本発明は、粉粒物を昇降させて、粉粒物容器に供給するウエットダウン式バケットリフトおよびそれを用いた紛粒物昇降洗浄方法に関する。
従来から、粉粒物を昇降させて、粉粒物容器に供給するバケットリフターが知られている。このバケットリフター101には、粉粒物をバケット103(図11(b)参照)に投入する投入部102と、投入された粉粒物を収容するバケット103と、バケット103を昇降させる昇降機構105と、上昇した位置のバケット103から排出された粉粒物をコンテナ108へ供給する供給管部104と、粉粒物から飛散した粉体を吸引するための吸引機構106と、粉粒物の残渣を洗浄するための水洗機構(第1給水管171(図11(a)参照)、第2給水管172(図11(b)参照)、及び、第3給水管173(図11(c)参照))が備えられている。
コンテナ108への粉粒物供給作業が終了すると、投入部102のケース122内に付着している粉粒物の残渣が第1給水管171からの水によって洗い流され、バケット103の内部空間130内に付着している粉粒物の残渣が第2給水管172からの水によって洗い流され、また、主供給管141の基端部411内に付着している粉粒物の残渣が第3給水管173からの水によって洗い流される。そして、水洗機構による水洗が終了すると、バケットリフター101は、分解され、改めて洗浄されるというものであった(例えば、特許文献1)。ここで、図10は従来のバケットリフターの全体側面図であり、図11(a)は同バケットリフターの投入部の側面透視図であり、図11(b)は同バケットリフターのバケットの側面透視図であり、図11(c)は同バケットリフターの供給管部の要部側面透視図である。
しかしながら、従来のバケットリフター101では、投入部102のケース122内とバケット103の内部空間130内と主供給管141の基端部411内に付着している粉粒物の残渣を洗い流した後、バケットリフター101を分解し、バケットリフター101を洗浄するというものであったので、粉粒物の残渣が洗い流されていないケーシング等を分解して洗浄する際に、ケーシング等内に残された粉粒物の残渣が分解されたバケットリフター101の周辺に飛散し、それによって、作業環境が悪化し、作業者の健康が害されてしまうおそれがあった。また、バケットリフター101の周辺に粉粒物の残渣が飛散すると、その粉粒物の残渣がバケットリフター101が設置されていた部屋全体に蔓延することになり、広範囲の掃除に時間を要するという問題もあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができるウエットダウン式バケットリフトおよびそれを用いた紛粒物昇降洗浄方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、粉粒物を昇降させて、粉粒物容器に供給するウエットダウン式バケットリフトであって、内部が密閉され、略鉛直方向に形成されたリフター本体と、リフター本体の内部に略鉛直方向に設けられた昇降軸と、粉粒物が収容され、昇降軸に沿ってリフター本体内を昇降する昇降バケットと、昇降バケット内に粉粒物を投入する投入シュートと、リフター本体上部に上昇した昇降バケット内の粉粒物を粉粒物容器に排出する排出シュートと、リフター本体内上部に設けられ、リフター本体内に水を噴射し、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませるリフター本体内水噴射手段と、リフター本体内の水を排水する排水口と、リフター本体の外周面に設けられた開口部を開閉自在に覆うリフター本体外周面開閉部と、を有し、リフター本体内水噴射手段は、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませることにより、リフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しない状態にすることを特徴とするものである。
本発明によれば、内部が密閉されたリフター本体内上部にリフター本体内水噴射手段が設けられているので、リフター本体内水噴射手段から噴射された水がリフター本体外に漏洩せず、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、リフター本体外周面開閉部は、リフター本体側面に設けられた開口部を開閉させるリフター本体側面開放扉、または、リフター本体側面に設けられた開口部を開閉させる開閉蓋であることを特徴とするものである。
本発明のうち第3の態様に係るものは、第2の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、リフター本体内水噴射手段は、リフター本体内上部の側面間に配された水配管と、水配管の側面に複数個設けられ、給水手段から水配管に供給された水を噴射する水噴射ノズルと、を有し、水噴射ノズルは、リフター本体内に水を噴射することにより、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しない状態にすることを特徴とするものである。
本発明によれば、リフター本体内上部の側面間に配された水配管の側面に複数個設けられた水噴射ノズルからリフター本体内に水が噴射されるので、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に十分な水分を確実かつ短時間で含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が確実に飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓をより短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第4の態様に係るものは、第3の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、水噴射ノズルは、水配管の略所定の間隔毎に円周上および長手方向に複数個設けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、水配管の略所定の間隔毎に円周上および長手方向に複数個水噴射ノズルが設けられているので、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に十分な水分をより確実かつ短時間で含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓がより確実に飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓をより短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第5の態様に係るものは、第3の態様または第4の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、水配管は、長手方向軸を中心に回転することを特徴とするものである。
本発明によれば、水配管が長手方向軸を中心に回転するので、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に十分な水分をより確実かつ短時間で含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓がより確実に飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓をより短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第6の態様に係るものは、第3の態様に係るウエットダウン式バケットリフトを用いた紛粒物昇降洗浄方法であって、上流部から送られてきた紛粒物を昇降バケットに投入させる粉粒物投入工程と、粉粒物投入工程により紛粒物が投入された昇降バケットをリフター本体上部に上昇させる昇降バケット上昇工程と、昇降バケット上昇工程によりリフター本体上部に上昇した昇降バケットの紛粒物を、排出シュートを介し、粉粒物容器に排出させる粉粒物排出工程と、粉粒物排出工程により紛粒物が排出された昇降バケットをリフター本体下方に下降させる昇降バケット下降工程と、リフター本体内の昇降バケットの昇降を停止させる昇降バケット停止工程と、リフター本体上部の水配管の側面に設けられた水噴射ノズルから水が噴射され、リフター本体内に付着している紛粒物の残渣に水分を含ませるリフター本体水噴射工程と、リフター本体水噴射工程により実施された水噴射ノズルからの水の噴射を終了させるリフター本体水噴射終了工程と、リフター本体水噴射工程によりリフター本体内に溜められた水を排水口から排水させるリフター本体排水工程と、リフター本体排水工程によりリフター本体内に溜められた水の排水が終了した後、リフター本体外周面に設けられたリフター本体外周面開閉部が開放され、リフター本体外周面開閉部が開放されることにより開口された開口部からリフター本体内部が湿潤洗浄されるリフター本体湿潤洗浄工程と、を有し、リフター本体湿潤洗浄工程は、リフター本体内に付着している紛粒物の残渣が飛散することなく、リフター本体内に付着している紛粒物の残渣を湿潤洗浄できることを特徴とするものである。
本発明によれば、内部が密閉されたリフター本体内上部の水配管の側面に設けられた水噴射ノズルから水が噴射されるので、水噴射ノズルから噴射された水がリフター本体外に漏洩せず、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のウエットダウン式バケットリフトによれば、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの外観斜視図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの内部構造を示す図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの作用説明図である。
(a) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの側面断面図である。(b) 図2のA−A断面図である。
(a) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットが原点位置まで下降した状態を示す図である。(b)同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入される直前を示す図である。(c) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入開始された状態を示す図である。(d) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入されている状態を示す図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと排出シュートの作用説明図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内の薬剤が排出されている状態を示す図である。
(a) 同ウエットダウン式バケットリフトの水配管を示す側面図である。(b)同ウエットダウン式バケットリフトの水配管の水噴射ノズルから水が噴射されている状態を示す図である。
本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトを用いた紛粒物昇降洗浄方法のフローチャートである。
従来のバケットリフターの全体側面図である。
(a) 同バケットリフターの投入部の側面透視図である。(b) 同バケットリフターのバケットの側面透視図である。(c) 同バケットリフターの供給管部の要部側面透視図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照にして説明する。ここで、図1は本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの外観斜視図であり、図2は同ウエットダウン式バケットリフトの内部構造を示す図であり、図3は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの作用説明図である。
図1に示すように、ウエットダウン式バケットリフト1は、昇降バケット2(図2参照)を用いて薬剤を上方に持ち上げ、粉粒物容器3に供給するものである。ウエットダウン式バケットリフト1は、昇降バケット2と、リフター本体4と、昇降ねじ(昇降軸)5と、投入シュート7と、排出シュート8と、水配管9と、水噴射ノズル10と、排水口12などを有している(図2参照)。なお、本実施形態では、粉粒物容器3に薬剤を供給する態様について説明するが、薬剤に限らず、健康食品や化粧品等の粉粒物(粉体や粒体)と扱われるものであれば他のものであってもよい。
リフター本体4は、内部が密閉され、略鉛直方向に形成されている。具体的には、リフター本体4は、下部に投入シート7から昇降バケット2に薬剤が投入されるリフター本体下部ケース13と、そのリフター本体下部ケース13から鉛直方向に長く形成された四角柱形状のリフター本体上部ケース14を備えている。また、そのリフター本体4の上部にはリフター本体昇降モータ15を収容する昇降モータ収容部16が備えられている。そして、リフター本体4(リフター本体下部ケース13とリフター本体上部ケース14)の側面には、リフター本体側面開放扉4aが設けられ、そのリフター本体側面開放扉4aを開放させることにより、リフター本体4内を綺麗に掃除することができる。また、リフター本体4の内部には、リフター本体4の軸方向に延びる昇降ねじ5、およびガイドバー17と、その昇降ねじ5の上部には昇降ねじ5のねじ軸を回転させるリフター本体昇降モータ15が設けられている(図3参照)。この昇降ねじ5は、リフター本体4の内部に略鉛直方向に設けられ、上下端部で軸受18により支持されている。また、昇降ねじ5は、昇降ブロック31の昇降ねじ昇降ブロック垂直挿入孔32a(図3参照)に挿入され、その昇降ねじ昇降ブロック垂直挿入孔32a内に樹脂ナット20(図3参照(外枠のみ))が設けられている。また、昇降ブロック31には、ガイドバー17が挿入されるガイドバー昇降ブロック垂直挿入孔32bが形成され、このガイドバー17により昇降ブロック31が回転することを防止し、安定して昇降バケット2を昇降させることができる。そして、リフター本体昇降モータ15の回転軸が回転すると、リフター本体昇降モータ15の回転軸と連絡された連結用マイタギア19が回転し、その連結用マイタギア19の回転力により昇降ねじ5を回転させることができる。そして、その昇降ねじ5の回転力により樹脂ナット20を介して昇降ブロック31を上昇させることができる。このように、リフター本体昇降モータ15の回転軸を回転させることにより、昇降ねじ5のねじ軸と螺合した樹脂ナット20が上昇し、昇降ブロック31を上昇させることができる。また、昇降ブロック31には、昇降ブロック垂直挿入孔32a、32bと略垂直方向、つまり略水平方向に昇降ブロック水平挿入孔33が設けられ、その昇降ブロック水平挿入孔33に昇降バケット回転軸34が挿入されている(図3参照)。この昇降バケット回転軸34の一端は昇降バケット2の測底部に着脱自在に固着され、昇降バケット回転軸34の他端には案内レバー35が固着され、その案内レバー35の先端には案内ローラ36が設けられている。そして、リフター本体4の内側面に案内ローラ誘導レール6が設けられ、この案内ローラ誘導レール6に沿って案内ローラ36が回転する。また、案内ローラ誘導レール6の上部には昇降バケット回転誘導レール37が設けられている。そして、昇降バケット2が上昇し、案内ローラ36が案内ローラ誘導レール6に沿って回転し、案内ローラ36が昇降バケット回転誘導レール37内を回転走行することにより、昇降バケット2を回転させることができる。具体的には、図6および図7を用いて、後述する。ここで、リフター本体4上部の軸受18と昇降ねじ5の間には0リング21が設けられ、リフター本体4内の密閉が確保されている。また、リフター本体下部ケース13の下部には、キャスター用車輪22が設けられ、リフター本体4を自由に移動させることができる。
昇降バケット2は、薬剤が収容され、昇降ねじ5に沿ってリフター本体4内を昇降自在に設けられている。具体的には、昇降バケット2は、リフター本体4の内部に設けられた昇降ブロック31に挿入されて設けられた昇降バケット回転軸34に係止され、上述したように、リフター本体昇降モータ15の回転軸が回転することにより、昇降ねじ5に沿って樹脂ナット20とともに昇降ブロック31が上昇し、その昇降ブロック31が上昇することにより昇降バケット回転軸34を介し昇降バケット2が上昇する。また、リフター本体昇降モータ15の回転軸が逆回転することにより、昇降バケット2が下降する。
投入シュート7は、昇降バケット2内に薬剤を投入するものである。この投入シュート7は、リフター本体4下部のリフター本体下部ケース13に設けられ、このリフター本体下部ケース13は密閉構造で構成されている。リフター本体下部ケース13の上部には、薬剤流入管23が設けられている。投入シュート7から昇降バケット2に薬剤を投入方法については、図4および図5を用いて後述する。
排出シュート8は、リフター本体4上部に上昇した昇降バケット2内の薬剤を粉粒物容器3に排出するものである。この排出シュート8は、中空形状で、リフター本体4上部側面の開口に取り付けられている。そして、昇降バケット2から排出された薬剤は、排出シュート8から薬剤排出管30を介し粉粒物容器3に送られる。
水配管9は、リフター本体4内上部の相対抗する側面間に設けられている(図8参照)。この水配管9には給水ホース24が連結し、そして、給水手段から給水ホース24を介し水配管9に水が送られる。ここで、本実施形態では、給水手段として、水道の蛇口を用いているが、これに限らず、精製水を給水ポンプなどを用いて給水するようにしてもよい。また、水配管9の側面には、水噴射ノズル10が設けられている。具体的は、水噴射ノズル10は、水配管9の側面上に、長手方向に一定間隔毎に9箇所、両端部の水噴射ノズル10を除き円周上には略60度間隔毎に3個設けられ、円周上の水噴射ノズル10は水配管9の長手方向1つ置きに30度ずらして設けられている(図8参照)。ここで、両端部の水噴射ノズル10は、水配管9端部側のリフター本体4内側面に水を噴射し薬剤の残滓に水分を含ませ薬剤の残滓が飛散しないようにするものであり、円周上に1個だけ設けられている。なお、本実施形態では、長手方向に一定間隔毎に9箇所、両端部の水噴射ノズル10を除き円周上には略60度間隔毎に3個設けられ、円周上の水噴射ノズル10は水配管9の長手方向1つ置きに30度ずらして設けたが、これに限らず、水配管9の略所定の間隔毎に円周上および長手方向に複数個設けるようにしてもよい。また、この水噴射ノズル10から噴射された水は、リフター本体4下部からリフター本体4内に溜まり、そのリフター本体4内に溜まった水は、排水弁11を開放させることにより、リフター本体4下部に形成された排水口12(図2参照)から排水ホース38を介し、リフター本体4外に排水される。
次に、投入シュート7から昇降バケット2に薬剤が投入される方法について説明する。ここで、図3は、上述したように、本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの作用説明図であり、図4(a)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの側面断面図であり、図4(b)は図2のA−A断面図であり、図5(a)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットが原点位置まで下降した状態を示す図であり、図5(b)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入される直前を示す図であり、図5(c)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入開始された状態を示す図であり、図5(d)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入されている状態を示す図である。ここで、図4(b)は図2のA−A断面図と説明したが、図4(a)のB−B断面図と同様である。
投入シュート7は、投入シュート回転軸26が回転することにより昇降バケット2に薬剤と投入することができる。具体的には、電動アクチュエータ27のピストン軸先端には回転自在にピストン先端部材25が設けられ、投入シュート回転軸26の端部にはハンドルレバー28が固着され、ピストン先端部材25の先端部とハンドルレバー28の先端部が回動自在に結合している。そして、電動アクチュエータ27のピストン軸が先端方向に伸びることによりハンドルレバー28が押され、そのハンドルレバー28が回動することにより投入シュート回転軸26が回転し、投入シュート7を回転させることができる。ここで、投入シュート回転軸26は、リフター本体4の外側面に設けられた投入シュート揺動軸受29(図3(b)参照)で支持され、リフター本体4の内側面は0リング39(図3(b)参照)が設けられ、リフター本体4内の密閉が確保されている。
昇降バケット2は、リフター本体4上部で昇降バケット2内の薬剤を粉粒物容器3に排出した後、昇降ねじ5が回転されることにより原点位置まで下降する(図5(a)参照)。そして、投入シュート7は、投入シュート回転軸26が回転することにより、原点位置から昇降バケット2内に薬剤を投入される直前のところまで回転(図5(b)参照)し、この状態から、投入シュート回転軸26の回転に対応して昇降バケット2が原点位置から更に下方に下降し続ける(図5(c)、図5(d)参照)。このように、投入シュート回転軸26の回転に対応して昇降バケット2が原点位置から下方に下降させることにより、投入シュート7内から昇降バケット2内に投入される薬剤の昇降バケット2内面との衝突衝撃をやわらげ、薬剤の割れや欠けを防止することができるとともに、昇降バケット2内面との衝突反発力により薬剤が昇降バケット2外に飛び出すことを防止することができる。
次に、昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8に排出される方法について説明する。ここで、図6は本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと排出シュートの作用説明図であり、図7は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内の薬剤が排出されている状態を示す図である。
昇降バケット2内の薬剤は、昇降バケット回転軸34が回転されることにより排出シュート8に排出させることができる。具体的には、昇降バケット2は、昇降ねじ5に沿ってリフター本体4内を上昇すると、昇降バケット回転軸34の先端に設けられた案内ローラ36が案内ローラ誘導レール6に沿って回転する(図3参照)。そして、案内ローラ36が案内ローラ誘導レール6の上部に設けられた昇降バケット回転誘導レール37に入る(図6、図7参照)と、案内レバー35と昇降バケット回転軸34が略90度回転し、昇降バケット2が回転する。これにより、昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8から粉粒物容器3に排出される。
次に、水配管9から水が噴射される方法について具体的に説明する。ここで、図8(a)は本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの水配管を示す側面図であり、図8(b)は同ウエットダウン式バケットリフトの水配管の水噴射ノズルから水が噴射されている状態を示す図である。
水配管9は、上述した通り、リフター本体4内上部の相対抗する側面間に設けられている。そして、給水手段から給水ホース24を介し水配管9に水が送られ、水配管9の側面の水噴射ノズル10から水が放射線状に噴射される。本実施形態では、長手方向に一定間隔毎に9箇所、両端の水噴射ノズル10を除き円周上には略60度間隔毎に3個設けられ、円周上の水噴射ノズル10は長手方向1つ置きに30度ずらして設けているので、水噴射ノズル10から放射線状に噴射された水がリフター本体4上部内面に衝突するとともに、水噴射ノズル10から噴射された水はリフター本体4内に溜まり、そのリフター本体4内に溜まった水を排水口12から排水させることにより、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませ薬剤の残滓が飛散しないようにすることができる。ここで、両端の水噴射ノズル10は、水配管9の端部側のリフター本体4の内側面に噴射し、水配管9端部の円周上にそれぞれ1つ設けられている。また、リフター本体4内は密閉されているので、水噴射ノズル10から噴射された水がリフター本体4外に漏洩せず、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませることができる。
次に、ウエットダウン式バケットリフト1を用いた紛粒物昇降洗浄方法ついて図9を用いて説明する。このウエットダウン式バケットリフト1のリフター本体4内の湿潤洗浄方法は、リフター本体4内の薬剤が収納された昇降バケット2を昇降させて、粉粒物容器3へ薬剤を排出させる粉粒物排出作業終了後に実施される。ここで、図9は、本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトを用いた紛粒物昇降洗浄方法のフローチャートである。なお、本実施形態では、上述したように、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓を湿潤洗浄する態様について説明するが、これに限らず、リフター本体4で健康食品等の他の粉粒物(粉体や粒体)を昇降させ、そのリフター本体4内に付着している粉粒物の残滓を湿潤洗浄するようにしてもよい。
まず、S1において、開始ボタンが「ON」にされたかが判断される。この開始ボタンが「ON」か否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた開始ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S1で「NO」と判断された場合は開始ボタンが「ON」になるまでS1の処理が継続して実施され、S1で「YES」と判断された場合はS2に進む。なお、本実施形態では、開始ボタンが「ON」か否かを開始ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、あらかじめ開始時間が設定され、その設定された時間に開始ボタンが「ON」になるようにしてもよい。
S2において、薬剤投入工程が実施される。この薬剤投入工程では、上流部から送られてきた薬剤が投入シュート7を介し、昇降バケット2に投入される。具体的には、上流部から送られてきた薬剤はリフター本体4のリフター本体下部ケース13上部の薬剤流入管23から投入シュート7内に送られ、そして、その投入シュート7内に送られた薬剤は昇降バケット2に投入される。ここで、投入シュート7から昇降バケット2への薬剤の投入は、図5を用いて示したように、昇降バケット2が原点位置のところから始まり、投入シュート7の回転に従って、昇降バケット2を下降させて、薬剤が昇降バケット2内に投入される。このように、昇降バケット2を原点位置から下方に下降させることにより、投入シュート7内から昇降バケット2内に投入される薬剤の昇降バケット2内面との衝突衝撃をやわらげ、薬剤の割れや欠けを防止することができるとともに、昇降バケット2内面との衝突反発力により薬剤が昇降バケット2外に飛び出すことを防止することができる。なお、本実施形態では薬剤投入工程(薬剤を昇降バケット2に投入)として説明したが、粉粒物を昇降バケット2に投入する場合は粉粒物投入工程となる。そして、S3に進む。
S3において、昇降バケット上昇工程が実施される。この昇降バケット上昇工程では、薬剤投入工程により薬剤が投入された昇降バケット2をリフター本体4上部に上昇させる。具体的には、昇降バケット2は、リフター本体昇降モータ15の回転軸が回転されることにより昇降ねじ5が回転し、その昇降ねじ5の回転に沿って昇降バケット2がリフター本体4内を上昇する。また、昇降バケット2が昇降ねじ5に沿って上昇すると、昇降バケット回転軸34の先端に設けられた案内ローラ36が回転し、案内ローラ誘導レール6に沿って上昇する。ここで、薬剤投入工程により薬剤が投入シュート7から昇降バケット2に投入された後においても、上流部から薬剤が投入シュート7に常時送られ、次回の薬剤投入工程の実施時には投入シュート7から昇降バケット2に薬剤が投入される準備ができている。そして、S4に進む。
S4において、薬剤排出工程が実施される。この薬剤排出工程では、昇降バケット上昇工程によりリフター本体4上部に上昇した昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8を介し、粉粒物容器3に排出される。具体的には、昇降バケット2が昇降ねじ5に沿ってリフター本体4上部の排出シュート8の位置まで来ると、昇降バケット回転軸34の先端に設けられた案内ローラ36が昇降バケット回転誘導レール37内に入り昇降バケット2が回転する。これにより、昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8から粉粒物容器3に排出される。なお、本実施形態では薬剤排出工程(薬剤を粉粒物容器3に排出)として説明したが、粉粒物を粉粒物容器3に排出する場合は粉粒物排出工程となる。そして、S5に進む。
S5において、昇降バケット下降工程が実施される。この昇降バケット下降工程では、薬剤排出工程により薬剤が排出された昇降バケット2がリフター本体4内を下方に下降する。具体的には、昇降バケット2は、リフター本体昇降モータ15の回転軸が逆回転されることにより昇降ねじ5が逆回転し、その昇降ねじ5の回転に沿って昇降バケット2がリフター本体4内を下降する。そして、S6に進む。
S6において、移送停止ボタンが「ON」にされたかが判断される。この移送停止ボタンが「ON」か否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた移送停止ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S6で「NO」と判断された場合は移送停止ボタンが「ON」になるまでS2→S3→S4→S5→S6の処理が繰り返し実施され、S6で「YES」と判断された場合は、リフター本体4内の昇降バケット2の昇降が停止され(昇降バケット停止工程)、S7に進む。なお、本実施形態では、移送停止ボタンが「ON」か否かを移送停止ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、あらかじめ終了時間(移送停止時間)が設定され、その設定された終了時間に移送停止ボタンが「ON」になるようにしてもよい。
S7において、水噴射が開始されるかが判断される。この水噴射が開始されるか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた水噴射ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S7で「NO」と判断された場合は紛粒物昇降洗浄方法が終了し、S7で「YES」と判断された場合はS8に進む。なお、本実施形態では、水噴射ボタンが「ON」にされていない場合(S7で「NO」)は紛粒物昇降洗浄方法が終了するとしたが、これに限らず、所定の時間内に水噴射ボタンが「ON」にされていない場合に、S7で「NO」と判断され紛粒物昇降洗浄方法が終了するとしてもよい。また、本実施形態では、水噴射が開始されるかを水噴射ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、S6で「YES」と判断されてから所定の時間経過後に、自動で水噴射が開始されるようにしてもよい。さらに、S7で「NO」と判断された場合に紛粒物昇降洗浄方法を終了するのではなく、S7で「NO」と判断された後、「終了ボタン」を押圧された場合(「終了ボタン」ON)に、紛粒物昇降洗浄方法を終了するようにしてもよい。
S8において、リフター本体水噴射工程が実施される。このリフター本体水噴射工程では、リフター本体4上部の水配管9の側面に設けられた水噴射ノズル10から水が噴射され、リフター本体4内に付着している薬剤の残渣に十分な水分を含ませる。具体的には、給水ホース24から水配管9に送られてきた水が水噴射ノズル10から放射線状に噴射されるとともに、リフター本体4内に溜まった水により、リフター本体4内に付着している薬剤の残渣に十分な水分を含ませることができる。そして、S9に進む。なお、本実施形態では、水配管9は回転しない態様で説明したが、これに限らず、水配管9を長手方向軸を中心に回転させるようにしてもよい。このように、水配管9を長手方向の回転軸を水配管回転手段により回転させることにより水噴射ノズル10も回転するので、水噴射ノズル10から広範囲に水が噴射され、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に十分な水分をより確実かつ短時間で含ませることができる。
S9において、水噴射が終了したかが判断される。この水噴射が終了したか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた水噴射終了ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S9で「NO」と判断された場合は水噴射終了ボタンが押圧されるまでS8の処理が繰り返し実施され、S9で「YES」と判断された場合は、水噴射ノズル10からの水の噴射が終了され(リフター本体水噴射終了工程)、S10に進む。なお、本実施形態では、水噴射が終了したかを水噴射終了ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、リフター本体水噴射工程が実施されてから所定の時間経過後に水噴射を終了させるようにしてもよい。
S10において、排水が開始されるかが判断される。この排水が開始されるか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた排水ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S10で「NO」と判断された場合はS11に進み、水噴射が再開されるかが判断される。この水噴射が再開されるか否かは、S7の処理と同様、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた水噴射ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S11で「YES」と判断された場合はリフター本体水噴射工程が再度実施される。このリフター本体水噴射工程の再度の実施は、リフター本体4内に残渣された薬剤に水分を含ませることができたと判断した後に、リフター本体4内に水分が含んでいない薬剤がまだ残っていると判断した場合等に実施される。また、S10で「YES」と判断された場合は、S12に進む。なお、本実施形態では、排水が開始されるかを排水ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、S9で「YES」と判断されてから所定の時間経過後に、自動で排水が開始されるようにしてもよい。そして、S12に進む。
S12において、リフター本体排水工程が実施される。このリフター本体排水工程は、リフター本体水噴射工程によりリフター本体4内に溜められた水が排水口12(図2参照)から排水される。具体的には、排水弁11(図1、図2参照)が開放され、リフター本体4下部に形成された排水口12から排水ホース38を介し、リフター本体4外に排水される。そして、S13に進む。
S13において、排水が終了したかが判断される。この排水が終了したか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた排水終了ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S13で「NO」と判断された場合は排水終了ボタンが「ON」になるまでS13の処理が繰り返し実施され、S13で「YES」と判断された場合は排水弁11(図1、図2参照)が閉鎖され、S14に進む。
S14において、リフター本体湿潤洗浄工程が実施される。このリフター本体湿潤洗浄工程では、リフター本体4内に溜められた水の排水が終了した後、リフター本体4側面に設けられたリフター本体側面開放扉4aが開放され、そのリフター本体側面開放扉4aが開放されることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いて、リフター本体4内が湿潤洗浄される。そして、リフター本体4内が湿潤洗浄された後は、乾いたタオルでリフター本体4内の水分を拭き取るようにしてもよい。なお、本実施形態では、リフター本体4側面に設けられたリフター本体側面開放扉4aを開放し、そのリフター本体側面開放扉4aが開放されることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いてリフター本体4内を湿潤洗浄したが、これに限らず、リフター本体4外周面に開閉蓋(図示略)などのリフター本体外周面開閉部を設け、そのリフター本体外周面開閉部(開閉蓋など)を開放させて、その開閉蓋が開放されることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いてリフター本体4内を湿潤洗浄してもよい。すなわち、リフター本体4の外周面に設けられた開口部を開閉自在に覆うリフター本体外周面開閉部を設けて、そのリフター本体外周面開閉部を開放させることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いてリフター本体4内を湿潤洗浄するようにしてもよい。このように、水噴射ノズル10によりリフター本体4内に水が噴射され、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませているので、作業者がリフター本体側面開放扉4aを開放してもリフター本体4内に付着している薬剤の残滓が飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
以上説明したように、内部が密閉されたリフター本体4内上部に水噴射ノズル10が設けられ、その水噴射ノズル10からリフター本体4内に放射線状に水が噴射されるので、水配管9の水噴射ノズル10から噴射された水がリフター本体4外に漏洩せず、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませることができる。これにより、リフター本体4側面のリフター本体側面開放扉4aが開放させて、洗浄ブラシ(図示略)などでリフター本体4内が湿潤洗浄しても、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓が水分を含み飛散しなくなるので、作業者の健康が害されることなく、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ウエットダウン式バケットリフト
2 昇降バケット
3 粉粒物容器
4 リフター本体
4a リフター本体側面開放扉
5 昇降ねじ
6 案内ローラ誘導レール
7 投入シュート
8 排出シュート
9 水配管
10 水噴射ノズル
11 排水弁
12 排水口
13 リフター本体下部ケース
14 リフター本体
15 リフター本体昇降モータ
16 昇降モータ収容部
17 ガイドバー
18 軸受
19 連結用マイタギア
20 樹脂ナット
21 0リング
22 キャスター用車輪
23 薬剤流入管
24 給水ホース
25 ピストン先端部材
26 投入シュート回転軸
27 電動アクチュエータ
28 ハンドルレバー
29 投入シュート揺動軸受
30 薬剤排出管
31 昇降ブロック
32a 昇降ねじ昇降ブロック垂直挿入孔
32b ガイドバー昇降ブロック垂直挿入孔
33 昇降ブロック水平挿入孔
34 昇降バケット回転軸
35 案内レバー
36 案内ローラ
37 昇降バケット回転誘導レール
38 排水ホース
39 0リング
本発明は、粉粒物を昇降させて、粉粒物容器に供給するウエットダウン式バケットリフトおよびそれを用いた粉粒物昇降洗浄方法に関する。
従来から、粉粒物を昇降させて、粉粒物容器に供給するバケットリフターが知られている。このバケットリフター101には、粉粒物をバケット103(図11(b)参照)に投入する投入部102と、投入された粉粒物を収容するバケット103と、バケット103を昇降させる昇降機構105と、上昇した位置のバケット103から排出された粉粒物をコンテナ108へ供給する供給管部104と、粉粒物から飛散した粉体を吸引するための吸引機構106と、粉粒物の残渣を洗浄するための水洗機構(第1給水管171(図11(a)参照)、第2給水管172(図11(b)参照)、及び、第3給水管173(図11(c)参照))が備えられている。
コンテナ108への粉粒物供給作業が終了すると、投入部102のケース122内に付着している粉粒物の残渣が第1給水管171からの水によって洗い流され、バケット103の内部空間130内に付着している粉粒物の残渣が第2給水管172からの水によって洗い流され、また、主供給管141の基端部411内に付着している粉粒物の残渣が第3給水管173からの水によって洗い流される。そして、水洗機構による水洗が終了すると、バケットリフター101は、分解され、改めて洗浄されるというものであった(例えば、特許文献1)。ここで、図10は従来のバケットリフターの全体側面図であり、図11(a)は同バケットリフターの投入部の側面透視図であり、図11(b)は同バケットリフターのバケットの側面透視図であり、図11(c)は同バケットリフターの供給管部の要部側面透視図である。
しかしながら、従来のバケットリフター101では、投入部102のケース122内とバケット103の内部空間130内と主供給管141の基端部411内に付着している粉粒物の残渣を洗い流した後、バケットリフター101を分解し、バケットリフター101を洗浄するというものであったので、粉粒物の残渣が洗い流されていないケーシング等を分解して洗浄する際に、ケーシング等内に残された粉粒物の残渣が分解されたバケットリフター101の周辺に飛散し、それによって、作業環境が悪化し、作業者の健康が害されてしまうおそれがあった。また、バケットリフター101の周辺に粉粒物の残渣が飛散すると、その粉粒物の残渣がバケットリフター101が設置されていた部屋全体に蔓延することになり、広範囲の掃除に時間を要するという問題もあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができるウエットダウン式バケットリフトおよびそれを用いた粉粒物昇降洗浄方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、粉粒物を昇降させて、粉粒物容器に供給するウエットダウン式バケットリフトであって、内部が密閉され、略鉛直方向に形成されたリフター本体と、リフター本体の内部に略鉛直方向に設けられた昇降軸と、粉粒物が収容され、昇降軸に沿ってリフター本体内を昇降する昇降バケットと、昇降バケット内に粉粒物を投入する投入シュートと、リフター本体上部に上昇した昇降バケット内の粉粒物を粉粒物容器に排出する排出シュートと、リフター本体内上部に設けられ、リフター本体内に水を噴射し、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませるリフター本体内水噴射手段と、リフター本体内の水を排水する排水口と、リフター本体の外周面に設けられた開口部を開閉自在に覆うリフター本体外周面開閉部と、を有し、リフター本体内水噴射手段は、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませることにより、リフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しない状態にすることを特徴とするものである。
本発明によれば、内部が密閉されたリフター本体内上部にリフター本体内水噴射手段が設けられているので、リフター本体内水噴射手段から噴射された水がリフター本体外に漏洩せず、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、リフター本体外周面開閉部は、リフター本体側面に設けられた開口部を開閉させるリフター本体側面開放扉、または、リフター本体側面に設けられた開口部を開閉させる開閉蓋であることを特徴とするものである。
本発明のうち第3の態様に係るものは、第2の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、リフター本体内水噴射手段は、リフター本体内上部の側面間に配された水配管と、水配管の側面に複数個設けられ、給水手段から水配管に供給された水を噴射する水噴射ノズルと、を有し、水噴射ノズルは、リフター本体内に水を噴射することにより、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しない状態にすることを特徴とするものである。
本発明によれば、リフター本体内上部の側面間に配された水配管の側面に複数個設けられた水噴射ノズルからリフター本体内に水が噴射されるので、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に十分な水分を確実かつ短時間で含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が確実に飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓をより短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第4の態様に係るものは、第3の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、水噴射ノズルは、水配管の略所定の間隔毎に円周上および長手方向に複数個設けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、水配管の略所定の間隔毎に円周上および長手方向に複数個水噴射ノズルが設けられているので、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に十分な水分をより確実かつ短時間で含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓がより確実に飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓をより短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第5の態様に係るものは、第3の態様または第4の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、水配管は、長手方向軸を中心に回転することを特徴とするものである。
本発明によれば、水配管が長手方向軸を中心に回転するので、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に十分な水分をより確実かつ短時間で含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓がより確実に飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓をより短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第6の態様に係るものは、第3の態様に係るウエットダウン式バケットリフトを用いた粉粒物昇降洗浄方法であって、上流部から送られてきた粉粒物を昇降バケットに投入させる粉粒物投入工程と、粉粒物投入工程により粉粒物が投入された昇降バケットをリフター本体上部に上昇させる昇降バケット上昇工程と、昇降バケット上昇工程によりリフター本体上部に上昇した昇降バケットの粉粒物を、排出シュートを介し、粉粒物容器に排出させる粉粒物排出工程と、粉粒物排出工程により粉粒物が排出された昇降バケットをリフター本体下方に下降させる昇降バケット下降工程と、リフター本体内の昇降バケットの昇降を停止させる昇降バケット停止工程と、リフター本体上部の水配管の側面に設けられた水噴射ノズルから水が噴射され、リフター本体内に付着している粉粒物の残渣に水分を含ませるリフター本体水噴射工程と、リフター本体水噴射工程により実施された水噴射ノズルからの水の噴射を終了させるリフター本体水噴射終了工程と、リフター本体水噴射工程によりリフター本体内に溜められた水を排水口から排水させるリフター本体排水工程と、リフター本体排水工程によりリフター本体内に溜められた水の排水が終了した後、リフター本体外周面に設けられたリフター本体外周面開閉部が開放され、リフター本体外周面開閉部が開放されることにより開口された開口部からリフター本体内部が湿潤洗浄されるリフター本体湿潤洗浄工程と、を有し、リフター本体湿潤洗浄工程は、リフター本体内に付着している粉粒物の残渣が飛散することなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残渣を湿潤洗浄できることを特徴とするものである。
本発明によれば、内部が密閉されたリフター本体内上部の水配管の側面に設けられた水噴射ノズルから水が噴射されるので、水噴射ノズルから噴射された水がリフター本体外に漏洩せず、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のウエットダウン式バケットリフトによれば、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの外観斜視図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの内部構造を示す図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの作用説明図である。
(a) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの側面断面図である。(b) 図2のA−A断面図である。
(a) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットが原点位置まで下降した状態を示す図である。(b)同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入される直前を示す図である。(c) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入開始された状態を示す図である。(d) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入されている状態を示す図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと排出シュートの作用説明図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内の薬剤が排出されている状態を示す図である。
(a) 同ウエットダウン式バケットリフトの水配管を示す側面図である。(b)同ウエットダウン式バケットリフトの水配管の水噴射ノズルから水が噴射されている状態を示す図である。
本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトを用いた粉粒物昇降洗浄方法のフローチャートである。
従来のバケットリフターの全体側面図である。
(a) 同バケットリフターの投入部の側面透視図である。(b) 同バケットリフターのバケットの側面透視図である。(c) 同バケットリフターの供給管部の要部側面透視図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照にして説明する。ここで、図1は本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの外観斜視図であり、図2は同ウエットダウン式バケットリフトの内部構造を示す図であり、図3は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの作用説明図である。
図1に示すように、ウエットダウン式バケットリフト1は、昇降バケット2(図2参照)を用いて薬剤を上方に持ち上げ、粉粒物容器3に供給するものである。ウエットダウン式バケットリフト1は、昇降バケット2と、リフター本体4と、昇降ねじ(昇降軸)5と、投入シュート7と、排出シュート8と、水配管9と、水噴射ノズル10と、排水口12などを有している(図2参照)。なお、本実施形態では、粉粒物容器3に薬剤を供給する態様について説明するが、薬剤に限らず、健康食品や化粧品等の粉粒物(粉体や粒体)と扱われるものであれば他のものであってもよい。
リフター本体4は、内部が密閉され、略鉛直方向に形成されている。具体的には、リフター本体4は、下部に投入シート7から昇降バケット2に薬剤が投入されるリフター本体下部ケース13と、そのリフター本体下部ケース13から鉛直方向に長く形成された四角柱形状のリフター本体上部ケース14を備えている。また、そのリフター本体4の上部にはリフター本体昇降モータ15を収容する昇降モータ収容部16が備えられている。そして、リフター本体4(リフター本体下部ケース13とリフター本体上部ケース14)の側面には、リフター本体側面開放扉4aが設けられ、そのリフター本体側面開放扉4aを開放させることにより、リフター本体4内を綺麗に掃除することができる。また、リフター本体4の内部には、リフター本体4の軸方向に延びる昇降ねじ5、およびガイドバー17と、その昇降ねじ5の上部には昇降ねじ5のねじ軸を回転させるリフター本体昇降モータ15が設けられている(図3参照)。この昇降ねじ5は、リフター本体4の内部に略鉛直方向に設けられ、上下端部で軸受18により支持されている。また、昇降ねじ5は、昇降ブロック31の昇降ねじ昇降ブロック垂直挿入孔32a(図3参照)に挿入され、その昇降ねじ昇降ブロック垂直挿入孔32a内に樹脂ナット20(図3参照(外枠のみ))が設けられている。また、昇降ブロック31には、ガイドバー17が挿入されるガイドバー昇降ブロック垂直挿入孔32bが形成され、このガイドバー17により昇降ブロック31が回転することを防止し、安定して昇降バケット2を昇降させることができる。そして、リフター本体昇降モータ15の回転軸が回転すると、リフター本体昇降モータ15の回転軸と連絡された連結用マイタギア19が回転し、その連結用マイタギア19の回転力により昇降ねじ5を回転させることができる。そして、その昇降ねじ5の回転力により樹脂ナット20を介して昇降ブロック31を上昇させることができる。このように、リフター本体昇降モータ15の回転軸を回転させることにより、昇降ねじ5のねじ軸と螺合した樹脂ナット20が上昇し、昇降ブロック31を上昇させることができる。また、昇降ブロック31には、昇降ブロック垂直挿入孔32a、32bと略垂直方向、つまり略水平方向に昇降ブロック水平挿入孔33が設けられ、その昇降ブロック水平挿入孔33に昇降バケット回転軸34が挿入されている(図3参照)。この昇降バケット回転軸34の一端は昇降バケット2の測底部に着脱自在に固着され、昇降バケット回転軸34の他端には案内レバー35が固着され、その案内レバー35の先端には案内ローラ36が設けられている。そして、リフター本体4の内側面に案内ローラ誘導レール6が設けられ、この案内ローラ誘導レール6に沿って案内ローラ36が回転する。また、案内ローラ誘導レール6の上部には昇降バケット回転誘導レール37が設けられている。そして、昇降バケット2が上昇し、案内ローラ36が案内ローラ誘導レール6に沿って回転し、案内ローラ36が昇降バケット回転誘導レール37内を回転走行することにより、昇降バケット2を回転させることができる。具体的には、図6および図7を用いて、後述する。ここで、リフター本体4上部の軸受18と昇降ねじ5の間には0リング21が設けられ、リフター本体4内の密閉が確保されている。また、リフター本体下部ケース13の下部には、キャスター用車輪22が設けられ、リフター本体4を自由に移動させることができる。
昇降バケット2は、薬剤が収容され、昇降ねじ5に沿ってリフター本体4内を昇降自在に設けられている。具体的には、昇降バケット2は、リフター本体4の内部に設けられた昇降ブロック31に挿入されて設けられた昇降バケット回転軸34に係止され、上述したように、リフター本体昇降モータ15の回転軸が回転することにより、昇降ねじ5に沿って樹脂ナット20とともに昇降ブロック31が上昇し、その昇降ブロック31が上昇することにより昇降バケット回転軸34を介し昇降バケット2が上昇する。また、リフター本体昇降モータ15の回転軸が逆回転することにより、昇降バケット2が下降する。
投入シュート7は、昇降バケット2内に薬剤を投入するものである。この投入シュート7は、リフター本体4下部のリフター本体下部ケース13に設けられ、このリフター本体下部ケース13は密閉構造で構成されている。リフター本体下部ケース13の上部には、薬剤流入管23が設けられている。投入シュート7から昇降バケット2に薬剤を投入方法については、図4および図5を用いて後述する。
排出シュート8は、リフター本体4上部に上昇した昇降バケット2内の薬剤を粉粒物容器3に排出するものである。この排出シュート8は、中空形状で、リフター本体4上部側面の開口に取り付けられている。そして、昇降バケット2から排出された薬剤は、排出シュート8から薬剤排出管30を介し粉粒物容器3に送られる。
水配管9は、リフター本体4内上部の相対抗する側面間に設けられている(図8参照)。この水配管9には給水ホース24が連結し、そして、給水手段から給水ホース24を介し水配管9に水が送られる。ここで、本実施形態では、給水手段として、水道の蛇口を用いているが、これに限らず、精製水を給水ポンプなどを用いて給水するようにしてもよい。また、水配管9の側面には、水噴射ノズル10が設けられている。具体的は、水噴射ノズル10は、水配管9の側面上に、長手方向に一定間隔毎に9箇所、両端部の水噴射ノズル10を除き円周上には略60度間隔毎に3個設けられ、円周上の水噴射ノズル10は水配管9の長手方向1つ置きに30度ずらして設けられている(図8参照)。ここで、両端部の水噴射ノズル10は、水配管9端部側のリフター本体4内側面に水を噴射し薬剤の残滓に水分を含ませ薬剤の残滓が飛散しないようにするものであり、円周上に1個だけ設けられている。なお、本実施形態では、長手方向に一定間隔毎に9箇所、両端部の水噴射ノズル10を除き円周上には略60度間隔毎に3個設けられ、円周上の水噴射ノズル10は水配管9の長手方向1つ置きに30度ずらして設けたが、これに限らず、水配管9の略所定の間隔毎に円周上および長手方向に複数個設けるようにしてもよい。また、この水噴射ノズル10から噴射された水は、リフター本体4下部からリフター本体4内に溜まり、そのリフター本体4内に溜まった水は、排水弁11を開放させることにより、リフター本体4下部に形成された排水口12(図2参照)から排水ホース38を介し、リフター本体4外に排水される。
次に、投入シュート7から昇降バケット2に薬剤が投入される方法について説明する。ここで、図3は、上述したように、本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの作用説明図であり、図4(a)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの側面断面図であり、図4(b)は図2のA−A断面図であり、図5(a)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットが原点位置まで下降した状態を示す図であり、図5(b)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入される直前を示す図であり、図5(c)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入開始された状態を示す図であり、図5(d)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入されている状態を示す図である。ここで、図4(b)は図2のA−A断面図と説明したが、図4(a)のB−B断面図と同様である。
投入シュート7は、投入シュート回転軸26が回転することにより昇降バケット2に薬剤と投入することができる。具体的には、電動アクチュエータ27のピストン軸先端には回転自在にピストン先端部材25が設けられ、投入シュート回転軸26の端部にはハンドルレバー28が固着され、ピストン先端部材25の先端部とハンドルレバー28の先端部が回動自在に結合している。そして、電動アクチュエータ27のピストン軸が先端方向に伸びることによりハンドルレバー28が押され、そのハンドルレバー28が回動することにより投入シュート回転軸26が回転し、投入シュート7を回転させることができる。ここで、投入シュート回転軸26は、リフター本体4の外側面に設けられた投入シュート揺動軸受29(図3(b)参照)で支持され、リフター本体4の内側面は0リング39(図3(b)参照)が設けられ、リフター本体4内の密閉が確保されている。
昇降バケット2は、リフター本体4上部で昇降バケット2内の薬剤を粉粒物容器3に排出した後、昇降ねじ5が回転されることにより原点位置まで下降する(図5(a)参照)。そして、投入シュート7は、投入シュート回転軸26が回転することにより、原点位置から昇降バケット2内に薬剤を投入される直前のところまで回転(図5(b)参照)し、この状態から、投入シュート回転軸26の回転に対応して昇降バケット2が原点位置から更に下方に下降し続ける(図5(c)、図5(d)参照)。このように、投入シュート回転軸26の回転に対応して昇降バケット2が原点位置から下方に下降させることにより、投入シュート7内から昇降バケット2内に投入される薬剤の昇降バケット2内面との衝突衝撃をやわらげ、薬剤の割れや欠けを防止することができるとともに、昇降バケット2内面との衝突反発力により薬剤が昇降バケット2外に飛び出すことを防止することができる。
次に、昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8に排出される方法について説明する。ここで、図6は本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと排出シュートの作用説明図であり、図7は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内の薬剤が排出されている状態を示す図である。
昇降バケット2内の薬剤は、昇降バケット回転軸34が回転されることにより排出シュート8に排出させることができる。具体的には、昇降バケット2は、昇降ねじ5に沿ってリフター本体4内を上昇すると、昇降バケット回転軸34の先端に設けられた案内ローラ36が案内ローラ誘導レール6に沿って回転する(図3参照)。そして、案内ローラ36が案内ローラ誘導レール6の上部に設けられた昇降バケット回転誘導レール37に入る(図6、図7参照)と、案内レバー35と昇降バケット回転軸34が略90度回転し、昇降バケット2が回転する。これにより、昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8から粉粒物容器3に排出される。
次に、水配管9から水が噴射される方法について具体的に説明する。ここで、図8(a)は本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの水配管を示す側面図であり、図8(b)は同ウエットダウン式バケットリフトの水配管の水噴射ノズルから水が噴射されている状態を示す図である。
水配管9は、上述した通り、リフター本体4内上部の相対抗する側面間に設けられている。そして、給水手段から給水ホース24を介し水配管9に水が送られ、水配管9の側面の水噴射ノズル10から水が放射線状に噴射される。本実施形態では、長手方向に一定間隔毎に9箇所、両端の水噴射ノズル10を除き円周上には略60度間隔毎に3個設けられ、円周上の水噴射ノズル10は長手方向1つ置きに30度ずらして設けているので、水噴射ノズル10から放射線状に噴射された水がリフター本体4上部内面に衝突するとともに、水噴射ノズル10から噴射された水はリフター本体4内に溜まり、そのリフター本体4内に溜まった水を排水口12から排水させることにより、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませ薬剤の残滓が飛散しないようにすることができる。ここで、両端の水噴射ノズル10は、水配管9の端部側のリフター本体4の内側面に噴射し、水配管9端部の円周上にそれぞれ1つ設けられている。また、リフター本体4内は密閉されているので、水噴射ノズル10から噴射された水がリフター本体4外に漏洩せず、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませることができる。
次に、ウエットダウン式バケットリフト1を用いた粉粒物昇降洗浄方法ついて図9を用いて説明する。このウエットダウン式バケットリフト1のリフター本体4内の湿潤洗浄方法は、リフター本体4内の薬剤が収納された昇降バケット2を昇降させて、粉粒物容器3へ薬剤を排出させる粉粒物排出作業終了後に実施される。ここで、図9は、本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトを用いた粉粒物昇降洗浄方法のフローチャートである。なお、本実施形態では、上述したように、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓を湿潤洗浄する態様について説明するが、これに限らず、リフター本体4で健康食品等の他の粉粒物(粉体や粒体)を昇降させ、そのリフター本体4内に付着している粉粒物の残滓を湿潤洗浄するようにしてもよい。
まず、S1において、開始ボタンが「ON」にされたかが判断される。この開始ボタンが「ON」か否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた開始ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S1で「NO」と判断された場合は開始ボタンが「ON」になるまでS1の処理が継続して実施され、S1で「YES」と判断された場合はS2に進む。なお、本実施形態では、開始ボタンが「ON」か否かを開始ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、あらかじめ開始時間が設定され、その設定された時間に開始ボタンが「ON」になるようにしてもよい。
S2において、薬剤投入工程が実施される。この薬剤投入工程では、上流部から送られてきた薬剤が投入シュート7を介し、昇降バケット2に投入される。具体的には、上流部から送られてきた薬剤はリフター本体4のリフター本体下部ケース13上部の薬剤流入管23から投入シュート7内に送られ、そして、その投入シュート7内に送られた薬剤は昇降バケット2に投入される。ここで、投入シュート7から昇降バケット2への薬剤の投入は、図5を用いて示したように、昇降バケット2が原点位置のところから始まり、投入シュート7の回転に従って、昇降バケット2を下降させて、薬剤が昇降バケット2内に投入される。このように、昇降バケット2を原点位置から下方に下降させることにより、投入シュート7内から昇降バケット2内に投入される薬剤の昇降バケット2内面との衝突衝撃をやわらげ、薬剤の割れや欠けを防止することができるとともに、昇降バケット2内面との衝突反発力により薬剤が昇降バケット2外に飛び出すことを防止することができる。なお、本実施形態では薬剤投入工程(薬剤を昇降バケット2に投入)として説明したが、粉粒物を昇降バケット2に投入する場合は粉粒物投入工程となる。そして、S3に進む。
S3において、昇降バケット上昇工程が実施される。この昇降バケット上昇工程では、薬剤投入工程により薬剤が投入された昇降バケット2をリフター本体4上部に上昇させる。具体的には、昇降バケット2は、リフター本体昇降モータ15の回転軸が回転されることにより昇降ねじ5が回転し、その昇降ねじ5の回転に沿って昇降バケット2がリフター本体4内を上昇する。また、昇降バケット2が昇降ねじ5に沿って上昇すると、昇降バケット回転軸34の先端に設けられた案内ローラ36が回転し、案内ローラ誘導レール6に沿って上昇する。ここで、薬剤投入工程により薬剤が投入シュート7から昇降バケット2に投入された後においても、上流部から薬剤が投入シュート7に常時送られ、次回の薬剤投入工程の実施時には投入シュート7から昇降バケット2に薬剤が投入される準備ができている。そして、S4に進む。
S4において、薬剤排出工程が実施される。この薬剤排出工程では、昇降バケット上昇工程によりリフター本体4上部に上昇した昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8を介し、粉粒物容器3に排出される。具体的には、昇降バケット2が昇降ねじ5に沿ってリフター本体4上部の排出シュート8の位置まで来ると、昇降バケット回転軸34の先端に設けられた案内ローラ36が昇降バケット回転誘導レール37内に入り昇降バケット2が回転する。これにより、昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8から粉粒物容器3に排出される。なお、本実施形態では薬剤排出工程(薬剤を粉粒物容器3に排出)として説明したが、粉粒物を粉粒物容器3に排出する場合は粉粒物排出工程となる。そして、S5に進む。
S5において、昇降バケット下降工程が実施される。この昇降バケット下降工程では、薬剤排出工程により薬剤が排出された昇降バケット2がリフター本体4内を下方に下降する。具体的には、昇降バケット2は、リフター本体昇降モータ15の回転軸が逆回転されることにより昇降ねじ5が逆回転し、その昇降ねじ5の回転に沿って昇降バケット2がリフター本体4内を下降する。そして、S6に進む。
S6において、移送停止ボタンが「ON」にされたかが判断される。この移送停止ボタンが「ON」か否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた移送停止ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S6で「NO」と判断された場合は移送停止ボタンが「ON」になるまでS2→S3→S4→S5→S6の処理が繰り返し実施され、S6で「YES」と判断された場合は、リフター本体4内の昇降バケット2の昇降が停止され(昇降バケット停止工程)、S7に進む。なお、本実施形態では、移送停止ボタンが「ON」か否かを移送停止ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、あらかじめ終了時間(移送停止時間)が設定され、その設定された終了時間に移送停止ボタンが「ON」になるようにしてもよい。
S7において、水噴射が開始されるかが判断される。この水噴射が開始されるか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた水噴射ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S7で「NO」と判断された場合は粉粒物昇降洗浄方法が終了し、S7で「YES」と判断された場合はS8に進む。なお、本実施形態では、水噴射ボタンが「ON」にされていない場合(S7で「NO」)は粉粒物昇降洗浄方法が終了するとしたが、これに限らず、所定の時間内に水噴射ボタンが「ON」にされていない場合に、S7で「NO」と判断され粉粒物昇降洗浄方法が終了するとしてもよい。また、本実施形態では、水噴射が開始されるかを水噴射ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、S6で「YES」と判断されてから所定の時間経過後に、自動で水噴射が開始されるようにしてもよい。さらに、S7で「NO」と判断された場合に粉粒物昇降洗浄方法を終了するのではなく、S7で「NO」と判断された後、「終了ボタン」を押圧された場合(「終了ボタン」ON)に、粉粒物昇降洗浄方法を終了するようにしてもよい。
S8において、リフター本体水噴射工程が実施される。このリフター本体水噴射工程では、リフター本体4上部の水配管9の側面に設けられた水噴射ノズル10から水が噴射され、リフター本体4内に付着している薬剤の残渣に十分な水分を含ませる。具体的には、給水ホース24から水配管9に送られてきた水が水噴射ノズル10から放射線状に噴射されるとともに、リフター本体4内に溜まった水により、リフター本体4内に付着している薬剤の残渣に十分な水分を含ませることができる。そして、S9に進む。なお、本実施形態では、水配管9は回転しない態様で説明したが、これに限らず、水配管9を長手方向軸を中心に回転させるようにしてもよい。このように、水配管9を長手方向の回転軸を水配管回転手段により回転させることにより水噴射ノズル10も回転するので、水噴射ノズル10から広範囲に水が噴射され、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に十分な水分をより確実かつ短時間で含ませることができる。
S9において、水噴射が終了したかが判断される。この水噴射が終了したか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた水噴射終了ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S9で「NO」と判断された場合は水噴射終了ボタンが押圧されるまでS8の処理が繰り返し実施され、S9で「YES」と判断された場合は、水噴射ノズル10からの水の噴射が終了され(リフター本体水噴射終了工程)、S10に進む。なお、本実施形態では、水噴射が終了したかを水噴射終了ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、リフター本体水噴射工程が実施されてから所定の時間経過後に水噴射を終了させるようにしてもよい。
S10において、排水が開始されるかが判断される。この排水が開始されるか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた排水ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S10で「NO」と判断された場合はS11に進み、水噴射が再開されるかが判断される。この水噴射が再開されるか否かは、S7の処理と同様、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた水噴射ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S11で「YES」と判断された場合はリフター本体水噴射工程が再度実施される。このリフター本体水噴射工程の再度の実施は、リフター本体4内に残渣された薬剤に水分を含ませることができたと判断した後に、リフター本体4内に水分が含んでいない薬剤がまだ残っていると判断した場合等に実施される。また、S10で「YES」と判断された場合は、S12に進む。なお、本実施形態では、排水が開始されるかを排水ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、S9で「YES」と判断されてから所定の時間経過後に、自動で排水が開始されるようにしてもよい。そして、S12に進む。
S12において、リフター本体排水工程が実施される。このリフター本体排水工程は、リフター本体水噴射工程によりリフター本体4内に溜められた水が排水口12(図2参照)から排水される。具体的には、排水弁11(図1、図2参照)が開放され、リフター本体4下部に形成された排水口12から排水ホース38を介し、リフター本体4外に排水される。そして、S13に進む。
S13において、排水が終了したかが判断される。この排水が終了したか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた排水終了ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S13で「NO」と判断された場合は排水終了ボタンが「ON」になるまでS13の処理が繰り返し実施され、S13で「YES」と判断された場合は排水弁11(図1、図2参照)が閉鎖され、S14に進む。
S14において、リフター本体湿潤洗浄工程が実施される。このリフター本体湿潤洗浄工程では、リフター本体4内に溜められた水の排水が終了した後、リフター本体4側面に設けられたリフター本体側面開放扉4aが開放され、そのリフター本体側面開放扉4aが開放されることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いて、リフター本体4内が湿潤洗浄される。そして、リフター本体4内が湿潤洗浄された後は、乾いたタオルでリフター本体4内の水分を拭き取るようにしてもよい。なお、本実施形態では、リフター本体4側面に設けられたリフター本体側面開放扉4aを開放し、そのリフター本体側面開放扉4aが開放されることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いてリフター本体4内を湿潤洗浄したが、これに限らず、リフター本体4外周面に開閉蓋(図示略)などのリフター本体外周面開閉部を設け、そのリフター本体外周面開閉部(開閉蓋など)を開放させて、その開閉蓋が開放されることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いてリフター本体4内を湿潤洗浄してもよい。すなわち、リフター本体4の外周面に設けられた開口部を開閉自在に覆うリフター本体外周面開閉部を設けて、そのリフター本体外周面開閉部を開放させることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いてリフター本体4内を湿潤洗浄するようにしてもよい。このように、水噴射ノズル10によりリフター本体4内に水が噴射され、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませているので、作業者がリフター本体側面開放扉4aを開放してもリフター本体4内に付着している薬剤の残滓が飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
以上説明したように、内部が密閉されたリフター本体4内上部に水噴射ノズル10が設けられ、その水噴射ノズル10からリフター本体4内に放射線状に水が噴射されるので、水配管9の水噴射ノズル10から噴射された水がリフター本体4外に漏洩せず、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませることができる。これにより、リフター本体4側面のリフター本体側面開放扉4aが開放させて、洗浄ブラシ(図示略)などでリフター本体4内が湿潤洗浄しても、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓が水分を含み飛散しなくなるので、作業者の健康が害されることなく、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ウエットダウン式バケットリフト
2 昇降バケット
3 粉粒物容器
4 リフター本体
4a リフター本体側面開放扉
5 昇降ねじ
6 案内ローラ誘導レール
7 投入シュート
8 排出シュート
9 水配管
10 水噴射ノズル
11 排水弁
12 排水口
13 リフター本体下部ケース
14 リフター本体
15 リフター本体昇降モータ
16 昇降モータ収容部
17 ガイドバー
18 軸受
19 連結用マイタギア
20 樹脂ナット
21 0リング
22 キャスター用車輪
23 薬剤流入管
24 給水ホース
25 ピストン先端部材
26 投入シュート回転軸
27 電動アクチュエータ
28 ハンドルレバー
29 投入シュート揺動軸受
30 薬剤排出管
31 昇降ブロック
32a 昇降ねじ昇降ブロック垂直挿入孔
32b ガイドバー昇降ブロック垂直挿入孔
33 昇降ブロック水平挿入孔
34 昇降バケット回転軸
35 案内レバー
36 案内ローラ
37 昇降バケット回転誘導レール
38 排水ホース
39 0リング
本発明は、粉粒物を昇降させて、粉粒物容器に供給するウエットダウン式バケットリフトおよびそれを用いた粉粒物昇降洗浄方法に関する。
従来から、粉粒物を昇降させて、粉粒物容器に供給するバケットリフターが知られている。このバケットリフター101には、粉粒物をバケット103(図11(b)参照)に投入する投入部102と、投入された粉粒物を収容するバケット103と、バケット103を昇降させる昇降機構105と、上昇した位置のバケット103から排出された粉粒物をコンテナ108へ供給する供給管部104と、粉粒物から飛散した粉体を吸引するための吸引機構106と、粉粒物の残渣を洗浄するための水洗機構(第1給水管171(図11(a)参照)、第2給水管172(図11(b)参照)、及び、第3給水管173(図11(c)参照))が備えられている。
コンテナ108への粉粒物供給作業が終了すると、投入部102のケース122内に付着している粉粒物の残渣が第1給水管171からの水によって洗い流され、バケット103の内部空間130内に付着している粉粒物の残渣が第2給水管172からの水によって洗い流され、また、主供給管141の基端部411内に付着している粉粒物の残渣が第3給水管173からの水によって洗い流される。そして、水洗機構による水洗が終了すると、バケットリフター101は、分解され、改めて洗浄されるというものであった(例えば、特許文献1)。ここで、図10は従来のバケットリフターの全体側面図であり、図11(a)は同バケットリフターの投入部の側面透視図であり、図11(b)は同バケットリフターのバケットの側面透視図であり、図11(c)は同バケットリフターの供給管部の要部側面透視図である。
しかしながら、従来のバケットリフター101では、投入部102のケース122内とバケット103の内部空間130内と主供給管141の基端部411内に付着している粉粒物の残渣を洗い流した後、バケットリフター101を分解し、バケットリフター101を洗浄するというものであったので、粉粒物の残渣が洗い流されていないケーシング等を分解して洗浄する際に、ケーシング等内に残された粉粒物の残渣が分解されたバケットリフター101の周辺に飛散し、それによって、作業環境が悪化し、作業者の健康が害されてしまうおそれがあった。また、バケットリフター101の周辺に粉粒物の残渣が飛散すると、その粉粒物の残渣がバケットリフター101が設置されていた部屋全体に蔓延することになり、広範囲の掃除に時間を要するという問題もあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができるウエットダウン式バケットリフトおよびそれを用いた粉粒物昇降洗浄方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、粉粒物を昇降させて、粉粒物容器に供給するウエットダウン式バケットリフトであって、内部が密閉され、略鉛直方向に形成されたリフター本体と、リフター本体の内部に略鉛直方向に設けられた昇降軸と、粉粒物が収容され、昇降軸に沿ってリフター本体内を昇降する昇降バケットと、昇降バケット内に粉粒物を投入する投入シュートと、リフター本体上部に上昇した昇降バケット内の粉粒物を粉粒物容器に排出する排出シュートと、リフター本体内上部に設けられ、リフター本体内に水を噴射し、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませるリフター本体内水噴射手段と、リフター本体内の水を排水する排水口と、リフター本体の外周面に設けられた開口部を開閉自在に覆うリフター本体外周面開閉部と、を有し、リフター本体内水噴射手段は、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませることにより、リフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しない状態にすることを特徴とするものである。
本発明によれば、内部が密閉されたリフター本体内上部にリフター本体内水噴射手段が設けられているので、リフター本体内水噴射手段から噴射された水がリフター本体外に漏洩せず、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、リフター本体外周面開閉部は、リフター本体側面に設けられた開口部を開閉させるリフター本体側面開放扉、または、リフター本体側面に設けられた開口部を開閉させる開閉蓋であることを特徴とするものである。
本発明のうち第3の態様に係るものは、第2の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、リフター本体内水噴射手段は、リフター本体内上部の側面間に配された水配管と、水配管の側面に複数個設けられ、給水手段から水配管に供給された水を噴射する水噴射ノズルと、を有し、水噴射ノズルは、リフター本体内に水を噴射することにより、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しない状態にすることを特徴とするものである。
本発明によれば、リフター本体内上部の側面間に配された水配管の側面に複数個設けられた水噴射ノズルからリフター本体内に水が噴射されるので、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に十分な水分を確実かつ短時間で含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が確実に飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓をより短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第4の態様に係るものは、第3の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、水噴射ノズルは、水配管の略所定の間隔毎に円周上および長手方向に複数個設けられていることを特徴とするものである。
本発明によれば、水配管の略所定の間隔毎に円周上および長手方向に複数個水噴射ノズルが設けられているので、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に十分な水分をより確実かつ短時間で含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓がより確実に飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓をより短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第5の態様に係るものは、第3の態様または第4の態様に係るウエットダウン式バケットリフトであって、水配管は、長手方向軸を中心に回転することを特徴とするものである。
本発明によれば、水配管が長手方向軸を中心に回転するので、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に十分な水分をより確実かつ短時間で含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓がより確実に飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓をより短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のうち第6の態様に係るものは、第3の態様に係るウエットダウン式バケットリフトを用いた粉粒物昇降洗浄方法であって、上流部から送られてきた粉粒物を昇降バケットに投入させる粉粒物投入工程と、粉粒物投入工程により粉粒物が投入された昇降バケットをリフター本体上部に上昇させる昇降バケット上昇工程と、昇降バケット上昇工程によりリフター本体上部に上昇した昇降バケットの粉粒物を、排出シュートを介し、粉粒物容器に排出させる粉粒物排出工程と、粉粒物排出工程により粉粒物が排出された昇降バケットをリフター本体下方に下降させる昇降バケット下降工程と、リフター本体内の昇降バケットの昇降を停止させる昇降バケット停止工程と、リフター本体上部の水配管の側面に設けられた水噴射ノズルから水が噴射され、リフター本体内に付着している粉粒物の残渣に水分を含ませるリフター本体水噴射工程と、リフター本体水噴射工程により実施された水噴射ノズルからの水の噴射を終了させるリフター本体水噴射終了工程と、リフター本体水噴射工程によりリフター本体内に溜められた水を排水口から排水させるリフター本体排水工程と、リフター本体排水工程によりリフター本体内に溜められた水の排水が終了した後、リフター本体外周面に設けられたリフター本体外周面開閉部が開放され、リフター本体外周面開閉部が開放されることにより開口された開口部からリフター本体内部が湿潤洗浄されるリフター本体湿潤洗浄工程と、を有し、リフター本体湿潤洗浄工程は、リフター本体内に付着している粉粒物の残渣が飛散することなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残渣を湿潤洗浄できることを特徴とするものである。
本発明によれば、内部が密閉されたリフター本体内上部の水配管の側面に設けられた水噴射ノズルから水が噴射されるので、水噴射ノズルから噴射された水がリフター本体外に漏洩せず、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓に水分を含ませることができる。これにより、作業者がリフター本体外周面開閉部を開放してもリフター本体内に付着している粉粒物の残滓が飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明のウエットダウン式バケットリフトによれば、作業者の健康が害されることなく、リフター本体内に付着している粉粒物の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの外観斜視図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの内部構造を示す図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの作用説明図である。
(a) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの側面断面図である。(b) 図2のA−A断面図である。
(a) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットが原点位置まで下降した状態を示す図である。(b)同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入される直前を示す図である。(c) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入開始された状態を示す図である。(d) 同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入されている状態を示す図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと排出シュートの作用説明図である。
同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内の薬剤が排出されている状態を示す図である。
(a) 同ウエットダウン式バケットリフトの水配管を示す側面図である。(b)同ウエットダウン式バケットリフトの水配管の水噴射ノズルから水が噴射されている状態を示す図である。
本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトを用いた粉粒物昇降洗浄方法のフローチャートである。
従来のバケットリフターの全体側面図である。
(a) 同バケットリフターの投入部の側面透視図である。(b) 同バケットリフターのバケットの側面透視図である。(c) 同バケットリフターの供給管部の要部側面透視図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照にして説明する。ここで、図1は本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの外観斜視図であり、図2は同ウエットダウン式バケットリフトの内部構造を示す図であり、図3は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの作用説明図である。
図1に示すように、ウエットダウン式バケットリフト1は、昇降バケット2(図2参照)を用いて薬剤を上方に持ち上げ、粉粒物容器3に供給するものである。ウエットダウン式バケットリフト1は、昇降バケット2と、リフター本体4と、昇降ねじ(昇降軸)5と、投入シュート7と、排出シュート8と、水配管9と、水噴射ノズル10と、排水口12などを有している(図2参照)。なお、本実施形態では、粉粒物容器3に薬剤を供給する態様について説明するが、薬剤に限らず、健康食品や化粧品等の粉粒物(粉体や粒体)と扱われるものであれば他のものであってもよい。
リフター本体4は、内部が密閉され、略鉛直方向に形成されている。具体的には、リフター本体4は、下部に投入シート7から昇降バケット2に薬剤が投入されるリフター本体下部ケース13と、そのリフター本体下部ケース13から鉛直方向に長く形成された四角柱形状のリフター本体上部ケース14を備えている。また、そのリフター本体4の上部にはリフター本体昇降モータ15を収容する昇降モータ収容部16が備えられている。そして、リフター本体4(リフター本体下部ケース13とリフター本体上部ケース14)の側面には、リフター本体側面開放扉4aが設けられ、そのリフター本体側面開放扉4aを開放させることにより、リフター本体4内を綺麗に掃除することができる。また、リフター本体4の内部には、リフター本体4の軸方向に延びる昇降ねじ5、およびガイドバー17と、その昇降ねじ5の上部には昇降ねじ5のねじ軸を回転させるリフター本体昇降モータ15が設けられている(図3参照)。この昇降ねじ5は、リフター本体4の内部に略鉛直方向に設けられ、上下端部で軸受18により支持されている。また、昇降ねじ5は、昇降ブロック31の昇降ねじ昇降ブロック垂直挿入孔32a(図3参照)に挿入され、その昇降ねじ昇降ブロック垂直挿入孔32a内に樹脂ナット20(図3参照(外枠のみ))が設けられている。また、昇降ブロック31には、ガイドバー17が挿入されるガイドバー昇降ブロック垂直挿入孔32bが形成され、このガイドバー17により昇降ブロック31が回転することを防止し、安定して昇降バケット2を昇降させることができる。そして、リフター本体昇降モータ15の回転軸が回転すると、リフター本体昇降モータ15の回転軸と連絡された連結用マイタギア19が回転し、その連結用マイタギア19の回転力により昇降ねじ5を回転させることができる。そして、その昇降ねじ5の回転力により樹脂ナット20を介して昇降ブロック31を上昇させることができる。このように、リフター本体昇降モータ15の回転軸を回転させることにより、昇降ねじ5のねじ軸と螺合した樹脂ナット20が上昇し、昇降ブロック31を上昇させることができる。また、昇降ブロック31には、昇降ブロック垂直挿入孔32a、32bと略垂直方向、つまり略水平方向に昇降ブロック水平挿入孔33が設けられ、その昇降ブロック水平挿入孔33に昇降バケット回転軸34が挿入されている(図3参照)。この昇降バケット回転軸34の一端は昇降バケット2の測底部に着脱自在に固着され、昇降バケット回転軸34の他端には案内レバー35が固着され、その案内レバー35の先端には案内ローラ36が設けられている。そして、リフター本体4の内側面に案内ローラ誘導レール6が設けられ、この案内ローラ誘導レール6に沿って案内ローラ36が回転する。また、案内ローラ誘導レール6の上部には昇降バケット回転誘導レール37が設けられている。そして、昇降バケット2が上昇し、案内ローラ36が案内ローラ誘導レール6に沿って回転し、案内ローラ36が昇降バケット回転誘導レール37内を回転走行することにより、昇降バケット2を回転させることができる。具体的には、図6および図7を用いて、後述する。ここで、リフター本体4上部の軸受18と昇降ねじ5の間には0リング21が設けられ、リフター本体4内の密閉が確保されている。また、リフター本体下部ケース13の下部には、キャスター用車輪22が設けられ、リフター本体4を自由に移動させることができる。
昇降バケット2は、薬剤が収容され、昇降ねじ5に沿ってリフター本体4内を昇降自在に設けられている。具体的には、昇降バケット2は、リフター本体4の内部に設けられた昇降ブロック31に挿入されて設けられた昇降バケット回転軸34に係止され、上述したように、リフター本体昇降モータ15の回転軸が回転することにより、昇降ねじ5に沿って樹脂ナット20とともに昇降ブロック31が上昇し、その昇降ブロック31が上昇することにより昇降バケット回転軸34を介し昇降バケット2が上昇する。また、リフター本体昇降モータ15の回転軸が逆回転することにより、昇降バケット2が下降する。
投入シュート7は、昇降バケット2内に薬剤を投入するものである。この投入シュート7は、リフター本体4下部のリフター本体下部ケース13に設けられ、このリフター本体下部ケース13は密閉構造で構成されている。リフター本体下部ケース13の上部には、薬剤流入管23が設けられている。投入シュート7から昇降バケット2に薬剤を投入方法については、図4および図5を用いて後述する。
排出シュート8は、リフター本体4上部に上昇した昇降バケット2内の薬剤を粉粒物容器3に排出するものである。この排出シュート8は、中空形状で、リフター本体4上部側面の開口に取り付けられている。そして、昇降バケット2から排出された薬剤は、排出シュート8から薬剤排出管30を介し粉粒物容器3に送られる。
水配管9は、リフター本体4内上部の相対抗する側面間に設けられている(図8参照)。この水配管9には給水ホース24が連結し、そして、給水手段から給水ホース24を介し水配管9に水が送られる。ここで、本実施形態では、給水手段として、水道の蛇口を用いているが、これに限らず、精製水を給水ポンプなどを用いて給水するようにしてもよい。また、水配管9の側面には、水噴射ノズル10が設けられている。具体的は、水噴射ノズル10は、水配管9の側面上に、長手方向に一定間隔毎に9箇所、両端部の水噴射ノズル10を除き円周上には略60度間隔毎に3個設けられ、円周上の水噴射ノズル10は水配管9の長手方向1つ置きに30度ずらして設けられている(図8参照)。ここで、両端部の水噴射ノズル10は、水配管9端部側のリフター本体4内側面に水を噴射し薬剤の残滓に水分を含ませ薬剤の残滓が飛散しないようにするものであり、円周上に1個だけ設けられている。なお、本実施形態では、長手方向に一定間隔毎に9箇所、両端部の水噴射ノズル10を除き円周上には略60度間隔毎に3個設けられ、円周上の水噴射ノズル10は水配管9の長手方向1つ置きに30度ずらして設けたが、これに限らず、水配管9の略所定の間隔毎に円周上および長手方向に複数個設けるようにしてもよい。また、この水噴射ノズル10から噴射された水は、リフター本体4下部からリフター本体4内に溜まり、そのリフター本体4内に溜まった水は、排水弁11を開放させることにより、リフター本体4下部に形成された排水口12(図2参照)から排水ホース38を介し、リフター本体4外に排水される。
次に、投入シュート7から昇降バケット2に薬剤が投入される方法について説明する。ここで、図3は、上述したように、本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの作用説明図であり、図4(a)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと投入シュートの側面断面図であり、図4(b)は図2のA−A断面図であり、図5(a)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットが原点位置まで下降した状態を示す図であり、図5(b)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入される直前を示す図であり、図5(c)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入開始された状態を示す図であり、図5(d)は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内に薬剤が投入されている状態を示す図である。ここで、図4(b)は図2のA−A断面図と説明したが、図4(a)のB−B断面図と同様である。
投入シュート7は、投入シュート回転軸26が回転することにより昇降バケット2に薬剤と投入することができる。具体的には、電動アクチュエータ27のピストン軸先端には回転自在にピストン先端部材25が設けられ、投入シュート回転軸26の端部にはハンドルレバー28が固着され、ピストン先端部材25の先端部とハンドルレバー28の先端部が回動自在に結合している。そして、電動アクチュエータ27のピストン軸が先端方向に伸びることによりハンドルレバー28が押され、そのハンドルレバー28が回動することにより投入シュート回転軸26が回転し、投入シュート7を回転させることができる。ここで、投入シュート回転軸26は、リフター本体4の外側面に設けられた投入シュート揺動軸受29(図3(b)参照)で支持され、リフター本体4の内側面は0リング39(図3(b)参照)が設けられ、リフター本体4内の密閉が確保されている。
昇降バケット2は、リフター本体4上部で昇降バケット2内の薬剤を粉粒物容器3に排出した後、昇降ねじ5が回転されることにより原点位置まで下降する(図5(a)参照)。そして、投入シュート7は、投入シュート回転軸26が回転することにより、原点位置から昇降バケット2内に薬剤を投入される直前のところまで回転(図5(b)参照)し、この状態から、投入シュート回転軸26の回転に対応して昇降バケット2が原点位置から更に下方に下降し続ける(図5(c)、図5(d)参照)。このように、投入シュート回転軸26の回転に対応して昇降バケット2が原点位置から下方に下降させることにより、投入シュート7内から昇降バケット2内に投入される薬剤の昇降バケット2内面との衝突衝撃をやわらげ、薬剤の割れや欠けを防止することができるとともに、昇降バケット2内面との衝突反発力により薬剤が昇降バケット2外に飛び出すことを防止することができる。
次に、昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8に排出される方法について説明する。ここで、図6は本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの昇降バケットと排出シュートの作用説明図であり、図7は同ウエットダウン式バケットリフトの昇降バケット内の薬剤が排出されている状態を示す図である。
昇降バケット2内の薬剤は、昇降バケット回転軸34が回転されることにより排出シュート8に排出させることができる。具体的には、昇降バケット2は、昇降ねじ5に沿ってリフター本体4内を上昇すると、昇降バケット回転軸34の先端に設けられた案内ローラ36が案内ローラ誘導レール6に沿って回転する(図3参照)。そして、案内ローラ36が案内ローラ誘導レール6の上部に設けられた昇降バケット回転誘導レール37に入る(図6、図7参照)と、案内レバー35と昇降バケット回転軸34が略90度回転し、昇降バケット2が回転する。これにより、昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8から粉粒物容器3に排出される。
次に、水配管9から水が噴射される方法について具体的に説明する。ここで、図8(a)は本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトの水配管を示す側面図であり、図8(b)は同ウエットダウン式バケットリフトの水配管の水噴射ノズルから水が噴射されている状態を示す図である。
水配管9は、上述した通り、リフター本体4内上部の相対抗する側面間に設けられている。そして、給水手段から給水ホース24を介し水配管9に水が送られ、水配管9の側面の水噴射ノズル10から水が放射線状に噴射される。本実施形態では、長手方向に一定間隔毎に9箇所、両端の水噴射ノズル10を除き円周上には略60度間隔毎に3個設けられ、円周上の水噴射ノズル10は長手方向1つ置きに30度ずらして設けているので、水噴射ノズル10から放射線状に噴射された水がリフター本体4上部内面に衝突するとともに、水噴射ノズル10から噴射された水はリフター本体4内に溜まり、そのリフター本体4内に溜まった水を排水口12から排水させることにより、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませ薬剤の残滓が飛散しないようにすることができる。ここで、両端の水噴射ノズル10は、水配管9の端部側のリフター本体4の内側面に噴射し、水配管9端部の円周上にそれぞれ1つ設けられている。また、リフター本体4内は密閉されているので、水噴射ノズル10から噴射された水がリフター本体4外に漏洩せず、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませることができる。
次に、ウエットダウン式バケットリフト1を用いた粉粒物昇降洗浄方法ついて図9を用いて説明する。このウエットダウン式バケットリフト1のリフター本体4内の湿潤洗浄方法は、リフター本体4内の薬剤が収納された昇降バケット2を昇降させて、粉粒物容器3へ薬剤を排出させる粉粒物排出作業終了後に実施される。ここで、図9は、本発明の一実施形態におけるウエットダウン式バケットリフトを用いた粉粒物昇降洗浄方法のフローチャートである。なお、本実施形態では、上述したように、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓を湿潤洗浄する態様について説明するが、これに限らず、リフター本体4で健康食品等の他の粉粒物(粉体や粒体)を昇降させ、そのリフター本体4内に付着している粉粒物の残滓を湿潤洗浄するようにしてもよい。
まず、S1において、開始ボタンが「ON」にされたかが判断される。この開始ボタンが「ON」か否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた開始ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S1で「NO」と判断された場合は開始ボタンが「ON」になるまでS1の処理が継続して実施され、S1で「YES」と判断された場合はS2に進む。なお、本実施形態では、開始ボタンが「ON」か否かを開始ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、あらかじめ開始時間が設定され、その設定された時間に開始ボタンが「ON」になるようにしてもよい。
S2において、薬剤投入工程が実施される。この薬剤投入工程では、上流部から送られてきた薬剤が投入シュート7を介し、昇降バケット2に投入される。具体的には、上流部から送られてきた薬剤はリフター本体4のリフター本体下部ケース13上部の薬剤流入管23から投入シュート7内に送られ、そして、その投入シュート7内に送られた薬剤は昇降バケット2に投入される。ここで、投入シュート7から昇降バケット2への薬剤の投入は、図5を用いて示したように、昇降バケット2が原点位置のところから始まり、投入シュート7の回転に従って、昇降バケット2を下降させて、薬剤が昇降バケット2内に投入される。このように、昇降バケット2を原点位置から下方に下降させることにより、投入シュート7内から昇降バケット2内に投入される薬剤の昇降バケット2内面との衝突衝撃をやわらげ、薬剤の割れや欠けを防止することができるとともに、昇降バケット2内面との衝突反発力により薬剤が昇降バケット2外に飛び出すことを防止することができる。なお、本実施形態では薬剤投入工程(薬剤を昇降バケット2に投入)として説明したが、粉粒物を昇降バケット2に投入する場合は粉粒物投入工程となる。そして、S3に進む。
S3において、昇降バケット上昇工程が実施される。この昇降バケット上昇工程では、薬剤投入工程により薬剤が投入された昇降バケット2をリフター本体4上部に上昇させる。具体的には、昇降バケット2は、リフター本体昇降モータ15の回転軸が回転されることにより昇降ねじ5が回転し、その昇降ねじ5の回転に沿って昇降バケット2がリフター本体4内を上昇する。また、昇降バケット2が昇降ねじ5に沿って上昇すると、昇降バケット回転軸34の先端に設けられた案内ローラ36が回転し、案内ローラ誘導レール6に沿って上昇する。ここで、薬剤投入工程により薬剤が投入シュート7から昇降バケット2に投入された後においても、上流部から薬剤が投入シュート7に常時送られ、次回の薬剤投入工程の実施時には投入シュート7から昇降バケット2に薬剤が投入される準備ができている。そして、S4に進む。
S4において、薬剤排出工程が実施される。この薬剤排出工程では、昇降バケット上昇工程によりリフター本体4上部に上昇した昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8を介し、粉粒物容器3に排出される。具体的には、昇降バケット2が昇降ねじ5に沿ってリフター本体4上部の排出シュート8の位置まで来ると、昇降バケット回転軸34の先端に設けられた案内ローラ36が昇降バケット回転誘導レール37内に入り昇降バケット2が回転する。これにより、昇降バケット2内の薬剤が排出シュート8から粉粒物容器3に排出される。なお、本実施形態では薬剤排出工程(薬剤を粉粒物容器3に排出)として説明したが、粉粒物を粉粒物容器3に排出する場合は粉粒物排出工程となる。そして、S5に進む。
S5において、昇降バケット下降工程が実施される。この昇降バケット下降工程では、薬剤排出工程により薬剤が排出された昇降バケット2がリフター本体4内を下方に下降する。具体的には、昇降バケット2は、リフター本体昇降モータ15の回転軸が逆回転されることにより昇降ねじ5が逆回転し、その昇降ねじ5の回転に沿って昇降バケット2がリフター本体4内を下降する。そして、S6に進む。
S6において、移送停止ボタンが「ON」にされたかが判断される。この移送停止ボタンが「ON」か否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた移送停止ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S6で「NO」と判断された場合は移送停止ボタンが「ON」になるまでS2→S3→S4→S5→S6の処理が繰り返し実施され、S6で「YES」と判断された場合は、リフター本体4内の昇降バケット2の昇降が停止され(昇降バケット停止工程)、S7に進む。なお、本実施形態では、移送停止ボタンが「ON」か否かを移送停止ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、あらかじめ終了時間(移送停止時間)が設定され、その設定された終了時間に移送停止ボタンが「ON」になるようにしてもよい。
S7において、水噴射が開始されるかが判断される。この水噴射が開始されるか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた水噴射ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S7で「NO」と判断された場合は粉粒物昇降洗浄方法が終了し、S7で「YES」と判断された場合はS8に進む。なお、本実施形態では、水噴射ボタンが「ON」にされていない場合(S7で「NO」)は粉粒物昇降洗浄方法が終了するとしたが、これに限らず、所定の時間内に水噴射ボタンが「ON」にされていない場合に、S7で「NO」と判断され粉粒物昇降洗浄方法が終了するとしてもよい。また、本実施形態では、水噴射が開始されるかを水噴射ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、S6で「YES」と判断されてから所定の時間経過後に、自動で水噴射が開始されるようにしてもよい。さらに、S7で「NO」と判断された場合に粉粒物昇降洗浄方法を終了するのではなく、S7で「NO」と判断された後、「終了ボタン」を押圧された場合(「終了ボタン」ON)に、粉粒物昇降洗浄方法を終了するようにしてもよい。
S8において、リフター本体水噴射工程が実施される。このリフター本体水噴射工程では、リフター本体4上部の水配管9の側面に設けられた水噴射ノズル10から水が噴射され、リフター本体4内に付着している薬剤の残渣に十分な水分を含ませる。具体的には、給水ホース24から水配管9に送られてきた水が水噴射ノズル10から放射線状に噴射されるとともに、リフター本体4内に溜まった水により、リフター本体4内に付着している薬剤の残渣に十分な水分を含ませることができる。そして、S9に進む。なお、本実施形態では、水配管9は回転しない態様で説明したが、これに限らず、水配管9を長手方向軸を中心に回転させるようにしてもよい。このように、水配管9を長手方向の回転軸を水配管回転手段により回転させることにより水噴射ノズル10も回転するので、水噴射ノズル10から広範囲に水が噴射され、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に十分な水分をより確実かつ短時間で含ませることができる。
S9において、水噴射が終了したかが判断される。この水噴射が終了したか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた水噴射終了ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S9で「NO」と判断された場合は水噴射終了ボタンが押圧されるまでS8の処理が繰り返し実施され、S9で「YES」と判断された場合は、水噴射ノズル10からの水の噴射が終了され(リフター本体水噴射終了工程)、S10に進む。なお、本実施形態では、水噴射が終了したかを水噴射終了ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、リフター本体水噴射工程が実施されてから所定の時間経過後に水噴射を終了させるようにしてもよい。
S10において、排水が開始されるかが判断される。この排水が開始されるか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた排水ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S10で「NO」と判断された場合はS11に進み、水噴射が再開されるかが判断される。この水噴射が再開されるか否かは、S7の処理と同様、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた水噴射ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S11で「YES」と判断された場合はリフター本体水噴射工程が再度実施される。このリフター本体水噴射工程の再度の実施は、リフター本体4内に残渣された薬剤に水分を含ませることができたと判断した後に、リフター本体4内に水分が含んでいない薬剤がまだ残っていると判断した場合等に実施される。また、S10で「YES」と判断された場合は、S12に進む。なお、本実施形態では、排水が開始されるかを排水ボタン(図示略)が押圧されたかで判断したが、これに限らず、S9で「YES」と判断されてから所定の時間経過後に、自動で排水が開始されるようにしてもよい。そして、S12に進む。
S12において、リフター本体排水工程が実施される。このリフター本体排水工程は、リフター本体水噴射工程によりリフター本体4内に溜められた水が排水口12(図2参照)から排水される。具体的には、排水弁11(図1、図2参照)が開放され、リフター本体4下部に形成された排水口12から排水ホース38を介し、リフター本体4外に排水される。そして、S13に進む。
S13において、排水が終了したかが判断される。この排水が終了したか否かは、ウエットダウン式バケットリフト1に設けられた排水終了ボタン(図示略)が押圧されたか否かにより判断される。そして、S13で「NO」と判断された場合は排水終了ボタンが「ON」になるまでS13の処理が繰り返し実施され、S13で「YES」と判断された場合は排水弁11(図1、図2参照)が閉鎖され、S14に進む。
S14において、リフター本体湿潤洗浄工程が実施される。このリフター本体湿潤洗浄工程では、リフター本体4内に溜められた水の排水が終了した後、リフター本体4側面に設けられたリフター本体側面開放扉4aが開放され、そのリフター本体側面開放扉4aが開放されることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いて、リフター本体4内が湿潤洗浄される。そして、リフター本体4内が湿潤洗浄された後は、乾いたタオルでリフター本体4内の水分を拭き取るようにしてもよい。なお、本実施形態では、リフター本体4側面に設けられたリフター本体側面開放扉4aを開放し、そのリフター本体側面開放扉4aが開放されることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いてリフター本体4内を湿潤洗浄したが、これに限らず、リフター本体4外周面に開閉蓋(図示略)などのリフター本体外周面開閉部を設け、そのリフター本体外周面開閉部(開閉蓋など)を開放させて、その開閉蓋が開放されることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いてリフター本体4内を湿潤洗浄してもよい。すなわち、リフター本体4の外周面に設けられた開口部を開閉自在に覆うリフター本体外周面開閉部を設けて、そのリフター本体外周面開閉部を開放させることにより開口された開口部から洗浄ブラシ(図示略)などを用いてリフター本体4内を湿潤洗浄するようにしてもよい。このように、水噴射ノズル10によりリフター本体4内に水が噴射され、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませているので、作業者がリフター本体側面開放扉4aを開放してもリフター本体4内に付着している薬剤の残滓が飛散しなくなり、作業者の健康が害されることなく、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
以上説明したように、内部が密閉されたリフター本体4内上部に水噴射ノズル10が設けられ、その水噴射ノズル10からリフター本体4内に放射線状に水が噴射されるので、水配管9の水噴射ノズル10から噴射された水がリフター本体4外に漏洩せず、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓に水分を含ませることができる。これにより、リフター本体4側面のリフター本体側面開放扉4aが開放させて、洗浄ブラシ(図示略)などでリフター本体4内が湿潤洗浄しても、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓が水分を含み飛散しなくなるので、作業者の健康が害されることなく、リフター本体4内に付着している薬剤の残滓を短時間で湿潤洗浄することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ウエットダウン式バケットリフト
2 昇降バケット
3 粉粒物容器
4 リフター本体
4a リフター本体側面開放扉
5 昇降ねじ
6 案内ローラ誘導レール
7 投入シュート
8 排出シュート
9 水配管
10 水噴射ノズル
11 排水弁
12 排水口
13 リフター本体下部ケース
14 リフター本体
15 リフター本体昇降モータ
16 昇降モータ収容部
17 ガイドバー
18 軸受
19 連結用マイタギア
20 樹脂ナット
21 0リング
22 キャスター用車輪
23 薬剤流入管
24 給水ホース
25 ピストン先端部材
26 投入シュート回転軸
27 電動アクチュエータ
28 ハンドルレバー
29 投入シュート揺動軸受
30 薬剤排出管
31 昇降ブロック
32a 昇降ねじ昇降ブロック垂直挿入孔
32b ガイドバー昇降ブロック垂直挿入孔
33 昇降ブロック水平挿入孔
34 昇降バケット回転軸
35 案内レバー
36 案内ローラ
37 昇降バケット回転誘導レール
38 排水ホース
39 0リング