JP2020067371A - 超音波センサ及び超音波検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、容易に感度の高められる超音波センサを提供することを課題とする。【解決手段】本発明の一態様に係る超音波センサ1は、基台10と、この基台10の表面に載置される圧電シート20とを備える超音波センサであって、圧電シート20が、圧電体21と、圧電体21の裏面側に積層される下電極22と、少なくともその一部が下電極22と対向するように圧電体21の表面側に積層される上電極23とを有し、圧電シート20が、平面視で上電極23と対向する下電極22の領域以外の領域で前記基台に固定されている。【選択図】図1
Description
本発明は、超音波センサ及び超音波検査装置に関する。
食品パッケージのヒートシール等の検査には、超音波検査装置を用いることができる。超音波検査装置としては、超音波発信器と超音波センサとを備えるものが公知である(例えば特開2015−040714号公報参照)。
このような超音波検査装置にあっては、例えば超音波発信器から発せられる超音波を検査対象物に透過させ、透過した超音波の強度を超音波センサで測定する。検査対象物の内部に剥離による気泡や傷、異物の混入等の欠陥がある場合、透過する超音波の強さが変化する。このため、前記超音波検査装置を用いることで、非破壊で欠陥の存在を知ることができる。
前記超音波検査装置で精度よく検査を行う場合、用いる超音波に対する超音波センサの感度が高いことが必要となる。しかしながら、超音波検査装置において超音波センサの感度を高める技術は十分に確立しているとはいえず、さらなる高感度化が求められている。
前記実情に鑑みて、本発明は、容易に感度の高められる超音波センサ及びこの超音波センサを用いた検出精度の高い超音波検査装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る超音波センサは、基台と、この基台の表面に載置される圧電シートとを備える超音波センサであって、前記圧電シートが、圧電体と、前記圧電体の裏面側に積層される下電極と、少なくともその一部が前記下電極と対向するように前記圧電体の表面側に積層される上電極とを有し、前記圧電シートが、平面視で前記上電極と対向する前記下電極の領域以外の領域で前記基台に固定されている。
平面視で、前記圧電シートの前記上電極と対向する前記下電極の領域が前記基台に固定されていないとよい。
前記圧電シートと前記基台とを固定する固定領域が、平面視で前記圧電シートの外縁に配置されているとよい。
前記下電極と前記基台との間に空隙を有するとよい。
前記圧電シートがアーチ状に保持されているとよい。
前記圧電シートが、複数の上電極又は複数の下電極を有し、前記複数の上電極又は複数の下電極が、平面視で前記圧電シートがアーチ状に撓む方向と垂直方向に、アレイ状に配設されているとよい。
前記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る超音波検査装置は、超音波発信器と、前記超音波発信器の発する超音波を受信可能に配設される本発明の超音波センサとを備える。
なお、本発明において、超音波センサの「表面側」とは、超音波を受信する面側をいい、「裏面側」とは、その反対の面側をいう。
本発明の一態様に係る超音波センサは、超音波が実際に測定される領域に対応する上電極と対向する下電極の領域では、圧電シートが基台に固定されていない。このため、当該超音波センサでは、圧電シートの共振周波数が、基台の影響を受けて変化することを抑止できる。従って、用いる超音波の周波数に対して圧電シートの共振周波数が合うように圧電シート単体を調整することで、当該超音波センサは容易に感度を高められる。
また、本発明の一態様に係る超音波検査装置は、本発明の超音波センサを用い、超音波センサが備える圧電シートの厚さ方向の共振周波数が、超音波発信器の発する超音波の周波数と合わせられている。従って、当該超音波検査装置は、超音波センサの感度が高く、検出精度が高い。
[第1実施形態]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態の超音波センサ及び超音波測定装置を詳説する。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の第1実施形態の超音波センサ及び超音波測定装置を詳説する。
〔超音波センサ〕
図1乃至図3に示す超音波センサ1は、基台10と、この基台10の表面に載置される圧電シート20とを備える。また、当該超音波センサ1は、接着剤層30を備える。
図1乃至図3に示す超音波センサ1は、基台10と、この基台10の表面に載置される圧電シート20とを備える。また、当該超音波センサ1は、接着剤層30を備える。
<基台>
基台10は、圧電シート20を保持する土台である。基台10の形状は特に限定されないが、例えば図1に示すように、略直方体状とすることができる。
基台10は、圧電シート20を保持する土台である。基台10の形状は特に限定されないが、例えば図1に示すように、略直方体状とすることができる。
基台10の材質としては、金属等の導電性を有するものを用いることもできるが、絶縁性を有するものが好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等を挙げることができる。
基台10の大きさは、当該超音波センサ1を用いた超音波検査装置の検査対象物の大きさや測定方法に応じて適宜決定される。
基台10の表面は図1に示すように中央部が窪んだアーチ状であることが好ましい。換言すれば、基台10の表面は、部分円筒の内面の形状を呈することが好ましい。このように基台10の表面をアーチ状とし、後述する圧電シート20を基台10の表面に沿って載置すること、つまり、圧電シート20がアーチ状に保持されていることで、圧電シート20が曲面に沿って撓む。この撓みにより検査対象物で収束するように発せられた超音波を受ける面積を広められるため、当該超音波センサ1の感度を高めることができる。なお、基台10の表面の曲率は、超音波を受ける位置によらず超音波が圧電シート20に対して鉛直方向から当たるように決定される。ここで、アーチ状の基台10の表面に対して鉛直方向とは、超音波を受ける位置における接面に対する法線方向をいい、法線方向から±10°以下の角度範囲を含むものとする。
また、基台10の表面は平面とすることもできる。基台10の表面が平面である場合には、圧電シート20の表面も平面とできる。このように本実施形態にあっては、基台10の表面形状に沿って圧電シート20の形状が定められる。
<圧電シート>
圧電シート20は、圧電体21と、下電極22と、上電極23とを有する。圧電シート20は、図1に示すように、基台10表面と同形で同等の大きさを有する矩形状であり、基台10表面に沿って載置される。シート状である圧電シート20は、可撓性を有することが好ましく、これにより基台10の表面が曲面である場合であっても、この曲面に沿って圧電シート20を容易に載置することができる。このとき、基台10の表面が図1に示すような曲面である場合であれば、圧電シート20は、一方向に撓んだアーチ状となる。
圧電シート20は、圧電体21と、下電極22と、上電極23とを有する。圧電シート20は、図1に示すように、基台10表面と同形で同等の大きさを有する矩形状であり、基台10表面に沿って載置される。シート状である圧電シート20は、可撓性を有することが好ましく、これにより基台10の表面が曲面である場合であっても、この曲面に沿って圧電シート20を容易に載置することができる。このとき、基台10の表面が図1に示すような曲面である場合であれば、圧電シート20は、一方向に撓んだアーチ状となる。
(圧電体)
圧電体21を形成する圧電材料としては、可撓性を有する高分子圧電材料であることが好ましい。
圧電体21を形成する圧電材料としては、可撓性を有する高分子圧電材料であることが好ましい。
前記高分子圧電材料としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−3フッ化エチレン共重合体(P(VDF/TrFE))、シアン化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体(P(VDCN/VAc))等を挙げることができる。また、これらの高分子圧電材料を多孔性フィルムとすることによって、より可撓性が大きく、圧電定数の大きい圧電シート20を形成することができる。
また、圧電体21として、圧電特性を有しない例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等に多数の扁平な気孔を形成し、コロナ放電等によって扁平な気孔の対向面を分極して帯電させることによって圧電特性を付与したものを使用することもできる。
圧電体21の平均厚さの下限としては、10μmが好ましく、50μmがより好ましい。一方、圧電体21の平均厚さの上限としては、500μmが好ましく、200μmがより好ましい。圧電体21の平均厚さが前記下限に満たない場合、圧電シート20の強度が不十分となるおそれがある。逆に、圧電体21の平均厚さが前記上限を超える場合、圧電シート20の変形能が小さくなり、検出感度が不十分となるおそれがある。
(下電極)
下電極22は、圧電体21の裏面側に積層される。下電極22は、後述する上電極23と合わせて、圧電体21の表裏の電位差を検出するために用いられる。
下電極22は、圧電体21の裏面側に積層される。下電極22は、後述する上電極23と合わせて、圧電体21の表裏の電位差を検出するために用いられる。
下電極22は帯状であり、圧電シート20の長さ方向(部分円筒の内面の軸方向で、図1のX方向)に沿って配設される。下電極22の配設数は1であり、圧電シート20の幅方向(部分円筒の周方向で、図1のY方向)の端部には配設されていない。
下電極22の材質としては、導電性を有するものであればよく、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属や、カーボンなどを挙げることができる。
下電極22の平均厚さとしては、特に限定されず、積層方法や下電極22の材質にもよるが、0.1μm以上30μm以下とすることができる。下電極22の平均厚さが前記下限に満たない場合、下電極22の強度が不十分となるおそれがある。逆に、下電極22の平均厚さが前記上限を超える場合、圧電体21への振動の伝達を阻害するおそれがある。
下電極22の圧電体21への積層方法としては、特に限定されず、金属の蒸着、カーボン導電インクの印刷、銀ペーストの塗布乾燥等が挙げられる。
(上電極)
上電極23は、少なくともその一部が下電極22と対向するように圧電体21の表面側に積層される。
上電極23は、少なくともその一部が下電極22と対向するように圧電体21の表面側に積層される。
上電極23は帯状であり、圧電シート20の幅方向(図1のY方向)に沿って配設される。つまり、上電極23と下電極22とは互いに直交するように配設されている。上電極23の配設数は1とすることもできるが、複数とすることもできる。例えば図1では5つの上電極23が配設されている。また、図1に示すように、圧電シート20がアーチ状に保持され、かつ複数の上電極23を有する場合、複数の上電極23は、平面視で圧電シート20がアーチ状に撓む方向と垂直方向(図1のX方向)にアレイ状に配設されているとよい。このように複数の上電極23を配設することで、平面視で上電極23と対向する下電極22の領域が複数に分割して形成される。この平面視で上電極23と対向する下電極22の領域は、それぞれ独立して超音波の強度を測定できる領域であり、実効的に圧電シート20を複数の圧電素子として機能させる。従って、平面視で上電極23と対向する下電極22の領域(以下、「測定領域R」ともいう)を複数設けることで、当該超音波センサを同時に複数個所の検査を行うことができるアレイ状のセンサとすることができる。
複数の上電極23を配設する場合、上電極23の平均幅及び平均間隔は必要とされる感度や測定精度等に応じて適宜決定されるが、上電極23の平均幅としては、0.3mm以上5mm以下とでき、平均間隔としては0.1mm以上3mm以下とできる。また、上電極23の平均ピッチとしては、0.5mm以上8mm以下とできる。
なお、上電極23の材質、平均厚さ及び積層方法は、下電極22と同様とできる。
(接着剤層)
接着剤層30は、圧電シート20と基台10とを固定する。
接着剤層30は、圧電シート20と基台10とを固定する。
接着剤層30は、図1及び図2に示すように、下電極22の外側で圧電体21と基台10とを固定している。つまり、当該超音波センサ1では、圧電シート20が、平面視で上電極23と対向する下電極22の領域以外の領域で基台10に固定されている。
また、平面視で、圧電シート20の上電極23と対向する下電極22の領域が基台10に固定されていないことが好ましい。このように上電極23と対向する下電極22の領域を基台10に固定しないことで、圧電シート20の平均厚さで決まる共振周波数が基台10から受ける影響をさらに低減できる。なお、圧電シート20が、実質的に平面視で上電極23と対向する下電極22の領域以外の領域で基台10に固定されている限り、接着剤層30の一部が平面視で上電極23と対向する下電極22の領域と重なる構成とすることも可能である。
また、接着剤層30は、圧電シート20の4隅に配設されている。つまり、当該超音波センサ1では、圧電シート20と基台10とを固定する固定領域が、平面視で圧電シート20の外縁に配置されている。このように固定領域となる接着剤層30を平面視で圧電シート20の外縁に配置することで、主に下電極22や上電極23が配置される圧電シート20の中央部が基台10に密着し難くできる。このため、圧電シート20の共振周波数が、基台10の影響を受けて変化することを抑止できる。
なお、前記固定領域は、図1及び図2に示すように圧電シート20の外縁に連続して配置されない構成、つまり圧電シート20の外縁に断続的又は空隙を持って配置されている構成とするとよい。つまり、前記固定領域は、主に圧電シート20の測定に寄与する内側領域の共振周波数が変化しないように、外側の領域において圧電シート20と基台10とを固定するとよい。逆に、前記固定領域には、圧電シート20の測定への寄与が低い外側領域であれば、上電極23と対向する下電極22の領域が含まれていてもよい。
接着剤層30に用いる接着剤は、特に限定されず、公知の接着剤を用いることができる。また、接着剤層30の平面視での面積(固定領域の合計面積)は、特に限定されないが、圧電シート20の固定強度が確保できる範囲で小さいほどよい。固定領域の合計面積を小さくすることで、圧電シート20の共振周波数の変化を低減できる。
<利点>
当該超音波センサ1は、超音波が実際に測定される領域に対応する上電極23と対向する下電極22の領域では、圧電シート20が基台10に固定されていない。このため、当該超音波センサ1では、圧電シート20の共振周波数が、基台10の影響を受けて変化することを抑止できる。従って、用いる超音波の周波数に対して圧電シート20の共振周波数が合うように圧電シート20単体を調整することで、当該超音波センサ1は容易に感度を高められる。
当該超音波センサ1は、超音波が実際に測定される領域に対応する上電極23と対向する下電極22の領域では、圧電シート20が基台10に固定されていない。このため、当該超音波センサ1では、圧電シート20の共振周波数が、基台10の影響を受けて変化することを抑止できる。従って、用いる超音波の周波数に対して圧電シート20の共振周波数が合うように圧電シート20単体を調整することで、当該超音波センサ1は容易に感度を高められる。
〔超音波検査装置〕
図4に示す超音波検査装置は、超音波発信器2と、図1乃至図3に示す本発明の超音波センサ1とを備える。当該超音波検査装置は、超音波発信器2と超音波センサ1との間に検査対象物Tを挟み込んで検査を行う透過型の検査装置である。
図4に示す超音波検査装置は、超音波発信器2と、図1乃至図3に示す本発明の超音波センサ1とを備える。当該超音波検査装置は、超音波発信器2と超音波センサ1との間に検査対象物Tを挟み込んで検査を行う透過型の検査装置である。
<超音波発信器>
超音波発信器2は、検査対象物Tへ向かって超音波Sを発する発信器である。
超音波発信器2は、検査対象物Tへ向かって超音波Sを発する発信器である。
超音波発信器2は、超音波Sを発する裏面が、中央部が窪んだアーチ状に形成されている。超音波発信器2の裏面の曲率は、裏面から発せられた超音波Sが、図4に示すようにライン状に収束するように決定される。検査対象物Tは、この超音波Sがライン状に収束する位置に置かれて検査される。検査対象物Tをこのような位置に置いて検査することで、超音波Sの強度が高められ、測定感度が高められる。
<超音波センサ>
当該超音波センサ1は、超音波発信器2の発する超音波Sを受信可能に配設される。超音波発信器2が発する超音波Sは、検査対象物Tの位置でライン状に収束した後は、検査対象物Tを透過し、超音波発信器2の幅方向(図4のY方向)に広がっていく。従って、当該超音波センサ1は、超音波発信器2と幅方向が平行となるように、かつ幅方向に広がった超音波Sが測定領域Rで受信できるように配設される。
当該超音波センサ1は、超音波発信器2の発する超音波Sを受信可能に配設される。超音波発信器2が発する超音波Sは、検査対象物Tの位置でライン状に収束した後は、検査対象物Tを透過し、超音波発信器2の幅方向(図4のY方向)に広がっていく。従って、当該超音波センサ1は、超音波発信器2と幅方向が平行となるように、かつ幅方向に広がった超音波Sが測定領域Rで受信できるように配設される。
当該超音波センサ1が備える圧電シート20の厚さ方向の共振周波数は、超音波発信器2の発する超音波Sの周波数と合わせられている。このように圧電シート20の厚さ方向の共振周波数を超音波発信器2の発する超音波Sの周波数と合わせることで、共振点を利用した感度高い測定ができる。なお、「圧電シートの共振周波数が超音波の周波数と合わせられている」状態とは、特定の周波数の超音波に対し圧電シートが十分に高い感度を有するように、つまり超音波の周波数が圧電シートの共振ピークの1/2以上の強度となる周波数範囲に入るように調整をされた状態を指す。
圧電シート20の厚さ方向の共振周波数を調整する方法は特に限定されないが、前記共振周波数は例えば圧電体21、下電極22及び上電極23の平均厚さや材質といった圧電シート20の構成要素を調整すること、つまり圧電シート20単体の調整で行える。
なお、本発明の超音波センサ1で述べたように圧電シート20を固定した場合であっても、圧電シート20の共振周波数がわずかながら低下する場合もある。このような場合にあっては、圧電シート20の共振周波数が低下したことで、超音波発信器2の発する超音波の周波数と合う場合が生じ得る。本発明は、このように圧電シート20の共振周波数が低下したことで、超音波発信器2の発する超音波の周波数と合わせられた場合を含む。
<利点>
当該超音波検査装置は、本発明の超音波センサ1を用い、超音波センサ1が備える圧電シート20の厚さ方向の共振周波数が、超音波発信器2の発する超音波Sの周波数と合わせられている。従って、当該超音波検査装置は、超音波センサ1の感度が高く、検出精度が高い。
当該超音波検査装置は、本発明の超音波センサ1を用い、超音波センサ1が備える圧電シート20の厚さ方向の共振周波数が、超音波発信器2の発する超音波Sの周波数と合わせられている。従って、当該超音波検査装置は、超音波センサ1の感度が高く、検出精度が高い。
[第2実施形態]
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の第2実施形態の超音波センサを詳説する。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の第2実施形態の超音波センサを詳説する。
〔超音波センサ〕
図5及び図6に示す超音波センサ3は、例えば図4に示す超音波センサ1に代えて用いることができる。当該超音波センサ3は、基台40と、この基台40の表面に載置される圧電シート20と、接着剤層31とを備える。このうち、圧電シート20は、図1乃至図3に示す超音波センサ1と同様であるため、詳細説明を省略する。
図5及び図6に示す超音波センサ3は、例えば図4に示す超音波センサ1に代えて用いることができる。当該超音波センサ3は、基台40と、この基台40の表面に載置される圧電シート20と、接着剤層31とを備える。このうち、圧電シート20は、図1乃至図3に示す超音波センサ1と同様であるため、詳細説明を省略する。
<基台>
基台40は、圧電シート20を保持する土台である。基台40は、基台本体41と、支持部42とを有する。
基台40は、圧電シート20を保持する土台である。基台40は、基台本体41と、支持部42とを有する。
(基台本体)
基台本体41は、基台40の土台を構成する。基台本体41の形状は特に限定されないが、例えば直方体状とでき、基台本体41の表面は平面である。
基台本体41は、基台40の土台を構成する。基台本体41の形状は特に限定されないが、例えば直方体状とでき、基台本体41の表面は平面である。
基台本体41は、その表面が平面である点以外は、第1実施形態における基台10と同様に構成できるので、詳細説明を省略する。
(支持部)
支持部42は、基台本体41表面の4隅からそれぞれ基台本体41表面に垂直方向(図5のZ方向)に立設される4つの脚部42aと、基台本体41の長さ方向に対向する2組の脚部42aの上端間にそれぞれ架け渡される一対の棒状の支持棒42bとを有する。
支持部42は、基台本体41表面の4隅からそれぞれ基台本体41表面に垂直方向(図5のZ方向)に立設される4つの脚部42aと、基台本体41の長さ方向に対向する2組の脚部42aの上端間にそれぞれ架け渡される一対の棒状の支持棒42bとを有する。
一対の支持棒42bは、図5及び図6に示すように、圧電シート20の下電極22の両外側で、かつ圧電体21の裏面側を長さ方向に沿って、圧電シート20が中央部が窪んだアーチ状となるように支持する。また、圧電シート20は、この支持部42により持ち上げられ、当該超音波センサ3は、下電極22と基台本体41との間に空隙50を有する。
支持部42(脚部42a及び支持棒42b)の断面形状は、特に限定されないが、例えば円形状や、楕円形状、四角形状等とできる。また、脚部42a及び支持棒42bの断面形状は、同一であってもよいし、異なってもよい。
支持部42の材質は、圧電シート20を支持できる限り特に限定されないが、例えば絶縁性を有する樹脂製等とできる。
なお、図5及び図6の超音波センサ3では、支持部42が、脚部42a及び支持棒42bを有する形状であるが、圧電シート20を持ち上げられ、下電極22と基台本体41との間に空隙50を形成できる限り、支持部42の形状は限定されない。例えば支持部42は、圧電シート20の下電極22の両外側に配設される一対の棒状としてもよい。
(接着剤層)
接着剤層31は、圧電シート20を基台40に固定する。具体的には、接着剤層31は、下電極22の両外側に配設され、圧電シート20と支持部42の支持棒42bとの間を固定している。つまり、当該超音波センサ3では、圧電シート20が、平面視で上電極23と対向する下電極22の領域以外の領域で基台40に固定されている。
接着剤層31は、圧電シート20を基台40に固定する。具体的には、接着剤層31は、下電極22の両外側に配設され、圧電シート20と支持部42の支持棒42bとの間を固定している。つまり、当該超音波センサ3では、圧電シート20が、平面視で上電極23と対向する下電極22の領域以外の領域で基台40に固定されている。
接着剤層31は、当該超音波センサ3では、支持棒42bに沿って配設されている。つまり、当該超音波センサ3では、圧電シート20と基台40とを固定する固定領域が、平面視で圧電シート20の外縁に配置されている。
なお、接着剤層31は、圧電シート20及び基台40を固定できる限り、その配設位置は限定されない。例えば、図1乃至図3に示す超音波センサ1と同様に圧電シート20の4隅に配設することもできる。また、接着剤層31により構成される固定領域が、圧電シート20の外縁に配置されるとよい点についても、図1乃至図3に示す超音波センサ1と同様である。
接着剤層31に用いる接着剤の種類、及び接着剤層31の平面視での面積は、図1乃至図3に示す超音波センサ1と同様であるので、説明を省略する。
<利点>
当該超音波センサ3では、支持部42により下電極22と基台本体41との間に空隙50を形成する。この空隙50により、平面視で上電極23と対向する下電極22の領域が、基台40に接触することを抑止できる。このため、圧電シート20の共振周波数の基台40による変化をより確実に低減できる。従って、用いる超音波Sの周波数に対して圧電シート20の共振周波数が合うように圧電シート20単体を調整することで、当該超音波センサ3は容易に感度を高められる。
当該超音波センサ3では、支持部42により下電極22と基台本体41との間に空隙50を形成する。この空隙50により、平面視で上電極23と対向する下電極22の領域が、基台40に接触することを抑止できる。このため、圧電シート20の共振周波数の基台40による変化をより確実に低減できる。従って、用いる超音波Sの周波数に対して圧電シート20の共振周波数が合うように圧電シート20単体を調整することで、当該超音波センサ3は容易に感度を高められる。
[その他の実施形態]
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
前記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、前記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて前記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
前記実施形態では、超音波センサとして、下電極が圧電シートの長さ方向に配設され、上電極が幅方向に配設される場合を説明したが、下電極及び上電極の配設方向は、平面視で下電極と上電極とが対向する領域がある限り、特に限定されるものではない。例えば下電極を幅方向に配設し、上電極を長さ方向に配設することもできる。
前記実施形態では、超音波センサとして、下電極の配設数が1であり、上電極の配設数が複数である場合を説明したが、下電極及び上電極の配設数は、この組み合わせに限定されるものではない。下電極の配設数を複数とし上電極の配設数を1としてもよいし、上電極と下電極との配設数をともに複数としてもよいし、上電極と下電極との配設数をともに1としてもよい。
上電極の配設数を1とする場合にあっては、上電極をグランドとすることが好ましい。このように上電極をグランドとすることで圧電シートの測定におけるノイズを低減することができる。
また、上電極又は下電極の配設数を1とする場合にあっては、配設数を1とする電極が圧電体21の表面全体を覆っていてもよい。
前記第1実施形態では、超音波検査装置として超音波センサが備える圧電シートの厚さ方向の共振周波数が、超音波発信器の発する超音波の周波数と合わせられている場合を説明したが、超音波発信器の発する超音波の周波数と合わせられる圧電シートの共振周波数として、他の振動モードを選択してもよい。このような振動モードとしては、圧電シートの撓み振動や圧電シートの面内方向振動等を挙げることができる。
前記第1実施形態で、表面がアーチ状の基台に沿って圧電シートを固定する場合に、圧電シートをその撓み方向と垂直方向の端部でアーチ状に配設して接着剤で固定してもよい。また、圧電シートの端部だけでなく中間領域にアーチ状に接着剤を配設してもよい。
また、前記実施形態では、超音波センサの接着剤層が、圧電シートの圧電体を基台と固定する場合を説明したが、圧電シートが固定される部分は圧電体に限定されず、例えば下電極のうち上電極と対向していない領域で固定してもよい。また、圧電シートの共振周波数が変化しない範囲で、固定される領域に下電極と上電極とが対向している領域が含まれてもよい。
前記実施形態では、超音波センサの圧電シートと基台とを固定する固定領域に接着剤を用いる場合を説明したが、この固定手段は接着剤に限定されるものではない。例えば、固定手段としてクリップ等を用いてもよい。
前記実施形態では、超音波センサの固定領域が、平面視で圧電シートの外縁に配置されている場合を説明したが、この固定領域の配置位置は圧電シートの外縁に限定されるものではない。圧電シートが平面視で上電極と対向する下電極の領域以外の領域で固定される限り、他の場所で固定してもよい。
前記実施形態では、圧電シートの形状が矩形状である場合を説明したが、圧電シートの形状は矩形状に限定されるものではない。圧電シートの形状は、円形状、楕円形状、多角形状、星型状、切れ込みが入った形状等とすることもできる。
また、前期実施形態では、圧電シートが基台表面と同形で同等の大きさを有する場合を説明したが、圧電シートと基台表面との形状は異なってもよいし、その大きさが異なるものであってもよい。
前記実施形態では、超音波検査装置として透過型の検査装置を説明したが、当該超音波検査装置は透過型の検査装置に限定されるものではない。本発明の超音波検査装置が例えば反射型の検査装置であっても、同様の効果を奏する。
本発明に係る超音波センサは、用いる超音波の周波数に対して圧電シートの共振周波数が合うように圧電シート単体を調整することで、容易に感度を高められる。また、本発明の超音波センサを用いる本発明に係る超音波測定装置は、検出精度が高い。
1、3 超音波センサ
10 基台
20 圧電シート
21 圧電体
22 下電極
23 上電極
30、31 接着剤層
40 基台
41 基台本体
42 支持部
42a 脚部
42b 支持棒
50 空隙
2 超音波発信器
R 測定領域
S 超音波
T 検査対象物
10 基台
20 圧電シート
21 圧電体
22 下電極
23 上電極
30、31 接着剤層
40 基台
41 基台本体
42 支持部
42a 脚部
42b 支持棒
50 空隙
2 超音波発信器
R 測定領域
S 超音波
T 検査対象物
Claims (7)
- 基台と、この基台の表面に載置される圧電シートとを備える超音波センサであって、
前記圧電シートが、
圧電体と、
前記圧電体の裏面側に積層される下電極と、
少なくともその一部が前記下電極と対向するように前記圧電体の表面側に積層される上電極と
を有し、
前記圧電シートが、平面視で前記上電極と対向する前記下電極の領域以外の領域で前記基台に固定されている超音波センサ。 - 平面視で、前記圧電シートの前記上電極と対向する前記下電極の領域が前記基台に固定されていない請求項1に記載の超音波センサ。
- 前記圧電シートと前記基台とを固定する固定領域が、平面視で前記圧電シートの外縁に配置されている請求項1又は請求項2に記載の超音波センサ。
- 前記下電極と前記基台との間に空隙を有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の超音波センサ。
- 前記圧電シートがアーチ状に保持されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超音波センサ。
- 前記圧電シートが、複数の上電極又は複数の下電極を有し、
前記複数の上電極又は複数の下電極が、平面視で前記圧電シートがアーチ状に撓む方向と垂直方向に、アレイ状に配設されている請求項5に記載の超音波センサ。 - 超音波発信器と、
前記超音波発信器の発する超音波を受信可能に配設される請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超音波センサと
を備える超音波検査装置。
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- 2018-10-24 JP JP2018200177A patent/JP2020067371A/ja active Pending
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2019
- 2019-10-23 WO PCT/JP2019/041546 patent/WO2020085390A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
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