JP2020071375A - バンドパスフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタ特性を高めることを可能にしたバンドパスフィルタ及びその製造方法を提供する。【解決手段】特定の波長領域の光を透過させるバンドパスフィルタ11は、光透過性を有する基板12と、基板12の第1主面S1側に設けられる第1の誘電体多層膜13と、第1主面S1とは反対側の第2主面S2側に設けられる第2の誘電体多層膜14とを有する。第1の誘電体多層膜13は、水素化シリコン層を含む。第2の誘電体多層膜14は、水素化シリコン層を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、特定の波長領域の光を透過させるバンドパスフィルタ及びその製造方法に関する。
従来、特定の波長領域の光を透過させるバンドパスフィルタが知られている。特許文献1には、光透過性を有する基板と、基板に設けられる誘電体多層膜とを有するバンドパスフィルタが開示されている。
特開2015−184627号公報
上記のようなバンドパスフィルタに要求されるフィルタ特性としては、光を透過させる特定の波長領域(透過帯)における透過率をより高めること、光の透過を阻止する波長領域(阻止帯)において、透過スペクトルの脈動であるリップルを低減することなどが挙げられる。
本発明の目的は、フィルタ特性を高めることを可能にしたバンドパスフィルタ及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するバンドパスフィルタは、特定の波長領域の光を透過させるバンドパスフィルタであって、光透過性を有する基板と、前記基板の第1主面側に設けられ、水素化シリコン層を含む第1の誘電体多層膜と、前記基板の第1主面とは反対側の第2主面側に設けられ、水素化シリコン層を含む第2の誘電体多層膜と、を有する。
上記バンドパスフィルタにおいて、前記第2の誘電体多層膜中の前記水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、前記第1の誘電体多層膜中の前記水素化シリコン層の合計の厚さ寸法よりも小さいことが好ましい。
上記バンドパスフィルタにおいて、前記第1の誘電体多層膜中の前記水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、1700nm以上、3500nm以下の範囲内であり、前記第2の誘電体多層膜中の前記水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、250nm以上、2500nm以下の範囲内であることが好ましい。
上記バンドパスフィルタにおいて、前記第2の誘電体多層膜の厚さ寸法は、前記第1の誘電体多層膜の厚さ寸法よりも小さいことが好ましい。
上記バンドパスフィルタにおいて、前記第1の誘電体多層膜の厚さ寸法は、3000nm以上、6500nm以下の範囲内であり、前記第2の誘電体多層膜の厚さ寸法は、600nm以上、4000nm以下の範囲内であることが好ましい。
上記課題を解決するバンドパスフィルタの製造方法は、上記バンドパスフィルタの製造方法であって、前記基板の前記第1主面側に前記第1の誘電体多層膜を形成する工程と、前記基板の前記第2主面側に前記第2の誘電体多層膜を形成する工程と、を含む。
本発明によれば、フィルタ特性を高めることが可能となる。
実施形態におけるバンドパスフィルタを示す断面図である。 実施例1の透過スペクトルを示すグラフである。 比較例1の透過スペクトルを示すグラフである。 比較例2の透過スペクトルを示すグラフである。
以下、バンドパスフィルタ及びその製造方法の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、特定の波長領域の光を透過させるバンドパスフィルタ11は、光透過性を有する基板12と、基板12の第1主面S1側に設けられる第1の誘電体多層膜13と、基板12の第1主面S1とは反対側の第2主面S2側に設けられる第2の誘電体多層膜14とを有している。
基板12は、例えば、820nm以上、1000nm以下の波長の光の平均透過率が90%以上である光透過性を有することが好ましい。基板12としては、例えば、ガラス基板、水晶基板、石英基板、サファイア基板、及び樹脂基板が挙げられる。基板12は、平板状であってもよいし、曲板状であってもよい。基板12の厚さは、例えば、0.1〜5mmの範囲であることが好ましい。基板12としては、ガラス基板が好適に用いられる。ガラス基板を構成するガラスとしては、例えば、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、ホウケイ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ホウリン酸塩系ガラス、無アルカリガラス、LAS系結晶化ガラス等が挙げられる。
第1の誘電体多層膜13は、水素化シリコン層を含む。水素化シリコン層の屈折率は、例えば、850nmの波長において2.9以上であることが好ましい。水素化シリコン層は、例えば、850nmの波長において4以下の屈折率を有している。水素化シリコン層は、屈折率が酸化物や窒化物からなる層より高いため、水素化シリコン層を含む誘電体多層膜からなるバンドパスフィルタにおいては、透過波長域の入射角依存性が小さくなる。また、水素化シリコン層は、820nm以上、1000nm以下の波長の光の平均透過率がシリコン層より高いため、水素化シリコン層を含む誘電体多層膜からなるバンドパスフィルタの透過波長域の透過率を低下させない。水素化シリコン層は、非晶質であることが好ましい。
第1の誘電体多層膜13は、水素化シリコン層よりも低屈折率の材料からなる低屈折率層をさらに含み、水素化シリコン層(高屈折率層)と低屈折率層とを交互に積層した構造を有する。
第1の誘電体多層膜13を構成する低屈折率層の屈折率は、850nmの波長において2.9未満であることが好ましく、より好ましくは、2以下である。低屈折率層を構成する低屈折率材料としては、例えば、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ランタン、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、窒化ケイ素、及びフッ化マグネシウムから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。低屈折率材料の中でも、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及びフッ化マグネシウムから選ばれる少なくとも一種が好ましい。
なお、第1の誘電体多層膜13は、異なる低屈折率材料から構成する複数の低屈折率層を積層した構造(例えば、酸化ニオブ層と酸化ケイ素層とを積層した構造)を有していてもよい。
第2の誘電体多層膜14は、第1の誘電体多層膜13と同様に水素化シリコン層を含む。第2の誘電体多層膜14は、第1の誘電体多層膜13と同様に低屈折率層をさらに含み、水素化シリコン層と低屈折率層とを交互に積層した構造を有する。第2の誘電体多層膜14の各層の材料については、第1の誘電体多層膜13と同様のものを用いることができる。
なお、誘電体多層膜において、水素化シリコン層から低屈折率層に向けて屈折率が漸減または漸増する漸移層を水素化シリコン層と低屈折率層との間に設けてもよい。また、誘電体多層膜から基板12に向けて屈折率が漸減または漸増する漸移層を基板12と誘電体多層膜との間に設けてもよい。
バンドパスフィルタ11において、第1の誘電体多層膜13は、特定の波長領域の光を透過させるフィルタ特性を付与する膜として設計することができる。また、第1の誘電体多層膜13によって、基板12の第1主面S1の該波長領域の反射を抑えることができる。また、バンドパスフィルタ11の第2の誘電体多層膜14によって、基板12の第2主面S2の該波長領域の反射を抑えることができる。
ここで、水素化シリコン層を含む第1の誘電体多層膜13によって付与されるフィルタ特性(透過スペクトル)では、光の透過を阻止する波長領域(阻止帯)においてリップルが発生する場合がある。
本実施形態のバンドパスフィルタ11では、第2の誘電体多層膜14中の水素化シリコン層の光吸収によって上記リップルを低減させることが可能となる。すなわち、第2の誘電体多層膜14は、上記リップルを低減させる膜となる。
バンドパスフィルタ11において、第2の誘電体多層膜14中の水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、第1の誘電体多層膜13中の水素化シリコン層の合計の厚さ寸法よりも小さいことが好ましい。この場合、光を透過させる特定の波長領域(透過帯)における透過率をより高めることが可能となる。
第1の誘電体多層膜13中の水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、1700nm以上、3500nm以下の範囲内であることが好ましい。第1の誘電体多層膜13中の水素化シリコン層の合計の厚さ寸法を大きくすることで、例えば、より狭い半値幅を有する透過帯に設定するなど、より高精度なフィルタ性能に設定することが可能となる。第1の誘電体多層膜13中の水素化シリコン層の合計の厚さ寸法を小さくすることで、透過帯における透過率をさらに高めることが可能となる。
第2の誘電体多層膜14中の水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、250nm以上、2500nm以下の範囲内であることが好ましい。第2の誘電体多層膜14中の水素化シリコン層の合計の厚さ寸法を大きくすることで、阻止帯におけるリップルをさらに低減したり、基板12の第2主面S2における反射を防止する機能をさらに高めたりすることが可能となる。
第2の誘電体多層膜14の厚さ寸法は、第1の誘電体多層膜13の厚さ寸法よりも小さいことが好ましい。この場合、透過帯における透過率をより高めることが可能となる。
第1の誘電体多層膜13の厚さ寸法は、3000nm以上、6500nm以下の範囲内であることが好ましい。第1の誘電体多層膜13の厚さ寸法を大きくすることで、例えば、より狭い半値幅を有する透過帯に設定するなど、より高精度なフィルタ性能に設定することが可能となる。第1の誘電体多層膜13の厚さ寸法を小さくすることで、透過帯における透過率をさらに高めることが可能となる。
第2の誘電体多層膜14の厚さ寸法は、600nm以上、4000nm以下の範囲内であることが好ましい。第2の誘電体多層膜14中の厚さ寸法を大きくすることで、阻止帯におけるリップルをさらに低減したり、基板12の第2主面S2における反射を防止する機能をさらに高めたりすることが可能となる。第1の誘電体多層膜13の厚さ寸法を小さくすることで、透過帯における透過率をさらに高めることが可能となる。
第1の誘電体多層膜13の積層数及び第2の誘電体多層膜14の積層数は、例えば、それぞれ4層以上、60層以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは40層以下である。
バンドパスフィルタ11における透過帯の平均透過率は、90%以上であることが好ましい。バンドパスフィルタ11における阻止帯の最大透過率は、3%以下であることが好ましく、より好ましくは2%以下であり、さらに好ましくは1%以下である。
バンドパスフィルタ11の透過帯は、例えば、波長820nm以上、1000nm以下の波長領域の少なくとも一部を含むことが好ましい。バンドパスフィルタ11の阻止帯は、例えば、波長400nm以上、850nm以下の波長領域の少なくとも一部を含むことが好ましい。
次に、バンドパスフィルタ11の製造方法について説明する。
バンドパスフィルタ11の製造方法は、基板12の第1主面S1側に第1の誘電体多層膜13を形成する工程と、基板12の前記第2主面S2側に第2の誘電体多層膜14を形成する工程とを含む。バンドパスフィルタ11の製造方法は、第1の誘電体多層膜13を形成する工程を行った後に第2の誘電体多層膜14を形成する工程を行ってもよいし、第2の誘電体多層膜14を形成する工程を行った後に第1の誘電体多層膜13を形成する工程を行ってもよい。
誘電体多層膜の形成には、周知の成膜方法を用いることができる。成膜方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンビーム法、イオンプレーティング法、及びCVD法が挙げられる。これらの成膜方法の中でも、各層の厚さを高精度で制御することができるとともに、安定した膜質の誘電体多層膜が得られることから、スパッタリング法を用いることが好ましい。スパッタリング法は、常法にしたがって行うことができる。例えば、水素化シリコン層は、水素の存在下でシリコンターゲットを用いるスパッタリング法により成膜することができる。
次に、バンドパスフィルタ11の用途について説明する。
バンドパスフィルタ11は、例えば、特定の波長領域の光をセンサに入光させる用途に好適に用いることができる。すなわち、バンドパスフィルタ11は、センサの受光部に対応して設けられる光学系に好適に用いることができる。バンドパスフィルタ11は、基板12の第1主面S1側(第1の誘電体多層膜13側)がセンサ側となるように配置してもよいし、基板12の第2主面S2側(第2の誘電体多層膜14側)がセンサ側となるように配置してもよい。
センサの用途としては、特に限定されず、例えば、車両用途、ロボット用途、航空宇宙用途、分析機器用途等が挙げられる。
次に、バンドパスフィルタの実施例及び比較例を説明する。
(実施例1)
表1に示すように、基板(ガラス基板)の第1主面に水素化シリコン層(Si:H層)と二酸化ケイ素層(SiO層)とを合計層数が27層となるように交互に積層した第1の誘電体多層膜をスパッタリング法により形成した。次に、基板の第2主面にSi:H層とSiO層とを合計層数が16層となるように交互に積層した第2の誘電体多層膜をスパッタリング法により形成することでバンドパスフィルタを得た。各誘電体多層膜のSi:H層の合計厚さ、SiO層の合計厚さ、膜全体の厚さ、及び合計層数を表1に示す。
(実施例2)
実施例2では、表1に示すように第2の誘電体多層膜を変更した以外は、実施例1と同様にバンドパスフィルタを得た。
(実施例3)
実施例3では、表1に示すように第1の誘電体多層膜及び第2の誘電体多層膜を変更した以外は、実施例1と同様にバンドパスフィルタを得た。
(比較例1)
比較例1では、表2に示すように第2の誘電体多層膜を省略した以外は、実施例1と同様にバンドパスフィルタを得た。
(比較例2)
比較例2は、表2に示すように第1の誘電体多層膜を省略した以外は、実施例1と同様にして作製した第2の誘電体多層膜付き基板である。
(比較例3)
比較例3では、表2に示すように第2の誘電体多層膜のSi:H層を五酸化ニオブ層(Nb層)に変更した以外は、実施例1と同様にバンドパスフィルタを得た。
表1及び図2に示すように、実施例1及び2のバンドパスフィルタでは、波長910nm以上、930nm以下の波長領域(透過帯)における平均透過率は、93.1%以上であり、実施例3のバンドパスフィルタでは、波長940nm以上、960nm以下の波長領域(透過帯)における平均透過率は、95.5%であった。また、実施例1〜3のバンドパスフィルタでは、波長400nm以上、850nm以下の波長領域(阻止帯)における最大透過率は、1.4%以下であった。
表1に示すように、実施例1及び3のバンドパスフィルタでは、波長400nm以上、850nm以下の波長領域(阻止帯)における最大透過率は、0.3%以下であり、実施例2のバンドパスフィルタよりもフィルタ特性に優れることが分かる。
図3に示すように、比較例1のバンドパスフィルタでは、波長400nm以上、850nm以下の波長領域(阻止帯)においてリップルが発生していた。
表2及び図4に示すように、比較例2の第2の誘電体多層膜付き基板では、半値幅の狭い透過帯を有する透過スペクトルは得られないことが分かる。
表2に示すように、比較例3のバンドパスフィルタでは、波長400nm以上、850nm以下の波長領域(阻止帯)における最大透過率が4.2%であり、各実施例のバンドパスフィルタよりもフィルタ特性に劣ることが分かる。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)バンドパスフィルタ11は、光透過性を有する基板12と、基板12の第1主面S1側に設けられる第1の誘電体多層膜13と、基板12の第1主面S1とは反対側の第2主面S2側に設けられる第2の誘電体多層膜14とを有している。バンドパスフィルタ11における第1の誘電体多層膜13及び第2の誘電体多層膜14は、いずれも水素化シリコン層を含む。
この構成によれば、水素化シリコン層を含む第1の誘電体多層膜13によってフィルタ特性を付与することができる。このとき、フィルタ特性の阻止帯にリップルが発生したとしても、そのリップルを第2の誘電体多層膜14に含まれる水素化シリコン層の光吸収性を利用して低減させることが可能となる。さらに、第2の誘電体多層膜14によって、基板12の第2主面S2における反射を防止する機能をバンドパスフィルタ11に付与することができるため、バンドパスフィルタ11の透過帯における透過率を高めることが可能となる。従って、フィルタ特性を高めることが可能となる。
(2)バンドパスフィルタ11において、第2の誘電体多層膜14中の水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、第1の誘電体多層膜13中の水素化シリコン層の合計の厚さ寸法よりも小さいことが好ましい。この場合、バンドパスフィルタ11の透過帯における透過率をより高めることが可能となる。従って、フィルタ特性をより高めることが可能となる。
(3)バンドパスフィルタ11において、第1の誘電体多層膜13中の水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、1700nm以上、3500nm以下の範囲内であり、第2の誘電体多層膜14中の水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、250nm以上、2500nm以下の範囲内であることが好ましい。この場合、より高精度なフィルタ特性の設定が可能となる。また、透過帯の透過率をより高めるとともに、阻止帯で発生するリップルをより低減することが可能となる。
(4)例えば、波長910nm以上、930nm以下の波長領域の最大透過率が90%以上となるように第1の誘電体多層膜13の透過帯を設定した場合、阻止帯において比較的高い最大透過率を有するリップルが発生し易くなる。より具体的には、波長400nm以上、850nm以下の波長領域を含む阻止帯において、その波長領域に10%以上の最大透過率を有するリップルが発生する場合がある。
本実施形態のバンドパスフィルタ11は、水素化シリコン層を含む第2の誘電体多層膜14を有するため、上記のような10%以上の最大透過率を有するリップルであっても、例えば、2%以下の最大透過率となるまで容易に低減することができる。
11…バンドパスフィルタ、12…基板、13…第1の誘電体多層膜、14…第2の誘電体多層膜、S1…第1主面、S2…第2主面。

Claims (6)

  1. 特定の波長領域の光を透過させるバンドパスフィルタであって、
    光透過性を有する基板と、
    前記基板の第1主面側に設けられ、水素化シリコン層を含む第1の誘電体多層膜と、
    前記基板の第1主面とは反対側の第2主面側に設けられ、水素化シリコン層を含む第2の誘電体多層膜と、を有することを特徴とするバンドパスフィルタ。
  2. 前記第2の誘電体多層膜中の前記水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、前記第1の誘電体多層膜中の前記水素化シリコン層の合計の厚さ寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のバンドパスフィルタ。
  3. 前記第1の誘電体多層膜中の前記水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、1700nm以上、3500nm以下の範囲内であり、
    前記第2の誘電体多層膜中の前記水素化シリコン層の合計の厚さ寸法は、250nm以上、2500nm以下の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載のバンドパスフィルタ。
  4. 前記第2の誘電体多層膜の厚さ寸法は、前記第1の誘電体多層膜の厚さ寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバンドパスフィルタ。
  5. 前記第1の誘電体多層膜の厚さ寸法は、3000nm以上、6500nm以下の範囲内であり、
    前記第2の誘電体多層膜の厚さ寸法は、600nm以上、4000nm以下の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載のバンドパスフィルタ。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のバンドパスフィルタの製造方法であって、
    前記基板の前記第1主面側に前記第1の誘電体多層膜を形成する工程と、
    前記基板の前記第2主面側に前記第2の誘電体多層膜を形成する工程と、を含むことを特徴とするバンドパスフィルタの製造方法。
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