JP2020064039A - 時計ケースおよび時計 - Google Patents

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幸樹 ▲高▼澤
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Abstract

【課題】Oリングなどの樹脂製部材で構成された防水リングを不要にできる時計ケースを提供する。【解決手段】時計ケース20は、金属ガラスで構成されたケース本体21と、ケース本体と一体で形成され、可撓性を有するボタン部41と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、時計ケースおよび時計に関する。
特許文献1には、時計ケースの側面に貫通孔を設け、この貫通孔内に筒状部材を配置し、筒状部材内にボタンの軸部を挿入したスイッチ装置が開示されている。このスイッチ装置は、時計ケースの防水性を確保するため、ボタンの軸部の外周に複数の防水リングを設け、筒状部材と軸部との間を防水している。
特開2017−78654号公報
特許文献1の防水構造では、防水リングは、Oリングなどの樹脂製部材で構成されるため、経年劣化が生じる。このため、防水リングの経年劣化に対して防水性を維持するためには、防水リングの交換が必要であった。
本開示の時計ケースは、金属ガラスで構成されたケース本体と、前記ケース本体と一体で形成され、可撓性を有するボタン部と、を備える。
本開示の時計ケースにおいて、前記金属ガラスは、弾性率が30GPa以上140GPa以下、弾性限が2%以上20%以下であることが好ましい。
本開示の時計ケースにおいて、前記ケース本体には、内周面から凹んだ凹部が形成され、前記凹部には、前記ボタン部の操作に連動して移動するボタン軸部が配置されていてもよい。
本開示の時計ケースにおいて、前記凹部の内周面に取り付けられ、前記ボタン軸部をガイドするガイドパイプと、前記ガイドパイプおよび前記ボタン軸部間に配置されて、前記ガイドパイプに対して前記ボタン軸部を前記ボタン部側に付勢する戻しバネと、を備えていてもよい。
本開示の時計ケースにおいて、前記ケース本体には、内周面から凹んだ凹部が形成され、前記ボタン部は、前記凹部内に配置されるボタン軸部が一体に形成されていてもよい。
本開示の時計ケースにおいて、前記ケース本体には、前記ボタン軸部をガイドするガイド部材が設けられていてもよい。
本開示の時計ケースにおいて、前記ボタン部は、前記ケース本体の外周面から凹んだ形状に形成されていてもよい。
本開示の時計は、金属ガラスで構成されたケース本体、および、前記ケース本体と一体で形成されて可撓性を有するボタン部を備える時計ケースと、前記ボタン部の動作により動作機能が選択され、前記時計ケース内に収納されるムーブメントと、を備える。
本開示の時計において、前記ケース本体には、内周面から凹んだ凹部が形成され、前記凹部には、前記ボタン部の操作に連動して移動するボタン軸部が配置され、前記ボタン軸部は、前記時計ケースまたは前記ムーブメントに設けられていてもよい。
本開示の時計において、前記ケース本体と前記ムーブメントとの間に配置され、前記ムーブメントを前記ケース本体に固定する中枠を備え、前記中枠には、前記ケース本体側と前記ムーブメント側とを連通する連通部が形成され、前記連通部には、前記ボタン部の操作に連動して移動するボタン軸部が配置されていてもよい。
本開示の時計において、前記ボタン部は、前記ケース本体の外周面から凹んだ形状に形成されていてもよい。
本開示の時計は、金属ガラスで構成されたケース本体、および、前記ケース本体と一体で形成され作用する圧力に応じて変形するダイアフラム部を備える時計ケースと、前記ダイアフラム部に作用する圧力を検出する検出部と、を備える。
第1実施形態の時計を示す概略斜視図である。 第1実施形態の時計ケースの要部を示す断面図である。 第2実施形態の時計ケースの要部を示す断面図である。 第2実施形態の変形例の要部を示す断面図である。 第3実施形態の時計ケースの要部を示す断面図である。 第4実施形態の時計ケースの要部を示す断面図である。 第5実施形態の時計ケースの要部を示す断面図である。 第6実施形態の時計ケースの要部を示す断面図である。 変形例の時計を示す概略斜視図である。
[第1実施形態]
第1実施形態の時計1について、図1、2を参照して説明する。時計1は、時計用外装部品10を備え、時計用外装部品10は、時計ケース20と、時計バンド30とを有する。
時計ケース20は、ムーブメント25を収納するケースである。時計ケース20内に収納されるムーブメント25は、水晶振動子、電池、モーター、輪列、指針などを備える水晶式ムーブメントでもよいし、ぜんまい、がんき車、アンクル、輪列、指針などを備える機械式ムーブメントでもよい。さらに、時計ケース20には、指針を備えないデジタル表示装置を収納してもよい。
時計ケース20は、略リング状に形成されたケース本体21を備え、弾性率が30GPa以上140GPa以下、弾性限が2%以上20%以下の金属ガラスで一体に構成されている。
時計バンド30は、時計ケース20とは別体に構成され、時計ケース20の12時側に取り付けられる第1バンド31と、時計ケース20の6時側に取り付けられる第2バンド32とを備えている。
したがって、時計用外装部品10は、ケース本体21と、ケース本体21とは別体の第1バンド31および第2バンド32とを備えて構成されている。
時計ケース20を構成する金属ガラスとしては、Pt、Au、Ti、Mg、Pd、Zrをベースにした金属ガラスを利用できる。具体的には、Zr55Al10Ni5Cu30、Mg65Cu25Al10、Pt60Cu18P22、Au65Cu15.5Ag7.5Si17、Ti43Zr2Hf5Cu42Ni7Si1(atm%)を組成とする金属ガラスを利用できる。
時計ケース20を構成する金属ガラスの材料特性を例示すると、前述のとおり、弾性率が30GPa以上140GPa以下、弾性限が2%以上20%以下の特性を有することが好ましい。また、金属ガラスは、硬度がHv300以上Hv500以下の範囲の特性を有することが好ましい。さらに、時計ケース20の厚さ寸法は、時計ケース20が必要とする強度等に応じて設定される。すなわち、時計ケース20は、ムーブメント25を収納して保持できる強度を確保できる厚さ寸法に設定されている。
金属ガラス製の時計ケース20において、弾性率が30GPaを下回った場合、時計ケース20が弾性変形しやすくなり、時計ケース20の厚さ寸法を大きくする必要があり、重量が増大する。また、弾性率が140GPaを上回った場合、後述するボタン部41の可撓性が低下し、ボタン部41が変形し難くなる。このため、時計ケース20を構成する金属ガラスの弾性率は30GPa以上140GPa以下であることが好ましい。
時計ケース20を構成する金属ガラスの弾性限が2%を下回った場合は、結晶性金属と同様に、使用中に時計ケース20に力が加わった場合などに時計ケース20が破損する可能性がある。また、時計ケース20に大きな力が加わって変形した場合、塑性変形が生じ、元に戻らない場合がある。
弾性限が20%を上回った場合は、弾性域が大きくなり鍛造、プレスなどの塑性加工を行うことが困難になる。例えば、通常の結晶金属と同じように押し込んでもスプリングバックで元の形状に戻り、加工負荷が上がることに加えて、塑性加工による寸法精度も出なくなる。
一方、弾性限が2%以上20%以下であれば、時計ケース20の使用中の破損や変形が生じにくくなり、かつ、成形加工時の負荷の増加や寸法精度の低下などを防止できる。
時計ケース20の硬度がHv300を下回った場合、使用中に時計ケース20が傷つきやすい。硬度がHv500を上回った場合、時計ケース20の加工が困難となり、加飾性が低下する。このため、時計ケース20に施すことができる加飾要素が制限される。
一方、硬度がHv300以上Hv500以下であれば、時計ケース20が傷つくことを防止でき、かつ、加飾性を向上できて加飾要素の制限も少なくできる。
金属ガラス製の時計ケース20は、金型を用いた成形加工により成形できる。金型を用いた成形加工としては、射出成形加工および鋳造加工と、過冷却液体状態を用いた加工方法とが利用できる。過冷却液体状態を用いた加工方法としては、鍛造加工、引き抜き成形加工、押出し成形加工、プレス加工等が挙げられる。金属ガラスは高転写性を有するため、時計ケース20を加工成形する際に、時計ケース表面の装飾等も金型に形成しておくことで、表面加飾も同時に加工できる。さらに、金属ガラス製の時計ケース20は、3Dプリンターによって成形することもできる。
図2に示すように、時計ケース20のケース本体21内には、文字板22と、ムーブメント25とが配置される。また、ケース本体21の表面側の開口には、カバーガラス23が取り付けられ、ケース本体21の裏面側の開口には、裏蓋24が取り付けられる。
ムーブメント25には、後述する操作ボタン40で操作されるスイッチバネ26と、スイッチバネ26が接触することで、ボタン入力を検出する検出電極27とが設けられている。
時計1を組み立てる場合、ケース本体21にカバーガラス23を取り付けておき、裏面側の開口からケース本体21内に、文字板22およびムーブメント25を挿入し、裏蓋24を取り付けることで時計1が完成する。
時計バンド30は、図1に示すように、第1バンド31および第2バンド32を備える。第1バンド31および第2バンド32は、それぞれが金属ガラスで構成された単一の部品で構成されている。第1バンド31および第2バンド32を構成する金属ガラスは、時計ケース20を構成する金属ガラスと同様のものが利用できる。ただし、第1バンド31および第2バンド32は、利用者の手首に装着する際に手首に沿ってしなやかに変形することが好ましいため、弾性率の上限は時計ケース20に用いられる金属ガラスに比べて低く設定されている。このため、第1バンド31用および第2バンド32用の金属ガラスは、弾性率が30GPa以上70GPa以下のものが用いられている。第1バンド31用および第2バンド32用の金属ガラスのその他の特性、例えば、弾性限や硬度は、時計ケース20用の金属ガラスと同様である。
第1バンド31および第2バンド32は、各バンド31、32の長手方向に沿って湾曲されている。すなわち、第1バンド31および第2バンド32は、時計ケース20に取り付けられる基端部311、321と、基端部311、321の反対側の端部である先端部312、322と、基端部311、321および先端部312、322間に設けられる中間部313、323とを有する。中間部313、323は、基端部311、321から先端部312、322に向かって湾曲して形成されている。
このため、時計ケース20と、第1バンド31および第2バンド32とは、図1に示すように、時計1を側面から見た際に、略C字状となるように形成されている。
この際、第1バンド31および第2バンド32の長さ寸法は、女性や子供のように手首が細いユーザーが時計バンド30を装着した場合でも、第1バンド31および第2バンド32が撓んで広がり、先端部312、322間に隙間が生じるように設定されている。このため、手首が太いユーザーが時計バンド30を装着した場合は、各バンド31、32がさらに撓んで広がり、先端部312、322間の隙間も広くなる。このように装着時に第1バンド31および第2バンド32が手首に沿って弾性変形して撓み、元の形状に戻ろうとする弾性力で第1バンド31および第2バンド32は手首に密着し、時計1は安定して手首に装着される。
なお、第1バンド31および第2バンド32の基端部311、321には、図示を略すが、バネ棒が挿通される貫通孔が形成されている。このため、第1バンド31および第2バンド32は、時計ケース20に形成されたカン29にバネ棒を用いて装着でき、金属駒バンド、革バンド、樹脂バンド等と同様のバンド連結構造を採用できる。
次に、時計ケース20に設けられる操作ボタン40の構造について、図1、2を参照して説明する。図1に示すように、操作ボタン40は、時計ケース20において、文字板22の略10時方向の位置に設けられている。ただし、操作ボタン40は、時計ケース20の略2時、4時、8時などの他の位置に設けてもよいし、複数の位置に設けてもよい。
操作ボタン40は、図2に示すように、ケース本体21に一体に形成されるボタン部41と、ケース本体21内に配置されたボタンユニット50とを備えて構成される。
ボタン部41は、時計ケース20のケース本体21に一体に形成され、かつ、可撓性を有する構造とされている。すなわち、ボタン部41は、金属ガラス製のケース本体21と一体に成形され、かつ、可撓性を持たせるために、ケース本体21に比べて厚さ寸法が小さい薄肉状に形成されている。
ボタン部41は、図1、2に示すように、ケース本体21の側面から突出する略円錐台状に形成されている。すなわち、ボタン部41は、ケース本体21に連続する側面部42と、側面部42に連続する略円板状の上面部43とを備える。このため、時計1の利用者が上面部43を押すと、側面部42が弾性変形し、上面部43はケース本体21の内部に向かって移動する。なお、上面部43の厚さを側面部42より厚くすることでボタン部41の剛性が増加し、クリック感や操作感を明確に感じることができる。
ケース本体21には、ケース本体21の内周面から凹んだ凹部210が形成されている。
凹部210内には、ボタン部41に連動して移動するボタンユニット50が搭載されている。ボタンユニット50は、ガイドパイプ51と、ボタン軸部材52と、戻しバネ53とで構成されている。
ガイドパイプ51は、略円筒状の側面部511と、側面部511の一端側に連続して形成される底面部512とを備える。ガイドパイプ51の底面部512の中心には貫通孔513が形成されている。このガイドパイプ51は、凹部210に圧入して固定したり、接着剤などを用いて凹部210の内周面に取り付けることもできる。ただし、本実施形態では、ガイドパイプ51の側面部511に雄ねじを形成し、この雄ねじを凹部210の内周面に形成した雌ねじにねじ込むことで、ガイドパイプ51を凹部210に取り付けている。
ボタン軸部材52は、ガイドパイプ51の側面部511で案内されるガイド部521と、ガイド部521に比べて小径とされ、前記貫通孔513に挿通される軸部522とを備え、ガイドパイプ51内を軸方向に移動可能に配置されている。なお、ボタン軸部材52は、本開示のボタン軸部の一例である。
戻しバネ53は、ガイドパイプ51内において、ガイドパイプ51の底面部512と、ボタン軸部材52のガイド部521との間に配置されたコイルバネで構成されている。戻しバネ53は、ガイドパイプ51に対して、ボタン軸部材52を、ボタン部41の上面部43に向かう方向に付勢している。このため、ボタン軸部材52はボタン部41の上面部43に当接して設けられている。
ボタン軸部材52の軸部522は、ムーブメント25に設けられるスイッチバネ26に対向して設けられている。また、ボタン部41が押されていない状態では、ボタン軸部材52は戻しバネ53でボタン部41側に付勢され、軸部522およびスイッチバネ26間には所定寸法の隙間が設けられている。この隙間の寸法は、ボタン部41を押した際にボタン軸部材52が移動可能な移動量よりも小さく設定されている。
時計1の利用者が、時計ケース20のボタン部41を押すと、上面部43に当接しているボタン軸部材52に戻しバネ53の付勢力よりも大きな力が加わり、ボタン軸部材52はスイッチバネ26に向かって移動する。そして、ボタン軸部材52が前記隙間の寸法以上移動すると、軸部522がスイッチバネ26に当接する。このため、スイッチバネ26もムーブメント25の内部側に移動し、ムーブメント25に設けられた検出電極27に接触し、時計1に設けられた制御装置は、ボタン部41が押されたことを検出できる。すなわち、ムーブメント25は、ボタン部41の動作により動作機能が選択されるよう構成されている。具体的には、ムーブメント25は、ボタン部41が押されたことを検出した時間や回数によって、時刻修正や時間計測等の動作機能が選択されるよう構成されている。
時計1の利用者によるボタン部41を押す動作が解除されると、ボタン軸部材52は戻しバネ53の付勢力でスイッチバネ26から離れる方向に移動する。このため、スイッチバネ26は検出電極27から離れ、時計1の制御装置は、ボタン部41の押し操作が解除されたことを検出できる。
また、戻しバネ53は、ボタン軸部材52を介して、ボタン部41の上面部43を時計ケース20の外側に移動させ、ボタン部41は、時計ケース20から突出する元の状態に戻る。
[第1実施形態の効果]
時計ケース20のケース本体21に、可撓性を有するボタン部41を一体に形成している。そして、ケース本体21の内周面から凹んで形成される凹部210にボタンユニット50が配置されているので、ボタン部41から凹部210を介して水が浸入することを防止できる。このため、従来のように、Oリングなどの防水リングを設ける必要が無く、経年劣化で防水リングを交換する必要も無く、防水性を確保できる。
また、時計ケース20は、金属ガラスで一体に形成されたケース本体21およびボタン部41で構成されているので、時計ケース20の外観の統一感を向上でき、時計1の意匠も向上できる。その上、時計1は、金属ガラスで形成された時計ケース20と、時計バンド30とで構成されているので、時計1全体の外観の統一感も向上でき、時計1の意匠をさらに向上できる。
ボタン部41は、ケース本体21と一体の金属ガラスで形成し、金属ガラスは、強度が高いため、側面部42の薄肉化が可能となり、ボタン部41の可撓性を容易に確保できる。また、金属ガラスは、30GPa以上140GPa以下と低弾性率であるため、上面部43を押した際に、側面部42はしなやかに弾性変形し、上面部43の移動量および戻り量も大きくでき、可撓性を有するボタン部41を容易に構成できる。
操作ボタン40を、ボタン部41と、ボタン軸部材52を有するボタンユニット50とで構成したので、時計ケース20のサイズが異なる場合でも容易に対応できる。すなわち、男性用や女性用などのケースサイズが異なる時計ケース20内に、同じ種類のムーブメント25を収納した場合、ボタン部41からスイッチバネ26までの長さが異なる。このような場合でも、ボタンユニット50を交換することで対応できる。特に、軸部522の長さ寸法が異なる複数種類のボタン軸部材52を用意すれば、ガイドパイプ51や戻しバネ53は共通化できるので、低コストで様々なサイズの時計ケース20に対応できる。
ボタン部41およびスイッチバネ26間にボタンユニット50を配置しているので、ボタン部41の上面部43の厚さ寸法を側面部42に合わせて小さくできる。このため、ボタン部41の加工成形が容易となり、ケース本体21を容易に製造できる。
ボタンユニット50は、ボタン軸部材52をボタン部41側に付勢する戻しバネ53を備え、ボタン部41が押されていない初期状態では、軸部522とスイッチバネ26との間に所定寸法の隙間が確保されるように設定した。このため、ボタンユニット50を凹部210内に組み込んだ状態で、ムーブメント25をケース本体21内に挿入する際に、ボタンユニット50とスイッチバネ26とが干渉することを防止できる。したがって、ケース本体21内にムーブメント25を容易に配置でき、時計1の生産性を向上できる。
時計バンド30を構成する第1バンド31および第2バンド32を、それぞれ金属ガラスで構成された単一の部品で形成しているので、金属駒タイプのバンドに比べて、フィット感を向上できる。すなわち、金属駒で構成されるバンドは、各駒の連結部分のみで折れ曲がるため、手首と時計バンドの各金属駒との間に隙間が生じやすく、手首に装着した際のフィット感に限界がある。これに対し、本実施形態の第1バンド31および第2バンド32は、30GPa以上70GPa以下の低弾性率の金属ガラスを用いているため、手首に時計1を装着した際に手首に沿ってしなやかに弾性変形し、フィット感を向上できる。さらに、金属駒バンドでは、金属駒の連結作業が必要であるため、生産性を向上することが難しいが、第1バンド31および第2バンド32はそれぞれ単一の部品であるため、金属駒バンドに比べて生産性を容易に向上できる。
第1バンド31および第2バンド32は、金属ガラスで構成されるため、革バンドや樹脂バンドに比べて耐久性、防水性を向上でき、金属感も得られる。
また、金属ガラスは、結晶性合金に比べても硬度を向上できるため、傷が付きにくい。このため、傷によって時計ケース20や時計バンド30の外観を損なうことも防止できる。例えば、Pt合金の硬度は、Hv50以上Hv100以下であるのに対し、Ptをベースにした金属ガラスの硬度は、Hv400以上Hv500以下である。このため、金属ガラス製の時計ケース20や時計バンド30の硬度はHv300以上Hv500以下と高いレベルに設定でき、弾性限も2%以上であるため、傷が付きにくく、使用中の破損や塑性変形も生じにくく、壊れにくい高強度の時計ケース20や時計バンド30を提供できる。
時計ケース20や時計バンド30は、金属ガラスの金型加工成形で製造できるため、装飾性に優れた時計ケースやバンドを形成できる。特に、金属ガラスは高転写性を有するため、金型に装飾用の模様を形成しておくことで、時計ケース20や時計バンド30の金型加工成形時に表面装飾加工も同時に行うことができ、生産性および加飾性を共に向上できる。例えば、時計ケース20には、時差やタイムゾーンを表示する数字、文字や、指針で指示される目盛などを一体に形成することができる。時計バンド30には、模様や装飾用の孔などを一体に形成することができる。
金属ガラスは、結晶性金属に比べて融点が低く、鋳造による製造も容易であるため、時計ケース20や時計バンド30の生産性を向上できる。
金属ガラスは、強度が高いため、時計ケース20や時計バンド30の薄肉化が可能となり、時計ケース20や時計バンド30を軽量化できる。
金属ガラスは、熱伝導率が低いため、手首に時計ケース20や時計バンド30を装着した際に、冷たく感じることが少ない。このため、時計1の装着者の冷覚を刺激して、装着者に不快感を与えることも防止できる。
金属ガラスは、弾性変形域が大きいため、しなやかさを備えており、傷が付きにくい。このため、時計1を落とした場合などに、時計ケース20や時計バンド30が傷付くことを防止できる。
金属ガラスは、凝固収縮が小さいため、鋳造による形状変化が小さく、高精度の鋳造が可能となる。
金属ガラスは、粘性が低い固体と液体の間の状態である過冷却液体状態にできるため、粘弾性加工が可能となる。すなわち、金属ガラスは、加熱によって過冷却液体の状態にできるため、加熱加工による高変形率加工が可能となり、ナノオーダーの高精度転写も実現できる。このため、時計ケース20や時計バンド30の表面に細かい装飾を施すこともでき、時計ケース20や時計バンド30の高精度仕上げを金型成形加工時に実現できるため、仕上げ作業を軽減できて生産効率を大幅に向上できる。
一方、金属ガラスは、粒界がないため、表面を研磨して仕上げる場合でも、研磨性を向上でき、粒界起因のうねりも無くすことができる。
以上のような特性を有する金属ガラスで時計ケース20や時計バンド30を製造することで、様々な特性に優れた時計ケース20や時計バンド30を提供できる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の時計2について図3を参照して説明する。なお、第2実施形態の時計2において、第1実施形態の時計1と同じ構成には同一符号を付し、説明を省略する。
時計2は、時計ケース20Bと、時計ケース20Bに取り付けられる図示略の時計バンドとを備える。時計バンドは、第1実施形態の時計バンド30と同じものが利用できるため、説明を省略する。
時計ケース20Bは、略リング状に形成されたケース本体21Bを備える。ケース本体21Bは、第1実施形態のケース本体21と同じく、弾性率が30GPa以上140GPa以下、弾性限が2%以上20%以下の金属ガラスで構成されている。
次に、時計ケース20Bに設けられる操作ボタン60の構造について説明する。操作ボタン60は、ケース本体21Bに一体に形成されるボタン部61と、ボタン部61に一体に形成されたボタン軸部65とを備える。
ボタン部61は、ケース本体21Bと一体に形成され、かつ、可撓性を有する構造とされている。すなわち、ボタン部61は、金属ガラス製のケース本体21Bと一体に成形され、かつ、可撓性を持たせるために、ケース本体21Bに比べて厚さ寸法が小さい薄肉状に形成されている。
ボタン部61は、第1実施形態のボタン部41と同様に、ケース本体21Bの側面から突出する略円錐台状に形成され、ケース本体21Bに連続する側面部62と、側面部62に連続する略円板状の上面部63とを備える。このため、上面部63を押すと、側面部62が弾性変形し、上面部63はケース本体21Bの内部に向かって移動する。この上面部63の厚さも側面部62より厚くされてボタン部61の剛性が増加するため、クリック感や操作感を明確に感じることができる。
ケース本体21Bには、第1実施形態の凹部210と同様に、ケース本体21Bの内周面から凹んだ凹部210Bが形成されている。
凹部210B内には、ボタン部61に一体に形成されたボタン軸部65が配置されている。ボタン軸部65は、ボタン部61の上面部63に連続して形成され、上面部63からケース本体21Bの内部側、つまりムーブメント25に向かって延長されている。このため、ボタン軸部65は、ムーブメント25に設けられるスイッチバネ26Bに当接して設けられている。スイッチバネ26Bは、スイッチバネ26Bおよびムーブメント25の地板や輪列受け等の樹脂部材との間に配置されたコイルバネ28によって、ボタン軸部65に当接する方向に付勢されている。このため、スイッチバネ26Bは、常時、ボタン軸部65に当接している。なお、スイッチバネ26Bをボタン軸部65側に付勢する構成は、スイッチバネ26Bとは別体のコイルバネ28に限らず、スイッチバネ26B自体のバネ力を用いてもよい。
時計2の利用者が、時計ケース20Bのボタン部61を押すと、上面部63およびボタン軸部65は、ケース本体21Bの内部側に移動する。このため、ボタン軸部65に当接しているスイッチバネ26Bもムーブメント25側に移動し、ムーブメント25に設けられた検出電極27に接触し、時計2に設けられた制御装置は、ボタン部61が押されたことを検出できる。
時計2の利用者によるボタン部61を押す動作が解除されると、スイッチバネ26Bおよびボタン軸部65はコイルバネ28によって時計ケース20Bの外側に向かって付勢されて移動する。このため、スイッチバネ26Bは検出電極27から離れ、時計2の制御装置は、ボタン部61の押し操作が解除されたことを検出できる。
また、ボタン軸部65が時計ケース20Bの外側に向かって移動すると、ボタン軸部65と一体のボタン部61の上面部63も時計ケース20Bの外側に移動し、ボタン部61は、時計ケース20Bから突出する元の状態に戻る。
[第2実施形態の効果]
時計ケース20Bのケース本体21Bに、可撓性を有するボタン部61を一体に形成している。そして、ケース本体21Bの内周面から凹んで形成される凹部210Bにボタン軸部65が配置されているので、ボタン部61から凹部210Bを介して水が浸入することを防止できるなど、第1実施形態と同じ効果を奏することができる。
さらに、第1実施形態のボタンユニット50の代わりに、ボタン部61に一体に形成されたボタン軸部65を設けたので、部品数を少なくでき、コストも低減できる。
[第2実施形態の変形例]
第2実施形態の時計2において、図4に示すように、ボタン部61に一体に形成されたボタン軸部65をガイドするガイド部材67を追加してもよい。ガイド部材67は、板状に形成され、ケース本体21Bの内周面に当接して取り付けられる。また、ガイド部材67は、ボタン軸部65の先端部が挿通されるガイド孔671を備える。
このようなガイド部材67を備えていれば、ボタン軸部65の先端部をガイド部材67のガイド孔671で案内できるため、ボタン軸部65の先端部がふらつくことを防止でき、スイッチバネ26Bとの当接状態も安定して維持できる。
さらに、図4では、ムーブメント25とスイッチバネ26Bとの間にコイルバネ28を配置していたが、ガイド部材67と側面部62との間、つまり凹部210B内にコイルバネを配置してもよい。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の時計3について図5を参照して説明する。なお、第3実施形態の時計3において、第1実施形態の時計1と同じ構成には同一符号を付し、説明を省略する。
時計3は、時計ケース20Cと、時計ケース20Cに取り付けられる図示略の時計バンドとを備える。時計バンドは、第1実施形態の時計バンド30と同じものが利用できるため、説明を省略する。
時計ケース20Cは、略リング状に形成されたケース本体21Cを備える。ケース本体21Cは、第1実施形態のケース本体21と同じく、弾性率が30GPa以上140GPa以下、弾性限が2%以上20%以下の金属ガラスで構成されている。
図5に示すように、時計3は、第1実施形態の操作ボタン40と同様に、ケース本体21Cに一体に形成されるボタン部41Cを有する操作ボタン40Cを備える。そして、ボタン部41Cは、前述した第1実施形態と同様に、ケース本体21Cに連続する側面部42Cと、側面部42Cに連続する略円板状の上面部43Cとを備える。
ケース本体21Cには、第1実施形態の凹部210と同様に、ケース本体21Cの内周面から凹んだ凹部210Cが形成されている。
そして、凹部210Cには、ムーブメント25のスイッチバネ26Cに一体に設けられたボタン軸部261Cが配置されている。本実施形態では、ボタン軸部261Cは、スイッチバネ26Cから、ケース本体21Cの外部側、つまりボタン部41Cに向かって延設されている。そして、ボタン軸部261Cは、スイッチバネ26Cを介して、コイルバネ28に付勢されることで、常時、ボタン部41Cの上面部43Cに当接している。
時計3の利用者が、時計ケース20Cのボタン部41Cを押すと、上面部43Cおよびボタン軸部261Cは、ケース本体21Cの内部側に移動する。このため、ボタン軸部261Cに一体に設けられたスイッチバネ26Cもムーブメント25側に移動し、ムーブメント25に設けられた検出電極27に接触し、時計3に設けられた制御装置は、ボタン部41Cが押されたことを検出できる。
時計3の利用者によるボタン部41Cを押す動作が解除されると、スイッチバネ26Cおよびボタン軸部261Cはコイルバネ28によって時計ケース20Cの外側に向かって付勢されて移動する。このため、スイッチバネ26Cは検出電極27から離れ、時計3の制御装置は、ボタン部41Cの押し操作が解除されたことを検出できる。
また、ボタン軸部261Cが時計ケース20Cの外側に向かって移動すると、ボタン軸部261Cおよび当該ボタン軸部261Cに当接するボタン部41Cの上面部43Cも時計ケース20Cの外側に移動し、ボタン部41Cは、時計ケース20Cから突出する元の状態に戻る。
[第3実施形態の効果]
時計ケース20Cのケース本体21Cに、可撓性を有するボタン部41Cを一体に形成している。そして、ケース本体21Cの内周面から凹んで形成される凹部210Cに、ムーブメント25に設けられたボタン軸部261Cが配置されているので、ボタン部41Cから凹部210Cを介して水が浸入することを防止できるなど、第1、2実施形態と同じ効果を奏することができる。
さらに、第1実施形態のボタンユニット50の代わりに、スイッチバネ26Cにボタン軸部261Cを一体に設けたので、部品数を少なくでき、コストも低減できる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の時計4について図6を参照して説明する。なお、第4実施形態の時計4において、第1実施形態の時計1と同じ構成には同一符号を付し、説明を省略する。
時計4は、時計ケース20Dと、時計ケース20Dに取り付けられる図示略の時計バンドとを備える。時計バンドは、第1実施形態の時計バンド30と同じものが利用できるため、説明を省略する。
時計ケース20Dは、略リング状に形成されたケース本体21Dを備える。ケース本体21Dは、第1実施形態のケース本体21と同じく、弾性率が30GPa以上140GPa以下、弾性限が2%以上20%以下の金属ガラスで構成されている。
また。前述した第1実施形態と同様に、ケース本体21Dには、内周面から凹んだ凹部210Dが形成されている。
図6に示すように、時計4は、第1実施形態の操作ボタン40と同様に、ケース本体21Dに一体に形成されるボタン部41Dを有する操作ボタン40Dを備える。そして、ボタン部41Dは、前述した第1実施形態と同様に、ケース本体21Dに連続する側面部42Dと、側面部42Dに連続する略円板状の上面部43Dとを備える。
本実施形態では、ケース本体21Dとムーブメント25との間には、ムーブメント25をケース本体21Dに固定する中枠70が配置されている。
中枠70には、ケース本体21D側とムーブメント25側とを連通する連通部71が形成されており、当該連通部71には、ボタン軸部材81と戻しバネ82とが配置されている。なお、ボタン軸部材81は、本開示のボタン軸部の一例である。
ボタン軸部材81は、ガイド部811と、ガイド部811に比べて小径とされた軸部812とを備え、連通部71内を軸方向に移動可能に配置されている。この際、ガイド部811は、連通部71の内周面によってガイドされる。
また、ボタン軸部材81はガイド部811が、凹部210D内に配置される。そして、ボタン軸部材81は、凹部210D内において軸方向に移動可能とされている。
戻しバネ82は、連通部71内において、中枠70の底面部72と、ボタン軸部材81のガイド部811との間に配置されたコイルバネで構成されている。戻しバネ82は、中枠70に対して、ボタン軸部材81を、ボタン部41Dの上面部43Dに向かう方向に付勢している。このため、ボタン軸部材81はボタン部41Dの上面部43Dに当接して設けられている。
ボタン軸部材81の軸部812は、ムーブメント25に設けられるスイッチバネ26Dに対向して設けられている。また、ボタン部41Dが押されていない状態では、ボタン軸部材81は戻しバネ82でボタン部41D側に付勢され、軸部812およびスイッチバネ26D間には所定寸法の隙間が設けられている。この隙間の寸法は、ボタン部41Dを押した際にボタン軸部材81が移動可能な移動量よりも小さく設定されている。
時計4の利用者が、時計ケース20Dのボタン部41Dを押すと、上面部43Dに当接しているボタン軸部材81に戻しバネ82の付勢力よりも大きな力が加わり、ボタン軸部材81はスイッチバネ26Dに向かって移動する。そして、ボタン軸部材81が前記隙間の寸法以上移動すると、軸部812がスイッチバネ26Dに当接する。このため、スイッチバネ26Dもムーブメント25の内部側に移動し、ムーブメント25に設けられた検出電極27に接触し、時計4に設けられた制御装置は、ボタン部41Dが押されたことを検出できる。
時計4の利用者によるボタン部41Dを押す動作が解除されると、ボタン軸部材81は戻しバネ82の付勢力でスイッチバネ26Dから離れる方向に移動する。このため、スイッチバネ26Dは検出電極27から離れ、時計4の制御装置は、ボタン部41Dの押し操作が解除されたことを検出できる。
また、戻しバネ82は、ボタン軸部材81を介して、ボタン部41Dの上面部43Dを時計ケース20Dの外側に移動させ、ボタン部41Dは、時計ケース20Dから突出する元の状態に戻る。
[第4実施形態の効果]
時計ケース20Dのケース本体21Dに、可撓性を有するボタン部41Dを一体に形成している。そして、ケース本体21Dの内周面から凹んで形成される凹部210Dに、ボタン軸部材81が配置されているので、ボタン部41Dから凹部210Dを介して水が浸入することを防止できるなど、第1〜第3実施形態と同じ効果を奏することができる。
さらに、中枠70の連通部71によってボタン軸部材81をガイドするので、利用者は、ボタン部41Dを押すことによって、スイッチバネ26Dと検出電極27とをより確実に接触させることができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態の時計5について図7を参照して説明する。なお、第5実施形態の時計5において、第1実施形態の時計1と同じ構成には同一符号を付し、説明を省略する。
時計5は、時計ケース20Eと、時計ケース20Eに取り付けられる図示略の時計バンドとを備える。時計バンドは、第1実施形態の時計バンド30と同じものが利用できるため、説明を省略する。
時計ケース20Eは、略リング状に形成されたケース本体21Eを備える。ケース本体21Eは、第1実施形態のケース本体21と同じく、弾性率が30GPa以上140GPa以下、弾性限が2%以上20%以下の金属ガラスで構成されている。
図7に示すように、本実施形態では、時計5は、操作ボタン90を備える。
そして、操作ボタン90は、ケース本体21Eの外周面から凹んだ形状に一体で形成され、可撓性を有するボタン部91を備える。
ボタン部91は、ケース本体21Eに連続する側面部92と、側面部92に連続し、スイッチバネ26Eに対向して設けられる底面部93とを備える。
そして、ボタン部91が押されていない状態では、底面部93およびスイッチバネ26E間には所定寸法の隙間が設けられている。この隙間の寸法は、ボタン部91を押した際に底面部93が移動可能な移動量よりも小さく設定されている。
時計5の利用者が、ペンなどの棒状部材でボタン部91を押すと、底面部93はスイッチバネ26Eに向かって移動する。そして、底面部93が前記隙間の寸法以上移動すると、底面部93がスイッチバネ26Eに当接する。このため、スイッチバネ26Eもムーブメント25の内部側に移動し、ムーブメント25に設けられた検出電極27に接触し、時計5に設けられた制御装置は、ボタン部91が押されたことを検出できる。
時計5の利用者によるボタン部91を押す動作が解除されると、底面部93は元の状態に戻る。これにより、スイッチバネ26Eは検出電極27から離れ、時計5の制御装置は、ボタン部91の押し操作が解除されたことを検出できる。
[第5実施形態の効果]
時計5は、ケース本体21Eの外周面から凹んだ形状に一体で形成され、可撓性を有するボタン部91を備える。
これにより、操作ボタン90は、指では簡単に操作できず、ペンなどの棒状部材で押す必要があるため、リセットボタンなど誤操作されにくいボタンを設定する場合に有効である。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態の時計6について図8を参照して説明する。なお、第6実施形態の時計6において、第1実施形態の時計1と同じ構成には同一符号を付し、説明を省略する。
時計6は、時計ケース20Fと、時計ケース20Fに取り付けられる図示略の時計バンドとを備える。時計バンドは、第1実施形態の時計バンド30と同じものが利用できるため、説明を省略する。
時計ケース20Fは、略リング状に形成されたケース本体21Fを備える。ケース本体21Fは、第1実施形態のケース本体21と同じく、弾性率が30GPa以上140GPa以下、弾性限が2%以上20%以下の金属ガラスで構成されている。
また。前述した第1実施形態と同様に、ケース本体21Fには、内周面から凹んだ凹部210Fが形成されている。
図8に示すように、時計6は、ケース本体21Fに一体に形成されるダイアフラム部100を備える。ダイアフラム部100は、ケース本体21Fに比べて厚さ寸法が小さい薄肉状に形成されている。これにより、ダイアフラム部100は気圧、つまり圧力によって変形可能に構成されている。
凹部210Fには、気圧センサー101が配置されている。そして、気圧センサー101の検出部102は、ダイアフラム部100に接触している。これにより、検出部102は、ダイアフラム部100に作用する気圧、つまり圧力を検出可能に構成されている。
[第6実施形態の作用効果]
時計6は、ケース本体21Fと一体で形成され作用する圧力に応じて変形するダイアフラム部100を備える。そして、時計6は、ダイアフラム部100に作用する圧力を検出する検出部102を有する気圧センサー101を備える。
そのため、気圧センサー101を備える時計6において、気圧センサー101とケース本体21Fとの間の隙間等を介して水が浸入することを防止できる。
[他の実施形態]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、時計バンド30は、時計ケース20、20B、20C、20D、20E、20Fと別体で構成されていたが、図9に示す時計7のように、時計ケース20Gと時計バンド30Gとを一体に形成してもよい。時計ケース20Gは、略リング状のケース本体21Gを備え、時計バンド30Gは第1バンド31Gおよび第2バンド32Gを備える。これらのケース本体21G、第1バンド31G、第2バンド32Gは、金属ガラスで一体に形成されている。なお、ケース本体21Gと、第1バンド31Gおよび第2バンド32Gとを、一体で形成する場合、弾性率が30GPa以上70GPa以下の金属ガラスで構成することが好ましい。弾性率が70GPaを上回ると、時計バンド30Gが弾性変形しにくくなり、時計バンド30Gを手首に沿って装着させた際の装着感が低下するためである。
時計7は、第1実施形態と同じ構成の操作ボタン40を備える。このため、第1実施形態と同じ作用効果を奏することができる。さらに、ケース本体21Gおよび操作ボタン40だけでなく、時計バンド30Gも金属ガラスで一体に形成されるため、時計7の強度および意匠性を向上できる。
なお、時計7において、操作ボタン40の代わりに、図3、4に示す操作ボタン60を設けても良い。また、時計7において、図5に示す操作ボタン40Cや、図6に示す操作ボタン40Dや、図7に示す操作ボタン90を設けても良い。さらに、時計7において、図8に示すダイアフラム部100および気圧センサー101を設けても良い。
ケース本体21、21B、21C、21D、21Eに一体に形成される操作ボタン40、40C、40D、60、90は、ケース本体21、21B、21C、21D、21Eの側面に設けられた、いわゆるサイドボタンに限定されず、ケース本体21、21B、21C、21D、21Eの表側に設けられる、いわゆるフロントボタンにも利用できる。
凹部210内に配置されるボタンユニット50の構成は、第1実施形態のものに限定されない。例えば、ボタンユニット50としては、ガイドパイプ51および戻しバネ53を備えずに、凹部210内に軸方向に移動可能に挿入されるボタン軸部材52のみで構成してもよい。この場合、第2実施形態と同様に、スイッチバネ26をボタン軸部材52に当接させるコイルバネ28等を設け、スイッチバネ26を介してボタン軸部材52をボタン部41側に付勢すればよい。
また、第4実施形態の時計4において、連通部71に戻しバネ82が配置されていなくても良い。この場合、スイッチバネ26Dをボタン軸部材81に当接させ、コイルバネ28の付勢力によってボタン軸部材81をボタン部41D側に付勢しても良い。
前記操作ボタン40、40C、40D、60、90を用いた時計1、2、3、4、5は、防水性能を向上できるため、特にダイバーズウォッチのような防水性が必要な時計に適している。また、防水性を向上させるために、時計ケース20、20B、20C、20D、20Eと、裏蓋24とを金属ガラスで一体に形成したワンピースタイプの時計ケースを採用してもよい。ワンピースタイプの時計ケースを採用すれば、防水性能をさらに向上でき、ケース本体と裏蓋との接続部分の段差も無くすことができるため、手首に装着した際のフィット感を向上できる。
さらに、防水性を向上させるために、りゅうずを備えない時計を構成してもよい。りゅうずは時計ケースを貫通して配置されるため、時計全体の防水性能に影響する。このため、りゅうずを無くし、操作ボタン40、40C、40D、60、90のみを設けた時計を構成すれば、時計全体の防水性能を向上できる。なお、一般的な時計では、りゅうずによって指針の修正操作を行うが、水晶式ムーブメントを用いた電子時計であれば、ボタン操作のみでモーターを動かすことで指針の位置を調整できるため、りゅうずを備えない時計を容易に実現できる。
時計1、2、3、4、5、6、7において、文字板22をケース本体21、21B、21C、21D、21E、21F、21Gと一体で形成してもよい。ケース本体21、21B、21C、21D、21E、21F、21Gと文字板22とを一体で形成すれば、時計ケース20、20B、20C、20D、20E、20F、20Gの剛性を向上できる。さらに、文字板22に、文字板の構成要素である時字、ロゴ、目盛等を一体に形成することもでき、意匠性を向上できる。
時計ケース20、20B、20C、20D、20E、20F、20Gや時計バンド30、30Gの製造方法としては、金属ガラスを材料とする製造方法であればよく、製造する製品の構造などに応じて適切な製造方法を採用すれば良い。
また、時計ケース20、20B、20C、20D、20E、20F、20Gと別体の時計バンド30は、金属ガラスで構成されたものに限定されない。例えば、複数の金属駒を連結する金属駒タイプのバンドでもよいし、革バンドや樹脂バンドでもよい。
前記操作ボタン40、40C、40D、60、90を用いた時計1、2、3、4、5は、時刻を表示する機能に加えて他の機能を備えるものでもよい。例えば、温度、湿度、気圧、紫外線、光等を測定する環境センサーを備え、これらの環境センサーの計測値を、指針やデジタル表示装置で指示できる機能を備えるものでもよい。また、時計1、2、3、4、5を装着した装着者の体の動きや、体温、血圧、心拍数などを測定するセンサーを備え、これらのセンサーの計測値を、指針やデジタル表示装置で指示できる機能を備えるものでもよい。さらに、スマートフォンなどの他のデバイスとの通信機能を備え、通信状態や通信内容を指針やデジタル表示装置で指示できる機能を備えるものでもよい。
1、2、3、4、5、6、7…時計、10…時計用外装部品、20、20B、20C、20D、20E、20F、20G…時計ケース、21、21B、21C、21D、21E、21F、21G…ケース本体、22…文字板、23…カバーガラス、24…裏蓋、25…ムーブメント、26、26B、26C、26D、26E…スイッチバネ、261C…ボタン軸部、27…検出電極、28…コイルバネ、29…カン、30、30G…時計バンド、31、31G…第1バンド、32、32G…第2バンド、40、40C、40D…操作ボタン、41、41C、41D…ボタン部、42、42C、42D…側面部、43、43C、43D…上面部、50…ボタンユニット、51…ガイドパイプ、52…ボタン軸部材、53…戻しバネ、60…操作ボタン、61…ボタン部、62…側面部、63…上面部、65…ボタン軸部、67…ガイド部材、70…中枠、71…連通部、72…底面部、81…ボタン軸部材、82…戻しバネ、90…操作ボタン、91…ボタン部、92…側面部、93…底面部、100…ダイアフラム部、101…気圧センサー、102…検出部、210、210B、210C、210D、210F…凹部、311…基端部、312…先端部、313…中間部、321…基端部、322…先端部、323…中間部、511…側面部、512…底面部、513…貫通孔、521…ガイド部、522…軸部、671…ガイド孔、811…ガイド部、812…軸部。

Claims (12)

  1. 金属ガラスで構成されたケース本体と、
    前記ケース本体と一体で形成され、可撓性を有するボタン部と、
    を備える
    ことを特徴とする時計ケース。
  2. 請求項1に記載の時計ケースにおいて、
    前記金属ガラスは、弾性率が30GPa以上140GPa以下、弾性限が2%以上20%以下である
    ことを特徴とする時計ケース。
  3. 請求項1または請求項2に記載の時計ケースにおいて、
    前記ケース本体には、内周面から凹んだ凹部が形成され、
    前記凹部には、前記ボタン部の操作に連動して移動するボタン軸部が配置されている
    ことを特徴とする時計ケース。
  4. 請求項3に記載の時計ケースにおいて、
    前記凹部の内周面に取り付けられ、前記ボタン軸部をガイドするガイドパイプと、
    前記ガイドパイプおよび前記ボタン軸部間に配置されて、前記ガイドパイプに対して前記ボタン軸部を前記ボタン部側に付勢する戻しバネと、を備える
    ことを特徴とする時計ケース。
  5. 請求項1または請求項2に記載の時計ケースにおいて、
    前記ケース本体には、内周面から凹んだ凹部が形成され、
    前記ボタン部は、前記凹部内に配置されるボタン軸部が一体に形成されている
    ことを特徴とする時計ケース。
  6. 請求項5に記載の時計ケースにおいて、
    前記ケース本体には、前記ボタン軸部をガイドするガイド部材が設けられている
    ことを特徴とする時計ケース。
  7. 請求項1または請求項2に記載の時計ケースにおいて、
    前記ボタン部は、前記ケース本体の外周面から凹んだ形状に形成される
    ことを特徴とする時計ケース。
  8. 金属ガラスで構成されたケース本体、および、前記ケース本体と一体で形成されて可撓性を有するボタン部を備える時計ケースと、
    前記ボタン部の動作により動作機能が選択され、前記時計ケース内に収納されるムーブメントと、を備える
    ことを特徴する時計。
  9. 請求項8に記載の時計において、
    前記ケース本体には、内周面から凹んだ凹部が形成され、
    前記凹部には、前記ボタン部の操作に連動して移動するボタン軸部が配置され、
    前記ボタン軸部は、前記時計ケースまたは前記ムーブメントに設けられている
    ことを特徴とする時計。
  10. 請求項8に記載の時計において、
    前記ケース本体と前記ムーブメントとの間に配置され、前記ムーブメントを前記ケース本体に固定する中枠を備え、
    前記中枠には、前記ケース本体側と前記ムーブメント側とを連通する連通部が形成され、
    前記連通部には、前記ボタン部の操作に連動して移動するボタン軸部が配置されている
    ことを特徴とする時計。
  11. 請求項8に記載の時計において、
    前記ボタン部は、前記ケース本体の外周面から凹んだ形状に形成される
    ことを特徴とする時計。
  12. 金属ガラスで構成されたケース本体、および、前記ケース本体と一体で形成され作用する圧力に応じて変形するダイアフラム部を備える時計ケースと、
    前記ダイアフラム部に作用する圧力を検出する検出部と、を備える
    ことを特徴とする時計。
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