JP2020069616A - モータ駆動装置、ロボット駆動システム及びモータ駆動プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】演算負荷の増加を抑制しながら多関節ロボットで発生する振動を抑制可能なモータ駆動装置を得る。【解決手段】モータ駆動装置は、多関節ロボットに設けられる複数の関節のそれぞれを回転させるモータを駆動するモータ駆動装置であって、多関節ロボットの移動位置を指定する位置指令値に基づき、複数の関節のそれぞれの角度を指定する角度指令値θ1,θ2,θ3を生成する角度指令値生成部10と、複数の角度指令値θ1,θ2,θ3を用いて、多関節ロボットに生じる振動を抑制する補正量Δθ1,Δθ2,Δθ3を生成する補正量生成部211,221,231と、補正量Δθ1,Δθ2,Δθ3を用いて角度指令値θ1,θ2,θ3を補正し、補正後の角度指令値θ1',θ2',θ3'を演算する指令値補正部21a,22a,23aとを備える。【選択図】図4
Description
本発明は、多関節ロボットに設けられる複数の関節のそれぞれを回転させるモータを駆動するモータ駆動装置、ロボット駆動システム及びモータ駆動プログラムに関する。
特許文献1にはロボットに生じる振動を抑制する技術が開示されている。特許文献1に開示される技術によれば、位置指令値の2階微分値にパラメータを乗算して得られた補正量を、位置指令値に加算することによって新たな位置指令値を演算することで、アーム先端の振動が抑制される。位置指令値は、アーム先端の移動位置を指定する指令値である。
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、1つのモータを利用して動作基点から目標位置へ直線移動される機構に生じる振動を抑制するものである。そのため、複数の関節を備える多関節ロボットへ特許文献1に開示される技術を適用した場合、位置指令値に対して制震抑制のための補正演算が行われる。すなわち、複数の関節のそれぞれの角度を指定する複数の角度指令値に変換される前の位置指令値に対して、補正量が演算される。このように、位置指令値に対して補正演算が行われた場合、位置指令値を角度指令値に変換する演算負荷が増大し、位置指令値の入力に対する多関節ロボットの動作遅延が生じる。また、多関節ロボットの駆動制御においては、例えば3次元空間内で目標位置へ非直線的に移動されるアーム先端の移動ベクトルの加速度を求める必要があるため、角度指令値の演算自体が複雑化して、多関節ロボットの設計と動作検証に要する時間が大幅に増大するという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、演算負荷の増加を抑制しながら多関節ロボットで発生する振動を抑制可能なモータ駆動装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係るモータ駆動装置は、多関節ロボットに設けられる複数の関節のそれぞれを回転させるモータを駆動するモータ駆動装置であって、前記多関節ロボットの移動位置を指定する位置指令値に基づき、複数の関節のそれぞれの角度を指定する角度指令値を生成する角度指令値生成部を備える。モータ駆動装置は、複数の前記角度指令値を用いて、前記多関節ロボットに生じる振動を抑制する補正量を生成する補正量生成部と、前記補正量を用いて前記角度指令値を補正し、補正後の前記角度指令値を演算する指令値補正部とを備える。
本発明によれば、演算負荷の増加を抑制しながら多関節ロボットで発生する振動を抑制できるという効果を奏する。
以下に、本発明の実施の形態に係るモータ駆動装置、ロボット駆動システム及びモータ駆動プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は本発明の実施の形態に係るモータ駆動装置を備えるロボット駆動システムの構成例を示す図である。ロボット駆動システム1000は、多関節ロボット200を駆動するシステムである。多関節ロボット200の構成の詳細は後述する。ロボット駆動システム1000は、位置指令値を出力する位置指令装置300と、位置指令値に基づき、多関節ロボット200を駆動するための駆動電流を生成して出力するモータ駆動装置100とを備える。位置指令値は、多関節ロボット200が備えるアーム先端の移動位置を指定する指令値である。モータ駆動装置100は、位置指令値に基づき、角度指令値を生成する角度指令値生成部10と、角度指令値生成部10で生成された角度指令値に基づき、多関節ロボット200に設けられる複数のモータのそれぞれを駆動する駆動電流を生成するモータ駆動部20とを備える。角度指令値は、多関節ロボット200が備える複数の関節のそれぞれの角度を指定する指令値である。
図1は本発明の実施の形態に係るモータ駆動装置を備えるロボット駆動システムの構成例を示す図である。ロボット駆動システム1000は、多関節ロボット200を駆動するシステムである。多関節ロボット200の構成の詳細は後述する。ロボット駆動システム1000は、位置指令値を出力する位置指令装置300と、位置指令値に基づき、多関節ロボット200を駆動するための駆動電流を生成して出力するモータ駆動装置100とを備える。位置指令値は、多関節ロボット200が備えるアーム先端の移動位置を指定する指令値である。モータ駆動装置100は、位置指令値に基づき、角度指令値を生成する角度指令値生成部10と、角度指令値生成部10で生成された角度指令値に基づき、多関節ロボット200に設けられる複数のモータのそれぞれを駆動する駆動電流を生成するモータ駆動部20とを備える。角度指令値は、多関節ロボット200が備える複数の関節のそれぞれの角度を指定する指令値である。
モータ駆動装置100の特徴は、位置指令値に基づき生成された複数の角度指令値の補正量を用いて、複数の角度指令値のそれぞれを補正することによって、補正された角度指令値を演算することである。以下では、図2及び図3を用いて多関節ロボットの構成を説明し、その後に図4から図8を用いてモータ駆動装置100の構成と動作を説明する。
図2は図1に示される多関節ロボットの構成例を示す第1図である。図2に示される多関節ロボット200は、例えば、3つの関節を備えたウエハ運搬スカラロボットである。多関節ロボット200は、ベース部201、ロボットアーム202及びロボットハンド203を備え、さらに3つのモータM1,M2,M3を備える。3つのモータM1,M2,M3のそれぞれは、図1に示されるモータ駆動装置100の駆動対象となる回転電機であり、例えばサーボモータなどである。なお、本実施の形態に係るモータ駆動装置100によって駆動される多関節ロボット200は、ウエハ運搬スカラロボットに限定されるものではなく、2つ以上の関節を備えたロボットであればよい。また多関節ロボット200の関節数は、2つ以上であればよく、3つに限定されるものではない。2つ以上の関節を備えたロボットの例としては、水平方向の動作に重点の置かれた関節構造のスカラロボットである水平多関節ロボット、水平方向だけでなく垂直方向の動作にも重点の置かれた関節構造の垂直多関節ロボットなどである。水平多関節ロボットは、垂直多関節ロボットに比べて動作範囲が狭い傾向にあり、省スペース化が可能、高速動作が可能といった利点がある。また、水平多関節ロボットは、垂直方向の剛性が高く、ロボットアームの先端に設けられるロボットハンド(エンドエフェクタ)の高精度な位置決めが可能である。その反面、水平多関節ロボットでは、可動範囲が狭いため動作が制限される。垂直多関節ロボットは、可動範囲が広く、様々な動作を行うことができるが、垂直方向の剛性が低いため、エンドエフェクタの高精度な位置決めが難しい。
図3は図1に示される多関節ロボットの構成例を示す第2図である。図3には、多関節ロボット200を構成するベース部201及びロボットアーム202を平面視した状態が示される。多関節ロボット200には、3つのリンクLK1,LK2,LK3と、3つの関節J1,J2,J3と、3つのモータM1,M2,M3と、3つの軸AX1,AX2,AX3とが設けられる。なお、多関節ロボット200には、これらの構成要素以外にも、例えば3つの軸AX1,AX2,AX3のそれぞれを入力軸として、入力軸の回転数を減速して出力軸へ伝達する減速機構が設けられる。減速機構は、例えば波動歯車装置などである。
モータM1はベース部201に設けられる。モータM1から伸びる軸AX1の回転力は、不図示の減速機構を介して、リンクLK1に設けられる関節J1に伝達される。軸AX1は、リンクLK1を回転させるためのモータシャフトである。モータM2はリンクLK1に設けられる。モータM2から伸びる軸AX2の回転力は、不図示の減速機構を介して、リンクLK2に設けられる関節J2に伝達される。軸AX2は、リンクLK2を回転させるためのモータシャフトである。モータM3はリンクLK2に設けられる。モータM3から伸びる軸AX3の回転力は、不図示の減速機構を介して、リンクLK3に設けられる関節J3に伝達される。軸AX3は、リンクLK3を回転させるためのモータシャフトである。
リンクLK3の先端位置は、xy座標で表すと、座標(x,y)=(0,L1+L2+L3)となる。L1は、軸AX1から軸AX2までの距離に等しい。L2は、軸AX2から軸AX3までの距離に等しい。L3は、軸AX3からリンクLK3の先端までの幅に等しい。
次に、図4及び図5を用いて、モータ駆動装置100の構成の詳細について説明する。図4は図1に示されるモータ駆動装置の構成例を示す図である。モータ駆動装置100は、角度指令値生成部10及びモータ駆動部20を備える。角度指令値生成部10は、位置指令値を、逆キネマティクス演算により、例えば3つの角度指令値θ1,θ2,θ3に変換する機能である。角度指令値θ1は、図3に示される関節J1の角度を指定する指令値である。角度指令値θ2は、図3に示される関節J2の角度を指定する指令値である。角度指令値θ3は、図3に示される関節J3の角度を指定する指令値である。逆キネマティクスでは、ロボットアーム202の先端の位置及び姿勢から、各関節J1,J2,J3の角度が演算される。逆キネマティクスにより、ロボット位置及び姿勢から各関節の角度を求める手法については、例えば特開2005-305597号公報、特開平11-104985号公報などに記載されるため、ここでは説明を割愛する。
モータ駆動部20は、第1駆動電流生成部21、第2駆動電流生成部22及び第3駆動電流生成部23を備える。第1駆動電流生成部21は、第1指令値補正部21a及び第1サーボ制御部21bを備える。第1指令値補正部21aは、第1補正量生成部211及び補正後角度指令値生成部212を備える。第1補正量生成部211の構成の詳細は後述する。補正後角度指令値生成部212は、加算部3を備える。第2駆動電流生成部22は、第2指令値補正部22a及び第2サーボ制御部22bを備える。第2指令値補正部22aは、第2補正量生成部221及び補正後角度指令値生成部222を備える。第2補正量生成部221の構成の詳細は後述する。補正後角度指令値生成部222は、加算部3を備える。第3駆動電流生成部23は、第3指令値補正部23a及び第3サーボ制御部23bを備える。第3指令値補正部23aは、第3補正量生成部231及び補正後角度指令値生成部232を備える。第3補正量生成部231の構成の詳細は後述する。補正後角度指令値生成部232は、加算部3を備える。
図5は図4に示される補正量生成部の構成例を示す図である。第1補正量生成部211、第2補正量生成部221及び第3補正量生成部231のそれぞれは、角度指令値に対して2階微分を施して2階微分値を出力する微分部1と、微分部1から出力される2階微分値に対してゲイン定数を乗算することによって補正量を演算して出力するゲイン部2とを備える。
図4に戻り、第1サーボ制御21bは、第1指令値補正部21aで演算された補正後角度指令値θ1'に基づき、モータM1の軸AX1を制御する駆動電流D1を供給する。第2サーボ制御22bは、第2指令値補正部22aで演算された補正後角度指令値θ2'に基づき、モータM2の軸AX2を制御する駆動電流D2を供給する。第3サーボ制御23bは、第3指令値補正部23aで演算された補正後角度指令値θ3'に基づき、モータM3の軸AX3を制御する駆動電流D3を供給する。
次に、図6及び図7を用いて、モータ駆動装置100及びロボット駆動システム1000の動作を説明する。図6は図1に示されるロボット駆動システムの動作を説明するためのフローチャートである。位置指令装置300で位置指令値が生成されると、角度指令値生成部10では、角度指令値θ1、角度指令値θ2及び角度指令値θ3が生成される(ステップS1)。生成された角度指令値θ1は第1指令値補正部21aに入力され、角度指令値θ2は第2指令値補正部22aに入力され、角度指令値θ3は第3指令値補正部23aに入力される。
第1指令値補正部21aの第1補正量生成部211では、角度指令値θ1に基づき補正量Δθ1が生成される(ステップS2)。そして、補正後角度指令値生成部212の加算部3には、補正量Δθ1と角度指令値θ1とが入力され、当該加算部3では、角度指令値θ1に補正量Δθ1が加算されることによって角度指令値θ1が補正される(ステップS3)。その結果、補正後角度指令値θ1'が生成される。
同様に、第2指令値補正部22aの第2補正量生成部221では、角度指令値θ2に基づき補正量Δθ2が生成される(ステップS2)。そして、補正後角度指令値生成部222の加算部3には、補正量Δθ2と角度指令値θ2とが入力され、当該加算部3では、角度指令値θ2に補正量Δθ2が加算されることによって、角度指令値θ2が補正される(ステップS3)。その結果、補正後角度指令値θ2'が演算される。
また第3指令値補正部23aの第3補正量生成部231では、角度指令値θ3に基づき補正量Δθ3が生成される(ステップS2)。そして、補正後角度指令値生成部232の加算部3には、補正量Δθ3と角度指令値θ3とが入力され、当該加算部3では、角度指令値θ3に補正量Δθ3が加算されることによって、角度指令値θ3が補正される(ステップS3)。その結果、補正後角度指令値θ3'が演算される。演算された補正後角度指令値θ1'は第1サーボ制御部21bの指令として入力される。演算された補正後角度指令値θ2'は第2サーボ制御部22bの指令として入力される。演算された補正後角度指令値θ3'は第3サーボ制御部23bの指令として入力される。
第1サーボ制御部21bは駆動電流D1をモータM1に供給する。第2サーボ制御部22bは駆動電流D2をモータM2に供給する。第3サーボ制御部23bは駆動電流D3をモータM3に供給する。これにより、3つのモータM1,M2,M3のそれぞれに設けられるロータが回転して、ロータに設けられる軸AX1,AX2,AX3の回転トルクが、リンクLK1,LK2,LK3に伝達される。モータM1の軸AX1が回転することによって、関節J1の角度が変化する。モータM2の軸AX2が回転することによって、関節J2の角度が変化する。モータM3の軸AX3が回転することによって、関節J3の角度が変化する。関節J1の角度が変化することによって、軸AX1の延伸方向と直交する平面上におけるリンクL1の角度θ1が変化する。角度θ1は、関節J1の角度に等しい。同様に、関節J2の角度が変化することによって、リンクL2の角度θ2が変化する。角度θ2は、関節J2の角度に等しい。関節J3の角度が変化することによって、リンクL3の角度θ3が変化する。角度θ3は、関節J3の角度に等しい。これにより、リンクLK3の先端、すなわちロボットハンド203の先端が、任意の3次元位置に移動される。
図7は角度指令値θ1,θ2,θ3の変化を示す図である。図7の横軸は時間を表し、図7の縦軸は角度指令値(各関節の角度)を表す。図8はリンクLK1先端のx方向及びy方向相対移動を表す図である。図9はリンクLK2先端のx方向及びy方向相対移動を表す図である。図10はリンクLK3のx,y座標位置を表す図である。図7〜図10に示すように、角度指令値θ1,θ2,θ3の変化の傾向は互いに異なるため、リンクLK1、リンクLK2及びリンクLK3のそれぞれの先端の動作は非線形となる。
しかしながら、ロボットハンド203の先端が図11に示されるように、x方向に直線運動する場合、リンクLK1の先端とリンクLK2の先端の相対移動は、y方向を相殺する動きとなる。従って、結果として線形結合が成り立ち、制振制御の効果が得られる。図11はロボットハンドの先端が直線運動する場合におけるx,y座標位置を示す図である。図11の横軸はx方向の位置を表し、図11の縦軸はy方向の位置を表す。このように、ロボットハンド203の先端がx方向に直線運動する場合、逆キネマティクスの結果が非線形であっても、各関節ではy方向の動作が相殺されて、結果的に線形結合となる。そのため、制振制御の効果が得られる。
図12は角度指令値の補正による効果を説明するための図である。図12には、例えばロボットハンド203の先端がx,y座標(200,0)からx,y座標(400,0)に移動したときに検出される振動が示される。図12の左側に示される実線は、制振制御がない状態でロボットハンド203の先端を動作させたときに検出される振動を表す。制振制御がない状態とは、前述した補正量による角度指令値の補正がなされていない状態である。図12の右側に示される実線は、制振制御がある状態でロボットハンド203の先端を動作させたときに検出される振動を表す。制振制御がある状態とは、本実施の形態に係るモータ駆動装置100を用いて多関節ロボット200を動作させた状態である。図12の横軸は時間、図12の縦軸は位置である。例えば10秒から12秒までの間にロボットハンド203の先端がx,y座標(200,0)からx,y座標(400,0)へ移動され、12秒付近でロボットハンド203の先端の移動が停止される。この場合、制振制御がないときには、ロボットハンド203における振動が抑制されないが、制振制御があるときには、ロボットハンド203における振動が抑制されることが分かる。
なお特開2018-51650号公報には、関節角度を補正することによって制振制御を行う技術が開示されている。しかしながら、当該文献では単軸の動作のみについて言及されている。例えば当該文献の段落0049の式(1)「a=aω・Lr」では、回転角速度で加速度が求められる。しかしながら回転運動の場合、角加速度及び加速度はベクトルとなり、円の接線方向だけではなく、径方向にも発生する。そのため、物体Wは円の外側に膨らんでしまい、径方向の振動が発生する。当該文献では、このような現象が考慮されておらず、制振制御が理論的には成り立たない。これに対して本実施の形態に係るモータ駆動装置100を用いて、例えばスカラロボットのロボットハンド203の先端を直線運動させた場合、制振制御の効果が得られる。
なお本実施の形態における制振制御方法は、図5に開示される例に限定されるものではなく、制振制御には、例えば固有振動成分を除去又は低減する特性を有する制振フィルタを適用してもよい。
特許文献1に示される技術は、複数の関節を備えた多関節ロボット200に生じる振動を抑制することを目的としたものではないため、多関節ロボット200へ特許文献1に開示される技術を適用する場合には、位置指令値に対して制震抑制のための補正演算が行われる。すなわち逆キネマティクス演算される前の位置指令値に対して、制震抑制のための補正演算が行われる。このように、位置指令値に対して補正演算が行われた場合、位置指令値を角度指令値に変換する逆キネマティクスによる演算の負荷が増大し、位置指令値の入力に対する多関節ロボットの動作遅延が生じる。この動作遅延を解消するためには、高速演算が可能な高価なプロセッサを用いる必要がある。また逆キネマティクスによる演算が複雑化して、モータ駆動装置の設計と動作検証に要する時間が大幅に増大する。そのため、特許文献1に開示される技術を多関節ロボット200へ適用するには、モータ駆動装置の製造コストが大幅に上昇することとなる。
本実施の形態に係るモータ駆動装置100は、多関節ロボットの移動位置を指定する位置指令値に基づき、複数の関節のそれぞれの角度を指定する角度指令値を生成する角度指令値生成部10と、各々の角度指令値を用いて、多関節ロボットに生じる振動を抑制する補正量を生成する補正量生成部(第1補正量生成部211、第2補正量生成部221及び第3補正量生成部231)と、その補正量を用いて角度指令値を補正し、補正後の角度指令値を演算する指令値補正部(補正後角度指令値生成部212、補正後角度指令値生成部222及び補正後角度指令値生成部232)とを備える。モータ駆動装置100によれば、逆キネマティクス演算後の角度指令値θ1,θ2,θ3に対して、補正量が付加されるため、角度指令値生成部10の演算負荷の上昇が抑制され、さらに角度指令値θ1,θ2,θ3への補正量の加算は簡単な処理で済むため、多関節ロボット200の動作遅延を抑制することもできる。従って、高速演算が可能な高価なプロセッサを用いることなく、多関節ロボット200の制振制御が可能であり、またモータ駆動装置100の設計と動作検証に要する時間の増加を抑制できる。その結果、多関節ロボット200の制振制御対策に要するコストの上昇を抑制しながら、多関節ロボットで発生する振動を効果的に抑制できる。
図13は図1に示されるモータ駆動装置により駆動可能なスカラロボットの外観図である。図13にはスカラロボットの一例である水平多関節ロボット230が示される。水平多関節ロボット230は、図2に示される多関節ロボット200と同様に、2つ以上の関節を備えたロボットである。本実施の形態に係るモータ駆動装置100は、図2に示される多関節ロボット200に代えて、図13に示される水平多関節ロボット230の駆動も可能であり、水平多関節ロボット230を用いた場合でも、前述同様の効果を得ることができる。
図14は本発明の実施の形態に係るモータ駆動装置を実現するためのハードウェア構成例を示す図である。モータ駆動装置100は、CPU(Central Processing Unit)、システムLSI(Large Scale Integration)などのプロセッサ30と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などで構成されるメモリ31と、入出力インタフェース32とにより実現することが可能である。プロセッサ30、メモリ31及び入出力インタフェース32は、バス33に接続され、バス33を介して、データ、制御情報などの受け渡しを相互に行うことが可能である。入出力インタフェース32は、モータ駆動装置100が、位置指令装置300及び多関節ロボット200との間で位置指令値、駆動電流などの送受信を行う場合に使用される。なお、プロセッサ30は、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)といった演算手段であってもよい。
モータ駆動装置100を実現する場合、モータ駆動装置100用のプログラムをメモリ31に格納しておき、このプログラムをプロセッサ30が実行することにより、モータ駆動装置100の角度指令値生成部10、第1指令値補正部21a、第2指令値補正部22a、第3指令値補正部23aなどが実現される。モータ駆動装置100用のプログラムは、角度指令値生成部10、第1指令値補正部21a、第2指令値補正部22a、第3指令値補正部23aなどの機能を実行するプログラムである。
なお、モータ駆動装置100の制御対象である多関節ロボット200が、スカラロボットである場合、スカラロボットは垂直多関節ロボットに比べて安価に製造が可能であるため、モータ駆動装置100を用いることにより、スカラロボットを含むロボット駆動システム1000の製造コストの上昇を抑制しながら、スカラロボットで発生する振動を効果的に抑制することができる。
また、このスカラロボットが図2に示されるようなウエハ運搬スカラロボットである場合、ウエハ運搬スカラロボットでは、ウエハ運搬時に生じる振動を抑制するために多大な調整時間を要するが、モータ駆動装置100を用いることにより、ウエハ運搬スカラロボットを含むロボット駆動システム1000の調整時間の大幅な増加を抑制しながら、スカラロボットで発生する振動を効果的に抑制することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 微分部、2 ゲイン部、3 加算部、10 角度指令値生成部、20 モータ駆動部、21 第1駆動電流生成部、22 第2駆動電流生成部、23 第3駆動電流生成部、21a 第1指令値補正部、22a 第2指令値補正部、23a 第3指令値補正部、21b 第1サーボ制御部、22b 第2サーボ制御部、23b 第3サーボ制御部、211 第1補正量生成部、221 第2補正量生成部、231 第3補正量生成部、30 プロセッサ、31 メモリ、32 入出力インタフェース、33 バス、100 モータ駆動装置、200 多関節ロボット、201 ベース部、202 ロボットアーム、203 ロボットハンド、230 水平多関節ロボット、300 位置指令装置、1000 ロボット駆動システム。
Claims (5)
- 多関節ロボットに設けられる複数の関節のそれぞれを回転させるモータを駆動するモータ駆動装置であって、
前記多関節ロボットの移動位置を指定する位置指令値に基づき、複数の関節のそれぞれの角度を指定する角度指令値を生成する角度指令値生成部と、
複数の前記角度指令値を用いて、前記多関節ロボットに生じる振動を抑制する補正量を生成する補正量生成部と、
前記補正量を用いて前記角度指令値を補正し、補正後の前記角度指令値を演算する指令値補正部と、
を備えるモータ駆動装置。 - 前記多関節ロボットはスカラロボットである請求項1に記載のモータ駆動装置。
- 前記スカラロボットは、ウエハ運搬スカラロボットである請求項2に記載のモータ駆動装置。
- 前記多関節ロボットと請求項1から3の何れか一項に記載のモータ駆動装置とを備えるロボット駆動システム。
- 多関節ロボットに設けられる複数の関節のそれぞれを回転させるモータを駆動するモータ駆動プログラムであって、
前記多関節ロボットの移動位置を指定する位置指令値に基づき、複数の関節のそれぞれの角度を指定する角度指令値を生成する角度指令値生成ステップと、
複数の前記角度指令値を用いて、前記多関節ロボットに生じる振動を抑制する補正量を生成する補正量生成ステップと、
補正量生成ステップで生成された前記補正量を用いて前記角度指令値を補正し、補正後の前記角度指令値を演算する指令値補正ステップと、
をコンピュータに実行させるモータ駆動プログラム。
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CN112276938A (zh) * | 2020-09-11 | 2021-01-29 | 福建天泉教育科技有限公司 | 减弱机器人转动抖动的方法及计算机可读存储介质 |
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2018
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