1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリ搭載機器は、バッテリパックが着脱可能に取り付けられるハウジングと、前記バッテリパックを覆うように前記ハウジングに取り付けられており、回動軸周りに回動することで開閉するカバーを備えていてもよい。前記バッテリ搭載機器を載置した状態において、前記カバーに前記カバーを閉じる方向の力が作用してもよい。
上記の構成によれば、バッテリ搭載機器を載置した状態では、カバーにカバーを閉じる方向の力が作用するので、カバーを確実に閉じておくことができる。このため、バッテリ搭載機器に水がかかった場合でも、バッテリパックが水に濡れてしまうことを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バッテリ搭載機器は、前記カバーが閉じられた時に、前記カバーの周縁を密閉するシール部材をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、バッテリ搭載機器に水がかかった場合でも、バッテリパックが水に濡れてしまうことを確実に防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バッテリ搭載機器は、前記カバーを閉じる方向に前記カバーを付勢する付勢部材をさらに備えていてもよい。前記バッテリ搭載機器を載置した状態において、前記カバーに作用する前記カバーを閉じる方向の力は、前記付勢部材による付勢力を含んでもよい。
上記の構成によれば、バッテリ搭載機器を載置した状態でなくとも、付勢部材がカバーを閉じる方向に付勢する。バッテリ搭載機器を載置した状態でない時に、バッテリ搭載機器に水がかかった場合でも、バッテリパックが水に濡れてしまうことを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バッテリ搭載機器は、前記カバーが閉じられた時に、前記カバーが閉じられた状態を保持するロック機構をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、カバーを閉じた状態で、不意にカバーを開く方向の力がカバーに作用した場合でも、カバーが閉じられた状態を保持することができる。バッテリパックが水に濡れてしまう事態を確実に防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリ搭載機器は、バッテリパックが着脱可能に取り付けられるハウジングと、前記バッテリパックを覆うように前記ハウジングに取り付けられており、回動軸周りに回動することで開閉するカバーと、前記カバーを開いた状態で保持可能なカバー保持機構を備えていてもよい。前記カバー保持機構は、ユーザの操作に応じて、前記カバーの回動動作と干渉する保持位置と、前記カバーの回動動作と干渉しない開放位置の間で移動するカバー保持部材を備えていてもよい。
上記の構成によれば、ハウジングに対してバッテリパックを着脱する際に、カバー保持機構によってカバーが開いた状態に保持することができるので、ユーザは、一方の手でカバーを把持して開いた状態で保持する必要がない。バッテリパックの着脱作業を容易に行うことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記カバー保持機構は、前記カバー保持部材を保持位置から開放位置へ向けて付勢する第1付勢部材をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、バッテリパックの着脱作業が終了した後は、第1付勢部材の付勢力によって、カバー保持部材を保持位置から開放位置へ復帰させることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バッテリ搭載機器は、前記カバーを閉じる方向に前記カバーを付勢する第2付勢部材をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、バッテリパックの着脱作業を行わない状況において、カバーを確実に閉じておくことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バッテリ搭載機器は、前記バッテリパックからの電力を他の機器に出力する電力出力部をさらに備えていてもよい。前記バッテリ搭載機器は、ユーザが肩にかける肩ベルトを取り付け可能であってもよい。
上記の構成によれば、バッテリ搭載機器を用いた背負式電源装置を実現することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記回動軸は、前記ハウジングの長手方向に沿っていてもよい。
カバーの回動軸がハウジングの長手方向に直交している場合、カバーを開閉する際にカバーの先端が大きく回動することになり、ユーザの身体や周囲の物品と干渉しやすくなる。上記のように、カバーの回動軸がハウジングの長手方向に沿った構成とすることで、カバーを開閉する際にカバーの先端を小さく回動させることができ、ユーザの身体や周囲の物品と干渉しにくくすることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バッテリパックは、前記ハウジングに対してスライド方向にスライドさせることで着脱可能であってもよい。前記スライド方向は、前記回動軸に直交する面に対して略平行であってもよい。
上記の構成によれば、ハウジングに対してカバーを開いて、バッテリパックをハウジングに対してスライド方向にスライドさせる際に、カバーが邪魔になることがない。バッテリパックの着脱作業を容易に行うことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バッテリパックが、前記ハウジングの前記長手方向に並んで配置されていてもよい。
上記の構成によれば、1つのバッテリパックをハウジングに対してスライド方向にスライドさせる際に、ハウジングに取り付けられている他のバッテリパックが邪魔になることがない。バッテリパックの着脱作業をより容易に行うことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、ケーブルホルダは、ユーザが身に着けたバンドに対して着脱可能に取り付けられるバンド取付部と、ケーブルを着脱可能に保持するケーブル保持部を備えていてもよい。前記バンド取付部と前記ケーブル保持部は、一体的に形成されていてもよい。
上記の構成によれば、バンド取付部がバンドに対して着脱可能であるため、ユーザが身に着けたバンドを取り外すことなく、ケーブルホルダのみを取り外すことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バンド取付部は、間隙を有しており、前記バンドの周囲を囲う形状を有していてもよい。
上記の構成によれば、間隙を介してバンドをバンド取付部に出し入れすることで、ケーブルホルダをバンドに着脱することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バンド取付部は、転がりやすい断面形状を有していてもよい。ここでいう転がりやすい断面形状とは、略円形状や略楕円形状であってもよいし、角部が丸みを帯びた略四角形状であってもよいし、略六角形状や略八角形状など、角部が鈍角となる多角形状であってもよい。
上記の構成によれば、バンドに取り付けたケーブルホルダに、ケーブルホルダを倒す方向の外力が作用した場合に、外力に逆らわずにケーブルホルダが倒れるので、ケーブルホルダが損傷することを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ケーブル保持部は、開口を有する形状を有していてもよい。前記開口の間隔は、通常時は前記ケーブルのケーブル径よりも小さくてもよく、前記ケーブルの着脱時は前記ケーブル保持部の弾性変形によって前記ケーブルの前記ケーブル径よりも大きくなってもよい。
上記の構成によれば、開口を介してケーブルをケーブル保持部に出し入れすることで、ケーブルをケーブルホルダに着脱することができる。また、上記の構成によれば、ケーブルに大きな力が作用した場合、例えばケーブルに接続された機器が落下してケーブルが引っ張られた場合には、ケーブルホルダからケーブルが離脱して、ユーザが身に着けているバンドからケーブルが離れていく。このような構成とすることで、ユーザの安全を確保することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記バンドは、背負式電源装置の肩ベルトに設けられていてもよい。前記ケーブルは、前記背負式電源装置から伸びる電源ケーブルであってもよい。
上記の構成によれば、背負式電源装置から伸びる電源ケーブルを、ユーザの背中から肩を回り込んで胸前に這わせることで、電源ケーブルが余ってたわんでしまう事を防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、背負式機器は、機器本体と、ユーザが肩にかける肩ベルトと、前記ユーザが腰に巻く腰ベルトを備えていてもよい。前記腰ベルトは、前記腰ベルトの下端が前記機器本体の下面よりも下方に位置する状態と、前記腰ベルトの下端が前記機器本体の下面よりも上方に位置する状態の間で切り替え可能であってもよい。前記背負式機器は、前記腰ベルトの下端が前記機器本体の下面よりも上方に位置する状態で、前記機器本体の下面を載置面に当接させて載置可能であってもよい。
上記の構成によれば、背負式機器をユーザが背負って使用する際には、腰ベルトを、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも下方に位置する状態とすることで、腰ベルトの位置をユーザの腰の位置に合わせることができ、ユーザの身体にかかる負担を軽減することができる。また、背負式機器を載置する際には、腰ベルトを、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも上方に位置する状態とすることで、機器本体の下面を載置面に当接させて載置することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記機器本体は、本体部分と、前記本体部分が着脱可能に取り付けられており、前記肩ベルトと前記腰ベルトが取り付けられる背負子部分を備えていてもよい。
上記の構成によれば、本体部分を背負子部分から取り外した状態で、本体部分の使用やメンテナンス等を行うことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記背負子部分は、前記肩ベルトの上側端部が取り付けられる背板と、前記腰ベルトが取り付けられ、前記背板に対して上下方向の位置を変更可能な支持板と、前記支持板の前記背板に対する位置を固定するロック機構を備えていてもよい。前記本体部分および/または前記背板によって、前記機器本体の下面が形成されていてもよい。
上記の構成によれば、比較的簡素な構成で、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも下方に位置する状態と、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも上方に位置する状態を切り換えることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記腰ベルトが、前記機器本体に対して前後方向に延びる回動軸周りに回動可能に取り付けられていてもよい。前記回動軸は、前記腰ベルトの上下方向の中央から離れた位置に配置されていてもよい。
上記の構成によれば、腰ベルトを、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも下方に位置する状態から、機器本体に対して回動軸周りに180度回転させることで、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも上方に位置する状態に切り換えることができる。比較的簡素な構成で、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも下方に位置する状態と、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも上方に位置する状態を切り換えることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記腰ベルトが、面ファスナを介して前記機器本体に着脱可能に取り付けられていてもよい。
上記の構成によれば、腰ベルトの機器本体に対する上下方向の取り付け位置を調整することで、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも下方に位置する状態と、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも上方に位置する状態を切り換えることができる。比較的簡素な構成で、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも下方に位置する状態と、腰ベルトの下端が機器本体の下面よりも上方に位置する状態を切り換えることができる。
(実施例)
図1に示す背負式電源装置2は、ユーザが背負った状態で使用可能であり、各種の電動機器に電力を供給可能な背負式電源装置である。背負式電源装置2は、本体部分4と、本体部分4に着脱可能に取り付けられた背負子部分6と、背負子部分6に取り付けられており、ユーザが両肩にかける肩ベルト8a、8bと、背負子部分6に取り付けられており、ユーザが腰に巻き付ける腰ベルト10を備えている。腰ベルト10には、付属品(図示せず)を収容可能なポーチ12が着脱可能に取り付けられている。なお、以下の説明では、ユーザが背負式電源装置2を背負って直立した時の、ユーザから見た前後方向、左右方向および上下方向を、背負式電源装置2の前後方向、左右方向および上下方向という。また、以下の説明では、本体部分4と背負子部分6を合わせて、機器本体5ともいう。
図2に示すように、本体部分4は、長手方向が上下方向に沿っており、短手方向が前後方向に沿った、略直方体形状を有している。本体部分4は、前端に配置されており、前後方向に対して略直交する結合面Pを備えている。本体部分4は、結合面Pを介して、背負子部分6に取り付けられている。
図3に示すように、本体部分4は、背負子部分6から取り外した状態で、結合面Pを地面等の載置面(図示せず)に当接させて載置することができる。本体部分4は、フレーム14と、カバー16と、ハンドル18を備えている。カバー16は、フレーム14の左端近傍で上下方向に伸びる回動軸周りに回動可能に、フレーム14に取り付けられている。ハンドル18は、フレーム14の上端近傍に着脱可能に取り付けられている。使用者は、ハンドル18を把持して本体部分4を持ち運ぶことができる。
図4に示すように、本体部分4の内部には、複数のバッテリパック20a、20b、20c、20dが収容されている。バッテリパック20a、20b、20c、20dは、それぞれ、リチウムイオン電池セル(図示せず)等の二次電池セルを内蔵しており、充電器(図示せず)によって充電可能である。バッテリパック20a、20b、20c、20dは、それぞれ、例えば、定格電圧が18Vであり、定格容量が6.0Ahである。バッテリパック20a、20b、20c、20dは、本体部分4のバッテリ取付部22a、22b、22c、22d(図5参照)に対して、所定のスライド方向に沿ってスライドさせることで着脱が可能な、スライド式のバッテリパックである。バッテリパック20a、20b、20c、20dのスライド方向は、例えば、左右方向に沿っている。この場合、バッテリパック20a、20b、20c、20dを取り付ける際には、バッテリパック20a、20b、20c、20dをバッテリ取付部22a、22b、22c、22dに対して左方向にスライドさせ、バッテリパック20a、20b、20c、20dを取り外す際には、バッテリパック20a、20b、20c、20dをバッテリ取付部22a、22b、22c、22dに対して右方向にスライドさせる。カバー16の回動軸は、フレーム14の左端近傍に配置されているので、カバー16を開いた状態では、カバー16はバッテリ取付部22a、22b、22c、22dの左後方に位置する。このため、バッテリパック20a、20b、20c、20dを着脱する際に、開いたカバー16が邪魔になることがない。
図5に示すように、フレーム14は、底面が結合面Pに沿っており、後方に向けて開口した箱型形状の基部14aと、基部14aの下端から後方に向けて壁状に突出する支持部14bを備えている。基部14aには、開口を覆う形状のインナハウジング24が設けられている。インナハウジング24の後面には、バッテリ取付部22a、22b、22c、22dが設けられている。また、基部14aの右側面の下部には、操作部26と、表示部28が設けられている。操作部26は、ユーザからの背負式電源装置2に対する操作、例えば主電源のオン/オフ操作を受け入れる。表示部28は、ユーザに背負式電源装置2の状態に関する情報、例えばバッテリ取付部22a、22b、22c、22dに取り付けられているバッテリパック20a、20b、20c、20dの残容量に関する情報を提示する。なお、以下の説明では、フレーム14と、インナハウジング24と、バッテリ取付部22a、22b、22c、22dを総称して、単にハウジング15ともいう。
図6に示すように、基部14aの内部には、制御基板30と、操作基板32と、表示基板34と、ノイズフィルタ36が収容されている。制御基板30は、バッテリ取付部22a、22b、22c、22dに取り付けられたバッテリパック20a、20b、20c、20dと電気的に接続する。制御基板30は、バッテリパック20a、20b、20c、20dから供給される電力を、所望の出力電圧に調整して、電源ケーブル38(図2参照)に供給する。制御基板30は、例えば、バッテリパック20a、20bの直列接続と、バッテリパック20c、20dの直列接続を並列に接続することで、定格電圧が36Vの電力を電源ケーブル38に供給することができる。あるいは、制御基板30は、例えば、バッテリパック20a、20b、20c、20dを並列に接続することで、定格電圧が18Vの電力を電源ケーブル38に供給することができる。操作基板32と表示基板34は、制御基板30に接続されている。操作基板32は、操作部26に対して行われたユーザによる操作を検知して、制御基板30に出力する。表示基板34は、制御基板30からの指示に応じて、表示部28に対する表示を行う。ノイズフィルタ36は、電源ケーブル38への出力にノイズが重畳することを抑制する。図2に示すように、電源ケーブル38は、基部14aの下端近傍から下方に伸びた後、右方または左方(図2の例では右方)に湾曲して、基部14aの右側面または左側面(図2の例では右側面)から外部に引き出されている。
図5に示すように、カバー16には、捩りバネ40が設けられている。捩りバネ40は、カバー16をフレーム14に対して、閉じる方向に付勢する。また、結合面Pが載置面に当接するように本体部分4を載置した状態では、カバー16に作用する重力が、カバー16を閉じる方向の力としてカバー16に作用する。基部14aには、カバー16が閉じられたときにカバー16の周縁と当接する箇所に、シール部材42が設けられている。シール部材42は、例えばゴム製のパッキンである。カバー16には、ユーザが操作可能なラッチ部材44が設けられている。ラッチ部材44は、カバー16が閉じられた状態において、基部14aのラッチ受け14cに係合することで、カバー16が閉じられた状態で保持することができる。なお、ラッチ部材44とラッチ受け14cの代わりに、例えば、カバー16および基部14aの一方に設けられた永久磁石(図示せず)と、カバー16および基部14aの他方に設けられた磁性体(図示せず)によって、カバー16が閉じられた状態を保持する構成としてもよい。
なお、捩りバネ40の代わりに、一端がカバー16に回転可能に保持され、他端がフレーム14に回転可能に保持された引張バネ(図示せず)によって、カバー16をフレーム14に対して閉じる方向に付勢する構成としてもよい。
支持部14bには、カバー保持機構46が設けられている。図7に示すように、カバー保持機構46は、支持部14bに形成された貫通孔14dに取り付けられている。カバー保持機構46は、支持部14bよりも下方に配置されたボタン48と、支持部14bよりも上方に配置された係合片50と、貫通孔14dを貫通しており、ボタン48と係合片50を互いに固定するネジ52と、ボタン48を支持部14bに対して下方に向けて付勢する圧縮バネ54を備えている。なお、以下の説明では、ボタン48と、係合片50と、ネジ52を合わせて、カバー保持部材47ともいう。
図8に示すように、通常時は、カバー保持機構46において、ボタン48が圧縮バネ54によって下方に向けて付勢されているので、係合片50はカバー16の開閉動作と干渉しない位置(以下では開放位置ともいう)に配置されている。ユーザが、カバー16を開いた状態で、さらにカバー保持機構46のボタン48を上方に向けて押し込むと、図9に示すように、係合片50がカバー16の開閉動作と干渉する位置(保持位置ともいう)に配置される。この状態では、カバー16に閉じる方向の力が作用している場合でも、カバー16が係合片50と係合するので、ユーザがカバー16やボタン48から手を離しても、カバー16を開いた状態で保持することができる。なお、図9に示す状態から、ユーザがボタン48から手を離した状態で、カバー16を把持して開く方向へ回動させると、カバー16と係合片50との係合が解除される。この場合、図8に示すように、圧縮バネ54の付勢力によって、係合片50は再びカバー16の開閉動作と干渉しない開放位置に移動する。
なお、カバー保持機構46の代わりに、図23、図24に示すサポートロッド56を設けてもよい。サポートロッド56の下端は、左右方向に沿った回動軸周りに回動可能にインナハウジング24に取り付けられている。図23に示すように、通常時は、サポートロッド56は倒した状態とされており、サポートロッド56はカバー16の開閉動作と干渉しない。ユーザが、カバー16を開いた状態で、さらにサポートロッド56を引き起こすと、図24に示すように、サポートロッド56がカバー16の開閉動作と干渉する位置に配置される。この状態では、カバー16に閉じる方向の力が作用している場合でも、カバー16がサポートロッド56に当接しているので、ユーザがカバー16やサポートロッド56から手を離しても、カバー16を開いた状態で保持することができる。
図10、図11に示すように、背負子部分6は、背板60と、支持板62と、ロック機構64を備えている。図10に示すように、背板60の後面には、複数の係合爪66a、66b、66c、66dが形成されている。係合爪66a、66b、66c、66dは、背板60の後面から後方に向けて突出し、かつ上方に向けて屈曲した形状を有している。また、背板60の左右の側面の上部には、ユーザが操作可能なラッチ68a、68bが設けられている。図2に示すように、本体部分4のフレーム14の結合面Pには、係合爪66a、66b、66c、66dに対応する位置および形状で、複数の係合溝70a、70b、70c、70dが形成されている。また、本体部分4のフレーム14の左右の側面の上部には、ラッチ68a、68bに対応するラッチ受け71a、71bが形成されている。本体部分4を背負子部分6に取り付ける際には、背負子部分6の係合爪66a、66b、66c、66dを本体部分4の係合溝70a、70b、70c、70dに係合させて、かつラッチ68a、68bをラッチ受け71a、71bに係合させることによって、本体部分4を背負子部分6に固定することができる。
図12に示すように、肩ベルト8a、8bは、ユーザの背中、肩および胸に当接するパッド72a、72bと、パッド72a、72bの後方の部分の後面に設けられている係合バックル74a、74b、74c、74dと、パッド72a、72bの前方の部分の前面に設けられている保持バンド76a、76bと、保持バンド76a、76bに保持された調節バックル78a、78bと、上端が調節バックル78a、78bに取り付けられた調節バンド80a、80bを備えている。図11に示すように、背板60には、肩ベルト8a、8bの係合バックル74a、74b、74c、74dが係合する係合孔82a、82b、82c、82dが形成されている。支持板62には、肩ベルト8a、8bの調節バンド80a、80bの下端が取り付けられるベルト取付部84a、84bが形成されている。
図13に示すように、背板60には、前面から後面まで貫通しており、上下方向に長手方向を有する長孔86が形成されている。また、背板60の前面には、上下方向に延びるガイド凸条88と、ガイド凸条88の左右に配置されており、上下方向に鋸歯形状を有する被係合部90a、90bが形成されている。さらに、図10に示すように、背板60の後面には、長孔86の周囲にガイド溝92が形成されている。
図14に示すように、支持板62には、前面から後面まで貫通する貫通孔94が形成されている。また、支持板62の後面には、背板60のガイド凸条88に対応する位置および形状で、上下方向に延びるガイド凹条96が形成されている。さらに、支持板62の後面には、背板60の被係合部90a、90bに対応する位置および形状で、上下方向に鋸歯形状を有する係合部98a、98bが形成されている。支持板62を背板60に取り付けた状態では、係合部98a、98bは被係合部90a、90bに係合する。
図1に示すように、腰ベルト10は、ユーザの腰に当接するパッド73と、パッド73の左端近傍に設けられている雌バックル75と、パッド73の右端近傍に設けられている保持バンド77と、保持バンド77に保持された調節バックル79と、調節バックル79に保持された調節バンド81と、調節バンド81に設けられており、雌バックル75に係合する雄バックル83を備えている。図11に示すように、支持板62の前面には、腰ベルト10のパッド73をネジ97a、97b、97c、97dによって固定するためのボス99a、99b、99c、99dが形成されている。
図15に示すように、ロック機構64は、ロックレバー100と、ヒンジピン102と、支持ピン104と、プレート106と、ナット108を備えている。図11に示すように、ロックレバー100は、支持板62よりも前側に配置されている。ロックレバー100は、略平板形状を有している。図15に示すように、ロックレバー100は、上端近傍でヒンジピン102によって支持されている。ロックレバー100は、ヒンジピン102を回動軸として回動可能である。ロックレバー100の上端近傍は、回動角度に応じて支持板62に対向する面の突出量が変化するカム形状を有する。ヒンジピン102は、長手方向が左右方向に沿うように配置されている。ヒンジピン102は、支持ピン104に回動可能に支持されている。支持ピン104は、長手方向が前後方向に沿っており、支持板62の貫通孔94と、背板60の長孔86を貫通するように配置されている。支持ピン104の後端には雄ネジが形成されている。図10に示すように、プレート106は、背板60よりも後側に配置されており、背板60のガイド溝92に収容されている。図15に示すように、プレート106は、支持ピン104が貫通する貫通孔106aを有している。ナット108は、支持ピン104の後端に螺着されている。
図15に示すように、ロックレバー100を下方に回動させた状態では、ロックレバー100の上端近傍の部分が支持板62を押圧する。この状態では、ロックレバー100とプレート106によって、支持板62と背板60が強い力で挟持される。この場合、支持板62の係合部98a、98bと背板60の被係合部90a、90bが強く係合するので、支持板62が背板60に対して固定される。
図16に示すように、ロックレバー100を上方に回動させた状態では、ロックレバー100の上端近傍の部分が支持板62から離反することで、ロックレバー100とプレート106による支持板62と背板60の挟持が解除される。この場合、支持板62の係合部98a、98bと背板60の被係合部90a、90bの係合が解除されて、支持板62を背板60に対して上下方向にスライドさせることが可能となる。支持板62を背板60に対して所望の位置までスライドさせて、係合部98a、98bを被係合部90a、90bに係合させ、ロックレバー100を再び下方に回動させると、その位置で支持板62を背板60に対して再び固定することができる。
図17に示すように、ユーザが背負式電源装置2を使用する際には、両肩に肩ベルト8a、8bをかけた状態で、腰ベルト10を腰の位置に巻き付けることができるように、支持板62の背板60に対する上下方向の位置を調整することができる。このような構成とすることによって、ユーザの身体にかかる負担を軽減することができる。なお、肩ベルト8a、8bのパッド72a、72bと、腰ベルト10のパッド73は、背負式電源装置2の重量がユーザの身体に分散して負担されるように、ユーザの身体への接触面積が広く、かつ剛性が比較的高くなるように形成されている。
ユーザが背負式電源装置2を使用しない時に、本体部分4の下面(フレーム14の支持部14bの下面)が載置面と当接するようにして、背負式電源装置2を載置したい場合がある。図17に示すように、支持板62が背板60に対して下方に位置している状態では、腰ベルト10の下端が本体部分4の下面よりも下方に位置しているので、背負式電源装置2を安定して載置することができない。本実施例の背負式電源装置2では、図18に示すように、支持板62を背板60に対して上方に移動させることで、腰ベルト10の下端を、本体部分4の下面よりも上方に移動させることができる。これによって、本体部分4の下面が載置面と当接するようにして背負式電源装置2を載置することができる。
なお、図25に示すように、ロック機構64が、プレート106とナット108の間に挟持される皿ばね107を備える構成としてもよい。図25に示す構成では、ロックレバー100を下方に回動させて、支持板62が背板60に対して固定された状態あっても、支持板62や背板60に大きな荷重が作用した場合に、皿ばね107が弾性変形して、係合部98a、98bと被係合部90a、90bの係合が解除されて、支持板62が背板60に対してスライドすることができる。このため、支持板62や背板60に大きな荷重が作用した場合に、係合部98a、98bや被係合部90a、90bが破損してしまうことを防止することができる。なお、図25に示す構成において、皿ばね107の代わりに、板ばねやスプリングワッシャをプレート106とナット108の間に介在させる構成としてもよい。
なお、腰ベルト10の上下方向の位置の調整は、他の機構によって実現することもできる。例えば、図26に示すように、支持板62を背板60に対して常に固定した状態とした上で、腰ベルト10を支持板62に対して回動ピン103を介して回動可能に取り付ける構成としてもよい。回動ピン103は、腰ベルト10の上下方向の中央よりも下方側に配置されている。回動ピン103は、長手方向が前後方向に沿っており、腰ベルト10は、支持板62に対して前後方向に沿った回動軸周りに回動可能である。図26に示す状態では、腰ベルト10の下端が本体部分4や背負子部分6の下面よりも上方に配置されている。この状態から、回動ピン103を回動軸として腰ベルト10を支持板62に対して180度回転させると、腰ベルト10の下端が本体部分4や背負子部分6の下面よりも下方に配置される。このような構成によって、腰ベルト10の上下方向の位置を調整してもよい。
あるいは、図27に示すように、支持板62を設けることなく、背板60に対して腰ベルト10を、面ファスナ105を介して着脱可能に取り付ける構成としてもよい。この場合、ユーザは腰ベルト10の上下方向の位置を所望の位置に調整した上で、腰ベルト10を背板60に取り付けることができる。このような構成によって、腰ベルト10の上下方向の位置を調整してもよい。
図19に示すように、肩ベルト8a、8bの保持バンド76a、76bは、上側固定部110a、110bと、下側固定部112a、112bの二か所で、肩ベルト8a、8bに固定されている。保持バンド76a、76bの、上側固定部110a、110bと下側固定部112a、112bの間の箇所には、図20に示すケーブルホルダ120を取り付けることができる。ケーブルホルダ120を保持バンド76a(または保持バンド76b)に取り付けることで、例えば、本体部分4から伸びる電源ケーブル38を、ユーザの背中から肩の上側を回り込んで胸の前方に這わせる際、すなわち肩ベルト8a(または肩ベルト8b)のパッド72a(またはパッド72b)の外面に沿って這わせる際に、ケーブルホルダ120によって電源ケーブル38を保持することができる。
図20に示すように、ケーブルホルダ120は、バンド取付部122と、ケーブル保持部124を備えている。バンド取付部122は、X方向に直線状に延びる第1直線部122aと、第1直線部122aのX方向正方向の端部からZ方向負方向に緩やかに屈曲して、さらにX方向負方向に緩やかに屈曲する第1折返し部122bと、第1折返し部122bからX方向負方向に直線状に延びる第2直線部122cと、第1直線部122aのX方向負方向の端部からZ方向負方向に緩やかに屈曲して、さらにX方向正方向に緩やかに屈曲する第2折返し部122dと、第2折返し部122dからX方向正方向に直線状に延びる第3直線部122eを備えている。第1直線部122a、第1折返し部122b、第2直線部122c、第2折返し部122dおよび第3直線部122eは、いずれも、角部が丸みを帯びた略正方形状の断面形状を有している。第2直線部122cと第3直線部122eは、同一直線状に配置されている。第2直線部122cの先端と第3直線部122eの先端の間には、保持バンド76a(または保持バンド76b)が通過可能な間隙122fが形成されている。ケーブルホルダ120を保持バンド76aに取り付けた状態では、第1直線部122a、第1折返し部122b、第2直線部122c、第2折返し部122dおよび第3直線部122eによって、保持バンド76aの周囲が囲われる。これによって、ケーブルホルダ120を保持バンド76aに確実に取り付けることができる。
ケーブル保持部124は、中心軸がY方向に沿って伸びており、Z方向正方向の端部が切り欠かれた円筒形状を有する円筒部124aと、円筒部124aの両端部から外側に向けて屈曲した第1案内部124bおよび第2案内部124cを備えている。第1案内部124bと第2案内部124cの間には、開口124dが形成されている。円筒部124a、第1案内部124b、第2案内部124cは、Y方向に関して、バンド取付部122よりも幅広に形成されている。円筒部124aは、バンド取付部122の第1直線部122aと一体的に形成されている。開口124dの間隔は、通常時は電源ケーブル38のケーブル径よりも小さい。ケーブル保持部124によって電源ケーブル38を保持する際には、円筒部124aの外側から開口124dを介して電源ケーブル38を押し込むことで、円筒部124aが開口124dを開く方向に弾性変形して、電源ケーブル38が円筒部124aの内部に収容される。電源ケーブル38をケーブル保持部124から取り外す際には、円筒部124aの内側から開口124dを介して電源ケーブル38を引き出すことで、円筒部124aが開口124dを開く方向に弾性変形して、電源ケーブル38が円筒部124aの外部に取り出される。
ケーブルホルダ120では、バンド取付部122の第1直線部122a、第1折返し部122b、第2直線部122c、第2折返し部122dおよび第3直線部122eは、いずれも、角部が丸みを帯びた略正方形状の断面形状を有している。このため、ケーブルホルダ120を保持バンド76aに取り付けた状態で、ケーブルホルダ120を倒す方向の外力がケーブルホルダ120に作用した場合でも、ケーブルホルダ120は外力に逆らわずに倒れることができ、バンド取付部122が破損することを防止することができる。なお、第1直線部122a、第1折返し部122b、第2直線部122c、第2折返し部122dおよび第3直線部122eの断面形状は、転がりやすい断面形状であればどのような断面形状であってもよく、例えば、略円形状や略楕円形状などの角部を有さない形状であってもよいし、略六角形状、略八角形状など、角部が鈍角となる多角形状であってもよい。
ケーブルホルダ120では、バンド取付部122に保持バンド76aを出し入れする間隙122fが、保持バンド76aを取り付けたときに、保持バンド76aの両側端部とは対向しない位置に配置されている。このため、ケーブルホルダ120が保持バンド76aから不意に外れてしまうことを防止することができる。
ケーブルホルダ120では、円筒部124aが弾性変形することで、ケーブル保持部124の開口124dの間隔が変化する。このため、仮にケーブル保持部124が電源ケーブル38を保持した状態で、電源ケーブル38が取り付けられた電動機器(例えば電動工具)をユーザが誤って落下させた場合には、円筒部124aが弾性変形して開口124dが開き、電源ケーブル38がケーブル保持部124から離脱する。このような構成とすることで、電源ケーブル38が取り付けられた電動機器を誤って落下させた場合に、電源ケーブル38がケーブルホルダ120を支点とする振り子となって電動機器がユーザに衝突することを防止することができる。
あるいは、図20のケーブルホルダ120に代えて、図21のケーブルホルダ130を使用してもよい。ケーブルホルダ130は、バンド取付部132と、ケーブル保持部134を備えている。バンド取付部132は、X方向に平板状に延びる第1平板部132aと、第1平板部132aのX方向負方向の端部からZ方向負方向に緩やかに屈曲する折返し部132bと、折返し部132bからX方向正方向に緩やかに湾曲し、さらにZ方向正方向に緩やかに湾曲する湾曲部132cと、湾曲部132cからX方向正方向に平板状に延びる第2平板部132dと、第1平板部132aのX方向正方向の端部から外側に屈曲する第1案内部132eと、第2平板部132dのX方向正方向の端部から外側に屈曲する第2案内部132fを備えている。第1平板部132aと第2平板部132dの間には、間隙132gが形成されている。間隙132gの幅は、保持バンド76a、76bの厚さよりも小さい。ケーブルホルダ130を保持バンド76aに取り付ける際には、間隙132gを介して保持バンド76aをバンド取付部132に差し込む。この際に、湾曲部132cが弾性変形することで、保持バンド76aの大部分がバンド取付部132に入り込んだ状態で、第1平板部132aと第2平板部132dによって保持バンド76aが挟持される。
ケーブル保持部134は、第1湾曲部134aと、第2湾曲部134bと、第1湾曲部134aから外側に屈曲する第3案内部134cと、第2湾曲部134bから外側に屈曲する第4案内部134dを備えている。第1湾曲部134aと第2湾曲部134bは、Y方向正方向から平面視した時に、Z方向に長軸方向を有しており、Z方向正方向の端部が切り欠かれた楕円形状を形成している。第1湾曲部134aと第2湾曲部134bは、バンド取付部132の第1平板部132aと一体的に形成されている。第3案内部134cと第4案内部134dの間には、開口134eが形成されている。開口134eの間隔は、通常時は電源ケーブル38のケーブル径よりも小さい。ケーブル保持部134によって電源ケーブル38を保持する際には、ケーブル保持部134の外側から開口134eを介して電源ケーブル38を押し込むことで、第1湾曲部134aと第2湾曲部134bが開口134eを開く方向に弾性変形して、電源ケーブル38がケーブル保持部134の内部に収容される。電源ケーブル38をケーブル保持部134から取り外す際には、ケーブル保持部134の内側から開口134eを介して電源ケーブル38を引き出すことで、第1湾曲部134aと第2湾曲部134bが開口134eを開く方向に弾性変形して、電源ケーブル38がケーブル保持部134の外部に取り出される。
ケーブルホルダ130では、第1湾曲部134aと第2湾曲部134bが弾性変形することで、ケーブル保持部134の開口134eの間隔が変化する。このため、仮にケーブル保持部134が電源ケーブル38を保持した状態で、電源ケーブル38が取り付けられた電動機器(例えば電動工具)をユーザが誤って落下させた場合には、第1湾曲部134aと第2湾曲部134bが弾性変形して開口134eが開き、電源ケーブル38がケーブル保持部134から離脱する。このような構成とすることで、電源ケーブル38が取り付けられた電動機器を誤って落下させた場合に、電源ケーブル38がケーブルホルダ130を支点とする振り子となって電動機器がユーザに衝突することを防止することができる。
あるいは、図20のケーブルホルダ120に代えて、図22のケーブルホルダ140を使用してもよい。ケーブルホルダ140は、バンド取付部142と、ケーブル保持部144を備えている。バンド取付部142は、X方向に直線状に延びる第1直線部142aと、第1直線部142aのX方向正方向の端部からZ方向負方向に緩やかに屈曲して、さらにX方向負方向に緩やかに屈曲する第1折返し部142bと、第1折返し部142bからX方向負方向に直線状に延びる第2直線部142cと、第1直線部142aのX方向負方向の端部からZ方向負方向に緩やかに屈曲して、さらにX方向正方向に緩やかに屈曲する第2折返し部142dと、第2折返し部142dからX方向正方向に直線状に延びる第3直線部142eを備えている。第1直線部142a、第1折返し部142b、第2直線部142c、第2折返し部142dおよび第3直線部142eは、いずれも、角部が丸みを帯びた略正方形状の断面形状を有している。第2直線部142cと第3直線部142eは、同一直線状に配置されている。第2直線部142cの先端と第3直線部142eの先端の間には、保持バンド76a(または保持バンド76b)が通過可能な間隙142fが形成されている。ケーブルホルダ140を保持バンド76aに取り付けた状態では、第1直線部142a、第1折返し部142b、第2直線部142c、第2折返し部142dおよび第3直線部142eによって、保持バンド76aの周囲が囲われる。これによって、ケーブルホルダ140を保持バンド76aに確実に取り付けることができる。
ケーブル保持部144は、第1湾曲部144aと、第2湾曲部144bと、第1湾曲部144aから外側に屈曲する第1案内部144cと、第2湾曲部144bから外側に屈曲する第2案内部144dと、第1湾曲部144aから内側に平板状に延びる第1抜止め部144eと、第2湾曲部144bから内側に平板状に延びる第2抜止め部144fを備えている。第1湾曲部144aと第2湾曲部144bは、Y方向正方向から平面視した時に、Z方向に長軸方向を有しており、Z方向正方向の端部が切り欠かれた楕円形状を形成している。第1湾曲部144aと第2湾曲部144bは、バンド取付部142の第1直線部142aと一体的に形成されている。第1案内部144cと第2案内部144dの間には、開口144gが形成されている。開口144gの間隔は、通常時は電源ケーブル38のケーブル径よりも小さい。ケーブル保持部144によって電源ケーブル38を保持する際には、ケーブル保持部144の外側から開口144gを介して電源ケーブル38を押し込むことで、第1湾曲部144aと第2湾曲部144bが開口144gを開く方向に弾性変形して、電源ケーブル38がケーブル保持部144の内部に収容される。電源ケーブル38をケーブル保持部144から取り外す際には、第1案内部144cまたは第2案内部144dを掴んで、開口144gが開く方向に第1湾曲部144aまたは第2湾曲部144bを弾性変形させる。その上で、第1抜止め部144eと第2抜止め部144fの間に電源ケーブル38を位置合わせして、ケーブル保持部144の内側から開口144gを介して電源ケーブル38を引き出すことで、電源ケーブル38がケーブル保持部144の外部に取り出される。
ケーブルホルダ140では、バンド取付部142の第1直線部142a、第1折返し部142b、第2直線部142c、第2折返し部142dおよび第3直線部142eは、いずれも、角部が丸みを帯びた略正方形状の断面形状を有している。このため、ケーブルホルダ140を保持バンド76aに取り付けた状態で、ケーブルホルダ140を倒す方向の外力がケーブルホルダ140に作用した場合でも、ケーブルホルダ140は外力に逆らわずに倒れることができ、バンド取付部142が破損することを防止することができる。なお、第1直線部142a、第1折返し部142b、第2直線部142c、第2折返し部142dおよび第3直線部142eの断面形状は、転がりやすい断面形状であればどのような断面形状であってもよく、例えば、略円形状や略楕円形状などの角部を有さない形状であってもよいし、略六角形状、略八角形状など、角部が鈍角となる多角形状であってもよい。
ケーブルホルダ140では、バンド取付部142に保持バンド76aを出し入れする間隙142fが、保持バンド76aを取り付けたときに、保持バンド76aの両側端部とは対向しない位置に配置されている。このため、ケーブルホルダ140が保持バンド76aから不意に外れてしまうことを防止することができる。
ケーブルホルダ140では、ケーブル保持部144の開口144gの近傍に、第1抜止め部144eと第2抜止め部144fが形成されている。これによって、電源ケーブル38がケーブルホルダ140から不意に外れてしまうことを防止することができる。
なお、ケーブルホルダ120、130、140は、肩ベルト8a、8bの保持バンド76a、76bに取り付ける代わりに、他のバンド、例えば肩ベルト8a、8bの調節バンド80a、80bに取り付けてもよい。あるいは、ケーブルホルダ120,130,140は、腰ベルト10の保持バンド77や調節バンド81に取り付けてもよい。あるいは、ケーブルホルダ120,130,140は、ユーザが身に着けている他のバンド(図示せず)に取り付けてもよい。
1つまたはそれ以上の実施形態において、背負式電源装置2の本体部分4(バッテリ搭載機器の例)は、バッテリパック20a、20b、20c、20dが着脱可能に取り付けられるハウジング15と、バッテリパック20a、20b、20c、20dを覆うようにハウジング15に取り付けられており、回動軸周りに回動することで開閉するカバー16を備えている。本体部分4を載置した状態において、カバー16にカバー16を閉じる方向の力が作用する。
上記の構成によれば、本体部分4を載置した状態では、カバー16にカバー16を閉じる方向の力が作用するので、カバー16を確実に閉じておくことができる。このため、本体部分4に水がかかった場合でも、バッテリパック20a、20b、20c、20dが水に濡れてしまうことを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、本体部分4は、カバー16が閉じられた時に、カバー16の周縁を密閉するシール部材42をさらに備えている。
上記の構成によれば、本体部分4に水がかかった場合でも、バッテリパック20a、20b、20c、20dが水に濡れてしまうことを確実に防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、本体部分4は、カバー16を閉じる方向にカバー16を付勢する捩りバネ40(付勢部材の例)をさらに備えている。この場合、本体部分4を載置した状態において、カバー16に作用するカバー16を閉じる方向の力は、捩りバネ40による付勢力を含む。
上記の構成によれば、本体部分4を載置した状態でなくとも、捩りバネ40がカバー16を閉じる方向に付勢する。本体部分4を載置した状態でない時に、本体部分4に水がかかった場合でも、バッテリパック20a、20b、20c、20dが水に濡れてしまうことを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、本体部分4は、カバー16が閉じられた時に、カバー16が閉じられた状態を保持するラッチ部材44およびラッチ受け14c(ロック機構の例)をさらに備えている。
上記の構成によれば、カバー16を閉じた状態で、不意にカバー16を開く方向の力がカバー16に作用した場合でも、カバー16が閉じられた状態を保持することができる。バッテリパック20a、20b、20c、20dが水に濡れてしまう事態を確実に防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、背負式電源装置2の本体部分4(バッテリ搭載機器の例)は、バッテリパック20a、20b、20c、20dが着脱可能に取り付けられるハウジング15と、バッテリパック20a、20b、20c、20dを覆うようにハウジング15に取り付けられており、回動軸周りに回動することで開閉するカバー16と、カバー16を開いた状態で保持可能なカバー保持機構46を備えている。カバー保持機構46は、ユーザの操作に応じて、カバー16の回動動作と干渉する保持位置と、カバー16の回動動作と干渉しない開放位置の間で移動するカバー保持部材47を備えている。
上記の構成によれば、ハウジング15に対してバッテリパック20a、20b、20c、20dを着脱する際に、カバー保持機構46によってカバー16が開いた状態に保持することができるので、ユーザは、一方の手でカバー16を把持して開いた状態で保持する必要がない。バッテリパック20a、20b、20c、20dの着脱作業を容易に行うことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、カバー保持機構46は、カバー保持部材47を保持位置から開放位置へ向けて付勢する圧縮バネ54(第1付勢部材の例)をさらに備えている。
上記の構成によれば、バッテリパック20a、20b、20c、20dの着脱作業が終了した後は、圧縮バネ54の付勢力によって、カバー保持部材47を保持位置から開放位置へ復帰させることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、本体部分4は、カバー16を閉じる方向にカバー16を付勢する捩りバネ40(第2付勢部材の例)をさらに備えている。
上記の構成によれば、バッテリパック20a、20b、20c、20dの着脱作業を行わない状況において、カバー16を確実に閉じておくことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、本体部分4は、バッテリパック20a、20b、20c、20dからの電力を他の機器に出力する電源ケーブル38(電力出力部の例)をさらに備えている。本体部分4は、ユーザが肩にかける肩ベルト8a、8bを取り付け可能である。
上記の構成によれば、本体部分4を用いた背負式電源装置2を実現することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、カバー16の回動軸は、ハウジング15の長手方向に沿っている。
カバー16の回動軸がハウジング15の長手方向に直交している場合、カバー16を開閉する際にカバー16の先端が大きく回動することになり、ユーザの身体や周囲の物品と干渉しやすくなる。上記のように、カバー16の回動軸がハウジング15の長手方向に沿った構成とすることで、カバー16を開閉する際にカバー16の先端を小さく回動させることができ、ユーザの身体や周囲の物品と干渉しにくくすることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリパック20a、20b、20c、20dは、ハウジング15に対してスライド方向にスライドさせることで着脱可能である。スライド方向は、カバー16の回動軸に直交する面に対して略平行である。
上記の構成によれば、ハウジング15に対してカバー16を開いて、バッテリパック20a、20b、20c、20dをハウジング15に対してスライド方向にスライドさせる際に、カバー16が邪魔になることがない。バッテリパック20a、20b、20c、20dの着脱作業を容易に行うことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、バッテリパック20a、20b、20c、20dは、ハウジング15の長手方向に並んで配置されている。
上記の構成によれば、バッテリパック20a、20b、20c、20dのうちの一つ、例えばバッテリパック20aをハウジング15に対してスライド方向にスライドさせる際に、ハウジング15に取り付けられている他のバッテリパック20b、20c、20dが邪魔になることがない。バッテリパック20a、20b、20c、20dの着脱作業をより容易に行うことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、ケーブルホルダ120,130,140は、ユーザが身に着けた保持バンド76a(バンドの例)に対して着脱可能に取り付けられるバンド取付部122,132,142と、電源ケーブル38(ケーブルの例)を着脱可能に保持するケーブル保持部124,134,144を備えている。バンド取付部122,132,142とケーブル保持部124,134,144は、一体的に形成されている。
上記の構成によれば、バンド取付部122,132,142が保持バンド76aに対して着脱可能であるため、ユーザが身に着けた保持バンド76aを取り外すことなく、ケーブルホルダ120,130,140のみを取り外すことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、バンド取付部122,142は、間隙122f,142fを有しており、保持バンド76aの周囲を囲う形状を有している。
上記の構成によれば、間隙122f,142fを介して保持バンド76aをバンド取付部122,142に出し入れすることで、ケーブルホルダ120,140を保持バンド76aに着脱することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、バンド取付部122,142は、転がりやすい断面形状を有している。
上記の構成によれば、保持バンド76aに取り付けたケーブルホルダ120,140に、ケーブルホルダ120,140を倒す方向の外力が作用した場合に、外力に逆らわずにケーブルホルダ120,140が倒れるので、ケーブルホルダ120,140が損傷することを防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、ケーブル保持部124,134は、開口124d,134eを有する形状を有している。開口124d,134eの間隔は、通常時は電源ケーブル38のケーブル径よりも小さく、電源ケーブル38の着脱時はケーブル保持部124,134の弾性変形によって電源ケーブル38のケーブル径よりも大きくなる。
上記の構成によれば、開口124d,134eを介して電源ケーブル38をケーブル保持部124,134に出し入れすることで、電源ケーブル38をケーブルホルダ120,130に着脱することができる。また、上記の構成によれば、電源ケーブル38に大きな力が作用した場合、例えば電源ケーブル38に接続された機器が落下して電源ケーブル38が引っ張られた場合には、ケーブルホルダ120,130から電源ケーブル38が離脱して、ユーザが身に着けている保持バンド76aから電源ケーブル38が離れていく。このような構成とすることで、ユーザの安全を確保することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、ケーブルホルダ120,130,140が取り付けられる保持バンド76aは、背負式電源装置2の肩ベルト8aに設けられている。ケーブルホルダ120,130,140が保持する電源ケーブル38は、背負式電源装置2から伸びている。
上記の構成によれば、背負式電源装置2から伸びる電源ケーブル38を、ユーザの背中から肩を回り込んで胸前に這わせることで、電源ケーブル38が余ってたわんでしまう事を防止することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、背負式電源装置2(背負式機器の例)は、機器本体5と、ユーザが肩にかける肩ベルト8a,8bと、ユーザが腰に巻く腰ベルト10を備えている。腰ベルト10は、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも下方に位置する状態と、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも上方に位置する状態の間で切り替え可能である。背負式電源装置2は、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも上方に位置する状態で、機器本体5の下面を載置面に当接させて載置可能である。
上記の構成によれば、背負式電源装置2をユーザが背負って使用する際には、腰ベルト10を、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも下方に位置する状態とすることで、腰ベルト10の位置を自身の腰の位置に合わせることができ、ユーザの身体にかかる負担を軽減することができる。また、背負式電源装置2を載置する際には、腰ベルト10を、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも上方に位置する状態とすることで、機器本体5の下面を載置面に当接させて載置することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、機器本体5は、本体部分4と、本体部分4が着脱可能に取り付けられており、肩ベルト8a,8bと腰ベルト10が取り付けられる背負子部分6を備えている。
上記の構成によれば、本体部分4を背負子部分6から取り外した状態で、本体部分4の使用やメンテナンス等を行うことができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、背負子部分6は、肩ベルト8a,8bの上側端部が取り付けられる背板60と、腰ベルト10が取り付けられ、背板60に対して上下方向の位置を変更可能な支持板62と、支持板62の背板60に対する位置を固定するロック機構64を備えている。本体部分4および/または背板60によって、機器本体5の下面が形成されている。
上記の構成によれば、比較的簡素な構成で、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも下方に位置する状態と、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも上方に位置する状態を切り換えることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、腰ベルト10は、機器本体5に対して前後方向に延びる回動軸周りに回動可能に取り付けられている。腰ベルト10の回動軸は、腰ベルト10の上下方向の中央から離れた位置に配置されている。
上記の構成によれば、腰ベルト10を、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも下方に位置する状態から、機器本体5に対して回動軸周りに180度回転させることで、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも上方に位置する状態に切り換えることができる。比較的簡素な構成で、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも下方に位置する状態と、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも上方に位置する状態を切り換えることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、腰ベルト10は、面ファスナ105を介して機器本体5に着脱可能に取り付けられている。
上記の構成によれば、腰ベルト10の機器本体5に対する上下方向の取り付け位置を調整することで、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも下方に位置する状態と、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも上方に位置する状態を切り換えることができる。比較的簡素な構成で、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも下方に位置する状態と、腰ベルト10の下端が機器本体5の下面よりも上方に位置する状態を切り換えることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。