JP2020070470A - 学習処理装置、学習処理方法、化合物半導体の製造方法およびプログラム - Google Patents

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朋浩 森下
Tomohiro Morishita
朋浩 森下
陽 吉川
Akira Yoshikawa
陽 吉川
亮介 長谷川
Ryosuke Hasegawa
亮介 長谷川
梓懿 張
Ziyi Zhang
梓懿 張
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Abstract

【課題】試行錯誤により制御条件を得るのは効率が悪い。【解決手段】成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部と、制御条件データが示す制御条件で動作させた成膜装置によって成膜された膜の特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得部と、取得された制御条件データおよび膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理部とを備える学習処理装置が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、学習処理装置、学習処理方法、化合物半導体の製造方法およびプログラムに関する。
従来、有機金属気相成長装置などの成膜装置においては、所望の特性の膜を得るために、熟練したオペレータの試行錯誤によって好ましい制御条件を見出している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 中国特許出願公開第106521459号明細書
しかしながら、試行錯誤により制御条件を得るのは効率が悪い。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部と、制御条件データが示す制御条件で動作させた成膜装置によって成膜された膜の特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得部と、取得された制御条件データおよび膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理部とを備える学習処理装置が提供される。
本発明の第2の態様においては、成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得段階と、制御条件データが示す制御条件で動作させた成膜装置によって成膜された膜の特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得段階と、取得された制御条件データおよび膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理段階とを備える学習処理方法が提供される。
本発明の第3の態様においては、基板を準備する準備段階と、化合物半導体に含まれるべき複数の膜を基板上に積層する積層段階とを備え、積層段階において、第2の態様の学習処理方法を用いて成膜装置を動作させて、複数の膜のうち少なくとも1つの膜を成膜する化合物半導体の製造方法が提供される。
本発明の第4の態様においては、コンピュータを、成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部と、制御条件データが示す制御条件で動作させた成膜装置によって成膜された膜の特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得部と、取得された制御条件データおよび膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理部として機能させるプログラムが提供される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係るシステム1を示す。 成膜装置2の一例を示す。 ガス供給設備2300を示す。 モデル35の学習方法を示す。 化合物半導体の製造方法を示す。 モデル35を用いた成膜方法を示す。 発光デバイス5の層構成を示す。 本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[1.システム]
図1は、本実施形態に係るシステム1を示す。システム1は、成膜装置2および学習処理装置3を備える。
[1−1.成膜装置]
成膜装置2は、基板の表面に成膜を行う。成膜装置2は、気相成長法によって成膜を行ってもよいし、他の手法によって成膜を行ってもよい。
[1−2.学習処理装置]
学習処理装置3は、機械学習による学習処理を行うものであり、制御条件取得部31と、膜特性取得部32と、状態取得部33と、学習処理部34と、モデル35とを有する。また、本実施形態では一例として学習処理装置3は、モデル35を用いて成膜装置2を制御可能となっており、目標膜特性取得部36と、目標膜特性供給部37と、推奨制御条件取得部38と、制御部39とを有する。
[1−2−1.制御条件取得部]
制御条件取得部31は、成膜装置2の制御条件を示す制御条件データを取得する。制御条件取得部31は制御条件データを、オペレータ、成膜装置2および後述の制御部39の少なくとも1つから取得してよい。制御条件取得部31は、取得した制御条件データを学習処理部34に供給してよい。
[1−2−2.膜特性取得部]
膜特性取得部32は、制御条件データが示す制御条件で動作させた成膜装置2によって成膜された膜の特性を示す膜特性データを取得する。膜特性取得部32は膜特性データを、オペレータ、および、膜特性を計測するための計測装置(図示せず)の少なくとも1つから取得してよい。計測装置は成膜装置2の内部に配置されてもよいし、外部に配置されてもよい。膜特性取得部32は、取得した膜特性データを学習処理部34に供給してよい。
[1−2−3.状態取得部]
状態取得部33は、成膜装置2の状態を示す状態データを取得する。状態取得部33は状態データを、オペレータおよび成膜装置2の少なくとも1つから取得してよい。また状態取得部33は、成膜装置2の設置された環境の温度や湿度などを、状態データとして取得してもよい。膜特性取得部32は、取得した状態データを学習処理部34およびモデル35に供給してよい。
[1−2−4.学習処理部]
学習処理部34は、入力される学習データを用いてモデル35の学習処理を実行する。学習データは、制御条件取得部31からの制御条件データ、膜特性取得部32からの膜特性データ、および、状態取得部33からの状態データを含んでよい。
[1−2−5.モデル]
モデル35は、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する成膜装置2の制御条件を示す推奨制御条件データを出力する。本実施形態では一例として、モデル35には、成膜装置2の状態を示す状態データが更に入力される。なお、モデル35は、学習処理装置3の外部のサーバに格納されてもよい。モデル35は、推奨制御条件データを推奨制御条件取得部38に出力するが、学習処理装置3の外部に出力してもよい。
[1−2−6.目標膜特性取得部]
目標膜特性取得部36は、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを取得する。本実施形態では一例として、目標膜特性取得部36は目標膜特性データをオペレータから取得する。目標膜特性取得部36は、取得した目標膜特性データを目標膜特性供給部37に供給してよい。
[1−2−7.目標膜特性供給部]
目標膜特性供給部37は、目標膜特性取得部36からの目標膜特性データをモデル35に供給する。
[1−2−8.推奨制御条件取得部]
推奨制御条件取得部38は、目標膜特性データをモデル35に供給したことに応じてモデル35が出力する推奨制御条件データを取得する。推奨制御条件取得部38は、取得した推奨制御条件データを制御部39に供給してよい。
[1−2−9.制御部]
制御部39は、成膜装置2に制御条件データを供給することで、当該制御条件データが示す制御条件で成膜装置2を動作させる。例えば制御部39は、成膜装置2に推奨制御条件データを供給することで、推奨制御条件データが示す制御条件で成膜装置2を動作させてよい。
以上のシステム1によれば、目標膜特性データの入力に応じて推奨制御条件データを出力するモデル35の学習処理が実行されるので、目標とする膜特性を入力することで、推奨される制御条件を得ることができる。従って、熟練したオペレータによる試行錯誤を必要とせずに、推奨される制御条件を得ることができる。
また、モデル35は目標膜特性データおよび成膜装置2の状態データの入力に応じて推奨制御条件データを出力するものであり、取得された状態データを含む学習データを用いて学習処理が実行されるので、目標膜特性の膜を作るためのより正確な制御条件を得ることができる。
また、目標膜特性データがモデル35に供給されて推奨制御条件データの制御条件で成膜装置2が制御されるので、目標膜特性、またはこれに近似した膜特性の膜を得ることができる。
[2.成膜装置]
図2は、成膜装置2の一例を示す。例えば成膜装置2は有機金属気相成長装置であり、基板10上にAl、Ga、In、C、Si、Sn、BN、Mg、Zn、Cd、Hg、N、As、Sb、O、S、Se、Te、Fe、Eu、Er、および、Prの少なくとも1つを含む1または複数の膜を成膜する。一例として、基板10はAl、GaおよびNの少なくとも1つを含む化合物半導体基板(一例としてアルミナイトライド)またはサファイア基板であってよく、直径2インチ(50.8mm)、厚さ0.5mmの円板状であってよい。成膜される膜はn型半導体層、アンドープ半導体層、p型半導体層のいずれでもよいし、例えばδドープのように不均一なドープ層(変調ドープ層)であってもよいし、これらの何れかの積層体であってもよい。基板10と基板10上に成膜される膜との間、および、上下に隣接する膜同士の間では、それぞれ格子定数が違っていてよい。成膜装置2は、成膜チャンバ20、サセプタ21、基板ヒータ22、ガス供給装置23、および、プロセスポンプ24を有する。
[2−1.成膜チャンバ]
成膜チャンバ20は、内部に保持する基板10に成膜を行うための密閉された反応容器である。成膜チャンバ20は一例として筐体の内部に環状の側壁部を有してよい。筐体はSUS製であってよく、側壁部は石英製であってよい。
[2−2.サセプタ]
サセプタ21は、基板10を支持する。例えば、サセプタ21の上面には基板10を収容するための円形状の座ぐり210が設けられてよい。座ぐり210の径は基板10の径よりも大きくてよく、これにより座ぐり210の内壁と基板10の側周面との間には間隔Δ1が設けられてよい。一例として基板10の直径は50.8mm、座ぐりの直径は51.6mmでよい。間隔Δ1は基板10の周方向の全域にわたって0.4mmでよいが、後述のようにサセプタ21が回転して遠心力により基板10が座ぐり210内で移動する場合には、間隔Δ1は回転の中心側で0.8mm、外周側で0mmであってよい。また、座ぐり210の深さは基板10の厚さと異なってよく、これにより座ぐり210内の基板10の上面と、サセプタ21の上面との間には段差Δ2が設けられてよい。例えば座ぐり210の深さは基板10の厚さより大きくてよく、座ぐり210内の基板10の上面はサセプタ21の上面よりも段差Δ2だけ低くてよい。一例として基板10の厚さは0.55mm、座ぐりの深さは0.7mmでよく、段差Δ2は0.15mmでよい。但し、基板10の上面はサセプタ21の上面と面一であってもよく、段差Δ2は0であってよい。サセプタ21は円板状に形成され、周方向に複数(一例として6つ)の座ぐり210を有してもよいし、中心部に単一の座ぐり210を有してもよい。サセプタ21は、成膜チャンバ20と同心円状に配置されてよく、中心部から垂下するシャフト211により回転可能に設けられてよい。サセプタ21の回転速度は調整可能でよい。サセプタ21は一例としてカーボンや炭化ケイ素で形成されてもよいし、炭化ケイ素でコーティングされたカーボン等で形成されてもよい。
[2−3.基板ヒータ]
基板ヒータ22は、基板10を加熱する。基板ヒータ22は基板10を加熱することで、基板10の近傍(一例として基板10の表面)の原料化合物を分解してよい。例えば基板ヒータ22は、サセプタ21の下側に設けられ、サセプタ21を介して基板10を加熱してよい。一例として基板ヒータ22は900〜1300℃に維持されて、基板10の上面が約800℃〜1200℃となるように加熱を行ってよい。
基板ヒータ22はサセプタ21の別々の領域を加熱する複数(一例として3つ)の領域別ヒータ(図示せず)を有してよく、領域別ヒータに対する供給電力、ひいては領域別ヒータによる加熱量は独立に制御可能であってよい。一例として、領域別ヒータは環状に形成され、同心円状に配置されてよい。なお、成膜チャンバ20が透光性である場合には、基板ヒータ22は成膜チャンバ20の外部から輻射によって基板10を加熱するなど、他の方法で基板10を加熱してもよい。
[2−4.ガス供給装置]
ガス供給装置23は、成膜チャンバ20内にガスを供給する。例えば、ガス供給装置23は、成膜の原料となる原料ガスと、原料ガスを成膜チャンバ20内に流すためのキャリアガスとを成膜チャンバ20に供給してよい。ガス供給装置23は、複数のガス源230と、ガス源230からのガスを成膜チャンバ20内に供給する1または複数の原料供給口232とを有する。
[2−4(1).ガス源]
複数のガス源230は、原料ガスおよび/またはキャリアガスを原料供給口232に供給する。ここで、原料ガスに含まれる原料は、Al、Ga、In、C、Si、Sn、B、Mg、Zn、Cd、Hg、N、As、Sb、O、S、Se、Te、Fe、Eu、Er、および、Prの少なくとも1つであってよく、単体でもよいし、化合物でもよい。
原料としてのSiは、モノシランとして供給されてよい。モノシランは後述のキャリアガスによって予め希釈された状態でガス源230から供給されてよい。キャリアガスは、基板10や原料に対して反応性が低い不活性ガスであり、一例として水素(H)、および窒素(N)の少なくとも一方を含んでよい。原料としてのAl、Ga、In、およびMgは、化合物である有機金属として供給されてよく、このような有機金属は一例としてトリメチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、および、シクロペンタジエニルマグネシウムの少なくとも1つであってよい。原料としてのNは、アンモニアとして供給されてよい。原料として有機金属、モノシランおよびアンモニアが用いられる場合には、これらは別々のガス源230から供給されてよい。原料ガスは、原料のみを含むガスであってもよいし、有機金属の液体をバブリングによりガス化するためのバブリングガスをさらに含む混合ガスであってもよい。バブリングガスは基板10や原料に対して不活性なガスであり、例えばキャリアガスと同種のガスであってよい。一例として、成膜の原料にアルミが含まれる場合には、混合ガスには、原料ガスとしてのトリメチルアルミニウムのガスと、バブリングガスとしての水素(H)ガスとが含まれてよい。なお、原料としてのC、Sn、B、Zn、Cd、Hg、As、Sb、O、S、Se、Te、Fe、Eu、Er、Prなどの原料元素に関しては、従来より公知の態様で供給されてよい。
[2−4(2).原料供給口]
各原料供給口232は、成膜チャンバ20の内部に複数の位置で開口する。原料供給口232の各開口部は、サセプタ21上で回転する基板10の上面に一様に原料ガスが供給されるよう分散して配置されてよい。本図では原料供給口の一例として原料供給口232が成膜チャンバ20の天井面に設けられている。原料供給口232の開口部とサセプタ21の上面との間隔は5mm〜20mmとなっているが、間隔は10cmや20cmなど、他の大きさでもよいし、原料供給口232は成膜チャンバ20の側壁面に設けられてもよい。原料供給口232は、一例としてシャワーヘッドであってよい。原料供給口232は水冷により一例として45℃などに維持されてよく、原料供給口232から成膜チャンバ20内に供給されるガスの温度は約50℃〜200℃であってよい。なお、本実施形態では一例として、各原料供給口232は、成膜チャンバ20内にガスを別々に供給するが、予めガス同士を混合してから成膜チャンバ20内に供給してもよい。
[2−4.プロセスポンプ]
プロセスポンプ24は、成膜チャンバ20内のガスを吸引して排出する。プロセスポンプ24は、例えば成膜チャンバ20内の圧力が50mbarとなるように吸引を行ってよく、成膜チャンバ20内の圧力は調整可能であってよい。プロセスポンプ24と成膜チャンバ20との間には、ガスの排出量を調整するための開閉バルブ240が設けられてよい。
以上の成膜装置2においては、例えば基板10をサセプタ21上に配置して基板ヒータ22で加熱し、サセプタ21を回転させながら有機金属、シラン及びアンモニアを含む原料ガスをキャリアガスとともに成膜チャンバ20内に流すことにより、有機金属が分解されて基板10の表面で金属元素とアンモニアとが反応して成膜が行われる。
[2−5.ガス供給設備]
図3は、有機金属の原料ガスをキャリアガスと共に成膜チャンバ20に供給するガス供給設備2300を示す。ガス供給装置23は、ガス供給設備2300により有機金属の原料ガスおよびキャリアガスを成膜チャンバ20に供給してよい。
ガス供給設備2300は、キャリアガス用のガス源230bと、メインガスライン2301と、ベント用ライン2302と、ガス調整用ライン2303と、バブリングガス供給ライン2304と、原料ガス用のガス源230aと、原料供給ライン2305と、複数のマスフローコントローラ2306と、開閉バルブ対2307,2308とを有する。
キャリアガス用のガス源230bは、ガス源230の一例であり、キャリアガスをメインガスライン2301に供給する。メインガスライン2301は、キャリアガス用のガス源230bと、成膜チャンバ20との間を連通させる。メインガスライン2301には、成膜チャンバ20に供給するキャリアガスのほぼ全てが流される。
ベント用ライン2302は、キャリアガス用のガス源230bと、成膜装置2の外部との間を連通させる。ベント用ライン2302には、排気用のキャリアガスが流される。
ガス調整用ライン2303は、キャリアガス用のガス源230bと、メインガスライン2301およびベント用ライン2302との間を連通させる。ガス調整用ライン2303には、原料供給ライン2305からのガス供給により成膜チャンバ20内のガス流が変化しないようガスの供給量を調整するための調整用キャリアガスが流される。
バブリングガス供給ライン2304は、キャリアガス用のガス源230bと、有機金属の原料ガス用のガス源230aとの間を連通させる。バブリングガス供給ライン2304には、ガス源230bからのキャリアガスがガス源230aでのバブリングガスとして流される。
ガス源230aは、バブリングガス供給ライン2304からのバブリングガス(本実施形態ではキャリアガス)を用いてガスバブラー231でバブリングを行い、原料ガスおよびキャリアガスを含んだ混合ガスを原料供給ライン2305に供給する。
原料供給ライン2305は、ガスバブラー231と、メインガスライン2301およびベント用ライン2302との間を連通させる。原料供給ライン2305には、ガス源230aからの混合ガスが流される。
複数のマスフローコントローラ2306は、マスフローコントローラ2306(1)〜2306(6)を有する。マスフローコントローラ2306(1)は、メインガスライン2301に設けられ、メインガスライン2301を介して成膜チャンバ20に流れるキャリアガスの流量を調整する。マスフローコントローラ2306(2)は、ベント用ライン2302に設けられ、ベント用ライン2302を介して成膜装置2の外部に排出されるキャリアガスの流量を調整する。マスフローコントローラ2306(3),2306(5)は、バブリングガス供給ライン2304に設けられ、バブリングガス供給ライン2304に流れるバブリングガス(本実施形態ではキャリアガス)の流量を調整する。マスフローコントローラ2306(4),2306(6)は、ガス調整用ライン2303に設けられ、ガス調整用ライン2303に流れる調整用キャリアガスの流量を調整する。
開閉バルブ対2307は、ガス調整用ライン2303とメインガスライン2301との接続部、および、ガス調整用ライン2303とベント用ライン2302との接続部にそれぞれ設けられた一対のバルブを有する。これにより、開閉バルブ対2307は、ガス調整用ライン2303からメインガスライン2301およびベント用ライン2302のそれぞれへの調整用キャリアガスの注入量を調整する。例えば、開閉バルブ対2307は、メインガスライン2301から成膜チャンバ20へのガス供給量を一定に維持するよう、原料供給ライン2305からメインガスライン2301へのガス供給量の変化に合わせて、調整用キャリアガスをメインガスライン2301および/またはベント用ライン2302に注入させる。
開閉バルブ対2308は、原料供給ライン2305とメインガスライン2301との接続部、および、原料供給ライン2305とベント用ライン2302との接続部にそれぞれ設けられた一対のバルブを有する。これにより、開閉バルブ対2308は、原料供給ライン2305からメインガスライン2301およびベント用ライン2302のそれぞれへの混合ガス(本実施形態では原料ガスおよびキャリアガスの混合ガス)の注入量を調整する。
なお、ガス源230a、ガス調整用ライン2303、バブリングガス供給ライン2304、原料供給ライン2305、および、開閉バルブ対2307,2308は、有機金属の原料毎に設けられてよい。本実施形態では一例として、ガス供給設備2300は、ガリウムの有機金属用のガス源230a(Ga)、ガス調整用ライン2303(Ga)、バブリングガス供給ライン2304(Ga)、原料供給ライン2305(Ga)、および、開閉バルブ対2307(Ga),2308(Ga)と、アルミニウムの有機金属用のガス源230a(Al)、ガス調整用ライン2303(Al)、バブリングガス供給ライン2304(Al)、原料供給ライン2305(Al)、および、開閉バルブ対2307(Al),2308(Al)を有してよい。
以上のガス供給設備2300においては、成膜の準備段階において、マスフローコントローラ2306(1)が一定量のキャリアガスをメインガスライン2301から成膜チャンバ20に流す。また、マスフローコントローラ2306(2)が一定量のキャリアガスをベント用ライン2302に流す。メインガスライン2301およびベント用ライン2302内の流量は同じでもよいし、異なってもよい。
成膜チャンバ20内に原料ガスを供給する場合には、マスフローコントローラ2306(3)は、各原料用のバブリングガス供給ライン2304(本実施形態では一例としてバブリングガス供給ライン2304(Ga)および2304(Al))にキャリアガスを流す。各ガス源230aは、バブリングを行って原料ガスおよびキャリアガスを含んだ混合ガスを原料供給ライン2305に供給する。成膜に使用されない原料用の開閉バルブ対2307(一例としてGaN膜を成膜する場合の開閉バルブ対2307(Al))は混合ガスをベント用ライン2302に流して排気させる。成膜に使用される原料用の開閉バルブ対2307(一例としてGaN膜を成膜する場合の開閉バルブ対2307(Ga)や、AlGaN膜を成膜する場合の開閉バルブ対2307(Ga),2307(Al))は、各混合ガスの流量が目標流量となり、かつ、バブリングが安定するまでは混合ガスをベント用ライン2302に流して排気させる。ここで、混合ガスの目標流量は、マスフローコントローラ2306(1)によりメインガスライン2301に流されるキャリアガスの流量に対して概ね100分の1程度であってよい。例えば、キャリアガスと混合ガスとの体積流量比は10L/分:100〜1000sccmであってよい。
マスフローコントローラ2306(4)は各原料用のガス調整用ライン2303に調整用キャリアガスを流し、ガス調整用ライン2303の開閉バルブ対2307は調整用キャリアガスをメインガスライン2301に注入する。ここで、各ガス調整用ライン2303からメインガスライン2301への調整用キャリアガスの注入量は調整用キャリアガスの目標流量となるよう、マスフローコントローラ2306(4)および開閉バルブ対2307の協働によりフィードバック制御を用いて調整されてよい。調整用キャリアガスの目標流量は、対応する原料の混合ガスの目標流量の最大値、または、当該最大値にマージンを加えた流量であってよい。一例として、ガス源230a(Ga)からの混合ガスの目標流量の最大値が100sccmである場合には、ガス調整用ライン2303(Ga)による調整用キャリアガスの目標流量は100sccmであってよい。同様に、ガス源230a(Al)からの混合ガスの目標流量の最大値が100sccmである場合には、ガス調整用ライン2303(Al)による調整用キャリアガスの目標流量は100sccmであってよい。調整用キャリアガスは、原料の混合ガスの供給開始よりも基準時間(一例として5分)前からメインガスライン2301に注入されてよい。
混合ガスの流量が目標流量に一致し、かつ、バブリングが安定した場合には、各原料のうち、成膜に使用される原料用の原料供給ライン2305に設けられた開閉バルブ対2308は、原料供給ライン2305からの混合ガスの注入先をベント用ライン2302からメインガスライン2301に変更する。また、各原料のうち、成膜に使用される原料用のガス調整用ライン2303に設けられた開閉バルブ対2307は、メインガスライン2301から成膜チャンバ20へのガス供給量を一定に維持するよう、原料供給ライン2305からメインガスライン2301へのガス供給量の変化に合わせて、調整用キャリアガスの少なくとも一部の注入先をメインガスライン2301からベント用ライン2302に変更する。これにより、原料ガスの供給が開始されるときの供給ガス量の経時的な均一性が向上されて成膜チャンバ20内でのガス流の変化が防がれる。混合ガスの流量が目標流量に一致するか否かの判断には、差圧計を用いてよい。例えば、成膜に使用される原料用のガス調整用ライン2303に、当該原料の混合ガスの目標流量と等しい流量で調整用キャリアガスを流す場合には、差圧計を用いてメインガスライン2301内の圧力と、ベント用ライン2302内の圧力との差圧をモニタリングすることで、混合ガスの流量が目標流量に一致するか否かを判断することができる。
なお、原料供給ライン2305およびガス調整用ライン2303からの注入先の変更は瞬時に行われるが、徐々に行われてもよい。また、成膜チャンバ20への原料ガスの供給を停止する場合には、メインガスライン2301から成膜チャンバ20に供給されるガスの流量が一定に維持されるよう、開閉バルブ対2308が原料供給ライン2305からの混合ガスの注入先をメインガスライン2301からベント用ライン2302に変更し、開閉バルブ対2307がガス調整用ライン2303からの調整用キャリアガスの注入先をベント用ライン2302からメインガスライン2301に変更する。
[2−2.成膜装置2の制御条件]
成膜装置2は、制御条件に従って成膜を行う。制御条件は、装置に入力されるインプット条件であって、例えばオペレータにより設定される。制御条件は、成膜装置2において直接的に制御可能な条件に限らず、間接的に制御可能な条件であってもよい。一例として制御条件は、成膜チャンバ20内に供給される原料ガスの量、原料ガス分圧、成膜チャンバ20内に供給されるキャリアガスの量、成膜チャンバ20内に存在するガスの種類、各ガスの分圧比、ガスバブラー231の温度、ガスバブラー231の圧力、ガスバブラー231における有機金属の蒸気圧、ガスバブラー231に対するバブリングガスの供給量、サセプタ21の回転速度、成膜チャンバ20内の圧力、基板10の温度、基板ヒータ22の温度、基板ヒータ22に対する供給電力、基板ヒータ22における各領域別ヒータに対する供給電力のバランス、成膜チャンバ20への供給ガス量のフィードバック制御におけるゲイン、成膜にかける時間、および、成膜装置2内で成膜前に行われる前処理条件のうち少なくとも1つでよい。このうち、成膜チャンバ20内に供給される原料ガス,キャリアガスの量は、単位時間当たりに供給されるガスの流量(一例として体積流量または質量流量)でもよいし、成膜の開始から終了までの期間内での総供給量(一例として体積または質量)でもよい。また、成膜チャンバ20内の圧力は、成膜チャンバ20内の全圧でもよいし、各ガスの分圧でもよい。基板10の温度としては、例えば基板ヒータ201への供給電力を制御するべく基板ヒータ201と基板10との間に設置された熱電対の温度を用いることができる。成膜チャンバ20への供給ガス量のフィードバック制御におけるゲインとは、例えばガス調整用ライン2303からメインガスライン2301への調整用キャリアガスの注入量を目標流量とする場合のフィードバック制御におけるゲインであってよく、一例としてPID制御におけるPゲイン、IゲインおよびDゲインの少なくとも1つでよい。成膜装置2内で成膜前に行う前処理とは、基板10に対するアニール処理の温度、アニール時間、および、成膜チャンバ20内に満たされるガスの種類(一例としてH、Nおよび/またはNH)の少なくとも1つであってよい。以上で述べたような制御条件は、経時的に設定されていてもよいし、時間の経過とは無関係に一律に設定(一例として、最大値、最小値または平均値などとして設定)されていてもよい。制御条件は、例えば積層構造(1)、積層構造(2)等の膜構造の種類、あるいはレシピ番号のような識別符号を含んでよく、このような識別符号に対応付けて、制御条件に含まれる各要素の設定値が纏められてよい。なお、成膜チャンバ20の圧力は、プロセスポンプ24の動作状況などにより影響を受けるため、成膜装置2の状態を示す状態データであるが、成膜チャンバ20内の圧力が或る閾値よりも良い場合に成膜動作を実施する場合には、制御条件として用いることが可能である。同様に、成膜装置2の状態を示す後述の状態データの少なくとも一部は、制御条件としても用いられてもよい。
なお、上述の制御条件の各要素のうち、基板ヒータ201に対する供給電力は、基板温度を間接的に制御してよい。基板温度が変化すると基板10表面での原料の移動し易さが変化する結果、成膜される膜内での結晶化の度合いや表面形状、膜の特性(一例として平坦性、結晶性など)が変化する。
また、成膜チャンバ20の圧力、成膜チャンバ20内に存在するガスの種類、および、ガスの量は、成膜チャンバ20内の圧力および雰囲気の質を直接的または間接的に制御してよい。成膜チャンバ20内の圧力および雰囲気の質が変化すると、成長表面の状態が変化する結果、成膜される膜の特性が変化する。
[2−3.メンテナンス]
成膜装置2には、種々のメンテナンスが行われる。例えば、メンテナンスは、成膜チャンバ20を大気開放して行われてもよいし、密閉したままで行われてもよい。メンテナンスは窒素でベント、あるいはパージされた状態で行うこともできる。メンテナンスは定期的(一例として3日ごと)に行われてもよいし、成膜された膜の特性に応じて行われてもよいし、使用部品の寿命,故障などに応じて行われてもよい。
[3.動作]
[3−1.モデルの学習処理]
図4は、モデル35の学習方法を示す。システム1は、ステップS1〜S7の処理によりモデル35の学習を行う。なお、システム1はステップS1〜S7の処理を、成膜装置2における各回の成膜動作について行ってもよいし、ある期間の成膜動作のみを抽出するなど、一部の成膜動作について行ってもよい。成膜される膜構造は、単層膜であってもよいし、積層膜であってもよい。
ステップS1において制御条件取得部31は、成膜装置2の制御条件を示す制御条件データを取得する。
ステップS3において膜特性取得部32は、制御条件データが示す制御条件で動作させた成膜装置2によって成膜された膜の膜特性データを取得する。膜特性データは、成膜された膜の膜厚、組成、平坦性、電気特性(一例として移動度、キャリア濃度、抵抗値など)、光学特性(一例としてバンドギャップ、透過率、透過スペクトル、フォトルミネッセンス強度およびフォトルミネッセンス波長ピーク、発光スペクトル半値幅など)、結晶性、表面情報、および、転位密度の少なくとも一つに関するデータを含んでよい。膜特性は、単層の膜の特性でもよいし、積層された複数の膜の特性でもよい。各特性は、膜の複数の位置の値の最大値、最小値、平均値、および、値の分布のいずれでもよいし、一の位置(例えば中央)の値でもよい。組成とは、構成元素の組成比でもよいし、格子定数でもよい。表面情報は、成膜された膜の光学顕微鏡写真から得られる情報を含んでもよいし、段差計やAFM、或いは異物検査装置などの、表面の凹凸の計測から得られる情報を含んでもよい。なお、成膜装置2において1回の成膜動作で複数の基板10(同一バッチの複数の基板10とも称する)に纏めて成膜が行われる場合、つまりサセプタ21に複数の基板10が保持される場合には、膜特性取得部32は、当該同一バッチの複数の基板10のうち、全ての基板10の膜の特性を全数検査により取得してもよいし、一部の基板10の膜の特性を抜き取り検査により取得してもよい。一例として、膜特性取得部32は、膜の電気特性および表面状態などを全数検査により取得し、膜厚および結晶性などを抜き取り検査により取得してよい。
ステップS5において状態取得部33は、成膜装置2の状態を示す状態データを取得する。状態データは、制御条件データが示す制御条件で成膜装置2が動作した場合の制御対象の実測値(例えば複数の時点で測定された時系列順の実測値、または、或る時点で測定された実測値)を含んでよい。例えば、状態データは、基板10の温度、基板ヒータ201の温度、基板ヒータ201に対する供給電力、基板ヒータ22の各領域別ヒータに対する供給電力のバランス、基板10上面とサセプタ上面との段差Δ2、座ぐり210の内壁と基板10の側周面との間隔Δ1、基板10の反り量、成膜速度、成膜装置2内で成膜前に行われた前処理の内容、成膜装置2への投入前に基板10に施された処理の内容、ガスバブラー231の温度、ガスバブラー231の圧力、ガスバブラー231における有機金属の蒸気圧、ガスバブラー231に対するバブリングガスの供給量、成膜チャンバ20の圧力、開閉バルブ240の開度、および、サセプタ200の回転速度のうち少なくとも1つに関するデータを含んでよい。このうち、基板ヒータ201の温度は、熱電対により測定されてよい。基板10の温度は、成膜チャンバ20内、または外に配置される放射温度計により測定されてよい。あるいは基板10の温度は、基板10のバンド端吸収や透過スペクトルをもとに測定、算出されてよい。基板10の反り量は、基板10の側周部と中央部との高低差でよく、基板10に対する熱処理などに起因して生じ得る。成膜速度は、単位時間当たりに成膜された膜厚であり、光干渉法により測定されてよい。成膜装置2内で成膜前に行われた前処理の内容は、例えば前処理として基板10に施されたアニール処理の温度、アニール時間、および、成膜チャンバ20内に満たされたガスの種類の少なくとも1つでよい。成膜装置2への投入前に基板10に施された処理内容は、一例として基板10の洗浄処理の内容であってよい。成膜チャンバ20の圧力は、成膜チャンバ20内に配置される真空ゲージ(例えばピラニゲージやバラトロン)により測定されてよい。状態データは、成膜装置2に対するメンテナンス後の総成膜時間(いわゆるキャンペーンの開始からの経過時間)、下地面の特性(一例として基板10の特性)を含んでもよい。なお、状態取得部33は、基板温度に関する状態データを各基板10について取得してもよいし、一部の基板10について取得してもよい。
また、状態データは、成膜装置2の運転履歴を示す運転履歴データを含んでもよい。運転履歴データは、成膜装置2に行われたメンテナンスの回数および内容(一例として或る部品を交換,洗浄したなど)の少なくとも1つに関するデータ、成膜装置2の少なくとも1つの部品の使用回数に関するデータ、メンテナンス時にガスバブラー231にチャージした原材料の重量、成膜装置2の成膜回数に関するデータ、および過去に形成した膜に関するデータの少なくとも1つを含んでよい。メンテナンスの回数および内容の少なくとも1つに関するデータはメンテナンスの履歴を示すデータでよい。成膜回数に関するデータは、メンテナンス後の成膜回数でもよいし、メンテナンスとは無関係に通算した成膜回数でもよい。過去に形成した膜に関するデータは、過去に成膜した膜の種類,特性などを示す履歴データでよい。これらの運転履歴データは、成膜チャンバ20の内部における原料の付着状態、ひいては各部材の熱容量、熱伝導の状態に関連し得る。
なお、ステップS1,S3,S5の処理は、この順番で行われなくてもよい。また、図4の学習処理が複数回行われる場合に、一部の学習処理ではステップS3およびステップS5の一方の処理が省略されてよく、他の一部の学習処理では他方の処理が省略されてよい。
ステップS7において学習処理部34は、取得された制御条件データ、膜特性データおよび状態データを含む学習データを用いてモデル35の学習処理を実行する。ステップS3の処理が行われていない場合には、学習処理部34は、膜特性データを含まない学習データを用いてモデル35の学習処理を実行してよい。ステップS5の処理が行われていない場合には、学習処理部34は、状態データを含まない学習データを用いてモデル35の学習処理を実行してもよいし、前回の成膜動作で取得した状態データを用いて学習処理を実行してもよい。モデル35は、本実施形態では一例としてリカレント型またはタイムディレイ型などのニューラルネットワークであるが、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ロジスティック回帰、および、サポートベクタマシン(SVM)などを含む他の機械学習アルゴリズムであってもよい。例えば、モデル35は、学習データの各要素に対応するノードを入力層に含み、推奨する制御条件の各要素に対応するノードを出力層に含んでよい。学習データの1つの要素に対する入力層のノードは1つでもよいし複数でもよい。入力層および出力層の間には、1または複数のノードを含む中間層(隠れ層)が介在してよい。学習処理部34は、ノード間をつなぐエッジの重み、および、出力ノードのバイアス値を調整することで学習処理を実行してよい。
以上の動作によれば、目標とする膜特性を入力することで、推奨される制御条件が出力されるモデル35を生成することができる。また、状態データは運転履歴データを含むので、目標膜特性の膜を作るためのより正確な制御条件を得ることができる。また、運転履歴データは、メンテナンスの回数および内容の少なくとも1つに関するデータを含むので、メンテナンスの回数,内容と膜特性との関係をモデル35に学習させることができる。なお、このような効果を得る観点からは、膜特性データはメンテナンスが2回以上行われた成膜装置2により成膜された膜から取得されることが好ましい。
なお、ステップS1〜S7の処理によるモデル35の学習を複数回行う場合には、ステップS1,S3,S5で取得される制御条件データ、膜特性データおよび状態データに含まれる要素の種類は少なくとも一部の回で異なってよく、ステップS7の学習処理では異なる要素の学習データで学習処理が行われてよい。例えば、N回(但しNは2以上の自然数)の学習が行われる場合に、1回目からM回目(但しMはNより小さい自然数)の学習データには制御条件データ、膜特性データおよび状態データにおける要素(c,c,…c)が含まれ、M+1回目からN回目の学習データには制御条件データ、膜特性データまたは状態データにおける新たな要素(cn+1)が追加されてよい。この場合には、M+1回目以降の学習においては要素(cn+1)を含む学習データを用いて学習処理が行われてよい。また、M回目以前の学習データには元々は要素(cn+1)が含まれていないため、これらの各学習データにはランダム値を持つ要素(cn+1)が追加されてよい。これにより、学習データにおける要素(c,c,…c)同士の関係についてはM回目までの学習結果を有効に利用することができる。また、要素(cn+1)の値をランダム値とすることで、要素(cn+1)の値が他の要素(c,c,…c)に与える影響を無くすことができる。
[3−2.化合物半導体の製造]
図5は、化合物半導体の製造方法を示す。まず、ステップS11においてオペレータが基板10を準備する。例えばオペレータは基板10を成膜装置2の成膜チャンバ20内にセットする。ステップS13においてオペレータは、化合物半導体に含まれるべき複数の膜を基板10上に積層する。これにより、基板10上に複数の膜が積層された化合物半導体が製造される。
[3−2−1.モデルを用いた成膜]
図6は、モデル35を用いた成膜方法を示す。システム1は、上述のステップS13の処理においては、積層する複数の膜のうち、少なくとも1つの膜をステップS21〜S27の処理により成膜してよい。
ステップS21において目標膜特性取得部36は成膜対象の膜について、目標とする膜特性を示す目標膜特性データを取得し、ステップS23において目標膜特性供給部37は目標膜特性データをモデル35に供給する。これにより、モデル35から成膜装置2の制御条件に関する推奨制御条件データが出力される。目標膜特性データには、例えば平坦性、電気特性といった物理的特性の他、積層構造(1)、積層構造(2)等の膜構造の種類、あるいはレシピ番号のような識別符号が含まれてよく、目標膜特性データはこのような識別符号で入力されてもよい。
ステップS25において推奨制御条件取得部38はモデル35から出力される推奨制御条件データを取得し、ステップS27において制御部39は、推奨制御条件データが示す制御条件で成膜装置2を動作させる。これにより、目標膜特性、またはこれに近似した膜特性の膜が成膜される。なお、上述のようにして成膜を行う場合には、成膜時の制御条件データ、状態データおよび膜特性データを学習データとしてモデル35に入力して上述の図4の学習処理を行うことにより、モデル35の学習処理をさらに行ってもよい。この場合には、化合物半導体を製造しつつモデル35の学習処理を進めることができる。
[3−3.動作例]
まず、成膜装置2にメンテナンスが行われた場合には、成膜装置2の各部を動作させて状態データを取得し、この状態データと目標膜特性データとをモデル35に入力して得られる推奨制御条件データにより成膜装置2で成膜を行う。これにより、メンテナンス毎に成膜装置2の状態(一例としてガスバブラー231に対する原料のチャージ量、成膜チャンバ20の内壁面やサセプタ21の汚れ具合、および、温度測定用の熱電対の位置など)が異なることに起因して制御条件と膜特性との相関関係が異なる場合に、今回のメンテナンス後のキャンペーンでの相関関係が正確に予想されて、推奨される制御条件データにより成膜が行われる。
そして、以降に成膜を行う場合には現在の成膜装置2の状態データと目標膜特性データとをモデル35に入力して得られる推奨制御条件データにより成膜装置2で成膜を行う。これにより、例えばガスバブラー231内の原料が消費されることに起因して、原料ガスの流量に関する制御条件と、実際の流量との相関関係、ひいては制御条件と膜特性との相関関係が前回の成膜時と異なる場合に、今回の相関関係が正確に予想されて、推奨される制御条件データにより成膜が行われる。また、成膜チャンバ20の内部に原料が付着することに起因して、基板温度に関する制御条件と、実際の基板温度との相関関係、ひいては制御条件と膜特性との相関関係が前回の成膜時と異なる場合に、今回の相関関係が正確に予想されて、推奨される制御条件データにより成膜が行われる。一例として、基板10や基板ヒータ22の温度に関する推奨制御条件は、メンテナンス後の成膜回数に応じて異なるようにモデル35から出力されて成膜に用いられてよい。なお、各成膜時に制御条件データ、状態データおよび膜特性データを学習データとしてモデル35の学習処理を行ってもよい。
[4.化合物半導体の具体例]
製造される化合物半導体は、例えば発光デバイス(一例として波長200〜280nmの紫外線C波光を発生させるLED)に用いられてよい。このような発光デバイスは例えば殺菌灯や、DNAの分析機器に具備される。
図7は、発光デバイス5の層構成を示す。発光デバイス5は、アルミナイトライドの基板10(一例として厚み500μm)上にアルミナイトライドの単結晶層51(一例として厚み500nm)、窒化アルミニウムガリウムのn−層52(一例として厚み500nm)、窒化アルミニウムガリウム(Al0.75GaN)のバリア層530(一例として厚み6nm)および窒化アルミニウムガリウムAl0.55GaNのウェル層531(一例として厚み3nm)を有する5重の量子井戸層53、電子ブロック層(EBL)54(一例として厚み15nm)、組成を連続的に減少させたグレーデッド層55(一例として厚み30nm)、および、窒化ガリウムのp−層56(一例として厚み10nm)を有する。図6の成膜方法によって成膜される膜は、層51〜56の何れの層でもよい。ここで、グレーデッド層55は、正孔の発生層として機能する層であり、アルミニウムの含有量を基板10側から離れるに従い75%から25%に減少させて成膜されている。またp−層56はコンタクト層として機能する。この発光デバイス5では、基板10としてアルミナイトライド基板を用いているため、サファイア基板を用いる場合と異なり、成膜される膜と格子定数を揃え、転位密度を低くすることが可能となる。
なお、上記の実施形態では、学習処理装置3は状態取得部33、目標膜特性取得部36、目標膜特性供給部37、推奨制御条件取得部38、および、制御部39を有することとして説明したが、これらの少なくとも1つを有しないこととしてもよい。学習処理装置3は、状態取得部33を有しない場合には、制御条件データおよび膜特性データを学習データとして用いてモデル35の学習処理を行ってよい。また、目標膜特性取得部36、目標膜特性供給部37、推奨制御条件取得部38、および、制御部39は、学習処理装置3の外部装置(一例として成膜装置2の制御装置)に具備されてよい。
また、学習処理装置3は他の構成を更に有してもよい。例えば、学習処理装置3は、成膜装置2のシミュレーションを行うシミュレータ(図示せず)を有してよい。ここで、シミュレーションとは、成膜装置2内で働く法則を推定・抽出し、これに基づいて挙動を推定することであってよい。この場合、膜特性取得部32および/または状態取得部33は、成膜装置2の制御条件を用いたシミュレーションにより得られる成膜装置2の状態、および/または、成膜される膜の特性を取得して学習処理部34に学習データとして供給してよい。シミュレーションにより得られる成膜装置2の状態には、成膜チャンバ20内に存在するガスの種類、および/またはガスの量を含んでよい。また、シミュレータは、学習処理部34に入力される学習データから、膜特性に影響を与え得る独立変数(説明変数)の学習データを抽出してよく、学習処理部34はシミュレータにより抽出された学習データのみを用いて機械学習を行ってよい。また、学習処理装置3は、目標膜特性データおよび状態データを用いてシミュレータおよびモデル35のそれぞれから推奨制御条件データを取得し、両者を比較することでモデル35の学習精度を評価してよく、学習精度が基準値より高い場合には、モデル35の機械学習を終了してよい。
また、学習処理装置3はモデル35を1つ有することとして説明したが、複数有してもよい。一例として、学習処理装置3は、メンテナンス後の成膜回数ごと、つまりバッチごとにモデル35を有してもよい。この場合には、学習処理部34は、バッチごとにモデル35の学習処理を行ってよい。また、目標膜特性供給部37はオペレータにより指定されるモデル35に目標膜特性データを供給してよい。
また、学習処理装置3は、学習処理によってモデル35を更新することとして説明したが、学習処理により得られたモデル35を、元のモデル35とは別個のモデルとして生成してもよい。この場合、学習処理部34はオペレータにより指定されるモデル35の学習処理を行ってよい。また、目標膜特性供給部37はオペレータにより指定されるモデル35に目標膜特性データを供給してよい。
また、システム1は成膜装置2を1つ備えることとして説明したが、複数備えることとしてもよい。この場合、各成膜装置2から得られる学習データを学習処理部34に供給して学習効率を高めてもよいし、1つの成膜装置2から得られる学習データにより学習処理を行ったモデル35を複数の成膜装置2で共有して製造効率を高めてもよい。
また、成膜装置2を図2の構成として説明したが、他の構成としてもよい。例えば、成膜装置2は、有機金属気相成長装置としての他の構成を有する装置であってもよいし、有機金属気相成長装置とは異なる他の成膜装置であってもよい。
また、モデル35は目標膜特性データおよび状態データの入力に応じて推奨制御条件データを出力することとして説明したが、入力データおよび出力データはこれに限られない。例えば、モデル35は、制御条件データの入力に応じて、当該制御条件データで動作させた成膜装置2によって成膜される膜の膜特性データを出力してよい。また、目標とする膜特性と、実際に成膜された膜の膜特性とが異なる場合に、モデル35は、目標膜特性データおよび実際の膜特性データの入力に応じて、その原因となり得る制御条件を示す制御条件データを出力してもよい。
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図8は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD−ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD−ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD−ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD−ROMドライブ2226(DVD−ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1 システム、2 成膜装置、3 学習処理装置、5 発光デバイス、10 基板、20 成膜チャンバ、21 サセプタ、22 基板ヒータ、23 ガス供給装置、24 プロセスポンプ、31 制御条件取得部、32 膜特性取得部、33 状態取得部、34 学習処理部、35 モデル、36 目標膜特性取得部、37 目標膜特性供給部、38 推奨制御条件取得部、39 制御部、51 単結晶層、52 n−層、53 量子井戸層、55 グレーデッド層、56 p−層、210 座ぐり、211 シャフト、230 ガス源、231 ガスバブラー、232 原料供給口、240 開閉バルブ、201 基板ヒータ、530 バリア層、531 ウェル層、2200 コンピュータ、2201 DVD−ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インタフェース、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD−ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード、2300 ガス供給設備、2301 メインガスライン、2302 ベント用ライン、2303 ガス調整用ライン、2304 バブリングガス供給ライン、2305 原料供給ライン、2306 マスフローコントローラ、2307 開閉バルブ対、2308 開閉バルブ対

Claims (12)

  1. 成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部と、
    前記制御条件データが示す制御条件で動作させた前記成膜装置によって成膜された膜の特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得部と、
    取得された前記制御条件データおよび前記膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する前記成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理部と
    を備える学習処理装置。
  2. 前記成膜装置は有機金属気相成長装置であり、
    前記制御条件データは、
    成膜チャンバ内に供給される原料ガスの量、原料ガスの分圧、前記成膜チャンバ内に供給されるキャリアガスの量、前記成膜チャンバ内に存在するガスの種類、各ガスの分圧比、前記原料ガスを供給するガスバブラーの温度、前記ガスバブラーの圧力、前記ガスバブラーにおける原料の蒸気圧、前記ガスバブラーに対するバブリングガスの供給量、サセプタの回転速度、前記成膜チャンバ内の圧力、基板の温度、基板ヒータの温度、前記基板ヒータに対する供給電力、前記基板ヒータに含まれ前記基板の別々の領域を加熱する複数の領域別ヒータに対する供給電力のバランス、前記成膜チャンバへの供給ガス量のフィードバック制御におけるゲイン、成膜にかける時間、および、前記成膜装置内で成膜前に行われる前処理条件の少なくとも1つに関するデータを含む
    請求項1に記載の学習処理装置。
  3. 前記成膜装置の状態を示す状態データを取得する状態取得部を更に備え、
    前記学習処理部は、取得された前記状態データを更に含む前記学習データを用いて、前記目標膜特性データおよび前記状態データを入力したことに応じて前記推奨制御条件データを出力する前記モデルの学習処理を実行する
    請求項1または2に記載の学習処理装置。
  4. 前記状態データは、前記成膜装置の運転履歴を示す運転履歴データを含む請求項3に記載の学習処理装置。
  5. 前記運転履歴データは、前記成膜装置のメンテナンスの回数および内容の少なくとも1つに関するデータ、前記成膜装置の少なくとも1つの部品の使用回数に関するデータ、前記成膜装置の成膜回数に関するデータ、および過去に形成した膜に関するデータの少なくとも1つを含む請求項4に記載の学習処理装置。
  6. 前記膜特性データは、前記成膜された膜の膜厚、組成、平坦性、電気特性、光学特性、結晶性、表面情報、および、転位密度の少なくとも一つに関するデータを含み、
    前記表面情報は、前記成膜された膜の光学顕微鏡写真から得られる情報を含む
    請求項1〜5の何れか一項に記載の学習処理装置。
  7. 前記成膜装置は、Al、Ga、In、C、Si、Sn、B、Mg、Zn、Cd、Hg、N、As、Sb、O、S、Se、Te、Fe、Eu、Er、および、Prの少なくとも1つを含む膜を成膜する請求項1から6のいずれか一項に記載の学習処理装置。
  8. 目標とする膜の特性を示す前記目標膜特性データを取得する目標膜特性取得部と、
    前記目標膜特性データを前記モデルに供給する目標膜特性供給部と、
    前記目標膜特性データを前記モデルに供給したことに応じて前記モデルが出力する前記推奨制御条件データを取得する推奨制御条件取得部と、
    前記成膜装置を、前記推奨制御条件データが示す制御条件で動作させる制御部と
    を更に備える請求項1から7のいずれか一項に記載の学習処理装置。
  9. 成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得段階と、
    前記制御条件データが示す制御条件で動作させた前記成膜装置によって成膜された膜の特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得段階と、
    取得された前記制御条件データおよび前記膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する前記成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理段階と
    を備える学習処理方法。
  10. 目標とする膜の特性を示す前記目標膜特性データを取得する目標膜特性取得段階と、
    前記目標膜特性データを前記モデルに供給する目標膜特性供給段階と、
    前記目標膜特性データを前記モデルに供給したことに応じて前記モデルが出力する前記推奨制御条件データを取得する推奨制御条件取得段階と、
    前記成膜装置を、前記推奨制御条件データが示す制御条件で動作させる制御段階と
    を更に備える請求項9に記載の学習処理方法。
  11. 基板を準備する準備段階と、
    化合物半導体に含まれるべき複数の膜を前記基板上に積層する積層段階と
    を備え、
    前記積層段階において、請求項10に記載の学習処理方法を用いて前記成膜装置を動作させて、前記複数の膜のうち少なくとも1つの膜を成膜する
    化合物半導体の製造方法。
  12. コンピュータを、
    成膜装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部と、
    前記制御条件データが示す制御条件で動作させた前記成膜装置によって成膜された膜の特性を示す膜特性データを取得する膜特性取得部と、
    取得された前記制御条件データおよび前記膜特性データを含む学習データを用いて、目標とする膜の特性を示す目標膜特性データを入力したことに応じて推奨する前記成膜装置の制御条件を示す推奨制御条件データを出力するモデルの学習処理を実行する学習処理部
    として機能させるプログラム。
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