JP2020065907A - 車両用心電検出装置 - Google Patents

車両用心電検出装置 Download PDF

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JP2020065907A
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雄介 山中
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Abstract

【課題】ステアリングホイールの持ち方によらず、正確な心電波形を得ることが可能な車両用心電検出装置を提供する。【解決手段】ステアリングホイール14に設けられたステアリング電極16と、着座した運転者の心臓の位置より車両下側の車両用シート20に設けられたシート電極18Bと、ステアリング電極16とシート電極18Bの差動電圧を検出する差動増幅器22と、ステアリングホイール16を把持する運転者の持ち手を検出する持ち手検出部28と、差動増幅器22によって検出された差動電圧及び持ち手検出部28の検出結果に基づいて、予め定めた方向の誘導波形を生成する波形生成部30と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載され、運転者の心電波形を検出する車両用心電検出装置に関する。
ステアリングホイールや車両用シートに電極を設けて、乗員の心電波形を検出する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、車両のステアリングホイールに取り付けられ、運転者の身体電位を検出する第1、第2、及び第3の直接電極と、前記車両のシートに取り付けられ、非接触により前記運転者の身体電位を検出する静電容量結合型電極と、前記第1及び第2の直接電極間の電圧を測定する第1の電圧測定手段と、前記第3の直接電極及び前記静電容量結合型電極の電圧を測定する第2の電圧測定手段と、を備え、前記第1の電圧測定手段の測定結果と前記第2の電圧測定手段の測定結果の、双方又はいずれか一方に基づき運転者の心電図波形を計測する、車両用心電計測装置が提案されている。
特開2011−24902号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、ステアリングホイールを両手で把持する場合と、右手で把持する場合と、左手で把持する場合とでそれぞれ異なる心電波形となってしまう。すなわち、ステアリングホイールの持ち方により得られる心電波形が異なるため、正確な心電波形を得るためには改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、ステアリングホイールの持ち方によらず、正確な心電波形を得ることが可能な車両用心電検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1の態様は、ステアリングホイールに設けられたステアリング電極と、着座した運転者の心臓の位置より車両下側の車両用シートに設けられたシート電極と、前記ステアリング電極と前記シート電極の差動電圧を検出する検出部と、前記ステアリングホイールを把持する運転者の持ち手を検出する持ち手検出部と、前記検出部及び前記持ち手検出部の各々の検出結果に基づいて、予め定めた方向の誘導波形を生成する生成部と、を含む。
第1の態様によれば、ステアリング電極は、ステアリングホイールに設けられ、シート電極は、着座した運転者の心臓の位置より車両下側の車両用シートに設けられている。
また、検出部では、ステアリング電極とシート電極の差動電圧が検出される。ステアリング電極とシート電極間に運転者の心臓が位置するため、検出された差動電圧から、心電波形を生成することができる。
しかしながら、上述したように、ステアリングホイールの持ち手によって差動電圧の波形が異なる。
そこで、持ち手検出では、ステアリングホイールを把持する運転者の持ち手が検出され、生成部では、検出部及び持ち手検出部の各々の検出結果に基づいて、予め定めた方向の誘導波形が生成される。このように、持ち手の検出結果を用いて誘導波形を生成することにより、ステアリングホイールの持ち方によらず、正確な心電波形を得ることが可能となる。
なお、生成部は、持ち手検出部によって検出された持ち手に対応する予め定めた方向の誘導波形から他の方向の誘導波形を生成してもよい。
また、生成部は、運転者の持ち手に応じた心電波形と予め定めた複数の方向から見た誘導波形の関係を予め学習した結果を用いて予め定めた方向の誘導波形を生成してもよい。
また、運転者を識別する識別部と、前記識別部によって識別された運転者毎に、前記関係を学習して更新する更新部と、を更に備えてもよい。
また、ステアリング電極は、運転者の左右に対応して一対設けられ、生成部は、第1誘導波形、第2誘導波形、及び第3誘導波形の3種類の誘導波形を生成してもよい。
また、持ち手検出部は、運転者を撮影する撮影部、ステアリングホイールに設けられた複数の電極、またはステアリングホイールに設けられた複数の光センサを適用してもよい。
また、ステアリング電極と検出部との間に設けられて、ステアリング電極の検出部への接続と、接地された放電電極への接続とを切り替える切替部を更に含んでもよい。これにより、切替部により、電極を放電電極への接続に切り替えることにより、運転者に帯電した静電気を放電して除電することが可能となり、静電気が発生しても適切な心電波形を得ることが可能となる。
また、運転者が帯電して除電が必要か否かを判定するための除電情報を検出する除電情報検出部と、除電情報検出部によって検出された除電情報に基づいて運転者が帯電して除電が必要か否かを判定して除電が必要な場合に、ステアリング電極を放電電極への接続に切り替えるように切替部を制御する制御部と、を更に含んでもよい。
また、ステアリング電極の検出部への接続と、放電電極への接続とを予め定めた時間毎に切り替えるように切替部を制御する制御部を更に含んでもよい。
また、ステアリング電極は、ステアリングホイールの運転者の両手に対応する位置に一対備え、制御部は、持ち手検出部によって検出された運転者によるステアリングホイールの持ち手が片手である場合に、一対のステアリング電極のうちステアリングホイールを把持した手に対応する方のステアリング電極を検出部への接続に切り替え、他方のステアリング電極を放電電極への接続に切り替えるように切替部を制御した後に、除電情報検出部によって検出された除電情報に基づいて運転者が帯電して除電が必要か否かを判定して除電が必要な場合に、ステアリングホイールを把持した手に対応する方のステアリング電極を放電電極への接続に切り替えるように切替部を制御してもよい。
また、ステアリング電極は、ステアリングホイールの運転者の両手に対応する位置に一対備え、制御部は、持ち手検出部によって検出された運転者による前記ステアリングホイールの持ち手が両手である場合に、一対のステアリング電極のうち一方のステアリング電極を検出部への接続に切り替え、他方のステアリング電極を放電電極への接続に切り替えるように切替部を制御した後に、除電情報検出部によって検出された除電情報に基づいて運転者が帯電して除電が必要か否かを判定して除電が必要な場合に、検出部に接続したステアリング電極を放電電極への接続に切り替え、放電電極に接続したステアリング電極を検出部への接続に切り替えるように切替部を制御してもよい。
以上説明したように本発明によれば、ステアリングホイールの持ち方によらず、正確な心電波形を得ることが可能な車両用心電検出装置を提供できる、という効果がある。
第1実施形態に係る車両用心電検出装置の概略構成を示す図である。 心電波形の一例を説明するための図である。 第1実施形態に係る車両用心電検出装置の処理部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る車両用心電検出装置の概略構成を示す図である。 第2実施形態に係る車両用心電検出装置の処理部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る車両用心電検出装置の処理部で行われる処理の流れの変形例を示すフローチャートである。 従来の車両用心電検出装置に設けられるバッファ回路の構成を示す図である。 第1実施形態及び変形例に追加するバッファ回路の構成を示す図である。 第1実施形態に係る車両用心電検出装置にバッファ回路を備える場合に静電気による影響を抑制するために信号処理部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。 正常な心電波形の場合にインピーダンス切替部を高インピーダンスに切り替え、異常な心電波形の場合に低インピーダンスに切り替える例を示す図である。 カーブ路が予測される場合にインピーダンス切替部を低インピーダンスに切り替え、直進路が予測される場合に高インピーダンスに切り替える例を示す図である。 一対のステアリング電極が接続されたバッファ回路を説明するための図である。 バッファ回路を備える場合に静電気による影響を抑制するために信号処理部で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る車両用心電検出装置の一例を詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る車両用心電装置について説明する。図1は、第1実施形態に係る車両用心電検出装置の概略構成を示す図である。
本実施形態に係る車両用心電検出装置10は、心電波形生成装置12、ステアリング電極16、及びシート電極18A、18Bを備えている。
ステアリング電極16は、車両の操舵操作を行うためのステアリングホイール14の周方向全域に渡って設けられている。運転者がステアリングホイール14を把持すると、運転者の手がステアリング電極16に近接され、運転者の手とステアリング電極16との間に容量結合が生じてコンデンサを形成する。また、ステアリング電極16は、心電波形生成装置12に電気的に接続されており、心電波形生成装置12は、ステアリング電極16から、心臓の心拍における電気活動に伴うイオン電流変化(交流電流)を電流信号として検出する。
シート電極18A、18Bは、車両用シート20に着座した運転者の心臓の位置より車両下側の車両用シート20のシートクッションに設けられており、シートカバー(図示省略)に被覆されている。シート電極18A、18Bは、乗員が車両用シート20に着座することで、乗員の着衣及びシートカバーを介して、乗員の臀部と近接する。一方のシート電極18Bは、心電波形生成装置12に接続され、他方のシート電極18Aは接地されている。なお、図1では、車両の幅方向(運転者の左右)にシート電極18A、18Bを配列した例を示すが、配列はこれに限るものではない。例えば、車両前後方向(運転者の前後)にシート電極18A、18Bを配列してもよい。或いは、他の方向にシート電極18A、18Bを配列してもよい。
心電波形生成装置12は、差動増幅器22、フィルタ増幅部24、及び処理部26を含んで構成され、ステアリング電極16及びシート電極18Bから入力される電流信号に基づいて、運転者の心電波形を生成する。
差動増幅器22は、2つの入力端子にステアリング電極16及びシート電極18Bが接続されており、2つの入力の差動電圧を検出してフィルタ増幅部24に出力する。具体的には、差動増幅器22は、ステアリング電極16とシート電極18Bからの2つの入力信号の差分を一定係数で増幅する。
フィルタ増幅部24は、差動増幅器22の出力信号を増幅すると共に、予め定めたフィルタを用いて予め定めた範囲の周波数の信号に変換する処理等を行って処理結果を処理部26へ出力する。予め定めたフィルタとしては、例えば、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ等のフィルタを適宜適用する。また、フィルタ増幅部24は、本実施形態では、アナログ信号をデジタル信号に変換する処理を行ってから処理部26に処理結果を出力するものとする。
処理部26は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含むコンピュータで構成されている。CPUは、メモリに予め記憶されたプログラムを実行することにより、持ち手検出部28、及び波形生成部30の機能を実行する。
持ち手検出部28には、運転者の腕周辺を撮影するカメラ32が接続されており、カメラ32によって撮影された運転者の撮影画像を表す画像データが入力される。持ち手検出部28は、カメラ32によって撮影された運転者の撮影画像を表す画像データから運転者によるステアリングホイール14の持ち手が検出される。例えば、カメラ32は、車室内のルームミラー付近等に設けられて運転者の腕周辺を撮影する。そして、持ち手検出部28が、撮影された撮影画像を表す画像データに対した画像処理を行うことにより、運転者のステアリングホイール14の持ち手を検出し、検出結果を波形生成部30に出力する。ステアリングホイール14の持ち手の検出方法としては、例えば、パターン認識等の画像処理の技術を利用して検出する。
波形生成部30は、フィルタ増幅部24から得られる信号と、持ち手検出部28による運転者のステアリングホイール14の持ち手の検出結果とを用いて、心電波形を生成して出力する。
ところで、心電波形は、一般的に、図2に示すように、第1誘導波形、第2誘導波形、第3誘導波形、aVR誘導波形、aVL誘導波形、及びaVF誘導波形などが知られている。第1誘導波形は、心臓の左室の側壁を見る誘導波形であり、第2誘導波形は、心臓を心尖部から見る誘導波形であり、第3誘導波形は、右室側面と左室下壁を見る誘導波形である。また、aVR誘導波形は、右肩から心臓を見る誘導波形であり、aVL誘導波形は、左肩から心臓を見る誘導波形であり、aVF誘導波形は、心臓を、ほぼ真下から見る誘導波形である。
心電波形は、心臓内の電気の流れを記録したものであり、例えば、心臓を挟んで電極を2つ取りつけると心電波形が1つ得られる。心臓は胸部の中央やや左側に位置し、心臓の心尖部を下にして横に傾いた状態で存在する。心臓内の電気は、上部右心房に位置する洞結節からほぼ中央に存在する房室結節を介して心室の下部心尖部方向に向かって流れるため、電気軸としては左斜め下方向となる。この向きと同じ方向にマイナス電極とプラス電極を順に取りつけると、心電波形は上向きとなり、マイナス電極とプラス電極を逆にすると、心電波形は下向きとなる。
そこで、本実施形態では、波形生成部30は、心臓を挟んだ電極としてステアリング電極16とシート電極18Bとを用いて2つの電極から得られる電流信号から、第1〜第3誘導波形を生成する。
また、運転者のステアリングホイール14の持ち手によって検出される波形が変わってくるので、持ち手検出部28が、運転者のステアリングホイール14の持ち手を検出し、波形生成部30が、持ち手検出部28の検出結果に基づいて各誘導波形を生成する。例えば、運転者がステアリングホイール14を右手で把持している場合には、第2誘導波形に相当する波形を得ることができるが、左手や両手でステアリングホイール14を把持している場合には、異なる波形となる。
波形生成部30は、各持ち手の状態におけるフィルタ増幅部24から出力される波形と、各誘導方向から見た波形の対応関係を予め学習によって求めて記憶しておく。そして、予め学習により求めた対応関係を用いて、フィルタ増幅部24から出力される波形から第1〜第3誘導波形を生成する。例えば、係数や関数等を対応関係として適用して、フィルタ増幅部24から出力される波形から各方向の誘導波形を生成する。本実施形態では、予め定めた対応関係として、持ち手が両手の場合の両手用対応関係、持ち手が左手の場合の左手用対応関係、及び持ち手が右手の場合の右手用対応関係を予め求めて記憶する。
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る車両用心電検出装置10の処理部26で行われる具体的な処理について説明する。図3は、本実施形態に係る車両用心電検出装置10の処理部26で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図3の処理は、例えば、図示しないイグニッションスイッチがオンされた場合に開始してもよいし、心電波形の検出開始を表す指示が処理部26に行われた場合に開始してもよい。
ステップ100では、持ち手検出部28が、カメラ32による撮影を開始してステップ102へ移行する。
ステップ102では、持ち手検出部28が、カメラ32によって撮影された運転者の撮影画像を表す画像データを取得してステップ104へ移行する。
ステップ104では、持ち手検出部28が、撮影画像を表す画像データから運転者のステアリングホイール14の持ち手を検出してステップ106へ移行する。すなわち、運転者がステアリングホイール14を右手で把持しているか、左手で把持しているか、両手で把持しているか、或いはステアリングホイール14を把持していない状態かを撮影画像を表す画像データに対して画像処理を行うことにより検出する。
ステップ106では、波形生成部30が、フィルタ増幅部24の出力信号(フィルタ増幅結果)を取得してステップ108へ移行する。
ステップ108では、波形生成部30が、持ち手検出部28による検出結果がステアリングホイール14を非把持状態であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ102へ移行し、否定された場合にはステップ110へ移行する。
ステップ110では、波形生成部30が、持ち手検出部28による検出結果がステアリングホイール14を両手で把持している状態であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ112へ移行し、否定された場合にはステップ114へ移行する。
ステップ112では、波形生成部30が、学習により予め求めた両手用対応関係を用いて、フィルタ増幅部24の出力結果から第1〜第3誘導の各誘導波形を生成してステップ102に戻って上述の処理を繰り返す。
ステップ114では、持ち手検出部28による検出結果がステアリングホイール14を右手で把持している状態であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ116へ移行し、運転者が左手でステアリングホイール14を把持している状態で判定が否定された場合にはステップ118へ移行する。
ステップ116では、波形生成部30が、学習により予め求めた右手用対応関係を用いて、フィルタ増幅部24の出力結果から第1〜第3誘導の各誘導波形を生成してステップ102に戻って上述の処理を繰り返す。
一方、ステップ118では、波形生成部30が、学習により予め求めた左手用対応関係を用いて、フィルタ増幅部24の出力結果から第1〜第3誘導の各誘導波形を生成してステップ102に戻って上述の処理を繰り返す。
このように、本実施形態に係る車両用心電検出装置10では、運転者によるステアリングホイール14の持ち手に応じて、心電波形を生成することにより、ステアリングホイール14の持ち手を考慮しない場合に比べて正確な心電波形を得ることができる。また、運転者のステアリングホイールの持ち方によらず、正確な心電波形を得ることができる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態に係る車両用心電検出装置について説明する。図4は、第2実施形態に係る車両用心電検出装置の概略構成を示す図である。なお、図1と同一構成については同一符号を付して説明を省略する場合がある。
上記の実施形態では、持ち手を検出するためにカメラ32の撮影画像を用いる例を説明したが、本実施形態では、カメラ32を省略して、ステアリングホイール14に複数の電極を設けて持ち手を検出する例について説明する。
本実施形態に係る車両用心電検出装置11も、上記実施形態と同様に、心電波形生成装置12、ステアリング電極16(16A、16B)、及びシート電極18A、18Bを備えている。
心電波形生成装置12は、基本的には上記実施形態と同一構成とされている。すなわち、差動増幅器22、フィルタ増幅部24、及び処理部26を含んで構成され、ステアリング電極16A、16B及びシート電極18Bから入力される電流信号に基づいて、運転者の心電波形を生成する。
図4に示すように、上記の実施形態に対してカメラ32を省略し、代わりに、ステアリング電極16A、16Bを2つ設けている。一方のステアリング電極16Aは、ステアリングホイール14の運転者の左手に対応する領域に設けられ、他方のステアリング電極16Bは、ステアリングホイール14の運転者の右手に対応する領域に設けられている。また、2つのステアリング電極16A、16Bから得られる各々の電流信号は、それぞれ持ち手検出部29に入力される。
本実施形態では、上記実施形態における処理部26によって実行される持ち手検出部28の検出方法とは異なるため、以下では、上記実施形態と異なる部分を説明する。
持ち手検出部29は、2つのステアリング電極16A、16Bからの電流信号に基づいて、運転者のステアリングホイール14の持ち手の状態を検出する。具体的には、2つのステアリング電極16A、16Bのそれぞれから電流信号が検出されない場合はステアリングホイール14を非把持状態として検出する。また、2つのステアリング電極16A、16Bのそれぞれから電流信号を検出した場合は両手でステアリングホイール14を把持している状態として検出する。また、一方のステアリング電極16Aからのみ電流信号を検出した場合は左手でステアリングホイール14を把持している状態として検出する。また、他方のステアリング電極16Bからのみ電流信号を検出した場合は右手でステアリングホイール14を把持している状態として検出する。
本実施形態では、ステアリングホイール14の運転者の左右の手に対応する位置に設けたステアリング電極16A、16Bを用いて持ち手を検出するため、ステアリングホイール14を操舵している場合には、持ち手を逆に検出してしまう場合がある。そこで、持ち手検出部29には、舵角センサ34が接続され、ステアリングホイール14の操舵角度の検出結果が入力される。そして、持ち手検出部29は、舵角センサ34の検出結果に基づいて、車両が直進状態であるか否かを判定して、直進状態の場合に、運転者のステアリングホイール14の持ち手を検出するようになっている。なお、直進状態か否かの判定は、例えば、舵角センサ34によって検出された操舵角度が予め定めた値以下、或いは、予め定めた角度の範囲内の場合に直進状態と判定する。
持ち手検出部29は、持ち手の検出結果を波形生成部30に出力すると共に、持ち手に応じて、差動増幅器22への入力を切り替える。例えば、持ち手が両手の場合は、ステアリング電極16A、16Bの双方を差動増幅器22の入力端子に接続する。また、持ち手が左手の場合は、ステアリング電極16Aを差動増幅器22の入力端子に接続する。また、持ち手が右手の場合は、ステアリング電極16Bを差動増幅器22の入力端子に接続する。
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る車両用心電検出装置11の処理部26で行われる具体的な処理について説明する。図5は、本実施形態に係る車両用心電検出装置11の処理部26で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図5の処理は、例えば、図示しないイグニッションスイッチがオンされた場合に開始してもよいし、心電波形の検出開始を表す指示が処理部26に行われた場合に開始してもよい。また、図3の処理と同一処理については同一符号を付して説明する。
まず、ステップ101では、持ち手検出部29が、舵角センサ34の検出結果を取得してステップ103へ移行する。
ステップ103では、持ち手検出部29が、舵角センサ34の検出結果に基づいて、車両が直進状態であるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ101に戻って上述の処理を繰り返し、判定が肯定された場合にはステップ105へ移行する。
ステップ105では、持ち手検出部29が、運転者のステアリングホイール14の持ち手を検出してステップ106へ移行する。すなわち、ステアリング電極16A、16Bから得られる電流信号に基づいて持ち手を検出する。例えば、2つのステアリング電極16A、16Bのそれぞれから電流信号が検出されない場合はステアリングホイール14を非把持状態として検出する。また、2つのステアリング電極16A、16Bのそれぞれから電流信号を検出した場合は両手でステアリングホイール14を把持している状態として検出する。また、一方のステアリング電極16Aからのみ電流信号を検出した場合は左手でステアリングホイール14を把持している状態として検出する。また、他方のステアリング電極16Bからのみ電流信号を検出した場合は右手でステアリングホイール14を把持している状態として検出する。
ステップ106では、波形生成部30が、フィルタ増幅部24の出力信号(フィルタ増幅結果)を取得してステップ108へ移行する。
ステップ108では、波形生成部30が、持ち手検出部28による検出結果がステアリングホイール14を非把持状態であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ101へ移行し、否定された場合にはステップ110へ移行する。
ステップ110では、波形生成部30が、持ち手検出部28による検出結果がステアリングホイール14を両手で把持している状態であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ112へ移行し、否定された場合にはステップ114へ移行する。
ステップ112では、波形生成部30が、学習により予め求めた両手用対応関係を用いて、フィルタ増幅部24の出力結果から第1〜第3誘導の各誘導波形を生成してステップ101に戻って上述の処理を繰り返す。
ステップ114では、持ち手検出部28による検出結果がステアリングホイール14を右手で把持している状態であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ116へ移行し、運転者が左手でステアリングホイール14を把持している状態で判定が否定された場合にはステップ118へ移行する。
ステップ116では、波形生成部30が、学習により予め求めた右手用対応関係を用いて、フィルタ増幅部24の出力結果から第1〜第3誘導の各誘導波形を生成してステップ101に戻って上述の処理を繰り返す。
一方、ステップ118では、波形生成部30が、学習により予め求めた左手用対応関係を用いて、フィルタ増幅部24の出力結果から第1〜第3誘導の各誘導波形を生成してステップ101に戻って上述の処理を繰り返す。
このように、2つのステアリング電極16A、16Bを用いて持ち手を検出しても、上記実施形態と同様に、運転者のステアリングホイールの持ち方によらず、正確な心電波形を得ることができる。
なお、上記の各実施形態では、2つのシート電極18A、18Bを備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、接地されたシート電極18Aは省略してもよい。接地されたシート電極18Aによりノイズを抑制することが可能であるが、シート電極18Aを省略しても心電波形を生成することは可能である。
また、第2実施形態では、2つのステアリング電極16A、16Bを用いて運転者のステアリングホイール14の持ち手を検出する例を説明したが、これに限定されるものではない。ステアリング電極16は、3つ以上設けてもよい。また、ステアリング電極16A、16B以外に、光センサ等をステアリングホイール14等に設けて運転者のステアリングホイール14の持ち手を検出してもよい。
また、上記の実施形態において、波形生成部30が各誘導波形を生成する際に用いる、持ち手と第1〜第3誘導波形の各誘導波形の対応関係は、個人差があるため、各持ち手の状態の波形から運転者毎に対応関係を補正して随時学習してもよい。この場合、個人の特定は、例えば、スイッチやカメラ32の撮影画像、スマートキー等を用いて個人を特定する。具体的には、右手で把持している場合はほぼ第2誘導波形と同一となるため、右手で把持した波形に応じて、予め求めた右手用対応関係を運転者毎に補正してもよい。また、第1誘導波形は両手把持時の左右の手の間の電圧とほぼ同一となるため、第1誘導波形を学習するために、第2実施形態のように、ステアリング電極16A、16Bを左右に設けた構成に、差動増幅器22によってステアリング電極16A、16B間の差動がとれる構成を追加してもよい。この場合には、右手で把持している場合は第2誘導波形に対応し、両手で把持している場合は第1誘導波形に対応し、左手で把持している場合は第3誘導波形に対応するものとして、各対応関係を運転者毎に学習して補正してもよい。具体的には、第2実施形態に対して、図6に示すように、ステップ98を追加すると共に、図5のステップ112、116、118の代わりに、図6のステップ112A、112B、116A、116B、118A、118Bを行う。図6は、第2実施形態に係る車両用心電検出装置11の処理部26で行われる処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
すなわち、ステップ98では、スイッチやカメラ32の撮影画像、スマートキー等を用いて個人を特定することにより運転者を識別してステップ101へ移行する。
また、ステップ112Aでは、波形生成部30が、識別した運転者に対応する両手用対応関係を用いて、フィルタ増幅部24の出力結果から第1〜第3誘導波形の各誘導波形を生成してステップ112Bへ移行する。そして、ステップ112Bでは、波形生成部30が、生成した第1誘導波形とフィルタ増幅部24の出力結果との差に基づいて、補正量を決定して両手用対応関係を補正して更新する。これにより、運転者毎の両手用対応関係を学習して更新することができる。
また、ステップ116Aでは、波形生成部30が、識別した運転者に対応する右手用対応関係を用いて、フィルタ増幅部24の出力結果から第1〜第3誘導波形の各誘導波形を生成してステップ116Bへ移行する。そして、ステップ116Bでは、波形生成部30が、生成した第2誘導波形とフィルタ増幅部24の出力結果との差に基づいて、補正量を決定して右手用対応関係を補正して更新する。これにより、運転者毎の右手用対応関係を学習して更新することができる。
また、ステップ118Aでは、波形生成部30が、識別した運転者に対応する左手用対応関係を用いて、フィルタ増幅部24の出力結果から第1〜第3誘導波形の各誘導波形を生成してステップ118Bへ移行する。そして、ステップ118Bでは、波形生成部30が、生成した第3誘導波形とフィルタ増幅部24の出力結果との差に基づいて、補正量を決定して左手用対応関係を補正して更新する。これにより、運転者毎の左手用対応関係を学習して更新することができる。
なお、ステップ98が識別部に対応し、ステップ112B、116B、118Bが更新部に対応する。また、ここでは、第2実施形態の変形例として図6に示す処理を行うことにより対応関係を補正する例を説明したが、第1実施形態に対して、対応関係を補正するようにしてもよい。この場合は、ステアリング電極16が1つであることから両手用対応関係が補正できないので、両手用対応関係以外の右手用対応関係及び左手用対応関係を補正するように処理すればよい。
ところで、上記の第1実施形態及び変形例では、説明を省略したが、ステアリング電極16と差動増幅器22との間、及びシート電極18Bと差動増幅器22との間の各々にはバッファ回路が設けられている。バッファ回路は各電極からの信号をバッファして心電波形生成装置12に出力する。図7に示すように、従来のバッファ回路70は、オペアンプOP、抵抗R、及びコンデンサCを含むブートストラップ(boot-strap)と呼ばれる正帰還回路で構成されている。従来の車両用心電検出装置では、絶縁体を介して非接触で心電波形を計測するために、バッファ回路70のインピーダンスを超高インピーダンスとして前段の回路の影響を抑制していた。
しかしながら、運転時にシートと体が擦れる等により静電気が発生すると、運転者が帯電し、心電波形のノイズ源となってしまう。特に、冬の空気が乾燥した時期は、大気中への静電気放電がし難く、運転者の体に静電気が溜まりやすい。
そこで、静電気による影響を抑制するための構成を上記の実施形態及び変形例に追加してもよい。以下では、静電気による影響を抑制するために追加する構成について詳細に説明する。図8は、上記の第1実施形態及び変形例に追加するバッファ回路の構成を示す図である。図8のバッファ回路35では、静電気による影響を抑制するための構成として、従来のバッファ回路70に対して、バッファ入力インピーダンスを切り替えるインピーダンス切替部40を備えている。なお、ステアリング電極16と差動増幅器22との間、及びシート電極18Bと差動増幅器22との間の各々にバッファ回路35を設けてもよいが、一方は、従来のバッファ回路70として他方にバッファ回路35を設けてもよい。
インピーダンス切替部40は、図8に示すように、高インピーダンス側(図8中の高)に切り替えた場合には、従来同様に動作する。一方、低インピーダンス側(図8中の低)に切り替えた場合には、電極(ステアリング電極16及びシート電極18B)が接地され、運転者に帯電した静電気が除電されるようになっている。
また、インピーダンス切替部40の切替を制御するために、除電情報検出部42及び制御部44を備え、除電情報検出部42の検出結果に基づいて、制御部44が、インピーダンス切替部40の切り替えを制御する。例えば、制御部44は、心電波形生成装置12内の機能として設ける。
除電情報検出部42は、除電する必要があるかを判断するための除電情報を検出する。例えば、インピーダンス切替部を高インピーダンス側に切り替えた状態で計測した心電波形の検出可否を表す情報、または心電波形のS/N比(信号雑音比)を除電情報として検出する。或いは、GPS(Global Positioning System)情報や、舵角、走行路等の情報を除電情報として検出する。或いは、温度や湿度等を検出することにより、静電気が発生しやすい環境を除電情報として検出する。
そして、制御部44は、除電情報検出部42によって検出された除電情報から、運転者が静電気により帯電して除電が必要であるか否かを判定し、除電が必要な場合に、インピーダンス切替部40を低インピーダンス側に切り替えて除電する制御を行う。そして、制御部44は、除電後に、インピーダンス切替部40を高インピーダンス側に切り替えて心電波形の検出を行う。これにより、静電気によるノイズを除去することができるので、静電気が発生しても適切な心電波形を得ることが可能となる。
続いて、上述のように構成されたバッファ回路35を備える場合に静電気による影響を抑制するために処理部26で行われる具体的な処理について説明する。図9は、第1実施形態に係る車両用心電検出装置10にバッファ回路35を備える場合に静電気による影響を抑制するために処理部26で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図9の処理は、上記の第1実施形態及び変形例において、心電波形(第1〜第3誘導波形)を生成する際に行われるものとして説明する。
ステップ200では、処理部26が、心電波形を検出してステップ202へ移行する。
ステップ202では、処理部26が、運転者の除電が必要であるか否かを判定する。該判定は、制御部44が、除電情報検出部42の検出結果に基づいて除電が必要であるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ204へ移行し、肯定された場合にはステップ206へ移行する。
ステップ204では、処理部26が、検出した心電波形を出力してステップ200に戻って上述の処理を繰り返す。すなわち、波形生成部30が差動増幅器22の出力から心電波形を生成して出力する。なお、心電波形を出力する際には、運転者によるステアリングホイール14の持ち手により波形が異なるため、持ち手情報を含めて心電波形を出力してもよい。
一方、ステップ206では、処理部26が、バッファ回路35のインピーダンス切替部40を低インピーダンス側に切り替えてステップ208へ移行する。すなわち、制御部44がインピーダンス切替部40を制御して低インピーダンス側に切り替えることにより、電極を接地して除電することができる。
ステップ208では、処理部26が、予め定めた時間経過したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ210へ移行する。なお、予め定めた時間は、運転者に帯電した静電気が除電されるのに必要な時間が予め定められているものとする。
ステップ210では、処理部26が、バッファ回路35のインピーダンス切替部40を高インピーダンス側に切り替えてステップ200に戻って上述の処理を繰り返す。すなわち、制御部44がインピーダンス切替部40を制御して高インピーダンス側に切り替えることにより、心電波形の計測が行われる。運転者が除電されてから心電波形の計測が行われるので、静電気が発生しても適切な心電波形を得ることが可能となる。
例えば、図10に示すように、除電情報検出部42が心電波形の検出可否を表す情報を検出する場合には、制御部44が除電情報検出部42の検出結果から異常な心電波形であるか否かを判定する。例えば、ピーク値間の時間が予め定めた範囲内か否か等を判定する。そして、異常な心電波形の場合には、制御部44がインピーダンス切替部40を低インピーダンスに切り替えて除電してから高インピーダンスに切り替えて心電波形を検出することにより、適切な心電波形を得ることが可能となる。
また、除電情報検出部42がGPS情報や、舵角、走行路等の情報を検出、或いは、温度や湿度等を検出することにより静電気が発生しやすい環境を検出する場合には、制御部44が、除電が必要な状況(走行状態または環境)であるかを予測する。例えば、図11に示すように、カーブ路が予測される場合には、制御部44がインピーダンス切替部40を低インピーダンスに切り替えて除電する。そして、直線路が予測される場合に、制御部44がインピーダンス切替部40を高インピーダンスに切り替えて心電波形を検出することにより、適切な心電波形を得ることが可能となる。
なお、第2実施形態のように、一対のステアリング電極16A、16Bを備える場合には、インピーダンス切替部40の代わりに、図12に示すように、接続切替部46を備えたバッファ回路36を用いてもよい。この場合、バッファ回路36には、一対のステアリング電極16A、16Bが接続されるため、図8のバッファ回路35とは異なる構成とされている。ここで、バッファ回路36について説明する。図12は、一対のステアリング電極16A、16Bが接続されたバッファ回路36を説明するための図である。
バッファ回路36は、インピーダンス切替部40の代わりに備えた接続切替部46は、一方のステアリング電極16Aの接続先を接地またはオペアンプOPに切り替えると共に、他方のステアリング電極16Bの接続先を接地またはオペアンプOPに切り替える。接続切替部46は、インピーダンス切替部40と同様に、制御部44の制御によって切替が制御され、何れか一方のステアリング電極16をオペアンプに接続し、他方のステアリング電極16を接地する。すなわち、一方を高インピーダンスのオペアンプOPに接続し、他方を低インピーダンスの接地電極に接続する。
続いて、一対のステアリング電極16A、16Bが接続されたバッファ回路36を備える場合に静電気による影響を抑制するために処理部26で行われる具体的な処理について説明する。図13は、バッファ回路36を備える場合に静電気による影響を抑制するために処理部26で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図13の処理は、上記の実施形態及び変形例において、心電波形(第1〜第3誘導波形)を生成する際に行われるものとする。
ステップ300では、処理部26が、持ち手検出部28(または持ち手検出部29)による持ち手検出結果を取得してステップ302へ移行する。すなわち、ステップ104またはステップ105において検出した持ち手の検出結果を取得する。
ステップ302では、処理部26が、持ち手検出部28(または持ち手検出部29)による検出結果がステアリングホイール14を非把持状態であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ304へ移行し、否定された場合にはステップ306へ移行する。
ステップ304では、処理部26が、バッファ回路36の接続切替部46の一対のステアリング電極16A、16Bを低インピーダンスに切り替えてステップ300に戻って上述の処理を繰り返す。すなわち、制御部44が接続切替部46を制御して一対のステアリング電極16A、16Bを共に低インピーダンスに切り替えることにより、電極を接地して除電することができる。なお、ステップ304は省略してそのままステップ300に戻るようにしてもよい。
ステップ306では、処理部26が、持ち手検出部28(または持ち手検出部29)による検出結果がステアリングホイール14を両手で把持した状態であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ308へ移行し、否定された場合にはステップ320へ移行する。
ステップ308では、処理部26が、バッファ回路36の接続切替部46の一対のステアリング電極16A、16Bを高インピーダンスに切り替えてステップ310へ移行する。すなわち、制御部44が接続切替部46を制御して一対のステアリング電極16A、16Bを共に高インピーダンスに切り替えことで、一対のステアリング電極16A、16Bとシート電極18Bとによって心電波形の検出が可能となる。
ステップ310では、処理部26が、心電波形を検出してステップ312へ移行する。
ステップ312では、処理部26が、運転者の除電が必要であるか否かを判定する。該判定は、制御部44が、除電情報検出部42の検出結果に基づいて除電が必要であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ314へ移行し、否定された場合にはステップ332へ移行する。
ステップ314では、処理部26が、バッファ回路36の接続切替部46の一対のステアリング電極16A、16Bを低インピーダンスに切り替えてステップ316へ移行する。すなわち、制御部44が接続切替部46を制御して一対のステアリング電極16A、16Bを共に低インピーダンスに切り替えることにより、電極を接地して除電することができる。
ステップ316では、処理部26が、予め定めた時間経過したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ318へ移行する。なお、予め定めた時間は、運転者に帯電した静電気が除電されるのに必要な時間が予め定められているものとする。
ステップ318では、処理部26が、バッファ回路36の接続切替部46の一対のステアリング電極16A、16Bを高インピーダンスに切り替えてステップ332へ移行する。すなわち、制御部44が接続切替部46を制御して一対のステアリング電極16A、16Bを共に高インピーダンスに切り替えことで、一対のステアリング電極16A、16Bとシート電極18Bとによって心電波形の検出が可能となる。
一方、ステップ320では、処理部26が、バッファ回路36の接続切替部46の持ち手の方のステアリング電極16を高インピーダンスに接続し、他方のステアリング電極16を低インピーダンスに接続してステップ322へ移行する。すなわち、制御部44が接続切替部46を制御して持ち手の方のステアリング電極16を高インピーダンスに切り替えることで、持ち手のステアリング電極16とシート電極18Bとを用いて心電波形が検出可能となる。また、制御部44が接続切替部46を制御して他方のステアリング電極16を低インピーダンスに切り替えることで、電極を接地して除電することができる。
ステップ322では、処理部26が、心電波形を検出してステップ324へ移行する。
ステップ324では、処理部26が、運転者の除電が必要であるか否かを判定する。該判定は、制御部44が、除電情報検出部42の検出結果に基づいて除電が必要であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ326へ移行し、否定された場合にはステップ332へ移行する。
ステップ326では、処理部26が、バッファ回路36の接続切替部46の持ち手のステアリング電極16を低インピーダンスに切り替えてステップ328へ移行する。すなわち、制御部44が接続切替部46を制御して持ち手のステアリング電極16を低インピーダンスに切り替えることにより、電極を接地して除電することができる。
ステップ328では、処理部26が、予め定めた時間経過したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ330へ移行する。なお、予め定めた時間は、運転者に帯電した静電気が除電されるのに必要な時間が予め定められているものとする。
ステップ330では、処理部26が、バッファ回路36の接続切替部46を高インピーダンス側に切り替えてステップ332へ移行する。すなわち、制御部44がインピーダンス切替部40を制御して高インピーダンス側に切り替えることにより、以降の処理で心電波形の計測が行われる。運転者が除電されてから心電波形の計測が行われるので、静電気が発生しても適切な心電波形を得ることが可能となる。
ステップ332では、処理部26が、検出した心電波形を出力してステップ300に戻って上述の処理を繰り返す。すなわち、波形生成部30が差動増幅器22の出力から心電波形を生成して出力する。なお、心電波形を出力する際には、運転者によるステアリングホイール14の持ち手により波形が異なるため、持ち手検出部28(または持ち手検出部29)により検出された持ち手情報を含めて心電波形を出力してもよい。
このように一対のステアリング電極16A、16Bを備える構成においても運転者が除電されてから心電波形の計測が行われるので、静電気が発生しても適切な心電波形を得ることが可能となる。
なお、図9、13の処理では、運転者に帯電した静電気の除電が必要か否かを判定してインピーダンスの切替を行う形態として説明したが、これに限るものではない。例えば、予め定めた時間毎等のように定期的にインピーダンス切替部40または接続切替部46を制御してインピーダンスの切替を行ってもよい。
また、上記の実施形態における処理部26で行われる処理は、ソフトウエアの処理として説明したが、これに限るものではない。例えば、ハードウエアで行う処理としてもよいし、ハードウエアとソフトウエアの双方を組み合わせた処理としてもよい。
また、上記の実施形態における処理部26で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
さらに、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
10・・・車両用心電検出装置、11・・・車両用心電検出装置、12・・・心電波形生成装置、14・・・ステアリングホイール、16・・・ステアリング電極、16A・・・ステアリング電極、16B・・・ステアリング電極、18A・・・シート電極、18B・・・シート電極、20・・・車両用シート、22・・・差動増幅器、24・・・フィルタ増幅部、26・・・処理部、28・・・持ち手検出部、30・・・波形生成部、32・・・カメラ、35・・・バッファ回路、36・・・バッファ回路、40・・・インピーダンス切替部、42・・・除電情報検出部、44・・・制御部、46・・・接続切替部

Claims (11)

  1. ステアリングホイールに設けられたステアリング電極と、
    着座した運転者の心臓の位置より車両下側の車両用シートに設けられたシート電極と、
    前記ステアリング電極と前記シート電極の差動電圧を検出する検出部と、
    前記ステアリングホイールを把持する運転者の持ち手を検出する持ち手検出部と、
    前記検出部及び前記持ち手検出部の各々の検出結果に基づいて、予め定めた方向の誘導波形を生成する生成部と、
    を含む車両用心電検出装置。
  2. 前記生成部は、前記持ち手検出部によって検出された持ち手に対応する予め定めた方向の誘導波形から他の方向の誘導波形を生成する請求項1に記載の車両用心電検出装置。
  3. 前記生成部は、運転者の持ち手に応じた心電波形と予め定めた複数の方向から見た誘導波形の関係を予め学習した結果を用いて前記予め定めた方向の誘導波形を生成する請求項1又は請求項2に記載の車両用心電検出装置。
  4. 運転者を識別する識別部と、前記識別部によって識別された運転者毎に、前記関係を学習して更新する更新部と、を更に備えた請求項3に記載の車両用心電検出装置。
  5. 前記ステアリング電極は、運転者の左右に対応して一対設けられ、
    前記生成部は、第1誘導波形、第2誘導波形、及び第3誘導波形の3種類の誘導波形を生成する請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用心電検出装置。
  6. 前記持ち手検出部は、運転者を撮影する撮影部、前記ステアリングホイールに設けられた複数の電極、または前記ステアリングホイールに設けられた複数の光センサである請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用心電検出装置。
  7. 前記ステアリング電極と前記検出部との間に設けられて、前記ステアリング電極の前記検出部への接続と、接地された放電電極への接続とを切り替える切替部を更に含む請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用心電検出装置。
  8. 運転者が帯電して除電が必要か否かを判定するための除電情報を検出する除電情報検出部と、
    前記除電情報検出部によって検出された前記除電情報に基づいて運転者が帯電して除電が必要か否かを判定して除電が必要な場合に、前記ステアリング電極を前記放電電極への接続に切り替えるように前記切替部を制御する制御部と、
    を更に含む請求項7に記載の車両用心電検出装置。
  9. 前記ステアリング電極の前記検出部への接続と、前記放電電極への接続とを予め定めた時間毎に切り替えるように前記切替部を制御する制御部を更に含む請求項7に記載の車両用心電検出装置。
  10. 前記ステアリング電極は、ステアリングホイールの運転者の両手に対応する位置に一対備え、
    前記制御部は、前記持ち手検出部によって検出された運転者による前記ステアリングホイールの持ち手が片手である場合に、一対の前記ステアリング電極のうちステアリングホイールを把持した手に対応する方のステアリング電極を前記検出部への接続に切り替え、他方のステアリング電極を前記放電電極への接続に切り替えるように前記切替部を制御した後に、
    前記除電情報検出部によって検出された前記除電情報に基づいて運転者が帯電して除電が必要か否かを判定して除電が必要な場合に、ステアリングホイールを把持した手に対応する方のステアリング電極を前記放電電極への接続に切り替えるように前記切替部を制御する請求項8に記載の車両用心電検出装置。
  11. 前記ステアリング電極は、ステアリングホイールの運転者の両手に対応する位置に一対備え、
    前記制御部は、前記持ち手検出部によって検出された運転者による前記ステアリングホイールの持ち手が両手である場合に、一対の前記ステアリング電極のうち一方のステアリング電極を前記検出部への接続に切り替え、他方のステアリング電極を前記放電電極への接続に切り替えるように前記切替部を制御した後に、
    前記除電情報検出部によって検出された前記除電情報に基づいて運転者が帯電して除電が必要か否かを判定して除電が必要な場合に、前記検出部に接続したステアリング電極を前記放電電極への接続に切り替え、前記放電電極に接続したステアリング電極を前記検出部への接続に切り替えるように前記切替部を制御する請求項8に記載の車両用心電検出装置。
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