することができない。
特開2016−058322号公報 特開2016−126919号公報 特開2013−182820号公報 特開2000−252084号公報
Kozaki他、「Effects of day-time exposure to different light intensities on light-induced melatonin suppression at night」、Journal of Physiological Anthropology (2015) 34:27
上述した問題点に鑑み、本発明は、ダイニング空間の利用者が、その住宅の立地環境、天候、季節などによる採光条件に左右されず、睡眠の質を向上させることができる住宅および住宅の建築設計方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究において、相関色温度が5000ケルビン以上であって、ダイニング空間の利用者の眼の位置の鉛直面照度である眼前照度が400ルクス以上の光環境をダイニング空間に形成することによって、ダイニング空間の利用者が昼間に太陽光を浴びなくても、ダイニング空間の利用者の睡眠の質が向上することを見い出した。
つまり、本発明者は、上述した光環境をダイニング空間に形成することによって、昼間に太陽光を浴びた場合と同様の睡眠の質の向上が、ダイニング空間の利用者に生じることを見い出したのである。
本発明の一態様は、調色および調光可能であって住宅のダイニング空間に配置された複数の照明部と、前記複数の照明部を集中制御する集中制御部と、前記ダイニング空間を画定する壁部とを備え、前記壁部は、前記壁部の内装仕上げ材としての第1高反射率部を備え、前記集中制御部は、前記複数の照明部から照射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上であって、前記ダイニング空間の利用者の眼の位置の鉛直面照度である眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成されるように、前記複数の照明部を集中制御する第1モードを有する住宅である。
本発明の一態様の住宅では、前記第1高反射率部の可視光反射率が0.4以上であってもよい。
本発明の一態様の住宅では、前記集中制御部は、前記複数の照明部から照射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光によって、前記相関色温度が5000ケルビン未満または前記眼前照度が400ルクス未満の光環境が前記ダイニング空間に形成されるように、前記複数の照明部を集中制御する第2モードを更に有し、前記第1モードと前記第2モードとの切り替えを行う入力操作を受け付ける操作部を更に備えてもよい。
本発明の一態様の住宅では、前記第1モードには、手動モードが含まれ、前記集中制御部は、前記第1モードの前記手動モード時に、前記操作部に対する入力操作に応じて、前記相関色温度が5000ケルビン以上かつ前記眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成される前記複数の照明部の点灯状態と、前記複数の照明部の消灯状態との切り替えを実行し、前記集中制御部は、前記第2モード時に、前記操作部に対する入力操作に応じて、前記相関色温度が5000ケルビン未満または前記眼前照度が400ルクス未満の光環境が前記ダイニング空間に形成される前記複数の照明部の点灯状態と、前記複数の照明部の消灯状態との切り替えを実行してもよい。
本発明の一態様の住宅では、前記第1モードには、自動モードが更に含まれ、前記第1モードの前記自動モード時には、前記集中制御部が、予め設定された第1時刻に、前記複数の照明部を、前記相関色温度が5000ケルビン以上かつ前記眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成される点灯状態にし、次いで、予め設定された第2時刻に、前記複数の照明部を点灯状態から消灯状態に切り替えてもよい。
本発明の一態様の住宅では、前記複数の照明部には、直接照明である第1照明部と、間接照明である第2照明部とが含まれ、前記第2照明部から照射された光は、直射光として前記鉛直面に到達せず、前記第1高反射率部によって反射された反射光として前記鉛直面に到達してもよい。
本発明の一態様の住宅は、前記ダイニング空間を画定する窓部と、前記窓部を覆う付帯部とを更に備え、前記付帯部は、前記付帯部の内装仕上げ材として、可視光反射率が0.4以上である第2高反射率部を備え、前記複数の照明部から照射された光、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第2高反射率部により反射された光によって、前記相関色温度が5000ケルビン以上かつ前記眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成されてもよい。
本発明の一態様の住宅は、前記ダイニング空間を画定する天井部を更に備え、前記天井部は、前記天井部の内装仕上げ材として、可視光反射率が0.4以上である第3高反射率部を備え、前記複数の照明部から照射された光、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光、前記複数の照明部から照射され、前記第2高反射率部により反射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第3高反射率部により反射された光によって、前記相関色温度が5000ケルビン以上かつ前記眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成されてもよい。
本発明の一態様の住宅では、前記ダイニング空間の利用者の眼の位置は、前記ダイニング空間に配置されたダイニングテーブルの着座位置に着座している前記ダイニング空間の利用者の眼の位置であってもよい。
本発明の一態様は、調色および調光可能な複数の照明部を住宅のダイニング空間に配置する照明部配置ステップと、前記複数の照明部を集中制御する集中制御部を設置する集中制御部設置ステップと、前記ダイニング空間を画定する壁部を設置する壁部設置ステップと、前記壁部の内装仕上げ材としての第1高反射率部を設置する第1高反射率部設置ステップとを備える住宅の建築設計方法であって、前記集中制御部は、前記複数の照明部から照射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上であって、前記ダイニング空間の利用者の眼の位置の鉛直面照度である眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成されるように、前記複数の照明部を集中制御する第1モードを有する、住宅の建築設計方法である。
本発明の一態様は、調色および調光可能な複数の照明部を住宅のダイニング空間に配置する照明部配置ステップと、前記複数の照明部を集中制御する集中制御部を設置する集中制御部設置ステップと、前記ダイニング空間を画定する壁部を設置する壁部設置ステップと、前記壁部の内装仕上げ材としての第1高反射率部を設置する第1高反射率部設置ステップとを備える住宅の建築設計方法であって、前記集中制御部は、前記複数の照明部から照射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光によって、JIS照明基準総則(JIS Z 9110−2010)に定められている前記ダイニング空間の推奨照度を満足する光環境であって、前記ダイニング空間の利用者の通常の生活に適した光環境が前記ダイニング空間に形成されるように、前記複数の照明部を集中制御する通常モードと、前記複数の照明部から照射された前記通常モードより強い光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された前記通常モードより強い光によって、前記ダイニング空間の利用者の睡眠の質を向上させるために必要な光環境が前記ダイニング空間に形成されるように、前記複数の照明部を集中制御する睡眠質向上モードとを有し、前記通常モードと前記睡眠質向上モードとの切り替えを行う入力操作を受け付ける操作部を設置する操作部設置ステップを更に備える、住宅の建築設計方法である。
本発明によれば、ダイニング空間の利用者が、その住宅の立地環境、天候、季節などによる採光条件に左右されず、睡眠の質を向上させることができる住宅および住宅の建築設計方法を提供することができる。
第1実施形態の住宅の一例を示す図である。 第1実施形態の住宅の構成例を示す断面図である。 第1実施形態の住宅の照明部と集中制御部と操作部との関係の一例を示す機能ブロック図である。 第1実施形態の住宅の建築設計方法の一例を説明するためのフローチャートである。 第2実施形態の住宅の一例を示す図である。 第2実施形態の住宅の照明部と集中制御部との関係の一例を示す機能ブロック図である。
本発明の住宅および住宅の建築設計方法の実施形態の説明の前に、本発明に至った経緯などについて説明する。
「2015年 国民生活時間調査報告書」(https://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/pdf/20160217_1.pdf)によれば、有識者の1日(平日)のうちの約6割が在宅時間であり、在宅時間のうちの約5割が睡眠時間であると言える。住宅から睡眠にアプローチできることは多く、今後も健康付加価値に向けた住宅開発が続くことから、本発明者は、「睡眠」にフォーカスすることが重要であると考えた。
例えばライフスタイルの夜型化などのように、現代人の生活環境が変化している。また、例えば、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が普及し、住宅の断熱性能を向上させるために住宅の開口面積が低下する等、現代の住宅環境が変化している。一方で、日中に眠気を感じる人が多い、睡眠で休養が十分にとれない人が多い等、睡眠の問題が増加している。そのため、本発明者は、生体リズムの改善が必要であると考え、睡眠環境としての住環境の見直しが必要であると考えた。
照明環境の明るさを評価する方法として、従来においては、水平面照度を用いることが一般的であった。一方で、水平面照度は、人間が感じる明るさ感に一致しない。そのため、本発明者は、実際に人間の眼に届く光の強さ「輝度(顔面照度、眼前照度)」での設計が重要であると考えた。
また、従来においては、午前中の光暴露が睡眠に影響を及ぼす旨が明らかにされている。
上述した点に鑑み、本発明者は、照明装置から照射される光が形成する人工的な光環境によって、昼間に太陽光を浴びない人の睡眠の質を向上させることができるか否かの検証実験を行った。
詳細には、本発明者は、人の睡眠の質を向上させるためには、一日の光環境の履歴が重要であると考えた。また、本発明者は、住宅に形成される人工的な光環境によって住人の睡眠の質を向上させるためには、住人の滞在時間が長いダイニング空間に人工的な光環境を形成する必要があると考えた。
そこで、本発明者は、ダイニング空間に形成される人工的な光環境によって、昼間に太陽光の暴露を抑制したダイニング空間の利用者の睡眠の質を向上させることができるか否かの検証実験を行った。
この検証実験において、被験者は、6時30分に起床し、23時30分に就寝した。人工的な光環境を形成する照明装置として、調色および調光が可能なLED(Light Emitting Diode)照明装置を使用した。
この検証実験の第1条件では、9時00分から15時00分の時間帯に、相関色温度が5000ケルビン以上であって、被験者の眼の位置の鉛直面照度(眼前照度)が400ルクス以上の光環境が形成されるように、照明装置を点灯した。
第1条件で照明装置を点灯した翌朝の被験者のメラトニン分泌量は、第1条件で照明装置を点灯する日の朝(つまり、第1条件で照明装置を点灯する前)の被験者のメラトニン分泌量よりも低下した。詳細には、第1条件では、被験者の夜のメラトニン分泌量が高くなり、被験者の昼のメラトニン分泌量が低くなるという正常なホルモン分泌が促される(睡眠リズムが整えられる)ことが確認された。すなわち、第1条件では、9時00分から15時00分の時間帯に照明装置を点灯したことによって、被験者の睡眠の質が向上した。
この検証実験の第2条件では、9時00分から15時00分の時間帯に、相関色温度が5000ケルビン未満または眼前照度が400ルクス未満の光環境が形成されるように、照明装置を点灯した。
第2条件で照明装置を点灯した翌朝の被験者のメラトニン分泌量は、第2条件で照明装置を点灯する日の朝(つまり、第2条件で照明装置を点灯する前)の被験者のメラトニン分泌量と同程度になった。すなわち、第2条件では、9時00分から15時00分の時間帯に照明装置を点灯したことによる被験者の睡眠の質の向上が確認できなかった。
上述したように、本発明者は、検証実験において、相関色温度が5000ケルビン以上であって、ダイニング空間の利用者の眼の位置の鉛直面照度である眼前照度が400ルクス以上の光環境をダイニング空間に形成することによって、ダイニング空間の利用者が昼間に太陽光を浴びなくても、ダイニング空間の利用者の睡眠の質が向上することを見い出した。
つまり、本発明者は、上述した第1条件の光環境をダイニング空間に形成することによって、昼間に太陽光を浴びた場合と同様の睡眠の質の向上が、ダイニング空間の利用者に生じることを見い出した。
<第1実施形態>
以下、本発明の住宅および住宅の建築設計方法の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は第1実施形態の住宅1の一例を示す図である。図2は第1実施形態の住宅1の構成例を示す断面図である。詳細には、図2(A)は住宅1のダイニング空間DSに配置されたダイニングテーブルDTの着座位置SPに着座しているダイニング空間DSの利用者USの左側から見た住宅1の断面図である。図2(B)は利用者USの前側から見た住宅1の断面図である。図3は第1実施形態の住宅1の照明部11A、11B、11Cと集中制御部12と操作部18との関係の一例を示す機能ブロック図である。
図1〜図3に示す例では、住宅1が、例えば複数の照明部11A、11B、11Cと、集中制御部12と、壁部13と、天井部14と、窓部15と、付帯部16と、床部17と、操作部18とを備えている。住宅1のダイニング空間DSは、例えば床部17と天井部14と壁部13と窓部15とによって画定される。
図1〜図3に示す例では、住宅1がダイニング空間DSに照明部11A、11B、11Cを備えているが、他の例では、住宅1がダイニング空間DSに照明部11Cを備えていなくてもよい。更に他の例では、住宅1がダイニング空間DSに照明部11A、11B、11C以外の照明部(図示せず)を備えていてもよい。
図1〜図3に示す例では、天井部14が、天井部14の内装仕上げ材として、可視光反射率が0.4以上である高反射率部14Aを備えている。高反射率部14Aの可視光反射率は0.6以上であることがより好ましい。後述する眼前照度は、住宅1に備えられる照明部11A、11B、11Cの出力と、高反射率部14Aの可視光反射率などの室内表面の可視光反射率との組合せによって調整される。相関色温度や眼前照度を高めれば内装仕上げ材の可視光反射率を考慮しなくても本発明の効果は得られる。可視光反射率が一定値以上の内装仕上げ材を使用することによって、照明部11A、11B、11Cの出力を不必要に高める必要がなくなるので、照明部11A、11B、11Cの設備費用などを抑制することができる。
他の例では、天井部14が高反射率部14Aを備えていなくてもよい。
図1〜図3に示す例では、壁部13が、壁部13の内装仕上げ材として、可視光反射率が0.4以上である高反射率部13Aを備えている。高反射率部13Aの可視光反射率は0.6以上であることがより好ましい。
他の例では、高反射率部13Aの可視光反射率が0.4未満であってもよい。
図1〜図3に示す例では、窓部15が、例えばカーテン、ロールスクリーン、ブラインドなどのような付帯部16によって覆われている。付帯部16は、付帯部16の内装仕上げ材として、可視光反射率が0.4以上である高反射率部16Aを備えている。高反射率部16Aの可視光反射率は0.6以上であることがより好ましい。
他の例では、住宅1がダイニング空間DSに窓部15を備えていなくてもよい。あるいは、住宅1がダイニング空間DSに付帯部16を備えていなくてもよい。あるいは、住宅1のダイニング空間DSに備えられている付帯部16が、高反射率部16Aを備えていなくてもよい。
図1〜図3に示す例では、照明部11Aが、調色および調光が可能な例えばLED照明装置であり、ダイニング空間DSを画定する天井部14に配置されている。照明部11Aは、例えば直接照明装置である。図2(A)および図2(B)に示すように、照明部11Aは、例えば、直射光によってダイニングテーブルDTを照らすダウンライトである。
照明部11Bは、調色および調光が可能な例えばLED照明装置であり、ダイニング空間DSを画定する天井部14に配置されている。照明部11Bは、例えば間接照明装置である。図2(A)に示すように、照明部11Bからの直射光は、壁部13に照射される。照明部11Bから照射され、壁部13の高反射率部13Aにより反射された光は、ダイニングテーブルDTの着座位置SPに着座している利用者USの顔を前側から照らす。
照明部11Cは、調色および調光が可能な例えばLED照明装置であり、ダイニング空間DSを画定する天井部14に配置されている。照明部11Cは、例えば間接照明装置である。図2(B)に示すように、照明部11Cからの直射光は、付帯部16に照射される。照明部11Cから照射され、付帯部16の高反射率部16Aにより反射された光は、利用者USの顔を左側から照らす。
照明部11A、11B、11Cは、例えば出力100W型である。
図1〜図3に示す例では、集中制御部12が、複数の照明部11A、11B、11Cに接続されており、複数の照明部11A、11B、11Cを集中制御する。詳細には、集中制御部12は、例えば複数の照明部11A、11B、11Cの点灯を集中制御する。集中制御部12は、第1モードと、第2モードとを有する。
第1モード時に、集中制御部12は、照明部11Aから照射された光、照明部11Aから照射され、天井部14の高反射率部14Aにより反射された光、照明部11Bから照射され、壁部13の高反射率部13Aにより反射された光、および、照明部11Cから照射され、付帯部16の高反射率部16Aにより反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上であって、利用者USの眼の位置の鉛直面VPの照度である眼前照度が400ルクス(Lx)以上(詳細には、例えば1000ルクス以下)の光環境がダイニング空間DSに形成されるように、複数の照明部11A、11B、11Cの点灯を集中制御する。
詳細には、「利用者USの眼の位置」とは、図2(A)および図2(B)に示すように、ダイニング空間DSに配置されたダイニングテーブルDTの着座位置SPに着座している利用者USの眼の位置である。
第2モード時には、集中制御部12は、照明部11Aから照射された光、照明部11Aから照射され、天井部14の高反射率部14Aにより反射された光、照明部11Bから照射され、壁部13の高反射率部13Aにより反射された光、および、照明部11Cから照射され、付帯部16の高反射率部16Aにより反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン未満または眼前照度が400ルクス未満の光環境がダイニング空間DSに形成されるように、複数の照明部11A、11B、11Cの点灯を集中制御する。
つまり、集中制御部12は、第2モード時に、JIS照明基準総則(JIS Z 9110−2010)に定められているダイニング空間DSの推奨照度を満足する光環境であって、利用者USの通常の生活に適した光環境がダイニング空間DSに形成されるように、複数の照明部11A、11B、11Cを点灯する。
一方、第1モード時には、利用者USの睡眠の質を向上させるために必要な光環境がダイニング空間DSに形成されるように、集中制御部12は、第2モード時より強い光を複数の照明部11A、11B、11Cに照射させる。それに伴い、第1モード時における天井部14の高反射率部14Aからの反射光、壁部13の高反射率部13Aからの反射光、および、付帯部16の高反射率部16Aからの反射光は、第2モード時より強くなる。その結果、上述したように、第1モード時には、ダイニング空間DSの利用者USの睡眠の質を向上させるために必要な光環境が、ダイニング空間DSに形成される。
利用者USの眼の位置の鉛直面VPの照度である眼前照度を400ルクス以上に設定する手法としては、例えば下記の第1手法および第2手法がある。
第1手法では、光学シミュレーションによって、住宅1の設計情報(ダイニング空間DSの物理的な空間サイズ、照明部11A、11B、11Cの情報、天井部14、壁部13、床部17、窓部15の付帯部16の可視光反射率の情報)から、ダイニングテーブルDTの着座位置SPに着座している利用者USの眼の位置の鉛直面照度(眼前照度)が算定され、必要となる照明部11A、11B、11Cの出力条件が事前に設定される。
第2手法では、住宅1の建設竣工後、照明部11A、11B、11Cを点灯した状態で、照度計によって、上記の鉛直面照度を実測しながら、集中制御部12の設定値が調整される。第2手法では、照明部11A、11B、11Cとして、出力に余裕のある仕様のものが、予め選定される。
詳細には、図2(A)に示す例では、照明部11Bから照射された光が、直射光として鉛直面VPに到達せず、壁部13の高反射率部13Aによって反射された反射光として鉛直面VPに到達する。
同様に、図2(B)に示す例では、照明部11Cから照射された光が、直射光として鉛直面VP(図2(A)参照)に到達せず、付帯部16の高反射率部16Aによって反射された反射光として鉛直面VPに到達する。
住宅1が天井部14の高反射率部14Aおよび付帯部16の高反射率部16Aを備えていない他の例では、集中制御部12が、第1モード時に、照明部11Aから照射された光、および、照明部11Bから照射され、壁部13の高反射率部13Aにより反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成されるように、複数の照明部11A、11B、11Cの点灯を集中制御する。
住宅1が天井部14の高反射率部14Aを備えていない他の例では、集中制御部12が、第1モード時に、照明部11Aから照射された光、照明部11Bから照射され、壁部13の高反射率部13Aにより反射された光、および、照明部11Cから照射され、付帯部16の高反射率部16Aにより反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上であって、利用者USの眼の位置の鉛直面VPの照度である眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成されるように、複数の照明部11A、11B、11Cの点灯を集中制御する。
また、住宅1が天井部14の高反射率部14Aおよび付帯部16の高反射率部16Aを備えておらず、高反射率部13Aの可視光反射率が0.4未満である他の例では、集中制御部12が、第1モード時に、照明部11Aから照射された光、および、照明部11Bから照射され、壁部13の高反射率部13Aにより反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成されるように、複数の照明部11A、11B、11Cの点灯を集中制御する。つまり、この例では、高反射率部13Aの可視光反射率が0.4以上である例よりも強い光が、複数の照明部11A、11B、11Cから照射される。
図1〜図3に示す例では、操作部18が、集中制御部12の第1モードと第2モードとの切り替えを行う入力操作などを受け付ける。操作部18は、設定ボタン18A、18B、18C、18Dと、スイッチ18E、18F、18Gと、時刻設定部18Hとを備えている。
図1〜図3に示す例では、設定ボタン18A、18B、18C、18Dと、スイッチ18E、18F、18Gと、時刻設定部18Hとが、1つの操作部18にまとめられているが、他の例では、設定ボタン18A、18B、18C、18Dと、スイッチ18E、18F、18Gと、時刻設定部18Hとが、複数の操作部(図示せず)に分散して配置されていてもよい。
図1〜図3に示す例では、設定ボタン18Aが、集中制御部12を第1モードに設定するための利用者USの入力操作を受け付ける。
設定ボタン18Aが利用者USの入力操作を受け付けた場合には、集中制御部12が第1モードに設定される。そのため、照明部11A、11B、11Cの点灯時には、照明部11A、11B、11Cが強い光を照射する。その結果、利用者USの睡眠の質を向上させる光環境がダイニング空間DSに形成される。
詳細には、集中制御部12の第1モード時に、照明部11A、11B、11Cが照射する強い光によって利用者USの睡眠の質を向上させる光環境がダイニング空間DSに形成されるように、照明部11A、11B、11Cの調色および調光は予め設定(プリセット)されている。つまり、設定ボタン18Aは第1モードのプリセットボタンとして機能する。
図1〜図3に示す例では、設定ボタン18Bが、集中制御部12を第2モードに設定するための利用者USの入力操作を受け付ける。
設定ボタン18Bが利用者USの入力操作を受け付けた場合には、集中制御部12が第2モードに設定される。そのため、照明部11A、11B、11Cの点灯時には、照明部11A、11B、11Cが、第1モード時より弱い光を照射する。その結果、ダイニング空間DSにおける利用者USの通常の生活に適した光環境がダイニング空間DSに形成される。
詳細には、集中制御部12の第2モード時に、照明部11A、11B、11Cが照射する光によって利用者USの通常の生活に適した光環境がダイニング空間DSに形成されるように、照明部11A、11B、11Cの調色および調光は予め設定(プリセット)されている。つまり、設定ボタン18Bは第2モードのプリセットボタンとして機能する。
図1〜図3に示す例では、集中制御部12の第1モードに手動モードと自動モードとが含まれる。
設定ボタン18Cは、集中制御部12の第1モード時に、集中制御部12を手動モードに設定するための利用者USの入力操作を受け付ける。設定ボタン18Dは、集中制御部12の第1モード時に、集中制御部12を自動モードに設定するための利用者USの入力操作を受け付ける。
集中制御部12の第1モード時に、設定ボタン18Cが利用者USの入力操作を受け付けた場合には、集中制御部12が第1モードの手動モードに設定される。集中制御部12の第1モード時に、設定ボタン18Dが利用者USの入力操作を受け付けた場合には、集中制御部12が第1モードの自動モードに設定される。
図1〜図3に示す例では、スイッチ18Eが、照明部11Aの点灯状態と消灯状態とを切り替えるための利用者USの入力操作を受け付ける。スイッチ18Fが、照明部11Bの点灯状態と消灯状態とを切り替えるための利用者USの入力操作を受け付ける。スイッチ18Gが、照明部11Cの点灯状態と消灯状態とを切り替えるための利用者USの入力操作を受け付ける。
集中制御部12が第1モードの手動モードに設定されており、照明部11Aが消灯状態である場合に、スイッチ18Eが利用者USの入力操作を受け付けると、集中制御部12は照明部11Aを点灯状態にし、照明部11Aが強い光を照射する。
集中制御部12が第1モードの手動モードに設定されており、照明部11Bが消灯状態である場合に、スイッチ18Fが利用者USの入力操作を受け付けると、集中制御部12は照明部11Bを点灯状態にし、照明部11Bが強い光を照射する。
集中制御部12が第1モードの手動モードに設定されており、照明部11Cが消灯状態である場合、スイッチ18Gが利用者USの入力操作を受け付けると、集中制御部12は照明部11Cを点灯状態にし、照明部11Cが強い光を照射する。
詳細には、集中制御部12が第1モードの手動モードに設定されている場合に、操作部18のスイッチ18E、18F、18Gに対する利用者USの入力操作に応じて、照明部11A、11B、11Cが点灯状態にされると、ダイニング空間DSには、相関色温度が5000ケルビン以上であって、利用者USの眼の位置の鉛直面VPの照度(眼前照度)が400ルクス以上の光環境が形成される。
次いで、スイッチ18Eが利用者USの入力操作を再び受け付けると、集中制御部12は照明部11Aを点灯状態から消灯状態に切り替える。
また、スイッチ18Fが利用者USの入力操作を再び受け付けると、集中制御部12は照明部11Bを点灯状態から消灯状態に切り替える。
同様に、スイッチ18Gが利用者USの入力操作を再び受け付けると、集中制御部12は照明部11Cを点灯状態から消灯状態に切り替える。
つまり、集中制御部12は、第1モードの手動モード時に、操作部18のスイッチ18E、18F、18Gに対する利用者USの入力操作に応じて、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成される照明部11A、11B、11Cの点灯状態と、照明部11A、11B、11Cの消灯状態との切り替えを実行する。
図1〜図3に示す例では、時刻設定部18Hは、集中制御部12が第1モードの自動モードに設定されている場合に照明部11A、11B、11Cの点灯状態(詳細には、強い光を照射する点灯状態)が開始する開始時刻を設定するための利用者USの入力操作を受け付ける。また、時刻設定部18Hは、集中制御部12が第1モードの自動モードに設定されている場合に照明部11A、11B、11Cの点灯状態(詳細には、強い光を照射する点灯状態)が終了する終了時刻を設定するための利用者USの入力操作を受け付ける。
開始時刻および終了時刻が予め設定されている場合であって、集中制御部12が第1モードの自動モードに設定されている場合には、開始時刻になると、スイッチ18E、18F、18Gに対する利用者USの入力操作が無くても、集中制御部12は照明部11A、11B、11Cを点灯状態にし、照明部11A、11B、11Cが強い光を照射する。その結果、相関色温度が5000ケルビン以上であって、利用者USの眼の位置の鉛直面VPの照度(眼前照度)が400ルクス以上の光環境が、ダイニング空間DSに形成される。
次いで、終了時刻になると、スイッチ18E、18F、18Gに対する利用者USの入力操作が無くても、集中制御部12は照明部11A、11B、11Cを点灯状態から消灯状態に切り替える。
次に、利用者USによる第1実施形態の住宅1の利用方法の各例について説明する。
下記の例(第1例〜第4例)では、利用者USが、何時に起床する場合に、どの時間帯に、照明部11A、11B、11Cを、強い光を照射する点灯状態にすれば、睡眠の質を向上させることができるか、についての知識を有する。
第1例では、利用者USが、6時30分に起床し、23時30分に就寝する「朝型利用者」である。また、利用者USは、集中制御部12を第1モードの手動モードで動作させる。
9時00分に、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Aに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が第1モードに設定される。また、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Cに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が第1モードの手動モードに設定される。
また、9時00分に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Eに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態にし、照明部11Aが強い光を照射する。また、利用者USは、操作部18のスイッチ18Fに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態にし、照明部11Bが強い光を照射する。同様に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Gに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態にし、照明部11Cが強い光を照射する。
利用者USは、9時00分から15時00分まで、利用者USの睡眠の質を向上させる光環境が形成されたダイニング空間DS内で行動する。
15時00分に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Eに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態から消灯状態に切り替える。また、利用者USは、操作部18のスイッチ18Fに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態から消灯状態に切り替える。同様に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Gに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態から消灯状態に切り替える。
次いで、17時00分(例えば日没時)に、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Bに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が、第2モードに設定される(つまり、第1モードから第2モードに切り替えられる)。
また、17時00分に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Eに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態にし、照明部11Aが第1モード時より弱い光を照射する。また、利用者USは、操作部18のスイッチ18Fに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態にし、照明部11Bが第1モード時より弱い光を照射する。同様に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Gに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態にし、照明部11Cが第1モード時より弱い光を照射する。
利用者USは、17時00分から23時30分まで、利用者USの通常の生活に適した光環境が形成されたダイニング空間DS内で行動する。
23時30分に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Eに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態から消灯状態に切り替える。また、利用者USは、操作部18のスイッチ18Fに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態から消灯状態に切り替える。同様に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Gに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態から消灯状態に切り替える。
上述した第1例では、利用者USは、9時00分から15時00分までの時間帯にダイニング空間DSに形成された光環境によって、23時30分から6時30分までの睡眠の質を向上させることができる。
第2例では、利用者USが、12時30分に起床し、5時30分に就寝する「夜型利用者」である。また、利用者USは、集中制御部12を第1モードの手動モードで動作させる。
15時00分に、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Aに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が第1モードに設定される。また、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Cに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が第1モードの手動モードに設定される。
また、15時00分に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Eに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態にし、照明部11Aが強い光を照射する。また、利用者USは、操作部18のスイッチ18Fに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態にし、照明部11Bが強い光を照射する。同様に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Gに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態にし、照明部11Cが強い光を照射する。
利用者USは、15時00分から21時00分まで、利用者USの睡眠の質を向上させる光環境が形成されたダイニング空間DS内で行動する。
21時00分に、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Bに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が、第2モードに設定される(つまり、第1モードから第2モードに切り替えられる)。
それに伴って、照明部11Aが照射する光が、強い光から弱い光に切り替わる。また、照明部11Bが照射する光が、強い光から弱い光に切り替わる。同様に、照明部11Cが照射する光が、強い光から弱い光に切り替わる。
利用者USは、21時00分から5時30分まで、利用者USの通常の生活に適した光環境が形成されたダイニング空間DS内で行動する。
5時30分に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Eに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態から消灯状態に切り替える。また、利用者USは、操作部18のスイッチ18Fに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態から消灯状態に切り替える。同様に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Gに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態から消灯状態に切り替える。
上述した第2例では、利用者USは、15時00分から21時00分までの時間帯にダイニング空間DSに形成された光環境によって、5時30分から12時30分までの睡眠の質を向上させることができる。
第3例では、利用者USが、6時30分に起床し、23時30分に就寝する「朝型利用者」である。また、利用者USは、集中制御部12を第1モードの自動モードで動作させる。
例えば6時30分に、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Aに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が第1モードに設定される。また、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Dに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が第1モードの自動モードに設定される。
また、利用者USは、操作部18の時刻設定部18Hに対する入力操作を行う。詳細には、利用者USは、照明部11A、11B、11Cが強い光を照射する点灯状態になる時刻を9時00分に予め設定する。また、利用者USは、照明部11A、11B、11Cの点灯状態(強い光を照射する点灯状態)が終了する時刻を15時00分に予め設定する。
次いで、9時00分になると、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態にし、照明部11Aが強い光を照射する。また、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態にし、照明部11Bが強い光を照射する。同様に、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態にし、照明部11Cが強い光を照射する。
利用者USは、9時00分から15時00分まで、利用者USの睡眠の質を向上させる光環境が形成されたダイニング空間DS内で行動する。
次いで、15時00分になると、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態から消灯状態に切り替える。また、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態から消灯状態に切り替える。同様に、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態から消灯状態に切り替える。
次いで、17時00分(例えば日没時)に、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Bに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が、第2モードに設定される(つまり、第1モードから第2モードに切り替えられる)。
また、17時00分に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Eに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態にし、照明部11Aが第1モード時より弱い光を照射する。また、利用者USは、操作部18のスイッチ18Fに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態にし、照明部11Bが第1モード時より弱い光を照射する。同様に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Gに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態にし、照明部11Cが第1モード時より弱い光を照射する。
利用者USは、17時00分から23時30分まで、利用者USの通常の生活に適した光環境が形成されたダイニング空間DS内で行動する。
23時30分に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Eに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態から消灯状態に切り替える。また、利用者USは、操作部18のスイッチ18Fに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態から消灯状態に切り替える。同様に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Gに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態から消灯状態に切り替える。
上述した第3例では、利用者USは、9時00分から15時00分までの時間帯にダイニング空間DSに形成された光環境によって、23時30分から6時30分までの睡眠の質を向上させることができる。
第4例では、利用者USが、12時30分に起床し、5時30分に就寝する「夜型利用者」である。また、利用者USは、集中制御部12を第1モードの自動モードで動作させる。
例えば12時30分に、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Aに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が第1モードに設定される。また、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Dに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が第1モードの自動モードに設定される。
また、利用者USは、操作部18の時刻設定部18Hに対する入力操作を行う。詳細には、利用者USは、照明部11A、11B、11Cが強い光を照射する点灯状態になる時刻を15時00分に予め設定する。また、利用者USは、照明部11A、11B、11Cの点灯状態(強い光を照射する点灯状態)が終了する時刻を21時00分に予め設定する。
次いで、15時00分になると、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態にし、照明部11Aが強い光を照射する。また、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態にし、照明部11Bが強い光を照射する。同様に、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態にし、照明部11Cが強い光を照射する。
利用者USは、15時00分から21時00分まで、利用者USの睡眠の質を向上させる光環境が形成されたダイニング空間DS内で行動する。
21時00分に、利用者USは、操作部18の設定ボタン18Bに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が、第2モードに設定される(つまり、第1モードから第2モードに切り替えられる)。
それに伴って、照明部11Aが照射する光が、強い光から弱い光に切り替わる。また、照明部11Bが照射する光が、強い光から弱い光に切り替わる。同様に、照明部11Cが照射する光が、強い光から弱い光に切り替わる。
利用者USは、21時00分から5時30分まで、利用者USの通常の生活に適した光環境が形成されたダイニング空間DS内で行動する。
5時30分に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Eに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Aを点灯状態から消灯状態に切り替える。また、利用者USは、操作部18のスイッチ18Fに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Bを点灯状態から消灯状態に切り替える。同様に、利用者USは、操作部18のスイッチ18Gに対する入力操作を行う。その結果、集中制御部12が照明部11Cを点灯状態から消灯状態に切り替える。
上述した第4例では、利用者USは、15時00分から21時00分までの時間帯にダイニング空間DSに形成された光環境によって、5時30分から12時30分までの睡眠の質を向上させることができる。
次に、第1実施形態の住宅1の建築設計方法の一例について説明する。
図4は第1実施形態の住宅1の建築設計方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図4に示す例では、ステップS1において、住宅1のダイニング空間DSを画定する床部17と天井部14と壁部13と窓部15とが設置される。
次いで、ステップS2において、天井部14の内装仕上げ材としての高反射率部14Aと、壁部13の内装仕上げ材としての高反射率部13Aとが設置される。
次いで、ステップS3において、窓部15を覆う付帯部16が設置される。
次いで、ステップS4において、付帯部16の内装仕上げ材としての高反射率部16Aが設置される。
次いで、ステップS5において、調色および調光可能な複数の照明部11A、11B、11Cがダイニング空間DSに配置される。
次いで、ステップS6において、複数の照明部11A、11B、11Cの点灯を集中制御する集中制御部12と、集中制御部12の第1モードと第2モードとの切り替えを行う入力操作などを受け付ける操作部18とが設置される。
上述したように、第1実施形態の住宅1の図1〜図4に示す例では、集中制御部12が、照明部11Aから照射された光、照明部11Aから照射され、天井部14の高反射率部14Aにより反射された光、照明部11Bから照射され、壁部13の高反射率部13Aにより反射された光、および、照明部11Cから照射され、付帯部16の高反射率部16Aにより反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上であって、利用者USの眼の位置の鉛直面VPの照度である眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成されるように、複数の照明部11A、11B、11Cを集中制御する第1モードを有する。
そのため、第1実施形態の住宅1の図1〜図4に示す例では、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成されるように、集中制御部12が照明部11A、11B、11Cの点灯を集中制御することによって、ダイニング空間DSの利用者USは、昼間に太陽光を浴びる必要なく、睡眠の質を向上させることができる。
つまり、第1実施形態の住宅1の図1〜図4に示す例では、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成されるように照明部11A、11B、11Cの点灯を集中制御することによって、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成されない場合よりも、ダイニング空間DSの利用者USの睡眠の質を向上させることができる。
また、上述したように、第1実施形態の住宅1では、第2モード時に、集中制御部12は、照明部11Aから照射された光、照明部11Aから照射され、天井部14の高反射率部14Aにより反射された光、照明部11Bから照射され、壁部13の高反射率部13Aにより反射された光、および、照明部11Cから照射され、付帯部16の高反射率部16Aにより反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン未満または眼前照度が400ルクス未満の光環境がダイニング空間DSに形成されるように、複数の照明部11A、11B、11Cの点灯を集中制御する。また、操作部18は、第1モードと第2モードとの切り替えを行う利用者USの入力操作を受け付ける。
そのため、第1実施形態の住宅1では、第1モード時にダイニング空間DSの利用者USの睡眠の質を向上させる光環境を形成することができると共に、第2モード時にダイニング空間DSにおける利用者USの通常の生活に適した光環境を形成することができる。
また、第1実施形態の住宅1では、ダイニング空間DSにおける利用者USの通常の生活に適した光環境を形成する照明部とは別個に、ダイニング空間DSの利用者USの睡眠の質を向上させる光環境を形成する照明部が設けられる場合よりも、住宅1のコストアップを抑制することができる。
つまり、第1実施形態の住宅1では、ダイニング空間DSの利用者USの睡眠の質を向上させるための特別な照明部の設置に伴う住宅1のコストアップを抑制しつつ、ダイニング空間DSの利用者USの睡眠の質を向上させる光環境を形成することができる。
また、上述したように、第1実施形態の住宅1では、集中制御部12の第1モードに手動モードが含まれる。集中制御部12は、第1モードの手動モード時に、操作部18に対する入力操作に応じて、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成される照明部11A、11B、11Cの点灯状態と、照明部11A、11B、11Cの消灯状態との切り替えを実行する。また、集中制御部12は、第2モード時に、操作部18に対する入力操作に応じて、相関色温度が5000ケルビン未満または眼前照度が400ルクス未満の光環境がダイニング空間DSに形成される照明部11A、11B、11Cの点灯状態と、照明部11A、11B、11Cの消灯状態との切り替えを実行する。
そのため、第1実施形態の住宅1では、ダイニング空間DSの利用者USが、第1モードの手動モード時に入力操作を行うことによって、照明部11A、11B、11Cを点灯状態にして、睡眠の質を向上させる光環境を形成することができる。
また、第1実施形態の住宅1では、ダイニング空間DSの利用者USが、第1モードの手動モード時に入力操作を行うことによって、照明部11A、11B、11Cを消灯状態にすることができる。
また、第1実施形態の住宅1では、ダイニング空間DSの利用者USが、第2モード時に入力操作を行うことによって、照明部11A、11B、11Cを点灯状態にして、通常の生活に適した光環境を形成することができる。
また、第1実施形態の住宅1では、ダイニング空間DSの利用者USが、第2モード時に入力操作を行うことによって、照明部11A、11B、11Cを消灯状態にすることができる。
また、上述したように、第1実施形態の住宅1では、集中制御部12の第1モードに自動モードが含まれる。第1モードの自動モード時には、集中制御部12が、予め設定された第1時刻(開始時刻)に、照明部11A、11B、11Cを、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成される点灯状態にする。次いで、予め設定された第2時刻(終了時刻)に、集中制御部12が、照明部11A、11B、11Cを点灯状態から消灯状態に切り替える。
そのため、第1実施形態の住宅1では、ダイニング空間DSの利用者USが、第1時刻(開始時刻)を予め設定することによって、第1モードの自動モード時に、照明部11A、11B、11Cを点灯状態にするための入力操作を行う必要なく、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境をダイニング空間DSに形成することができる。
また、第1実施形態の住宅1では、ダイニング空間DSの利用者USが、第2時刻(終了時刻)を予め設定することによって、第1モードの自動モード時に、照明部11A、11B、11Cを消灯状態にするための入力操作を行う必要なく、照明部11A、11B、11Cを点灯状態から消灯状態に切り替えることができる。
また、上述したように、第1実施形態の住宅1では、複数の照明部11A、11B、11Cには、直接照明である照明部11Aと、間接照明である照明部11Bと、間接照明である照明部11Cとが含まれる。照明部11Bから照射された光は、直射光として鉛直面VPに到達せず、壁部13の高反射率部13Aによって反射された反射光として鉛直面VPに到達する。また、照明部11Cから照射された光は、直射光として鉛直面VPに到達せず、付帯部16の高反射率部16Aによって反射された反射光として鉛直面VPに到達する。
そのため、第1実施形態の住宅1では、壁部13の高反射率部13Aにおいて反射される光を照射する間接照明(照明部11B)が設けられていない場合、または、付帯部16の高反射率部16Aにおいて反射される光を照射する間接照明(照明部11C)が設けられていない場合よりも容易に、眼前照度(ダイニング空間DSの利用者USの眼の位置の鉛直面VPの照度)を400ルクス以上にすることができる。
また、上述したように、第1実施形態の住宅1では、ダイニング空間DSを画定する窓部15と、窓部15を覆う付帯部16とが備えられている。付帯部16は、付帯部16の内装仕上げ材として、可視光反射率が0.4以上である高反射率部16Aを備えている。また、照明部11Aから照射された光、照明部11Aから照射され、天井部14の高反射率部14Aにより反射された光、照明部11Bから照射され、壁部13の高反射率部13Aにより反射された光、および、照明部11Cから照射され、付帯部16の高反射率部16Aにより反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上であって、利用者USの眼の位置の鉛直面VPの照度である眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成される。
そのため、第1実施形態の住宅1では、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境をダイニング空間DSに形成するために高反射率部16Aによって反射された光が用いられない場合よりも、複数の照明部11A、11B、11Cの出力を抑制することができる。
また、上述したように、第1実施形態の住宅1では、ダイニング空間DSを画定する天井部14が備えられている。天井部14は、天井部14の内装仕上げ材として、可視光反射率が0.4以上である高反射率部14Aを備えている。また、照明部11Aから照射された光、照明部11Aから照射され、天井部14の高反射率部14Aにより反射された光、照明部11Bから照射され、壁部13の高反射率部13Aにより反射された光、および、照明部11Cから照射され、付帯部16の高反射率部16Aにより反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上であって、利用者USの眼の位置の鉛直面VPの照度である眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成される。
そのため、第1実施形態の住宅1では、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境をダイニング空間DSに形成するために高反射率部14Aによって反射された光が用いられない場合よりも、複数の照明部11A、11B、11Cの出力を抑制することができる。
<第2実施形態>
以下、本発明の住宅および住宅の建築設計方法の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の住宅1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の住宅1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の住宅1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の住宅1と同様の効果を奏することができる。
図5は第2実施形態の住宅1の一例を示す図である。図6は第2実施形態の住宅1の照明部11A、11B、11Cと集中制御部12との関係の一例を示す機能ブロック図である。
図1〜図3に示す例では、住宅1が、複数の照明部11A、11B、11Cと、集中制御部12と、壁部13と、天井部14と、窓部15と、付帯部16と、床部17と、操作部18とを備えているが、図5および図6に示す例では、住宅1が、複数の照明部11A、11B、11Cと、集中制御部12と、壁部13と、天井部14と、窓部15と、付帯部16と、床部17とを備えている。つまり、図5および図6に示す例では、集中制御部12が、図1〜図3に示す例の集中制御部12の機能と操作部18の機能とを備えている。
つまり、図5および図6に示す例では、集中制御部12が、集中制御部12の第1モードと第2モードとの切り替えを行う入力操作などを受け付ける。集中制御部12は、設定ボタン18A、18B、18C、18Dと、スイッチ18E、18F、18Gと、時刻設定部18Hとを備えている。
図5および図6に示す例では、集中制御部12が第1モードの手動モードに設定されている場合に、集中制御部12のスイッチ18E、18F、18Gに対する利用者USの入力操作に応じて、照明部11A、11B、11Cが点灯状態にされると、ダイニング空間DSには、相関色温度が5000ケルビン以上であって、利用者USの眼の位置の鉛直面VPの照度(眼前照度)が400ルクス以上の光環境が形成される。
詳細には、集中制御部12は、第1モードの手動モード時に、集中制御部12のスイッチ18E、18F、18Gに対する利用者USの入力操作に応じて、相関色温度が5000ケルビン以上かつ眼前照度が400ルクス以上の光環境がダイニング空間DSに形成される照明部11A、11B、11Cの点灯状態と、照明部11A、11B、11Cの消灯状態との切り替えを実行する。
上述したように、本発明は、住宅空間内で例えば起床から午前中の時間帯の光環境において、居住者が所定の光量を暴露し、かつ、心理的にも快適な光環境を提供することで、睡眠の質を高める居住環境を具現化するものである。詳細には、本発明は、起床後最も居住者の滞在時間の長いダイニング空間に着目し、かつ水平面照度ではなく、居住者の眼前照度となる鉛直面照度に着目し、かつ、居住者が簡便に照明制御できる技術に関するものである。
本発明によれば、住宅のダイニング空間において、睡眠の質を向上させる例えば起床から午前中の時間帯の光環境を生成することができる。詳細には、人が生活する場所の例えば起床から午前中の時間帯において、生体リズムに好ましい光環境と使用上の煩雑さの解消とを両立させることができる。
また、本発明によれば、メラトニンの分泌バランスを従来と比べて最適な概日変化をもたらすことができる。
上述した「ダイニング空間DS」には、一般的にダイニング、キッチン、リビング、リビングダイニング(LD)、ダイニングキッチン(DK)、リビングダイニングキッチン(LDK)と称されている生活空間が含まれる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を適宜組み合わせてもよい。
なお、上述した実施形態における住宅1が備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
1…住宅、11A…照明部、11B…照明部、11C…照明部、12…集中制御部、13…壁部、13A…高反射率部、14…天井部、14A…高反射率部、15…窓部、16…付帯部、16A…高反射率部、17…床部、18…操作部、18A…設定ボタン、18B…設定ボタン、18C…設定ボタン、18D…設定ボタン、18E…スイッチ、18F…スイッチ、18G…スイッチ、18H…時刻設定部、DS…ダイニング空間、DT…ダイニングテーブル、SP…着座位置、VP…鉛直面、US…利用者

Claims (11)

  1. 調色および調光可能であって住宅のダイニング空間に配置された複数の照明部と、
    前記複数の照明部を集中制御する集中制御部と、
    前記ダイニング空間を画定する壁部とを備え、
    前記壁部は、前記壁部の内装仕上げ材としての第1高反射率部を備え、
    前記集中制御部は、
    前記複数の照明部から照射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上であって、前記ダイニング空間の利用者の眼の位置の鉛直面照度である眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成されるように、前記複数の照明部を集中制御する第1モードを有する、
    住宅。
  2. 前記第1高反射率部の可視光反射率が0.4以上である、
    請求項1に記載の住宅。
  3. 前記集中制御部は、
    前記複数の照明部から照射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光によって、前記相関色温度が5000ケルビン未満または前記眼前照度が400ルクス未満の光環境が前記ダイニング空間に形成されるように、前記複数の照明部を集中制御する第2モードを更に有し、
    前記第1モードと前記第2モードとの切り替えを行う入力操作を受け付ける操作部を更に備える、
    請求項1または請求項2に記載の住宅。
  4. 前記第1モードには、手動モードが含まれ、
    前記集中制御部は、前記第1モードの前記手動モード時に、前記操作部に対する入力操作に応じて、前記相関色温度が5000ケルビン以上かつ前記眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成される前記複数の照明部の点灯状態と、前記複数の照明部の消灯状態との切り替えを実行し、
    前記集中制御部は、前記第2モード時に、前記操作部に対する入力操作に応じて、前記相関色温度が5000ケルビン未満または前記眼前照度が400ルクス未満の光環境が前記ダイニング空間に形成される前記複数の照明部の点灯状態と、前記複数の照明部の消灯状態との切り替えを実行する、
    請求項3に記載の住宅。
  5. 前記第1モードには、自動モードが更に含まれ、
    前記第1モードの前記自動モード時には、前記集中制御部が、
    予め設定された第1時刻に、前記複数の照明部を、前記相関色温度が5000ケルビン以上かつ前記眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成される点灯状態にし、
    次いで、予め設定された第2時刻に、前記複数の照明部を点灯状態から消灯状態に切り替える、
    請求項4に記載の住宅。
  6. 前記複数の照明部には、直接照明である第1照明部と、間接照明である第2照明部とが含まれ、
    前記第2照明部から照射された光は、直射光として前記鉛直面に到達せず、前記第1高反射率部によって反射された反射光として前記鉛直面に到達する、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の住宅。
  7. 前記ダイニング空間を画定する窓部と、
    前記窓部を覆う付帯部とを更に備え、
    前記付帯部は、前記付帯部の内装仕上げ材として、可視光反射率が0.4以上である第2高反射率部を備え、
    前記複数の照明部から照射された光、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第2高反射率部により反射された光によって、前記相関色温度が5000ケルビン以上かつ前記眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成される、
    請求項2に記載の住宅。
  8. 前記ダイニング空間を画定する天井部を更に備え、
    前記天井部は、前記天井部の内装仕上げ材として、可視光反射率が0.4以上である第3高反射率部を備え、
    前記複数の照明部から照射された光、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光、前記複数の照明部から照射され、前記第2高反射率部により反射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第3高反射率部により反射された光によって、前記相関色温度が5000ケルビン以上かつ前記眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成される、
    請求項7に記載の住宅。
  9. 前記ダイニング空間の利用者の眼の位置は、
    前記ダイニング空間に配置されたダイニングテーブルの着座位置に着座している前記ダイニング空間の利用者の眼の位置である、
    請求項1に記載の住宅。
  10. 調色および調光可能な複数の照明部を住宅のダイニング空間に配置する照明部配置ステップと、
    前記複数の照明部を集中制御する集中制御部を設置する集中制御部設置ステップと、
    前記ダイニング空間を画定する壁部を設置する壁部設置ステップと、
    前記壁部の内装仕上げ材としての第1高反射率部を設置する第1高反射率部設置ステップとを備える住宅の建築設計方法であって、
    前記集中制御部は、
    前記複数の照明部から照射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光によって、相関色温度が5000ケルビン以上であって、前記ダイニング空間の利用者の眼の位置の鉛直面照度である眼前照度が400ルクス以上の光環境が前記ダイニング空間に形成されるように、前記複数の照明部を集中制御する第1モードを有する、
    住宅の建築設計方法。
  11. 調色および調光可能な複数の照明部を住宅のダイニング空間に配置する照明部配置ステップと、
    前記複数の照明部を集中制御する集中制御部を設置する集中制御部設置ステップと、
    前記ダイニング空間を画定する壁部を設置する壁部設置ステップと、
    前記壁部の内装仕上げ材としての第1高反射率部を設置する第1高反射率部設置ステップとを備える住宅の建築設計方法であって、
    前記集中制御部は、
    前記複数の照明部から照射された光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された光によって、JIS照明基準総則(JIS Z 9110−2010)に定められている前記ダイニング空間の推奨照度を満足する光環境であって、前記ダイニング空間の利用者の通常の生活に適した光環境が前記ダイニング空間に形成されるように、前記複数の照明部を集中制御する通常モードと、
    前記複数の照明部から照射された前記通常モードより強い光、および、前記複数の照明部から照射され、前記第1高反射率部により反射された前記通常モードより強い光によって、前記ダイニング空間の利用者の睡眠の質を向上させるために必要な光環境が前記ダイニング空間に形成されるように、前記複数の照明部を集中制御する睡眠質向上モードとを有し、
    前記通常モードと前記睡眠質向上モードとの切り替えを行う入力操作を受け付ける操作部を設置する操作部設置ステップを更に備える、
    住宅の建築設計方法。
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