JP2020063540A - インクジェット顔料捺染用の前処理液 - Google Patents

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Abstract

【課題】生地の風合いを保ったまま、洗濯堅牢性を向上させる、インクジェット顔料捺染用の前処理液を提供する。【解決手段】少なくとも水(A)、界面活性剤(B)、およびカルボジイミド化合物(C)を含有するインクジェット顔料捺染用の前処理液とする。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット顔料捺染用の前処理液に関する。本発明はまた、当該前処理液を用いた、インクジェット顔料捺染方法に関する。
インクジェット顔料捺染は、既製の衣類(例、Tシャツ、ポロシャツ、ジーンズなど)に直接描画を施すDTG(Direct to Garment)分野で近年急速に普及している。DTGプリンタは、従来のスクリーン印刷とは異なり版が不要であるため、小ロットおよび多品種で衣類への印刷が可能である。また、フルカラー印刷を行う場合、スクリーン印刷では一色ごとに製版が必要となるが、インクジェット方式のDTGプリンタでは、フルカラー画像を容易に得ることができる。
インクジェット方式では、ピエゾ素子の微量な変位によって吐出をコントロールするため、低粘度のニュートン流体以外のインクでは吐出が困難となってしまう。そのため、スクリーン印刷インクのように多量の定着樹脂成分をインクに含有させることができず、結果として、スクリーン印刷と比較して堅牢性が低くなる傾向にある。また、インクジェット方式では、インクがニュートン流体であるため、描画されたインクは、布帛の深さ方向に浸透し、よって濃い発色をすることが難しい。そのため、インクによる印刷の前に、前処理液を布帛に塗布することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
前処理液の前処理剤には、有機酸塩、カチオン系樹脂、カチオン系界面活性剤、アンモニウム塩、多価金属塩等のプラスの電荷を有する成分が用いられる。前処理剤が布帛に塗布されると、布帛表面がプラスに帯電する。マイナスの電荷を有するインクジェットインクが吐出されると、インクジェットインクが凝集して布帛表面に残存することで、布帛への浸透が抑制される。その結果、高発色で滲みのない画像が形成される。
特開2018−3184号公報
このような前処理液を塗布するインクジェット顔料捺染方法では、インクジェットインクの色材成分が布帛の表面に残るため、発色性は良くなるものの、インクと布帛との接触面が減少する。そのため、洗濯堅牢性の向上にはあまり寄与しない。また、既製のTシャツ等に印刷した場合、有機酸塩、カチオン系樹脂、アンモニウム塩、多価金属塩の一部は、皮膚を刺激する可能性がある。また、前処理剤が塩類の場合には、乾燥後に前処理した箇所が白くなる場合がある。洗濯をすることでこれらの問題を解決することができるものの、洗濯堅牢性が悪いために、一度の洗濯で色落ちするという問題がある。カチオン系樹脂を用いて、その使用量を多くすれば洗濯堅牢性を維持できるが、生地本来の風合いが損なわれてしまう。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、本発明は、生地の風合いを保ったまま、洗濯堅牢性を向上させる、インクジェット顔料捺染用の前処理液を提供することを目的とする。
本発明のインクジェット顔料捺染用の前処理液は、少なくとも水(A)、界面活性剤(B)、およびカルボジイミド化合物(C)を含有する。
本発明のインクジェット顔料捺染方法は、上記の前処理液を布帛に塗布する工程と、顔料捺染インクを前記布帛にインクジェット方式により付着させる工程と、前記付着させた顔料捺染インクを乾燥する工程とを包含する。
本発明によれば、生地の風合いを保ったまま、洗濯堅牢性を向上させる、インクジェット顔料捺染用の前処理液が提供される。
本発明のインクジェット顔料捺染用の前処理液は、少なくとも水(A)、界面活性剤(B)、およびカルボジイミド化合物(C)を含有する。以下、本発明の前処理液について詳細に説明する。
〔水(A)〕
本発明の前処理液は、水(A)を含有する。本発明に使用される水(A)には特に制限はないが、不純物の混入を防止する観点から、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水、または超純水が好ましく、イオン交換水がより好ましい。
本発明の前処理液中の水(A)の含有量は、特に限定はないが、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。一方、水(A)の含有量は、99.5質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましく、95質量%以下がさらに好ましい。
〔界面活性剤(B)〕
界面活性剤(B)は、本発明の前処理液の表面張力および界面張力を適正化して、布帛への浸透性を向上させる成分である。界面活性剤(B)としては、前処理液に使用可能な公知のものを特に制限なく使用することができ、その例として、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。なかでも、前処理液の保存安定性に優れることから、ノニオン性界面活性剤が好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビット系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、ソルビタン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。なかでも、少量で静的表面張力を調整できることから、アセチレングリコール系界面活性剤、およびシリコーン系界面活性剤が好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−ジメチル−5−ヘキシン−3−オール等が挙げられる。また、市販品としても入手可能であり、市販品の例としては、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、504、61、82、DF37、DF110D、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA(以上、日信化学工業社製);オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD−001、PD−002W、PD−003、PD−004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF−103、AF−104、AK−02、SK−14、AE−3(以上、日信化学工業社製);アセチレノールE00、E13T、E40、E60、E81、E100、E200(以上、川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。なかでも、サーフィノール465、オルフィンE1010、アセチレノールE100、またはE200が好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、公知のシリコーン系界面活性剤を特に制限なく用いることができ、市販品としても入手可能である。市販品の例としては、BYK−306、BYK−307、BYK−333、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349(以上、ビックケミー・ジャパン社製)、KF−351A、KF−352A、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−640、KF−642、KF−643、KF−6020、X−22−4515、KF−6011、KF−6012、(以上、信越化学工業社製)、シルフェイスSAG002、SAG005、SAG503A、SAG008(以上、日信化学工業社製)等が挙げられる。シリコーン系界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が好ましい。
本発明の前処理液中の界面活性剤(B)の含有量は、使用する界面活性剤の種類に応じてインクの表面張力および界面張力が適正化されるように適宜決定すればよい。界面活性剤(B)の含有量は、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上である。一方、含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以下である。
〔カルボジイミド化合物(C)〕
カルボジイミド化合物(C)は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を有する化合物である。インクジェット顔料捺染インクの顔料はプラスの電荷を有するため、顔料を均一に分散させるために、インクジェット顔料捺染インク中には、−COOH基、−SOH基等のアニオン性基が存在する。このようなアニオン性基は、インクジェット顔料捺染インクの分散剤が有するものであったり、顔料表面に導入されたもの等である。当該カルボジイミド基が、このインクジェット顔料捺染インク中に含まれる−COOH基、−SOH基等のアニオン性基と反応することにより、捺染顔料インクが布帛に浸透することを抑制することができ、また、洗濯堅牢性を向上させることができる。
カルボジイミド化合物(C)は、そのカルボジイミド基が、インクジェット顔料捺染インク中に含まれるアニオン性基と反応するために、分子量が小さくてもその効果を発揮することができる。この効果は、カルボジイミド化合物(C)の分子量が大きい方が高くなる。したがって、カルボジイミド化合物(C)としては、樹脂(すなわち、ポリカルボジイミド樹脂)であることが好ましい。当該ポリカルボジイミド樹脂は、親水性基(例、ポリオキシアルキレン基)を有することが好ましい。
カルボジイミド化合物(C)としては、本発明の前処理液中に均一に分散できることから、適度な親水性を有することが好ましく、具体的には、水溶性のもの、および水性エマルジョンを形成可能なものが好ましい。
カルボジイミド化合物(C)は、例えば、有機ジイソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応により、イソシアネート末端ポリカルボジイミド化合物を合成した後、これを、イソシアネート基と反応性を有する官能基を有する有機化合物を反応させることにより、得ることができる。
使用されるカルボジイミド化合物(C)の種類には特に制限はないが、例えば、特許第6291621号公報に記載のポリカルボジイミドを用いることができる。また、市販品としても入手可能である。市販品の例としては、カルボジライトV−02、V−02−L2、SV−02、V−04、V−10、E−02、E−03A、E−05(以上、日清紡ケミカル社製)等が挙げられる。
前処理液中におけるカルボジイミド化合物(C)の含有量が少な過ぎると、カルボジイミド化合物(C)による効果が得られにくくなって、洗濯堅牢性が低下するおそれがある。したがって、前処理液中におけるカルボジイミド化合物(C)の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上であり、最も好ましくは0.2質量%以上である。一方、前処理液中におけるカルボジイミド化合物(C)の含有量が多すぎると、生地の風合いが損なわれるおそれがある。したがって、前処理液中におけるカルボジイミド化合物(C)の含有量は、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.2質量%以下、さらに好ましくは1.8質量%以下、最も好ましくは1.5質量%以下である。
〔水溶性有機溶剤(D)〕
水溶性有機溶剤(D)は、任意成分である。本発明の前処理液が水溶性有機溶剤(D)を含有することにより、粘度、乾燥性、布帛への浸透性等を調整することができ、これにより本発明の効果を高めることができる。なお、本明細書において「水溶性有機溶剤」とは、水に対する20℃における溶解度が500g/L以上である有機溶剤のことをいう。水溶性有機溶剤として好ましくは、20℃において水に任意の割合で均一に混和する有機溶剤である。
水溶性有機溶剤(D)としては、前処理液の水溶性有機溶剤として用いられる公知のものを特に制限なく用いることができる。その例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチルー1,3−ヘキサンジオール等のジオール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のモノオール類などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を任意の比率で組み合わせて用いることができる。
前処理液中の水溶性有機溶剤(D)の含有量は、特に制限はなく、使用する溶媒の種類によって適宜設定すればよい。前処理液中の水溶性有機溶剤(D)の含有量は、例えば、0.5質量%以上30質量%以下であり、好ましくは1質量%20質量%以下であり、より好ましくは3質量%以上15質量%以下である。
本発明の前処理液は、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、カチオン性化合物を含有していてもよい。カチオン性化合物の例としては、有機酸塩、カチオン系樹脂、アンモニウム塩、多価金属塩等が挙げられる。
有機酸塩の例としては、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸等の塩が挙げられる。有機酸塩の対イオン(カチオン)は、特に限定されず、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、銅、ニッケル、亜鉛、バリウム、アルミニウム、チタン、ストロンチウム、クロム、コバルト、鉄等のイオンが挙げられる。
カチオン系樹脂の例としては、カチオン性のウレタン系樹脂、カチオン性のオレフィン系樹脂、カチオン性のアリルアミン系樹脂等が挙げられる。
本発明の前処理液は、上記成分以外にも、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、防腐剤、防カビ剤、増粘剤、消泡剤、pH調整剤、防錆剤等の添加剤を含有していてもよい。
本発明の前処理液は、各成分を公知方法に従い混合することにより作製することができる。例えば、水(A)、界面活性剤(B)、カルボジイミド化合物(C)、水溶性有機溶剤(D)、およびその他の成分を、公知の混合装置または撹拌装置を用いて均一に混合することにより作製することができる。
本発明の前処理液を顔料捺染インクと組み合わせて用いて、インクジェット顔料捺染を行うことにより、生地の風合いを保ったまま、高い洗濯堅牢性を有する画像を得ることができる。
インクジェット顔料捺染は、具体的に例えば、本発明の前処理液を布帛に塗布する工程(以下、「前処理液塗布工程」ともいう)と、顔料捺染インクを当該布帛にインクジェット方式により付着させる工程(以下、「顔料捺染インク付着工程」ともいう)と、当該付着させた顔料捺染インクを乾燥する工程(以下、「乾燥工程」ともいう)とを、包含する方法を行うことにより実施することができる。
前処理液塗布工程は、例えば、前処理液をスプレー噴霧して布帛に塗布する;前処理液をインクジェット方式で布帛に塗布する;前処理液をロールコータ等のコータを用いて布帛に塗布する;前処理液をヘラ等を用いて布帛に塗布する;布帛を前処理液に浸漬する等によって実施することができる。なかでも、容易に所望の箇所に塗布できることから、前処理液をスプレー噴霧して布帛に塗布する方法、および前処理液をインクジェット方式で布帛に塗布する方法が好ましく、前処理液をスプレー噴霧して布帛に塗布する方法がより好ましい。
前処理液の塗布量は、前処理液中のカルボジイミド化合物の種類および含有量、ならびに布帛の種類に応じて適宜決定すればよい。
布帛の素材としては、特に限定されず、その例としては、綿、麻、絹、羊毛等の天然繊維;ポリエステル、ポリプロピレン、ポリアミド、アセテート、トリアセテート、ポリウレタン等の合成繊維;ポリ乳酸等の生分解性繊維;およびこれらの混紡繊維などが挙げられる。布帛の形態としては、特に限定されず、織物、編物、不織布等であってよい。布帛は、例えば、Tシャツ、ポロシャツ、ジーンズ等の衣料品の生地である。
前処理液塗布工程の後に、塗布した前処理液を乾燥する工程を行ってもよい。当該乾燥は、自然乾燥、送風乾燥等の加熱を伴わないものであってもよく、ヒータによる乾燥、熱風乾燥等の加熱を伴うものであってよい。乾燥条件等は、顔料捺染インクの溶媒組成等に応じて適宜決定すればよい。
顔料捺染インク付着工程は、公知方法に従い行うことができる。顔料捺染インクとしては、公知のインクジェット顔料捺染インクを用いることができる。当該インクジェット顔料捺染インクは、顔料を含み、この顔料を分散させるために、通常、アニオン性基(例、−COOH基、−SOH基、特に−COOH基)を有する成分を含有する。例えば、上記のアニオン性基を有する分散剤、上記のアニオン性基を有する自己分散型顔料等を含有する。インクジェット方式による前処理液の塗布は、公知のインクジェット装置を用いて行うことができる。
乾燥工程は、公知方法に従い行うことができる。当該工程における乾燥は、自然乾燥、送風乾燥等の加熱を伴わないものであってもよく、ヒータによる乾燥、熱風乾燥等の加熱を伴うものであってよい。乾燥条件等は、インクジェット顔料捺染インクの溶媒組成等に応じて適宜決定すればよい。
以上の方法によれば、生地の風合いを保ったまま、高い洗濯堅牢性を有する画像を得ることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に制限されるものではない。
〔前処理液の調製〕
表1〜3に記載の各成分を、各表に示す質量割合で均一に混合して、各実施例および各比較例2〜6のインクジェット顔料捺染用の前処理液を得た。
〔インクジェット顔料捺染〕
上記作製した実施例1〜8および比較例2〜6の前処理液を、綿100%のTシャツにスプレー塗布し、80℃の雰囲気下で3分間乾燥した。ローランドディー.ジー.社製のインクジェットプリンタ「LEF−200」に捺染顔料インクセットを装填し、Tシャツの前処理液が塗布された面に、捺染顔料インクを吐出した。ここで、実施例1〜7および比較例2〜6では表4に示す組成のインクからなるインクセットAを、実施例8では、表4に示す組成のインクからなるインクセットBを用いた。また、比較例1および7については、前処理液を使用せずに、インクセットAおよびインクセットBをそれぞれ用いて、Tシャツに捺染顔料インクを吐出した。その後、170℃の雰囲気で3分間乾燥して、解像度1440dpiの画像を形成した。なお、洗濯による色落ちが判別しやすいのは液適量が比較的少ない中間調の画像であることから、印刷画像には人物写真の画像を選んだ。形成した画像の発色性を目視で評価したところ、実施例および比較例ともに良好な発色を示していた。さらに、形成した画像について下記の方法で評価を行った。
〔洗濯堅牢性評価〕
日立製作所製の洗濯機「ビートウォッシュ(登録商標)BW−DV100A」を用いて、上記の画像を形成したTシャツを3回洗濯した。洗濯条件は、洗い8分、すすぎ2回、脱水6分とした。洗濯したTシャツを乾燥後、画像の人物写真の同一箇所(L*=0.45、a*=74、b*=13)について、洗濯前後のΔEを測定した。ΔEの測定値を用いて、以下の基準で洗濯堅牢性を評価した。結果を表に示す。
○:ΔEが3以下(ΔE≦3)
△:ΔEが3超8未満(3<ΔE<8)
×:ΔEが8以上(ΔE≧8)
〔生地の風合い評価〕
実施例1〜7については比較例1として前処理剤なしで画像形成した場合の触り心地を基準に、実施例8については比較例7として前処理剤なしで画像形成した場合の触り心地を基準に、Tシャツの画像形成箇所の触り心地の官能評価を行い、以下の基準で生地の風合いを評価した。結果を表に示す。
○:基準と同程度
△:基準よりも少しごわごわする
×:基準よりもごわごわする
〔総合評価〕
上記洗濯堅牢性および生地の風合いについて、「○」を2点、「△」を1点、「×」を0点として採点し、その合計を求めた。合計点が3点以上を、合格とした。結果を表に示す。
Figure 2020063540
Figure 2020063540
Figure 2020063540
(各表中の各成分についての数値は、質量割合を示す。)
V−02(日清紡ケミカル社製):水溶性ポリカルボジイミド樹脂水溶液「カルボジライトV−02」(固形分40質量%)
E−02(日清紡ケミカル社製):水分散性ポリカルボジイミド樹脂エマルジョン「カルボジライトE−02」(固形分40質量%)
スーパーフレックス650(第一工業製薬社製):ポリウレタン水分散体「スーパーフレックス650」(固形分26質量%)
E1010(日信化学工業社製):アセチレングリコール系界面活性剤「オルフィンE1010」
SAG503A(日信化学工業社製):シリコーン系界面活性剤「シルフェイスSAG503A」
Figure 2020063540
(各表中の各成分についての数値は、質量割合を示す。)
CAB−O−JET260C(キャボット社製):シアン系自己分散顔料(固形分10質量%の水性エマルジョン)
CAB−O−JET260M(キャボット社製):マゼンタ系自己分散顔料(固形分10質量%の水性エマルジョン)
CAB−O−JET260Y(キャボット社製):イエロー系自己分散顔料(固形分10質量%の水性エマルジョン)
CAB−O−JET300(キャボット社製):ブラック系自己分散顔料(固形分15質量%の水性エマルジョン)
モビニール966A(ジャパンコーティングレジン社製):スチレン/アクリル樹脂(固形分45質量%のアニオン性の水性エマルジョン)
スーパーフレックス470(第一工業製薬社製):ポリカーボネート系ポリウレタン水分散体「スーパーフレックス470」(固形分38質量%のアニオン性の水性エマルジョン)
E1010(日信化学工業社製):アセチレングリコール系界面活性剤「オルフィンE1010」
表1〜3に示されるように、本発明の範囲内の実施例1〜8のインクジェット顔料捺染用の前処理液を用いることにより、生地の風合いが保たれたまま、高い洗濯堅牢性を有する画像を得ることができた。これは、カルボジイミド化合物のカルボジイミド基が、顔料捺染インク中の樹脂に含まれるアニオン性基であるカルボキシル基と反応して、顔料捺染インクが綿と強固に接着したためと考えられる。
実施例1〜3の比較より、カルボジイミド化合物の含有量が小さくなると、洗濯堅牢性が小さくなる傾向と、カルボジイミド化合物の含有量が大きくなると、生地の風合いを保ちにくくなる傾向が見られた。実施例4の結果より、カルボジイミド化合物は、前処理液中に溶解していなくてもよいことがわかる。実施例5および6の結果より、水溶性有機溶剤の種類および界面活性剤の種類を変えても、所望の効果が得られることがわかる。実施例7の結果より、カチオン剤を加えても、カルボジイミド化合物の効果が得られることがわかる。
これに対し、比較例1では、前処理をせずに画像印刷を行ったが、洗濯堅牢性が悪かった。比較例2では、前処理剤にカルボジイミド化合物を含有させなかったが、比較例1と同様に洗濯堅牢性が悪かった。比較例3では、前処理剤に有機酸塩を含有させたが、定着性には寄与しないために、洗濯堅牢性が悪かった。比較例4〜6では、前処理剤にカチオン系樹脂を含有させた。カチオン系樹脂が少量の比較例4では、洗濯堅牢性が悪かった。カチオン系樹脂が多量の比較例6では、洗濯堅牢性は向上したが、生地の風合いが損なわれた。カチオン系樹脂の含有量が比較例4と比較例6との中間にある比較例5では、洗濯堅牢性がやや向上するも生地の風合いが損なわれ、前処理液の特性を総合的にみると不十分であった。
以上のことから、本発明のインクジェット顔料捺染用の前処理液を用いてインクジェット顔料捺染を行った場合には、生地の風合いを保ったまま、高い洗濯堅牢性を有する画像を得ることができることがわかる。

Claims (6)

  1. 少なくとも水(A)、界面活性剤(B)、およびカルボジイミド化合物(C)を含有することを特徴とする、インクジェット顔料捺染用の前処理液。
  2. 前記前処理液中における前記カルボジイミド化合物(C)の含有量が、0.01〜3.0質量%である、請求項1に記載の前処理液。
  3. 前記カルボジイミド化合物(C)が、樹脂である、請求項1または2に記載の前処理液。
  4. 水溶性有機溶剤(D)をさらに含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の前処理液。
  5. 前記界面活性剤(B)が、ノニオン系界面活性剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の前処理液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の前処理液を布帛に塗布する工程と、顔料捺染インクを前記布帛にインクジェット方式により付着させる工程と、前記付着させた顔料捺染インクを乾燥する工程とを包含する、インクジェット顔料捺染方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023042761A1 (ja) * 2021-09-17 2023-03-23 京セラ株式会社 インクジェット用処理液、及び、インクジェット捺染装置

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WO2023042761A1 (ja) * 2021-09-17 2023-03-23 京セラ株式会社 インクジェット用処理液、及び、インクジェット捺染装置

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