JP2020064704A - 表示装置 - Google Patents

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Taisuke Kamada
太介 鎌田
安弘 神保
Yasuhiro Jinbo
安弘 神保
浩平 横山
Kohei Yokoyama
浩平 横山
越智 貴志
Takashi Ochi
貴志 越智
通 園田
Toru Sonoda
通 園田
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Abstract

【課題】小さい曲率半径での複数回の繰り返し曲げに耐えられる曲げ耐性を有する表示装置を提供する。【解決手段】本発明の一態様は、第1の樹脂層11と、前記第1の樹脂層上に位置する第1の無機層13aと、前記第1の無機層上に位置するEL層13cと、前記EL層上に位置する第2の無機層23aと、前記第2の無機層上に位置する第2の樹脂層21aと、を具備する表示装置である。前記第1の樹脂層、前記第1の無機層、前記EL層、前記第2の樹脂層及び前記第2の無機層は折り曲げることができるように構成されており、前記折り曲げる際に前記第1の無機層及び前記第2の無機層それぞれにかかる歪率が0.4%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置に関する。
近年スマートフォンのディスプレイに対する高画質の要求が上がってきおり、特に、高精細化、広色域化、高輝度化が求められている。高精細化の流れは加速しており、5.5インチサイズで4K(3840 x 2160)の解像度をもつ液晶ディスプレイが搭載されたスマートフォンが発売され、画素密度は806ppiに達している。今後も高精細化の流れはさらに加速していくと予想される。広色域化に関しても、4k、8kディスプレイ向けの規格としてB.T.2020が注目されている。色域が広がることで、人間の目で直接見ている映像を再現することが可能になる。また、高輝度化に関してはHigh Dynamic Range(HDR)が注目されている。明るさのレンジを広げることで、太陽光の眩しさなど日常で感じる光を再現できるため、より臨場感を出せる映像を表示できるメリットがある。そのような市場要求に対応可能なディスプレイの1つとしてOLEDディスプレイが上げられる。OLEDディスプレイは上記特徴に加えて、応答速度が液晶ディスプレイと比較すると速く、高周波駆動も可能であり動画特性が良いことが上げられる。さらに、自発光型のデバイスであるため黒レベルが低く、高いコントラストが達成できるため、輪郭がはっきりとした映像を表示することが可能となる。このようにOLEDディスプレイには多くの特徴があるため、次世代のディスプレイとして急速に開発が進んでいる。事実、多くのセットメーカーでOLEDディスプレイをスマートフォンに搭載することを検討しており、設備投資が進んでいる。
また、OLEDディスプレイにはフレキシブル化が容易であるという特徴がある。近年では、フレキシブル基板を用いたフレキシブルOLEDパネルがスマートフォンやスマートウォッチに採用され、製品として出荷されている。支持基板に可撓性を有するフィルムを用いているため、今までのガラス基板を用いたディスプレイと比較すると軽く、薄く作製することが可能となる。また、フレキシブル基板を用いている為、従来のガラス基板で作製していたパネルでは不可能であった折り曲げることが可能になる。そのため、今までにないデザインや機能が考えられ、新しい価値を提案できる。例えば、画面全体が緩やかに湾曲したOLEDパネルやパネルの両サイドのエッジ部が湾曲しているパネルなどが発売されている。
さらにフレキシブルパネルの曲げられる特徴を一歩進めた活用方法も検討されており、コンパクトに折りたためるディスプレイや、丸めて巻き取るディスプレイ等の様々な用途への展開も考えられ、製品化を目指して各社開発を進めている。実際、折りたためるディスプレイや丸めて巻き取るディスプレイに関して学会などで数多く報告され、市場のニーズとしても期待されている。しかし、折りたためるディスプレイを製品化したメーカーは無く、曲げ耐性を上げるために各社開発を進めている状況である。
多くのメーカーで折りたためるディスプレイの製品化に向けた開発が行われており、繰り返し曲げ試験などの曲げ耐性を向上させることが重要となる。曲げ耐性を上げるためにはフレキシブルパネルの各層にかかる応力を緩和させる構造設計や中立面制御が重要となる。ディスプレイの構造検討として例えば以下の論文が発表されている。
(1) Information display January/February 2015 VOL. 31, NO.1 P.12−P16
(2) Information display March/April 2015 VOL. 32, NO. 2 P.18−P23
これらの論文では、構造計算ソフトを用いて、ディスプレイを曲げた時にかかる応力を緩和するための構造が提案されている。しかし、上記構造計算は1回曲げを想定している計算であり、構成される部材や膜にかかる応力を緩和するための構造を提案しているにすぎない。また、表示面が内側に曲げられる内曲げを想定した曲げ耐性向上のみ議論されている。
そこで、内曲げ、外曲げの両方の曲げに対する耐性を同時に満たすディスプレイを作製する手法として、中立面を制御する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。この方法では、折りたためるディスプレイに求められる内曲げと外曲げの両方の曲げに耐えられる構造設計が重要となる。
ここで、実際の折りたためるディスプレイの用途を考えると、1回の曲げではなく、複数回の曲げに耐えられる構造設計が重要となる。製品寿命を3年として、1日に50回以上または100回以上程製品を曲げることを想定した場合、5万回以上または10万回以上の繰り返し曲げ試験に耐えることが求められる。特に無機層は高ヤング率であることに加えて脆性材料であるため、5万回以上または10万回以上の繰り返し曲げ試験によって高い応力がかかり続ける結果、曲げ疲労の蓄積により膜破断などが発生すると考えられる。膜破断を生じさせないための構造設計をすることは、折りたためるディスプレイを製品化するうえで非常に重要になる。
特開2015−228367号公報
無機層は引っ張りストレスに対して弱い傾向があるため、フレキシブルパネルを折り曲げたときに、フレキシブルパネル内の無機層が破断しやすい。
本発明の一態様は、小さい曲率半径での複数回の繰り返し曲げに耐えられる曲げ耐性を有する表示装置を提供することを課題とする。
本発明の一態様は、第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層上に位置する第1の無機層と、前記第1の無機層上に位置するEL層と、前記EL層上に位置する第2の無機層と、前記第2の無機層上に位置する第2の樹脂層と、を具備し、前記第1の樹脂層、前記第1の無機層、前記EL層、前記第2の樹脂層及び前記第2の無機層は折り曲げることができるように構成されており、前記折り曲げる際に前記第1の無機層及び前記第2の無機層それぞれにかかる歪率が0より大きく0.4%以下であることを特徴とする表示装置である。
上記の本発明の一態様によれば、表示装置を折り曲げる際に、引張応力に対して弱い第1の無機層及び第2の無機層それぞれにかかる歪率を0.4%以下とすることで、第1及び第2の無機層の破断を抑制することができる。その結果、小さい曲率半径での複数回の繰り返し曲げに耐えられる曲げ耐性を有する表示装置を実現できる。
また、本発明の一態様において、前記第1の無機層及び前記第2の無機層それぞれは、金属酸化物、金属窒化物、SiとOの化合物またはSiとNの化合物を含むとよい。
また、本発明の一態様において、前記第2の樹脂層上に第1のハードコート層が位置するとよい。
また、本発明の一態様において、前記第2の無機層と前記第2の樹脂層との間に位置する第3の樹脂層と、前記第3の樹脂層と前記第2の樹脂層との間に位置する第2のハードコート層と、を有するとよい。
また、本発明の一態様において、前記第1の樹脂層下に第3のハードコート層が位置するとよい。
また、本発明の一態様において、前記第1の無機層と前記第1の樹脂層との間に位置する第4の樹脂層と、前記第4の樹脂層と前記第1の樹脂層との間に位置する第4のハードコート層と、を有するとよい。
また、本発明の一態様において、前記EL層と前記第2の無機層との間に第5の樹脂層が位置するとよい。
また、本発明の一態様において、前記EL層と前記第2の無機層との間にカラーフィルターが位置するとよい。
また、本発明の一態様において、前記第5の樹脂層の平均厚さは9μm以下であるとよい。
また、本発明の一態様において、前記第1の無機層及び前記第2の無機層それぞれに歪率が0.4%かかるように、前記第1の樹脂層、前記第1の無機層、前記EL層、前記第2の樹脂層及び前記第2の無機層を5万回繰り返し折り曲げる試験を行った場合、表示不良が発生しないとよい。
本発明の一態様を適用することで、小さい曲率半径での複数回の繰り返し曲げに耐えられる曲げ耐性を有する表示装置を提供することができる。
(A)は本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図、(B)は本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図。 (A)は本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図、(B)は本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図。 本発明の一態様に係る表示装置(フレキシブルパネル)を概略的に示す断面図。 ブック型繰り返し曲げ試験機を模式的に示す断面図。 (A−1)は試験前のフレキシブルパネルの写真、(B−1)はR=5mmの内曲げ試験直後の写真、(C−1)は保存試験直後の写真、(A−2)は試験前のフレキシブルパネルの写真、(B−2)はR=5mmの外曲げ試験直後の写真、(C−2)は保存試験直後の写真。 (A−1)は試験前のフレキシブルパネルの写真、(B−1)はR=3mmの内曲げ試験直後の写真、(C−1)は保存試験直後の写真、(A−2)は試験前のフレキシブルパネルの写真、(B−2)はR=3mmの外曲げ試験直後の写真、(C−2)は保存試験直後の写真。 (A−1)は試験前のフレキシブルパネルの写真、(B−1)はR=2mmの内曲げ試験直後の写真、(C−1)は保存試験直後の写真、(A−2)は試験前のフレキシブルパネルの写真、(B−2)はR=2mmの外曲げ試験直後の写真。 (A)はフレキシブルパネル1を曲げる前の状態を模式的に示す断面図、(B)は(A)のフレキシブルパネル1を曲げた状態を示す断面図。 (A)は中立面NPが内側に寄る例を示す断面図、無機層が中立面NPから遠ざかる例を示す断面図。 外曲げシミュレーションに用いたモデルを示す断面図。 外曲げシミュレーションに用いたフレキシブルパネルの積層構造モデルを示す断面図。 (A)乃至(C)は、外曲げの曲率半径がR=2mmで積層膜32の膜厚が13μmのときのシミュレーションによる応力分布を示す図。 図12の計算モデルで折り曲げたときの中立面の位置を算出した結果を示す図。 外曲げシミュレーションに用いたフレキシブルパネルの積層構造であって積層膜32の膜厚を変化させるモデルを示す断面図。 図14に示す積層膜の膜厚32aとCF側無機層23に生じる曲げ応力の関係を計算した結果を示す図。 繰り返し曲げ試験を実施するフレキシブルパネルの断面のSTEM像。 フレキシブルパネルの表示領域の樹脂層の厚さを測定する9点(P1乃至P9)を示す図。 (A−1)は試験前のフレキシブルパネルの写真、(A−2)はR=2mm、7.5万回の外曲げ試験直後の写真、(A−3)は保存試験直後の写真、(B−1)は試験前のフレキシブルパネルの写真、(B−2)はR=2mm、10万回の内曲げ試験直後の写真、(B−3)は保存試験直後の写真。 表2の繰り返し曲げ試験結果を図15に反映させたグラフ。 (A)はフレキシブルパネル1を折り曲げた状態を示す斜視図、(B)はフレキシブルパネル1を折り曲げる前の状態を示す断面図。 曲率半径の求め方を説明するための図。 破断歪率(実測)と曲げのシミュレーションによる歪率(計算)を比較した図。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
[実施の形態1]
図1(A)は、本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図である。
この表示装置(フレキシブルパネルともいう)は、少なくともフィルムである樹脂層11(第1の樹脂層ともいう)と、樹脂層11上に形成された防湿層13a(第1の無機層ともいう)と、防湿層13a上に形成されたEL層13cと、EL層13c上に形成された防湿層23a(第2の無機層ともいう)と、防湿層23a上に形成された樹脂層21a(第2の樹脂層ともいう)を有する。以下に詳細に説明する。
図1(A)に示す表示装置は、樹脂層11を有し、樹脂層11上には接着樹脂層12b(第4の樹脂層ともいう)が形成されている。接着樹脂層12b上には防湿層13aが形成されており、防湿層13a上にはFET(Field effect transistor)等の層13bが形成されている。FET等の層13b上にはEL層13cが形成されている。EL層13cの上面、EL層13c及びFET等の層13bの側面及び防湿層13a上には防湿層23aが形成されている。即ち、EL層13c及びFET等の層13bが防湿層13a,23aによって覆われることで、EL層13c及びFET等の層13bに水分が入り込むのを抑制できる。
また、防湿層23a上には接着樹脂層22b(第3の樹脂層ともいう)が形成されている。即ち、樹脂層11は接着樹脂層12bによって防湿層13aに接着されており、防湿層23aは接着樹脂層22bによって樹脂層21aに接着されている。
樹脂層21a上にはハードコート層21b(第1のハードコート層ともいう)が形成されている。樹脂層21aとハードコート層21bとを含めてフィルム21という。なお、防湿層13a(第1の無機層)及び防湿層23a(第2の無機層)それぞれは、金属酸化物、金属窒化物、SiとOの化合物またはSiとNの化合物を含むとよい。
表示装置は折り曲げることができるように構成されている。そして、図1(A)の表示装置を折り曲げる際に防湿層13a及び防湿層23aそれぞれにかかる歪率は0より大きく0.4%以下(好ましくは0.27%以下)である。
別言すれば、防湿層13a及び防湿層23aそれぞれにかかる歪率が0より大きく0.4%以下(好ましくは0.27%以下)となるように、この表示装置を折り曲げる際の曲率半径と、この表示装置の樹脂層11、接着樹脂層12b、防湿層13a、FET等の層13b、EL層13c、防湿層23a、接着樹脂層22b、樹脂層21a及びハードコート層21bそれぞれの材質及び厚さとが決められるとよい。
本実施の形態によれば、表示装置を折り曲げる際に第1の無機層である防湿層13a及び第2の無機層である防湿層23aそれぞれにかかる歪率を0より大きく0.4%以下(好ましくは0.27%以下)とする。つまり、引張応力に対して弱い無機層にかかる歪率を0.4%以下(好ましくは0.27%以下)とすることで、フレキシブルパネル内の無機層の破断を抑制することができる。その結果、小さい曲率半径での複数回の繰り返し曲げに耐えられる曲げ耐性を有する表示装置を実現することが可能となる。
[実施の形態2]
図1(B)は、本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図であり、図1(A)と同一部分には同一符号を付す。
図1(B)の表示装置は、図1(A)に示す表示装置に固体封止樹脂31(第5の樹脂層ともいう)及びハードコート層21c(第2のハードコート層ともいう)が加えられたものである。以下に詳細に説明する。
図1(B)の表示装置は樹脂層11(第1の樹脂層)を有し、樹脂層11上には接着樹脂層12b(第4の樹脂層)が形成されている。接着樹脂層12b上には防湿層13a(第1の無機層)が形成されている。即ち、樹脂層11は接着樹脂層12bによって防湿層13aに接着されている。
また、防湿層13a上にはFET等の層13bが形成されている。FET等の層13b上にはEL層13cが形成されている。EL層13c、FET等の層13b及び防湿層13aの上には固体封止樹脂層31が形成されている。つまり、EL層13c及びFET等の層13bは固体封止樹脂層31によって封止されている。固体封止樹脂層31上には防湿層23a(第2の無機層)が形成されている。即ち、EL層13c及びFET等の層13bが防湿層13a,23aによって覆われることで、EL層13c及びFET等の層13bに水分が入り込むのを抑制できる。
また、防湿層23a上には接着樹脂層22bが形成されており、接着樹脂層22b上にはハードコート層21cが形成されている。ハードコート層21c上には樹脂層21a(第2の樹脂層)が形成されており、樹脂層21a上にはハードコート層21b(第1のハードコート層)が形成されている。ハードコート層21cと樹脂層21aとハードコート層21bとを含めてフィルム21という。即ち、防湿層23aは接着樹脂層22bによってハードコート層21cに接着されている。
実施の形態1と同様に、表示装置は折り曲げることができるように構成されている。そして、図1(B)の表示装置を折り曲げる際に防湿層13a及び防湿層23aそれぞれにかかる歪率は0より大きく0.4%以下(好ましくは0.27%以下)である。
本実施の形態においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、固体封止樹脂31(第5の樹脂層)の平均厚さは9μm以下とすることが好ましい。これにより、表示装置の厚さをより薄くすることができる。その結果、表示装置を折り曲げる際に防湿層13a及び防湿層23aそれぞれにかかる歪率をより小さくすることができ、表示装置内の無機層の破断をより抑制することができる。
[実施の形態3]
図2(A)は、本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図であり、図1(B)と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
図2(A)の表示装置は、図1(B)に示す表示装置にカラーフィルター23bが加えられたものである。詳細には、カラーフィルター23bはEL層13cと防湿層23aとの間に位置し、カラーフィルター23bとEL層13cとの間には固体封止樹脂31が配置されている。
本実施の形態においても実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
[実施の形態4]
図2(B)は、本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図であり、図2(A)と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
図2(B)の表示装置は、図2(A)に示す表示装置からハードコート層21cを除去したものである。詳細には、防湿層23a上には接着樹脂層22bが形成されており、接着樹脂層22b上には樹脂層21aが形成されている。樹脂層21a上にはハードコート層21bが形成されている。ハードコート層21bと樹脂層21aとを含めてフィルム21という。即ち、防湿層23aは接着樹脂層22bによって樹脂層21aに接着されている。
本実施の形態においても実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
[実施の形態5]
図3は、本発明の一態様に係る表示装置を概略的に示す断面図であり、図2(A)と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
図3の表示装置は、図2(A)に示す表示装置にハードコート層11b,11cを加えたものである。詳細には、ハードコート層11b(第3のハードコート層ともいう)上には樹脂層11a(第1の樹脂層)が形成されており、樹脂層11a上にはハードコート層11c(第4のハードコート層ともいう)が形成されている。ハードコート層11cと樹脂層11aとハードコート層11bとを含めてフィルム11という。ハードコート層11cは接着樹脂層12bによって防湿層13aに接着されている。
本実施の形態においても実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態1乃至5は、互いに適宜組み合わせて実施することが可能である。
≪繰り返し曲げ試験≫
実施例による表示装置であるフレキシブルパネルが小さい曲率半径での曲げに耐えられる曲げ耐性を有するか否かを試験するために、繰り返し曲げ試験を行った。実施例のフレキシブルパネルには図3に示す実施の形態5のフレキシブルパネルを用いた。このフレキシブルパネルの積層構造は、厚さ23μmのフィルム11、厚さ10μmの樹脂12b、厚さ2μmの防湿層(無機層)13a、厚さ13μmの固体封止樹脂層(樹脂層)31、厚さ1μmの防湿層(無機層)23a、厚さ10μmの接着樹脂層(樹脂層)22b、厚さ23μmのフィルム21を順に積層した構造である。試験の方法は以下のとおりである。
(繰り返し曲げ試験方法)
繰り返し曲げ試験は、図4に示すブック型繰り返し曲げ試験機を用いて行った。このブック型繰り返し曲げ試験機は第1のステージ4を有し、第1のステージ4は回転軸6によって第2のステージ5と連結されている。回転軸6は図示せぬ回転駆動機構に接続されており、この回転駆動機構によって回転軸6は矢印のように180°の回転が可能な構成とされている。第1及び第2のステージ4,5上にフレキシブルパネル1が固定され、第2のステージ5が回転軸6を中心に180°回転されることで、フレキシブルパネル1が曲率半径Rで折り曲げられる。次いで、第2のステージ5が回転軸6を中心に逆方向に180°回転されることで、フレキシブルパネル1の折り曲げが解除され、フレキシブルパネル1が平面形状に戻される。これを繰り返すことで、フレキシブルパネル1の繰り返し曲げ試験が行われる。繰り返し曲げ試験の速度は2秒/回である。なお、曲率半径Rは1mmから5mmまで1mm間隔で調整できるようになっている。
繰り返し曲げ試験には内曲げ試験と外曲げ試験がある。内曲げ試験は、フレキシブルパネルを折り曲げた際に表示面が内側になるように曲げる試験であり、外曲げ試験は、フレキシブルパネルを折り曲げた際に表示面が外側になるように曲げる試験である。
本試験では、実施例のフレキシブルパネルについて曲率半径R=5mm,3mm,2mmそれぞれで繰り返し回数10万回の内曲げ試験と外曲げ試験を行った。
(繰り返し曲げ試験結果)
図5(A−1)は、試験前のフレキシブルパネルの表示面を撮影した写真である。図5(B−1)は、図5(A−1)に示すフレキシブルパネルに曲率半径R=5mmで内曲げ試験を行った直後の写真であり、その試験はパネル中央部分の破線枠内を曲げる形で行われた。
図5(C−1)は、図5(B−1)に示す内曲げ試験が行われたフレキシブルパネルを、温度65℃、湿度95%の雰囲気で100時間曝す保存試験を行った直後の写真である。
図5(B−1),(C−1)に示すように、R=5mmの内曲げ試験ではフレキシブルパネルに不具合は発生しなかった。
図5(A−2)は、試験前のフレキシブルパネルの表示面を撮影した写真である。図5(B−2)は、図5(A−2)に示すフレキシブルパネルに曲率半径R=5mmで外曲げ試験を行った直後の写真であり、その試験はパネル中央部分の破線枠内を曲げる形で行われた。
図5(C−2)は、図5(B−2)に示す外曲げ試験が行われたフレキシブルパネルを、温度65℃、湿度95%の雰囲気で100時間曝す保存試験を行った直後の写真である。
図5(B−2),(C−2)に示すように、R=5mmの外曲げ試験ではフレキシブルパネルに不具合は発生しなかった。
図6(A−1)は、試験前のフレキシブルパネルの表示面を撮影した写真である。図6(B−1)は、図6(A−1)に示すフレキシブルパネルに曲率半径R=3mmで内曲げ試験を行った直後の写真であり、その試験はパネル中央部分の破線枠内を曲げる形で行われた。
図6(C−1)は、図6(B−1)に示す内曲げ試験が行われたフレキシブルパネルを、温度65℃、湿度95%の雰囲気で100時間曝す保存試験を行った直後の写真である。
図6(B−1),(C−1)に示すように、R=3mmの内曲げ試験ではフレキシブルパネルに不具合は発生しなかった。
図6(A−2)は、試験前のフレキシブルパネルの表示面を撮影した写真である。図6(B−2)は、図6(A−2)に示すフレキシブルパネルに曲率半径R=3mmで外曲げ試験を行った直後の写真であり、その試験はパネル中央部分の破線枠内を曲げる形で行われた。
図6(C−2)は、図6(B−2)に示す外曲げ試験が行われたフレキシブルパネルを、温度65℃、湿度95%の雰囲気で100時間曝す保存試験を行った直後の写真である。
図6(B−2),(C−2)に示すように、R=3mmの外曲げ試験ではフレキシブルパネルに不具合は発生しなかった。
図7(A−1)は、試験前のフレキシブルパネルの表示面を撮影した写真である。図7(B−1)は、図7(A−1)に示すフレキシブルパネルに曲率半径R=2mmで内曲げ試験を行った直後の写真であり、その試験はパネル中央部分の破線枠内を曲げる形で行われた。
図7(C−1)は、図7(B−1)に示す内曲げ試験が行われたフレキシブルパネルを、温度65℃、湿度95%の雰囲気で100時間曝す保存試験を行った直後の写真である。
図7(B−1),(C−1)に示すように、R=2mmの内曲げ試験ではフレキシブルパネルに不具合は発生しなかった。
図7(A−2)は、試験前のフレキシブルパネルの表示面を撮影した写真である。図7(B−2)は、図7(A−2)に示すフレキシブルパネルに曲率半径R=2mmで外曲げ試験を行った直後の写真であり、その試験はパネル中央部分の破線枠内を曲げる形で行われた。
図7(B−2)に示すように、R=2mmの外曲げ試験ではフレキシブルパネルにクラックが発生した。なお、図7(B−2)に示すフレキシブルパネルはクラックが発生したため、温度65℃、湿度95%の雰囲気で100時間曝す保存試験を行わなかった。
≪曲げによるフレキシブルパネルへの負荷≫
図8(A)は、フレキシブルパネル1を曲げる前の状態を模式的に示す断面図である。フレキシブルパネル1はフィルム11,21を有し、フィルム11とフィルム21との間には樹脂層、無機層、EL層等の層33が配置されている。
図8(B)は、図8(A)のフレキシブルパネル1を曲げた状態を示す断面図である。
曲げにより、フレキシブルパネル1の外側は矢印34a,34bのように引き伸ばされるため、引張応力が発生し、フレキシブルパネル1の内側は矢印35a,35bのように圧縮されるため、圧縮応力が発生する。また、フレキシブルパネル1の厚さ方向の中心付近、具体的にはフィルム21の表面からの厚さT1の位置には伸びも縮みもしない中立面NPが存在する。中立面NPに掛かる応力はゼロである。中立面NPからの距離に比例して引張及び圧縮の応力は大きくなる。層33中の無機層(防湿層)が中立面NPから離れている場合、その無機層に掛かる応力が大きくなる。無機層は引張応力に弱いため、中立面NPから外側の無機層が中立面NPから離れているほど、その無機層に掛かる引張応力が大きくなり、その結果、無機層にクラックが発生することにつながると予想される。従って、層33中の無機層(防湿層)が中立面NPから離れるほど、フレキシブルパネル内の無機層が破断しやすくなるため、フレキシブルパネルが繰り返し曲げ試験に弱くなると考えられる。
無機層が中立面から遠ざかる要因は2つ考えられる。
(1)フレキシブルパネルの積層構造が非対称であると曲げによる応力のバランスが崩れ、中立面NPが外側か内側のどちらか片側に寄ってしまう。例えば、図9(A)に示すように、中立面NPがフィルム21の表面からの厚さT2に位置するように、中立面NPが内側に寄ってしまう。
(2)図9(B)に示すように、層33中の中立面付近の樹脂層(封止樹脂層など)が厚いほど、フレキシブルパネル1の全体の厚さも厚くなる。そのため、中立面NPがフィルム21の表面からの厚さT3に位置するように、中立面NPから外側のフレキシブルパネル1の厚さも厚くなり、無機層が中立面NPから遠ざかりやすくなる。
≪曲げシミュレーション≫
フレキシブルパネルの外曲げシミュレーションについて説明する。
図10は、本発明の一態様に係るフレキシブルパネルを概略的に示す断面図であり、シミュレーションのために図3(A)の表示装置を簡略化したフレキシブルパネルを示す図である。
(シミュレーション手法と計算結果)
伝熱-構造連成解析ソフトANSYS Mechanical APDLを使用してシミュレーションした。なお、計算簡略化のため「2次元」「曲げ部0.5mmの範囲のみ」「線形弾性領域」で実際のフレキシブルパネルを簡略化した図10に示すモデルを構築した。
図10の表示装置はフィルム11を有し、フィルム11上には樹脂12が形成されている。樹脂層12上にはFET側無機層13が形成されており、FET側無機層13上にはEL層、樹脂層、CF(カラーフィルター)を順に積層した積層膜32が形成されている。この積層膜32上にはCF側無機層23が形成されており、CF側無機層23上には樹脂層22が形成されている。樹脂層22上にはフィルム21が形成されている。
計算で折り曲げ状況を再現するために、図10に示すようにモデル中央上下を拘束し、フィルム21の表面両端に力を印加するように設定した。両端に下向きの力を加えることで外曲げ(パネル表示面が外側)を表現した。さらに、シミュレーションの実施にあたり、フレキシブルパネルの積層構造については、図11に示す積層構造を仮定した。この積層構造は、厚さ23μmのフィルム11、厚さ10μmの樹脂12、厚さ2μmのFET側無機層13、厚さ13μmの積層膜32、厚さ1μmのCF側無機層23、厚さ10μmの樹脂層22、厚さ23μmのフィルム21を順に積層した構造である。なお、積層膜32の構造は、有機層間膜、EL層、樹脂層、CFを順に積層した構造である。また、計算に当たって各層の物性値と計算条件の設定値を使用した。計算条件の設定値は表1に示す。
図11の構造モデルにおいて曲率半径R=2mmで外曲げした場合の応力分布の計算結果を図12に示す。図12(A)は、図10に示すフレキシブルパネルの中央上下を拘束し、フィルム21の表面両端に力を印加することでフレキシブルパネルを曲げた状態を示す図であり、図12(B)は、図12(A)に示す破線で囲まれた領域を拡大した図である。図12(C)に示すように、グレースケールはマイナスが圧縮応力で、プラスが引張応力である。図12(B)の曲げ部のみを拡大した図を見ると、全体として曲げ内側では圧縮応力が、曲げ外側では引張応力が発生していることが分かる。また、特にFET側無機層13及びCF側無機層23といった無機層では大きな曲げ応力が発生していることが分かる。これは無機層が有機層と比較して大きなヤング率を有することに起因している。
折り曲げによって生じる応力は、ヤング率と中立面からの距離に比例し、曲率半径に反比例する。図12の計算モデルで中立面の位置を算出した。その結果を図13に示す。中立面101とCF側無機層23との距離は約10μmであり、中立面101とFET側無機層13との距離は約6μmであるので、中立面101と無機層との距離はCF側とFET側で偏っている。FET側無機層13は、ゲート絶縁膜等を含むため、CF側無機層23よりも厚い。従って、中立面101がFET側無機層13に寄り、その結果、中立面101からの距離が大きいCF側無機層23(防湿層)の方が曲げ応力が強くかかるため割れやすいと考えられる。この中立面101の計算結果は外曲げに対する耐性が低い実験結果(図7参照)と一致する傾向を示した。
フレキシブルパネルの繰り返し曲げ試験で観察される不良の多くは、外曲げ時のCF側無機層(防湿層)23が破断したことによるものである。そこで、図14に示すように、有機層間膜、EL層、樹脂層、CFを順に積層した積層膜32の膜厚32aを、積層膜32中の樹脂層の厚さを変えることで変化させ、その際にCF側無機層(防湿層)23に発生する応力を計算した。この応力は、積層膜32中の樹脂層(封止樹脂層)の厚さに依存してCF側無機層23に発生する応力である。積層膜32の膜厚32aは、封止樹脂層の厚さに有機層間膜とEL層とCFの厚さの合計に相当する厚さ2μmを加えた厚さである。図14の構造モデルはあくまでも計算に使用した一例であって、他の構造モデル、例えばCFが省略された構造(図1(B))であっても良い。さらに、積層膜32中の樹脂層及びCFが省略され、CF側無機層23がEL層上に直接成膜されているような構造(図1(A))でもよい。その場合は、EL層上に直接成膜された無機層23に生じる歪率を議論する必要がある。
上記の積層膜32中の有機層間膜とEL層とCFの厚さの和を2μmとし、樹脂層(封止樹脂層)の厚さを4μmから11μmまで変化させ、その変化させた各膜厚32aでの外曲げの曲率半径がR= 2、3、5mmの時にCF側無機層23に発生する応力の関係を計算した結果を図15に示す。図15において、横軸は積層膜32の膜厚32a(μm)であり、縦軸はCF側無機層(防湿層)23に発生する最大応力(MPa)である。なお、例えば、有機層間膜の厚さは1μm未満であり、CFの厚さは1μm程度であり、EL層の厚さは有機層間膜やCFに比べて十分薄く、例えば0.3μm程度であることから、これらの厚さの和を2μmに相当するとした。
図15によれば、CF側無機層23に発生する外曲げの最大応力は、積層膜の膜厚(μm)と線形関係にあることが分かる。また、曲率半径Rが小さくなるほど積層膜32の膜厚の変化に対して敏感となり、傾きが大きくなることが分かる。
≪繰り返し曲げ試験≫
(実施例のフレキシブルパネルの樹脂層厚測定結果)
計算結果と実験結果(曲げ試験の合否)との整合性を確認するために、繰り返し曲げ試験を実施するフレキシブルパネルの樹脂層(封止樹脂層)の厚さを調査した。そのフレキシブルパネルの断面STEM観察により樹脂層の厚さを測定した。図16に断面STEM像の一例を示す。膜厚測定箇所32bは防湿層23/CF(G)界面と有機層(樹脂層)間/無機層13間界面との距離を3点測定し、3点の平均値を樹脂層の厚さとした。この方法で図17に示すフレキシブルパネルの表示領域の9点(P1乃至P9)の樹脂層の厚さを測定した。その結果、パネル表示領域の9点の樹脂層の平均厚さは9μm±18%だった。±18%は、9点の樹脂層の厚さが全て平均厚さの±18%の範囲内に含まれていたことを示す。
(繰り返し曲げ試験方法)
図16に示すフレキシブルパネルと同じ条件で作製したフレキシブルパネルについて、図4に示すブック型繰り返し曲げ試験機を用いて曲率半径R=2mmで繰り返し回数5万回、7.5万回、10万回の外曲げ試験と内曲げ試験を行った。
(繰り返し曲げ試験結果)
図18(A−1)は、試験前のフレキシブルパネルの表示面を撮影した写真である。図18(A−2)は、図18(A−1)に示すフレキシブルパネルに曲率半径R=2mmで繰り返し回数7.5万回の外曲げ試験を行った直後の写真であり、その試験はパネル中央部分の破線枠内を曲げる形で行われた。図18(A−2)に示すように曲げ部で表示不良が発生した。
図18(A−3)は、図18(A−2)に示す外曲げ試験が行われたフレキシブルパネルを、温度65℃、湿度95%の雰囲気で100時間曝す保存試験を行った直後の写真である。図18(A−3)に示すように曲げ部で表示不良が発生した。なお、曲率半径R=2mmで繰り返し回数5万回の外曲げ試験では、外曲げ試験直後及び保存試験直後ともに表示不良は発生しなかった。
図18(B−1)は、試験前のフレキシブルパネルの表示面を撮影した写真である。図18(B−2)は、図18(B−1)に示すフレキシブルパネルに曲率半径R=2mmで繰り返し回数10万回の内曲げ試験を行った直後の写真であり、その試験はパネル中央部分の破線枠内を曲げる形で行われた。
図18(B−3)は、図18(B−2)に示す内曲げ試験が行われたフレキシブルパネルを、温度65℃、湿度95%の雰囲気で100時間曝す保存試験を行った直後の写真である。
図18(B−2),(B−3)に示すように、R=2mmの内曲げ試験ではフレキシブルパネルに表示不良は発生しなかった。なお、曲率半径R=2mmで繰り返し回数5万回、7.5万回の内曲げ試験では、内曲げ試験直後及び保存試験直後ともに表示不良は発生しなかった。
表2に積層膜の厚さの違いによる繰り返し曲げ試験結果と樹脂層厚測定結果をまとめる。積層膜の厚さが13μmでは外曲げR=3mm、R=5mmにおいて10万回の繰り返し曲げ試験をクリアできている(図5,6参照)。一方積層膜の厚さが約8μm以上9.5μm以下の範囲(平均9μm)では、5万回繰り返し外曲げ試験はクリアしたが、7.5万回繰り返し外曲げ試験はNGであった。
(繰り返し曲げ試験結果と計算結果との比較)
表2の繰り返し曲げ試験結果を図15に反映させたグラフを図19に示す。つまり、図19は、図14に示す積層膜の膜厚32aとCF側無機層23に生じる曲げ応力の関係(計算結果)に表2の繰り返し曲げ試験結果を反映させた図である。図19において、横軸は積層膜32の膜厚32a(μm)であり、縦軸はCF側無機層(防湿層)23に発生する最大応力(MPa)である。なお、図19に示す膜厚範囲36は、図16に示すフレキシブルパネルの表示領域において測定された積層膜の膜厚(封止樹脂層の厚さ+2μm)から異常値を除いたあとのばらつきを示す範囲である。
また、図19に示す積層膜の膜厚が13μmの外曲げR=3mm、R=5mmでは、10万回の繰り返し曲げ試験をクリアしている。図19に示す外曲げR=2mmでは、外曲げR=3mm、R=5mmより全ての膜厚でCF側無機層23に大きな応力が発生している。例えば、外曲げR=3mmの繰り返し曲げ試験をクリアした厚さ13μmの積層膜を備えた試料においては、およそ300MPaの応力が発生していると見積もられる。そのため、外曲げR=2mmで10万回の繰り返し曲げ試験をクリアするには、発生する応力がおよそ300MPa以下になるように図14に示す積層膜の膜厚32aを7μm以下(好ましくは6μm以下)にすることが考えられる。
≪歪率の算出≫
歪率は有限要素法のシミュレーションにフレキシブルパネルの各層の物性値を入力し、パネルの折り曲げを再現することによって算出した。ここでは伝熱-構造連成解析ソフト「ANSYS Mechanical APDL」を使用した。シミュレーションモデルは、図20(A)に示すように、フレキシブルパネル1を折り曲げる軸102に対して直交する面でパネルの断面を切り、図20(B)に示すパネルの断面で積層構造を表現した2次元モデルとした。図20(A)はフレキシブルパネル1を折り曲げた状態を示す斜視図であり、図20(B)はフレキシブルパネル1を折り曲げる前のパネル断面図である。
シミュレーションモデルでは、パネル全体ではなく、幅0.5mmの領域のみを対象とした。線形弾性領域のみを仮定し、塑性変形は計算に含めなかった。なお、シミュレーションの詳細については、≪曲げシミュレーション≫の欄で記載した。
シミュレーションにおいて、折り曲げの曲率半径は、モデルの左右端にかける力の大きさにより制御した。初めに、任意の力をかけて曲げシミュレーションを実施した後、図21のように、折り曲げ後のモデル下辺の両端・中央の3点の座標をシミュレーションソフトに算出させて取得し、この3点が描く円弧の半径を求めた。詳細には、この3点から等しい距離に存在する中心点103を、表計算ソフトExcelのソルバー機能を用いて算出させた。得られた中心点103から各3点の距離が折り曲げの曲率半径Rとなる。
所望の曲率半径とするため、左右端にかける力の大きさを調整し、シミュレーションを実施して曲率半径を再度算出し、曲率半径が狙いの値となるまでこれを繰り返した。
所望の曲率半径となる荷重がわかったところで、計算後のモデルに生じる歪率の大きさを表示させた。歪率εは下記(式1)によって算出される。
歪率ε=λ(変形量)/L(元の長さ) ・・・(式1)
つまり、パネルの折り曲げにおいて実際に破断が生じるのは無機層であることから、モデルの中の無機層〜無機層の範囲に限定した中で、無機層の曲率半径Rを図21に示す方法で求め、その曲率半径Rから無機層の変形量λを求めた。無機層の元の長さLは、シミュレーションモデルの対象である幅0.5mmである。無機層のλ及びLを上記(式1)に代入することで、最大の歪率εを算出させた。
具体的には、表2に示すように、積層膜32の厚さが9μmのフレキシブルパネルを曲率半径R=2mmで5万回折り曲げても、CF側無機層(防湿層)23は破断しなかった。この結果をもとに上記の歪率の算出方法により、積層膜32の厚さが9μmのモデルにて改めてシミュレーションを行い、R=2mmの時のCF側無機層(防湿層)23の歪率を算出すると0.40%となった。従って、無機層の歪率が0.4%を超えないように、フレキシブルパネルの積層構造あるいは曲率半径を設定すると5万回の曲げ試験に耐える。
また、同様に積層膜32の厚さが9μmのモデルにて曲率半径R=3mm、R=5mmでフレキシブルパネルを折り曲げた場合の歪率を算出すると、曲率半径R=3mmでの歪率は0.27%となり、曲率半径R=5mmでの歪率は0.16%となった。つまり、曲率半径R=3mmでフレキシブルパネルを折り曲げた場合の歪率が0.27%を超えないようにすれば10万回の曲げ試験に耐える。
また、CF側無機層の破断歪率を実測した結果は、0.95%であった。この結果と上記の結果を図22に示す。図22において、曲率半径R=2mm、R=3mm、R=5mmの歪率は曲げシミュレーションでの歪率を示す。鉄鋼材料における引張り強さと疲労限度の比:0.33以上0.59以下(日本機械学会編、機械実用便覧より)を参考にすると、無機層の破断歪率に0.33以上0.59以下を乗じた値を疲労限度の歪率と考えられる。曲げシミュレーションにより求められたR=2mm、R=3mmでのCF側無機層(防湿層)の歪率の値と疲労限度の歪率を比較すると、R=2mmの歪率は疲労限度の歪率範囲内に含まれてくるが、R=3mmの歪率は下限以下の値であり、実際の繰り返し曲げ試験5万回の結果がR=2mm、3mmでOKという結果に対応している。以上のことから、無機層の歪率を0より大きく0.95%以下、好ましくは0.4%以下、さらに好ましくは0.27%以下に構造設計するとよい。
つまり、CF側無機層(防湿層)23及びFET側無機層13それぞれに歪率が0より大きく0.4%かかるように、フレキシブルパネルを5万回繰り返し折り曲げる試験を行った場合でも、表示不良が発生しないといえる。
1 フレキシブルパネル
4 第1のステージ
5 第2のステージ
6 回転軸
11 フィルム,樹脂層(第1の樹脂層)
11a 樹脂層(第1の樹脂層)
11b ハードコート層(第3のハードコート層)
11c ハードコート層(第4のハードコート層)
12 樹脂
12b 接着樹脂層(第4の樹脂層)
13 FET側無機層
13a 防湿層(第1の無機層)
13b FET等の層
13c EL層
21 フィルム
21a 樹脂層(第2の樹脂層)
21b ハードコート層(第1のハードコート層)
21c ハードコート層(第2のハードコート層)
22 樹脂層
22b 接着樹脂層(第3の樹脂層)
23 CF側無機層(防湿層)
23a 防湿層(第2の無機層)
23b カラーフィルター
31 固体封止樹脂層(第5の樹脂層)
32 EL層、樹脂層、CFを順に積層した積層膜
32a 積層膜の膜厚
32b 膜厚測定箇所
33 樹脂層、無機層、EL層等の層
34a,34b,35a,35b 矢印
36 膜厚範囲
101 中立面
102 折り曲げる軸
103 中心点

Claims (10)

  1. 第1の樹脂層と、
    前記第1の樹脂層上に位置する第1の無機層と、
    前記第1の無機層上に位置するEL層と、
    前記EL層上に位置する第2の無機層と、
    前記第2の無機層上に位置する第2の樹脂層と、
    を具備し、
    前記第1の樹脂層、前記第1の無機層、前記EL層、前記第2の樹脂層及び前記第2の無機層は折り曲げることができるように構成されており、
    前記折り曲げる際に前記第1の無機層及び前記第2の無機層それぞれにかかる歪率が0.4%以下であることを特徴とする表示装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の無機層及び前記第2の無機層それぞれは、金属酸化物、金属窒化物、SiとOの化合物またはSiとNの化合物を含むことを特徴とする表示装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記第2の樹脂層上に第1のハードコート層が位置することを特徴とする表示装置。
  4. 請求項3において、
    前記第2の無機層と前記第2の樹脂層との間に位置する第3の樹脂層と、
    前記第3の樹脂層と前記第2の樹脂層との間に位置する第2のハードコート層と、
    を有することを特徴とする表示装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記第1の樹脂層下に第3のハードコート層が位置することを特徴とする表示装置。
  6. 請求項5において、
    前記第1の無機層と前記第1の樹脂層との間に位置する第4の樹脂層と、
    前記第4の樹脂層と前記第1の樹脂層との間に位置する第4のハードコート層と、
    を有することを特徴とする表示装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項において、
    前記EL層と前記第2の無機層との間に第5の樹脂層が位置することを特徴とする表示装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項において、
    前記EL層と前記第2の無機層との間にカラーフィルターが位置することを特徴とする表示装置。
  9. 請求項7において、
    前記第5の樹脂層の平均厚さの上限は9μm以下であることを特徴とする表示装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項において、
    前記第1の無機層及び前記第2の無機層それぞれに歪率が0.4%かかるように、前記第1の樹脂層、前記第1の無機層、前記EL層、前記第2の樹脂層及び前記第2の無機層を5万回繰り返し折り曲げる試験を行った場合、表示不良が発生しないことを特徴とする表示装置。
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