JP7429116B2 - 装置、方法およびプログラム - Google Patents

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本発明は、装置、方法およびプログラムに関する。
従来、有機金属気相成長装置などの成膜装置を用いて半導体デバイスを製造する場合には、所望の特性の半導体デバイスを得るために、熟練したオペレータの試行錯誤によって好ましい構成を見出している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 中国特許出願公開第106521459号明細書
しかしながら、試行錯誤によって構成を特定するのは効率が悪い。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、装置が提供される。装置は、半導体デバイスの構成を示す構成データを取得する構成取得部を備えてよい。装置は、半導体デバイスの特性を示す特性データを取得する特性取得部を備えてよい。装置は、取得された構成データおよび特性データを含む学習データを用いて、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを入力したことに応じて推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データを出力する第1モデルの学習処理を実行する第1学習処理部を備えてよい。
本発明の第2の態様においては、装置が提供される。装置は、半導体デバイスの構成を示す構成データを取得する構成取得部を備えてよい。装置は、半導体デバイスの特性を示す特性データを取得する特性取得部を備えてよい。装置は、半導体デバイスの製造装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部を備えてよい。装置は、取得された構成データ、特性データおよび制御条件データを含む学習データを用いて、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを入力したことに応じて、推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データ、および、推奨する制御条件を示す推奨制御条件データの少なくとも一方を出力する第3モデルの学習処理を実行する第3学習処理部を備えてよい。
本発明の第3の態様においては、装置が提供される。装置は、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを取得する目標特性取得部を備えてよい。装置は、目標特性データを入力したことに応じて推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データを出力する第1モデルに対し、目標特性取得部により取得された目標特性データを供給する第1供給部を備えてよい。装置は、目標特性データを第1モデルに供給したことに応じて第1モデルが出力する推奨構成データを取得する推奨構成取得部を備えてよい。
本発明の第4の態様においては、装置が提供される。装置は、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを取得する目標特性取得部を備えてよい。装置は、目標特性データを入力したことに応じて、推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データ、および、推奨する制御条件を示す推奨制御条件データの少なくとも一方を出力する第3モデルに対して、目標特性取得部により取得された目標特性データを供給する第1供給部を備えてよい。装置は、目標特性データを第3モデルに供給したことに応じて第3モデルが出力する推奨構成データ、および、推奨制御条件データの少なくとも一方を取得する取得部を備えてよい。
本発明の第5の態様においては、方法が提供される。方法は、半導体デバイスの構成を示す構成データを取得する構成取得段階を備えてよい。方法は、半導体デバイスの特性を示す特性データを取得する特性取得段階を備えてよい。方法は、取得された構成データおよび特性データを含む学習データを用いて、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを入力したことに応じて推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データを出力する第1モデルの学習処理を実行する第1学習処理段階を備えてよい。
本発明の第6の態様においては、方法が提供される。方法は、半導体デバイスの構成を示す構成データを取得する構成取得段階を備えてよい。方法は、半導体デバイスの特性を示す特性データを取得する特性取得段階を備えてよい。方法は、半導体デバイスの製造装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得段階を備えてよい。方法は、取得された構成データ、特性データおよび制御条件データを含む学習データを用いて、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを入力したことに応じて、推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データ、および、推奨する制御条件を示す推奨制御条件データの少なくとも一方を出力する第3モデルの学習処理を実行する第3学習処理段階を備えてよい。
本発明の第7の態様においては、方法が提供される。方法は、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを取得する目標特性取得段階を備えてよい。方法は、目標特性データを入力したことに応じて推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データを出力する第1モデルに対し、目標特性取得段階により取得された目標特性データを供給する第1供給段階を備えてよい。方法は、目標特性データを第1モデルに供給したことに応じて第1モデルが出力する推奨構成データを取得する推奨構成取得段階を備えてよい。
本発明の第8の態様においては、方法が提供される。方法は、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを取得する目標特性取得段階を備えてよい。方法は、目標特性データを入力したことに応じて、推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データ、および、推奨する制御条件を示す推奨制御条件データの少なくとも一方を出力する第3モデルに対して、目標特性取得段階により取得された目標特性データを供給する第1供給段階を備えてよい。方法は、目標特性データを第3モデルに供給したことに応じて第3モデルが出力する推奨構成データ、および、推奨制御条件データの少なくとも一方を取得する取得段階を備えてよい。
本発明の第9の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、半導体デバイスの構成を示す構成データを取得する構成取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、半導体デバイスの特性を示す特性データを取得する特性取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、取得された構成データおよび特性データを含む学習データを用いて、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを入力したことに応じて推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データを出力する第1モデルの学習処理を実行する第1学習処理部として機能させてよい。
本発明の第10の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、半導体デバイスの構成を示す構成データを取得する構成取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、半導体デバイスの特性を示す特性データを取得する特性取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、半導体デバイスの製造装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、取得された構成データ、特性データおよび制御条件データを含む学習データを用いて、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを入力したことに応じて、推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データ、および、推奨する制御条件を示す推奨制御条件データの少なくとも一方を出力する第3モデルの学習処理を実行する第3学習処理部として機能させてよい。
本発明の第11の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを取得する目標特性取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、目標特性データを入力したことに応じて推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データを出力する第1モデルに対し、目標特性取得部により取得された目標特性データを供給する第1供給部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、目標特性データを第1モデルに供給したことに応じて第1モデルが出力する推奨構成データを取得する推奨構成取得部として機能させてよい。
本発明の第12の態様においては、プログラムが提供される。プログラムは、コンピュータを、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを取得する目標特性取得部と、として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、目標特性データを入力したことに応じて、推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データ、および、推奨する制御条件を示す推奨制御条件データの少なくとも一方を出力する第3モデルに対して、目標特性取得部により取得された目標特性データを供給する第1供給部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、目標特性データを第3モデルに供給したことに応じて第3モデルが出力する推奨構成データ、および、推奨制御条件データの少なくとも一方を取得する取得部として機能させてよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本実施形態に係る装置1を示す。 成膜装置2の一例を示す。 ガス供給設備2300を示す。 装置1の動作を示す。 第1学習処理を示す。 第2学習処理を示す。 製造処理を示す。 第1モデル104を用いた成膜方法を示す。 第2モデル109を用いた成膜方法を示す。 半導体デバイス5の層構成を示す。 変形例に係る装置1Aを示す。 変形例に係る装置1Bを示す。 本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[1.装置]
図1は、本実施形態に係る装置1を示す。装置1は、半導体デバイス5(図10参照)の製造に関して機械学習による学習処理を行うものであり、構成取得部101と、特性取得部102と、第1学習処理部103と、第1モデル104と、制御条件取得部105と、状態取得部107と、第2学習処理部108と、第2モデル109と、報知部100とを備える。また、本実施形態では一例として装置1は、第1モデル104および/または第2モデル109を用いて半導体デバイス5を製造可能となっており、製造部110と、目標特性取得部111と、第1供給部112と、推奨構成取得部113と、第2供給部115と、推奨制御条件取得部116と、制御部117と、判定部118とを有する。
[1-1.半導体デバイス]
半導体デバイス5は、発光装置であってよく、本実施形態では一例としてLEDであるが、LDなどの他の発光装置であってもよい。半導体デバイス5は、深紫外領域の波長で発光してよい。半導体デバイス5は、少なくとも1つの層を有してよい。半導体デバイス5は、電極層を含んでもよい。
[1-2.構成取得部]
構成取得部101は、半導体デバイス5の構成を示す構成データを取得する。構成取得部101は、製造部110で製造された半導体デバイス5の構成データを取得してよい。半導体デバイス5の構成は、半導体デバイス5に含まれる層の数、各層の膜厚、各層の組成、各層の不純物濃度、および、基板の材料の少なくとも1つであってよい。製造部110で製造される半導体デバイス5が電極層を含む場合には、半導体デバイス5の構成は当該電極層についての情報をさらに含んでよい。構成データは各構成について構成パラメータを含んでよい。なお、組成とは、構成元素の組成比でもよいし、格子定数でもよい。組成は、面内方向および/または膜厚方向での変化を示すプロファイルを含んでもよい。不純物は、n型やp型のドーパントであってもよいし、その他の不純物であってもよい。構成取得部101は構成データを、オペレータ、製造部110(一例として製造部110に含まれる後述の成膜装置2)、制御部117、および、構成を計測するための計測装置(図示せず)の少なくとも1つから取得してよい。製造部110や制御部117から取得される構成データは、半導体デバイス5の設計データであってよい。計測装置から取得される構成データは、製造後の半導体デバイス5の測定データであってよい。計測装置は製造部110の内部に配置されてもよいし、外部に配置されてもよい。構成取得部101は、取得した構成データを第1学習処理部103および第2学習処理部108に供給してよい。
[1-3.特性取得部]
特性取得部102は、半導体デバイス5の特性を示す特性データを取得する。特性取得部102は、製造部110で製造された半導体デバイス5の特性データを取得してよい。半導体デバイス5の特性は発光強度(一例としてピーク強度、積分強度)や発光スペクトル、発光ピーク波長、マルチピークの有無、リーク電流量(I-V特性)、Droop(電流増加に対する効率低下率)、発光スペクトルの半値幅、色温度、発光効率、発熱性、応答性、指向性、温度依存性、寿命、および、駆動電圧の少なくとも1つであってよい。特性データは各特性について特性パラメータを含んでよい。
特性取得部102は特性データを、オペレータ、および、特性を計測するための計測装置(図示せず)の少なくとも1つから取得してよい。計測装置は製造部110の内部に配置されてもよいし、外部に配置されてもよい。特性取得部102は、取得した特性データを第1学習処理部103および第2学習処理部108に供給してよい。
[1-4.第1学習処理部]
第1学習処理部103は、入力される学習データを用いて、第1モデル104の学習処理を実行する。第1学習処理部103で用いられる学習データは、構成取得部101および特性取得部102から取得された構成データおよび特性データを含んでよい。第1学習処理部103は、学習処理に用いた学習データを蓄積記憶してよい。
第1学習処理部103は、特性データに含まれる少なくとも1つの特性パラメータと、構成データに含まれる少なくとも1つの構成パラメータとの相関を検出する第2検出部1031を有してよい。第2検出部1031は、特性データに含まれる複数の特性パラメータのうち、オペレータによって指定される指定特性パラメータと、構成データに含まれる少なくとも1つの構成パラメータとの相関を検出してよい。第2検出部1031は、指定特性パラメータに対する相関が高い順に、構成データに含まれる複数の構成パラメータを出力してよい。これにより、任意の特性パラメータと相関のある構成パラメータをオペレータが容易に把握し、当該特性パラメータで示される特性に優れた構成の半導体デバイス5を取得することができる。
[1-5.第1モデル]
第1モデル104は、目標とする半導体デバイス5の特性を示す目標特性データを入力したことに応じて推奨する半導体デバイス5の構成を示す推奨構成データを出力する。目標特性データは、特性パラメータごとの目標値を含んでもよいし、少なくとも1つの特性パラメータについて目標範囲を含んでもよい。第1モデル104は、少なくとも1つの構成パラメータの値を構成データとして含む複数の学習データを用いて学習処理が実行されてよく、一の目標特性データを供給したことに応じて複数の推奨構成データを出力してよい。これら複数の推奨構成データは、推奨する半導体デバイス5の構成を示す少なくとも1つの推奨構成パラメータの値をそれぞれ含んでよい。
なお、第1モデル104は、装置1の外部のサーバに格納されてもよい。第1モデル104は、推奨構成データを推奨構成取得部113に出力するが、装置1の外部に出力してもよい。
[1-6.制御条件取得部]
制御条件取得部105は、製造部110の制御条件を示す制御条件データを取得する。なお、製造部110の制御条件は、詳細は後述するものの、制御部117を介して設定可能な条件であってよい。制御条件データで示される制御条件は、半導体デバイス5の構成によって定まる条件とは異なる条件を含んでもよいし、構成によって大まかに定まる条件をより詳細に定める条件を含んでもよい。
制御条件取得部105は制御条件データを、オペレータ、製造部110および制御部117の少なくとも1つから取得してよい。制御条件取得部105は、取得した制御条件データを第2学習処理部108に供給してよい。
[1-7.状態取得部]
状態取得部107は、製造部110の状態を示す状態データを取得する。状態取得部107は状態データを、オペレータおよび製造部110の少なくとも1つから取得してよい。また状態取得部107は、製造部110の設置された環境の温度や湿度などを、状態データとして取得してもよい。状態取得部107は、取得した状態データを第2学習処理部108および第2供給部115に供給してよい。
[1-8.第2学習処理部]
第2学習処理部108は、入力される学習データを用いて第2モデル109の学習処理を実行する。第2学習処理部108で用いられる学習データは、特性取得部102、構成取得部101および制御条件取得部105から取得された特性データ、構成データおよび制御条件データを含んでよい。この学習データは、状態取得部107から取得された状態データをさらに含んでもよい。第2学習処理部108は、学習処理に用いた学習データを蓄積記憶してよい。
[1-9.第2モデル]
第2モデル109は、目標特性データおよび推奨構成データを入力したことに応じて推奨する制御条件を示す推奨制御条件データを出力する。第2モデル109は、目標特性データおよび推奨構成データに加えて、さらに状態データを入力したことに応じて推奨制御条件データを出力してもよい。なお、第2モデル109は、装置1の外部のサーバに格納されてもよい。第2モデル109は、推奨制御条件データを推奨制御条件取得部116に出力するが、装置1の外部に出力してもよい。
[1-10.報知部]
報知部100は、第1モデル104の学習処理に用いられた複数の学習データの数が第2の基準個数より少ない場合に、その旨を報知する。報知部100は、第2モデル109の学習処理に用いられた複数の学習データの数が第2の基準個数より少ない場合にも、その旨を報知してよい。報知部100は、第1学習処理部103や第2学習処理部108に蓄積記憶された学習データを参照して、学習処理に用いられた学習データの数を検出してよい。
[1-11.製造部]
製造部110は、半導体デバイス5の製造装置であり、推奨構成データで示される構成の半導体デバイス5を製造する。製造部110は、推奨制御条件データを用いて半導体デバイス5を製造してよい。製造部110は、成膜装置2を有してよい。成膜装置2は、MOCVDなどの気相成長法によって成膜を行ってもよいし、分子線エピタキシー法やスパッタ法など他の手法によって成膜を行ってもよい。半導体デバイス5が窒化物半導体層を備えた発光デバイスである場合、窒化物半導体層の結晶性やキャリア濃度の制御性、製造安定性、などの観点から、成膜装置2はMOCVD装置であることが好ましい。製造部110は、制御部117によって制御されてよい。
[1-12.目標特性取得部]
目標特性取得部111は、目標とする半導体デバイス5の特性を示す目標特性データを取得する。目標特性取得部111は目標特性データを、オペレータから取得してよい。目標特性取得部111は、取得した目標特性データを第1供給部112および第2供給部115に供給してよい。
[1-13.第1供給部]
第1供給部112は、目標特性取得部111により取得された目標特性データを第1モデル104に供給する。
[1-14.推奨構成取得部]
推奨構成取得部113は、目標特性データを第1モデル104に供給したことに応じて第1モデル104が出力する推奨構成データを取得する。推奨構成取得部113は、取得した推奨構成データを制御部117および第2供給部115に供給してよい。推奨構成取得部113は、算出部1131、ランダム構成取得部1132、補間構成取得部1133、第1検出部1134および第1抽出部1135を有してよい。
算出部1131は、第2算出部の一例であり、学習処理に用いられた複数の学習データ(本実施形態では一例として学習処理に用いられた全ての学習データ)のそれぞれについて、これら複数の学習データのうち、当該学習データに含まれる構成データで示される構成に対する近似度が基準範囲内の構成を示す構成データを含む構成近似学習データの個数を算出する。例えば、算出部1131は、学習処理に用いられた複数の学習データのそれぞれについて、当該複数の学習データのうち、構成データ同士の近似度が基準範囲内である他の学習データの個数を構成近似学習データの数として算出してよい。
算出部1131は、第1学習処理部103に蓄積記憶された学習データを参照し、第1学習処理部103が学習データを取得する毎に、各学習データについて構成近似学習データの個数を算出し直してよい。算出部1131は、学習データ毎の構成近似学習データの個数を補間構成取得部1133に供給してよい。
ここで、構成データ同士の近似度(構成同士の近似度とも称する)とは、一の構成データと他の構成データとの間での構成パラメータ毎の差異の総和であってもよいし、構成パラメータ毎の差異の平均値、中央値または最頻値であってもよい。算出部1131で用いられる基準範囲は、第2の基準範囲の一例であり、任意の範囲であってよい。
ランダム構成取得部1132は、学習処理に用いられた複数の学習データの数が第1の基準個数よりも少ない場合に、ランダムな内容の推奨構成データを取得する。ランダムな内容の推奨構成データとは、第1モデル104が出力する推奨構成データとは無関係な内容であってよい。ランダム構成取得部1132は、第1モデル104を用いずに自身でランダムに推奨構成データを決定してもよいし、他の構成で生成されたランダムな推奨構成データを取得してもよい。「他の構成で生成された」推奨構成データは、例えば実験計画法に基づく適切なデータであってよい。実験計画法では、直交の概念を用いて推奨構成データを出力してよく、出力の順番はランダムでよい。ランダム構成取得部1132は、学習データの数が第1の基準個数よりも少ないか否かの判定結果を判定部118から取得してよい。ランダム構成取得部1132は、取得した推奨構成データを制御部117に供給してよい。なお、第1の基準個数は任意の値であってよい。
補間構成取得部1133は、構成近似学習データの個数が最も少ない基準数の学習データのうち何れか2つの構成データを補間して得られる構成データを推奨構成データとして取得する。2つの構成データを補間するとは、構成パラメータ毎に、一の構成データ内の値と他の構成データ内の値との間の値をとって新たな構成データを生成することであってよい。補間構成取得部1133は、第1学習処理部103に蓄積記憶された学習データを参照して何れか2つの構成データを補間して推奨構成データを生成してよい。補間構成取得部1133は、学習処理に用いられた複数の学習データの数が第1の基準個数よりも多く第2の基準個数より少ない場合に推奨構成データを取得してよい。補間構成取得部1133は、学習データの数と、第1の基準個数および第2の基準個数のそれぞれとの大小の判定結果を判定部118から取得してよい。補間構成取得部1133は、取得した推奨構成データを制御部117に供給してよい。
なお、基準数は、任意の値であってよい。第2の基準個数は、第1の基準個数より大きい任意の値であってよい。
第1検出部1134は、学習データの構成データに含まれる構成パラメータについて、学習処理に用いられた複数の学習データ内での当該構成パラメータの分布範囲を検出する。分布範囲は、構成パラメータの最大値と最小値とで囲まれる範囲であってよい。構成データに複数の構成パラメータが含まれる場合には、第1検出部1134は、当該複数の構成パラメータのそれぞれについて、複数の学習データ内での当該構成パラメータの値の分布範囲を検出してよい。第1検出部1134は、検出した構成パラメータ毎の分布範囲を第1抽出部1135に供給してよい。
第1抽出部1135は、第1モデル104に一の目標特性データを供給して複数の推奨構成データが取得される場合に、これらの推奨構成データのうち、第1検出部1134で検出された分布範囲内に含まれる値の推奨構成パラメータのみを含む推奨構成データを抽出する。例えば、各構成データに2つの構成パラメータが含まれる場合に、一の推奨構成データにおいて第1の推奨構成パラメータが第1の構成パラメータの分布範囲に含まれ、第2の推奨構成パラメータが第2の構成パラメータの分布範囲に含まれる場合には、第1抽出部1135は、当該一の推奨構成データを抽出する。また、他の推奨構成データにおいて第1の推奨構成パラメータが第1の構成パラメータの分布範囲に含まれ、第2の推奨構成パラメータが第2の構成パラメータの分布範囲に含まれない場合には、第1抽出部1135は、当該他の推奨構成データを抽出しない。
第1抽出部1135は、各推奨構成データにおいて何れかの推奨構成パラメータの値が分布範囲内に含まれない場合、つまり、分布範囲内に含まれる値の推奨構成パラメータのみを含む推奨構成データが存在しない場合には、複数の推奨構成データから、分布範囲内に含まれる推奨構成パラメータの数が多い順に少なくとも1つの推奨構成データを抽出する。例えば、各構成データに複数の構成パラメータが含まれる場合に、第1の推奨構成データでは1つの推奨構成パラメータが該当の構成パラメータの分布範囲に含まれており、第2の推奨構成データでは各推奨構成パラメータが該当の構成パラメータの分布範囲に含まれていないときには、第1抽出部1135は、第1の推奨構成データを抽出してよい。第1抽出部1135は、抽出した推奨構成データを制御部117に供給してよい。本実施形態では一例として、第1抽出部1135は、単一の推奨構成データを抽出して制御部117に供給してよい。
[1-15.第2供給部]
第2供給部115は、目標特性取得部111により取得された目標特性データと、推奨構成取得部113により取得された推奨構成データとを第2モデル109に供給する。第2供給部115は、状態取得部107により取得された状態データも第2モデル109に供給してよい。
[1-16.推奨制御条件取得部]
推奨制御条件取得部116は、目標特性データおよび推奨構成データを第2モデル109に供給したことに応じて第2モデル109が出力する推奨制御条件データを取得する。推奨制御条件取得部116は、さらに状態データを第2モデル109に供給したことに応じて第2モデル109が出力する推奨制御条件データを取得してもよい。推奨制御条件取得部116は、取得した推奨制御条件データを制御部117に供給してよい。
[1-17.制御部]
制御部117は、構成データおよび/または制御条件データに従って製造部110を動作させ、構成データで示される構成の半導体デバイス5を製造させる。例えば制御部117は、製造部110に推奨制御条件データおよび推奨構成データを供給することで、当該推奨制御条件データおよび推奨構成データに従って製造部110を動作させてよい。
なお、構成データに従って製造部110を動作させるとは、例えば、構成データで示される層の数、各層の膜厚、各層の組成、および/または、各層の不純物濃度が実現されるように製造部110を動作させることであってよい。制御条件データに従って製造部110を動作させるとは、制御条件データが示す制御条件で製造部110を動作させることであってよい。
[1-18.判定部]
判定部118は、特性取得部102によって取得された特性データと、目標特性取得部111によって取得された目標特性データとの差異が許容範囲内であるか否かを判定する。本実施形態では一例として、判定部118は、差異が第1許容範囲内であるか否かと、第1許容範囲より狭い第2許容範囲内であるか否かとを判定してよい。
判定部118は、差異が第1許容範囲内である場合には、第1学習処理部103による第1モデル104の学習処理をディセーブルしてよく、本実施形態においては一例として、第1学習処理部103にディセーブル信号を供給してよい。これにより、製造部110および第1学習処理部103は、特性データと目標特性データとの差異が第1許容範囲外である場合に、目標特性データを第1モデル104に供給して取得される推奨構成データで示される構成の半導体デバイス5の製造と、製造された半導体デバイス5の特性データを含む学習データを用いた第1モデル104の学習処理とを繰り返してよい。
判定部118は、差異が第2許容範囲内である場合には、第2学習処理部108による第2モデル109の学習処理をディセーブルしてよく、本実施形態においては一例として、第2学習処理部108にディセーブル信号を供給してよい。これにより、製造部110および第2学習処理部108は、特性データと目標特性データとの差異が第2許容範囲外である場合に、目標特性データ、推奨構成データおよび状態データを第2モデル109に供給して取得される推奨制御条件データで示される構成の半導体デバイス5の製造と、製造された半導体デバイス5の特性データを含む学習データを用いた第2モデル109の学習処理とを繰り返してよい。
なお、差異の第1許容範囲および第2許容範囲は任意に設定されてよい。特性データおよび目標特性データが特性パラメータを複数有する場合には、判定部118は、各特性パラメータの差異の平均値が第1許容範囲,第2許容範囲内であるか否かを判定してよい。
判定部118は、特性データと、目標特性データとの差異が許容範囲内であるか否かの判定を、学習処理に用いられた複数の学習データの数が第2の基準個数より多い場合に行ってよい。本実施形態では一例として、判定部118は、第1学習処理部103に蓄積記憶された学習データの数を参照し、学習データの数と、第1の基準個数および第2の基準個数のそれぞれとの大小を判定してよい。判定部118は、判定結果を推奨構成取得部113のランダム構成取得部1132や補間構成取得部1133に供給してよい。
以上の装置1によれば、目標特性データを入力したことに応じて推奨構成データを出力する第1モデル104の学習処理が、半導体デバイス5の構成データおよび特性データを含む学習データを用いて実行される。従って、熟練した作業者による試行錯誤を必要とせずに、目標特性を有する半導体デバイス5の構成を取得することができる。
また、状態データ、目標特性データおよび推奨構成データを入力したことに応じて推奨制御条件データを出力する第2モデル109の学習処理が、特性データ、構成データおよび制御条件データを含む学習データを用いて実行されるので、目標の特性を有する半導体デバイス5の構成をより確実に取得することができる。
また、第1モデル104および/または第2モデル109の学習処理に用いられた学習データの数が第2の基準個数より少ない場合には、その旨が報知されるので、報知を受けたオペレータの操作に応じて学習データを取得させて第1モデル104や第2モデル109の学習処理を実行させることができる。従って、学習が不十分な場合に学習データを補充して学習処理を実行させることができる。
また、推奨構成データで示される構成の半導体デバイス5が製造されて、その構成データおよび特性データが取得され、これらの構成データおよび特性データを含む学習データを用いて第1モデル104の学習処理が実行されるので、第1モデル104の学習処理と半導体デバイス5の製造とを繰り返すことができる。従って、第1モデル104の学習精度を高め、目標特性を有する半導体デバイス5の構成をより確実に取得することができる。
また、学習処理に用いられた複数の学習データの数が第1の基準個数よりも少ない場合にはランダムな内容の推奨構成データが取得されるので、学習の初期段階には、構成近似学習データの個数とは無関係に、偏りなく推奨構成データを取得することができる。また、学習データの数が第1の基準個数よりも多く第2の基準個数よりも少ない場合には、構成近似学習データの個数が少ない何れか2つの構成データを補間して得られる構成データが推奨構成データとして取得されるので、学習が進んだ段階では、学習が十分にされていない構成を示す推奨構成データを取得することができる。
また、取得された特性データと目標特性データとの差異が第1許容範囲外である場合に、半導体デバイス5の製造と、第1モデル104の学習処理とが繰り返されるので、目標特性を有する半導体デバイス5の構成をより確実に取得することができる。同様に、取得された特性データと目標特性データとの差異が第2許容範囲外である場合に、半導体デバイス5の製造と、第2モデル109の学習処理とが繰り返されるので、目標特性を有する半導体デバイス5の構成をより確実に取得することができる。
また、一の目標特性データを供給したことに応じて第1モデル104から取得される複数の推奨構成データのうち、構成パラメータの分布範囲内に含まれる値の推奨構成パラメータのみを含む推奨構成データが抽出されるので、全ての推奨構成パラメータが学習範囲内に含まれる推奨構成データが抽出される。従って、学習範囲外の突飛な構成パラメータを含む推奨構成データを除外して、学習範囲内の推奨構成データを取得することができる。
また、各推奨構成データにおいて何れかの推奨構成パラメータの値が分布範囲に含まれない場合には、分布範囲に含まれる推奨構成パラメータの数が多い順に少なくとも1つの推奨構成データが抽出されるので、各推奨構成データが学習範囲内に含まれない場合であっても、学習範囲に近い構成の推奨構成データを取得することができる。
また、特性データに含まれる少なくとも1つの特性パラメータと、構成データに含まれる少なくとも1つの構成パラメータとの相関が検出されるので、特性パラメータと構成パラメータとの未知の相関を発見し、より適切な構成の半導体デバイス5を取得することができる。
[2.成膜装置]
図2は、成膜装置2の一例を示す。例えば成膜装置2は有機金属気相成長装置であり、基板50上にAl、Ga、In、C、Si、Sn、B、Mg、Zn、Cd、Hg、N、As、Sb、O、S、Se、Te、Fe、Eu、Er、および、Prの少なくとも1つを含む1または複数の膜を成膜する。一例として、基板50はAl、GaおよびNの少なくとも1つを含む化合物半導体基板(一例としてアルミニウムナイトライド)またはサファイア基板であってよく、直径2インチ(50.8mm)、厚さ0.5mmの円板状であってよい。成膜される膜はn型半導体層、アンドープ半導体層、p型半導体層のいずれでもよいし、例えばδドープのように不均一なドープ層(変調ドープ層)であってもよいし、これらの何れかの積層体であってもよい。基板50と基板50上に成膜される膜との間、および、上下に隣接する膜同士の間では、それぞれ格子定数が違っていてよい。成膜装置2は、成膜チャンバ20、サセプタ21、基板ヒータ22、ガス供給装置23、および、プロセスポンプ24を有する。
[2-1.成膜チャンバ]
成膜チャンバ20は、内部に保持する基板50に成膜を行うための密閉された反応容器である。成膜チャンバ20は一例として筐体の内部に環状の側壁部を有してよい。筐体はSUS製であってよく、側壁部は石英製であってよい。
[2-2.サセプタ]
サセプタ21は、基板50を支持する。例えば、サセプタ21の上面には基板50を収容するための円形状の座ぐり210が設けられてよい。座ぐり210の径は基板50の径よりも大きくてよく、これにより座ぐり210の内壁と基板50の側周面との間には間隔Δ1が設けられてよい。一例として基板50の直径は50.8mm、座ぐりの直径は51.6mmでよい。間隔Δ1は基板50の周方向の全域にわたって0.4mmでよいが、後述のようにサセプタ21が回転して遠心力により基板50が座ぐり210内で移動する場合には、間隔Δ1は回転の中心側で0.8mm、外周側で0mmであってよい。また、座ぐり210の深さは基板50の厚さと異なってよく、これにより座ぐり210内の基板50の上面と、サセプタ21の上面との間には段差Δ2が設けられてよい。例えば座ぐり210の深さは基板50の厚さより大きくてよく、座ぐり210内の基板50の上面はサセプタ21の上面よりも段差Δ2だけ低くてよい。一例として基板50の厚さは0.55mm、座ぐりの深さは0.7mmでよく、段差Δ2は0.15mmでよい。但し、基板50の上面はサセプタ21の上面と面一であってもよく、段差Δ2は0であってよい。サセプタ21は円板状に形成され、周方向に複数(一例として6つ)の座ぐり210を有してもよいし、中心部に単一の座ぐり210を有してもよい。サセプタ21は、成膜チャンバ20と同心円状に配置されてよく、中心部から垂下するシャフト211により回転可能に設けられてよい。サセプタ21の回転速度は調整可能でよい。サセプタ21は一例としてカーボンや炭化ケイ素で形成されてもよいし、炭化ケイ素でコーティングされたカーボン等で形成されてもよい。
[2-3.基板ヒータ]
基板ヒータ22は、基板50を加熱する。基板ヒータ22は基板50を加熱することで、基板50の近傍(一例として基板50の表面)の原料化合物を分解してよい。例えば基板ヒータ22は、サセプタ21の下側に設けられ、サセプタ21を介して基板50を加熱してよい。一例として基板ヒータ22は900~1300℃に維持されて、基板50の上面が約800℃~1200℃となるように加熱を行ってよい。
基板ヒータ22はサセプタ21の別々の領域を加熱する複数(一例として3つ)の領域別ヒータ(図示せず)を有してよく、領域別ヒータに対する供給電力、ひいては領域別ヒータによる加熱量は独立に制御可能であってよい。一例として、領域別ヒータは環状に形成され、同心円状に配置されてよい。なお、成膜チャンバ20が透光性である場合には、基板ヒータ22は成膜チャンバ20の外部から輻射によって基板50を加熱するなど、他の方法で基板50を加熱してもよい。
[2-4.ガス供給装置]
ガス供給装置23は、成膜チャンバ20内にガスを供給する。例えば、ガス供給装置23は、成膜の原料となる原料ガスと、原料ガスを成膜チャンバ20内に流すためのキャリアガスとを成膜チャンバ20に供給してよい。ガス供給装置23は、複数のガス源230と、ガス源230からのガスを成膜チャンバ20内に供給する1または複数の原料供給口232とを有する。
[2-4(1).ガス源]
複数のガス源230は、原料ガスおよび/またはキャリアガスを原料供給口232に供給する。ここで、原料ガスに含まれる原料は、Al、Ga、In、C、Si、Sn、B、Mg、Zn、Cd、Hg、N、As、Sb、O、S、Se、Te、Fe、Eu、Er、および、Prの少なくとも1つであってよく、単体でもよいし、化合物でもよい。
原料としてのSiは、モノシランとして供給されてよい。モノシランは後述のキャリアガスによって予め希釈された状態でガス源230から供給されてよい。キャリアガスは、基板50や原料に対して反応性が低い不活性ガスであり、一例として水素(H)、および窒素(N)の少なくとも一方を含んでよい。原料としてのAl、Ga、In、およびMgは、化合物である有機金属として供給されてよく、このような有機金属は一例としてトリメチルアルミニウム、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、および、シクロペンタジエニルマグネシウムの少なくとも1つであってよい。原料としてのNは、アンモニアとして供給されてよい。原料として有機金属、モノシランおよびアンモニアが用いられる場合には、これらは別々のガス源230から供給されてよい。原料ガスは、原料のみを含むガスであってもよいし、有機金属の液体をバブリングによりガス化するためのバブリングガスをさらに含む混合ガスであってもよい。バブリングガスは基板50や原料に対して不活性なガスであり、例えばキャリアガスと同種のガスであってよい。一例として、成膜の原料にアルミが含まれる場合には、混合ガスには、原料ガスとしてのトリメチルアルミニウムのガスと、バブリングガスとしての水素(H)ガスとが含まれてよい。なお、原料としてのC、Sn、B、Zn、Cd、Hg、As、Sb、O、S、Se、Te、Fe、Eu、Er、Prなどの原料元素に関しては、従来より公知の態様で供給されてよい。
[2-4(2).原料供給口]
各原料供給口232は、成膜チャンバ20の内部に複数の位置で開口する。原料供給口232の各開口部は、サセプタ21上で回転する基板50の上面に一様に原料ガスが供給されるよう分散して配置されてよい。本図では原料供給口の一例として原料供給口232が成膜チャンバ20の天井面に設けられている。原料供給口232の開口部とサセプタ21の上面との間隔は5mm~20mmとなっているが、間隔は10cmや20cmなど、他の大きさでもよいし、原料供給口232は成膜チャンバ20の側壁面に設けられてもよい。原料供給口232は、一例としてシャワーヘッドであってよい。原料供給口232は水冷により一例として45℃などに維持されてよく、原料供給口232から成膜チャンバ20内に供給されるガスの温度は約50℃~200℃であってよい。なお、本実施形態では一例として、各原料供給口232は、成膜チャンバ20内にガスを別々に供給するが、予めガス同士を混合してから成膜チャンバ20内に供給してもよい。
[2-5.プロセスポンプ]
プロセスポンプ24は、成膜チャンバ20内のガスを吸引して排出する。プロセスポンプ24は、例えば成膜チャンバ20内の圧力が50mbarとなるように吸引を行ってよく、成膜チャンバ20内の圧力は調整可能であってよい。プロセスポンプ24と成膜チャンバ20との間には、ガスの排出量を調整するための開閉バルブ240が設けられてよい。
以上の成膜装置2においては、例えば基板50をサセプタ21上に配置して基板ヒータ22で加熱し、サセプタ21を回転させながら有機金属、シラン及びアンモニアを含む原料ガスをキャリアガスとともに成膜チャンバ20内に流すことにより、有機金属が分解されて基板50の表面で金属元素とアンモニアとが反応して成膜が行われる。
[2-6.ガス供給設備]
図3は、有機金属の原料ガスをキャリアガスと共に成膜チャンバ20に供給するガス供給設備2300を示す。ガス供給装置23は、ガス供給設備2300により有機金属の原料ガスおよびキャリアガスを成膜チャンバ20に供給してよい。
ガス供給設備2300は、キャリアガス用のガス源230bと、メインガスライン2301と、ベント用ライン2302と、ガス調整用ライン2303と、バブリングガス供給ライン2304と、原料ガス用のガス源230aと、原料供給ライン2305と、複数のマスフローコントローラ2306と、開閉バルブ対2307,2308とを有する。
キャリアガス用のガス源230bは、ガス源230の一例であり、キャリアガスをメインガスライン2301に供給する。メインガスライン2301は、キャリアガス用のガス源230bと、成膜チャンバ20との間を連通させる。メインガスライン2301には、成膜チャンバ20に供給するキャリアガスのほぼ全てが流される。
ベント用ライン2302は、キャリアガス用のガス源230bと、成膜装置2の外部との間を連通させる。ベント用ライン2302には、排気用のキャリアガスが流される。
ガス調整用ライン2303は、キャリアガス用のガス源230bと、メインガスライン2301およびベント用ライン2302との間を連通させる。ガス調整用ライン2303には、原料供給ライン2305からのガス供給により成膜チャンバ20内のガス流が変化しないようガスの供給量を調整するための調整用キャリアガスが流される。
バブリングガス供給ライン2304は、キャリアガス用のガス源230bと、有機金属の原料ガス用のガス源230aとの間を連通させる。バブリングガス供給ライン2304には、ガス源230bからのキャリアガスがガス源230aでのバブリングガスとして流される。
ガス源230aは、バブリングガス供給ライン2304からのバブリングガス(本実施形態ではキャリアガス)を用いてガスバブラー231でバブリングを行い、原料ガスおよびキャリアガスを含んだ混合ガスを原料供給ライン2305に供給する。
原料供給ライン2305は、ガスバブラー231と、メインガスライン2301およびベント用ライン2302との間を連通させる。原料供給ライン2305には、ガス源230aからの混合ガスが流される。
複数のマスフローコントローラ2306は、マスフローコントローラ2306(1)~2306(6)を有する。マスフローコントローラ2306(1)は、メインガスライン2301に設けられ、メインガスライン2301を介して成膜チャンバ20に流れるキャリアガスの流量を調整する。マスフローコントローラ2306(2)は、ベント用ライン2302に設けられ、ベント用ライン2302を介して成膜装置2の外部に排出されるキャリアガスの流量を調整する。マスフローコントローラ2306(3),2306(5)は、バブリングガス供給ライン2304に設けられ、バブリングガス供給ライン2304に流れるバブリングガス(本実施形態ではキャリアガス)の流量を調整する。マスフローコントローラ2306(4),2306(6)は、ガス調整用ライン2303に設けられ、ガス調整用ライン2303に流れる調整用キャリアガスの流量を調整する。
開閉バルブ対2307は、ガス調整用ライン2303とメインガスライン2301との接続部、および、ガス調整用ライン2303とベント用ライン2302との接続部にそれぞれ設けられた一対のバルブを有する。これにより、開閉バルブ対2307は、ガス調整用ライン2303からメインガスライン2301およびベント用ライン2302のそれぞれへの調整用キャリアガスの注入量を調整する。例えば、開閉バルブ対2307は、メインガスライン2301から成膜チャンバ20へのガス供給量を一定に維持するよう、原料供給ライン2305からメインガスライン2301へのガス供給量の変化に合わせて、調整用キャリアガスをメインガスライン2301および/またはベント用ライン2302に注入させる。
開閉バルブ対2308は、原料供給ライン2305とメインガスライン2301との接続部、および、原料供給ライン2305とベント用ライン2302との接続部にそれぞれ設けられた一対のバルブを有する。これにより、開閉バルブ対2308は、原料供給ライン2305からメインガスライン2301およびベント用ライン2302のそれぞれへの混合ガス(本実施形態では原料ガスおよびキャリアガスの混合ガス)の注入量を調整する。
なお、ガス源230a、ガス調整用ライン2303、バブリングガス供給ライン2304、原料供給ライン2305、および、開閉バルブ対2307,2308は、有機金属の原料毎に設けられてよい。本実施形態では一例として、ガス供給設備2300は、ガリウムの有機金属用のガス源230a(Ga)、ガス調整用ライン2303(Ga)、バブリングガス供給ライン2304(Ga)、原料供給ライン2305(Ga)、および、開閉バルブ対2307(Ga),2308(Ga)と、アルミニウムの有機金属用のガス源230a(Al)、ガス調整用ライン2303(Al)、バブリングガス供給ライン2304(Al)、原料供給ライン2305(Al)、および、開閉バルブ対2307(Al),2308(Al)を有してよい。
以上のガス供給設備2300においては、成膜の準備段階において、マスフローコントローラ2306(1)が一定量のキャリアガスをメインガスライン2301から成膜チャンバ20に流す。また、マスフローコントローラ2306(2)が一定量のキャリアガスをベント用ライン2302に流す。メインガスライン2301およびベント用ライン2302内の流量は同じでもよいし、異なってもよい。
成膜チャンバ20内に原料ガスを供給する場合には、マスフローコントローラ2306(3)は、各原料用のバブリングガス供給ライン2304(本実施形態では一例としてバブリングガス供給ライン2304(Ga)および2304(Al))にキャリアガスを流す。各ガス源230aは、バブリングを行って原料ガスおよびキャリアガスを含んだ混合ガスを原料供給ライン2305に供給する。成膜に使用されない原料用の開閉バルブ対2307(一例としてGaN膜を成膜する場合の開閉バルブ対2307(Al))は混合ガスをベント用ライン2302に流して排気させる。成膜に使用される原料用の開閉バルブ対2307(一例としてGaN膜を成膜する場合の開閉バルブ対2307(Ga)や、AlGaN膜を成膜する場合の開閉バルブ対2307(Ga),2307(Al))は、各混合ガスの流量が目標流量となり、かつ、バブリングが安定するまでは混合ガスをベント用ライン2302に流して排気させる。ここで、混合ガスの目標流量は、マスフローコントローラ2306(1)によりメインガスライン2301に流されるキャリアガスの流量に対して概ね100分の1程度であってよい。例えば、キャリアガスと混合ガスとの体積流量比は10L/分:100~1000sccmであってよい。
マスフローコントローラ2306(4)は各原料用のガス調整用ライン2303に調整用キャリアガスを流し、ガス調整用ライン2303の開閉バルブ対2307は調整用キャリアガスをメインガスライン2301に注入する。ここで、各ガス調整用ライン2303からメインガスライン2301への調整用キャリアガスの注入量は調整用キャリアガスの目標流量となるよう、マスフローコントローラ2306(4)および開閉バルブ対2307の協働によりフィードバック制御を用いて調整されてよい。調整用キャリアガスの目標流量は、対応する原料の混合ガスの目標流量の最大値、または、当該最大値にマージンを加えた流量であってよい。一例として、ガス源230a(Ga)からの混合ガスの目標流量の最大値が100sccmである場合には、ガス調整用ライン2303(Ga)による調整用キャリアガスの目標流量は100sccmであってよい。同様に、ガス源230a(Al)からの混合ガスの目標流量の最大値が100sccmである場合には、ガス調整用ライン2303(Al)による調整用キャリアガスの目標流量は100sccmであってよい。調整用キャリアガスは、原料の混合ガスの供給開始よりも基準時間(一例として5分)前からメインガスライン2301に注入されてよい。
混合ガスの流量が目標流量に一致し、かつ、バブリングが安定した場合には、各原料のうち、成膜に使用される原料用の原料供給ライン2305に設けられた開閉バルブ対2308は、原料供給ライン2305からの混合ガスの注入先をベント用ライン2302からメインガスライン2301に変更する。また、各原料のうち、成膜に使用される原料用のガス調整用ライン2303に設けられた開閉バルブ対2307は、メインガスライン2301から成膜チャンバ20へのガス供給量を一定に維持するよう、原料供給ライン2305からメインガスライン2301へのガス供給量の変化に合わせて、調整用キャリアガスの少なくとも一部の注入先をメインガスライン2301からベント用ライン2302に変更する。これにより、原料ガスの供給が開始されるときの供給ガス量の経時的な均一性が向上されて成膜チャンバ20内でのガス流の変化が防がれる。混合ガスの流量が目標流量に一致するか否かの判断には、差圧計を用いてよい。例えば、成膜に使用される原料用のガス調整用ライン2303に、当該原料の混合ガスの目標流量と等しい流量で調整用キャリアガスを流す場合には、差圧計を用いてメインガスライン2301内の圧力と、ベント用ライン2302内の圧力との差圧をモニタリングすることで、混合ガスの流量が目標流量に一致するか否かを判断することができる。
なお、原料供給ライン2305およびガス調整用ライン2303からの注入先の変更は瞬時に行われるが、徐々に行われてもよい。また、成膜チャンバ20への原料ガスの供給を停止する場合には、メインガスライン2301から成膜チャンバ20に供給されるガスの流量が一定に維持されるよう、開閉バルブ対2308が原料供給ライン2305からの混合ガスの注入先をメインガスライン2301からベント用ライン2302に変更し、開閉バルブ対2307がガス調整用ライン2303からの調整用キャリアガスの注入先をベント用ライン2302からメインガスライン2301に変更する。
[2-7.成膜装置2の制御条件]
成膜装置2は、制御条件に従って成膜を行う。制御条件は、装置に入力されるインプット条件であって、例えばオペレータにより設定される。制御条件は、成膜装置2において直接的に制御可能な条件に限らず、間接的に制御可能な条件であってもよい。一例として制御条件は、成膜チャンバ20内に供給される原料ガスの量、原料ガス分圧、成膜チャンバ20内に供給されるキャリアガスの量、成膜チャンバ20内に存在するガスの種類、各ガスの分圧比、ガスバブラー231の温度、ガスバブラー231の圧力、ガスバブラー231における有機金属の蒸気圧、ガスバブラー231に対するバブリングガスの供給量、サセプタ21の回転速度、成膜チャンバ20内の圧力、基板50の温度、基板ヒータ22の温度、基板ヒータ22に対する供給電力、基板ヒータ22における各領域別ヒータに対する供給電力のバランス、成膜チャンバ20への供給ガス量のフィードバック制御におけるゲイン、成膜にかける時間、および、成膜装置2内で成膜前に行われる前処理条件のうち少なくとも1つでよい。このうち、成膜チャンバ20内に供給される原料ガス,キャリアガスの量は、単位時間当たりに供給されるガスの流量(一例として体積流量または質量流量)でもよいし、成膜の開始から終了までの期間内での総供給量(一例として体積または質量)でもよい。また、成膜チャンバ20内の圧力は、成膜チャンバ20内の全圧でもよいし、各ガスの分圧でもよい。基板50の温度としては、例えば基板ヒータ201への供給電力を制御するべく基板ヒータ201と基板50との間に設置された熱電対の温度を用いることができる。成膜チャンバ20への供給ガス量のフィードバック制御におけるゲインとは、例えばガス調整用ライン2303からメインガスライン2301への調整用キャリアガスの注入量を目標流量とする場合のフィードバック制御におけるゲインであってよく、一例としてPID制御におけるPゲイン、IゲインおよびDゲインの少なくとも1つでよい。成膜装置2内で成膜前に行う前処理とは、基板50に対するアニール処理の温度、アニール時間、および、成膜チャンバ20内に満たされるガスの種類(一例としてH、Nおよび/またはNH)の少なくとも1つであってよい。以上で述べたような制御条件は、経時的に設定されていてもよいし、時間の経過とは無関係に一律に設定(一例として、最大値、最小値または平均値などとして設定)されていてもよい。なお、成膜チャンバ20の圧力は、プロセスポンプ24の動作状況などにより影響を受けるため、成膜装置2の状態を示す状態データであるが、成膜チャンバ20内の圧力が或る閾値よりも良い場合に成膜動作を実施する場合には、制御条件として用いることが可能である。同様に、成膜装置2の状態を示す後述の状態データの少なくとも一部は、制御条件としても用いられてもよい。
なお、上述の制御条件の各要素のうち、基板ヒータ201に対する供給電力は、基板温度を間接的に制御してよい。基板温度が変化すると基板50表面での原料の移動し易さが変化する結果、成膜される膜内での結晶化の度合いや表面形状、膜の特性(一例として平坦性、結晶性など)が変化する。
また、成膜チャンバ20の圧力、成膜チャンバ20内に存在するガスの種類、および、ガスの量は、成膜チャンバ20内の圧力および雰囲気の質を直接的または間接的に制御してよい。成膜チャンバ20内の圧力および雰囲気の質が変化すると、成長表面の状態が変化する結果、成膜される膜の特性が変化する。
[2-8.メンテナンス]
成膜装置2には、種々のメンテナンスが行われる。例えば、メンテナンスは、成膜チャンバ20を大気開放して行われてもよいし、密閉したままで行われてもよい。メンテナンスは窒素でベント、あるいはパージされた状態で行うこともできる。メンテナンスは定期的(一例として3日ごと)に行われてもよいし、成膜された膜の特性に応じて行われてもよいし、使用部品の寿命,故障などに応じて行われてもよい。
[3.動作]
図4は、装置1の動作を示す。装置1は、ステップS1~S10の処理により目標特性の半導体デバイス5を製造する。
ステップS1において装置1は、第1学習処理部103などによって第1モデル104の学習処理を実行する。
ステップS3において装置1は、第1モデル104から取得される推奨構成データを用い、製造部110などによって半導体デバイス5を製造する。製造部110の制御条件のうち、推奨構成データに影響されない制御条件は規定の標準的な内容に設定されてよく、推奨構成データによって大まかに範囲が定まる制御条件は、当該範囲内の中央値などに設定されてよい。第1モデル104に一の目標特性データを供給して複数の推奨構成データが取得される場合には、第1抽出部1135により抽出される推奨構成データ(一例として分布範囲内に含まれる値の推奨構成パラメータのみを含む推奨構成データ)を用いて半導体デバイス5が製造されてよい。
なお、第1モデル104は、本実施形態では一例として重回帰、Lasso回帰、Ridge回帰といった線形モデルを基本とした回帰モデルや、リカレント型またはタイムディレイ型などのニューラルネットワークであるが、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ロジスティック回帰、および、サポートベクタマシン(SVM)などを含む他の機械学習アルゴリズムであってもよい。例えば、第1モデル104は、学習データの各要素に対応するノードを入力層に含み、推奨する制御条件の各要素に対応するノードを出力層に含んでよい。学習データの1つの要素に対する入力層のノードは1つでもよいし複数でもよい。入力層および出力層の間には、1または複数のノードを含む中間層(隠れ層)が介在してよい。第1学習処理部103は、ノード間をつなぐエッジの重み、および、出力ノードのバイアス値を調整することで学習処理を実行してよい。
ステップS4において装置1は、学習処理に用いられた複数の学習データの数が第2の基準個数より多いか否かを判定部118によって判定する。学習データの数が第2の基準個数以下であった場合(ステップS4;No)には装置1は処理をステップS1に移行する。これにより、学習処理に用いられた学習データの数が第2の基準個数となるまで、製造部110および第1学習処理部103などによって、推奨構成データで示される構成の半導体デバイス5の製造と、製造された半導体デバイス5の特性データを含む学習データを用いた第1モデル104の学習処理とが繰り返される。なお、学習データの数が第2の基準個数以下であった場合(ステップS4;No)には、報知部100からオペレータに報知が行われてよい。学習データの数が第2の基準個数より多かった場合(ステップS4;Yes)には装置1は処理をステップS5に移行する。
ステップS5において装置1は、製造された半導体デバイス5から特性取得部102によって取得された特性データと、目標特性取得部111によって取得された目標特性データとの差異が第1許容範囲内であるか否かを判定部118によって判定する。差異が第1許容範囲外であった場合(ステップS5;No)には装置1は処理をステップS1に移行する。これにより、製造部110および第1学習処理部103などによって、推奨構成データで示される構成の半導体デバイス5の製造と、製造された半導体デバイス5の特性データを含む学習データを用いた第1モデル104の学習処理とが繰り返される。差異が第1許容範囲内であった場合(ステップS5;Yes)には装置1は処理をステップS7に移行する。
ステップS7において装置1は、第2学習処理部108などによって第2モデル109の学習処理を実行する。ステップS7の処理は複数回行われてよい。なお、第2モデル109は、第1モデル104と同様に、本実施形態では一例として重回帰、Lasso回帰、Ridge回帰といった線形モデルを基本とした回帰モデルや、リカレント型またはタイムディレイ型などのニューラルネットワークであるが、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、ロジスティック回帰、および、サポートベクタマシン(SVM)などを含む他の機械学習アルゴリズムであってもよい。
ステップS9において装置1は、第1モデル104から取得される推奨構成データと、第2モデル109から取得される推奨制御条件データとを用い、製造部110などによって半導体デバイス5を製造する。
ステップS10において装置1は、製造された半導体デバイス5から特性取得部102によって取得された特性データと、目標特性取得部111によって取得された目標特性データとの差異が第2許容範囲内であるか否かを判定部118によって判定する。差異が第2許容範囲外であった場合(ステップS10;No)には装置1は処理をステップS7に移行する。差異が第2許容範囲内であった場合(ステップS10;Yes)には装置1は処理を終了する。この場合に装置1は、製造に使用した推奨構成データおよび推奨制御条件データを用いて半導体デバイス5を繰り返し製造してもよい。
以上の動作によれば、目標特性を有する半導体デバイス5の推奨構成を示す推奨構成データの精度が第1学習処理によって高められた後に、目標特性および推奨構成を有する半導体デバイス5の推奨製造条件を示す推奨制御条件データの精度が第2学習処理によって高められる。従って、第1学習処理および第2学習処理を確実に収束させて推奨構成データおよび推奨制御条件データを取得することができるため、目標特性を有する半導体デバイス5を確実に製造することができる。
[3-1.第1学習処理]
図5は、第1学習処理を示す。装置1は、ステップS11~S15の処理により第1モデル104の学習を行う。
ステップS11において構成取得部101は、半導体デバイス5の構成を示す構成データを取得する。半導体デバイス5は、製造部110で製造されたものであってよい。製造部110が推奨構成データに従って半導体デバイス5を製造している場合には、構成取得部101は、当該推奨構成データを取得してもよい。
ステップS13において特性取得部102は、半導体デバイス5の特性を示す特性データを取得する。半導体デバイス5は、製造部110によって製造されたものであってよい。なお、製造部110において1回の製造動作で複数の半導体デバイス5(同一バッチの複数の半導体デバイス5とも称する)が纏めて製造される場合、つまりサセプタ21に複数の基板50が保持される場合には、特性取得部102は、当該同一バッチの複数の半導体デバイス5のうち、全ての半導体デバイス5の特性を全数検査により取得してもよいし、一部の半導体デバイス5の特性を抜き取り検査により取得してもよい。
なお、ステップS11,S13の処理は、この順番で行われなくてもよい。
ステップS15において第1学習処理部103は、取得された構成データおよび特性データを含む学習データを用いて第1モデル104の学習処理を実行する。
ここで、第1学習処理部103による学習処理においては、第1学習処理部103の第2検出部1031が、特性データに含まれる少なくとも1つの特性パラメータと、構成データに含まれる少なくとも1つの構成パラメータとの相関を検出してよい。また、第2検出部1031は、何れかの特性パラメータの値に関し、少なくとも2つの構成パラメータの間の相関を検出してよい。例えば半導体デバイス5の光出力についての特性パラメータの値を向上させる場合に、半導体デバイス5に含まれる一の層の厚みを増加させると他の層の厚みが増加する場合には、これら2つの厚みは正の相関を有する。第2検出部1031は、特性データに含まれる何れかの特性パラメータの値と、構成データに含まれる少なくとも2つの構成パラメータの値を有する項との回帰分析によって算出される当該項の重みに基づいて、少なくとも2つの構成パラメータの間の相関を検出してよい。
一例として、第2検出部1031は、以下のLasso回帰式(1)を用いて回帰分析を行ってよい。式(1)中、yは特性パラメータの値であり、iは半導体デバイス5の識別番号である。k、lは整数であり、各構成パラメータに付番された番号である。例えば、構成パラメータが第1層の膜厚およびドーピング濃度、第2層の膜厚、の3つである場合、これらの構成パラメータにはそれぞれk=1,2,3、l=1,2,3と付番されることになる。k、lは同義である。xは構成パラメータの値であり、x はi番目の半導体デバイス5における第k番目の構成パラメータの値である。式(1)は、各構成パラメータの値xの2次の項、および互いに異なる構成パラメータ2つの積で表される項の足し合わせで特性パラメータyを記述する機械学習モデルである。ここで、wは重みであり、wはxの構成パラメータについての重み、wklは構成パラメータxと構成パラメータxとの積の項xについての重みである。上述の例で示したように3つの構成パラメータが存在する場合、w12 はi番目の半導体デバイス5に関する第1層の膜厚とドーピング濃度の積の項である。重みwの個数は、構成データに含まれる構成パラメータの数に応じて決定されてよい。λは罰則項の罰則パラメータである。Lasso回帰分析では、式(1)を満たすように各項の重みwが決定される。
以上の回帰式(1)を用い、第2検出部1031は重みwklに基づいて構成パラメータxと構成パラメータxとの間の相関を検出してよい。第2検出部1031は、相関の高い構成パラメータx,xの組を出力してよい。
なお、本実施形態においては一例として、学習データ内の構成データには、半導体デバイス5の層数を示す構成パラメータが含まれるため、第1学習処理部103は層数を学習対象に含めて第1モデル104の学習処理を実行してよい。例えば、学習処理に用いられる複数の構成データには、実際に製造され得る半導体デバイス5よりも多い層数、および/または、少ない層数を示す構成パラメータが含まれてよい。
以上の動作によれば、目標特性データを入力することで推奨構成データが出力される第1モデル104を生成することができる。
また、何れかの特性パラメータの値と、少なくとも2つの構成パラメータの値を有する項との回帰分析によって算出される当該項の重みに基づいて、当該2つの構成パラメータの間の相関が検出されるので、これまで相関があると考えられていなかった構成パラメータ同士の相関(一例として層厚の相関)を発見することができる。また、相関の高い構成パラメータの組が出力されるので、例えばオペレータが、当該組の構成パラメータ同士を調整した学習データを用いて第1学習処理を繰り返すことで、より適切な層構成を得ることができる。
なお、ステップS11~S15による第1学習処理が複数回行われる場合には、ステップS11,S13で取得される構成データおよび特性データに含まれる要素、つまり構成パラメータおよび特性パラメータの種類は少なくとも一部の回で異なってよく、ステップS15の学習処理では異なる要素の学習データで学習処理が行われてよい。例えば、N回(但しNは2以上の自然数)の学習が行われる場合に、1回目からM回目(但しMはNより小さい自然数)の学習データには構成データおよび特性データにおける要素(c,c,…c)が含まれ、M+1回目からN回目の学習データには構成データおよび特性データにおける新たな要素(cn+1)が追加されてよい。この場合には、M+1回目以降の学習においては要素(cn+1)を含む学習データを用いて学習処理が行われてよい。また、M回目以前の学習データには元々は要素(cn+1)が含まれていないため、これらの各学習データにはランダム値を持つ要素(cn+1)が追加されてよい。これにより、学習データにおける要素(c,c,…c)同士の関係についてはM回目までの学習結果を有効に利用することができる。また、要素(cn+1)の値をランダム値とすることで、要素(cn+1)の値が他の要素(c,c,…c)に与える影響を無くすことができる。
[3-2.第2学習処理]
図6は、第2学習処理を示す。装置1は、ステップS21~S29の処理により第2モデル109の学習を行う。
ステップS21~S23において構成取得部101および特性取得部102は、上述のステップS11~S13と同様にして、半導体デバイス5の構成を示す構成データ、および、半導体デバイス5の特性を示す特性データを取得する。
ステップS25において制御条件取得部31は、半導体デバイス5を製造したときの製造部110の制御条件を示す制御条件データを取得する。
ステップS27において状態取得部107は、製造部110(本実施形態では一例として成膜装置2)の状態を示す状態データを取得する。状態データは、制御条件データが示す制御条件で成膜装置2が動作した場合の制御対象の実測値(例えば複数の時点で測定された時系列順の実測値、または、或る時点で測定された実測値)を含んでよい。例えば、状態データは、基板50の温度、基板ヒータ201の温度、基板ヒータ201に対する供給電力、基板ヒータ22の各領域別ヒータに対する供給電力のバランス、基板50上面とサセプタ上面との段差Δ2、座ぐり210の内壁と基板50の側周面との間隔Δ1、基板50の反り量、成膜速度、成膜装置2内で成膜前に行われた前処理の内容、成膜装置2への投入前に基板50に施された処理の内容、ガスバブラー231の温度、ガスバブラー231の圧力、ガスバブラー231における有機金属の蒸気圧、ガスバブラー231に対するバブリングガスの供給量、成膜チャンバ20の圧力、開閉バルブ240の開度、および、サセプタ200の回転速度のうち少なくとも1つに関するデータを含んでよい。このうち、基板ヒータ201の温度は、熱電対により測定されてよい。基板50の温度は、成膜チャンバ20内、または外に配置される放射温度計により測定されてよい。あるいは基板50の温度は、基板50のバンド端吸収や透過スペクトルをもとに測定、算出されてよい。基板50の反り量は、基板50の側周部と中央部との高低差でよく、基板50に対する熱処理などに起因して生じ得る。成膜速度は、単位時間当たりに成膜された膜厚であり、光干渉法により測定されてよい。成膜装置2内で成膜前に行われた前処理の内容は、例えば前処理として基板50に施されたアニール処理の温度、アニール時間、および、成膜チャンバ20内に満たされたガスの種類の少なくとも1つでよい。成膜装置2への投入前に基板50に施された処理内容は、一例として基板50の洗浄処理の内容であってよい。成膜チャンバ20の圧力は、成膜チャンバ20内に配置される真空ゲージ(例えばピラニゲージやバラトロン)により測定されてよい。状態データは、成膜装置2に対するメンテナンス後の総成膜時間(いわゆるキャンペーンの開始からの経過時間)、下地面の特性(一例として基板50の特性)を含んでもよい。なお、状態取得部107は、基板温度に関する状態データを各基板50について取得してもよいし、一部の基板50について取得してもよい。
また、状態データは、成膜装置2の運転履歴を示す運転履歴データを含んでもよい。運転履歴データは、成膜装置2に行われたメンテナンスの回数および内容(一例として或る部品を交換,洗浄したなど)の少なくとも1つに関するデータ、成膜装置2の少なくとも1つの部品の使用回数に関するデータ、メンテナンス時にガスバブラー231にチャージした原材料の重量、成膜装置2の成膜回数に関するデータ、および過去に形成した膜に関するデータの少なくとも1つを含んでよい。メンテナンスの回数および内容の少なくとも1つに関するデータはメンテナンスの履歴を示すデータでよい。成膜回数に関するデータは、メンテナンス後の成膜回数でもよいし、メンテナンスとは無関係に通算した成膜回数でもよい。過去に形成した膜に関するデータは、過去に成膜した膜の種類,特性などを示す履歴データでよい。これらの運転履歴データは、成膜チャンバ20の内部における原料の付着状態、ひいては各部材の熱容量、熱伝導の状態に関連し得る。
なお、ステップS21~S27の処理は、この順番で行われなくてもよい。
ステップS29において第2学習処理部108は、取得された構成データ、特性データ、制御条件データおよび状態データを含む学習データを用いて第2モデル109の学習処理を実行する。
以上の動作によれば、目標特性データ、推奨構成データおよび状態データを入力することで推奨制御条件データが出力される第2モデルを生成することができる。また、状態データは運転履歴データを含むので、目標特性の膜を作るためのより正確な制御条件を得ることができる。また、運転履歴データは、メンテナンスの回数および内容の少なくとも1つに関するデータを含むので、メンテナンスの回数,内容と特性との関係を第2モデル35に学習させることができる。なお、このような効果を得る観点からは、特性データはメンテナンスが2回以上行われた成膜装置2により成膜された膜から取得されることが好ましい。
なお、第1学習処理と同様に、ステップS21~S29の処理による第2学習処理が複数回行われる場合には、ステップS21~S27で取得される構成データ、特性データ、制御条件データおよび状態データに含まれる要素の種類は少なくとも一部の回で異なってよく、ステップS29の学習処理では異なる要素の学習データで学習処理が行われてよい。
[3-3.化合物半導体の製造]
図7は、半導体デバイス5の製造方法を示す。まず、ステップS31においてオペレータが基板50を準備する。例えばオペレータは基板50を成膜装置2の成膜チャンバ20内にセットする。ステップS33において装置1は、半導体デバイス5に含まれるべき少なくとも1つの膜を基板50上に成膜する。これにより、基板50上に1または複数の膜が成膜された半導体デバイス5が製造される。なお、ステップS13の処理では、第1モデル104および第2モデル109の少なくとも一方を用いて成膜が行われる。例えば、上述のステップS3の製造処理におけるステップS13の処理では、第1モデル104を用いて成膜が行われてよく、上述のステップS9の製造処理におけるステップS13の処理では、少なくとも第2モデル109を用いて成膜が行われてよい。
[3-3-1.第1モデルを用いた成膜]
図8は、第1モデル104を用いた成膜方法を示す。
ステップS41において目標特性取得部36は製造対象の半導体デバイス5について、目標とする特性を示す目標特性データを取得し、ステップS43において第1供給部112は目標特性データを第1モデル104に供給する。これにより、第1モデル104から半導体デバイス5の推奨構成データが出力される。
ステップS45において推奨構成取得部113は推奨構成データを取得する。
学習処理に用いられた複数の学習データの数が第1の基準個数よりも少ない場合には、推奨構成取得部113のランダム構成取得部1132がランダムな内容の推奨構成データを取得してよい。ランダム構成取得部1132は、学習データの数が第1の基準個数と同数の場合にも、ランダムな内容の推奨構成データを取得してよい。
学習処理に用いられた複数の学習データの数が第1の基準個数よりも多く第2の基準個数よりも少ない場合には、推奨構成取得部113の補間構成取得部1133は、算出部1131により算出される構成近似学習データの個数が最も少ない基準数の学習データのうち何れか2つの構成データを補間して得られる構成データを推奨構成データとして取得してよい。補間構成取得部1133は、学習データの数が第2の基準個数と同数の場合にも、補間により得られる構成データを推奨構成データとして取得してよい。
学習処理に用いられた複数の学習データの数が第2の基準個数よりも多い場合には、推奨構成取得部113は、目標特性データを第1モデル104に供給したことに応じて第1モデル104から出力される推奨構成データを取得してよい。第1モデル104に一の目標特性データを供給して複数の推奨構成データが取得される場合には、これらの推奨構成データのうち、第1検出部1134によって検出される分布範囲内に含まれる値の推奨構成パラメータのみを含む推奨構成データを第1抽出部1135で抽出してよい。
ステップS47において制御部117は、推奨構成データに従って製造部110を動作させる。これにより、推奨構成データで示される構成、またはこれに近似した構成の少なくとも1つの膜が成膜される。なお、上述のようにして成膜を行う場合には、成膜時の制御条件データおよび状態データと、製造された半導体デバイス5の構成データおよび特性データとを学習データとして第2モデル109に入力して上述の図6の第2学習処理を行うことにより、第2モデル109の学習処理を行ってよい。
[3-3-2.第2モデルを用いた成膜]
図9は、第2モデル109を用いた成膜方法を示す。
ステップS51において目標特性取得部36および推奨構成取得部113は製造対象の半導体デバイス5についての目標特性データおよび推奨構成データを取得し、状態取得部107は製造部110の状態を示す状態データを取得する。推奨構成取得部113は、第1モデル104から推奨構成データを取得してよい。
ステップS53において第2供給部115は目標特性データ、推奨構成データおよび状態データを第2モデル109に供給する。これにより、第2モデル109から製造部110の制御条件に関する推奨制御条件データが出力される。
ステップS55において推奨制御条件取得部116は第2モデル109から出力される推奨制御条件データを取得し、ステップS57において制御部117は、推奨制御条件データが示す制御条件で制御部117を動作させる。これにより、目標特性、またはこれに近似した特性の半導体デバイス5が成膜される。
[4.半導体デバイスの具体例]
製造される半導体デバイス5は、例えば発光デバイス(一例として波長200~280nmの紫外線C波光を発生させるLED)に用いられてよい。このような発光デバイスは例えば殺菌灯や、DNAの分析機器に具備される。一般に、発光デバイスの層構成は複雑であり、構成データに含まれる構成パラメータは膨大にあるため、全ての層を実験的に最適化していくことは現実的でない場合が多い。そのため、半導体デバイス5が発光デバイスである場合、本実施形態に係る装置1を適用すると効率的に最適化が実行可能であるため好ましい。具体的には、実験数を大幅に削減しながら最適な層構造を得ることが可能となる。加えて、これまでの知見からは予測することが極めて困難であった、隣接していない層同士の相関関係が明らかになり、画期的な新しい層構造の発見が期待できる。
図10は、半導体デバイス5の層構成を示す。半導体デバイス5は、アルミナイトライドの基板50(一例として厚み500μm)上にアルミナイトライドの単結晶層51(一例として厚み500nm)、窒化アルミニウムガリウムのn-層52(一例として厚み500nm)、窒化アルミニウムガリウム(Al0.75GaN)のバリア層530(一例として厚み6nm)および窒化アルミニウムガリウムAl0.55GaNのウェル層531(一例として厚み3nm)を有する量子井戸層53、電子ブロック層(EBL)54(一例として厚み15nm)、組成を連続的に減少させたグレーデッド層55(一例として厚み30nm)、および、窒化ガリウムのp-層56(一例として厚み10nm)を有する。量子井戸層53は多重(一例として5重)に積層されてよい。図6の成膜方法によって成膜される膜は、層51~56の少なくとも1層でよい。ここで、グレーデッド層55は、正孔の発生層として機能する層であり、アルミニウムの含有量を基板50側から離れるに従い75%から25%に減少させて成膜されている。またp-層56はコンタクト層として機能する。この半導体デバイス5では、基板50としてアルミナイトライド基板を用いているため、サファイア基板を用いる場合と異なり、成膜される膜と格子定数を揃え、転位密度を低くすることが可能となる。
[5.変形例]
図11は、変形例に係る装置1Aを示す。装置1Aの推奨構成取得部113Aは、算出部1131、ランダム構成取得部1132、補間構成取得部1133、第1検出部1134および第1抽出部1135に代えて/加えて、算出部1138および第2抽出部1139を有する。
算出部1138は、第1算出部の一例であり、推奨構成取得部113は、第1モデル104に一の目標特性データを供給して取得される複数の推奨構成データのそれぞれについて、第1モデル104で学習処理に用いられた複数の学習データのうち、当該推奨構成データで示される構成に対する近似度が基準範囲内の構成を示す近似構成学習データ(つまり、近似度が基準範囲内の構成を示す構成データを有する学習データ)の個数を算出する。算出部1138で用いられる基準範囲は、第1の基準範囲の一例であり、任意の範囲であってよい。算出部1138で用いられる基準範囲と、算出部1131で用いられる基準範囲とは、同じであってもよいし、異なってもよい。
第2抽出部1139は、算出部1138により算出される構成近似学習データの個数に基づいて複数の推奨構成データから少なくとも1つの推奨構成データを抽出する。例えば、第2抽出部1139は、第1モデル104に一の目標特性データを供給して取得される複数の推奨構成データから、構成近似学習データの個数が多い順(または少ない順)に少なくとも1つの推奨構成データを抽出してよい。
なお、本変形例では一例として、推奨構成取得部113Aは算出部1131、ランダム構成取得部1132および補間構成取得部1133を有する。従って、学習処理に用いられた複数の学習データの数が第1の基準個数よりも少ない場合には、推奨構成取得部113Aは、ランダム構成取得部1132によってランダムな内容の推奨構成データを取得してよい。また、学習処理に用いられた複数の学習データの数が第1の基準個数よりも多く第2の基準個数よりも少ない場合には、推奨構成取得部113Aは、算出部1131により算出される構成近似学習データの個数が最も少ない基準数の学習データのうち何れか2つの構成データを補間構成取得部1133により補間して得られる構成データを推奨構成データとして取得してよい。
以上の装置1Aによれば、第1モデル104に一の目標特性データを供給して取得される複数の推奨構成データのそれぞれについて、近似度が基準範囲内の構成を示す近似構成学習データの個数が算出され、この算出結果に基づいて少なくとも1つの推奨構成データが抽出される。従って、近似構成学習データの個数に基づいて推奨構成データが抽出されるため、近似した構成の学習データが多い/少ない推奨構成データを取得することができる。
なお、上記の変形例では、推奨構成取得部113Aは算出部1131、ランダム構成取得部1132および補間構成取得部1133を有し、学習処理に用いられた学習データの数が基準個数(第2基準個数)より少ない場合には、ランダムな内容、あるいは2つの構成データを補間した内容の推奨構成データを取得することとして説明した。しかしながら、推奨構成取得部113Aが算出部1131、ランダム構成取得部1132および補間構成取得部1133を有しない場合には、学習処理に用いられた学習データの数が基準個数(第2の基準個数)より少ない場合には、構成近似学習データの個数が少ない順に少なくとも1つの推奨構成データを抽出し、学習データの数が基準個数より多い場合には、構成近似学習データの個数が多い順に少なくとも1つの推奨構成データを抽出してもよい。
また、第2抽出部1139は、第1モデル104で学習処理に用いられた学習データの個数に応じて推奨構成データの抽出手法を切り替える代わりに、製造部110で製造された半導体デバイス5から特性取得部102によって取得された特性データと、目標特性取得部111によって取得された目標特性データとの差異が基準範囲内であるか否かに応じて抽出手法を切り替えてもよい。例えば、第2抽出部1139は、差異が基準範囲内である場合には、構成近似学習データの個数が多い順に少なくとも1つの推奨構成データを抽出し、差異が基準範囲外である場合には、構成近似学習データの個数が少ない順に少なくとも1つの推奨構成データを抽出してよい。ここで、差異が基準範囲内であるか否かの判定は判定部118によって行われてよい。また、推奨構成データの抽出手法を切り替えるか否かの判定に用いられる基準範囲は、第1学習処理部103,第2学習処理部108による第1モデル104,第2モデル109の学習処理をディセーブルするか否かの判定に用いられる上述の第1許容範囲,第2許容範囲よりも広い範囲であってよい。
[6.変形例]
図12は、他の変形例に係る装置1Bを示す。装置1Bは、第1モデル104および第2モデル109に代えて第3モデル120を有し、第1学習処理部103および第2学習処理部108に代えて第3学習処理部121を有する。
[6-1.第3モデル]
第3モデル120は、第1モデル104および第2モデル109を統合したモデルであり、目標特性データを入力したことに応じて、推奨構成データおよび推奨制御条件データの少なくとも一方を出力する。例えば、第3モデル120は、第1供給部112から目標特性データが入力されたことに応じて、推奨構成データを推奨構成取得部113に供給してよい。また、第3モデル120は、第2供給部115から目標特性データおよび推奨構成データが入力されたことに応じて、推奨制御条件データを推奨制御条件取得部116に供給してよい。これに代えて、第3モデル120は、第1供給部112から目標特性データが入力されたことに応じて推奨構成データを生成して推奨構成取得部113に供給するともに、入力された目標特性データと、内部生成した推奨構成データとに応じた推奨構成データを生成して推奨制御条件取得部116に供給してもよい。第3モデル120には目標特性データや推奨構成データに加えて状態データが入力されてもよい。なお、本変形例において推奨構成取得部113および/または推奨制御条件取得部116は、取得部の一例であってよい。
第3モデル120は、少なくとも1つの構成パラメータの値を構成データとして含む複数の学習データを用いて学習処理が実行されてよく、一の目標特性データを供給したことに応じて複数の推奨構成データを出力してよい。これら複数の推奨構成データは、推奨する半導体デバイス5の構成を示す少なくとも1つの推奨構成パラメータの値をそれぞれ含んでよい。
[6-2.第3学習処理部]
第3学習処理部121は、取得された構成データ、特性データおよび制御条件データを含む学習データを用いて第3モデル120の学習処理を実行してよい。この学習データは、状態取得部107から取得された状態データをさらに含んでもよい。第3学習処理部121は、第1学習処理部103と同様の第2検出部1031を有してもよい。
装置1Bは、上述の図6で説明した第2学習処理と同様にして、第3モデル120の学習処理を実行してよい。以上の装置1Bによれば、半導体デバイス5の構成と、製造部110の制御条件とを並行して最適化することができる。
なお、上記の変形例では、装置1Bが推奨構成取得部113を備えることとして説明したが、推奨構成取得部113Aを備えてもよい。
[7.その他の変形例]
なお、上記の実施形態および変形例では、装置1,1Aは構成取得部101と、特性取得部102と、第1学習処理部103と、制御条件取得部105と、状態取得部107と、第2学習処理部108と、第2モデル109を備えることとして説明したが、これらの少なくとも1つを有しないこととしてもよい。この場合には、装置1,1Aは、少なくとも目標特性取得部111と、第1供給部112と、推奨構成取得部113(または推奨構成取得部113A)とを備え、学習済みの第1モデル104を用いて推奨構成データを取得してよい。また、装置1,1Aは、目標特性取得部111と、第1供給部112と、推奨構成取得部113(または推奨構成取得部113A)と、第2供給部115と、推奨制御条件取得部116と、制御部117と、判定部118を備えることとして説明したが、これらの少なくとも1つを有しないこととしてもよい。この場合には、装置1,1Aは、少なくとも構成取得部101と、特性取得部102と、第1学習処理部103とを備え、第1モデル104の学習処理を行ってよい。また、装置1,1Aは、第1モデル104に加えて第2モデル109を備えることとして説明したが、第2モデル109を備えなくてもよい。この場合には、装置1,1Aは、制御条件取得部105や状態取得部107、第2学習処理部108、第2供給部115、推奨制御条件取得部116なども備えなくてよい。また、装置1,1A,1Bは報知部100を備えることとして説明したが、備えなくてもよい。
また、装置1,1A,1Bは製造部110を1つ備えることとして説明したが、複数備えることとしてもよい。この場合、各製造部110から得られる学習データを第1学習処理部103、第2学習処理部108および/または第3学習処理部121に供給して学習効率を高めてもよいし、1つの製造部110から得られる学習データにより学習処理を行った第1モデル104、第2モデル109および/または第3モデル120を複数の製造部110で共有して製造効率を高めてもよい。
また、成膜装置2を図2の構成として説明したが、有機金属気相成長装置としての他の構成としてもよい。また、製造部110は、成膜装置2に加えて/代えて、加工装置や他の成膜装置を有してもよい。製造部110が成膜装置2に加えて蒸着装置を有する場合には、製造部110は、当該蒸着装置によって電極膜を形成してもよい。この場合、第1学習処理部103および第2学習処理部108は、電極膜の構成や蒸着装置の制御条件などを学習対象に含めて学習処理を実行してよい。
また、一の目標特性データを第1モデル104に供給して得られる複数の推奨構成データのそれぞれにおいて何れかの推奨構成パラメータの値が分布範囲内に含まれない場合には、当該複数の推奨構成データから分布範囲内に含まれる推奨構成パラメータの数が多い順に少なくとも1つの推奨構成データを第1抽出部1135が抽出することとして説明したが、他の処理を行ってもよい。例えば、第1供給部112が目標特性データに含まれる各特性パラメータのうち、優先順位の低い特性パラメータを除外、或いは当該特性パラメータの値を緩和して第1モデル104に供給して、推奨構成データを出力させてよい。これにより、優先順位の高い特性(一例として光出力が50mW以上、駆動電圧が9V以下など)については目標特性を有する半導体デバイス5の推奨構成を取得することができる。
また、推奨構成取得部113,113Aは算出部1131、ランダム構成取得部1132、補間構成取得部1133を有することとして説明したが、これらを有しなくてもよい。また、推奨構成取得部113,113Aは第1検出部1134や第1抽出部1135、算出部1138、第2抽出部1139を有することとして説明したが、これらの何れかに加えて/代えて、他の構成を有してもよい。例えば、推奨構成取得部113は、第1モデル104に一の目標特性データを供給して取得される複数の推奨構成データから、半導体デバイス5に含まれる複数の層のうち形成順の早い層の推奨構成パラメータが互いに等しい一部の推奨構成データを抽出する第3抽出部を有してもよい。この場合には、形成順の早い層から構成を確定することができるため、目標特性の半導体デバイス5の構成を効率よく取得することができる。
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
図13は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1 装置、2 成膜装置、5 半導体デバイス、20 成膜チャンバ、21 サセプタ、22 基板ヒータ、23 ガス供給装置、24 プロセスポンプ、50 基板、51 単結晶層、52 n-層、53 量子井戸層、55 グレーデッド層、56 p-層、100 報知部、101 構成取得部、102 特性取得部、103 第1学習処理部、104 第1モデル、105 制御条件取得部、107 状態取得部、108 第2学習処理部、109 第2モデル、110 製造部、111 目標特性取得部、112 第1供給部、113 推奨構成取得部、115 第2供給部、116 推奨制御条件取得部、117 制御部、118 判定部、200 サセプタ、201 基板ヒータ、211 シャフト、230 ガス源、231 ガスバブラー、232 原料供給口、240 開閉バルブ、530 バリア層、531 ウェル層、1031 第2検出部、1131 算出部、1132 ランダム構成取得部、1133 補間構成取得部、1134 第1検出部、1135 第1抽出部、1138 算出部、1139 第2抽出部、2200 コンピュータ、2201 DVD-ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インタフェース、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD-ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード、2300 ガス供給設備、2301 メインガスライン、2302 ベント用ライン、2303 ガス調整用ライン、2304 バブリングガス供給ライン、2305 原料供給ライン、2306 マスフローコントローラ、2307 開閉バルブ対、2308 開閉バルブ対

Claims (16)

  1. 半導体デバイスの構成を示す構成データを取得する構成取得部と、
    前記半導体デバイスの特性を示す特性データを取得する特性取得部と、
    取得された前記構成データおよび前記特性データを含む学習データを用いて、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを入力したことに応じて推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データを出力する第1モデルの学習処理を実行する第1学習処理部と、
    前記半導体デバイスの製造装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部と、
    前記特性データ、前記構成データおよび前記制御条件データを含む学習データを用いて、前記目標特性データおよび前記推奨構成データを入力したことに応じて推奨する制御条件を示す推奨制御条件データを出力する第2モデルの学習処理を実行する第2学習処理部と、
    を備える、装置。
  2. 前記目標特性データを取得する目標特性取得部と、
    前記第1モデルに対し、前記目標特性取得部により取得された前記目標特性データを供給する第1供給部と、
    前記目標特性データを前記第1モデルに供給したことに応じて前記第1モデルが出力する前記推奨構成データを取得する推奨構成取得部と、
    をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  3. 前記2モデルに対し、前記目標特性取得部により取得された前記目標特性データと、前記推奨構成取得部により取得された前記推奨構成データとを供給する第2供給部と、
    前記目標特性データおよび前記推奨構成データを前記第2モデルに供給したことに応じて前記第2モデルが出力する前記推奨制御条件データを取得する推奨制御条件取得部と、
    をさらに備える、請求項に記載の装置。
  4. 前記第1モデルは、半導体デバイスの構成を示す少なくとも1つの構成パラメータの値を含む複数の学習データを用いて学習処理が実行されており、一の前記目標特性データを供給したことに応じて、推奨する半導体デバイスの構成を示す少なくとも1つの推奨構成パラメータの値をそれぞれ含む複数の前記推奨構成データを出力し、
    前記推奨構成取得部は、
    前記少なくとも1つの構成パラメータのそれぞれについて、前記複数の学習データ内での当該構成パラメータの値の分布範囲を検出する第1検出部と、
    前記複数の推奨構成データのうち、前記分布範囲内に含まれる値の前記推奨構成パラメータのみを含む推奨構成データを抽出する第1抽出部と、
    を有する、請求項2または3に記載の装置。
  5. 前記第1抽出部は、各推奨構成データにおいて何れかの推奨構成パラメータの値が前記分布範囲内に含まれない場合には、前記複数の推奨構成データから、前記分布範囲内に含まれる推奨構成パラメータの数が多い順に少なくとも1つの推奨構成データを抽出する、請求項に記載の装置。
  6. 前記第1モデルは、半導体デバイスの構成を示す少なくとも1つの構成パラメータの値を含む複数の学習データを用いて学習処理が実行されており、一の前記目標特性データを供給したことに応じて、推奨する半導体デバイスの構成を示す少なくとも1つの推奨構成パラメータの値をそれぞれ含む複数の前記推奨構成データを出力し、
    前記推奨構成取得部は、
    前記複数の推奨構成データのそれぞれについて、学習処理に用いられた前記複数の学習データのうち、当該推奨構成データで示される構成に対する近似度が第1の基準範囲内の構成を示す構成近似学習データの個数を算出する第1算出部と、
    前記第1算出部による算出結果に基づいて前記複数の推奨構成データから、少なくとも1つの推奨構成データを抽出する第2抽出部と、
    を有する、請求項2,3および5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記推奨構成データで示される構成の前記半導体デバイスを、前記推奨制御条件データを用いて製造する製造部と、
    前記製造部で製造された前記半導体デバイスの構成を示す構成データを取得する構成取得部と、
    前記製造部で製造された前記半導体デバイスの特性を示す特性データを取得する特性取得部と、
    前記構成データおよび前記特性データを含む学習データを用いて前記第1モデルの学習処理を実行する第1学習処理部と、
    をさらに備える、請求項に記載の装置。
  8. 前記第1モデルは、複数の学習データを用いて学習処理が実行されており、
    前記推奨構成取得部は、
    学習処理に用いられた前記複数の学習データのそれぞれについて、前記複数の学習データのうち、当該学習データに含まれる前記構成データで示される構成に対する近似度が第2の基準範囲内の構成を示す前記構成データを含む構成近似学習データの個数を算出する第2算出部と、
    学習処理に用いられた前記複数の学習データの数が第1の基準個数よりも少ない場合に、ランダムな内容の前記推奨構成データを取得するランダム構成取得部と、
    学習処理に用いられた前記複数の学習データの数が前記第1の基準個数よりも多く第2の基準個数より少ない場合に、前記第2算出部により算出された前記個数が最も少ない基準数の学習データのうち何れか2つの構成データを補間して得られる構成データを前記推奨構成データとして取得する補間構成取得部と、
    を有する、請求項に記載の装置。
  9. 前記製造部、および、前記第1学習処理部は、前記学習処理に用いられた前記複数の学習データの数が少なくとも前記第2の基準個数となるまで前記推奨構成データで示される構成の前記半導体デバイスの製造と、製造された半導体デバイスの特性データを含む前記学習データを用いた前記第1モデルの学習処理とを繰り返す、請求項に記載の装置。
  10. 学習処理に用いられた前記複数の学習データの数が前記第2の基準個数より多い場合に、前記特性取得部によって取得された前記特性データと前記目標特性データとの差異が許容範囲内であるか否かを判定する判定部をさらに備え、
    前記製造部、および、前記第1学習処理部は、前記差異が前記許容範囲外である場合に、前記目標特性データを前記第1モデルに供給して取得される前記推奨構成データで示される構成の前記半導体デバイスの製造と、製造された半導体デバイスの特性データを含む前記学習データを用いた前記第1モデルの学習処理とを繰り返す、請求項8または9に記載の装置。
  11. 前記第1学習処理部は、前記特性データに含まれる少なくとも1つの特性パラメータと、前記構成データに含まれる少なくとも1つの構成パラメータとの相関を検出する第2検出部を有する、請求項1,7および8のいずれか一項に記載の装置。
  12. 前記第2検出部は、前記特性データに含まれる何れかの特性パラメータの値と、前記構成データに含まれる少なくとも2つの構成パラメータの値を有する項との回帰分析によって算出される当該項の重みに基づいて、前記少なくとも2つの構成パラメータの間の相関を検出する、請求項11に記載の装置。
  13. 前記半導体デバイスの構成は、前記半導体デバイスに含まれる層の数、各層の膜厚、各層の組成、各層の不純物濃度、および、基板の材料の少なくとも1つである、請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
  14. 前記半導体デバイスは、発光装置である、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 半導体デバイスの構成を示す構成データを取得する構成取得段階と、
    前記半導体デバイスの特性を示す特性データを取得する特性取得段階と、
    取得された前記構成データおよび前記特性データを含む学習データを用いて、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを入力したことに応じて推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データを出力する第1モデルの学習処理を実行する第1学習処理段階と、
    前記半導体デバイスの製造装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得段階と、
    前記特性データ、前記構成データおよび前記制御条件データを含む学習データを用いて、前記目標特性データおよび前記推奨構成データを入力したことに応じて推奨する制御条件を示す推奨制御条件データを出力する第2モデルの学習処理を実行する第2学習処理段階と、
    を備える、方法。
  16. コンピュータを、
    半導体デバイスの構成を示す構成データを取得する構成取得部と、
    前記半導体デバイスの特性を示す特性データを取得する特性取得部と、
    取得された前記構成データおよび前記特性データを含む学習データを用いて、目標とする半導体デバイスの特性を示す目標特性データを入力したことに応じて推奨する半導体デバイスの構成を示す推奨構成データを出力する第1モデルの学習処理を実行する第1学習処理部と、
    前記半導体デバイスの製造装置の制御条件を示す制御条件データを取得する制御条件取得部と、
    前記特性データ、前記構成データおよび前記制御条件データを含む学習データを用いて、前記目標特性データおよび前記推奨構成データを入力したことに応じて推奨する制御条件を示す推奨制御条件データを出力する第2モデルの学習処理を実行する第2学習処理部
    として機能させるプログラム。
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