JP2020067380A - 劣化推定装置、劣化推定システム、劣化推定方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

劣化推定装置、劣化推定システム、劣化推定方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】より高い精度で絶縁材料の劣化状態を推定することができる劣化推定装置、劣化推定システム、劣化推定方法及びコンピュータプログラムを提供することである。【解決手段】実施形態の劣化推定装置は、スペクトル取得部と、劣化指標決定部と、推定部とを持つ。スペクトル取得部は、絶縁材料に対して照射された光の波長帯と、光の反射光の反射強度とを対応付けたスペクトル情報を取得する。劣化指標決定部は、スペクトル情報に含まれる複数の波長帯に対して所定の処理を行うことで、絶縁材料の劣化状態のパラメータを表す劣化指標を決定する。推定部は、劣化指標に基づいて絶縁材料の劣化状態を推定する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、劣化推定装置、劣化推定システム、劣化推定方法及びコンピュータプログラムに関する。
スイッチギヤ等の受変電機器は、絶縁材料として不飽和ポリエステル等の樹脂が用いられる。樹脂は、絶縁材料自体の経年劣化、塵埃又は汚損等の環境が原因で表面の絶縁抵抗が低下する。絶縁抵抗の低下は、地絡事故等の原因となる。受変電機器の点検員は、現地で絶縁抵抗の測定を行う。しかし、現地での測定は、設備停止と、現地の湿度環境と、に依存するため難しい。そこで、絶縁材料の表面の絶縁抵抗を推定する方法が用いられている。当該方法では、光沢度又は色差等の材料から得られる特性値と、汚損因子、温度又は湿度等の環境から得られる情報と、をそれぞれ指標化する。当該方法では、指標化された情報をパラメータとして多変量解析を行うことで、絶縁抵抗が推定される。しかし、絶縁材料から得られる特性値は、劣化の進行に応じた評価が困難である。したがって、当該方法は、絶縁抵抗の推定精度が低下する場合があった。
特開2004−77469号公報 特開2003−22587号公報 特公平6−19323号公報
本発明が解決しようとする課題は、より高い精度で絶縁材料の劣化状態を推定することができる劣化推定装置、劣化推定システム、劣化推定方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
実施形態の劣化推定装置は、スペクトル取得部と、劣化指標決定部と、推定部とを持つ。スペクトル取得部は、絶縁材料に対して照射された光の波長帯と、前記光の反射光の反射強度とを対応付けたスペクトル情報を取得する。劣化指標決定部は、前記スペクトル情報に含まれる複数の波長帯に対して所定の処理を行うことで、前記絶縁材料の劣化状態のパラメータを表す劣化指標を決定する。推定部は、前記劣化指標に基づいて前記絶縁材料の劣化状態を推定する。
実施形態の劣化推定装置100の機能構成を表す機能ブロック図。 実施形態のマルチスペクトルセンサ40の一具体例を示す図。 実施形態の電気機器10の一具体例を示す図。 実施形態の推定対象の絶縁材料の一具体例を示す図。 実施形態の対象試料におけるスペクトル情報の一具体例を示す図。 実施形態の劣化状態の推定の処理の流れを示すフローチャート。
以下、実施形態の劣化推定装置、劣化推定システム、劣化推定方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の劣化推定装置100の機能構成を表す機能ブロック図である。劣化推定装置100は、材料特性値測定センサ20、環境情報測定センサ30及びマルチスペクトルセンサ40と通信可能に接続される。劣化推定装置100は、接続されたマルチスペクトルセンサ40を制御することで、電気機器10が備える絶縁材料から任意の波長帯のスペクトル情報を取得する。劣化推定装置100は、取得されたスペクトル情報を用いて、電気機器10の絶縁材料の劣化状態を推定する。絶縁材料の劣化状態は、例えば、絶縁抵抗値によって表されてもよい。
電気機器10は、スイッチギヤ等の受変電機器によって構成される。電気機器10は、絶縁材料によって囲まれる。電気機器10は、外部から電源ケーブルを介して、高電圧及び大電流を通電する。電気機器10は、異常時には通電を遮断する機能を有する。電気機器10は、真空遮断器、電力用変圧器、ガス絶縁開閉器、発電機、電動機又はリアクトル等のように、部分放電を発生する可能性がある機器であればどのような機器であってもよい。絶縁材料は、例えば不飽和ポリエステル又はエポキシ樹脂等の樹脂であってもよい。
材料特性値測定センサ20は、測色計、色差計又は色彩計等の色に関する材料特性値を取得するセンサである。材料特性値測定センサ20は、電気機器10等の検査対象機器が備える絶縁材料に光を照射することで、絶縁材料の光沢又は色差等の材料特性値を取得する。なお、材料特性値測定センサ20で測定される材料特性値は、光沢又は色差に限定されない。材料特性値測定センサ20は、絶縁材料の表面の色に関する情報ならばどのような情報を取得してもよい。材料特性値測定センサ20は、取得される材料特性値に応じて、複数のセンサが用いられてもよい。
環境情報測定センサ30は、温度計又は湿度計等の自装置(環境情報測定センサ30)の近傍の環境に関する環境情報を取得するセンサである。環境情報測定センサ30は、例えば、電気機器10の近傍に設けられることで、電気機器10近傍の温度又は湿度等の環境情報を取得する。なお、環境情報測定センサ30で測定される環境情報は、温度又は湿度に限定されない。環境情報測定センサ30は、環境に関する情報ならばどのような情報(例えば、汚損度、音量、風量又は明度等)を取得してもよい。環境情報測定センサ30は、取得される環境情報に応じて、複数のセンサが用いられてもよい。
マルチスペクトルセンサ40は、マルチスペクトルカメラ又はハイパースペクトルカメラ等の任意波長帯の反射強度を取得するセンサである。マルチスペクトルセンサ40は、例えば、劣化推定装置100によって指定された波長帯の光を電気機器10が備える絶縁材料に照射する。マルチスペクトルセンサ40は、検査対象機器によって反射された光の反射強度を取得する。マルチスペクトルセンサ40は、取得された反射強度を劣化推定装置に出力する。マルチスペクトルセンサ40は、外からの光の影響を受けない構成で用いられる。マルチスペクトルセンサ40は、例えば遮光カバー50に格納された構成で用いられる。マルチスペクトルセンサ40は、マルチスペクトルセンサ40が備える受光素子と、電気機器10が備える絶縁材料と、の距離が所定の距離に保たれてもよい。所定の距離は、例えば、5cmである。
劣化推定装置100は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレットコンピュータ等の情報処理装置である。劣化推定装置100は、マルチスペクトルセンサ40から受け付けたスペクトル情報に基づいて、電気機器10が備える絶縁材料の劣化状態を推定する。劣化推定装置100は、劣化推定プログラムを実行することによって通信部101、入力部102、表示部103、特性情報記憶部104及び制御部105を備える装置として機能する。
通信部101は、ネットワークインタフェースである。通信部101はネットワークを介して、外部の通信装置と通信する。通信部101は、例えば無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、Bluetooth(登録商標)又はLTE(Long Term Evolution)(登録商標)等の通信方式で通信してもよい。外部の通信装置は、例えばパーソナルコンピュータ、サーバ等の情報処理装置であってもよいし、クラウドコンピューティングシステムであってもよい。
入力部102は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部102は、入力装置を劣化推定装置100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部102は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、劣化推定装置100に対する指示を示す指示情報)を生成し、劣化推定装置100に入力する。
表示部103は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の出力装置である。表示部103は、出力装置を劣化推定装置100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部103は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
特性情報記憶部104は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。特性情報記憶部104は、特性情報を記憶する。特性情報は、絶縁材料の劣化状態を推定する推定手段を表す情報である。特性情報は、絶縁材料毎に記録される。推定手段は、例えば、多変量の数式であってもよい。絶縁材料の劣化状態は、材料特性値、環境情報又はスペクトル情報の各値を数式に代入することで推定される。推定手段の数式は、これまでユーザが電気機器10の絶縁材料を診断することによって、得られた診断結果に基づいて生成される。推定手段は、推定された劣化状態に応じて、電気機器10の余寿命年数を推定する手段を有してもよい。余寿命年数は、絶縁抵抗値と余寿命年数とを対応付けたテーブルで推定されてもよいし、絶縁抵抗値を変数とした数式によって推定されてもよい。ユーザとは、例えば、電気機器10の絶縁材料の点検を行う点検員であってもよい。
制御部105は、劣化推定装置100の各部の動作を制御する。制御部105は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及びRAM(Random Access Memory)を備えた装置により実行される。制御部105は、劣化推定プログラムを実行することによって、スペクトルセンサ制御部106、材料特性値取得部107、環境情報取得部108、劣化指標決定部109及び推定部110として機能する。
スペクトルセンサ制御部106は、マルチスペクトルセンサ40から反射強度を取得する。まず、スペクトルセンサ制御部106は、マルチスペクトルセンサ40に対して、波長帯制御指示を送信する。波長帯制御指示は、マルチスペクトルセンサ40の光源から発光される波長帯を指定する。スペクトルセンサ制御部106は、マルチスペクトルセンサ40によって照射され、絶縁材料によって反射された光の反射強度を取得する。
スペクトルセンサ制御部106は、波長帯制御指示によって指定した波長帯とマルチスペクトルセンサ40から取得された反射強度とを対応付けたスペクトル情報を生成する。スペクトルセンサ制御部106は、スペクトル情報を表示部103に表示させる。なお、スペクトルセンサ制御部106は、波長帯制御指示によって指定される波長帯を、入力部102から受け付けてもよい。なお、スペクトルセンサ制御部106は、スペクトル取得部の一態様である。スペクトル取得部は、絶縁材料に対して光を照射することで得られるスペクトル情報を取得する。
材料特性値取得部107は、材料特性値測定センサ20から光沢度又は色差等の材料特性値を取得する。材料特性値取得部107は、取得された材料特性値を表示部103に表示させてもよい。材料特性値取得部107は、劣化指標決定部109に材料特性値を出力する。
環境情報取得部108は、環境情報測定センサ30から温度又は湿度等の環境情報を取得する。環境情報取得部108は、取得された環境情報を表示部103に表示させてもよい。環境情報取得部108は、劣化指標決定部109に環境情報を出力する。
劣化指標決定部109は、スペクトル情報に含まれる複数の波長帯に対して所定の処理を行うことで、電気機器10の絶縁材料の劣化指標を決定する。劣化指標は、絶縁材料の劣化状態を視覚的に表したパラメータである。劣化指標は、絶縁材料の劣化状態の推定に用いられる。所定の処理は、例えば、反射強度に対する強調化処理であってもよい。劣化指標決定部109は、劣化していない絶縁材料から得られる未劣化スペクトル情報のピーク強度と、診断対象となる電気機器10の絶縁材料のスペクトル情報のピーク強度と、の差分が所定の条件を満たした時を劣化の発生時として決定する。未劣化スペクトル情報は、特性情報記憶部104に記録されていてもよいし、外部の記憶装置から取得されてもよいし、どのような手段で取得されてもよい。所定の条件は、例えば、差分が予め定められた値を上回ったか否かであってもよい。
劣化指標決定部109は、電気機器10のスペクトル情報の反射強度と未劣化スペクトル情報の反射強度との差分が、所定の条件を満たす2波長帯を決定する。劣化指標決定部109は、決定された2波長帯の反射強度のピーク強度に基づいて劣化指標を決定する。以下、所定の条件の一具体例について説明する。劣化指標決定部109は、電気機器10のスペクトル情報の反射強度のピーク強度と未劣化スペクトル情報の反射強度のピーク強度との差分値が予め定められた第一閾値以下となる波長帯を特定する。特定された波長帯における電気機器10のスペクトル情報の反射強度のピーク強度を第一反射強度という。劣化指標決定部109は、電気機器10のスペクトル情報の反射強度のピーク強度と未劣化スペクトル情報の反射強度のピーク強度との差分値が予め定められた第二閾値以上となる波長帯を特定する。特定された波長帯における電気機器10のスペクトル情報の反射強度のピーク強度を第二反射強度という。
劣化指標決定部109は、第一反射強度と第二反射強度とに基づいて劣化指標を決定する。具体的には、劣化指標決定部109は、第一反射強度から第二反射強度とを減算した値に対して、第一反射強度と第二反射強度との和で除算し、除算の結果に対して任意の計数を乗ずることで劣化指標を決定する。任意の計数は予め定められていてもよいし、入力部102を介して受け付けてもよい。
推定部110は、電気機器10の絶縁材料の劣化状態を推定する。具体的には、推定部110は、特性情報記憶部104から電気機器10の絶縁材料に関する特性情報を取得する。推定部110は、特性情報から電気機器10の絶縁材料の劣化状態を推定する推定手段を取得する。推定部110は、材料特性値取得部107によって取得された材料特性値を推定手段に入力する。推定部110は、推定手段に環境情報取得部108によって取得された環境情報を推定手段に入力する。推定部110は、劣化指標決定部109によって決定された劣化指標を推定手段に入力する。推定部110は、推定手段を実行することで電気機器10の絶縁材料の劣化状態を推定する。例えば、推定部110は、推定手段が数式である場合、数式を解くことで劣化状態を算出する。算出される劣化状態は、例えば絶縁抵抗値である。
推定部110は、劣化状態に基づいて電気機器10の余寿命年数を推定する。例えば、推定部110は、余寿命年数が劣化状態と対応付けされたテーブルで表される場合、劣化状態に応じて余寿命年数をテーブルから取得することで余寿命年数を推定する。例えば、推定部110は、余寿命年数が劣化状態を変数とした数式によって表される場合、数式を解くことで余寿命年数を推定する。推定部110は、算出された劣化状態又は余寿命年数を表示部103に表示させる。
図2は、実施形態のマルチスペクトルセンサ40の一具体例を示す図である。マルチスペクトルセンサ40は、例えばマルチスペクトルカメラである。マルチスペクトルセンサ40は、複数の光源41と受光素子42とを備える。
光源41は、所定の波長帯で発光する。光源41は、例えばLED(Light Emitting Diode)ライトである。複数の光源41は、それぞれが異なる波長帯で発光する。マルチスペクトルセンサ40は、スペクトルセンサ制御部106から波長帯制御指示を受け付けると、指定された波長帯で発光可能な光源41を発光させる。
受光素子42は、光の強弱を電気信号に変換する。受光素子42は、光源41によって照射された光の反射光を受光する。受光素子42は、受光した光の強弱を反射強度として劣化推定装置100に送信する。
図3は、実施形態の電気機器10の一具体例を示す図である。図3に示される電気機器10は、真空遮断器(VCB:Vacuum Circuit Braker)である。電気機器10は、絶縁材料11と真空遮断器本体12とを備える。真空遮断器本体12は、絶縁材料11によって仕切られる。真空遮断器本体12は、絶縁材料11によって絶縁される。劣化推定装置100は、絶縁材料11に対して光を照射することで、スペクトル情報を取得する。
図4は、実施形態の推定対象の絶縁材料の一具体例を示す図である。図4は、不飽和ポリエステルである。図4(a)は、劣化していない状態の不飽和ポリエステルである。図4(b)は、劣化した状態の不飽和ポリエステルである。図4(b)の不飽和ポリエステルは、試験槽等で加速度的に劣化されたものである。図4によると、不飽和ポリエステルは、劣化状態に応じて色が変わることがわかる。したがって、取得されるスペクトル情報によって、絶縁材料の劣化状態を推定することが可能になる。
図5は、実施形態の対象試料におけるスペクトル情報の一具体例を示す図である。図5で用いられる対象試料(絶縁材料)は、不飽和ポリエステルである。図5では対象試料として劣化していない未劣化品と、熱劣化させた熱劣化品と、それぞれの不飽和ポリエステルが用いられる。熱劣化品の不飽和ポリエステルは、未劣化品と比べて850nm近傍及び950nm近傍の波長帯の反射強度の増加することがわかる。熱劣化は、対象試料の表面近傍の不飽和ポリエステルを減少させる。このため、対象試料の充填剤として添加されている炭酸カルシウム及び水酸化アルミニウム等の無機物が相対的に増加する。したがって、850nm近傍及び950nm近傍の近赤外域の反射強度が増加したと考えられる。
一方で、例えば、800nm近傍では、未劣化品及び熱劣化品で反射強度の大きな差異は見られないことがわかる。そこで、劣化指標決定部109は、熱劣化によって反射強度の増加した波長帯(例えば、850nm)と、熱劣化による反射強度の差異が少ない波長帯(例えば、800nm)との2波長帯の反射強度を取得する。劣化指標決定部109は、定式化されたスペクトル計算式を用いて強調化処理することによって、絶縁材料の劣化を指標化する。スペクトル計算式は、例えば、以下の数式(1)で表される。ここで、800nmの反射強度は上述の第一反射強度である。850nmの反射強度は上述の第二反射強度である。
劣化指標=(800nmの反射強度−850nmの反射強度)/(800nmの反射強度+850nmの反射強度) ・・・(1)
図6は、実施形態の劣化状態の推定の処理の流れを示すフローチャートである。スペクトルセンサ制御部106は、波長帯制御指示によって指定した波長帯とマルチスペクトルセンサ40から取得された反射強度とに基づいて、スペクトル情報を生成する。(ステップS101)。劣化指標決定部109は、スペクトル情報に含まれる複数の波長に対して所定の処理を行うことで、電気機器10の絶縁材料の劣化指標を決定する(ステップS102)。材料特性値取得部107は、材料特性値測定センサ20から光沢度又は色差等の材料特性値を取得する(ステップS103)。環境情報取得部108は、環境情報測定センサ30から温度又は湿度等の環境情報を取得する(ステップS104)。
推定部110は、特性情報記憶部104から電気機器10の絶縁材料に関する特性情報を取得する。推定部110は、特性情報から推定手段を取得する(ステップS105)。推定部110は、劣化指標、材料特性値及び環境情報を特性情報を推定手段に入力する。推定部110は、推定手段を実行することで電気機器10の絶縁材料の劣化状態を推定する(ステップS106)。推定部110は、劣化状態に基づいて電気機器10の余寿命年数を推定する(ステップS107)。推定部110は、算出された劣化状態又は余寿命年数を表示部103に表示させる(ステップS108)。
このように構成された劣化推定装置100では、スペクトルセンサ制御部106が絶縁材料から取得された光の反射強度に基づいてスペクトル情報を生成する。絶縁材料は、劣化の進行に応じて色が変わる。従って、スペクトルセンサ制御部106は、絶縁材料の劣化の状態に応じて異なるスペクトル情報を生成する。劣化指標決定部109が、生成されたスペクトル情報に基づいて絶縁材料の劣化状態を推定する劣化指標を決定する。推定部110が、材料特性値及び環境情報等の従来から用いられているパラメータと、決定された劣化指標と、を用いて絶縁材料の劣化状態を推定する。したがって、絶縁材料の劣化状態をより高い精度で推定することが可能になる。
上述の実施形態では、劣化推定装置100は、カメラ等の撮像部を備えた装置(例えば、スマートフォン)であってもよい。この場合、劣化推定装置100は、取得された情報(例えば、スペクトル情報、材料特性値又は環境方法)を、外部のクラウドサーバ等へ送信してもよい。この場合、電気機器10の絶縁材料の劣化状態は、クラウドサーバ上のアプリケーションによって推定される。
劣化推定装置100は、電気機器10の絶縁材料の推定結果を、ユーザが所持するスマートフォンに表示させてもよいし、外部のクラウドサーバに送信してもよい。外部のクラウドサーバに送信された場合、クラウドサーバは、推定結果をユーザが所持するの端末装置に表示させる。
推定部110は、劣化状態と、日時と、サンプルIDと、サンプル種類とを対応付けて記憶装置に記録してもよい。日時とは、劣化状態が推定された日時を表す。サンプルIDとは、樹脂材料の識別子である。サンプル種類とは、不飽和ポリエステル等の樹脂材料を表す。このように構成されることで、劣化推定装置100は、過去の推定結果を用いて、絶縁材料の劣化の進行具合を判断したり、今後の劣化の進み方について予測したりすることができる。
スペクトルセンサ制御部106は、電気機器10の絶縁材料の複数の箇所のスペクトル情報を収集するように構成されてもよい。このように構成されることで、絶縁材料の局所的な変色を捉えることができる。したがって、ユーザは、絶縁材料に不均一な劣化が生じていた場合、不均一な劣化を把握することができる。
劣化推定装置100は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いて実装されてもよい。この場合、劣化推定装置100が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。例えば、劣化指標決定部109と推定部110とはそれぞれ異なる情報処理装置に実装されてもよい。
上記各実施形態では、スペクトルセンサ制御部106、劣化指標決定部109及び推定部110はソフトウェア機能部であるものとしたが、LSI等のハードウェア機能部であってもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、スペクトルセンサ制御部106、劣化指標決定部109及び推定部110を持つことにより、より高い精度で絶縁材料の劣化状態を推定することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…劣化推定システム、10…電気機器、20…材料特性値測定センサ、30…環境情報測定センサ、40…マルチスペクトルセンサ、50…遮光カバー、100…劣化推定装置、101…通信部、102…入力部、103…表示部、104…特性情報記憶部、105…制御部、106…スペクトルセンサ制御部、107…材料特性値取得部、108…環境情報取得部、109…劣化指標決定部、110…推定部

Claims (9)

  1. 絶縁材料に対して照射された光の波長帯と、前記光の反射光の反射強度とを対応付けたスペクトル情報を取得するスペクトル取得部と、
    前記スペクトル情報に含まれる複数の波長帯に対して所定の処理を行うことで、前記絶縁材料の劣化状態のパラメータを表す劣化指標を決定する劣化指標決定部と、
    前記劣化指標に基づいて前記絶縁材料の劣化状態を推定する推定部と、
    を備える、劣化推定装置。
  2. 前記劣化指標決定部は、前記スペクトル情報と劣化していない絶縁材料から取得される未劣化スペクトル情報との反射強度の差が所定の条件を満たした時を前記絶縁材料の劣化の発生時として決定する、
    請求項1に記載の劣化推定装置。
  3. 前記劣化指標決定部は、前記スペクトル情報の反射強度と前記未劣化スペクトル情報の反射強度との差分が、所定の条件を満たす2波長帯を決定し、前記2波長帯における反射強度に基づいて、前記劣化指標を決定する、
    請求項2に記載の劣化推定装置。
  4. 前記劣化指標決定部は、前記差分が予め定められた第一閾値以下となるように前記スペクトル情報の波長帯の第一反射強度と、前記差分が予め定められた第二閾値以上となる前記スペクトル情報の波長帯の第二反射強度と、に基づいて前記劣化指標を決定する、
    請求項3に記載の劣化推定装置。
  5. 前記劣化指標決定部は、前記第一反射強度から第二反射強度とを減算した値に対して、前記第一反射強度と前記第二反射強度との和で除算し、前記除算の結果に対して所定の計数を乗ずることで前記劣化指標を決定する、
    請求項4に記載の劣化推定装置。
  6. 前記スペクトル取得部は、前記絶縁材料の複数の箇所のスペクトル情報を収集する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の劣化推定装置。
  7. 絶縁材料に対して光を照射し、前記光の反射光の反射強度を取得するセンサと、
    前記絶縁材料に対して照射された光の波長帯と、前記反射強度とを対応付けたスペクトル情報を取得するスペクトル取得部と、
    前記スペクトル情報に含まれる複数の波長帯に対して所定の処理を行うことで、前記絶縁材料の劣化状態のパラメータを表す劣化指標を決定する劣化指標決定部と、
    前記劣化指標に基づいて前記絶縁材料の劣化状態を推定する推定部と、
    を備える、劣化推定システム。
  8. 劣化推定装置が、絶縁材料に対して照射された光の波長帯と、前記光の反射光の反射強度とを対応付けたスペクトル情報を取得するスペクトル取得ステップと、
    劣化推定装置が、前記スペクトル情報に含まれる複数の波長帯に対して所定の処理を行うことで、前記絶縁材料の劣化状態のパラメータを表す劣化指標を決定する劣化指標決定ステップと、
    劣化推定装置が、前記劣化指標に基づいて前記絶縁材料の劣化状態を推定する推定ステップと、
    を有する、劣化推定方法。
  9. 請求項1から6のいずれか一項に記載の劣化推定装置としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
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