JP2020068290A - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板に対する除電速度の低下を抑制できる基板処理装置及び基板処理方法を提供する。【解決手段】基板処理装置1は、紫外線照射部3と、電子受け部5と、磁場発生部7とを備える。紫外線照射部3は、基板Wに紫外線を照射する。電子受け部5は、紫外線の照射によって基板Wから放出される電子ELを受け取る。磁場発生部7は、電子ELが電子受け部5に向かって移動するように磁場MFを発生する。磁場発生部7は、複数の永久磁石71又は複数の電磁石72を含む。【選択図】図3
Description
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。
一般的に、半導体ウエハ等の基板が、様々な要因によって帯電することが知られている。例えば、イオンを使って半導体ウエハをエッチングしたり、純水等の比抵抗の大きい液体を半導体ウエハに形成された酸化膜にかけたりすると、半導体ウエハが帯電する。例えば、半導体ウエハが負に帯電する。
帯電は、半導体ウエハ等の基板に対して軽微な影響を及ぼす可能性がある。例えば、近年、半導体ウエハの微細化が進んでおり、半導体ウエハに対する軽微な影響でさえも低減することが要求される場合がある。例えば、半導体ウエハを薬液によって処理する場合、帯電した半導体ウエハと薬液との間の電位差によって、アーク放電が発生する可能性がある。その結果、半導体ウエハに形成された微細構造物が、アーク放電の影響を受ける可能性がある。
そこで、基板の帯電量を低減するために、基板処理装置が使用されている(例えば特許文献1)。基板処理装置は紫外線照射器を備える。紫外線照射器は、紫外線を基板の主面に照射して、基板から電子を放出させる。その結果、基板の帯電量を低減できる。つまり、基板の電荷を除電できる。
しかしながら、一般的な基板処理装置では、基板に対する除電速度が低下する可能性がある。除電速度とは、紫外線の照射によって基板から単位時間当りに除去される電荷の量のことである。
本願の発明者は、鋭意研究の結果、基板に対する除電速度が低下する原因を突き止めた。図12を参照して、除電速度が低下する原因を説明する。図12は、一般的な基板処理装置による基板Wの除電時の電子ECを示す図である。
図12に示すように、一般的な基板処理装置では、紫外線照射部400は、石英ガラス板401を介して基板Wの主面に紫外線UVを照射する。紫外線UVが基板Wの主面に照射されると、光電効果に起因して電子ECが基板Wから飛び出す。そして、電子ECは、石英ガラス板401へ到達する。従って、電子ECによって石英ガラス板401が帯電する。さらに、基板Wの表面の帯電量が低減して基板Wの表面の電位が0Vに近づくと、石英ガラス板401と基板Wとの間の電子ECは、帯電した石英ガラス板401から斥力RPを受けて、基板Wに向かって移動する。従って、基板Wが再帯電する。その結果、基板Wに対する除電速度が低下する。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板に対する除電速度の低下を抑制できる基板処理装置及び基板処理方法を提供することにある。
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、紫外線照射部と、電子受け部と、磁場発生部とを備える。紫外線照射部は、基板に紫外線を照射する。電子受け部は、前記紫外線の照射によって前記基板から放出される電子を受け取る。磁場発生部は、前記電子が前記電子受け部に向かって移動するように磁場を発生する。
本発明の基板処理装置において、前記磁場発生部は、複数の永久磁石を含むことが好ましい。
本発明の基板処理装置において、前記磁場発生部は、複数の電磁石を含むことが好ましい。
本発明の基板処理装置は、制御部をさらに備えることが好ましい。制御部は、前記電磁石を制御することが好ましい。前記制御部は、前記電磁石に流す電流の電流値を、前記基板の帯電量に応じて制御することが好ましい。
本発明の基板処理装置は、電流測定部と、制御部とをさらに備えることが好ましい。電流測定部は、前記電子受け部が受け取った前記電子に基づく電流を測定することが好ましい。制御部は、前記電子に基づく前記電流の大きさに応じて、前記電磁石に流す電流の電流値を制御することが好ましい。
本発明の基板処理装置において、前記磁場発生部は、複数の磁石ペアを含むことが好ましい。前記複数の磁石ペアは、間隔をあけて配置されることが好ましい。前記複数の磁石ペアの各々は、一対の磁石を含むことが好ましい。前記一対の磁石のうちの一方の磁石のN極と他方の磁石のS極とは、互いに隣り合って配置されることが好ましい。前記複数の磁石ペアの各々において、前記他方の永久磁石に対する前記一方の永久磁石の相対位置は一定であることが好ましい。前記一方の磁石と前記他方の磁石との間隔は、前記複数の磁石ペアのうち互いに隣り合う2つの磁石ペアの間隔よりも短いことが好ましい。
本発明の基板処理装置は、基板保持部をさらに備えることが好ましい。基板保持部は、前記基板を保持することが好ましい。前記磁場発生部は、前記基板保持部に埋め込まれていることが好ましい。
本発明の基板処理装置は、基板保持部をさらに備えることが好ましい。基板保持部は、前記基板を保持することが好ましい。前記基板保持部と前記電子受け部とのうちの少なくとも一方は、強磁性体を含むことが好ましい。
本発明の基板処理装置において、前記電子受け部は、接地されることが好ましい。
本発明の基板処理装置は、帯電部をさらに備えることが好ましい。帯電部は、前記電子受け部を正に帯電することが好ましい。
本発明の他の局面によれば、基板処理方法は、基板に紫外線を照射する紫外線照射工程と、前記紫外線の照射によって前記基板から放出される電子が電子受け部に向かって移動するように磁場を発生する磁場発生工程と、前記電子受け部が前記電子を受け取る電子受け工程とを含む。
本発明の基板処理方法において、前記磁場発生工程では、複数の永久磁石が磁場を発生することが好ましい。
本発明の基板処理方法において、前記磁場発生工程では、複数の電磁石が磁場を発生することが好ましい。
本発明の基板処理方法は、前記電磁石に流す電流の電流値を、前記基板の帯電量に応じて制御する工程をさらに含むことが好ましい。
本発明の基板処理方法は、前記電子受け工程で受け取った前記電子に基づく電流を測定する工程と、前記電子に基づく前記電流の大きさに応じて、前記電磁石に流す電流の電流値を制御する工程とをさらに含むことが好ましい。
本発明の基板処理方法において、前記電子受け部は、接地されることが好ましい。
本発明の基板処理方法において、前記電子受け部は、正に帯電していることが好ましい。
本発明によれば、基板に対する除電速度の低下を抑制できる基板処理装置及び基板処理方法を提供できる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、本発明の実施形態において、X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交し、X軸及びY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
(実施形態1)
図1〜図6を参照して、本発明の実施形態1に係る基板処理システム100を説明する。基板処理システム100は基板Wを処理する。基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、又は、太陽電池用基板である。基板Wは、例えば、略円板状である。
図1〜図6を参照して、本発明の実施形態1に係る基板処理システム100を説明する。基板処理システム100は基板Wを処理する。基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、又は、太陽電池用基板である。基板Wは、例えば、略円板状である。
まず、図1を参照して基板処理システム100を説明する。図1は、基板処理システム100を示す模式的平面図である。図1に示すように、基板処理システム100は、インデクサーユニットU1と、処理ユニットU2とを備える。インデクサーユニットU1は、複数の基板収容器Cと、インデクサーロボットIRとを含む。処理ユニットU2は、複数の処理装置200と、搬送ロボットCRと、受渡部PSとを含む。
基板収容器Cの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、複数の基板収容器Cのうちのいずれかの基板収容器Cから未処理の基板Wを取り出して、基板Wを受渡部PSに渡す。そして、受渡部PSには、基板収容器Cから取り出された基板Wが載置される。搬送ロボットCRは、受渡部PSから未処理の基板Wを受け取って、複数の処理装置200のうちのいずれかの処理装置200に基板Wを搬入する。
そして、処理装置200は、未処理の基板Wを処理する。処理装置200は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型である。例えば、処理装置200は、処理液又は処理ガスを用いて基板Wを処理する。例えば、処理装置200は、ブラシ等の接触部材及び水等の液体を用いて基板Wを処理する。なお、処理装置200による基板Wの処理内容は、特に限定されない。
処理装置200による処理後に、搬送ロボットCRは、処理済みの基板Wを処理装置200から取り出して、基板Wを受渡部PSに渡す。そして、受渡部PSには、処理装置200で処理された基板Wが載置される。インデクサーロボットIRは、受渡部PSから処理済みの基板Wを受け取って、複数の基板収容器Cのうちのいずれかの基板収容器Cに基板Wを収容する。
次に、図2〜図4(b)を参照して、基板処理システム100に含まれる基板処理装置1を説明する。図2は、基板処理装置1を示す模式的斜視図である。図3は、基板処理装置1を示す模式的平面図である。図3では、図2に示すZ軸方向から基板処理装置1を見ている。
図2及び図3に示す基板処理装置1は、基板Wに帯電した電荷を除電する。本明細書において、「除電」は、基板Wの帯電量を低減することを含む。基板処理装置1は、例えば、図1に示す受渡部PSに設置される。なお、基板処理装置1の設置位置は特に限定されない。例えば、基板処理装置1は、図1に示す処理装置200として、基板処理システム100に含まれていてもよい。また、基板処理装置1は、基板処理システム100に含まれていなくてもよく、単体の装置であってもよい。
図2に示すように、基板処理装置1は、紫外線照射部3と、電子受け部5と、基板保持部9とを備える。また、図3に示すように、基板処理装置1は、磁場発生部7をさらに備える。なお、図面の簡略化のため、図2では、磁場発生部7を省略し、図3では、紫外線照射部3を省略している。
基板保持部9は基板Wを保持する。具体的には、基板保持部9は、基板Wを水平に保持しながら、回転軸線AXの回りに基板Wを回転させる。回転軸線AXは鉛直方向に略平行であり、基板Wの中心を通る。更に具体的には、基板保持部9は、スピンベース91と、複数のチャック部材93とを含む。複数のチャック部材93は、回転軸線AXの回りの周方向CDに沿って、スピンベース91に設けられる。複数のチャック部材93は基板Wを水平な姿勢で保持する。スピンベース91は、略円板状又は略円柱状であり、水平な姿勢で複数のチャック部材93を支持する。スピンベース91が、回転軸線AXの回りに回転すると、複数のチャック部材93に保持された基板Wが回転軸線AXの回りに回転する。基板保持部9は接地される。
紫外線照射部3は、基板Wに紫外線を照射して、基板Wに帯電した電荷を除電する。紫外線照射部3と基板保持部9とは、回転軸線AXに沿って配置され、互いに対向している。具体的には、紫外線照射部3は、基板Wの主面に紫外線を照射して、基板Wから電子を放出する。その結果、基板Wの帯電量が低減する。特に、実施形態1では、紫外線照射部3は、基板Wの回転中に、基板Wの主面に紫外線を照射する。従って、静止している基板Wに紫外線を照射する場合と比較して、より均一に紫外線を基板Wの主面に照射できる。その結果、基板Wからより均一に電子を放出できて、基板Wの帯電量を更に効果的に低減できる。
以下、紫外線の照射によって基板Wから放出される電子を「電子EL」と記載する場合がある。
磁場発生部7は、紫外線照射部3と基板保持部9との間の空間に磁場MFを発生する。具体的には、磁場発生部7は、電子ELが紫外線照射部3から離れるように磁場MFを発生する。磁場MFは静磁場である。特に、実施形態1では、電子ELが電子受け部5に向かって移動するように、磁場発生部7は磁場MFを発生する。つまり、電子ELに対して、電子受け部5に向かってローレンツ力LZが作用するように、磁場発生部7は磁場MFを発生する。なお、図3では、図面の簡略化のため、代表的な磁力線に対応する磁場MFだけを図示している。
電子受け部5は、磁場MFに基づくローレンツ力LZによって移動した電子ELを受け取る。従って、実施形態1によれば、電子ELによって紫外線照射部400が帯電することを抑制できて、紫外線照射部400の帯電に起因する基板Wの再帯電を抑制できる。その結果、基板処理装置1は、基板Wに対する除電速度の低下を抑制できる。除電速度とは、紫外線の照射によって基板Wから単位時間当りに除去される電荷の量のことである。除電速度の低下を抑制できると、紫外線の照射時間を短縮できる。従って、基板Wに対する紫外線の影響を更に低減できる。例えば、基板Wに形成した膜の性質の変化を抑制できたり、自然酸化膜の成長促進を抑制できたりする。
また、基板Wに対する除電速度の低下を抑制できると、基板処理システム100における基板Wの処理のスループットを向上できる。
特に、実施形態1では、電子受け部5は接地される。従って、実施形態1によれば、電子受け部5が受け取った電子ELが接地に流れる。従って、電子受け部5が電子ELによって帯電することを抑制できて、電子受け部5は、更に効果的に電子ELを受け取ることができる。その結果、基板処理装置1は、基板Wの再帯電を更に抑制できて、基板Wに対する除電速度の低下を更に抑制できる。
電子受け部5は電気伝導体を含む。電気伝導体は、特に限定されないが、例えば、アルミニウム又はステンレスである。電子受け部5は、オゾン耐性を有することが好ましい。紫外線によってオゾンが発生する可能性があるからである。
また、実施形態1では、紫外線及び磁場MFを用いた非接触処理によって、基板Wに帯電した電荷を除電する。従って、基板Wに対して物理的なダメージが発生することを防止できる。
さらに、実施形態1では、永久磁石71の磁力によって磁場MFの強度が定まる。そして、磁場MFの強度によって基板Wの除電速度が定まる。つまり、磁場MFの強度が大きいほど、基板Wの除電速度が速くなる。一方、磁場MFの強度は、紫外線照射部3が照射する紫外線の波長及び強度に依存しない。従って、紫外線照射部3の選択の幅を広げることができる。
次に、図4(a)及び図4(b)を参照して、電子ELの移動を説明する。図4(a)は、比較例に係る基板処理装置による基板Wの除電時の電子ELを示す図である。図4(b)は、実施形態1に係る基板処理装置1による基板Wの除電時の電子ELを示す図である。
図4(a)に示すように、比較例に係る基板処理装置では、紫外線照射部300が基板Wに紫外線を照射すると、基板Wから電子ELが放出される。そして、電子ELは紫外線照射部300に向かって移動する。従って、紫外線照射部300の石英ガラス板が、電子ELによって帯電する可能性がある。その結果、石英ガラス板の帯電に基づく斥力によって電子ELが基板Wに移動して、基板Wが再帯電する可能性がある。
一方、図4(b)に示すように、実施形態1に係る基板処理装置1では、紫外線照射部3が基板Wに紫外線を照射すると、基板Wから電子ELが放出される。基板Wから放出された直後の電子ELは、紫外線照射部300に向かって移動する。しかしながら、磁場発生部7によって磁場MFが発生しているため、電子ELに対して、電子受け部5に向かうローレンツ力LZが作用する。従って、電子ELは、方向転換して、電子受け部5に向かって移動する。その結果、紫外線照射部3の石英ガラス板が電子ELによって帯電することを抑制できて、基板Wが再帯電することを抑制できる。基板Wの再帯電の抑制によって、基板Wに対する除電速度の低下を抑制できる。
特に、実施形態1では、基板処理装置1による処理対象である基板Wは、非磁性体であることが好ましい。また、基板Wの本体部に膜が成膜されている場合は、基板Wの本体部と膜との双方が非磁性体であることが好ましい。非磁性体は、例えば、銅又はアルミニウムである。基板Wが非磁性体であることが好ましい理由は、磁場MFの影響がないか、又は、磁場MFの影響が軽微だからである。
例えば、強磁性薄膜が成膜された基板は、基板処理装置1による処理対象から除外することが好ましい。磁場MFの影響を受け易いからである。強磁性薄膜は、例えば、コバルト膜である。
再び図2及び図3を参照して、電子受け部5及び磁場発生部7を説明する。図2に示すように、電子受け部5は、紫外線照射部3と基板保持部9との間の空間に対向している。また、図3に示すように、電子受け部5は、基板保持部9よりも、回転軸線AXに対する径方向RDの外側に配置される。
具体的には、電子受け部5は、複数の電子受け部材51を含む。電子受け部材51の各々は電子ELを受け取る。電子受け部材51の各々は電気伝導体である。電子受け部材51の各々は接地される。電子受け部材51の各々は、オゾン耐性を有することが好ましい。複数の電子受け部材51は、周方向CDに沿って、紫外線照射部3と基板保持部9との間の空間を囲んでいる。実施形態1では、電子受け部材51の各々は、周方向CDに沿って湾曲しており、略板状である。
磁場発生部7は、紫外線照射部3と基板保持部9との間の空間に対向している。また、磁場発生部7は、基板保持部9よりも径方向RDの外側に配置される。
具体的には、磁場発生部7は複数の磁石ペア70を含む。複数の磁石ペア70は、周方向CDに間隔をあけて配置される。実施形態1では、複数の磁石ペア70は、周方向CDに等間隔で配置される。磁石ペア70は、互いに隣り合う2つの電子受け部材51の間の空間に対応して配置される。複数の磁石ペア70の各々は、一対の永久磁石71を含む。換言すれば、磁場発生部7は、磁場MFを発生する複数の永久磁石71を含む。従って、実施形態1によれば、簡易な構成により磁場MFを発生できる。永久磁石71の各々は、N極NPとS極SPとを有する。永久磁石71は、例えば、ネオジム磁石又はフェライト磁石である。永久磁石71は「磁石」の一例に相当する。
一対の永久磁石71のうちの一方の永久磁石71aのN極NPと他方の永久磁石71bのS極SPとは、周方向CDに互いに隣り合って配置される。また、紫外線照射部3の側から磁場発生部7を見たときに、複数の永久磁石71bのうちの1つの永久磁石71bを始点とすると、永久磁石71bと永久磁石71aとは、周方向CDに沿って交互に配置される。そして、紫外線照射部3の側から磁場発生部7を見たときに、磁石ペア70の各々において、永久磁石71aは、永久磁石71bに対して反時計回りの方向に位置する。
永久磁石71aのN極NPは、径方向RD内側を向いている。永久磁石71bのN極NPは、径方向RD外側を向いている。つまり、永久磁石71bのS極SPは、径方向RD内側を向いている。
一対の永久磁石71のうちの一方の永久磁石71aと他方の永久磁石71bとの周方向CDの間隔は、複数の磁石ペア70のうち互いに隣り合う2つの磁石ペア70の周方向CDの間隔よりも短い。加えて、複数の磁石ペア70の各々において、他方の永久磁石71bに対する一方の永久磁石71aの相対位置は一定である。
従って、実施形態1によれば、電子ELに対して電子受け部材51に向かうローレンツ力LZが作用するように、更に効果的に磁場MFを発生できる。その結果、紫外線照射部3の石英ガラス板が電子ELによって帯電することを更に効果的に抑制できて、基板Wが再帯電することを更に効果的に抑制できる。よって、基板Wに対する除電速度の低下を更に効果的に抑制できる。
具体的には、互いに周方向CDに隣り合う2つの磁石ペア70において、一方の磁石ペア70の永久磁石71aのN極NPから他方の磁石ペア70の永久磁石71bのS極SPに向かって磁場MFが形成される。従って、磁場MFに基づくローレンツ力LZは、電子ELに対して、径方向RD外側に向かって作用する。その結果、電子ELは電子受け部材51に向かって移動する。
特に、実施形態1では、図3に示すように、紫外線照射部3の側から磁場発生部7を見たときに、磁場MFに基づく磁力線が反時計回りに向くように、磁場発生部7は磁場MFを発生する。
また、実施形態1では、基板保持部9と電子受け部5とのうちの少なくとも一方が、強磁性体を含んでいてもよい。従って、実施形態1によれば、強磁性体によって磁場MFを増強できる。その結果、電子ELに作用するローレンツ力LZを増大できて、紫外線照射部3の石英ガラス板が電子ELによって帯電することを更に効果的に抑制できる。
例えば、チャック部材93の各々が強磁性体を含む。例えば、電子受け部材51の各々が強磁性体を含む。
次に、図5を参照して、基板処理装置1を説明する。図5は、基板処理装置1を示す模式的断面図である。図5では、図面の簡略化のため、磁場発生部7を省略している。図5に示すように、基板処理装置1は、収容部11と、複数の気体供給部13と、排気部15と、移動機構17と、回転機構19と、制御部21とをさらに備える。
収容部11は、電子受け部5、基板保持部9、移動機構17、回転機構19、及び磁場発生部7(図3)を収容する。そして、紫外線照射部3は、収容部11の上部開口を塞ぐ。従って、紫外線照射部3と収容部11とはチャンバーとして機能する。
具体的には、収容部11は、筒部111と、側壁部113と、底部115とを含む。筒部111の下部と側壁部113の上部とが連結される。側壁部113の下部と底部115とが連結される。筒部111は、複数の貫通孔111aを有する。貫通孔111aの各々は、筒部111を貫通し、空間SPAに連通する。空間SPAは、紫外線照射部3と基板保持部9との間の空間である。側壁部113は貫通孔113aを有する。貫通孔113aは側壁部113を貫通している。
気体供給部13の各々は、貫通孔111aから、不活性ガスを空間SPAに供給する。不活性ガスは、例えば、窒素又はアルゴンである。具体的には、気体供給部13の各々は、配管131と、開閉弁133と、気体収容器135とを含む。気体収容器135は、空間SPAに供給する不活性ガスを収容している。気体収容器135は配管131の一端に連結される。開閉弁133は配管131に設けられて、配管131の開閉を切り替える。配管131の他端は貫通孔111aに連結される。排気部15は、貫通孔113aから、収容部11の内部の気体を排気する。
気体供給部13の各々は、酸素よりイオン化しにくい不活性ガスを空間SPAに供給して、空間SPAの酸素濃度を低減している。従って、酸素濃度が高い場合に比べて、基板Wから放出された電子ELは基板Wからより離れた位置でイオン化する。その結果、実施形態1によれば、基板Wへの再帯電を更に効果的に抑制できる。
移動機構17は基板保持部9を鉛直方向に沿って移動させる。具体的には、移動機構17は、第1位置と第2位置との間で、基板保持部9を往復移動させる。第1位置は、基板保持部9が紫外線照射部3に近い位置を示す。図5では、第1位置に位置する基板保持部9を図示している。第2位置は、基板保持部9が紫外線照射部3から遠い位置を示す。第1位置は、紫外線を用いた処理を基板Wに対して行うときの基板保持部9の位置である。第2位置は、基板Wの授受を行うときの基板保持部9の位置である。移動機構17は、例えば、ボールねじ機構を含む。
回転機構19は、回転軸線AXの回りに基板保持部9を回転させる。その結果、基板保持部9に保持された基板Wが、回転軸線AXの回りに回転する。回転機構19は、例えば、モーターを含む。
紫外線照射部3は、空間SPAを隔てて、基板Wと対向する。紫外線照射部3は紫外線を発生し、紫外線を基板Wの主面(基板保持部9に対して反対側の主面)へ照射する。
具体的には、紫外線照射部3は、電極33と、電極35と、石英ガラス板31とを含む。電極33は略平板状の形状を有している。電極35は略板平板状の形状を有している。また、電極35は複数の開口351を有する。開口351の各々は鉛直方向に電極35を貫通する。電極35は、空間を隔てて電極33と対向する。電極35は、電極33に対して石英ガラス板31側に位置している。石英ガラス板31は基板W側に設けられている。石英ガラス板31は、紫外線に対して透光性を有するとともに、耐熱性かつ耐食性を有している。石英ガラス板31は絶縁体である。
電極33と電極35との間の空間には放電用ガスが存在している。そして、電極33と電極35との間には高い周波数の高電圧が印加される。その結果、放電用ガスが励起されてエキシマ状態となる。放電用ガスはエキシマ状態から基底状態へ戻る際に紫外線を発生する。紫外線は電極35の開口351を通過し、さらに石英ガラス板31を透過して基板Wに照射される。なお、紫外線照射部3が紫外線を照射できる限りにおいては、紫外線照射部3の構成及び形状は特に限定されない。
制御部21は、紫外線照射部3、基板保持部9、気体供給部13、排気部15、移動機構17、及び、回転機構19を制御する。制御部21はコンピューターである。具体的には、制御部21は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーと、記憶装置とを含む。記憶装置は、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。具体的には、記憶装置は、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリー及び/又はハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶装置は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部21のプロセッサーは、制御部21の記憶装置が記憶しているコンピュータープログラムを実行して、紫外線照射部3、基板保持部9、気体供給部13、排気部15、移動機構17、及び、回転機構19を制御する。
次に、図3、図5、及び図6を参照して、実施形態1に係る基板処理方法を説明する。基板処理装置1が基板処理方法を実行する。図6は、基板処理方法を示すフローチャートである。図6に示すように、基板処理方法は、工程S1〜工程S10を含む。
図3及び図6に示すように、工程S1において、磁場発生部7は磁場MFを発生する。具体的には、磁場発生部7は、紫外線の照射(工程S6)によって基板Wから放出される電子ELが電子受け部5に向かって移動するように磁場MFを発生する。なお、工程S1では、複数の永久磁石71が磁場MFを発生する。従って、磁場MFは常に発生している。工程S1は、「磁場発生工程」の一例に相当する。
図5及び図6に示すように、工程S2において、基板保持部9は、制御部21の制御に従って、基板Wを保持する。
工程S3において、気体供給部13の各々は、制御部21の制御に従って、不活性ガスを空間SPAに供給する。
工程S4において、移動機構17は、制御部21の制御に従って、基板保持部9を紫外線照射部3へと近づけ、第1位置で停止させる。その結果、基板Wが上方へ移動して停止する。
工程S5において、回転機構19は、制御部21の制御に従って、基板保持部9の回転を開始する。その結果、基板Wの回転が開始される。
工程S6において、紫外線照射部3は、制御部21の制御に従って、基板Wに対する紫外線の照射を開始する。紫外線の照射によって基板Wに光電効果が生じて、基板Wから電子ELが放出される。その結果、基板Wの帯電量が低減する。工程S6は、「紫外線照射工程」の一例に相当する。
工程S7において、電子受け部5が電子ELを受け取る。工程S7は、「電子受け工程」の一例に相当する。
工程S8において、制御部21は、基板Wに対する処理を終了すべきか否かを判定する。例えば、制御部21は、工程S6からの経過時間が所定時間を超えているときに、処理を終了すべきと判定する。又は、例えば、基板Wの表面電位を測定する表面電位計を基板処理装置1に設け、制御部21が、表面電位計の測定値に基づいて処理を終了すべきか否かを判定する。
工程S8で処理を終了すべきでないと判定された場合は、再び工程S8が実行される。
一方、工程S8で処理を終了すべきであると判定された場合は、処理は工程S9に進む。
工程S9において、回転機構19は、制御部21の制御に従って、基板保持部9の回転を停止する。その結果、基板Wの回転が停止される。
工程S10において、紫外線照射部3は、制御部21の制御に従って、紫外線の照射を停止する。紫外線の照射の停止により、基板Wに帯電した電荷の除電が終了して、基板処理方法の実行が終了する。
以上、図3、図5、及び図6を参照して説明したように、実施形態1に係る基板処理方法によれば、工程S7では、電子受け部5は、磁場MFに基づくローレンツ力LZによって移動した電子ELを受け取る。従って、電子ELによって石英ガラス板31が帯電することを抑制できて、石英ガラス板31の帯電に起因する基板Wの再帯電を抑制できる。その結果、基板処理装置1は、基板Wに対する除電速度の低下を抑制できる。
なお、工程S2が工程S4及び工程S5の前段で実行される限りにおいては、工程S1〜工程S6の実行順序は適宜変更されてよいし、工程S1〜工程S6のうちのいくつかの工程は並行して実行されてよい。さらに、工程S9及び工程S10の実行順序は、適宜変更されてよいし、工程S9及び工程S10は並行して実行されてよい。
(変形例)
図7を参照して、本発明の実施形態1の変形例に係る基板処理装置1Aを説明する。変形例では、電子受け部5が正に帯電する点で、変形例は図1〜図6を参照して説明した実施形態1と主に異なる。以下、変形例が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図7を参照して、本発明の実施形態1の変形例に係る基板処理装置1Aを説明する。変形例では、電子受け部5が正に帯電する点で、変形例は図1〜図6を参照して説明した実施形態1と主に異なる。以下、変形例が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図7は、変形例に係る基板処理装置1Aを示す模式的平面図である。図7では、図面の簡略化のため、紫外線照射部3(図5)を省略している。図7に示すように、基板処理装置1Aは、図3を参照して説明した基板処理装置1の構成に加えて、帯電部27をさらに備える。帯電部27は電子受け部5の電位を、接地電位よりも高い電位に設定する。つまり、帯電部27は、電子受け部5を正に帯電する。従って、電子受け部5は正に帯電している。その結果、変形例によれば、電子受け部5は、紫外線によって基板Wから放出された電子ELを効果的に捕捉できる。
電子受け部5が電子ELを効果的に捕捉できると、電子ELによって石英ガラス板31が帯電することを効果的に抑制できる。従って、石英ガラス板31の帯電に起因する基板Wの再帯電を効果的に抑制できる。その結果、基板処理装置1は、基板Wに対する除電速度の低下を効果的に抑制できる。
また、変形例では、帯電部27は直流電源(不図示)を含む。そして、帯電部27は、複数の電子受け部材51の各々の電位を、接地電位よりも高い電位に設定する。つまり、帯電部27は、複数の電子受け部材51の各々を正に帯電する。その結果、複数の電子受け部材51の各々は、紫外線によって基板Wから放出された電子ELを効果的に捕捉できる。
(実施形態2)
図8及び図9を参照して、本発明の実施形態2に係る基板処理システム100の基板処理装置1Bを説明する。実施形態2に係る基板処理システム100では、磁場発生部7が電磁石72を含む点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図8及び図9を参照して、本発明の実施形態2に係る基板処理システム100の基板処理装置1Bを説明する。実施形態2に係る基板処理システム100では、磁場発生部7が電磁石72を含む点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
まず、図8を参照して、実施形態2に係る基板処理装置1Bを説明する。図8は、基板処理装置1Bを示す模式的平面図である。図8では、図面の簡略化のため、紫外線照射部3(図5)を省略している。図8に示すように、基板処理装置1Bは磁場発生部7を備えている。そして、基板処理装置1Bの磁場発生部7の配置は、図3を参照して説明した磁場発生部7の配置と同様である。
磁場発生部7は複数の磁石ペア73を含む。複数の磁石ペア73の配置は、図3を参照して説明した磁石ペア70の配置と同様である。複数の磁石ペア73の各々は、一対の電磁石72を含む。換言すれば、磁場発生部7は、磁場MFを発生する複数の電磁石72を含む。電磁石72の各々は、N極NPとS極SPとを有する。電磁石72は、「磁石」の一例に相当する。
複数の電磁石72の各々は、芯(不図示)及びコイル(不図示)を含む。電磁石72の各々は、磁性材料の芯のまわりにコイルを巻き、通電することによって磁力を発生する。なお、電磁石72の各々は、芯を含まなくてもよい。
複数の電磁石72の配置は、図3を参照して説明した複数の永久磁石71の配置と同様である。従って、一対の電磁石72のうちの一方の電磁石72aと他方の電磁石72bとの配置は、図3を参照して説明した一対の永久磁石71のうちの一方の永久磁石71aと他方の永久磁石71bとの配置と同様である。
以上、図8を参照して説明したように、実施形態2に係る基板処理装置1Bは、実施形態1に係る基板処理装置1の磁場発生部7(図3)と同様の磁場発生部7を備えている。従って、実施形態2では、実施形態1と同様の磁場MFが発生する。その結果、紫外線によって基板Wから放出される電子ELに対して、電子受け部5に向かうローレンツ力LZが作用して、電子ELが電子受け部5に向かって移動する。
そして、電子受け部5は電子ELを受け取る。従って、紫外線照射部3の石英ガラス板31(図5)が電子ELによって帯電することを抑制できて、基板Wが再帯電することを抑制できる。その結果、実施形態2では、実施形態1と同様に、基板Wに対する除電速度の低下を抑制できる。その他、実施形態2に係る基板処理装置1Bは、実施形態1に係る基板処理装置1と同様の効果を有する。
特に、実施形態2では、磁場発生部7は複数の電磁石72を含む。従って、複数の電磁石72の各々に流す電流の電流値を制御することで、磁場MFの強度を容易に制御できる。例えば、磁場MFの強度が大きくなるように電磁石72に流す電流の電流値を制御すると、基板Wに対する除電速度を速くできる。例えば、磁場MFの強度が小さくなるように電磁石72に流す電流の電流値を制御すると、基板Wに対する除電速度を遅くできる。実施形態2によれば、磁場MFの強度の制御によって基板Wの除電速度を容易に制御できる。
引き続き図8を参照して、基板処理装置1Bを説明する。基板処理装置1Bは電源25をさらに備える。電源25は直流電源である。電源25は、複数の電磁石72の各々に電流を流す。その結果、複数の電磁石72の各々は、電流の大きさに応じた磁場MFを発生する。複数の電磁石72の各々に流れる電流は直流であるため、磁場MFは静磁場である。
また、基板処理装置1Bの制御部21は、電源25を介して電磁石72の各々を制御することが好ましい。具体的には、制御部21は、電磁石72の各々に流す電流の電流値を、電源25を介して基板Wの帯電量に応じて制御することが好ましい。この好ましい例によれば、過剰な強度を有する磁場MFの発生を抑制しつつ、基板Wに帯電した電荷を除電できる。例えば、基板Wの帯電量が小さくなった場合には、電磁石72に流す電流の電流値を小さくして、磁場MFを弱める。例えば、過剰な強度を有する磁場MFの発生を抑制できると、磁場MFが、基板Wに形成された膜に影響を及ぼすことを抑制できる。例えば、電磁石72に流す電流の電流値を小さくできると、基板処理装置1Bの消費電力を抑制できる。
また、基板処理装置1Bは電流測定部23をさらに備えることが好ましい。電流測定部23は、電子受け部5が受け取った電子ELに基づく電流Ixを測定する。つまり、電流測定部23は、電子受け部材51が受け取った電子ELに基づく電流Ixを測定する。具体的には、電流測定部23は、電子受け部材51が受け取った電子ELが接地に向かって流れるときの電流Ixを測定する。電流測定部23は電流計(不図示)を含む。
電流測定部23が測定した電流Ixの電流値は、基板Wの帯電量に相関している。つまり、電流Ixの電流値が大きいことは、基板Wに対する除電速度が速いことを示す。従って、電流Ixの電流値が大きいことは、基板Wの帯電量が小さいことを示す。一方、電流Ixの電流値が小さいことは、基板Wに対する除電速度が遅いことを示す。従って、電流Ixの電流値が小さいことは、基板Wの帯電量が大きいことを示す。
実施形態2によれば、制御部21が、電流測定部23が測定した電流Ixの電流値を監視することで、基板Wの帯電量を容易に推測できる。
そして、制御部21は、電磁石72に流す電流の電流値を、電流測定部23の測定結果に基づいて電源25を介して制御することが好ましい。つまり、制御部21は、電磁石72に流す電流の電流値を、電子ELに基づく電流Ixの大きさに応じて電源25を介して制御することが好ましい。この好ましい例によれば、電流Ixが大きいほど、制御部21は、電磁石72に流す電流の電流値を小さくして、磁場MFの強度を弱めることができる。基板Wの帯電量が小さいからである。一方、電流Ixが小さいほど、制御部21は、電磁石72に流す電流の電流値を大きくして、磁場MFの強度を強めることができる。基板Wの帯電量が大きいからである。従って、この好ましい例によれば、基板Wの帯電量に応じて適切な大きさの電流を電磁石72に流して、基板Wの除電のために適切な大きさの磁場MFを発生できる。
次に、図8及び図9を参照して、実施形態2に係る基板処理方法を説明する。基板処理装置1Bが基板処理方法を実行する。図9は、基板処理方法を示すフローチャートである。図9に示すように、基板処理方法は、工程S21〜工程S34を含む。
図9に示す工程S21〜工程S24は、それぞれ、図6に示す工程S2〜工程S5と同様であり、説明を省略する。
図8及び図9に示すように、工程S25において、電源部25は、制御部21の制御に従って、複数の電磁石72の各々に電流を流す。つまり、電磁石72がオンする。その結果、複数の電磁石72が磁場MFを発生する。つまり、磁場発生部7は磁場MFを発生する。具体的には、磁場発生部7は、紫外線の照射(工程S26)によって基板Wから放出される電子ELが電子受け部5に向かって移動するように磁場MFを発生する。工程S25は、「磁場発生工程」の一例に相当する。
工程S26において、紫外線照射部3は、制御部21の制御に従って、基板Wに対する紫外線の照射を開始する。紫外線の照射によって基板Wに光電効果が生じて、基板Wから電子ELが放出される。その結果、基板Wの帯電量が低減する。工程S26は、「紫外線照射工程」の一例に相当する。
工程S27において、電子受け部5が電子ELを受け取る。工程S27は、「電子受け工程」の一例に相当する。
工程S28において、電流測定部23は、工程S27で電子受け部5が受け取った電子ELに基づく電流Ixを測定する。
工程S29において、制御部21は、電流測定部23から電流Ixの電流値を取得する。
工程S30において、制御部21は、複数の電磁石72の各々に流す電流の電流値を、電流Ixの電流値に基づいて電源25を介して制御する。つまり、制御部21は、電流Ixの大きさに応じて、複数の電磁石72の各々に流す電流の電流値を制御する。電流Ixは基板Wの帯電量に相関しているため、工程S30は、「電磁石72に流す電流の電流値を、基板Wの帯電量に応じて制御する工程」の一例に相当する。
工程S31において、制御部21は、基板Wに対する処理を終了すべきか否かを判定する。工程S31の判定内容は、図6の工程S8の判定内容と同様である。
工程S31で処理を終了すべきでないと判定された場合は、処理は工程S28に進む。
一方、工程S31で処理を終了すべきであると判定された場合は、処理は工程S32に進む。
工程S32において、回転機構19は、制御部21の制御に従って、基板保持部9の回転を停止する。その結果、基板Wの回転が停止される。
工程S33において、紫外線照射部3は、制御部21の制御に従って、紫外線の照射を停止する。紫外線の照射の停止により、基板Wに帯電した電荷の除電が終了する。
工程S34において、電源部25は、制御部21の制御に従って、複数の電磁石72の各々に流している電流を停止する。つまり、電磁石72がオフする。その結果、磁場MFが消失する。電磁石72のオフにより、基板処理方法の実行が終了する。
以上、図8及び図9を参照して説明したように、実施形態2に係る基板処理方法によれば、工程S27では、電子受け部5は、磁場MFに基づくローレンツ力LZによって移動した電子ELを受け取る。従って、電子ELによって石英ガラス板31が帯電することを抑制できて、石英ガラス板31の帯電に起因する基板Wの再帯電を抑制できる。その結果、基板処理装置1Bは、基板Wに対する除電速度の低下を抑制できる。
なお、工程S22〜工程S26の実行順序は適宜変更されてよいし、工程S22〜工程S26は並行して実行されてよい。さらに、工程S32〜工程S34の実行順序は、適宜変更されてよいし、工程S32〜工程S34は並行して実行されてよい。
(実施形態3)
図10及び図11を参照して、本発明の実施形態3に係る基板処理システム100の基板処理装置1Cを説明する。実施形態3に係る基板処理システム100では、磁場発生部7が基板保持部9に埋め込まれている点で、実施形態3は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態3が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図10及び図11を参照して、本発明の実施形態3に係る基板処理システム100の基板処理装置1Cを説明する。実施形態3に係る基板処理システム100では、磁場発生部7が基板保持部9に埋め込まれている点で、実施形態3は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態3が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図10及び図11を参照して、実施形態3に係る基板処理装置1Cを説明する。図10は、基板処理装置1Cを示す模式的側面図である。図11は、基板処理装置1Cを示す模式的平面図である。図11では、図面の簡略化のため、紫外線照射部3を省略している。
図10及び図11に示すように、基板処理装置1Cは電子受け部5を備える。電子受け部5は電子受け部材51Aを含む。電子受け部材51Aは、紫外線の照射によって基板Wから放出された電子ELを受け取る。電子受け部材51Aは電気伝導体である。電子受け部材51Aは接地される。電子受け部材51Aは、オゾン耐性を有することが好ましい。電子受け部材51Aは、略円筒形状を有し、紫外線照射部3と基板保持部9との間の空間を囲んでいる。
また、基板処理装置1Cは磁場発生部7を備えている。磁場発生部7は、基板保持部9に埋め込まれている。従って、実施形態3によれば、磁場発生部7の設置場所を別途確保することが要求されない。その結果、省スペースを実現できて、基板処理装置1Cのサイズが大きくなることを抑制できる。
具体的には、磁場発生部7の磁石ペア70の各々が、基板保持部9に埋め込まれている。つまり、複数の永久磁石71の各々が、基板保持部9に埋め込まれている。
複数の磁石ペア70は、周方向CDに間隔をあけて配置される。実施形態3では、複数の磁石ペア70は、周方向CDに等間隔で配置される。複数の磁石ペア70の各々は、一対の永久磁石71を含む。
一対の永久磁石71のうちの一方の永久磁石71aのN極NPと他方の永久磁石71bのS極SPとは、周方向CDに互いに隣り合って配置される。また、紫外線照射部3の側から磁場発生部7を見たときに、複数の永久磁石71aのうちの1つの永久磁石71aを始点とすると、永久磁石71aと永久磁石71bとは、周方向CDに沿って交互に配置される。そして、紫外線照射部3の側から磁場発生部7を見たときに、磁石ペア70の各々において、永久磁石71bは、永久磁石71aに対して反時計回りの方向に位置する。
永久磁石71aのN極NPは、紫外線照射部3に向いている。つまり、永久磁石71aのN極NPは上方に向いている。永久磁石71aのS極SPは下方に向いている。永久磁石71bのS極SPは、紫外線照射部3に向いている。つまり、永久磁石71bのS極SPは上方に向いている。永久磁石71bのN極NPは下方に向いている。
永久磁石71aと永久磁石71bとの周方向CDの間隔は、複数の磁石ペア70のうち互いに隣り合う2つの磁石ペア70の周方向CDの間隔よりも短い。加えて、複数の磁石ペア70の各々において、永久磁石71aに対する永久磁石71bの相対位置は一定である。
特に、実施形態3では、図11に示すように、紫外線照射部3の側から磁場発生部7を見たときに、磁場MFに基づく磁力線が反時計回りに向くように、磁場発生部7は磁場MFを発生する。具体的には、複数の磁石ペア70の各々において、永久磁石71aのN極NPから永久磁石71bのS極SPに向かって磁場MFが形成される。従って、磁場MFに基づくローレンツ力LZは、電子ELに対して、径方向RD外側に向かって作用する。その結果、電子ELは電子受け部5に向かって移動する。
そして、電子受け部5は電子ELを受け取る。従って、紫外線照射部3の石英ガラス板31(図5)が電子ELによって帯電することを抑制できて、基板Wが再帯電することを抑制できる。その結果、実施形態3では、実施形態1と同様に、基板Wに対する除電速度の低下を抑制できる。その他、実施形態3に係る基板処理装置1Cは、実施形態1に係る基板処理装置1と同様の効果を有する。
なお、磁場発生部7の一部が基板保持部9から露出していてもよいし、磁場発生部7の全体が基板保持部9に埋没していてもよい。換言すれば、磁石ペア70の各々の一部が基板保持部9から露出していてもよいし、磁石ペア70の各々の全体が基板保持部9に埋没していてもよい。更に換言すれば、永久磁石71の各々の一部が基板保持部9から露出していてもよいし、永久磁石71の各々の全体が基板保持部9に埋没していてもよい。
また、基板処理装置1Cは、図7を参照して説明した帯電部27を備えていてもよい。基板処理装置1Cは、永久磁石71に代えて、図8を参照して説明した電磁石72を備えていてもよい。この場合、基板処理装置1Cは、図8を参照して説明した制御部21、電流測定部23、及び電源25を備えていてもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
特に、実施形態1(変形例を含む。)〜実施形態3において、電子受け部5を向くローレンツ力LZが電子ELに作用するように磁場MFを発生できる限りにおいては、磁石ペア70の数、磁石ペア73の数、永久磁石71の数、及び電磁石72の数は、特に限定されない。
また、実施形態1(変形例を含む。)〜実施形態3において、回転機構19を設けて基板保持部9を回転させることが好ましいが、回転機構19を設けなくてもよい。換言すれば、基板保持部9を回転させなくてもよい。更に換言すれば、基板Wを回転させなくてもよい。基板Wを回転させない場合は、基板保持部9のスピンベース91は、複数のチャック部材93を支持するベースとして機能するが、回転しない。
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関するものであり、産業上の利用可能性を有する。
1、1A、1B、1C 基板処理装置
3 紫外線照射部
5 電子受け部
7 磁場発生部
9 基板保持部
21 制御部
23 電流測定部
27 帯電部
70、73 磁石ペア
71 永久磁石(磁石)
72 電磁石(磁石)
W 基板
3 紫外線照射部
5 電子受け部
7 磁場発生部
9 基板保持部
21 制御部
23 電流測定部
27 帯電部
70、73 磁石ペア
71 永久磁石(磁石)
72 電磁石(磁石)
W 基板
Claims (17)
- 基板に紫外線を照射する紫外線照射部と、
前記紫外線の照射によって前記基板から放出される電子を受け取る電子受け部と、
前記電子が前記電子受け部に向かって移動するように磁場を発生する磁場発生部と
を備える、基板処理装置。 - 前記磁場発生部は、複数の永久磁石を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記磁場発生部は、複数の電磁石を含む、請求項1に記載の基板処理装置。
- 前記電磁石を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記電磁石に流す電流の電流値を、前記基板の帯電量に応じて制御する、請求項3に記載の基板処理装置。 - 前記電子受け部が受け取った前記電子に基づく電流を測定する電流測定部と、
前記電子に基づく前記電流の大きさに応じて、前記電磁石に流す電流の電流値を制御する制御部と
をさらに備える、請求項3に記載の基板処理装置。 - 前記磁場発生部は、複数の磁石ペアを含み、
前記複数の磁石ペアは、間隔をあけて配置され、
前記複数の磁石ペアの各々は、一対の磁石を含み、
前記一対の磁石のうちの一方の磁石のN極と他方の磁石のS極とは、互いに隣り合って配置され、
前記複数の磁石ペアの各々において、前記他方の永久磁石に対する前記一方の永久磁石の相対位置は一定であり、
前記一方の磁石と前記他方の磁石との間隔は、前記複数の磁石ペアのうち互いに隣り合う2つの磁石ペアの間隔よりも短い、請求項1に記載の基板処理装置。 - 前記基板を保持する基板保持部をさらに備え、
前記磁場発生部は、前記基板保持部に埋め込まれている、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の基板処理装置。 - 前記基板を保持する基板保持部をさらに備え、
前記基板保持部と前記電子受け部とのうちの少なくとも一方は、強磁性体を含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の基板処理装置。 - 前記電子受け部は、接地される、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 前記電子受け部を正に帯電する帯電部をさらに備える、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の基板処理装置。
- 基板に紫外線を照射する紫外線照射工程と、
前記紫外線の照射によって前記基板から放出される電子が電子受け部に向かって移動するように磁場を発生する磁場発生工程と、
前記電子受け部が前記電子を受け取る電子受け工程と
を含む、基板処理方法。 - 前記磁場発生工程では、複数の永久磁石が磁場を発生する、請求項11に記載の基板処理方法。
- 前記磁場発生工程では、複数の電磁石が磁場を発生する、請求項11に記載の基板処理方法。
- 前記電磁石に流す電流の電流値を、前記基板の帯電量に応じて制御する工程をさらに含む、請求項13に記載の基板処理方法。
- 前記電子受け工程で受け取った前記電子に基づく電流を測定する工程と、
前記電子に基づく前記電流の大きさに応じて、前記電磁石に流す電流の電流値を制御する工程と
をさらに含む、請求項13に記載の基板処理方法。 - 前記電子受け部は、接地される、請求項11から請求項15のいずれか1項に記載の基板処理方法。
- 前記電子受け部は、正に帯電している、請求項11から請求項15のいずれか1項に記載の基板処理方法。
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