JP2020066937A - 進退移動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で進退部材の後退位置での移動をロック可能な進退移動装置を提供すること。【解決手段】進退移動装置1は、ケース2に対する前進位置と後退位置との間で進退移動可能な進退部材3と、係合部42と嵌合部41とを有する進退部材側部材4と、被係合部51aを有し、係合位置と退避位置との間で移動するロック部材5と、ロック部材5を係合位置に向かう方向に付勢する付勢部材6とを備え、ロック部材5の退避位置は、進退部材3の軸X方向において、進退部材3と重なる位置に設けられている。【選択図】図2A
Description
本発明は、進退移動装置に関する。
車両の燃料補給口等を覆うリッドをロックする装置など、ケースに対してロッド部材が移動する装置は、ロッド部材が前進した位置と後退した位置との間で往復移動するように構成されている。このような移動装置では、例えば特許文献1に開示されているように、ロッド部材等の進退部材がケースに対して前進した前進位置と後退した後退位置とに進退移動するように制御する進退位置制御機構としてピンとハート形カムを用いて、進退部材が前進位置と後退位置との間で移動するように、進退部材の移動が制限されたうえで、制限部材によって進退部材の移動がロックされている。
この装置においては、進退部材の移動を制限する制限部材が制限位置と解除位置との間を移動する。このとき、制限部材は、解除位置に位置する際に、進退部材のストロークを阻害しないようにするために、ケースにおいてはその分のスペースが必要となる。そのため、この装置においては、制限部材が解除位置に移動できる分のスペースが必要となってしまう。
本発明は、簡単な構造で、進退部材の後退位置での移動をロック可能な進退移動装置を提供することを目的とする。
本発明の進退移動装置は、ケースと、前記ケースに対する前進位置と後退位置との間で進退移動可能な進退部材と、係合部と前記進退部材と軸方向に嵌合する嵌合部とを有する進退部材側部材と、前記係合部と係合する被係合部を有し、前記進退部材側部材と係合可能な係合位置と前記進退部材側部材の移動を許容する退避位置との間で移動するロック部材と、前記ロック部材を前記係合位置に向かう方向に付勢する付勢部材と、を備えた進退移動装置であって、前記進退部材側部材は、前記進退部材と共に、前進位置と後退位置との間で移動し、前記ロック部材の前記退避位置は、前記進退部材の軸方向の軸方向において、前記進退部材と重なる位置に設けられている。
本発明の進退移動装置によれば、簡単な構造で、進退部材の後退位置での移動をロックすることができる。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態の進退移動装置を説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまで一例であり、本発明の進退移動装置は、以下の実施形態に限定されるものではない。
図1〜図3Cに示されるように、進退移動装置1は、ケース2と、ケース2に対する前進位置(図2A参照)と後退位置(図3A参照)との間で進退移動可能な進退部材3とを備えている。
進退移動装置1は、進退部材3をケース2に対して進退させることにより、所定の操作対象を操作する。本実施形態では、進退移動装置1は、図4に示されるように、車両のフューエルリッドLの開閉装置Dに適用され、操作対象であるフューエルリッドLを開閉するように構成されている。進退移動装置1の用途は、進退部材3をケース2に対して進退させることにより、操作対象を操作することができれば特に限定されない。
本実施形態では、図4に示されるように、開閉装置Dは、車体BにヒンジHを介して開閉可能に設けられたフューエルリッドLと、車体Bに取り付けられ、進退部材3の進退によりフューエルリッドLを開閉操作する進退移動装置1とを備えている。フューエルリッドLは、車体Bに設けられた、給油口を有する凹部Rを開閉するように構成されている。フューエルリッドLは、進退部材3の先端に設けられた係止部31が係止される操作対象側被係止部Laを有している。本実施形態では、係止部31は、矩形板状の係止片であり、操作対象側被係止部Laは係止部31が係止可能な矩形状の開口を有する係止孔である。図2Cに示されるように、係止部31が操作対象側被係止部Laの開口から離脱できる配置となったときに、係止部31と操作対象側被係止部Laとの間の係止の解除が可能となる。一方、図3Cに示されるように、図2Cの状態から係止部31が回転して、操作対象側被係止部Laの開口から離脱できない配置となったときに、係止部31と操作対象側被係止部Laとが係止される。
詳細は後述するが、本実施形態では、フューエルリッドLが閉鎖した状態から、進退移動装置1が操作されることによって、係止部31と操作対象側被係止部Laとの間の係止が解除され、フューエルリッドLが開放する。フューエルリッドLは、係止部31と操作対象側係止部Laとの間の係止が解除されたときに、フューエルリッドLが開放する方向にバネ付勢されて開放されていてもよい。あるいは、フューエルリッドLは、進退部材3によって開放方向に押されてわずかに開放した後に、手動で開放されてもよい。図4に示されるフューエルリッドLが開放した状態からフューエルリッドLを閉鎖する場合、フューエルリッドLを手動で閉鎖方向に移動させる。これにより、フューエルリッドLによって前進位置にある進退部材3が押圧されて、進退部材3が後退位置に移動する。その際に係止部31が図2Cに示される状態から図3Cに示される状態まで回転し、操作対象側被係止部Laに係止してフューエルリッドLが閉鎖した状態で維持される。
つぎに、進退移動装置1の詳細を説明する。
進退移動装置1は、図1、図2Aおよび図2Bに示されるように、ケース2と、進退部材3と、進退部材側部材4と、ロック部材5と、付勢部材6(図2A参照)とを備えている。また、進退移動装置1はさらに、図1および図2Bに示されるように、駆動部7を有している。
ケース2は、進退移動装置1の構成部材を内部に収容する。本実施形態では、ケース2は、図2A、図2B、図3Aおよび図3Bに示されるように、進退部材3の一部、進退部材側部材4、ロック部材5、付勢部材6および駆動部7を収容している。なお、ケース2は、進退移動装置1の各構成部材の少なくとも一部を収容していればよく、必ずしも全体を収容している必要はない。
ケース2は、進退移動装置1の構成部材を内部に収容することができれば、その形状や構造は特に限定されない。本実施形態では、ケース2は、図2Aおよび図3Aに示されるように、一方に開口を有する箱状の基部21と、基部21の開口を閉鎖するように基部21に取り付けられる蓋部22とを有している。基部21は、底部21aと底部21aの周縁部から立設する壁部21bとを有している。蓋部22は、基部21に対して、たとえば係止爪など、所定の固定部(図示せず)によって固定される。
本実施形態において、ケース2は、図2Bおよび図3Bに示されるように、進退部材3の一部、進退部材側部材4、ロック部材5および付勢部材6が収容される第1収容部2aと、駆動部7(モータ)が収容される第2収容部2bとを有している。第1収容部2aと第2収容部2bとは隔壁Wにより仕切られているとともに、駆動部7の後述する駆動軸71が貫通する貫通孔Waを有している。また、ケース2は、図2Aおよび図3Aに示されるように、第1収容部2aおよび第2収容部2bに加えて、進退部材3を進退可能に案内する案内部2cを有している。本実施形態では、案内部2cは基部21の底部21aからケース2の外側に突出した中空の筒状に形成され、ケース2の内側と外側とを連通している。案内部2cは、進退部材3の前進位置と後退位置との間の進退方向に沿って延びている。本実施形態では、進退部材3の進退方向は進退部材3の軸Xに沿った方向であり、以下、進退部材3の進退方向を軸X方向という。なお、第1収容部2aの内部空間と第2収容部2bの内部空間とは軸Xに垂直な方向で連通し、案内部2cの内部空間と第1収容部2aの内部空間とは軸X方向で連通している。
進退部材3は、図2Aおよび図3Aに示されるように、ケース2に対する前進位置(図2A参照)と後退位置(図3A参照)との間で進退する。進退部材3は、進退部材側部材4と嵌合して、進退部材側部材4とともに前進位置と後退位置との間で、軸X方向に移動する。進退部材3は、本実施形態では、ケース2に対して前進位置に移動した際にフューエルリッドLを開放状態とし、ケース2に対して後退位置に移動した際にフューエルリッドLを閉鎖状態とする。進退部材3は、本実施形態では、図2Aおよび図3Aに示されるように、バネ等の弾性部材Sによって前進位置に向かって付勢されることにより、後退位置から前進位置へと移動するように構成されている。
進退部材3は、図2A、図3Aおよび図5に示されるように、進退方向に沿って延びる本体32と、軸X方向で本体32の一端(先端)側に設けられた係止部31と、軸X方向で本体32の他端側に設けられ、進退部材側部材4の嵌合部41と嵌合する被嵌合部33とを有している。
本体32は、たとえば、図5に示されるように、進退部材3の進退方向に延びる筒状または柱状の部材とすることができる。本実施形態では、本体32は略円筒状に形成され、図2Aおよび図3Aに示されるように、筒状の案内部2cに案内される。また、本体32は、本体32の他端から一端に向かって延びる弾性部材収容部32aを有し、弾性部材Sの一部が弾性部材収容部32aに収容されている。弾性部材Sの一端は、弾性部材収容部32aの底部BTに当接し、弾性部材Sの他端は、ケース2の蓋部22の内面に当接している。
係止部31は、本体32の一端側に設けられ、フューエルリッドLなどの操作対象と係止する。本実施形態では、係止部31は、操作対象側被係止部Laと係止する。係止部31は、後述する回転機構RMによって進退部材3が軸X周り方向に回転することによって、操作対象側被係止部Laと係止した係止状態と、係止が解除された係止解除状態との間を移動する。本実施形態では、係止部31は、フューエルリッドLに設けられた操作対象側被係止部Laに係止して、フューエルリッドLを閉鎖した状態に維持する。なお、係止部31が係止する係止対象はフューエルリッドLに限定されない。
係止部31は、本実施形態では、ケース2の外側において、本体32の一端に設けられた略矩形の板状部材であり、上述したように進退部材3が軸X周り方向に回転した際に、矩形状の開口を有する操作対象側被係止部Laに係止するように構成されている。係止部31および操作対象側被係止部Laの形状や構造は、係止部31を操作対象側被係止部Laに対して係止状態および係止解除状態とすることができ、フューエルリッドLを開閉することができれば、特に限定されない。
なお、本実施形態では、進退部材3の後退位置において進退部材3の係止部31とフューエルリッドLの操作対象側被係止部Laとが係止状態となり、進退部材3の前進位置において進退部材3の係止部31とフューエルリッドLの操作対象側被係止部Laとが非係止状態となる。しかし、進退部材3の前進位置において進退部材3の係止部31とフューエルリッドLの操作対象側被係止部Laとが係止状態となり、進退部材3の後退位置において進退部材3の係止部31とフューエルリッドLの操作対象側被係止部Laとが非係止状態となるように構成されていてもよい。
被嵌合部33は、進退部材側部材4の嵌合部41と嵌合し、進退部材3と進退部材側部材4とが軸X方向に連動して移動するように、進退部材3と進退部材側部材4とを接続する。被嵌合部33の形状や構造は、嵌合部41と嵌合して進退部材3と進退部材側部材4とが軸X方向に連動して移動するように構成されていれば、特に限定されない。本実施形態では、被嵌合部33は、図5に示されるように、本体32の他端側において軸X周り方向に沿って延びる溝である。
また、本実施形態では、ケース2と進退部材3とには、図2Aおよび図3Aに示されるように、回転機構RMが設けられている。回転機構RMは、進退部材3が進退移動する際に進退部材3を軸X周り方向に回転させる。これにより、進退部材3の前進位置と後退位置とで、進退部材3の軸X周り方向での位置が変化し、進退移動装置1を異なる動作状態とすることができる。本実施形態では、回転機構RMにより進退部材3が進退移動する際に軸X周り方向に回転すると、進退部材3の係止部31が軸X周りに回転し、係止部31がフューエルリッドLの操作対象側被係止部Laに係止する。なお、回転機構RMにより進退部材3が軸X周り方向に回転した際に、進退部材3は他の部材に対して、係止状態および非係止状態以外の2つの動作状態の間で変化しても構わない。
回転機構RMは、本実施形態では、図2Aおよび図3Aに示されるように、ケース2に設けられた第1回転要素RM1と、進退部材3に設けられた第2回転要素RM2とを有している。具体的には、第1回転要素RM1は、ケース2の案内部2cの内周面から内側に突出する凸部であり、第2回転要素RM2は、進退部材3の本体32の外周に軸X方向に対して傾斜して延びるらせん状の溝部である。凸部として示された第1回転要素RM1は溝部である第2回転要素RM2に沿って移動可能に係合している。これにより、進退部材3が軸X方向に移動する際に、進退部材3が軸X周りに回転する。なお、回転機構RMの構造は、進退部材3が進退移動する際に進退部材3を軸X周り方向に回転させることができれば、特に限定されない。たとえば、第1回転要素RM1をケース2の案内部2cの内周面において軸X方向に対して傾斜して延びる溝部とし、第2回転要素RM2を進退部材3の外周面から突出し、溝部に係合する凸部としてもよいし、他の構造であってもよい。
進退部材側部材4は、進退部材3に接続され、進退部材3と共に、前進位置と後退位置との間で移動するとともに、ロック部材5と係合することによって、進退部材3の軸X方向の移動を規制する。進退部材側部材4は、係合部42(図3A参照)と進退部材3と軸X方向に嵌合する嵌合部41(図5〜図7参照)とを有している。本実施形態では、進退部材側部材4は、図6〜図8に示されるように、ケース2の内部で軸X方向に案内される基部43を有し、基部43に嵌合部41および係合部42が設けられている。
基部43は、本実施形態では、進退部材3と共に進退部材側部材4が軸X方向に移動する際に、図2Bおよび図3Bに示されるように、ケース2の壁部21bの内面に沿って案内される。基部43は、係合部42および嵌合部41を有していれば、特にその形状や構造は限定されない。本実施形態では、図2Bおよび図3Bに示されるように、基部43は、進退部材3の外周を少なくとも部分的に囲むように進退部材3に嵌合し、進退部材3に嵌合した状態において軸X方向で見たときに略U字状となるように形成されている。本実施形態では、基部43の軸Xから遠い外側面431の少なくとも一部がケース2の壁部21bの内面に案内されるように、平坦面として形成されている。具体的には、外側面431a、431bの2つの面がケース2の直交する2つの壁部21bの内面に摺動するように構成されている。これにより、進退部材側部材4の軸X方向の移動が安定するとともに、進退部材側部材4の軸X周りの回転が抑制される。また、本実施形態では、基部43の外側面431とケース2の壁部21bの内面とが面接触するように対向している。後述するように、方向変換機構Mが設けられた部位において、進退部材側部材4からロック部材5に対して軸X方向に力が加わる際に、進退部材側部材4にはロック部材5から反力が加わる。このとき、進退部材側部材4は、基部43の外側面431とケース2の壁部21bの内面とが面接触することにより、ロック部材5からの反力が加わっても軸Xに対して傾くことが抑制される。したがって、進退部材側部材4および進退部材3が軸Xに対して傾くことが抑制されて、方向変換機構Mが設けられた部位において、進退部材側部材4からロック部材5に対して力を効率よく伝達することができる。
本実施形態では、図5および図6に示されるように、基部43の内側面432に嵌合部41を有している。基部43の内側面432は、本実施形態では、筒状の進退部材3の外周に沿って湾曲している。略U字状の基部43は、図5に示されるように、進退部材3の被嵌合部33に向かって進退部材側部材4を軸X方向に垂直な方向(図中、矢印方向)に移動させて取り付けることができるように、軸X方向に垂直な方向に開口している。なお、基部43は、係合部42および嵌合部41を有していれば、進退部材3の外周の全周を取り囲むように取り付けられていてもよい。
嵌合部41は、進退部材3と軸X方向に嵌合する。これにより、進退部材3が軸X方向に移動すると進退部材側部材4も進退部材3と共に軸X方向に移動し、進退部材側部材4が軸X方向に移動すると進退部材3も進退部材側部材4と共に軸X方向に移動する。嵌合部41は、本実施形態では、進退部材3の被嵌合部33と嵌合するように構成されている。
本実施形態では、図5に示されるように、進退部材3の被嵌合部33が本体32の他端に設けられた軸X周り方向に沿って延びる凹溝であり、その凹溝状の被嵌合部33に嵌合部41が嵌合する。具体的には、嵌合部41は、凹溝状の被嵌合部33に軸X方向で嵌合する、基部43の内側面432から進退部材3の軸Xに向かって突出する突出部である。嵌合部41と被嵌合部33とは、進退部材3と進退部材側部材4とが軸X方向で嵌合することができれば、その形状や構造は特に限定されない。たとえば、被嵌合部33を突出部とし、嵌合部41を凹溝としてもよいし、他の態様であってもよい。
嵌合部41と被嵌合部33とは、図5〜図7に示されるように、進退部材3の軸Xとは垂直な方向に摺動可能な摺動面を有している。嵌合部41および被嵌合部33が摺動面を有していることにより、軸Xと垂直な方向のうち、軸X周り方向で互いに摺動可能である。これにより、上述した回転機構RMを有している場合に、進退部材3が軸X周り方向に回転する際に、進退部材側部材4は軸X周りに回転せずに、進退部材3が進退部材側部材4に対して相対回転する(図2Bおよび図3B参照)。さらに、進退部材側部材4が進退部材3とともに移動しても、進退部材側部材4の係合部42は軸X周り方向での位置は変化しない。したがって、進退部材側部材4の係合部42と、ロック部材5の後述する被係合部51aとの間の、軸Xに垂直な方向での位置関係がずれることがない。そのため、係合部42とロック部材5の被係合部51aとをより確実に軸X方向で係合させることができる。
係合部42は、後述するロック部材5の被係合部51aと係合することにより、軸X方向のうち一方向での進退部材3のケース2に対する移動を規制する。本実施形態では、図3Aに示されるように、係合部42が、ロック部材5の被係合部51aに対して後退位置側に位置するとき(すなわち、被係合部51aが係合部42の前進位置側に位置するとき)、係合部42と被係合部51aとが軸X方向で係合して、進退部材3の前進位置側への移動を規制する。なお、変形例として、係合部42は、被係合部51aに対して前進位置側に位置したときに被係合部51aと係合して進退部材3の後退位置側への移動を規制してもよい。
係合部42は、ロック部材5が後述する係合位置にあるときに、図3Aに示されるように、被係合部51aと軸X方向で対向するように設けられている。係合部42は、被係合部51aと係合して、進退部材3の軸X方向のうち一方向の移動を規制することができれば特に限定されないが、被係合部51aが係合位置から退避位置へと移動しやすいように、平坦面であることが好ましい。本実施形態では、係合部42は、図3Bに示されるように、略U字状の基部43の、ロック部材5が係合位置にあるときに軸X方向で重なる領域(以下、端部領域という)433のうち、前進位置側の軸Xに対して垂直な面である。
ロック部材5は、進退部材3および進退部材側部材4が軸X方向のうち一方向に移動することを規制するように進退部材側部材4と係合する。ロック部材5は、図3Aに示されるように、係合部42と係合する被係合部51aを有し、図3Bに示されるように、係合位置と退避位置(二点鎖線参照)との間で移動する。ロック部材5は、付勢部材6により、係合位置に向かう方向に付勢されている。これにより、ロック部材5は、ロック部材5に対して付勢部材6以外の部材等から外力が加わっていない状態においては、図3Bに実線で示される係合位置に位置するように構成されている。なお、ロック部材5の「係合位置」は、進退部材側部材4と係合可能な位置である。具体的には、係合位置は、ロック部材5の被係合部51aが進退部材側部材4の係合部42と軸X方向で重なり、軸X方向で係合可能となる位置である。また、ロック部材5の「退避位置」は、進退部材側部材4の移動を許容する位置である。具体的には、退避位置は、図3Bに二点鎖線で示されるように、付勢部材6の付勢力に抗して、ロック部材5の被係合部51aが進退部材側部材4の係合部42と軸X方向で重ならない位置である。なお、本実施形態では、係合位置から退避位置にロック部材5が移動する際に、被係合部51aが進退部材3の軸Xに近付くように移動して、進退部材3と軸X方向で重なっている。
本実施形態では、ロック部材5は、図3Aおよび図3Bに示されるように、ケース2内で回転軸Ax周りに回転可能に設けられ、付勢部材6によって回転軸Ax周り方向の一方向に付勢されている。なお、ロック部材5は、ロック部材5の回転軸Ax方向には移動しないように構成されている。本実施形態では、付勢部材6は、ロック部材5の回転軸Axと同軸上に設けられたトーションバネである。付勢部材6は、一端61と他端62との間で回転軸Ax周りに巻回され、付勢部材6の一端61はケース2に、他端62はロック部材5に固定されている。付勢部材6の他端62は、本実施形態では、図3Aに示されるように、ロック部材5の回転軸Axと略平行に延びて、ロック部材5の付勢部材取付部52(図10参照)に取り付けられている。付勢部材取付部52は、本実施形態では、ロック部材5の回転軸Axと略平行に延びている。これにより、付勢部材6の他端62は、付勢部材取付部52に回転軸Ax方向に長い接触領域で固定される。したがって、付勢部材6の他端62から付勢部材取付部52に付勢部材6の付勢力が加わる際に、ロック部材5が回転軸Axに対して傾斜する方向に力がかかりにくく、ロック部材5が回転軸Axを中心に安定して回転する。付勢部材取付部52は、本実施形態では、回転軸Axと平行な方向に延びる溝であるが、付勢部材6の他端62を挿入可能な、回転軸Axと平行な方向に延びる挿入孔であってもよい。
なお、ロック部材5は、係合位置と退避位置との間で移動することができれば、回転軸Ax周りに回転するものに限定されない。たとえば、ロック部材5は、直線的に係合位置と退避位置との間を移動するものであってもよい。
ロック部材5の形状は特に限定されない。本実施形態では、図9〜図11に示されるように、回転軸Ax周りに回転する筒状の軸部53と、軸部53から径方向外側に突出し、被係合部51aを有する突出片51とを有している。また、本実施形態では、ロック部材5は、ロック部材5の回転軸Axを挟んで突出片51と反対側に軸部53から径方向外側に突出する停止部54を有している。停止部54は、図3Aおよび図3Bに示されるように、ケース2に設けられた隔壁Wに当接するように構成され、付勢部材6によって付勢されて回転したロック部材5を所定の係合位置に留めるように位置決めされている。また、ロック部材5は、図3Bに示されるように、後述する駆動部7の駆動ギヤ72と接続する回転ギヤ55を有している。回転ギヤ55はロック部材5の回転軸Ax周りに回転するギヤであり、本実施形態では、回転ギヤ55はロック部材5の周方向の一部に歯が形成されたセクタギヤである。本実施形態では、突出片51と回転ギヤ55は同軸上に設けられている。詳細は後述するが、駆動部7の駆動軸71が回転することによって駆動ギヤ72が回転し、これにより、駆動ギヤ72と噛み合う回転ギヤ55が回転し、ロック部材5が回転軸Ax周りに回転する。これにより、ロック部材5が係合位置から退避位置に移動して、ロック部材5の被係合部51aと進退部材側部材4の係合部42との間の係合が解除される。本実施形態では、ロック部材5は、モータ本体の駆動軸側端部と駆動軸71とで挟まれた空間に、ロック部材5の少なくとも一部が位置するように設けられている。
被係合部51aは、係合位置にあるときに進退部材側部材4の係合部42と係合して、進退部材3および進退部材側部材4が軸X方向で一方向へ移動することを抑制している。ロック部材5の被係合部51aは、図3Bに示されるように、進退部材側部材4の移動方向において進退部材側部材4と重なる位置に係合位置が設けられている。本実施形態では、被係合部51aは、図3Aに示されるように、係合部42に対して軸X方向で前進位置側に位置することによって、係合部42と係合して進退部材3および進退部材側部材4の前進位置方向への移動を規制している。ロック部材5が図3Bに二点鎖線で示すように退避位置に移動すると、軸X方向で被係合部51aと係合部42との係合が解除され、進退部材3および進退部材側部材4の前進位置方向への移動が可能となる。
本実施形態では、被係合部51aは、図3Aに示されるように、ロック部材5の突出片51の軸X方向で後退位置側の面に設けられており、係合部42は、進退部材側部材4の端部領域433の前進位置側の面に設けられている。被係合部51aおよび係合部42はそれぞれ、軸Xに対して垂直な面として形成されている。しかし、被係合部51aおよび係合部42は、進退部材3および進退部材側部材4が軸X方向で一方向へ移動することを抑制することができ、被係合部51aが係合部42と係合した状態から、退避位置へと移動することができれば、軸Xに対して垂直な面に限定されない。
なお、突出片51の前進位置側の面には、後述する傾斜部M21が設けられ、進退部材側部材4の端部領域433の後退位置側の面に設けられた押圧部M11と軸X方向で重なる位置に設けられている。
駆動部7は、ロック部材5を退避位置に移動させるための駆動力を発生させ、それによって進退部材3を軸X方向に移動させる。駆動部7は、モータ73と、モータ73から延びる駆動軸71とを有している。駆動軸71には、駆動ギヤ72が接続されている。駆動ギヤ72は上述したように回転ギヤ55に接続され、駆動軸71が回転して、駆動ギヤ72が駆動軸71の軸周りに回転すると、駆動ギヤ72と噛み合う回転ギヤ55が回転する。本実施形態では、駆動軸71に取り付けられる駆動ギヤ72と回転ギヤ55は直接噛み合うようになっている。これにより、ロック部材5は駆動ギヤ72の回転によって係合位置から退避位置へ移動する。
駆動部7は、電圧の印加によって、ロック部材5が移動可能な非通電状態とロック部材を移動させる通電状態とに遷移する。たとえば、駆動部7に電圧が印加されていない非通電状態の際には、駆動ギヤ72が回転せずロック部材5は図2Aおよび図3Aに実線で示す係合位置に位置する。一方、駆動部7に電圧が印加された通電状態の際には、駆動ギヤ72が回転して、回転ギヤ55を回転させて、ロック部材5は図3Bに二点鎖線で示す退避位置へと移動する。
本実施形態では、駆動部7の駆動軸71は、ケース2の第2収容部2bから第1収容部2aに向かって、軸Xに対して垂直な方向に延びている。駆動ギヤ72は、本実施形態では、駆動軸71周りに回転するウォームギヤであり、駆動軸71と垂直な軸X方向に平行な軸周りに回転ギヤ55を回転させる。本実施形態では、ロック部材5の周方向の一部に歯が形成されたセクタギヤである回転ギヤ55と、駆動軸71周りに回転するウォームギヤである駆動ギヤ72とは直接噛み合っている。
本実施形態では、図2Aに示されるように、ロック部材5と進退部材側部材4とには、前進位置側から後退位置へと移動する進退部材側部材4と係合位置に位置するロック部材5とが接触する接触位置に、進退部材側部材4の移動方向の力を当該移動方向と垂直な方向成分を含む力に変換する方向変換機構Mが設けられている。また、ケース2は、方向変換機構Mで進退部材側部材4の移動方向の押圧力が変換された力によって進退部材側部材4の移動方向とは垂直な方向の成分を含む方向に移動するロック部材5が、退避位置へと移動するのを許容する移動スペースを有している。
方向変換機構Mは、進退部材側部材4の前進位置から後退位置への移動による、進退部材側部材4からロック部材5へ加わる押圧力を、進退部材側部材4の移動方向と垂直な方向成分を含む力に変換して、ロック部材5を係合位置から退避位置へと移動させる。なお、進退部材側部材4の移動方向と垂直な方向成分を含む力は、ロック部材5を係合位置から退避位置へと移動させることができる方向の力であればよい。
ロック部材5が退避位置へ移動するのを許容する移動スペースは、係止位置に位置するロック部材5が退避位置に移動するまでに必要なスペースである。本実施形態では、移動スペースは、ロック部材5が係止位置から退避位置まで回転するのに必要な、回転軸Ax周りのスペースである。本実施形態では、移動スペースは、ロック部材5が回転することにより突出片51が通る第1移動スペースと、ロック部材5が回転することにより停止部54が通る第2移動スペースとを含んでいる。
前進位置にある進退部材3および進退部材側部材4が後退位置に向かって移動すると、図2Aに二点鎖線で示すように、進退部材側部材4と退避位置にあるロック部材5とが軸X方向で当接する。進退部材側部材4とロック部材5とが軸X方向で当接した後、さらに後退位置へと進退部材側部材4が移動すると、方向変換機構Mによって、後退位置へ向かう進退部材側部材4からの押圧力がロック部材5を退避位置へ移動させる力に変換される。これにより、ロック部材5が図2Bに二点鎖線で示すように付勢部材6の付勢力に抗して退避位置へと移動する。本実施形態では、駆動部7が非通電状態の場合に、ロック部材5を係合位置から退避位置へ移動させる力によってロック部材5の回転ギヤ55が回転すると、回転ギヤ55の回転に伴って、駆動ギヤ72が駆動軸71周りに回転できるように構成されている。ロック部材5が退避位置へ移動すると、進退部材側部材4の後退位置までの軸X方向の経路からロック部材5が退避し、進退部材側部材4は後退位置まで移動することが可能となる。
進退部材側部材4が後退位置まで移動すると、付勢部材6の付勢力により、ロック部材5は再び係合位置へと移動する。ロック部材5が係合位置へと移動すると、図3Aに示されるように、進退部材側部材4の係合部42と、ロック部材5の被係合部51aとが軸X方向で係合し、進退部材3が後退位置で保持される。このように、本実施形態では、ハート形カムなどの複雑な機構を用いることなく、簡単な構造で、進退部材3を後退位置でロックすることができる。
方向変換機構Mは、進退部材側部材4の前進位置から後退位置への移動によるロック部材5への押圧力を、移動方向と垂直な方向成分を含む力に変換して、ロック部材5を係合位置から退避位置へと移動させることができれば、特にその形状や構造は限定されない。本実施形態では、方向変換機構Mは、図2Aおよび図3Aに示されるように、進退部材側部材4に設けられた第1方向変換要素M1と、ロック部材5に設けられた第2方向変換要素M2とを有している。具体的には、第1方向変換要素M1は、進退部材側部材4の端部領域433に設けられ、第2方向変換要素M2は、ロック部材5の突出片51の前進位置側に設けられている。より具体的には、方向変換機構Mは、ロック部材5に設けられた傾斜部M21(図2Aおよび図11参照)と、進退部材側部材4に設けられた押圧部M11(図2A、図6および図7参照)とにより構成されている。進退部材側部材4の側に設けられた押圧部M11は、係合部42よりも後退位置側に設けられている。
傾斜部M21は、ロック部材5の前進位置側に設けられ、傾斜部M21に対して押圧部M11が前進位置側にあるときに傾斜部M21に接触するように構成されている。傾斜部M21は、押圧部M11と当接して、進退部材側部材4から軸X方向で後退位置へ向かう方向に力が加わった際に、軸X方向に垂直な方向に移動するように傾斜している。具体的には、本実施形態では、傾斜部M21は、傾斜部M21が押圧部M11により押圧されたときに、図2Bに二点鎖線で示すように、進退部材3の軸Xに近付く方向に移動するように傾斜している。
押圧部M11は、進退部材側部材4の後退位置側に設けられ、進退部材3および進退部材側部材4が前進位置から後退位置に向かって移動する際に、傾斜部M21と接触する。押圧部M11は、本実施形態では、傾斜部M21と同方向に傾斜した傾斜面として形成されているが、傾斜部M21と当接して、ロック部材5を退避位置に移動させることができれば、その形状や構造は特に限定されない。
なお、変形例として、傾斜部M21が進退部材側部材4に設けられ、押圧部M11がロック部材5に設けられていてもよい。また、本実施形態では、傾斜部M21および押圧部M11の両方が傾斜しているが、押圧部M11は、傾斜部M21を押圧することにより、ロック部材5を係合位置から退避位置へと移動させることができれば、傾斜している必要はない。また、傾斜部M21は、傾斜部M21が押圧部M11により押圧されたときに、進退部材3の軸Xから離れる方向に移動するような方向に傾斜していてもよい。
本実施形態では、図2Bおよび図3Bに示されるように、ロック部材5の退避位置は、進退部材3の軸X方向の軸X方向において、進退部材3と重なる位置に設けられている。具体的には、ロック部材5が係合位置から退避位置に移動したときに、進退部材3の軸X方向での移動を妨げることなく、進退部材3と軸X方向で重なっている。すなわち、本実施形態では、ロック部材5(突出片51)の係合位置から退避位置までの移動スペースが、進退部材3の軸X方向で重なる位置に確保されている。そのため、ロック部材5を軸Xから離れる方向に移動させる必要がなく(図2Bにおいて、ロック部材5を実線の位置から時計方向に回転させる必要がない)、そのためのスペースがケース2に必要なくなる。したがって、ケース2を小型化することができ、進退移動装置1を小型化することができる。
本実施形態では、図2Bおよび図3Bに示されるように、ロック部材5の被係合部51aを有する突出片51と回転ギヤ55は同軸上に配置されており、具体的には、回転軸Ax周りに回転する筒状の軸部53に設けられているため、突出片51と回転ギヤ55を別々で配置させる必要がなく、そのためのスペースをケース2に設ける必要ない。また、本実施形態では、回転ギヤ55と駆動軸72は直接噛み合うようになっており、具体的には、回転ギヤ55はセクタギヤ、駆動軸72はウォームギヤで構成され、直接噛み合うようになっており、回転ギヤ55と駆動軸72とを接続するためのギヤ等を配置する必要がなく、そのためのスペースがケース2に必要なくなる。さらに、本実施形態では、ロック部材5は、ケース2と、進退部材側部材4と、駆動ギヤ72と、第1収容部2aと第2収容部2bを仕切る隔壁Wと、により囲まれる空間に配置されており、ロック部材5を配置するための空間をケース2に設ける必要がない。したがって、ケース2を小型化することができ、進退移動装置1を小型化することができる。
本実施形態では、ロック部材5が退避位置にあるときに、突出片51が進退部材3と軸X方向で重なりつつ、進退部材3の軸X方向の移動を阻害しないようにするために、進退部材3は、図2Bおよび図3Bに示されるように、退避位置にあるロック部材5の突出片51を収容可能な大きさの切欠部Nを有している。切欠部Nは、本実施形態では、進退部材3の軸X方向で後退位置側の端部に設けられているが、退避位置にあるロック部材5を収容することができ、進退部材3の軸X方向の移動が阻害されなければ、端部に設けられる必要はない。
本実施形態では、進退部材3は回転機構RMによって進退部材側部材4に対して軸X周りに回転しつつ、軸X方向に移動する。そのため、切欠部Nは、進退部材3の被嵌合部33に嵌合する進退部材側部材4の嵌合部41を設ける領域を進退部材3に確保しつつ、切欠部Nの端壁N1、N2が退避位置に移動したロック部材5と干渉しないように、軸X周り方向に所定の角度で形成されている。これにより、回転機構RMによる進退部材3の軸X周りの回転を確保しながら、ケース2を小型化し、進退移動装置1を小型化することができる。
つぎに、本実施形態の進退移動装置1がフューエルリッドLの開閉装置Dに適用された場合を例にあげて、進退移動装置1の作用効果を、図2A、図2B、図3A、図3Bおよび図12〜図15の模式図を用いて説明する。なお、図12〜図15は、説明の便宜上、部材の配置や形状は簡略化し、一部変更している。また、以下の説明はあくまで一例であり、本発明の進退移動装置1は、以下の説明により限定されるものではない。
図12は、フューエルリッドLが閉鎖した状態を示している。図12に示されるように、フューエルリッドLが閉鎖した状態では、進退部材3の係止部31とフューエルリッドLの操作対象側被係止部Laとが係止した状態で、進退部材側部材4の係合部42とロック部材5の被係合部51aとが係合している(図3B参照)。これにより、進退部材3が後退位置で維持され、フューエルリッドLが閉鎖した状態で維持されている。
この状態からフューエルリッドLを開放させる場合、駆動部7(図3B参照)を操作するための操作スイッチなどの操作部(図示せず)が操作される。駆動部7のモータ73が駆動されると、駆動軸71が回転し、駆動軸71に接続された駆動ギヤ72が駆動軸71の軸周りに回転する。駆動ギヤ72が回転すると、ロック部材5は、付勢部材6の付勢力に抗して、駆動ギヤ72と噛み合う回転ギヤ55を介して回転軸Ax周りに図3Bにおいて反時計方向に回転する。ロック部材5が回転して、図3Bの二点鎖線に示される退避位置まで移動すると、図13に示されるように、進退部材側部材4の係合部42の前進位置方向からロック部材5の被係合部51aが退避して、後退位置にある進退部材側部材4の前進方向への移動の規制が解除される。本実施形態では、図3Bの二点鎖線で示すように、ロック部材5の被係合部51aは、進退部材3の軸X方向において進退部材3と重なる位置へと退避する。そのため、ロック部材5が退避するために必要な移動スペースが、進退部材3の軸X方向で重なる位置に確保されているため、ロック部材5の移動スペースを余分に取る必要がなく、省スペース化することができる。本実施形態では、進退部材3が切欠部Nを有し、その切欠部Nによってできた空間をロック部材5の移動スペースとして利用することができる。そのため、ケース2を小型化することができ、進退移動装置1を小型化することができる。
図13に示されるように、進退部材側部材4の前進方向への移動の規制が解除されると、進退部材3および進退部材側部材4は、弾性部材Sの付勢力により、前進位置に向かって移動する。進退部材3が前進位置に向かって移動する際に、図14に示されるように、進退部材3は、回転機構RM(図2Aおよび図3A参照)によって軸X周りに約90度回転する。このとき、進退部材3の被嵌合部33は、進退部材側部材4の嵌合部41に軸X周り方向で摺動して、図2Bおよび図3Bに示されるように、進退部材3が進退部材側部材4に対して回転し、進退部材側部材4は軸X周りに回転せずに軸X方向に移動する。これにより、進退部材3と進退部材側部材4とがとともに軸X方向に移動しても、進退部材側部材4の係合部42は軸X周り方向での位置が変化しない。したがって、進退部材側部材4の係合部42と、ロック部材5の後述する被係合部51aとの間の、軸Xに垂直な方向での位置関係がずれることがなく、係合部42とロック部材5の被係合部51aとを軸X方向で係合させることができる。
進退部材3が軸X方向に移動するとともに軸X周りに回転すると、図14に示されるように、フューエルリッドLが進退部材3によって押されてわずかに開放するとともに、係止部31とフューエルリッドLの操作対象側被係止部Laとの係止が解除される。これにより、図4に示されるように、フューエルリッドLがヒンジHを中心に回転して、フューエルリッドLが開放する。なお、駆動部7によって退避位置に移動したロック部材5は、駆動部7が非通電となったときの付勢部材6の付勢力、または、駆動部7に通電し、駆動部7の駆動軸71を逆回転させることなどによって係合位置へと戻る。
つぎに、フューエルリッドLを開放状態から閉鎖する場合は、たとえば、フューエルリッドLを開放した状態から閉鎖方向に手動で閉じる操作を行う。フューエルリッドLを閉鎖方向に移動させると、フューエルリッドLの内面の係止孔(操作対象側被係止部La)に進退部材3の先端の係止部31が入る(図14に示す状態)。そのまま、フューエルリッドLを閉鎖方向に移動させると、フューエルリッドLによって進退部材3が後退位置側に向かって押圧される。進退部材3は弾性部材Sの付勢力に抗して後退位置側に移動する。進退部材3が後退位置側に移動すると、進退部材側部材4も同様に、後退位置側に移動する。
進退部材側部材4が後退位置に向かって移動すると、図15に示されるように、ロック部材5の傾斜部M21に、進退部材側部材4の押圧部M11が接触する。さらに進退部材3および進退部材側部材4が後退位置側に移動すると、進退部材側部材4の押圧部M11が、傾斜部M21を押圧して、傾斜部M21に、ロック部材5が図3Bにおいて反時計方向に回転する方向の力が作用する。これにより、ロック部材5は、付勢部材6の付勢力に抗して、図3Bに二点鎖線で示されるように、退避位置へと移動する。
なお、駆動部7は、非通電状態である際に、進退部材側部材4が前進位置側から後退位置へ移動することによるロック部材5への押圧により、ロック部材5が退避位置へ移動することを許容する。本実施形態では、駆動部7が非通電状態であっても、進退部材側部材4が前進位置側から後退位置へ移動することによるロック部材5への押圧によってロック部材5の回転ギヤ55が回転した場合に、回転ギヤ55の回転に伴って、駆動ギヤ72が駆動軸71周りに回転できるように駆動部7が構成されている。したがって、進退部材3および進退部材側部材4の後退位置側への移動によって、ロック部材5が退避位置に移動する際には、駆動部7の通電状態のときとは逆方向に回転することができ、ロック部材5の退避位置への移動を駆動部7の非通電状態において妨げることがない。
図15に示される状態から、さらに進退部材3および進退部材側部材4が後退位置側に移動すると、図12に示される状態となり、押圧部M11がロック部材5の突出片51を軸X方向で乗り越える。進退部材側部材4の押圧部M11がロック部材5の突出片51を乗り越えると、ロック部材5は付勢部材6の付勢力によって図3Bに実線で示されるように、係合位置へと戻る。これにより、進退部材側部材4の係合部42と、ロック部材5の被係合部51aとが軸X方向で係合する。これにより、フューエルリッドLの閉鎖が完了する。
1 進退移動装置
2 ケース
21 基部
21a 底部
21b 壁部
22 蓋部
2a 第1収容部
2b 第2収容部
2c 案内部
3 進退部材
31 係止部
32 本体
32a 弾性部材収容部
33 被嵌合部
4 進退部材側部材
41 嵌合部
42 係合部
43 基部
431、431a、431b 基部の外側面
432 基部の内側面
433 基部の端部領域
5 ロック部材
51 突出片
51a 被係合部
52 付勢部材取付部
53 軸部
54 停止部
55 回転ギヤ
6 付勢部材
61 付勢部材の一端
62 付勢部材の他端
7 駆動部
71 駆動軸
72 駆動ギヤ
73 モータ
Ax 回転軸
B 車体
BT 弾性部材収容部の底部
D 開閉装置
H ヒンジ
L フューエルリッド
La 操作対象側被係止部
M 方向変換機構
M1 第1方向変換要素
M11 押圧部
M2 第2方向変換要素
M21 傾斜部
N 切欠部
N1、N2 切欠部の端壁
R 凹部
RM 回転機構
RM1 第1回転要素
RM2 第2回転要素
S 弾性部材
W 隔壁
Wa 貫通孔
X 進退部材の軸
2 ケース
21 基部
21a 底部
21b 壁部
22 蓋部
2a 第1収容部
2b 第2収容部
2c 案内部
3 進退部材
31 係止部
32 本体
32a 弾性部材収容部
33 被嵌合部
4 進退部材側部材
41 嵌合部
42 係合部
43 基部
431、431a、431b 基部の外側面
432 基部の内側面
433 基部の端部領域
5 ロック部材
51 突出片
51a 被係合部
52 付勢部材取付部
53 軸部
54 停止部
55 回転ギヤ
6 付勢部材
61 付勢部材の一端
62 付勢部材の他端
7 駆動部
71 駆動軸
72 駆動ギヤ
73 モータ
Ax 回転軸
B 車体
BT 弾性部材収容部の底部
D 開閉装置
H ヒンジ
L フューエルリッド
La 操作対象側被係止部
M 方向変換機構
M1 第1方向変換要素
M11 押圧部
M2 第2方向変換要素
M21 傾斜部
N 切欠部
N1、N2 切欠部の端壁
R 凹部
RM 回転機構
RM1 第1回転要素
RM2 第2回転要素
S 弾性部材
W 隔壁
Wa 貫通孔
X 進退部材の軸
Claims (3)
- ケースと、
前記ケースに対する前進位置と後退位置との間で進退移動可能な進退部材と、
係合部と前記進退部材と軸方向に嵌合する嵌合部とを有する進退部材側部材と、
前記係合部と係合する被係合部を有し、前記進退部材側部材と係合可能な係合位置と前記進退部材側部材の移動を許容する退避位置との間で移動するロック部材と、
前記ロック部材を前記係合位置に向かう方向に付勢する付勢部材と、を備えた進退移動装置であって、
前記進退部材側部材は、前記進退部材と共に、前進位置と後退位置との間で移動し、
前記ロック部材の前記退避位置は、前記進退部材の軸方向の軸方向において、前記進退部材と重なる位置に設けられた
進退移動装置。 - 前記進退部材を移動させる駆動部を有し、
前記駆動部は、駆動ギヤが接続した駆動軸を有し、
前記ロック部材は、前記駆動ギヤと接続する回転ギヤを有し、前記駆動ギヤの回転によって前記係合位置と前記退避位置との間を移動する請求項1に記載の進退移動装置。 - 前記ロック部材の被係合部は、前記進退部材側部材の移動方向において前記進退部材側部材と重なる位置に係合位置が設けられた請求項1または2に記載の進退移動装置。
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---|---|---|---|
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