JP2020071372A - 感光性樹脂フィルム積層体 - Google Patents

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正樹 山本
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Abstract

【課題】高露光感度、高解像性及びDI露光プロセス適合性を有し、硬化膜としての反りを抑制でき、下地配線の隠蔽性が高く、かつ表面光沢性が抑制された、アルカリ現像型黒色感光性樹脂フィルム積層体を提供すること。【解決手段】3次元算術平均粗さSaが0.3μm以上1.0μm以下の凹凸構造をその表面に有する支持体と、上記凹凸構造を有する上記表面に積層された黒色の感光性樹脂フィルムとを含む、感光性樹脂フィルム積層体。感光性樹脂フィルム積層体は、400〜450nmの波長領域に吸光度の吸収極小値を有し、上記吸収極小値が0.60以上1.30以下であり、かつ400nmと450nmの波長における吸光度の比(A400/450)が1.00以上1.30以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂フィルム積層体に関する。
近年、フレキシブルプリント基板(以下、FPCともいう。)と呼ばれるフィルム状のプリント基板が活況を得ている。このFPCは、配線加工されたFCCL(Flexible Copper Clad Laminate)上にポリイミドフィルムなどから構成されるカバーレイを具備した構造を有しており、主に携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型パソコン、デジタルカメラなどの機器に用いられている。FPCは、折り曲げても機能を維持することから、機器の小型化、軽量化に向けて無くてはならない材料となっている。特に近年、スマートフォンやタブレット型端末に代表される電子機器の小型化、軽量化が進んでおり、このような製品にFPCを採用することで、当該電子機器の寸法、及び重量減少、並びに、製品コストの低減、及び設計の単純化をすることなどに貢献している。
近年のFPCの旺盛な需要増に伴い、たとえばフレキシブルプリント配線板の最外層の保護膜となるカバーレイやソルダーレジストには、感光性を有し、高露光感度、高解像性、並びに位置合わせ精度向上の観点でダイレクトイメージング(DI)露光プロセスへの適合性が要求されている。高露光感度である感光性カバーレイやソルダーレジストをフレキシブルプリント配線板上に製膜し、光や熱で硬化させて硬化膜を形成する際に反りが発生する傾向がある。積層体の反りが大きいと後工程での歩留まりを大幅に低下させる場合があるため、硬化膜形成時には低反りである事が望まれている。一方、上記カバーレイ、ソルダーレジストに関して、特に最近では、主に意匠性の観点で(1)下地配線回路の隠蔽性が高い黒色であること、及び(2)表面光沢度が抑制された材料であることが所望されている。
特許文献1には、特定の黒色染料を含む黒色感光性樹脂組成物をガラス上にスクリーン印刷で形成する方法が開示されており、該方法で得られる感光性樹脂フィルム積層体は表面光沢度が高いことが示されている。また、特許文献1には支持体上に感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥プロセスを経てドライフィルム化する方法について記載されている。特許文献2には、オキシム開始剤を含む黒色感光性樹脂組成物溶液を、算術平均表面粗さ(Ra)が150〜400nmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム表面に塗布して得られる、感光性樹脂フィルム積層体が例示されている。特許文献3には、ブラストマット処理してRaが400nmであるPETフィルム表面に、オキシム開始剤を含む黒色感光性樹脂組成物溶液を塗布して得られる、感光性樹脂フィルム積層体が例示されている。特許文献3は、感光性樹脂組成物中にカーボンブラックを多く添加しているため、下地配線回路の隠蔽性が高く、硬化膜形成時に発生する反りも低反りであるという特長が認められている。
特開2015−086356号公報 特開2016−027363号公報 特開2012−141605号公報
特許文献1に記載の感光性樹脂フィルム積層体は、組成物中に特定の黒色染料及びオキシム系の光重合開始剤を含むので、下地配線回路の隠蔽性は高い。しかしながら、黒色染料の配合量が多いために、露光現像プロセスでパターンを形成するためには0.30J/cm程度の高露光量が必要となっており、DI露光プロセスへの適用が困難と考えられる。また、感光性樹脂フィルム積層体を作製する際の支持体の表面粗度に関する例示や示唆はない。特許文献2及び特許文献3については、支持体として使用しているPETのうち、Raが150nm〜300nmの範囲内であるものを用いた場合は、前述した表面光沢度抑制効果が十分ではない。また、組成物を黒色化するためにカーボンブラックを使用しており、かつ使用されているオキシム化合物は波長領域400〜450nmにおけるモル吸光係数が低いため、露光感度、DI露光プロセス適合性が十分ではない。さらに、カーボンブラックを含有していることにより、組成物のヘーズが高くなり、パターンの解像性についても十分なものではなかった。
本発明は、高露光感度、高解像性及びDI露光プロセス適合性を有し、硬化膜としての反りを抑制でき、下地配線の隠蔽性が高く、かつ表面光沢性が抑制された、アルカリ現像型黒色感光性樹脂フィルム積層体を提供することを目的の一つとする。
本発明者らは、特定の3次元粗さを示す凹凸構造を表面に有する支持体と、該凹凸構造の表面に積層された、特定の材料を含む黒色の感光性樹脂フィルムを含む感光性樹脂フィルム積層体により、上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
本発明の実施形態の例を以下に列記する。
[1]
3次元算術平均粗さSaが0.3μm以上1.0μm以下の凹凸構造をその表面に有する支持体と、前記凹凸構造を有する前記表面に積層された黒色の感光性樹脂フィルムと、
を含む、感光性樹脂フィルム積層体であって、
前記感光性樹脂フィルム積層体は、400〜450nmの波長領域に吸光度の吸収極小値を有し、前記吸収極小値が0.60以上1.30以下であり、かつ400nmと450nmの波長における吸光度の比(A400/450)が1.00以上1.30以下である、感光性樹脂フィルム積層体。
[2]
全光線透過率が5.0%以下であり、ヘーズが25.0%以下である、項目1に記載の感光性樹脂フィルム積層体。
[3]
360〜420nmの波長領域に分光感度の極大値を有し、360〜420nmの波長領域の最低露光感度が0.01J/cm以上0.10J/cm以下である、項目1又は2に記載の感光性樹脂フィルム積層体。
[4]
前記感光性樹脂フィルムは、
(A)アルカリ可溶性樹脂と、
(B)不飽和二重結合を有する重合性化合物と、
(C)光重合開始剤と、
(D)色材と
を含み、前記アルカリ可溶性樹脂は、少なくとも1種類以上の酸変性エポキシアクリレートを含み、前記色材が少なくとも1種の黒色染料を含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂フィルム積層体。
[5]
前記光重合開始剤が、カルバゾール構造を含み、400nm以上の波長領域に吸収を有するオキシム系開始剤であり、かつ前記感光性樹脂フィルムは、前記黒色染料の含有量(質量%)に対して0.05倍以上0.50倍以下の光重合開始剤を含有する、項目1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂フィルム積層体。
本発明によれば、高露光感度、高解像性及びDI露光プロセス適合性を有し、硬化膜としての反りを抑制でき、下地配線の隠蔽性が高く、かつ表面光沢性が抑制された、アルカリ現像型黒色感光性樹脂フィルム積層体を提供することができる。
本発明を実施するための形態(以下「本実施形態」という。)に係る感光性樹脂フィルム積層体は、3次元の算術平均粗さSaが0.3μm以上1.0μm以下の凹凸構造をその表面に有する支持体と、該凹凸構造上に積層された感光性樹脂フィルムとを含む感光性樹脂フィルム積層体である。以下、支持体、感光性樹脂フィルム、感光性樹脂フィルム積層体について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<支持体>
本実施形態における支持体は、上記のとおり、感光性フィルムと接する表面に、3次元の算術平均粗さSaが0.3μm以上1.0μm以下である凹凸構造が形成されたものである。本実施形態に係る感光性樹脂フィルム積層体は、上記のような支持体上に感光性樹脂フィルム(「感光性樹脂フィルム層」ともいう。)が積層されている。該支持体を用いることによって、適度な3次元算術平均粗さSaを有する支持体の凹凸構造を、その形状を維持しつつ該支持体に接する該感光性樹脂フィルム層側の面に転写することができる。そのため、該感光性樹脂フィルム層の表面の光沢度合いを抑制でき、かつ高い解像性が得られる。
昨今、フレキシブルプリント配線板(製造方法を後掲する)の最外層の保護膜となるカバーレイは、黒色が主流となりつつある。本実施形態に係る感光性樹脂フィルム積層体を用いることにより、高い解像性と同時に表面の黒色光沢が所望する程度にまで抑制される。
また、支持体は、凹凸構造を、支持体の片面、すなわち、感光性樹脂フィルム層に転写する表面のみに有することが好ましい。これにより、効率良く凹凸構造を形成でき、凹凸構造がより均一かつ均質であることから感光性樹脂フィルムの追従性が向上する。そのため、ヘーズが抑制されて凹凸面であっても高露光感度と高解像性を有する感光性樹脂フィルムを得ることができる。
このように、支持体は、Saが0.3μm以上1.0μm以下という、適度に小さく、かつ適度に狭い範囲の凹凸構造を有することによって、感光性樹脂フィルムに高露光感度と高解像性を付与できるとともに、転写された感光性樹脂フィルムの表面の光沢を十分に抑制できる。支持体のSaは、好ましくは0.4μm以上0.8μm以下、更に好ましくは0.5μm以上0.7μm以下である。
なお、支持体の3次元算術平均粗さ(Sa)は、3D測定レーザー顕微鏡(LEXTOLS4100、オリンパス社製)を用いて測定され、詳細の方法については後掲する。
上記のような適度な範囲のSaを有する凹凸構造により表面の光沢が抑制される理由については以下のように推察される。すなわち、理論に限定されないが、光が凹凸構造を通って感光性樹脂フィルムの外側から内部へと進む場合、該感光性樹脂フィルムの凹凸構造は内部に向かって感光性樹脂の占める体積が大きくなるのに応じてその平均的な屈折率は少しずつ変わっていく。このとき、凹凸構造のSaが光の波長オーダーである、言い換えると凹凸構造が光の波長オーダーであるため、感光性樹脂フィルムの内部に進む光は、屈折率が徐々に変化する膜を通るのと同じようにその反射が抑制され、その結果、表面光沢が抑制される。
支持体の凹凸構造層の層厚みは0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。層厚みがこのような範囲にあると、支持体の形状が感光性樹脂フィルム層に追従され易く、かつ該フィルムへ支持体の凹凸構造の形状を維持されたままで転写することができる。また基材の一部の転写(たとえば基材の凸部の一部がはがれて感光性樹脂フィルム側に移動すること)を抑制でき、感光性樹脂フィルム層の硬化体の絶縁性は損なわれない。また凹凸構造層の層厚が薄いことから高い解像性を有する。
上記のような凹凸構造を支持体上に形成する方法としては、例えば支持体の表面をサンドブラスト加工して凹凸構造を形成する方法や、有機フィラー及び/又は無機フィラーを核とする微細突起が形成されたコーティング層を支持体の表面上に設ける方法等が挙げられる。その他に、滑剤を練りこんでマット加工する方式があるが、この方式で作製された支持体を使用した場合、支持体自体のヘーズが高いことに起因して、感光性樹脂フィルム積層体のヘーズが高まってしまい、露光感度や解像性が損なわれるという観点で好ましくはない。
有機及び/又は無機フィラーを核とする微細突起の形成方法については、その一例として支持体の片面に、バインダー樹脂と有機及び/又は無機フィラーとを含む塗工液をコーティングすることにより得ることができる。塗工液の溶剤としては、水や有機溶媒、またはこれらの混合物等を用いることができる。バインダー樹脂は、溶媒中に溶解または分散していてもよい。塗工液を基材に塗工する方法としては、公知の方法、例えばグラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等を挙げることができる。これらの方法により液状物を基材の表面に均一に塗工し、必要に応じて乾燥処理又は乾燥のための加熱処理に供することにより、均一な樹脂を基材に密着させて形成することができる。
また微細突起の形成方法として、核となる有機及び/又は無機フィラーを基材表面に吹き付けて形成する方法や、多孔質膜を塗布して形成する方法がある。
無機及び/又は有機フィラーを核とする微細突起を形成するコーティング法を用いて凹凸構造を形成することで、より均一で薄い凹凸構造層を形成でき、ヘーズを抑制して高露光感度と高解像性が得られる。また面内の光沢度をより均一にすることが可能となる。
<感光性樹脂フィルム>
次に、本実施形態における黒色の感光性樹脂フィルムについて説明する。本実施形態における黒色の感光性樹脂フィルムとは、Lab表色系におけるL値が25以下である感光性樹脂フィルムをいう。感光性についてはネガ型、ポジ型のいずれも含まれるが、高露光感度の観点でネガ型である事が好ましい。
本実施形態における感光性樹脂フィルムは、
(A)アルカリ可溶性樹脂と;
(B)不飽和二重結合を有する重合性化合物と;
(C)光重合開始剤と;
(D)色材と
を含むことが好ましい。以下、上記(A)〜(D)、及び任意で配合する他の成分について詳細を述べる。
(A)アルカリ可溶性樹脂
本実施形態に係る(A)アルカリ可溶性樹脂は、酸性官能基を含有する高分子体であれば制限されない。アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート酸変性物(A1)、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン誘導体等のアクリル系共重合体(A2)、ポリイミド前駆体(A3)、カルボキシル基含有ポリイミド(A4)、カルボキシル基含有ウレタン樹脂(A5)などが挙げられる。
(A)アルカリ可溶性樹脂の酸価(mgKOH/g)は、60〜200であることが好ましい。酸価は、硬化膜の絶縁信頼性の観点から、200以下であることが好ましく、アルカリ現像性の観点から60以上であることが好ましい。硬化膜の絶縁信頼性とアルカリ現像性のバランスの観点から、70〜180であることがより好ましく、80〜160であることが更に好ましい。
酸価の測定は、平沼産業(株)製の平沼自動滴定装置(COM−555)を使用し、0.1mol/Lの水酸化カリウムを用いて電位差滴定法により行われる。
(A)アルカリ可溶性樹脂は主鎖末端及び/又は側鎖にエチレン性不飽和基を有していてもよい。
(A)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、塗布性、塗膜強度、転写フィルムのタック性、及びアルカリ現像性の観点から、2000以上50,000以下であることが好ましい。アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、現像凝集物の性状、転写フィルムとして使用した場合のタック性、エッジフューズ性、カットチップ性等の未露光膜の性状の観点、及び転写フィルムを下地の導体付被着体に製膜し、硬化させた後の被着体との密着性の観点から2,000以上であることが好ましく、アルカリ現像性の観点から50,000以下であることが好ましい。ここで、エッジフューズ性とは、転写フィルムとしてロール状に巻き取った場合にロールの端面から感光性樹脂組成物層がはみ出す現象である。カットチップ性とは、未露光膜をカッターで切断した場合にチップが飛ぶ現象のことである。飛散したチップが感光性樹脂積層体の基材面上に付着すると、後の露光工程等でマスクに転写して露光障害不良の原因となる。(A)アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量は、より好ましくは、3,000以上40,000以下であり、更に好ましくは4,000以上35,000以下である。本実施形態に係る重量平均分子量の測定は、以下の条件に設定された日本分光(株)製ゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)を用いて行う。得られた重量平均分子量はポリスチレン換算値となる。
ポンプ:Gulliver、PU−1580型
カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、
移動層溶媒:テトラヒドロフラン
検量線:ポリスチレン標準サンプルを用いて規定された検量線{ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)による検量線使用}
(A)アルカリ可溶性樹脂として例示した、上記のエポキシ(メタ)アクリレート酸変性物(A1)、アクリル系共重合体(A2)、ポリイミド前駆体(A3)、カルボキシル基含有ポリイミド(A4)、カルボキシル基含有ウレタン樹脂(A5)について以下に詳細を述べる。
(A1)エポキシ(メタ)アクリレート酸変性物
本実施に係る(A1)エポキシ(メタ)アクリレート酸変性物とは、以下の2つの条件:
(i)分子内に2個以上のエポキシ基を含む化合物を出発物質として合成できること
(ii)分子内に1個以上のカルボキシル基と1個以上の(メタ)アクリロイル基を含むこと
を満たす化合物と定義され、酸変性エポキシ(メタ)アクリレート化合物とも呼ばれる。
(分子内に2個以上のエポキシ基を含む化合物)
分子内に2個以上のエポキシ基を含む化合物としては、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフチル骨格を含むエポキシ化合物、フルオレニル骨格を含むエポキシ化合物などが挙げられる。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば、YDCN−701、YDCN−702、YDCN−703、YDCN−704、YDCN−704L、YDPN−638、YDPN−602(以上、新日鉄住金化学(株)製、商品名)、DEN−431、DEN−439(以上、ダウケミカル(株)製、商品名)、EOCN−120、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1012、EOCN−1025、EOCN−1027、BREN(以上、日本化薬(株)製、商品名)、EPN−1138、EPN−1235、EPN−1299(以上、BASFジャパン(株)製、商品名)、N−730、N−770、N−865、N−665、N−673、VH−4150、VH−4240(以上、DIC(株)製、商品名)等が商業的に入手可能である。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート807、815、825、827、828、834、1001、1004、1007及び1009(以上、三菱化学(株)製、商品名)、DER−330、DER−301、DER−361(以上、ダウケミカル(株)製、商品名)、YD−8125、YDF−170、YDF−175S、YDF−2001、YDF−2004、YDF−8170(以上、新日鉄住金化学(株)製、商品名)等が商業的に入手可能である。
ビフェニル型エポキシ樹脂としては、NC3000、NC3000H、NC3000L、NC3100(以上、日本化薬(株)製)、GK3207(東都化成(株)製)、YX4000HK(ジャパンエポキシレジン(株)製)、BPAE(新日鐵化学(株)製)等が商業的に入手可能である。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、HP7200、HP7200H、HP7200HH(以上、DIC(株)製)、XD−1000、XD−1000−L、XD−10002L(以上、日本化薬(株)製)等が商業的に入手可能である。
ナフチル骨格を含有するエポキシ化合物としては、HP4032、4700、4770、5000、6000(DIC(株)製)、NC−7000、7300(日本化薬(株)製)ESN−175(新日鉄化学(株)製)、ESN−475V(東都化成(株)製)等が商業的に入手可能である。
フルオレニル骨格を含有するエポキシ化合物としては、OGSOL PG−100、OGSOL EG−200(以上、大阪ガスケミカル(株)製)等が商業的に入手可能である。
分子内に2個以上のエポキシ基を含む化合物を出発物質とした(A1)エポキシ(メタ)アクリレート酸変性物の合成方法を以下に2つ示すが、本実施形態に係る(A1)エポキシ(メタ)アクリレート酸変性物の化学構造及び製法はこれに限定されない。
(合成法(1))
第1の反応として、分子内に2個以上のエポキシ基を含む化合物のエポキシ基に(メタ)アクリロイル基を有するモノカルボン酸のカルボキシル基を反応させる。(メタ)アクリロイル基を有するモノカルボン酸は、例えばアクリル酸、メタクリル酸である。この反応に関しては公知の反応条件が適用できる。反応によりエポキシ基が開裂し、水酸基が生成される。
第2の反応としては、第1の反応で生成した化合物の水酸基とジカルボン酸無水物の反応である。ジカルボン酸無水物としては、飽和ジカルボン酸無水物および不飽和ジカルボン酸無水物のいずれをも使用することができる。このようなジカルボン無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸などを挙げることができる。これらの中で、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸及びメチルテトラヒドロ無水フタル酸が特に好ましい。これらのジカルボン酸無水物は、1種を単独で使用することができ、2種以上を混合して使用することもできる。
水酸基と無水物基との第2の反応に関しても、公知の反応条件が使用できる。反応により、無水物基が解裂し、エステル基とカルボキシル基が生成される。
第1の反応で生成した水酸基100モル部に対し、第2の反応におけるジカルボン酸二無水物の酸無水物基は通常60〜100モル部、好ましくは75モル部以上100モル部以下の割合になるように反応させる。
また、第1及び第2の反応を経て合成されたエポキシ(メタ)アクリレート酸変性物は、さらに分子内に1個のエポキシ基と1個以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物と反応させてエチレン性不飽和基の含量を高めることも可能である(第3の反応)。分子内に1個のエポキシ基と1個以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物としては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
(合成法(2))
第1の反応としては、前述の合成法(1)と同様に、分子内に2個以上のエポキシ基を含む化合物のエポキシ基に(メタ)アクリロイル基を有するモノカルボン酸のカルボキシル基を反応させる。(メタ)アクリロイル基を有するモノカルボン酸は、例えばアクリル酸、メタクリル酸である。この反応に関しては公知の反応条件が適用できる。反応によりエポキシ基が開裂し、水酸基が生成される。
第2の反応としては、第1の反応で生成した化合物の水酸基とテトラカルボン酸無水物の反応である。テトラカルボン酸無水物としては、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、m−フェニレンビス(トメリット酸モノエステル酸無水物)、o−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ペンタンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、デカンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、無水ピロメリット酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、メタ−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−カルボキシメチル−2,3,5−シクロペンタトリカルボン酸−2,6:3,5−二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、及び、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、などが挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
第3の反応としては、第2の反応で生成した化合物の残存水酸基とジカルボン酸無水物の反応である。ジカルボン酸無水物としては、飽和ジカルボン酸無水物および不飽和ジカルボン酸無水物のいずれをも使用することができる。このようなジカルボン無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニルテトラヒドロ無水フタル酸などを挙げることができる。これらの中で、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸及びメチルテトラヒドロ無水フタル酸が特に好ましい。これらのジカルボン酸無水物は、1種を単独で使用することができ、2種以上を混合して使用することもできる。
水酸基とジカルボン酸無水物基との第3の反応は、公知の反応条件が使用できる。反応により、無水物基が解裂し、エステル基とカルボキシル基が生成され、エポキシ(メタ)アクリレート酸変性物を得ることができる。
第1の反応で生成した水酸基100モル部に対し、第2の反応におけるテトラカルボン酸二無水物と第3の反応におけるジカルボン酸無水物における酸無水物基の合計量が、通常60〜100モル部、好ましくは75モル部以上100モル部以下の割合になるように反応させる。なお、前記の第2の反応及び第3の反応は同時に実施することもできる。具体的な合成方法としては特開平06−001938号公報に記載の方法を用いることができる。
また、第1〜第3の反応を経て合成されたエポキシ(メタ)アクリレート酸変性物は、さらに分子内に1個のエポキシ基と1個以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物と反応させてエチレン性不飽和基の含量を高めることも可能である(第4の反応)。分子内に1個のエポキシ基と1個以上のラジカル重合性不飽和基を有する化合物としては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
本実施形態に係るエポキシ(メタ)アクリレート酸変性物は、合成法(1)、合成法(2)などにより得ることができるが、市販品を用いることもできる。ノボラック型のエポキシ(メタ)アクリレート酸変性物の市販品としては、PR−300PR、PR−3000(昭和電工社製)、PCR−1222H、PCR−1173H、CCR−1171H(日本化薬社製)、ビフェニル骨格を含有するエポキシ(メタ)アクリレート酸変性物の市販品としては、ZCR−1569H、ZCR−1601H、ZCR−1797H、ZCR−1798H(日本化薬社製)などが挙げられ、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型のエポキシ(メタ)アクリレート酸変性物の市販品としては、ZAR−1494H、ZAR−2001H、ZFR−1491H(日本化薬社製)などが挙げられ、フルオレニル骨格を含有するエポキシ(メタ)アクリレート酸変性物の市販品としては、FCA−954、FCA−293、FCA−506(ナガセケムテックス社製)又はTR−B201、TR−B202(常州強力電子材料社製)などが挙げられる。これらのうち、感光性樹脂フィルム層のアルカリ現像性及び硬化膜の絶縁信頼性の両立という観点でビフェニル骨格及び/又はフルオレニル骨格を含むエポキシ(メタ)アクリレート酸変性物である事が好ましい。
(A2)アクリル系共重合体
本実施形態に係る(A2)アクリル系共重合体は、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン及びその誘導体等の共重合体を示す。
共重合体の例としては、既に説明した構成単位に加えて、それらの構成単位と共重合可能な他のモノマーを構成単位として含有していてもよい。他のモノマーとしては、例えば、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、スチレン及びその誘導体等が挙げられる。スチレン誘導体としては、4−メチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−クロロスチレン、4−(クロロメチル)スチレン、4−ビニル安息香酸が挙げられる。
これらの共重合体の中でも、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位と(メタ)アクリル酸芳香族エステル又はスチレン及びその誘導体に由来する構成単位とを含有する共重合体がより好ましい。(メタ)アクリル酸に由来する構成単位を共重合することにより、アルカリ現像性を付与することができる。芳香族基を有するユニットを共重合することにより、アクリル系共重合体の疎水性が高くなり、絶縁信頼性が向上する。アルカリ現像性と絶縁信頼性の両立という観点で、(A2)アクリル系共重合体として、(メタ)アクリル酸由来の構造を15質量%以上30質量%以下、及びスチレン又はその誘導体由来の構造を30質量%以上80質量%以下で含むものがより好ましい。
(A3)ポリイミド前駆体
本実施形態に係る(A3)ポリイミド前駆体とは、ポリアミド酸のみを意味するものではなく、ポリアミド酸の一部がイミド化したものも含む。
ポリイミド前駆体は、例えば、有機溶媒中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンとをモル比で0.8:1〜1.2:1で混合して反応させることによって得ることができる。使用するテトラカルボン酸二無水物に制限はなく、従来公知のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族テトラカルボン酸、脂肪族テトラカルボン酸二無水物などを適用することができる。また、使用するジアミンに制限はなく、従来公知のジアミンを用いることができる。
テトラカルボン酸二無水物としては、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ジフェニルスルホン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、m−フェニレンビス(トメリット酸モノエステル酸無水物)、o−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ペンタンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、デカンジオールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、無水ピロメリット酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4’−(2,2−ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水物、メタ−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、1−カルボキシメチル−2,3,5−シクロペンタトリカルボン酸−2,6:3,5−二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、及び、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、などが挙げられる。上述したテトラカルボン酸二無水物は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
ジアミンとしては、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)アルカン、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、3,7−ジアミノ−ジメチルジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,2−ビス[2−(4−アミノフェノキシ)エトキシ]エタン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、5−アミノ−1−(4−アミノメチル)−1,3,3−トリメチルインダン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4、4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、トリメチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、4−アミノフェニル−4−アミノベンゾエート、2−メチル−4−アミノフェニル−4−アミノベンゾエート、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、及び、1,3−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)などが挙げられる。また、ポリイミド前駆体に適度な柔軟性、耐折性を付与する目的で、シロキサン骨格を有するジアミン及び/又はポリアルキレンオキシド骨格を有するジアミンを組み合わせて使用してもよい。
ポリイミド前駆体の主鎖末端は、性能に影響を与えない構造であれば、特に制限はなく、ポリイミド前駆体を製造する際に用いる酸二無水物、又は、ジアミンに由来する末端の構造でもよく、その他の酸無水物、又は、アミン化合物などにより末端を封止した構造でもよい。
ポリイミド構造及びポリアミド酸構造をそれぞれ繰り返し単位として有するポリイミド前駆体は、酸二無水物とジアミンを非等モル量で反応させて1段階目のポリイミド部分を合成する工程(工程1)、続いて2段階目のポリアミド酸部分を合成する工程(工程2)により作製することができる。ポリイミド前駆体の製造方法として、工程1は必ずしも含まなくともよい。以下、それぞれの工程について説明する。
(工程1)
1段階目のポリイミド部分を合成する工程について説明する。1段階目のポリイミド部分を合成する工程としては、特に限定されず公知の方法を適用することができる。より具体的には、以下の方法によりポリイミド部分を合成できる。まず、ジアミンを重合溶媒に溶解及び/又は分散し、これに酸二無水物粉末を添加する。そして、水と共沸する溶媒を加え、メカニカルスターラーを用い、副生する水を共沸除去しながら、0.5時間〜96時間、より好ましくは0.5時間〜30時間加熱撹拌する。
ポリイミド部分は、公知のイミド化触媒を添加することによっても、無触媒によっても、ポリイミド部分を合成することができる。イミド化触媒としては、特に制限されないが、無水酢酸のような酸無水物、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−テトロン酸、γ−フタリド、γ−クマリン、及び、γ−フタリド酸のようなラクトン化合物、並びに、ピリジン、キノリン、N−メチルモルホリン、及び、トリエチルアミンのような三級アミンなどが挙げられる。また、必要に応じて1種、又は2種以上のこれらの混合物を用いてもよい。これらの中でも、反応性の高さ及び次反応への影響を低減する観点から、γ−バレロラクトンとピリジンとの混合系及び無触媒が特に好ましい。
ポリイミド部分の合成の際に使用される反応溶媒としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、及び、トリエチレングリコールジメチルエーテルのような炭素数2以上炭素数9以下のエーテル化合物;アセトン、及び、メチルエチルケトンのような炭素数2以上炭素数6以下のケトン化合物;ノルマルペンタン、シクロペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及び、デカリンのような炭素数5以上炭素数10以下の飽和炭化水素化合物;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、及び、テトラリンのような炭素数6以上炭素数10以下の芳香族炭化水素化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、及び、安息香酸メチルのような炭素数3以上炭素数12以下のエステル化合物;クロロホルム、塩化メチレン、及び、1,2−ジクロロエタンのような炭素数1以上炭素数10以下の含ハロゲン化合物;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及び、N−メチル−2−ピロリドンのような炭素数2以上炭素数10以下の含窒素化合物;ジメチルスルホキシドのような含硫黄化合物が挙げられる。これらは必要に応じて単独で用いてもよく、2種以上の混合溶媒として用いてもよい。特に好ましい溶媒としては、炭素数2以上炭素数9以下のエーテル化合物、炭素数3以上炭素数12以下のエステル化合物、炭素数6以上炭素数10以下の芳香族炭化水素化合物、及び、炭素数2以上炭素数10以下の含窒素化合物が挙げられる。これらは工業的な生産性、及び、次反応への影響などを考慮して任意に選択可能である。
ポリイミド部分の合成においては、反応温度は100℃以上250℃以下であることが好ましい。
(工程2)
次に、2段階目のポリアミド酸部分を合成する工程について説明する。2段階目のポリアミド酸部分の合成は、工程1で得られたポリイミド部分を出発原料として用い、ジアミン及び/又は酸二無水物を追添して重合させることで実施できる。2段階目のポリアミド酸部分の合成の際の重合温度としては、0℃以上80℃以下が好ましい。反応に要する時間は、目的又は反応条件によって異なるが、通常は30分から30時間までの範囲である。
工程1を行わずに工程2を行う場合においては、まず、ジアミンを重合溶媒に溶解及び/又は分散し、これに酸二無水物粉末を添加する。重合溶媒としては、工程1で例示したものと同様である。重合温度は0℃以上80℃以下が好ましい。反応に要する時間は通常30分から30時間までである。
(A3)カルボキシル基含有ポリイミド
カルボキシル基含有ポリイミドは有機溶媒中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンとをモル比で0.8:1〜1.2:1で混合して反応させることによって合成され、イミド化した後にもカルボキシル基を骨格中に含むことを特徴とするが、部分的にポリアミド酸構造が残っていてもよい。
カルボキシル基含有ポリイミドは、通常カルボキシル基含有ジアミンを用いて合成される。有機溶媒への溶解性の観点又は入手性の観点から、カルボキシル基含有ジアミンとしては、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどを用いることができる。これらのジアミンは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
テトラカルボン酸二無水物、カルボキシル基含有ジアミンと組み合わせて使用するジアミン、合成に用いる溶媒、及びイミド化触媒の例としては、(A2)ポリイミド前駆体で前述した例と同様である。
(A5)カルボキシル基含有ポリウレタン
本実施形態に係るカルボキシル基含有ポリウレタンは、ジイソシアネート化合物及びカルボキシル基含有ジオール化合物及びその他のジオール化合物を非プロトン性溶媒中、それぞれの反応性に応じた活性の公知な触媒を添加し、加熱することにより合成される。使用するジイソシアネート及びジオール化合物のモル比は、0.8:1〜1.2:1が好ましく、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、最絡的にイソシアネート基が残存しない形態で合成される。
ジイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルヒフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の如き芳香族ジイソシアネート化合物:ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の如き脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の如き脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等の如きジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
カルボキシル基含有ジオールとしては、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキジフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキジフェニル)ペンタン酸、酒石酸、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド等が挙げられる。
カルボキシル基含有ジオール化合物と組み合わせて使用するその他のジオール化合物としては、ポリテトラメチレンジオール、ポリブタジエンジオール、水添ポリブタジエンジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオールなどの高分子量ジオール;又はエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,2’−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンダメチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、キシリレングリコール、1,4−ビス−β−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、トリジクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ヒドロキノンジヒドロキシエチルエーテル、p−キシリレングリコール、ジヒドロキシエチルスルホン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−2,4−トリレンジカルバメート、2,4−トリレン−ビス(2−ヒドロキシエチルカルバミド)、ビス(2−ヒドロキシエチル)−m−キシリレンジカルバメート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレートなどの低分子量ジオールなどが挙げられる。
以上のうち、感光性樹脂フィルム層に適用する(A)アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ現像性と硬化膜の絶縁信頼性が両立できるという観点、及び感光性樹脂フィルム積層体の波長領域400nm〜450nmにおける吸光度が低いという観点で(A1)エポキシ(メタ)アクリレート酸変性物が最も好ましい。
また、感光性樹脂フィルム層を構成する全成分中の(A)アルカリ可溶性樹脂の添加量は、20〜80質量%にするのが好ましく、30〜70質量%とするのがより好ましい。添加量が20質量%以上であることで、アルカリ現像性、感光性樹脂フィルムの成形性を発揮することが可能となり、添加量が80質量%以下であれば、高解像性、高露光感度、硬化膜の低反りを維持することが可能である。
(B)不飽和二重結合を有する重合性化合物
本実施形態における不飽和二重結合を有する重合性化合物とは、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基などの重合性不飽和官能基を含有するものであり、これらの中でも共役型のビニル基、アクリロイル基、及びメタクリロイル基を有するものが光反応性の観点で好ましい。また、重合性化合物における重合性不飽和官能基の数としては、重合性の観点から2個以上であることが好ましい。この場合、重合性不飽和官能基は、必ずしも同一の官能基でなくとも構わない。また、該重合性化合物の分子量としては、100〜5,000が好ましい。特に、分子量が100〜2,500の範囲であれば、アルカリ可溶性樹脂との相溶性が良好であり、保存安定性とアルカリ現像性に優れる。
本実施形態における不飽和二重結合を有する化合物は、光照射により構造が変化することにより、感光性樹脂組成物のアルカリ現像液に対する溶解性が変化する性質に寄与する。本実施形態における感光性樹脂組成物においては、不飽和二重結合を有する化合物と後掲する光重合開始剤とを含むことにより、光照射によって架橋体が形成されるので、露光部の現像液耐性が向上する。
本実施形態におけるエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA変性ポリアルキレンオキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタアクリル酸等)を反応させて得られる化合物、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物などが挙げられる。
硬化膜の絶縁信頼性の観点から、少なくとも3つのエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を使用することが好ましく、その具体的な例としては、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、及びグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物及びトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
ここで、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレートとは、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールと、(メタ)アクリル酸とのエステル化物を意味し、当該エステル化物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。上記のエステル化物は、一分子中におけるエステル結合の数が1〜6の化合物が混合していてもよい(ペンタエリスリトールの場合はエステル結合の数が最大4であり、ジペンタエリスリトールの場合はエステル結合の数が最大6である)。
トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物とは、トリメチロールプロパン又はジトリメチロールプロパンと、(メタ)アクリル酸とのエステル化物を意味し、エステル化物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。上記のエステル化物は、一分子中におけるエステル結合の数が1〜4の化合物が混合していてもよい(トリメチロールプロパンの場合はエステル結合の数が最大3であり、ジトリメチロールプロパンの場合はエステル結合の数が最大4である)。
グリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物とは、グリセリン又はジグリセリンと、(メタ)アクリル酸とのエステル化物を意味し、エステル化物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。上記のエステル化物は、一分子中におけるエステル結合の数が1〜4の化合物が混合していてもよい(グリセリンの場合はエステル結合の数が最大3であり、ジグリセリンの場合はエステル結合の数が最大4である)。
一方、硬化膜の柔軟性、反りの抑制の観点からは、柔軟鎖であるアルキレンオキサイド変性されたペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、及びグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。
本実施形態における不飽和二重結合を有する重合性化合物は、上記の化合物を単独で使用することも可能であるが、硬化膜の絶縁信頼性と柔軟性の両立の観点から、2種以上組み合わせて使用する事が好ましい。また、感光性樹脂フィルム層を構成する全成分中の(B)不飽和二重結合を有する重合性化合物の添加量は、10〜40質量%にするのが好ましく、15〜35質量%とするのがより好ましい。添加量が10質量%以上であることで、高露光感度、高解像性を発揮することが可能となり、添加量が40質量%以下であれば、感光性樹脂フィルムの成型性、配線回路へのラミネート性、アルカリ現像性を維持することが可能である。
(C)光重合開始剤
次に、本実施形態に用いられる(C)光重合開始剤について説明する。
本実施形態に係る(D)光重合開始剤は、活性光線によりラジカルを発生し、エチレン性不飽和基含有化合物などを重合することができる化合物である。 本実施形態に係る(C)光重合開始剤は、活性光線によりラジカルを発生し、エチレン性不飽和基含有化合物等を重合することができる化合物である。(D)光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等の芳香族ケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−3−シクロペンチルプロパン−1,2−ジオン−2−(o−ベンゾイルオキシム)、1,2−プロパンジオン,3−シクロヘキシル−1−[9−エチル−6−(2−フラニルカルボニル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,2−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル化合物;ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体;9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体;N−フェニルグリシン等のN−フェニルグリシン誘導体;クマリン化合物;オキサゾール化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド化合物が挙げられる。光重合開始剤は、単独で、又は2種以上混合して用いることもできる。
これらの中でも、高露光感度、高解像性、硬化膜の絶縁信頼性及び耐薬品性の観点から、オキシム系開始剤が好ましく、400nm以上の波長領域に吸収を有するオキシム系開始剤がより好ましい。オキシム系開始剤としては、オキシムエステル化合物が挙げられ、とりわけ400nm以上の長波長領域におけるモル吸光係数が高い化合物がより好ましい。400nm以上の波長領域に吸収を有するオキシム系開始剤を用いることで、感光性樹脂フィルム層の分光感度を長波長側にシフトすることができるため、i線露光のみならず、h線露光においても高露光感度な感光性樹脂フィルムを得ることができ、DI露光方式においても好適に使用することができる。
具体的なオキシムエステル化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2020071372
{式(1)中、Arは、芳香族を含んでなる1価の有機基、Rはアルキル基又はアリール基を有する1価の有機基、Rは、分岐鎖アルキル基、直鎖アルキル基、脂環構造を有するアルキル基、及びアリール基を有する有機基の群から選ばれる1価の有機基を表す。}
が長鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、アリール基を有する有機基、又は脂環構造を有するアルキル基であることで、疎水性や嵩高い骨格を有することにより、不飽和二重結合を有する化合物との相溶性が良くなり重合反応性が向上する。特に、(ジ)ペンタエリスリトール(メタ)アクリレートエステル化合物のように、4級炭素を有する不飽和二重結合を有する化合物と組み合わせることで顕著な効果を示し、高露光感度であり、光照射部の現像液耐性が向上する。
Arとして芳香族を含んでなる1価の有機基を有することにより、光リソグラフィー技術として工業的に広く用いられている露光波長であるi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)に高い光感度を示す。
本実施形態における感光性樹脂フィルムにおける(C)光重合開始剤は、上述の通り、400nm以上の長波長領域におけるモル吸光係数が高い化合物がより好ましいため、一般式(1)のArが置換又は無置換の下記一般式(2)、若しくは置換又は無置換の下記式(3)で表される構造であるオキシムエステル化合物であることが更に好ましい。この場合においては、一般式(2)及び式(3)の構造は、一般式(2)及び式(3)中の芳香族基における水素が他の置換基によって置換されたものと置換されていないものの双方を含むものとする。
Figure 2020071372
{式(2)中、*は構造連結部、Rは1価の有機基、Rは、置換又は無置換のフリル基、チエニル基、又はフェニル基である。}。カルバゾール骨格にケトン構造が隣接することで、オキシムエステル化合物の吸収帯を400nmの長波長領域にシフトさせることができる。
Figure 2020071372
{式(3)中、*は構造連結部、Rは1価の有機基、Xは1価の電子吸引基である。}
Xの電子吸引基としては、例えば、ハロゲン基、ニトロ基、カルボニル基、シアノ基等が挙げられる。
尚、上記式(1)〜(3)で表される光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよいし、他の開始剤と併用してもよい。
本実施形態においては、後掲する黒色系の(D)色材との組み合わせで、(C)光重合開始剤として、以下のカルバゾール系オキシムエステル化合物の市販品を使用するのが好ましい。式(2)の構造を有するカルバゾール系オキシムエステル化合物の市販品としてはTR−PBG−326(常州強力電子材料社製)などが挙げられ、式(3)の構造を有するカルバゾール系オキシムエステル化合物の市販品としてはNCI−831(ADEKA社製)などが挙げられる。
このような400nm以上の長波長領域に吸収係数をもつ高感度のオキシムエステル化合物を選択することで黒色でも広範囲の波長領域で分光感度が得られ、高露光感度と高解像性を付与することが可能となる。
光重合開始剤の、感光性樹脂フィルム全成分中の配合量は、黒色染料の含有量(質量%)に対して、好ましくは0.05倍以上0.50倍以下、より好ましくは0.06倍以上0.30倍以下、更に好ましくは0.08倍以上0.18倍以下である。具体的には、光重合開始剤の、感光性樹脂フィルム全成分中の配合量は、0.01〜15質量%であることがより好ましい。上記配合量は、露光感度、DI露光適合性、高解像性の観点で0.01質量%以上であり、感光性樹脂フィルム層の硬化時の反りの観点から15質量%以下であることが好ましい。さらに好ましい範囲は0.4〜5質量%である。
(D)色材
近年、フレキシブルプリント配線板のカバーレイやソルダーレジストでは、主に意匠性の観点で表面光沢の無い黒色が主流となりつつある。本実施形態において、(D)色材は、少なくとも1種以上の黒色染料を含むことが好ましい。
黒色染料としては、ソルベントブラック−2(商品名:OIL BLACK860、オリエント化学工業社製)、及びソルベントブラック−7(商品名:VALIFAST Black1821、オリエント化学工業社製)等を挙げることができる。これらの染料は少量でも黒色化を十分に実現できるので好ましく、400nm〜450nmの波長領域における吸光度が低いという点で、ソルベントブラック−7がより好ましい。これらの黒色染料と400nm以上の長波長領域に吸収係数を有する前述のオキシムエステル化合物を選択することにより、黒色で下地配線の隠蔽性が高い状態であっても高露光感度で高解像性を有し、かつ感光性樹脂フィルム層を硬化膜としたときに低反りを達成できる感光性樹脂フィルムを提供することが可能となる。
黒色染料の含有質量に対して、400nm以上の長波長領域に吸収係数を有するオキシムエステル化合物の含有質量は、0.05倍以上、0.50倍以下を含有することが好ましい。感光性樹脂フィルムが黒色の色材を含むため、露光時に深部まで届く光量は少なくなる。400nm以上の長波長領域に吸収係数を有するオキシムエステル化合物の含有重量が0.05倍以上では、深部での光重合性が高くなり、高い現像液耐性が得られ、現像工程における被着体からの剥離を抑制することができ、被着体との密着性に優れる。0.50倍以下では深部まで適量な光量が得られるため解像性に優れ、感光性樹脂フィルム層を硬化膜としたときに低反りを達成できる。
(D)色材としては、黒色染料を含む限り、他の染料や顔料を用いることができるが、少ない添加量でも優れた着色力を有するため高い隠蔽性を得る点で染料が好ましい。顔料の場合は隠蔽性を得るために添加量が多くなり、分散性が不十分となり、十分な解像性が得られにくい傾向があるが、染料では、着生性、均一分散性に優れることから、下地配線の隠蔽性と高解像性を適正に両立できる。例えば、フタロシアニングリーンなどのフタロシアニン系化合物、フクシン、オーラミン塩基、カルコキシドグリーンS、パラマジェンタ、クリスタルバイオレット、メチルオレンジ、ナイルブルー2B、ビクトリアブルー、マラカイトグリーン、ベイシックブルー20、及びダイヤモンドグリーンが挙げられる。
(D)色材としては、光照射により発色する発色系染料を用いることもできる。このような発色系染料としては、ロイコ染料又はフルオラン染料とハロゲン化合物との組み合わせがある。このような組み合わせとしては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコクリスタルバイオレット]、トリス(4一ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン[ロイコマラカイチグリーン]が挙げられる。ハロゲン化合物としては、例えば、臭化アミル、臭化イソアミル、臭化イソブチレン、臭化エチレン、臭化ジフェニルメチル、臭化ベンザル、臭化メチレン、トリブロモメチルフェニルスルフォン、四臭化炭素、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリクロロアセトアミド、ヨウ化アミル、ヨウ化イソブチル、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−クロロフェニル)エタン、ヘキサクロロエタン、及びトリアジン化合物が挙げられる。トリアジン化合物としては、例えば、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、及び2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが挙げられる。
感光性樹脂フィルム全成分中の(D)色材の添加量は、0.2質量%〜20質量%であることが好ましい。添加量が、0.2質量%以上であれば添加した効果が十分に奏される傾向にあり、20質量%以下であれば光感度などへの悪影響を及ぼさず、感光性樹脂フィルム層を硬化膜にする際に低反りを達成することが可能となる。(D)色材の添加量のより好ましい範囲は0.5質量%〜10質量%である。
(E)熱架橋剤
感光性樹脂フィルムには、硬化膜としたときに、より高い絶縁信頼性を発現させるという観点から、(E)熱架橋剤を更に配合することが好ましい。(E)熱架橋剤とは、熱により(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)不飽和二重結合を有する重合性化合物の少なくともいずれかと付加反応、又は縮合重合反応を起こす化合物を意味する。付加反応又は縮合重合反応を起こす温度としては、100℃〜150℃が好ましい。付加反応又は縮合反応は、アルカリ現像によりパターン形成をした後の加熱処理の際に生じる。
具体的な熱架橋剤としては、ブロックイソシアネート化合物、シアネートエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ベンゾオキサゾリン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、マレイミド化合物及びエポキシ化合物などの熱架橋剤が挙げられるが、これらに限定されない。これらのうち、感光性樹脂フィルムの保存安定性、硬化膜としたときの反り、耐折性、及び絶縁信頼性の観点でブロックイソシアネート化合物が好ましい。
ブロックイソシアネート化合物とは、分子内に2個以上のイソシアネ−ト基を有するイソシアネ−ト化合物にブロック剤を反応させることにより得られる化合物である。
イソシアネ−ト化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、4,4’−水酸化ジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、4,4−ジフェニルジイソシアネ−ト、1,3―ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−フェニレンジイソシアネ−ト、2,6−フェニレンジイソシアネ−ト、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネ−ト、及び、ヘキサメチレンジイソシアネートが挙げられる。
ブロック剤としては、例えば、アルコ−ル類、フェノ−ル類、ε−カプロラクタム、オキシム類、活性メチレン類、メルカプタン類、アミン類、イミド類、酸アミド類、イミダゾ−ル類、尿素類、カルバミン酸塩類、イミン類、及び亜硫酸塩類が挙げられる。
ブロックイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート系ブロックイソシアネート(例えば、旭化成(株)製デュラネートSBN−70D、SBB−70P、SBF−70E、TPA−B80E、17B−60P、MF−B60B、E402−B80B、MF−K60B、及びWM44−L70G、三井化学(株)製タケネートB−882N、Baxenden社製7960、7961、7982、7991、及び7992など)、トリレンジイソシアネート系ブロックイソシアネート(例えば、三井化学(株)製タケネートB−830など)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト系ブロックイソシアネート(例えば、三井化学(株)製タケネートB−815N、大榮産業(株)製ブロネートPMD−OA01、及びPMD−MA01など)、1,3―ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン系ブロックイソシアネート(例えば、三井化学(株)製タケネートB−846N、東ソー(株)製コロネートBI−301、2507、及び2554など)、イソホロンジイソシアネート系ブロックイソシアネート(例えば、Baxenden社製7950、7951、及び7990など)が挙げられる。これらのブロックイソシアネート化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)熱架橋剤の感光性樹脂組成物中の含有量は、感光性樹脂フィルムを構成する組成成分の総質量を基準として、0.2質量%〜40質量%であり、アルカリ現像性と硬化膜としての反り、絶縁信頼性の観点から、1質量%〜30質量%であることがより好ましく、2質量%〜20質量%であることが更に好ましい。
ブロックイソシアネート化合物は、現像によりパターン形成をした後の加熱処理において(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)不飽和二重結合を有する重合性化合物のカルボキシル基若しくは水酸基などと反応するため、絶縁信頼性が向上する。この理由として、ブロックイソシアネート化合物は、(A)アルカリ可溶性樹脂、(B)不飽和二重結合を有する重合性化合物と架橋することで硬化膜の架橋密度が上がり水の拡散性が低下することと、カルボキシル基や水酸基が反応により消失して水の親和性が低下するためと考えられる。また、ブロックイソシアネートは、イソシアネート基がブロック剤により封止されているため、室温での(A)アルカリ可溶性樹脂及び(B)不飽和二重結合を有する重合性化合物との反応が抑制され、感光性樹脂フィルムの保存安定性が保たれる。
(F)難燃剤
本実施形態に係る感光性樹脂フィルム層を構成する組成においては、その硬化膜に難燃性を付与する観点から、難燃剤を含有させて用いることもできる。難燃剤の種類としては、特に制限はないが、含ハロゲン化合物、含リン化合物及び無機難燃剤などが挙げられる。これらの難燃剤は、単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
難燃剤の添加量としては、特に制限はなく、用いる難燃剤の種類に応じて適宜変更可能である。難燃剤の添加量としては、感光性樹脂フィルムを構成する成分の総量に対して、5質量%から50質量%の範囲で用いられることが好ましい。
含ハロゲン化合物としては、塩素原子や臭素原子を含む有機化合物などが挙げられる。含ハロゲン化合物難燃剤としては、例えば、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロドデカンテトラブロモビスフェノールAなどが挙げられる。
含リン化合物としては、ホスファゼン、ホスフィン、ホスフィンオキサイド、リン酸エステル、及び亜リン酸エステルなどが挙げられる。特に、樹脂組成物との相溶性の観点から、ホスファゼン、ホスファイオキサイド、又はリン酸エステルが好ましく用いられる。ホスファゼンとしては、例えば、シアノ基やヒドロキシル基などを有する置換ヘキサ(フェノキシ)シクロトリホスファゼンなどを用いることができる。
無機難燃剤としては、アンチモン化合物や金属水酸化物などが挙げられる。アンチモン化合物としては、三酸化アンチモンや五酸化アンチモンが挙げられる。アンチモン化合物と上記含ハロゲン化合物とを併用することにより、プラスチックの熱分解温度域で、酸化アンチモンが難燃剤からハロゲン原子を引き抜いてハロゲン化アンチモンを生成するため、相乗的に難燃性を上げることができる。金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
無機難燃剤は、有機溶媒に溶解しない。このため、無機難燃剤としては、その粉末の粒径が50μm以下であることが好ましい。粉末の粒径が50μm以下であれば、樹脂組成物に混入しやすく、硬化後の樹脂の透明性を損ねることなく好ましい。さらに、高露光感度、高解像性の観点から、粉末の粒径としては、20μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。
これらの難燃剤のうち、感光性樹脂フィルム層を硬化膜としたときの絶縁信頼性、低反り、耐折性、耐薬品性などの観点でリン酸エステル、ホスファゼンを用いることが好ましく、硬化膜としたときのブリードアウト(経時で硬化膜表面に難燃剤成分が移行すること)を抑制できる点で固体性状のものがより好ましい。固体性状のリン酸エステルの市販品としては、大八化学(株)製のPX200、PX202などを用いることができ、固体性状のホスファゼンの市販品としては、伏見製薬所(株)製のFP−100、FP−110や大塚化学(株)製のSPB100、SPE100などを用いることができる。
(G)防錆剤
本実施形態に係る防錆剤とは、防錆効果を有する化合物をいい、例えば、金属表面に被膜を形成して金属の腐食又は錆を防止する物質等である。
防錆剤としては、本実施形態に係る感光性樹脂フィルムへの相溶性及び露光感度の観点から、N、S、O等を含む複素環化合物が好ましく、例えば、テトラゾール及びその誘導体、トリアゾール及びその誘導体、イミダゾール及びその誘導体、インダゾール及びその誘導体、ピラゾール及びその誘導体、イミダゾリン及びその誘導体、オキサゾール及びその誘導体、イソオキサゾール及びその誘導体、オキサジアゾール及びその誘導体、チアゾール及びその誘導体、イソチアゾール及びその誘導体、チアジアゾール及びその誘導体、チオフェン及びその誘導体等が挙げられる。ここで記載した誘導体には、母体となる構造に置換基を導入した化合物が含まれる。例えば、テトラゾール誘導体であれば、テトラゾールに置換基を導入した化合物が含まれる。置換基としては、特に制限はないが、例えば、炭化水素基(飽和でも不飽和でもよく、直鎖型でも分岐型でもよく、構造中に環状構造を含んでもよい)、又はヒドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、ニトロ基、シアノ基、チオール基及びハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)基等のヘテロ原子を有する官能基を一つ以上含む置換基が挙げられる。具体例を以下に示す。
トリアゾールとしては、例えば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール等が挙げられ、トリアゾール誘導体としては、例えば、3−メルカプトトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプトトリアゾール、ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−アセトニトリル、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−(2−ジ−n−ブチルアミノメチル)−5−カルボキシベンゾトリアゾール、1−(2−ジ−n−ブチルアミノメチル)−6−カルボキシベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−クロロベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
イミダゾールやイミダゾール誘導体としては、例えば、ウンデシルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、5−カルボキシベンゾイミダゾール、6−ブロモベンゾイミダゾール、5−クロロベンゾイミダゾール、2−ヒドロキシベンゾイミダゾール、2−(1−ヒドロキシメチル)ベンゾイミダゾール、2−メチルベンゾイミダゾール、5−ニトロベンゾイミダゾール、2−フェニルベンゾイミダゾール、2−アミノベンゾイミダゾール、5−アミノベンゾイミダゾール、5−アミノ−2−メルカプトベンゾイミダゾール等が挙げられる。
イミダゾリンやイミダゾリン誘導体としては、例えば、2−ウンデシルイミダゾリン、2−プロピル−2−イミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等が挙げられる。
チアゾールやチアゾール誘導体としては、例えば、2−アミノ−4−メチルチアゾール、5−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾール、ベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾール、(2−ベンゾチアゾリルチオ)酢酸、3−(2−ベンゾチアゾリルチオ)プロピオン酸等が挙げられる。
イソチアゾールやイソチアゾール誘導体としては、例えば、3−クロロ−1,2−ベンゾイソチアゾール等が挙げられる。
チアジアゾールとしては、例えば、1,2,3−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール等が挙げられ、チアジアゾール誘導体としては、例えば、4−アミノ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、5−アミノ−1,2,3−チアジアゾール、2−メルカプト−5−メチル−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。
チオフェンやチオフェン誘導体としては、例えば、2−チオフェンカルボン酸、3−アミノ−2−チオフェンカルボン酸メチル、3−メチルベンゾチオフェン等が挙げられる。
テトラゾールとしては、1H−テトラゾールが挙げられ、テトラゾール誘導体としては、5−アミノ−1H−テトラゾール、5−メチル−1H−テトラゾール、1−メチル−5−エチル−1H−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−フェニル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−(ジメチルアミノエチル)−5−メルカプト−1H−テトラゾール及び5−フェニル−1H−テトラゾール等が挙げられる。
インダゾールとしては、1H−インダゾールが挙げられ、インダゾール誘導体としては、5−アミノインダゾール、6−アミノインダゾール、1−ベンジル−3−ヒドロキシ−1H−インダゾール、5−ブロモインダゾール、6−ブロモインダゾール、6−ヒドロキシインダゾール、3−カルボキシインダゾール及び5−ニトロインダゾール等が挙げられる。
それらの中でも、被着導体の防錆性と硬化膜の被着導体との密着性の観点から、5−カルボキシベンゾトリアゾール、5−アミノ−1H−テトラゾールが特に好ましい。
本実施形態では、上記で説明された防錆剤の1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂フィルム中の防錆剤の含有量は、アルカリ現像性及び硬化膜としての絶縁信頼性の観点から、感光性樹脂フィルムを構成する成分の総質量を基準として、好ましくは0.05質量%〜10質量%、より好ましくは0.1質量%〜5質量%、さらに好ましくは0.2質量%〜3質量%である。
(H)その他成分
本実施形態における感光性樹脂フィルムにおいては、さらに可塑剤や、安定剤、増感剤などを含有してもよい。
<感光性樹脂フィルム積層体>
本実施形態における感光性樹脂フィルム積層体は、まず本実施形態の感光性樹脂フィルムを構成する成分を有機溶剤に溶解及び/又は分散させた塗布液を調製し、該塗布液を前記の支持体上に塗布したのちに有機溶媒を揮発乾燥させて作製することができる。
有機溶媒としては、感光性樹脂フィルムを構成する成分を均一に溶解及び/又は分散させうるものであれば限定されない。このような有機溶剤としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、及びトリエチレングリコールジメチルエーテルのような炭素数2以上炭素数9以下のエーテル化合物;アセトン、及びメチルエチルケトンのような炭素数2以上炭素数6以下のケトン化合物;ノルマルペンタン、シクロペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びデカリンのような炭素数5以上炭素数10以下の飽和炭化水素化合物;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、及びテトラリンのような炭素数6以上炭素数10以下の芳香族炭化水素化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、及び安息香酸メチルのような炭素数3以上炭素数9以下のエステル化合物;クロロホルム、塩化メチレン、及び1,2−ジクロロエタンのような炭素数1以上炭素数10以下の含ハロゲン化合物;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、及びN−メチル−2−ピロリドンのような炭素数2以上炭素数10以下の含窒素化合物;並びにジメチルスルホキシドのような含硫黄化合物が挙げられる。
上記以外に好適に使用できる溶媒として、N−エチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、ピリジン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アニソール、酢酸エチル、乳酸エチル、及び乳酸ブチルなどが挙げられ、これらは単独又は二種以上の組合せで用いることができる。
これらの中でも、支持体上への塗布性及び乾燥性の観点でメチルエチルケトン、エタノール、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
有機溶剤は、支持体上に塗布する感光性樹脂組成物の溶液の粘度が、25℃で10mPa・s〜800mPa・sとなるように、感光性樹脂フィルムを構成する成分に添加することが好ましい。
支持体への塗布方法としては、例えば、ドクターブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ロールコーティング法、スクリーンコーティング法、スピナーコーティング法、インクジェットコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、グラビアコーティング法、カーテンコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。感光性樹脂組成物の溶液を塗布した後に所定の温度雰囲気の熱風乾燥炉内などで一定時間乾燥させることで溶媒が揮発し、感光性樹脂フィルム層が形成され、感光性樹脂フィルム積層体が作製される。塗布液の乾燥条件に特に制限はないが、乾燥温度は、50℃〜130℃であることが好ましく、乾燥時間は、30秒〜30分であることが好ましい。
本実施形態の感光性樹脂フィルム積層体は、吸収スペクトル測定において、以下の2つの特徴を有する。
i)400nm〜450nmの波長領域に吸光度の吸収極小値を有し、上記吸収極小値が0.60以上1.30以下である。
ii)400nmと450nmの波長における吸光度の比(A400/450)が1.00以上1.30以下である。
上記2つの吸光度の特徴は、主に(C)光重合開始剤及び(D)色材の種類と配合量で調整することができる。
本実施形態の感光性樹脂フィルム積層体は、上記(i)及び(ii)の吸光度の特徴を有することにより、高露光感度、高解像度及びDI露光プロセス適合性を有し、また、硬化膜の反りを抑制することができる。
400nm〜450nmの波長領域における吸収極小値は、好ましくは0.70以上1.20以下、更に好ましくは0.80以上1.10以下である。吸光度の比(A400/450)は、好ましくは1.00以上1.25以下、更に好ましくは1.05以上1.20以下である。
本実施形態の感光性樹脂フィルム積層体は、隠蔽性と高露光感度の両立の観点から、360〜420nmの波長領域に分光感度の極大値を有することが好ましい。また、360〜420nmの波長領域の最低露光感度は、隠蔽性と高露光感度の両立の観点から、好ましくは0.01J/cm以上0.10J/cm以下、より好ましくは0.03J/cm以上0.08J/cm以下、更に好ましくは0.04J/cm以上0.06J/cm以下である。
本実施形態の感光性樹脂フィルム積層体の全光線透過率は、下地配線の隠蔽性、高露光感度及び高解像性の観点から、好ましくは5.0%以下、より好ましくは3.0%以下、更に好ましくは2.0%以下である。全光線透過率の下限値は限定されないが、例えば1.5%以上とすることができる。本実施形態の感光性樹脂フィルム積層体のへーズは、高露光感度及び高解像性の観点から、好ましくは25.0%以下、より好ましくは10.0%以下、更に好ましくは7.0%以下である。ヘーズの下限値は限定されないが、例えば1.0%以上とすることができる。
<保護フィルム>
本実施形態に係る感光性樹脂フィルム積層体は、必要により、感光性樹脂フィルム層の支持体側とは反対側の表面に保護フィルムを有してもよい。保護フィルムの重要な特性は、感光性樹脂フィルム層との密着力が、支持体側よりも保護フィルム側の方が充分小さく、容易に剥離できることである。保護層としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が好ましく使用できる。
<樹脂パターン、硬化膜パターン及びそれらの製造方法>
以下、本実施形態における感光性樹脂フィルム積層体をフレキシブルプリント配線回路(FPC)の保護膜用途に使用することを想定して、樹脂パターン、硬化膜パターンを製造する方法について詳細を述べる。
感光性樹脂フィルム積層体を用いた樹脂パターンの形成は、以下の工程:
FPC基板上に感光性樹脂フィルム積層体をラミネートするラミネート工程;
該ラミネートされた感光性樹脂フィルム積層体に露光する露光工程;及び
該露光された感光性樹脂フィルム層を現像する現像工程;
を含む樹脂パターンの製造方法によって行うことができる。更に、樹脂パターンをFPCの保護膜として用いるために、現像工程後に、樹脂パターンを後露光処理及び/又は加熱処理に供して、硬化膜パターンを形成する工程を含むことが好ましい。
FPC基板としては、例えばポリイミドベースの銅張積層板を用いて導体が回路形成された基板である。コアのポリイミド層の厚みは10μm〜50μmであることが好ましく、銅層の厚みは1μm〜18μmであることが好ましい。上記のようなFPC基板に対して感光性樹脂フィルム積層体を熱ラミネートする工程を行うことにより、FPC基板の銅層上に感光性樹脂フィルム層を形成する。感光性樹脂フィルム積層体が保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離した後、ラミネーターで感光性樹脂フィルム積層体をFPC基板表面に加熱圧着して積層する。この場合、感光性樹脂フィルム積層体をFPC基板表面の片面だけに積層してもよいし、両面に積層してもよい。加熱温度は、一般に約40℃〜160℃である。加熱圧着は、二連のロールを備えた二段式ラミネーターを使用して行われてもよいし、感光性樹脂フィルム積層体とFPC基板とを複数回に亘って繰り返してロールに通すことにより行われてもよい。また、真空ロールラミネーターを用いると、基材上の導体回路による凹凸への感光性樹脂フィルム層の追従性が良好になり、感光性樹脂フィルム積層体と基材の間にエアーが混入する欠点を防ぐことが出来る。一方で真空ロールラミネーターを用いた場合、ラジカル重合を抑制する酸素濃度が著しく低いため、(C)光重合開始剤が開裂し、(B)不飽和二重結合を有する重合性化合物の暗反応が進行しやすくなる。従って、ロールの温度は40℃〜100℃が好ましく、40℃〜80℃がさらに好ましい。
次に、露光機を用いて露光を行う。フォトマスクを通して活性光により感光性樹脂層を露光する。必要に応じて感光性樹脂フィルム積層体から支持体を剥離してから露光を行っても良い。露光量は、光源照度及び露光時間により決定される。露光量は、光量計を用いて測定する。露光機としては、超高圧水銀灯を光源とした散乱光露光機、平行度を調整した平行光露光機、マスクとワークの間にギャップを設けるプロキシミティ露光機等を挙げることができる。更に、露光機としては、マスクと画像のサイズ比が1:1の投影型露光機、高照度のステッパー(登録商標)といわれる縮小投影露光機、又はミラープロジェクションアライナ(登録商標)と呼ばれる凹面鏡を利用した露光機を挙げることができる。
また、露光工程においては、直接描画露光(DI)方法を用いてもよい。直接描画露光とは、フォトマスクを使用せず、基板上に直接描画して露光する方式である。光源としては、例えば、波長350nm〜410nmの固体レーザー、半導体レーザー又は超高圧水銀灯などが用いられる。描画パターンはコンピューターにより制御される。この場合の露光量は、光源照度と基板の移動速度によって決定される。
次に、現像装置を用いて現像処理を行う。露光後、感光性樹脂フィルム層上に支持体がある場合にはこれを剥離して取り除き、続いてアルカリ水溶液の現像液を用いて未露光部を現像除去して、樹脂パターンを得る。アルカリ水溶液としては、NaCO又はKCOの水溶液(アルカリ水溶液)を用いることが好ましい。アルカリ水溶液は、感光性樹脂層の特性に合わせて適宜選択されるが、約0.2質量%〜2質量%の濃度、約20℃〜40℃のNaCO水溶液が一般的である。現像液の温度が高い場合、臭気対策としての排気等による陰圧環境下では水分が揮発しやすくなり、経時で現像液が濃縮され、安定生産性が損なわれる傾向がある。そのため、現像液温度は30℃未満であることが好ましい。また、アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。基材への影響を考慮して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液等のアミン系アルカリ水溶液を用いることもできる。現像速度に応じて、水溶液中のアルカリ化合物の濃度を適宜選択することができる。臭気が少なく、取扱い性に優れ、かつ、管理及び後処理が簡便であるという観点から、特に1.0質量%、25℃〜35℃のNaCO水溶液が好ましい。現像方法としては、アルカリ水スプレー、シャワー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の既知の方法が挙げられる。
現像後、樹脂パターンに残存したアルカリ水溶液の塩基を、有機酸、無機酸又はこれらの酸水溶液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の既知の方法により酸処理(中和処理)することができる。更に、酸処理(中和処理)の後、水洗する工程を行うこともできる。
上記の各工程を経て樹脂パターンを得ることができるが、更に後露光工程及び/又は熱キュア工程を実施してもよい。後露光工程及び/又は熱キュア工程を実施することにより、硬化膜が形成され、絶縁信頼性が向上する。後露光処理での露光量としては、200mJ/cm〜2,000mJ/cmが好ましい。
熱キュア工程は60℃以上400℃以下の温度で実施されることが好ましく、100℃以上300℃以下で実施することがより好ましく、製造プロセス効率化の観点から、時間は120分以下である事が好ましい。熱キュアの方式としては、熱風、赤外線、遠赤外線等の適宜の方式の加熱炉を用いることができ、キュア時の雰囲気としては、空気雰囲気下でも不活性ガス雰囲気下でも実施可能である。
本実施形態に係る感光性樹脂フィルム積層体は、下地回路の隠蔽性が高く、表面光沢性が抑制された表面の黒色光沢が所望する程度まで抑制され、高露光感度で高解像性を有し、硬化膜とした際の反りを抑制できることから、フレキシブルプリント配線回路(FPC)基板、テープオートメーションボンディング(TAB)基板、各種電子デバイスにおける絶縁膜及び液晶ディスプレー用基板、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板にも用いることができるが、特に、フレキシブルプリント配線回路を保護する保護膜であるカバーレイ(ソルダーレジストとも呼ぶ)として好適に用いることができる。
本発明によれば、高露光感度で高解像性を有し、DI露光プロセス適合性を有し、硬化膜としての反りを抑制でき、かつ表面光沢が抑制された、アルカリ現像型黒色感光性樹脂フィルム積層体を提供することができる。
以下、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例において、用いた支持体及び感光性樹脂フィルム層の組成物を構成する成分を表1に示す。
実施例及び比較例における種々の物性及び特性の測定法、定義は下記の通りである。
<支持体>
(支持体の表面粗さ(Sa))
支持体の3次元表面粗さは、3D測定レーザー顕微鏡(LEXTOLS4100、オリンパス社製)を用いて下記の方法により測定した。
(1)支持体の凹凸面を上側にして、測定試料をステージに乗せる。
(2)対物レンズ50倍でフォーカス調整し[レーザー観察]により撮影する。撮影設定は[通常]、[高精度]、[自動]で実施する。
(3)測定対象領域は撮像された259μm×259μmの範囲において表面粗さを計測する。
(4)[表面粗さ]を選択し、[表面前処理]で[表面補正]を実施する。
(5)表面粗さは、[解析パラメータ]の[粗さ]を選択し[算出]の操作により測定対象領域における高さZ(x,y)の絶対値の算術平均値Sa値を算出した。
<感光性樹脂フィルム積層体の作製>
感光性樹脂組成物を支持体に塗布する方法は、ブレードコーター(東洋精機社製)を用いて行った。支持体に感光性樹脂組成物を塗布して得られる感光性樹脂フィルムは、上記の支持体の凹凸構造を有する面側に、乾燥後の感光性樹脂フィルムの膜厚が25μmとなるように塗布した。次に、95℃のドライヤーで10分間乾燥し、感光性樹脂フィルム積層体を得た。次に感光性樹脂フィルム層の基材側とは反対の面に保護層としてポリエチレンフィルム(タマポリ社製、商品名;GF−818、膜厚=19μm)を貼り合わせて感光性樹脂フィルムロールを得た。各層の膜厚は、膜厚計(ID−C112B、Mitutoyo社製)を用いて測定した。
(感光性樹脂フィルム積層体の吸光度)
上記で得られた感光性樹脂フィルム積層体を50×50mmのサイズにカットした後、保護フィルムを剥がした。23℃50%RHの恒温室にて5分間静置した後、吸収スペクトル((株)日立ハイテクノロジーズ製分光光度計(U−3010))を測定した。得られた吸収スペクトルから、波長範囲;400nm〜450nmにおける吸収極小値の有無、吸収極小値の波長、波長400nmにおける吸光度と波長450nmにおける吸光度の比(A400/450)を求めた。
(感光性樹脂フィルム積層体のL値)
上記で得られた感光性樹脂フィルム積層体を50×50mmのサイズにカットしたフィルム積層体を得た。
このサンプルに対し分光測色計(東京電色技術センター製 TC−1800MKIII)の反射光測定を用い、L表色系の値をJIS Z 8722に従って測定し、明度を表わす指数であるL値を求めた。
(感光性樹脂フィルム積層体の全光線透過率とヘーズ)
上記で得られた感光性樹脂フィルム積層体を50×50mmのサイズにカットした後、保護フィルムを剥がし支持体と感光性樹脂フィルムからなる感光性樹脂フィルム積層体を得た。
このサンプルに対しNDH−2000(日本電色工業株式会社製)を用い、支持体側から光が照射される様にサンプルを配置して、JIS K 7105に準拠する方法で、全光線透過率、及びヘーズを測定した。
<フレキシブルプリント配線板の積層体の製造>
フレキシブル銅張積層板(エスパネックス:MC12−25−00HRM、新日鐵化学社製)の導体上に、ロール式熱真空ラミネーター(エム・シー・ケー社製、MVR−250)を用いて、ロール温度80℃、シリンダー圧0.4MPa、真空度=100Pa、速度1.0m/分に設定し、試験ロール基板の銅配線面に、上記の感光性樹脂積層体のロール(感光性樹脂フィルム層の膜厚=25μm)の保護フィルムが剥離された面をラミネートし、フレキシブルプリント配線板の積層体を得た。
(分光感度及び最低露光感度)
上記で得られたフレキシブル配線板の積層体を100×100mmのサイズにカットした後、このサンプルに対し、回折分光照射装置(ナルミ社製「RM−23(I)−64」)を用い、キセノンランプ(ウシオ電機社製「UXL−1000D−O」)を光源として300〜450nmの波長域で分光した光を照射した。この場合、横軸方向に露光波長が直線的に、縦軸方向に露光強度が対数的に変化するように設定して90分間照射して露光した。
その後30℃、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像し、各露光波長の感度に応じた画像を得た。その画像高さから画像形成可能な露光エネルギーを算出し、横軸に波長、縦軸にその露光エネルギーの逆数をプロットすることにより、分光感度曲線を得た。かかる分光感度曲線における極大ピークを、分光感度の極大ピーク(nm)とした。また、前述した分光感度測定において極大ピーク波長で形成されたパターンの高さから算出される画像形成可能な最小の露光量を最低露光感度とした。
(光沢度評価)
上記で得られた感光性樹脂フィルム積層体を、厚み25μmのポリイミドフィルム(商品名カプトン:登録商標)上に、ロール式熱真空ラミネーター(エム・シー・ケー社製、MVR−250)を用いて、ロール温度80℃、シリンダー圧0.4MPa、真空度=100Pa、速度1.0m/分に設定し、感光性樹脂フィルム積層体の保護フィルムが剥離された面をラミネートした。
ラミネートした積層体を10cm角に切断し、露光量100mJ/cmで露光した後で支持体を引き剥がし、30℃の1質量%の炭酸ナトリウム水溶液中で30秒間浸漬し、30秒間イオン交換水に浸漬した後に熱風式オーブンを用いて150℃で1時間のキュア処理を実施した。キュア処理完了後、10分以内に該フィルムを5cm角に切り出し、 感光性樹脂フィルムの表面を60度方向グロスメータ(堀場製作所製)で測定し光沢度の評価を行った。
A:光沢度が10%未満
B:光沢度が10%以上20%未満
C:光沢度が20%以上30%未満
D:光沢度が30%以上
(露光感度評価)
上記で得られたフレキシブル配線板の積層体を15分静置後、支持フィルムの上にPETマスクとストゥーファー21段ステップタブレット(光学密度0.00を1段目とし、1段毎に光学密度が0.15ずつ増加するステップタブレット)を並べて置き、PETマスク及びステップタブレット側から各組成の最適露光量を、平行光露光機((株)オーク製作所社製、HMW−801)により露光した。PETマスクとしては、未露光部分が円孔となるパターンを有するものを使用した。15分以上の静置後、感光性樹脂積層体の支持体を剥離し、(株)フジ機工製現像装置を用い、フルコーンタイプのノズルにて現像スプレー圧0.1MPaで、30℃の1質量%Na2CO3水溶液を感光性樹脂フィルム層が完全に溶解するまでの時間(ブレークポイント)の2倍の現像時間で現像し、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。その際、水洗工程は、フラットタイプのノズルにて水洗スプレー圧0.07MPaで、現像工程と同時間に亘って行い、水洗されたサンプルをエアーブローにより乾燥させて、評価用のパターンを形成した。
上記最適露光量とは、上記処理によりストゥーファー21段ステップタブレットを介して露光した場合に残膜する段数が8〜9段となるような露光量を意味する。
露光感度評価は以下の方法により評価を行った。
A:最適露光量が100mJ以下
B:最適露光量が100mJより高く、150mJ以下
C:最適露光量が150mJより高く、200mJ以下
D:最適露光量が200mJより高い
(解像性評価)
上記のフレキシブルプリント配線板の製造方法を用いて、フレキシブルプリント配線板を作成し、21段ステップタブレットのステップ段数が8段となる露光エネルギー量で露光し、30℃、1.0質量%の炭酸ナトリウム水溶液で感光性樹脂フィルム層が完全に溶解するまでの時間(ブレークポイント)の2倍の現像時間でスプレー現像処理と水によるリンス、及び乾燥を行った。円孔の開口径が残渣なく最少となる穴径を評価した。
A:最少開口径が50μm以下
B:最少開口径が50μmより大きく100μm以下
C:最少開口径が100μmより大きく200μm以下
D:200μm以下の開口が不可
(DI露光適正)
上記で得られたフレキシブル配線板の積層体を15分静置後、支持体の上にPETマスクとストゥーファー21段ステップタブレット(光学密度0.00を1段目とし、1段毎に光学密度が0.15ずつ増加するステップタブレット)を並べて置き、PETマスク及びステップタブレット側から各組成の最適露光量を、ダイレクトイメージング(DI)露光機(Orbotech社製、NuvogoF10、波長375nm(30%)、405nm(70%)混合光源)を用いて露光した。PETマスクとしては、円孔パターン径が30μm〜200μm、ライン幅30μm〜200μmのパターンを持つフォトマスクを使用した。15分以上の静置後、感光性樹脂積層体の支持フィルムを剥離し、(株)フジ機工製現像装置を用い、フルコーンタイプのノズルにて現像スプレー圧0.1MPaで、30℃の1質量%Na2CO3水溶液を感光性樹脂フィルム層が完全に溶解するまでの時間(ブレークポイント)の2倍の現像時間で現像し、感光性樹脂層の未露光部分を溶解除去した。その際、水洗工程は、フラットタイプのノズルにて水洗スプレー圧0.07MPaで、現像工程と同時間に亘って行い、水洗されたサンプルをエアーブローにより乾燥させて、評価用のパターンを形成した。
上記最適露光量とは、上記処理によりストゥーファー21段ステップタブレットを介して露光した場合に残膜する段数が8〜9段となるような露光量を意味する。
DI露光適正については、上記の方法により21段ステップタブレットのステップ段数が8段となる最適露光エネルギー量で露光し、30℃、1.0質量%の炭酸ナトリウム水溶液で感光性樹脂フィルム層が完全に溶解するまでの時間(ブレークポイント)の2倍の現像時間でスプレー現像処理と水によるリンス、及び乾燥を行った。円孔の開口径が残渣なく最少となる穴径を評価した。
A:円孔開口径が50μm以下、またはライン形成幅が50μm以下
B:円孔開口径が50μmより大きく100μm以下、またはライン形成幅が50μmより大きく100μm以下
C:円孔開口径が100μmより大きく200μm以下、またはライン形成幅が100μmより大きく200μm以下
D:200μm以下の開口が不可、または幅200μm以下のライン形成が不可
(硬化膜の反り)
上記で得られた感光性樹脂フィルム積層体を、厚み25μmのポリイミドフィルム(商品名カプトン:登録商標)上に、ロール式熱真空ラミネーター(エム・シー・ケー社製、MVR−250)を用いて、ロール温度80℃、シリンダー圧0.4MPa、真空度=100Pa、速度1.0m/分に設定し、感光性樹脂フィルム積層体の保護フィルムが剥離された面をラミネートした。
ラミネートした積層体を10cm角に切断し、露光量100mJ/cmで露光した後で支持体を引き剥がし、30℃の1質量%の炭酸ナトリウム水溶液中で30秒間浸漬し、30秒間イオン交換水に浸漬した後に150℃で1時間のキュア処理を実施した。キュア処理完了後、10分以内に該フィルムを5cm角に切り出し、フィルム端部の浮き量を測定した。
A:端部の浮き量が3mm以下
B:端部の浮き量が3mm超5mm以下
C:端部の浮き量が5mm超10mm以下
D:端部の浮き量が10mmを超える
(隠蔽性評価)
上記のフレキシブルプリント配線板の積層体の製造方法において、あらかじめ上記フレキシブル銅張積層板の銅をL/S=100/100μmでパターニングし、該パターン上に前述の感光性樹脂フィルムロールの保護フィルムが剥離された面をラミネートした積層体を作製し、21段ステップタブレットのステップ段数が8段となる露光エネルギー量で露光し、30℃、1.0質量%の炭酸ナトリウム水溶液で感光性樹脂フィルム層が完全に溶解するまでの時間(ブレークポイント)の2倍の現像時間でスプレー現像処理と水によるリンス、及び乾燥を行った。更に3J/cmの露光量で後露光を実施した後、150℃の熱風式オーブンで60分間キュア処理を行った。こうして作製した硬化膜積層体を、目視、又は光学顕微鏡にて、上部から下地の配線パターンを確認する方法で隠蔽性の評価を行った。
A:目視、又は光学顕微鏡で配線パターンが確認不可
B:目視で配線パターンが確認不可
C:目視で配線パターンが確認可能だが、形状やサイズは確認不可
D:目視で配線パターンの形状やサイズを確認可
各実施例及び比較例で用いた支持体、感光性樹脂フィルム層の配合成分及び配合量、物性値、評価結果を表2に示す。
Figure 2020071372
Figure 2020071372
表2に示した結果から、実施例1〜6の感光性樹脂フィルム積層体は、本発明で規定された要件を満たすことで、隠蔽性に優れ、感光性樹脂フィルム表面の光沢度を抑制でき、高露光感度で、解像性、DI露光適性に優れ、かつ感光性樹脂フィルム層から形成される硬化膜の反り低減効果を有することが示されている。
一方、比較例1〜7の感光性樹脂フィルム積層体は、本発明で規定される要件の何れかを満たしていないため、隠蔽性、光沢度の抑制、露光感度、解像性、DI露光適性、及び反り低減効果のいずれかが劣ることが示されている。
比較例1は実施例2と比較し、支持体(a−2)を、滑剤練り込みマット加工タイプの支持体(а−3)に替えたものである。支持体(а−3)は、3次元算術平均粗さSaが0.3μm未満であるため、解像性やDI露光適性に劣った。また、比較例2は、支持体(a−2)を、表面滑剤高透明グレードの支持体(a−4)に替えたものである。支持体(a−4)は、支持体の3次元の算術平均粗さSaが0.3μm未満であるため、感光性樹脂フィルム表面に凹凸構造が得られず、表面の光沢度の抑制効果が十分に得られなかった。
比較例3は、400〜450nmの波長領域に有する吸収極小値における吸光度を1.30より大きくし、かつ400nmと450nmの波長における吸光度の比(A400/450)を1.00未満にしたため、黒色感光性樹脂フィルムに適する露光感度を十分に得られなかった。比較例6は、400〜450nmの波長領域に吸光度の吸収極小値を有さず、隠蔽性が十分得られなかった。
比較例4は、400nmと450nmの波長における吸光度の比(A400/450)を1.30より大きくしたため、解像性やDI露光適性に劣った。また、比較例5は、400nmと450nmの波長における吸光度の比(A400/450)を1.00未満にしたため、解像性、DI露光適性で十分な解像性を得られなかった。
更に、比較例7は、400〜450nmの波長領域に吸光度の吸収極小値を有さず、かつ400nmと450nmの波長における吸光度の比(A400/450)が1.30より大きくしたものである。露光工程による架橋密度が密になりすぎことにより硬化収縮を起こすため、感光性樹脂フィルム積層体からなるプリント配線板の成型のキュア工程おける熱処理により基板の反りが大きくなったと考えられる。
また、実施例同士を比較する。実施例1と2は支持体の表面マット加工処理の違いによる算術表面粗さSa値の違いであるが、実施例2の(a−2)成分であるコーティングマット加工処理の方が凹凸形状の面内バラつきが小さく、従ってSa値が小さくなるため、解像性が向上しているものと推測される。
また実施2〜実施例5はいずれも、400〜450nmの波長領域に有する吸収極小値における吸光度が0.60以上、1.30以下で、且つ360〜420nmの波長範囲内に分光感度の極大値を有し、その最低露光感度が0.01J/cm以上、0.1J/cm以下であることを満たしているため、黒色染料を有する感光性フィルム積層体において隠蔽性、高感度、高解像性、DI露光適正を有しているが、実施例2の方が実施例3と比較して隠蔽性やDI露光適正に更に優れ、また実施例4、5と比較して解像性やDI露光適正に更に優れていることが分かる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の感光性樹脂フィルム積層体は、フレキシブルプリント配線回路(FPC)用基板、テープオートメーションボンディング(TAB)用基板、各種電子デバイスにおける電気絶縁膜及び液晶ディスプレー用基板、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレー用基板、電子ペーパー用基板、太陽電池用基板にも用いることができ、特に、シリコンウエハ、銅張積層板、フレキシブルプリント配線回路用などを保護する保護膜であるカバーレイとして好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 3次元算術平均粗さSaが0.3μm以上1.0μm以下の凹凸構造をその表面に有する支持体と、前記凹凸構造を有する前記表面に積層された黒色の感光性樹脂フィルムと、
    を含む、感光性樹脂フィルム積層体であって、
    前記感光性樹脂フィルム積層体は、400〜450nmの波長領域に吸光度の吸収極小値を有し、前記吸収極小値が0.60以上1.30以下であり、かつ400nmと450nmの波長における吸光度の比(A400/450)が1.00以上1.30以下である、感光性樹脂フィルム積層体。
  2. 全光線透過率が5.0%以下であり、ヘーズが25.0%以下である、請求項1に記載の感光性樹脂フィルム積層体。
  3. 360〜420nmの波長領域に分光感度の極大値を有し、360〜420nmの波長領域の最低露光感度が0.01J/cm以上0.10J/cm以下である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂フィルム積層体。
  4. 前記感光性樹脂フィルムは、
    (A)アルカリ可溶性樹脂と、
    (B)不飽和二重結合を有する重合性化合物と、
    (C)光重合開始剤と、
    (D)色材と
    を含み、前記アルカリ可溶性樹脂は、少なくとも1種類以上の酸変性エポキシアクリレートを含み、前記色材が少なくとも1種の黒色染料を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂フィルム積層体。
  5. 前記光重合開始剤が、カルバゾール構造を含み、400nm以上の波長領域に吸収を有するオキシム系開始剤であり、かつ前記感光性樹脂フィルムは、前記黒色染料の含有量(質量%)に対して0.05倍以上0.50倍以下の光重合開始剤を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂フィルム積層体。
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