JP2020069505A - 機械加工用治具及び機械加工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2には、基材上に形成される切削工具用ダイヤモンド皮膜であって、この皮膜は複数の皮膜層から形成されており、ラマン分光スペクトル分析による強度比(ID/IGあるいはIG/ID)により皮膜層の機械的特性を制御することが提案されている。
尚、しごき率は、板厚減少率であり、しごき加工前の板厚t0、加工後の板厚をt1としたとき、下記式で表され、しごき率が大きいほど、ダイスに加わる面圧が大きく、過酷な成形となる。
しごき率(%)=100×(t0−t1)/t0
前記炭素膜は、下記式:
ID/IG
式中、
IDは、前記炭素膜表面のラマン分光スペクトルにおける1333±10cm−1での最大ピーク強度であり、
IGは、前記炭素膜表面のラマン分光スペクトルにおける1500±100cm−1での最大ピーク強度である、
で表される強度比が0.6を超えるラマン分光スペクトルを示すことを特徴とする機械加工用治具が提供される。
(1)前記炭素膜の表面は、算術平均粗さRaが0.12μm以下の平滑面となっていること、
(2)前記炭素膜は、前記強度比が1.1以下のラマン分光スペクトルを示すこと、
が好適である。
この方法においては、
(1)前記機械加工用治具がしごき加工用ダイスであり、前記機械加工がしごき加工であること、
が好適である。
このように、本発明にしたがい、強度比ID/IGの小さな炭素膜を設けることにより、耐衝撃性を高め、炭素膜の膜剥がれを有効に防止することができる。
即ち、本発明の機械加工用治具の加工面に設けられている炭素膜は、強度比ID/IGが小さい範囲にあり、ダイヤモンド純度が低いため、ドライプロセスのような潤滑剤を使用しない過酷な加工を行った場合には、得られる被加工物の成形加工面は、粗くなってしまう傾向があるかもしくは成形不良が生じる。しかるに、液体環境下での加工、即ち、クーラントを用いたウエットプロセスでの加工に本発明の機械加工用治具を適用した場合には、平滑度の高い成形加工面を得ることができる。
ID/IG (1)
式中、
IDは、炭素膜3の表面のラマン分光スペクトルにおける1333±10cm−1での最大ピーク強度であり、
IGは、炭素膜3の表面のラマン分光スペクトルにおける1500±100cm−1での最大ピーク強度である、
で表される強度比が0.6を超え、好ましくは1.1以下、より好ましくは1.0未満、さらに好ましくは0.9以下の範囲にある。
上記の原料ガスを使用し、上記剛性基材1を700〜1000℃の高温に加熱し、マイクロ波や高周波等によりプラズマを発生させ、プラズマ中で原料ガスを分解して活性種を生成せしめ、剛性基材1上でダイヤモンド結晶を成長させることにより成膜が行われる。かかる成膜に際しては、プラズマ中で解離した水素原子が、剛性基材1上に生成したグラファイトやアモルファスカーボンを選択的にエッチングし、これにより、ダイヤモンド成分が多く、膜のラマン分光スペクトルのピーク強度比を前述した範囲内とすることができる。
かかる打ち抜き加工では、円板13の直径に相当する外径を有する打ち抜き用パンチ15と、素板11を保持し且つ円板13の直径に相当する開口を有するダイ17が使用される。即ち、パンチ15によりダイ17上に保持された素板11を打ち抜くことにより、所定の大きさの円板13が得られる。
尚、かかる製造プロセスで製造する成形物の形態によっては、素板11は、他の形状(例えば矩形状)に打ち抜かれることもある。
かかる絞り加工においては、ダイ21上に打ち抜かれた円板13が保持され、この円板13の周囲はしわ押え用の治具23によって保持されている。ダイ21には、開口が形成されており、絞り用のパンチ25を用いてダイ21の開口内に円板13を押し込むことにより、絞り缶19が得られることとなる。
尚、このダイ21の開口の上端のコーナー部(円板13を保持している側)にアール(曲率部)が形成されており、円板13が速やかに且つ折れることなく、ダイ21の開口内に押し込まれるようになっており、パンチ25の外径は、円板13のほぼ厚みに相当する分だけ、ダイ21の開口の径よりも小さく設定されている。即ち、この絞り加工では、薄肉化はほとんど行われない。尚、絞り加工は成形品の形状に応じて複数回行う場合もある。
このしごき加工では、上記の絞り加工により得られた絞り缶19の内部にしごき用のパンチ29を挿入し、環状のしごき加工用ダイス31の内面に該筒状体19の外面を圧接しながら、パンチ29を降下させることにより、ダイス31により、筒状体19の側壁が薄肉化されていくこととなる。これにより、薄肉化され、且つ薄肉化の程度に応じてハイトが高くなった金属缶基体27が得られることとなる。
また、図では示されていないが、剛性基材1の内部には、冷却管などが通され、しごき加工に際しての加工面41の温度上昇を抑制するように構成されていることが好適である。
特に、管状のしごき加工用ダイス31を用いてのウエット加工によるしごき加工は、前述した図2に示すプロセスで金属缶基体を製造する際のしごき加工に好適に使用することができ、中でも、アルミニウム缶の製造に最も好適に適用される。
尚、以下の実験例において、表面粗さの測定、ラマン分光スペクトルにおけるピーク強度の算出及び耐衝撃性試験は、以下の方法により実施した。
(株)東京精密製表面粗さ計(サーフコム2000SD3)を使用し、JIS−B−0601に準拠し、算術平均粗さRaを測定した。
サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製ラマン分光装置(DXR Raman Microscope)を使用し、ラマン分光スペクトルを測定した。その際の、ラマン分光スペクトルの一例が図2に示されている。1333cm−1近傍に鋭いピークIDと、1500cm−1近傍になだらかなピークIGが検出されていることがわかる。得られたラマン分光スペクトルの曲線を二次多項式にて近似し、これをベースラインとして、ラマン分光スペクトルを補正し、任意区間に存在するピークのうち最も高いピーク強度を取得した。
図5に示す試験機を用いて行った。
即ち、剛性基材の表面に炭素膜を備えた試料板をバネで保持して荷重を加え、回転板に装着された圧子の先端に超硬合金製の硬球を取り付け、回転板の回転により圧子を摺動させることにより、硬球を繰り返し叩き付け、膜剥がれが生じるまでのショット数を測定し、このショット数により耐衝撃性を評価した。
硬球:1/2インチ径の超硬合金製
荷重:200N(ヘルツ接触応力 5GPa)
摺動速度:400ショット/min
評価基準は、以下のとおりである。
◎:膜剥がれまでのショット数が40万回以上
○:膜剥がれまでのショット数が20万回以上、40万回未満
△:膜剥がれまでのショット数が10万回以上、20万回未満
×:膜剥がれまでのショット数が10万回未満
表1に示すID/IG強度比のラマン分光スペクトルを示す炭素膜を超硬基板に形成し、耐衝撃性試験を行い、耐衝撃性(膜剥がれ)の評価を行った。その結果を表1に示した。
表2に示すID/IG強度比のラマン分光スペクトルを示す炭素膜が表面に形成されたダイスを用いて、アルミニウム板のしごき加工成形試験を行った。尚、炭素膜表面の算術平均粗さRaは0.12μmとなるように研磨を行った。
尚、アルミニウム板は、A3104材を板厚0.29mmに圧延したものを打ち抜き、外径Φ66mmのパンチを速度200spmにて移動させ、まず絞り加工を行い、Φ66mmの筒状体(カップ)を成形し、このカップの外面を脱脂してしごき加工成形試験に供した。
成形試験は、表2に示すしごき率で行い、潤滑剤として水を用いてのウエット成形或いは潤滑剤を使用しないドライ成形でしごき加工を行った。
各しごき加工での成形可否の結果を表2に示した。
3:炭素膜
19:被加工物(筒体)
31:しごき加工用ダイス
41:加工面
Claims (5)
- 剛性基材の加工面に炭素膜が形成されている機械加工用治具において、
前記炭素膜は、下記式:
ID/IG
式中、
IDは、前記炭素膜表面のラマン分光スペクトルにおける1333±10cm−1での最大ピーク強度であり、
IGは、前記炭素膜表面のラマン分光スペクトルにおける1500±100cm−1での最大ピーク強度である、
で表される強度比が0.6を超えるラマン分光スペクトルを示すことを特徴とする機械加工用治具。 - 前記炭素膜の表面は、算術平均粗さRaが0.12μm以下の平滑面となっている請求項1に記載の機械加工用治具。
- 前記炭素膜は、前記強度比が1.1以下の範囲にあるラマン分光スペクトルを示す請求項1または2に記載の機械加工用治具。
- 請求項1〜3の何れかに記載の機械加工用治具を使用し、液体環境下で被加工物に対する機械加工を行うことを特徴とする機械加工方法。
- 前記機械加工用治具がしごき加工用ダイスであり、前記機械加工がしごき加工である請求項4に記載の機械加工方法。
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