JP2020065467A - ボトル入り飲料の微生物検査方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特に、メンブレンフィルターろ過法(MF法)による微生物検査方法において、ボトル容器の口部とキャップとの間(以下「キャップ間隙部」という)等から菌の混入を防止できる飲料入りボトルの微生物検査方法が望まれていた。
特に、薬液処理ではボトルを薬液水槽内に水没させているので、ボトルのキャップ間隙部やボトルキャップの殺菌を容易に行うことができる。
本実施の形態にかかるボトル入り飲料の微生物検査方法は、メンブレンフィルター(MF)法による検査方法である。
図2に示すように、微生物検査施設1は、ボトル殺菌ブース3と、検査ブース5と前室7とに分離してあり、各ブース3、5及び前室7で処理したのち、シャーレ取出T11及び培養T12工程で、ボトル内の飲料をシャーレに入れた培地で培養した後、コロニーの有無を検査する。本実施の形態では、一般細菌(水生菌を含む)、真菌(カビ、酵母)を検査する。
図3に示すように、検査対象となる飲料入りボトル(以下単に「ボトル」という)9は、製造ラインからサンプリングした製造後の飲料入り樹脂製ボトルであり、ボトル9の口部9cには樹脂製のボトルキャップ9aが装着されている。飲料の種類は特に限定されないが、例えば、お茶系飲料である。
ロボットアーム11の姿勢、動き、把持部12や係止具35等の駆動や制御は、予めプログラムしたマイクロコンピュータにより制御されている。
図2に示すように、準備段階では、前室7で培地6を含むシャーレ8(図8参照)を準備しT1、無菌水準備T2、ろ紙準備T3、ファンネル(ろ過器)準備T4をしておく。これらの準備T1〜T4は人手で行う。
薬液殺菌工程S1では、ボトル9の外面を薬液で殺菌する。検査対象となるボトル9は予め並べて配置してあり、ロボットアーム11(図9参照)が所定のボトル9を把持してボトル9を移動して、籠15(図3参照)に立設した状態で入れ、籠15を図3に示すように、薬液水槽13に浸漬する。薬液水槽13は、殺菌薬液を満たした水槽である。薬液水槽内13では、ボトル9は全体を殺菌水槽内に水没している。
薬液水槽13では、水槽13内を撹拌し又は水流により、矢印Eで示すように薬液を流動させている。更に、籠15は、矢印Fで示すように、薬液水槽13内で上下に間欠動作させている。籠15の上下動作は、ロボットアーム11が籠15を把持して行う。
薬液殺菌工程S1の薬液殺菌後に、ロボットアーム11は籠15を薬液水槽13から引き上げた後、籠15内のボトル9をつかみ、ボトルを熱風吹き付け工程S2のテーブルに立設する。
図4に示すように、熱風吹き付け工程S2では、テーブルに立設したボトル9の側面からヒータ17で加熱した無菌風を送風機19から吹き付ける。また、ボトル9にはフード21を被せて、吹き付けた熱風がボトルキャップ9a及びボトル首部付近に滞留し易くしている。
ボトル穿孔工程では、ボトル9内の飲料を注ぎ出す為の孔をボトル9にあける。
本実施の形態では、図5に示すように、ボトルキャップ9aの天面に上から加熱した熱材23を差し仕込んで穿孔する。熱材23は本実施の形態では棒材である。熱材23は常設の穿孔装置41で行う。穿孔装置41はシリンダー及びピストンの駆動機構で熱棒23を上下動し、例えば熱材23は内蔵された電熱線で加熱している。
ボトルキャップ9aは熱材23により溶融して穿孔される。尚、ボトルキャップ9aを穿孔するときには、ロボットアーム11でボトル9の胴部を保持していても良い。
一方、図2に示すように、ロボットアーム11は、マニホールド25(図6参照)にファンネル27(図6参照)を設置しS4−1した後、準備したろ紙29(図7参照)を取り出しS4−2、ファンネル27にろ紙(図7参照)を設置するS4−3。
設置したろ紙29には、チューブ(図示せず)から無菌水を注入する(S4−4)。
図6に示すように、ロボットアーム11は、ボトル9を把持してボトルキャップ9aが下に向くように傾斜させてファンネル27にボトル9内の飲料を注ぎ、ろ過する。
図7に示すように、ろ過後、別のロボットアームにより、ファンネル27の周壁27aを基台27bから外し、ロボットアーム11が保持する切断刃31でろ紙29を2枚の半月状のろ紙片29a、29bに切断する。
図7に示すように、ファンネル27の基台27bには、その縁部27cに切断刃31の挿入溝33が形成されている。本実施の形態では、挿入溝33は縁部27cの対向する位置に2箇所形成されている。挿入溝33により、切断刃31でろ紙29を引き切るときに切断刃31が縁部27cと干渉することなく、縁部27cを越えて引き操作できる。
図8に示すように、ロボットアーム11は、ファンネル27の基台27bに載置されている一方のろ紙片29aを係止具35で把持してろ紙を採取し(図2のS6−2)、シャーレ8の培地6に貼付する。係止具35は、例えばピンセットである。尚、ろ紙をシャーレ8の培地6に添付する前に、シャーレ8の蓋を開けておく(図2のS7−1)。
その後、シャーレ8に蓋を被せる(図2のS7−2)。シャーレ8の蓋の開閉は、テーブル上に設けた自動機構により蓋を開閉するが、ロボットアーム11が行っても良い。
同様に、他方のろ紙片29bも係止具35で把持し、他の種類の培地を入れたシャーレ8に貼付し、その後シャーレ8に蓋を被せる(図2のS7−2)。
蓋を被せた各シャーレ8は、そのまま取り出して培養器で培養する。培養後、コロニーの有無を観察する。
本実施の形態によれば、薬液殺菌工程S1でボトル9の外面を薬液で殺菌すると共に熱風吹き付け工程S2で無菌処理された熱風で外面を乾燥及び殺菌し、ボトル穿孔工程(注ぎ口形成工程)S3で穿孔した孔からボトル内の飲料を取り出し、穿孔した孔からボトル内の飲料を取り出してろ紙29でろ過するので、メンブレンフィルターろ過法(MF法)による微生物検査方法において、ボトル外面に付着した菌の混入を防止できる。
また、ロボットアーム11により、ボトル9の移送及びボトル9に対する各作業S1〜S7ができるので、密閉されたクリーンルーム内で自動化ができる。
薬液水槽13内では、薬液を流動させているので、ボトル外面に衝突させ薬液を乱流にでき、更に、ボトルキャップ9aの外面やキャップ隙間部への殺菌液の浸透性を高めることができる。
また、熱材23をボトルキャップ9aに差し込むだけでボトルキャップ9aを容易に穿孔でき且つ穿孔部分の殺菌を図ることができる。
ろ紙29の切断を、ファンネル27上で且つ切断刃(メス)31で直接行うことにより、ハサミ等の裁断機でろ紙29を切断する場合に比較して、機器がろ紙29に接触する部分を最小にでき、菌の残存を抑えると共に無菌状態の維持が可能になる。また、切断刃31としてメスを使用することで、サイズが小さく使い捨ても可能であるから使い勝手が良い。
切断刃31は、一回切断作業をする毎に熱滅菌をすることが好ましい。この場合、切断刃31の熱滅菌はロボットアーム11に内蔵した熱滅菌装置で行っても良いし、ロボットアームとは別に設けた熱滅菌装置で行っても良い。
例えば、薬液殺菌工程S1は、ロボットアーム11が籠15を上下動させることに限らず、籠15を上下動させる機構はロボットアーム11とは別に設けても良い。
ろ紙切断工程S6では、ファンネル27の基台27bに形成する挿入溝33は、少なくとも1箇所あれば良い。また、ろ紙の切断は2枚のろ紙片に切断することに限らず、3枚や4枚のろ紙片等に切断しても良く、切断する枚数は限定されない。この場合、基台27bの縁部27cには、切断する枚数に対応する数の挿入溝33を形成する。
特許請求の範囲に記載の注ぎ口形成工程は、ボトルキャップ9aを、常設してあるボトルキャッパーで外して、ボトル9を開封しても良い。この場合、ろ過工程では、ボトル9の口部9cからボトル9内の飲料をファンネル27に注いでろ過する。
ボトル穿孔工程S3で用いる熱材23は、棒状のものに限らず、板状であったも良く、形状は限定されない。
ボトル9内の飲料の種類は限定されず、お茶に限らず、乳入り紅茶やコーヒ飲料、果汁飲料等であっても良い。
9a ボトルキャップ
11 ロボットアーム
13 薬液水槽
15 籠
21 フード
23 熱材
27 ファンネル
29 ろ紙
31 切断刃
33 挿入溝
35 係止具
Claims (8)
- 飲料入りボトルの外面を薬液で殺菌する薬液殺菌工程と、
前記ボトルの外面に無菌処理された熱風を吹き付ける熱風吹き付け工程と、
前記ボトルに注ぎ口を形成する注ぎ口形成工程と、
ファンネルにろ紙を設置するろ紙設置工程と、
前記ボトルからファンネルに飲料を注いで飲料をろ過するろ過工程と、
ろ過後に前記ろ紙を切断するろ紙切断工程と、
前記切断したろ紙片を採取して培地に貼付する貼付工程と、を備えるボトル入り飲料の微生物検査方法において、
前記薬液殺菌工程は、前記ボトルを立設した状態で薬液を満たした薬液水槽に水没させることを特徴とするボトル入り飲料の微生物検査方法。 - 前記薬液殺菌工程は、前記ボトルを立設した状態で籠に入れ、籠を薬液水槽内で上下に間欠動作することを特徴とする請求項1に記載のボトル入り飲料の微生物検査方法。
- 前記薬液殺菌工程は、前記薬液水槽内の薬液を流動させていることを特徴とする請求項2に記載のボトル入り飲料の微生物検査方法。
- 前記熱風吹き付け工程は、前記ボトルを立設してフードを被せた状態で、熱風を前記ボトルに吹き付けることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のボトル入り飲料の微生物検査方法。
- 前記注ぎ口形成工程は、ボトルキャップを穿孔する穿孔工程であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のボトル入り飲料の微生物検査方法。
- 前記穿孔工程は、加熱した熱材を前記ボトルキャップに上から差し込んで穿孔することを特徴とする請求項5に記載のボトル入り飲料の微生物検査方法。
- 前記ファンネルには、前記ろ紙を載置した基台の縁部に切断刃の挿入溝が形成されており、前記切断工程は、基台に載置したろ紙を切断刃で挿入溝を介して引き切ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のボトル入り飲料の微生物検査方法。
- ロボットアームが把持した飲料入りボトルを立設させた状態で籠に入れた後、
前記ロボットアームは、前記籠を薬液を満たした薬液水槽内で前記ボトルを水没させつつ上下に間欠動作し、
次に前記ロボットアームが前記籠内の前記ボトルを取り出した後にテーブルに載置し、
その位置で前記ボトルの外面に無菌処理された熱風を吹き付け、
次に前記ロボットアームがボトルキャップに加熱した熱材を挿入して前記ボトルキャップを穿孔した後、
前記ロボットアームが前記飲料入りボトルを把持して前記飲料入りボトルを傾けてろ紙を設定したファンネルに飲料を注ぎ、
その後、前記ロボットアームが保持する切断刃でろ紙を切断し、切断したろ紙片を培地に添付することを特徴とするボトル入り飲料の微生物検査方法。
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